WO2006129465A1

WO2006129465A1 - 手術器具

Info

Publication number: WO2006129465A1
Application number: PCT/JP2006/309588
Authority: WO
Inventors: Hiroyuki Takahashi
Original assignee: Olympus Medical Systems Corp.
Priority date: 2005-06-01
Filing date: 2006-05-12
Publication date: 2006-12-07
Also published as: JP2006334094A; CN101180002B; JP4398406B2; CN101180002A; US20090270771A1

Abstract

　超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子にて発生した超音波振動を先端部に伝達する超音波プローブと、前記超音波プローブの先端部に対して近接位置と離間位置とを移動して処置対象の生体組織を前記超音波プローブの先端部との間に把持可能に構成された把持部材と、前記把持部材に設けられて前記生体組織へ高周波電流を供給する導電性の材料からなる導電部材と、前記導電部材と前記超音波プローブとの間の前記把持部材に設けられて、前記導電部材と前記超音波プローブとの接触を阻止すると共に前記導電部材の前記超音波プローブ側の一面の一部を露出させる形状に形成された非導電性の材料からなる非導電部材と、を具備し、生体組織に対して高周波電流を効果的に通電可能にする。

Description

明細書

手術器具

技術分野

[0001] 本発明は、超音波振動によって生体組織の切除あるいは凝固する処置にカ卩え、高周波電流による処置を行える手術器具に関する。

背景技術

[0002] 従来、体腔内に細長の挿入部を挿入することにより、体腔内臓器等を観察する内視鏡を利用し、必要に応じて内視鏡観察下で各種治療処理を可能にする手術器具が開発されている。

[0003] 例えば、特開 2004— 216180公報（以下、文献 1)では、超音波凝固切開装置と電気メスを組合わせた装置が開示されている。文献 1の装置は、処置部が、把持部材とプローブからなり、組織をこの両部材で把持して、プローブを超音波振動することにより、該当組織を凝固切開するものである。また、把持部材とプローブの間に、生体組織を把持して把持部材あるいはプローブの一方又は両方に電気メスの高周波電流を通電することで、組織を凝固する手法も開示されている。更に、電気メスの対極板を使用することなぐ生体組織を把持部材とプローブとによって把持し、把持部材とブロープの間に電気メスの高周波電流を流して処置する手法も開示されている。

[0004] また、特開平 11— 318919号公報 (以下、文献 2)においても、超音波凝固切開装置と電気メスを組合わせた装置が開示されている。文献 2の装置は、処置部が、ジョ一とプローブからなり、組織をこの両部材で把持して、プローブを超音波振動することにより、該当組織を凝固切開するものである。また、ジョ一とプローブの間に、生体組織を把持して、ジョ一とプローブの間に電気メスの高周波電流を通電することで、組織を凝固する手法も開示されている。また、文献 2の装置には、出力制御用のフットスイッチを接続することができ、一方のペダルを踏むと高い超音波出力と低い電気メス出力が発生し、他方のペダルを踏むと低い超音波出力と高い電気メス出力が発生する出力制御の手法が開示されている。

[0005] また、特開 2000— 126198公報（以下、文献 3)においては、超音波凝固切開用のシザースの構成に関する発明が開示されている。文献 3の装置では、ジョ一とプロ一ブの間に、生体組織を把持して、プローブを超音波振動することで、生体組織を凝固、切開する。また、生体組織を適切に凝固、切開するために、ジョ一の生体組織と接触する部分 (プローブ側)は、榭脂で構成されて、ることが開示されて、る。

[0006] 上述したように、文献 1, 2においては、把持部材 (ジョ一)とプローブの間に高周波電流を通電して、生体組織を凝固する装置が開示されている。このような超音波凝固切開処置具の把持部材は、通常、文献 3に示されているように、榭脂で構成されている。

[0007] 把持部材を構成する榭脂は、プローブ先端との間で生体組織を適切に把持して、プローブの超音波振動による摩擦熱で組織をタンパク質変性させ、凝固切開するのに必要不可欠なものである。更に、生体組織を切除後に、把持部材とプローブとが接触することになるが、超音波振動するプローブに把持部材が接触しても、機器の磨耗を最小限に抑え、破壊を防ぐ効果を有するものである。

[0008] ところで、電気メス利用時には、把持部材とプローブの間の生体組織に対して高周波電流を通電する必要がある。し力しながら、榭脂の電気抵抗は比較的高いことから、高周波電流を流しにくぐ電気メスとしての動作を阻害してしまうという問題があった

[0009] 本発明は力かる問題点に鑑みてなされたものであって、把持部材を榭脂と通電部材とによって構成することにより、把持部材とプローブとの間に把持された生体組織に対して高周波電流を効果的に通電可能にすることができる手術器具を提供することを目的とする。

発明の開示

課題を解決するための手段

[0010] 本発明に係る手術器具は、超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子にて発生した超音波振動を先端部に伝達する超音波プローブと、前記超音波プローブの先端部に対して近接位置と離間位置とを移動して処置対象の生体組織を前記超音波プローブの先端部との間に把持可能に構成された把持部材と、前記把持部材に設けられて前記生体組織へ高周波電流を供給する導電性の材料からなる導電部材と、前記導電部材と前記超音波プローブとの間の前記把持部材に設けられて、前記導電部材と前記超音波プローブとの接触を阻止すると共に前記導電部材の前記超音波プローブ側の一面の一部を露出させる形状に形成された非導電性の材料力もなる非導電部材と、を具備したことを特徴とする。

図面の簡単な説明

[0011] [図 1]本発明の第 1の実施の形態に係る手術器具である電気メス付き超音波シザースを示す説明図。

[図 2]図 1の手術器具を含むシステム全体の構成を示すブロック図。

[図 3]実施の形態の作用を説明するための説明図。

[図 4]実施の形態の作用を説明するための説明図。

[図 5]本発明の第 2の実施の形態を示す説明図。

[図 6]本発明の第 2の実施の形態を示す説明図。

[図 7]本発明の第 3の実施の形態を示す説明図。

[図 8]本発明の第 3の実施の形態を示す説明図。

[図 9]第 2及び第 3の実施の形態の変形例を示す説明図。

[図 10]第 2及び第 3の実施の形態の変形例を示す説明図。

発明を実施するための最良の形態

[0012] 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図 1は本発明の第 1の実施の形態に係る手術器具である電気メス付き超音波シザースを示す説明図である。また、図 2は図 1の手術器具を含むシステム全体の構成を示すブロック図である。

[0013] 先ず、図 2を参照してシステム全体の構成について説明する。

[0014] 電気メス付き超音波シザース 4は、超音波ケーブル 3を介して超音波出力装置 2に接続される。超音波出力装置 2には、超音波フットスィッチ 1が接続されている。超音波フットスィッチ 1は、ユーザ操作に基づいて、超音波出力装置 2に対して、超音波出力のオンオフを指示する。超音波出力装置 2は、超音波フットスィッチ 1によるオンオフの指示に基づいて、超音波出力を発生する。この超音波は、超音波ケーブル 3 を介して電気メス付き超音波シザース 4に供給されるようになって、る。 [0015] また、電気メス付き超音波シザース 4は、電気メスケーブル 7を介して電気メス出力装置 6に接続される。電気メス出力装置 6には、電気メスフットスィッチ 5が接続されている。電気メスフットスィッチ 5は、ユーザ操作に基づいて、電気メス出力装置 6に対して、高周波電流出力のオンオフを指示する。電気メス出力装置 6は、電気メスフットスイッチ 5によるオンオフの指示に基づいて、高周波電流を発生する。この高周波電流は、電気メスケーブル 7を介して電気メス付き超音波シザース 4に供給されるようになつている。

[0016] 電気メス付き超音波シザース 4は、供給された超音波出力を、後述する超音波振動子 12により、電気エネルギーから機械的エネルギーに変換し、後述する先端処置部 15において超音波振動を発生させる。また、電気メス付き超音波シザース 4は、供給された高周波電流を、先端処置部 15から生体組織に伝達する。

[0017] 図 1は電気メス付き超音波シザース 4の具体的な構成を示してヽる。

[0018] 図 1において、電気メス付き超音波シザース 4には、振動子 12が内蔵されている。この振動子 12には、超音波ケーブル 3を介して、超音波出力装置 2からの超音波出力が供給される。振動子 12は、超音波出力装置 2で発生した超音波出力である電気信号を機械的振動に変換することで超音波振動する。

[0019] 振動子 12は超音波プローブ 13の一端が接続されている。プローブ 13の他端は電気メス付き超音波シザース 4の本体 16から突出しており、プローブ 13は、振動子 12 に発生した超音波振動が伝達されるようになって!/ヽる。

[0020] また、電気メス付き超音波シザース 4には、伝達部材 10も内蔵されてヽる。電気メス出力装置 6からのパイボーラ高周波電流は、電気メスケーブル 7を介して、振動子 12 及び伝達部材 10に入力される。振動子 12は、入力されたバイポーラ高周波電流をプローブ 13に伝達するようになっている。

[0021] 導電材料で構成された伝達部材 10は先端側が電気メス付き超音波シザース 4の本体 6先端に延出している。伝達部材 10の先端は、把持部材 11に接続されている。伝達部材 10は、入力されたパイボーラ高周波電流を把持部材 11に伝達するようになつている。

[0022] プローブ 13の先端部と把持部材 11とによって先端処置部 15が構成される。先端処置部 15を構成するプローブ 13の先端部には超音波振動が伝達され、プローブ 13 の先端部に生体組織が接触することで、超音波振動を生体組織に伝達することができるようになつている。

[0023] 本実施の形態においては、先端処置部 15を構成する把持部材 11は、導電部材としての通電部材 1 la及び非導電部材としての榭脂部材 1 lbによる 2層構造を有する。通電部材 11aは、伝達部材 10が接続されており、伝達部材 10を介して高周波電流が供給されるようになっている。通電部材 11aは、プローブ 13側の一面に榭脂部材 l ibが取り付けられている。榭脂部材 l ibは、通電部材 11aよりもサイズが小さぐ電気メス付き超音波シザース 4の先端側にぉ、て、通電部材 1 laは榭脂部材 1 lbに覆われて、な、部分を有する。

[0024] 把持部材 11は、基端側が図示しない枢軸によって回動自在に支持されている。把持部材 11が枢軸を中心にプローブ 13側に回動することによって、プローブ 13の先端部と把持部材 11とは対畤可能に構成されている。この場合において、把持部材 1 1の榭脂部材 l ibは、先端がプローブ 13の先端力も所定長さの位置に位置し、通電部材 11aは、先端がプローブ 13の先端と略等しい位置に位置する。これにより、把持部材 11の通電部材 11aは、先端側の所定長さの部分が榭脂部材 l ibを介することなぐプローブ 13に対向することになる。把持部材 11が枢軸を中心にプローブ 13側に回動することによって、把持部材 11とプローブ 13との間に生体組織を挟み込むことができるようになって!/、る。

[0025] 即ち、プローブ 13に面して、把持部材 11には榭脂部材 l ibが構成されており、榭脂部材 l ibとプローブ 13との間に生体組織を挟み込むことができる。また、把持部材 11の先端側は、榭脂部材 1 lbに覆われて、な、通電部材 1 laがプローブ 13に面しており、プローブ 13と通電部材 11aとの間にも生体組織を挟み込むことができるようになっている。

[0026] つまり、本実施の形態においては、プローブ 13と榭脂部材 l ibとの間に生体組織を挟み込むことができると共に、プローブ 13と通電部材 11aとの間にも生体組織を挟み込むことができるようになって!/、る。

[0027] プローブ 13と榭脂部材 l ibとの間に生体組織を挟み込むことによって、プローブ 1 3の超音波振動を生体組織に伝達して、生体組織を凝固及び切開処置する等の超音波処置を施すことができる。また、プローブ 13と通電部材 11aとの間に生体組織を挟み込むことによって、プローブ 13と通電部材 11aとの間の生体組織に高周波電流を流すことができ、焼灼、凝固等の電気メス処置を施すことができる。

[0028] 次に、このように構成された実施の形態の作用について図 3及び図 4を参照して説明する。図 3及び図 4は夫々生体組織に対する超音波を用いた処置及び電気メスを用いた処置を説明するための説明図である。

[0029] いま、生体組織に対して超音波処置を施すものとする。この場合には、プローブ 13 と把持部材 11の榭脂部材 l ibとの間に、生体組織を挟み込む。図 3はこの状態を示しており、生体組織 23は、先端処置部 15において、プローブ 13の先端部と榭脂部材 l ibとの間に挟み込まれている。この状態で、オペレータが超音波フットスィッチ 1 を操作すると、音波出力装置 2は超音波出力を発生する。この超音波は、超音波ケ一ブル 3を介して電気メス付き超音波シザース 4に供給される。

[0030] 電気メス付き超音波シザース 4では、振動子 12に超音波出力が与えられる。振動子 12は超音波出力を超音波振動に変換してプローブ 13に伝達する。プローブ 13に伝達された超音波振動は、プローブ 13の先端部から、榭脂部材 l ibとプローブ 13との間に挟まれた生体組織に伝達される。

[0031] 生体組織 23は、プローブ 13と榭脂部材 l ibとの間に挟み込まれている。榭脂部材 l ibは、榭脂の特性によって、プローブ 13の先端部との間で適切に生体組織 23を把持することを可能にする。これにより、プローブ 13の超音波振動による摩擦熱によつて、生体組織 23を確実に凝固、切開処理することができる。

[0032] また、生体組織に対して電気メス処置を施すものとする。この場合には、プローブ 2 3と把持部材 11の通電部材 11aとの間に、生体組織を挟み込む。図 4はこの状態を示しており、生体組織 23 'は、先端処置部 15において、プローブ 13の先端部と通電部材 11 aとの間に挟み込まれている。この状態で、オペレータが電気メスフットスイツチ 5を操作すると、電気メス出力装置 6は高周波電流を出力する。電気メス出力装置 6からの高周波電流は、電気メスケーブル 7を介して電気メス付き超音波シザース 4に供給される。 [0033] 電気メス付き超音波シザース 4では、高周波電流は伝達部材 10及び振動子 12に与えられる。伝達部材 10は高周波電流を先端側に伝送して把持部材 11の通電部材 11aに与える。また、振動子 12に供給された高周波電流はプローブ 13に伝達される。こうして、プローブ 13と通電部材 11aとの間に挟み込まれた生体組織 23 'に高周波電流を流して、電気メス処置が行われる。

[0034] 本実施の形態にぉ、ては、通電部材 1 laが先端側にぉ、て榭脂部材 1 lbに覆われることなくプローブ 13に面していることから、生体組織を 23 'をプローブ 23と把持部材 11の通電部材 11aとの間に挟み込む場合においても、生体組織 23 'を榭脂部材 1 lbを介することなぐ直接通電部材 1 laに接触させることができる。

[0035] 即ち、生体組織 23 'とプローブ 13との間及び生体組織 23 'と通電部材 11aとの間には高抵抗の部材が介在しないので、生体組織 23 'に効果的に高周波電流を流すことができ、高効率の電気メス処置が可能である。

[0036] また、通電部材 11aとプローブ 13との間には榭脂部材 l ibが設けられており、把持部材 11とプローブ 13とを生体組織 23 'を介在させることなく対畤させた場合でも、通電部材 11aとプローブ 13とは接触しない。これにより、バイポーラ高周波電流による電気メス処置が可能である。

[0037] このように本実施の形態にお!、ては、把持部材を通電部材と榭脂部材との 2層構造とし、榭脂部材の先端側の長さを通電部材よりも短くすることにより、超音波凝固切開時には榭脂部材とプローブとの間に生体組織を把持し、電気メス処置時には通電部材とプローブとの間に生体組織を把持することを可能にする。これにより、電気メス処置時において高周波電流を生体組織に流しやすくする。こうして、伝達超音波凝固切開機能を損なうことなぐパイポーラ高周波電流による、生体組織の凝固等を可能にしている。

[0038] なお、プローブ 13の軸方向に対する榭脂部材 l ibの長さを通電部材 11aの長さよりも短くしておけばよぐこの榭脂部材 1 lbの通電部材 1 laに対する長さを変えることで、超音波振動により生体組織を凝固切開できる長さ、パイボーラ高周波電流より生体組織を凝固できる長さを、変更することができることは言うまでもない。

[0039] また、本実施の形態における把持部材を用いてモノポーラ高周波電流を利用した電気メス装置を構成することも可能である。

[0040] 図 5及び図 6は本発明の第 2の実施の形態を示す説明図である。図 5は図 3に対応した説明図であり、図 6は図 5をプローブ 13の先端方向から見た状態を示している。

[0041] 本実施の形態は把持部材 11に代えて把持部材 31を採用した点が第 1の実施の形態と異なる。

[0042] 把持部材 31は、通電部材 3 la及び榭脂部材 3 lb, 31cによる 2層構造を有する。

通電部材 31aには、伝達部材 10 (図 1参照）が接続されており、伝達部材 10を介して高周波電流が供給されるようになっている。通電部材 11aは、プローブ 13側の一面に榭脂部材 31b, 31cが取り付けられている。榭脂部材 31b, 31cは、通電部材 31a よりもサイズが小さぐ通電部材 31aは榭脂部材 31b, 31cに覆われていない部分を有する。

[0043] 把持部材 31は、基端側が図示しない枢軸によって回動自在に支持されている。把持部材 31が枢軸を中心にプローブ 13側に回動することによって、プローブ 13の先端部と把持部材 31とは対畤可能に構成されて、る。把持部材 31が枢軸を中心にプローブ 13側に回動することによって、把持部材 31とプローブ 13との間に生体組織を挟み込むことができるようになって!/、る。

[0044] 本実施の形態においては、把持部材 31の榭脂部材 31b, 31cは、夫々通電部材 3 laの基端側と先端側とに設けられており、通電部材 31aのプローブ 13軸方向の中央には榭脂部材 31b, 31cが設けられておらず、この中央部分において、通電部材 31 aは表面が露出している。これにより、把持部材 31の通電部材 31aは、中央の所定長さの部分が榭脂部材 31b, 31cを介することなぐプローブ 13に対向することになる。

[0045] このように構成された実施の形態にお!、ては、超音波処置及び電気メス処置の!/、ずれの場合においても、生体組織 33をプローブ 13と榭脂部材 31b, 31c相互間に挟み込む。

[0046] 図 5に示すように、生体組織 33をプローブ 13と把持部材 31との間に挟み込んだ場合には、生体組織 33が榭脂部材 31b, 31cに押されて変形して、生体組織 33の一部が榭脂部材 31b, 31c相互間に入り込み、通電部材 31aに接触する。つまり、本実施の形態においては、プローブ 13と榭脂部材 31b, 31cとの間に生体組織 33を挟み込むことによって、生体組織 33はプローブ 13及び榭脂部材 31b, 31cだけでなく通電部材 31aにも直接接触することになる。

[0047] この状態で、オペレータが超音波フットスィッチ 1を操作すると、音波出力装置 2からの超音波出力によって、振動子 12に発生した超音波振動がプローブ 13に伝達される。プローブ 13に伝達された超音波振動によって、プローブ 13と榭脂部材 3 lb, 31 cとの間に挟まれた生体組織 33が超音波凝固、切開処置される。

[0048] 超音波振動による凝固切開が完了した場合でも、プローブ 13と通電部材 31aとの間には榭脂部材 31b, 31cが介在しており、プローブ 13と通電部材 31aとが接触することはない。これにより、本実施の形態においても第 1の実施の形態と同様に、電気メス付き超音波シザース 4が短絡によって破壊されることはない。

[0049] また、図 5の状態において、オペレータが電気メスフットスィッチ 5を操作すると、電気メス出力装置 6からの高周波電流が伝達部材 10及び振動子 12に与えられる。伝達部材 10及び振動子 12に与えられた高周波電流は、夫々通電部材 31a及びプローブ 13に伝達され、プローブ 13と通電部材 31との間に挟み込まれた生体組織 33を流れる。こうして、生体組織 33に電気メス処置が施される。

[0050] この場合には、生体組織 33がプローブ 13と通電部材 31aとの両方に直接接触しているので、生体組織 33には効率よく高周波電流が流れ、高効率の電気メス処置が可能である。

[0051] このように本実施の形態においては、把持部材を通電部材と複数の榭脂部材との 2 層構造とし、榭脂部材相互間において通電部材を露出させる構成としていることから、榭脂部材とプローブとの間に生体組織を把持可能にすると同時に、生体組織を通電部材とプローブとに直接接触させることができる。これにより、電気メス処置時において高周波電流を生体組織に流しやすくする。こうして、伝達超音波凝固切開機能を損なうことなぐノィポーラ高周波電流による、高効率の電気メス処置を可能にしている。

[0052] なお、上記実施の形態にお!、ては、榭脂部材を 2つの部材で構成する例を説明した力 2つ以上の部材で構成すれば、同様の効果が得られることは明らかである。

[0053] 図 7及び図 8は本発明の第 3の実施の形態を示す説明図である。図 7及び図 8は夫々図 5及び図 6に対応したものである。

[0054] 本実施の形態は把持部材 31に代えて把持部材 41を採用した点が第 2の実施の形態と異なる。

[0055] 把持部材 41は、通電部材 41a及び榭脂部材 41b, 41cによる 2層構造を有する。

通電部材 41aには、伝達部材 10 (図 1参照）が接続されており、伝達部材 10を介して高周波電流が供給されるようになっている。通電部材 11aは、プローブ 13側の一面に榭脂部材 41b, 41cが取り付けられている。榭脂部材 41b, 41cは、通電部材 41a よりもサイズが小さぐ通電部材 41aは榭脂部材 41b, 41cに覆われていない部分を有する。

[0056] 把持部材 41は、基端側が図示しない枢軸によって回動自在に支持されている。把持部材 41が枢軸を中心にプローブ 13側に回動することによって、プローブ 13の先端部と把持部材 41とは対畤可能に構成されて、る。把持部材 41が枢軸を中心にプローブ 13側に回動することによって、把持部材 41とプローブ 13との間に生体組織を挟み込むことができるようになって!/、る。

[0057] 本実施の形態においては、把持部材 41の榭脂部材 4 lb, 41cは、夫々通電部材 4 laの両側に設けられており、通電部材 41aのプローブ 13軸方向に垂直な方向の中央には榭脂部材 41b, 41cが設けられておらず、この中央部分において、通電部材 4 laは表面が露出している（図 8参照)。これにより、把持部材 41の通電部材 41aは、中央の所定長さの部分が榭脂部材 41b, 41cを介することなぐプローブ 13に対向すること〖こなる。

[0058] このように構成された実施の形態にお!、ては、超音波処置及び電気メス処置の!/、ずれの場合においても、生体組織 43をプローブ 13と榭脂部材 41b, 41c相互間に挟み込む。

[0059] 図 8に示すように、生体組織 43をプローブ 13と把持部材 41との間に挟み込んだ場合には、生体組織 43が榭脂部材 41b, 41cに押されて変形して、生体組織 43の一部が榭脂部材 41b, 41c相互間に入り込み、通電部材 41aに接触する。つまり、本実施の形態においては、プローブ 13と榭脂部材 41b, 41cとの間に生体組織 43を挟み込むことによって、生体組織 43はプローブ 13及び榭脂部材 41b, 41cだけでなく通電部材 41aにも直接接触することになる。

[0060] この状態で、オペレータが超音波フットスィッチ 1を操作すると、音波出力装置 2からの超音波出力によって、振動子 12に発生した超音波振動がプローブ 13に伝達する。プローブ 13に伝達された超音波振動によって、プローブ 13と榭脂部材 41b, 41cとの間に挟まれた生体組織 43が超音波凝固、切開処置される。

[0061] 超音波振動による凝固切開が完了した場合でも、プローブ 13と通電部材 41aとの間には榭脂部材 41b, 41cが介在しており、プローブ 13と通電部材 41aとが接触することはない。これにより、本実施の形態においても第 2の実施の形態と同様に、電気メス付き超音波シザース 4が短絡によって破壊されることはない。

[0062] また、図 8の状態において、オペレータが電気メスフットスィッチ 5を操作すると、電気メス出力装置 6からの高周波電流が伝達部材 10及び振動子 12に与えられる。伝達部材 10及び振動子 12に与えられた高周波電流は、夫々通電部材 41a及びプローブ 13に伝達され、プローブ 13と通電部材 4 laとの間に挟み込まれた生体組織 43 を流れる。こうして、生体組織 43に電気メス処置が施される。

[0063] この場合には、生体組織 43がプローブ 13と通電部材 41aとの両方に直接接触しているので、生体組織 43には効率よく高周波電流が流れ、高効率の電気メス処置が可能である。

[0064] このように本実施の形態においても第 2の実施の形態と同様の効果が得られる。なお、上記実施の形態においては、榭脂部材を 2つの部材で構成する例を説明したが、 3つ以上の部材で構成しても同様の効果が得られることは明らかである。

[0065] また、上記第 2及び第 3の実施の形態にぉ、ては、把持部材とプローブとで把持された生体組織に対する超音波処置及び電気メス処置は、相互に略同一部位に対して施される。従って、超音波振動とバイポーラ高周波電流とを同時に、又は、選択的に生体組織に供給することで、単一の処置では得られない凝固切開能力の向上を期待することができる。

[0066] 図 9及び図 10は上記第 2及び第 3の実施の形態の変形例を示す説明図である。図 9及び図 10は把持部材をプローブ側力も見た図である。図 9及び図 10において網線部は通電部材の露出部分を示して!/、る。 [0067] 図 9においては、把持部材は、平面形状が長方形状の通電部材 50と、この通電部材 50の一面に分散して配置される 6つの榭脂部材 51a〜51fによって構成されている。網線にて示すように、榭脂部材 5 la〜5 If相互間の隙間において通電部材 50の一面が露出している。

[0068] 生体組織をプローブと図 9の把持部材とで挟み込むことにより、生体組織の一部が図 9の網線部に接触する。こうして、図 9に示す把持部材を使用した場合でも、上記図 5乃至図 8に示す実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。

[0069] このように、図 9の例は、通電部材を露出させるために、榭脂部材に縦横組み合わせて溝を形成したものである。なお、図 9では榭脂部材を 6分割した例を示したが、分割数はこれに限定されるものではないことは明らかである。

[0070] 一方、図 10においては、把持部材は、平面形状が長方形状の通電部材及び榭脂部材 61によって構成されている。榭脂部材 61は 6力所に円形状の開孔を有しており、この開孔部において、網線に示すように、通電部材の各部 60a〜60fが露出している。

[0071] 生体組織をプローブと図 10の把持部材とで挟み込むことにより、生体組織の一部が図 10の網線部に接触する。こうして、図 10に示す把持部材を使用した場合でも、上記図 5乃至図 8に示す実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。

[0072] このように、図 10の例は、通電部材を露出させるために、榭脂部材に円形状の開孔を形成したものである。なお、図 10では榭脂部材の 6箇所に穴を開けた例を示した力穴の数はこれに限定されるものではないことは明らかである。

Claims

請求の範囲

[1] 超音波振動を発生する超音波振動子と、

前記超音波振動子にて発生した超音波振動を先端部に伝達する超音波プローブと、

前記超音波プローブの先端部に対して近接位置と離間位置とを移動して処置対象の生体組織を前記超音波プローブの先端部との間に把持可能に構成された把持部材と、

前記把持部材に設けられて前記生体組織へ高周波電流を供給する導電性の材料からなる導電部材と、

前記導電部材と前記超音波プローブとの間の前記把持部材に設けられて、前記導電部材と前記超音波プローブとの接触を阻止すると共に前記導電部材の前記超音波プローブ側の一面の一部を露出させる形状に形成された非導電性の材料力なる非導電部材と、

を具備したことを特徴とする手術器具。

[2] 前記非導電部材は、前記導電部材よりも面積が小さ!、ことを特徴とする請求項 1に記載の手術器具。

[3] 前記非導電部材は、前記導電部材を露出させるための溝形状を有することを特徴とする請求項 1に記載の手術器具。

[4] 前記溝形状は、直線状であることを特徴とする請求項 3に記載の手術器具。

[5] 前記溝形状は、曲線状であることを特徴とする請求項 3に記載の手術器具。

[6] 前記非導電部材は、前記導電部材を露出させるために複数の部分に分割されて

V、ることを特徴とする請求項 1に記載の手術器具。

[7] 前記把持部材は、所定の支持部材に回動自在に支持されることで、前記超音波プローブの先端部に対して近接位置と離間位置とを移動可能であることを特徴とする請求項 1に記載の手術器具。

[8] 前記導電部材は、前記超音波プローブの軸方向には前記非導電部材よりも長、ことを特徴とする請求項 1に記載の手術器具。

[9] 前記導電部材は、前記超音波プローブの軸方向には複数の部分に分割されて、ることを特徴とする請求項 8に記載の手術器具。

[10] 前記導電部材は、前記超音波プローブの軸方向に直交する方向には前記非導電部材よりも長ぐ且つ、前記超音波プローブの軸方向に直交する方向には複数の部分に分割されていることを特徴とする請求項 1に記載の手術器具。

[11] 前記超音波振動子に超音波出力を供給する超音波出力装置と、

前記前記超音波プローブ及び前記導電部材に高周波電流を供給する電気メス出力装置とを更に具備したことを特徴とする手術器具。