JPWO2014136895A1 - 含フッ素オリゴマー、それを用いたナノシリカコンポジット粒子およびそれらの製造法 - Google Patents
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Abstract
フルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体 CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2〔I〕(Rは水素原子またはメチル基、nは1〜10の整数、dは1〜6の整数)および(メタ)アクリル酸誘導体 (CH2=CRCO)mR′〔II〕(Rは水素原子またはメチル基、mは1、2または3、R′はm=1のとき-OH基、非置換または炭素数1〜6のアルキル基でモノまたはジ置換されたNH2基、あるいは炭素数2〜3のアルキレン基を有するアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコール基から導かれた1価の基、m=2または3のときジオールまたはトリオールから導かれた2価または3価の有機基)の共重合体よりなる含フッ素オリゴマー。この共重合反応は、炭化水素系有機過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤を用いて行われる。または、該含フッ素オリゴマーおよびアルコキシシランを、ナノシリカ粒子との縮合体として形成させたナノシリカコンポジット粒子。
Description
本発明は、含フッ素オリゴマー、それを用いたナノシリカコンポジット粒子およびそれらの製造法に関する。さらに詳しくは、フッ素系過酸化物開始剤を用いることなく共重合反応させて得られた含フッ素オリゴマー、それを用いたナノシリカコンポジット粒子およびそれらの製造法に関する。
特許文献1には、一般式
Rf〔CH2CH(Si(OR)3)〕nRf
等で表される含フッ素系化合物を含むナノ物質が記載されており、これに特定のシランカップリング剤をさらに含有させたナノコンポジットが記載されている。この含フッ素系化合物は、相応するオレフィン系モノマーをRf基(パーフルオロアルキル基)を有する有機過酸化物の存在下で反応させる方法によって製造されると述べられている。
Rf〔CH2CH(Si(OR)3)〕nRf
等で表される含フッ素系化合物を含むナノ物質が記載されており、これに特定のシランカップリング剤をさらに含有させたナノコンポジットが記載されている。この含フッ素系化合物は、相応するオレフィン系モノマーをRf基(パーフルオロアルキル基)を有する有機過酸化物の存在下で反応させる方法によって製造されると述べられている。
また、特許文献2には、一般式
R1〔CH2CR3(COZ)〕nR2
で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマーの存在下にアニリンの酸化を行ってポリアニリン含有ナノコンポジット粒子を得る方法が記載されており、該フルオロアルキル基含有オリゴマーは、過酸化フルオロアルカノイル化合物とアクリル酸等を反応させることにより得られると述べられている。
R1〔CH2CR3(COZ)〕nR2
で表されるフルオロアルキル基含有オリゴマーの存在下にアニリンの酸化を行ってポリアニリン含有ナノコンポジット粒子を得る方法が記載されており、該フルオロアルキル基含有オリゴマーは、過酸化フルオロアルカノイル化合物とアクリル酸等を反応させることにより得られると述べられている。
しかしながら、これらの方法で使用されているパーフルオロアルカノイル過酸化物は、非常に不安定であって、分解や爆発の危険性をはらんでいるため、特別な安全措置が必要になる。また、フッ素系過酸化物を用いる方法は量産化に適さないことが特許文献3にも記載されている。さらに、含フッ素オリゴマー中の含フッ素官能基は、重合開始剤のパーフルオロアルカノイル過酸化物由来の基としてオリゴマー両末端にのみ結合されているため、フッ素基含量のコントロールが困難であるばかりではなく、フッ素由来の撥油性能が発生され難いという問題もみられる。
さらに、特許文献3には、フッ素系過酸化物を使用することなく、シリカナノ粒子、一般式
QOSO2RfT
で表されるフッ素含有界面活性剤および官能性アルコキシシラン加水分解混合物またはその脱水縮合物を含むフッ素含有シリカコンポジット粒子が記載されており、このシリカコンポジット粒子はシリカの化学的、熱的安定性とフッ素化合物のすぐれた撥水撥油性、防汚性、触媒特性を活かす材料であると述べられている。
QOSO2RfT
で表されるフッ素含有界面活性剤および官能性アルコキシシラン加水分解混合物またはその脱水縮合物を含むフッ素含有シリカコンポジット粒子が記載されており、このシリカコンポジット粒子はシリカの化学的、熱的安定性とフッ素化合物のすぐれた撥水撥油性、防汚性、触媒特性を活かす材料であると述べられている。
しかしながら、ここで用いられているフッ素化合物は、スルホン基SO2を含む界面活性剤であって、それの製造は電解フッ素化法によるとされており、この電解フッ素化法では反応に際し無水フッ化水素を多量に使用するため、安全面での十分な対策が必要であり、また反応の特性上大量生産には向かず、得られるフッ素化合物は非常に高価なものとなるといった問題点がみられる。
本発明の目的は、フッ素系過酸化物開始剤を用いることなく共重合反応させて得られた含フッ素オリゴマー、それを用いたナノシリカコンポジット粒子およびそれらの製造法を提供することにある。
本発明によって、一般式
CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2 〔I〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数であり、dは1〜6の整数である)で表されるフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体および一般式
(CH2=CRCO)mR′ 〔II〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、mは1、2または3であり、R′はm=1のとき-OH基、非置換または炭素数1〜6のアルキル基でモノまたはジ置換されたNH2基、あるいは炭素数2〜3のアルキレン基を有するアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコール基から導かれた1価の基であり、m=2または3のときジオールまたはトリオールから導かれた2価または3価の有機基である)で表される(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体である含フッ素オリゴマーが提供される。
かかる含フッ素オリゴマーは、上記フルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体〔I〕および(メタ)アクリル酸誘導体〔II〕を、炭化水素系有機過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤の存在下で共重合反応させることにより製造される。
ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を指している。
CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2 〔I〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数であり、dは1〜6の整数である)で表されるフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体および一般式
(CH2=CRCO)mR′ 〔II〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、mは1、2または3であり、R′はm=1のとき-OH基、非置換または炭素数1〜6のアルキル基でモノまたはジ置換されたNH2基、あるいは炭素数2〜3のアルキレン基を有するアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコール基から導かれた1価の基であり、m=2または3のときジオールまたはトリオールから導かれた2価または3価の有機基である)で表される(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体である含フッ素オリゴマーが提供される。
かかる含フッ素オリゴマーは、上記フルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体〔I〕および(メタ)アクリル酸誘導体〔II〕を、炭化水素系有機過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤の存在下で共重合反応させることにより製造される。
ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を指している。
また、本発明によって、上記含フッ素オリゴマーおよびアルコキシシランを、ナノシリカ粒子との縮合体として形成させたナノシリカコンポジット粒子が提供される。
かかるナノシリカコンポジット粒子は、上記含フッ素オリゴマーとアルコキシシランとを、ナノシリカ粒子の存在下で、アルカリ性または酸性触媒を用いて反応させることにより製造される。
本発明に係る含フッ素オリゴマーは、フッ素系過酸化物開始剤を用いることなく製造することができ、ナノシリカコンポジット粒子などの製造に有効に用いられる。また、モノマーとして重合性官能基を有する含フッ素モノマーを使用することで、含フッ素オリゴマー中の含フッ素含量の調節やナノシリカコンポジット粒子中のフッ素含量の調節も容易であるという利点もみられる。
また、この含フッ素オリゴマーを用いて製造された含フッ素ナノシリカコンポジット粒子は、平均粒子径およびその変動幅が小さいばかりではなく、耐熱重量減の点においてもすぐれているといった効果を奏する。
含フッ素オリゴマーは、一般式
CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2 〔I〕
R:H、メチル基
n:1〜10、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6
d:1〜6、好ましくは2
で表されるフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体および一般式
(CH2=CRCO)mR′ 〔II〕
R:H、メチル基
m:1、2または3
R′:m=1のとき、-OH基、非置換またはアルキル基でモ
ノまたはジ置換されたNH2基、あるいは炭素数2〜3
のアルキレン基を有するアルキレングリコールま
たはポリアルキレングリコール基から導かれた1価
の基
m=2または3のとき、ジオールまたはトリオールか
ら導かれた2価または3価の有機基
で表される(メタ)アクリル酸誘導体を、炭化水素系過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤の存在下で共重合反応させることにより製造される。
CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2 〔I〕
R:H、メチル基
n:1〜10、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6
d:1〜6、好ましくは2
で表されるフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体および一般式
(CH2=CRCO)mR′ 〔II〕
R:H、メチル基
m:1、2または3
R′:m=1のとき、-OH基、非置換またはアルキル基でモ
ノまたはジ置換されたNH2基、あるいは炭素数2〜3
のアルキレン基を有するアルキレングリコールま
たはポリアルキレングリコール基から導かれた1価
の基
m=2または3のとき、ジオールまたはトリオールか
ら導かれた2価または3価の有機基
で表される(メタ)アクリル酸誘導体を、炭化水素系過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤の存在下で共重合反応させることにより製造される。
フルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体〔I〕は、例えば特許文献4に記載されており、次のような一連の工程を経て合成される。
まず、一般式
CnF2n+1(CF2CF2)b(CH2CH2)cI
n:1〜6
a:1〜4
b:0〜3
c:1〜3
で表されるフルオロアルキルアイオダイド、例えば
CF3(CH2CH2)I
C2F5(CH2CH2)I
C2F5(CH2CH2)2I
C3F7(CH2CH2)I
C3F7(CH2CH2)2I
C4F9(CH2CH2)I
C4F9(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)I
C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)3(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)2(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C4F9(CF2CF2)2(CH2CH2)2I
C4F9(CF2CF2)3(CH2CH2)I
をN-メチルホルムアミド HCONH(CH3)と反応させ、フルオロアルキルアルコールとそのギ酸エステルとの混合物とした後、酸触媒の存在下でそれに加水分解反応させ、フルオロアルキルアルコール
CnF2n+1(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH
を形成させる。得られたフルオロアルキルアルコールをアクリル酸またはメタクリル酸とエステル化反応させることにより、フルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体を得る。
まず、一般式
CnF2n+1(CF2CF2)b(CH2CH2)cI
n:1〜6
a:1〜4
b:0〜3
c:1〜3
で表されるフルオロアルキルアイオダイド、例えば
CF3(CH2CH2)I
C2F5(CH2CH2)I
C2F5(CH2CH2)2I
C3F7(CH2CH2)I
C3F7(CH2CH2)2I
C4F9(CH2CH2)I
C4F9(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)(CH2CH2)I
C2F5(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)I
C2F5(CF2CF2)2(CH2CH2)2I
C2F5(CF2CF2)3(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)2(CH2CH2)I
C4F9(CF2CF2)(CH2CH2)2I
C4F9(CF2CF2)2(CH2CH2)2I
C4F9(CF2CF2)3(CH2CH2)I
をN-メチルホルムアミド HCONH(CH3)と反応させ、フルオロアルキルアルコールとそのギ酸エステルとの混合物とした後、酸触媒の存在下でそれに加水分解反応させ、フルオロアルキルアルコール
CnF2n+1(CF2CF2)b(CH2CH2)cOH
を形成させる。得られたフルオロアルキルアルコールをアクリル酸またはメタクリル酸とエステル化反応させることにより、フルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体を得る。
これらのフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体〔I〕と共重合反応される(メタ)アクリル酸誘導体(CH2=CRCO)mR′〔II〕としては、m=1のとき、一般式
CH2=CRCOOH
CH2=CRCONR1R2
R1、R2:H、炭素数1〜6のアルキル基
CH2=CRCOR3
R3:炭素数2〜3のアルキレン基を有するアルキレングリコー
ルまたはポリアルキレングリコール基から導かれた1価の
基
で表される化合物であり、m=2または3のとき、R′は上記アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール基等のジオールから導かれた2価の有機基、またはトリメチロールプロパン等のトリオールから導かれた3価の有機基である。
CH2=CRCOOH
CH2=CRCONR1R2
R1、R2:H、炭素数1〜6のアルキル基
CH2=CRCOR3
R3:炭素数2〜3のアルキレン基を有するアルキレングリコー
ルまたはポリアルキレングリコール基から導かれた1価の
基
で表される化合物であり、m=2または3のとき、R′は上記アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール基等のジオールから導かれた2価の有機基、またはトリメチロールプロパン等のトリオールから導かれた3価の有機基である。
これら両者の共重合反応は、第3ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(イソブチロニトリル)等の炭化水素系過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤の存在下で、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、後記AK-225等の有機溶媒中での溶液重合法として行われる。これらの重合開始剤は、モノマー混合物重量に対して約0.1〜50重量%、好ましくは約5〜20重量%の割合で用いられる。
得られた含フッ素オリゴマー中の含フッ素モノマー〔I〕の共重合量は、約0.1〜50モル%、好ましくは約1〜20モル%であり、数平均分子量Mnが約5000以下、好ましくは約100〜3000のオリゴマーであって、その粒子径は200nm以下であり、各種溶媒に含フッ素オリゴマー白色粉末を分散させたときの分散性も炭化水素溶媒以外は良好である。
このようにして得られた含フッ素オリゴマーは、ナノシリカ粒子の存在下で、アルコキシシランとアルカリ性または酸性の触媒を用いて反応させることにより、ナノシリカコンポジット粒子を形成させる。
ナノシリカ粒子としては、平均粒径(動的光散乱法による測定値)が5〜200nm、好ましくは10〜100nmであって、その一次粒子径が40nm以下、好ましくは5〜30nm、さらに好ましくは10〜20nmのオルガノシリカゾルが用いられる。実際には、市販品である日産化学工業製品メタノールシリカゾル、スノーテックスIPA-ST(イソプロピルアルコール分散液)、スノーテックスEG-ST(エチレングリコール分散液)、スノーテックスMEK-ST(メチルエチルケトン分散液)、スノーテックスMIBK-ST(メチルイソブチルケトン分散液)等が用いられる。
また、前記アルコキシシランとしては、一般式
(R1O)pSi(OR2)q(R3)r 〔III〕
R1、R3:H、C1〜C6のアルキル基またはアリール基
R2:C1〜C6のアルキル基またはアリール基
ただし、R1、R2、R3は共にアリール基であることは
ない
p+q+r:4 ただし、qは0ではない
で表されるアルコキシシラン、例えばトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が用いられる。
(R1O)pSi(OR2)q(R3)r 〔III〕
R1、R3:H、C1〜C6のアルキル基またはアリール基
R2:C1〜C6のアルキル基またはアリール基
ただし、R1、R2、R3は共にアリール基であることは
ない
p+q+r:4 ただし、qは0ではない
で表されるアルコキシシラン、例えばトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が用いられる。
これらの各成分は、ナノシリカ粒子100重量部に対し、含フッ素オリゴマーが約10〜100重量部、好ましくは約20〜80重量部の割合で、またアルコキシシランが約0.1〜100重量部、好ましくは約20〜80重量部の割合で用いられる。含フッ素オリゴマーの使用割合がこれよりも少ないと撥水撥油性が低くなり、一方これよりも多い割合で使用されると溶媒への分散性が低くなる。
これら各成分間の反応は、触媒量のアルカリ性または酸性触媒、例えばアンモニア水あるいは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液、または塩酸、硫酸等の存在下で、約0〜100℃、好ましくは約10〜50℃の温度で約0.5〜48時間、好ましくは約1〜10時間程度反応させることにより行われる。
反応の結果得られたナノシリカコンポジット粒子は、ナノシリカ粒子表面に存在する水酸基にシロキサン結合を介して含フッ素オリゴマーが結合し、あるいはシロキサン骨格を有する殻内に含フッ素オリゴマーが包接されているものと考えられ、したがってシリカの化学的、熱的安定性と含フッ素オリゴマーのすぐれた撥水・撥油性、防汚性などが有効に発揮されており、実際に800℃での重量減を少なくするなどの効果がみられる。また、ナノシリカコンポジット粒子の粒径およびそのバラツキも小さい値を示している。なお、ナノシリカコンポジット粒子は、このように含フッ素オリゴマーおよびシラン誘導体とナノシリカ粒子との縮合反応によって形成されるが、この発明の目的を阻害しない限り他の成分の混在も許容される。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
イソプロパノール50ml中に、
CF3(CF2)3(CH2)2OCOCH=CH2〔FAAC-4〕 3.00g
CH2=CHCON(CH3)2〔DMAA〕 27.37g
を仕込み、これらのイソプロパノール溶液を攪拌しながら、開始剤である
2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル) 3.04g
(和光純薬製品V-65)
を添加し、窒素をバブリングして溶存酸素を置換した後、内温が50℃になる迄加熱し、この温度を保ちながら5時間反応させた。
イソプロパノール50ml中に、
CF3(CF2)3(CH2)2OCOCH=CH2〔FAAC-4〕 3.00g
CH2=CHCON(CH3)2〔DMAA〕 27.37g
を仕込み、これらのイソプロパノール溶液を攪拌しながら、開始剤である
2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル) 3.04g
(和光純薬製品V-65)
を添加し、窒素をバブリングして溶存酸素を置換した後、内温が50℃になる迄加熱し、この温度を保ちながら5時間反応させた。
反応混合物をn-ヘキサン中に投入し、生成した含フッ素オリゴマーをロ過して分離し、白色粉末の含フッ素オリゴマー30g(収率90.0%)を得た。この含フッ素オリゴマーの分子量をGPCによって測定すると、数平均分子量Mnが801、分子量分布を示すMn/Mwが1.74という結果が得られた。また、得られた含フッ素オリゴマーの共重合割合を1H-NMRで測定すると、FAAC-4:DMAA=2:98(モル%)という結果が得られた。
実施例2〜6、参考例1〜6
実施例1において、含フッ素モノマー〔I〕およびそのコモノマー〔II〕の種類および使用量(単位:g)、重合開始剤(V-65)の使用量(単位:g)を種々変更し、下記表1(実施例)および表2(参考例)に示されるような結果を得た。なお、表1には、実施例1の結果も併記されている。また、PDE 100を共重合させた含フッ素オリゴマーは、GPC移動相に不溶性のため、Mnの測定ができない。
(含フッ素モノマー)
FAAC-6:CF3(CF2)5(CH2)2OCOCH=CH2
FAAC-8:CF3(CF2)7(CH2)2OCOCH=CH2
DTFAC:CF3(CF2)3CH2(CF2)5(CH2)2OCOCH=CH2
DTFMAC:CF3(CF2)3CH2(CF2)5(CH2)2OCOC(CH3)=CH2
(コモノマー)
PDE 100:ジエチレングリコールジメタクリレート
ACA:アクリル酸
実施例1において、含フッ素モノマー〔I〕およびそのコモノマー〔II〕の種類および使用量(単位:g)、重合開始剤(V-65)の使用量(単位:g)を種々変更し、下記表1(実施例)および表2(参考例)に示されるような結果を得た。なお、表1には、実施例1の結果も併記されている。また、PDE 100を共重合させた含フッ素オリゴマーは、GPC移動相に不溶性のため、Mnの測定ができない。
(含フッ素モノマー)
FAAC-6:CF3(CF2)5(CH2)2OCOCH=CH2
FAAC-8:CF3(CF2)7(CH2)2OCOCH=CH2
DTFAC:CF3(CF2)3CH2(CF2)5(CH2)2OCOCH=CH2
DTFMAC:CF3(CF2)3CH2(CF2)5(CH2)2OCOC(CH3)=CH2
(コモノマー)
PDE 100:ジエチレングリコールジメタクリレート
ACA:アクリル酸
また、表1〜2には、生成した含フッ素オリゴマー白色粉末について、動的光散乱法で測定した粒子径(単位:nm)およびその分布、各種溶媒に1重量%で分散させたときの分散性を目視で観察し、下記評価基準にしたがって評価した。なお、溶媒分散性は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルスルホキシドの対してはいずれも○、トルエン、n-ヘキサンについてはいずれも×であるので、その記載を省略している。
○:均一に分散して、分散液は透明である
△:やや分散して、分散液は白濁である
×:分散せず、分散媒中に沈殿する
注1)AK-225:AGC社製品:1,1-ジクロロ-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパ
ンと1,3-ジクロロ-1,2,2,3,3-ペンタフルオロプ
ロパンとの等量混合物
注2)収率100%以上のものには、溶媒が含有されていると考えられる
○:均一に分散して、分散液は透明である
△:やや分散して、分散液は白濁である
×:分散せず、分散媒中に沈殿する
注1)AK-225:AGC社製品:1,1-ジクロロ-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパ
ンと1,3-ジクロロ-1,2,2,3,3-ペンタフルオロプ
ロパンとの等量混合物
注2)収率100%以上のものには、溶媒が含有されていると考えられる
実施例11
実施例3で得られた含フッ素オリゴマー(FAAC-8-DMAA共重合体)0.25gに、シリカゾル(日産化学製品メタノールシリカゾル;30重量%ナノシリカ含有、平均粒子径11nm)1.67g(ナノシリカとして0.50g)およびメタノール20mlを加え、さらにテトラエトキシシラン(東京化成製品;密度0.93g/ml)0.25mlおよび25重量%アンモニウム水0.25mlを攪拌条件下で加えて、5時間反応させた。
実施例3で得られた含フッ素オリゴマー(FAAC-8-DMAA共重合体)0.25gに、シリカゾル(日産化学製品メタノールシリカゾル;30重量%ナノシリカ含有、平均粒子径11nm)1.67g(ナノシリカとして0.50g)およびメタノール20mlを加え、さらにテトラエトキシシラン(東京化成製品;密度0.93g/ml)0.25mlおよび25重量%アンモニウム水0.25mlを攪拌条件下で加えて、5時間反応させた。
白色の溶液である反応混合物からエパポレータを用いてメタノールおよびアンモニウム水を除去し、取り出された白色粉末をメタノール10mlを加えて一夜再分散させ、これを遠心分離した後メタノールでリンスを行い、得られて粉末を70℃のオーブン中で乾燥させ、次いで50℃で真空乾燥した。ナノシリカコンポジット粒子である白色粉末0.507g(収率62%)が得られた。
得られた白色粉末について、白色粉末1gを1Lのメタノールに分散させた状態で、動的光散乱(DLS)法により粒子径を測定すると共に、重量減を次のような方法で測定した。すなわち、TGA(ブルカー・AXS社製TG-DTA2000SA)により、昇温速度10℃/分で800℃迄加熱した際の重量減少率(初期重量に対する減少重量の百分比)を測定した。
実施例12
実施例11において、含フッ素オリゴマーとして実施例5で得られた含フッ素オリゴマー(FAAC-8-ACA共重合体オリゴマー)が同量(0.25g)用いられた。
実施例11において、含フッ素オリゴマーとして実施例5で得られた含フッ素オリゴマー(FAAC-8-ACA共重合体オリゴマー)が同量(0.25g)用いられた。
参考例11
実施例11において、含フッ素オリゴマーとして参考例1で得られた含フッ素オリゴマー(DTFAC-DMAA共重合体オリゴマー)が同量(0.25g)用いられた。
実施例11において、含フッ素オリゴマーとして参考例1で得られた含フッ素オリゴマー(DTFAC-DMAA共重合体オリゴマー)が同量(0.25g)用いられた。
参考例12
実施例11において、含フッ素オリゴマーとして参考例3で得られた含フッ素オリゴマー(DTFAC-ACA共重合体オリゴマー)が同量(0.25g)用いられた。
実施例11において、含フッ素オリゴマーとして参考例3で得られた含フッ素オリゴマー(DTFAC-ACA共重合体オリゴマー)が同量(0.25g)用いられた。
参考例13
実施例11において、含フッ素オリゴマーとして参考例4で得られた含フッ素オリゴマー(DTFMAC-ACA共重合体オリゴマー)が同量(0.25g)用いられた。
実施例11において、含フッ素オリゴマーとして参考例4で得られた含フッ素オリゴマー(DTFMAC-ACA共重合体オリゴマー)が同量(0.25g)用いられた。
以上の実施例11〜12および参考例11〜13で得られた測定結果は、ナノシリカコンポジット粒子の生成量および収率と共に、次の表3に示される。
表3
ナノシリカコンポジット粒子
例 生成量(g) 収率(%) 粒子径(nm) 重量減(%)
実施例11 0.507 62 49.6±12.4 19
〃 12 0.572 70 45.3±10.4 8
参考例11 0.646 79 51.9±14.4 10
〃 12 0.507 62 30.9± 6.4 20
〃 13 0.580 71 41.2±18.0 13
表3
ナノシリカコンポジット粒子
例 生成量(g) 収率(%) 粒子径(nm) 重量減(%)
実施例11 0.507 62 49.6±12.4 19
〃 12 0.572 70 45.3±10.4 8
参考例11 0.646 79 51.9±14.4 10
〃 12 0.507 62 30.9± 6.4 20
〃 13 0.580 71 41.2±18.0 13
本発明によって、一般式
CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2 〔I〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数であり、dは1〜6の整数である)で表されるフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体および一般式
CH 2 =CRCONR 1 R 2 〔II〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、R 1 、R 2 はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である)で表される(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体である含フッ素オリゴマーが提供される。
かかる含フッ素オリゴマーは、上記フルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体〔I〕および(メタ)アクリル酸誘導体〔II〕を、炭化水素系有機過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤の存在下で共重合反応させることにより製造される。
ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を指している。
CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2 〔I〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数であり、dは1〜6の整数である)で表されるフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体および一般式
CH 2 =CRCONR 1 R 2 〔II〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、R 1 、R 2 はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である)で表される(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体である含フッ素オリゴマーが提供される。
かかる含フッ素オリゴマーは、上記フルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体〔I〕および(メタ)アクリル酸誘導体〔II〕を、炭化水素系有機過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤の存在下で共重合反応させることにより製造される。
ここで、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を指している。
含フッ素オリゴマーは、一般式
CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2 〔I〕
R:H、メチル基
n:1〜10、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6
d:1〜6、好ましくは2
で表されるフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体および一般式
CH 2 =CRCONR 1 R 2 〔II〕
R:H、メチル基
R 1 、R 2 :H、炭素数1〜6のアルキル基
で表される(メタ)アクリル酸誘導体を、炭化水素系過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤の存在下で共重合反応させることにより製造される。
CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2 〔I〕
R:H、メチル基
n:1〜10、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6
d:1〜6、好ましくは2
で表されるフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体および一般式
CH 2 =CRCONR 1 R 2 〔II〕
R:H、メチル基
R 1 、R 2 :H、炭素数1〜6のアルキル基
で表される(メタ)アクリル酸誘導体を、炭化水素系過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤の存在下で共重合反応させることにより製造される。
これらのフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体〔I〕と(メタ)アクリル酸誘導体 CH 2 =CRCONR 1 R 2 〔II〕には、さらに一般式
(CH 2 =CRCO) m R′
R:H、メチル基
m:1、2または3
R′:m=1のとき、-OH基、あるいは炭素数2〜3のアルキ
レン基を有するアルキレングリコールまたはポリ
アルキレングリコール基から導かれた1価の基
m=2または3のとき、ジオールまたはトリオールか
ら導かれた2価または3価の有機基
で表される(メタ)アクリル酸誘導体を共重合させることもできる。
(CH 2 =CRCO) m R′
R:H、メチル基
m:1、2または3
R′:m=1のとき、-OH基、あるいは炭素数2〜3のアルキ
レン基を有するアルキレングリコールまたはポリ
アルキレングリコール基から導かれた1価の基
m=2または3のとき、ジオールまたはトリオールか
ら導かれた2価または3価の有機基
で表される(メタ)アクリル酸誘導体を共重合させることもできる。
これら各単量体の共重合反応は、第3ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(イソブチロニトリル)等の炭化水素系過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤の存在下で、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、後記AK-225等の有機溶媒中での溶液重合法として行われる。これらの重合開始剤は、モノマー混合物重量に対して約0.1〜50重量%、好ましくは約5〜20重量%の割合で用いられる。
また、表1〜2には、生成した含フッ素オリゴマー白色粉末について、動的光散乱法で測定した粒子径(単位:nm)およびその分布、各種溶媒に1重量%で分散させたときの分散性を目視で観察し、下記評価基準にしたがって評価した。なお、溶媒分散性は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルスルホキシドに対してはいずれも○、トルエン、n-ヘキサンについてはいずれも×であるので、その記載を省略している。
○:均一に分散して、分散液は透明である
△:やや分散して、分散液は白濁である
×:分散せず、分散媒中に沈殿する
注1)AK-225:AGC社製品:1,1-ジクロロ-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパ
ンと1,3-ジクロロ-1,2,2,3,3-ペンタフルオロプ
ロパンとの等量混合物
注2)収率100%以上のものには、溶媒が含有されていると考えられる
○:均一に分散して、分散液は透明である
△:やや分散して、分散液は白濁である
×:分散せず、分散媒中に沈殿する
注1)AK-225:AGC社製品:1,1-ジクロロ-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロパ
ンと1,3-ジクロロ-1,2,2,3,3-ペンタフルオロプ
ロパンとの等量混合物
注2)収率100%以上のものには、溶媒が含有されていると考えられる
白色の溶液である反応混合物からエパポレータを用いてメタノールおよびアンモニウム水を除去し、取り出された白色粉末をメタノール10mlを加えて一夜再分散させ、これを遠心分離した後メタノールでリンスを行い、得られた粉末を70℃のオーブン中で乾燥させ、次いで50℃で真空乾燥した。ナノシリカコンポジット粒子である白色粉末0.507g(収率62%)が得られた。
Claims (11)
- 一般式
CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2 〔I〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数であり、dは1〜6の整数である)で表されるフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体および一般式
(CH2=CRCO)mR′ 〔II〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、mは1、2または3であり、R′はm=1のとき-OH基、非置換または炭素数1〜6のアルキル基でモノまたはジ置換されたNH2基、あるいは炭素数2〜3のアルキレン基を有するアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコール基から導かれた1価の基であり、m=2または3のときジオールまたはトリオールから導かれた2価または3価の有機基である)で表される(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体よりなる含フッ素オリゴマー。 - 一般式〔II〕で表され、m=1の(メタ)アクリル酸誘導体が、一般式
CH2=CRCOOH
CH2=CRCONR1R2
または
CH2=CRCOR3
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、R3は炭素数2〜3のアルキレン基を有するアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールから導かれた1価の基である)で表される(メタ)アクリル酸誘導体である請求項1記載の含フッ素オリゴマー。 - 数平均分子量Mnが5000以下である請求項1記載の含フッ素オリゴマー。
- フルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体を0.1〜50モル%共重合させた請求項1記載の含フッ素オリゴマー。
- 一般式
CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2 〔I〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数であり、dは1〜6の整数である)で表されるフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体および一般式
(CH2=CRCO)mR′ 〔II〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、mは1、2または3であり、R′はm=1のとき-OH基、非置換または炭素数1〜6のアルキル基でモノまたはジ置換されたNH2基、あるいは炭素数2〜3のアルキレン基を有するアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコール基から導かれた1価の基であり、m=2または3のときジオールまたはトリオールから導かれた2価または3価の有機基である)で表される(メタ)アクリル酸誘導体を、炭化水素系過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤の存在下で共重合反応させることを特徴とする含フッ素オリゴマーの製造法。 - 一般式〔II〕で表され、m=1の(メタ)アクリル酸誘導体が、一般式
CH2=CRCOOH
CH2=CRCONR1R2
または
CH2=CRCOR3
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、R3は炭素数2〜3のアルキレン基を有するアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールから導かれた1価の基である)で表される(メタ)アクリル酸誘導体である請求項5記載の含フッ素オリゴマーの製造法。 - 炭化水素系過酸化物またはアゾ化合物重合開始剤がモノマー混合物重量に対して0.1〜50重量%の割合で用いられる請求項5記載の含フッ素オリゴマーの製造法。
- 一般式
CnF2n+1(CH2)dOCOCR=CH2 〔I〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、nは1〜10の整数であり、dは1〜6の整数である)で表されるフルオロアルキルアルコール(メタ)アクリル酸誘導体と一般式
(CH2=CRCO)mR′ 〔II〕
(ここで、Rは水素原子またはメチル基であり、mは1、2または3であり、R′はm=1のとき-OH基、非置換または炭素数1〜6のアルキル基でモノまたはジ置換された-NH2基、あるいは炭素数2〜3のアルキレン基を有するアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコール基から導かれた1価の基であり、m=2または3のときジオールまたはトリオールから導かれた2価または3価の有機基である)で表される(メタ)アクリル酸誘導体との共重合体である含フッ素オリゴマーおよびアルコキシシランを、ナノシリカ粒子との縮合体として形成させたナノシリカコンポジット粒子。 - アルコキシシランが、一般式
一般式
(R1O)pSi(OR2)q(R3)r 〔III〕
(ここで、R1、R3はそれぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基であり、R2は炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基であり、ただしR1、R2、R3は共にアリール基であることはなく、p+q+rは4であり、ただしqは0ではない)で表わされるシラン誘導体である請求項8記載のナノシリカコンポジット粒子。 - 請求項8記載の含フッ素オリゴマーとアルコキシシランとを、ナノシリカ粒子の存在下で、アルカリ性または酸性触媒を用いて反応させることを特徴とするナノシリカコンポジット粒子の製造法。
- ナノシリカ粒子100重量部に対し、含フッ素オリゴマーが10〜100重量部およびアルコキシシランが0.1〜100重量部の割合で用いられた請求項10記載のナノシリカコンポジット粒子の製造法。
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