WO2005031459A1

WO2005031459A1 - 感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物

Info

Publication number: WO2005031459A1
Application number: PCT/JP2004/013939
Authority: WO
Inventors: Hidemi Tsubaki; Shinya Ikeda
Original assignee: Zeon Corporation
Priority date: 2003-09-25
Filing date: 2004-09-24
Publication date: 2005-04-07
Also published as: US7318985B2; CN1860412A; JP4539561B2; EP1677147A1; CN1860412B; JPWO2005031459A1; US20060263715A1; EP1677147A4; EP1677147B1; DE602004018362D1

Abstract

　平滑な表面を有し、耐フロー性に優れ、かつ粘着による不具合が発生し難いシートを形成でき、細線の再現性にも優れる感光性フレキソ版用組成物、該組成物に好適な感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物および該組成物を感光して得られるフレキソ版を提供する。また、特定のカップリング剤を使用して得られる３分岐型の芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含むブロック共重合体組成物、エチレン不飽和化合物および光重合開始剤からなる感光性フレキソ版用組成物を提供する。

Description

明細書

感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物

技術分野

[0001] 本発明は、平滑な表面を有し、耐フロー性に優れ、かつ粘着による不具合が発生し難いシートを形成でき、細線の再現性にも優れる感光性フレキソ版用組成物、該組成物に好適な感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物および該組成物を感光して得られるフレキソ版に関する。

背景技術

[0002] プラスチック容器、カートン、ビニール袋、箱および封筒などは、通常、その表面にフレキソ印刷が施されている。このフレキソ印刷に使用するフレキソ版としては、エラストマ一、重合性のエチレン性不飽和単量体および光重合開始剤からなる感光性フレキソ版用組成物を感光して形成したものが多用されている。

[0003] 感光性フレキソ版用組成物は、通常、シート状に成形され、その片方の面に支持体となる可撓性シートを設け、もう一方の面に保護フィルムを設けた、複層構造を有するシートとして供給される。この複層シートの支持体の側から、光を照射して、感光性フレキソ版用組成物層の特定の厚みまで硬化させる。次いで、保護フィルムを剥がし、その面にネガフィルムを密着させた後、該ネガフィルム上力も光を照射する。光が透過した部分の感光性フレキソ版用組成物は硬化し、未硬化の部分は、有機溶剤または水性溶剤などで除去することにより、凹凸の構造を有するフレキソ版が形成される

[0004] 感光性フレキソ版用組成物には、精密な凹凸面を形成し易くする目的で、シート状に成形した際に平滑な表面を形成すること、シート状の感光性フレキソ版用組成物を保管した場合に、自重やシート上力もの荷重によりシート厚みが変化し難、 (耐フ口一性に優れる。）ことが求められる。

また、感光性フレキソ版用組成物には、表面状態を荒らさずに保護フィルムを剥がしゃすくする目的で、粘着し難いことが求められる。

勿論、高品質の印刷を施すためには、ネガフィルムにおける細線の再現性に優れることが求められる。

[0005] 従来、例えば、特許文献 1には、 1価の脂肪族カルボン酸と 1価のアルコールとのェステルイ匕合物をカップリング剤として使用して得られた、線状の芳香族ビニルー共役ジェン -芳香族ビニルブロック共重合体、エチレン性不飽和単量体および光重合開始剤からなる感光性フレキソ版用組成物が開示されている。しかしながら、このような組成物は、耐フロー性に優れ、細線の再現性が良好なフレキソ版が得られるものの、シート表面の平滑性が不十分で、粘着しやす！、場合があった。

[0006] また、特許文献 2には、スチレン一共役ジェンスチレンブロック共重合体中の共役ジェン単位を選択的に水素添加して得られる水添ブロック共重合体、エチレン性不飽和単量体および光重合開始剤力なる感光性フレキソ版用組成物が開示されている。し力しながら、このような組成物は、粘着による不具合が少なぐ細線の再現性に優れるフレキソ版が得られるものの、シート表面の平滑性および耐フロー性に劣る場合があった。

[0007] さらに、特許文献 3には、ブロック共重合体組成物、エチレン性不飽和単量体および光重合開始剤からなる感光性フレキソ版用組成物であって、該ブロック共重合体組成物が、芳香族ビニル単量体単位量が 5— 25重量％である芳香族ビニルー共役ジェン一芳香族ビニルブロック共重合体、および重量平均分子量が 1, 000— 35, 0 00の芳香族ビニルー共役ジェンブロック共重合体を含む感光性フレキソ版用組成物が開示されている。しかしながら、このような組成物は、細線の再現性に優れるフレキソ版が得られるものの、シート表面の平滑性および耐フロー性に劣っていたり、粘着による不具合が発生したりする場合があった。

[0008] 特許文献 1：特公平 7— 72795号公報

特許文献 2：特開平 10- 288838号公報

特許文献 3：特表 2002 - 519465号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0009] 本発明の目的は、上記事情に鑑み、平滑な表面を有し、耐フロー性に優れ、かつ粘着による不具合が発生し難、シートを形成でき、細線の再現性にも優れる感光性フレキソ版用組成物、該組成物に好適な感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物および該組成物を感光して得られるフレキソ版を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0010] 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定のカツプリング剤を使用して得られる 3分岐型の芳香族ビニルー共役ジェンブロック共重合体を含むブロック共重合体組成物を用いることにより、前記の目的が達成できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。

[0011] 力べして、本発明によれば、下記一般式 (al)—（a3)で示されるブロック共重合体から選ばれる少なくとも 1種のブロック共重合体 (a)および下記一般式 (b)で示されるブロック共重合体 (b)を含み、

(a)を Wa重量％、

(al)、 (a2)および（a3)をそれぞれ W2、 W3および W4重量％、

(b)を Wb重量％とした場合に、

Wa = 50—100重量％

=0—50重量％

2. 5≤ (2 XW2 + 3 XW3+4 XW4) / (W2+W3 +W4)≤3. 8

を満足することを特徴とする感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物が提供される。

(A-B) X (al)

2

(A-B) X (a2)

3

(A-B) X (a3)

4

A-B (b)

(但し、一般式 al、 a2、 a3および bにおいては、 Aは芳香族ビュル単量体の重合体ブロックであり、 Bは共役ジェン単量体の重合体ブロックであり、 Xは、アルコキシル基、エステル基およびエポキシ基力選ばれる少なくとも 1種の官能基を 2以上有する力ップリング剤の残基である。 )

[0012] また、本発明によれば、上記の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物、ェチレン性不飽和化合物および光重合開始剤を含む感光性フレキソ版用組成物が提供される。

さらに、本発明によれば、上記の感光性フレキソ版用組成物を感光して得られるフレキソ版が提供される。

発明の効果

[0013] 本発明によれば、平滑な表面を有し、耐フロー性に優れ、かつ粘着による不具合が発生し難!、シートを形成でき、細線の再現性にも優れる感光性フレキソ版用組成物、該組成物に好適な感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物および該組成物を感光して得られるフレキソ版が提供される。

発明を実施するための最良の形態

[0014] 以下、本発明につ、て詳述する。

(感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物）

本発明の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物は、下記一般式 (al)—（a3 )で示されるブロック共重合体力選ばれる少なくとも 1種のブロック共重合体 (a)および下記一般式 (b)で示されるブロック共重合体 (b)を含み、

(a)を Wa重量％、

(al)、 (a2)および（a3)をそれぞれ W2、 W3および W4重量％、

(b)を Wb重量％とした場合に、

Wa = 50—100重量％

=0—50重量％

2. 5≤ (2 XW2 + 3 XW3+4 XW4) / (W2+W3 +W4)≤3. 8

を満足することを特徴とする感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物。

(A-B) X (al)

2

(A-B) X (a2)

3

(A-B) X (a3)

4

A-B (b)

[0015] 前記のブロック共重合体 (a)は、前記一般式 (al)— (a3)で示される各ブロック共重合体力選ばれる少なくとも 1種のブロック共重合体であって、ただひとつのブロック共重合体であっても、 2種以上のブロック共重合体力なる混合物であってもよ、。ブロック共重合体 (a)の含有量 Waは、感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物全量に対して、 50— 100重量⁰ /₀、好ましくは 55— 95重量⁰ /₀、より好ましくは 55— 9 0重量％である。この含有量が少ないと、耐フロー性に劣り、粘着し易くなり、かつ細線の再現性が低下する。

[0016] 本発明にお、ては、前記一般式 (al)、 (a2)および (a3)で示される各ブロック共重合体の該感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物中における重量割合（％)を、それぞれ、 W2、 W3および W4とした時に、下記式（1)を満足することが必須の条件であり、下記式 (2)を満足することが好ましい。

2. 5≤ (2 XW2 + 3 XW3+4 XW4) / (W2+W3+W4)≤3. 8 (1)

2. 8≤ (2 XW2 + 3 XW3+4 XW4) / (W2+W3+W4)≤3. 5 (2)

前記式（1)の下限が 2. 5未満であると、耐フロー性に劣り、粘着し易くなる。また、前記式（1)の上限が 3. 8を超えると、平滑性に劣り、細線の再現性が低下する。

[0017] 前記一般式 (al)— (a3)にお、ては、 Aは芳香族ビニル単量体の重合体ブロックであり、 Bは共役ジェン単量体の重合体ブロックであり、 Xは、アルコキシル基、エステル基およびエポキシ基力選ばれる少なくとも 1種の官能基を 2以上有するカップリング剤の残基を表す。

[0018] Aを構成する芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、 α—メチルスチレン、 ο—メチルスチレン、 ρ—メチルスチレン、 2, 4—ジメチルスチレン、 ρ—ェチノレスチレン、 ρ— tert—ブチルスチレンなどが挙げられる。なかでも、スチレンが好ましい。

重合体ブロック Aは、芳香族ビニル単量体のみを重合して得られる重合体ブロックであることが好ま、が、芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。他の単量体としては、例えば、 1, 3—ブタジエン、イソプレンなどの共役ジェン単量体が典型的なものとして挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、重合体ブロック A中における他の単量体単位の割合を 10重量％以下にすることが好ましい。

[0019] 重合体ブロック Aの重量平均分子量は、好ましくは 5, 000— 50, 000、より好ましく 8, 000— 40, 000である。

[0020] Bを構成する共役ジェン単量体としては、例えば、 1, 3—ブタジエン、イソプレン、 2 , 3—ジメチルー 1, 3—ブタジエン、 2—ェチルー 1, 3—ブタジエン、 1, 3—ペンタジェンなどが挙げられる。なかでも、 1, 3—ブタジエンおよびイソプレンが好ましぐイソプレンがより好ま U、。これらの共役ジェン単量体は単独で又は 2種以上を組合せて用いることがでさる。

重合体ブロック Bは、共役ジェン単量体のみを重合して得られる重合体ブロックであることが好ま、が、共役ジェン単量体と共重合可能な他の単量体を共重合したものであってもよい。他の単量体としては、例えば、スチレン、 α—メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体が典型的なものとして挙げられる。他の単量体を共重合する場合は、重合体ブロック Β中における他の単量体単位の割合を 10重量％以下にすることが好ましい。

[0021] 重合体ブロック Αと重合体ブロック Βとの合計量に対する、芳香族ビニル単量体単位の含有量は、好ましくは 5— 25重量％、より好ましくは 10— 20重量％、特に好ましくは 13— 17重量％である。芳香族ビニル単量体単位の含有量が上記範囲にあると、耐フロー性と粘着性のバランスに優れ、細線の再現性により優れる感光性フレキソ版用組成物が得られ、フレキソ印刷に適した柔軟性を有するフレキソ版が製造できる

[0022] A— Bブロック共重合体部分の重量平均分子量は、好ましくは 50, 000— 200, 00 0、より好まし <ίま 55, 000— 150, 000である。この重量平均分子量力上記範囲にあれば、平滑性と粘着性とのノ《ランスに優れるシートが得られる。

[0023] 前記一般式（al)— (a3)における Xは、アルコキシル基、エステル基およびェポキシ基から選ばれる少なくとも 1種の官能基を 2以上有するカップリング剤の残基を表すカップリング剤として使用する化合物は、アルコキシル基、エステル基およびェポキシ基力選ばれる少なくとも 1種の官能基を 2以上有する化合物である。中でも、アルコキシル基を 2以上有するカップリング剤が好ましい。

本発明にお、ては、前述のカップリング剤を使用して得られるブロック共重合体を含むことが必須であり、四塩化珪素、ジメチルジクロロシランなどのハロゲン含有カツプリング剤を使用して得られるブロック共重合体を用いても、本願の目的を達成することはできない。

[0024] アルコキシル基を 2以上有するカップリング剤としては、例えば、テトラメトキシ錫、テトラエトキシ錫などの有機錫化合物；ジメチルジメトキシシラン、ジフエ-ルジメトキシシラン、ジフエ二ルジェトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ビス（トリメトキシシリノレ )ェタンなどの有機珪素化合物などが挙げられる。これらのカップリング剤は、単独でも 2種以上を組み合わせても使用することができる。上記の中でも、有機珪素化合物が好ましぐアルコキシル基を 4つ有する有機珪素化合物がより好ましぐテトラメトキシシランが特に好ましく使用できる。

[0025] アルコキシル基を有するカップリング剤の場合、アルコキシル基 1つに対して 1つの活性な A— Bブロック重合体鎖が反応し得るので、カップリング剤中のアルコキシル基の数に相当するカップリング体が生成し得る。し力しながら、反応条件によっては、力ップリング剤中のアルコキシル基の一部が反応し、残部はそのまま残存する力または、カップリング反応以降の処理工程にぉ、てその残部が変性される場合もある。

[0026] エステル基を 2以上有するカップリング剤としては、例えば、アジピン酸ジメチル、ァジピン酸ジェチルなどの脂肪族ジカルボン酸と 1価のアルコールとのジエステル化合物；フタル酸ジメチル、フタル酸ジェチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジェチルなどの芳香族ジカルボン酸と 1価のアルコールとのジエステル化合物；などが挙げられる。これらのカップリング剤は、単独でも 2種以上を組み合わせても使用することができる。上記の中でも、脂肪族ジカルボン酸と 1価のアルコールとのジエステル化合物が好ましぐアジピン酸ジェチルがより好ましく使用できる。

[0027] エステル基を 2以上有するカップリング剤の場合、エステル基 1つに対して 2つの活性な A— Bブロック重合体鎖が反応し得るので、カップリング剤中のエステル基数の 2 倍に相当するカップリング体が生成し得る。しかしながら、反応条件によっては、エステル基 1つに対して、 1つの活性な A— Bブロック重合体鎖が反応しただけに留まる場合もある。

[0028] エポキシ基を 2以上有するカップリング剤としては、例えば、レゾルシンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフエノール Aジグリシジルエーテル、ビスフエノール Fジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエータル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールへキサグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油、ェポキシ化アマ-油、エポキシ化ポリブタジエンなどが挙げられる。これらのカップリング剤は、単独でも 2種以上を組み合わせても使用することができる。上記の中でも、ェポキシ基を 4つ有するものが好ましぐペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル力り好ましく使用できる。

[0029] エポキシ基を有するカップリング剤の場合、エポキシ基 1つに対して 1つの活性な A

Bブロック重合体鎖が反応し得るので、カップリング剤中のエポキシ基の数に相当するカップリング体が生成し得る。し力しながら、反応条件によっては、カップリング剤中のエポキシ基の一部が反応し、残部はそのまま残存する力、または、カップリング反応以降の処理工程においてその残部が変性される場合もある。

[0030] 本発明におけるブロック共重合体 (b)は、前記一般式 (b)で示されるものである。前記一般式 (b)においては、 Aは芳香族ビュル単量体の重合体ブロックであり、 Bは共役ジェン単量体の重合体ブロックであることを示す。

ブロック共重合体 (b)における重合体ブロック Aおよび Bは、それぞれ、ブロック共重合体 (a)において説明したと同様である。

[0031] 本発明においては、一本の活性な A— Bブロック重合体鎖とカップリング剤 1分子とが反応して得られる下記一般式 (bl)または (b2)に相当する芳香族ビニルー共役ジェンブロック共重合体も、ブロック共重合体 (b)に含めるものとする。

A-B-X (bl)

X-A-B (b2)

(但し、一般式 (bl)および (b2)においては、 Aは芳香族ビニル単量体の重合体ブロックであり、 Bは共役ジェン単量体の重合体ブロックであり、 Xは、アルコキシル基、エステル基およびエポキシ基力選ばれる少なくとも 1種の官能基を 2以上有する力ップリング剤の残基である。 )

なお、一般式 (bl)および (b2)における、 A、 Bおよび Xは、それぞれ、ブロック共重合体 (a)において説明したと同様である。

[0032] ブロック共重合体 (b)の芳香族ビニル単量体単位の含有量は、好ましくは 5— 25重量％、より好ましくは 10— 20重量％、特に好ましくは 13— 17重量％である。芳香族ビュル単量体単位の含有量が上記範囲にあると、耐フロー性と粘着性のバランスに優れ、細線の再現性により優れる感光性フレキソ版用組成物が得られ、フレキソ印刷に適した柔軟性を有するフレキソ版が製造できる。

[0033] ブロック共重合体（b)の重量平均分子量は、好ましくは 50, 000— 200, 000、より好ましくは 55, 000— 150, 000である。この重量平均分子量が上記範囲にあれば、平滑性と粘着性とのバランスに優れるシート状の感光性フレキソ版用組成物が得られる。

[0034] ブロック共重合体 (b)の含有量 Wbは、感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物全量に対して、 0— 50重量％、好ましくは 5— 45重量％、より好ましくは 10— 45重量％である。この含有量が多いと、耐フロー性に劣り、粘着し易くなり、かつ細線の再現性が低下する。

[0035] 本発明の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物全体に対する芳香族ビニル単量体単位の含有量は、好ましくは 5— 25重量％、より好ましくは 10— 20重量％、特に好ましくは 13— 17重量％である。芳香族ビニル単量体単位の含有量が上記範囲にあると、耐フロー性と粘着性のバランスに優れ、細線の再現性により優れる感光性フレキソ版用組成物が得られ、フレキソ印刷に適した柔軟性を有するフレキソ版が製造できる。

[0036] 本発明の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物全体の重量平均分子量は、好まし <は 100, 000—500, 000、より好まし <は 150, 000— 400, 000である。この重量平均分子量が上記範囲にあれば、耐フロー性、平滑性および粘着性のバランスにより優れるシート状の感光性フレキソ版用組成物が得られる。

[0037] 本発明の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物中の共役ジェン単量体単位全量に対するビュル結合単位の割合 (ビニル含量）は、特に限定されないが、通常、

70重量％以下、好ましくは 3— 60重量％、より好ましくは 5— 40重量％である。

[0038] 本発明の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物は、ブロック共重合体 (al) 0 一 20重量％、ブロック共重合体（a2) 40— 100重量％、ブロック共重合体（a3) 0— 5 0重量％、および前記一般式 (b)で示されるブロック共重合体 (b) 0— 50重量％を含むものであることが好ましぐブロック共重合体（al) 0— 15重量％、ブロック共重合体 (a2) 40— 95重量％、ブロック共重合体（a3) 0— 45重量％ぉよびブロック共重合体 (b) 5— 45重量％を含むものであることがより好ましぐブロック共重合体（al) 0— 10 重量％、ブロック共重合体（a2) 45— 95重量％、ブロック共重合体（a3) 0— 45重量 %およびブロック共重合体 (b) 10— 45重量％を含むものであることが特に好まし、。

[0039] 本発明の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物は、前述の一般式 (al)— (a 3)および (b)に相当するブロック共重合体をそれぞれ製造して、本発明の規定を満足するように混合して製造してもよ、し、複数の混合物力もなる組成物を一連の重合操作によって製造してもよい。生産性に優れる点で、後者の方法が好ましい。

いずれの方法においても、常法、いわゆるァ-オンリビング重合法により、ブロック共重合体を製造することができる。

[0040] 感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物を、一連の重合操作によって製造して得る場合、以下のようにして行なうことができる。

(工程 1)不活性溶媒中、ァニオン重合触媒の存在下で、芳香族ビニル単量体を重合して、重合体鎖末端に活性末端を有する、芳香族ビュル重合体ブロックを生成させる。

(工程 2)引き続き、共役ジェン単量体を重合して、重合体鎖末端に活性末端を有する、芳香族ビニル重合体ブロック一共役ジェン重合体ブロック力もなるブロック共重合体を生成させる。

(工程 3)次いで、カップリング剤を添加し、前記の重合体鎖末端に活性末端を有するブロック共重合体とカップリング反応させて、所望のカップリング体を生成させる。 (工程 4)所望により、重合停止剤を添加して重合反応を停止した後、不活性溶媒を除去して、ブロック共重合体組成物を得る。 [0041] 前記（工程 1)にお、ては、シクロへキサン、へキサン、トルエンなどの不活性溶媒が使用でき、ァ-オン重合触媒としては、 n ブチルリチウム、 sec ブチルリチウムなどが使用できる。ァ-オン重合触媒の使用量は、最終的に得られるブロック共重合体組成物の組成比や重量平均分子量が所望の範囲になるよう適宜選択する。

[0042] 前記（工程 2)におヽては、重合発熱量を制御する目的で、共役ジェン単量体を反応系に添加しながら重合することが好ましぐ共役ジェン単量体がほぼ定量的に反応するまで、重合反応を継続することが好ましい。

なお、 N, N, Ν' , Ν，ーテトラメチルエチレンジァミン、エチレングリコールジブチルエーテルなどのビュル化剤を適宜使用することにより、共役ジェン単量体単位全量に対するビュル結合単位の割合 (ビニル含量)を所望の値に調節することもできる。このビュル化剤は、前記（工程 1)において、予め反応器に添加しておくこともできる。

[0043] 前記（工程 3)にお、ては、カップリング剤の使用量は、各カップリング体の組成比が所望の範囲になるよう適宜選択する。

[0044] 前記（工程 4)におヽては、ブロック共重合体組成物を取得するに際して、 2, 6—ジ tert—ブチルー ρ タレゾールなどの酸化防止剤をブロック共重合体組成物溶液に添カロしてちょい。

なお、前記の（工程 2)と（工程 3)の間に、反応系内の重合体鎖末端に活性末端を有するブロック共重合体の一部を不活性ィ匕する量の重合停止剤を添加して、予め、所望量のブロック共重合体 (b)を生成させることもできる。

[0045] 以上のようにして得られたブロック共重合体組成物を含有する溶液から、スチームストリツビング法などを用いて不活性溶媒を除去し、該ブロック共重合体組成物の固形物を取得することができる。

[0046] (感光性フレキソ版用組成物）

本発明の感光性フレキソ版用組成物は、上記の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物、エチレン性不飽和化合物および光重合開始剤を含む。

感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物の使用量は、感光性フレキソ版用プロック共重合体組成物およびエチレン性不飽和化合物の合計量に対して、好ましくは 4 0— 95重量％、より好ましくは 50— 95重量％である。 [0047] エチレン性不飽和化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、 1, 4 ブタンジオール、 1, 6—へキサンジオールなどの 2価アルコールのジアタリレートまたはジメタアタリレート；トリメチロールプロパンのトリアタリレートまたはトリメタタリレート；ペンタエリスリトールのテトラアタリレートまたはテトラメタクリレート； N, N，一へキサメチレンビスアクリルアミド、 N, N，一へキサメチレンビスメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、スチレン、ビュルトルエン、ジビュルベンゼン、ジァリルフタレート、トリァリルシアヌレートなどが挙げられる。これらは、単独でも使用しても、 2種以上を組み合わせて使用してもよい。

エチレン性不飽和化合物の使用量は、感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物およびエチレン性不飽和化合物の合計量に対して、好ましくは 5— 60重量％、より好ましくは 5— 50重量％である。

[0048] 感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物およびエチレン性不飽和化合物の合計量は、感光性フレキソ版用組成物全量に対して、好ましくは 50重量％以上、より好ましくは 60重量％以上、特に好ましくは 70重量％以上である。

[0049] 光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフエノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインェチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ひメチルベンゾイン、 α メチルベンゾインメチルエーテル、 α—メトキシベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフエニルエーテル、 α— t ブチルベンゾイン、アントラキノン、ベンズアントラキノン、 2—ェチルアントラキノン、 2—クロルアントラキノン、 2—2' ジメトキジフエニルァセトフエノン、 2, 2—ジエトキシフエ二ルァセトフェノン、 2, 2—ジエトキシァセトフエノン、ピパロインなどが挙げられる。これらは、単独で使用しても、 2種以上を組み合わせて使用してもよい。

光重合開始剤の使用量は、感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物およびェチレン性不飽和化合物の合計量に対して、好ましくは 0. 1— 5重量％である。

[0050] 本発明においては、上記以外の成分も必要に応じて感光性フレキソ版用組成物中に添加することができる。このような成分としては、例えば、可塑剤、熱重合抑制剤、酸化防止剤、オゾン亀裂防止剤、染料、顔料、充填剤、フォトクロミズムを示す添カロ剤、還元剤、レリーフ構造を改善する薬剤、架橋剤、流れ改良剤、離型剤、などが挙げられる。

[0051] 可塑剤は、通常、感光性フレキソ版用組成物の製造および成形をし易くしたり、未露光部分の除去を促進させたり、露光硬化部分の硬さを調節したりする目的で用いられる。

可塑剤としては、例えば、ナフテン油やパラフィン油のような炭化水素油；液状 1, 2 ポリブタジエン、液状 1, 4 ポリブタジエン及びこれらの水酸化物またはカルボキシルイ匕物；液状アクリロニトリルブタジエン共重合体及びこのカルボキシルイ匕物；液状スチレンブタジエン共重合体およびこのカルボキシル化物；分子量 3, 000以下の低分子量ポリスチレン、 α—メチルスチレンビニルトルエン共重合体、石油榭脂、ポリアタリレート樹脂、ポリエステル榭脂、ポリテルペン榭脂などがあげられる。これらは、単独で使用しても、 2種以上を組み合わせて使用してもよい。目標とする特性に応じて、通常、感光性フレキソ版用組成物中に 2— 50重量％の範囲で添加される。

[0052] 熱重合抑制剤は、感光性フレキソ版用組成物を調製する際に、意図しないェチレン性不飽和化合物の熱重合を防止する目的で用いられる。

熱重合抑制剤としては、例えば、ヒドロキノン、 ρ—メトキシフエノール、 ρ— tーブチルカテコール、 2, 6—ジー tーブチルー p クレゾール、ピロガロールなどのフエノール類；ベンゾキノン、 p—トノレキノン、 p—キシロキノンなどのキ

ノン類；フエ-ル—ひナフチルァミンなどのアミン類などが挙げられる。これらは、単独で使用しても、 2種以上を組み合わせて使用してもよ、。

熱重合抑制剤の使用量は、通常、感光性フレキソ版用組成物中、 0. 001— 2重量 %である。

[0053] 本発明の感光性フレキソ版用組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ニーダー、ロールミル、バンバリ一、単軸または多軸の押出機などを用いて、該組成物を構成する成分を混練することにより製造できる。得られた組成物は、通常、単軸または多軸の押出機、圧縮成形機、カレンダー成形機などの成形機を用いて、所望の厚さを有するシート状成形物に成形される。なお、単軸または多軸の押出機を用いた場合には、感光性フレキソ版用組成物の調製とシート状成形物への成形を同時に行なうこともできる。

また、感光性フレキソ版用組成物を構成する成分を、クロ口ホルム、四塩化炭素、トリクロロェタン、ジェチルケトン、メチルェチルケトン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフランなどの適当な溶媒に溶解し、この溶液を枠型の中に注入し溶媒を蒸発させることにより、シート状の感光性フレキソ版用組成物を製造することもできる。

[0054] シートの厚みは、通常、 0. 1— 20mm、好ましくは 1一 10mmである。

[0055] シート状の感光性フレキソ版用組成物は、貯蔵または操作時における、感光性フレキソ版用組成物の汚染や損傷を防止するために、その表面にポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂からなる透明なシートまたはフィルムを、ベースシート層または保護フィルム層として設けることができる。

[0056] シート状の感光性フレキソ版用組成物の表面には、該組成物表面の粘着性を抑え、光照射後のネガフィルムの再利用を可能にするために、可撓性に富んだ薄い被覆材層を設けてもよい。この場合、感光性フレキソ版用組成物の露光を完了した後、未露光部分を溶剤で除去する際に、該被覆材層も同時に除去されなければならない。該被覆材層としては、通常、可溶性ポリアミド、セルロース誘導体などが多用される。

[0057] (フレキソ版）

本発明のフレキソ版は、上記の感光性フレキソ版用組成物を感光して得られる。

[0058] フレキソ版の製造は、通常、以下の工程に従い行なわれる。

(1)保護フィルム、シート状の感光性フレキソ版用組成物層およびベースシートからなる複層シートのベースシート側から、光を照射して、感光性フレキソ版用組成物層の特定の厚みに達するまで硬化させる。

(2)保護フィルムを剥がし、ネガフィルムを密着させ、ネガフィルム上から、波長 230 一 450nm、好ましくは 350— 450nmの光を照射して、感光性フレキソ版用組成物層を露光する。この露光により、感光性フレキソ版用組成物層の光が透過した部分が硬化する。

(3)感光性フレキソ版用組成物層の未露光部は未硬化の状態であるので、その部分を除去する (現像)。

(4) (3)において、通常、溶剤を用いて未硬化の部分を除去するので、フレキソ版中に残存する溶剤を乾燥させる。

(5)所望により、後露光する。

[0059] 前記（3)の現像 (未露光部分の除去）工程では、通常、溶剤が用いられる。

溶剤としては、例えば、 n-へキサン、 n-ヘプタン、オクタン、石油エーテル、ナフサ、リモネン、テルペン、トルエン、キシレン、ェチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素;アセトン、メチルェチルケトンなどのケトン類；ジー n ブチルエーテル、ジー t ブチルエーテルなどのエーテル類；メチルァセテート、ェチルアセテートなどのエステル類；塩化メチレン、クロ口ホルム、トリクロロェタン、テトラクロロエチレン、ジクロロテトラフルォロェタン、トリクロ口トリフルォロェタンなどのハロゲンィ匕炭化水素などが挙げられる。これらは、単独で用いても、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、上記溶剤に、メタノール、エタノール、イソプロパノール、 n—ブタノールなどのアルコールを所望量添カ卩して使用することもできる。なお、上記溶剤の存在下に、ブラシなどを用いて機械的な力を加えることにより、現像の迅速ィ匕を図ることもできる。

[0060] 本発明のフレキソ版は、ネガフィルムの細線の再現性に優れ、適度な柔軟性を有しているので、被印刷物の材質や表面形状に影響されることなぐ高品質のフレキソ印刷を行なうことができる。

被印刷物としては、例えば、紙、段ボール、木材、金属、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンシート、ポリプロピレンフィルム、ポリプロピレンシートなど種々のものに適用できる。

実施例

[0061] 以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、実施例中の「％」および「部」は特に断りのない限り、重量基準である。

[0062] [評価方法]

(重合体の重量平均分子量）

テトラヒドロフランを溶離液とした、ゲル ·パーミエーシヨン'クロマトグラフィー分析により測定し、標準ポリスチレン換算値として求めた。

(各ブロック共重合体の比率）テトラヒドロフランを溶離液とした、ゲル ·パーミエーシヨン'クロマトグラフィー分析により測定し、その測定チャートから、スチレンイソプレンジブロック共重合体、カツプリング剤を介して 2つのスチレンイソプレンジブロック共重合体が結合したカップリング体（2分岐体）、カップリング剤を介して 3つのスチレンイソプレンジブロック共重合体ソプレンジブロック共重合体が結合したカップリング体 (4分岐体）に相当するピーク面積を求め、各ブロック共重合体の重量比を計算した。

(関係式による数値計算）

上記の結果から、 2分岐体、 3分岐体および 4分岐体の全組成物に対する割合 (重量％)を、それぞれ、 W2、 W3、 W4とした時、下記式（3)に基づき、数値を計算した。

(2 XW2 + 3 XW3 +4 X W4) / (W2 + W3 + W4) (3)

(スチレン単位量）

ブロック共重合体中のスチレン単位量は、 NMR分析により求めた。 (ビュル含量）

ブロック共重合体組成物中のイソプレン単位全量に対する、ビュル結合単位量の割合 (ビュル含量）は、 H-NMR分析により求めた。

[0063] (シートの平滑性）

得られた複層シートの片面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、感光性フレキソ版用組成物表面を露出させ、 24時間放置した。その後、感光性フレキソ版用組成物表面の表面状態を肉眼で観察し、以下の基準で判定した。なお、サンプル数は 10とした。

5点：全てのサンプルで、表面は平滑である。

4点：小さ、凹凸の表面形状を有するサンプルが 1個ある。

3点：凹凸の表面形状を有するサンプルが 1個以上ある。

2点：大きな凹凸の表面形状を有するサンプルが 1個以上ある。

1点：きれいなシートが成形できない。

[0064] (シートの耐フロー性）

得られた複層シートの両面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、感光性フレキソ版用糸且成物のシートを取り出した。該シートを、 JIS K 6251で規定する 3 号ダンべノレで打ち抜、てサンプルとした。

ダンベル形状のサンプルの中心部に、 20mmの間隔で評線を引き、それを垂直に保持した。室温で、適時観察しながら、評線間距離が 22mm (伸び率 10%)を超える時間を測定した。なお、最大で 240時間観察した。

[0065] (シートの粘着性）

得られた複層シートの片面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、感光性フレキソ版用組成物表面を露出させた。該感光性フレキソ版用組成物表面を指で触ることにより、以下の基準に基づき、感光性フレキソ版用組成物表面の粘着性を判定した。

〇:粘着性は、実用上問題ない。

△:やや粘着し易い。

X：粘着し易いので、実用上問題がある。

[0066] (細線の再現性）

得られた複層シートの片面を、紫外線露光機 (日本電子精機 ¾[E-A2-SS型)を用いて、硬化層の厚さが 1. 5mm程度となるように露光した。次いで、露光していない面のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、再現性評価用のネガフィルムを表面に密着させて、この面を前記光源で 15分間露光した。その後、

ネガフィルムを剥がし、トリクロロェタン Zイソプロピルアルコール（混合比率 =80Z2 0)の混合溶剤で未露光部分を溶解除去した。

50°Cで 30分乾燥した後、さらに前記光源で 10分間後露光して、フレキソ版を得た。このフレキソ版表面を、 50倍の実体顕微鏡を用いて観察し、凸画像部の細線の再現状態と、凹画像部の細線の彫れの状態を観察し、下記の基準により評価し、両者の合計点数で示す。

[0067] (0. 2mm幅の凸細線再現性）

凸細線の形状にゆがみ、太りがなぐネガと同一の幅で再現している場合を「完全に再現されている状態」とし、下記の基準により評価した。

3点：ネガが完全に再現されて!、る状態。 2点：ネガがほぼ再現されて、る状態。

1点：ネガの再現が不完全である状態。

[0068] (0. 7mm幅の凹細線再現性）

凹細線の形状に波状のギザギザがなぐエッジがシャープであり、凹細線の溝が深く彫られている状態を「完全に再現されている状態」とし、次の基準で評価した。

3点：凹細線の溝が深ぐエッジもシャープに彫られている。

2点：凹細線の溝は若干浅いが、実用上は支障がない。

1点：凹細線の溝の彫れが浅ぐ実用上支障がある。

[0069] (実施例 1)

耐圧反応器に、シクロへキサン 112部、 N, N, Ν' , Νしテトラメチルエチレンジアミン（「TMEDA」と略号で示す。）0. 0012部およびスチレン 7. 2部を添加し、 40°Cで攪拌しているところに n ブチルリチウム 0. 0441部を添加し、 50°Cに重合温度を上げながら 1時間重合した。この時点でのスチレンの重合転ィ匕率は、ほぼ 100%であつた。その重合溶液の一部を採取し、ポリスチレンを取り出した後、重量平均分子量を測定した。その結果を表 1に示す。

引き続き、イソプレン 40. 8部を 1時間に亘り連続的に添カ卩した。イソプレンの添加を完了した後、さらに 1時間重合した。なお、重合温度は 50— 60°Cを維持するように温度制御した。この時点での重合転ィ匕率は、ほぼ 100%であった。その重合溶液の一部を採取し、ジブロック共重合体を取り出した後、重量平均分子量を測定した。その結果を表 1に示す。

[0070] 次いで、カップリング剤としてテトラメトキシシラン 0. 0254部を添カ卩して 2時間カップリング反応を行なった。この後、重合停止剤としてメタノール 0. 1部を添加して反応を停止した。

得られた重合体溶液に、重合体 100部あたり、酸化防止剤として 2, 6—ジー t プチルー p タレゾール 0. 3部を添カ卩した後、該溶液を少量ずつ 85— 95°Cに加熱した温水中に滴下して溶媒を揮発させた。得られた析出物を粉砕し、 85°Cで熱風乾燥し、ブロック共重合体組成物 Iを得た。ブロック共重合体組成物 Iの重量平均分子量、ビニル含量、スチレン単位量、および各ブロック共重合体の重量比率を測定し、その結果を表 1に示す。また、関係式により計算される数値を表 1に示す。

[0071] ブロック共重合体組成物 Iを 100部、液状ポリブタジエン（NISSO— PB— B—1000：日本曹達 (株)製） 10部、および 2, 6—ジー tーブチルー p タレゾール 2部を、ニーダー混練機を用いて、 170°Cで混練した。引き続き、混練温度を 130°Cに降温し、 1, 4 ブタンジオールジアタリレート 5部、へキサンジオールジメタタリレート 5部、メチルハイドロキノン 0. 01部およびべンゾインイソプロピルエーテル 0. 8部を添カ卩して混練して、感光性フレキソ版用組成物を得た。

[0072] 上記の感光性フレキソ版用組成物を、ロールミルを用いて混練した後、厚さ 3. 2m mのシート状に成形した。該シートを厚さ 100 μ mのポリエチレンテレフタレートフィルムで挟み、それを 120°Cで圧縮成形して、厚みが 3mmの複層シートを得た。このシートを用いて、平滑性、耐フロー性、粘着性および細線の再現性の評価を行い、その結果を表 1に示す。

[0073] (実施例 2— 4)

表 1に示す重合処方に変更した以外は、実施例 1と同様に重合して、ブロック共重合体組成物 Π— IVを得た。これらのブロック共重合体組成物の物性を表 1に示す。ブロック共重合体組成物 Iに代えて、ブロック共重合体組成物 II一 IVを用いる以外は、実施例 1と同様に複層シートを得た。それらの平滑性、耐フロー性、粘着性および細線の再現性の評価を行い、結果を表 1に示す。

[0074] (比較例 1)

引き続き、イソプレン 40. 8部を 1時間に亘り連続的に添カ卩した。イソプレンの添加を完了した後、さらに 1時間重合した。なお、重合温度は 50— 60°Cを維持するように温度制御した。この時点での重合転ィ匕率は、ほぼ 100%であった。反応器から、重合溶液全体の 50%に相当する重合溶液を抜き出した後、カツプリング剤としてテトラメトキシシラン 0. 0127部を添加して 2時間カップリング反応を行なつた。この後、重合停止剤としてメタノール 0. 1部を添加して反応を停止した。

反応器カゝら抜き出した重合溶液に、重合停止剤としてメタノール 0. 1部を添加して反応を停止し、その一部を採取し、ジブロック共重合体を取り出した後、重量平均分子量を測定した。その結果を表 1に示す。

[0075] ジブロック共重合体溶液とカップリング反応後の重合体溶液を混合した後、全重合体 100部あたり、酸化防止剤として 2, 6—ジー tーブチルー p—タレゾール 0. 3部を添カロし、次いで、該重合体溶液を少量ずつ 85— 95°Cに加熱した温水中に滴下して溶媒を揮発させた。得られた析出物を粉砕し、 85°Cで熱風乾燥し、ブロック共重合体組成物 Vを得た。ブロック共重合体組成物 Vの重量平均分子量、ビュル含量、スチレン単位量、および各ブロック共重合体の重量比率を測定し、その結果を表 1に示す。また、関係式により計算される数値を表 1に示す。

[0076] ブロック共重合体組成物 Iに代えて、ブロック共重合体組成物 Vを用いる以外は、実施例 1と同様に複層シートを得た。その平滑性、耐フロー性、粘着性および細線の再現性の評価を行い、結果を表 1に示す。

[0077] (比較例 2および 3)

表 1に示す重合処方に変更した以外は、実施例 1と同様に重合して、ブロック共重合体組成物 VIおよび VIIを得た。これらのブロック共重合体組成物の物性を表 1に示す。

ブロック共重合体組成物 Iに代えて、ブロック共重合体組成物 VIおよび VIIを用いる以外は、実施例 1と同様に複層シートを得た。それらの平滑性、耐フロー性、粘着性および細線の再現性の評価を行! \結果を表 1に示す。

[0078] [表 1] 〔〕0079

スチレンイソプレンジブロック共重合体の含有量が、本発明で規定する範囲を超えるブロック共重合体組成物 Vを用いると、シートの耐フロー性に劣り、極めて粘着し易い感光性フレキソ版用組成物となる（比較例 1)。

4分岐体の含有割合が多いために、本発明で規定する関係式の上限を超えるプロック共重合体組成物 VIを用いると、シートの平滑性に劣り、耐フロー性も低下し、細線の再現性に劣るフレキソ版となる（比較例 2)。

2分岐体の含有割合が多いために、本発明で規定する関係式の下限を下回るプロック共重合体組成物 VIIを用いると、シートの耐フロー性および粘着性に劣る感光性フレキソ版用組成物となる（比較例 3)。

以上の比較例に比べ、本発明の範囲内にあるブロック共重合体組成物 I一 IVを用いると、平滑な表面を有し、耐フロー性に優れ、かつ粘着による不具合が発生し難いシートが得られ、かつ、細線の再現性に優れたフレキソ版が得られている（実施例 1 一 4)。

Claims

請求の範囲

[1] 下記一般式 (al)—（a3)で示されるブロック共重合体力選ばれる少なくとも 1種のブロック共重合体 (a)および

下記一般式 (b)で示されるブロック共重合体 (b)を含み、

(a)を Wa重量％、

(al)、 (a2)および（a3)をそれぞれ W2、 W3および W4重量％、

(b)を Wb重量％とした場合に、

Wa = 50—100重量％

=0—50重量％

2. 5≤ (2 XW2 + 3 XW3+4 XW4) / (W2+W3 +W4)≤3. 8

(A-B) X (al)

2

(A-B) X (a2)

3

(A-B) X (a3)

4

A-B (b)

[2] ブロック共重合体組成物中の芳香族ビニル単量体単位含有量が 5— 25重量％である請求項 1記載の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物。

[3] ブロック重合体組成物の重量平均分子量が 100, 000— 500, 000である請求項 1 記載の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物。

[4] ブロック共重合体（al) 0— 20重量％、ブロック共重合体（a2) 40— 100重量％、ブロック共重合体 (a3) 0— 50重量％およびブロック共重合体 (b) 0— 50重量％を含む請求項 1記載の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物。

[5] ブロック共重合体（a) 55— 95重量％ぉよびブロック共重合体（b) 5— 45重量％を含む請求項 1記載の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物。

[6] ブロック共重合体（al) 0— 15重量％、ブロック共重合体（a2) 40— 95重量％、ブロック共重合体 (a3) 0— 45重量％およびブロック共重合体 (b) 5— 45重量％を含む請求項 5記載の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物。

[7] ブロック共重合体（a) 55— 90重量％ぉよびブロック共重合体（b) 10— 45重量％を含む請求項 1記載の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物。

[8] ブロック共重合体（al) 0— 10重量％、ブロック共重合体（a2) 45— 90重量％、ブロック共重合体 (a3) 0— 45重量％およびブロック共重合体 (b) 10— 45重量％を含む請求項 7記載の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物。

[9] 請求項 1一 8のいずれかに記載の感光性フレキソ版用ブロック共重合体組成物、ェチレン性不飽和化合物および光重合開始剤を含む感光性フレキソ版用組成物。

[10] 請求項 9記載の感光性フレキソ版用組成物を感光して得られるフレキソ版。