JPWO2015029436A1 - 位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、延伸後のフィルム表面への添加剤の析出が抑制され、膜厚が小さくても高い位相差値を有する位相差フィルムを提供することである。本発明の位相差フィルムは、セルロースエステルと、下記一般式(1)で示される化合物とを含む。【化1】

Description

本発明は、位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置に関する。
近年、液晶表示装置には、表示画面のコントラストの向上だけでなく、薄型化が求められている。それに伴い、液晶表示装置の構成部材の薄型化;特に偏光板の薄型化が求められている。
偏光板は、通常、偏光子と、その液晶セル側の面に配置される位相差フィルム(F2またはF3)と、液晶セルとは反対側の面に配置される保護フィルム(F1またはF4)とを含む。偏光板を薄型化するためには、位相差フィルムの厚みを小さくすることが有効である。しかしながら、位相差フィルムの厚みを小さくすると、所望の位相差が得られにくい。
そこで、厚みが小さくても一定以上の位相差値を有する位相差フィルムを得るために、位相差フィルムに位相差発現剤をさらに添加することが検討されている。そのような位相差発現剤としては、例えばキノキサリン骨格を有する化合物(例えば特許文献1)や、ビフェニレン骨格を1つだけ有する化合物(例えば特許文献2)などが提案されている。
韓国公開特許第2011−0075473号公報 特許第4459750号公報
ところで、生産効率を低下させることなく、厚みの小さい位相差フィルムを得るためには、フィルム原反を高倍率延伸することで、フィルム幅が大きく、厚みが小さい位相差フィルムを得ることが望まれる。高倍率延伸を行うためには、延伸温度を高くすることが望まれる。
しかしながら、特許文献1および2で示されるような位相差発現剤などの添加剤を含むフィルム原反を高温下で延伸すると、延伸後のフィルム表面に添加剤が析出しやすいという問題があった。そのような析出物は、液晶表示装置の表示画面のコントラストを低下させる原因となりやすい。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、延伸後のフィルム表面への添加剤の析出が抑制され、厚みが小さくても高い位相差値を有する位相差フィルムを提供することを目的とする。
[1] セルロースエステルと、下記一般式(1)で示される化合物とを含む、位相差フィルム。
Figure 2015029436
(一般式(1)中、
は、−R−(OR10)n−(RおよびR10は、炭素原子数3〜10の置換基を有してもよいアルキレン基を表し、nは、0または1を表す)を表し;
およびLは、それぞれ独立して炭素原子数4〜20の置換基を有するアルキル基または炭素原子数2〜20のアシル基を表し;
〜Rは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す)
[2] 環構成原子が窒素原子を有する1種類以上の複素環式化合物をさらに含む、[1]に記載の位相差フィルム。
[3] 厚みが10〜50μmである、[1]または[2]に記載の位相差フィルム。
[4] 下記式(I)で定義され、23℃55%RH下、波長590nmにおいて測定される面内方向のレターデーションR0(590)が20〜130nmであり、下記式(II)で定義され、23℃55%RH下、波長590nmにおいて測定される厚み方向のレターデーションRt(590)が100〜300nmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の位相差フィルム。
式(I):R0(λ)=(nx−ny)×d
式(II):Rt(λ)=[(nx+ny)/2−nz]×d
(式中、
λは、測定光の波長を示し;
nxは、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し;
nyは、フィルム面内の前記遅相軸と直交する方向の屈折率を示し;
nzは、フィルムの厚さ方向の屈折率を示し;
dは、フィルムの厚さを示す)
[5] 偏光子と、前記偏光子の一方の面に配置された[1]〜[4]のいずれかに記載の位相差フィルムとを含む、偏光板。
[6] 前記偏光子の他方の面に配置され、JIS Z 0208に準拠して測定される40℃90RH%下における透湿度が20〜120g/m・24hの保護フィルムをさらに含む、[5]に記載の偏光板。
[7] 液晶セルと、前記液晶セルを挟持する第一の偏光板および第二の偏光板とを含む液晶表示装置であって、前記第一の偏光板が、第一の偏光子と、前記第一の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF1と、前記第一の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された位相差フィルムF2とを含み、前記第二の偏光板が、第二の偏光子と、前記第二の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された位相差フィルムF3と、前記第二の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF4とを含み、前記位相差フィルムF2と前記位相差フィルムF3の一方または両方が、[1]〜[4]のいずれかに記載の位相差フィルムである、液晶表示装置。
本発明によれば、延伸後のフィルム表面への位相差発現剤の析出が抑制され、膜厚が小さくても高い位相差値を有する位相差フィルムを提供することができる。
液晶表示装置の基本的な構成の一例を示す模式図である。
前述の通り、特許文献1および2で示されるような位相差発現剤などの添加剤を含むフィルム原反を高温下で延伸すると、延伸後のフィルム表面に添加剤が析出しやすい原因は、特に限定されないが、1)添加剤とセルロースエステルとの相互作用が小さいこと、2)添加剤が自己凝集しやすいことなどであると推測される。
これに対して本発明者らは、添加剤として一般式(1)で表される化合物を含むフィルムは、高温下で延伸しても、一般式(1)で表される化合物の析出が抑制されることを見出した。
この原因は必ずしも明らかではないものの、主に、一般式(1)で表される化合物は、1)ビフェニレン基の芳香族環とセルロースエステルを構成する糖環とのC−H間相互作用が大きいこと、2)2つのビフェニレン基が鎖状連結部で連結されたフレキシブルな構造を有するため、セルロースエステル分子間を擬似的に架橋させうること、3)自己凝集しにくいことによると考えられる。
さらに、本発明者らは、一般式(1)で表される化合物は、それ自体が析出しにくいだけでなく、位相差上昇剤などの他の添加剤の析出も抑制しうることを見出した。これは、一般式(1)で表される化合物が、他の添加剤の環構造とセルロースエステルの脂肪族環構造との相互作用を高めたり;他の添加剤を、セルロースエステルの擬似架橋構造に保持したりするためであると考えられる。
このように、一般式(1)で表される化合物を含有させることで、位相差上昇剤などの他の添加剤を多く含有させても、それらの延伸後のフィルム表面への析出を抑制できる。それにより、厚みが小さくても、一定以上の位相差値を有する位相差フィルムを得ることができる。
1.位相差フィルム
本発明の位相差フィルムは、セルロースエステルと、一般式(1)で表される化合物とを含み、必要に応じて位相差上昇剤や可塑剤などの他の添加剤をさらに含んでもよい。
セルロースエステル
セルロースエステルは、セルロースと、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸;好ましくは脂肪族カルボン酸とをエステル化反応させて得られる化合物である。即ち、セルロースエステルは、好ましくは脂肪族アシル基を含む。
脂肪族アシル基の炭素原子数は、2〜7であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることがさらに好ましい。脂肪族アシル基の例には、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基などが含まれ、好ましくはアセチル基である。脂肪族アシル基は、一種類だけでも、二種類以上であってもよい。
セルロースエステルの具体例には、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどが含まれ、位相差を発現させやすいことから、好ましくはセルロースアセテートである。
セルロースエステルのアシル基の総置換度は、1.0〜3.0であることが好ましく、2.0〜2.5であることがより好ましい。位相差発現性や膜厚均一性を高める観点から、セルロースエステルのアシル基のうち、アセチル基の置換度は、1.5〜2.9であることが好ましく、2.0〜2.5であることがより好ましい。炭素原子数3以上のアシル基の置換度は、1.0以下であることが好ましく、0であることがより好ましい。
セルロースエステルのアシル基置換度は、ASTM−D817−96に準じて測定することができる。
セルロースエステルの重量平均分子量は、位相差フィルムの機械的強度を一定以上とするためなどから、1.0×10〜5.0×10であることが好ましく、5.0×10〜4.0×10であることがより好ましく、1.0×10〜3.0×10であることがさらに好ましい。
セルロースエステルの分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1.0〜4.5であることが好ましい。
セルロースエステルの重量平均分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製)を3本接続して使用する。
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standardポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1.0×10〜5.0×10までの13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、分子量がほぼ等間隔となるように選択することが好ましい。
一般式(1)で表される化合物
一般式(1)で表される化合物は、下記の構造を有する。
Figure 2015029436
一般式(1)のLは、−R−(OR10)n−を示す。RおよびR10は、置換基を有してもよいアルキレン基を示す。アルキレン基の炭素原子数は、3〜10であることが好ましく、3〜6であることがより好ましい。アルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。アルキレン基が有しうる置換基の例には、ヒドロキシ基などが含まれる。nは、0または1を示し、好ましくは1である。
−R−(OR10)n−で表される基は、nが1であり、RおよびR10で示されるアルキル基の炭素原子数が多いほど、フレキシビリティが高くなりやすい。それにより、前述のセルロースエステル分子間を、一般式(1)で表される化合物によって擬似的に架橋させやすくしうる。
一般式(1)のLおよびLは、それぞれ独立して置換基を有するアルキル基またはアシル基を示す。
置換基を有するアルキル基の炭素原子数は、4〜20であることが好ましく、5〜15であることがより好ましい。アルキル基が有する置換基の例には、ヒドロキシ基、炭素原子数2〜10のアルキルカルボニルオキシ基および炭素原子数7〜10のアリールカルボニルオキシ基などが含まれる。炭素原子数2〜10のアルキルカルボニルオキシ基の例には、メチルカルボニルオキシ基などが含まれ;炭素原子数7〜10のアリールカルボニルオキシ基の例には、フェニルカルボニルオキシ基などが含まれる。
アシル基の炭素原子数は、2〜20であることが好ましい。アシル基は、炭素原子数2〜8のアルキルカルボニル基または炭素原子数7〜10のアリールカルボニル基でありうる。炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基の例には、メチルカルボニル基などが含まれる。炭素原子数7〜10のアリールカルボニル基の例には、フェニルカルボニル基などが含まれる。
一般式(1)のR〜Rは、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を示す。炭素原子数1〜3のアルキル基の例には、メチル基などが含まれる。R〜Rは、互いに同一であってもよいし、異なってもよい。
一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2015029436
Figure 2015029436
一般式(1)で表される化合物は、任意の方法で合成されうる。例えば、一般式(1)で表される化合物は、分子内に2つのビフェニレン基を有するジグリシジル化合物を得る工程(工程1)と;該ジグリシジル化合物の両末端のグリシジル基をモノカルボン酸と反応させる工程(工程2)と、を経て得ることができる。
工程1について
ジヒドロキシビフェニル化合物を原料として、分子内に2つのビフェニレン基を有するジグリシジル化合物を得る。上記ジグリシジル化合物は、グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物(a1−1)と、グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物のエポキシ加水開環物(a1−2)との開環付加物であるか(第1の合成法);ジヒドロキシビフェニル化合物と、グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物(a2−1)との開環付加物でありうる(第2の合成法)。
第1の合成法は、ジヒドロキシビフェニル化合物の2つのヒドロキシル基を、エポキシド化合物(エピクロルヒドリンやグリシドールなど)と反応させて、グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物(a1−1)を得る工程;該グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物(a1−1)に水を加えて、該化合物(a1−1)の一方のグリシジル基を開環させてエポキシ加水開環物(a1−2)を得る工程;グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物(a1−1)とエポキシ加水開環物(a1−2)とを開環付加反応させて、分子内に2つのビフェニレン基を有するジグリシジル化合物(a1−3)を得る工程を含みうる(後述の合成例1を参照)。
原料として用いられるジヒドロキシビフェニル化合物の例には、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,5−ジメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルなどが含まれる。反応に用いる溶媒は、無水ジメチルホルムアミドなどでありうる。
第1の合成法における反応温度は、室温〜65℃とし;反応時間は、合計24〜64時間としうる。水の添加は、原料であるジヒドロキシビフェニル化合物が反応により完全に消費された時点で行うことが好ましい。水の添加量は、グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物(a1−1)のモル数に対して、1/2のモル数となるようにすることが好ましい。
第2の合成法は、ジヒドロキシビフェニル化合物の一方のヒドロキシル基を、エポキシド化合物(エピクロルヒドリンなど)と反応させてグリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物(a2−1)を得る工程;該グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物(a2−1)と、ジヒドロキシビフェニル化合物とを開環付加反応させて、両末端にヒドロキシル基を有する化合物(a2−2)を得る工程;および化合物(a2−2)の両末端ヒドロキシル基を、エポキシド化合物と反応させて、分子内に2つのビフェニレン基を有するジグリシジル化合物(a2−3)を得る工程を含みうる(後述の合成例2を参照)。
第2の合成法における反応温度は、前述と同様に、室温〜65℃とし;反応時間は、合計24〜100時間程度としうる。
工程2について
前記1)で得られた、分子内に2つのビフェニレン基を有するジグリシジル化合物(a1−3)または(a2−3)の両末端のグリシジル基を、モノカルボン酸と脱水縮合反応させて、一般式(1)で表される化合物を得る。
用いられるモノカルボン酸は、脂肪族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸のいずれであってもよいが、好ましくは芳香族カルボン酸である。芳香族カルボン酸の例には、安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、テロラメチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、クミン酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、アニス酸、エトキシ安息香酸、プロポキシ安息香酸、シアノ安息香酸、フルオロ安息香酸、ニトロ安息香酸、4−フェニル安息香酸、4−(3−メチルフェニル)安息香酸、4−(4−メチルフェニル)安息香酸、4−(3,5−ジメチルフェニル)安息香酸、2−メチル−4−フェニル安息香酸、2,6−ジメチル−4−フェニル安息香酸、2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)安息香酸、ナフトエ酸、ニコチン酸、フロ酸、1−ナフタレンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸などが含まれる。
脱水縮合反応は、窒素気流下で撹拌しながら行う。反応温度は、150〜250℃、好ましくは190〜230℃とし;反応時間は、10〜25時間としうる。未反応物は、150〜200℃の温度下で減圧留去することが好ましい。モノカルボン酸の仕込み量は、ジグリシジル化合物のエポキシ基のモル数/モノカルボン酸のカルボキシル基のモル数が、1/0.9〜1/1の範囲とすることが好ましい。
このようにして得られる化合物は、分子内に2つのビフェニレン基を有する化合物を主成分として含むが、分子内に3つ以上のビフェニレン基を有する化合物を微量さらに含んでいてもよい。分子内に2つのビフェニレン基を有する化合物の重量平均分子量は、前述と同様でありうる。
一般式(1)で表される化合物の含有量は、セルロースエステルに対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜4質量%であることがより好ましく、0.15質量%以上3質量%未満であることがさらに好ましい。一般式(1)で表される化合物の含有量が一定以上であると、例えば後述する位相差上昇剤などの析出を好ましく抑制しうる。一般式(1)で表される化合物の含有量が一定以下であると、それ自体の析出や位相差上昇剤などの他の添加剤の析出を、より高度に抑制しうる。
位相差上昇剤
位相差上昇剤は、構成環が窒素原子を含有する複素環式化合物や、棒状化合物などでありうる。
構成糖が窒素原子を含有する複素環式化合物は、単環式化合物または縮合環式化合物でありうる。単環式の複素環式化合物の例には、トリアジン化合物などが含まれ;縮合環式の複素環式化合物の例には、カルバゾール化合物、キノキサリン化合物、ベンゾオキサゾール化合物、およびオキサジアゾール化合物などが含まれる。
トリアジン化合物は、一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2015029436
一般式(2)のX〜Xは、それぞれ独立して単結合または−NR−を示す。−NR−のRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基、炭素原子数2〜30のアルケニル基、炭素原子数6〜30のアリール基またはヘテロアリール基である。
一般式(2)のR〜Rは、それぞれ独立して炭素原子数6〜30のアリール基またはヘテロアリール基を示し;好ましくは炭素原子数6〜30のアリール基である。炭素原子数6〜30のアリール基の例には、フェニル基、ナフチル基などが含まれる。ヘテロアリール基を構成する複素環は、5員環または6員環の不飽和複素環であることが好ましい。複素環のヘテロ原子は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子であり、窒素原子であることが好ましい。ヘテロアリール基の例には、2−ピリジルまたは4−ピリジルなどが含まれる。
アリール基の芳香族環またはヘテロアリール基の複素環は、置換基を有してもよい。そのような置換基の例には、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基などが含まれる。
一般式(2)で表される化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2015029436
カルバゾール化合物は、一般式(3)で表されうる。
Figure 2015029436
一般式(3)のRは、炭素原子数1〜20、好ましくは1〜5のヒドロキシアルキル基を示す。ヒドロキシアルキル基の例には、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基などが含まれる。一般式(3)で表される化合物の具体例には、9H−カルバゾール−9−エタノール、9H−カルバゾール−9−プロパノール、9H−カルバゾール−9−ブタノールなどが含まれる。
キノキサリン化合物は、一般式(4)で表されうる。
Figure 2015029436
一般式(4)のRは、それぞれ独立して炭素原子数6〜20、好ましくは6〜18のアリール基またはヘテロアリール基を示す。アリール基の例には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、テトラセニル基などが含まれ;ヘテロアリール基の例には、ピリジニル基などが含まれる。一般式(4)のR’は、それぞれ独立して水素原子または炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜4のアルキル基を示す。一般式(4)で表される化合物の具体例には、2,3−ジフェニルキノキサリン、6,7−ジメチル−2,3−ジフェニルキノキサリン、2,3−ジ(ピリジン−2−イル)キノキサリンなどが含まれる。
ベンゾオキサゾール化合物は、一般式(5)で表されうる。
Figure 2015029436
一般式(5)のRは、炭素原子数1〜20、好ましくは1〜5の置換または無置換の脂肪族基、あるいは炭素原子数6〜20、好ましくは6〜10の置換または無置換の芳香族基を示す。脂肪族基は、好ましくはメチル基などのアルキル基である。芳香族基は、好ましくはフェニル基などのアリール基である。脂肪族基および芳香族基が有しうる置換基の例には、ヒドロキシ基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基などが含まれる。一般式(5)で表される化合物の具体例には、2−メチルベンゾオキサゾール、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾールなどが含まれる。
オキサジアゾール化合物は、一般式(6)で表されうる。
Figure 2015029436
一般式(6)のRおよびR’は、それぞれ独立して炭素原子数1〜20のアルキル基または炭素原子数6〜20のアリール基を示す。アルキル基の炭素原子数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5でありうる。アリール基の炭素原子数は、好ましくは6〜18でありうる。RとR’の分子量の差は、好ましくは2〜200、より好ましくは2〜100、さらに好ましくは2〜50である。一般式(6)で表される化合物の具体例には、(2,4−terブチルフェニル)−5−(4−ビフェニル−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが含まれる。
棒状化合物は、一般式(7)で表されうる。
Ar−L12−X−L13−Ar・・・(7)
一般式(7)のArおよびArは、それぞれ独立にアリール基またはヘテロアリール基を示す。
アリール基における芳香族環は、好ましくはベンゼン環である。へテロアリール基における芳香族性ヘテロ環は、好ましくは5員環または6員環である。ヘテロ原子は、好ましくは窒素原子、酸素原子または硫黄原子であり、より好ましくは窒素原子または硫黄原子である。芳香族性ヘテロ環は、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環またはピラジン環でありうる。
アリール基の芳香族環またはヘテロアリール基の複素環は、置換基をさらに有してもよい。そのような置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキル置換アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基およびアルキル基などが含まれる。
一般式(7)のL12およびL13は、それぞれ独立して−O−CO−、−CO−O−またはそれらの組合せからなる二価の連結基を示す。
一般式(7)のXは、1,4−シクロへキシレン基、ビニレン基またはエチニレン基を示す。
一般式(7)で表される化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2015029436
これらの位相差上昇剤のなかでも、構成環が窒素原子を含む複素環式化合物は、他の化合物よりも自己凝集しやすく、析出しやすい。そのような上記複素環式化合物を一定以上含むフィルムであっても、一般式(1)で表される化合物をさらに含むことで、延伸後のフィルム表面への上記複素環式化合物の析出を抑制しうる。
位相差上昇剤の含有量は、セルロースエステルに対して1〜10質量%の範囲とすることができ、好ましくは3〜7質量%でありうる。位相差上昇剤の含有量が一定以上であると、フィルムの位相差を高めうる。位相差上昇剤の含有量が一定以下であると、位相差上昇剤の析出を高度に抑制しうる。
本発明の位相差フィルムは、必要に応じて他の添加剤をさらに含みうる。他の添加剤の例には、可塑剤、水素結合性化合物、剥離助剤、マット剤(微粒子)などが含まれる。
可塑剤
可塑剤の例には、ポリエステル化合物、糖エステル化合物、多価アルコールエステル化合物、リン酸エステル化合物などが含まれる。
ポリエステル化合物は、一般式(8)で示されることが好ましい。
一般式(8)
B−(G−A)n−G−B
一般式(8)中、Aは、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸から誘導される2価の基または炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸から誘導される2価の基を表す。Bは、水素原子またはカルボン酸から誘導される1価の基を表す。Gは、炭素原子数2〜12のアルキレングリコールから誘導される2価の基、炭素原子数6〜12のアリールグリコールから誘導される2価の基、または炭素原子数が4〜12のオキシアルキレングリコールから誘導される2価の基を表す。nは、1以上の整数を表す。
Aの、炭素原子数4〜12のアルキレンジカルボン酸から誘導される2価の基の例には、コハク酸、マレイン酸、フマール酸、グルタール酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などから誘導される2価の基が含まれる。Aにおける炭素原子数6〜12のアリールジカルボン酸から誘導される2価の基の例には、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などから誘導される2価の基が含まれる。
Bの、カルボン酸から誘導される1価の基の例には、安息香酸やトルイル酸などの芳香族カルボン酸、酢酸などの脂肪族カルボン酸などから誘導される1価の基が含まれる。
Gの、炭素原子数2〜12のアルキレングリコールから誘導される2価の基の例には、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール(3,3-ジメチロールペンタン)、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール(3,3-ジメチロールヘプタン)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、および1,12-オクタデカンジオール等から誘導される2価の基が含まれる。
Gの、炭素原子数6〜12のアリールグリコールから誘導される2価の基の例には、1,2-ジヒドロキシベンゼン(カテコール)、1,3-ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン(ヒドロキノン)、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール等などから誘導される2価の基が含まれる。Gにおける炭素原子数が4〜12のオキシアルキレングリコールから誘導される2価の基の例には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどから誘導される2価の基が含まれる。
一般式(8)で表されるエステル化合物の例には、以下のものが含まれる。
Figure 2015029436
Figure 2015029436
Figure 2015029436
ポリエステル化合物の分子量は、100〜10000であることが好ましく、可塑性を付与する効果が大きいことから、600〜3000であることがより好ましい。
糖エステル化合物
糖エステル化合物は、糖に含まれる水酸基とモノカルボン酸とを反応させて得られる化合物である。即ち、糖エステル化合物は、糖由来の構造と、(糖に含まれる)水酸基とモノカルボン酸との反応物由来のアシル基とを含む。
糖エステル化合物に含まれる糖由来の構造は、フラノース構造とピラノース構造の少なくとも一方が合計で1〜4個、好ましくは1〜3個、より好ましくは2個結合した構造であることが好ましい。なかでも、糖エステル化合物に含まれる糖由来の構造は、ピラノース構造とフラノース構造の両方を含むことが好ましい。
糖由来の構造の例には、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロースおよびアラビノースなどの単糖;トレハロース、ラクトース、スクロース、マルチトール、セロビオース、マルトースなどの二糖;セロトリオース、ラフィノースなどの三糖などに由来する構造が含まれる。
糖エステル化合物に含まれるアシル基は、脂肪族アシル基であっても、芳香族基アシル基であってもよい。脂肪族アシル基の炭素原子数は1〜22、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8でありうる。脂肪族アシル基の例には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基などが含まれる。芳香族アシル基の例には、ベンゾイル基、トルイル基、フタリル基が含まれる。
中でも、糖エステル化合物に含まれるアシル基は、セルロースエステルとの相溶性を高めるためなどから、少なくともベンゾイル基を含むことが好ましい。糖エステル化合物に含まれる複数のアシル基は、互いに同じであっても異なっていてもよい。
糖エステル化合物において、アシル基で置換されていない未反応の水酸基は、通常、そのまま水酸基として残っていてもよい。糖エステル化合物は、アシル基の種類が同一で、かつ置換度が異なる複数の糖エステル化合物の混合物でありうる。
単糖由来の糖エステル化合物の構造の例を示す。
Figure 2015029436
二糖由来の糖エステル化合物の構造の例を示す。
Figure 2015029436
A−1〜A−4およびB−1〜B−4におけるRは、前述の脂肪族アシル基または芳香族基アシル基でありうる。複数のRは、互いに同じであっても異なっていてもよい。
これらの糖エステル化合物の具体例には、以下のものが含まれる。
Figure 2015029436
Figure 2015029436
Figure 2015029436
多価アルコールエステル化合物
多価アルコールエステル化合物は、2価以上、好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールと、モノカルボン酸とのエステル化合物である。
脂肪族多価アルコールの好ましい例には、アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等が含まれる。なかでも、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールなどが好ましい。
モノカルボン酸は、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸または芳香族モノカルボン酸等でありうる。フィルムの透湿性を高め、かつ揮発しにくくするためには、脂環族モノカルボン酸または芳香族モノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸は、1種類であってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。また、脂肪族多価アルコールに含まれるOH基の全部をエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
脂肪族モノカルボン酸は、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸であることが好ましい。脂肪族モノカルボン酸の炭素数はより好ましくは1〜20であり、さらに好ましくは1〜10である。そのような脂肪族モノカルボン酸の例には、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸;ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等が含まれる。なかでも、セルロースエステルとの相溶性を高めるためには、酢酸、または酢酸とその他のモノカルボン酸との混合物が好ましい。
脂環族モノカルボン酸の例には、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸などが含まれる。
芳香族モノカルボン酸の例には、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基、メトキシ基あるいはエトキシ基などのアルコキシ基を1〜3個を導入したもの;ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸などが含まれ、好ましくは安息香酸である。
多価アルコールエステル化合物は、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。
多価アルコールエステル化合物の分子量は、特に制限されないが、300〜1500であることが好ましく、350〜750であることがより好ましい。揮発し難くするためには、分子量が大きいほうが好ましく;透湿性、セルロースエステルとの相溶性を高めるためには、分子量が小さいほうが好ましい。
多価アルコールエステル化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2015029436
Figure 2015029436
Figure 2015029436
Figure 2015029436
リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェートなどが含まれる。
可塑剤の合計含有量は、セルロースエステルに対して5〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。可塑剤の含有量が一定以上であると、十分な可塑化効果が得られやすい。一方、可塑剤の含有量が一定以下であると、延伸後のフィルム表面への析出を高度に抑制しやすい。
水素結合性化合物
水素結合性化合物は、高湿下におけるフィルムの寸法変化などを抑制するためなどから含有されうる。そのような水素結合性化合物は、特開2012−082235号公報に記載のものが含まれ;例えば、一般式(A−1)または(B−1)で表される化合物などでありうる。
Figure 2015029436
一般式(A−1)のRaは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基またはアリール基を示し;好ましくはアルキル基またはアリール基である。X、X、XおよびXは、それぞれ独立して単結合または2価の連結基を示し;好ましくは全て単結合である。R、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を示し;好ましくは水素原子またはアルキル基である。
Figure 2015029436
一般式(B−1)のRbおよびRcは、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基またはアリール基を示す。XおよびXは、それぞれ独立に単結合または2価の連結基を示す。RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を示す。
一般式(A−1)で表される化合物の具体例には、以下のものが含まれる。
Figure 2015029436
Figure 2015029436
水素結合性化合物の含有量は、セルロースエステルに対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%程度としうる。
剥離助剤
剥離助剤は、下記(1)〜(3)の要件を満たす有機酸であることが好ましい。このような有機酸は、無置換のカルボキシル基を有することから、溶液製膜法で位相差フィルムを得る際に、ドープ膜の金属支持体からの剥離性を改善しうる。
(1)多価アルコールと多価カルボン酸がエステル結合を形成して結合した構造を含む。
(2)多価アルコールと多価カルボン酸の分子数の合計が3以上である。
(3)多価カルボン酸由来の無置換のカルボキシル基を少なくとも1つ有する。
前記有機酸を構成する多価カルボン酸の例には、コハク酸、クエン酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸などが含まれる。有機酸を構成する多価カルボン酸の分子数は1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましい。
前記有機酸を構成する多価アルコールの例には、アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール、グリセリン等が含まれ、好ましくはグリセリンである。有機酸を構成する価アルコールの分子数は1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが特に好ましい。
前記有機酸は、該有機酸を構成する多価アルコールと多価カルボン酸に加えて、さらに炭素数が4以上の置換基を有する一価の酸が該多価アルコールの一部のヒドロキシル基とエステル結合を形成した構造を有してもよい。炭素数が4以上の置換基を有する一価の酸は、好ましくは脂肪酸であり、カプリル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸がより好ましく、オレイン酸がさらに好ましい。
前記有機酸の具体例には、以下のものが含まれる。
Figure 2015029436
剥離助剤の含有量は、セルロースエステルに対して0.01〜20質量%程度としうる。
マット剤
マット剤は、保護フィルムに滑り性を付与しうる。マット剤は、無機微粒子または有機微粒子でありうる。
無機微粒子を構成する無機化合物の例には、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム等が含まれる。なかでも、フィルムのヘイズの増大が少ないことから、二酸化珪素が好ましい。
二酸化珪素の例には、アエロジル200V、アエロジルR972V、アエロジルR972、R974、R812、R202(以上日本アエロジル(株)製)、シーホスターKEP−10、KEP−30、KEP−50(以上、株式会社日本触媒製)などが含まれる。
粒子の形状は、特に制限されず、不定形、針状、扁平、球状等でありうる。なかでも、得られるフィルムの透明性が良好であることから、球状の粒子が好ましい。
粒子の大きさは、可視光の波長に近いと光が散乱し、透明性が低下するため、可視光の波長より小さいことが好ましく、さらに可視光の波長の1/2以下であることが好ましい。粒子の大きさが小さすぎると、滑り性が改善されない場合があるので、80〜180nmであることが好ましい。粒子の大きさとは、粒子が1次粒子の凝集体の場合は、凝集体の大きさを意味する。また、粒子が球状でない場合は、その投影面積に相当する円の直径を意味する。
マット剤の含有量は、セルロースエステルに対して0.05〜1.0質量%程度とすることができ、好ましくは0.1〜0.8質量%としうる。
位相差フィルムの厚みは、10〜80μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましく、10〜30μmであることがさらに好ましい。位相差フィルムの厚みを一定以下とすることで、偏光板を薄型化でき、熱や湿度による偏光板の寸法変化を低減しうる。一方、位相差フィルムの厚みを一定以上とすることで、一定以上の位相差値が得られやすい。
位相差フィルムの物性
(レターデーション)
位相差フィルムのレターデーションは、組み合わされる液晶セルの種類に応じて設定されうる。位相差フィルムの、23℃RH55%下、波長590nmで測定される面内レターデーションRo(590)は20〜130nmであることが好ましく、30〜100nmであることがより好ましい。厚さ方向のレターデーションRth(590)は100〜300nmであることが好ましく、100〜200nmであることがより好ましい。レターデーションが上記範囲である位相差フィルムは、例えばVA型液晶セルなどの位相差フィルムとして好適である。
レターデーションRおよびRthは、それぞれ以下の式で定義される。
式(I):R=(nx−ny)×d(nm)
式(II):Rt={(nx+ny)/2−nz}×d(nm)
(式(I)および(II)において、
nxは、フィルムの面内方向において屈折率が最大になる遅相軸方向xにおける屈折率を表し;nyは、フィルムの面内方向において前記遅相軸方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;nzは、フィルムの厚み方向zにおける屈折率を表し;d(nm)は、フィルムの厚みを表す)
レターデーションRおよびRtは、例えば以下の方法によって求めることができる。
1)位相差フィルムを、23℃55%RHで調湿する。調湿後の位相差フィルムの平均屈折率をアッベ屈折計などで測定する。
2)調湿後の位相差フィルムに、当該フィルム表面の法線に平行に測定波長590nmの光を入射させたときのRを、KOBRA21ADH、王子計測(株)にて測定する。
3)KOBRA21ADHにより、位相差フィルムの面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として、位相差フィルムの表面の法線に対してθの角度(入射角(θ))から測定波長590nmの光を入射させたときのレターデーション値R(θ)を測定する。レターデーション値R(θ)の測定は、θが0°〜50°の範囲で、10°毎に6点行うことができる。位相差フィルムの面内の遅相軸は、KOBRA21ADHにより確認することができる。
4)測定されたRおよびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、KOBRA21ADHにより、nx、nyおよびnzを算出して、測定波長590nmでのRthを算出する。レターデーションの測定は、23℃55%RH条件下で行うことができる。
位相差フィルムは、全光線透過率が好ましくは、80%以上であり、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは93%以上である。
位相差フィルムのヘイズ値は、3.0%以下であることが好ましく、2.0%以下であることが好ましく、さらに1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。保護フィルムのヘイズは、JIS K−7136に準拠して、ヘイズメーター(濁度計)(型式:NDH 2000、日本電色(株)製)にて測定されうる。
位相差フィルムは、溶液製膜法または溶融製膜法で作製されうる。なかでも、平面性が高く、筋状の故障が少ないフィルムが得られやすいことなどから、溶液流延法が好ましい。
溶液流延法による本発明の位相差フィルムの製造は、1)上記各成分を溶剤に溶解させてドープ液を得る工程、2)該ドープ液を無端状の金属支持体上に流延する工程、3)流延されたドープ液を乾燥させて得られる膜状物を、金属支持体から剥離する工程、4)剥離して得られた膜状物を延伸する工程を経て行われることが好ましい。
1)溶解工程
ドープ液の調製に有用な有機溶媒は、セルロースエステルや一般式(1)で表される化合物などの上記各成分を同時に溶解するものであれば、制限なく用いることができる。
例えば、塩素系有機溶媒としては、塩化メチレンが挙げられる。非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等が挙げられる。なかでも、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンなどが好ましい。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有させることが好ましい。ドープ液中にアルコールを含有させることで、膜状物がゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になる。
炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖状の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールを挙げることができる。なかでも、ドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性もよいこと等からエタノールが好ましい。
セルロースエステル等の溶解は、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法などがあるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
ドープ液中のセルロースエステル等の濃度は、計15〜45質量%の範囲としうる。ドープ液は、ドープ液中の異物を除去するために、さらにろ過されることが好ましい。
2)流延工程
ドープ液を、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液する。そして、加圧ダイのスリットから、無限に移送する無端の金属支持体上(例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等)の流延位置に、ドープ液を流延する。
ダイの口金部分のスリット形状を調整でき、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、いずれも好ましく用いられる。金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために、加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ液の流量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープ液を同時に流延する共流延法によって積層構造のフィルムを得てもよい。
3)溶媒蒸発・剥離工程
金属支持体上に流延されたドープ液を金属支持体上で加熱して、ドープ液中の溶媒を蒸発させて、膜状物を得る。
溶媒を蒸発させるには、ドープ液面側から風を吹かせる方法、支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱方法が、乾燥効率が良く好ましい。金属支持体上のドープ液を40〜100℃の範囲内の雰囲気下、支持体上で乾燥させることが好ましい。40〜100℃の範囲内の雰囲気下に維持するには、この温度の温風を、金属支持体上のドープ液面に当てるか赤外線等の手段により加熱することが好ましい。
金属支持体上で溶媒を蒸発させて得られる膜状物を、剥離位置で剥離する。得られる膜状物の面品質、透湿性、剥離性の観点から、流延後30〜120秒以内で、膜状物を金属支持体から剥離することが好ましい。金属支持体上の剥離位置における温度は、好ましくは5〜50℃の範囲であり、さらに好ましくは10〜40℃の範囲である。
剥離時の金属支持体上での膜状物の残留溶媒量は、例えば50〜120質量%の範囲としうる。
膜状物の残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(%)=(膜状物の加熱処理前質量−膜状物の加熱処理後質量)/(膜状物の加熱処理後質量)×100
残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、140℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
金属支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常、196〜245N/mの範囲内であるが、剥離の際に皺が入り易い場合、190N/m以下の張力で剥離することが好ましい。
剥離された膜状物を、必要に応じて乾燥装置内を複数配置したローラで搬送させながら乾燥させてもよい。乾燥は、膜状物の両面に熱風を当てる方法が一般的であるが、熱風の代わりにマイクロウェーブを当てて加熱してもよい。全体を通し、乾燥はおおむね40〜250℃の範囲内で行われる。特に40〜200℃の範囲内で乾燥させることが好ましい。テンター延伸装置で乾燥させる場合、乾燥温度は30〜160℃の範囲が好ましく、50〜150℃の範囲がさらに好ましい。
4)延伸工程
得られたフィルムの延伸は、フィルムの幅方向(TD方向)、搬送方向(MD方向)または斜め方向のうち少なくとも一方向に延伸すればよい。フィルムの幅方向(TD方向)と搬送方向(MD方向)の両方に延伸する場合、フィルムの幅方向(TD方向)の延伸と搬送方向(MD方向)の延伸とは、逐次的に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
延伸倍率は、各方向に1.01〜3.0倍、好ましくは1.1〜2.0倍、より好ましくは1.3〜2.0倍としうる。フィルムの幅方向(TD方向)と搬送方向(MD方向)の両方に延伸する場合、各方向に最終的に1.01〜3.0倍、好ましくは1.1〜2.0倍、より好ましくは1.3〜2.0倍とすることが好ましい。
延伸温度は、Tg〜(Tg+50)℃であることが好ましく、Tg〜(Tg+40)℃であることがより好ましい。具体的には、セルロースエステルを主成分とする位相差フィルムを得る場合、延伸温度は140〜200℃程度としうる。
本発明の位相差フィルムは、セルロースエステルと一般式(1)で表される化合物とを含む膜状物を延伸して得ることができる。一般式(1)で表される化合物は、セルロースエステルとの相互作用が大きく、かつ自己凝集しにくいため、延伸後のフィルム表面に析出するのを抑制できる。
さらに、一般式(1)で表される化合物は、それ自体が析出しにくいだけでなく、位相差上昇剤などの他の添加剤の析出をも抑制しうる。それにより、位相差上昇剤を多く含むフィルムであっても、位相差上昇剤の析出を抑制できる。それにより、厚みが小さくても、一定以上の位相差値を有する位相差フィルムを得ることができる。
2.偏光板
本発明の偏光板は、偏光子と、その少なくとも一方の面に配置された位相差フィルムとを含む。
偏光子について
偏光子は、ヨウ素系偏光膜、または二色染料を用いた染料系偏光膜でありうる。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般的には、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸した後、ヨウ素または二色性染料で染色して得られたフィルムであってもよいし;ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素または二色性染料で染色した後、一軸延伸したフィルム(好ましくは、さらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよい。偏光子の吸収軸は、フィルムの延伸方向と平行である。
ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール水溶液を製膜したものであってもよい。ポリビニルアルコール系フィルムは、偏光性能および耐久性能に優れ、色斑が少ない等ことから、エチレン変性ポリビニルアルコールフィルムが好ましい。
二色性染料の例には、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素およびアントラキノン系色素等が含まれる。
偏光子の厚さは、30μm以下であることが好ましく、2〜25μmの範囲であることが好ましく、2〜15μmの範囲であることがより好ましい。湿度変化による偏光子の寸法変化を低減するためである。
保護フィルム(F1またはF4)について
偏光子の他方の面には、保護フィルムが配置されうる。保護フィルムは、特に制限されず、例えば(メタ)アクリル樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、セルロースエステルフィルムなどでありうる。
(メタ)アクリル樹脂フィルムは、(メタ)アクリル樹脂を主成分とするフィルムである。(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体;または(メタ)アクリル酸エステルとそれと共重合可能な他のモノマーとの共重合体でありうる。
(メタ)アクリル酸エステルは、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、より好ましくはメタクリル酸メチルである。
メタクリル酸メチルと共重合可能な他のモノマーの例には、アルキル部分の炭素原子数が2〜18のメタクリル酸アルキルエステル;アルキル部分の炭素原子数が1〜18のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸;スチレン、α−メチルスチレン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル;無水マレイン酸;マレイミド、N−置換マレイミド;グルタル酸無水物などが含まれる。これらの他のモノマーは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル樹脂におけるメタクリル酸メチル由来の構造単位の含有割合は、全構成単位に対して50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
ポリエステルフィルムの例には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどが含まれる。
セルロースエステルフィルムに含まれるセルロースエステルの例には、セルローストリアセテートなどでありうる。
保護フィルムは、測定波長590nm、23℃55%RHの条件下で測定される面内方向のレターデーションRは、0〜20nmであることが好ましく、0〜10nmであることがより好ましい。保護フィルムの、測定波長590nm、23℃55%RHの条件下で測定される厚み方向のレターデーションRtは、0〜80nmであることが好ましく、0〜50nmであることがより好ましい。
保護フィルムは、偏光子の吸湿による寸法変化などを抑制する観点などから、透湿度が一定以下であることが好ましい。具体的には、保護フィルムの、JIS Z 0208に準拠して測定される40℃90RH%下における透湿度が20〜120g/m・24hであることが好ましく、20〜100g/m・24hであることがより好ましい。
保護フィルム(F1またはF4)の厚みは、10〜100μm程度とすることができ、好ましくは10〜80μmでありうる。
偏光板の製造方法
本発明の偏光板は、一般的な方法で作製することができる。ヨウ素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の一方の面に、本発明の位相差フィルムを貼り合わせ;偏光子の他方の面に、保護フィルムを貼り合わせて得ることができる。
位相差フィルムまたは保護フィルムと偏光子との貼り合わせは、本発明の位相差フィルムまたは保護フィルムの偏光子側の面をアルカリケン化処理した後、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液(水糊)を用いて行ってもよい。また、位相差フィルムまたは保護フィルムと偏光子との貼り合わせは、活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて行ってもよい。
[活性エネルギー線硬化性接着剤]
活性エネルギー線硬化性接着剤は、紫外線硬化型接着剤を用いることが好ましい。位相差フィルムまたは保護フィルムと偏光子との貼り合わせに、紫外線硬化型接着剤を適用することで、薄膜でも強度が高く、平面性に優れた偏光板を得ることができる。
紫外線硬化型接着剤組成物としては、光ラジカル重合を利用した光ラジカル重合型組成物、光カチオン重合を利用した光カチオン重合型組成物、ならびに光ラジカル重合及び光カチオン重合を併用したハイブリッド型組成物などがある。
光ラジカル重合型組成物の例には、特開2008−009329号公報に記載のヒドロキシ基やカルボキシ基等の極性基を含有するラジカル重合性化合物及び極性基を含有しないラジカル重合性化合物を特定割合で含む組成物などが含まれる。ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であることが好ましい。ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の好ましい例には、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が含まれる。(メタ)アクリロイル基を有する化合物の例には、N置換(メタ)アクリルアミド系化合物、(メタ)アクリレート系化合物などが含まれる。(メタ)アクリルアミドは、アクリアミド又はメタクリアミドを意味する。
光カチオン重合型組成物の例には、特開2011−028234号公報に開示されているような、(α)カチオン重合性化合物、(β)光カチオン重合開始剤、(γ)380nmより長い波長の光に極大吸収を示す光増感剤、及び(δ)ナフタレン系光増感助剤の各成分を含有する紫外線硬化型接着剤組成物が含まれる。ただし、これ以外の紫外線硬化型接着剤が用いられてもよい。
以下、偏光子と保護フィルムとを活性エネルギー線硬化性接着剤を用いて貼り合わせて偏光板を製造する方法の例を説明する。即ち、偏光板は、1)保護フィルムの偏光子を接着する面を易接着処理する前処理工程、2)偏光子と保護フィルムとの接着面のうち少なくとも一方に、下記の活性エネルギー線硬化性接着剤を塗布する接着剤塗布工程、3)得られた接着剤層を介して偏光子と保護フィルムとを貼り合せる貼合工程、および4)接着剤層を介して偏光子と保護フィルムとが貼り合わされた状態で接着剤層を硬化させる硬化工程を経て製造されうる。1)の前処理工程は、必要に応じて実施すればよい。
1)前処理工程
前処理工程は、保護フィルムの偏光子との接着面に易接着処理を行う工程である。易接着処理としては、コロナ処理、プラズマ処理等が挙げられる。
2)紫外線硬化型接着剤の塗布工程
紫外線硬化型接着剤の塗布工程では、偏光子と保護フィルムとの接着面のうち少なくとも一方に、上記紫外線硬化型接着剤を塗布する。偏光子または位相差フィルムの表面に直接、紫外線硬化型接着剤を塗布する場合、その塗布方法に特段の限定はない。例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーター等、種々の湿式塗布方式が利用できる。また、偏光子と位相差フィルムの間に、紫外線硬化型接着剤を流延させた後、ローラー等で加圧して均一に押し広げる方法も利用できる。
3)貼合工程
上記の方法により紫外線硬化型接着剤を塗布した後は、貼合工程で処理される。この貼合工程では、例えば、先の塗布工程で偏光子の表面に紫外線硬化型接着剤を塗布した場合、そこに保護フィルムが重ね合わされる。また、はじめに保護フィルムの表面に紫外線硬化型接着剤を塗布する方式の場合には、そこに偏光子が重ね合わされる。また、偏光子と保護フィルムの間に紫外線硬化型接着剤を流延させた場合は、その状態で偏光子と保護フィルムとが重ね合わされる。そして、通常は、この状態で両面の保護フィルム側から加圧ローラー等で挟んで加圧することになる。加圧ローラーの材質は、金属やゴム等を用いることが可能である。両面に配置される加圧ローラーは、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
4)硬化工程
硬化工程では、未硬化の紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して、カチオン重合性化合物(例えば、エポキシ化合物やオキセタン化合物)やラジカル重合性化合物(例えば、アクリレート系化合物、アクリルアミド系化合物等)を含む紫外線硬化型接着剤層を硬化させる。それにより、紫外線硬化型接着剤を介して重ね合わせた偏光子と保護フィルムとを接着させる。偏光子の片面に保護フィルムを貼合する場合、活性エネルギー線は、偏光子側または保護フィルム側のいずれから照射してもよい。また、偏光子の両面に保護フィルムを貼合する場合、偏光子の両面にそれぞれ紫外線硬化型接着剤を介して保護フィルムを重ね合わせた状態で、紫外線を照射し、両面の紫外線硬化型接着剤を同時に硬化させるのが有利である。
紫外線の照射条件は、紫外線硬化型接着剤を硬化しうる条件であれば、任意の適切な条件を採用できる。紫外線の照射量は積算光量で50〜1500mJ/cmの範囲であることが好ましく、100〜500mJ/cmの範囲であるのがさらに好ましい。
偏光板の製造工程を連続ラインで行う場合、ライン速度は、接着剤の硬化時間によるが、好ましくは1〜500m/minの範囲、より好ましくは5〜300m/minの範囲、さらに好ましくは10〜100m/minの範囲である。ライン速度が1m/min以上であれば、生産性を確保することができ、または保護フィルムへのダメージを抑制することができ、耐久性に優れた偏光板を作製することができる。また、ライン速度が500m/min以下であれば、紫外線硬化型接着剤の硬化が十分となり、目的とする硬度を備え、接着性に優れた紫外線硬化型接着剤層を形成することができる。
3.液晶表示装置
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板とを含む。そして、一対の偏光板の少なくとも一方を本発明の偏光板としうる。
図1は、液晶表示装置の基本的な構成の一例を示す模式図である。図1に示されるように、本発明の液晶表示装置10は、液晶セル30と、それを挟持する第一の偏光板50および第二の偏光板70と、バックライト90とを含む。
液晶セル30の表示モードは、例えばSTN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPS等の種々の表示モードであってよく、高いコントラストを得るためにはVA(MVA、PVA)モードであることが好ましい。
第一の偏光板50は、第一の偏光子51と、第一の偏光子51の視認側の面(液晶セルとは反対側の面)に配置された保護フィルム53(F1)と、第一の偏光子51の液晶セル側の面に配置された位相差フィルム55(F2)とを含む。
第二の偏光板70は、第二の偏光子71と、第二の偏光子71の液晶セル側の面に配置された位相差フィルム73(F3)と、第二の偏光子71のバックライト側の面(液晶セルとは反対側の面)に配置された保護フィルム75(F4)とを含む。
そして、第一の偏光板50と第二の偏光板70の少なくとも一方または両方を、本発明の偏光板としうる。即ち、位相差フィルム55(F1)と位相差フィルム73(F3)の少なくとも一方を本発明の位相差フィルムとしうる。
本発明の位相差フィルムは、前述の通り、位相差上昇剤などを多く含んでいてもそれらの析出が抑制されている。それにより、本発明の位相差フィルムは、厚みが小さくても、一定以上の位相差値を有しうる。従って、本発明の位相差フィルムを含む液晶表示装置は、光学補償を良好に行うことができ、高いコントラストを有しうる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.位相差フィルムの材料
1)添加剤A
合成例1〜3で得られる添加剤A−1〜A−3
(合成例1)
下記のスキームに従って、化合物(a1−4)を含む添加剤A−1を合成した。
Figure 2015029436
無水ジメチルホルムアミドに、水素化ナトリウムおよび原料としての1モル当量の4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを加えて室温で60分間攪拌した。これに、2.5モル当量のエピクロルヒドリン(エポキシド化合物)を加えてさらに室温で48時間反応させて、グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル(a1−1)を得た。これに、1モル当量の水を加えて、グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル(a1−1)の2つのグリシジル基の一方を開環させて、エポキシ加水開環物(a1−2)を得た。水の添加は、原料であるジヒドロキシビフェニルが反応により完全に消費された時点で行った。水の添加量は、グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物(a1−1)のモル数に対して1/2のモル数とした。そして、グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル(a1−1)とエポキシ加水開環物(a1−2)とを、60℃で8時間開環付加反応させて、分子内に2つのビフェニレン基を有するジグリシジル化合物(a1−3)を分離した(工程1)。
次いで、得られたジグリシジル化合物(a1−3)、エチレングリコール、安息香酸、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを仕込み、窒素気流下で撹拌しながら230℃まで段階的に昇温し、合計10時間脱水縮合反応させた。反応後、200℃で未反応のエチレングリコール等を減圧留去して、化合物(a1−4)を主成分とする添加剤A−1を得た(工程2)。安息香酸の仕込み量は、ジグリシジル化合物(a1−3)のエポキシ基のモル数/安息香酸のカルボキシル基のモル数が1.0/1.0となるようにした。
添加剤A−1の組成をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析した結果、上記化合物(a1−4)の含有割合は20質量%であった。
(合成例2)
下記のスキームに従って、化合物(a2−4)を含む添加剤A−2を合成した。
Figure 2015029436
無水ジメチルホルムアミドに、水素化ナトリウムおよび原料としての1モル当量の4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを加えて、室温で60分間攪拌した。これに、1モル当量のエピクロルヒドリン(エポキシド化合物)を加えて、室温で48時間さらに反応させて、グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物(a2−1)を得た。次いで、グリシジル化されたジヒドロキシビフェニル化合物(a2−1)と、4,4’−ジヒドロキシ−3,5−ジメチルビフェニルとを室温で60分間開環付加反応させて、分子内に2つのビフェニル基を有する化合物(a2−2)を得た。これに、2モル当量のエピクロルヒドリンをさらに加えて室温で48時間反応させて、分子内に2つのビフェニレン基を有するジグリシジル化合物(a2−3)を分離した(工程1)。
次いで、得られたジグリシジル化合物(a2−3)、エチレングリコール、安息香酸およびエステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを仕込み、窒素気流下で撹拌しながら230℃まで段階的に昇温し、合計10時間脱水縮合反応させた。反応後200℃で未反応のエチレングリコール等を減圧留去して、化合物(a2−4)を主成分とする添加剤A−2を得た(工程2)。安息香酸の仕込み量は、ジグリシジル化合物(a2−3)のエポキシ基のモル数/安息香酸のカルボキシル基のモル数が1.0/1.0となるようにした。
添加剤A−2の組成をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析した結果、上記化合物(a2−4)の含有割合は15質量%であった。
(合成例3)
合成例1で得られた添加剤A−1から上記化合物(a1−4)を単離して、化合物(a1−4)100質量%からなる添加剤A−3を得た。
得られた添加剤A−1〜A−3の構造式および物性を、表2に示す。
Figure 2015029436
その他の化合物:比較用添加剤A−4〜A−6
Figure 2015029436
2)添加剤B(位相差上昇剤)
窒素原子を含有する複素環式化合物:化合物B−1〜B−3
Figure 2015029436
その他の化合物:下記化合物B−4〜B−7
Figure 2015029436
2.位相差フィルムの作製
(実施例1)
下記成分を加熱しながら十分に攪拌および溶解させて、ドープを調製した。
(ドープの組成)
ジアセチルセルロース(アセチル基置換度2.3、重量平均分子量(Mw)18.5万):100質量部
添加剤A−1(一般式(1)で表される化合物を含む添加剤):1質量部
マット剤:R972V(日本アエロジル社製、シリカ粒子、平均粒径=16nm):0.20質量部
メチレンクロライド:300質量部
エタノール:40質量部
得られたドープ液を、無端ベルト流延装置を用いて、ステンレスベルト支持体上に均一に流延させた。ステンレスベルト支持体上で、流延(キャスト)したドープ膜中の残留溶媒量が75%になるまで溶媒を蒸発させた後、ドープ膜を剥離張力130N/mで、ステンレスベルト支持体から剥離した。剥離して得られたフィルムを160℃の熱をかけながらテンターを用いて幅手方向に30%延伸した。この際、流延方向には延伸しなかった。また、延伸開始時の残留溶媒は15%であった。
次いで、延伸後のフィルムを、乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させた。乾燥温度は130℃で、搬送張力は100N/mとした。以上のようにして、乾燥膜厚30μmの位相差フィルム101を得た。
(実施例2〜3、比較例1〜3)
添加剤Aの種類を、表6に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして膜厚30μmの位相差フィルム102〜106を得た。
(実施例4)
ドープ組成を以下のように変更した以外は実施例1と同様にして位相差フィルム107を得た。
(ドープの組成)
ジアセチルセルロース(アセチル基置換度2.3、重量平均分子量(Mw)18.5万):100質量部
添加剤A−3(一般式(1)で表される化合物):1質量部
化合物B−1(位相差上昇剤):3質量部
マット剤:R972V(日本アエロジル社製、シリカ粒子、平均粒径=16nm):0.20質量部
メチレンクロライド:300質量部
エタノール:40質量部
(実施例5〜9、比較例4〜9)
添加剤の組成を表7に示されるように変更した以外は実施例4と同様にして膜厚30μmの位相差フィルム108〜118を得た。
(実施例10)
ドープ組成を以下のように変更し、かつ位相差フィルムの膜厚を表8に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして位相差フィルム119を得た。
(ドープの組成)
ジアセチルセルロース(アセチル基置換度2.3、重量平均分子量(Mw)18.5万):100質量部
添加剤A−3(一般式(1)で表される化合物):1質量部
化合物B−2(位相差上昇剤):4質量部
マット剤:R972V(日本アエロジル社製、シリカ粒子、平均粒径=16nm):0.20質量部
メチレンクロライド:300質量部
エタノール:40質量部
(実施例11〜12、比較例10〜12)
添加剤Aと添加剤Bの添加量および位相差フィルムの膜厚を表8に示されるように変更した以外は実施例10と同様にして位相差フィルム120〜124を得た。
得られたフィルム表面の析出の有無および位相差値(RおよびRth)を、以下の方法で評価した。
(析出)
得られたフィルム表面を、顕微鏡により倍率50倍、反射モードにて、析出の有無を観察した。そして、以下の基準に基づいて析出の有無を評価した。
○:顕微鏡でも析出が確認されない
△:目視では析出は確認できないが、顕微鏡ではやや析出が確認される
×:顕微鏡でも析出が確認される
××:顕微鏡でも析出が比較的多く確認される
(RおよびRth)
得られたフィルムのレターデーションRおよびRthを、以下の手順で測定した。
1)フィルムを、23℃55%RHで調湿した。調湿後のフィルムの平均屈折率をアッベ屈折計などで測定した。
2)調湿後のフィルムに、当該フィルム表面の法線に平行に測定波長590nmの光を入射させたときのRを、KOBRA21ADH、王子計測(株)にて測定した。
3)KOBRA21ADHにより、フィルムの面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)として、フィルム表面の法線に対してθの角度(入射角(θ))から測定波長590nmの光を入射させたときのレターデーション値R(θ)を測定した。レターデーション値R(θ)の測定は、θが0°〜50°の範囲で、10°毎に6点行った。フィルム面内の遅相軸は、KOBRA21ADHにより確認した。
4)測定されたRおよびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、KOBRA21ADHにより、nx、nyおよびnzを算出して、測定波長590nmでのRthを算出した。レターデーションの測定は、23℃55%RH条件下で行った。
実施例1〜3と比較例1〜3の評価結果を表6に示し;実施例4〜9と比較例4〜9の評価結果を表7に示し;実施例10〜12と比較例10〜12の評価結果を表8に示す。各表において、添加剤AまたはBの添加量は、セルロースエステル100質量部に対する質量部を示す。
Figure 2015029436
Figure 2015029436
Figure 2015029436
表6に示されるように、一般式(1)で表される化合物を含む実施例1〜3の位相差フィルムは、いずれも延伸後のフィルム表面に一般式(1)で表される化合物の析出は確認されなかった。これに対して、比較用化合物を含む比較例1〜3の位相差フィルムは、いずれも延伸後のフィルム表面に比較用化合物の析出が確認された。これらのことから、一般式(1)で表される化合物自体が析出しないことがわかった。
表7および8に示されるように、一般式(1)で表される化合物と、位相差上昇剤とを併用した実施例4〜12の位相差フィルムは、いずれも延伸後のフィルム表面に位相差上昇剤の析出は確認されなかった。これに対して、一般式(1)で表される化合物を含まず、位相差上昇剤のみを含む比較例4〜12の位相差フィルムは、いずれも延伸後のフィルム表面に位相差上昇剤の析出が確認された。これらのことから、一般式(1)で表される化合物は、それ自体が析出しないだけでなく;位相差上昇剤をも析出させにくくしうることがわかった。
表8に示されるように、位相差フィルムの膜厚を小さくすると、一定の位相差値(RoおよびRt)を得るためには、位相差上昇剤を多く含有させる必要がある。一般式(1)で表される化合物を含まない比較例10の位相差フィルムは、析出が著しく生じるのに対して;一般式(1)で表される化合物を含む実施例10の位相差フィルムは、位相差上昇剤を多く含有するにも係わらず、位相差上昇剤の析出が抑制されたことがわかる。
3.偏光板および液晶表示装置の作製
(実施例13)
偏光子の作製
厚さ120μmの長尺ロールポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で、搬送方向の延伸倍率6倍に延伸して、厚み15μmの偏光子を得た。
偏光板の作製
以下に示されるように、上記作製した位相差フィルム108をアルカリケン化処理した後、水洗、中和および水洗した。
ケン化工程 2M−NaOH 50℃ 90秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
中和工程 10質量%HCl 30℃ 45秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
その後、位相差フィルム108を80℃で乾燥させた。
一方、保護フィルムとしてアクリル樹脂フィルム1(住友化学社製テクノロイS001G、厚み30μm、透湿度:100g/m・day)を準備した。フィルムの透湿度は、JIS Z 0208に記載の方法で、40℃90%RHにおける透湿度を測定した。
このアクリル樹脂フィルム1の表面に、下記の各成分を混合した紫外線硬化型接着剤液を塗布した。
(紫外線硬化型接着剤液の調製)
下記の各成分を混合した後、脱泡して、紫外線硬化型接着剤液を調製した。なお、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートは、50%プロピレンカーボネート溶液として配合し、下記にはトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートの固形分量を表示した。
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート:45質量部
エポリードGT−301(ダイセル化学社製の脂環式エポキシ樹脂):40質量部
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル:15質量部
トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート:2.3質量部
9,10−ジブトキシアントラセン:0.1質量部
1,4−ジエトキシナフタレン:2.0質量部
(偏光板の作製)
下記の方法に従って、偏光板201を作製した。アクリル樹脂フィルム1の表面にコロナ放電処理を施した。なお、コロナ放電処理の条件は、コロナ出力強度2.0kW、ライン速度18m/分とした。次いで、アクリル樹脂フィルム1のコロナ放電処理面に、上記調製した紫外線硬化型接着剤液を、硬化後の膜厚が約3μmとなるようにバーコーターで塗工して紫外線硬化型接着剤層を形成した。
そして、上記作製した偏光子の一方の面に、アルカリケン化処理した前述の位相差フィルム108を、完全ケン化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として貼り合わせた。
次に、偏光子の他方の面に、紫外線硬化型接着剤層を形成したアクリル樹脂フィルム1を貼り合わせて積層物を得た。
得られた積層物のアクリル樹脂フィルム1側の面に、ベルトコンベヤー付き紫外線照射装置(ランプは、フュージョンUVシステムズ社製のDバルブを使用)を用いて、積算光量が750mJ/cmとなるように紫外線を照射し、それぞれの紫外線硬化型接着剤層を硬化させて、表9記載の偏光板201を作製した。
液晶表示装置の作製
SONY製40型ディスプレイBRAVIA KLV-40J3000(VA方式)から、一対の偏光板を取り外した。そして、得られた液晶セルの両面に、上記作製した偏光板201をそれぞれ貼り合わせて、液晶表示装置301を得た。偏光板の貼り合わせは、位相差フィルム108が液晶セルに接し、かつ位相差フィルム108の遅相軸と、予め貼られていた偏光板の位相差フィルムの遅相軸とが平行となるようにした。
(実施例14)
保護フィルムをアクリル樹脂フィルム2(住友化学社製テクノロイS000、厚み75μm、透湿度:50g/m・day)に変更した以外は実施例13と同様にして偏光板202を得た後、液晶表示装置302を得た。
(実施例15)
保護フィルムをPETフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4100、厚み100μm、透湿度:30g/m・day)に変更した以外は実施例13と同様にして偏光板203を得た後、液晶表示装置303を得た。
得られた液晶表示装置のコントラストを、以下の方法で評価した。
(コントラスト)
液晶表示装置の白表示時の表示画面の法線方向からの輝度と、黒表示時の表示画面の法線方向からの輝度とを、それぞれELDIM社製EZ−Contrast160Dを用いて測定した。得られた値を、下記式に当てはめて正面コントラストとして算出した。輝度の測定は、23℃55%RHの環境下で行った。
正面コントラスト=(表示装置の法線方向から測定した白表示の輝度)/(表示装置の法線方向から測定した黒表示の輝度)
そして、得られた正面コントラストを、以下の基準に基づいて評価した。
○:正面コントラストが3000以上
△:正面コントラストが2000以上3000未満
×:正面コントラストが2000未満
実施例13〜15および比較例13の評価結果を表9に示す。
Figure 2015029436
表9に示されるように、一般式(1)で表される化合物を含む位相差フィルムを用いた実施例13〜15の液晶表示装置は、高いコントラストを有することがわかる。これに対して、一般式(1)で表される化合物を含まない位相差フィルムを用いた比較例13の液晶表示装置は、コントラストが低いことがわかる。実施例13〜15の液晶表示装置のコントラストが高いのは、それに含まれる位相差フィルムに析出が抑制されたためであると考えられる。
本出願は、2013年8月30日出願の特願2013−180059に基づく優先権を主張する。当該出願明細書および図面に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明は、位相差フィルムからの添加剤の析出を抑制することで、位相差フィルムの薄膜化および高位相差維持を達成できる。そのような位相差フィルムを含む偏光板を具備する液晶表示装置は、高いコントラストを有しうる。
10 液晶表示装置
30 液晶セル
50 第一の偏光板
51 第一の偏光子
53 保護フィルム(F1)
55 位相差フィルム(F2)
70 第二の偏光板
71 第二の偏光子
73 位相差フィルム(F3)
75 保護フィルム(F4)
90 バックライト

Claims (7)

  1. セルロースエステルと、下記一般式(1)で示される化合物とを含む、位相差フィルム。
    Figure 2015029436
    (一般式(1)中、
    は、−R−(OR10)n−(RおよびR10は、炭素原子数3〜10の置換基を有してもよいアルキレン基を表し、nは、0または1を表す)を表し;
    およびLは、それぞれ独立して炭素原子数4〜20の置換基を有するアルキル基または炭素原子数2〜20のアシル基を表し;
    〜Rは、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す)
  2. 環構成原子が窒素原子を有する1種類以上の複素環式化合物をさらに含む、請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 厚みが10〜50μmである、請求項1に記載の位相差フィルム。
  4. 下記式(I)で定義され、23℃55%RH下、波長590nmにおいて測定される面内方向のレターデーションR0(590)が20〜130nmであり、
    下記式(II)で定義され、23℃55%RH下、波長590nmにおいて測定される厚み方向のレターデーションRt(590)が100〜300nmである、請求項1に記載の位相差フィルム。
    式(I):R0(λ)=(nx−ny)×d
    式(II):Rt(λ)=[(nx+ny)/2−nz]×d
    (式中、
    λは、測定光の波長を示し;
    nxは、フィルム面内の遅相軸方向の屈折率を示し;
    nyは、フィルム面内の前記遅相軸と直交する方向の屈折率を示し;
    nzは、フィルムの厚さ方向の屈折率を示し;
    dは、フィルムの厚さを示す)
  5. 偏光子と、前記偏光子の一方の面に配置された請求項1に記載の位相差フィルムとを含む、偏光板。
  6. 前記偏光子の他方の面に配置され、JIS Z 0208に準拠して測定される40℃90RH%下における透湿度が20〜120g/m・24hの保護フィルムをさらに含む、請求項5に記載の偏光板。
  7. 液晶セルと、前記液晶セルを挟持する第一の偏光板および第二の偏光板とを含む液晶表示装置であって、
    前記第一の偏光板が、第一の偏光子と、前記第一の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF1と、前記第一の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された位相差フィルムF2とを含み、
    前記第二の偏光板が、第二の偏光子と、前記第二の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された位相差フィルムF3と、前記第二の偏光子の前記液晶セルとは反対側の面に配置された保護フィルムF4とを含み、
    前記位相差フィルムF2と前記位相差フィルムF3の一方または両方が、請求項1に記載の位相差フィルムである、液晶表示装置。
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