WO2002011949A1 - Etau - Google Patents

Description

明 細 書 ワークノ イス

技術分野

この発明は、 工作機械のテーブルにワークを固定するときに用いるヮー クパイスに関するものである。 より詳細には、 固定顎に対向して進退する 可動顎が基台に摺動自在に設置され 移動台に連結され、 この移動台を基 台に固定するノックピンを備え、 平面視で細長い矩形形状の基台を備えた ワークパイスにおける移動台と基台との固定構造に関するものである。 背景技術

工作機械で加工されるワークを固定するために用いられるワークバイス は、 工作機械のテーブルに固定される基台と、 基台に固定された固定顎と、 固定顎に対向して進退する可動顎とを備えている。 汎用的なワークバイス は、 可動顎をネジ機構により進出させて強い力でワークを固定できるよう になっている。 ネジ機構を用いたワークバイスは、 ワークの大きさに合わ せて可動顎を大きく移動させるとき、ネジを何回も回さなければならない。 この面倒を避けるために、 基台上に移動台を摺動自在に設け、 この移動台 に可動顎を連結し、 ワークの寸法に合わせた位置で移動台をノックピンで 基台に固定する構造のワークバイスが提供されている。

個々の工作機械によって加工可能なワークの寸法は、 テーブルと工具と の間隔により制限される。 ワークパイスは、 テーブルに固定してワークを 把持するため、 ワークの加工寸法を犠牲にしないように、 小型であること が要求される。 また複数のワークパイスを並べて設置し、 当該複数のヮー クバイスで 1個のワークを把持することもあるので、 幅が狭くかつ可動顎 の移動ストロークの大きいことが要求される。 さらにワークの着脱が迅速 にできることや、 テーブルに取り付けたときにノックピンが抜け落ちない 構造であることが要求される。

このような要求を満足するワークバイスとして、 この出願の出願人らは、 移動台と基台とを固定するノックピンのピン孔を移動台に設けた 1個の半 円筒溝と、 基台に所定間隔で設けた複数個の半円筒溝の 1個とを対向させ て形成するよワークバイスを提唱している （日本国公開実用新案公報平成

7年第 1 5 2 6 4号、 日本国公開実用新案公報平成 7年第 2 7 7 5 6号、 日本国公開特許公報平成 7年第 1 7 1 7 6 9号、 日本国公開特許公報平成 9年第 2 9 5 7 1号公報）。 この構造のワークバイスは、 ノックピンの長さ を短くできる。 また、 ノックピンを移動台の両側に設けることにより、 ヮ ークの把持反力がノックピンに偏荷重となって作用するのを避けることが できる。 発明の開示

この発明は、 移動台と基台とを固定するノックピンのピン孔を半円筒溝 で形成するワークパイスにおいて、 移動台の固定と固定解除とをノックピ ンの回動操作により行うことを可能にする。 このことは、 ノックピンの抜 差しに要するスペースを不要にし、 複数のワークパイスを並べて配置する ときのワークバイス相互の間隔をより狭くできる。 またワークの固定及び 固定解除を行うときの操作性にも優れたワークバイスが得られる。

' この発明のワークパイスは、 細長い矩形の基台 1と、 この基台 1の長さ 方向に設けたスライドガイ ド 5に沿って移動する移動台 4を備えている。 ワークを把持する可動顎 1 5は、 移動台 4にネジ杆 7で連結されている。 移動台 4を基台 1に固定するノックピン 2 9のピン孔 2 6は、 移動台 4に 設けた半円筒溝 2 8と、 移動台 4の移動方向に所定間隔で設けた基台 1側 の半円筒溝 2 1 ' · 'の 1個とを対向させることによって、 その全体が形 成される。

請求の範囲第 1項の発明に係るワークバイスのノックピン 2 9は、 先端 側に半円断部を備えている。 移動台 4は、 基台 1に向く面 2 5に移動台 4 の移動方向と直交する方向の半円筒溝 2 8を備えている。 この半円筒溝 2 8の外側端に位置する側壁 2 0には、 前記半円筒溝と連接する円孔 2 7が 設けられている。 一方、 基台 1は、 移動台の前記半円筒溝 2 8を設けた面 と対向する細長い面 2 4を備え、 この面 2 4に所定間隔で配置された複数 個の半円筒溝 2 1 · · ·を備えている。 移動台 4の半円筒溝 2 8と基台 1 の半円筒溝 2 1 · · ·の各々とは、 両者が対向したときに前記円孔 2 7と 同心の円筒孔を形成する。 前記ノックピン 2 9は、 円孔 2 7に少なくとも · 1 8 0度回動可能に挿通されている。

請求の範囲第 2項の発明に係るワークパイスのノックピン 2 9は、 中間 部に半円断部を備えている。 移動台 4は、 その移動方向と平行な側壁 2 0 及び内壁 3 8で挟まれた溝 4 2を備えている。 更に移動台 4は、 前記側壁 2 0を貫通して内壁 3 8に達する円孔 2 7、 4 4を備えている。 一方、 基 台 1は、 頂面 3 9が前記円孔 2 7、 4 4の中心を越えない寸法で移動台の 溝 4 2に摺動自在に嵌揷される細長い突条 3 6と、 この突条の頂面 3 9に 所定間隔で設けられた半円筒溝 2 1 · · · とを備えている。 移動台の溝 4 2の底面と基台の突条 3 6の頂面との間には、 前記ノックピン 2 9の半円 筒部が移動可能な空隙 4 3が形成されている。

請求の範囲第 3項の発明は、 請求の範囲第 1項または第 2項の発明に係 るワークバイスにおいて、 ピン 2 9が移動台の側壁 2 0の円孔 2 7に揷通 される部分に円周溝 3 2を備え、 移動台 4にはこの円周溝に嵌合してピン 2 9の軸方向移動に抵抗する突出端 3 4を備えていることを特徴とする。 請求の範囲第 4項の発明においては、 基台 1側の半円筒溝 2 1 · · · と 移動台 4側の半円筒溝 2 8と、 及び両者で形成されるピン孔 2 6が、 下記 の寸法関係を備えている。 すなわち、 移動台 4側の半円筒溝 2 8はピン孔 2 6の半径 Rより深い溝深さ Sを備えており、 従って、 基台側の半円筒溝 2 1は移動台側のものを深くした分だけ浅い溝深さ Tの半円筒溝となって いる。 ノックピン 2 9は全体又は一部に半円筒部を備え、 その半円筒部は 基台側の半円筒溝 2 1の溝深さ Tより厚くかつ移動台側の半円筒溝 2 8の 溝深さ Sを越えない厚さ Uを備えている。 · 請求の範囲第 5項の発明は、 第 4項記載のワークバイスにおいて、 ノッ クピン 2 9はその根元部分に円周溝 3 2を備え、 移動台 4はこの円周溝に 嵌合してノックピンの軸方向移動に抵抗する突出端 3 4を備えていること を特徴とする。

この発明のワークパイスによれば、 ノックピン 2 9を略 1 8 0度回動す ることによって、 移動台 4と基台 1との固定及び固定解除を行うことがで きる。 すなわち、 ノックピンの半円筒部 3 1を移動台側の半円筒溝 2 8に 回動した状態で移動台 4は自由に移動できる。 一方、 移動台と基台との半 円筒溝 2 8、 2 1相互を対向させた状態でノックピンの半円筒部 3 1を基 台側の半円筒溝 2 1に回動させると、 移動台 4か基台 1に固定される。 請求の範囲第 2項の発明では、 ノックピン 2 9の両端が円孔 2 7と 4 4 とで支持され、 移動台に作用するワークの把持反力が側壁 2 0と内壁 3 8 の両側からノックピン 2 9に作用する。 従って、 ノックピンを傾かせよう とする力が生じず、 移動台 4の固定が安定かつ確実である。 また、 側壁 2 0の厚さも薄くできるので、 移動台 4の幅も狭くできる。

請求の範囲第 4項のワークパイスは、 ノックピンの半円筒部 3 1を移動 台側の半円筒溝 2 8側に回動したときは、 基台側の半円筒溝 2 1にピンが 残らないため、 移動台 4が自由に移動できる。 一方、 基台側の半円筒溝 2 1の 1個と移動台側の半円筒溝 2 8とを対向させてノックピン 2 9を略 1 8 0度回動するると、 第 1 0図 （b ) に示すように、 基台側の半円筒溝 2 1に嵌合したノックピンの半円筒部 3 1の断面の一部が移動台側の半円筒 溝 2 8側に残った状態となるため、 移動台 4の移動が阻止される。 移動台 に作用するワークの把持反力は、 移動台の半円筒溝 2 8側に残った周面か らノックピン 2 9に伝達され、 基台側の半円筒溝 2 1に嵌合しているピン の周面で基台 1に伝達される。

請求の範囲第 3項及び第 5項の構造は、 ノックピンの円周溝 3 2に嵌合 する突出端 3 4がノックピン 2 9の軸方向移動を阻止するため、 ワークバ イスを垂直なテーブル面に水平に装着した場合に生ずるノックピンの抜け 落ちを防止できる。 また円周溝 3 2を半円弧とすることにより、 移動台の 固定及ぴ固定解除時のノックピンの回動位置を規定できる。 図面の簡単な説明

第 1図はこの発明の第 1実施例のワークパイスの断面図である。 第 2図 は、 第 1図のワークパイスの要部の分解斜視図である。 第 3図は、 第 1図 のワークバイスの側面図である。

第 4図は、 この発明の第 2実施例のワークバイスの断面図である。 第 5 図は、 第 4図のワークパイスの要部の分解斜視図である。 第 6図は、 第 4 図のワークバイスの側面図である。

第 7図は、 この発明の第 3実施例のワークバイスの断面図である。 第 8 図は、 第 7図のワークパイスの要部の分解斜視図である。 第 9図は、 第 7 図のワークバイスの側面図である。 第 1 0図は、 第 3実施例のワークパイ スのノックピンの作用を示す説明図である。

第 1 1図は、 この発明の第 4実施例のワークバイスの断面図である。 第 1 2図は、 第 1 1図のワークバイスの要部の分解斜視図である。 第 1 3図 は、 第 1 1図のワークバイスの側面図である。

図中の符号の 1は基台、 4は移動台、 5はスライドガイド、 7はネジ扞、 1 5は可動顎、 2 0は移動台の側壁、 2 1は基台に設けた半円筒溝、 2 3 は移動台に設けた内向き鍔、 2 4内向き鍔の下面、 2 5は内向き鍔の下面 に対向している基台側の面、 2 6はピン孔、 2 7は移動台の側壁の円孔、 2 8は移動台の半円筒溝、 2 9はノックピン、 3 1はノックピンの半円筒 部、 3 2はノックピンに設けた円周溝、 3 4はボール、 3 8は移動台に設 けた内壁、 4 2は下向き溝、 Rはピン孔の半径、 Sは移動台側の半円筒溝 の深さ、 Tは基台側の半円筒溝の深さ、 Uはノックピンの半円筒部の厚さ である。 発明を実施するための最良の形態

第 1図ないし第 3図はこの発明の第 1実施例を示す図で、 請求の範囲第 1項の発明の実施例である。 第 3図において、 基台 1は平面視が細長い矩 形である。 基台 1の一端に固定顎 2がキー 3で位置決めされて固定されて いる。 移動台 4は基台 1の長さ方向のスライドガイド 5に沿って移動自在 である。 移動台 4は、 上部中央にスライドガイドと平行な貫通孔 6を有し、 この貫通孔にネジ扞 7の円筒部 8が揷通されている。

ネジ杆 7の円筒部 8とネジ部 9との間には、 中間鍔 1 1がー体に形成さ れており、 円筒部の先端 1 2は六角断面となっている。 ネジ扞 7は円筒部 8を移動台の貫通孔 6に揷通した後、 先端側に摘み 1 3を止めネジ 1 4で 固定することにより、 移動台 4に回動自在かつ軸方向移動不能に装着され る。

移動台 4の固定顎側には、 可動顎 1 5が移動台と同じスライドガイド 5 に摺動自在に装着されている。 可動顎 1 5に設けたネジ孔 1 6にネジ扞の ネジ部 9が螺合している。 移動台 4は側面視で L形、 可動顎 1 5は側面視 で逆 L形をしており、 可動顎 1 5の背面 （移動台側） に庇状に延びた部分 の下面 1 7が移動台 4の前面に受台状に延びた部分の上面 1 8に摺接して いる。 この構造は可動顎 1 5にかかるワークの把持反力によって可動顎 1 5が傾くのを防止するのに有効である。

基台 1の両側にスライドガイド 5と直交する水平方向の複数の半円筒溝 2 1が配置されている。 スライドガイド 5の断面は上端両側に外向き鍔 2 2を有する T形断面で、 移動台 4の下部の断面は、 下端両側に内向き鍔 2 3を有する下向きの C形断面である。 基台側の半円筒溝 2 1は、 外向き鍔 2 2の下面 2 4に配置されている。 一方、 移動台 4の内向き鍔 2 3の上面 2 5には半円筒溝 2 8が形成され、 この半円筒溝 2 8の延長上に移動台 4 の側壁 2 0を貫通する円孔 2 7が形成されている。 この半円筒溝 2 8と円 孔 2 7とは、 内向き鍔の上面 2 5に軸線を有するピン孔 2 6を形成してい る。

ピン孔 2 6には、 根元部分が円筒状で先端部分が半円筒状のノックピン 2 9が回動自在に揷通される。 ノックピンの半円筒部 3 1が移動台側の半 円筒溝 2 8内に位置するときは、 移動台 4は基台 1のスライドガイド 5に 沿って自由に移動可能である。 移動台の半円筒溝 2 8を基台の半円筒溝 2 1 · · ·の 1個と対向させ、 ノックピン 2 9を 1 8 0度回動させると、 ノ ックピンの半円筒部 3 1が基台側の半円筒溝 2 1に嵌合し、 移動台 4が基 台 1に移動不能に固定される。

ノックピン 2 9の根元の円筒部分には、 その周面の 1 8 0度の範囲に円 周溝 3 2が設けられており、 コイルバネ 3 3で付勢されて円孔 2 7の内周 の一箇所に突出しているボール 3 4がこの円周溝 3 2に嵌合している。 ボ ール 3 4は、 1 8 0度の円周溝 3 2と嵌合することにより、 ノックピン 2 9の軸方向移動を阻止するとともに、 ノックピンの半円筒部 3 1が移動台 の半円筒溝 2 8に収まる角度と、基台の半円筒溝 2 1に嵌合する角度とで、 ノックピン 2 9の回動位置を規定する。 ノックピン 2 9には、 これを回動 させる摘み 3 5が設けられている。

第 4図ないし第 6図はこの発明の第 2実施例を示す図で、 請求の範囲第 2項の発明の実施例である。 第 6図に示す固定顎 2の構造や移動台 4と可 動顎 1 5との連結構造は、 第 1実施例の構造と同一であり、 同一の部材が 第 3図と同一の符号を付して図示されている。 基台側の半円筒溝 2 1は、 第 1実施例のものが下向きであるのに対し、 この第 2実施例のものは上向 きである。 基台のスライドガイド 5の断面形状は、 上端両側に上向き鍔 3 6を有し、 側面下部に外向き溝 3 7を有するクラウン形である。 移動台 4 の下部の断面形 は、 天井面から垂下する内壁 3 8を有し、 下端両側に内 向き鍔 2 3を有する門形である。 基台側の半円筒溝 2 1は上向き鍔 3 6の 頂面 3 9に配置されている。 移動台の内壁 3 8と側壁 2 0との間には下向 き溝 4 2が形成されている。 この下向き溝 4 2の溝深さは、 基台の上向き 鍔 3 6の頂面 3 9との間にノックピン 2 9の半径を越える上下寸法の空隙 4 3が形成される深さである。 移動台 4が基台 1に装着された状態で、 内 壁 3 8は基台の両側の上向き鍔 3 6の間に挿入され、 内向き鍔 2 3は基台 の外向き溝 3 7に嵌揷される。

移動台の両側には、 側壁 2 0を貫通して奥端が内壁 3 8に達する円孔 2 . 7、 4 4が設けられている。 この円孔 2 7、 4 4の中心軸は、 基台の上向 き鍔の頂面 3 9上にある。 この円孔 2 7、 4 4には、 中間部を半円筒部 3 1としたノックピン 2 9が揷通されている。 ノックピンの半円筒部 3 1が 上方に回動している状態では、 当該半円筒部 3 1は基台の上向き鍔の頂面 3 9と移動台の下向き溝の底面 4 5との間の空隙 4 3内に位置し、 移動台 4は自由移動可能である。 移動台の半円筒溝 2 8を基台の半円筒溝 2 1の 1個と対向させ、 円孔 2 7、 4 4内でノックピン 2 9を回動してその半円 筒部 3 1を下方に回動させると、 半円筒部 3 1は基台の半円筒溝 2 1に嵌 合して移動台 4を固定する。

この請求の範囲第 2項の構造のものにおいても、 ノックピン 2 9の根元 の円筒部分に 1 8 0度の円周溝 3 2を設け、 コイルパネ 3 3で付勢されて 円孔 2 7の周面に突出するポール 3 4を設けて、 当該ポール 3 4をこの円 周溝に嵌合させることにより、 ノックピン 2 9の脱落を防止し、 かつノッ クピン 2 9の回動を、 半円筒部 3 1が基台側の半円筒溝 2 1に嵌合する状 態と空隙 4 3に退避する状態とに位置決めすることができる。

第 7図ないし第 1 0図はこの発明の第 3実施例を示す図で、 請求の範囲 第 4項の発明の実施例である。 基台 1のスライドガイド 5の断面は、 上端 両側に外向き鍔 2 2を有する T形であり、 移動台 4の下部の断面は、 内側 上端に基台の外向き鍔 2 2の下に挿入される内向き鍔 2 3を有する下向き C形である。 基台の半円筒溝 2 1 · · ·は基台の下端の鍔 4 6·の上面に形 成されている。 移動台 4の下端面 4 1には、 基台の半円筒溝 2 1と対向し て円筒状のピン孔 2 6を形成する 1個の半円筒溝 2 8が設けられている。 移動台の半円筒溝 2 8は、 上下の半円筒溝 2 1、 2 8によって形成される ピン孔 2 6の半径 Rより深い深さ Sを有している。 従って、 基台側の半円 筒溝 2 1 · · 'の溝深さ Tは、 ピン孔 2 6の半径 Rよりも浅い。 ピン孔 2 6には、 移動台側の半円筒溝 2 8の溝深さ Sと同一の厚さ （実 際には嵌め合い公差に相当する遊隙分だけ薄い） Uの半円筒形のノックピ ン 2 9が揷通されている。

このノックピン 2 9は、 移動台側の半円筒溝 2 8側に回動したとき、 第 1 0図 （a ) に示すように、 その半円筒のすべてが半円筒溝 2 8内に収ま る。 従ってノックピン 2 9と基台側の半円筒溝 2 1とは係合せず、 移動台 4は自由に移動できる。 一方、 第 1 0図 （b ) に示すように、 移動台の半 円筒溝 2 8と基台の半円筒溝 2 1の 1個とを対向させた状態でノックピン 2 9を略 1 8 0度回動させると、 ノックピン 2 9は基台の半円筒溝 2 1に 収容された状態となるが、 その厚さ Uが半円筒溝 2 1の溝深さ Tより厚い ために、 ノックピン 2 9の周面の一部が移動台の半円筒溝 2 8内に残った 状態となる。 従って、 この状態で移動台 4と基台 1とは移動不能に固定さ れる。 ワークを把持したときに移動台 4に作用する把持反力は、 移動台の 半円筒溝 2 8内に残った部分のピンの周面から基台 1に伝達されることと なる。

ノックピン 2 9には、 その根元側の周面に 1 8 0度の円周溝 3 2を設け、 移動台の半円筒溝 2 8の周面の一箇所 （移動台の下端面に近い位置） にコ ィルバネで付勢されたボール 3 4を突出させて、 当該ボールを円周溝 3 2 に嵌合させることにより、 ノックピン 2 9の脱落を防止できるとともに、 ノックピン 2 9の移動台側への回動端と基台側への回動端を規制すること ができる。

第 1 1図ないし第 1 3図は、 この発明の第 4実施例を示す図で、 請求の 範囲第 4項の発明の実施例である。 この第 4実施例のものでは、 基台の上 端の外向き鍔 2 2の下面 2 4に半円筒溝 2 1 · · 'が配置され、 移動台の 内向き鍔 2 3の上面 2 5に移動台側の半円筒溝 2 8が設けられている。 そ して移動台の半円筒溝 2 8に連接する円孔 2 7が移動台の側壁 2 0を貫通 している。 ノックピン 2 9は、 基端側に短い円筒部 4 9を有しており、 先 端側に第 3実施例のピンと同様な断面形状の半円筒部 3 1を有している。 その他の構造及び作用は、 第 3実施例のものと同じである。 この第 4実施 例の構造は、 基台側の半円筒溝 2 1が下向きとなるため、 ワークを加工す る際の切粉などが半円筒溝 2 1に落ち込むのを防止できるという長所があ る。 産業上の利用可能性

この発明のワークバイスは、 固定顎と可動顎との間隔を設定する移動台 の固定及び固定角军除を、 ノックピンの回動操作により行なうことができる。 ノックピンは基台の両側に設けられており、 ワークの把持反力が移動台を 傾けることがなく、 請求の範囲第 2項及び第 4項の構成によれば、 ワーク の把持反力がノックピンを傾けることもない。 このことは、 安定で強固で 正確なワークの把持を可能にする。 移動台の固定及び固定解除の際にノッ クピンの抜き差しが不要になることから、 バイスを狭い間隔で並べて設置 することが可能になる。 このことは、 特に形状が複雑なワークを複数のバ イスを用いて把持するときに有利である。 また、 ワークの固定及び固定解 除を行うときの操作性にも優れ、 ワークの着脱を短時間で行なうことがで きる。 このようなことから、 この発明のパイスは、 工作機械で加工される ワークを工作機械のテーブルに固定するためのバイスとして、 特に好適で める。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 細長い基台（1)と、 この基台の長さ方向に設けたスライドガイド（5)に 沿って移動可能な移動台 (4)と、 この移動台 (4)に前記スライドガイドと平 行に設けたネジ杆 (7)で連結されている可動顎 (19)と、 所定の複数位置で前 記移動台を前記基台に固定するノックピン（29)とを備えたワークバイスに おいて、

前記ノックピン (29)は先端側に半円筒部を備え、 前記移動台 (4)は、 基台（1) に向く面 (25)に移動台 (4)の移動方向と直交する方向の前記半円筒部と嵌合 する半円筒溝 (28)と、 この半円筒溝の外側端に位置する側壁 (20)と、 この 側壁に前記半円筒溝と連接して設けた円孔 (27)とを備え、 前記基台 (1)は、 移動台の前記半円筒溝 (28)を設けた面と対向する移動台の移動方向に細長 い面（24)と、 当該面に所定間隔で配置した複数個の半円筒溝 (21) · · · と を備え、 移動台の半円筒溝 (28)と基台の半円筒溝 (21)の各々とは両者が対 向したときに前記円孔（27)と同心の円筒を形成し、 前記ピン（29)は前記円 孔 (27)に少なくとも 1 8 0度回動可能に揷通されていることを特徴とする、 ワークバイス。

2 . 細長い基台（1)と、 この基台の長さ方向に設けたスライ ドガイド（5)に 沿って移動可能な移動台（4)と、 この移動台（4)に前記スライドガイドと平 行に設けたネジ杆 (7)で連結されている可動顎 (19)と、 所定の複数位置で前 記移動台を前記基台に固定するノックピン（29)とを備えたワークバイスに おいて、

前記ノックピン (29)は中間部に半円筒部を備え、 移動台 (4)は、 その移動方 向と平行な側壁 (20)と内壁 (38)とで挟まれた溝 (42)と、 前記側壁 (20)を貫 通して内壁 (38)に達する円孔 (27、 44)とを備え、 基台（1)は、 頂面 (39)が前 記円孔 (27、 44)の中心を越えない寸法で移動台の前記溝 (42)に摺動自在に嵌 挿される突条（36)と、 当該突条の前記頂面（39)に所定間隔で設けられた半 円筒溝 (21)とを備え、 移動台の前記溝 (42)の底面と基台の突条（36)の頂面 との間に前記ピン (29)の半円筒部が移動可能な空隙 (43)が形成されている ことを特 ί敷とする、 ワークバイス。

3 . ピン (29)が移動台の側壁 (20)の円孔 (27)に挿通される部分に円周溝 (32) を備え、 移動台（4)はこの円周溝に嵌合してピン (29)の軸方向移動に抵抗す る突出端 (34)を備えている、 請求の範囲第 1項または第 2項記載のワーク バイス。

4 . 細長い基台（1)と、 この基台の長さ方向に設けたスライ ドガイド（5)に 沿って移動可能な移動台（4)と、 この移動台（4)に前記スライドガイドと平 行に設けたネジ杆 (7)で連結されている可動顎（19)と、 所定の複数位置で前 記移動台を前記基台に固定するノックピン（29)とを備え、 前記ノックピン (29)を挿入するピン孔 (26)が、 移動台（4)に設けた半円筒溝 (28)と、 基台の 長さ方向に所定間隔で設けた基台側の半円筒溝 (21) · · ·の 1個とを対向 させることによって形成されるワークバイスにおいて、

移動台側の半円筒溝 (28)はピン孔 (26)の半径 (R)より深い溝深さ（S)を備え、 ノックピン (29)は当該溝深さ（S)を越えずかつピン孔 (26)の直径から前記溝 深さ（S)を差し引いた寸法より厚い厚さ（U)を有する半円筒部を備えている ことを特 ί教とする、 ワークバイス。

5 . ノックピン（29)はその根元部分に円周溝 (32)を備え、 移動台（4)はこの 円周溝に嵌合してノックピンの軸方向移動に抵抗する突出端 (34)を備えて ' いることを特徴とする、 請求の範囲第 4項記載のワークパイス。