JPWO2018030302A1 - 空冷式内燃機関 - Google Patents
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Abstract
Description
シリンダヘッドの上側側面から吸気管が上方に延出し、シリンダヘッドの下側側面から排気管が下方に延出している。
クランク軸の右端に遠心冷却ファンが固着されている。
シリンダブロックの左側側面と下側側面には周方向に指向した冷却フィンが形成され、遠心冷却ファンがある右側側面には前下がりに湾曲した冷却フィンが形成され、上側側面には湾曲した前記冷却フィンとV字をなすように傾斜した冷却フィンが形成されている。
一方のシリンダブロックの上側側面に分流した冷却風は、傾斜した冷却フィンに案内されてシリンダヘッドの上側側面から左側側面に廻り込み、さらに下側側面に廻り込む。
他方のシリンダブロックの右側側面に分流した冷却風は、傾斜した冷却フィンによりシリンダブロックの下側側面に送られ、下側側面を周方向に指向した冷却フィンによりシリンダブロックの左側側面に向かって流れ、同左側側面に廻り込む。
クランク軸を回転自在に軸支するクランクケースから冷却フィンを備えたシリンダブロックとシリンダヘッドが順次重ねられて前記クランク軸の軸線に垂直な方向に突出され、 前記クランク軸の一方の軸端に遠心冷却ファンが固着され、
前記シリンダヘッドから吸気管と排気管が互いに反対の上下側の側面から延出され、
前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドがシュラウドにより囲繞され、
前記遠心冷却ファンを側方から覆うファンカバーが前記シュラウドに連結し、前記遠心冷却ファンにより冷却風を前記シュラウドの内側に送風して前記シリンダブロックおよび前記シリンダヘッドを冷却する空冷式内燃機関において、
前記シリンダヘッドの前記排気管が延出する下側の側面である排気側ヘッド側面と連続する前記シリンダブロックの排気側シリンダ側面には、複数の導風冷却フィンが平行に配列されて、隣り合う前記導風冷却フィンの間に導風溝が形成され、
前記導風冷却フィンにより形成される複数の前記導風溝は、前記排気側シリンダ側面における前記クランク軸の前記遠心冷却ファンが固着される側のファン側側縁の方向に導入口が開口され、前記排気側ヘッド側面の方向に導出口が開口され、前記導入口から前記導出口まで連通していることを特徴とする。
また、ファン側シリンダ側面およびシリンダヘッドのファン側ヘッド側面に送られた冷却風の一部は、シリンダブロックとシリンダヘッドの吸気管側の側面に流れて、さらにファン側とは反対側の側面に廻り込むので、シリンダブロックとシリンダヘッドは万遍なく冷却される。
前記導風冷却フィンが円弧状に湾曲して、前記導風溝が前記導入口から前記導出口まで円弧状に湾曲するようにしてよい。
複数の前記導風冷却フィンのうち上流端部が前記シリンダヘッドから最も遠い最外側導風冷却フィンは、上流端部が前記排気側シリンダ側面の前記クランクケース側の端縁に位置し、下流端部が前記排気側シリンダ側面の前記シリンダヘッド側の端縁に位置するようにしてもよい。
前記最外側導風冷却フィンを除く前記導風冷却フィンは、上流端部が前記排気側シリンダ側面の前記ファン側側縁からそれぞれ所定距離離れているようにしてもよい。
前記シリンダブロックにおける前記クランク軸の前記遠心冷却ファンが固着される側と同じ側の側面であるファン側シリンダ側面には、前記シリンダヘッド側の部分を除き、冷却フィンが形成されていないようにしてもよい。
前記シュラウドにおける前記シリンダブロックの前記排気側シリンダ側面に対向する排気側内面には、前記導風冷却フィンにより形成される導風溝に沿って延びる導風リブが形成されるようにしてもよい。
前記導風リブと前記導風冷却フィンとは互い違いに配列されるようにしてもよい。
前記シュラウドの前記ファンカバーが連結される側部の内側に、冷却風を前記シリンダブロックと前記シリンダヘッドにそれぞれ導く導風仕切壁が形成されるようにしてもよい。
したがって、遠心冷却ファンの回転により生じる冷却風が、シリンダブロックのファン側シリンダ側面、さらには同ファン側シリンダ側面に連続するシリンダヘッドの側面(ファン側ヘッド側面)に送られると、ファン側シリンダ側面に送られた冷却風の大部分が、ファン側シリンダ側面からシュラウドによりファン側側縁を排気側シリンダ側面に廻り込み、排気側シリンダ側面の導風冷却フィンにより形成された導風溝の導入口に導入され、導風溝に案内されて導出口から排気側ヘッド側面に流出するため、排気側ヘッド側面から延出する排気管の延出部に向けて冷却風が吹き付けられ、特に、発熱の大きい排気管の延出部を積極的に効率良く冷却することができる。
また、ファン側シリンダ側面およびシリンダヘッドのファン側ヘッド側面に送られた冷却風の一部は、シリンダブロックとシリンダヘッドの吸気管側の側面に流れて、さらにシュラウドに案内されて、ファン側とは反対側の側面に廻り込むので、シリンダブロックとシリンダヘッドは万遍なく冷却される。
本実施の形態に係る空冷式内燃機関を搭載したスクータ型自動二輪車1を図1に示す。
なお、本明細書の説明において、前後左右および上下の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を、UPは上方を、DWは下方を示すものとする。
すなわち車体前部1Fのヘッドパイプ2からダウンチューブ3が下方へ延出し、同ダウンチューブ3は下端で水平に屈曲してフロア部1Cの下方を後方へ延び、その後端において左右一対のメインパイプ4が連結され、メインパイプ4は該連結部から後方斜め上に延びた傾斜部4aを形成し、傾斜部4aの上部がさらに屈曲して後方に略水平に延びた水平部4bを形成している。
一方車体前部1Fにおいては、ヘッドパイプ2に軸支されて上方にハンドル8が設けられ、下方にフロントフォーク9が延びてその下端に前輪10が軸支されている。
図2および図3を参照して、パワーユニットPには、その前部に単気筒4ストロークの空冷式内燃機関20が、クランク軸21を車幅方向に指向させて軸支するクランクケース22から順次重ね合わされたシリンダブロック23,シリンダヘッド24,シリンダヘッドカバー25を略水平に近い状態にまで大きく前傾した姿勢で前方に突出させて設けられており、そのクランクケース22の下部から前方に突出した左右一対のエンジンハンガー22hの端部が前記リンク部材12にピボット軸13を介して連結されている。
右クランクケース部22Rを右側から覆うファンカバー57が、遠心冷却ファン56を内部に収容する。
ファンカバー57には、遠心冷却ファン56に対向して外気導入口であるグリル57gが形成されている。
クランク軸21の左側軸部には、主軸受21bに隣接して駆動チェーンスプロケット58が設けられ、左側軸端部には、ベルト式無段変速機60の駆動プーリ61が設けられている。
図2を参照して、ベルト式無段変速機60の後部に設けられた減速機構64の減速機出力軸が後車軸28aであり、後車軸28aに後輪28が設けられている(図2参照)。
伝動ケース部22Lの減速機構64を収容する後部の上端と前記メインパイプ4の上部屈曲部間にリヤクッション19が介装されている。
駆動プーリ61の左側のプーリ半体には外気吸入ファン61Fが形成されている。
また、図3に示されるように、シリンダヘッド24の右側面には、点火プラグ26が中央のシリンダヘッドカバー25寄りに嵌挿されるとともに、排気管51が延出する箇所に酸素濃度センサ27が嵌挿されている。
スロットルボディ33は、クランクケース22の上に配設されるエアクリーナ装置40から延出するコネクティングチューブ34に連結し、エアクリーナ装置40からコネクティングチューブ34を通って、スロットルボディ33を介し吸気管31、さらに吸気ポート30と連通する吸気系が構成される。
シュラウド70は、上下半割りとされる上側シュラウド71と下側シュラウド72がシリンダブロック23とシリンダヘッド24に対して上下から被せるようにして合体してシリンダブロック23とシリンダヘッド24を囲繞し、上側シュラウド71と下側シュラウド72の前方に大きく開いた開口からシリンダヘッドカバー25が突出している。
図3に示すように、上側シュラウド71と下側シュラウド72の各右側壁71R,72Rの互いの合せ面の前側部分の開口から点火プラグ26が突出し、下側シュラウド72の右側壁72Rの開口からは酸素濃度センサ27が突出している。
右方に湾曲しながら膨出した右側壁71R,72Rの内側には、右側壁71R,72Rに略平行に湾曲して導風仕切壁73が形成されている。
この導風仕切壁73により右側壁71R,72Rの内側空間が仕切られて、ヘッド側導風路74Hとシリンダ側導風路74Cが形成されている。
シリンダヘッド24における排気管51が延出する排気側ヘッド側面24Dは、下側側面に相当する。
シリンダヘッド24の排気側ヘッド側面24Dに連続するシリンダブロック23の下側側面を排気側シリンダ側面23Dとする。
シリンダブロック23の下側側面が排気側シリンダ側面23Dである。
シリンダブロック23の右側側面は、クランク軸21の遠心冷却ファン56が固着される右側と同じ右側にあるファン側シリンダ側面23Rである。
導風冷却フィン82は円弧状に湾曲しており、よって、導風溝83は導入口83iから導出口83eまで円弧状に湾曲して連通している。
したがって、排気側シリンダ側面23Dにはファン側側縁23Dr側に冷却フィンが存在しない排気側空間Sdが最外側導風冷却フィン82Eに囲われて形成される。
したがって、シリンダブロック23のファン側シリンダ側面23Rには、シリンダヘッド24側に冷却フィン81が存在するが、反対側のクランクケース側には冷却フィン81が存在せずファン側空間Srが形成されている。
なお、導風リブ75は下側シュラウド72の下側壁72Dが波状に屈曲して形成されている(図10参照)。
したがって、シュラウド70側の導風リブ75は、シリンダブロック23側の導風冷却フィン82,82の間の導風溝83に臨んでいる。
シリンダ側導風路74Cにより案内された冷却風は、図7に示されるように、シリンダブロック23の上側側面に向かう冷却風とシリンダブロック23の右側側面であるファン側シリンダ側面23Rに向かう冷却風に分かれる(図7の白抜き矢印参照)。
そして、ファン側シリンダ側面23Rのファン側空間Srに取り込まれた冷却風は、シュラウド70に案内されてファン側側縁23Rdから排気側シリンダ側面(下側側面)23Dに廻り込む。
排気側空間Sdに取り込まれ冷却風は、導風冷却フィン82により形成される複数の導風溝83の各導入口83iに導入される(図6,図8,図9で矢印→参照)。
したがって、排気側ヘッド側面24Dから延出する排気管51の延出部に向けて冷却風が吹き付けられるため、特に、発熱の大きい排気管51の延出部が効率良く冷却される。
図7および図8を参照して、シリンダブロック23の排気側シリンダ側面23Dに、複数の導風冷却フィン82が平行に配列されて、隣り合う導風冷却フィン82,82の間に形成される導風溝83は、排気側シリンダ側面23Dにおけるファン側側縁23Drの方向に導入口83iが開口され、排気側ヘッド側面24Dの方向に導出口83eが開口され、導入口83iから導出口83eまで連通している。
したがって、遠心冷却ファン56の回転により生じる冷却風が、シリンダブロック23のファン側シリンダ側面23R、さらには同ファン側シリンダ側面23Rに連続するシリンダヘッド24の側面(ファン側ヘッド側面24R)に送られると、図6に示されるように、ファン側シリンダ側面23Rに送られた冷却風のうち、ファン側空間Srに取り込まれた冷却風が、シュラウド70に案内されてファン側側縁23Rdから排気側シリンダ側面(下側側面)23Dに廻り込み、排気側空間Sdに取り込まれることで、複数の導風溝83の各導入口83iに導入され、導風溝83に案内されて導出口83eから排気側ヘッド側面24Dに流出するため、排気側ヘッド側面24Dから延出する排気管51の延出部に向けて冷却風が吹き付けられ、特に、発熱の大きい排気管51の延出部を積極的に効率良く冷却することができる。
冷却風は、下側シュラウド72の下側壁72Dの排気管51が突出する排風口72hから排出される。
P…パワーユニット、20…内燃機関、21…クランク軸、22…クランクケース、22L…左クランクケース部(伝動ケース部)、22R…右クランクケース部、22h…エンジンハンガー、
23…シリンダブロック、23D…排気側シリンダ側面、23Dr…ファン側側縁、Sd…排気側空間、23R…ファン側シリンダ側面、Sr…ファン側空間、23Dr…ファン側側縁、 24…シリンダヘッド、24D…排気側ヘッド側面、
25…シリンダヘッドカバー、26…点火プラグ、27…酸素濃度センサ、28…後輪、
30…吸気ポート、31…吸気管、32…燃料噴射弁、33…スロットルボディ、34…コネクティングチューブ、40…エアクリーナ装置、
50…排気ポート、51…排気管、52…マフラー、55…ACジュエネレータ、56…遠心冷却ファン、57…ファンカバー、58…駆動チェーンスプロケット、59…カムチェーン、
60…ベルト式無段変速機、61…駆動プーリ、61F…外気吸入ファン、62…ベルト、63…被動プーリ、64…減速機構、64a…減速機入力軸、65…伝動ケースカバー、
70…シュラウド、71…上側シュラウド、71U…上側壁、71R…右側壁、72…下側シュラウド、72D…下側壁、72h…排風口、72R…右側壁、73…導風仕切壁、74H…ヘッド側導風路、74C…シリンダ側導風路、75…導風リブ、
81…冷却フィン、82…導風冷却フィン、82i…上流端部、82e…下流端部、82E…最外側導風冷却フィン、82Ei…上流端部、82Ee…下流端部、83…導風溝、83i…導入口、83e…導出口、85…冷却フィン。
Claims (8)
- クランク軸(21)を回転自在に軸支するクランクケース(22)から冷却フィン(81)を備えたシリンダブロック(23)とシリンダヘッド(24)が順次重ねられて前記クランク軸(21)の軸線に垂直な方向に突出され、
前記クランク軸(21)の一方の軸端に遠心冷却ファン(56)が固着され、
前記シリンダヘッド(24)から吸気管(31)と排気管(51)が互いに反対の上下側の側面から延出され、
前記シリンダブロック(23)および前記シリンダヘッド(24)がシュラウド(70)により囲繞され、
前記遠心冷却ファン(56)を側方から覆うファンカバー(57)が前記シュラウド(70)に連結し、前記遠心冷却ファン(56)により冷却風を前記シュラウド(70)の内側に送風して前記シリンダブロック(23)および前記シリンダヘッド(24)を冷却する空冷式内燃機関(20)において、
前記シリンダヘッド(24)の前記排気管(51)が延出する下側の側面である排気側ヘッド側面(24D)と連続する前記シリンダブロック(23)の排気側シリンダ側面(23D)には、複数の導風冷却フィン(82)が平行に配列されて、隣り合う前記導風冷却フィン(82)の間に導風溝(83)が形成され、
前記導風冷却フィン(82)により形成される複数の前記導風溝(83)は、前記排気側シリンダ側面(23D)における前記クランク軸(21)の前記遠心冷却ファン(56)が固着される側と同じ側のファン側側縁(23Dr)の方向に導入口(83i)が開口され、前記排気側ヘッド側面(24D)の方向に導出口(83e)が開口され、前記導入口(83i)から前記導出口(83e)まで連通していることを特徴とする空冷式内燃機関。 - 前記導風冷却フィン(82)が円弧状に湾曲して、前記導風溝(83)が前記導入口(83i)から前記導出口(83e)まで円弧状に湾曲することを特徴とする請求項1記載の空冷式内燃機関。
- 複数の前記導風冷却フィン(82)のうち上流端部(82i)が前記シリンダヘッド(24)から最も遠い最外側導風冷却フィン(82E)は、上流端部(82Ei)が前記排気側シリンダ側面(23D)の前記クランクケース(22)側の端縁に位置し、下流端部(82Ee)が前記排気側シリンダ側面(23D)の前記シリンダヘッド(24)側の端縁に位置することを特徴とする請求項1または請求項2記載の空冷式内燃機関。
- 前記最外側導風冷却フィン(82E)を除く前記導風冷却フィン(82)は、上流端部(82i)が前記排気側シリンダ側面(23D)の前記ファン側側縁(23Dr)からそれぞれ所定距離離れていることを特徴とする請求項3記載の空冷式内燃機関。
- 前記シリンダブロック(23)における前記クランク軸(21)の前記遠心冷却ファン(56)が固着される側と同じ側の側面であるファン側シリンダ側面(23R)には、前記シリンダヘッド(24)側の部分を除き、冷却フィン(81)が形成されていないことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の空冷式内燃機関。
- 前記シュラウド(70)における前記シリンダブロック(23)の前記排気側シリンダ側面(23D)に対向する排気側内面には、前記導風冷却フィン(82)により形成される導風溝(83)に沿って延びる導風リブ(75)が形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の空冷式内燃機関。
- 前記導風リブ(75)と前記導風冷却フィン(82)とは互い違いに配列されることを特徴とする請求項6記載の空冷式内燃機関。
- 前記シュラウド(70)の前記ファンカバー(57)が連結される側部の内側に、冷却風を前記シリンダヘッド(24)と前記シリンダブロック(23)にそれぞれ導く導風仕切壁(73)が形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載の空冷式内燃機関。
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