JPWO2019181943A1 - 電解質組成物、電解質シート及び二次電池 - Google Patents

電解質組成物、電解質シート及び二次電池 Download PDF

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Abstract

本発明は、一態様として、マトリクスポリマと、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、酸化物粒子と、繊維と、イオン液体と、を含有し、繊維の平均長さは、酸化物粒子の平均粒径以上である、電解質組成物を提供する。

Description

本発明は、電解質組成物、電解質シート及び二次電池に関する。
近年、携帯型電子機器、電気自動車等の普及により、高性能な二次電池が必要とされている。中でもリチウム二次電池は、高いエネルギ密度を有するため、電気自動車用電池、電力貯蔵用電池等の電源として注目されている。具体的には、電気自動車用電池としてのリチウム二次電池は、エンジンを搭載しないゼロエミッション電気自動車、エンジン及び二次電池の両方を搭載したハイブリッド電気自動車、電力系統から直接充電させるプラグイン・ハイブリッド電気自動車等の電気自動車に採用されている。また、電力貯蔵用電池としてのリチウム二次電池は、電力系統が遮断された非常時に、予め貯蔵しておいた電力を供給する定置式電力貯蔵システム等に用いられている。
このような広範な用途に使用するために、より高いエネルギ密度のリチウム二次電池が求められており、その開発がなされている。特に、電気自動車用のリチウム二次電池には、高い入出力特性及び高いエネルギ密度に加えて、高い安全性が要求されるため、安全性を確保するためのより高度な技術が求められる。
従来、リチウム二次電池の安全性を向上させる方法として、難燃剤の添加により電解液を難燃化する方法、電解液をポリマ電解質又はゲル電解質へ変更する方法等が知られている。特に、ゲル電解質は、従来のリチウム二次電池に使用されている電解液と同等のイオン導電率を有するため、電解液をゲル電解質へ変更する方法により、電池性能を悪化させずに、遊離する電解液量を減少させることで電解液の燃焼を抑制しうる。
特許文献1は、シート状の多孔性基材と、無機固体電解質材料と、を備え、無機固体電解質材料を多孔性基材の空隙の内部に充填させた固体電解質シートを開示している。特許文献2は、正極と、負極と、セパレータと、ゲル電解質からなるリチウム二次電池に関する発明を開示しており、ゲル電解質は、フィラーの粒子、電解液を保持するマトリックス高分子化合物からなる樹脂及び電解液を含んでいる。特許文献2においては、粒子の形状及び粒子の屈折率を所定の条件とすることによって、ゲル電解質の透明性を向上させることができ、容量を犠牲にすることなく安全性を確保できる技術を開示している。特許文献3もゲル電解質に関する発明を開示しており、粒子の粒子径、粒子の屈折率、粒子とマトリックス高分子化合物との質量比(粒子/マトリックス高分子化合物)、及び、粒子と電解質塩との質量比(粒子/電解質塩)を所定の条件とした電解質を開示している。
特開2015−153460号公報 国際公開第2015/068324号 国際公開第2015/097952号
しかしながら、上述したような従来のゲル電解質には、安全性の点で未だ改善の余地がある。本発明者らの検討によれば、特許文献1〜3のゲル電解質では、高温下でゲル電解質が熱収縮を引き起こすことにより、二次電池の短絡が発生し、安全性の点で問題となるおそれがある。なお、リチウム二次電池の安全性を評価する試験として、釘刺し試験、圧壊試験等の厳しい条件下での試験が知られているが、ゲル電解質を用いたリチウムイオン二次電池においても、そのような試験で優れた評価結果が得られることが望ましい。
そこで本発明は、いくつかの態様において、高温においても短絡を抑制できる電解質組成物及び電解質シートを提供することを目的とする。また、本発明は、他の態様において、高温での短絡が抑制され、安全性が向上した二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、第1の態様として、マトリクスポリマと、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、酸化物粒子と、繊維と、イオン液体と、を含有し、繊維の平均長さは、酸化物粒子の平均粒径以上である、電解質組成物を提供する。
繊維は、好ましくは、セルロース繊維、樹脂繊維及びガラス繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
マトリクスポリマは、好ましくは、四フッ化エチレン及びフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる第1の構造単位を有する。
マトリクスポリマを構成する構造単位の中には、好ましくは、第1の構造単位と、ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれる第2の構造単位とが含まれる。
電解質塩は、好ましくは、イミド系リチウム塩を含む。
イオン液体は、好ましくは、アニオン成分として、下記式(1)で表されるアニオン成分の少なくとも1種を含有する。
N(SO2m+1)(SO2n+1 (1)
[m及びnは、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。]
イオン液体は、好ましくは、カチオン成分として、鎖状四級オニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する。
本発明は、第2の態様として、基材と、基材上に設けられ、上記の電解質組成物で形成された電解質層と、を備える電解質シートを提供する。
本発明は、第3の態様として、正極と、負極と、正極及び負極の間に設けられ、上記の電解質組成物で形成された電解質層と、を備える、二次電池を提供する。
第2の態様及び第3の態様において、繊維の平均繊維径は、好ましくは電解質層の厚さ以下である。
本発明のいくつかの態様によれば、高温においても短絡を抑制できる電解質組成物及び電解質シートを提供することができる。また、本発明の他の態様によれば、高温での短絡が抑制され、安全性が向上した二次電池を提供することができる。
第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。 図1に示した二次電池における電極群の一実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示した二次電池における電極群の一実施形態を示す模式断面図である。 (a)は一実施形態に係る電解質シートを示す模式断面図であり、(b)は他の実施形態に係る電解質シートを示す模式断面図である。 第2実施形態に係る二次電池における電極群の一実施形態を示す模式断面図である。 釘刺し模擬試験の様子を示した模式断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
本明細書における数値及びその範囲は、本発明を制限するものではない。本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書において段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載される数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例中に示されている値に置き換えてもよい。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る二次電池を示す斜視図である。図1に示すように、二次電池1は、正極、負極及び電解質層から構成される電極群2と、電極群2を収容する袋状の電池外装体3とを備えている。正極及び負極には、それぞれ正極集電タブ4及び負極集電タブ5が設けられている。正極集電タブ4及び負極集電タブ5は、それぞれ正極及び負極が二次電池1の外部と電気的に接続可能なように、電池外装体3の内部から外部へ突き出している。
電池外装体3は、例えばラミネートフィルムで形成されていてよい。ラミネートフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の樹脂フィルムと、アルミニウム、銅、ステンレス鋼等の金属箔と、ポリプロピレン等のシーラント層とがこの順で積層された積層フィルムであってよい。
図2は、図1に示した二次電池1における電極群2の一実施形態を示す分解斜視図である。図3は、図1に示した二次電池1における電極群2の一実施形態を示す模式断面図である。図2及び図3に示すように、本実施形態に係る電極群2Aは、正極6と、電解質層7と、負極8とをこの順に備えている。正極6は、正極集電体9と、正極集電体9上に設けられた正極合剤層10とを備えている。正極集電体9には、正極集電タブ4が設けられている。負極8は、負極集電体11と、負極集電体11上に設けられた負極合剤層12とを備えている。負極集電体11には、負極集電タブ5が設けられている。
正極集電体9は、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等で形成されていてよい。正極集電体9は、具体的には、例えば孔径0.1〜10mmの孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等であってよい。正極集電体9は、上記以外にも、電池の使用中に溶解、酸化等の変化を生じないものであれば、任意の材料で形成されていてよく、また、その形状、製造方法等も制限されない。
正極集電体9の厚さは、10μm以上であってよく、100μm以下であってもよく、正極全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10〜50μmであり、電池を形成する際に小さな曲率で正極を捲回する観点から、より好ましくは10〜20μmである。
正極合剤層10は、一実施形態において、正極活物質と、導電剤と、バインダとを含有する。
正極活物質は、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiMn、LiMnO、LiMn12、LiMn2−a (ただし、M=Co、Ni、Fe、Cr、Zn、及びTaからなる群より選ばれる1種であり、a=0.01〜0.2である。)、LiMn(ただし、M=Fe、Co、Ni、Cu、及びZnからなる群より選ばれる1種である。)、Li1−b Mn(ただし、M=Mg、B、Al、Fe、Co、Ni、Cr、Zn、及びCaからなる群より選ばれる1種であり、b=0.01〜0.1である。)、LiFeO、Fe(SO、LiCo1−d (ただし、M=Ni、Fe、及びMnからなる群より選ばれる1種であり、d=0.01〜0.2である。)、LiNi1−e (ただし、M=Mn、Fe、Co、Al、Ga、Ca、及びMgからなる群より選ばれる1種であり、e=0.01〜0.2である。)、Fe(MoO、FeF、LiFePO、LiMnPO等であってよい。
正極活物質は、造粒されていない一次粒子であってもよく、造粒された二次粒子であってもよい。
正極活物質の粒径は、正極合剤層10の厚さ以下になるように調整される。正極活物質中に正極合剤層10の厚さ以上の粒径を有する粗粒子がある場合、ふるい分級、風流分級等により粗粒子を予め除去し、正極合剤層10の厚さ以下の粒径を有する正極活物質を選別する。
正極活物質の平均粒径は、粒径減少に伴う正極活物質の充填性の悪化を抑制しつつ、かつ、電解質の保持能力を高める観点から、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは1μm以上であり、更に好ましくは2μm以上であり、また、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは10μm以下であり、更に好ましくは8μm以下である。正極活物質の平均粒径は、正極活物質全体の体積に対する比率(体積分率)が50%のときの粒径(D50)である。正極活物質の平均粒径(D50)は、レーザー散乱型粒径測定装置(例えば、マイクロトラック)を用いて、レーザー散乱法により水中に正極活物質を懸濁させた懸濁液を測定することで得られる。
正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、70質量%以上、80質量%以上、又は85質量%以上であってよい。正極活物質の含有量は、正極合剤層全量を基準として、95質量%以下、92質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
導電剤は、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ等であってよい。
導電剤の含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.1質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよい。導電剤の含有量は、正極6の体積の増加及びそれに伴う二次電池1のエネルギ密度の低下を抑制する観点から、正極合剤層全量を基準として、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下であり、更に好ましくは8質量%以下である。
バインダは、正極6の表面で分解しないものであれば制限されないが、例えばポリマである。バインダは、カルボキシルメチルセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース等のセルロース類、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ、スチレン・ブタジエンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリアクリル酸、ポリイミド、ポリアミドなどであってもよい。
バインダの含有量は、正極合剤層全量を基準として、0.5質量%以上、1質量%以上、又は3質量%以上であってよい。バインダの含有量は、正極合剤層全量を基準として、15質量%以下、10質量%以下、又は7質量%以下であってよい。
正極合剤層10は、後述するイオン液体を更に含有してもよい。正極合剤層10がイオン液体を含有する場合、イオン液体の含有量は、正極合剤層全量を基準として、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、更に好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下である。
正極合剤層10の厚さは、導電率を更に向上させる観点から、正極活物質の平均粒径以上の厚さであってよく、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、更に好ましくは20μm以上である。正極合剤層10の厚さは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは80μm以下であり、更に好ましくは50μm以下である。正極合剤層の厚さを100μm以下とすることにより、正極合剤層10の表面近傍及び正極集電体9の表面近傍の正極活物質の充電レベルのばらつきに起因する充放電の偏りを抑制できる。
正極合剤層10の合剤密度は、導電剤と正極活物質とを互いに密着させ、正極合剤層10の電子抵抗を低減する観点から、好ましくは2g/cm以上である。
負極集電体11は、銅、ステンレス鋼、チタン、ニッケル等で形成されていてよい。負極集電体11は、具体的には、圧延銅箔、例えば孔径0.1〜10mmの孔を有する銅製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等であってよい。負極集電体11は、上記以外の任意の材料で形成されていてもよく、また、その形状、製造方法等も制限されない。
負極集電体11の厚さは、10μm以上であってよく、100μm以下であってもよく、負極全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10〜50μmであり、電池を小さな曲率で負極を捲回する観点から、より好ましくは10〜20μmである。
負極合剤層12は、一実施形態において、負極活物質とバインダとを含有する。
負極活物質は、エネルギデバイスの分野で常用されるものを使用できる。負極活物質としては、具体的には、例えば、金属リチウム、リチウム合金、金属化合物、炭素材料、金属錯体、及び有機高分子化合物が挙げられる。負極活物質は上記のうち1種を単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
負極活物質は、好ましくは炭素材料である。炭素材料としては、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等の黒鉛、非晶質炭素、炭素繊維、及び、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラックなどが挙げられる。負極活物質は、非晶質炭素で被覆した天然黒鉛(理論容量:372Ah/kg)であってもよく、より大きな理論容量(例えば500〜1500Ah/kg)を得る観点から、シリコン、スズ又はこれらの元素を含む化合物(酸化物、窒化物、他の金属との合金)であってもよい。容量が大きい材料を用いると、負極合剤層12の厚さを薄くすることができ、二次電池1の中に収納可能な電極面積を増大させることができる。その結果、二次電池1の抵抗を低下させて高出力が可能になると同時に、黒鉛負極を用いたときよりも二次電池1の容量を高めることができる。
負極活物質の平均粒径(D50)は、粒径減少に伴う不可逆容量の増加を抑制しつつ、かつ、電解質の保持能力を高めたバランスの良い負極8を得る観点から、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは5μm以上であり、更に好ましくは10μm以上であり、また、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、更に好ましくは20μm以下である。負極活物質の平均粒径(D50)は、正極活物質の平均粒径(D50)と同様の方法により測定される。
負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、60質量%以上、65質量%以上、又は70質量%以上であってよい。負極活物質の含有量は、負極合剤層全量を基準として、99質量%以下、95質量%以下、又は90質量%以下であってよい。
バインダ及びその含有量は、上述した正極合剤層10におけるバインダ及びその含有量と同様であってよい。
負極合剤層12は、負極8の抵抗を更に低くする観点から、導電剤及びイオン液体を更に含有してもよい。導電剤及びイオン液体の種類及び含有量は、上述した正極合剤層10における導電剤及びイオン液体の種類及び含有量と同様であってよい。
負極合剤層12の厚さは、導電率を更に向上させる観点から、負極活物質の平均粒径以上であり、具体的には、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは15μm以上であり、更に好ましくは20μm以上である。負極合剤層12の厚さは、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは40μm以下であり、更に好ましくは30μm以下である。負極合剤層12の厚さを50μm以下とすることにより、負極合剤層12の表面近傍及び負極集電体11の表面近傍の正極活物質の充電レベルのばらつきに起因する充放電の偏りを抑制できる。
負極合剤層12の合剤密度は、導電剤と負極活物質とを互いにを密着させ、負極合剤層12の電子抵抗を低減する観点から、好ましくは1g/cm以上である。
電解質層7は、電解質組成物で形成されている。電解質層7(電解質組成物)は、マトリクスポリマと、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、酸化物粒子と、繊維と、イオン液体と、を含有する。
マトリクスポリマは、電解質組成物に含まれる他の材料を保持するための母体となる(連続相を形成する)ポリマ(バインダポリマ)である。マトリクスポリマは、好ましくは、四フッ化エチレン及びフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる第1の構造単位を有する。
マトリクスポリマは、好ましくは1種又は2種以上のポリマであり、1種又は2種以上のポリマを構成する構造単位(モノマ単位)の中には、好ましくは、四フッ化エチレン及びフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる第1の構造単位(モノマ単位)と、ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれる第2の構造単位(モノマ単位)とが含まれる。
第1の構造単位及び第2の構造単位は、1種のポリマに含まれてコポリマを構成してもよい。すなわち、電解質組成物は、一実施形態において、第1の構造単位と第2の構造単位との両方を含む少なくとも1種のコポリマを含有する。コポリマは、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ、フッ化ビニリデンとマレイン酸とのコポリマ、フッ化ビニリデンとメチルメタクリレートとのコポリマ等であってよい。電解質組成物がコポリマを含有する場合、その他のポリマを更に含有していてもよい。
第1の構造単位及び第2の構造単位は、それぞれ別のポリマに含まれて、第1の構造単位を有する第1のポリマと、第2の構造単位を有する第2のポリマとの少なくとも2種のポリマを構成していてもよい。すなわち、電解質組成物は、一実施形態において、第1の構造単位を含む第1のポリマと、第2の構造単位を含む第2のポリマとの少なくとも2種以上のポリマをマトリクスポリマとして含有する。電解質組成物が第1のポリマ及び第2のポリマを含有する場合、その他のポリマを更に含有していてもよい。
第1のポリマは、第1の構造単位のみからなるポリマであってもよく、第1の構造単位に加えてその他の構造単位を更に有するポリマであってもよい。その他の構造単位は、エチレンオキシド(−CHCHO−)、カルボン酸エステル(−CHCOO−)等の含酸素炭化水素構造であってよい。第1のポリマは、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、及び、これらの分子構造の内部に前記含酸素炭化水素構造を導入されたポリマであってよい。
第2のポリマは、第2の構造単位のみからなるポリマであってもよく、第2の構造単位に加えてその他の構造単位を更に有するポリマであってもよい。その他の構造単位は、エチレンオキシド(−CHCHO−)、カルボン酸エステル(−CHCOO−)等の含酸素炭化水素構造であってよい。
第1のポリマと第2のポリマとの組合せとしては、ポリフッ化ビニリデンとポリアクリル酸、ポリ四フッ化エチレンとポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデンとポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
第1の構造単位の含有量は、電解質組成物をシート状にした場合(電解質層7)の強度を更に向上させる観点から、マトリクスポリマを構成する構造単位全量を基準として、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上である。第1の構造単位の含有量は、電解質組成物に含まれるイオン液体との親和性を更に向上させる観点から、マトリクスポリマを構成する構造単位全量を基準として、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。
第1の構造単位の含有量は、電解質組成物をシート状にした場合(電解質層7)の強度を更に向上させる観点から、第1の構造単位及び第2の構造単位の含有量の合計を基準として、好ましくは、50質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上である。第1の構造単位の含有量は、電解質組成物に含まれるイオン液体(詳細は後述する。)との親和性を更に向上させる観点から、第1の構造単位及び第2の構造単位の含有量の合計を基準として、好ましくは、99質量%以下、98質量%以下、97質量%以下、又は96質量%以下である。
第2の構造単位の含有量は、電解質組成物に含まれるイオン液体との親和性を更に向上させる観点から、マトリクスポリマを構成する構造単位全量を基準として、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上である。第2の構造単位の含有量は、電解質組成物をシート状にした場合(電解質層7)の強度を更に向上させる観点から、マトリクスポリマを構成する構造単位全量を基準として、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以下である。
第2の構造単位の含有量は、電解質組成物に含まれるイオン液体との親和性を更に向上させる観点から、第1の構造単位及び第2の構造単位の含有量の合計を基準として、好ましくは、1質量%以上、3質量%以上、又は4質量%以上である。第2の構造単位の含有量は、電解質組成物をシート状にした場合(電解質層7)の強度を更に向上させる観点から、第1の構造単位及び第2の構造単位の含有量の合計を基準として、好ましくは、50質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下である。
マトリクスポリマの含有量は、電解質組成物をシート状にした場合(電解質層7)の強度を更に向上させる観点から、電解質組成物全量(後述する分散媒を除く。言い換えれば、電解質層全量。以下同様。)を基準として、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上であり、特に好ましくは25質量%以上である。マトリクスポリマの含有量は、導電率を更に向上させる観点から、電解質組成物全量を基準として、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下であり、特に好ましくは28質量%以下である。
マトリクスポリマは、電解質組成物に含まれるイオン液体との親和性に優れるため、イオン液体中の電解質塩を保持することができると共に、電解質組成物(電解質層7)に荷重が加えられた際のイオン液体の液漏れを抑制できる。
電解質塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である。電解質塩は、正極6と負極8との間でカチオンを授受させるために用いられる化合物である。上記の電解質塩は、低温では解離度が低く、イオン液体中で拡散しやすいことに加え、高温により熱分解しないため、二次電池が使用可能な環境温度が広範となる点で好ましい。電解質塩は、フッ素イオン電池において用いられる電解質塩であってもよい。
電解質塩のアニオンは、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、BF(CF、BF(C、PF 、ClO 、SbF 、N(SOF) 、N(SOCF 、N(SO 、B(C 、B(O 、C(SOF) 、C(SOCF 、CFCOO、CFSO、CSO、B(O 等であってよい。アニオンは、好ましくは、PF 、BF 、N(SOF) 、N(SOCF 、B(O 、又はClO である。
なお、以下では下記の略称を用いる場合がある。
[FSI]:N(SOF) 、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン
[TFSI]:N(SOCF 、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン
[BOB]:B(O 、ビスオキサレートボラートアニオン
[f3C]:C(SOF) 、トリス(フルオロスルホニル)カルボアニオン
リチウム塩は、LiPF、LiBF、Li[FSI]、Li[TFSI]、Li[f3C]、Li[BOB]、LiClO、LiBF(CF)、LiBF(C)、LiBF(C)、LiBF(C)、LiC(SOCF、LiCFSOO、LiCFCOO、及びLiRCOO(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
ナトリウム塩は、NaPF、NaBF、Na[FSI]、Na[TFSI]、Na[f3C]、Na[BOB]、NaClO、NaBF(CF)、NaBF(C)、NaBF(C)、NaBF(C)、NaC(SOCF、NaCFSOO、NaCFCOO、及びNaRCOO(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
カルシウム塩は、Ca(PF、Ca(BF、Ca[FSI]、Ca[TFSI]、Ca[f3C]、Ca[BOB]、Ca(ClO、Ca[BF(CF)]、Ca[BF(C)]、Ca[BF(C)]、Ca[BF(C)]、Ca[C(SOCF、Ca(CFSOO)、Ca(CFCOO)、及びCa(RCOO)(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
マグネシウム塩は、Mg(PF、Mg(BF、Mg[FSI]、Mg[TFSI]、Mg[f3C]、Mg[BOB]、Mg(ClO、Mg[BF(CF)]、Mg[BF(C)]、Mg[BF(C)]、Mg[BF(C)]、Mg[C(SOCF、Mg(CFSO、Mg(CFCOO)、及びMg(RCOO)(Rは、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基である。)からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
電解質塩は、好ましくは、イミド系リチウム塩、イミド系ナトリウム塩、イミド系カルシウム塩、及びイミド系マグネシウム塩からなる群より選ばれる1種であり、より好ましくは、イミド系リチウム塩である。
イミド系リチウム塩は、Li[TFSI]、Li[FSI]等であってよい。イミド系ナトリウム塩は、Na[TFSI]、Na[FSI]等であってよい。イミド系カルシウム塩は、Ca[TFSI]、Ca[FSI]等であってよい。イミド系マグネシウム塩は、Mg[TFSI]、Mg[FSI]等であってよい。
電解質塩の含有量は、電解質層7を好適に作製するために、電解質組成物全量を基準として、10質量%以上であってよく、60質量%以下であってもよい。電解質塩の含有量は、電解質層の導電率を更に高める観点から、好ましくは20質量%以上であり、リチウム二次電池を高い負荷率で充放電することを可能にする観点から、より好ましくは30質量%以上である。
酸化物粒子は、例えば無機酸化物の粒子である。無機酸化物は、例えば、Li、Mg、Al、Si、Ca、Ti、Zr、La、Na、K、Ba、Sr、V、Nb、B、Ge等を構成元素として含む無機酸化物であってよい。酸化物粒子は、好ましくは、SiO、Al、AlOOH、MgO、CaO、ZrO、TiO、LiLaZr12、及びBaTiOからなる群より選ばれる少なくとも1種の粒子である。酸化物粒子は極性を有するため、電解質層7中の電解質の解離を促進するとともに、マトリクスポリマの非晶質化を助長して電解質のカチオン成分の拡散速度を高める。
酸化物粒子の平均一次粒径(一次粒子の平均粒径)は、導電率を更に向上させる観点から、好ましくは0.005μm(5nm)以上であり、より好ましくは0.01μm(10nm)以上であり、更に好ましくは0.015μm(15nm)以上である。酸化物粒子の平均一次粒径は、電解質層7を薄くする観点から、好ましくは1μm(1000nm)以下であり、より好ましくは0.1μm(100nm)以下であり、更に好ましくは0.05μm(50nm)以下である。酸化物粒子の平均一次粒径は、導電率を向上させつつ、電解質層7を薄くする観点及び電解質組成物(電解質層7)の表面からの酸化物粒子の突出を抑制する観点から、好ましくは0.005〜1μm、0.01〜0.1μm、又は0.015〜0.05μmである。酸化物粒子の平均一次粒径は、酸化物粒子を透過型電子顕微鏡等によって観察することによって測定できる。
酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは0.005μm以上であり、より好ましくは0.01μm以上であり、更に好ましくは0.03μm以上である。酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは3μm以下であり、更に好ましくは1μm以下である。酸化物粒子の平均粒径は、レーザー回折法により測定され、体積累積粒度分布曲線を小粒径側から描いた場合に、体積累積が50%となる粒径に対応する。
酸化物粒子の形状は、例えば塊状又は略球状であってよい。酸化物粒子のアスペクト比は、電解質層7の薄層化を容易にする観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは2以下である。アスペクト比は、酸化物粒子の走査型電子顕微鏡写真にて、粒子の長軸方向の長さ(粒子の最大長さ)と、粒子の短軸方向の長さ(粒子の最小長さ)との比として定義される。粒子の長さは、前記写真を、市販の画像処理ソフト(例えば、旭化成エンジニアリング株式会社製の画像解析ソフト、A像くん(登録商標))を用いて、統計的に計算して求めることが可能である。
酸化物粒子の含有量は、電解質の解離を促進させる観点から、電解質組成物全量を基準として、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは7質量%以上であり、更に好ましくは10質量%以上である。酸化物粒子の含有量は、導電率を更に向上させる観点から、電解質組成物全量を基準として、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下である。
繊維は、有機繊維であっても無機繊維であってもよく、有機繊維と無機繊維を混合した有機無機混合繊維であってもよい。有機繊維としては、セルロース繊維、樹脂繊維、炭素繊維等を挙げることができ、無機繊維としては、ガラス繊維、セラミック繊維等を挙げることができる。繊維は、好ましくはセルロース繊維、樹脂繊維、及びガラス繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種である。繊維は、電解質層の平滑性を向上させる観点から、より好ましくはセルロース繊維である。
セルロース繊維は、例えば、針葉樹木材パルプ、広葉樹木材パルプ、エスパルトパルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、コットンパルプ等の天然セルロース繊維、又は、これらの天然セルロース繊維を有機溶剤紡糸して得られるリヨセル等の再生セルロース繊維であってよい。
樹脂繊維は、天然樹脂繊維であっても合成樹脂繊維であってもよい。天然樹脂繊維を構成する天然樹脂は、例えば、ラテックス、天然ゴム等であってよい。合成樹脂繊維を構成する合成樹脂は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等であってよい。樹脂繊維は、一実施形態において、マトリクスポリマとは異なる樹脂(ポリマ)の繊維である。
繊維は、短絡を更に抑制できる観点から、好ましくは耐熱性を有する繊維である。耐熱性とは、繊維が高温時に溶融又は分解しないで、元の状態(固体の状態)を維持する特性である。繊維は、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上、更に好ましくは300℃以上の環境下で溶融又は分解しない繊維であってよい。繊維が溶融又は分解した状態とは、熱重量示差熱分析法(TG;Thermalgravimetry、DTA;Differential Thermal Analysis)を用いて、繊維を大気流通条件にて一定の昇温速度で加熱したときに、重量減少又は発熱反応・吸熱反応がある場合に相当する。繊維の溶融又は分解の判定法(重量減少がある場合)の一例として、試料の重量減少量が1%に到達し、その後も重量減少が継続した場合に、繊維が熱分解したと判定することができる。また、溶融又は分解の開始温度は、前述の重量減少曲線の接線を重量減少開始前のベースラインまで延長し、接線とベースラインとの交点に当たる温度である。さらに、大気中にて上述の温度環境に繊維を放置した後に、繊維が消失したり、溶融によって繊維が変形したり変色することが目視で確認された場合も、この状態に相当する。
繊維の形状は、ある程度の長さをもった細長形状であればよい。繊維のアスペクト比は、電解質組成物の熱収縮を抑制しやすくする観点から、10以上であってよく、好ましくは10を超え、より好ましくは20以上であり、更に好ましくは50以上であり、特に好ましくは100以上である。繊維のアスペクト比は、上述した酸化物粒子のアスペクト比の算出方法と同様の方法によって求めることができる。すなわち、繊維の走査型電子顕微鏡写真から、繊維の長さと繊維径を求め、統計的に計算することができる。
本実施形態において、繊維の平均長さは、電解質組成物の熱収縮を抑制しやすくする観点から、酸化物粒子の平均粒径以上であり、好ましくは、酸化物粒子の平均粒径の2倍以上、5倍以上、10倍以上、20倍以上、50倍以上、又は100倍以上である。繊維の平均長さは、好ましくは、1μm以上、5μm以上、10μm以上、30μm以上、40μm以上である。繊維の平均長さは、二次電池を形成した場合の電解質層からの繊維の突出を抑制し、電解質層7を平滑にする観点から、好ましくは、10000μm以下、5000μm以下、3000μm以下、2000μm以下、1500μm以下、1000μm以下、500μm以下、100μm以下、又は50μm以下である。本明細書における繊維の平均長さは、走査型電子顕微鏡写真において、計測の重複を避けられるように繊維全体が写真に写っているものを3枚選択して、各写真について繊維の長さの積算値を繊維の総数で割り付け、得られた値の平均値である。
一般に、上述のマトリクスポリマと、酸化物粒子と、電解質塩とを用いれば、電解質組成物を作製することができるが、例えば150℃以上又は200℃以上の環境下ではマトリクスポリマが軟化又は溶融し、電解質組成物が徐々に収縮する。このとき、電解質組成物に含まれる酸化物粒子が収縮に伴い移動するため、電解質組成物の電気絶縁性が悪化する場合がある。例えば、何らかの原因で二次電池に釘のような金属が刺さり、局所的に正極と負極との間で金属による短絡が発生すると、その場所で急激な発熱が起こり、電解質組成物からなる電解質層が熱によって収縮する。そうすると、正極と負極との短絡面積が更に拡大し、短絡電流も更に増大し、発熱が持続又は拡大するおそれがある。その結果、二次電池が発火、発煙又は破裂することもあり、安全面で問題となる。
本発明者らは、電解質組成物の熱収縮に伴う酸化物粒子の移動が、短絡(短絡面積の拡大)の一つの主要な原因になっていると考え、高温時においても酸化物粒子が移動しない電解質組成物の組成を探索した結果、本実施形態の電解質組成物を見出した。本実施形態の電解質組成物は、酸化物粒子の平均粒径以上の平均長さを有する繊維を含んでいるため、繊維が、酸化物粒子の移動を抑止する障害物の役割を果たすことによって、電解質組成物の熱収縮が抑制され、結果として、高温における短絡を抑制できると推察される。
繊維の平均繊維径は、好ましくは電解質層7の厚さ以下であり、より好ましくは電解質層7の厚さの1/3以下である。繊維の平均繊維径は、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは5μm以下であり、更に好ましくは1μm以下である。平均繊維径を電解質層7の厚さ以下とすることにより、電解質層7を薄く作製することができ、また、少量の繊維の添加量によっても、酸化物粒子の移動を抑止することができる。繊維の平均繊維径は、例えば0.01μm以上であってよい。本明細書における繊維の平均繊維径は、走査型電子顕微鏡写真において、計測の重複を避けられるように繊維全体が写真に写っているものを3枚選択して、各写真について繊維の直径の積算値を繊維の総数で割り付け、得られた値の平均値である。
繊維の含有量は、電解質組成物全量を基準として、好ましくは0.05質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、更に好ましくは0.3質量%以上である。これにより、電解質組成物中に繊維が均一に配合され、酸化物粒子の移動を効果的に抑止することができる。繊維の含有量は、電解質組成物全量を基準として、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下である。これにより、耐熱性の高い酸化物粒子をより多く電解質組成物に配合することができ、また、二次電池1において電解質層7を形成させるために電解質組成物を含むスラリを調製した際、スラリの流動性が良好となり、電解質層7をより薄く形成させることができる。
イオン液体は、以下のアニオン成分及びカチオン成分を含有する。なお、本実施形態におけるイオン液体は、−20℃以上で液状の物質である。
イオン液体のアニオン成分は、特に限定されないが、Cl、Br、I等のハロゲンのアニオン、BF 、N(SOF) 等の無機アニオン、B(C 、CHSO、CFSO、N(SO 、N(SOCF 、N(SO 等の有機アニオンなどであってよい。イオン液体のアニオン成分は、好ましくは、下記式(1)で表されるアニオン成分の少なくとも1種を含有する。
N(SO2m+1)(SO2n+1 (1)
[式(1)中、m及びnは、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。m及びnは、互いに同一でも異なっていてもよく、好ましくは互いに同一である。]
イオン液体のカチオン成分は、好ましくは鎖状四級オニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
鎖状四級オニウムカチオンは、例えば、下記式(2)で表される化合物である。
Figure 2019181943
[式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数が1〜20の鎖状アルキル基、又はR−O−(CH−で表される鎖状アルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1〜4の整数を表す)を表し、Xは、窒素原子又はリン原子を表す。R〜Rで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。]
ピペリジニウムカチオンは、例えば、下記式(3)で表される、窒素を含有する六員環環状化合物である。
Figure 2019181943
[式(3)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、又はR−O−(CH−で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1〜4の整数を表す)を表す。R及びRで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。]
ピロリジニウムカチオンは、例えば、下記式(4)で表される五員環環状化合物である。
Figure 2019181943
[式(4)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、又はR−O−(CH−で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1〜4の整数を表す)を表す。R及びRで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。]
ピリジニウムカチオンは、例えば、下記式(5)で示される化合物である。
Figure 2019181943
[式(5)中、R〜R13は、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、R−O−(CH−で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1〜4の整数を表す)、又は水素原子を表す。R〜R13で表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。]
イミダゾリウムカチオンは、例えば、下記式(6)で示される化合物である。
Figure 2019181943
[式(6)中、R14〜R18は、それぞれ独立に、炭素数が1〜20のアルキル基、R−O−(CH−で表されるアルコキシアルキル基(Rはメチル基又はエチル基を表し、nは1〜4の整数を表す)、又は水素原子を表す。R14〜R18で表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜5である。]
イオン液体の含有量は、電解質層7を好適に作製する観点から、電解質組成物全量を基準として、10質量%以上であってよく、60質量%以下であってよい。イオン液体の含有量は、電解質塩の含有量を増加させることにより、電解質層7の導電率を増大させてリチウム二次電池を高い負荷率で充放電することを可能にする観点から、電解質組成物全量を基準として、好ましくは55質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。
電解質塩とイオン液体との合計の含有量は、導電率を更に向上させ、二次電池の容量低下を抑制する観点から、電解質組成物全量を基準として、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上であり、更に好ましくは40質量%以上である。電解質塩とイオン液体との合計の含有量は、電解質組成物の強度低下を抑制する観点から、電解質組成物全量を基準として、好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下である。
イオン液体の単位体積あたりの電解質塩の濃度は、充放電特性を更に向上させる観点から、好ましくは0.5mol/L以上であり、より好ましくは0.7mol/L以上であり、更に好ましくは1.0mol/L以上であり、また、好ましくは2.0mol/L以下であり、より好ましくは1.8mol/L以下であり、更に好ましくは1.6mol/L以下である。
電解質組成物は、導電率を更に向上させることを目的として、例えば、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシエタン、クロルエチレンカーボネート、クロルプロピレンカーボネート等の非水溶媒を更に含有していてもよい。
電解質層7の厚さは、導電率を高め、強度を向上させる観点から、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上である。電解質層7の厚さは、電解質層7の抵抗を抑制する観点から、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは30μm以下である。
本実施形態の電解質組成物においては、上述のとおり、熱収縮が起こりにくく、短絡(短絡面積の拡大)が抑制されるという作用効果が奏される。この作用効果は、例えば、電解質組成物を釘刺し模擬試験に供することによって確認することができる。釘刺し模擬試験は、二次電池に釘のような金属が刺さった状況を想定した試験であり、二次電池の安全性を評価するための試験である。釘刺し模擬試験には、100℃以上の一定温度に加熱した半田こて等を用いればよい。温度は任意に設定することが可能で、例えば、150℃以上であってよい。電極を想定した銅箔等の金属箔間に電解質組成物を挟持したサンプルを作製し、このサンプルに電圧を印加する。金属箔の代わりに、実際に電池に使用される正極と負極を用いて、それらの間に電解質組成物を挿入してもよい。正極と負極の間を一定電圧に保持すると、電流が徐々に減衰するが、電解質組成物はイオン導電性を有するので、一定電圧を印加した後、しばらくの間、イオンの移動による電流が流れる。電流が底値に達したところで、加熱したこて先をサンプルの積層方向に突き刺す。その後、こて先をサンプルから引き抜き、こて先を突き刺した後の銅箔間の絶縁抵抗を確認する。そして、例えば、1kΩ以上の抵抗値が得られれば、電解質組成物の熱収縮に基づく短絡が十分に抑制されていると判断することができる。なお、釘刺し模擬試験で印加可能な電圧は、10mV以上1V以下であればよく、試験時間の短縮のためには電圧が小さいほうが好ましく、抵抗の測定精度を高めるためには、電圧が高い方が好ましい。両者を満たす条件として、印加する電圧は、より好ましくは0.1V以上0.5V以下である。
続いて、上述した二次電池1の製造方法について説明する。本実施形態に係る二次電池1の製造方法は、正極集電体9上に正極合剤層10を形成して正極6を得る第1の工程と、負極集電体11上に負極合剤層12を形成して負極8を得る第2の工程と、正極6と負極8との間に電解質層7を設ける第3の工程と、を備える。
第1の工程では、正極6は、例えば、正極合剤層に用いる材料を混練機、分散機等を用いて分散媒に分散させてスラリ状の正極合剤を得た後、この正極合剤をドクターブレード法、ディッピング法、スプレー法等により正極集電体9上に塗布し、その後分散媒を揮発させることにより得られる。分散媒を揮発させた後、必要に応じて、ロールプレスによる圧縮成型工程が設けられてもよい。正極合剤層10は、上述した正極合剤の塗布から分散媒の揮発までの工程を複数回行うことにより、多層構造の正極合剤層として形成されてもよい。
第1の工程において用いられる分散媒は、水、1−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPともいう。)等であってよい。
第2の工程において、負極集電体11に負極合剤層12を形成する方法は、上述した第1の工程と同様の方法であってよい。
第3の工程では、一実施形態において、電解質層7は、正極6の正極合剤層10側及び負極8の負極合剤層12側の少なくともいずれか一方に塗布により形成され、好ましくは正極6の正極合剤層10側及び負極8の負極合剤層12側の両方に塗布により形成される。この場合、例えば、電解質層7が設けられた正極6と、電解質層7が設けられた負極8とを、電解質層7同士が接するように例えばラミネートにより積層することで、二次電池1が得られる。
正極合剤層10上に電解質層7を塗布により形成する方法は、例えば、電解質層7に用いる材料を分散媒に分散させてスラリを得た後、この電解質組成物を正極合剤層10上にアプリケータを用いて塗布する方法である。分散媒は、好ましくは水、NMP等である。電解質塩は、イオン液体に溶解させてから、他の材料とともに分散媒に分散させることができる。
負極合剤層12上に電解質層7を塗布により形成する方法は、正極合剤層10上に電解質層7を塗布により形成する方法と同様の方法であってよい。
第3の工程では、他の実施形態において、電解質層7は、例えば、基材上に電解質組成物を備えた電解質シートを作製することにより形成される。図4(a)は、一実施形態に係る電解質シートを示す模式断面図である。図4(a)に示すように、電解質シート13Aは、基材14と、基材14上に設けられた電解質層7とを有する。
電解質シート13Aは、例えば、電解質層7に用いる材料を分散媒に分散させてスラリを得た後、これを基材14上に塗布してから分散媒を揮発させることにより作製される。分散媒は、好ましくは水、NMP、トルエン等である。
基材14は、分散媒を揮発させる際の加熱に耐えうる耐熱性を有するものであって、電解質組成物と反応せず、電解質組成物により膨潤しないものであれば制限されないが、例えばフィルム状の樹脂である。基材14は、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリ四フッ化エチレン、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン等の樹脂(汎用のエンジニアプラスチック)からなるフィルムであってよい。
基材14は、電解質層を製造する過程で分散媒を気化する処理温度に耐えることが条件である。基材14の軟化点(塑性変形し始める温度)又は融点の内、より低い温度を耐熱温度とし、その温度は、電解質層7に用いられるイオン液体との適応性の観点から、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは100℃以上であり、更に好ましくは150℃以上であり、また、例えば400℃以下であってよい。上記の耐熱温度を有する基材を使用すれば、上述したような分散媒(NMP、トルエン等)を好適に使用できる。
基材14の厚さは、塗布装置での引張り力に耐えうる強度を維持しつつ、可能な限り薄いことが好ましい。基材14の厚さは、電解質シート13A全体の体積を小さくしつつ、電解質組成物を基材14に塗布する際に強度を確保する観点から、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、更に好ましくは25μm以上であり、また、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは40μm以下である。
電解質シートは、ロール状に巻き取りながら連続的に製造することもできる。その場合には、電解質層7の表面が基材14の背面に接触して電解質層7の一部が基材14に貼りつくことにより、電解質層7が破損することがある。このような事態を防ぐために、電解質シートは他の実施形態として、電解質層7の基材14と反対側に保護材を設けたものであってもよい。図4(b)は、他の実施形態に係る電解質シートを示す模式断面図である。図4(b)に示すように、電解質シート13Bは、電解質層7の基材14と反対側に保護材15を更に備えている。
保護材15は、電解質層7から容易に剥離可能なものであればよく、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン等の無極性の樹脂フィルムである。無極性の樹脂フィルムを用いると、電解質層7と保護材15とが互いに貼りつかず、保護材15を容易に剥離することができる。
保護材15の厚さは、電解質シート13B全体の体積を小さくしつつ、強度を確保する観点から、好ましくは5μm以上であり、より好ましくは10μm以上であり、また、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは30μm以下である。
保護材15の耐熱温度は、低温環境での劣化を抑制するとともに、高温環境下での軟化を抑制する観点から、好ましくは−30℃以上であり、より好ましくは0℃以上であり、また、好ましくは100℃以下であり、より好ましくは50℃以下である。保護材15を設ける場合、上述した分散媒の揮発工程を必須としないため、耐熱温度を高くする必要がない。
電解質シート13Aを用いて正極6と負極8との間に電解質層7を設ける方法としては、例えば、電解質シート13Aから基材14を剥離し、正極6、電解質層7及び負極8を、例えばラミネートにより積層することで二次電池1が得られる。このとき、電解質層7が、正極6の正極合剤層10側かつ負極8の負極合剤層12側に位置するように、すなわち、正極集電体9、正極合剤層10、電解質層7、負極合剤層12及び負極集電体11がこの順で配置されるように積層する。電解質シートをロール状に巻き取りながら連続製造した場合、ロール状の電解質シートを巻き出し、正極6と負極8との間に電解質層7を設けてから裁断してもよいし、ロール状の電解質シートを裁断してから正極6及び負極8との間に電解質層7を設けてもよい。
第3の工程では、電解質層7と正極6又は負極8とを好適に積層させることを目的として、電解質層7上に粘着剤層(図示せず)を更に設けてもよい。粘着剤層は、フィルム状の粘着剤を圧着したり、離型フィルムの上に作製した粘着剤層を電解質層7に圧着し離型フィルムを剥離させて粘着剤層を転写したり、液状の粘着剤を電解質層7に塗布したりすることにより設けることができる。電解質シート13Aを用いる場合は、電解質シート13Aの製造の際に予め粘着剤層を形成させた電解質シートとしてもよい。
粘着剤層は、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルエーテル、及びスチレン・ブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでよい。
電解質層7に粘着剤層を設ける場合、粘着剤層は電解質層7上の少なくとも一部に設けられていればよく、電解質層7の一端部に設けられていてもよい。これにより、電解質層7と正極6又は負極8を積層する際、あるいは、正極合剤層10及び負極合剤層12に形成された電解質層7同士を積層する際に、粘着剤層を介して積層されるため、積層の際にしわ又は波うちが発生しにくくなり、電極(正極6及び負極8)と電解質層7とが好適に積層された二次電池を製造することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る二次電池について説明する。図5は、第2実施形態に係る二次電池における電極群の一実施形態を示す模式断面図である。図5に示すように、第2実施形態における二次電池が第1実施形態における二次電池と異なる点は、電極群2Bが、バイポーラ電極16を備えている点である。すなわち、電極群2Bは、正極6と、第1の電解質層7と、バイポーラ電極16と、第2の電解質層7と、負極8とをこの順に備えている。
バイポーラ電極16は、バイポーラ電極集電体17と、バイポーラ電極集電体17の負極8側の面(正極面)に設けられた正極合剤層10と、バイポーラ電極集電体17の正極6側の面(負極面)に設けられた負極合剤層12とを備えている。
バイポーラ電極集電体17において、正極面は、好ましくは耐酸化性に優れた材料で形成されていてよく、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等で形成されていてよい。負極活物質として黒鉛又は合金を用いたバイポーラ電極集電体17における負極面は、リチウムと合金を形成しない材料で形成されていてよく、具体的には、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、チタン等で形成されていてよい。正極面と負極面に異種の金属を用いる場合、バイポーラ電極集電体17は、異種金属箔を積層させたクラッド材であってよい。ただし、チタン酸リチウムのように、リチウムと合金を形成しない電位で動作する負極8を用いる場合、上述の制限はなくなり、負極面は、正極集電体9と同様の材料であってよい。その場合、バイポーラ電極集電体17は、単一の金属箔であってよい。単一の金属箔としてのバイポーラ電極集電体17は、孔径0.1〜10mmの孔を有するアルミニウム製穿孔箔、エキスパンドメタル、発泡金属板等であってよい。バイポーラ電極集電体17は、上記以外にも、電池の使用中に溶解、酸化等の変化を生じないものであれば、任意の材料で形成されていてよく、また、その形状、製造方法等も制限されない。
バイポーラ電極集電体17の厚さは、10μm以上であってよく、100μm以下であってもよく、正極全体の体積を小さくする観点から、好ましくは10〜50μmであり、電池を形成する際に小さな曲率でバイポーラ電極を捲回する観点から、より好ましくは10〜20μmである。
続いて、第2実施形態に係る二次電池の製造方法について説明する。本実施形態に係る二次電池の製造方法は、正極集電体9上に正極合剤層10を形成して正極6を得る第1の工程と、負極集電体11上に負極合剤層12を形成して負極8を得る第2の工程と、バイポーラ電極集電体17の一方の面に正極合剤層10を形成し、他方の面に負極合剤層12を形成してバイポーラ電極16を得る第3の工程と、正極6とバイポーラ電極16との間及び負極8とバイポーラ電極16との間に電解質層7を設ける第4の工程と、を有する。
第1の工程及び第2の工程は、第1実施形態における第1の工程及び第2の工程と同様の方法であってよい。
第3の工程において、バイポーラ電極集電体17の一方の面に正極合剤層10を形成する方法は、第1実施形態における第1の工程と同様の方法であってよい。バイポーラ電極集電体17の他方の面に負極合剤層12を形成する方法は、第1実施形態における第2の工程と同様の方法であってよい。
第4の工程のうち正極6とバイポーラ電極16との間に電解質層7を設ける方法としては、一実施形態において、電解質層7は、正極6の正極合剤層10側及びバイポーラ電極16の負極合剤層12側の少なくともいずれか一方に塗布により形成され、好ましくは正極6の正極合剤層10側及びバイポーラ電極16の負極合剤層12側の両方に塗布により形成される。この場合、例えば、電解質層7が設けられた正極6と、電解質層7が設けられたバイポーラ電極16とを、電解質層7同士が接するように例えばラミネートにより積層する。
正極6の正極合剤層10上及びバイポーラ電極16の負極合剤層12上に電解質層7を塗布により形成する方法は、第1実施形態における第3工程の一実施形態に係る、正極合剤層10上に電解質層7を塗布により形成する方法及び負極合剤層12上に電解質層7を塗布により形成する方法と同様の方法であってよい。
第4の工程のうち正極6とバイポーラ電極16との間に電解質層7を設ける方法としては、他の実施形態において、電解質層7は、例えば、基材上に電解質組成物を備えた電解質シートを製造することにより形成される。電解質シートの製造方法は、第1実施形態における電解質シート13A,13Bの製造方法と同様の方法であってよい。
第4の工程において、負極8とバイポーラ電極16との間に電解質層7を設ける方法は、上述した正極6とバイポーラ電極16との間に電解質層7を設ける方法と同様の方法であってよい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[電解質シートの作製]
<実施例1>
マトリクスポリマであるフッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとのコポリマ(PVDF−HFP)を30質量部と、酸化物粒子であるSiO粒子(製品名:AEROSIL OX50、日本アエロジル株式会社製)を20質量部と、電解質塩であるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(Li[FSI])を1.5mol/Lの濃度で溶解させたN−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(Py13−FSI)(以下、電解質塩を溶解させたイオン液体の組成を表す際に、「リチウム塩の濃度/リチウム塩の種類/イオン液体の種類」のように表記することがある。)を50質量部と、セルロース繊維(平均長さ50μm、平均繊維径0.1μm)を0.4質量部とを、分散媒である1−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させ、電解質組成物を含むスラリを調製した。このスラリをポリエチレンテレフタレート製の基材(製品名:テオネックスR−Q51、帝人デュポンフィルム株式会社製、厚さ38μm)上にアプリケータを用いて塗布した。塗布したスラリを80℃で1時間加熱乾燥することにより、分散媒を揮発させて、電解質シートを得た。得られた電解質シートにおける電解質層の厚さは、25±5μmであった。
<実施例2>
実施例1の電解質シートにおいて、セルロース繊維の含有量を1.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様の方法により電解質シートを作製した。
[3層サンプルの作製]
正極と負極を想定した銅箔を2枚用意した。上述した実施例1〜2の電解質シートから基材を剥離し、電解質層を2枚の銅箔の間に挟持させた3層サンプルをそれぞれ作製した。3層サンプルでは、電解質層が2枚の銅箔を絶縁するように(銅箔同士が接触しないように)各層を配置した。
[安全性の評価1(釘刺し模擬試験)]
作製した3層サンプルについて、釘刺し模擬試験装置を用いた釘刺し模擬試験を実施した。釘刺し模擬試験装置としては、半田こて(FX−600、白光株式会社製)を、上下に昇降可能な可動部を有するスタンドによりこて先を床面に対し略垂直に下に向けて固定したものを用いた。試験に先立ち、3層サンプルに0.1Vの電圧を印加して、約10秒経過後に、電流がほぼ底値になることを確認した。その後、図6に示すように、2枚の銅箔18,18間に電解質層7が挟持された3層サンプル19を、こて20の先の下に設置し、3層サンプル19に対して、200℃に加熱したこて20の先を3層サンプル19の積層方向に差込み、約3秒間保持した。このとき、銅箔の貫通孔が3mmになるように、こて20の先の差し込み深さDを、0.5mmとした。そして、こて20の先を差し込んだ状態で、2枚の銅箔18,18間の電流を記録した。その後、こて20の先を3層サンプル19の上方に引き抜いた。こて20の先を差し込んだ3秒間の電流の最大値から、以下の式(7)により3層サンプル19の絶縁抵抗を計算した。なお、絶縁抵抗が1kΩ以上であれば、短絡が十分に抑制されているといえる。
絶縁抵抗(Ω)=電圧(V)÷3秒間の最大電流(A) (7)
その結果、実施例1の絶縁抵抗は1.7kΩ、実施例2の絶縁抵抗は1.1kΩであった。全ての実施例において、釘刺し模擬試験後においても十分な絶縁性を有することが分かった。
<実施例3>
(正極の作製)
層状型リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物(正極活物質)78.5質量部と、アセチレンブラック(導電剤、製品名:HS−100、デンカ株式会社製)5質量部と、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマ溶液(固形分12質量%)2.5質量部と、イオン液体(1.5mol/L/Li[FSI]/Py13−FSI)を14質量部と、を混合して正極合剤スラリを調製した。この正極合剤スラリを正極集電体(厚さ15μmのアルミニウム箔)上の両面に塗工量125g/mで塗工し、加熱乾燥させた。この電極をプレスすることにより、合剤密度2.7g/cmに調整した。これを合剤層のサイズが82mm×112mmとなるように打抜き、正極とした。
(負極の作製)
黒鉛(負極活物質、日立化成株式会社製)80.4質量部と、炭素繊維(導電剤、製品名:VGCF−H、昭和電工株式会社製)0.6質量部と、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマ溶液(固形分12質量%)5質量部と、イオン液体(1.5mol/L/Li[FSI]/Py13−FSI)を14質量部と、を混合して負極合剤スラリを調製した。この負極合剤スラリを集電体(厚さ10μmの銅箔)上の両面に塗工量60g/mで塗工し、加熱乾燥させた。この電極をプレスすることにより、合剤密度1.8g/cmに調整した。これを合剤層のサイズが86mm×116mmとなるように打抜き、負極とした。
(評価用電池の作製)
正極、負極、実施例1で作製した電解質シートから得られる電解質層を用いて評価用電池を作製した。負極、電解質層、正極をこの順に重ね、負極9枚、電解質層16枚、正極8枚を多積層した電極群を作製した。電極群の正極にAlタブを、負極にNiタブを超音波溶接し、この電極群をアルミラミネートで封止し、評価用電池とした。
<実施例4>
実施例2の電解質シートから得られる電解質層を用いた以外は、実施例3と同様の方法により評価用電池を作製した。
[安全性の評価2(釘刺し試験)]
作製した評価用電池について、釘刺し試験を実施した。釘刺し試験を実施する前に、評価用電池は、充放電装置(東洋システム株式会社製)を用いて以下の充放電条件の下で充電した。
(1)0.1Cの定電流で終止電圧4.2Vまで充電した後、終止電圧4.2Vで充電総時間が15時間又は充電電流0.02Cとなるまで定電圧充電する定電流定電圧(CCCV)充電を行った後、0.1Cで終止電圧2.7Vまで定電流(CC)放電するサイクルを3サイクル行い、初期化した。なお、Cとは「電流値(A)/電池容量(Ah)」を意味する。
(2)次いで、0.1Cの定電流で終止電圧4.2Vまで充電した後、終止電圧4.2Vで充電総時間が15時間又は充電電流0.02Cとなるまで定電圧充電するCCCV充電を行った。
前記充電状態の評価用セルを釘刺し試験用の冶具に固定し、釘刺し試験を実施した。釘刺し試験には、熱電対付きSUS製釘(φ3mm)を使用し、釘刺し速度40mm/s、釘侵入深さはセルを貫通するまでとした。釘刺し試験の評価結果を表1に示す。なお、釘刺し試験による電圧の低下率は、下記の式により求められる。
電圧の低下率(%)=(試験後(5秒後)の電圧−試験後(600秒後)の電圧)/試験後(5秒後)の電圧×100
Figure 2019181943
釘刺し試験の結果、実施例3及び4の評価用電池は、釘刺し直後(1秒後)及び所定時間経過後でも電圧の低下は小さく、短絡が抑制されていた。なお、電圧の低下率が10%未満であれば、短絡が十分に抑制されているといえる。このときの評価電池では、発煙、発火、電池の破裂等は確認されず、高い安全性を示した。また、最高電池表面温度は、実施例3では39℃、実施例4では50℃と低かった。なお、最高電池表面温度が150℃以下であれば、安全性が十分であるといえる。上記の結果から、実施例3及び4の評価用電池は十分な絶縁性と安全性を有することが分かった。
1…二次電池、6…正極、7…電解質層、8…負極、13A,13B…電解質シート、14…基材。

Claims (11)

  1. マトリクスポリマと、
    リチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の電解質塩と、
    酸化物粒子と、
    繊維と、
    イオン液体と、
    を含有し、
    前記繊維の平均長さは、前記酸化物粒子の平均粒径以上である、電解質組成物。
  2. 前記繊維は、セルロース繊維、樹脂繊維及びガラス繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の電解質組成物。
  3. 前記マトリクスポリマは、四フッ化エチレン及びフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる第1の構造単位を有する、請求項1又は2に記載の電解質組成物。
  4. 前記マトリクスポリマを構成する構造単位の中に、前記第1の構造単位と、ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸、マレイン酸、エチルメタクリレート、及びメチルメタクリレートからなる群より選ばれる第2の構造単位とが含まれる、請求項3に記載の電解質組成物。
  5. 前記電解質塩は、イミド系リチウム塩を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  6. 前記イオン液体は、アニオン成分として、下記式(1)で表されるアニオン成分の少なくとも1種を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電解質組成物。
    N(SO2m+1)(SO2n+1 (1)
    [m及びnは、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。]
  7. 前記イオン液体は、カチオン成分として、鎖状四級オニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びイミダゾリウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  8. 基材と、
    前記基材上に設けられ、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電解質組成物で形成された電解質層と、を備える電解質シート。
  9. 前記繊維の平均繊維径は前記電解質層の厚さ以下である、請求項8に記載の電解質シート。
  10. 正極と、
    負極と、
    前記正極及び前記負極の間に設けられ、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電解質組成物で形成された電解質層と、を備える、二次電池。
  11. 前記繊維の平均繊維径は前記電解質層の厚さ以下である、請求項10に記載の二次電池。
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