JPWO2014168060A1 - 金属被覆材 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ジアミン構成単位が特定の構造を有するポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)に由来する構成単位を含み、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)に由来する構成単位を含む、ポリエーテルポリアミド(A)を含有する、金属被覆材であって、耐摩耗性及び耐油性が良好であり、金属に対する接着性に優れた金属被覆材を提供する。

Description

本発明は、金属被覆用途に使用できる金属被覆材に関する。
ポリアミドは、耐摩耗性、耐衝撃性等の優れた機械的特性を有すると共に、炭化水素、塩基、無機酸等の多数の物質に対する耐薬品性に優れているため、金属基材への被覆用途に広く用いられている。
しかしながら、ポリアミドは金属に対する接着性が不十分であることが知られている。
金属に対する接着性を向上させる目的で、ポリアミドを用いた種々の金属被覆材が提案されている。
例えば、特許文献1には、ポリアミド樹脂に、所定量のシランカップリング剤、及び特定のエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーを所定量含有した、金属被覆用ポリアミド樹脂組成物が開示されている。
また、特許文献2には、ジカルボン酸成分がシュウ酸からなり、ジアミン成分が特定のC9ジアミン混合物及び1,6−ヘキサンジアミン(C6ジアミン)からなり、C9ジアミン混合物とC6ジアミンのモル比が所定の範囲であるポリアミド樹脂を含む、金属被覆材が開示されている。
特開2004−346255号公報 特開2010−77212号公報
しかしながら、金属基板を被覆する金属被覆材としては、更なる耐摩耗性及び金属に対する接着性が求められている。これらの点においては、特許文献1及び2に開示された金属被覆材は未だ十分に改良されたとはいえない。
また、特許文献1及び2に開示の金属被覆材では、金属に対する接着性の向上のために、熱可塑性エラストマーが配合されているが、熱可塑性エラストマーを配合すると、ポリアミドとの相溶性が低下し、ポリアミドが有している機械的特性や表面特性が損なわれる場合がある。さらに、金属被覆材には、耐油性も求められる。
本発明は、耐摩耗性及び耐油性が良好であり、及び金属に対する接着性に優れた金属被覆材を提供することを目的とする。
本発明者らは、ジアミン構造単位として、特定の構造を有するポリエーテルジアミン化合物に由来する構成単位を含むポリエーテルポリアミドを含有する金属被覆材が、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の金属被覆材を提供する。
ジアミン構成単位が下記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)に由来する構成単位を含み、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)に由来する構成単位を含む、ポリエーテルポリアミド(A)を含有する、金属被覆材。
Figure 2014168060
(式中、x+zは1〜60、yは1〜50を表し、−OR1−は各々独立に−OCH2CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−を表し、−OR2−は−OCH2CH2CH2CH2−又は−OCH2CH2−を表す。)
本発明の金属被覆材は、耐摩耗性及び耐油性が良好であり、金属に対する接着性に優れる。
本発明の金属被覆材は、ジアミン構成単位が上記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)に由来する構成単位を含み、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)に由来する構成単位を含む、ポリエーテルポリアミド(A)を含有する。
また、本発明の金属被覆材は、ポリエーテルポリアミド(A)以外の熱可塑性樹脂、シランカップリング剤、及びその他の添加剤を含有してもよい。
本発明の金属被覆材の全量に対するポリエーテルポリアミド(A)の含有量は、好ましくは85〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%、より更に好ましくは98〜100質量%である。
ポリエーテルポリアミド(A)成分の含有量が85質量%以上であれば、金属に対する接着性を向上させると共に、耐摩耗性の優れた金属被覆材とすることができる。また、ポリエーテルポリアミド(A)が有する優れた機械的特性や表面特性を維持することができる。
〔ポリエーテルポリアミド(A)〕
本発明に用いられるポリエーテルポリアミド(A)は、ジアミン構成単位が下記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)に由来する構成単位を含み、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)に由来する構成単位を含む。ポリエーテルポリアミド(A)を含有することで、耐摩耗性、及び金属に対する接着性に優れる金属被覆材とすることができる。
Figure 2014168060
(式(1)中、x+zは1〜60、yは1〜50を表し、−OR1−は各々独立に−OCH2CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−を表し、−OR2−は−OCH2CH2CH2CH2−又は−OCH2CH2−を表す。)
[ジアミン構成単位]
ポリエーテルポリアミド(A)を構成するジアミン構成単位は、上記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)に由来する構成単位を含む。
ポリエーテルポリアミド(A)のジアミン構成単位中における、ポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)に由来する構成単位の合計含有量は、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、更に好ましくは80〜100モル%、より更に好ましくは90〜100モル%である。
<ポリエーテルジアミン化合物(a−1)>
ポリエーテルポリアミド(A)を構成するジアミン構成単位は、上記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(a−1)に由来する構成単位を含む。
上記一般式(1)における(x+z)は1〜60であり、好ましくは2〜40、より好ましくは2〜30、更に好ましくは2〜20、より更に好ましくは2〜15である。
また、yは1〜50であり、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。
x、y、zの値が上記範囲より大きい場合、溶融重合の反応途中に生成するキシリレンジアミンとジカルボン酸とからなるオリゴマーやポリマーとの相溶性が低くなり、重合反応が進行しづらくなる。
また、上記一般式(1)における−OR1−は各々独立に−OCH2CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−を表す。
ポリエーテルジアミン化合物(a−1)の数平均分子量は、好ましくは176〜7000、より好ましくは200〜5000、更に好ましくは300〜3500、より更に好ましくは400〜2500、より更に好ましくは500〜1800である。
ポリエーテルジアミン化合物の数平均分子量が上記範囲内であれば、柔軟性やゴム弾性等の機能を発現するポリマーを得ることができる。
上記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(a−1)は、金属に対する接着性、耐摩耗性、及び耐油性を向上させた金属被覆材とする観点から、具体的には下記一般式(1−1)又は(1−2)で表されるポリエーテルジアミン化合物である。特に耐摩耗性及び耐油性をより向上させた金属被覆材とする観点から、下記一般式(1−2)で表されるポリエーテルジアミン化合物が好ましい。
Figure 2014168060
上記一般式(1−1)中、x1+z1は1〜60、y1は1〜50を表し、−OR1−は−OCH2CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−を表す。
また、上記一般式(1−2)中、x2+z2は1〜60、y2は1〜50を表し、−OR1−は−OCH2CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−を表す。
上記一般式(1−1)における(x1+z1)の数値は1〜60であり、好ましくは2〜40、より好ましくは2〜30、更に好ましくは2〜20、より更に好ましくは2〜15である。また、y1の数値は1〜50であり、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。
上記一般式(1−2)における(x2+z2)の数値は1〜60であり、好ましくは2〜40、より好ましくは2〜30、更に好ましくは2〜20、より更に好ましくは2〜15である。また、y2の数値は1〜50であり、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜30、更に好ましくは1〜20である。
上記一般式(1−1)で表されるポリエーテルジアミン化合物の数平均分子量は、好ましくは204〜7000、より好ましくは250〜5000、更に好ましくは300〜3500、より更に好ましくは400〜2500、より更に好ましくは500〜1800である。
上記一般式(1−2)で表されるポリエーテルジアミン化合物の数平均分子量は、好ましくは176〜5700、より好ましくは200〜4000、更に好ましくは300〜3000、より更に好ましくは400〜2000、より更に好ましくは500〜1800である。
なお、これらのポリエーテルジアミン化合物(a−1)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエーテルポリアミド(A)のジアミン構成単位中における、ポリエーテルジアミン化合物(a−1)に由来する構成単位の割合は、好ましくは1〜50モル%、より好ましくは3〜30モル%、更に好ましくは5〜25モル%、より更に好ましくは5〜20モル%である。
ポリエーテルポリアミド(A)のジアミン構成単位中におけるポリエーテルジアミン化合物(a−1)に由来する構成単位の割合が上記範囲内であれば、得られる金属被覆材は、金属に対する接着性が向上すると共に、耐摩耗性にも優れたものとなる。
<キシリレンジアミン(a−2)>
ポリエーテルポリアミド(A)を構成するジアミン構成単位は、キシリレンジアミン(a−2)に由来する構成単位を含む。
キシリレンジアミン(a−2)としては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物が好ましく、メタキシリレンジアミン、又はメタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合物がより好ましく、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合物が更に好ましい。
キシリレンジアミン(a−2)がメタキシリレンジアミンに由来する場合、得られるポリエーテルポリアミド(A)は、柔軟性、結晶性、溶融成形性、成形加工性、靭性、耐摩耗性及び耐油性に優れたものとなる。
キシリレンジアミン(a−2)が、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合物に由来する場合、得られるポリエーテルポリアミド(A)は柔軟性、結晶性、溶融成形性、成形加工性、靭性、耐摩耗性及び耐油性に優れ、さらに高耐熱性及び高弾性率を示す。
なお、これらのキシリレンジアミン(a−2)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
キシリレンジアミン(a−2)として、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンとの混合物を用いる場合には、メタキシリレンジアミン及びパラキシリレンジアミンの総量に対するパラキシリレンジアミンの割合は、好ましくは90モル%以下であり、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは70モル%以下、より更に好ましくは5〜70モル%である。
パラキシリレンジアミンの割合が上記範囲であれば、得られるポリエーテルポリアミドの融点が、該ポリエーテルポリアミドの分解温度に近接せず、好ましい。
ポリエーテルポリアミド(A)のジアミン構成単位中における、キシリレンジアミン(a−2)に由来する構成単位の割合は、耐摩耗性及び耐油性が良好な金属被覆材を得る観点から、好ましくは50〜99モル%、より好ましくは70〜97モル%、更に好ましくは75〜95モル%、より更に好ましくは80〜95モル%である。
<その他のジアミン化合物>
ポリエーテルポリアミド(A)を構成するジアミン構成単位は、上述したように、前記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)に由来する構成単位を含むが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他のジアミン化合物に由来する構成単位を含んでもよい。
ポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)以外のジアミン構成単位を構成しうるジアミン化合物としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
その他のジアミン化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[ジカルボン酸構成単位]
ポリエーテルポリアミド(A)を構成するジカルボン酸構成単位は、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)に由来する構成単位を含む。
ポリエーテルポリアミド(A)のジカルボン酸構成単位中における、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)に由来する構成単位の含有量は、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%である。
炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等が挙げられる。
これらの中でも、結晶性、高弾性の観点、及び金属に対する接着性の向上の観点から、アジピン酸及びセバシン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に金属に対する接着性の向上の観点から、セバシン酸がより好ましい。
これらのジカルボン酸は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリエーテルポリアミド(A)を構成するジカルボン酸構成単位は、上述したように、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)に由来する構成単位を含むが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他のジカルボン酸に由来する構成単位を含んでもよい。
炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)以外のジカルボン酸構成単位を構成しうるジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
ジカルボン酸成分として、炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)とイソフタル酸との混合物を使用する場合、ポリエーテルポリアミド(A)の耐熱性及び成形加工性を向上させることができる。
炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)とイソフタル酸とのモル比(炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)/イソフタル酸)は、50/50〜99/1が好ましく、70/30〜95/5がより好ましい。
[ポリエーテルポリアミド(A)の物性]
ポリエーテルポリアミド(A)は、キシリレンジアミン(a−2)と炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)とから形成される高結晶性のポリアミドブロックをハードセグメントとし、ポリエーテルジアミン化合物(a−1)由来のポリエーテルブロックをソフトセグメントとすることで、得られる金属被覆材の機械的特性や表面特性を良好にすると共に、金属に対する接着性、耐摩耗性、及び耐油性を向上させることができる。
ポリエーテルポリアミド(A)の相対粘度は、好ましくは1.1〜3.0の範囲、より好ましくは1.1〜2.9の範囲、更に好ましくは1.1〜2.8の範囲である。
なお、ポリエーテルポリアミド(A)の相対粘度は、試料0.2gを96質量%硫酸20mLに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96質量%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で示される。
相対粘度=t/t0
ポリエーテルポリアミド(A)の融点(Tm)は、耐熱性及び溶融成形性の観点から、好ましくは170〜270℃の範囲、より好ましくは175〜270℃の範囲、更に好ましくは180〜270℃の範囲、更に好ましくは180〜260℃の範囲である。
なお、ポリエーテルポリアミド(A)の融点は、示差走査熱量計を用いて測定され、具体的には、実施例に記載の方法で測定された値を意味する。
ポリエーテルポリアミド(A)の引張破断伸び率(測定温度23℃、湿度50%RH(相対湿度))は、柔軟性の観点から、好ましくは100%以上、より好ましくは200%以上、更に好ましくは250%以上、より更に好ましくは300%以上である。
ポリエーテルポリアミド(A)の引張弾性率(測定温度23℃、湿度50%RH(相対湿度))は、柔軟性及び機械強度の観点から、好ましくは100MPa以上、より好ましくは200MPa以上、更に好ましくは300MPa以上、更に好ましくは400MPa以上、より更に好ましくは500MPa以上である。
引張弾性率及び引張破断伸び率の測定は、JIS K7161に準じて行われる。
[ポリエーテルポリアミド(A)の製造]
ポリエーテルポリアミド(A)の製造は、特に限定されるものではなく、任意の方法で、任意の重合条件により行うことができる。
例えば、ジアミン成分(ポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)等のジアミン)とジカルボン酸成分(炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)等のジカルボン酸)とからなる塩を水の存在下に加圧状態で昇温し、加えた水及び縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法によりポリエーテルポリアミド(A)を製造することができる。
また、ジアミン成分(ポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)等のジアミン)を溶融状態のジカルボン酸成分(炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)等のジカルボン酸)に直接加えて、常圧下で重縮合する方法によってもポリエーテルポリアミド(A)を製造することができる。この場合、反応系を均一な液状態で保つために、ジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
この際、ジアミン成分のうち、ポリエーテルジアミン化合物(a−1)については、ジカルボン酸成分と共に予め反応槽内に仕込んでおいてもよい。ポリエーテルジアミン化合物(a−1)を予め反応槽内に仕込んでおくことで、ポリエーテルジアミン化合物(a−1)の熱劣化を抑制することができる。その場合もまた、反応系を均一な液状態で保つために、ポリエーテルジアミン化合物(a−1)以外のジアミン成分をジカルボン酸成分に連続的に加え、その間、反応温度が生成するオリゴアミド及びポリアミドの融点よりも下回らないように反応系を昇温しつつ、重縮合が進められる。
ジアミン成分(ポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)等のジアミン)と、ジカルボン酸成分(炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)等のジカルボン酸)とのモル比(ジアミン成分/ジカルボン酸成分)は、好ましくは0.9〜1.1、より好ましくは0.93〜1.07、更に好ましくは0.95〜1.05、より更に好ましくは0.97〜1.02である。モル比が上記範囲内であれば、高分子量化が進行しやすくなる。
重合温度は、好ましくは150〜300℃、より好ましくは160〜280℃、更に好ましくは170〜270℃である。重合温度が上記温度範囲内であれば、重合反応が速やかに進行する。また、モノマーや重合途中のオリゴマー、ポリマー等の熱分解が起こりにくいため、得られるポリエーテルポリアミドの性状が良好なものとなる。
ジアミン成分を滴下し始めてからの重合時間は、好ましくは1〜5時間である。重合時間を上記範囲内とすることにより、ポリエーテルポリアミド(A)の分子量を十分に上げることができ、さらに得られたポリエーテルポリアミドの着色を抑えることができる。
ポリエーテルポリアミド(A)は、リン原子含有化合物を添加して溶融重縮合(溶融重合)法により製造されることが好ましい。溶融重縮合法としては、常圧で溶融させたジカルボン酸成分中にジアミン成分を滴下し、縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法が好ましい。さらに、ジアミン成分のうち、ポリエーテルジアミン化合物(b−1)については、ジカルボン酸成分と共に予め反応槽内に仕込み溶融させておき、そこにキシリレンジアミン成分を滴下し、縮合水を除きながら溶融状態で重合させる方法がより好ましい。
ポリエーテルポリアミド(A)の重縮合系内には、その特性が阻害されない範囲で、リン原子含有化合物を添加してもよい。
リン原子含有化合物としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸エチル、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウム、フェニル亜ホスホン酸エチル、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム、亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、アミド化反応を促進する効果が高く、且つ優れた着色防止効果を有するとの観点から、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩が好ましく、次亜リン酸ナトリウムがより好ましい。
重縮合系内に添加するリン原子含有化合物の添加量は、良好な外観及び成形加工性の観点から、ポリエーテルポリアミド(A)中のリン原子濃度換算で、好ましくは1〜1000ppm、より好ましくは5〜1000ppm、更に好ましくは10〜1000ppmである。
また、ポリエーテルポリアミド(A)の重縮合系内には、リン原子含有化合物と併用してアルカリ金属化合物を添加することが好ましい。
加えて、重縮合中のポリマーの着色を防止するためにはリン原子含有化合物を十分な量存在させる必要があるが、場合によってはポリマーのゲル化を招くおそれがあるため、アミド化反応速度を調整するためにもアルカリ金属化合物を共存させることが好ましい。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属水酸化物、又はアルカリ金属酢酸塩が好ましい。
具体的なアルカリ金属化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム等が挙げられる。
重縮合系内にアルカリ金属化合物を添加する場合、該化合物のモル数をリン原子含有化合物のモル数で除した値が、好ましくは0.50〜1.00、より好ましくは0.55〜0.95であり、更に好ましくは0.60〜0.90である。
上記範囲内であると、リン原子含有化合物のアミド化反応促進を適度に抑制する効果があり、反応を抑制しすぎることにより重縮合反応速度が低下し、ポリマーの熱履歴が増加してポリマーのゲル化が増大することを避けることができる。
溶融重縮合で得られたポリエーテルポリアミド(A)は、一旦、重縮合系から取り出され、ペレット化された後、乾燥処理をして使用される。また、更にポリエーテルポリアミド(A)の重合度を高めるためにポリエーテルポリアミド(A)を固相重合してもよい。
乾燥処理及び固相重合で用いられる加熱装置としては、公知の装置を使用することができる。上記加熱装置としては、連続式の加熱乾燥装置やタンブルドライヤー、コニカルドライヤー、ロータリードライヤー等と称される回転ドラム式の加熱装置、並びにナウタミキサーと称される内部に回転翼を備えた円錐型の加熱装置が好ましい。
〔(A)成分以外の熱可塑性樹脂〕
本発明の金属被覆材は、本発明の効果を損なわない範囲において、更に(A)成分以外の熱可塑性樹脂を含んでもよい。
本発明の金属被覆材に含まれる(A)成分以外の熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、及びアクリル樹脂等が挙げられる。
ポリアミド樹脂としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ナイロン69)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンテレフタラミド(ナイロン6T(Tは、テレフタル酸成分単位を表す。以下において同じ))、ポリヘキサメチレンイソフタラミド(ナイロン6I(Iは、イソフタル酸成分単位を表す。以下において同じ))、ポリヘキサメチレンテレフタルイソフタルアミド(ナイロン6TI)、ポリヘプタメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6(MXDは、m−キシリレンジアミン成分単位を表す。以下において同じ))、ポリメタキシリレンセバカミド(ナイロンMXD10)、ポリパラキシリレンセバカミド(ナイロンPXD10(PXDは、p−キシリレンジアミン成分単位を表す。))、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンとアジピン酸を重縮合して得られるポリアミド樹脂(ナイロン1,3−/1,4−BAC6(BACは、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン成分単位を表す。))及びこれらの共重合アミド等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−1,4−シクロヘキサンジメチレン−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキレート樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート−テレフタレート共重合樹脂、ポリエチレン−テレフタレート−4,4’−ビフェニルジカルボキシレート共重合樹脂、ポリ−1,3−プロピレン−テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂が好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン;プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレン又はα−オレフィンとのランダム若しくはブロック共重合体等のポリプロピレン;これらの2種以上の混合物等が挙げられる。
なお、ポリエチレンの多くは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である。
また、ポリオレフィン樹脂には、少量のアクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体によって変性された変性ポリオレフィン樹脂が含まれる。変性は、通常、共重合又はグラフト変性によって行われる。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、2種以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、又は(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなる(メタ)アクリル樹脂が挙げられる。
〔シランカップリング剤〕
本発明の金属被覆材は、シランカップリング剤を含有してもよい。
シランカップリング剤は、無機材料に対して親和性又は反応性を有する加水分解性のシリル基に、有機樹脂に対して親和性又は反応性を有する有機官能性基を化学的に結合させた構造を持つシラン化合物である。
ケイ素に結合した加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン、アセトキシ基が挙げられ、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基、又はエトキシ基がより好ましい。
1個のケイ素原子につく加水分解性基の数は、1〜3個の間で選択される。
有機官能性基としては、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、カルボキシル基、メルカプト基、ハロゲン基、メタクリロキシ基、イソシアネート基等が挙げられ、アミノ基、又はエポキシ基が好ましい。
具体的なシランカップリング剤としては、α−アミノエチルトリエトキシラン、α−アミノプロピルトリエトキシシラン、α−アミノブチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリソドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニル基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキシルメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのカルボキシル基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類等が挙げられる。
これらのシランカップリング剤は、単独で又は2種以上を併用してもよい。
〔その他の添加剤〕
本発明の金属被覆材は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の添加剤を含んでもよい。
その他の添加剤としては、フィラー、補強繊維、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、ガラス繊維、可塑剤、潤滑剤、及び耐熱剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の金属被覆材中に含まれる、その他の添加剤の含有量は、上記ポリエーテルポリアミド(A)100質量部に対して、好ましくは0〜10質量部、より好ましくは0〜5質量部、更に好ましくは0〜2質量部、より更に好ましくは0〜0.1質量部である。
〔金属被覆材の用途〕
本発明の金属被覆材の形態としては、特に限定はなく、上述の各成分を熱により溶融した液状物等の溶融状態、及び粉末状物又はシート状物等の固体状態のいずれであってもよいが、取扱性の観点から、粉末状物又はシート状物等の固体状態が好ましく、シート状物がより好ましい。
なお、シート状物は、上述の各成分を、スクリュー押出機、又はロール等で混練し、射出成形、押出成形、圧縮成形、又はカレンダー成形等により成形して得ることができる。
シート状物に成形する際の温度条件としては、ポリエーテルポリアミド(A)の変質を防止する観点から、ポリエーテルポリアミド(A)の融点をTm(℃)とした場合、好ましくはTm(℃)〜Tm+80(℃)、より好ましくはTm(℃)〜Tm+60(℃)である。
本発明の金属被覆材をシート状物とする場合、当該シート状物の厚みは、用途に応じて適宜設定されるが、好ましくは0.01〜10mm、より好ましくは0.05〜5mmである。
本発明の金属被覆材を用いて被覆する金属基材としては、特に制限は無く、鉄だけでなく、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、金、ニッケル、錫、及び鉛等の非鉄金属も含めた幅広い金属を含む金属基材が挙げられる。
これらの中でも、本発明の金属被覆材との接着性の観点から、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、及び銀から選ばれる1種以上の金属を含む金属基材が好ましい。
本発明の金属被覆材の用途としては、一般工業用の流体金属配管の防錆コーティング、自動車用の燃料、オイル、ブレーキ液等の鋼管及びアルミ配管といった金属管に対する防錆用コーティング、金属ワイヤーのコーティング、水槽タンク等水回りプレートのコーティング、並びに電線コードの電線のコーティング等が挙げられる。
本発明の金属被覆材で金属基材を被覆する方法としては、特に限定されないが、例えば、下記(1)〜(3)の方法が挙げられる。
(1)押出しによる鋼管被覆等のように、本発明の金属被覆材を溶融状態とし、被着物である金属基材を被覆する方法
(2)粉体塗装のように、被着物である金属基材を加熱しておき、その金属基材の表面に粉末状物の本発明の金属被覆材を接触させ、金属基材の熱により、粉末状物の本発明の金属被覆材を溶融させて、金属基材を被覆する方法
(3)金属基材とシート状物の本発明の金属被覆材を接触させ、共に加熱して金属基材を被覆する方法
なお、本発明の金属被覆材で、金属基材を被覆する際の温度としては、金属被覆材中のポリエーテルポリアミド(A)を変質させない温度に維持することが好ましい。
金属基材を被覆する際の具体的な温度としては、ポリエーテルポリアミド(A)の融点をTm(℃)とした場合、好ましくはTm(℃)〜Tm+80(℃)、より好ましくはTm(℃)〜Tm+60(℃)である。
また、金属基材には本発明の金属被覆材による被覆に先立って、金属用の従来公知のプライマーを用いたプライマー処理を施してもよい。
ただし、本発明の金属被覆材は、金属に対する接着性が優れているため、特段、プライマー処理を施す必要がない。そのため、生産性の向上の観点から、本発明の金属被覆材で金属基材を被覆する際に、金属基材に対してプライマー処理を施さないことが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、本実施例において各種測定は以下の方法により行った。
(1)相対粘度(ηr)
以下の製造例で得たポリエーテルポリアミド又はポリアミドを0.2g精秤し、96質量%硫酸20mlに20〜30℃で撹拌し、完全に溶解させ、溶液を調製した。その後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に当該溶液を5ml取り、25℃の恒温槽中で10分間放置後、落下時間(t)を測定した。また、96質量%硫酸そのものの落下時間(t0)も同様に測定した。t及びt0から次式(2)により相対粘度を算出した。
式(2):相対粘度=t/t0
(2)数平均分子量(Mn)
以下の製造例で得たポリエーテルポリアミド又はポリアミドをフェノールとエタノールの混合溶媒(フェノール/エタノール=4/1(体積比))、及びベンジルアルコール溶媒にそれぞれ溶解させ、カルボキシル末端基濃度とアミノ末端基濃度を塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液の中和滴定により求めた。数平均分子量(Mn)は、アミノ末端基濃度及びカルボキシル末端基濃度の定量値から次式(3)により算出した。
式(3):数平均分子量=2×1,000,000/([NH2]+[COOH])
[NH2]:アミノ末端基濃度(μeq/g)
[COOH]:カルボキシル末端基濃度(μeq/g)
(3)示差走査熱量測定(ガラス転移温度、結晶化温度及び融点)
示差走査熱量の測定はJIS K7121、K7122に準じて行った。示差走査熱量計((株)島津製作所製、商品名:「DSC−60」)を用い、以下の製造例で得たポリエーテルポリアミド又はポリアミドをDSC測定パンに仕込み、窒素雰囲気下にて昇温速度10℃/分で300℃まで昇温し、急冷する前処理を行った後に測定を行った。測定条件は、昇温速度10℃/分で、300℃で5分保持した後、降温速度−5℃/分で100℃まで測定を行い、以下の製造例で得たポリエーテルポリアミド又はポリアミドのガラス転移温度Tg、結晶化温度Tch及び融点Tmを求めた。
(製造例1)ポリエーテルポリアミドA1の製造
攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器に、セバシン酸748.33g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6565g及び酢酸ナトリウム0.4572gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、容器内に窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で添加した成分を溶融させた。容器内を260℃まで徐々に昇温しながら、容器内にメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)335.12gとパラキシリレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学(株)製)143.62g(MXDA/PXDA=70/30(モル比))、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、商品名:「ジェファーミン(登録商標)XTJ−542」、米国HUNTSMAN社のカタログによれば、上記一般式(1−1)で表される化合物であり、式(1−1)中のx1+z1の概数は6.0、y1の概数は9.0、−OR1−は−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−、概略分子量は1000である。)185.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドA1を得た。なお、ポリエーテルポリアミドA1の物性値は、以下のとおりである。
ηr=1.45、[COOH]=55.19μeq/g、[NH2]=70.61μeq/g、Mn=15898、Tg=50.3℃、Tch=83.0℃、Tm=208.1℃。
(製造例2)ポリエーテルポリアミドA2の製造
攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器に、セバシン酸667.43g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6587g及び酢酸ナトリウム0.4588gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、容器内に窒素ガスを20ml/分で供給しながら添加した成分を170℃で溶融させた。容器内を260℃まで徐々に昇温しながら、容器内にメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)283.16gとパラキシリレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学(株)製)121.35g(MXDA/PXDA=70/30(モル比))、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、商品名:「ジェファーミン(登録商標)XTJ−542」、詳細は上記と同じ)330.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドA2を得た。なお、ポリエーテルポリアミドA2の物性値は、以下のとおりである。
ηr=1.31、[COOH]=81.62μeq/g、[NH2]=68.95μeq/g、Mn=13283、Tg=12.9℃、Tch=69.5℃、Tm=204.5℃。
(製造例3)ポリエーテルポリアミドA3の製造
攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器に、セバシン酸768.55g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6644g及び酢酸ナトリウム0.4628gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、容器内に窒素ガスを20ml/分で供給しながら添加した成分を170℃で溶融させた。容器内を260℃まで徐々に昇温しながら、容器内にメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)344.18gとパラキシリレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学(株)製)147.50g(MXDA/PXDA=70/30(モル比))、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、商品名:「ジェファーミン(登録商標)ED−900」、米国HUNTSMAN社のカタログによれば、上記一般式(1−2)で表される化合物であり、式(1−2)中のx2+z2の概数は6.0、y2の概数は12.5、−OR1−は−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−、概略分子量は900である。)171.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドA3を得た。なお、ポリエーテルポリアミドA3の物性値は、以下のとおりである。
ηr=1.48、[COOH]=66.91μeq/g、[NH2]=82.80μeq/g、Mn=13360、Tg=27.6℃、Tch=72.8℃、Tm=207.6℃。
(製造例4)ポリエーテルポリアミドA4の製造
攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器に、セバシン酸687.65g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6612g及び酢酸ナトリウム0.4605gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、容器内に窒素ガスを20ml/分で供給しながら添加した成分を170℃で溶融させた。容器内を260℃まで徐々に昇温しながら、容器内にメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)291.74gとパラキシリレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学(株)製)125.03g(MXDA/PXDA=70/30(モル比))、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、商品名:「ジェファーミン(登録商標)ED−900」、詳細は上記と同じ)306.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドA4を得た。なお、ポリエーテルポリアミドA4の物性値は、以下のとおりである。
ηr=1.36、[COOH]=66.35μeq/g、[NH2]=74.13μeq/g、Mn=14237、Tg=16.9℃、Tch=52.9℃、Tm=201.9℃。
(製造例5)ポリエーテルポリアミドA5の製造
攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器に、アジピン酸555.37g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6490g及び酢酸ナトリウム0.4521gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、容器内に窒素ガスを20ml/分で供給しながら添加した成分を170℃で溶融させた。容器内を270℃まで徐々に昇温しながら、容器内にメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)326.06gとパラキシリレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学(株)製)139.74g(MXDA/PXDA=70/30(モル比))、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、商品名:「ジェファーミン(登録商標)XTJ−542」、詳細は上記と同じ)380.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドA5を得た。なお、ポリエーテルポリアミドA5の物性値は、以下のとおりである。
ηr=1.36、[COOH]=64.82μeq/g、[NH2]=100.70μeq/g、Mn=12083、Tg=79.3℃、Tch=107.1℃、Tm=251.4℃。
(製造例6)ポリエーテルポリアミドA6の製造
攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器に、アジピン酸584.60g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6626g及び酢酸ナトリウム0.4616gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、容器内に窒素ガスを20ml/分で供給しながら添加した成分を170℃で溶融させた。容器内を260℃まで徐々に昇温しながら、容器内にメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)343.22gとパラキシレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学(株)製)147.10g(MXDA/PXDA=70/30(モル比))、及びポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、商品名:「ジェファーミン(登録商標)ED−900」、詳細は上記と同じ)360.00gの混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドA6を得た。なお、ポリエーテルポリアミドA6の物性値は、以下のとおりである。
ηr=1.34、[COOH]=75.95μeq/g、[NH2]=61.83μeq/g、Mn=14516、Tg=33.2℃、Tch=73.9℃、Tm=246.2℃。
(製造例7)ポリアミドB1の製造
攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器に、アジピン酸584.5g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6210g及び酢酸ナトリウム0.4325gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、容器内に窒素ガスを20ml/分で供給しながら添加した成分を170℃で溶融させた。容器内を260℃まで徐々に昇温しながら、容器内にメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)544.80gを滴下し約2時間重合を行い、ポリアミドB1を得た。なお、ポリアミドB1の物性値は、以下のとおりである。
ηr=2.10、[COOH]=104.30μeq/g、[NH2]=24.58μeq/g、Mn=15500、Tg=86.1℃、Tch=153.0℃、Tm=239.8℃。
(製造例8)ポリアミドB2の製造
攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器に、セバシン酸809.0g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6210g及び酢酸ナトリウム0.4325gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、容器内に窒素ガスを20ml/分で供給しながら添加した成分を170℃で溶融させた。容器内を260℃まで徐々に昇温しながら、容器内にメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)544.80gを滴下し約2時間重合を行い、ポリアミドB2を得た。なお、ポリアミドB2の物性値は、以下のとおりである。
ηr=1.80、[COOH]=88.5μeq/g、[NH2]=26.7μeq/g、Mn=17300、Tg=61.2℃、Tch=114.1℃、Tm=191.5℃。
(製造例9)ポリアミドB3の製造
攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器に、セバシン酸829.2g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.6365g及び酢酸ナトリウム0.4434gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、容器内に窒素ガスを20ml/分で供給しながら添加した成分を170℃で溶融させた。容器内を260℃まで徐々に昇温しながら、容器内にメタキシリレンジアミン(MXDA)(三菱ガス化学(株)製)390.89gとパラキシリレンジアミン(PXDA)(三菱ガス化学(株)製)167.53g(MXDA/PXDA=70/30(モル比))の混合液を滴下し約2時間重合を行い、ポリアミドB3を得た。なお、ポリアミドB3の物性値は、以下のとおりである。
ηr=2.20、[COOH]=81.8μeq/g、[NH2]=26.9μeq/g、Mn=18400、Tg=65.9℃、Tch=100.1℃、Tm=213.8℃。
(製造例10)ポリエーテルポリアミドB4の製造
攪拌機、窒素ガス導入口、及び縮合水排出口を備えた容積約3Lの反応容器に12−アミノラウリン酸(東京化成工業株式会社製)753.66g、アジピン酸56.84g、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.5798g及び酢酸ナトリウム0.4038gを仕込み、容器内を十分窒素置換した後、容器内に窒素ガスを20ml/分で供給しながら170℃で添加した成分を溶融させた。容器内を240℃まで徐々に昇温しながら、容器内にポリエーテルジアミン(米国HUNTSMAN社製、商品名:「ジェファーミン(登録商標)XTJ−542」、詳細は上記と同様)388.89gを滴下し約2時間重合を行い、ポリエーテルポリアミドB4を得た。なお、ポリエーテルポリアミドB4の物性値は、以下のとおりである。
ηr=1.25、[COOH]=87.27μeq/g、[NH2]=73.12μeq/g、Mn=12470、Tm=165.0℃。
(実施例1〜6、比較例1〜4)
表1に示す種類の上記製造例1〜10で製造したポリエーテルポリアミド又はポリアミドからなる樹脂組成物を用い、ポリエーテルポリアミド又はポリアミドの融点Tm+20〜30℃にて押出成形を行い、厚さ100μm及び2mmのシート状物の金属被覆材を作製した。
作製した金属被覆材を用いて、以下の方法にて各物性の評価をした。評価結果を表1に示す。
(1)剥離試験時の最大荷重
厚さ50μmのアルミニウム箔上に、作製した厚さ100μmの金属被覆材を積載し、熱傾斜試験機(東洋精機社製、商品名「ストログラフV1−C」)を用いて、ヒーター温度を、使用しているポリエーテルポリアミド又はポリアミドの融点+50℃に設定し、0.2MPaの圧力をかけて10秒間ヒートシールを行い、試験サンプルを作製した。なお、ヒーターと金属被覆材との間には、テフロン(登録商標)シートをはさみ、金属被覆材のヒーターへの融着を防いだ。
そして、作製した試験サンプルを15mm幅の短冊状に切り試験片を得、当該試験片を用いて、T型剥離試験を行い、剥離試験時の最大荷重を測定した。当該剥離試験時の最大荷重の値が大きい程、金属に対する金属被覆材の接着性に優れていることを示す。
(2)耐摩耗性試験
スガ試験機NUS−IS03にて、荷重9.8N、摩耗回数200回として、23℃、50%RH(相対湿度)での環境下で、厚さ2mmの金属被覆材を用いて、摺動性試験を行った。研摩紙はSiC#180を用いた。試験前後の質量を測定し、摩耗量を算出し、以下の基準で評価した。
A:摩耗量が7.0mg未満
B:摩耗量が7.0mg以上10.0mg未満
C:摩耗量が10.0mg以上
(3)耐油性試験
厚さ2mmの金属被覆材を用いて、浸漬試験油(日本興産(株)製、商品名「IRM 903」)中に完全に浸漬し、70℃で70時間恒温槽内に保存した。浸漬試験前後の試料の質量を測定し、下記式(3)より、質量変化率(%)を算出した。
式(3):質量変化率(%)=(浸漬試験後の試料の質量−浸漬試験前の試料の質量)/浸漬試験前の試料の質量×100
Figure 2014168060
表1にとおり、実施例1〜6で作製したポリエーテルポリアミド(A)を含有する金属被覆材は、耐摩耗性及び耐油性が良好であると共に、金属に対する接着性に優れる結果が得られた。
一方、比較例1〜3で作製したポリアミドを含有する金属被覆材は、実施例1〜6に比べて、剥離試験時の最大荷重の値が小さく、金属に対する接着性が劣る結果となった。また、比較例4で作製した脂肪族ポリエーテルポリアミドを含有する金属被覆材は、実施例1〜6に比べて、剥離試験時の最大荷重の値が小さく、金属に対する接着性が劣ると共に、耐油性に劣る結果となった。

Claims (5)

  1. ジアミン構成単位が下記一般式(1)で表されるポリエーテルジアミン化合物(a−1)及びキシリレンジアミン(a−2)に由来する構成単位を含み、ジカルボン酸構成単位が炭素数4〜20のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)に由来する構成単位を含む、ポリエーテルポリアミド(A)を含有する、金属被覆材。
    Figure 2014168060
    (式中、x+zは1〜60、yは1〜50を表し、−OR1−は各々独立に−OCH2CH2CH2−、−OCH(CH3)CH2−又は−OCH2CH(CH3)−を表し、−OR2−は−OCH2CH2CH2CH2−又は−OCH2CH2−を表す。)
  2. 金属被覆材によって被覆される金属基材が、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、及び銀から選ばれる1種以上の金属を含む、請求項1に記載の金属被覆材。
  3. ポリエーテルポリアミド(A)のジアミン構成単位中におけるポリエーテルジアミン化合物(a−1)に由来する構成単位の割合が5〜50モル%である、請求項1又は2に記載の金属被覆材。
  4. キシリレンジアミン(a−2)が、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン又はこれらの混合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の金属被覆材。
  5. α,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸(a−3)が、アジピン酸、セバシン酸又はこれらの混合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の金属被覆材。
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