JPWO2017109913A1 - ドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組 - Google Patents

ドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組 Download PDF

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Abstract

【課題】多数の食鳥のドラムスティック等に対して、燻煙・燻蒸等の処理をするにあたり、より多くのドラムスティック等をより効率よく処理するためのドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックを提供すること。【解決手段】ラック10のフレームに水平方向に架け渡してラック内に設置可能な棒状体2と、ドラムスティック等20を保持して懸垂させる複数の保持部3と、を備え、保持部3は、一対のフック部を備え、一対のフック部は、少なくとも一方のフック部がドラムスティック等20の皮又は肉部に突き刺し可能に構成され、かつ、一対のフック部の互いの間隔は、少なくとも一部がドラムスティック等20の踵側の骨の関節の膨張部の幅よりも小に構成されることにより、ドラムスティック等20を懸垂する。【選択図】図2

Description

本発明は、多数の食鳥のドラムスティックに対して、燻煙・燻蒸等の処理をするにあたり、より多くのドラムスティックをより効率よく処理するためのドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックに関する。
市場においては、鶏、合鴨、七面鳥といった食鳥のドラムスティックが燻製にされた状態で流通している。また、ドラムスティックに上腿部分が付いた状態のチキンレッグもやはり、燻製にされた状態で流通している。以下、ドラムスティック及びチキンレッグをまとめてドラムスティック等と称する。
このドラムスティック等を燻製にするための工場規模での燻煙・燻蒸処理については、従来、以下のようなラックにドラムスティック等を載置して行われてきた。図7は、従来の処理用のラックを示す図であり、(a)は従来の処理用のラックにチキンレッグを載置した状態を示す斜視図であり、(b)はラックに載置したチキンレッグを示す断面説明図である。
図7(a)に示すように、従来のドラムスティック等の処理用のラック110は、下端に移動可能なように車輪の付いた4本の主支柱111と、横桟により4本の主支柱111を連結し、横桟により囲まれたスペースに網部112aを配置することで載置部112が上下に複数段、形成されている。
この場合、図7(b)にも示すように、不織布等で構成された合成紙の敷紙113を敷き、その上部にドラムスティック等(図7においてはチキンレッグ20)を並べて、燻煙・燻蒸等の雰囲気下に置くことで工場規模の処理を行ってきた。
この敷紙113は、燻煙・燻蒸処理の際、網部112aにドラムスティック等の肉が食い込み、それら処理の後、ドラムスティック等を取り出す際に熱変性した皮・肉の一部が網部112aに固着して残り、ドラムスティック等の表面部分がちぎれることに起因する不良品発生防止のために用いられるものである。
また、ドラムスティック等をオーブン又はグリル内でローストや、燻煙等する技術として、以下の懸垂具が提案されている。即ち、その懸垂具は、セルロース材料等で構成された帯状の懸垂具であって、一端側がドラムスティック等に巻き回されて、ドラムスティック等を外部から支持している。
また、懸垂具の他端側は、オーブン・グリルの内部のラックのバー又はリングに懸垂具及び懸垂具に支持されたドラムスティック等を懸垂させるべく、鉤状に構成されており、これにより、ドラムスティック等をオーブン内で懸垂させてロースト等の処理を可能としている(特許文献1乃至特許文献3)。
特表2014−516555号公報 特表2014−516556号公報 特表2014−521396号公報
図7(a)に示すように、従来のラックはドラムスティック等を水平方向に並べて載置しており、そのため載置用のネットの上に敷紙を敷き、その上にドラムスティック等を並べていたが、ドラムスティック等の敷紙側の部分については、燻煙・燻蒸等の処理に時間がかかり、工場規模での大量生産の要請から載置されたドラムスティック等を裏返す等の処置も困難であるから、載置されたドラムスティック等の敷紙側まで処理が完了するには非常に長い時間を要するとともに、載置されたドラムスティック等の敷紙側とそれ以外の部分とで処理のムラが生じてしまっていた。
また、図7に示すように、従来のラックはドラムスティック等を水平方向に並べて載置しており、そのため載置用のネットの上に敷紙を敷き、その上にドラムスティック等を並べていたが、図7(b)に示すように、ドラムスティックの敷紙側の部分については、燻煙・燻蒸等の処理により肉汁がドラムスティック等の内部から溢れ出し、燻煙・燻蒸等の熱により、肉汁が、肉汁内のたんぱく質の熱変性により敷紙とドラムスティック等の間で凝固してしまい(図7(b)におけるゼラチン状の肉汁115)、燻煙・燻蒸等の処理の妨げとなるとともに、ゼラチン状に固まった肉汁をドラムスティックから除去する作業が生じてしまっていた。
また、ドラムスティック等を水平方向に多数並べて載置していた従来技術では、載置されたドラムスティック等自体が垂直方向の気体の流れを遮ってしまい、燻煙・燻蒸等の処理に時間を要しており、効率的な処理が望まれている。
また、従来のラックは、ラック自体にドラムスティック等を載置して並べる必要があり、ドラムスティック等をひとつひとつラックに載置するのは、ラックの奥まった部分を含め労力を伴うものであった。
また、従来はドラムスティック等を水平方向に並べてラックの網部に載置しており、ドラムスティック等の皮・肉が網部に固着してしまうことを防止するべく、網部の上に敷紙を敷き、その上にドラムスティック等を並べていたが、ドラムスティック等の敷紙との接触部分については、敷紙を用いた場合であっても、敷紙と接触する食鳥の皮・肉が敷紙自体に張り付いて剥がれてしまうことがあった。
また、特許文献1乃至特許文献3に示す従来の懸垂具は、ここのドラムスティック等に巻き回し、かつ、ラックのバーや、リングに懸垂具を設置する必要があり、ドラムスティックを懸垂状態とするための工数が多く、大量生産には不向きであり、工場規模での実施は困難であった。
上記目的達成のため、本発明のドラムスティック懸垂具は、大きさが概ね等しい多数の食鳥のドラムスティックを所望の雰囲気下に設置するためのラックに用いるドラムスティック懸垂具であって、当該ドラムスティック懸垂具は、前記ラックのフレームに水平方向に架け渡してラック内に設置可能な棒状体と、当該棒状体の側方において、当該棒状体の軸方向に対して直交方向に延伸し、前記ドラムスティックを保持して懸垂させる複数の保持部と、を備え、前記保持部は、一対のフック部を備え、かつ、前記棒状体の側面において所定の間隔を空けて櫛歯状に配され、前記一対のフック部は、少なくとも一方の前記フック部が前記ドラムスティックの皮又は肉部に突き刺し可能に構成され、かつ、前記一対のフック部の互いの間隔は、少なくとも一部が前記ドラムスティックの踵側の骨の関節の膨張部の幅よりも小に構成されて、前記膨張部を前記一対のフック部により前記ドラムスティックの両側より支持して当該ドラムスティックを膝側が下方になるように懸垂可能であることを特徴とする。
また、本発明における前記一対のフック部は互いに平行に配されていることを特徴とする。
また、本発明における前記一対のフック部は、前記棒状体から離れるに従い互いの距離が漸次大きくなるように配されていることを特徴とする。
また、本発明における前記一対のフック部は前記棒状体から当該棒状体の軸方向に対して直交方向で複数の方向に延伸して配されることを特徴とする。
また、本発明における前記棒状体の端部近傍には、前記ドラムスティック懸垂具の回動を防止する回動防止片が固定され、当該回動防止片は、前記棒状体に直交するように当該棒状体に固定される棒状の部材であって、前記回動防止部材が前記ラックフレームに接触することにより、前記ドラムスティック懸垂後の回動が防止されることを特徴とする。
また、本発明における前記ドラムスティックには、上腿部が付いていることを特徴とする。
また、本発明における前記食鳥は鶏であることを特徴とする。
また、本発明における前記所望の雰囲気下は、加熱処理、冷却処理、蒸気処理、燻蒸処理、燻煙処理又は乾燥処理下の雰囲気であることを特徴とする。
また、本発明におけるラックについて、前記フレームは、前記ドラムスティック懸垂具を垂直方向に複数、かつ、水平方向に複数整列させて設置可能であることを特徴とする。
また、本発明におけるラックについて、前記フレームは、前記ドラムスティック懸垂具を設置する箇所を位置決め可能なガイド部を備えることを特徴とする。
また、本発明の前記ラックは、底部に車輪を備えて移動可能であることを特徴とする。
本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、ドラムスティック等を懸垂状態で各種処理が可能であるため、水平方向に並べてドラムスティック等を載置して処理する場合に比べて格段に多くのドラムスティック等の処理が可能となる。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、ドラムスティック等を懸垂して処理可能であるため、載置されたドラムスティック等の敷紙側とそれ以外の部分との処理のムラの発生を防止することが可能であるとともに、このムラの存在をも考慮して処理を施す必要がないため、処理時間も短縮される。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、ドラムスティック等を懸垂状態で燻煙・燻蒸等の各種処理が可能であるため、肉汁は下方に滴り落ちていくため、肉汁がドラムスティック等にまとわりついてゼラチン状に凝固することもなく、ドラムスティック等が懸垂状態であることとも相まって、ドラムスティック等の表面すべてをまんべんなく燻煙・燻蒸等の各種処理が可能である。
そのため、ドラムスティック等の表面からゼラチン状に凝固した肉汁を除去する作業も行う必要がなく、工数を減らすことが可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、ドラムスティック等が懸垂状態となっているため、気体の流れを遮ることがなく、効率的な処理が可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、ドラムスティック懸垂具が、棒状体と、棒状体の側面において所定の間隔を空けて櫛歯状に配された保持部のみで構成されるため、ドラムスティック懸垂具自体も気体の流れを遮ることがなく、効率よくドラムスティック等の処理が可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、一対のフック部は、少なくとも一方のフック部がドラムスティック等の皮及びその内部の肉部に突き刺し可能に構成され、かつ、一対のフック部の互いの間隔が、少なくとも一部がドラムスティック等の踵側の関節の膨張部の骨幅よりも小に構成されることにより、ドラムスティック等を骨とその周囲の肉部の両面から保持可能であるため、強固に保持して懸垂可能である。
そのため、結果的にドラムスティック等の踵側の膨張部を2つのフック部によりドラムスティック等の両側より保持してドラムスティック等を膝側が下方になるように懸垂可能であり、かつ、一対のフック部の互いの間隔が、少なくとも一部がドラムスティック等の踵側関節の膨張部の骨幅よりも小に構成されていることにより、物理的にドラムスティック等がフック部から落下すること自体を防止可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、ラックとは別の場所でまず各々のドラムスティック懸垂具に複数のドラムスティックを懸垂させ、その後、ラックに対してドラムスティックが既に懸垂された状態のドラムスティック懸垂具を載置するのみで良いため、作業効率が向上する。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、敷紙を利用することなく燻煙・燻蒸等の処理が可能であり、コストの低減が可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、ドラムスティック等が懸垂されるため、従来のラックが使用していたような敷紙を使用する必要がないことから、敷紙にドラムスティック等が張り付いてしまうこともなく、ドラムスティック等をフック部から取り外すのみで、ドラムスティック懸垂具から綺麗な状態で取り外し可能である。
また、そのため、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、一対のフック部の少なくとも一方がドラムスティック等の皮又は肉部に突き刺し可能に構成されているため、一対のフック部の両者がドラムスティックに突き刺されてドラムスティック等を懸垂状態で支持した場合はドラムスティック等の表面にフック部が張り付くものでもない。また、他方のフックが仮にドラムスティック等の外側からドラムスティック等を支持した場合であっても、わずかにフック部の形状の線状でドラムスティック等の表面に接触するのみである。
そのため、敷紙上にドラムスティック等を載置する場合に比して、ドラムスティック等とその懸垂具の接触面積を劇的に減らすことが可能であり、ドラムスティック等がその懸垂具に張り付いて表面の皮・肉が張り付いて剥がれてしまうことが防止される。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、懸垂具のフック部に、ドラムスティック等を突き刺すのみで、容易にドラムスティック等を懸垂状態とすることが可能であり、複数のドラムスティック等が懸垂された懸垂具をラックに設置するのみで容易に多数のドラムスティック等を懸垂状態とすることが可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、一対のフック部は、互いのフック部間の距離が、棒状体から離れるに従い、漸次離間するように配されているため、食鳥の大きさ等にばらつきがある場合であっても、種々の大きさのドラムスティック等に対応可能であり、そのような食鳥の個体差が大きい場合であっても一対のフック部に対してドラムスティック等を設置することが可能となる。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックによれば、ドラムスティックにさらに食鳥の上腿部が付いたチキンレッグに対しても適用可能であり、ドラムスティックに対して奏する作用効果を等しく奏することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係るラックのチキンレッグを懸垂した状態の斜視図である。 図1のラックの構造を示す斜視図である。 本発明に係る懸垂具の斜視図である。 図3の懸垂具にチキンレッグを懸垂した状態を懸垂具の側方から見た説明図である。 図2のラックに対する懸垂具の設置方法をラック内側から見た状態で示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る懸垂具のフック部を示す斜視図である。 従来の処理用のラックを示す図であり、(a)は従来の処理用のラックにチキンレッグを載置した状態を示す斜視図であり、(b)はラックに載置したチキンレッグを示す断面説明図である。
以下、図面を参照して、本発明によるドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックを実施するための形態について説明する。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックは、多数の食鳥のドラムスティック等を懸垂状態でラックに設置して燻煙・燻蒸等の処理をすることにより、より多くのドラムスティックをより効率的に処理することを可能とするものである。
[本発明に係る第1の実施形態]
まず、本発明のドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックの第1の実施形態を図1乃至図5を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るラックのチキンレッグを懸垂した状態の斜視図である。図2は、図1のラックの構造を示す斜視図である。図3は、本発明に係る懸垂具の斜視図である。図4は、図3の懸垂具にチキンレッグを懸垂した状態を懸垂具の側方から見た説明図である。図5は、図2のラックに対する懸垂具の設置方法ラック内側から見た状態で示す説明図である。
[ドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックの構成の概要]
本発明の第1の実施形態に係るドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックの構成の概要について、図1及び図2を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本発明のラック10は、アルミ等のフレームを組み合わせて自立可能に構成され、ラック10のフレームにドラムスティック懸垂具1(懸垂具1)を垂直方向に複数、かつ、水平方向に複数整列させて設置(載置)可能に構成され、懸垂具1には複数のドラムスティック等20(図1乃至図5においてはチキンレッグ20)を懸垂可能である。
そのため、ラック10に対しては、ドラムスティック等20を複数懸垂した状態の懸垂具1を垂直方向に複数段、かつ、水平方向に複数列、整列させて載置可能であり、大量のドラムスティック等20を所望の雰囲気下で処理可能である。
尚、この所望の雰囲気下とは、例えば、加熱処理、冷却処理、蒸気処理、燻蒸処理、燻煙処理又は乾燥処理下の雰囲気が挙げられる。
[ラックの構成及び作用]
図2及び図5を用いてラック10の構成及び作用について説明する。
ラック10は、図2に示すようにフレームの組み合わせによって構成され、鉛直方向に立設する2本の主支柱11と、各々の主支柱11の下端に固定されてラック10が設置される床面と平行に配される支持桟17、支持桟17の床面側に配されてラック10の移動を可能とする複数の車輪18と、主支柱11の上端部に両端部が各々固定されて2本の主支柱11を互いに連結する上部連結桟15と、各々の支持桟17に複数設けられて2本の支持桟17を互いに連結する下部連結桟16により、移動可能かつ自立可能に構成されている。
また、2本の主支柱11には、所定の間隔で主支柱11の左右に伸びる棒受桟12が複数、各々の主支柱11で同じ個所に固定されている。この棒受桟12は、懸垂具1の端部を載置して、懸垂具1のラック10への固定を可能とするものであり、懸垂具1は図2に示すように、各々の主支柱11に固定された対向する棒受桟12の間に架け渡されてラック10に載置される。
棒受桟12の構成を説明する。図5に示すように、棒受桟12は、主桟部12a、L字プレート12b、ガイド部12c及び棚部12dにより構成されている。
図2に示すように、主桟部12aは、鉛直方向に立設した板状体であって主支柱11に溶接等によって固定される。
また、図5に示すように、L字プレート12bは、主桟部12aの上端からラック10内側に折り曲げられて、さらに床面方向に折り曲げられて主桟部12aから連続してL字状に折り曲げられて構成されている。
また、ガイド部12cは、L字プレート12bの一部が大きく切り欠かれて、切り欠かれた端部により構成されるものであり、床面に対して先窄まりのV字状に端部が構成されている。
ガイド部12cは、L字プレート12bが切り欠かれてV字状の端部が形成されることにより、懸垂具1の端部を適切な位置にガイドして(位置決めして)、ラック10への懸垂具1の載置を可能とするものである。
また、棚部12dは、L字プレート12bの下端に連続し、この下端及びガイド部12cの下方から床面に平行かつラック10の内側方向に延びるプレートによって構成される。棚部12は、懸垂具1の回転防止片5が載置されることにより、懸垂具1の状態を安定させて、懸垂具1が揺れる又は回動する事態を防止するものである。
また、図2及び図5に示すように、各々の棒受桟12の両端部には、鉛直方向に個々の棒受桟12を連結してラック10の強度を高める枠柱13が連結されている。
[懸垂具の構成及びドラムスティック等の設置]
図3及び図4を用いて懸垂具1の構成及び作用について説明する。
懸垂具1は、図3に示すように、対向する棒受桟12の間に架け渡されてドラムスティック等20を多数懸垂可能とするものであって、大きく、棒状体2、保持部3及び回動防止片5によって構成される。
棒状体2は、対向する棒受桟12の間の水平方向の架け渡しを果たすものであり、棒状体2の側面には等間隔でドラムスティック等20の懸垂を行う保持部3が複数備えられている。
保持部3は、図3の円形拡大部に示すように、連結プレート3bとフック部3aにより構成されている。
連結プレート3bは、矩形のプレート状に構成されて棒状体2の側面の表面にそのプレート主面の長手面中央の位置を横切るように溶接等で固定されている。
連結プレート3の短手面の両端部からはドラムスティック等20に突き刺されてドラムスティック等20を保持する一対のフック部3aが棒状体2から離れる方向に延び出るように配設されている。
即ち、フック部3aを備える保持部3は、所定の間隔を空けて複数配され、棒状体2の側方において、棒状体2の軸方向に対して直交方向に延伸して、櫛歯状に配されている。
また、そのため、図3においては、各々の一対のフック部3aは、各々の連結プレート3bを介して棒状体2から棒状体2の軸方向に対して直交方向で棒状体2の左右両方向に離れるように延び出ることにより、棒状体2の右側と左側というように複数の方向に延び出すように配されている。
一対のフック部3aを構成する個々のフック部3aは、本実施の形態においては、互いに平行の間隔で連結プレート3bから延び出るように配設されている。また、フック部3aに突き刺されて懸垂状態となったドラムスティック等20が不意に落下してしまうことを防止するべく、フック部3bは途中で折り曲げられてラック10に載置された状態で鉛直方向上方に向いている。
回動防止片5は、棒状体2に直交するように固定される棒状体2に比して小型の棒状の部材であり、棒状体2の両端部より内側の近傍に各々配設されている。回動防止片5は、棒状体2を介して連結プレート3bとは反対の棒状体2の側面の表面に中央で固定されて、棒状体2から離れるように棒状体2の側方に延び出ている。この回動防止片5がラック10の棒受桟12の棚部12dに載置されて接触することにより、懸垂具1の状態を安定させて、懸垂具1が揺れる又は回動する事態を防止するものである。
懸垂具1のドラムスティック等20の懸垂方法を説明する。図4に示すように、フック部3aは、ドラムスティック21を突き刺して、一対のフック部3aがドラムスティック21を挟持する形態で懸垂状態とする。
ここで、図4においては、他の図と同様に、ドラムスティック21に対してサイとも呼ばれる上腿部23が付いた状態、即ち、チキンレッグ20が懸垂されている。従って、フック部3aに対して懸垂されるのは、ドラムスティック21のみならず、ドラムスティック21に上腿部23が付いたチキンレッグ20の何れでも構わない(そのため、前述の如く、ドラムスティック21単体とチキンレッグ20の両者を含む概念として本明細書ではドラムスティック等20の概念を用いている)。また、これらドラムスティック等20は、鶏、合鴨、七面鳥といった食鳥のものであればその種類を問うものではない。
図3及び図4に示すように、各々の保持部3の一対のフック部3aの互いの間隔(図3のL1)は、ドラムスティック等20における食鳥の踵側の骨(骨部22)の関節の膨張部22aの幅よりも小に構成される。
また、図4に示すように、一対のフック部3aの少なくとも一方は、食鳥のドラムスティック21を膝側が下方となるようにした状態で、踵側の骨部22における膨張部22aの下方近傍で食鳥のドラムスティック21の皮又は肉部に突き刺されて、一対のフック部3aによりドラムスティック21を両側より挟持して、ドラムスティック等20を食鳥の膝側が下方になるように懸垂する。
即ち、一対のフック部3aの互いの間隔(図3のL1)が、食鳥の踵側の骨(骨部22)の関節の膨張部22aの幅よりも小に構成されるため、懸垂具1に懸垂されたドラムスティック等20は、膨張部22aが一対のフック部3aにより支持されるとともに、この膨張部22aの存在により懸垂具1から落下することが物理的に防止されることとなる。
この場合、大きさが概ね等しい多数の食鳥のドラムスティック等20を用いて懸垂状態とするが、食鳥の年齢が等しい場合であっても、どうしても個体差があることは避けられない。
そのため、図4に示すように、ドラムスティック21が小型の場合は、左側のドラムスティック21のように、一対のフック部3aの構成中、一方のみがドラムスティック21の皮又は肉部に突き刺されることとなり、他方のフック部3aは、ドラムスティック21の表面側から骨部22の膨張部22aを挟持している。
一方で、図4の中央及び右側のドラムスティック21に示すように、通常の大きさのドラムスティック21(又は大型のドラムスティック)の場合は、一対のフック部3aの両者がドラムスティック21の皮又は肉部に突き刺されることとなり、骨部22の膨張部22aを挟持している。
従って、食鳥の個体差によりドラムスティック21が小型であろうと、大型であろうと、一対のフック部3aの互いの間隔(図3のL1)が、食鳥の踵側の骨(骨部22)の関節の膨張部22aの幅よりも小に構成されることにより、懸垂具1に懸垂されたドラムスティック等20は、膨張部22aの存在により懸垂具1から落下することが物理的に防止されることとなる。
この懸垂具1へのドラムスティック等20の設置作業は、ラック10とは別の場所で可能である。即ち、ラック10とは別の支持台等(図示せず)に載置した懸垂具1に対して、まずドラムスティック等20を設置(懸垂)し、その後、ラック10に対してドラムスティック等20が既に懸垂された状態の懸垂具1を載置していく。
[懸垂具のラックへの載置方法]
図5を用いて、ラック10に対する懸垂具1の載置方法について説明する。
図5に示すように、懸垂具1は、その棒状体2の両端部がラック10の対向する各々の棒受桟12のガイド部12c上に載置される。ガイド部12cは、L字プレート12bが切り欠かれたV字状の端部によって構成され、V字状に構成されていることにより、棒状体2が自然と適切な位置にガイドされて(位置決めされて)、ラック10への懸垂具1の載置が完了する。
この場合、懸垂具1の回動防止片5は、棒受桟12の棚部12dに載置される。この回動防止片5が棚部12dに載置されて接触することにより、懸垂具1の状態を安定させて、懸垂具1が揺れる又は回動する事態が防止される。
そのため、ガイド部12cのV字状の端面の頂点12c1と棚部12dとの離間距離は、回転防止片5の厚みと一致している。
[本発明に係る第2の実施形態]
以下に、第2の実施形態に係るドラムスティック懸垂具及びこれを用いたラックについて図6を用いて説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に係る懸垂具のフック部を示す斜視図である。この第2の実施形態において、第1実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施形態においては、懸垂具1における一対のフック部の互いの距離が第1の実施形態と異なる。即ち、第1の実施形態においては、一対のフック部3aは互いに平行に配されていたが、第2の実施形態においては、一対のフック部33aは、互いのフック部33a間の距離が、棒状体2から離れるに従い、漸次離間するように配されている。
そのため、連結プレート3b側における一対のフック部33aの互いの距離L11は、連結プレート3bから離れるにつれて漸次離間し、フック部33a先端側における互いの距離L12は、L11よりも大きくなっている(L12>L11)。
この場合、少なくとも連結プレート3b側における一対のフック部33aの互いの距離L11は、ドラムスティック等20における食鳥の踵側の骨(骨部22)の関節の膨張部22aの幅よりも小に構成される。これにより、懸垂具1に懸垂されたドラムスティック等20は、膨張部22aの存在により懸垂具1から落下することが物理的に防止されることとなる。
また、一対のフック部33aは、互いのフック部33a間の距離が、棒状体2から離れるに従い、漸次離間するように配されているため、一対のフック部3aが互いに平行に配され、互いの距離が変わらない第1の実施形態に対して、食鳥の大きさ等にばらつきがある場合であっても、種々の大きさのドラムスティック等20に対応可能であり、そのような食鳥の個体差が大きい場合であっても一対のフック部33aに対してドラムスティック等20を設置することが可能となる。
そのため、図6においては、互いのフック部33a間の距離が、棒状体2から離れるに従い、漸次離間するように配されているため、一対のフック部33aのうち、一方のフック部33aのみがドラムスティック等20の関節(骨部22)の膨張部22aの下方の皮又は肉部に突き刺され、他方のフック部33aは、ドラムスティック21の表面側から骨部22の膨張部22aを支持している。
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく、数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
1 ドラムスティック懸垂具(懸垂具)
2 棒状体
3 保持部
3a,33a フック部
3b 連結プレート
5 回動防止片
10 ラック
11 主支柱
12 棒受桟
12a 主桟部
12b L字プレート
12c ガイド部
12c1 頂点
12d 棚部
13 枠柱
15 上部連結桟
16 下部連結桟
17 支持桟
18 車輪
20 チキンレッグ(ドラムスティック等)
21 ドラムスティック
22 骨部
22a 膨張部
23 上腿部
110 ラック
111 主支柱
112 載置部
112a 網部
113 敷紙
115 ゼラチン状の肉汁
本発明は、多数の食鳥のドラムスティックに対して、燻煙・燻蒸等の処理をするにあたり、より多くのドラムスティックをより効率よく処理するためのドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組に関する。
市場においては、鶏、合鴨、七面鳥といった食鳥のドラムスティックが燻製にされた状態で流通している。また、ドラムスティックに上腿部分が付いた状態のチキンレッグもやはり、燻製にされた状態で流通している。以下、ドラムスティック及びチキンレッグをまとめてドラムスティック等と称する。
このドラムスティック等を燻製にするための工場規模での燻煙・燻蒸処理については、従来、以下のようなラックにドラムスティック等を載置して行われてきた。図7は、従来の処理用のラックを示す図であり、(a)は従来の処理用のラックにチキンレッグを載置した状態を示す斜視図であり、(b)はラックに載置したチキンレッグを示す断面説明図である。
図7(a)に示すように、従来のドラムスティック等の処理用のラック110は、下端に移動可能なように車輪の付いた4本の主支柱111と、横桟により4本の主支柱111を連結し、横桟により囲まれたスペースに網部112aを配置することで載置部112が上下に複数段、形成されている。
この場合、図7(b)にも示すように、不織布等で構成された合成紙の敷紙113を敷き、その上部にドラムスティック等(図7においてはチキンレッグ20)を並べて、燻煙・燻蒸等の雰囲気下に置くことで工場規模の処理を行ってきた。
この敷紙113は、燻煙・燻蒸処理の際、網部112aにドラムスティック等の肉が食い込み、それら処理の後、ドラムスティック等を取り出す際に熱変性した皮・肉の一部が網部112aに固着して残り、ドラムスティック等の表面部分がちぎれることに起因する不良品発生防止のために用いられるものである。
また、ドラムスティック等をオーブン又はグリル内でローストや、燻煙等する技術として、以下の懸垂具が提案されている。即ち、その懸垂具は、セルロース材料等で構成された帯状の懸垂具であって、一端側がドラムスティック等に巻き回されて、ドラムスティック等を外部から支持している。
また、懸垂具の他端側は、オーブン・グリルの内部のラックのバー又はリングに懸垂具及び懸垂具に支持されたドラムスティック等を懸垂させるべく、鉤状に構成されており、これにより、ドラムスティック等をオーブン内で懸垂させてロースト等の処理を可能としている(特許文献1乃至特許文献3)。
特表2014−516555号公報 特表2014−516556号公報 特表2014−521396号公報
図7(a)に示すように、従来のラックはドラムスティック等を水平方向に並べて載置しており、そのため載置用のネットの上に敷紙を敷き、その上にドラムスティック等を並べていたが、ドラムスティック等の敷紙側の部分については、燻煙・燻蒸等の処理に時間がかかり、工場規模での大量生産の要請から載置されたドラムスティック等を裏返す等の処置も困難であるから、載置されたドラムスティック等の敷紙側まで処理が完了するには非常に長い時間を要するとともに、載置されたドラムスティック等の敷紙側とそれ以外の部分とで処理のムラが生じてしまっていた。
また、図7に示すように、従来のラックはドラムスティック等を水平方向に並べて載置しており、そのため載置用のネットの上に敷紙を敷き、その上にドラムスティック等を並べていたが、図7(b)に示すように、ドラムスティックの敷紙側の部分については、燻煙・燻蒸等の処理により肉汁がドラムスティック等の内部から溢れ出し、燻煙・燻蒸等の熱により、肉汁が、肉汁内のたんぱく質の熱変性により敷紙とドラムスティック等の間で凝固してしまい(図7(b)におけるゼラチン状の肉汁115)、燻煙・燻蒸等の処理の妨げとなるとともに、ゼラチン状に固まった肉汁をドラムスティックから除去する作業が生じてしまっていた。
また、ドラムスティック等を水平方向に多数並べて載置していた従来技術では、載置されたドラムスティック等自体が垂直方向の気体の流れを遮ってしまい、燻煙・燻蒸等の処理に時間を要しており、効率的な処理が望まれている。
また、従来のラックは、ラック自体にドラムスティック等を載置して並べる必要があり、ドラムスティック等をひとつひとつラックに載置するのは、ラックの奥まった部分を含め労力を伴うものであった。
また、従来はドラムスティック等を水平方向に並べてラックの網部に載置しており、ドラムスティック等の皮・肉が網部に固着してしまうことを防止するべく、網部の上に敷紙を敷き、その上にドラムスティック等を並べていたが、ドラムスティック等の敷紙との接触部分については、敷紙を用いた場合であっても、敷紙と接触する食鳥の皮・肉が敷紙自体に張り付いて剥がれてしまうことがあった。
また、特許文献1乃至特許文献3に示す従来の懸垂具は、ここのドラムスティック等に巻き回し、かつ、ラックのバーや、リングに懸垂具を設置する必要があり、ドラムスティックを懸垂状態とするための工数が多く、大量生産には不向きであり、工場規模での実施は困難であった。
上記目的達成のため、本発明のドラムスティック懸垂具は、大きさが概ね等しい多数の食鳥のドラムスティックを所望の雰囲気下に設置するためのラックに用いるドラムスティック懸垂具であって、当該ドラムスティック懸垂具は、前記ラックのフレームに水平方向に架け渡してラック内に設置可能な棒状体と、当該棒状体の側方において、当該棒状体の軸方向に対して直交方向に延伸し、前記ドラムスティックを保持して懸垂させる複数の保持部と、を備え、前記保持部は、一対のフック部を備え、かつ、前記棒状体の側面において所定の間隔を空けて櫛歯状に配され、前記一対のフック部は、少なくとも一方の前記フック部が前記ドラムスティックの皮又は肉部に突き刺し可能に構成され、かつ、前記一対のフック部の互いの間隔は、少なくとも一部が前記ドラムスティックの踵側の骨の関節の膨張部の幅よりも小に構成されて、前記膨張部を前記一対のフック部により前記ドラムスティックの両側より支持して当該ドラムスティックを膝側が下方になるように懸垂可能であることを特徴とする。
また、本発明における前記一対のフック部は互いに平行に配されていることを特徴とする。
また、本発明における前記一対のフック部は、前記棒状体から離れるに従い互いの距離が漸次大きくなるように配されていることを特徴とする。
また、本発明における前記一対のフック部は前記棒状体から当該棒状体の軸方向に対して直交方向で複数の方向に延伸して配されることを特徴とする。
また、本発明における前記棒状体の端部近傍には、前記ドラムスティック懸垂具の回動を防止する回動防止片が固定され、当該回動防止片は、前記棒状体に直交するように当該棒状体に固定される棒状の部材であって、前記回動防止部材が前記ラックフレームに接触することにより、前記ドラムスティック懸垂後の回動が防止されることを特徴とする。
また、本発明における前記ドラムスティックには、上腿部が付いていることを特徴とする。
また、本発明における前記食鳥は鶏であることを特徴とする。
また、本発明における前記所望の雰囲気下は、加熱処理、冷却処理、蒸気処理、燻蒸処理、燻煙処理又は乾燥処理下の雰囲気であることを特徴とする。
また、本発明における前記ラックについて、前記フレームは、前記ドラムスティック懸垂具を垂直方向に複数、かつ、水平方向に複数整列させて設置可能であることを特徴とする。
また、本発明における前記ラックについて、前記フレームは、前記ドラムスティック懸垂具を設置する箇所を位置決め可能なガイド部を備えることを特徴とする。
また、本発明の前記ラックは、底部に車輪を備えて移動可能であることを特徴とする。
本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、ドラムスティック等を懸垂状態で各種処理が可能であるため、水平方向に並べてドラムスティック等を載置して処理する場合に比べて格段に多くのドラムスティック等の処理が可能となる。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、ドラムスティック等を懸垂して処理可能であるため、載置されたドラムスティック等の敷紙側とそれ以外の部分との処理のムラの発生を防止することが可能であるとともに、このムラの存在をも考慮して処理を施す必要がないため、処理時間も短縮される。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、ドラムスティック等を懸垂状態で燻煙・燻蒸等の各種処理が可能であるため、肉汁は下方に滴り落ちていくため、肉汁がドラムスティック等にまとわりついてゼラチン状に凝固することもなく、ドラムスティック等が懸垂状態であることとも相まって、ドラムスティック等の表面すべてをまんべんなく燻煙・燻蒸等の各種処理が可能である。
そのため、ドラムスティック等の表面からゼラチン状に凝固した肉汁を除去する作業も行う必要がなく、工数を減らすことが可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、ドラムスティック等が懸垂状態となっているため、気体の流れを遮ることがなく、効率的な処理が可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、ドラムスティック懸垂具が、棒状体と、棒状体の側面において所定の間隔を空けて櫛歯状に配された保持部のみで構成されるため、ドラムスティック懸垂具自体も気体の流れを遮ることがなく、効率よくドラムスティック等の処理が可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、一対のフック部は、少なくとも一方のフック部がドラムスティック等の皮及びその内部の肉部に突き刺し可能に構成され、かつ、一対のフック部の互いの間隔が、少なくとも一部がドラムスティック等の踵側の関節の膨張部の骨幅よりも小に構成されることにより、ドラムスティック等を骨とその周囲の肉部の両面から保持可能であるため、強固に保持して懸垂可能である。
そのため、結果的にドラムスティック等の踵側の膨張部を2つのフック部によりドラムスティック等の両側より保持してドラムスティック等を膝側が下方になるように懸垂可能であり、かつ、一対のフック部の互いの間隔が、少なくとも一部がドラムスティック等の踵側関節の膨張部の骨幅よりも小に構成されていることにより、物理的にドラムスティック等がフック部から落下すること自体を防止可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、ラックとは別の場所でまず各々のドラムスティック懸垂具に複数のドラムスティックを懸垂させ、その後、ラックに対してドラムスティックが既に懸垂された状態のドラムスティック懸垂具を載置するのみで良いため、作業効率が向上する。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、敷紙を利用することなく燻煙・燻蒸等の処理が可能であり、コストの低減が可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、ドラムスティック等が懸垂されるため、従来のラックが使用していたような敷紙を使用する必要がないことから、敷紙にドラムスティック等が張り付いてしまうこともなく、ドラムスティック等をフック部から取り外すのみで、ドラムスティック懸垂具から綺麗な状態で取り外し可能である。
また、そのため、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、一対のフック部の少なくとも一方がドラムスティック等の皮又は肉部に突き刺し可能に構成されているため、一対のフック部の両者がドラムスティックに突き刺されてドラムスティック等を懸垂状態で支持した場合はドラムスティック等の表面にフック部が張り付くものでもない。また、他方のフックが仮にドラムスティック等の外側からドラムスティック等を支持した場合であっても、わずかにフック部の形状の線状でドラムスティック等の表面に接触するのみである。
そのため、敷紙上にドラムスティック等を載置する場合に比して、ドラムスティック等とその懸垂具の接触面積を劇的に減らすことが可能であり、ドラムスティック等がその懸垂具に張り付いて表面の皮・肉が張り付いて剥がれてしまうことが防止される。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、懸垂具のフック部に、ドラムスティック等を突き刺すのみで、容易にドラムスティック等を懸垂状態とすることが可能であり、複数のドラムスティック等が懸垂された懸垂具をラックに設置するのみで容易に多数のドラムスティック等を懸垂状態とすることが可能である。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、一対のフック部は、互いのフック部間の距離が、棒状体から離れるに従い、漸次離間するように配されているため、食鳥の大きさ等にばらつきがある場合であっても、種々の大きさのドラムスティック等に対応可能であり、そのような食鳥の個体差が大きい場合であっても一対のフック部に対してドラムスティック等を設置することが可能となる。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組によれば、ドラムスティックにさらに食鳥の上腿部が付いたチキンレッグに対しても適用可能であり、ドラムスティックに対して奏する作用効果を等しく奏することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係るラックのチキンレッグを懸垂した状態の斜視図である。 図1のラックの構造を示す斜視図である。 本発明に係る懸垂具の斜視図である。 図3の懸垂具にチキンレッグを懸垂した状態を懸垂具の側方から見た説明図である。 図2のラックに対する懸垂具の設置方法をラック内側から見た状態で示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る懸垂具のフック部を示す斜視図である。 従来の処理用のラックを示す図であり、(a)は従来の処理用のラックにチキンレッグを載置した状態を示す斜視図であり、(b)はラックに載置したチキンレッグを示す断面説明図である。
以下、図面を参照して、本発明によるドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組を実施するための形態について説明する。
また、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組は、多数の食鳥のドラムスティック等を懸垂状態でラックに設置して燻煙・燻蒸等の処理をすることにより、より多くのドラムスティックをより効率的に処理することを可能とするものである。
[本発明に係る第1の実施形態]
まず、本発明のドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組の第1の実施形態を図1乃至図5を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るラックのチキンレッグを懸垂した状態の斜視図である。図2は、図1のラックの構造を示す斜視図である。図3は、本発明に係る懸垂具の斜視図である。図4は、図3の懸垂具にチキンレッグを懸垂した状態を懸垂具の側方から見た説明図である。図5は、図2のラックに対する懸垂具の設置方法ラック内側から見た状態で示す説明図である。
[ドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組の構成の概要]
本発明の第1の実施形態に係るドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組の構成の概要について、図1及び図2を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本発明のラック10は、アルミ等のフレームを組み合わせて自立可能に構成され、ラック10のフレームにドラムスティック懸垂具1(懸垂具1)を垂直方向に複数、かつ、水平方向に複数整列させて設置(載置)可能に構成され、懸垂具1には複数のドラムスティック等20(図1乃至図5においてはチキンレッグ20)を懸垂可能である。
そのため、ラック10に対しては、ドラムスティック等20を複数懸垂した状態の懸垂具1を垂直方向に複数段、かつ、水平方向に複数列、整列させて載置可能であり、大量のドラムスティック等20を所望の雰囲気下で処理可能である。
尚、この所望の雰囲気下とは、例えば、加熱処理、冷却処理、蒸気処理、燻蒸処理、燻煙処理又は乾燥処理下の雰囲気が挙げられる。
[ラックの構成及び作用]
図2及び図5を用いてラック10の構成及び作用について説明する。
ラック10は、図2に示すようにフレームの組み合わせによって構成され、鉛直方向に立設する2本の主支柱11と、各々の主支柱11の下端に固定されてラック10が設置される床面と平行に配される支持桟17、支持桟17の床面側に配されてラック10の移動を可能とする複数の車輪18と、主支柱11の上端部に両端部が各々固定されて2本の主支柱11を互いに連結する上部連結桟15と、各々の支持桟17に複数設けられて2本の支持桟17を互いに連結する下部連結桟16により、移動可能かつ自立可能に構成されている。
また、2本の主支柱11には、所定の間隔で主支柱11の左右に伸びる棒受桟12が複数、各々の主支柱11で同じ個所に固定されている。この棒受桟12は、懸垂具1の端部を載置して、懸垂具1のラック10への固定を可能とするものであり、懸垂具1は図2に示すように、各々の主支柱11に固定された対向する棒受桟12の間に架け渡されてラック10に載置される。
棒受桟12の構成を説明する。図5に示すように、棒受桟12は、主桟部12a、L字プレート12b、ガイド部12c及び棚部12dにより構成されている。
図2に示すように、主桟部12aは、鉛直方向に立設した板状体であって主支柱11に溶接等によって固定される。
また、図5に示すように、L字プレート12bは、主桟部12aの上端からラック10内側に折り曲げられて、さらに床面方向に折り曲げられて主桟部12aから連続してL字状に折り曲げられて構成されている。
また、ガイド部12cは、L字プレート12bの一部が大きく切り欠かれて、切り欠かれた端部により構成されるものであり、床面に対して先窄まりのV字状に端部が構成されている。
ガイド部12cは、L字プレート12bが切り欠かれてV字状の端部が形成されることにより、懸垂具1の端部を適切な位置にガイドして(位置決めして)、ラック10への懸垂具1の載置を可能とするものである。
また、棚部12dは、L字プレート12bの下端に連続し、この下端及びガイド部12cの下方から床面に平行かつラック10の内側方向に延びるプレートによって構成される。棚部12は、懸垂具1の回転防止片5が載置されることにより、懸垂具1の状態を安定させて、懸垂具1が揺れる又は回動する事態を防止するものである。
また、図2及び図5に示すように、各々の棒受桟12の両端部には、鉛直方向に個々の棒受桟12を連結してラック10の強度を高める枠柱13が連結されている。
[懸垂具の構成及びドラムスティック等の設置]
図3及び図4を用いて懸垂具1の構成及び作用について説明する。
懸垂具1は、図3に示すように、対向する棒受桟12の間に架け渡されてドラムスティック等20を多数懸垂可能とするものであって、大きく、棒状体2、保持部3及び回動防止片5によって構成される。
棒状体2は、対向する棒受桟12の間の水平方向の架け渡しを果たすものであり、棒状体2の側面には等間隔でドラムスティック等20の懸垂を行う保持部3が複数備えられている。
保持部3は、図3の円形拡大部に示すように、連結プレート3bとフック部3aにより構成されている。
連結プレート3bは、矩形のプレート状に構成されて棒状体2の側面の表面にそのプレート主面の長手面中央の位置を横切るように溶接等で固定されている。
連結プレート3の短手面の両端部からはドラムスティック等20に突き刺されてドラムスティック等20を保持する一対のフック部3aが棒状体2から離れる方向に延び出るように配設されている。
即ち、フック部3aを備える保持部3は、所定の間隔を空けて複数配され、棒状体2の側方において、棒状体2の軸方向に対して直交方向に延伸して、櫛歯状に配されている。
また、そのため、図3においては、各々の一対のフック部3aは、各々の連結プレート3bを介して棒状体2から棒状体2の軸方向に対して直交方向で棒状体2の左右両方向に離れるように延び出ることにより、棒状体2の右側と左側というように複数の方向に延び出すように配されている。
一対のフック部3aを構成する個々のフック部3aは、本実施の形態においては、互いに平行の間隔で連結プレート3bから延び出るように配設されている。また、フック部3aに突き刺されて懸垂状態となったドラムスティック等20が不意に落下してしまうことを防止するべく、フック部3bは途中で折り曲げられてラック10に載置された状態で鉛直方向上方に向いている。
回動防止片5は、棒状体2に直交するように固定される棒状体2に比して小型の棒状の部材であり、棒状体2の両端部より内側の近傍に各々配設されている。回動防止片5は、棒状体2を介して連結プレート3bとは反対の棒状体2の側面の表面に中央で固定されて、棒状体2から離れるように棒状体2の側方に延び出ている。この回動防止片5がラック10の棒受桟12の棚部12dに載置されて接触することにより、懸垂具1の状態を安定させて、懸垂具1が揺れる又は回動する事態を防止するものである。
懸垂具1のドラムスティック等20の懸垂方法を説明する。図4に示すように、フック部3aは、ドラムスティック21を突き刺して、一対のフック部3aがドラムスティック21を挟持する形態で懸垂状態とする。
ここで、図4においては、他の図と同様に、ドラムスティック21に対してサイとも呼ばれる上腿部23が付いた状態、即ち、チキンレッグ20が懸垂されている。従って、フック部3aに対して懸垂されるのは、ドラムスティック21のみならず、ドラムスティック21に上腿部23が付いたチキンレッグ20の何れでも構わない(そのため、前述の如く、ドラムスティック21単体とチキンレッグ20の両者を含む概念として本明細書ではドラムスティック等20の概念を用いている)。また、これらドラムスティック等20は、鶏、合鴨、七面鳥といった食鳥のものであればその種類を問うものではない。
図3及び図4に示すように、各々の保持部3の一対のフック部3aの互いの間隔(図3のL1)は、ドラムスティック等20における食鳥の踵側の骨(骨部22)の関節の膨張部22aの幅よりも小に構成される。
また、図4に示すように、一対のフック部3aの少なくとも一方は、食鳥のドラムスティック21を膝側が下方となるようにした状態で、踵側の骨部22における膨張部22aの下方近傍で食鳥のドラムスティック21の皮又は肉部に突き刺されて、一対のフック部3aによりドラムスティック21を両側より挟持して、ドラムスティック等20を食鳥の膝側が下方になるように懸垂する。
即ち、一対のフック部3aの互いの間隔(図3のL1)が、食鳥の踵側の骨(骨部22)の関節の膨張部22aの幅よりも小に構成されるため、懸垂具1に懸垂されたドラムスティック等20は、膨張部22aが一対のフック部3aにより支持されるとともに、この膨張部22aの存在により懸垂具1から落下することが物理的に防止されることとなる。
この場合、大きさが概ね等しい多数の食鳥のドラムスティック等20を用いて懸垂状態とするが、食鳥の年齢が等しい場合であっても、どうしても個体差があることは避けられない。
そのため、図4に示すように、ドラムスティック21が小型の場合は、左側のドラムスティック21のように、一対のフック部3aの構成中、一方のみがドラムスティック21の皮又は肉部に突き刺されることとなり、他方のフック部3aは、ドラムスティック21の表面側から骨部22の膨張部22aを挟持している。
一方で、図4の中央及び右側のドラムスティック21に示すように、通常の大きさのドラムスティック21(又は大型のドラムスティック)の場合は、一対のフック部3aの両者がドラムスティック21の皮又は肉部に突き刺されることとなり、骨部22の膨張部22aを挟持している。
従って、食鳥の個体差によりドラムスティック21が小型であろうと、大型であろうと、一対のフック部3aの互いの間隔(図3のL1)が、食鳥の踵側の骨(骨部22)の関節の膨張部22aの幅よりも小に構成されることにより、懸垂具1に懸垂されたドラムスティック等20は、膨張部22aの存在により懸垂具1から落下することが物理的に防止されることとなる。
この懸垂具1へのドラムスティック等20の設置作業は、ラック10とは別の場所で可能である。即ち、ラック10とは別の支持台等(図示せず)に載置した懸垂具1に対して、まずドラムスティック等20を設置(懸垂)し、その後、ラック10に対してドラムスティック等20が既に懸垂された状態の懸垂具1を載置していく。
[懸垂具のラックへの載置方法]
図5を用いて、ラック10に対する懸垂具1の載置方法について説明する。
図5に示すように、懸垂具1は、その棒状体2の両端部がラック10の対向する各々の棒受桟12のガイド部12c上に載置される。ガイド部12cは、L字プレート12bが切り欠かれたV字状の端部によって構成され、V字状に構成されていることにより、棒状体2が自然と適切な位置にガイドされて(位置決めされて)、ラック10への懸垂具1の載置が完了する。
この場合、懸垂具1の回動防止片5は、棒受桟12の棚部12dに載置される。この回動防止片5が棚部12dに載置されて接触することにより、懸垂具1の状態を安定させて、懸垂具1が揺れる又は回動する事態が防止される。
そのため、ガイド部12cのV字状の端面の頂点12c1と棚部12dとの離間距離は、回転防止片5の厚みと一致している。
[本発明に係る第2の実施形態]
以下に、第2の実施形態に係るドラムスティック懸垂具及びドラムスティック懸垂具とこれを設置するためのラックの組について図6を用いて説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に係る懸垂具のフック部を示す斜視図である。この第2の実施形態において、第1実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
第2の実施形態においては、懸垂具1における一対のフック部の互いの距離が第1の実施形態と異なる。即ち、第1の実施形態においては、一対のフック部3aは互いに平行に配されていたが、第2の実施形態においては、一対のフック部33aは、互いのフック部33a間の距離が、棒状体2から離れるに従い、漸次離間するように配されている。
そのため、連結プレート3b側における一対のフック部33aの互いの距離L11は、連結プレート3bから離れるにつれて漸次離間し、フック部33a先端側における互いの距離L12は、L11よりも大きくなっている(L12>L11)。
この場合、少なくとも連結プレート3b側における一対のフック部33aの互いの距離L11は、ドラムスティック等20における食鳥の踵側の骨(骨部22)の関節の膨張部22aの幅よりも小に構成される。これにより、懸垂具1に懸垂されたドラムスティック等20は、膨張部22aの存在により懸垂具1から落下することが物理的に防止されることとなる。
また、一対のフック部33aは、互いのフック部33a間の距離が、棒状体2から離れるに従い、漸次離間するように配されているため、一対のフック部3aが互いに平行に配され、互いの距離が変わらない第1の実施形態に対して、食鳥の大きさ等にばらつきがある場合であっても、種々の大きさのドラムスティック等20に対応可能であり、そのような食鳥の個体差が大きい場合であっても一対のフック部33aに対してドラムスティック等20を設置することが可能となる。
そのため、図6においては、互いのフック部33a間の距離が、棒状体2から離れるに従い、漸次離間するように配されているため、一対のフック部33aのうち、一方のフック部33aのみがドラムスティック等20の関節(骨部22)の膨張部22aの下方の皮又は肉部に突き刺され、他方のフック部33aは、ドラムスティック21の表面側から骨部22の膨張部22aを支持している。
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく、数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
1 ドラムスティック懸垂具(懸垂具)
2 棒状体
3 保持部
3a,33a フック部
3b 連結プレート
5 回動防止片
10 ラック
11 主支柱
12 棒受桟
12a 主桟部
12b L字プレート
12c ガイド部
12c1 頂点
12d 棚部
13 枠柱
15 上部連結桟
16 下部連結桟
17 支持桟
18 車輪
20 チキンレッグ(ドラムスティック等)
21 ドラムスティック
22 骨部
22a 膨張部
23 上腿部
110 ラック
111 主支柱
112 載置部
112a 網部
113 敷紙
115 ゼラチン状の肉汁

Claims (11)

  1. 大きさが概ね等しい多数の食鳥のドラムスティックを所望の雰囲気下に設置するためのラックに用いるドラムスティック懸垂具であって、
    当該ドラムスティック懸垂具は、前記ラックのフレームに水平方向に架け渡してラック内に設置可能な棒状体と、
    当該棒状体の側方において、当該棒状体の軸方向に対して直交方向に延伸し、前記ドラムスティックを保持して懸垂させる複数の保持部と、を備え、
    前記保持部は、一対のフック部を備え、かつ、前記棒状体の側面において所定の間隔を空けて櫛歯状に配され、
    前記一対のフック部は、少なくとも一方の前記フック部が前記ドラムスティックの皮又は肉部に突き刺し可能に構成され、かつ、前記一対のフック部の互いの間隔は、少なくとも一部が前記ドラムスティックの踵側の骨の関節の膨張部の幅よりも小に構成されて、前記膨張部を前記一対のフック部により前記ドラムスティックの両側より支持して当該ドラムスティックを膝側が下方になるように懸垂可能であることを特徴とするドラムスティック懸垂具。
  2. 前記一対のフック部は互いに平行に配されていることを特徴とする請求項1に記載のドラムスティック懸垂具。
  3. 前記一対のフック部は、前記棒状体から離れるに従い互いの距離が漸次大きくなるように配されていることを特徴とする請求項1に記載のドラムスティック懸垂具。
  4. 前記一対のフック部は前記棒状体から当該棒状体の軸方向に対して直交方向で複数の方向に延伸して配されることを特徴とする請求項1に記載のドラムスティック懸垂具。
  5. 前記棒状体の端部近傍には、前記ドラムスティック懸垂具の回動を防止する回動防止片が固定され、当該回動防止片は、前記棒状体に直交するように当該棒状体に固定される棒状の部材であって、前記回動防止部材が前記ラックフレームに接触することにより、前記ドラムスティック懸垂後の回動が防止されることを特徴とする請求項1に記載のドラムスティック懸垂具。
  6. 前記ドラムスティックには、上腿部が付いていることを特徴とする請求項1に記載のドラムスティック懸垂具。
  7. 前記食鳥は鶏であることを特徴とする請求項1に記載のドラムスティック懸垂具。
  8. 前記所望の雰囲気下は、加熱処理、冷却処理、蒸気処理、燻蒸処理、燻煙処理又は乾燥処理下の雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載のドラムスティック懸垂具。
  9. 前記フレームは、前記ドラムスティック懸垂具を垂直方向に複数、かつ、水平方向に複数整列させて設置可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のうち、いずれか1に記載のラック。
  10. 前記フレームは、前記ドラムスティック懸垂具を設置する箇所を位置決め可能なガイド部を備えることを特徴とする請求項9に記載のラック。
  11. 前記ラックは、底部に車輪を備えて移動可能であることを特徴とする請求項9に記載のラック。
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