WO2005032766A1

WO2005032766A1 - 竪型両頭平面研削盤におけるドレス方法

Info

Publication number: WO2005032766A1
Application number: PCT/JP2004/014360
Authority: WO
Inventors: Yasutsugu Muranishi; Rodney William Schoen; Dana Lynn Mason
Original assignee: Daisho Seiki Corporation; Honda Motor Co., Ltd.
Priority date: 2003-10-01
Filing date: 2004-09-30
Publication date: 2005-04-14
Also published as: CN1894073A; US20070021041A1; JPWO2005032766A1; JP4457073B2; DE112004001774T5

Abstract

　課題は、特別のドレス装置を組み込むことなく、竪型両頭平面研削盤の研削砥石をドレッシングできるようにすることである。竪型両頭平面研削盤は、垂直軸芯回りに回転する上下１対の砥石車（２，３）と、ワークを所定位置に保持すると共に垂直軸心回りに自転可能なワーク保持部（９）と、を備えている。ワーク保持部（９）は、ワークの位置決めのための第１、第２基準面（３１，３２）を有し、第１基準面（３１）が、ワーク保持部（９）の自転軸心（Ｏ２）と同心の円周面よりなり、第２基準面（３２）が前記自転軸心に直交する面よりなる。目立て工具は、第１基準面に嵌合する嵌合部（６２）と、第２基準面に当接する当接面（６２ｄ）とを有している。第１基準面（３１）に嵌合部（６２）を嵌合し且つ第２基準面（３２）に当接面（６２ｄ）を当接することにより目立て工具を位置決めした状態でワーク保持部（９）に装着し、ドレッシングする。

Description

明細書

竪型両頭平面研削盤におけるドレス方法

技術分野

[0001] 本発明は垂直軸芯回りに回転する上下 1対の砥石車を備えた竪型両頭平面研削盤におけるドレス方法に関し、例えば、円板部とハブ部とを一体的に有するワークの上記円板部の上下両面を研削するのに適した堅型両頭平面研削盤におけるドレス方法に関する。

背景技術

[0002] 従来、堅型両頭平面研削盤の研削砲石をドレッシング（目立て)する場合には、図 8 のように平面研削盤に組み込まれたドレス装置 110を利用しており、該ドレス装置 11 0に装着した目立て砲石 101により、研削砥石 105のドレッシングを行なっている。

[0003] 図 8のドレス装置 110を簡単に説明すると、スイングアーム 100を研削盤上に回動可能に設け、スイングアーム 100の先端部に目立て砲石 101を回転駆動可能に支持し、スイングアーム 100の他端部は駆動用シリンダ 102のロッド 103に連結してある。目立て砲石 101の回転は、図示しないが適宜の伝動機構を介してオイルモータ又は伝動モータにより行なわれている。

[0004] 前記ドレス装置 110で上下の研削砥石 105をドレッシングする場合には、スイングアーム 100を回動して目立て砥石 101を上下研削砥石 105間に挿入し、目立て砥石 101を回転（自転)させると同時に研削砲石 105も回転させ、研削砲石 105を昇降させることにより、研削砲石 105の端面 (砥面）をドレッシングする。

[0005] なお、下記特許文献 1には、両頭平面研削盤の砲石のドレッシング方法に関する技術が開示されている。

[0006] 特許文献 1：特開平 09— 070757号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 堅型両頭平面研削盤では、上下の研削砲石の砥面の平行度及び平面度と、ヮーク保持治具によるワークの平行度力ワークを高品質に仕上げるために必要な条件であり、特にブレーキディスク等のように薄い円板部分を有するワークを研削する場合には、ワークの橈み等が影響するため、上記砥面の及びワークの平行度は、ヮークの研削品質に対して極めて重要な要素となる。

[0008] 研削砥面の平行度及び平面度を維持するために、ドレッシングを行なうのであるが、図 8のようにスイングアーム 100で目立て砥石 101を片持ち支持する構造では、スイングアーム 100の剛性に限界があるため、長期間使用している間に、目立て砲石 1 01を正常な姿勢で保持することが困難になり、平行度の調節作業に手間が力かるようになる。

[0009] また、スイングアーム 100ゃシリンダ 102等力もなるドレス装置 110を平面研削盤に組み込んであるため、平面研削盤全体が大形ィ匕すると共にコストも高くなる。

課題を解決するための手段

[0010] 前記課題を解決するため、第 1の発明は、垂直軸芯回りに回転する上下 1対の砥石車と、ワークを所定位置に保持すると共に垂直軸心回りに自転可能なワーク保持部と、を備え、ワーク保持部に保持されたワークを両砥石間に挿入することにより上下両端面を同時に平面研削する堅型両頭平面研削盤におけるドレス方法において、ヮーク保持部が、ワークの位置決めのための第 1、第 2基準面を有し、第 1基準面が、ヮーク保持部の自転軸心と同心の円周面よりなり、第 2基準面が前記自転軸心に直交する面よりなり、第 1基準面に嵌合する嵌合部と、第 2基準面に当接する当接面と、を目立て砲石を有する目立て工具に設けると共に、第 1基準面に嵌合部を嵌合し且つ第 2基準面に当接面を当接することにより目立て工具を位置決めした状態でワーク保持部に装着し、ワーク保持部に保持された目立て工具を両砥石間に挿入すること〖こより上下の砲石をドレッシングすることを特徴とする。

[0011] また、本発明は、上記第 1の発明において、ワーク保持部が、垂直軸心回りに自転自在な自転軸と、この自転軸に着脱自在に装着されるとともにワークを所定位置に保持するワーク保持治具とを有しており、自転軸が、前記第 1,第 2基準面を有し、ヮーク保持治具が、自転軸に対する位置決めのために、前記第 1基準面に嵌合する軸嵌合部と、第 2基準面に当接する軸当接面と、を有しており、目立て工具の嵌合部を自転軸の第 1基準面に嵌合すると共に、目立て工具の当接面を自転軸の第 2基準面に当接することによって、目立て工具を、自転軸に対してワーク保持治具と交換で装着するようにして、ることを特徴とする。

[0012] 更に、本発明は、上記第 1の発明において、ワークが、円板部とハブ部とを一体的に有し、ワーク保持治具が、前記第 1基準面を構成するとともにワークのハブ部の外周面が嵌合するセンター位置決め用内周面と、前記第 2基準面を構成するとともに円板部の下面が当接するワーク基準面とを有し、目立て工具が、前記嵌合部を構成するとともにワークのハブ部と同一外径を有する円筒部材と、前記当接面を構成する円筒部材のフランジ部の下面と、円筒部材に同心に結合された円板状の目立て砥石とを有しており、円筒部材をワーク保持治具のセンター位置決め用内周面に嵌合すると共に円筒部材のフランジ部の下面をワーク基準面に当接させることによって、目立て工具を、ワーク保持治具に対してワークと交換で装着するようにしていることを特徴とする。

[0013] 第 2の発明は、垂直軸芯回りに回転する上下 1対の砲石車と、円板部とハブ部とを一体的に有するワークを所定位置に保持すると共に自転可能なワーク保持治具と、ワークをワーク保持治具に押え付けるクランプ装置を備え、上記ワーク保持治具は、ワークのハブ部の外周面が嵌合するセンター位置決め用内周面と円板部の下面が当接するワーク基準面を有し、ワーク保持治具に保持されたワークを両砥石間に挿入することにより上下両端面を同時に平面研削する堅型両頭平面研削盤におけるドレス方法において、上記ワークのハブ部と同一外径を有する円筒部材と、該円筒部材に同心に結合された円板状の目立て砲石により目立て工具を構成し、上記目立て工具の円筒部材をワーク保持治具のセンター位置決め用内周面に嵌合すると共に目立て砲石の下面をワーク基準面に当接させ、クランプ装置により目立て工具をヮーク保持治具に押え付け、ワーク保持治具に保持された目立て工具を両砥石間に挿入することにより上下の砲石をドレッシングする。

[0014] また、本発明は、上記第 2の発明において、前記センター位置決め用内周面とヮーク基準面とを一体に有する円筒型の位置決めピースよりなるワーク保持治具を使用している。

[0015] さらに、本発明は、上記第 2の発明において、ドレス工具の円筒部の上端は、クランプ装置の鋼球により押え付けられる。

発明の効果

[0016] (1)ワーク保持部（自転軸又はワーク保持治具)に目立て工具を装着し、ワーク研削作業と同様な作業により研削砲石のドレッシングを行なうので、従来のようにスイングアームや駆動用のシリンダ等力もなるドレス装置を備える必要がなくなると共に、従来のようなドレス装置自体を取り扱う作業が不要となり、平面研削盤の部品点数の削減、コスト低減及び小型化を達成できると共に、ドレッシング作業自体も容易になる。

[0017] (2)ワークを位置決めするためのワーク保持部の第 1基準面に目立て工具の嵌合部を嵌合し、同じく第 2基準面に目立て工具の当接面を当接させた状態で、目立てェ具をワーク保持部に装着し、ドレッシングを行うので、研削砲石に対する目立て砲石の平行度を簡単且つ正確に維持することができ、目立て精度を向上させることができる。

[0018] (3)第 1、第 2基準面によって正確に位置決めした状態でワーク保持治具が装着される自転軸に対して、この第 1,第 2基準面を利用して目立て工具を装着するようにしているので、目立て工具も正確に位置決めして装着することができ、研削砲石に対する目立て砲石の平行度を簡単且つ正確に維持することができ、目立て精度を向上させることがでさる。

[0019] (4)目立て工具の円筒部材をワーク保持治具のセンター位置決め用内周面に直接嵌合し、円筒部材のフランジ部の下面をワーク基準面に当接させた状態で目立てェ具をワーク保持治具に固定し、ドレッシングを行なうので、上記と同様に、研削砲石に対する目立て砲石の平行度を簡単かつ正確に維持することができ、目立て精度を向上させることができる。

[0020] (5)前記センター位置決め用内周面とワーク基準面とを一体に有する円筒型の位置決めピースを利用すると、ワーク保持治具の構造を簡素化でき、また、目立て砲石の取付姿勢を、簡単かつ正確に所定の姿勢に固定できる。

[0021] (6)ドレス工具の円筒部の上端を、クランプ装置の鋼球により押え付けると、クランプ用のスペースが小さくて済む。

図面の簡単な説明 [0022] [図 1]本発明の方法を実施する竪型両頭平面研削盤の側面図である。

[図 2]着脱位置におけるワーク保持治具及びワークの縦断面図である。

[図 3]研削位置におけるワーク保持治具、ワーク及び押付ユニットの縦断面図である

[図 4]本発明の方法に用いる目立て工具の分解縦断面図である。

[図 5]円筒部材の底面図である。

[図 6]ワーク保持部に装着した状態の目立て工具を示す縦断面図である。

[図 7]第 2の実施形態におけるワーク保持部に装着した状態の目立て工具を示す竪断面図である。

[図 8]従来例の平面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0023] [第 1の実施形態]

[竪型両頭平面研削盤の構造]

図 1一図 3は本発明によるドレス方法が実施できる竪型両頭平面研削盤であり、まず、堅型両頭平面研削盤の構造を説明する。側面図である図 1において、本体ケース 1内には上下に対向する 1対の砲石車 2、 3を収納しており、上下の砲石車 2、 3は、同一の垂直軸芯 03上に配置された上下の砥石軸 4、 5にそれぞれ固着されている。両砥石軸 4、 5はそれぞれ昇降機構により上下方向移動可能に構成されると共に、互いに逆方向に回転するように動力伝達機構に連動連結して、る。

[0024] ワーク供給用のインデックステーブル 6は垂直なテーブル駆動軸 7の上端に固着され、該テーブル駆動軸 7は円筒形の支持ケース 8に軸受を介してテーブル回転軸心 Ol回り回転可能に支持されると共に図示しない伝動機構を介して駆動モータに連動連結している。

[0025] インデックステーブル 6上には、 1対のワーク保持治具 10と、各ワーク保持治具 10 上のワーク Wを上方から固定するクランプ装置 12を備えて、る。

[0026] 両ワーク保持治具 10は、テーブル軸芯 Ol回りに 180° の位相差で配置されると共に、円筒形の治具支持ケース 15に自転軸芯 02回り回転駆動可能に支持されておりーブル 6が半回転することにより、砥石車側の研削位置 A2と、反対側の着脱位置 Alの間で位置変更できるようになって!/、る。

[0027] クランプ装置 12は、下方へ伸長可能なクランプロッド 21を有する 1対のシリンダ 22 と、各クランプロッド 21の下端部に装着された押付ユニット 23から構成されている。各シリンダ 22は、それぞれワーク保持治具 10の自転軸芯 02と同一軸芯上に配置されると共に、インデックステーブル 6の上面に固定されたブラケット 24に固定され、インデッタステーブル 6の回転によりワーク保持治具 10と共にテーブル回転軸芯 Ol周りに回転するようになっている。

[0028] 図 2は着脱位置 A1におけるワーク保持治具 10及びワーク Wの縦断面拡大図である。ワーク Wは、たとえば車輛用のブレーキディスクであり、フランジ部 26aを一体に有するハブ 26と、上記フランジ部 26aに固着された環状のディスク 27から構成されており、ディスク 27の上下両端面が平面研削される。

[0029] 治具支持ケース 15内には軸受 29を介して自転軸 30が回転可能に支持されており、自転軸 30の上端面にワーク保持治具 10が同一自転軸芯 02上に固定され、自転軸 30の下端部は図示しないがギヤ伝動機構を介して駆動モータに連動連結している。上記自転軸 30とワーク保持治具 10とは、ワーク保持部 9を構成する。

[0030] ワーク保持治具 10は、環状に形成されると共に上面に環状の位置決めピース 28が同軸芯に固定されている。位置決めピース 28の上面には、ワーク Wのフランジ部 26 aの下面が当接する環状のワーク基準面 32が上方突出状に形成され、位置決めピース 28の内周面 31はワーク Wのハブ 26が嵌合する寸法に設定されている。また、ヮーク保持治具 10には、ワーク保持治具 10に対するワーク Wの回転を阻止するために回止めピン 37が上方突出状に備えられており、該回止めピン 37は、ワーク保持治具 10に形成されたロッド揷入孔 40に上下方向移動可能に挿入される共にばね 42により上方に付勢され、上端部がワーク Wの取付ボルト 45あるいはフランジ部 26aに係合することにより、ワーク保持治具 10に対してワーク Wを回り止めするようになっている。

[0031] ここで、上記位置決めピース 28の内周面 31は、ワーク Wのハブ 26が嵌合することにより、ワーク Wの水平方向の位置決めをする第 1基準面を構成し、位置決めピース 28のワーク基準面 32は、ワーク Wの上下方向の位置決めをする第 2基準面を構成する。

[0032] 図 3は研削位置 A2におけるクランプ装置の押付ユニット 23及びワーク保持治具 10 の縦断面拡大図であり、押付ユニット 23は、ワーク Wの中央孔の周縁に上方から当接する鋼球 46と、該鋼球 46を下方突出状に嵌合支持する球保持筒 47と、鋼球 46 の上面に当接する円錐受け面 48aを有する球押え 48と、クランプロッド 21の下端部に軸受 50を介して自転軸芯 02回り回転自在に支持される軸受ホルダー 51と、軸受ホルダー 51の下面に固着された下蓋 52等を備えており、鋼球 46、球保持筒 47、球押え 48及び軸受ホルダー 51は、いずれもワーク保持治具 10の自転軸芯 02と同軸芯上に揃えられている。

[0033] 球保持筒 47の下半分の内周面は下方が小径のテーパー状に形成され、該テーパ一部分によって鋼球 46を下方突出状に保持している。球押え 48は球保持筒 47内に上方力も嵌合し、球保持筒 47と共に上記下蓋 52に下方突出状に結合されている。

[0034] [目立て工具の構造]

図 4は本発明で使用する目立て工具の分解縦断面図であり、目立て工具は、円板状の目立て砲石 60と、フランジ部 62bを一体に有する円筒部材 62と、環状の押え板 65から構成されて、る。押え板 65には周方向に間隔をお、て複数個のボルト挿通孔 66が形成されている。目立て砲石 60は中央に取付孔 61を有すると共に外周部が肉厚に形成され、肉厚外周部の上下端面は互いに平行に形成された砥面となっている。目立て砲石 60の外径は少なくともワーク外径よりも大きくなつている。円筒部材 62のフランジ部 62bには、外周に環状突起 62cがー体に形成されると共に、中心部に中心孔 63が形成され、該中心孔 63の上端には円錐状の被押え面 63aが形成されている。フランジ部 62bの下面 62dは目立て砥石 60の水平姿勢を維持するために利用される面であり、目立て工具軸芯 04に対して正確に直角な面に形成されている。円筒部材 62の外周面 62aはセンター位置決め用に利用される円筒面であり、その外径 D1は、図 2に示すワークのハブ 26の外径と同一に設定され、センター位置決め用内周面 31に嵌合する寸法となっている。

[0035] 図 5は円筒部材 62の底面図であり、フランジ部 62bには一対のストッパー用孔 68が形成されると共に、周方向に間隔をおいて複数のめねじ孔 69が形成されている。 [0036] [目立て工具の組立]

図 4において、目立て砲石 60を円筒部材 62のフランジ部 62bの外周に嵌合すると共に環状突起 62cの上面に当接させ、押え板 65を目立て砲石 60に載せ、ボルト挿通孔 66に揷通した複数本のボルト 71をフランジ部 62bのめねじ孔 69に螺合することにより、目立て砲石 60と円筒部材 62と押え板 65を一体的に結合する。

[0037] [ワーク研削方法]

図 1において、着脱位置 A1では、押付ユニット 23を上昇させ、ワーク Wをワーク保持治具 10の上に載せ、クランプロッド 21を下降させることにより、押付ユニット 23をヮーク Wの上面中央部に押し付ける。

[0038] 図 2において、ワーク装着時、ワーク Wのハブ 26が位置決めピース 28の内周面 31 に嵌合し、フランジ部 26aの下面が位置決めピース 28の環状基準受け面 32に当接し、回止めピン 37は取付ボルト 45から周方向にずれた位置に位置させられている。この状態で押付ユニット 23を下降させることにより、鋼球 46がハブ 26の内周面（中央孔）の上端縁 Pに圧接し、図 3のようにワーク Wが所定位置に位置決め固定される。

[0039] 鋼球 46による加圧部分は基準受面 32内に納まっているので、クランプ時、ワークは安定した正確な位置決めがなされる。

[0040] 図 1の着脱位置 A1でクランプ完了後、インデックステーブル 6が半回転することにより、研削位置 A2に位置変更される。

[0041] 図 3において、位置変更動作中、砲石車 2、 3は上下にそれぞれ退いており、位置変更後、ワーク保持治具 10を自転させることによりワーク Wを自転軸芯 02回りに回転させ、上下の回転砲石車 2、 3の間隔を狭めることにより、上下両端面を同時に平面研削する。

[0042] また、回止めピン 37により、ワーク保持治具 10に対してワーク Wを回り止めしているので、研削抵抗によりワーク Wがワーク保持治具 10に対して回されることもない。

[0043] ワーク Wの研削が完了すると、上下の砲石車 2、 3はワーク Wの上下端面からそれぞれ上下に退くと共に、ワーク保持治具 17の自転は停止し、インデックステーブル 6 が半回転することにより、図 1の着脱位置 A1に位置変更され、押付ユニット 23が上昇する。 [0044] [ドレス方法]

ドレス方法は、図 6に示すように、組立完了後の目立て工具を、ワークの代わりにヮーク保持治具 10に装着し、前述の研削の場合と同様に位置決め固定して、研削作業と同様の作業により上下の両研削砲石 2、 3の砥面をドレッシングする。

[0045] すなわち、図 6において、目立て工具を装着する場合には、円筒部材 62を位置決めピース 28の内周面 31に嵌合すると共に、位置決めピース 28の上端基準面 (ヮーク基準面） 32にフランジ部 62bの下面 62dを当接させ、押付ユニット 23の鋼球 46を上端円錐面 63aに圧接することにより、目立て工具を、ワークと同様な所定位置に固定する。これにより、自転軸芯 02に対する目立て砲石 60の上下砥面の直角度が正確に維持される。また、回り止めピン 37が円筒部材 62のストッパー用孔 68に係合することにより、ワーク保持治具 10に対して目立て工具を回り止めする。

[0046] 目立て工具固定後は、図 1の研削位置 A2まで回転し、目立て工具を回転（自転）すると同時に研削砲石 2、 3も回転させ、かつ、図 6のように研削砲石 2、 3の上下間隔を狭めて行くことにより、研削砲石 2、 3をドレッシングする。

[0047] 以上の説明より、第 1実施形態には以下の構成が含まれている。すなわち、ワーク保持部 9のワーク保持治具 10には、ワーク Wを位置決めするために、位置決めピース 28上面のワーク基準面 (第 2基準面） 32と、位置決めピース 28の内周面 (第 1基準面） 31とが設けられている。目立て工具には、位置決めピース 28の内周面 31に嵌合する円筒部材 (嵌合部） 62と、位置決めピース 28のワーク基準面 32に当接するフランジ部 62bの下面 62d (当接面）とが設けられて、る。

[0048] そして、ワーク Wを取り外したワーク保持治具 10に対して、目立て工具の円筒部材 62を位置決めピース 28の内周面に嵌合し、フランジ部 62bの下面 62dを位置決めピース 28のワーク基準面 32に当接することによって、目立て工具を位置決めした状態で装着する。

[0049] また、目立て工具は、ワーク Wをワーク保持治具 10に固定するためのクランプ装置 12を利用して固定され、ワーク Wの研削を行うのと同様の方法で研削砲石のドレッシングを行う。

[0050] [第 2の実施形態] 図 7は、本発明の第 2の実施形態に係り、ワーク保持部 9に装着した状態の目立て工具を示す縦断面図である。前述の第 1の実施形態では、ワーク保持部 9を構成するワーク保持治具 10に対して、ワーク Wと交換で目立て工具を装着したものとなっていたが、本実施形態では、ワーク保持部 9を構成する自転軸 30に対して、ワーク保持治具 10と交換で目立て工具を装着するものとなっている。以下その詳細を説明する

[0051] まず、第 2実施形態及び前述の第 1実施形態の自転軸 30とワーク保持治具 10との間には、自転軸 30に対するワーク保持治具 10の位置決め、ひいては、間接的なヮーク Wの位置決めを行う位置決め構造が設けられている。

[0052] [位置決め構造の詳細]

図 7に示すように、位置決め構造は、自転軸 30の上面に、自転軸心 02を中心として形成された円形の凹部 73と、この凹部 73に嵌合された位置決めリング 74とを有している。位置決めリング 74は環状であって、自転軸心 02と同芯状に配置され、自転軸 30にボルト 79等により固定されており、凹部 73の深さよりも厚肉に形成され、位置決めリング 74の上部は凹部 73から上方に突出している。

[0053] 位置決めリング 74周りの自転軸上面 30aは、該位置決めリング 74の外周面に直交する水平な平坦面に形成されている。また、自転軸 30の上面には、複数の雌ねじ穴 30bが自転軸心 02を中心とした周方向に等角度間隔で設けられている。

[0054] 図 3に示すように、前記位置決め構造は、ワーク保持治具 10の下面に、自転軸心 02を中心として形成された円形の凹部 75を有している。この凹部 75の内径は、前記リング 74の外周部に嵌合可能な寸法に形成されており、位置決めリング 74の上部に嵌合可能な軸嵌合部を構成している。また、凹部 75周りのワーク保持治具 10の下面 76は、自転軸 30の上面 30aに当接する軸当接面を構成している。

[0055] 上記の位置決め構造により、ワーク保持治具 10は、位置決めリング 74の外周面に凹部（軸嵌合部） 75を嵌合し、且つ、自転軸 30の上面 30aにワーク保持治具 10の下面 (軸当接面） 76を当接することによって、自転軸 30に対して適正に位置決めされる。よって、このワーク保持治具 10に保持されるワーク Wも間接的に位置決めされるようになっている。 [0056] ここで、位置決めリング 74の外周面 74aは、自転軸 30に対するワーク保持治具 10 の水平方向（自転軸心 02に直交する方向）の位置決め、ひいては、間接的なワーク Wの水平方向の位置決めをするための第 1の基準面を構成し、自転軸 30の上面 30 aは、同じく上下方向（自転軸心 02方向）の位置決めをするための第 2の基準面を構成している。

[0057] 図 6に示すように、ワーク保持治具 10の外周部には、前記雌ねじ孔 30bに対応する数と位置でボルト揷通孔 77が上下に貫通形成されており、このボルト揷通孔 77に揷通したボルト 78を、自転軸 30の雌ねじ孔 30bに螺合することによって、自転軸 30にワーク保持治具 10が固定される。

[0058] [目立て工具の構造及び組立]

図 7に示すように、目立て工具は、第 1実施形態と同様に、円板状の目立て砲石 60 と、フランジ部 62bを一体に有する円筒部材 (装着部材) 62と、環状の押え板 65とを有する。しかしながら、円筒部材 62の構成が、第 1実施形態とは異なるものになっている。

[0059] この円筒部材 62は、下側の円筒状部 62eと、上側のフランジ部 62bとを備え、円筒状部 62eは、筒上部がフランジ部 62bによって閉塞された形態とされている。円筒状部 62eの筒内周面の下端には、目立て工具軸心 04を中心として形成された凹部 80 が形成されている。この凹部 80は、上記位置決めリング 74の外周面 74aに嵌合可能な内径寸法に設定されており、位置決めリング 74に嵌合可能な嵌合部を構成している。

[0060] また、凹部 80周りの円筒状部 62eの下面 62fは、自転軸上面 (第 2基準面） 30aに当接する当接面を構成している。この当接面 62fは、目立て砲石 60の水平姿勢を維持するための利用される面であり、目立て工具軸心 04に対して正確に直角な面に形成されている。

[0061] 円筒部材 62には、フランジ部 62bから円筒状部 62eにかけて上下に貫通するボルト揷通孔 81が形成されており、このボルト揷通孔 81〖こ揷通したボルト 78を自転軸 30 に形成した雌ねじ孔 30bに螺合することによって、円筒部材 62が自転軸 30に固定される。このボルト 78は、自転軸 30に対してワーク保持治具 10を固定するためのボルトが流用されている。つまり、ワーク保持治具 10の固定機構を用いて目立て工具も固定されるようになつている。

[0062] フランジ部 62bの上面には、上方に円形状に突出する凸部 62gが形成され、この凸部 62gが、押さえ板 65の中心孔に嵌合することによって、円筒部材 62と押え板 65との位置決め（芯合わせ）がなされて!/、る。

[0063] なお、目立て工具の組立については、第 1実施形態と同様であり、目立て砲石 60 の中央の取付孔 61をフランジ部 62bの外周に嵌合し、その周囲を環状突起 62cの上面に当接させ、押え板 65を目立て砲石 60に載せ、ボルト挿通孔 66に挿通した複数本のボルト 71をフランジ部 62bのめねじ孔 69に螺合することにより、目立て砲石 6 0と円筒部材 62と押え板 65を一体的に結合する。

[0064] 押さえ板 65には、ボルト揷通孔 81に対応した位置に、貫通孔 82が形成されている。この貫通孔 82により、目立て工具を^ &み立てたまま、押さえ板 65側力も貫通孔 82 を介してボルト揷通孔 81〖こボルト 78を揷通し、自転軸 30に締結できるようになって!/ヽる。

[0065] [ドレス方法]

第 2実施形態の場合、組立完了後の目立て工具を、ワーク保持治具 10の代わりに自転軸 30に位置決め固定して、研削作業と同様の作業により上下の両研削砲石 2, 3の砥面をドレッシングする。この際、目立て工具は、ワーク保持治具 10と同様な所定位置に固定され、自転軸心 02に対する目立て砲石 60の上下砥面の直角度が正確に位置されるようになって!/、る。

[0066] 以上の説明より、上記第 2実施形態には次の構成が含まれている。すなわち、ヮーク保持部 9の自転軸 30には、ワーク保持治具 10の位置決め、ひいてはワーク Wの位置決めをするために、位置決めリング 74の外周面 (第 1基準面） 74aと、自転軸 30の上面 30a (第 2基準面）とが設けられて、る。目立て工具には、位置決めリング 74の外周面に嵌合する凹部 (嵌合部） 80と、自転軸 30の上面 30aに当接する円筒部材 6 2の下面（当接面） 62fが設けられている。

[0067] そして、ワーク保持治具 10を取り外した自転軸 30に対して、目立て工具の円筒部材 62の凹部 80を位置決めリング 74の外周面に嵌合し、円筒部材 62の下面 72fを自転軸 30の上面 30aに当接することによって、目立て工具を位置決めした状態で装着する。

[0068] また、目立て工具は、ワーク保持治具 10を自転軸 30に固定するためのボルト 78を利用して固定され、ワーク Wの研削を行うのと同様の方法で研削砲石のドレッシングを行う。

[他の実施形態]

本発明は上記実施形態に限ることなく適宜設計変更可能である。例えば、上記第 2 実施形態で説明した位置決めリング 74に代えて、円板状の部材を凹部 73に嵌合するようにしてもよぐ位置決めリング 74を省略して、自転軸 30の上面中央に、円形状に膨出する凸部を形成し、該凸部の外周面を第 1基準面としてもよい。

産業上の利用可能性

[0069] 本発明は、堅型両頭平面研削盤の上下 1対の砲石車をドレッシングするために有効に利用できる。

Claims

請求の範囲

[1] 垂直軸芯回りに回転する上下 1対の砲石車と、ワークを所定位置に保持すると共に垂直軸心回りに自転可能なワーク保持部と、を備え、ワーク保持部に保持されたヮークを両砥石間に挿入することにより上下両端面を同時に平面研削する竪型両頭平面研削盤におけるドレス方法にぉ、て、

ワーク保持部が、ワークの位置決めのための第 1、第 2基準面を有し、第 1基準面が、ワーク保持部の自転軸心と同心の円周面よりなり、第 2基準面が前記自転軸心に直交する面よりなり、

第 1基準面に嵌合する嵌合部と、第 2基準面に当接する当接面と、を目立て砲石を有する目立て工具に設けると共に、第 1基準面に嵌合部を嵌合し且つ第 2基準面に当接面を当接することにより目立て工具を位置決めした状態でワーク保持部に装着し、

ワーク保持部に保持された目立て工具を両砥石間に挿入することにより上下の砥石をドレッシングすることを特徴とする竪型両頭平面研削盤におけるドレス方法。

[2] ワーク保持部が、垂直軸心回りに自転自在な自転軸と、この自転軸に着脱自在に装着されるとともにワークを所定位置に保持するワーク保持治具とを有しており、自転軸が、前記第 1,第 2基準面を有し、ワーク保持治具が、自転軸に対する位置決めのために、前記第 1基準面に嵌合する軸嵌合部と、第 2基準面に当接する軸当接面と、を有しており、

目立て工具の嵌合部を自転軸の第 1基準面に嵌合すると共に、目立て工具の当接面を自転軸の第 2基準面に当接することによって、目立て工具を、自転軸に対してヮーク保持治具と交換で装着するようにして、ることを特徴とする請求項 1記載の堅型両頭平面研削盤におけるドレス方法。

[3] ワークが、円板部とハブ部とを一体的に有し、

ワーク保持治具が、前記第 1基準面を構成するとともにワークのハブ部の外周面が嵌合するセンター位置決め用内周面と、前記第 2基準面を構成するとともに円板部の下面が当接するワーク基準面とを有し、

目立て工具が、前記嵌合部を構成するとともにワークのハブ部と同一外径を有する円筒部材と、前記当接面を構成する円筒部材のフランジ部の下面と、円筒部材に同心に結合された円板状の目立て砲石とを有しており、

円筒部材をワーク保持治具のセンター位置決め用内周面に嵌合すると共に円筒部材のフランジ部の下面をワーク基準面に当接させることによって、目立て工具を、ヮーク保持治具に対してワークと交換で装着するようにしてヽることを特徴とする請求項

1記載の竪型両頭平面研削盤におけるドレス方法。

[4] 垂直軸芯回りに回転する上下 1対の砲石車と、円板部とハブ部とを一体的に有するワークを所定位置に保持すると共に自転可能なワーク保持治具と、ワークをワーク保持治具に押え付けるクランプ装置を備え、上記ワーク保持治具は、ワークのハブ部の外周面が嵌合するセンター位置決め用内周面と円板部の下面が当接するワーク基準面を有し、ワーク保持治具に保持されたワークを両砥石間に挿入することにより上下両端面を同時に平面研削する堅型両頭平面研削盤におけるドレス方法において上記ワークのハブ部と同一外径を有する円筒部材と、該円筒部材に同心に結合された円板状の目立て砲石により目立て工具を構成し、

上記円筒部材をワーク保持治具のセンター位置決め用内周面に嵌合すると共に目立て円筒部材のフランジ部の下面をワーク基準面に当接させ、

クランプ装置により目立て工具をワーク保持治具に押え付け、

ワーク保持治具に保持された目立て工具を両砲石間に挿入することにより上下の砥石をドレッシングすることを特徴とする竪型両頭平面研削盤におけるドレス方法。

[5] 前記センター位置決め用内周面とワーク基準面とを一体に有する円筒型の位置決めピースよりなるワーク保持治具を使用していることを特徴とする請求項 4記載の両頭平面研削盤におけるドレス方法。

[6] 目立て工具の円筒部材の上端は、クランプ装置の鋼球により押え付けられることを特徴とする請求項 4又は 5記載の竪型両頭平面研削盤におけるドレス方法。