WO2007055235A1 - 乗員拘束装置 - Google Patents

Abstract

　シートクッションの座り心地が良く、しかもシートフレーム側部にインフレータ設置スペースを確保することが不要となる乗員拘束装置が提供される。シートパン５の上側に、膨張可能なシートバッグ２０が配置されている。シートバッグ２０は、座席の左右幅方向に延在している。インフレータ２３は、取付ブラケット２４を介してサイドフレーム１ａに取り付けられ、且つサイドフレーム１ａの上方に配置されている。ベースフレーム１上にシートクッション２５が配置されている。このシートクッション２５のサイド土手部２５ａの底面部には凹部２５ｂが設けられており、該凹部２５ｂ内にインフレータ２３が配置されている。

Description

明 細 書

乗員拘束装置

発明の分野

[0001] 本発明は、車両の衝突時に乗員を拘束するための乗員拘束装置に係り、特にシー トクッションの前部の下側に設けられたシートバッグ及び Z又は乗員の前面側に引き 回されるエアベルトと、該シートバッグ及び Z又はエアベルトにガスを供給するインフ レータとを有する車両用乗員拘束装置に関する。

発明の背景

[0002] 自動車の乗員を衝突時に拘束するシステムとして、シートベルトを装着して 、ても前 衝突時に乗員がラップベルトの下側をくぐり抜けようとするサブマリン現象を防止する ために、車両衝突時にシートクッションの前部を高くする装置が提案されている。例え ば特開 2002— 79861号にはエアバッグによってシートクッション前端部を押し上げ るようにした車両用シートが記載されている。同号公報では、インフレータはシートタツ シヨンの腿下部の下側のシートパン上に設置されている。

[0003] また、乗員拘束装置として、シートベルトの一部（例えばショルダーベルト部及び Z 又はラップベルト部）にエアバッグを付設する力、シートベルトの一部をエアバッグで 構成したエアベルト装置、膨張式シートベルト装置等と称されるものが公知である。

[0004] 特開 2002— 145002号には、シートクッション前部のシートバッグと、エアベルトの ショルダーベルト部及びラップベルト部との 3者を膨張させて乗員を拘束するようにし た乗員拘束装置が開示されている。同号公報には、該シートバッグと、ショルダーべ ルト部及びラップベルト部とを 1個のインフレータにより膨張させるようにした構成が示 されている。

[0005] この特開 2002— 145002号の乗員拘束装置においては、膨張式のショルダーべ ルト部及びラップベルト部の一端がそれぞれ別個のトングに連結されており、各トング を介して該ショルダーベルト部及びラップベルト部がそれぞれバックル装置にラッチさ れる。このバックル装置と各トングとには、インフレータからのガスを該ショルダーベル ト部及びラップベルト部にそれぞれ供給するためのガス供給路が設けられている。こ のインフレータはシートフレームの左サイド部に設けられている。

[0006] 特開 2000— 25545号には、インフレータからのガスによってバッグを膨張させるよ うにしたエアベルト装置において、インフレータをエアベルト用アンカに設けることが 記載されている。

特許文献 1 :特開 2002— 79861号公報

特許文献 2：特開 2000 - 25545号公報

特許文献 3 :特開 2002— 145002号公報

[0007] インフレータをシートパンの上側に配置したのでは、その部分でシートクッションの 厚みが小さくなり、シートクッションの座り心地が悪くなる。

[0008] インフレータをシートフレームの側部に設ける場合、インフレータ設置用スペースを シートフレーム側部に確保する必要があり、座席の設計上の自由度が小さくなる。 発明の概要

[0009] 本発明は、シートクッションの座り心地が良ぐし力もシートフレーム側部にインフレ ータ設置スペースを確保することが不要となる乗員拘束装置を提供することを目的と する。

[0010] 本発明の乗員拘束装置は、ノ ッグを有し、シートクッションの下側に設けられたシー トバッグと、バッグを有し乗員の前面側に引き回されるエアベルトとの少なくとも一方と 、該バッグにガスを供給するインフレ一タとを有する車両用乗員拘束装置において、 該インフレータがシートクッションのサイド部の内部及びシートバックのサイド部の内 部の少なくとも一方に配置されていることを特徴とするものである。

[0011] 第 1アスペクトの乗員拘束装置は、シートクッションの下側に設けられたシートバッグ と、該シートバッグにガスを供給するインフレ一タとを有する車両用乗員拘束装置に おいて、該インフレータがシートクッション又はシートバックのサイド部の内部に配置さ れて 、ることを特徴とするものである。

[0012] 第 2アスペクトの乗員拘束装置は、乗員の前面側に引き回されるエアベルトと、該ェ ァベルトにガスを供給するインフレ一タとを有する車両用乗員拘束装置において、該 インフレータがシートクッション又はシートバックのサイド部の内部に配置されているこ とを特徴とするものである。 [0013] 第 3アスペクトの乗員拘束装置は、シートクッションの下側に設けられたシートバッグ と、乗員の前面側に引き回されるエアベルトと、該シートバッグ及びエアベルトにガス を供給するインフレ一タとを有する車両用乗員拘束装置にぉ 、て、該インフレータが シートクッション又はシートバックのサイド部の内部に配置されていることを特徴とする ものである。

[0014] 本発明の乗員拘束装置は、前記シートクッションのサイド部の底面又はバッククッシ ヨンのサイド部の背面に凹部が設けられ、該凹部に前記インフレータが配置されてい てもよい。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1]シートクッションの図示を省略した、実施の形態に係る乗員保護装置を備えた 座席のフレーム部分の斜視図である。

[図 2]図 1の II— II線に沿う、シートクッションを備えた座席の断面図である。

[図 3]別の実施の形態に係る乗員保護装置を備えた座席のフレーム部分の斜視図で ある。

圆 4]別の実施の形態に係る乗員保護装置を備えた座席のフレーム部分の斜視図で ある。

[図 5]別の実施の形態に係る乗員保護装置を備えた座席のフレーム部分の斜視図で ある。

詳細な説明

[0016] 本発明では、シートクッション又はシートバックのサイド部の内部にインフレ一タを配 置して 、るので、シートクッションの着座部分 (尻下部及び腿下部）の厚みが減じられ ることはなく、座席の座り心地が良好である。また、シートフレームの側部にインフレ一 タ設置スペースを確保することが不要となる。

[0017] 本発明では、シートバッグのみ又はエアベルトのみを備えた構成であってもよぐシ ートバッグとエアベルトの双方を備えた構成であってもよい。

[0018] シートバッグとエアベルトの双方を備えた場合、これらを共通のインフレータによつ て膨張させるようにしてもよぐ別個のインフレータで膨張させるようにしてもょ 、。

[0019] 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 [0020] 第 1図は実施の形態に係る乗員拘束装置を備えた自動車の座席のフレームの斜 視図であり、第 2図は第 1図の II II線断面図である。なお、第 1図ではシートクッショ ン 25の図示が省略されて!、る。

[0021] 自動車の座席を構成するフレームは、ベースフレーム 1と、該ベースフレーム 1に対 し支軸 2及びリクライニングデバイス（図示略)を介して回動可能に連結されたバックフ レーム 3とからなる。該バックフレーム 3の上部にヘッドレスト 4が取り付けられる。

[0022] ベースフレーム 1は、左右のサイドフレーム la, lbと、これらのサイドフレーム la, 1 bの前部同士の間に架設されたシートパン 5等を備えている。 6はシートベルト用ショ ルダーアンカ、 7はシートベルトリトラクタを示す。

[0023] このシートパン 5の上側に、膨張可能なシートバッグ 20が配置されている。このシー トバッグ 20は、座席の左右幅方向に延在している。このシートバッグ 20の長手方向（ 左右方向）両端部には耳状の固定片 21が設けられており、これらの固定片 21が該 シートパン 5に対しそれぞれボルト（符号略)留めされている。

[0024] 図示は省略する力 このシートバッグ 20は、細長く折り畳まれたバッグ本体と、該バ ッグ本体の折り畳み体を囲む筒状のメッシュゥェビングとを備えて 、る。メッシュゥェビ ングは、径方向には自在に伸長するが、長手方向（座席の左右方向）には殆ど伸長 しな 、編物にて構成されて 、る。

[0025] このシートバッグ 20の長手方向の一端側にガス導入口が設けられており、このガス 導入口に、後述のインフレータ 23からのガス供給パイプ 22が接続されている。インフ レータ 23は、取付ブラケット 24を介してサイドフレーム laに取り付けられ、且つサイド フレーム laの上方に配置されて!、る。

[0026] このベースフレーム 1上にシートクッション 25が配置されている。このシートクッション

25のサイド土手部 25aの底面部には凹部 25bが設けられており、該凹部 25b内にィ ンフレータ ₂₃が配置されて 、る。

[0027] なお、この実施の形態では、インフレータ 23は略円柱状であり、シートの前後方向 に延在している。従って、凹部 25bもシートの前後方向に延在している。

[0028] 座席乗員の前面に沿ってゥヱビング 31が引き回されるようになつている。このゥヱビ ング 31は非膨張式の通常のベルト材料力もなるものである。このゥェビング 31の途中 部分はトング 33の掛通部 (スルーアンカ：符号略）に掛通されている。このゥェビング 3 1の後端側は、車室側面 (ビラ一部等）の上部に設けられたショルダーアンカ 6に掛通 されると共に、シートベルトリトラクタ 7に対し巻き取り可能に連結されている。

[0029] ゥェビング 31の先端側がアンカ部 32を介してサイドフレーム laに連結されている。

[0030] サイドフレーム lbの外側面には、トング 33が着脱可能に連結されるバックル装置 1 2が設けられている。

[0031] このように構成された第 1, 2図の乗員拘束装置を備えた車両が所定規模以上の前 突に遭遇すると、インフレータ 23が作動し、該インフレータ 23からのガスがノィプ 22 を介してシートバッグ 20に供給され、シートバッグ 20が膨張することにより、乗員の腰 部の前進が拘束される。

[0032] この実施の形態では、インフレータ 23がシートクッション 25のサイド土手部 25a内に 配置されており、シートクッション 25の尻下部及び腿下部の厚さが十分に大きぐ座り 心地が良好である。また、サイドフレーム laの外側面にインフレータ配置用スペース を確保することが不要である。

[0033] 第 3図は別の実施の形態に係る座席フレームの斜視図である。

[0034] この実施の形態では、ゥヱビング 31の先端にラップバッグ 34の一端が接続され、該 ラップバッグ 34の他端側がアンカ部 32を介してサイドフレーム laに連結されている。

[0035] このラップバッグ 34は、図示はしな 、が、膨張可能なバッグ本体と、該バッグ本体を 覆う筒状のカバーとからなる。該バッグ本体は、平常時には、細長く且つ平たく折り畳 まれた状態となっている。該カバーは、この実施の形態では、ノッグ本体が非膨張状 態にあるときには該バッグ本体の折り畳み体の外周にフィットする大きさとなっている 力 バッグ本体が膨張したときには、周方向に伸長して該バッグ本体の膨張を許容す るよう構成されている。

[0036] なお、この実施の形態では、該カバーは、周方向には自在に伸長するが長手方向 には殆ど伸長しない、前述のシートバッグ 20のメッシュゥヱビングと同様の編物にて 構成されている。そのため、ノ ッグ本体が膨張したときには、カバーの周方向への伸 長に伴い、カバーの網目が該周方向に広がり、その結果としてカバーの長手方向の 大きさが小さく（短く）なる。これにより、ゥ ビング 31が引き締まり、乗員身体に密着す るようになる。

[0037] このラップバッグ 34にはダクト 35及びマ-ホールド 40を介してインフレータ 23から ガスが導入される。

[0038] この実施の形態では、前記パイプ 22は該マ-ホールド 40とシートバッグ 20とを接 続している。マ-ホールド 40はブラケット 41を介してサイドフレーム laに取り付けられ 、該サイドフレーム laの上方に配置されている。このマ-ホールド 40もシートクッショ ン 25の凹部 25b内に配置されている。

[0039] 第 3図のその他の構成は第 1図と同様であり、同一符号は同一部分を示している。

[0040] このように構成された第 3図の乗員拘束装置を備えた車両が所定規模以上の前突 に遭遇すると、インフレータ 23が作動し、該インフレータ 23からのガスがパイプ 22及 びダクト 35を介してシートバッグ 20及びラップバッグ 34に供給され、これらのバッグ 2 0, 34が膨張する。シートバッグ 20が膨張することにより、乗員の腰部の前進が拘束 される。ラップバッグ 34が膨張することによつても、乗員の腰部やその近傍が拘束さ れると共に、衝撃が吸収される。また、ラップバッグ 34が膨張すると、該ラップバッグ 3 4の長手方向の長さが短くなつてゥ ビング 31が引き締まり、乗員の上半身が拘束さ れる。

[0041] 第 4図はインフレータ 23Aが 2室の火薬収容室と、各室にそれぞれ設けられた点火 器と、各室にそれぞれ形成されたガス噴出口とを有したデュアルタイプインフレータと なっている。このインフレータ 23Aも略円柱形であり、前後両端にそれぞれガス噴出 口が設けられている。

[0042] 前側の該ガス噴出口にパイプ 22が接続され、後側のガス噴出口にダクト 35が接続 されている。インフレータ 23Aの前側の室の火薬が点火されると、シートバッグ 20が 膨張し、後側の室の火薬が点火されると、ラップバッグ 34が膨張する。

[0043] このインフレータ 23Aもシートクッション 25 (第 4図では図示略）の凹部 25bに収容さ れている。第 4図のその他の構成は第 3図と同様であり、同一符号は同一部分を示し ている。

[0044] 上記実施の形態ではインフレータ 23をベースフレーム 1に取り付けている力 第 5 図のようにバックフレーム 3に取り付けてもよい。このインフレータ 23の噴出ガスは、ダ タト 42、マ-ホールド 43を経てラップバッグ 34に供給可能とされていると共に、さらに パイプ 22を介してシートバッグ 20に供給可能とされている。

[0045] インフレータ 23は、略円柱状であり、上下方向に配置されている。インフレータ 23 はバックフレーム 3の前方に位置し、ブラケット 51によってバックフレーム 3に取り付け られている。このインフレータ 23は、シートバックのバッククッション（図示略）のサイド 部の背面に設けられた凹部に収容されている。第 5図ではシートバッグ 20とラップバ ッグ 34の双方を設けている力 シートバッグ 20のみを設けてもよい。

[0046] 本発明では、エアベルトのみが設けられた構成であってもよい。シートバッグとエア ベルトの双方が設けられて 、る場合、シートバッグ用インフレータとエアベルト用イン フレータとを別個に設けてもょ 、。

[0047] 本発明では、インフレータによってさらにサイドエアバッグ（図示略）等の他のバッグ を膨張させるように構成してもよ ヽ。

[0048] 上記の各実施の形態は本発明の一例を示すものであり、本発明は上記実施の形 態に限定されるものではない。

なお、本出願は、 2005年 11月 14日付で出願された日本特許出願 (特願 2005—

329092)に基づいており、その全体が引用により援用される。

Claims

請求の範囲

[1] バッグを有し、シートクッションの下側に設けられたシートバッグと、バッグを有し乗 員の前面側に引き回されるエアベルトとの少なくとも一方と、

該バッグにガスを供給するインフレ一タとを有する車両用乗員拘束装置において、 該インフレータがシートクッションのサイド部の内部及びシートバックのサイド部の内 部の少なくとも一方に配置されていることを特徴とする乗員拘束装置。

[2] 請求項 1において、前記シートクッションのサイド部の底面又はバッククッションのサ イド部の背面に凹部が設けられ、該凹部に前記インフレータが配置されていることを 特徴とする乗員拘束装置。

[3] 請求項 2において、前記インフレータは、シートのサイドフレームに取り付けられて

Vヽることを特徴とする乗員拘束装置。

[4] 請求項 3において、該インフレータは、サイドフレームの上方に配置されていること を特徴とする乗員拘束装置。

[5] 請求項 4において、前記インフレータは前後方向に延在していることを特徴とする 乗員拘束装置。

[6] 請求項 2において、前記インフレータは、シートのバックフレームに取り付けられて

Vヽることを特徴とする乗員拘束装置。

[7] 請求項 6において、該インフレータは、ノ ックフレームの前方に配置されていること を特徴とする乗員拘束装置。

[8] 請求項 7において、前記インフレータは上下方向に延在していることを特徴とする 乗員拘束装置。

[9] 請求項 1にお 、て、前記インフレータによってガスが供給されるサイドエアバッグを さらに備えたことを特徴とする乗員拘束装置。