WO2006123407A1

WO2006123407A1 - 聴診装置

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Publication number: WO2006123407A1
Application number: PCT/JP2005/009042
Authority: WO
Inventors: Takashi Yoshimine
Original assignee: Takashi Yoshimine
Priority date: 2005-05-18
Filing date: 2005-05-18
Publication date: 2006-11-23
Also published as: EP1880676A1; CN100475147C; US20070058818A1; US7636445B2; JPWO2006123407A1; JP4262767B2; CN1946345A

Abstract

【課題】　少しでも患者の不安を取り除くことができるような医療に寄与する聴診装置を提供すること。【解決手段】　本実施の形態に係る聴診装置１０は、マイクロフォン８とスピーカ９とを一体的に搭載しているので、スピーカ９によりマイクロフォン８で得られた音を再生することができる。例えば、医師は、患者に対し、そのスピーカ部２からの音を聞かせながら診断して患者に病状等を説明することにより、従来に比べ患者は安心して診断等を受けることができる。

Description

明細書

聴診装置

技術分野

[0001] 本発明は、医療行為に用いられる聴診装置に関する。

背景技術

[0002] 医療行為にぉヽて、医師は患者を診断する際にしばしば聴診器を用いる。聴診器による診断によって、肺胞呼吸音、気管支呼吸音、低音性連続音、スクウォーク、水泡音等、患者の生体音力様々な病状を把握することができる。聴診器力もの生体音によって、心臓や呼吸器系の病状だけではなぐ他の五臓六腑の様々な病状まで把握される。

[0003] 近年では、生体音が電気的に変換、増幅されてスピーカ等によって出力可能な聴診器がある (例えば、特許文献 1参照。 ) o

特許文献 1 :特開 2005— 52521号公報 (段落 [0011]、図 1)

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 近年、医療行為において、医師が患者等の患者に対して病状、治療方法、その治療の効果や危険性等を説明し、患者力その治療の同意を得るインフォームドコンセントという考え方が重要になってきている。し力しながら、医療は専門的であるため、医師からの説明だけでは、患者にとっては理解が足りない場合もあり、自身の病状等につ、て不安を抱くこともある。

[0005] 以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、少しでも患者の不安を取り除くことができるような医療に寄与する聴診装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0006] 上記目的を達成するため、本発明に係る聴診装置は、マイクロフォンと、前記マイク口フォンで生成される電気信号に応じて音響出力するスピーカと、前記マイクロフォンとスピーカとを一体的に搭載するハウジングとを具備する。

[0007] 本発明では、マイクロフォンとスピーカとが一体的にハウジングに搭載されており、スピーカによりマイクロフォンで得られた音を再生することができる。例えば、医師は、患者に対し、そのスピーカ力の音を聞かせながら診断して患者に病状等を説明することにより、従来に比べ患者は安心して診断等を受けることができる。

[0008] 本発明にお、て、当該聴診装置は、前記ハウジングに振動可能に支持されたダイャフラムをさらに具備するようにしてもょ、。

[0009] 本発明において、前記ハウジングは、前記マイクロフォンが搭載された第 1のハウジングと、前記スピーカが搭載された第 2のハウジングと、前記第 1のハウジングに対する前記第 2のノ、ウジングの角度を調整可能な調整機構とを有する。これにより、スピー力からの音が出力される方向を適宜変えることができる。例えばスピーカからの音力医師にとって聞こえやすいように、あるいは、患者にとって聞こえやすいような方向に、医師が適宜調整することができる。第 1のハウジングに対する第 2のハウジングの角度とは、様々な平面内における角度であり、ある一平面内のみの角度に限定されるわけではない。

[0010] 例えば、調整機構が 1軸のヒンジ機構を有する場合、第 1のハウジングに対する第 2 のハウジングの角度を 1平面内で調整することができる。

[0011] 本発明において、前記第 1のハウジングは、患者に当接される当接部を有し、前記第 1及び第 2のハウジングが前記ヒンジ機構により閉じた状態で前記当接部とは反対側に前記スピーカから前記音が出力されるように、前記当接部と前記スピーカとが前記第 1及び第 2のハウジングにそれぞれ配置されている。これにより、患者に対面している医師にとって、聴診装置のスピーカ音を聞きやすい状態にして聴診することができる。また、医師は、第 1及び第 2のハウジングを閉じて、つまり聴診装置を比較的コンパクトにして聴診することができる。

[0012] 本発明において、前記調整機構は、ユニバーサルジョイントである。これにより、医師は、第 1のハウジング対して第 2のハウジングをどのような角度方向にも調整することがでさる。

[0013] 本発明において、当該聴診装置は、前記ハウジングに設けられ、当該聴診装置が患者に接触したことを検出可能なセンサと、前記センサの検出信号に基づき電力が投入される電源部とをさらに具備する。これにより、省電力を実現することができる。例えば、聴診装置の電源が電池式の場合、特に省電力が要求されるので、その場合は特に効果的である。また、接触するまで電力が投入されないので、聴診装置が患者に接触する前の雑音等を聴診装置が拾ってしまうことはない。

[0014] 本発明におヽて、当該聴診装置は、前記マイクロフォンで得られる音を記憶する記憶部と、前記記憶動作を制御する記憶制御部とをさらに具備する。聴診装置は、記憶部で記憶された音を上記スピーカで再生する機能をさらに備えて、てもよ、。この記憶部は、デジタルデータを記憶するものであると便利である。しかし、必ずしもデジタルデータに限られず、記憶部はアナログデータを記憶するものであってもよい。記憶部は、聴診装置に内蔵されたメモリであってもよいし、下記のように可搬性のメモリであってもよい。

[0015] 本発明において、当該聴診装置は、可搬性の記録媒体が装着可能なスロットを前記ハウジングに有し、前記スロットに前記記録媒体が装着された状態で、前記記録媒体に対して前記マイクロフォンで得られる音のデータの通信が可能なインターフエ一スと、前記インターフェースを介して前記記録媒体に前記データを記録すること、及び前記インターフェースを介して前記記録媒体に記録されたデータを再生することのうち少なくとも一方を制御する制御部とをさらに具備する。この場合、可搬性の記録媒体に記録されるデータは、デジタルデータ等が便利である。これにより、コンビユータ等に生体音のデータをコピー等することができ、医師はコンピュータを用いてさらに詳しく生体音を解析したりすることができる。

[0016] 本発明において、当該聴診装置は、前記ハウジングに設けられたクリップ機構をさらに具備する。従来では、聴診器に耳管が付いていたので、医師の首にその耳管を掛けるようにすれば医師は、手を用いずにその聴診器を携帯することができた。本発明では、そのような耳管や他のケーブル類がない。したがって、このようなクリップ機構があれば、例えば医師が身につけている衣類のポケット等にクリップ機構を用いて挟むようにして聴診装置を携帯することができ、便利である。

[0017] 本発明において、前記クリップ機構は、平板状または枠状の押さえ部材を有する。

スピーカ等を有するハウジングの形状を考えると、平板上または枠状の押さえ部材があることによりクリップ状態が安定する。 [0018] 本発明において、当該聴診装置は、複数の生体音のパターンのデータを記憶する記憶手段と、患者から前記マイクロフォンにより得られる生体音を、前記記憶手段で記憶された各パターンデータを用いてパターンマッチングするパターンマッチング手段とをさらに具備する。このパターンマッチングによる診断を利用することにより、医師の誤診を防止して効果的に診断することができる。一方、パターンマッチングによる診断は医師の診断の補助として用いることも可能である。

[0019] 本発明にお、て、前記記憶手段は、複数の病状の情報と前記各パターンデータとを対応付けて記憶し、当該聴診装置は、前記パターンマッチング手段によりマツチングした少なくとも 1つのパターンデータに対応する前記病状の情報を、前記記憶手段力抽出して前記スピーカを介して出力するように制御する病状出力制御手段をさらに具備する。あるいは、当該聴診装置は、表示手段と、前記パターンマッチング手段によりマッチングした少なくとも 1つのパターンデータに対応する前記病状の情報を、前記記憶手段から抽出して前記表示手段により表示するように制御する病状表示制御手段とをさらに具備するようにしてもよい。これにより、患者は、医師及び聴診装置の両方力も病状等を知得することができ、より安心して診断を受けることができる。発明の効果

[0020] 以上のように、本発明によれば、患者の不安を取り除くことができ、より充実したインフォームドコンセントによる医療を実現することができる。

発明を実施するための最良の形態

[0021] 以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。

[0022] 図 1は、本発明の一実施の形態に係る聴診装置を示す斜視図である。この聴診装置 10は、ダイヤフラム部 1とスピーカ部 2とを備えている。

[0023] 図 2は、図 1に示す聴診装置 10のダイヤフラム部 1側力も見た図である。図 3は、ダィャフラム部 1を示す分解斜視図であり、図 4は、スピーカ部 2を示す分解斜視図である。また、図 5は、聴診装置 10を示す側面図である。

[0024] 図 3に示すように、ダイヤフラム部 1はハウジング 11を有している。ダイヤフラム 6は、ハウジング 11に設けられた開口部 11aに振動可能に装着されている。ダイヤフラム 6 の振動により得られる例えば患者の生体音は、集音板 7が集音するように構成され、この集音板 7は、例えばハウジング 11に固定された支持体 13に支持されるように配置される。ダイヤフラム 6は振動する部材であるので、ダイヤフラム 6と集音板 7とは接触しな！ヽようにそれぞれ配設される。

[0025] 集音板 7のほぼ中央には、ダイヤフラム 6の振動による音を通すための穴状の通音部 7aが設けられており、通音部 7aにマイクロフォン 8が配置される。これにより、集音板 7で集められた音がマイクロフォン 8によって電気信号に変換される。マイクロフォン 8は、例えば小型化が要求される場合には、静電式ゃ圧電式のものが用いられる。しかし、これらに限られず、スピーカ等のように電磁式であってもよい。

[0026] 図 4に示すように、スピーカ部 2は、ノ、ウジング 12に、回路基板 17及びスピーカ本体 9 (以下、単にスピーカ 9という。）が内蔵され、ハウジング 12の開口部 12aにカバー 19が装着されて構成される。スピーカ 9は、コーン状の振動板 9aがフレーム 9bに取り付けられた一般的な構成でよい。スピーカ 9の平面形状は、図示するように円形でなくてもよく、例えば楕円や長円等であってもよい。回路基板 17には、 IC22ゃコンデンサ等の電子部品が搭載されている。スピーカ 9は、回路基板 17の IC等の部品に図示しな、ケーブル等によって電気的に接続されて!、る。

[0027] カバー 19の表面には、上記マイクロフォンにより得られる音の録音や再生等を行うための操作入力部 4が設けられている。操作入力部 4が、例えば人の指によって押されたときに、回路基板 17の電極 21に操作入力部 4に設けられた図示しない接点が接することが、録再等の動作のトリガーとなる。電源スィッチは操作入力部 4に設けられていてもよいが、別の位置に配置されてもよい。カバー 19の表面には穴が複数設けられたスピーカ用カバー 3が取り付けられている。

[0028] 図 3を参照して、マイクロフォン 8の電気ケーブル等は、支持体 13に開けられた穴 1 3aゃノヽウジング 12に開けられた穴 12b等を介して回路基板 17まで配線されてヽる。図 5に示すように、例えばダイヤフラム部 1とスピーカ部 2とは、 1軸のヒンジ機構 5によつて接続されている。図 6に示すように、ヒンジ機構 5によって例えば軸 5aを回転軸として、ダイヤフラム部 1に対してスピーカ部 2の角度を適宜変えて、所望の角度で両者の位置を固定することができるように構成されている。ヒンジ機構 5によって、ダイヤフラム部 1とスピーカ部 2とを最大で 180° 未満、または 180° 以上の角度に開くように構成することができる。マイクロフォン 8の電気ケーブル等は、例えばヒンジ機構 5 の軸 5aの内部に配線され、スピーカ部 2の回路基板 17に接続されて!ヽる。

[0029] ノ、ウジング 11、 12、あるいはダイヤフラム 6は、例えば榭脂等で構成される。しかし、そのような材料に限られず、ハウジング 11は金属、その他の材料であってもよい。ハウジング 11と支持体 13とは一体成形することができる力それぞれ別々の部材で構成され、これらが接合されるよう〖こしてもよい。スピーカ用カバー 3も、榭脂または金属等で構成される。

[0030] なお、図示しな、が、聴診装置 10の電源は、例えば充電式または交換型の電池式とすることができる。充電式の場合、回路基板 17上に、充電池に電気的に接続された電極等を配設し、ノ、ウジング 12からその電極を露出させるようにすればよい。あるいはこのような電極は設けず、非接触式の充電方式としてもよい。一方、交換型電池式の場合、一般的なコイン型の電池にすれば、聴診装置 10の小型化または薄型化を実現することができる。

[0031] 図 7は、聴診装置 10の電気的な構成を示すブロック図である。聴診装置 10は、 CP U (Central Processing Unit) 31、録音 Z再生コントローラ 32、メモリ 33、電源部 34を有する。

[0032] CPU31は、この聴診装置 10の動作を全体的に統括して制御する。録音 Z再生コントローラ 32は、操作入力部 4からの操作入力命令に基づき、録音やその再生等の動作を制御する。特に、録音 Z再生コントローラ 32は、マイクロフォン 8からアナログ入力された音を、例えば適当なサンプリング周波数で、量子化ビット数力ビット、 8ビット、あるいはそれ以上のデジタルデータに変換したりする。録音 Z再生コントローラ 32は、これら録音するデータを圧縮してもよい。メモリ 33は、例えばその音のデジタルデータを記憶する。メモリ 33はフラッシュメモリ等が用いられる力これ以外の記録媒体、例えばノヽードディスク等の磁気ディスク等であってもよ、。

[0033] スピーカ 9を駆動する信号は、アナログ信号でょ、が、上記のようにデジタルィ匕されたデータに基づきスピーカ出力が制御されるようにしてもよい。マイクロフォン 8からの電気信号は、図示しな!、増幅器やノイズフィルタ等を通すことが好まヽ。

[0034] 医師が、患者に対して聴診装置 10を用いて診療する場合、医師がダイヤフラム部 1のハウジング 11を持ち、患者にダイヤフラム 6を当接させながら、スピーカ部 2から発生する患者の生体音を聞く。この場合、聴診装置 10はヒンジ機構 5を備えているので、医師が聞きやすいように、スピーカ部 2の角度を変えることができる。特に、図 5に示したように、ダイヤフラム部 1とスピーカ部 2を閉じ、ダイヤフラム 6を患者の皮膚に当接させた状態では、スピーカ部 2から音響出力される方向が、ダイヤフラム 6が配置される側と逆になるように構成されている。つまり、医師が患者に対面して聴診装置 1 0を用いて診断する時に、第 1及び第 2のハウジングを閉じて聴診装置 10をコンパクトにしながら聴診することが、結果的に、医師にとってスピーカ音を聞き取りやすい状態にすることになる。

[0035] また、ハウジング 11は、患者に当接される当接部として振動板 6等が有しており、図 5に示すように聴診装置 10が閉じた状態で、振動板 6とは反対側にスピーカ 9から生体音が出力されるようになっている。これにより、患者に対面している医師にとって、聴診装置 10のスピーカ音を聞きやすい状態にして聴診することができる。また、その場合、医師は、聴診装置 10を図 5のように閉じて、つまり聴診装置 10を比較的コンパタトにして聴診することができる。

[0036] また、医師は、聴診時に操作入力部 4の操作によってメモリ 33に録音したり、録音した音を後で再生したりすることもできる。ボリュームの調節等ができるようにすることも好ましい。

[0037] 以上のように、本実施の形態に係る聴診装置 10は、マイクロフォン 8とスピーカ 9とを一体的に搭載しているので、スピーカ 9によりマイクロフォン 8で得られた音を再生することができる。例えば、医師は、患者に対し、そのスピーカ部 2からの音を聞力せながら診断して患者に病状等を説明することにより、従来に比べ患者は安心して診断等を受けることができる。

[0038] 図 5に示したような状態で、医師が聴診する場合、スピーカ部 2の音響出力方向が、患者とは逆方向である力患者はそのスピーカ部 2の音を聞くことは容易である。患者が聴こえにくい場合は、患者が聴こえやすくなるように、医師はスピーカ部 2の角度を適宜変えればよい。あるいは、例えばダイヤフラム部 1とスピーカ部 2とがほぼ垂直になるように (スピーカ音の出力面とダイヤフラム 6の振動方向とがほぼ平行になるように）開いた場合、ダイヤフラム部 1が患者に当接された状態で、スピーカ部 2の出力方向を上方向にすることができる。これにより、医師と患者の両方がスピーカ音を聞き取りやすくなる。

[0039] 図 8は、本発明の他の実施の形態に係る聴診装置を示す斜視図である。図 9は、その聴診装置のブロック構成図である。これ以降の説明では、上記実施の形態に係る聴診装置 10の部材ゃ機能等について同様のものは説明を簡略または省略し、異なる点を中心に説明する。図 8に示すように、この聴診装置 20には、可搬性の外部メモリ 41が着脱可能なスロット 12cを有している。可搬性外部メモリ 41は、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリが挙げられる。図 9を参照して、聴診装置 20は、外部メモリ 4 1にアクセス可能なインターフェース 36を有している。これにより、スロット 12cに可搬性外部メモリ 41が装着された状態で、メモリ 41に対してマイクロフォン 8で得られる音のデータの通信が可能となる。この場合、録音 Z再生コントローラ 32により、メモリ 41 に対する録音や再生動作が制御される。

[0040] このような構成により、医師は、可搬性外部メモリ 41をコンピュータ等の外部機器に接続し、メモリ 41に記録された生体音のデータをコンピュータにコピー等することができる。その結果、医師はコンピュータを用いてさらに詳しく生体音を解析したりすることができる。

[0041] なお、聴診装置 20は、外部メモリインターフェース 36の代わりに、 USB (Universal Serial Bus)用のインターフェースを有していもよい。この場合、 USBケーブルが聴診装置に接続され、当該 USBインターフェースを介して、聴診装置と外部機器との間でデータ通信される。

[0042] 図 10は、本発明のさらに別の実施の形態に係る聴診装置を示す一部断面図である。図 11は、その聴診装置のブロック構成図である。この聴診装置 30のダイヤフラム部 51に備えられたダイヤフラム 6には、例えば聴診装置 30が患者に接触したことを検出する接触センサ 24が装着されている。この接触センサ 24は、例えばダイヤフラム 6のほぼ中央に配置されている。この接触センサ 24は、例えば静電センサ、あるいは圧電センサ等が用いられる。図 11に示すように、電源コントローラ 35は、接触センサ 24の検出信号に基づいて電源部 34に電力を投入するように制御する。 [0043] このような聴診装置 30によれば、医師が聴診装置 30を患者に当てたときに電力が投入されるので、省電力を実現することができる。聴診装置 30は、上述したように電池式であり、特に省電力が要求されるので、その場合は特に効果的である。また、接触センサ 24が患者に接触されるまで電力が投入されな、ので、聴診装置 30が患者に接触する前の雑音等を聴診装置が拾ってしまうことはない。さらに、医師にとっては、電源スィッチを押す動作を省くことができるので、電子式でない従来までの聴診器を使うような感覚で聴診装置 30を利用することができる。

[0044] 聴診装置 30にお、て、接触センサ 24の配置はどこでもよぐ患者に触れる部分であればよい。例えばノヽウジング 11に接触センサ 24の取付部を形成して、その取付部に接触センサ 24を取り付けるようにしてもょ、。

[0045] 聴診装置 30は、電源部 34のタイマー機能を有していてもよい。例えば上述のように接触センサ 24の検出信号により電力が投入される。その後、接触センサ 24により信号が検出されなくなって力も所定の時間経過後に、電源コントローラ 35によって電源部 34の電源が OFFとなるように制御されるようにすることも可能である。

[0046] 図 12は、本発明のさらに別の実施の形態に係る聴診装置を示す一部断面図である。図 12 (A)に示すように、聴診装置 40では、ダイヤフラム部 1とスピーカ部 2とを接続する角度調整機構がユニバーサルジョイント 25で構成されて、る。ユニバーサルジョイント 25は、例えばスピーカ部 2のハウジング 12に固定された球体 25aが、ダイヤフラム部 1のハウジング 11に設けられた受け体 25bに回転自在に嵌められて、る。このような構成によれば、ダイヤフラム部 1に対するスピーカ部 2の角度範囲は限定されるものの、スピーカ部 2が動く方向は限定されず、あらゆる方向に動くようになり、便利である。例えば、図 12 (B)で示す状態は、図 6と同じような角度及び方向にある状態である。図 12 (C)に示す状態は、スピーカ部 2が上下逆になつたような状態である。図 12 (A)〜図 12 (C)で示す状態の他にも、例えばダイヤフラム部 1の姿勢はそのままで、スピーカ部 2のスピーカ音の出力面が、図 12 (A)〜図 12 (C)中、正面に向くような状態（図 4で示すカバー 19が図 12にお、て正面に向くような状態）にすることも可能である。

なお、ユニバーサルジョイントとしては、図 12に示した球体 25aを用いるものに限られない。例えば少なくとも 2平面内でダイヤフラム部 1とスピーカ部 2とが動くような構造でもユニバーサルジョイントというものとする。 2平面内でダイヤフラム部 1とスピーカ部 2とが動くような構造は、例えば 2軸のヒンジ機構により実現することができる。

[0047] 図 13は、本発明のさらに別の実施の形態に係る聴診装置を示す斜視図である。この聴診装置 50は、ほぼ直方体形状のハウジング 151及び 152を備え、ハウジング 15 1及び 152は、ヒンジ機構 65によって回動可能に接続されている。ハウジング 151には、図示しないスピーカ本体が内蔵され、ハウジング 151の表面に設けられた複数のスリット 151aから音が出力される。音が出力されるための穴はこのようなスリット状でなくても、メッシュ状や図 1に示すような複数の丸穴状であってもよい。図 14は、図 13に示す聴診装置 50の反対側から示す斜視図である。ノヽウジング 152には、図 14に示すようにダイヤフラム 56が振動可能に装着されて、る。

[0048] 図 15は、聴診装置 50を示す側面図である。ノ、ウジング 151には、クリップの機能を果たす押さえ部材 54が設けられている。具体的には、その押さえ部材 54の一端 54a がハウジング 151に支持されて固定端とされ、押さえ部材 54の他端 54bは自由端とされている。これにより、押さえ部材 54にパネ性を持つようになりクリップ機構が実現される。従来では、聴診器に耳管が付いていたので、医師の首にその耳管を掛けるようにすれば医師は、手を用いずにその聴診器を携帯することができた。本実施の形態に係る聴診装置 50は、そのような耳管や他のケーブル類がない。したがって、このようなクリップ機構があれば、例えば医師が身につけている衣類のポケット等に押さえ部材 54で挟むようにして聴診装置 50を携帯することができ、便利である。特に、押さぇ部材 54がハウジング 151の形状に合わせるように枠状であることにより、クリップ状態が安定する。

[0049] 図 16は、聴診装置 50が開いた状態、すなわち、ハウジング 151及び 152が開いた状態を示す側面図である。このようにヒンジ機構 65によって最大で 180° 未満、または 180° 以上の角度に開くように構成することができる。ヒンジ機構 65にカ卩えて、ノヽウジング 151及び 152がねじりの動きが可能に構成されていてもよい。つまり、スリット 151a (図 13参照）が配置される面 (スピーカ音の出力面）力ヒンジ機構 65の回転軸 65aの軸方向（図 16で紙面に垂直方向）に対してねじれる方向（当該軸方向に対して平行ではなくなる方向）に、ハウジング 151がハウジング 152に対して動くように構成されてもよい。

[0050] 図 17は、本発明のさらに別の実施の形態に係る聴診装置のブロック構成図である。この聴診装置 60は、例えば所定のプログラムやデータベースを格納する ROM ( Read Only Memory) 37を備えている。 ROMは、半導体メモリでもよいし、磁気ディスク等のメモリ、あるいはそれ以外のメモリが挙げられる。図 18に示すように、具体的には ROM37は、パターンマッチングプログラム 45、病状情報出力プログラム 46、病状パターンデータベース 47等を格納して!/、る。

[0051] 病状パターンデータベース 47は、聴診装置 60で得られるあらゆる生体音のパターン (例えば生体音の典型的な波形パターン)が病状の情報 (例えば病名、またはその病気による症状等)ごとに対応付けられて記憶されたデータベースである。パターンマッチングプログラム 45は、実際にマイクロフォン 8で得られる生体音のパターンを、病状パターンデータベース 47から最も類似した 1つまたは複数の病状パターンを抽出する。病状情報出力プログラム 46は、そのように抽出された病状パターンに対応する病状の情報をスピーカ 9で音声として出力するプログラムである。パターンマッチングプログラム 45が病状のパターンを抽出する方法としては、例えばマイクロフォン 8 で得られる波形の周波数、連続音の種類、断続音の種類、これらの組み合わせ、その連続または断続音の回数や周波数、あるいはこれらの音圧レベル等を用いる。そしてこれらの値の閾値を定める等して抽出することができる力このほかにもいろいろな方法が考えられる。

[0052] このパターンマッチングによる診断を利用することにより、医師の誤診を防止して効果的に診断することができる。また、スピーカ 9により病状が音声として告知されるので、患者は、医師及び聴診装置 60の両方から病状等を知得することができ、より安心して診断を受けることができる。近年では、医師の医療ミス等も少なくはない。医療行為の初段階である聴診装置による診断時力早期に医師の誤診を防ぐことは重要なことである。

[0053] 本発明は以上説明した実施の形態には限定されるものではなぐ種々の変形が可能である。 [0054] 上記各実施の形態に係る聴診装置は、ヒンジやユニバーサルジョイントによってスピー力部の角度を調整可能となっていた。しかし、そのような角度調整機構がない一体的な 1つのハウジング内にマイクロフォンやスピーカ等が搭載されるような構成であつてもよい。

[0055] また、上記各実施の形態に係る聴診装置は、ダイヤフラムを備える構成であつたが

、必ずしもダイヤフラムは必要ない。

[0056] 図 1等に示した聴診装置 10、その他の聴診装置 20、 30、 40等は、図 13等に示したクリップ機構 (押さえ部材 54)を備えていないが、これを備えるようにしてもよい。この場合、押さえ部材は、聴診装置 10のハウジング 11または 12の幅以下の大きさとすることがデザイン的にもよ!/、。

[0057] 図 17及び図 18に示した形態に係る聴診装置では、スピーカにより病状情報を音声出力するようにした。し力し、聴診装置に例えば液晶、 EL (Electro- Luminescence)、あるいはその他のディスプレイが備えられて、る場合、このディスプレイに病状情報を文字や画像として表示するようにしてもょヽ。

[0058] 上記各実施の形態に係る聴診装置の特徴部分のうち少なくとも 1つを組み合わせて聴診装置を構成することも可能である。

図面の簡単な説明

[0059] [図 1]本発明の一実施の形態に係る聴診装置を示す斜視図である。

[図 2]図 1に示す聴診装置のダイヤフラム部側力も見た図である。

[図 3]図 1に示すダイヤフラム部の分解斜視図であり

[図 4]当該聴診装置のスピーカ部を示す分解斜視図である。

[図 5]当該聴診装置を示す側面図である。

[図 6]当該聴診装置がある角度だけ開いた状態を示す側面図である。

[図 7]当該聴診装置の電気的な構成を示すブロック図である。

[図 8]本発明の他の実施の形態に係る聴診装置を示す斜視図である。

[図 9]図 8に示す聴診装置のブロック構成図である。

[図 10]本発明のさらに別の実施の形態に係る聴診装置を示す一部断面図である。

[図 11]その聴診装置のブロック構成図である。 [図 12]本発明のさらに別の実施の形態に係る聴診装置を示す一部断面図である。

[図 13]本発明のさらに別の実施の形態に係る聴診装置を示す斜視図である。

[図 14]図 13に示す聴診装置の反対側力も示す斜視図である。

[図 15]図 13に示す聴診装置を示す側面図である。

[図 16]図 13に示す聴診装置が開いた状態を示す側面図である。

[図 17]本発明のさらに別の実施の形態に係る聴診装置のブロック構成図である。

[図 18]図 17に示す ROMに格納されるデータを示すブロック図である。

符号の説明

1, 51·· 'ダイヤフラム部

2…スピーカ部

5、 65···ヒンジ機構

6、 56···ダイヤフラム

8· "マイクロフォン

9···スピーカ本体

10、 20、 30、 40、 50、 60···聴診装置

11、 12、 151、 152···ノ、ウジング

12c' …スロット

17·· -回路基板

24·· '接触センサ

25·· .ユニバーサルジョイント

31·· •CPU

32·· '記録 Z再生コントローラ

33·· 'メモリ

34·· '電源部

35·· '電源コントローラ

36·· '外部メモリインターフェース

37·· •ROM

41·· -可搬性外部メモリ · ··パターンマッチングプログラム …病状情報出力プログラム· · '病状パターンデータベース

Claims

請求の範囲

[1] マイクロフォンと、

前記マイクロフォンで生成される電気信号に応じて音響出力するスピーカと、前記マイクロフォンとスピーカとを一体的に搭載するハウジングと

を具備することを特徴とする聴診装置。

[2] 請求項 1に記載の聴診装置であって、

前記ハウジングに振動可能に支持されたダイヤフラムをさらに具備することを特徴とする聴診装置。

[3] 請求項 1に記載の聴診装置であって、

前記ハウジングは、

前記マイクロフォンが搭載された第 1のハウジングと、

前記スピーカが搭載された第 2のハウジングと、

前記第 1のハウジングに対する前記第 2のハウジングの角度を調整可能な調整機構と

を有することを特徴とする聴診装置。

[4] 請求項 3に記載の聴診装置であって、

前記調整機構は 1軸のヒンジ機構を有することを特徴とする聴診装置。

[5] 請求項 4に記載の聴診装置であって、

前記第 1のハウジングは、患者に当接される当接部を有し、

前記第 1及び第 2のハウジングが前記ヒンジ機構により閉じた状態で前記当接部とは反対側に前記スピーカから前記音が出力されるように、前記当接部と前記スピーカとが前記第 1及び第 2のノ、ウジングにそれぞれ配置されていることを特徴とする聴診装置。

[6] 請求項 3に記載の聴診装置であって、

前記調整機構は、ユニバーサルジョイントであることを特徴とする聴診装置。

[7] 請求項 1に記載の聴診装置であって、

前記ハウジングに設けられ、当該聴診装置が患者に接触したことを検出可能なセンサと、前記センサの検出信号に基づき電力が投入される電源部と

をさらに具備することを特徴とする聴診装置。

[8] 請求項 1に記載の聴診装置であって、

前記マイクロフォンで得られる音を記憶する記憶部と、

前記記憶動作を制御する記憶制御部と

をさらに具備することを特徴とする聴診装置。

[9] 請求項 1に記載の聴診装置であって、

可搬性の記録媒体が装着可能なスロットを前記ハウジングに有し、前記スロットに前記記録媒体が装着された状態で、前記記録媒体に対して前記マイクロフォンで得られる音のデータの通信が可能なインターフェースと、

前記インターフェースを介して前記記録媒体に前記データを記録すること、及び前記インターフェースを介して前記記録媒体に記録されたデータを再生することのうち少なくとも一方を制御する制御部と

をさらに具備することを特徴とする聴診装置。

[10] 請求項 1に記載の聴診装置であって、

前記ハウジングに設けられたクリップ機構をさらに具備することを特徴とする聴診装置。

[11] 請求項 10に記載の聴診装置であって、

前記クリップ機構は、平板状または枠状の押さえ部材を有することを特徴とする聴診装置。

[12] 請求項 1に記載の聴診装置であって、

複数の生体音のパターンのデータを記憶する記憶手段と、

患者から前記マイクロフォンにより得られる生体音を、前記記憶手段で記憶された各パターンデータを用いてパターンマッチングするパターンマッチング手段とをさらに具備することを特徴とする聴診装置。

[13] 請求項 12に記載の聴診装置であって、

前記記憶手段は、複数の病状の情報と前記各パターンデータとを対応付けて記憶し、当該聴診装置は、前記パターンマッチング手段によりマッチングした少なくとも 1つのパターンデータに対応する前記病状の情報を、前記記憶手段から抽出して前記スピー力を介して出力するように制御する病状出力制御手段をさらに具備することを特徴とする聴診装置。

請求項 12に記載の聴診装置であって、

前記記憶手段は、複数の病状の情報と前記各パターンデータとを対応付けて記憶し、

当該聴診装置は、

表示手段と、

前記パターンマッチング手段によりマッチングした少なくとも 1つのパターンデータに対応する前記病状の情報を、前記記憶手段から抽出して前記表示手段により表示するように制御する病状表示制御手段と

をさらに具備することを特徴とする聴診装置。