WO2000033263A1

WO2000033263A1 - Procede de distinction original/contrefaçon, objet de distinction original/contrefaçon et dispositif de distinction original/contrefaçon

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Publication number: WO2000033263A1
Application number: PCT/JP1999/006586
Authority: WO
Inventors: Katsuto Nakatsuka; Takafumi Atarashi
Original assignee: Nittetsu Mining Co., Ltd.
Priority date: 1998-11-27
Filing date: 1999-11-25
Publication date: 2000-06-08
Also published as: EA005794B1; AU774091B2; CN1334945A; CA2352954A1; JP2000222615A; AU1409800A; EP1134704A1; KR20010093115A; EA200100472A1; EP1134704A4; NO20012556D0; US6987868B1; NO20012556L

Description

明細書真偽判別方法、真偽判別対象物および真偽判別装置技術分野

本発明は真偽判別方法、真偽判別対象物および真偽判別装置に関し、特に、紙幣、有価証券等の偽造防止効果を高めることが可能な真偽判別方法並びにその方法に用いる真偽判別対象物および真偽判別装置に関する。背景技術

従来、経済、流通、市場の価値水準の指標やその円滑化を行うため、通貨紙幣をはじめ、その他商品券、ギフト券、イベントチケット並びに有価証券等が印刷物の形態で使用されている。これらの印刷物は、通常、紙片等に、その特徴を示す事項が、記載、印刷等によって付与されたものであり、軽量かつ小型で、携行、保管、使用にも便利である。しかし紙片などの一般人にとっても身近な素材を使用するため、不正に複写、偽造されることがあった。

このような偽造防止を目的として、旧来より、発行者が所持する印の印影、署名による筆跡、すかし絵等を用いてその識別手段としていた。しかしこれらの識別手段は、特殊技能を持つ者や、近年発達した複写 ·印刷技術等によって、容易に模造されてしまう。現在も依然として使用されてはいるが、実質的な信用度は低くなりつつある。また、近年ではバーコード標識等も使用されている。しかしこのバーコード標識は、画線からなる無機的な模様図となるため、その有価証券が有する優美なイメージを損なったり、またさらに発達した画像解析 ·複写 ·印刷技術等によって容易に模造されてしまう欠点もある。

また、該有価証券を磁気カードや磁性インキを用いて印刷した印刷物とし、その磁気を識別する方法が採られている。しかしながらこれらの磁気カードゃ磁性ィンキを用いた印刷物は、磁性粉体が一般的に持つ黒色または黒褐色の色調により、美観を損ねたり、磁気識別機能の使用が容易に判ってしまうため容易に偽造されるという問題もあった。さらに、印刷インキに蛍光物質を含ませその印刷物の可視蛍光色を識別する方法も採られている。しかしながらこの可視蛍光色を識別する方法は、通常、蛍光発色灯により照射しその発色を肉眼により識別するものであり、厳密な真偽判別には不適である。

以上のことから、従来の真偽判別技術は、未だに満足し得るものではない。発明の開示

したがって、本発明の目的は、従来の真偽判別技術よりも精度が高く、有価証券等の偽造防止効果を高めることが可能な真偽判別技術を提供しょうとするものである。

本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、以下の構成を採ることにより従来技術の欠点を克服し、本発明の目的を達成したものである。

すなわち本発明は以下の通りである。

( 1 ) 電場、磁気、電子線、 X線、可視光、紫外線または赤外線を用いて、電場パターン、磁気パターン、電子線反応パターン、 X線反応パターン、並びに、可視光、紫外線および赤外線の反射または吸収パターンのうちの複数の組合せを識別することを特徴とする真偽判別方法。

( 2 ) 前記の識別する複数のパターンがすべて同一であることを特徴とする前記（1 ) の真偽判別方法。 -

( 3 ) 前記複数のパターンをそれぞれ画像化し、それらを比較して識別することを特徴とする前記（1 ) の真偽判別方法。

( 4 ) 可視光パターンの識別を必須とすることを特徴とする前記（1 ) の真偽判別方法。

( 5 ) 真偽判別しょうとする対象物が、基体粒子を多層膜で被覆してその干渉色により着色しかつ可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークまたは干渉透過ボトムを発現する粉体をィンキ用分散媒中に分散した力ラーインキ組成物で印刷した印刷物であることを特徴とする前記（1 ) の真偽判別方法。

( 6 ) 前記力ラーインキ組成物に用レ、る基体粒子が磁性体であることを特徴とする前記 ( 5 ) の真偽判別方法。 (7) 前記カラーインキ組成物に用いる基体粒子が導電体であることを特徴とする前記 (5) の真偽判別方法。

( 8 ) 前記電子線による電子線反応バターンの識別が電子顕微鏡を用いて行われることを特徴とする前記（ 1 ) の真偽判別方法。

(9) 電場、磁気、電子線、 X線、可視光、紫外線または赤外線を用いて、電場パターン、磁気パターン、電子線反応パターン、 X線反応パターン、並びに、可視光、紫外線および赤外線の反射または吸収パターンのうちの複数の組合せを識別できることを特徴とする真偽判別対象物。

( 1 0) 基体粒子を多層膜で被覆してその干渉色により着色しかつ可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークまたは干渉透過ボトムを発現する粉体をインキ用分散媒中に分散したカラーインキ組成物で印刷した印刷物であることを特徴とする前記（9) の真偽判別対象物。

( 1 1 ) 基体粒子を多層膜で被覆してその干渉色により着色しかつ可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークまたは干渉透過ボトムを発現する粉体をインキ用分散媒中に分散した力ラーインキ組成物で、支持体上に固有の判別パターンを塗工したことを特徴とする前記（9) の真偽判別対象物。

( 1 2) 前記被印刷物あるいは支持体が紙、樹脂、ガラス、ゴム、セラミックスもしくは金属からなる片状物、織物または編物であることを特徴とする前記（1 0) あるいは

(1 1) の真偽判別対象物。

(1 3) 基体粒子を多層膜で被覆してその干渉色により着色しかつ可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークを発現する粉体を支持体に担持したことを特徴とする前記（ 9 ) の真偽判別対象物。

(1 4) 前記支持体が紙、樹脂、ガラス、ゴム、セラミックスもしくは金属からなる片状物、織物または編物であることを特徴とする前記（1 3) の真偽判別対象物。

( 1 5) 電場パターンを識別する装置、磁気パターンを識別する装置、電子線反応バターンを識別する装置、 X線反応パターンを識別する装置、可視光パターンを識別する装置、紫外線パターンを識別する装置および赤外線パターンを識別する装置のうちの複数の装置と、これらの識別装置で得られる複数のパターンを比較して識別する装置とを有することを特徴とする真偽判別装置。

(1 6) 可視光パターンを識別する装置を必須に有することを特徴とする前記（1 5) の真偽判別装置。

(1 7) 電子線反応パターンを識別する装置が電子顕微鏡であることを特徴とする前記 (1 5) の真偽判別装置。

なお、前記（1 0) における印刷とは、真偽判別対象物として同一のものを多数作成することを意味し、これによつて得られる物としては、通常のバーコード印刷物、プリぺードカード、切手、切符等がある。また、前記（1 1 ) における塗工とは、真偽判別対象物として固有のものを単数または極めて少数作成することを意味し、これによつて得られる物としては、銀行券、小切手、株券等の有価証券、並びに内部機密書類等がある。

前記印刷、塗工は、いずれも被印刷物または支持体上の全面にも、またある特定の範囲にも、判別パターンを表現できるものである。図面の簡単な説明

第 1図は、実施例で印刷した印刷物の画像パターン（可視光パターン）を示す図である。

第 2図は、実施例 1で印刷した印刷物の紫外線パターンを示す図である。

第 3図は、実施例で印刷した印刷物の磁気パターンを示す図である。

第 4図は、比較例 1で印刷した印刷物の紫外線パターンの認識結果を示す図である。第 5図は、本発明の真偽判別装置の一例を示す概念図である。符号 1、 2、 3はセンサーを、符号 4、 5、 6は変換機を、符号 7は画像比較判別装置を、符号 8は動作機を、符号 9は真偽表示機を示す。

第 6図は、蛍光物質（B a O, g O) ₈A 1₂0₃の蛍光発光特性を示す図である。第 7図は、実施例 5における隠しパターンを示す図である。符号 1 0はコート紙を、符号 1 1は蛍光性インキ部を、符号 1 2は磁性インキ部を、符号 1 3は蛍光磁性インキ部を表わす。

第 8図は、実施例 5における蛍光発光パターンを示す図である。

第 9図は、実施例 5における磁気パターンを示す図である。

第 1 0図は、第 7図の X— X '間における蛍光および磁気反応を示す図である。発明を実施するための最良の形態

本発明の方法および装置を用いた真偽判別に好適な対象物としては、特に限定されないが、以下のようなものが考えられる。

1 ) 複数の膜により被覆された微粒子からなる粉体（膜被覆粉体）をその一部に有し、その粉体の機能により真偽判別される真偽判別対象物。

2 ) 前記膜被覆粉体が、支持体上に均一、一様に存在する前記 1 ) の真偽判別対象物。

3 ) 前記膜被覆粉体が、支持体上に固有の模様（パターン）等を形成して不均一に存在し、形成されたパターン（図形）が蛍光発光図形、磁性検出図形、電場変化図形、可視光反射図形、紫外線または赤外線反射図形、電子線反射図形として検出される前記 1 ) の真偽判別対象物。

4 ) 支持体上に形成された模様が、膜被覆粉体の存在場所により形成された意匠物であり、その意匠物の特定の部分に特別の機能を有する膜被覆粉体を用いることにより、その外観と情報記録パターンとの異なる情報が記録されていることを特徴とする前記 3 ) の真偽判別対象物。

5 ) 支持体上に形成された模様が、従来公知の顔料との膜被覆粉体組合せにより形成された意匠物であり、その意匠物の特定の部分に特別の機能を有する膜被覆粉体を用いることにより、その外観と情報記録パターンとが異なることを特徴とする前記 3 ) の真偽判別対象物。 6) 前記膜被覆粉体が、片状の支持体内に電場、磁気、電子線、可視光、紫外線または赤外線に反応するフイラ一として充填されていることを特徴とする前記 1) の真偽判別対象物。

7) 前記支持体が繊維、特に植物繊維、化学合成繊維等の有機繊維からなることを特徴とする前記 6) の真偽判別対象物。

8) 前記支持体がプラスチック等の樹脂固形物であることを特徴とする前記 6) の真偽判別対象物。

9) 前記支持体がガラス繊維等、無機質の繊維からなることを特徴とする前記 6) の真偽判別対象物。

1 0) 顕微鏡または電子顕微鏡等の装置を用いて、可視光、電子線等により拡大されたパターンが判別される真偽判別対象物。

1 1 ) 前記 1 ) の膜被覆粉体の分布位置によりパターン化され、その固有パターン（他に無い）により判別される前記 1 0) の真偽判別対象物。

1 2) 前記 1) の膜被覆粉体の分布位置、色、磁気強度等により形成されるパターンをその固有（他に無い）パターンとして判別する真偽判別対象物。

1 3) 前記パターン等が正確に位置決されていることを特徴とする前記 1) 〜1 2) のいずれかの真偽判別対象物。

1 4) 判別部分を正確に検出するため、その位置を示す範囲枠（目印）を用いることを特徴とする前記 1) 〜1 3) のいずれかの真偽判別対象物。

1 5) 前記範囲枠が膜被覆粉体で形成されていることを特徴とする前記 1 4) の真偽判別対象物。

1 6) スキャナー、 CCD等の画像信号パターンが形成された真偽判別対象物。

1 7) 前記 1 ) の膜被覆粉体により形成された分布位置模様が、指紋、署名、印影、眼球網膜模様など個人固有の物であることを特徴とする真偽判別対象物。

1 8) 磁気記録媒体真偽判別に用いられることを特徴とする前記 1) の真偽判別対象物。

1 9) 磁気カード、有価証券であることを特徴とする前記 1 8) の真偽判別対象物。 20) 個人（法人）識別情報を含むことを特徴とする前記 1 8) の真偽判別対象物。 2 1 ) 公文書、法人内部書類、個人書類等の文章、書類、証明書等の重要書類の一部に、印刷、押印、塗工等の方法により形成した記号、社印、丸秘印等の隠しパターンにより、第三者の偽造物と真意判別することが可能な真偽判別対象物。

2 2 ) 前記 2 1 ) の判別に用いる押印式等偽造判別方法および装置。

上記の真偽判別対象物は、磁気カード、キャッシュカード、プリペイドカード、商品券、乗車切符、定期券、回数券（乗車券、乗船券、航空券などの券類）、株券、地方自治体公債、法人社債などの債券等の有価証券類、社員証、会員証、チェックカード、会員権、優待券等の証明書類、電子キー、パスカード、 I Dカード等の個人あるいは法人等の識別カード類、鍵類、カラー M I C Rやカラーパーコード等の偽造防止用認識記号およびそれを具備したものに使用可能である。

また、公文書、法人内部書類、個人書類等の文章、証明書、公証証書、権利書、権利移譲書等の重要書類の一部に、印刷、押印、塗工等の方法により形成した、記号、社印、丸秘印等の隠しパターンにより、第三者の偽造を防止あるいは第三者の偽造物との真意判別に使用可能である。

また、上記真偽判別対象物の支持体としては、紙、樹脂、ガラス、ゴム、セラミックスもしくは金属からなる片状物、織物または編物等が挙げられる。

上記の真偽判別対象物として特に好ましくは、特開平 1 0— 6 0 3 5 0号公報に記載しているような、基体粒子を多層膜で被覆してその干渉色により着色しかつ可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークを発現する粉体をィンキ用分散媒中に分散した力ラーインキ組成物、特に該基体粒子が磁性を有する力ラーインキ組成物で印刷した印刷物が挙げられる。

次に、上記のカラ一インキ組成物を用いて印刷した印刷物の真偽判別方法を具体的に説明する。

例えば、上記のカラ一^ Γンキ組成物（紫外線領域に干渉反射ピークを持ち、基体が磁性体である）を用いて、第 1図に示す形状の画像パターンを印刷する。これによつて得られる印刷物は、可視光下、すなわち肉眼による識別では第 1図と同様の形状の画像（可視光）パターンが得られる。また、この印刷物に紫外線光を照射しその反射パターンを観察すると、第 2図に示す形状の紫外線反射パターンが得られた。これは第 1図の可視光パターンと同一形状である。

さらに、この印刷物を磁気読み取り機にかけその磁気パターンを観察すると、第 3図に示す形状の磁気パターンが得られた。この磁気パターンもまた、第 1図の可視光パターンと同一形状である。

これらの 3つのパターンを比較識別する。例えばこれらの 3つのパターンを重ね合わせ、その形状が一致するのであれば真の印刷物であり、一致しなければ偽造された印刷物であると判別することができる。

なお本発明の真偽判別方法は、上記の電場、磁気、電子線、可視光、紫外線および赤外線によるパターンの識別に加えて、蛍光、りん光等によるパターンの識別をさらに付加することにより、より精度の高い真偽判別が可能となる。

上記各々のパターンのうちで可視光色を有するパターンとその他のパターンを有する印刷物の場合、その可視光色は 1色であっても良く、 2色以上であっても良い。

また、同じ可視光色を有する本発明以外の従来の着色剤等で着色することにより前記可視光以外のパターンが現れない部分を設け、さらに上記可視光以外のパターンを可視光パターン（蛍光、りん光を除く）のみで印刷することにより、偽造防止効果をさらに上げることができる。この場合、可視光パターンに関しては、あらかじめ偽造防止パターン印刷部分を判別装置に記憶させておく力、、あるいは可視光パターン以外の複数のパターンを形成できる前記本発明の偽造防止パターンを付加しておくことが望ましい。本発明の各パターン形成部分および面積は、印刷物により適宜選択 ·決定することが望ましい。

本発明の真偽判別方法に利用する装置としては、電場パターンを識別する装置、磁気パターンを識別する装置、電子線反応パターンを識別する装置、可視光パターンを識別する装置、紫外線パターンを識別する装置および赤外線パターンを識別する装置のうちの複数の装置と、これらの識別装置で得られる複数のパターンを比較して識別する装置とを有するものであれば特に限定されないが、可視光パターンを識別する装置を必須に有するものが好ましい。

具体的には、第 5図で示す装置が挙げられる。

第 5図で示す装置は、電場パターン、磁気パターン、電子線反応パターン、可視光パターン、紫外線パターン、赤外線パターンのうちの複数を識別する装置として、センサ一 1 , 2 , 3と該センサーで検知した情報を各画像パターンに変換する変換機 4， 5 , 6とからなるものと、これらの識別装置で得られる複数の画像パターンを比較して識別する画像比較判別装置 7と、この画像比較判別装置 7で得られた情報に基づいて所望の動作を行う動作機 8と、判別した真偽を表示する真偽表示機 9とを有するものである。上記センサー 1 , 2 , 3としては、電場パターンを識別する場合には金属探知機等の電場変量計測装置が、磁気パターンを識別する場合には磁気へッド、磁気検知機等の磁気変量計測装置が、電子線反応パターンを識別する場合には、各種（光学、電子）顕微鏡あるいは光センサ一等が、可視光、紫外線、赤外線パターンを識別する場合には分光光度計、光センサー等の測光装置が使用できる。分光光度計等を利用する場合には、周囲の光がノイズになることがあるので、読み取り部分を暗室状態とすることが好ましい。上記動作機 8は、真と判別した場合には両替、換金、発券、物品を出すなどの動作を行い、逆に偽と判別した場合には返却するか、取り込んだままにするか、あるいは警察、警備会社などの公安機関に通報するなどの動作を行う。

以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。実施例 1

特開平 1 0— 6 0 3 5 0号公報の実施例を参照して、マグネタイト粉体を基体粒子とし、多層膜で可視領域として 5 0 0 n mと近視外領域として 3 2 0 n mに干渉反射ピークとを有する粉体を調製した。上記粉体 6 5部に対しビヒクル 3 5部を混合し力ラーインキ組成物とした後、コート紙に第 1図のようなパターンで印刷した。上記印刷物は、肉眼では青緑色で、第 1図と同じ形状の画像パターン（可視光パターン）が観察された。また上記印刷物を、第 5図に示すような真偽判別装置（可視光、磁気、紫外線の 3パターン識別）に読み取らせた。

その結果、紫外線パターンとして第 2図に示す形状のものが、磁気パターンとして第 3図に示す形状のものが識別された。これらのパターンは第 1図に示す可視光パターンと同一形状であり、第 5図の真偽判別装置の画像比較判別装置 7で比較したところ全てのパターンが一致した。この結果より、上記インキ組成物で印刷した印刷物は真贋を判別することができる。比較例 1

緑色の顔料 3 0部、マグネタイト粉 2 0部、チタニア粉 2 0部およびビヒクル 3 0部を混合しカラ一^ Tンキ組成物とした後、コー卜紙に第 1図のようなパターンで印刷した。上記印刷物は、肉眼では、実施例 1の印刷物と比べて喑ぃ緑色の第 1図と同じ形状の画像パターン（可視光パターン）が観察された。これは黒褐色のマグネタイト粉が緑色顔料と単に混合されたのみであるため、その色が印刷物に影響したものと考えられる。この肉眼観察のみでも、実施例 1の実物の印刷物とは異なるものと判別することはできるが、汚れ等による影響も考えられるため、この印刷物を、実施例 1 と同様に真偽判別装置に読み取らせ。確実な真偽判別を試みた。

その結果、第 4図に示すように紫外線パターンは全く認識することはできず、磁気パターンとして第 3図に示す形状のものが認識された。これらのパターンを第 5図の真偽判別装置の画像比較判別装置 7で比較したところ全てのパターンが一致しないので、上記ィンキ組成物で印刷した印刷物は偽造物であると判別することができた。実施例 2

支持体作製：磁気カード：

特開平 7— 9 0 3 1 0号公報の実施例を参照して、 B aフェライト（板状平均粒径：長径 1 . 5 μ πι) 基体上に 4層の被覆膜を被覆し白色粉体 Αを作成した。次に、プラスチック製支持体の上の所定の部分に、 B aフェライトを厚さ 5 0 /z mになるように、磁気配向しながら塗布した。

さらに 4層被覆白色粉体 Aと既存の各色有機顔料とを混合し、磁性青色顔料組成物、磁性赤色顔料組成物、磁性黄顔料組成物とし、これらを磁気配向しながら前記 B aフエライト塗布部分上の一部が隠れるように塗布した。

引き続いて上記白色粉体 Aを含まなレ、既存の各色有機含量からなる非磁性青色顔料組成物、非磁性赤色顔料組成物、非磁性黄顔料組成物を調製し、前記 B aフユライト塗布部分上の他の一部が隠れるように塗布した。

また保護層として厚さ 5ミクロンのビニノレ層で表面コートした。

前記 B aフェライト塗布部分上に前記白色粉体 Aを含有する磁性顔料組成物を塗布した部分に磁気ヘッドを用いて信号を記録した後、同ヘッドで記録信号を読みとつた。また、前記 B aフェライト塗布部分上に前記白色粉体 Aを含有しない非磁性顔料組成物を塗布した部分に磁気へッドを用いて信号を記録した後、同へッドで記録信号を読みとつた。

磁性顔料組成物を塗布した部分の信号強度を 1 0 0 %とした場合、非磁性顔料組成物を塗布した部分の信号強度は 2 7 %と減衰していた。

このように、白色粉体 Aを用いて製造した各色磁性顔料組成物を用いて、従来の黒褐色の B aフェライト塗布部分を隠蔽することにより、非磁性顔料組成物で隠蔽することに比べ強い磁気記録が可能となった。これと同時にこれまで使用できなかった色を磁気記録面に意匠をすることができ、高度な偽造防止が可能となった。実施例 3

顕微鏡を用いた判別法：

釜石鉱山産マグネタイト粉砕品を原料として、特開平 1 0— 6 0 3 5 0号公報の方法により該マグネタイト粉表面にシリカおよびチタニアを交互に 4層に形成した青色系粉体 B (平均粒径 3 1 /z m) を作成した。一方、プラスチック片（長辺 8 cm、短辺 5 cm) を 5枚用意し、 No. 1〜5とし、それらの上の中央に一辺の長さ 3mm、太さ 50 μ mの黒枠をあらかじめ印刷した。その枠内にバインダーとしてシァノアクリレート系樹脂を溶解した溶媒を厚さ 1 0 μ mで被覆した。その後青色系粉体 Bを塗布し、乾燥後した後付着しなかった粉体を圧縮空気を吹き付け除去した。

青色系粉体を塗布したプラスチック片上の黒枠を位置決めの目安とし、その黒枠内を光学顕微鏡、および電子顕微鏡で検出した画像を取り込んだ。

またプラスチック片 No. 1から N o. 5の光学顕微鏡により取り込んだ像を画像処理により R， G, B各色に分解した。

プラスチック片 N o. 1から N o. 5の光学顕微鏡像、各色分解像、および電子顕微鏡（反射電子像）は、 No. 1から N o. 5ともに全て異なり、同じものはなかった。すなわち、上記の像はそれぞれが固有の判別用模様であり、同一物ができないことを利用して個々のプラスチック片を識別するために、利用できる。また言い換えれば、上記方法を用いることにより、安価で再現不可能な固有の判別模様を形成し、登録することにより高度な固体識別ならびに偽造防止技術とすることが可能となった。実施例 4

磁気判別 2 ：磁気遮蔽模様による磁気判別、および電場による判別：

球状マグネタイト粉（平均粒径 2. 3 μιιι) を原料として、特開平 7— 903 1 0号公報の方法により該マグネタイト粉表面にシリカ、銀およびチタユアの順に被覆し形成し、膜厚を調整し、黄色系粉体 Cとした。

この黄色粉体 C 60 gを、ステンレス容器に入った、あらかじめ透明アクリル 50 g をベンゼン 300m 1に溶解したァクリル溶液中に均一になるまでモーターで攪拌混合し、ドラフト中で攪拌しながら徐々にベンゼンを蒸発させた。モーターが混合できなくなるまでベンゼンを蒸発させた後、離型材として上面に界面活性剤を塗布した厚さ約 1 0 mmの正方形の鉄板の上に約 70 gを載せ、その正方形の鉄板の四隅と中央に厚さ 0. 5 m m、一辺の長さ 1 . 5 c mの板を載せ、上から同じ大きさの下面に界面活性剤を塗布した厚さ約 1 O mmの正方形の鉄板を載せ、乾燥するまで 1 0時間放置した。

次に、前記両面の鉄板からアクリル板を剥離し、形成されたアクリルから必要な大きさのアクリル片（厚さ約 0 . 5 mm、長辺 8 c m、短辺 5 c m) を切り取り、その表面に太さ 3 mm、長さ 5 c mのアルミホイル 5本を 3 mmに間隔に置き、エポキシ樹脂を塗布後、前記成形に用いた鉄板の間に再度挟んで 1 0時間放置し、固めた。

その後、両面の鉄板からアクリル板を分離した。

ァクリル片は磁性粉の入った黄色の地にアルミホイルの銀色の部分の縞模様となった。この縞模様に垂直に磁気へッドを走査したところ、磁性粉の色の見える部分とアルミホイルの部分では、磁性粉の見える部分が磁気強度が強く、強度比で、磁性粉の部分 1 0 0に対しアルミホイルの部分で 4 3になった。

磁気へッドとァクリル片の距離はほとんど変わらないことから、アルミホイルが磁気遮蔽の役割を果たし、このような強度比が現れたと考えられる。

さらに、酸化チタン（白色顔料）とアクリル樹脂（ビヒクル）とァノレコール（溶剤）とを混合して作成した白色塗料を上記ァクリル片上に均一塗布して、全体の模様を隠した。

この表面をコィルで走查したところ、アルミホイルの部分で電流値が変化した。

このアルミホイルつまり導電体の位置を識別する事によつても電場の変化により判別が可能であることが判った。

なお、この実施例 4では黄色系粉体 Cをアクリル板に担持（内填、表面付着）させたものであるが、このアクリル板に代えて紙、ガラス、ゴム、セラミックスもしくは金属片に担持させることもできる。実施例 5

蛍光および磁気による隠しパターンの判別：

粒径 0 . 7 μ mの磁性鉄粉上にシリカ膜 0 . 0 3 μ πι、銀膜 0 . 0 4 5 μ πι、チタ二ァ膜 0 . 0 1 1 μ πιを被覆し灰色の磁性粉体とした。さらに該磁性粉体に第 6図に示す O 00/33263 ような蛍光発光特性を有する蛍光物質（B a O， g O ) ₈ A 1 ₂ 0 ₃を被覆し灰白色の蛍光磁性粉体とした。

上記の磁性粉体、蛍光磁性粉体のそれぞれを、緑色顔料とアクリル榭脂（ビヒクル）とアルコール（溶剤）に混合させ、肉眼では全て同様の色調になるように緑色磁性インキ、緑色蛍光磁性インキを調製した。

また、上記蛍光物質と緑色顔料とアクリル樹脂（ビヒクル）とアルコール (溶剤）とを混合し、上記緑色磁性インキ、緑色蛍光磁性インキと肉眼的に同様の色調を有する緑色蛍光性ィンキを調製した。

さらに、緑色顔料とアクリル樹脂（ビヒクル）とアルコール（溶剤）とを混合し、上記緑色蛍光性インキ、緑色磁性インキ、緑色蛍光磁性インキと肉眼的に同様の色調を有する緑色インキを調製した。

上記緑色蛍光性インキ、緑色磁性インキ、緑色蛍光磁性インキを用いて、コート紙 1 0に第 7図に示すような蛍光性インキ部 1 1、磁性インキ部 1 2、蛍光磁性インキ部 1 3からなる隠しパターンを描き込んだ。

また、上記隠しパターン以外の領域を蛍光性も磁性も有さない緑色ィンキを用いて均一に印刷し、肉眼的には緑色一色の印刷物を得た。

この印刷物に 5 5 0 n mの紫外光を照射すると第 8図に示すようなパターンの蛍光発光が観察された。また、第 7図の X— X '間を蛍光反応測定機で走査したところ第 1 0 図（a ) に示すような結果が得られた。

また、この印刷物を磁気読み取り機にかけると第 9図に示すような磁気パタ一ンが読み取られた。また、第 7図の X— X '間を磁気ヘッドで走査したところ第 1 0図（b ) に示すような結果が得られた。

また、塩化ビエルラップ上に、上記緑インキ、蛍光磁性インキ、磁性インキの順に印刷し、この印刷された塩化ビニルラップを裏返し、熱転写用プラステックべ一パーの上に貼付した後、喑所で蛍光磁性インキ印刷部に 4 0 Wの紫外線ランプを照射したところ、蛍光発光が認められ、 3 5 0 0 Gの磁石ではわずかに引き寄せられ、蛍光発光と磁気反応が認められた。産業上の利用可能性

以上説明したように、本発明の真偽判別方法、真偽判別対象物および真偽判別装置によれば、多様な物性で示されるパターンを比較して真偽を判別することにより判別精度が高くなり、有価証券等の偽造がより不可能となる。

Claims

請求の範囲

1 . 電場、磁気、電子線、可視光、紫外線または赤外線を用いて、電場パターン、磁気パターン、電子線反応パターン、並びに、可視光、紫外線および赤外線の反射または吸収パターンのうちの複数の組合せを識別することを特徴とする真偽判別方法。

2 . 前記の識別する複数のパターンがすべて同一であることを特徴とする請求の範囲 1記載の真偽判別方法。

3 . 前記複数のパターンをそれぞれ画像化し、それらを比較して識別することを特徴とする請求の範囲 1記載の真偽判別方法。

4 . 可視光パターンの識別を必須とすることを特徴とする請求の範囲 1記載の真偽判別方法。

5 . 真偽判別しょうとする対象物が、基体粒子を多層膜で被覆してその干渉色により着色しかつ可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークを発現する粉体をインキ用分散媒中に分散したカラーインキ組成物で印刷した印刷物であることを特徴とする請求の範囲 1記載の真偽判別方法。

6 . 前記力ラーインキ組成物に用いる基体粒子が磁性体であることを特徴とする請求の範囲 5記載の真偽判別方法。

7 . 前記力ラーインキ組成物に用いる基体粒子が導電体であることを特徴とする請求の範囲 5記載の真偽判別方法。

8 . 前記電子線による電子線反応パターンの識別が電子顕微鏡を用いて行われることを特徴とする請求の範囲 1記載の真偽判別方法。

9 . 電場、磁気、電子線、可視光、紫外線または赤外線を用いて、電場パターン、磁気パターン、電子線反応パターン、並びに、可視光、紫外線および赤外線の反射または吸収パターンのうちの複数の組合せを識別できることを特徴とする真偽判別対象物。

1 0 . 基体粒子を多層膜で被覆してその干渉色により着色しかつ可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークを発現する粉体をィンキ用分散媒中に分散したカラ一^ rンキ組成物で印刷した印刷物であることを特徴とする請求の範囲 9記載の真偽判別対象物。

1 1 . 基体粒子を多層膜で被覆してその干渉色により着色しかつ可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークを発現する粉体をインキ用分散媒中に分散したカラーインキ組成物で、支持体上に固有の判別パターンを塗工したことを特徴とする請求の範囲 9記載の真偽判別対象物。

1 2 . 前記被印刷物あるいは支持体が紙、樹脂、ガラス、ゴム、セラミックスもしくは金属からなる片状物、織物または編物であることを特徴とする請求の範囲 1 0あるいは 1 1記載の真偽判別対象物。

1 3 . 基体粒子を多層膜で被覆してその干渉色により着色しかつ可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークを発現する粉体を支持体に担持したことを特徴とする請求の範囲 9記載の真偽判別対象物。

1 4 . 前記支持体が紙、樹脂、ガラス、ゴム、セラミックスもしくは金属からなる片状物、織物または編物であることを特徴とする請求の範囲 1 3記載の真偽判別対象物。

1 5 . 電場パターンを識別する装置、磁気パターンを識別する装置、電子線反応パタ —ンを識別する装置、可視光パターンを識別する装置、紫外線パターンを識別する装置および赤外線パターンを識別する装置のうちの複数の装置と、これらの識別装置で得られる複数のパターンを比較して識別する装置とを有することを特徴とする真偽判別装置。

1 6 . 可視光パターンを識別する装置を必須に有することを特徴とする請求の範囲 1 5記載の真偽判別装置。

1 7 . 電子線反応パターンを識別する装置が電子顕微鏡であることを特徴とする請求の範囲 1 5記載の真偽判別装置。