JPWO2017126224A1 - サーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体 - Google Patents

サーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、優れた耐久性を示すサーモクロミックフィルム及びそれを構成要素として備えたサーモクロミック複合体を提供することである。本発明のサーモクロミックフィルムは、基材上に、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムであって、前記光学機能層が、アミド基を有する樹脂バインダーを含有することを特徴とする。

Description

本発明は、サーモクロミックフィルム及びサーモクロミック複合体に関する。より詳しくは、本発明は、優れた耐久性を示すサーモクロミックフィルム及びそれを構成要素として備えたサーモクロミック複合体に関する。
近年、車窓から入り込む太陽光の影響によって人肌で感じる暑さを低減するため、高い断熱性又は遮熱性を備えた合わせガラスが市場に流通している。最近では、電気自動車等の普及に伴い、車内の冷房効率を高める観点から、合わせガラスに適用する近赤外光(熱線)遮蔽フィルムの開発が盛んに行われている。
近赤外光遮蔽フィルムは、車体や建物の窓ガラスに適用することにより、車内のエア・コンディショナー等の冷房設備への負荷を低減することができ、省エネルギー対策として有効な手段である。
このような近赤外光遮蔽フィルムとしては、赤外線吸収性物質としてITO(インジウム・スズ酸化物)などの導電体を含む光学フィルムが開示されている。また、特許文献1には、赤外線反射層と赤外線吸収層とを有する機能性プラスチックフィルムを含む近赤外光遮蔽フィルムが開示されている。
さらに、特許文献2では、低屈折率層と高屈折率層とを交互に多数積層させた反射層積層体を有し、当該各屈折率層の層厚を調整することにより、近赤外光を選択的に反射する近赤外光遮蔽フィルムが提案されている。
このような構成の近赤外光遮蔽フィルムは、太陽光の照度が高い赤道近傍の低緯度地帯では、その高い近赤外光遮蔽効果により、好ましく利用されている。しかしながら、中緯度〜高緯度地帯の冬場においては、逆に、太陽光をできるだけ車内や室内に取り込みたい場合にも、一律に入射光線を遮蔽してしまうという問題がある。
また、このような問題に対し、近赤外光の遮蔽や透過の光学的性質を温度により制御するサーモクロミック材料を適用する方法の検討がなされている。その代表的な材料として、二酸化バナジウム(以下、「VO」ともいう。)が挙げられる。VOは、50〜60℃前後の温度領域で相転移を起こし、サーモクロミック性を示すことが知られている。
しかし、VOは、大気中の水分と酸素によってVOの酸化や結晶構造の変化が促進されることが知られており、VO粒子を含有するサーモクロミックフィルムでは、時間経過とともにサーモクロミック性が大幅に低下することが問題となっている。
そこで、例えば、特許文献3ではシランカップリング剤及び長鎖アルキル樹脂でVOを保護することが報告されており、特許文献4ではポリカルボン酸でVOを保護することが報告されている。
しかし、発明者がこれらの保護されたVO粒子を含有するサーモクロミックフィルムを作製し、湿熱耐性についての耐久性試験を行ったところ、耐久性が不十分であることが分かった。
特開2010−222233号公報 国際公開第2013/065679号 特表2015−513508号公報 特開2012−25629号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、優れた耐久性を示すサーモクロミックフィルム及びそれを構成要素として備えたサーモクロミック複合体を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討した結果、サーモクロミックフィルムの二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層が、アミド基を有する樹脂バインダーを含有することで、二酸化バナジウムの凝集が抑制され、その分散状態が安定化されることにより、優れた耐久性を示すことを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
1.基材上に、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムであって、
前記光学機能層が、アミド基を有する樹脂バインダーを含有することを特徴とするサーモクロミックフィルム。
2.前記樹脂バインダーの分子量が、10万〜100万の範囲内であることを特徴とする第1項に記載のサーモクロミックフィルム。
3.前記樹脂バインダーが、ポリビニルアセトアミドを含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載のサーモクロミックフィルム。
4.初期ヘイズが、0.1〜3%の範囲内であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルム。
5.前記光学機能層が、さらに、窒素含有化合物を含有し、かつ当該窒素含有化合物の分子量が100以上10万未満の範囲内であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルム。
6.前記光学機能層が、前記窒素含有化合物として、アミノ基を有する化合物を含有することを特徴とする第5項に記載のサーモクロミックフィルム。
7.第1項から第6項までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルムを構成要素として備えたことを特徴とするサーモクロミック複合体。
本発明の上記手段により、優れた耐久性を示すサーモクロミックフィルム及びそれを構成要素として備えたサーモクロミック複合体を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明のサーモクロミックフィルムの光学機能層には、二酸化バナジウム粒子とともにアミド基を有する樹脂バインダーが含有されている。アミド基を有する樹脂バインダーが、二酸化バナジウム粒子表面に吸着することによって、二酸化バナジウム粒子の凝集を抑制していると考えられる。
つまり、アミド基を有する樹脂バインダーが、二酸化バナジウムの分散状態を安定化させ、結果的に耐久性が優れたサーモクロミックフィルムを作製することができたと考えられる。
本発明のサーモクロミックフィルムの構成の一例を示す概略断面図 本発明のサーモクロミックフィルムの構成の他の一例を示す概略断面図
本発明のサーモクロミックフィルムは、基材上に、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムであって、前記光学機能層が、アミド基を有する樹脂バインダーを含有することを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
前記樹脂バインダーの分子量が、10万〜100万の範囲内であることにより、最適な粘度を得られる点で好ましい。
本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に発現させる観点から、前記樹脂バインダーが、ポリビニルアセトアミドを含有することが好ましい。
初期ヘイズが、0.1〜3%の範囲内であることが、透明性を向上させることができるため好ましい。
本発明の実施態様としては、前記光学機能層が、さらに、窒素含有化合物を含有し、かつ当該窒素含有化合物の分子量が100以上10万未満の範囲内であることが好ましい。
前記光学機能層が、前記窒素含有化合物として、アミノ基を有する化合物を含有することが、本発明の効果をより有効に発現させる観点から好ましい。
本発明のサーモクロミックフィルムは、当該サーモクロミックフィルムを構成要素として備えたサーモクロミック複合体に好適に用いることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、以下の説明において示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《サーモクロミックフィルム》
本発明のサーモクロミックフィルムは、基材上に、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムであって、光学機能層が、アミド基を有する樹脂バインダーを含有することを特徴とする。
本発明のサーモクロミックフィルムの代表的な構成例について、図を参照して説明する。
本発明のサーモクロミックフィルムの好ましい態様の一つは、透明基材上に、光学機能層が形成されている構成である。
図1は、本発明で規定する二酸化バナジウム粒子と樹脂バインダーを含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムの基本的な構成の一例を示す概略断面図である。
図1に示すサーモクロミックフィルム1は、透明基材2上に、光学機能層3を積層した構成を有している。この光学機能層3は、光学機能層に含有される樹脂バインダーB1中に、二酸化バナジウム粒子が分散された状態で存在している。この二酸化バナジウム粒子には、二酸化バナジウム粒子が独立して存在している二酸化バナジウムの一次粒子VOと、2個以上の二酸化バナジウム粒子の集合体(凝集体ともいう)を構成している、VOの二次粒子VOが存在している。本発明では、2個以上の二酸化バナジウム粒子の集合体を総括して二次粒子と称し、二次粒子凝集体、又は二次凝集粒子ともいう。
本発明においては、光学機能層3中におけるVO粒子の一次粒子VO及び二次粒子VOの全粒子による数平均粒子径が、500nm未満であることが好ましい。
光学機能層中におけるVO粒子の上記数平均粒子径は、下記の方法に従って求めることができる。
本発明のサーモクロミックフィルムの好ましい態様の他の一つは、光学機能層が樹脂基材を兼ねたハイブリッド構成である。
図2は、本発明のサーモクロミックフィルム1の基本的な構成の他の一例を示す概略断面図であり、図1で示した透明基材2と光学機能層3が積層され、さらに、透明基材2の光学機能層3が積層された側と反対側に近赤外光遮蔽層4が積層されて構成されている。このように、本発明のサーモクロミックフィルムにおいては、近赤外光遮蔽層4を有する構成としてもよい。近赤外光遮蔽層4としては、例えば、700〜1000nmの波長範囲内の光の少なくとも一部を遮蔽する機能を有する層を用いることができる。
また、サーモクロミックフィルム1の構成としては、透明基材2と光学機能層3を同一層で構成されているハイブリッド光学機能層(2+3)とし、透明基材を構成している樹脂として、光学機能層に含有される樹脂バインダーを用い、当該樹脂バインダー中に、VO粒子が上記VOの一次粒子VOと、二酸化バナジウム粒子の上記二次粒子VOが分散されて、単層で透明基材を兼ね備えた光学機能層を形成してもよい。
本発明のサーモクロミックフィルムの光学特性として、JIS R3106−1998で測定される可視光透過率としては、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。また、波長900〜1400nmの領域に反射率50%を超える領域を有することが好ましい。
〔サーモクロミックフィルムの各構成材料〕
以下、本発明のサーモクロミックフィルムの構成要素である光学機能層、必要により設ける樹脂基材、近赤外光遮蔽層の詳細について説明する。
〔光学機能層〕
本発明に係る光学機能層は、アミド基を有する樹脂バインダーを用いることを特徴とする。
〔二酸化バナジウム〕
本発明に係る二酸化バナジウムは、酸化バナジウムの一態様である。酸化バナジウムは自然界において様々な形態をとり、V、H 、HVO 、HVO 2−、VO 3−、VO2+、VO、V3+、V、V2+、V、V等の構造が挙げられる。それぞれの環境雰囲気によってその形態が変化し、一般的には酸性環境下であればV、還元環境下であればVが形成される。そのため、VOは比較的酸化・還元しやすく、周囲の環境によって結晶構造が変化する。
サーモクロミック性(自動調光性)を示すVOは単斜晶構造で発現するため、本発明で用いるVOは単斜晶である。
〔二酸化バナジウム粒子〕
本発明の二酸化バナジウム粒子の結晶形は、サーモクロミック性を効率よく発現させる観点から、ルチル型のVO粒子(以下、単に、VO粒子ともいう。)を用いることが好ましい。
ルチル型のVO粒子は、転移温度以下では、単斜晶系(monoclinic)の構造を有するため、M型とも呼ばれる。本発明に係る二酸化バナジウム粒子においては、目的を損なわない範囲で、A型、又はB型などの他の結晶型のVO粒子を含んでもよい。
本発明に係るVO粒子は、光学機能層中において一次粒子及び二次粒子の数平均粒子径が500nm未満で分散されて存在していることが好ましい。
粒子径の測定方法は種々の測定法を適用することができるが、動的光散乱法に従って測定することが好ましい。
本発明に係るVO粒子における一次粒子及び二次粒子の好ましい数平均粒子径は、500nm未満であるが、更に好ましくは1〜200nmの範囲内であり、より好ましくは、5〜100nmの範囲内であり、最も好ましくは5〜60nmの範囲内である。
また、VO粒子のアスペクト比としては、1.0〜3.0の範囲内であることが好ましい。
このような特徴をもつVO粒子では、アスペクト比が十分に小さく、形状が等方的であるので、溶液に添加した場合の分散性が良好である。加えて、単結晶の粒子径が十分に小さいので、従来の粒子に比べて、良好なサーモクロミック性を発揮することができる。
本発明に係るVO粒子では、VOの他に、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、フッ素(F)及びリン(P)からなる群から選定された、少なくとも一つの元素を含んでいても良い。このような元素の添加により、二酸化バナジウム粒子の相転移特性(特に、調光温度)を制御することが可能となる。なお、最終的に得られる二酸化バナジウム粒子に対する、そのような添加物の総量は、バナジウム(V)原子に対して、0.1〜5.0原子%程度で十分である。
〔樹脂バインダー〕
光学機能層に用いられる樹脂バインダーとしては、アミド基を有する樹脂バインダーを用いることを特徴とする。
アミド基を有する樹脂バインダーとしては、例えば、ポリビニルアセトアミド、ポリアクリルアミドやアミド基を有するモノマーが挙げられる。他種類のモノマーとの共重合した物も使用可能で、アクリル酸やポリビニルアルコール等のモノマーと共重合することも可能である。
ポリビニルアセトアミド、ポリアクリルアミドは、分子量が高い方が膜の伸びや破断物性が良好であり、乾燥時の吹かれに対する耐性が高いことから、10万以上100万以下であることが好ましい。好適な例としては、GE191−103(昭和電工社製)が挙げられる。
樹脂バインダーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子量(Mw)で、以下のようにして測定される値である。すなわち、装置「HLC−8120GPC」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZ−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/minで流し、測定試料(非結晶性樹脂)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒とともに装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
アミド基を有するモノマーとしては、アミド基を含んでいれば使用することができるが、例として、N−ビニルアセトアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸、N−t−ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。
〔溶剤系バインダー〕
上記の樹脂バインダーに加えて溶剤系バインダーを添加することも好ましい。溶剤系バインダーとしては、溶剤に溶解する種々の樹脂を用いることができるが、熱硬化性樹脂や活性エネルギー線硬化樹脂も使用することができる。これらの樹脂は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。また、市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。
活性エネルギー線硬化樹脂とは、紫外線や電子線のような活性エネルギー線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。活性エネルギー線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性エネルギー線を照射することによって硬化させて活性エネルギー線硬化樹脂層が形成される。活性エネルギー線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、紫外線照射によって硬化する紫外線硬化性樹脂が好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化性ウレタンアクリレート系樹脂が好ましく用いられる。中でも紫外線硬化性アクリレート系樹脂が好ましい。
紫外線硬化性アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、又はプレポリマーを反応させて得られた生成物にさらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する。)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシ基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号公報に記載の、ユニディック17−806(DIC(株)製)100部とコロネートL(東ソー(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
〔窒素含有化合物〕
光学機能層には、分子量が100以上10万未満の範囲内の窒素含有化合物が含有されていることが好ましい。
窒素含有化合物としては、上記のような分子量の範囲内であればいかなる窒素含有化合物を用いてもよく、窒素原子が吸着性に寄与することが好ましい。
窒素含有化合物としては、例えば、アミノ基、イミド基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、アミド基等の置換基を有する化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、イミダゾール系化合物等が例示される。
また、窒素含有化合物の含有量は、サーモクロミックフィルムが良好なサーモクロミック性を得る観点から、光学機能層の全質量に対して、1〜30質量%の範囲内であることが好ましい。
窒素含有化合物は、二酸化バナジウム粒子の表面に吸着する吸着基として、カチオン性基を少なくとも一つ以上有していることが好ましい。カチオン性基は、二酸化バナジウム粒子の表面に吸着しやすく、窒素含有化合物と、二酸化バナジウムとを極めて相互作用させやすくなる。カチオン性基とは、カチオン基又はカチオン基に誘導され得る基をいい、例えば、アミノ基(−NH)、メチルアミノ基やエチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基やジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、イミノ基、グアニジノ基、イミド基等が挙げられる。なお、アミノ基は、プロトンが配位結合した(−NH )であってもよい。また窒素原子含有シランカップリング剤も好適に使用することができ、ジアミンシランカップリング剤やジイソシアネート基含有シランカップリング剤を使用することができる。市販品としては、例えばKBM−603やKBE−903(信越化学工業社製)等を用いることができる。
アミノ基を有する化合物としては、多価アミン類を用いることが好ましく、例えば、ジアミンとして、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン、4,4′−ジフェニルメタンジアミン、ジアミノエタン、1,2−又は1,3−ジアミノプロパン、1,2−又は1,3−又は1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、N,N′−ビス−(2−アミノエチル)ピペラジン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−ブチルシクロヘキシル)メタン、1,2−、1,3−及び1,4−ジアミノシクロヘキサン、ノルボルネンジアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジン等を単独又は2種以上併用して使用できる。また、ポリアミン系化合物として、ポリエチレンイミン等を使用でき、市販品としては、例えば、エポミンSP−012(株式会社日本触媒製)等を用いることができる。
上記の中でも、吸着基はアミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基であることが好ましい。さらに、窒素含有化合物の入手容易性等を考慮すると、窒素含有化合物は、アミノ基を有するものであることがより好ましい。
本発明でいう、カルボジイミドとは、分子内にカルボジイミド構造を複数個有する化合物(以下「カルボジイミド系化合物」ともいう。)が含まれる。カルボジイミド系化合物としては、分子内に複数のカルボジイミド基を有する化合物であれば、特に制限なく使用することができる。
ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成される。ここで分子内にカルボジイミド構造を複数有する化合物の合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、又はそれらの混合系も使用可能であるが、反応性の観点から脂肪族系が特に好ましい。
合成原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が使用される。有機イソシアネートの例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、及び、それらの混合物が使用可能である。
具体的には、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等が用いられ、また、有機モノイソシアネートとしては、イソホロンイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が使用される。
また、本発明に用いるカルボジイミド系化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2、V−02、V−04(日清紡ケミカル(株)製)などが市販品として入手可能である。
さらに、本発明において好ましく用いられるベンゾイミダゾール系化合物としては、例えば、ベンゾイミダゾール、5−メチルベンゾイミダゾール、2−アミノベンゾイミダゾール、5,6−ジメチルベンゾイミダゾール、1−メチルベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、2−(メチルチオ)ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、5−ベンゾイミダゾールカルボン酸、5−アミノ−2−メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。中でも、5−アミノ−2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、5−メチルベンゾイミダゾールなどが好ましい。
上記ベンゾイミダゾール系化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、窒素含有化合物として用いられるイミダゾール系化合物は、イミダゾール骨格を有する化合物である。
本発明において好ましく用いられるイミダゾール系化合物としては、例えば、1−メチルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1−メチル−4−フェニルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−アミノイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−イミダゾールカルボン酸等が挙げられる。中でも、1−メチルイミダゾール、2−アミノイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−イミダゾールカルボン酸などが好ましい。
上記イミダゾール系化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミド基を有する材料として、低分子量のポリアクリルアミドやポリアセトアミドが挙げられる。これらは低分子量であるため、塗膜のバインダーとしては成り立たないが、微粒子に吸着し、分散性や安定性を向上させることができる。
〔光学機能層のその他の添加剤〕
本発明に用いられる光学機能層に、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で適用可能な各種の添加剤を、以下に列挙する。例えば、特開昭57−74193号公報、特開昭57−87988号公報、及び特開昭62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、特開昭57−87989号公報、特開昭60−72785号公報、特開昭61−146591号公報、特開平1−95091号公報、及び特開平3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオン又はノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、特開昭59−52689号公報、特開昭62−280069号公報、特開昭61−242871号公報、及び特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、防黴剤、帯電防止剤、マット剤、熱安定剤、酸化防止剤、難燃剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、滑剤、赤外線吸収剤、色素、顔料等の公知の各種添加剤などが挙げられる。
(二酸化バナジウム粒子水系分散液の製造方法)
一般に、二酸化バナジウム粒子の合成方法は、固相法により合成されたVO焼結体を粉砕する方法と、五酸化二バナジウム(V)を原料として、液相でVOを合成しながら粒子成長させる水系合成法が挙げられる。
本発明においては、いずれの方法で作製されたVOでも適用することができる。いずれかの方法で作製したVOに分散剤を添加し、水系又は溶剤系にて分散液として調製する。
分散剤の添加量は、0.1〜1.0質量%の範囲内であることが好ましい。
水系の場合の分散剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルアミン、エチレンジアミン、4級アンモニウム塩のような低分子の分散剤の他に、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレンラウリル酸エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、シランカップリング剤等が挙げられ、特に、ポリビニルピロリドン又はセルロース樹脂であることが好ましい。
有機溶剤系の分散剤としては、アルキルアミン、シランカップリング剤、リン酸系等一般的に使用されている有機系分散剤を用いることができる。
そして、これらの分散剤を用いれば分散液中のVO粒子を乾燥させることなく、実施例に記載のように、光学機能層形成用塗布液を調製することができる。
この状態の光学機能層形成用塗布液を用いて、光学機能層を形成することにより、一次粒子及び二次粒子の数平均粒子径が500nm未満である好ましい数平均粒子径のVO粒子を含有する光学機能層を形成することができる。
また、VO粒子の製造方法として、必要に応じて、粒子成長の核となる微小なTiO等の粒子を核粒子として添加し、その核粒子を成長させることによりVO粒子を製造することもできる。
なお、樹脂バインダーとして水溶性樹脂バインダーを使用する場合、上述のVO粒子を含む水系分散液として調製したあと、水系分散液中のVO粒子を乾燥させることなく、VO粒子が離間している分散状態で水溶性樹脂バインダー溶液と混合して、光学機能層形成用塗布液を調製することが好ましい。
次いで、本発明に好適な水熱法によるVO粒子の製造方法について、その詳細をさらに説明する。
以下に、代表的な水熱法によるVO粒子の製造工程を示す。
(工程1)
バナジウム(V)を含む物質(I)と、ヒドラジン(N)又はその水和物(N・nHO)と、水とを混ぜて溶液(A)を調製する。この溶液(A)は、物質(I)が水中に溶解した水溶液であっても良いし、物質(I)が水中に分散した懸濁液であっても良い。
物質(I)としては、例えば、五酸化二バナジウム(V)、バナジン酸アンモニウム(NHVO)、三塩化酸化バナジウム(VOCl)、メタバナジン酸ナトリウム(NaVO)等が挙げられる。なお、物質(I)としては、五価のバナジウム(V)を含む化合物であれば、特に限定されない。ヒドラジン(N)及びその水和物(N・nHO)は、物質(I)の還元剤として機能するものであって、水に容易に溶解する性質を有する。
溶液(A)は、最終的に得られる二酸化バナジウム(VO)の単結晶粒子に元素を添加するため、添加する元素を含む物質(II)を更に含有していてもよい。添加する元素としては、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、スズ(Sn)、レニウム(Re)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、ルテニウム(Ru)、ゲルマニウム(Ge)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)、フッ素(F)又はリン(P)が挙げられる。
これらの元素を、最終的に得られる二酸化バナジウム(VO)の単結晶粒子に添加することにより、二酸化バナジウム粒子のサーモクロミック性、特に、転移温度を制御することができる。
また、この溶液(A)は、酸化性又は還元性を有する物質(III)を更に含有していてもよい。物質(III)としては、例えば、過酸化水素(H)が挙げられる。酸化性又は還元性を有する物質(III)を添加することにより、溶液のpHを調整したり、物質(I)であるバナジウム(V)を含む物質を均一に溶解させたりすることができる。
(工程2)
次に、調製した溶液(A)を用いて、水熱反応処理を行う。ここで、「水熱反応」とは、温度と圧力が、水の臨界点(374℃、22MPa)よりも低い熱水(亜臨界水)中において生じる化学反応を意味する。水熱反応処理は、例えば、オートクレーブ装置内で行われる。水熱反応処理により、二酸化バナジウム(VO)含有の単結晶粒子が得られる。
水熱反応処理の条件(例えば、反応物の量、処理温度、処理圧力、処理時間等。)は、適宜設定されるが、水熱反応処理の温度は、例えば、250〜350℃の範囲内であり、好ましくは250〜300℃の範囲内であり、より好ましくは250〜280℃の範囲内である。温度を低くすることにより、得られる単結晶粒子の粒子径を小さくすることができるが、過度に粒子径が小さいと、結晶性が低くなる。また、水熱反応処理の時間は、例えば1時間〜5日の範囲内であることが好ましい。時間を長くすることにより、得られる単結晶粒子の粒子径等を制御することができるが、過度に長い処理時間では、エネルギー消費量が多くなる。
(工程3)
必要に応じて、得られた二酸化バナジウム粒子の表面に、樹脂によるコーティング処理又は表面改質処理を行っても良い。これにより、二酸化バナジウム粒子の表面が保護され、表面改質された単結晶粒子を得ることができる。本発明では、その中でも、二酸化バナジウム粒子の表面をガラス転移温度が65℃以下である、本発明に係る樹脂バインダーで被覆されていることが好ましい態様である。
なお、本発明でいう「被覆」とは、二酸化バナジウム粒子に対し、当該樹脂により粒子全面が完全に覆われている状態であってもよいし、粒子表面の一部が樹脂により覆われている状態であってもよい。好ましくは、当該粒子表面の全面積の50%以上が被覆されている状態がよく、80%以上被覆されている状態がより好ましい。
以上の工程1〜工程3を経て、サーモクロミック性を有するVO含有の単結晶粒子を含む分散液が得られる。
〔VOの粉砕方法〕
VOを微粒子化する方法は種々の方法があるが、ビーズミル、超音波破砕、高圧ホモジナイザー等種々の方法があり、いずれの方法を用いてもVO粒子を作製することができる。
ビーズミルでは、種々のビーズを用いることができるが、硬度、価格の観点からジルコニアビーズを利用するのが好ましい。
〔二酸化バナジウム粒子水系分散液中の不純物の除去処理〕
上記水系合成法により調製された二酸化バナジウム粒子の分散液中には、合成過程で生じた残渣などの不純物が含まれている。光学機能層を形成する際に、これらの不純物が二次凝集粒子発生のきっかけとなり、光学機能層の長期保存での劣化要因となることがあるため、分散液の段階で不純物を除去することが好ましい。
二酸化バナジウム粒子水系分散液中の不純物を除去する方法としては、従来公知の異物や不純物を分離する手段を適用することができ、例えば、VO粒子水系分散液に遠心分離を施し、二酸化バナジウム粒子を沈殿させ、上澄み中の不純物を除去し、再び分散媒を添加、分散する方法でも良いし、限外濾過膜などの交換膜を用いて不純物を系外へ除去する方法でも良いが、二酸化バナジウム粒子の凝集を防止する観点からは、限外濾過膜を用いる方法が最も好ましい。
限外ろ過膜の材質としては、セルロース系、ポリエーテルスルホン系、ポリテトラフルオロエチレン(略称:PTFE)などを挙げることができ、その中でも、ポリエーテルスルホン系、PTFEを用いることが好ましい。
〔光学機能層の形成方法〕
上記光学機能層の形成に用いる湿式塗布方式としては、特に制限されず、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、スライド型カーテン塗布法、又は米国特許第2761419号明細書、米国特許第2761791号明細書などに記載のスライドホッパー塗布法、エクストルージョンコート法などが挙げられる。
〔基材〕
本発明に適用可能な基材(透明基材)としては、透明であれば特に制限はなく、ガラス、石英、透明樹脂フィルム等を挙げることができるが、可撓性の付与及び生産適性(製造工程適性)の観点からは、透明樹脂フィルムであることが好ましい。本発明でいう「透明」とは、可視光領域における平均光線透過率が50%以上であることをいい、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上である。
透明基材の厚さは、30〜200μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは30〜100μmの範囲内であり、更に好ましくは35〜70μmでの範囲内である。透明基材の厚さが30μm以上であれば、取り扱い中にシワ等が発生しにくくなり、また厚さが200μm以下であれば、例えば合わせガラスを作製する場合、ガラス基材と貼り合わせる際のガラス曲面への追従性がよくなる。
透明基材は、二軸配向ポリエステルフィルムであることが好ましいが、未延伸又は少なくとも一方に延伸されたポリエステルフィルムを用いることもできる。強度向上、熱膨張抑制の点から延伸フィルムが好ましい。特に、本発明のサーモクロミックフィルムを具備した合わせガラスを、自動車のフロントガラスとして用いる場合には、延伸フィルムがより好ましい。
透明基材は、サーモクロミックフィルムのシワの生成や赤外線反射層の割れを防止する観点から、温度150℃において、熱収縮率が0.1〜3.0%の範囲内であることが好ましく、1.5〜3.0%の範囲内であることがより好ましく、1.9〜2.7%の範囲内であることがさらに好ましい。
本発明のサーモクロミックフィルムに適用可能な透明基材としては、透明であれば特に制限されることはないが、種々の樹脂フィルムを用いることが好ましく、例えば、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリ塩化ビニル、トリアセチルセルロースフィルム等を用いることができ、好ましくはポリエステルフィルム、トリアセチルセルロースフィルムである。
ポリエステルフィルム(以降、単にポリエステルと称す。)としては、特に限定されるものではないが、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分とするフィルム形成性を有するポリエステルであることが好ましい。主要な構成成分のジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることができる。また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。これらを主要な構成成分とするポリエステルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸や2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エチレングリコールや1,4−シクロヘキサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートを主要な構成成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、及びこれらのポリエステルの2種以上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
透明基材として透明樹脂フィルムを用いる場合、取り扱いを容易にするために、透明性を損なわない範囲内で粒子を含有させてもよい。本発明で用いる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子や、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。また、粒子を添加する方法としては、原料とするポリエステル中に粒子を含有させて添加する方法、押出機に直接添加する方法等を挙げることができ、このうちいずれか一方の方法を採用してもよく、二つの方法を併用してもよい。本発明では必要に応じて上記粒子の他にも添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤などが挙げられる。
また、透明樹脂フィルムは、寸法安定性の点で弛緩処理、オフライン熱処理を行ってもよい。弛緩処理は前記ポリエステルフィルムの延伸成膜工程中の熱固定した後、横延伸のテンター内、又はテンターを出た後の巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩処理は処理温度が80〜200℃の範囲内で行われることが好ましく、より好ましくは処理温度が100〜180℃の範囲内である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が0.1〜10%の範囲内で行われることが好ましく、より好ましくは弛緩率が2〜6%の範囲内で処理されることである。弛緩処理された基材は、オフライン熱処理を施すことにより耐熱性が向上し、さらに、寸法安定性が良好になる。
透明樹脂フィルムは、成膜過程で片面又は両面にインラインで下引層塗布液を塗布することが好ましい。本発明においては、成膜工程中での下引塗布をインライン下引という。
〔近赤外光遮蔽層〕
本発明のサーモクロミックフィルムにおいては、光学機能層に加え、700〜1000nmの範囲内の光波長範囲内の少なくとも一部を遮蔽する機能を有する近赤外光遮蔽層を設ける構成とすることもできる。
本発明に適用可能な近赤外光遮蔽層の詳細については、例えば、特開2012−131130号公報、特開2012−139948号公報、特開2012−185342号公報、特開2013−080178号公報、特開2014−089347号公報等に記載されている構成要素及び形成方法等を参考にすることができる。
《サーモクロミック複合体》
本発明のサーモクロミックフィルムの用途としては、サーモクロミックフィルムを構成要素として備えているサーモクロミック複合体として使用することができる。例えば、1対のガラス構成部材で挟持させて、合わせガラスを構成することができ、この合わせガラスは、自動車、鉄道車両、航空機、船舶及び建築物等に使用できる。合わせガラスは、これらの用途以外にも使用できる。上記合わせガラスは、建築用又は車両用の合わせガラスであることが好ましい。上記合わせガラスは、自動車のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス又はルーフガラス等に使用できる。
ガラス部材としては、無機ガラス及び有機ガラス(樹脂グレージング)が挙げられる。無機ガラスとしては、フロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、及び、グリーンガラス等の着色ガラス等が挙げられる。上記有機ガラスは、無機ガラスに代用される合成樹脂ガラスである。上記有機ガラス(樹脂グレージング)としては、ポリカーボネート板及びポリ(メタ)アクリル樹脂板等が挙げられる。上記ポリ(メタ)アクリル樹脂板としては、ポリメチル(メタ)アクリレート板等が挙げられる。本発明においては、外部から衝撃が加わって破損した際の安全性の観点からは、無機ガラスであることが好ましい。
また、ガラス以外にも適用することができ、ガラスを含めたサーモクロミックフィルムの支持体全般とサーモクロミックフィルムから構成されているサーモクロミック複合体とすることもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
《サーモクロミックフィルムの作製》
〔サーモクロミックフィルム1の作製〕
(VO粒子水系分散液1の調製)
純水425mLに、二酸化バナジウム粒子(VO、新興化学社製)74.9g混合し、ビーズミル用の300μmのジルコニアビーズを200g使用し、Apexミル(寿工業社製)を用い、粉砕を行った。粉砕後の粒子に対して標準酸化還元電位を330mV、25℃におけるpHが6.5になるようにアンモニア水を添加し、VO粒子水系分散液1を調製した。
(光学機能層形成用塗布液の調製)
下記の各構成材料を順次添加、混合及び溶解し、固形分3質量%になるように水で希釈し、水系の光学機能層形成用塗布液1を調製した。
VO粒子水系分散液(溶媒:水) 9.3質量%
樹脂バインダー(GE191−103、昭和電工社製、分子量900000)
90.7質量%
(光学機能層の形成)
厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ製U40、両面易接着層)の透明基材上に、押出コーターを用いて、上記調製した光学機能層形成用塗布液1を、乾燥後の層厚が1.5μmとなる条件で湿式塗布を行い、次いで90℃の温風を1分間吹きつけて乾燥させて、光学機能層を形成して、サーモクロミックフィルム1を作製した。
〔サーモクロミックフィルム2の作製〕
サーモクロミックフィルム1において、GE191−103の代わりにGE191−104(ポリ−N−ビニルアセトアミド、昭和電工社製、分子量300000)を添加した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム2を作製した。
〔サーモクロミックフィルム3の作製〕
サーモクロミックフィルム1において、GE191−103の代わりにGE191−107(ポリ−N−ビニルアセトアミド、昭和電工社製、分子量80000)を添加した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム3を作製した。
〔サーモクロミックフィルム4の作製〕
サーモクロミックフィルム1において、GE191−103の代わりにポリマセット305(ポリアクリルアミド、荒川化学工業社製、分子量200000)を添加した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム4を作製した。
〔サーモクロミックフィルム5の作製〕
サーモクロミックフィルム1において、KBM−603(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製、分子量222)を5.0質量%添加し、樹脂バインダーの添加量を85.7質量%に変更した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム5を作製した。
〔サーモクロミックフィルム6の作製〕
サーモクロミックフィルム5において、KBM−603の代わりにKBE−903(3−アミノプロピルトリエトキシシラン、信越化学工業社製、分子量221)を5.0質量%添加した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム6を作製した。
〔サーモクロミックフィルム7の作製〕
サーモクロミックフィルム5において、KBM−603の代わりにV−02−L2(日清紡ケミカル社製、分子量3000)を5.0質量%添加した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム7を作製した。
〔サーモクロミックフィルム8の作製〕
サーモクロミックフィルム5において、KBM−603の代わりにGE191−108(昭和電工社製、分子量30000)を5.0質量%添加した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム8を作製した。
〔サーモクロミックフィルム9の作製〕
サーモクロミックフィルム5において、KBM−603の代わりにGE191−107を5.0質量%添加した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム9を作製した。
〔サーモクロミックフィルム10の作製〕
サーモクロミックフィルム5において、KBM−603の代わりにGE191−104を5質量%添加した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム10を作製した。
〔サーモクロミックフィルム11の作製〕
サーモクロミックフィルム1において、GE191−103の代わりに60SH−50(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、信越化学工業社製)を使用した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム11を作製した。
〔サーモクロミックフィルム12の作製〕
サーモクロミックフィルム11において、60SH−50の代わりにアロンA−10H(東亞合成社製、アクリル酸樹脂)を使用した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム12を作製した。
〔サーモクロミックフィルム13の作製〕
サーモクロミックフィルム11において、60SH−50の代わりにUW−1005−E(宇部興産社製、ポリウレタンディスパージョン)を82.5%及びアロンA−10Hを8.2質量%使用した以外は同様に作製し、サーモクロミックフィルム13を作製した。
《サーモクロミック複合体の作製》
上記作製した各サーモクロミックフィルムを、厚さ1.3mmのガラス板(松浪硝子工業社製、「スライドガラス白縁磨」)のサイズ15cm×20cmに透明粘着シート(日東電工社製、LUCIACS CS9621T)を用いて貼り合わせてサーモクロミック複合体を上記作製した各サーモクロミックフィルムを用いて作製した。
《膜外観評価》
VO塗行面の外観を目視で評価し、問題なければ○、筋やムラが目立つ場合はコメントを記入した。
《ヘイズ》
NDH7000(日本電色工業社製)を用い、光学機能層形成面から光を入射させ、その時の光のヘイズ値(初期ヘイズ)を測定した。
《密着性》
VO塗行面に対して、カッターで碁盤目状に100マスの切り込みを入れ、テープを貼り、剥離後の光学機能層の密着性を評価した。膜(光学機能層)が光学フィルムから全く剥がれなければ○、一部が剥がれれば△、全てが剥がれて膜が残らなければ×と評価した。
《耐久性(湿熱耐性)評価》
加温測定装置を用い、各サーモクロミック複合体を85℃・85%RH環境下で5日間静置し、その時のヘイズと密着性を評価した。
Figure 2017126224
Figure 2017126224
<評価結果>
表2の結果から分かるように、本発明のサーモクロミックフィルムは、85℃・85%RH環境下で5日間静置後において、ヘイズ及び密着性に優れており、優れた耐久性を示すサーモクロミックフィルムであることが分かった。
サーモクロミックフィルム11〜12(比較例)では、初期ヘイズが大きい。これは樹脂バインダーとVOとの吸着力が弱いために、塗布乾燥中に粒子同士が凝集したと考えられる。また、サーモクロミックフィルム13では、塗布液の粘度がないため、膜面にムラが観察される上、湿熱試験後のヘイズ値が大きいという問題があることが分かった。
一方、本発明においては、初期ヘイズが全般的に小さいことが特徴として挙げられ、アミド基を有する樹脂バインダーがVOの凝集を抑制したと考えられる。また、分子量が10万以上の樹脂バインダーを用いているものは粘度が高いため、塗膜外観が良好になったものと考えられる。これらに本発明に係る窒素含有化合物を添加すれば、湿熱耐性が著しく向上することも分かった。
以上の結果より、本発明に記載された方法を用いることにより、優れたサーモクロミック性及び優れた耐久性を示す、二酸化バナジウム粒子を含有するサーモクロミックフィルム及びそれを構成要素として備えたサーモクロミック複合体を作製できたことを確認できた。
本発明のサーモクロミックフィルムは、冷暖房設備への負荷を低減することができるため、省エネルギー対策として建物や移動体の窓ガラス等に好適に利用できる。
1 サーモクロミックフィルム
2 透明基材(基材)
3 光学機能層
4 近赤外光遮蔽層
B1 樹脂バインダー
VO 一次粒子
VO 二次粒子

Claims (7)

  1. 基材上に、少なくともサーモクロミック性を示す二酸化バナジウム粒子を含有する光学機能層を有するサーモクロミックフィルムであって、
    前記光学機能層が、アミド基を有する樹脂バインダーを含有することを特徴とするサーモクロミックフィルム。
  2. 前記樹脂バインダーの分子量が、10万〜100万の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のサーモクロミックフィルム。
  3. 前記樹脂バインダーが、ポリビニルアセトアミドを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサーモクロミックフィルム。
  4. 初期ヘイズが、0.1〜3%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルム。
  5. 前記光学機能層が、さらに、窒素含有化合物を含有し、かつ当該窒素含有化合物の分子量が100以上10万未満の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルム。
  6. 前記光学機能層が、前記窒素含有化合物として、アミノ基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項5に記載のサーモクロミックフィルム。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のサーモクロミックフィルムを構成要素として備えたことを特徴とするサーモクロミック複合体。
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