WO2005122326A1

WO2005122326A1 - イヤホンケーブルアンテナ装置、接続ケーブル及び放送受信装置

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Publication number: WO2005122326A1
Application number: PCT/JP2005/004674
Authority: WO
Inventors: Kazuya Tani; Yoshio Koyanagi; Kiyoshi Egawa; Hiroyuki Sasaki; Kenya Nagano; Shingo Sumi; Yutaka Saito
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co., Ltd.
Priority date: 2004-06-11
Filing date: 2005-03-16
Publication date: 2005-12-22
Also published as: JP2006025392A

Abstract

　人体近接時の影響を受けにくいイヤホンケーブルアンテナを備えることにより、使用形態に左右されにくい、安定したアンテナ性能が得られるＵＨＦ帯のイヤホンケーブルアンテナ装置、接続ケーブル及び放送受信装置。下部筐体（２）内部の回路と接続されたイヤホンコネクタ部（８）に、挿入コネクタ部（６）を挿入することにより、少なくとも１本以上の信号線（４）が音声信号線（１０）を経由して放送受信回路（９）に接続される。信号線（４）には、挿入コネクタ部（６）から運用周波数の３／４λ隔てた位置でＵＨＦ帯の高周波電流を切断する高周波切断回路（７）が接続され、さらに信号線（４）を介してイヤホン（３）に接続する。イヤホンケーブルアンテナ素子（５）は信号線（４）と平行に配置されており、運用周波数においてＬ１＝３／４λ長相当とする。また、アンテナ信号は整合回路（１２）を経由し、放送受信回路（９）に入力される。

Description

明細書

イヤホンケーブルアンテナ装置、接続ケーブル及び放送受信装置技術分野

[0001] 本発明は、イヤホンケーブルアンテナ装置、接続ケーブル及び放送受信装置に関する。

背景技術

[0002] 一般的に、 FMラジオや TV放送受信機など放送受信機能を備えた携帯無線機器にはイヤホンケーブルがワイヤーアンテナとして用いられることが知られてヽる。近年では携帯無線機器の小型化やデザイン面の要求が大きぐまして軽量、小型、携帯性が要求される携帯電話端末に放送受信機能を搭載するには、デザイン的に目立ちにくヽイヤホンケーブルアンテナの搭載が有力視される。

[0003] イヤホンケーブルアンテナを用いた受信機の一例としては、特許文献 1に記載のように、回路構成を簡素化してアンテナ兼用のイヤホンをモノラル構成とし、外部アンテナとアンテナ兼用のイヤホン (イヤホンケーブルアンテナ）とを共に接続した際には外部アンテナでの受信を優先させるものが知られて、る。

[0004] また、特許文献 2に記載されているような、イヤホンケーブル外皮チューブの中にダイポールアンテナを収容することで受信性能を向上した携帯無線機用アンテナがある。また、イヤホンケーブル内部に受信アンテナとそれよりも短い送信アンテナを有し、前記アンテナの一端が 3端子プラグに接続するような技術が開示される特許文献 3 も知られている。

[0005] このように従来はイヤホンケーブルをアンテナ回路と結合した比較的単純な構成により、携帯性の高い放送受信用アンテナを実現している。

特許文献 1：特開平 7-307694号公報

特許文献 2：実開平 3— 109414号公報

特許文献 3：特開昭 62-40804号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0006] 今後、地上波デジタルテレビジョン 1セグメント放送が開始されると、移動通信環境でもこの放送が利用可能であることが望まれ、携帯電話端末等での受信が期待される。携帯電話端末等での受信には、携帯性が高ぐフレキシブルな使用方法に対応した高感度な受信性能が必要となるため、実使用条件下で高感度なアンテナが必要になる。例えば、高感度な受信性能が必要な使用方法として、次の二つの使用形態が想定される。

[0007] 一つは、電車や混雑した場所で受信端末をポケット等に入れて音声のみ聞く形態である。 1セグメント放送では移動端末用でも高品位な受信を可能としているため、映像無しでも楽しめるコンテンツが提供されると想定される。しカゝしながら、放送受信機が人体に近接した使用状態では、筐体実装形のアンテナが人体近接時にその受信性能を大きく劣化させることが問題となる。

[0008] 二つ目は、携帯端末の手持ち時などに筐体実装アンテナが手で覆われたときである。放送受信機の小型化に伴い、筐体を反転させてワイド画面での使用形態も考えられることから、携帯電話端末のようにアンテナ使用時の状態が一様に規定できなヽ。さらに、携帯電話端末においては主アンテナの内蔵化なども進んでおり、外部からアンテナの位置が見えないことから、両手持ち時などの状態でアンテナを手で覆ってしまう可能性が大きくなる。従って、このような使用状態の変化によってアンテナ性能が大きく劣化することが問題である。

[0009] しかし、先に示した従来のイヤホンケーブルアンテナでは上記二つの使用形態を特に想定しておらず、このような使用形態においてはアンテナ性能が十分に発揮できない恐れがある。

[0010] 本発明の目的は、人体近接時の影響を受けにくいイヤホンケーブルアンテナを備えることにより、使用形態に左右されにくい、安定したアンテナ性能が得られる UHF 帯のイヤホンケーブルアンテナ装置、接続ケーブル及び放送受信装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0011] 本発明のイヤホンケーブルアンテナ装置は、運用周波数帯域の略 4分の 3波長の長さを有するイヤホンケーブルアンテナ素子と、前記イヤホンケーブルアンテナ素子よりも長ぐ前記イヤホンケーブルアンテナ素子と平行に配置された信号線と、前記信号線における放送受信装置側の接続端から運用周波数帯域の略 4分の 3波長隔てた位置で前記信号線に流れる高周波電流を切断する高周波切断回路と、を備える構成を採る。

発明の効果

[0012] 本発明によれば、イヤホンを使用して地上波デジタルテレビジョン放送を視聴している状態において、特に放送受信装置が人体に近接した場合において、安定した高いアンテナ性能が得られ、また、接続ケーブル内に配置されたアンテナ素子を有し、様々な外部接続機器に対応して高ヽアンテナ性能を得ることができる。

図面の簡単な説明

[0013] [図 1]本発明の実施の形態 1に係る放送用受信装置の基本構成図

[図 2]テレビジョン放送を視聴する状態を示す図

[図 3]テレビジョン放送の音声のみを聞く状態を示す図

[図 4]1Ζ4 λのイヤホンケーブルアンテナのアンテナ性能を示す図

[図 5]ィ 3Ζ4 λのャホンケーブルアンテナのアンテナ性能を示す図

[図 6]1 λのイヤホンケーブルアンテナのアンテナ性能を示す図

[図 7]イヤホンケーブルアンテナ上の高周波電流のイメージ図

[図 8]本発明の実施の形態 2に係る放送用受信装置の基本構成図

[図 9]本発明の実施の形態 3に係る放送用受信装置の基本構成図

[図 10]本発明の実施の形態 4に係る放送用受信装置の基本構成図

[図 11]本発明の実施の形態 5に係る放送用受信装置の基本構成図

[図 12]本発明の実施の形態 6に係る放送用受信装置の基本構成図

[図 13]本発明の実施の形態 7に係る放送用受信装置の基本構成図

[図 14]本発明の実施の形態 8に係る放送用受信装置の基本構成図

[図 15]本発明の実施の形態 7及び 8に係るイヤホンケーブルアンテナ上の高周波電流のイメージ図

[図 16]本発明の実施形態 9に係る放送用受信装置及び接続ケーブルの基本構成図 [図 17]図 16に示す放送受信装置でテレビジョン放送を視聴する状態を示す図 [図 18]本発明の実施形態 10に係る放送用受信装置及び接続ケーブルの基本構成図

[図 19]本発明の実施形態 11に係る放送用受信装置及び接続ケーブルの基本構成図

発明を実施するための最良の形態

[0014] 以下、本発明に係るイヤホンケーブルアンテナ装置、接続ケーブル及び放送受信装置の実施の形態について、簡単な実証実験を一例として図面を参照して説明する。ただし、実施の形態において、同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。

[0015] (実施の形態 1)

図 1は、本発明の実施の形態 1に係る放送受信装置の基本構成図である。図 1に示す上部筐体 1と下部筐体 2は携帯受信端末本体であり、折畳み式携帯電話端末を想定している。また、イヤホン 3は、使用者が耳に差し込み、信号線 4を経由してテレビジョンの音声を聞くためのものであり、地上波デジタル放送を移動環境で高音質に聞く際に使用される。

[0016] 図 1の構成例では、下部筐体 2内部の回路と接続されたイヤホンコネクタ部 8に、挿入コネクタ部 6を挿入することにより、少なくとも 1本以上の信号線 4が音声信号線 10 を経由して放送受信回路 9に接続される。

[0017] 信号線 4には、音声信号線とアース線の 2本、あるいは、 2本以上のステレオ音声信号線とアース線による複数本の構成が想定される。

[0018] イヤホンケーブルアンテナ素子 5は、信号線 4と平行に配置されており、運用周波数にぉ、て L1 = 3/4 λ長相当のイヤホンケーブルアンテナ装置として動作する。

[0019] 信号線 4には、挿入コネクタ部 6からイヤホンケーブルアンテナ素子 5と同一長さ（運用周波数の 3Ζ4 λ )隔てた位置で UHF帯の高周波電流を切断する高周波切断回路 7が接続され、さらに信号線 4を介してイヤホン 3に接続する。この際、近接して平行に配置した複数のケーブルにはいずれも高周波電流が乗り、まとめてイヤホンケ一ブルアンテナ装置として動作するため、高周波切断回路 7を信号線 4に装荷することで、特定の長さ（L1)だけをイヤホンケーブルアンテナ装置として動作させることが可能となる。

[0020] UHF帯の高周波切断回路 7は、たとえば 200nH程度以上のインダクタンスが考えられる力音声やマイクなどの電気信号を通過させ、アンテナからの高周波信号を切断できるものであれば、固定抵抗、フェライト装荷導体、半導体、ダイオード等であつてもよい。

[0021] イヤホンコネクタ部 8には放送受信回路 9から出力された音声信号線 10が接続され、信号線 4を経由してイヤホン 3に音声信号が伝えられる。

[0022] イヤホンケーブルアンテナ素子 5で受信されたアンテナ信号は、コイル 11により低周波部分を接地して音声ノイズを除去した後、整合回路 12を通し、テレビジョン放送波の受信を行う受信回路である放送受信回路 9に接続される。

[0023] 以下、上記の基本構成を基にイヤホンケーブルアンテナ装置のケーブル長の違いによる性能比較の結果を示す。従来タイプのイヤホンケーブルアンテナではイヤホンケーブルの全長 (L1 +L2)を利用したのに対し、今回新たに提案したイヤホンケーブルアンテナはその一部（より性能が得られる特定の長さ）のみをアンテナとして利用し、その長さの違いによる新たな特性を利用するものである。

[0024] ここでは、イヤホンケーブルの全長 (L1 +L2)を仮に 600mmと固定し、イヤホンケ一ブルアンテナ素子 5の長さ（L1)を 144mm、 405mm, 600mmと変化させてアンテナ性能を評価した。これは、地上波デジタルテレビジョン周波数帯域である 470M Hz— 690MHz中の周波数 530MHzで、それぞれ略 1/4 λ、略 3/4 、略 1又となる長さに相当する。

[0025] なお、 L1が 600mmのときは L2 = 0mmとし、高周波切断回路 7を設けないものとして扱うことから、これを従来タイプの例として比較評価を行った。アンテナの性能比較には、自由空間中におけるアンテナの効率と、図 2及び図 3に示す人体近接使用時のアンテナ利得を評価した。

[0026] 図 2は、使用者 15が携帯受信端末においてテレビジョン放送を視聴している状態を想定して測定している様子 (使用時 1)を示したものである。図 2では、信号線 4および、イヤホンアンテナケーブル素子 5を総称してイヤホンケーブル全体 14として示している。ここでは、携帯受信端末と人体の距離 dを 300mmとして測定を行った。また、使用者 15はイヤホン 3を耳に挿入し、イヤホンケーブル全体 14は自然な状態で垂らされているものとする。

[0027] 図 3は、携帯受信端末をポケットなどに入れたまま放送波の音声のみを聞いている状態を想定して測定している様子 (使用時 2)を示したものである。ここでは、携帯受信端末と使用者 15の距離 dを 20mmとして測定を行った。当然この際には、使用者 1 5とイヤホンケーブル全体 14あるいは、使用者 15と携帯受信端末本体が近接すること力アンテナ性能の劣化が懸念される。

[0028] 図 4は Ll = 144mmにおけるアンテナ性能を、図 5は Ll =405mmにおけるアンテナ性能を、図 6は Ll = 600mmにおけるアンテナ性能をそれぞれ示した図である。なお、アンテナ性能は交差偏波比を 0とした水平面内パターン平均化利得 (PAG) [dB d]で表し、地上波デジタルテレビジョン使用周波数帯域（470MHz— 690MHz)内の 4つの周波数で測定を行って、る。人体近接時の使用形態として図 2の状態を使用時 1、図 3の状態を使用時 2として示している。

[0029] 図 4、図 5及び図 6で示されているように、 3種類のアンテナは共に運用周波数帯の全帯域にぉ、て不整合損失が小さくなるように、ほぼインピーダンス整合が取られており、自由空間効率（r? )も安定している。

[0030] これに対し、図 2に示すテレビジョン放送視聴 (使用時 1)や図 3に示す音声のみ放送受信 (使用時 2)を想定した状態では、イヤホンケーブルアンテナ素子 5の長さによつてアンテナ性能に大きな違いが現れた。特に、図 5で示した L1 = 3Z4 (405m m)とすることによって、運用周波数帯域全体にわたって高いアンテナ利得が得られることが判明した。図 5の場合では、使用時 1、使用時 2が共に 8dBd以上のアンテナ利得を安定して得ることができ、図 4や図 6の場合のように使用状態によって、 -15 dBd程度までアンテナ利得が劣化することがない。

[0031] 図 7は、イヤホンケーブルアンテナ素子 5を流れる高周波電流のイメージ図である。

一般に、アンテナ素子の動作長力 (図 7 (&) )、ぁるぃは3 4ぇ（図 7 (b) )であるとき、給電部での電流が最大となるため、広帯域な特性となることが知られている

[0032] ところが、アンテナ素子の動作長が 1Z4えの場合には、アンテナ素子に流れる高周波電流とほぼ同じ量の高周波電流が携帯受信端末本体にも流れてしまうため、人体の影響を受けやすくなるという問題がある。図 4において、 Ll = lZ4えの場合の特性劣化が大きいのはこのためである。

[0033] ここで、アンテナ素子の動作長が 3Z4 λの場合には、図 7 (b)のように、高周波電流の多くは主にアンテナ素子に流れ、携帯受信端末本体に流れる電流は全電流量の 1Z4程度と少ない。このため、広帯域特性を有しながらも、携帯受信端末本体を手で持つことによるアンテナ性能の劣化が生じにくぐまた、使用者の体に近接した時の劣化も少ない。

[0034] 一方、アンテナ素子の動作長が 1 λの場合には、図 7 (c)のように、ほぼ全ての高周波電流がアンテナ素子に流れるために、人体の影響をさらに受けにくい可能性があるが、一般に動作長が 1Z2えの整数倍のアンテナ素子は給電部電流が少なぐインピーダンスが高いために狭帯域である。このため、図 6ではインピーダンスの不整合が大きくなり、人体使用時利得が悪くなつている。

[0035] 以上のことから、イヤホンケーブルアンテナ素子 5の長さを運用周波数帯域の中心周波数付近で 3Ζ4 λ程度とすることによって、使用形態の変化による影響を受けにくい高利得で広帯域な受信アンテナとして有効であることが示された。

[0036] 地上波デジタルテレビジョン使用周波数帯域（470MHz— 690MHz)を運用周波数帯とした場合には、 3Ζ4 λは 480— 330mmとなり、イヤホンケーブルとしての使

V、勝手も良、長さとなって、る。

[0037] また、携帯電話で運用されているような、より高い UHF周波数帯域 800MHz— 2G

Hzであっても、 3Ζ4 λは 110— 280mmとなり、イヤホンケーブル内に収まるため、携帯電話用の外部アンテナとしても利用可能である。

[0038] なお、図 1では、信号線 4は 2本のみ示している力これをステレオ音声や、マイク信号線、リモコンケーブルなどの複数本のケーブルで構成し、それぞれに高周波分離回路 13を設ける構成によっても同様な効果が得られる。

[0039] また、図 1のイヤホンケーブルアンテナ素子 5は複数本あってもよぐ長さの異なるィャホンケーブルアンテナ素子 5を配置することで、複数の周波数帯域で動作するアンテナを実現することができる。 [0040] (実施の形態 2)

図 8は、本発明の実施の形態 2に係る放送受信装置の基本構成図である。実施の形態 2は、実施の形態 1において 3Z4 λ長イヤホンケーブルアンテナ素子 5と信号線 4を別々に配置していたのに対し、信号線 4とイヤホンケーブルアンテナ素子 5を共用している。このためイヤホンケーブルアンテナ素子 5として別に素子を設ける必要がない。

[0041] 実施の形態 1と同様、高周波切断回路 7を信号線 4の途中に装荷することにより、信号線 4の携帯受信端末本体側が目的周波数にお!、て L1 = 3/4 λ長相当のィャホンケーブルアンテナ素子 5として動作する。

[0042] イヤホンコネクタ部 8には放送受信回路 9から出力された音声信号線 10が接続されているが、イヤホンケーブルアンテナ素子 5の接続端には高周波を遮断する高周波分離回路 13を装荷し、音声信号とアンテナ信号を分離する。

[0043] 分離したアンテナ信号は、接地されたコイル 11により低周波部分である音声ノイズを除去した後、整合回路 12を通し、テレビジョン放送波の受信を行う受信回路である放送受信回路 9に接続される。このことにより、イヤホンケーブルアンテナ専用に別に素子を設ける必要がなぐケーブルの本数を少なくして広帯域で高感度なイヤホンケ一ブルアンテナ装置を構成できる。

[0044] なお、図 8では、信号線 4は 2本のみ示している力これをステレオ音声や、マイク信号線、リモコンケーブルなどの複数本のケーブルで構成し、それぞれに高周波分離回路 13を設ける構成でも同様な効果が得られる。

[0045] また、図 8では、音声の信号線 4をアンテナとして動作させる構成を示しているが、音声以外のマイク信号線、リモコンケーブルなどをアンテナとして動作させる構成でも同様な効果が得られる。

[0046] (実施の形態 3)

図 9は、本発明の実施の形態 3に係る放送受信装置の基本構成図である。実施の形態 3は、実施の形態 1を応用したもので、イヤホンケーブルアンテナ素子 5として、信号線 4のグランド外導体 16を利用する構成としている。

[0047] 信号線 4のグランド外導体 16は、音声信号帯域である低周波帯域において携帯受信端末本体の筐体内部のグランド、すなわち接地電位に接続されていることから、信号線 4をグランド外導体 16によって遮蔽することが可能である。

[0048] グランド外導体 16は、信号線 4をシールドして覆うような、例えば、網線状の導線で構成される。線状アンテナに流れる高周波電流は、導体の外表面を主に流れる。このことにより、グランド外導体 16上の外表面を流れる高周波電流と、グランド外導体 1 6の内部に配置された信号線 4の間に高周波的なアイソレーションを確保することができ、信号線 4への高周波電流の回り込みを低減できる。なお、音声信号線 10からコネクタを介して供給された音声信号は、信号線 4を通じて高周波切断回路 7まで接続され、イヤホン 3によって音声信号を伝えている。

[0049] このような構成にすることにより、高品位な音声信号をイヤホン 3で聞くことができ、さらに広帯域で高感度なイヤホンケーブルアンテナ装置を実現することができる。

[0050] なお、図 9の構成では、イヤホンケーブル内の信号線 4全体をグランド外導体 16で覆う構成としているが、複数の信号線 4のうち、一部分のみを覆う構成としても同様な効果が得られる。

[0051] (実施の形態 4)

図 10は、本発明の実施の形態 4に係る放送受信装置の基本構成図である。実施の形態 4は、実施の形態 1を基本として、図 10では、ステレオタイプのイヤホンコードをイヤホンケーブルアンテナ装置として用いた基本構造を示して、る。

[0052] 図 10に示すように、ステレオの音声ケーブルの分岐点に高周波切断回路 7を備えることにより、高周波切断回路 7をより目立たないデザインで実装することができる。また、類似の構造として、携帯電話などに用いられる音声マイク付イヤホンのマイク配置部やリモコン配置部においても応用が可能である。

[0053] なお、本実施の形態は、上記実施の形態 2及び実施の形態 3の、ずれの形態にお V、ても変形適用が可能である。

[0054] (実施の形態 5)

図 11は、本発明の実施の形態 5に係る放送受信装置の基本構成図である。実施の形態 5は、 3Z4 λ長のイヤホンケーブルアンテナ素子 5の外に筐体に実装された筐体実装アンテナ 19、その整合回路 18、高周波スィッチ 17、制御部 20を備えた放送受信装置である。ここで、筐体実装アンテナ 19として、例えば携帯電話用アンテナとの共用やテレビジョン放送受信専用小型アンテナなどが考えられる。

[0055] 高周波スィッチ 17は、例えば PINダイオードや FETで構成される高周波切替え回路であり、その出力は放送受信回路 9に入力され、入力側には整合回路 18が接続される。

[0056] 制御部 20では、放送受信回路 9で得られた受信信号のうち品質の良い方のアンテナがいずれかであるかを判別し、高周波スィッチ 17を制御することにより、常に高い受信性能を維持する。アンテナの選択の判定基準としては、受信電力の高い方を選択する、あるいは信号復調後の誤り率の低い方を選択する等の根拠が考えられる。

[0057] このように複数のアンテナ素子を高周波スィッチ 17で選択することで、移動通受信環境や、様々な使用環境においても、常に安定した受信性能が得られる。さらに、ィャホンケーブルアンテナ素子 5が接続されな、ような使用状態にぉ、てもテレビジョン放送の受信が可能となる。また、筐体実装アンテナ 19には、イヤホンケーブルアンテナ素子と異なるタイプのアンテナとして、ループアンテナやスロットアンテナ、板状逆 Fアンテナ、ヘリカルアンテナ、ロッドアンテナなどを採用することで、高いダイバーシチ効果が得られる。

[0058] なお、本実施の形態は、上記実施の形態 2、 3、 4のいずれにおいても変形適用が可能である。

[0059] (実施の形態 6)

図 12は、本発明の実施の形態 6に係る放送受信装置の基本構成図である。実施の形態 6は、イヤホンケーブルアンテナ素子 5先端の高周波切断回路 7をイヤホン中間部付近のリモコン 30部分に内蔵して備えている。これにより、高周波切断回路 7が外見上見えなくなりデザインに対する影響がなくなる。また、リモコン 30によりイヤホンケーブルアンテナ素子 5のケーブル本数が多くなる力そのすべてに高周波切断回路 7を装荷する。

[0060] なお、本実施の形態は、上記実施の形態 1から 5のいずれにおいても変形適用が可能である。

[0061] (実施の形態 7) 図 13は、本発明の実施の形態 7に係る放送受信装置の基本構成図である。実施の形態 7は、イヤホンコネクタ部 8部分から、たとえばレツヘル線等の平衡伝送線路 2 1を用いてイヤホンケーブル途中（L4)まで接続し、その一端力 4分の 1 λ以上の長さであるイヤホンケーブルアンテナ素子 5 (L3)をイヤホン 3まで構成する。また、前記イヤホンケーブルアンテナ素子 5と信号線 4が平行に配置される。

[0062] 図 15 (a)は、実施の形態 7におけるイヤホンケーブルアンテナ素子 5を流れる高周波電流のイメージ図である。これによると、平衡伝送線路 21を用いることにより、ィャホンケーブルの中間点において給電が可能となり、下筐体 2に電流がほとんど流れない。つまり、本イヤホンケーブルアンテナ装置は不平衡型のアンテナであり、筐体電流が流れることにより筐体形状等による影響を受け易力つた問題点が改善される。また、放送受信回路 9へのアンテナ入力力通常、平衡線路であることから、平衡 '不平衡変翻が不必要であり、変換損失を省くことができる。

[0063] (実施の形態 8)

図 14は、本発明の実施の形態 8に係る放送受信装置の基本構成図である。実施の形態 8は、実施の形態 7を基本としたものであり、イヤホンケーブルアンテナ素子 5 ( L3)の先端に高周波切断回路 7を備えており、さらに信号線 4 (L2)を経由してィャホン 3に接続される。

[0064] 図 15 (b)は実施の形態 8におけるイヤホンケーブルアンテナ素子 5を流れる高周波電流のイメージ図である。これによると、高周波切断回路 7によりイヤホンケーブルの中間点のみがアンテナとして動作していることが分かる。つまり、使用時にはイヤホン 3が使用者の耳に挿入されて人体に近接することから、イヤホン 3から L2の距離をァンテナとして動作させないことにより、アンテナの使用時性能の劣化を軽減するきことができる。

[0065] なお、本実施の形態は、上記実施の形態 4、 6の、ずれにお、ても適用可能である

[0066] (実施の形態 9)

本発明の実施の形態 9では、放送受信装置を携帯電話 (携帯無線装置)とし、そのアンテナは、一例として、テレビジョン放送（周波数は 470MHzから 700MHz程度）の受信に用いるものとして説明する。

[0067] 図 16は、本発明の実施の形態 9に係る放送受信装置及び接続ケーブルの基本構成図である。この図において、筐体 101の内部には、回路基板 127が配設されている。回路基板 127には、演算機能や記憶機能を備えた制御部 111、図示せぬテレビチューナ部を備えた無線回路部 109、整合回路 12、特許請求の範囲の第 1接続手段に該当するコネクタ 102が実装されており、機械的に固定されている。

[0068] 制御部 111とコネクタ 102の内部に設けられた複数の制御端子 103とは、複数の信号線 110を介して電気的に接続され、特許請求の範囲の外部接続機器に該当するイヤホン 3に音声情報を伝達するための複数の電気信号が制御部 111から出力される。ちなみに、信号線 110は回路基板 127上の印刷パターンで構成されている。

[0069] 無線回路部 109とコネクタ 102の給電端子 104とは整合回路 12を介して電気的に接続される。

[0070] このようにコネクタ 102の内部には、複数の制御端子 103と給電端子 104が配設されており、コネクタ 102と接続ケーブル 128の一端に設けられたコネクタ 105とが接続することにより、複数の制御端子 103と複数の信号線 4とが電気的に接続され、給電端子 104とアンテナ素子 106とが電気的に接続される。

[0071] ここで、複数の信号線 4及びアンテナ素子 106はそれぞれが線状導体で形成されており、複数の信号線 4とアンテナ素子 106とはそれぞれが電気的に接続しないように絶縁体材料で覆われた上で、接続ケーブル 128として束ねられる。

[0072] アンテナ素子 106の長さ L4は、 40cm程度である。この長さはテレビジョン放送帯域において、約 0. 6 λ力ら 1 λ程度にネ目当する。

[0073] 接続ケーブル 128のコネクタ 105が配設された逆側の端には、特許請求の範囲の第 2接続手段に該当するコネクタ 118が配設されている。

[0074] コネクタ 118には、イヤホン 3のイヤホンジャック 113が接続され、複数の信号線 4とイヤホン 3とを電気的に接続する。

[0075] このように、コネクタ 102とコネクタ 105とが接続され、コネクタ 118とイヤホンジャック 113とがそれぞれ接続されることにより、制御部 111とイヤホン 3が電気的に接続され、制御部 111の音声信号力イヤホン 3に伝達され、イヤホン 3から音声が出力される。 [0076] 上記のように構成された放送受信装置にお!/、て、長さ 40cm程度のアンテナ素子 1 06力回路基板 127の接地電位となるグランドパターン上のモノポールアンテナとして動作し、整合回路 12がこのモノポールアンテナのインピーダンスを無線回路部 10 9の入力インピーダンス（一般的には 50 Ω )に整合する。

[0077] このようにアンテナが構成された放送受信装置及び接続ケーブルでは、従来のィャホンケーブルを直接アンテナにする場合とは異なり、イヤホン 3と筐体 101との間に接続ケーブル 128を設け、接続ケーブル 128内に設けられたアンテナ素子 106に給電するため、様々な種類及び様々な長さのイヤホンケーブルを有するイヤホン 3を使用しても、アンテナ素子 106の電気的な長さは変わらないため、常に安定して高いァンテナ性能を得ることができる。

[0078] 図 17は、図 16に示す放送受信装置でテレビジョン放送を視聴する状態を示す図である。この図が示すように、テレビジョン視聴状態では、人体 125にアンテナ素子 1 06が近接し難いため、人体近接によるアンテナ性能の低下を軽減することができるので、高いアンテナ性能を得ることができる。

[0079] このように本実施の形態によれば、従来の外部接続機器の信号線をアンテナにする場合とは異なり、様々な外部接続機器に対応することができ、アンテナと人体との近接によるアンテナ性能の低下を軽減し、高、アンテナ性能を得ることができる。

[0080] なお、本実施の形態では、テレビジョン放送の周波数帯域を使用する場合にっ、て説明したが、本発明はこれに限るものではなぐアンテナ素子長を変更するなどにより、テレビジョン放送以外の FM放送などの周波数帯域を使用してもよい。

[0081] また、本実施の形態では、イヤホンジャック 113をコネクタ 118に接続した状態について説明したが、本発明はこれに限るものではなぐイヤホンジャック 113及びィャホン 3がなヽ状態でも、高ヽアンテナ性能を得ることができる。

[0082] また、本実施の形態では、外部接続機器としてイヤホンを用いて説明したが、本発明はこれに限るものではなぐ例えば、外部ディスプレーやパソコンであってもよい。

[0083] また、本実施の形態では、筐体 101の形状をストレート型として説明したが、本発明はこれに限るものではなぐ例えば、実施の形態 1等で説明した折畳み式形状でもよい。 [0084] (実施の形態 10)

図 18は、本発明の実施の形態 10に係る放送受信装置及び接続ケーブルの基本構成図である。図 18が図 16と異なる点は、インダクタンス素子 117を複数の信号線 1 10のそれぞれに直列に、かつ、コネクタ 102の近傍に装荷する点と、インダクタンス素子 119をコネクタ 118の内部の複数の信号線 4のそれぞれに直列に装荷する点である。

[0085] インダクタンス素子 117は、テレビジョン放送で使用する周波数においてはそのインピーダンスが充分高ぐ直流電流に対してはインピーダンスが充分低くなるように設定される。筆者らの実験によると、 470MHz— 710MHzのテレビジョン放送の周波数帯では、インダクタンス値が 200nH以上であれば充分である。また、インダクタンス素子 117は、コネクタ 102の近傍で、例えば制御端子 103から 5mm以内に配置することがアンテナ性能上望ま、。

[0086] インダクタンス素子 119は、インダクタンス素子 117と同様にテレビジョン放送で使用する周波数においてはそのインピーダンスが充分高ぐ直流電流に対してはインピ一ダンスが充分低くなるように設定される。また、インダクタンス素子 119は、アンテナ素子 106のコネクタ 118側の端部から 5mm以内に配置することがアンテナ性能上望ましい。

[0087] 上記のように構成された放送受信装置において、無線回路部 109からアンテナ素子 106に励起された高周波電流は、ケーブル 128内のアンテナ素子 106と信号線 4 との近接によりこれらが電磁的に結合し、信号線 4に漏洩する。このとき、インダクタンス素子 117が配置されていなければ、高周波電流は信号線 4を介して回路基板 127 上の信号線 110に流れ、更には回路基板 127の接地電位となるグランドパターンに流れ、アンテナ性能が劣化する。また、インダクタンス素子 119が配置されていなければ、高周波電流は信号線 4に接続されているイヤホン 3に流れるためアンテナ性能が劣化する。

[0088] よって、本実施の形態の放送受信装置及び接続ケーブルの場合には、アンテナ素子 106の両端の近傍において信号線 4に配置されたインダクタンス素子（117、 119) 1S 信号線 4に漏洩した高周波電流を遮断することができ、アンテナ性能の劣化を軽減することができる。また、制御部 111とイヤホン 3は、直流電流の損失が小さいインダクタンス素子（117、 119)を介して電気的に接続されるため、イヤホン 3に電気信号を伝達することができ、イヤホン 3を動作させることができる。

[0089] このように本実施の形態によれば、アンテナ素子 106と信号線 4とが近接し、電磁的に結合することにより、放射抵抗の低下を軽減することができ、広い周波数帯域幅を確保することができ、高、アンテナ性能を得ることができる。

[0090] なお、本実施の形態では、高周波電流の切断手法として信号線 110の各線にインダクタンス素子 117を配置し、信号線 4の各線にインダクタンス素子 119を配置したが、本発明はこれに限るものではなぐ例えば LC並列共振回路などのように特定の周波数帯のインピーダンスを高くし、直流電流ではインピーダンスを低くすれば同様の効果を得ることができる。

[0091] また、本実施の形態では、インダクタンス素子 117とインダクタンス素子 119の 2つが同時に配置された構成で説明したが、本発明はこれに限るものではなぐインダクタンス素子 117のみ又はインダクタンス素子 119のみが配置された場合でも、従来と比較して高、アンテナ性能を得ることができる。

[0092] また、本実施の形態では、インダクタンス素子 117を回路基板 127上の信号線 110 に装荷した力本発明はこれに限るものではなぐコネクタ 102の内部の信号線 110 に装荷してもよい。

[0093] (実施の形態 11)

図 19は、本発明の実施の形態 11に係る放送受信装置及び接続ケーブルの基本構成図である。図 19が図 18と異なる点は、インダクタンス素子 117の代わりにインダクタンス素子 130をコネクタ 105の内部に配置した点と、複数の信号線 4のコネクタ 1 18から所定の距離 L5を隔てた位置に直列にインダクタンス素子 131を装荷した点である。

[0094] インダクタンス素子 130は、コネクタ 105の内部に配置され、複数の信号線 4にそれぞれ装荷される。インダクタンス素子 130は、テレビジョン放送で使用する周波数では、そのインピーダンスが充分高ぐ直流電流に対してはインピーダンスが充分低くなるように設定される。 [0095] このように、インダクタンス素子 130をコネクタ 105の内部に配置することにより、回路基板 127上にインダクタンス素子を配置した場合と同様に高いアンテナ性能を確保することができ、かつ、回路基板 127の実装面積を拡大することができる。

[0096] インダクタンス素子 131は、コネクタ 118から距離 L5を隔てた位置の複数の信号線 4に直列に装荷される。インダクタンス素子 131は、インダクタンス素子 130と同様にテレビジョン放送で使用する周波数では、そのインピーダンスが充分高ぐ直流電流に対してはインピーダンスが充分低くなるように設定される。

[0097] 複数の信号線 4に、インダクタンス素子（130、 119)がそれぞれ直列に装荷されており、インダクタンス素子 131が装荷されていない場合には、アンテナ素子 106に近接して、る複数の信号線 4にも電磁的な結合のためアンテナ電流が励起される。このとき、高周波電流はインダクタンス素子 130とインダクタンス素子 119の位置で遮断されるため、インダクタンス素子 130とインダクタンス素子 119の間に挟まれた部分の複数の信号線 4の高周波的な長さは、アンテナ素子 106とほぼ同等になる。そのため、信号線 4はテレビジョン放送受信周波数帯に共振する長さとなることから、信号線 4に多くのアンテナ電流が漏洩し、広い周波数帯域の一部の周波数でアンテナ性能が劣化する。そこで、インダクタンス素子 131をコネクタ 118から距離 L5を隔てた位置の複数の信号線 4に装荷し、複数の信号線 4の高周波的な長さを短くすることによって、複数の信号線 4へのアンテナ電流の漏洩を軽減する。これにより、特定の周波数でのアンテナ性能の劣化を軽減することができ、広、周波数帯域にぉ、て高、アンテナ性能を得ることができる。

[0098] なお、筆者らの実験によると L5は ΐΖ4 λ力 1Z2えの長さが望ましいことが確認されている。

[0099] このように本実施の形態によれば、インダクタンス素子 130をコネクタ 105に配置することで回路基板 127の実装面積を拡大することができ、インダクタンス素子 131を設けることで特定の周波数帯でのアンテナ性能の劣化を軽減することができ、広、周波数帯域にぉ、て高、アンテナ性能を得ることができる。

[0100] なお、本実施の形態では、高周波電流の遮断手法として信号線 4にインダクタンス素子 130及びインダクタンス素子 131を配置した力本発明はこれに限るものではなぐ例えば LC並列共振回路などのように特定の周波数帯のインピーダンスを高くし、直流電流ではインピーダンスを低くすれば同様の効果を得ることができる。

[0101] なお、本実施の形態では、テレビジョン放送受信周波数帯のアンテナとして説明したが、本発明はこれに限るものではなぐ携帯電話の送受信用アンテナとしてもインダクタンス素子の定数を所望の周波数帯域でインピーダンスを高くなるように選択し、アンテナ素子 106の電気長を最適にすることにより、高いアンテナ性能を得ることができる。

[0102] 本発明の第 1の態様は、運用周波数帯域の略 4分の 3波長の長さを有するイヤホンケーブルアンテナ素子と、前記イヤホンケーブルアンテナ素子よりも長ぐ前記ィャホンケーブルアンテナ素子と平行に配置された信号線と、前記信号線における放送受信装置側の接続端力運用周波数帯域の略 4分の 3波長隔てた位置で前記信号線に流れる高周波電流を切断する高周波切断回路と、を備えるイヤホンケーブルアンテナ装置である。

[0103] この構成によれば、人体近接時の影響を受けにくい放送受信機用アンテナとして、安定したアンテナ性能を得ることができる。

[0104] 本発明の第 2の態様は、上記態様において、前記イヤホンケーブルアンテナ素子に電気信号と高周波信号とを分離する分離回路を有し、前記イヤホンケーブルアンテナ素子を前記信号線と共用するイヤホンケーブルアンテナ装置である。

[0105] 本発明の第 3の態様は、上記態様において、前記イヤホンケーブルアンテナ素子を前記信号線のグランド外導体として共用するイヤホンケーブルアンテナ装置である

[0106] 本発明の第 4の態様は、上記態様において、ステレオタイプのイヤホンコード分割部分に前記高周波切断回路を備えるイヤホンケーブルアンテナ装置である。

[0107] 本発明の第 5の態様は、上記態様において、筐体実装アンテナ素子と、前記筐体実装アンテナ素子と前記イヤホンケーブルアンテナ素子とを選択する切替え手段と、前記筐体実装アンテナ素子における受信信号品質と前記イヤホンケーブルアンテナ素子における受信信号品質との比較結果に基づいて、前記切替え手段を制御する制御部と、を備えるイヤホンケーブルアンテナ装置である。 [0108] 本発明の第 6の態様は、上記態様において、前記高周波切断回路をリモコン部に内蔵するイヤホンケーブルアンテナ装置である。

[0109] 本発明の第 7の態様は、平衡伝送線路と、前記平衡伝送線路に接続され、運用周波数帯域の 4分の 1波長以上の長さを有するイヤホンケーブルアンテナ素子と、を備えるイヤホンケープノレアンテナ装置である。

[0110] 本発明の第 8の態様は、上記態様において、前記イヤホンケーブルアンテナ素子よりも長ぐ前記イヤホンケーブルアンテナ素子と平行に配置された信号線と、前記信号線における放送受信装置側の接続端力運用周波数帯域の略 4分の 3波長隔てた位置で前記信号線に流れる高周波電流を切断する高周波切断回路と、を備えるィャホンケーブルアンテナ装置である。

[0111] これらの構成によれば、使用形態に左右されにくい、安定したアンテナ性能が得られる UHF帯イヤホンケーブルアンテナ及び放送受信装置を実現することができる。

[0112] 本発明の第 9の態様は、上記態様において、上述したイヤホンケーブルアンテナ装置を備える放送受信装置である。

[0113] 本発明の第 10の態様は、放送受信装置に設けられた第 1接続手段と、前記第 1接続手段に接続されるケーブルと、前記ケーブルの他端に設けられた第 2接続手段と、前記ケーブル内に線状導体で形成されたアンテナ素子と、前記ケーブル内で前記アンテナ素子と平行して配置され、線状導体で形成された信号線と、を備え、前記ケ一ブルが前記第 1接続手段に接続された状態において、前記アンテナ素子が放送受信装置の外部アンテナとして動作する接続ケーブルである。

[0114] この構成によれば、ケーブルが第 1接続手段に接続されている状態において、アンテナ素子が放送受信装置の外部アンテナとして動作するため、第 2接続手段に様々な外部接続機器が接続された場合でも高ヽアンテナ性能を得ることができる。また、接続ケーブル内にアンテナ素子があるため、アンテナ素子と人体との距離を大きくすることができ、人体の影響によるアンテナ性能の劣化を軽減することができ、高いアンテナ性能を得ることができる。

[0115] 本発明の第 11の態様は、上記態様において、前記第 1接続手段の近傍の前記信号線に直列にインダクタンス素子を装荷する接続ケーブルである。 [0116] この構成によれば、アンテナ素子と信号線の電磁的な結合によるアンテナ性能の劣化を軽減することができ、高、アンテナ性能を得ることができる。

[0117] 本発明の第 12の態様は、上記態様において、前記第 2接続手段の近傍の前記信号線に直列にインダクタンス素子を装荷する接続ケーブルである。

[0118] この構成によれば、アンテナ素子と信号線の電磁的な結合によるアンテナ性能の劣化を軽減することができ、高、アンテナ性能を得ることができる。

[0119] 本発明の第 13の態様は、上記態様において、前記第 2接続手段から所定の間隔を隔てた前記信号線に直列にインダクタンス素子を装荷する接続ケーブルである。

[0120] この構成によれば、アンテナ素子と信号線とが近接し電磁的に結合することによる放射抵抗の低下を軽減することができ、広い周波数帯域幅を確保することができ、ァンテナ素子と信号線の電磁的な結合による放射抵抗の低下を軽減することができ、アンテナ性能の劣化を軽減することができ、広、周波数帯域幅にぉ、て高、アンテナ性能を得ることができる。

[0121] 本発明の第 14の態様は、上記態様において、前記第 2接続手段に接続される外部接続機器を備える接続ケーブルである。

[0122] この構成によれば、第 2接続手段に様々な外部接続機器が接続された場合でも高いアンテナ性能を得ることができる。また、接続ケーブル内にアンテナ素子があるため、アンテナ素子と人体との距離を大きくすることができ、人体の影響によるアンテナ性能の劣化を軽減することができ、高、アンテナ性能を得ることができる。

[0123] 本明細書は、 2004年 6月 11日出願の特願 2004— 174306及び 2005年 1月 11日出願の特願 2005— 004316に基づくものである。この内容は全てここに含めておく。産業上の利用可能性

[0124] 本発明に係るイヤホンケーブルアンテナ装置、接続ケーブル及び放送受信装置は、テレビジョン放送を視聴している状態において、特に性能劣化の激しい人体に近接した場合において安定したアンテナ性能が得られ、また、イヤホンケーブルを使用して、るためデザイン面力の制約も小さぐ新たに必要な部品も少な、ためコスト面での負荷が小さいことから新たなアンテナ装置として実用化が容易である。

Claims

請求の範囲

[1] 運用周波数帯域の略 4分の 3波長の長さを有するイヤホンケーブルアンテナ素子と前記イヤホンケーブルアンテナ素子よりも長ぐ前記イヤホンケーブルアンテナ素子と平行に配置された信号線と、

前記信号線における放送受信装置側の接続端から運用周波数帯域の略 4分の 3 波長隔てた位置で前記信号線に流れる高周波電流を切断する高周波切断回路と、を備えるイヤホンケーブルアンテナ装置。

[2] 前記イヤホンケーブルアンテナ素子に電気信号と高周波信号とを分離する分離回路を有し、

前記イヤホンケーブルアンテナ素子を前記信号線と共用する請求項 1記載のィャホンケーブルアンテナ装置。

[3] 前記イヤホンケーブルアンテナ素子を前記信号線のグランド外導体として共用する請求項 1記載のイヤホンケーブルアンテナ装置。

[4] ステレオタイプのイヤホンコード分割部分に前記高周波切断回路を備える請求項 1 に記載のイヤホンケーブルアンテナ装置。

[5] 筐体実装アンテナ素子と、

前記筐体実装アンテナ素子と前記イヤホンケーブルアンテナ素子とを選択する切替え手段と、

前記筐体実装アンテナ素子における受信信号品質と前記イヤホンケーブルアンテナ素子における受信信号品質との比較結果に基づいて、前記切替え手段を制御する制御部と、

を備える請求項 1に記載のイヤホンケーブルアンテナ装置。

[6] 前記高周波切断回路をリモコン部に内蔵する請求項 1に記載のイヤホンケーブルアンテナ装置。

[7] 平衡伝送線路と、

前記平衡伝送線路に接続され、運用周波数帯域の 4分の 1波長以上の長さを有するイヤホンケープノレアンテナ素子と、を備えるイヤホンケーブルアンテナ装置。

[8] 前記イヤホンケーブルアンテナ素子よりも長ぐ前記イヤホンケーブルアンテナ素子と平行に配置された信号線と、

前記信号線における放送受信装置側の接続端から運用周波数帯域の略 4分の 3 波長隔てた位置で前記信号線に流れる高周波電流を切断する高周波切断回路と、を備える請求項 7に記載のイヤホンケーブルアンテナ装置。

[9] 請求項 1に記載のイヤホンケーブルアンテナ装置を有する放送受信装置。

[10] 放送受信装置に設けられた第 1接続手段と、

前記第 1接続手段に接続されるケーブルと、

前記ケーブルの他端に設けられた第 2接続手段と、

前記ケーブル内に線状導体で形成されたアンテナ素子と、

前記ケーブル内で前記アンテナ素子と平行して配置され、線状導体で形成された信号線と、

を備え、

前記ケーブルが前記第 1接続手段に接続された状態において、前記アンテナ素子が放送受信装置の外部アンテナとして動作する接続ケーブル。

[11] 前記第 1接続手段の近傍の前記信号線に直列にインダクタンス素子を装荷する請求項 10に記載の接続ケーブル。

[12] 前記第 2接続手段の近傍の前記信号線に直列にインダクタンス素子を装荷する請求項 10に記載の接続ケーブル。

[13] 前記第 2接続手段から所定の間隔を隔てた前記信号線に直列にインダクタンス素子を装荷する請求項 10に記載の接続ケーブル。

[14] 前記第 2接続手段に接続される外部接続機器を備える請求項 10に記載の接続ケ一ブル。