JPWO2015008788A1 - 閉鎖水域の上下循環方法および上下循環装置 - Google Patents

閉鎖水域の上下循環方法および上下循環装置 Download PDF

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Abstract

水中に正多角形状に配置された複数の各上昇流発生装置で発生させた上昇流により、水面に同心円状に拡散する拡散流をそれぞれ発生させ、各拡散流同士の相互干渉を利用して、各上昇流発生装置が配置された正多角形状の中心部に、水面から水底に向かう連続的、加速的かつ集中的な下降流を誘起させて、上昇流と下降流による上下循環流により閉鎖水域の水質改善を計ることを目的とする。水中に正多角形状に上向きに配置された複数の各上昇流発生装置5で上昇流15を発生させて、各上昇流発生装置5の上方水面に上昇流15で生起される同心円状に拡散する拡散流6をそれぞれ発生させ、隣り合う各拡散流同士の相互干渉を利用して、各上昇流発生装置5が配置された正多角形状の中心部に、水面から水底に向かう連続的、加速的かつ集中的な下降流42を誘起させて、上昇流15と下降流42による上下循環流により閉鎖水域の水質改善を計る。

Description

この発明は、例えば、ダム、湖沼、水源地、上下水道施設、運河、内湾、港湾、水産養殖場や溜池などの閉鎖水域の水質改善を計るための閉鎖水域の上下循環方法および上下循環装置に係り、特に、水中に正多角形状に配置された複数の各上昇流発生装置で発生させた上昇流により、水面に同心円状に拡散する拡散流をそれぞれ発生させ、各拡散流同士の相互干渉を利用して、各上昇流発生装置が配置された正多角形状の中心部に、水面から水底に向かう連続的、加速的かつ集中的な下降流を誘起させて、上昇流と下降流による上下循環流により閉鎖水域の水質改善を計るようにした閉鎖水域の上下循環方法および上下循環装置に関するものである。
生物の身体を構成する主要元素である窒素NやリンPが過剰に供給され蓄積している水域は、富栄養化水域と呼ばれる。20世紀後半以降に見られた経済活動の発達、都市化、人口増加等に伴って、ダム、湖沼、水源池、貯水池、運河、内湾、港湾、水産養殖場や溜池等多くの水域が、先進国・途上国の別なく、富栄養化の傾向を示すようになっている。富栄養化した水域では、植物プランクトンが大増殖するなど、有機汚濁と呼ばれる水質汚濁現象が生じる。植物プランクトンの異常な増殖は、魚介類や養殖魚を窒息させたり、発がん性のある物質を放出したり、カビ臭を発生したりして、水源としての利用を難しくする。また、増殖した植物プランクトンが枯死した残滓は、有機物として大量に水底に沈降、堆積する。これが水中の好気性微生物により分解を受ける際に、底層の酸素が大量に消費されるため、水域内の底層貧酸素・底層無酸素層発生の原因となる。
水塊が停滞的で上下循環が滞る富栄養化水域では、このように底層の貧酸素化、無酸素化がしばしば発生する。この状況下で底層・水底が酸欠状態になると、底層水、底泥が嫌気分解を生じて黒色汚泥となり、硫化物を発生し、硫化水素臭を発するようになる。この段階に至ると、水域は底生魚介類が消失した死の水域となり、嫌気性分解を生じている水底の堆積層では、栄養塩類の水中への溶出が盛んとなる。これによって水質・底質のさらなる悪化、アオコの異常大発生あるいは大規模な“水の華”状態の発生等々、水域環境保全上不都合な状態が継続するようになり、水域環境がさらに悪化してゆく。
以上のように、水中の、とりわけ底層の溶存酸素が欠乏、逼迫する状態は、大量の水を人為的に貯留するダムや貯水地などでは、内外を問わず夏場・高水温期を中心に、ほとんど例外なく生じている。このことは、内湾、養殖場水域などでも水質保全上の大きな問題となっている。世界の閉鎖性水域、富栄養化水域では、全く同様な水質環境悪化の問題を抱えており、底層に対して酸素を補給するための対策を必要としている。
前述のとおり、水塊が停滞している富栄養化水域では、底層の貧酸素・無酸素化が進み、水質、底質が悪化して水域環境が悪化する。このような問題点の直接の原因は何かと言えば、水体が停滞して上下循環が生じなくなっており、表層の酸素が底層まで供給される系が全く閉ざされてしまっていることである。したがって、この点に着目して改善を行えば、底層へ酸素を供給する系が開かれることになり、問題点が解決方向へ向かうことになる。従来、水域の水質環境保全の一環として、上下循環の促進を目的とする対策が色々試みられている。結局、表層の比較的溶存酸素豊富な水塊と、底層の貧酸素・無酸素の水塊とが上下に循環・混合すれば、底層〜表層の溶存酸素濃度も平均化されてゆき、底層の貧酸素・無酸素が解消方向に向かう。このことから、「上下循環」促進が、底層の貧酸素・無酸素に対する取り組みやすい有効な対策の一つであると考えられている。
以上のような水域における水質環境問題を解消方向へ導くために従来用いられて来た上下循環促進手法の具体的な例を挙げると、図12〜図19の通りである。
図12は従来の間欠式空気揚水筒と呼ばれる対策装置の概形を示したものである。図中、101は水域の水体、102は水底、103は水面、104は陸岸、105は間欠式空気揚水筒本体、106は間欠式空気揚水筒本体105の下部に設けられた空気室、107は陸岸に置かれた空気圧縮機、108は圧縮空気送気ホース、109はシンカー、110は係留索、111は空気弾の上昇に伴って間欠式空気揚水筒本体105下端から筒内へ吸い込まれる水流、112は間欠式空気揚水筒本体105によって間欠的に水面へ吹き上げられた混気水塊を示す。
図12に示す間欠式空気揚水筒おいては、空気圧縮機107による圧縮空気を間欠式空気揚水筒本体105の下部の空気室106へ送り込み、この空気量が一定レベルに達すると、その空気塊が逆サイフォン現象によって間欠式空気揚水筒本体105の中央筒内部に流入し、空気弾を形成してその浮力により上昇し、間欠式空気揚水筒本体105内の水を上方へ連行する。間欠的に水面まで持ち上げられた混気水塊112は水面103に達した後、間欠式空気揚水筒本体105の中心線から放射状に拡散する。この方式は、従来、ダム、貯水地、水源地、湖沼などの水質環境保全の目的で用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。
図13は従来の散気板型曝気方式と呼ばれる装置の概形を示したものである。図中、201は水域の水体、202は水底、203は水面、204は陸岸、205は散気板装置、206は散気板装置用空気室、207は陸岸に置かれた空気圧縮機、208は圧縮空気送気ホース、213は散気板装置用架台、214は散気板装置の作動によって水面へ持ち上げられた混気水塊を示す。
図13に示す散気板形曝気方式では、空気圧縮機207による圧縮空気を散気板装置205の散気板装置用空気室206へ送り、これによって散気板装置205からある程度微細な上昇気泡流ができ、これによって水域内の水塊が連行されて上昇連行流を形成する。このような散気装置によって、比較的強い上昇連行流ができることは知られており、この方式、あるいは原理的に同様な上昇流発生、ないし曝気法は、従来、汚水処理場や貯水地等で広く用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。
図14は従来のポンプ・ダクト方式を用いた装置(その1)の概形を示したものである。図中、301は水域の水体、302は水底、303は水面、304は陸岸、305はポンプ・ダクト方式本体をなすポンプ・浮体装置、305’はポンプ、310は係留索、315は電源ケーブル、316はポンプ・浮体装置305上のポンプ305’の作動により、底層水を取水して表層へ送るためのフレキシブル・ダクト、317はフレキシブル・ダクト316に吸い込まれる底層水、318はフレキシブル・ダクト316内を上方へ送られる底層水塊の移動の向き、319は表層へ放流される底層水を示す。
図14に示すポンプ・ダクト方式では、ポンプ・浮体装置305上のポンプ305’によって、ポンプ・浮体装置305から底層へ垂下したフレキシブル・ダクト316の下から底層付近に停滞している貧酸素水塊などを吸い込んで上方へ送り、水面303付近で水平方向に放流するという方式である。この方式は、従来、貯水地、湖沼、ダム等の底層貧酸素化抑止を目的として用いられたことがある(例えば、非特許文献2参照。)。
図15は従来のポンプ・ダクト方式を用いた装置(その2)の概形を示したものである。図中、401は水域の水体、402は水底、403は水面、404は陸岸、405はポンプ・ダクト方式(その2)本体をなすポンプ・浮体装置、405’はポンプ、410は係留索、415は電源ケーブル、420はポンプ・浮体装置405上のポンプ405’の作動により、底層へ送るために取水される表層水、421は表層水420を取水し、底層まで送って放流するためのフレキシブル・ダクト、422はフレキシブル・ダクト421内を下方へ送られる表層水塊の移動の向き、423は底層へ放流される表層水を示す。
図15に示すポンプ・ダクト方式は、ポンプ・浮体装置405上のポンプ405’によって、溶存酸素濃度の高い表層水420を吸い込み、ポンプ・浮体装置405から下方へ垂下したフレキシブル・ダクト421を通して下方へ送り、底層へ放流するという方式である。この方式も、従来、貯水地、湖沼、ダム等の底層貧酸素化抑止を目的として用いられたことがある(例えば、非特許文献2参照。)。
図16は従来の深層曝気装置と呼ばれる方式装置の一例としての概形を示したものである。図中、501は水域の水体、502は水底、503は水面、504は陸岸、524は一例としての深層曝気装置本体部、525は深層曝気装置の部分としての上昇管、526は上昇管525内に散気を行う散気装置、527は深層曝気装置の部分としての下降管、528は深層曝気装置の部分としての浮上槽・浮体、529は管長調整用ワイヤ、530はカウンターウエイト、507は陸岸に置かれた空気圧縮機、508は圧縮空気送気ホース、509はシンカー、510は係留索、531は深層曝気装置作動の根幹をなす管内水の動きの方向、532は同管内水が底層に至り、下降管527から底層放流される水塊を示す。
図16に示す深層曝気装置は、水面503と水底502との間に上昇管525と下降管527との2本の管を一体型に構成し、上昇管525内下部に上昇管525内散気用の散気装置526を設け、散気により上昇管525内水に対する曝気効果を上げながら上昇流を生成し、これによって上昇管525内上端の水面部に達した上昇流が管内流れの連続の条件に基づいて隣り合う下降管527内を流れ下るようにし、下降管527内の下端で、底層付近に達した下降流を下降管527下端開ロ部から底層内へ放流するものである。その主旨は、底層の低酸素・貧酸素水を吸引して散気方式によりエアレーション効果を上げながら(溶存酸素濃度を上げながら)水面レベルまで上昇させ、これを順次連続的に底層へ送り込んで放流するというものである。散気装置526により上昇流が生じるため、特に追加の動力を用いなくても上昇した水塊を(下降管527を経由して)底層へ送り込み、底層放流ができる点が、この装置の一つの特徴となっている。この方式もダム水域などにおいて用いられている(例えば、非特許文献1参照。)。
図17は従来のポンプ駆動流動促進装置の概形を示したものである。図中、601は水域の水体、602は水底、603は水面、604は陸岸、605はポンプ駆動流動促進装置本体、605’はポンプ浮体装置、605’’は駆動水ホース、610は係留索、615は電源ケーブル、613はポンプ駆動流動促進装置本体605の水底設置用架台、633はポンプ駆動流動促進装置本体605に吸い込まれる底層水、634はポンプ駆動流動促進装置本体605から吐き出される噴流状の表層・底層のミキシング流を示す。
図17に示すポンプ駆動流動促進装置は、表層に近い層から取水した水を駆動水として駆動水ポンプにより整流円筒内に水噴流ポンプの原理による吐出流をつくり、これによって、停滞水塊を動かし、上下循環を促進するものである。この方式は、閉鎖水域の底層貧酸素解消などに広く用いられた(例えば、非特許文献3参照。)。
図18は従来のプロペラ式水流発生方式の一例を示したものである。図中、701は水域の水体、702は水底、703は水面、704は陸岸、705は浮体、710は係留索、715は電源ケーブル、735は水中プロペラ駆動用電動機、736は水中プロペラ、737は水中プロペラ736によって生成された回転流を示す。
図18に示す回転流737は、水面703上に置かれた水中プロペラ駆動用電動機735によって同軸上に取り付けられた水中プロペラ736を回転させ、これによって生じる水中プロペラ736後流の状況を示している。プロペラ後流である回転流737は、強い旋回流を伴い、プロペラ軸方向に強い軸方向流れを生じる。この方式は、そのような比較的強い水流発生が求められるところへ広く使用された(例えば、非特許文献4参照。)。
図19は従来の翼車式またはパドル・ホイール式の曝気装置の例である。図中、801は水域の水体、802は水底、803は水面、804は陸岸、805は浮体、810は係留索、815は電源ケーブル、838は電動式翼車またはパドル・ホイール、838’は電動式翼車またはパドル・ホイールの回転方向、839は翼車またはパドル・ホイール回転駆動用電動機、840は電動式翼車またはパドル・ホイール838によって生成された表層の流れを示す。
図19に示す翼車式またはパドル・ホイール式の曝気装置は、浮体805上の軸受で固定された水平軸回りに回転する電動式翼車またはパドル・ホイール838が、比較的水深の浅い養殖池等における水の停滞解消を目的として、図19に示されるような要領で、曝気を促進すると共に、表層水の流動促進を図るものである。エビ等の養殖池において広く用いられている(例えば、非特許文献5,6参照。)。
有田正光、「水圏の環境」、東京電機大学出版局、1999年12月20日、第1版、p.262−264 "うみすまし技術開発"、[online]、横浜国立大学水環境研究室、[平成26年7月11日検索]、インターネット<URL:http://www.cvg.ynu.ac.jp/G2/umisumashi.html> 本田広徳,奈須健,葛西宏直,吉永勝利、「富栄養化汚濁水域の自然浄化手法について(−ジェット・ストリーマーによる閉鎖水域の直接浄化技術−)」、環境浄化技術、2011年11月1日、第10巻、第6号、p.82−88 "スクリュー形曝気機「スパロータ」エース"、[online]、株式会社日立プラントサービス、[平成26年7月10日検索]、インターネット<URL:http://www.hitachi-hps.co.jp/products/wastewater/sparotor_ace/index.html> 井手哲夫、「水処理光学・理論と応用」、技報堂出版、1999年6月15日、第2版、p.257 "パドルホイールエアレーター TA66H"、[online]、株式会社林養魚場、[平成26年7月10日検索]、インターネット<URL:http://hayashitrout.com/wheel.html>
従来の技術に掲げた図12〜図19は、停滞的な閉鎖水域における水の上下循環促進に用いられる手法の数例であるが、これらには、それぞれ以下に掲げるような難点を有している。
(1)<間欠式空気掲水筒(図12)>上昇した水塊が水面で放射状に拡散した後、強制対流の一環として同心円の周緑から規則的、スピーディーに下降すれば、水体の上下循環促進にある程度の効果を有し得ると言えるが、同心円(半径r)の周緑では、半径rの拡大につれて流動範囲はrに比例して増大し、これに伴って流速は急激に低下する。したがって、底層水が水面に持ち上げられる効果は一応明らかと言えるが、下降流が水底に達して再び上昇流に取り込まれるという効率的な下向き流れを加速的集中的に発揮している個所は見出されない。
(2)<散気板型曝気方式(図13)>散気板気泡による上昇流は、上昇気泡流のごく近傍に限られており、上昇気泡流から離れた広い水体範囲にわたって上下循環流が形成されるとは言えない。上下循環に直接貢献する加速的集中的な下降流ができるところは無い。
(3)<ポンプ・ダクト方式(図14、図15)>これらは、“ポンプ・ダクトを介して底層の貧酸素水塊を持ち上げて直接表層へ放流すれば、あるいは逆に、表層の酸素豊富な水塊をポンプ・ダクトを介して直接底層の貧酸素層に送り込めば、上下の溶存酸素濃度の差が解消されてゆく筈である”、との考えに基づいて考案された水塊移送の方法である。しかしながら、底層から持ち上げられ、表層に放流された低温水塊は、水温密度差の原理によって大部分が元の底層へ戻ろうとするため、上下循環の効果は必ずしも有効に発揮されない。また、逆に、高温表層水をポンプで吸い込み、フレキシブル・ダクトを介して底層へ放流する、という案についても、同じ原理的な理由により、フレキシブル・ダクトの下端から底層低温水層内へ放流された高温表層水は、水温密度差の原理によって元の表層へ戻ろうとするため、上下循環の作用効果は必ずしも有効には発揮されない。結局、異水温同士の水塊は単に放流・置換しただけでは、殆ど効果的に互いに混合拡散せず、水温密度差の原理に基づいて再分離し、原水温層へ戻ろうとする傾向を示し、結局、上下循環促進の意義が十分全うされないままの事態が続くおそれが強い。(理由:低温水と高温水との乱流(不可逆)混合が生じない場合には、低温水と高温水とが水温密度差の原理によって容易に再分離し、それぞれが元の水温層へ戻ろうとする傾向を持ち続けることによる。)
(4)<深層曝気装置(図16)>本上下循環装置では、底層水を汲み上げつつ、曝気効果を及ぼし、散気装置による上昇流効果(エアリフト効果)をそのまま利用して曝気水の底層再送り込みを行うという方式であるが、上昇管の他に下降管まで準備する必要がある。そのため、構造的、機構的に相対的に大規模、精密かつ複雑な調整を要し、初期コスト、メンテナンスコスト共に大である。したがって、上下循環促進対策とはいえ、どのような水域にも容易に適用できる方式ではないという大きな難点がある。
(5)<ポンプ駆動流動促進装置(図17)>駆動水ポンプを用いて整流円筒内に噴流による方向性の乱流混合流をつくり、これによって、上下循環を促進するものである。これは、乱流不可逆混合流れであるため、図12〜図15等の場合に懸念されたような吐出水の原水温層回帰の傾向はない。しかしながら、駆動水ポンプを浮体上に別設置とすると初期コストが大きくなり、また、吸水管におけるゴミの防除対策が非常に重要であり、清掃・メンテナンスコストも大きいという点が問題とされている。
(6)<プロペラ式水流発生方式(図18)>本方式を水深の浅い養殖池などで使用すると、プロペラ生成流による土砂の巻き上げ(水底の洗掘)を生じて水域の様相が変化するなど、上下循環促進より以前に深刻な水域環境上の諸問題を引き起こす虞があり、採否あるいは設置角度設定に当たっては慎重な検討を要する。局所的に強い流れを必要とする個所には適用できるともいえるが、上下循環の目的に対して何処にでも随時有効に使用できる対策装置とはいえないという難点がある。
(7)<翼車式またはパドル・ホイール式曝気装置(図19)>水深の浅い養殖場などには広く用いられており、曝気の促進、表層水の流動促進には有効である。しかし、水深が相対的に深くなると、底層水の停滞解消や底層への酸素補給には直接有効には機能し難くなるため、水深の浅い水域以外では、底層貧酸素、無酸素解消の対策装置としては決め手を欠くことになり、水深がより深いところへの対策を別途求める必要が生じる。
以上、従来用いられて来た技術の難点を述べたが、これらを整理して述べると、次の通りである。
1)上下循環という目的から、上昇流に伴って下降流も生じることが望ましいが、集中的な下降流が生じるものは、上記手法(1)〜(7)のうちでは、(4)だけに限られる。
2)上昇流生成に応じて、集中的な下降流を生じるのは(4)であるが、(4)には問題点として、構造的、機構的に規模が大きく、精密かつ複雑な調整を要し、初期コスト、メンテナンスコスト共に大、どのような水域にも容易に適用できる方式ではないという難点があると共に、下降管を設けなければ目標とする下降流を生じさせることができないという大きな難点がある。
3)以上を要するに、従来の手法の中には、『上昇流の生成に応じて集中的加速的な下降流を生じ、明らかに表層/底層間の上下循環促進に有効であると述べ得る手法は見当たらない。また、装置として構造上、機器構成上簡易的であって精密な調整個所も摩耗個所もなく、初期コストが低廉で、耐久性が大であり、メンテナンス、ゴミ対策が簡単で、ランニングコストも低い、と述べ得る方式も見当たらない』と言える。
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、水中に正多角形状に配置された複数の各上昇流発生装置で発生させた上昇流により、水面に同心円状に拡散する拡散流をそれぞれ発生させ、各拡散流同士の相互干渉を利用して、各上昇流発生装置が配置された正多角形状の中心部に、水面から水底に向かう連続的、加速的かつ集中的な下降流を誘起させて、上昇流と下降流による上下循環流により閉鎖水域の水質改善を計ることのできる閉鎖水域の上下循環方法および上下循環装置を提供することにある。
以上の課題を達成するために、請求項1の発明は、水中に正多角形状に上向きに配置された複数の各上昇流発生装置で上昇流を発生させて、各上昇流発生装置の上方水面に上昇流で生起される同心円状に拡散する拡散流をそれぞれ発生させ、隣り合う各拡散流同士の相互干渉を利用して、各上昇流発生装置が配置された正多角形状の中心部に、水面から水底に向かう連続的、加速的かつ集中的な下降流を誘起させて、上昇流と下降流による上下循環流により閉鎖水域の水質改善を計る手段よりなるものである。
以上の課題を達成するために、請求項2の発明は、水中に正多角形状に上向きに配置された複数の各上昇流発生装置の隣り合う配置間隔Lと、各上昇流発生装置の上昇流を発生する筒体の直径Dとは、L/D=4〜25の範囲内にあり、水中に正多角形状に配置された複数の各上昇流発生装置で上昇流を発生させて、各上昇流発生装置の上方水面に上昇流で生起される同心円状に拡散する拡散流をそれぞれ発生させ、隣り合う各拡散流同士の相互干渉を利用して、各上昇流発生装置が配置された正多角形状の中心部に、水面から水底に向かう連続的、加速的かつ集中的な下降流を誘起させて、上下循環流により閉鎖水域の水質改善を計る手段よりなるものである。
以上の課題を達成するために、請求項3の発明は、水中に正多角形状に配置された複数の上昇流発生装置によりそれぞれ上昇流を発生させて、複数の上昇流発生装置のそれぞれの上方水面に上昇流により生起される同心円状に拡散する拡散流を発生させ、隣り合う拡散流同士の相互干渉により正多角形状の中心部に水面から水底に向かう下降流を誘起させて、上昇流と下降流とによる上下循環流を形成する閉鎖水域の上下循環方法である。
以上の課題を達成するために、請求項4の発明は、水中に正多角形状に配置された複数の上昇流発生装置であり、それぞれ上昇流を発生させて、それぞれの上方水面に上昇流で生起される同心円状に拡散する拡散流を発生させ、隣り合う拡散流同士の相互干渉により正多角形状の中心部に水面から水底に向かう下降流を誘起させて、上昇流と下降流とによる上下循環流を形成する複数の上昇流発生装置を備えた閉鎖水域の上下循環装置である。
課題を解決するための手段よりなるこの発明によれば、次に掲げる極めて新規的有益なる効果を奏するものである。
《1》上昇流の生成に伴って集中的加速的な下降流を生じ、明らかに表層/底層間の上下循環促進に有効な方式である。
《2》装置として構造上、機器構成上比較的簡単なものを使用でき、初期コストを低廉できる。
《3》摩耗個所がなく、耐久性大である。
《4》メンテナンス、ゴミ対策問題が簡単である。
《5》下降流の流量推定が容易である。
《6》エネルギー消費量(ランニングコスト)が低い。
この発明を実施するための形態を示す上昇流発生装置を使用して下降流を生じさせる場合の全体概念図である。 この発明を実施するための形態を示す3基の上昇流発生装置を使用して水面に同心円状の拡散流を生成した平面図である。 図2Aの概略側面図である。 この発明を実施するための形態を示す4基の上昇流発生装置を使用して下降流を生じさせたときの実験説明図である。 この発明を実施するための形態を示す4基の上昇流発生装置を正方形状に配置して水面に同心円状の拡散流を生成した平面図である。 4基の上昇流発生装置を正三角形状に配置して水面に同心円状の拡散流を生成した平面図である。 この発明を実施するための形態を示す5基の上昇流発生装置を正三角形状に配置して水面に同心円状の拡散流を生成した平面図である。 5基の上昇流発生装置を正方形状と正三角形状に配置して水面に同心円状の拡散流を生成した平面図である。 5基の上昇流発生装置を正五角形状に配置して水面に同心円状の拡散流を生成した平面図である。 この発明を実施するための形態を示す上昇流発生装置の配置と下降流量の増加効果(その1「60°系」)を示す一覧図である。 この発明を実施するための形態を示す上昇流発生装置の配置と下降流量の増加効果(その2「90°系」)を示す一覧図である。 この発明を実施するための形態を示す上昇流発生装置の複数個組合わせ基数と下降流生成効率の関係図である。 この発明を実施するための形態を示す3基の上昇流発生装置の組合せ一体型上下循環装置の斜視図である。 この発明を実施するための形態を示す別の3基の上昇流発生装置の組合せ一体型上下循環装置の斜視図である。 この発明を実施するための形態を示す各上昇流発生装置の配置間隔と上昇流発生装置の円筒型の直径との関係図である。 従来の間欠式空気揚水筒の説明図である。 従来の散気板型曝気方式の説明図である。 従来のポンプ・ダクト方式の説明図である。 従来のポンプ・ダクト方式の説明図である。 従来の深層曝気装置の説明図である。 従来のポンプ駆動流動促進装置の説明図である。 従来のプロペラ式水流発生方式の説明図である。 従来の翼車式またはパドル・ホイール式曝気装置の説明図である。
1 水域の水体
2 水底
3 水面
4 陸岸
5 上昇流発生装置
5a 散気式円筒形上昇流発生装置模型
6 同心円状の拡散流
7 空気圧縮機
8 圧縮空気送気ホース
8a 圧縮空気分配ホース
9 シンカー
10 係留索
14 水流
15 上昇流
16 混気水塊
42 下降流
44,52 空気吹込装置
45,53 空気分岐管
46,54 連結材
47,55 固縛装置
48,56 浮力材
49 水流方向センサー・トレーサー
以下、図面に記載の発明を実施するための形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
本発明の閉鎖水域の循環方法では、閉鎖された水域の水体1(図1参照。)の上下循環流により、水質改善を計るために、水中には複数の上昇流発生装置5(図1参照。)が配置される。複数の上昇流発生装置5は正多角形状に配置される。本発明の閉鎖水域の上下循環装置は、この正多角形状に配置された複数の上昇流発生装置5により構成される。各上昇流発生装置5は正多角形状の各頂点位置に配置される。最小単位の正多角形状としては正三角形で、正方形、正五角形、正六角形などと順次、増やしたものが含まれる。また、この正三角形の単位を複数組み合わせたり、正三角形と正方形のように異なる正多角形同士の複数の組み合わせもある。さらに、正多角形状には、多角形の各辺および各頂点の内角が同一である他に、各辺および各頂点の内角の製作誤差が±20%までが含まれる。
図1は、上昇流発生装置5が正三角形状に水体1の水中に配置にされる場合の閉鎖水域の上下循環装置の全体概念図を示す。各上昇流発生装置5は、水底2に設置された例えば円盤形のシンカー9に係留索10を介して、水中に上向きに係留されている。各上昇流発生装置5には例えば散気式円筒型上昇流発生装置が使用される。散気式円筒型上昇流発生装置は、開口部が上向きに配置された筒体である。各上昇流発生装置5は、気泡を通じて上昇流15を発生させるものである。気泡は、陸岸4に置かれた空気圧縮機7から圧縮空気送気ホース8により送られる圧縮空気によって発生させる。この気泡の上昇に伴って、各上昇流発生装置5の円筒形の下端開口部から水流14が筒内へ吸い込まれる。水中に配置された各上昇流発生装置5の円筒型の上端開口部からは、真上の水面3の方向に向かって水と気泡の混気水塊が出て、混気水塊による上向きの流れ、つまり上昇流15が発生する。各上昇流発生装置5の真上の水面3には、水中を上昇した混気水塊16が現れて、水面3は波立つ。
水面3に現れた混気水塊16は、同心円状にその周囲に拡散する。これにより、水面3には、水中から現れた混気水塊16による上昇流15によって、同心円状の拡散流6が生起される。各上昇流発生装置5の真上の水面3で発生した同心円状の拡散流6は、その周囲に同心円状を保った状態で拡がる。同心円状に拡がった各拡散流6は、隣り合う拡散流6同士がぶつかり合って相互干渉する。相互干渉する各拡散流6は、各同心円状の拡散流6の中心を結ぶ線を中心に左右方向に分かれる。そのうちの一方の拡散流6は、相互干渉によって、上昇流発生装置5が配置された正三角形状の中心部X(中心軸X−X)に向かって流れる。
各拡散流6は、水面3の正三角形状の中心部Xに向かって、その周囲から連続的に集まってくる。正三角形状では、1基の上昇流発生装置5で発生した混気水塊16の1/6、つまり3基の上昇流発生装置5からは合計で1/2(1基の上昇流発生装置5で発生する混気水塊16による上昇流15の1/2)相当の混気水塊16の拡散流6が、正三角形状の中心部Xに向かって連続的に集まる。正三角形状の中心部Xにその全周囲から集まった水は行き場を失い、流体の連続性からその水面3から水底2に向かって流れる。このようにして、拡散流6の相互干渉によって正三角形状の中心部X(中心軸X−X)には、下向きの下降流42が発生することになる。
つまり、正三角形状の各頂点位置に対応する箇所の各上昇流発生装置5によって強制的に生じさせた上昇流15は、水面3で同心円状の拡散流6となって周囲に拡がる。そして、隣り合う拡散流6同士が相互干渉することで、正三角形状の中心部Xに下降流42が誘起されるのである。この上昇流15と下降流42とにより、閉鎖された水域の水体1には上下循環流が生じる。この上下循環流を通じて閉鎖水域の水体1の水質改善が計られることになる。
一方、相互干渉で正三角形状の外側に向かって流れた残りの拡散流6は、さらに拡散しながら、水面3から徐々に下降し始める。このとき、正三角形状の外側の水中に別の上昇流発生装置5を配置して、別の上昇流発生装置5と既にある2基の上昇流発生装置5とによって新たに正三角形を造ることにより、同様に、下降流42を生じさせることができる。3基の上昇流発生装置5を使用した場合には、1基の上昇流発生装置5で発生する上昇流15の1/2の下降流42を誘起させるが、4基の上昇流発生装置5を使用して、2つの正三角形あるいは1つの正方形を造るように配置した場合には、1基の上昇流発生装置5で発生する上昇流15と同量の下降流42を誘起させることが可能となる。複数の上昇流発生装置5の組み合わせについては後述する。
以上のように、複数基の上昇流発生装置5を近接設置して、各基で生成する流れを流体力学的に干渉させ、この複数基の対流系を組合せると、相互干渉の効果として、中心部X(中心軸X−X)に集中的かつ加速的な下降流42を生じることになる。言い換えれば、単基使用では明確にできない下向き流れは、複数基の上昇流発生装置5を近接して組み合わせて設置すれば、複数基の流れの干渉効果として、上昇流15に基づく下向き流れが非常に明確に生じることが分かる。この下向き流れは、あたかも見えない下向きダクトが設けられているかのように下向き流れの区画域内を流れ、ここを通過する明確な下向き集中的かつ加速的な流れとして形成される。
以上のように、上昇流発生装置5を複合的に組合せて配置し、これらの上昇流15により水面3上で生起させた複数の同心円状の拡散流6を相互干渉させることによって、集中的な下降流42が生成されることを、流動シミュレーション計算によって検証した。次に、これを実際の物理現象として確かめるため、小型の円形水槽を用い、小型模型を使用して水流の可視化実験を行った。
用いた上昇流発生装置5の模型は4基である。これは、図4A(n=4)に示される組合わせ配置に相当している。この実験において水面下を撮影した写真例を図3に掲げる。この写真において、1は実験水槽(直径約1.5m×深さ約80cmの円筒型)の水体、2は水底、3は水面、5aは散気式円筒型上昇流発生装置模型、8は圧縮空気送気ホース、9はシンカー、10は係留索、49は水流方向センサー・トレーサーを示す。
4基の散気式円筒形上昇流発生装置模型5aの配置点の中点を通る鉛直軸上に水面3上から水中へ水流方向センサー・トレーサー49としての「吹き流し」(微細な軽いビニール紐の繊維を束ねて、水中で流れの方向になびくようにしたもの)を下ろし、この水流方向センサー・トレーサー49の穂先の向きを観察した。この水流方向センサー・トレーサー49を着水した時は、ビニール繊維の浮力で水流方向センサー・トレーサー49の穂先はすべて上方(水面)に向いていたが、水流実験開始後、これらの水流方向センサー・トレーサー49の穂先は、写真に見られるとおり、すべて下向きになびいている。これは水中のこの位置に生じた集中的な下降流42の向きを示すものと判断された。また、これ以外にもインク流しによる可視化観察(動画撮影)でも同様の結果を得た。また、水流実験終了後、水槽内の水が静止すると、水流方向センサー・トレーサー49の穂先はすべて上方(水面側)に向いた。このことからも、本実験における複数基の散気式円筒形上昇流発生装置模型5aの配置点の中点領域に水面3から水底2へ向かう下向きの水流つまり下降流42が生じたことが分かる。
以上の通り、上昇流発生装置5の複数基組み合わせ配置を行うことにより、複数基の上昇流発生装置5の配置点の中心部Xの軸上に集中的な下降流42が生成されることが検証された。
上昇流発生装置5の複数基組み合わせによる集中的な下降流42の生成、つまり、組合わせ配置基数nと下降流42の生成点の数について、以下説明する。
前述までに、複数基の上昇流発生装置5を組合わせ干渉させることにより、集中的加速的な下降流42を生成させ得ること、またこのような下降流42を生成させる方式について説明した。また、このような現象が生じることの検証例として、可視化モデル実験の結果を引用して説明した。次に、上昇流発生装置5を複数基組み合わせることによる下降流42の生成の説明として、組合わせ配置個数nを、n=3〜5の範囲で変更した場合、下降流42がどのように生じるかについての説明を以下に掲げる。
(1)n=3について(図2A、図2B)
組合わせ基数nの最少値であるn=3について、図2Aおよび図2Bを参照して説明する。
図2Aおよび図2Bは、水域を上から見て3基の上昇流発生装置5を、各中心軸が正三角形の各頂点を通る位置にそれぞれ置いて作動させると、各上昇流発生装置5の上方水面3の中心軸の周囲に同心円状の拡散流6が外側に向かって拡がり、それぞれの同心円状の拡散流6の外周が互いに接するようになった場合を図示している。
図中、正三角形状の中心部Xは、正三角形状に配置された3基の上昇流発生装置5によって水面まで持ち上げられた水流が略正三角形状の狭間に落ち込み、水底2へ向かって下向きに送り出される水流の中心軸を示す。
図中、各3基の上昇流発生装置5によって生じた上昇流15が水面3に到達して、同心円状の拡散流6となってその周囲に拡がって流れる場合、互いの同心円状の拡散流6の接点で囲まれた領域内の水面3の流れは、弧状曲線からなる略正三角形状の中心部Xに向かって集まり、その中心部Xへ吸い込まれ、水底2へ向かって下降してゆく。このとき、1基の上昇流発生装置5が水面まで押し上げた混気水塊16のうち、水底2へ向かって下降する水量は、円形を60度の中心角で切り取った扇形状領域内の放射状流れに限られる。したがって、その量は、中心角360度で生じている全方位放射水流量の全量を1とすると、中心角60度の範囲の水量は、
1×(60°/360°)=1/6 ・・・(a)
と算定される。1基の上昇流発生装置5が水面3へ持ち上げた水量の1/6が寄与するということは、これが3基であるから、(60°/360°)×3基=3/6=1/2、よって正三角形状の中心部Xの狭間の中心を流れ下る下降流42の流量は、1基の上昇流15の流量を1とすると、その1/2となる。(たとえば、出力3.7kW(空気量500L/分)のエア・コンプレッサーを用いて、3基の上昇流発生装置5を駆動した場合の1基当たりの動水流量が、夏期、72万(トン/日)程度と測定された實例があるが、これでゆくと、3基の組合わせて発揮される下降流42の流量は、36万(トン/日)と概算される。)
(2)n=4について(図4A、図4B)
組合わせ基数n=4について、図4Aおよび図4Bを参照して説明する。
図4Aは、水域を上から見て4基の上昇流発生装置5を、各中心軸が正方形の各頂点を通る位置にそれぞれ置いて作動させると、各基毎に成長する同心円状の拡散流6の外周が互いに接するようになった場合を図示している。
図4Aは、上昇流発生装置5の4基を以て基本組合せ単位とする図(以下、「90°系」と略称する。)を掲げている。図中、正方形状の中心部Xは、同心円状の拡散流6の外周同士の4つの接点によって水面まで持ち上げられた水流が略正方形状の狭間に落ち込み、水底へ向かって下向きに送り出される水流の中心軸X−Xを示す。
図4Bは、水域を上から見て4基の上昇流発生装置5を、各中心軸が2個の正三角形で構成される平行四辺形の各頂点を通る位置にそれぞれ置いて作動させると、4基の上昇流発生装置5による上昇流15が水面に到達して、同心円状の拡散流6となって流れ、同心円状の拡散流6の3つの接点で囲まれた2個の正三角形状の領域内の水面流れがそれぞれの領域の中心部Xの狭間へ吸い込まれ、水底へ向かって下降してゆくことを示している(以下、「60°系」と略称する。)。
図4Bの「60°系」では、平行四辺形が2個の正三角形で構成されることから、下降流量寄与の議論がそのまま成り立ち、中心部Xを中心軸とする下降流42が2個所に形成され、そのそれぞれに上記(a)の推算則が成り立つ。すなわち、図4Bに対しては、
[(60°/360°)×3]×2=1 ・・・(b)
が成り立つ。
つぎに、図4Aの場合は、各4基の上昇流15が水面に到達して、同心円状の拡散流6となって流れる場合、同心円状の拡散流6の4つの接点で囲まれた領域内の水面3の流れは略十字状の中心部Xの狭間へ吸い込まれ、水底2へ向かって下降してゆく。このとき、1基の上昇流発生装置5が水面3まで押し上げた混気水塊16のうち、水底2へ向かって流れる下降流42の水量は、円形を90度の中心角で切り取った扇形状領域内の放射状流れに限られる。したがって、その量は、中心角360度で生じている放射水流量の全量を1とすると、中心角90度の範囲の水量は、
1×(90°/360°)=1/4 ・・・(c)
と算定される。1基の上昇流発生装置5が水面へ持ち上げた水量の1/4が寄与するということは、今の場合これが4基であるから、(90°/360°)×4基=1である。よって、略十字状の中心部Xの狭間の中心を流れ下る下降流42の流量は、1基の上昇流流量を1とすると、その同量1となる。(たとえば、1基当たりの動水流量が、夏期、72万(トン/日)程度と測定された例があるとすれば、これでゆくと、4基の組合わせて発揮される下降流42の水流の流量は、72万(トン/日)と推算されることになる。)
(3)n=5について(図5A、図5B、図5C)
組合わせ基数n=5について、図5A、図5Bおよび図5Cを参照して説明する。
図5A〜図5Cは、水域を上から見て5基の上昇流発生装置5を、各中心軸がそれぞれ図示するような形状に配置して作動させると、各基毎に成長する同心円状の拡散流6の外周が互いに接するようになった場合を図示している。図5Aは上述の「60°系」、図5Bは「60°系」と「90°系」の複合系、図5Cは、「60°系」でも「90°系」でもない「花びら状円周接触」の接触条件を持つ場合を示している。
図4A、図4B迄に述べたところからも明らかなように、図5Aは「60°系」の正三角形×3個に分解できる。したがって、前述の推算則(a)が成り立ち、この場合は、
[(60°/360°)×3]×3=1.5 ・・・(d)
の倍率となる。
図5Bは「60°系」と「90°系」の混合系であるが、「60°系」については推算則(a)が、「90°系」については推算則(c)が成り立つので、下降流42の流量の推算にはこれらを用いて簡単に行うことができる。
次に図5Cであるが、対流系の接触条件を「60°系」、「90°系」のように分類して整理する際の問題として、これらの条件に当てはまらない接触条件であり、上昇流発生装置5が円周上に等間隔に並んで接触している場合はどうなるかという問題がある。この接触条件の分類名を、仮に「花びら環状接触系」と呼ぶとすると、上昇流発生装置5の基数n毎に推算値が変わり、「60°系」や「90°系」のような単純化ができない。
いま、図5Cの接触条件に対して、下降流42の流量推算に必要な角度値を求めると、図中に記入したようになる。言い換えると、1基の上昇流発生装置5が水面3へ持ち上げた上昇流15の水流流量を1とした場合、n=5の「花びら環状接触」では、このうちのどれだけが下降流42の流量に寄与するかは、これらの角度値を用いて、以下のように推算される。
[(54°×2/360°)×5]=1.5 ・・・(e)
すなわち、n=5の「花びら環状接触」では、1基の上昇流発生装置5が水面3へ持ち上げる水流流量総量を1とした場合、下降流流量は1.5倍となることが分かる。
(4)n=3〜11に対する下降流動水流量の傾向について
以上、組合わせ基数nを3〜5と変更した場合に発生する下降流42の流量について述べたが、これらの下降流量の倍率ηを組合わせ基数nを横軸に一覧図で示すと図8のようになる。図中、右手方向に上昇する直線は、上昇流発生装置5の組合わせにおいて、ある複数組合わせ基数nを変更すると、生成する下降流42の発生地点の数が何ヶ所となるかの個数η、言い換えれば、1基の上昇流発生装置5が水面3へ持ち上げた上昇流15の水流流量を1とした場合、ある組合せによって生じる加速的集中的な下降流42の動水流量はその何倍になるかを示している。
例えばn=10の場合、60°系、90°系の組合わせを併せて、合計5基による上昇流15の流量を、全部下向きに流動させたと同等の下向き流れを生成させることができることが分かる。なお、n=9、10、11等に対して、複合組合せの配列方式を変更すると、下降流42の発生地点の数が変化する。どのような組合わせに対してどう変化するかを調べて見ると、概括的に言えることは、複数基の配列を2列を中心とした層の薄い配列にすると図の直線のように変化するが、層を3層にし、さらに縦横双方に3層以上にすると、ηの値が増加している。すなわち、「60°系」にせよ「90°系」にせよ、隣り合う上昇流発生装置5との組合せによる流体力学的干渉作用を、縦方向にも、横方向にも利用する配列を狙えば、高いη値が得られることがわかる。
以上、上昇流発生装置5を複数基組み合わせることによる集中的な下降流42の生成、および、これらによる下降流42の発生倍率ηの推算の考え方について述べたが、これらを用いて、ある水域における、水体1の上下循環を促進したい場合、これを効率的に行う手法として、ここに述べる本上下循環装置の方式、手法を活用することができる。
下降流動水流量の概算法について
上昇流発生装置5を複数基組み合わせる場合の例として、3基を正三角形の中心軸に関して軸対称に設置した場合の強制対流を概念的に図1に示したが、これらは、複数個の上昇流発生装置5が近接して設置された各強制対流が互いにどのように干渉し合うかを示している。
これらにより、複合組合わせ配置に対する下降流42の動水流量を概算する方法を、「60°系」および「90°系」に分けて説明する。
1)「60°系」複合組合わせ配置に対する下向き動水流量の概算
各上昇流発生装置5が水面へ持ち上げる上昇流15の流量を1としたとき、これらの複合組合わせ配置によって生じる下降流42の流量は、これに対してどの位の倍率ηと推定されるかについて少し詳しく説明する。
まず、「60°系」複合組合わせ配置について説明すると、「60°系」の複合組合わせ配置の基本は、前項までに述べた通り、水底2の正三角形の頂点を通る3本の鉛直軸にそれぞれの中心軸を持つ上昇流発生装置5×3基の配置となる。これを図1を用いて説明する。中心軸a−a、同b−b、同c−cを持つ3基の上昇流発生装置5(それぞれ(A)、(B)、(C)と記す。)がつくる同心円状の拡散流6(それぞれ(A)、(B)、(C)と記す。)が互いに近接して、水面3内の記号でいえば、線分AB、BC、CAのそれぞれの中心で接している状態が図1である。
ある単一の上昇流発生装置5により発生させた上昇流15は、水面3へ到達すると、その水面到達点から水面3内を周囲360°方向へ向かって同心円状の拡散流6になって拡散する。図1の水面3内の点Aを例にとって述べれば、上昇流発生装置5(A)の上向き流量の全量1は、水面到達後、均等に360°方向へ向かって同心円状に拡散しようとする。図1における各上昇流発生装置5の機体の同心円状の拡散流6には、水面3内の拡散流れの方向を便宜上60°毎に6個の矢印の位置で区切って図示している。例えば、点Aから周囲へ向かって水平に流れる上昇流15は360°方向へ均等に拡散するので、点Aを中心とする水面3内の6個の矢印の位置で区切られた扇形部分(拡散流6(A)の水面3でいえば、拡散流6(A)内のCAを結ぶ線とABを結ぶ線との間の扇形部分と同形×6個の扇形部分(中心角はすべて60°))は、形状、流量分布共に6個が全く合同であり、流量の360°範囲内の総合計が1である。同心円状の拡散流6(A)の水面3部分を流れる上昇流15は、隣り合う同心円状の拡散流6(B)、6(C)と拡散流6(A)とがそれぞれ接する点(それぞれ接点AB、接点CAと記す。)で区切られた範囲内の拡散流(A)の上縁(接点CA〜接点ABの円弧)を経由して下降流42に転じる。
したがって、強制対流の拡散流6(A)から見て、水面へ到達した上昇流量1のうち、少なくともその1/6が下降流42に転じることになる。これと全く同じことが同心円状の拡散流6のB、ならびにCにも生じるため、3基の上昇流発生装置5(A、B、C)の発生する上昇流15の流量が下降流42に転じる割合は、少なくとも次の程度となる。
[1基の上昇流発生装置5が発生する上昇流15の流量(1)×そのうち下降流42に転じる割合(1/6)]×寄与する上昇流発生装置5の基本構成機体数(3)
=[(1)×(1/6)]×(3)
=(1/6)×3
=1/2 ・・・(式1)
ここに、(1/6)とは、意味の上から=(60°/360°)と書き換えてもよい。
以上から、1基の上昇流発生装置5が水面へ持ち上げた水量の1/6が寄与するということは、これが3基合計されると、1×(60°/360°)×3基=3/6=1/2である。よって、3基の上昇流発生装置5の機体に囲まれた略正三角形状の狭間の中心部Xを流れ下る下降流42の流量は、1基の上昇流流量を1とすると、その1/2となる。たとえば、出力3.7kW(空気量500L/分)のエア・コンプレッサーを用いて、3基の上昇流発生装置5を駆動した場合の1基当たりの水面到達の動水流量が、夏期、72万(トン/日)と測定された気泡駆動式の上昇流発生装置の実績がある。これでゆくと、これを3基組合わせた複合組み合わせ配置1セットによって発揮される下向き動水流量は、72万(トン/日)×(1/2)=36万(トン/日)と推算されることになる。このように、「60°系」の複合組合わせ配置に対しては、この複合組合わせの基本構成(3個の正三角形配置)をNセット組み合わせて応用する場合、1基当たリの上昇流量を1とすると、生成される下向き流量の合計量は、上記(式1)で示される倍率0.5を(η60°≡0.5)と書けば、
生成される下向き流量の合計量(1に対する倍率)
=(η60°)×N ・・・(式2)
と書き表すことができる。
2)「90°系」複合組合わせ配置に対する下向き動水流量の概算
次に「90°系」複合組合わせ配置について説明すると、「90°系」の複合組合わせ配置の基本は、前項までに述べた通り、水底2の正方形の各頂点を通る4本の鉛直軸にそれぞれの中心軸を持つ上昇流発生装置5の4基の配置となる。4基の上昇流発生装置5(それぞれ(A)、(B)、(C)、(D)と記す。)がつくる同心円状の拡散流6(それぞれ(A)、(B)、(C)、(D)と記す。)が互いに近接し、中心部X(X−X軸)に関して軸対称に接している状態(n=4)である。前項の場合と同様、ある単一の上昇流発生装置5が発生した上昇流15は、水面3へ到達するとその水面到達点から水面3内を周囲360°方向へ向かって同心円状の拡散流6となって周囲に拡散する。前項同様、例えば装置Aの上向き流量の全量1は水面到達後、均等に360°方向へ向かって放射状に拡散しようとする。図4Aにおいて、各上昇流発生装置5の機体の同心円状の拡散流6には、水面3内の拡散流れの方向を、便宜上22.5°毎に流れの方向を示す16個の矢印で分けて図示している。
例えば、ある機体の中心軸上の水面に相当する高さの点から周囲へ向かって水平に流れる上昇流量は360°方向へ均等に拡散するので、中心軸を中心とする水面3内の16個の矢印で区切られた16個の扇形部分(扇形の中心角=22.5°)は、形状、流量分布共に16個が全く合同であり、流量の360°範囲内の総合計が1である。ある同心円状の拡散流(例えば6(A))の水面部分を流れる上昇流15の流量は、隣り合う同心円状の拡散流(例えば6(B)、6(C)、あるいは6(D))と拡散流6(A)とが接する2点で区切られた範囲内の拡散流6(A)の上縁を経由して下降流42に転じる。
したがって、同心円状の拡散流6(A)から見て、上昇流量1のうち、22.5°で区切られた扇形区画4個分(すなわち90°)、すなわち、全量1の1/4が下降流42に転じることになる。これと全く同じことが同心円状の拡散流6(B)、6(C)、ならびに6(D)それぞれについても生じるため、4基の上昇流発生装置5(A、B、C、D)の発生する上昇流15の流量が下降流42に転じる割合は、少なくとも次の程度と算定される。
[1基の上昇流発生装置5が発生する上昇流15の流量(1)×そのうち下降流42に転じる割合(1/4)]×寄与する基本構成機体数(4)
=[(1)×(1/4)]×(4)
=(1/4)×4
=1 ・・・(式3)
ここに、(1/4)とは、意味の上から=(90°/360°)と書き換えてもよい。
以上から、1基の上昇流発生装置5が水面へ持ち上げた水量の1/4が寄与するということは、これが4基合計されると、1×(90°/360°)×4基=4/4=1である。よって、4基の上昇流発生装置5の機体に囲まれた略正方形状の狭間の中心を流れ下る下降流の流量は、1基の上昇流流量を1とすると、その1と同量となる。このように、「90°系」の複合組合わせ配置に対しては、この複合組合わせの基本構成(4個の正方形配置構成)をNセット組み合わせて応用する場合、1基当たりの上昇流量を1とすると、生成される下向き流量の合計量は、上記(式2)で示される倍率1.0を(η90°≡1.0)と書けば、
生成される下向き流量の合計量(1に対する倍率)
=(η90°)×N ・・・(式4)
と書き表すことができる。
なお、前項と同様に、たとえば、出力3.7kW(空気量500L/分)のエア・コンプレッサーを用いて、3基の上昇流発生装置5を駆動した場合の1基当たりの水面到達の動水流量が、夏期、72万(トン/日)と測定された気泡駆動式の上昇流発生装置5の実績に基づいてこれらの上昇流発生装置5を4基用いたとして予測すると、この上昇流発生装置5の機体要素を4基組合わせた複合組み合わせ配置1セットによって発揮される下向き動水流量は、(式4)でN=1とした場合に相当し、72万(トン/日)と概算されることになる。
3)「60°系」・「90°系」の混合複合組合わせ配置セットにおける下向き動水流量の概算以上の通り、「60°系」(基本単位構成(3基))については前出(式1)、(式2)、「90°系」(基本単位構成(4基))については(式3)、(式4)の考え方によって下向き動水流量の概算が可能である。したがって、「60°系」と「90°系」とが混在した形で複合的に組み合わされた配置において生成される下向き動水流量の総計は、(式2)、(式4)から以下のように推算される。
生成される下向き動水流量の総合計量(1に対する倍率)λ
=[(η60°)×N十[(η90°)×N] ・・・(式5)
ただしここに、
(η60°)≡0.5 ・・・・((式1)参照)
(η90°)≡1.0 ・・・・((式3)参照)
=「60°系」で構成される基本単位のセット数
=「90°系」で構成される基本単位のセット数
4)「60°系」・「90°系」の混成複合組合わせ配置における重畳効果
前項3)に記載した記号の意味を説明すると、次のようになる。
=4;N=0 よって(式5)から、λ=[0.5×4]十[1.0×0]=2
=4;N=0 よって(式5)から、λ=[0.5×4]十[1.0×0]=2
=2;N=1 よって(式5)から、λ=[0.5×2]十[1.0×1]=2
同様に、
=6;N=2 よって(式5)から、λ=[0.5×6]十[1.0×2]=5
=0;N=4 よって(式5)から、λ=[0.5×0]十[1.0×4]=4
と算定される。
なお、『60°系」《基本単位構成(3基)》+「90°系」《基本単位構成(4基)》の<N=6;N=2>は、《基本単位構成(3基)》×6セット+《基本単位構成(4基)》×2セット、によって集中的に生じる下降流42の生成点の個数の意味ではあるが、これを生成させるのに必要な上昇流発生装置5の機体基数が<《3基》×6セット+《4基》×2セット=18基+8基=26基必要!>を必ずしも意味するものではないことに注意する必要がある。実際、ここに得られたλ=[0.5×6]十[1.0×2]=5という倍率は、上昇流発生装置5の機体基数は合計わずか10基で達成されている。下向きの流れを形成する、いわゆる流体コンベヤー現象は、近接配置による条件が成立する地点で発生し、平面的配置における条件が成立すれば生じることとなるからである。より簡単な例で説明すれば、図2Aと図4Aとを対比説明すると、図2Aでは、「60°系」基本単位構成(上昇流発生装置×3基)で1個の下降流42の生成点(中心部X)を生じているが、図4Aでは、基本構成に上昇流発生装置5を1基追加して合計4基の上昇流発生装置5を近接配置することにより、下降流42の生成点(中心部X)を2個生じている。言い換えると、上昇流発生装置×3基で1セットの下降流42の生成点(中心部X)が成立する「60°系」の近接配置に対し、別個に1基を近づけると、流れの相互干渉によって図2Aの流量条件に等しい「60°系」の下降流42の生成点(中心部X)がもう1個成立する。したがって、合計2個の下降流42の生成点(中心部X)を生成させるのに必要な上昇流発生装置5の基数は、<3基+3基=6基>ではなく、<3基+1基=4基〉で達成されることがわかる。この上昇流発生基数節減効果は、効果としては上昇流発生装置5の配列の重畳効果、現象としては上昇流発生装置5による流動の相互干渉効果によって生じている。このように、複数配置を適切に利用することにより、使用する上昇流発生装置5の基数に対比して、生成された下降流42の動水流量を効果的に増加させることが可能となる。
複数基を組合わせて下降流発生装置とする方法について
以上、本上下循環装置の要素である上昇流発生装置5を、「60°系」配置の基本としては3基、「90°系」配置の基本としては4基を複合的に組み合わせて、水域の上下循環を行わせる下降流42の発生装置として使用できることについて述べたが、これを実行する方法について、2,3の実施例を述べる。
「60°系」としては上昇流発生装置5を3基、「90°系」としては4基を、所定の距離をおいて水域に直接個々に設置して、複合組み合わせ配置の効果を挙げることももちろん可能である。「60°系」では3基を正三角形の各頂点またはそれに近く配置した鉛直軸位置に、「90°系」では4基を正方形の各頂点またはそれに近く配置した鉛直軸位置に、集中的かつ加速的な下降流を効果的に生成させることができる。
図9は、構成機体3基を部材によって一体型に構成して、水域への設置を行う案を実施例として示したものである。図中、2は水底、5は散気式円筒型の上昇流発生装置、44は上昇流発生装置5に空気を吹き込む空気吹込装置、45は上昇流発生装置5の空気吹込装置44へ空気を送るための空気分岐管、46は上昇流発生装置5の筒体を連結する連結材、47は連結材46を上昇流発生装置5の筒体に固定する固縛装置、48は上昇流発生装置5および付属部材の水中重量を支えて水中に浮揚させるために用いる浮力材、8は圧縮空気送気ホース、8aは空気分岐管45から空気吹込装置44へ圧縮空気を送る圧縮空気分配ホース、9はシンカー、10は係留索である。図9は、上昇流発生装置5を個々に所定の位置に設置するのに代えて、所定の位置に配置・設置する作業をまとめて行うのを便利とする目的で、基本配置(例えば)「60°系」《基本単位構成(3基)》を一体型として水域内への設置作業を合理化する意味から行う具体的実施例である。
さらに図10は、前図と目的は同様であり、構成機体3基を部材によって一体型に構成して、水域への設置を簡略化する案のもう一つの実施例である。図中、2は水底、5は散気式円筒型の上昇流発生装置、52は上昇流発生装置5に空気を吹き込む空気吹込装置、53は上昇流発生装置5の空気吹込装置52へ空気を送るための空気分岐管、54は上昇流発生装置5の筒体を連結する連結材、55は連結材54を上昇流発生装置5の筒体に固定する固縛装置、56は上昇流発生装置5および付属部材の水中重量を支えて水中に浮揚させるために用いる浮力材、8は圧縮空気送気ホース、8aは空気分岐管53から空気吹込装置52へ圧縮空気を送る圧縮空気分配ホース、9はシンカー、10は係留索である。図10は、図9と同様、上昇流発生装置5を一体型として水域内への設置作業を簡易化するための具体的実施例である。図9との相違点は、同図における浮力材48が各上昇流発生装置5の筒体自体に固定されているのに対し、本図10では、浮力材56が、3基の上昇流発生装置5を正三角形状に連結する連結材54に取り付けられており、浮力材56が、複数基を組み合わせた一体型装置として構成された構造体へ、広く分散配置、固定されている点である。これらはいずれも「60°系」・3基の機体を一体型とする実施例であるが、これら以外にも、「90°系」・4基を一体型としてまとめた構造体とする案、重畳効果によって下向きの動水流量を効果的に増幅させるのに用いる多数基複合型の要素機器を同形の部分複合型装置としてまとめて設置する案などがある。
複数基の組合わせ配置と下降流発生機能について(表1(図6、図7))
本上下循環装置の要素である上昇流発生装置5を、「60°系」配置の基本としては3基、「90°系」配置の基本としては4基を、複合的に組み合わせて、水域の上下循環に適用する下降流42の発生装置として使用できることについて、前項には基本配置を一体型として設置する実施例について述べた。本項では、このような一体型装置を用いて、下降流42を発生させる方法についての留意事項を述べる。
図6に示す表1(その1)および図7に示す表2(その2)は、本上下循環装置の配置と下降流量の増幅作用について説明したものである。表1(その1))は「60°系」配置に関するもの、表2(その2)は「90°系」配置に関するものである。表1(その1)中、たとえば3基を一体型として構成した機体(図9および図10に例示されている。)を、実際に設置する基本配置のセットであるという意味で「実セット」と記載している。“実2セット”、“実3セット”とは、実際に設置する基本配置のセット(図9、図10のような)を“2セット”、あるいは“3セット”という意味である。
表1(その1)の挿図中左端は、実2セットの配置例であり、正三角形が上昇流発生装置5の要素機体3基で構成される実セットである。この図は、この実セットを2セット基本配置の1スパンだけ平行移動的にずらして設置することを表している(機体の上昇流発生装置5は60°回転させている。)。ここで、実セットの中心点には、実セットによって生じる下降流42の発生中心の中心部Xが+印で示されている。しかし、実セットを構成する各3基の上昇流発生装置5の機体の並び方、および間隔(スパン)から見て、実セット2個の中間に位置している着色されていない2個の正三角形領域は、実は実スパンの条件と全く同一な流体工学的条件下にある。したがって、これら2個の正三角形の中心にも実セットと全く同一の条件による下降流42が誘起されることになる。言い換えれば、ここでは、実セット×2セットを作動させることにより、全く同一の流量条件による下降流42が4ヶ所に誘起される。この現象は、隣接境界面に鏡を立てた際の鏡像の位置に生じるため、ここでは、鏡像効果による下降流42と呼ぶものとする。この場合の鏡像効果による下降流42まで含めた下降流量の増幅率は、[下降流42が4ヶ所に誘起される/実2セット=増幅率2.0]となる。同様の議論を進めてゆくと、表1(その1)中、中央の挿図は、実3セットの配置例であるが、このような配置の場合には、鏡像効果による下降流生成の効果は正三角形×5個に及ぶこととなり、増幅率は[下降流42が8ヶ所に誘起される/実3セット=増幅率2.67]となる。さらに、表1(その1)中、右端の挿図は、実4セットの配置例であるが、このように配置すると、実4セットの作動により、鏡像効果による下降流42の生成の効果は正三角形×8個に及ぶこととなり、増幅率は[下降流42が(4+8=)12ヶ所に誘起される/実4セット=増幅率3.0]となる。このように、実セットを適切に配置することにより、鏡像効果による下降流42の誘起によって、上下循環に有効な下降流42を効果的に生成させることができることがわかる。表2(その2)も、表1(その1)と同様な、鏡像効果による下降流誘起の効果を、「90°系」に対して説明したものである。挿図の着色部分は実セット、非着色の正方形部分は、上述と同じ理由によって鏡像効果によって増加した下降流生成点を示している。表1および表2に例示した配置以外にも、ほとんど無数に多くの配置が考えられ、鏡像効果によって生じる下降流42の増幅が可能であることは、論をまたないところである。なお、表1および表2の下段には、下向き動水流量試算例を示した。これは、たとえば、3.7kW(空気量500NL/min)のエア・コンプレッサーを用いて、3基の気泡駆動式の上昇流発生装置5を作動させた場合の水面3(海面)到達の動水流量が、夏期、装置1基当たり72万(トン/日)であったという実績)に基づいて試算した、各実セット配置例に対する下向き動水流量である。「60°系」「90°系」いずれに対しても、一日あたり100〜数百万トンの下向き動水効果は、十分な意味でこのような装置の射程内にあることがわかる。
従来技術の難点の排除
(1)上昇流発生装置5の複数基、少なくとも3基以上を組み合わせ、これら複数基の近接配置によって生じる流体工学的相互干渉を利用して、これら複合組み合わせ配置の中心に加速的かつ集中的に、強制的に下降流42を生成させる。これを、表層水塊を効果的に底層へ誘導する方法として利用し、効果的に上下循環を促進する。
(2)複数基の上昇流発生装置5の相互間に生じる流体工学的な流れの相互干渉によって、加速的かつ集中的な下降流42が自然に形成されることを利用するため、人為的な下降流専用の管路や、ダクト類を特設することなく表層水塊を底層へ送り込むことができる。
(3)複数基の上昇流発生装置5の近接配置の基本形は、鉛直中心軸が、1)3基による正三角形の各頂点位置(この配置を「60°系接触」と呼ぶ。)、2)4基による正方形の各頂点位置(この配置を「90°系接触」と呼ぶ。)、および、3)正n角形の各頂点位置(この配置を「花びら環状接触」と呼ぶ。)の3種とする。
(4)複数n基の近接配置法には各種の配列法も考えられるが、基本的に近接接触配置であり、その構成はこれら要素1)2)3)に分解して考えることができる。1)2)の要素は組合わせて併用できることは図や表に示されるとおりである。
(5)上昇流発生装置5には、円形断面筒体(直径D×高さh)を用いるが、高さh/直径Dの比は、実用機としては、およそ2〜25程度の範囲内にあるものとする。また例えばエアーノズルとして、複合ベンチュリー型加速ノズルを用いる。
(6)前記1)の正三角形の一辺の長さ、2)の正方形の一辺の長さ、すなわち筒体間隔(スパン)をLxと書くと、良好な下降流生成性能を発揮するために、上昇流発生装置5の筒体直径Dに対し、Lx/D比は、高々25以下程度とする。
(7)これらの数値限定に応じて基本形において生成される強制下降流(下向き動水流量)の流量推算は、要素1)2)3)に基づき、別項に掲げる推算式によってごく簡略に行うことができる。
(8)複数基の上昇流発生装置の配列において、3基基本配置(「60°系」)、4基基本配置(「90°系」)相互間の配列の仕方により、3基基本配置、あるいは4基基本配置の外側に、基本配置と流体力学的に同等な、見かけ上の3基配置、あるいは、見かけ上の4基配置が、付加的に構成されることがある。これは原理的にも各基本配置と全く同等な流体工学的理由により、それぞれが見かけ上の下降流生成効果を発揮する。これによって、配列された複数基の上昇流発生装置群は、実際に設置された装置のセット数よりも下降流42の流量が増幅された合計流量となる。(この原因となる外部の見かけ上の基本配置効果による下降流量の増幅効果を、ここでは便宜上、鏡像効果による下降流量の増幅と呼んでいる。)
筒体間スパン選定について
以上、前項に述べた上昇流発生装置5を3基、あるいは同4基を、複合的に組み合わせて、本上下循環装置の基本形となる「60°系」(正三角形・3点配置)あるいは「90°系」(正方形・4点配置)が構成される。このとき、これらの複数基相互間の筒体間隔(スパン)Lは、図11に示される通り、L(「60°系」)、あるいはL(「90°系」)と表しているが、これらはどのように決まるであろうか。先に掲げた「60°系」(正三角形・3点配置)や「90°系」(正方形・4点配置)の上昇流15によって生じる表面3の同心円状の拡散流6の相互干渉とこれによる下降流42の発生は、筒体間隔(スパン)Lのかなり広い範囲にわたって生じるものではあるが、同心円状の拡散流6の半径が大となるに従って、干渉によって生じる下降流42の流路断面積も大となり、下降流42の流速も低下する。いま、筒体間隔(スパン)Lxと筒体直径Dの比=Lx/Dを採って、これを横軸にとり、下降流の発生状況との関係を調査した結果の一例を示すと、図11の通りである。ここに、同図中、
領域Hは下降流発生個所の流路断面積が狭くなり過ぎて下降流42の溢流・損失傾向が見られる領域、
領域Jは下降流路断面積が増大して下降流42の流速が低下し、下降流発生装置としての機能が低下傾向にあると見られる領域、
Kは、発明者らが行った小型模型実験における実験点のLx/D位置であることを示す。以上から、実用上考えられる[筒体間隔(スパン)L/筒体直径D]の選定領域は、ほぼ4〜25程度以下と考えてよいであろう。
本発明の閉鎖水域の上下循環方法および上下循環装置は、例えば、ダム、湖沼、水源地、上下水道施設、運河、内湾、港湾、水産養殖場や溜池などの閉鎖水域の水質改善を計るための方法および装置として有用である。

Claims (6)

  1. 水中に正多角形状に上向きに配置された複数の各上昇流発生装置で上昇流を発生させて、各上昇流発生装置の上方水面に上昇流で生起される同心円状に拡散する拡散流をそれぞれ発生させ、隣り合う各拡散流同士の相互干渉を利用して、各上昇流発生装置が配置された正多角形状の中心部に、水面から水底に向かう連続的、加速的かつ集中的な下降流を誘起させて、上昇流と下降流による上下循環流により閉鎖水域の水質改善を計るようにしたことを特徴とする閉鎖水域の上下循環方法。
  2. 水中に正多角形状に上向きに配置された複数の各上昇流発生装置の隣り合う配置間隔Lと、各上昇流発生装置の上昇流を発生する筒体の直径Dとは、L/D=4〜25の範囲内にあり、水中に正多角形状に配置された複数の各上昇流発生装置で上昇流を発生させて、各上昇流発生装置の上方水面に上昇流で生起される同心円状に拡散する拡散流をそれぞれ発生させ、隣り合う各拡散流同士の相互干渉を利用して、各上昇流発生装置が配置された正多角形状の中心部に、水面から水底に向かう連続的、加速的かつ集中的な下降流を誘起させて、上昇流と下降流による上下循環流により閉鎖水域の水質改善を計るようにしたことを特徴とする閉鎖水域の上下循環方法。
  3. 水中に正多角形状に配置された複数の上昇流発生装置によりそれぞれ上昇流を発生させて、前記複数の上昇流発生装置のそれぞれの上方水面に前記上昇流により生起される同心円状に拡散する拡散流を発生させ、隣り合う拡散流同士の相互干渉により前記正多角形状の中心部に水面から水底に向かう下降流を誘起させて、前記上昇流と前記下降流とによる上下循環流を形成する閉鎖水域の上下循環方法。
  4. 水中に正多角形状に配置された複数の上昇流発生装置であり、それぞれ上昇流を発生させて、それぞれの上方水面に前記上昇流で生起される同心円状に拡散する拡散流を発生させ、隣り合う拡散流同士の相互干渉により前記正多角形状の中心部に水面から水底に向かう下降流を誘起させて、前記上昇流と前記下降流とによる上下循環流を形成する複数の上昇流発生装置を備えた閉鎖水域の上下循環装置。
  5. 前記複数の上昇流発生装置は、開口部が上向きに配置された筒体である請求項4記載の閉鎖水域の上下循環装置。
  6. 前記複数の上昇流発生装置の隣り合う配置間隔Lと、前記筒体の直径Dとは、L/D=4〜25の範囲内にある請求項5記載の閉鎖水域の上下循環装置。
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