WO2004050149A1 - 翼付留置針用プロテクタ - Google Patents

Abstract

翼付留置針をプロテクタ本体内へ収納する操作が簡単であり、かつ、確実に中空針を収納することができる翼付留置針用プロテクタを提供する。翼付留置針５の翼片６を露出させて翼付留置針５を収納する外筒２に、中空針５ｂより長く切り込んで形成されて、翼片６を収納方向に案内して基端部に翼片６を保持する互いに平行に形成された一対のスリット７ａ，７ｂを設ける。夫々のスリット７ａ，７ｂに交差する方向に突出し、外筒２の内側に向かって弾発的に揺動自在の突片８ａを設ける。突片８ａは、スリット７ａ，７ｂに沿って収納方向に移動する翼片６に当接する一側縁が、該スリット７ａ，７ｂを斜めに横切る方向に傾斜する傾斜縁とされ、スリット７ａ，７ｂの基端部に位置する翼片６に当接する他側縁が、翼片６を係止して翼片６の脱出方向への移動を規制する係止縁とされている。

Description

明 細 書 翼付留置釙用プロテク夕 技術分野

本発明は、 本発明は、 点滴等の医療行為に使用される翼付留置針のプ ロテク夕に関する。 背景技術

従来、 中空針と、 該中空針の基端を保持する保持筒と、 該保持筒と一 体に形成された一対の翼片とを備えた翼付留置針が点滴等の医療行為に おいて使用されている。 医療行為者は両翼片を合掌状態にして挟持し、 中空針を患者の血管に穿入し、 その後、 両翼を拡げて粘着テープにより 患者の皮膚に貼り付けて中空針を固定する。 そして、 中空釙を介して患 者への点滴等を行う。 ところで、 使用済みとなった翼付留置釙は患者か ら取り外されて廃棄されるが、 中空針がむき出しになっていると廃棄処 理を行う者が中空針に接触して病原菌などに感染するおそれがある。 そこで、 従来、 使用済みの翼付留置針を収容して外部からの中空針へ の接触を防止する翼付留置針用プロテク夕が用いられている （例えば、 特開平 1 1 一 3 1 9 0 8 6号公報参照）。 この種の翼付留置針用プロテ クタは、 略円筒状のプロテク夕本体の周壁を先端から軸方向に沿って中 空針より長く切り込んで形成された一本のスリッ トと、 プロテク夕本体 の基端側においてスリッ トに連続し、 プロテクタ本体の周壁を周方向に 部分的に切り欠いて形成された翼用溝を備えている。 スリッ トは、 合掌 状態の両翼片を摺動案内する。 該スリッ トに沿って合掌状態で案内され た両翼片は、 翼用溝に達したとき、 両翼片が互いに相反する方向に開い て翼用溝に嵌め込まれる。 これによつて、 プロテク夕本体の内部に中空 針が収容された状態で開いた状態の両翼片の動きが翼用溝により規制さ れ、 中空針への外部からの接触が防止できる。

しかし、 翼付留置針をプロテク夕本体内へ収納する際に、 両翼片を合 掌する必要があるため、 プロテク夕本体内に収納する際の翼付留置針の 取扱いが煩わしい不都合があった。

かかる不都合を解消して、 本発明は、 翼付留置針をプロテク夕本体内 へ収納する操作が簡単であり、 かつ、 確実に中空針を収納することがで きる翼付留置針用プロテク夕を提供することを目的とする。

発明の開示

上記目的を達成するため、 本発明は、 先端に刃先を有する中空針と. 該中空針の基端を保持する保持筒と、 該保持筒と一体に形成された一対 の翼片とを備えた翼付留置針を収納する翼付留置針用プロテク夕におい て、 翼付留置針の両翼片を露出させて該翼付留置針を収納する筒状の外 筒と、 該外筒の周壁に、 該外筒の先端から該外筒の基端に向かって互い に平行に且つ前記中空針より長く切り込んで形成されて、 各翼片を収納 方向に案内して基端部に該翼片を保持する一対のスリッ トと、 夫々のス リツ 卜に交差する方向に突設され、 外筒の内側に向かって弹発的に揺動 自在の少なく とも一対の突片とを備え、 該突片は、 スリッ トに沿って収 納方向に移動する翼片に当接する一側縁が、 該スリッ トを斜めに横切る 方向に傾斜する傾斜縁とされ、 スリッ トの基端部に位置する翼片に当接 する他側縁が、 翼片を係止して該翼片の脱出方向への移動を規制する係 止縁とされていることを特徴とする。

本発明によれば、 翼片を合掌することなく、 翼片を把持してそのまま 後方に引張し、 両スリッ トに挿入することができる。 そして、 各突片の 一側縁が傾斜縁とされているので、 収納方向へ移動する翼片が傾斜縁に 当接して各突片が円滑に内側に折れ曲がる。 両翼片が各スリッ トの基端 まで移動すると、 各突片は、 復元力により起き上がり、 再び元の位置に 戻る。 突片の他側縁は翼片を係止する係止緣とされているので、 翼片が 再び軸方向に移動することが突片により防止される。 一方、 中空釙は翼 片と共に後方へ移動しプロテク夕内へ収納されるので、 翼付留置釙をプ ロテク夕本体内へ収納する操作が簡単な翼付留置針用プロテク夕を提供 することができる。

本発明において、 前記突片は、 外筒の内側に設けられてスリッ トを交 差する大きさに形成されていることが好ましい。 これによれば、 該突片 は、 外側に折れ曲がろうとする力が加わるとき該外筒の内壁に係止され， スリッ トを閉塞するので、 中空針がスリッ トを介して外方に突出するこ とを確実に防止することができる。

また、 本発明においては、 前記外筒の内部に、 その内側壁面に沿って 湾曲して両側縁が各スリッ トの近傍に位置する樋状部材を設けることで, 該樋状部材の両側縁に前記突片を連設することができて構造簡単とする ことができる。

また、 本発明において、 前記一方のスリッ トは、 前記外筒の先端から 基端にわたって形成されて両端が開放されており、 前記外筒には、 該ス リッ トの基端を閉塞して該スリッ トの基端側からの翼片の脱出を規制す ると共に外筒の内側に向かって弾発的に揺動自在の閉塞片が設けられて いることを特徴とする。 これによれば、 先端に翼付留置釙を備えるチュ ブが、 基端に輸液バッグ等を備える状態に組み立てられた後であって も、 本発明の翼付留置釙用プロテクタを前記一方のスリッ トからチュー ブに装着することができる。

このとき、 前記外筒の内部に、 その内側壁面に沿って湾曲して両側縁 が各スリッ トの近傍に位置する樋状部材を設けることにより、 該樋状部 材の両側縁の先端側には前記突片を連設することができ、 基端側に前記 閉塞片を連設することができて構造簡単とすることができる。

また、 本発明において、 前記突片は、 スリッ トに沿って複数配設され ていることが好ましい。 これにより、 各突片のスリッ トに沿った長さ寸 法を小とすることができ、 収納方向へ移動する翼片に押されて各突片が 内側に折れ曲がるとき、 各突片の折れ曲がりが迅速に行なわれ、 また、 翼片が通過した後の各突片の復元が迅速に行なわれる。 図面の簡単な説明

図 1は本発明にかかる第 1実施形態の翼付留置釙用プロテク夕を示す 全体図、 図 2は第 1実施形態の翼付留置釙用プロテク夕を分解した状態 を示す説明図、 図 3は第 1実施形態の外筒の一部を切り欠いて示す説明 図、 図 4は翼付留置針を第 1実施形態の翼付留置釙用プロテクタに収納 した状態を示す説明図、 図 5は第 1実施形態の突片が内側に折れ曲がる 様子を示す説明図、 図 6は本発明にかかる第 2実施形態の翼付留置針用 プロテクタを示す全体図、 図 7は第 2実施形態の翼付留置針用プロテク 夕を分解した状態を示す説明図である。 発明を実施するための最良の形態

本発明の実施の形態を図 1から図 7を参照して説明する。

図 1 に示すように、 第 1実施形態の翼付留置針用プロテク夕 1 aは、 外筒 2 と、 樋状部材 3とからなる。 翼付留置針用プロテク夕 1 a内には 基端にチューブ 4が接続された翼付留置針 5が軸方向に移動自在に挿入 されている。 翼付留置針 5には、 刃先 5 aを先端に有する略円筒状の中 空釙 5 bと、 該中空釙 5 bの基端を保持する略円筒状の保持筒 5 c と、 該保持筒 5 cの径方向に対称に一体に形成され軟性の樹脂からなる一対 の翼片 6とが設けられている。 中空針 5 bはチューブ 4を介して図示し ない医療器具に接続されている。

外筒 2は、 図 2に示すように、 その周壁を軸方向に沿って切り欠いた 一対のスリッ ト 7 aが設けられている。 両スリッ ト 7 aは、 外筒 2の先 端から中央部まで形成され、 中空針よりも長い。 また、 両スリッ ト 7 a は、 各翼片 6を揷入自在である。 また、 両スリッ ト 7 aの先端は翼片 6 を案内するようテーパー状に形成されている。

外筒 2の基端部には、 外径を大きく形成した大径部 2 aが形成されて いる。 大径部 2 aの内壁には、 図 3に一部切り欠いて示すように、 環状 溝 2 bが形成されている。 また、 外筒 2の上周壁部 2 cは肉厚に形成さ れている。 これにより外筒 2の内壁には、 段差 2 dが形成されている。

図 2に示すように、 樋状部材 3の基端縁には、 環状部材 3 aが径方向 に突出して連設されている。 また、 環状部材 3 aは、 容易に縮径自在と なるように切欠部 3 bが形成されている。 そして、 環状部材 3 aは、 図 3に示す、 外筒 2の環状溝 2 bに嵌め込まれる。 また、 図 1に示すよう に、 樋状部材 3の両側縁は、 両スリッ ト 7 aの近傍に位置する。 樋状部 材 3の両側縁先端部には、 図 2に示すように、 一対の突片 8 aが、 溝 9 を介して内側に折れ曲がり自在に、 軸方向に 2つ並んで連設されている, 各突片 8 aの軸方向先端には、 樋状部材 3の側縁に向かって傾斜する傾 斜縁が形成されている。 また、 各突片 8 aの軸方向基端は、 第 1実施形 態における係止縁として、 軸方向に対して略垂直に形成されている。 翼 付留置釙 5を翼付留置釙用プロテク夕 1 aに収納したとき、 図 4に示す ように、 各突片 8 aと各スリッ ト 7 a基端との間隙に翼片 6が保持され る。

突片 8 aは、 図 5に示すように、 各スリッ ト 7 aを跨って外筒 2の内 壁に接触している。 また、 突片 8 aの先端は、 外筒 2の段差 2 dに係止 され、 軸方向を中心とする回転が防止されている。 このように、 第 1実 施形態においては、 段差 2 dにより突片 8 a先端が係止され、 環状溝 2 dと環状部材 3 aとが嵌合するので、 樋状部材 3の外筒 2内への設置位 置の案内と位置決めを円滑に行なうことができる。 なお、 外筒 2と樋状 部材 3とは接着され、 外筒 2内に樋状部材 3が強固に保持される。

次いで、 図 4と図 5とを参照して、 翼付留置針 5を翼付留置釙用プロ テク夕 1 a内に収納する工程を説明する。 医療行為者は、 図 5 ( a ) に 示すように、 翼片 6を把持し、 後方へ引張して、 両翼片 6を各スリッ ト 7 aへ挿入する。 そして、 図 5 ( b ) に示すように、 両翼片 6は、 先端 方向の各突片 8 aを内側に折り曲げながら、 各スリッ ト 7 aを進む。 次 いで、 図 5 ( c ) に示すように、 基端方向の突片 8 aを内側に折り曲げ ながら、 先端方向の突片 8 aは復元力により起き上がる。 次いで、 図 4 . 図 5 ( d ) に示すように、 両翼片 6は、 各スリッ ト 7 aの基端に係止さ れ、 基端方向の突片 8 aも起きあがる。 これにより、 両翼片 6は、 各ス リッ ト 7 aと突片 8 aとの間隙に保持される。

第 1実施形態にかかる翼付留置針用プロテクタ 1 aによれば、 一対の 翼片 6を合掌することなく、 そのまま後方の両スリッ ト 7 aに引張して 挿入することができる。 そして、 両翼片 6が、 各スリッ ト 7 aの基端と 突片 8 aとの間隙に保持されるため、 一定以上の力により両翼片 6が各 スリッ ト 7 aに沿って先端方向に移動することを防止することができる, すなわち、 翼付留置釙をプロテク夕本体内へ収納する操作が簡単であり かつ、 確実に中空針を収納することができる。

また、 各突片 8 aにより各スリッ ト 7 aが閉塞され、 さらに、 突片 8 aは、 外側に折れ曲がろうとする力が加わるとき外筒 2の内壁に係止さ れる。 このため、 中空針 5 bが両スリッ ト 7 aから突出することを防止 することができる。 また、 第 1実施形態の翼付留置釙用プロテク夕 1 a は、 外筒 2 と樋状部材 3との 2部材で構成されるため、 例えば、 樋状部 材 3を外筒 2よりも軟質の素材で形成するなど、 両者を異なる素材で形 成することもできる。 また、 突片 8 aが軸先端方向と基端方向との 2片 に分けて形成されているため、 突片 8 aは、 翼付留置針 5を収納する際 に、 容易に内側に折曲がることができる。

次いで、 図 6、 図 7を参照して、 本発明にかかる第 2実施形態の翼付 留置針用プロテク夕 1 bについて説明する。

第 2実施形態の翼付留置釙用プロテク夕 1 bは、 図 6に示すように、 第 1実施形態の翼付留置針用プロテク夕 1 aと同様に外筒 2と樋状部材 3とからなる。 また、 図 7に分解して示すように、 外筒 2の一方のスリ ッ ト 7 bは、 軸方向先端から基端まで形成されている。 スリッ ト 7 の 基端部には、 チューブ 4を挟んで翼付留置釙用プロテク夕 1 bの位置を 固定するための幅広部 7 cが形成されている。

樋状部材 3の環状部材 3 aには、 幅広部 7 cを開口するように切欠部 3 bが形成されている。 また、 樋状部材 3の一方の側端縁には、 溝 9を 介して、 幅広部 7 cの先端部を閉塞する閉塞片 8 bが設けられている。 閉塞片 8 bは、 溝 9により内側に折れ曲がり自在である。 また、 閉塞片 8 bの先端は、 外筒 2の内壁と接触して設けられているため、 外側への 折れ曲がりをより確実に防止する。 上記以外の第 2実施形態の翼付留置 針用プロテク夕 1 bの構成は、 全て第 1実施形態の翼付留置針用プロテ クタ 1 aの構成と同一である。

第 2実施形態にかかる翼付留置針用プロテク夕 1 bによれば、 先端に 翼付留置針 5を備えるチューブ 4が、 基端に輸液バッグ等を備える状態 に組み立てられた後であっても、 翼付留置釙用プロテク夕 1 bをスリツ 卜 7 bからチューブ 4に装着することができる。 産業上の利用可能性

本発明は、 翼付留置針をプロテク夕本体内へ収納する操作が簡単であ り、 かつ、 確実に中空針を収納することができるので、 点滴等の医療行 為に用いて患者からの翼付留置針の円滑な取外し作業が可能となる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 先端に刃先を有する中空針と、 該中空針の基端を保持する保持筒と， 該保持筒と一体に形成された一対の翼片と ¾備えた翼付留置釙を収納す る翼付留置釙用プロテク夕において、

翼付留置針の両翼片を露出させて該翼付留置釙を収納する筒状の外筒 と、

該外筒の周壁に、 該外筒の先端から該外筒の基端に向かって互いに平 行に且つ前記中空針より長く切り込んで形成されて、 各翼片を収納方向 に案内して基端部に該翼片を保持する一対のスリッ トと、

夫々のスリッ トに交差する方向に突設され、 外筒の内側に向かって弹 発的に揺動自在の少なくとも一対の突片とを備え、

該突片は、 スリッ トに沿って収納方向に移動する翼片に当接する一側 縁が、 該スリッ トを斜めに横切る方向に傾斜する傾斜緣とされ、 スリツ トの基端部に位置する翼片に当接する他側縁が、 翼片を係止して該翼片 の脱出方向への移動を規制する係止縁とされていることを特徴とする翼 付留置釙用プロテク夕。

2 . 前記突片は、 外筒の内側に設けられてスリッ トを交差する大きさに 形成されていることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の翼付留置針用 プロテク夕。

3 . 前記外筒の内部には、 その内側壁面に沿って湾曲して両側縁が各ス リッ 卜の近傍に位置する樋状部材が設けられ、

該樋状部材の両側縁には、 前記突片が建設されていることを特徴とす る請求の範囲第 1項記載の翼付留置釙用プロテク夕。

4 . 前記一方のスリッ トは、 前記外筒の先端から基端にわたって形成さ れて両端が開放されており、

前記外筒には、 該スリッ トの基端を閉塞して該スリッ トの基端側から の翼片の脱出を規制すると共に外筒の内側に向かって弹発的に揺動自在 の閉塞片が設けられていることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の翼 付留置釙用プロテク夕。

5 . 前記外筒の内部には、 その内側壁面に沿って湾曲して両側縁が各ス リッ トの近傍に位置する樋状部材が設けられ、

該樋状部材の両側縁には、 その先端側に前記突片が連設され、 基端側 に前記閉塞片が連設されていることを特徴とする請求の範囲第 4項記載 の翼付留置釙用プロテク夕。

6 . 前記突片は、 スリッ トに沿って複数配設されていることを特徴とす る請求の範囲第 1項記載の翼付留置釙用プロテク夕。