JPWO2015107654A1 - 受信装置および受信方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、ビタビ復号とは、畳み込み符号が有する繰り返し構造を利用して、最尤復号を効率的に実行する復号方法である。
このため、QPSKまたはQAMなどのサブキャリア変調方式を使用したOFDM信号の受信装置においては、サブキャリアごとの信頼性情報をブランチメトリック演算に利用する具体的な方法が既に提案されている。
さらに、DQPSKを差動復調する場合に、伝送路特性の急激な時間変動やAFC(自動周波数制御)誤差、位相雑音などによっては、I−Q平面上で直線Q=I、Q=−I(I,Q軸と45度の関係にある直線)に対して復調信号点のコンスタレーションが傾く場合があり、サブキャリアごとの電力情報だけでは信頼性情報を生成することができない。
位相軟判定回路の出力がDQPSK信号の復調信号であって、重み付け係数生成回路が生成したサブキャリアごとの重み付け係数を位相軟判定回路の出力に乗算した上でビタビ復号を行う。このとき、重み付け係数は復調信号の信頼性の高さを表しており、その値が大きいほど信頼性が高いとみなされる。
これに対して、特許文献1の技術によれば、復調信号の位相回転と振幅情報を利用してビタビ復号を行うため、単に位相情報のみを利用した軟判定復号よりも受信性能を向上させることができる。
しかしながら、特許文献1に代表される従来の技術では、復調信号の振幅(または電力あるいはこれらのいずれかに比例するスカラー値)が大きいほどサブキャリアの復調信号の信頼性が高いとみなされる。このため、狭帯域雑音が重畳して電力の大きくなったサブキャリアの復調信号は信頼性が高いとみなされ、かえってビタビ復号処理の誤り訂正能力を低下させるという課題があった。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る受信装置の構成を示すブロック図である。図1に示す受信装置は、OFDM方式の各搬送波であるサブキャリアがDQPSK変調されたOFDM信号を受信する受信装置である。なお、送信側は、送信データの誤り訂正符号として畳み込み符号を使用し、1次変調としてDQPSKやπ/4シフトDQPSKなどの差動変調を使用したサブキャリアを複数有するOFDM伝送方式で送信する。
差動復調部2は、フーリエ変換部1の出力信号を差動復調してサブキャリアごとの復調信号を出力する。復調処理は、1つ前のOFDMシンボルのサブキャリア成分の複素共役信号と現在のOFDMシンボルのサブキャリア成分(複素信号)を複素乗算して行う。
なお、差動復調部2の出力信号は、各サブキャリアで送信された送信信号の復調信号である。
CIR検出部41は、リファレンスシンボル抽出部3の出力信号をこれに対応する既知のリファレンスシンボル値で除算することによって、各サブキャリアのCIR(チャネルインパルス応答)を検出して出力する。
判定閾値としては、例えば、上記平均値に予め定めた値を加算または乗算した値が挙げられる。なお、狭帯域雑音が存在しない伝送路において、雑音成分は主に熱雑音であり、その成分は信号帯域全体に概ね均一に分布する白色雑音となる。この場合、雑音成分抽出部43の出力信号はサブキャリアによらずほぼ一定であると考えることができ、その値は上述のように算出した平均値に近い値となる。
一方、熱雑音だけでなく狭帯域雑音が重畳されている場合は、狭帯域雑音成分によってサブキャリアの雑音電力が大きくなっている。従って、上記平均値を基に算出した判定閾値を使用することで狭帯域雑音の有無を判定することが可能となる。
狭帯域雑音成分の有無およびその大きさを示す2値の情報は、例えば狭帯域雑音が存在すると判定した場合は予め定めた値を出力し、狭帯域雑音が存在しないと判定した場合には0(ゼロ値)を出力する。多値の情報として出力する場合は、例えば狭帯域雑音が存在すればその電力の大きさに比例した値を出力し、狭帯域雑音が存在しなければ0(ゼロ値)を出力する。いずれにおいても狭帯域雑音判定部45の出力値が大きいほど狭帯域雑音電力も大きいことを示している。
サブキャリア電力検出部50は、差動復調部2が出力した復調信号(以下、I−Q信号ともいう)の同相成分であるI信号と直交成分であるQ信号に基づいてサブキャリアごとの復調信号の電力またはそれに比例する信号を生成して出力する。
信頼性情報演算部52は、サブキャリア電力検出部50の出力信号、信号点象限変換部51の出力信号、狭帯域雑音検出部4の出力信号および固定係数kに基づいて、サブキャリアごとの復調信号の電力、復調信号のコンスタレーションおよび狭帯域雑音成分の大きさに応じて復調信号の信頼性が高低する信頼性情報を算出する。なお、信頼性情報演算部52が算出した信頼性情報は、後段のビタビ復号部6によるブランチメトリックの生成に利用される。
図4は、実施の形態1に係る受信装置の動作を示すフローチャートである。なお、実施の形態1に係る受信装置の構成については、図1から図3までを参照する。
まず、フーリエ変換部1が、受信信号S1をOFDMシンボルごとに離散フーリエ変換する(ステップST1)。ここで、フーリエ変換部1の出力信号のうち、リファレンスシンボルに対応するフーリエ変換出力信号は、リファレンスシンボル抽出部3に抽出されて狭帯域雑音検出部4へ出力される(ステップST2;YES)。一方、差動復調部2は、フーリエ変換部1の出力信号のうち、リファレンスシンボル以外に対応するフーリエ変換出力信号について処理を行う(ステップST2;NO)。
続いて、狭帯域雑音検出部4のLPF部42が、CIR検出部41によって検出されたC(n)に対して低域通過フィルタ(LPF)処理を行って平滑化する(ステップST4)。このように平滑化された第n番目のサブキャリアのCIRをL(n)とする。
雑音成分Nz(n)が判定閾値Tよりも大きい、すなわち狭帯域雑音成分が検出された場合(ステップST7;YES)、狭帯域雑音判定部45は、狭帯域雑音成分の大きさを示す2値情報または多値情報を出力する(ステップST8)。
例えば、狭帯域雑音判定部45は、第n番目のサブキャリアに重畳されている狭帯域雑音成分の大きさを示すZ(n)を出力する。狭帯域雑音が検出された場合、Z(n)は、0(ゼロ値)より大きい値となり、狭帯域雑音が検出されなければ、Z(n)は0(ゼロ値)となる。
P(n)は、例えば同相成分I(n)の2乗値に直交成分Q(n)の2乗値を加算した値である。なお、サブキャリア電力検出部50の入力信号は差動復調部2による差動復調結果であるため、P(n)は、厳密にはサブキャリアの復調信号の電力を表していない。しかし、差動復調による復調信号が、隣接したOFDMシンボル間の複素乗算で得られる信号であるため、P(n)はサブキャリアの復調信号の電力に比例した値となる。
例えば、入力した第n番目のサブキャリアの復調信号の信号点がI−Q平面の第1象限に存在する場合は、入力した復調信号の同相成分I(n)と直交成分Q(n)をそのまま出力する。すなわち変換後の信号点(Id(n),Qd(n))をId(n)=I(n)、Qd(n)=Q(n)とする。
また、復調信号の信号点がI−Q平面の第2象限に存在する場合には、この復調信号の同相成分I(n)と直交成分Q(n)の代わりに、変換後の信号点(Id(n),Qd(n))をId(n)=−I(n)、Qd(n)=Q(n)として出力する。
さらに、復調信号の信号点がI−Q平面の第3象限に存在する場合には、この復調信号の同相成分I(n)と直交成分Q(n)の代わりに、変換後の信号点(Id(n),Qd(n))をId(n)=−I(n)、Qd(n)=−Q(n)として出力する。
さらに、復調信号の信号点がI−Q平面の第4象限に存在する場合には、この復調信号の同相成分I(n)と直交成分Q(n)の代わりに、変換後の信号点(Id(n),Qd(n))をId(n)=I(n)、Qd(n)=−Q(n)として出力する。
R(n)=P(n)−k×D(n)−Z(n) ・・・(1)
従来の受信装置では、ビタビ復号による誤り訂正を行う場合、差動復調した復調信号の電力値やI−Q平面における復調信号のコンスタレーションの傾きである位相誤差情報を利用してビタビ復号を行っていた。
これに対して、この発明によれば、復調信号の電力値や復調信号のコンスタレーションの傾きに加え、信号帯域に重畳されている狭帯域雑音の有無およびその大きさを考慮したビタビ復号を行う。このためDQPSK−OFDM信号に対する誤り訂正能力が向上し、受信性能を改善することが可能である。
しかし、信号帯域に狭帯域雑音が重畳されている場合、図5(c)に示すように、雑音成分の電力もサブキャリアの信号電力に加算されるため、その電力値がそのまま信頼性を表すとは限らない。
この場合は、サブキャリアの信号電力が大きい方が相対的にC/Nがよいと言えるが、同じ電力であっても復調信号点が直線Q=IまたはQ=−Iに近いほど復調信号の信頼性は高くなる。
例えば、サブキャリアの電力情報P(n)が大きい方がR(n)は大きな値となり信頼性が高い。また、サブキャリアの復調信号が理想信号点である直線Q=IまたはQ=−Iに存在すればD(n)=0となり、R(n)は大きな値となる。
一方、復調信号のコンスタレーションがI−Q平面上で傾いても、復調信号点が直線Q=IまたはQ=−Iに近いほどD(n)が小さくなり、R(n)は大きな値となる。
さらに、サブキャリアに重畳された狭帯域雑音成分の検出値Z(n)は雑音成分の有無およびその大きさに応じた値であるので、雑音成分がなくZ(n)がゼロ値であれば、R(n)は大きな値となり、狭帯域雑音が存在してZ(n)が大きくなると、これに応じてR(n)は小さくなる。
このように構成することで、サブキャリアに重畳された狭帯域雑音成分の有無およびその大きさを考慮した信頼性情報を生成できる。この信頼性情報を用いてビタビ復号を行うことで、復調信号における狭帯域雑音の影響が抑圧される。このためビタビ復号における誤り訂正能力が向上して受信性能を改善させることができる。
図6は、この発明の実施の形態2における信頼性情報生成部の構成を示すブロック図である。図6に示すように、信頼性情報生成部5Aには、実施の形態1の構成に対してシンボル内平均化部53を追加し、信頼性情報演算部52の代わりに、シンボル内平均化部53の情報を用いて信頼性情報を演算する信頼性情報演算部52Aを設けている。なお、図6において、図3と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
信頼性情報演算部52Aは、復調信号の電力情報P(n)、平均値D’(n)、狭帯域雑音成分の有無およびその大きさZ(n)、正の固定係数kを用いて、下記式(2)から復調信号の信頼性が高低する信頼性情報R(n)を算出する。
R(n)=P(n)−k×D’(n)−Z(n) ・・・(2)
このようにすることで、復調信号における全てのサブキャリアに共通の位相回転成分を考慮した信頼性情報を生成することが可能であり、上記実施の形態1に比べて信頼性情報の精度を向上させることができる。
図7は、この発明の実施の形態3における信頼性情報生成部の構成を示すブロック図である。図7に示すように、信頼性情報生成部5Bには、実施の形態2の構成に対して位相誤差検出部54および変動係数変換部55を追加し、信頼性情報演算部52Aの代わりに、変動係数変換部55からの情報を用いて信頼性情報を演算する信頼性情報演算部52Bを設けている。なお、図7において図3および図6と同一構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
またθ(n)を1OFDMシンボル内で平均化した値は、このOFDMシンボルの差動復調信号における平均の位相回転量に比例した値となる。
信頼性情報演算部52Bは、復調信号の電力情報P(n)、平均値D’(n)、狭帯域雑音成分の有無およびその大きさZ(n)、変動係数mを用いて、下記式(3)から復調信号の信頼性が高低する信頼性情報R(n)を算出する。
R(n)=P(n)−m×D’(n)−Z(n) ・・・(3)
R(n)=P(n)−m×D(n)−Z(n) ・・・(4)
Claims (8)
- サブキャリアがDQPSK変調されたOFDM信号を受信する受信装置であって、
OFDMシンボルごとに受信信号を離散フーリエ変換して出力するフーリエ変換部と、
前記フーリエ変換部の出力信号からリファレンスシンボルに対応する出力信号を抽出して出力するリファレンスシンボル抽出部と、
前記リファレンスシンボル抽出部の出力信号に基づいて前記受信信号に含まれる狭帯域雑音成分を検出し、前記サブキャリアごとに前記狭帯域雑音成分の有無およびその大きさを出力する狭帯域雑音検出部と、
前記フーリエ変換部の出力信号を差動復調して前記サブキャリアごとの復調信号を出力する差動復調部と、
前記差動復調部および前記狭帯域雑音検出部の各出力信号に基づいて、前記狭帯域雑音成分の有無およびその大きさを含む情報に応じて前記復調信号の信頼性が高低する信頼性情報を生成する信頼性情報生成部と、
前記信頼性情報を用いて前記復調信号に対するビタビ復号を行うビタビ復号部とを備える受信装置。 - 前記狭帯域雑音検出部は、前記リファレンスシンボルに対応する出力信号を既知の値で除算して得た伝送路のチャネルインパルス応答信号とこのチャネルインパルス応答信号を低域通過フィルタで平滑化した信号との差分値が予め定めた閾値より大きい周波数帯域内に前記狭帯域雑音成分が存在すると判定することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
- 前記低域通過フィルタの通過帯域は、前記伝送路で生じる反射波成分が通過可能な帯域幅を有することを特徴とする請求項2記載の受信装置。
- 前記信頼性情報生成部は、前記復調信号の電力情報、I−Q平面上のQ=IまたはQ=−I直線と前記復調信号の信号点との距離および前記狭帯域雑音成分の大きさに応じて前記復調信号の信頼性が高低する信頼性情報を生成することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
- 前記信頼性情報生成部は、前記復調信号の電力情報、I−Q平面上の直線Q=IまたはQ=−Iと前記復調信号の信号点との距離のOFDMシンボルごとの平均値、前記狭帯域雑音成分の有無およびその大きさに応じて前記復調信号の信頼性が高低する信頼性情報を生成することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
- 前記信頼性情報生成部は、前記復調信号の電力情報、I−Q平面上のQ=IまたはQ=−I直線と前記復調信号の信号点との距離を前記復調信号のコンスタレーションの傾きに応じて変動させた値、前記狭帯域雑音成分の有無および大きさに応じて前記復調信号の信頼性が高低する信頼性情報を生成することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
- 前記信頼性情報生成部は、前記復調信号の電力情報、I−Q平面上の直線Q=IまたはQ=−Iと前記復調信号の信号点との距離のOFDMシンボルごとの平均値を前記復調信号のコンスタレーションの傾きに応じて変動させた値、前記狭帯域雑音成分の有無およびその大きさに応じて前記復調信号の信頼性が高低する信頼性情報を生成することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
- サブキャリアがDQPSK変調されたOFDM信号の受信方法であって、
フーリエ変換部が、OFDMシンボルごとに受信信号を離散フーリエ変換して出力するステップと、
リファレンスシンボル抽出部が、前記フーリエ変換部の出力から既知のリファレンスシンボルに対応するフーリエ変換出力信号を抽出して出力するステップと、
狭帯域雑音検出部が、前記リファレンスシンボル抽出部の出力信号に基づいて前記受信信号に含まれる狭帯域雑音成分を検出し、前記サブキャリアごとに前記狭帯域雑音成分の有無およびその大きさを出力するステップと、
差動復調部が、前記フーリエ変換部の出力信号を差動復調して前記サブキャリアごとの復調信号を出力するステップと、
信頼性情報生成部が、前記差動復調部および前記狭帯域雑音検出部の各出力信号に基づいて、前記狭帯域雑音成分の有無およびその大きさを含む情報に応じて前記復調信号の信頼性が高低する信頼性情報を生成して出力するステップと、
ビタビ復号部が、前記信頼性情報を用いて前記復調信号に対するビタビ復号を行うステップとを備える受信方法。
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