JPWO2014038174A1 - 非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、電池の初回充放電にともなうガス発生と、高温環境下で長期にわたって電池を使用した際のガス発生とを抑制し、変形が生じにくい非水電解質二次電池を提供することを課題としている。そして、本発明は、非水電解質を備える非水電解質二次電池において、非水電解質にジフルオロ(ビスオキサラト)リン酸リチウムとテトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウムとを含むリン酸リチウム化合物を非水電解質の総質量に対して0質量%より大きく4.0質量%以下含み、かつ環状スルホン化合物を非水電解質の総質量に対して0質量%より大きく3.0質量%以下含む非水電解質二次電池を提供する。【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解質二次電池および非水電解質二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、鉛蓄電池やアルカリ蓄電池など他の二次電池と比較して、高いエネルギー密度を有することから、携帯電話などポータブル機器の電源として広く使用されている。近年では、非水電解質二次電池を電気自動車など移動体の電源にもちいるための研究開発が、盛んにおこなわれている。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有する一方、充放電の繰り返しや長期間の保管により放電容量の低下や内部抵抗の増大など電池性能の低下がみられる。これら電池性能の低下は、主に極板と非水電解質との反応に起因するものであり、電池性能の低下を抑制するために、非水電解質に種々の添加剤を添加することが検討されている。
特開2011−222193号公報には、非水電解質への添加剤として、ジフルオロ(オキサラト)リン酸塩とテトラフルオロ(オキサラト)リン酸塩とを共に含有させることが示され、耐久性および低温特性に優れた電池を提供するものであることが記載されている。
電池自動車やハイブリッド自動車などの移動体の電源として搭載される非水電解質二次電池は、一般的に複数の電池を組み合わせてモジュールとして搭載される。数回の充放電を経た電池がモジュールの組み立てに使用されるが、この数回の充放電の間に電池内部にガスが発生して、電池が膨張すると、モジュールなどの組み立てに不具合が生じるという問題があった。
これに加えて、移動体用途の電池は、従来のポータブル機器などの用途に比べて長期にわたって使用される。また、移動体用途の電池は、夏期に使用される場合は電池の搭載箇所によっては電池の温度が60℃近くの高温になることがあるなど、過酷な環境で使用される。移動体用途の電池のように、長期にわたっての使用や過酷な環境での使用がなされると、電解液の分解が促進され、電池内部に多くのガスが発生し、電池が膨張する。電池の膨張が発生すると、移動体の電池搭載部が変形して不具合が発生することや、極端に内圧が上昇した場合には電池の安全機構が作動するという問題があった。
本発明者は、上記問題を解決するために種々の非水電解質への添加剤を鋭意検討した結果、特定の化合物を非水電解質に添加することで、電池の完成直後における数回の充放電にともなうガス発生と、電池を高温下で長期使用した際のガス発生との双方を大幅に抑制できることを見出した。
本出願の第一の発明は、非水電解質を備える非水電解質二次電池において、前記非水電解質には、リン酸リチウム化合物と環状スルホン化合物とが含まれ、前記リン酸リチウム化合物は前記非水電解質の総質量に対して0質量%より大きく4.0質量%以下含まれ、前記環状スルホン化合物は前記非水電解質の総質量に対して0質量%より大きく3.0質量%以下含まれ、前記リン酸リチウム化合物として下記式(1)で表されるジフルオロ(ビスオキサラト)リン酸リチウムと下記式(2)で表されるテトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウムとが含まれることを特徴とする。
上記構成によれば、電池の完成直後における数回の充放電にともなうガス発生と、電池を高温下で長期使用した際のガス発生との双方を抑制することができる。
本出願の第二の発明に係る電池は、第一の発明に係る電池のリン酸リチウム化合物に含まれるテトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウムの含有量が、ジフルオロ(ビスオキサラト)リン酸リチウムの0.05〜0.3倍であることを特徴とする。
上記構成によれば、電池の完成直後における数回の充放電にともなうガス発生と、電池を高温下で長期使用した際のガス発生との双方を大幅に抑制することができるので好ましい。
上記第三の発明によると、第一または第二の発明に係る電池において、環状スルホン化合物が、下記式(3)で表される不飽和環状スルトン化合物であることを特徴とする。
上記構成によれば、電池を高温下で長期使用した際のガス発生を大幅に抑制することができるので好ましい。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下に記載する説明は本発明の実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されるものではない。
本発明の実施形態1について図1をもちいて説明する。図1に示す非水電解質二次電池(以下、「二次電池」とする)は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金の箔からなる正極集電体の両面に正極活物質を含有する正極合剤が塗布された正極板と、銅箔からなる負極集電体の両面に負極活物質を含有する負極合剤が塗布された負極板とがセパレータを介して巻回された発電要素を備え、発電要素は電池ケースに収納される。
正極板は電池蓋と正極板リードを介して接続されており、負極板は電池蓋に設けられた負極端子と接続されており、電池蓋は電池ケースの開口部を塞ぐようにレーザー溶接によって取り付けられる。電池ケースには孔が設けられており、その孔を介して非水電解質を電池ケース内に注入し、非水電解質を注入した後の孔を封口することで非水電解質二次電池が得られる。
本発明の非水電解質は電解質塩を非水溶媒に溶解させたものを使用する。電解質塩としては、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3CO2、LiCF3(CF3)3、LiCF3(C2F5)3、LiCF3SO3、LiCF3CF2SO3、LiCF3CF2CF2SO3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2CF2CF3)2、LiN(COCF3)2、LiN(COCF2CF3)2、LiPF3(CF2CF3)3等が挙げられ、これら電解質塩を単独でもしくは二種以上混合して使用することができる。導電性の観点から電解質塩としてLiPF6が好適であり、LiPF6を電解質塩の主成分として、LiBF4などの他の電解質塩を混合してもちいることもできる。
非水電解質の非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピレン酸メチル、プロピレン酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートなどをもちいることができる。これら非水溶媒は、非水電解質の導電性や粘度を調整するという観点から混合してもちいることが好ましい。
本発明の非水電解質には、一般式(1)で表されるジフルオロ(ビスオキサラト)リン酸リチウムと一般式(2)で表されるテトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウムとを含むリン酸リチウム化合物と、環状スルホン化合物とが含まれている。
環状スルホン化合物の具体例としては、1,3−プロパンスルトンや1,3−プロペンスルトン、エチレンサルファイト、1,2−プロピレングリコールサルファイト、ビニルエチレンサルファイト、ペンテングリコールスルフェート、メチレンメタンジスルホネート、エチレンメタンジスルホネート、プロピレンメタンジスルホネート、2,4−ジエチル−1,3−ジチエタン−1,1,3,3−テトラオン、2−(メチルエチル)−1,3−ジチエタン−1,1,3,3−テトラオン、2,4−ビス(メチルエチル)−1,3−ジチエタン−1,1,3,3−テトラオン、4−(2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン−4−イル)−1,3,2−ジオキサチオラン−2,2−ジオンおよび(2,2−ジオキソ−1,3,2−ジオキサチオラン−4−イル)メチルメチルスルホネートなどが挙げられる。そして、特に下記式(3)で表される不飽和環状スルトン化合物であることであることが好ましい。また、これら化合物は混合して非水電解質に加えることができる。
一般式(3)で示される不飽和環状スルトン化合物の具体例としては、1,3−プロペンスルトンなどが挙げられる。また、これら化合物は混合して非水電解質に加えることができる。
本発明の非水電解質二次電池は、非水電解質に一般式(1)で表されるジフルオロ(ビスオキサラト)リン酸リチウムと一般式(2)で表されるテトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウムとを含むリン酸リチウム化合物が、非水電解質の総質量に対して0質量%より大きく4.0質量%以下含まれ、かつ環状スルホン化合物が非水電解質の総質量に対して0質量%より大きく3.0質量%以下含まれることによって、電池の完成直後における数回の充放電にともなうガス発生と、電池を高温下で長期使用した際のガス発生との双方を抑制することができる。この双方のガス発生を抑制することができるメカニズムの詳細は不明であるが、電池を使用する初期段階(電池の完成直後の数回の充放電時)にて、これらの添加剤が正極活物質または負極活物質と反応し、電極表面に比較的厚みのある安定した保護膜が生成されると考えられる。この保護膜は、本発明にもちいられる化合物をそれぞれ単独でもちいて生成される保護膜とは異なる化学組成をもっているため、保護膜の生成時のガス発生量が少なくなると考えられる。また、この保護膜は高温下および長期使用下でも強固であり、電池を高温下で長期使用した場合においても非水電解質の溶媒と電極とが反応することを抑制するため、ガス発生量を減らすことができると考えられる。
リン酸リチウム化合物の非水電解質の総質量に対する量は0質量%より大きく4.0質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上4.0質量%以下であり、さらに好ましくは、0.5質量%以上2.0質量%以下である。リン酸リチウム化合物の量が4.0質量%より大きいと、リン酸リチウム化合物と電極との反応が過多になり、リン酸リチウム化合物に含有するシュウ酸基の分解に伴って、電池の完成直後における充放電時にガスが多量に発生する。また、前記充放電以降においても、残存した成分が分解するため、ガス発生が断続的に継続する。一方、リン酸リチウム化合物の量が0質量%であると、強固な保護膜を生成させることができず、電解液の分解を抑制することができない。
環状スルホン化合物の非水電解質の総質量に対する量は0質量%より大きく3.0質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以上2.0質量%以下であり、さらに好ましくは、0.5質量%以上1.0質量%以上である。環状スルホン化合物の量が3.0質量%より大きいと、非水電解質に溶解しきらず、それ以上の性能向上が見込めないため、好ましくない。一方、環状スルホン化合物の量が0質量%であると、リン酸リチウム化合物と環状スルホン化合物とが分解して生成される強固な保護膜を生成させることができない。
上記の化合物以外に、サイクル寿命特性の向上および電池の安全性の向上を目的として、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネートなどのカーボネート類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族化合物、パーフルオロオクタンなどのハロゲン置換アルカン、ホウ酸トリストリメチルシリル、リン酸トリストリメチルシリル、チタン酸テトラキストリメチルシリルなどのシリルエステル類等を単独でまたは二種以上混合して非水電解質に加えることができる。
本発明の非水電解質二次電池における正極板の正極活物質は、特に限定されるものではなく、種々の正極活物質を使用することができる。例えば、一般式LixM1pO2−δやLixM2qO4−δ、LixM3RO4(ただし、M1、M2、M3はCo、Ni、MnまたはFeから選ばれる少なくとも一種の金属、RはP、SまたはSiから選ばれる少なくとも一種の典型元素、0.4≦x≦1.2、0.8≦p≦1.2、1.5≦q≦2.2、0≦δ≦0.5)で表されるリチウムおよび遷移金属の複合酸化物、またはこれらの複合酸化物にAl、Fe、Cr、Ti、Zn、P、Bから選ばれる少なくとも一種の元素を含有する化合物を使用することができる。
正極板には上記の正極活物質以外に、導電剤、結着剤等を含有させることができる。導電剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイトなどをもちいることができる。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリアクリロニトリルなどを単独で、あるいは混合してもちいることができる。
本発明の非水電解質二次電池における負極板の負極活物質として、炭素材料、Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウムとの合金系化合物、金属リチウム、一般式M4Oz(ただしM4は、W、Mo、Si、Cu、およびSnから選ばれる少なくとも一種の元素、0≦z≦2)で表される金属酸化物などを使用することができる。これらのなかでも炭素材料が好ましく、炭素材料として黒鉛、難黒鉛化性炭素や易黒鉛化性炭素などの非晶質炭素、またはこれらの混合物をもちいることができる。炭素材料のなかでも非晶質炭素や非晶質炭素を表面に被覆した黒鉛材料は、材料表面と電解液との反応性が低くなるため、より好ましい。負極板には正極板と同様に、ポリフッ化ビニリデンやスチレン−ブタジエンゴムの結着剤等を加えることができる。
セパレータとしては、正極板と負極板とを電気的に隔離できるものであればよく、不織布、合成樹脂微多孔膜などをもちいることができる。特に、加工性および耐久性の観点から合成樹脂微多孔膜が好適であり、なかでも、ポリエチレンおよびポリプロピレンからなるポリオレフィン系微多孔膜やこのポリオレフィン系微多孔膜の表面にアラミド層を備えた耐熱性樹脂などを使用することができる。
図1に示す二次電池を以下により製造した。
1.実施例2の二次電池の作製
(1)正極板の製造
正極活物質として炭素被覆したリン酸鉄リチウム、導電助剤としてアセチレンブラックおよび結着剤としてポリフッ化ビニリデンをもちいた。正極活物質、導電助剤および結着剤の比率をそれぞれ90質量%、5質量%および5質量%とした混合物にNMP(N−メチルピロリドン)を適量加えて粘度を調整した正極合剤ペーストを作製した。この正極合剤ペーストを厚み20μmのアルミニウム箔の両面に塗布して乾燥させることにより正極板を作製した。正極板には正極合剤が塗布されていないアルミニウム箔が露出した部位を設け、アルミニウム箔が露出した部位と正極板リードとを接合した。
1.実施例2の二次電池の作製
(1)正極板の製造
正極活物質として炭素被覆したリン酸鉄リチウム、導電助剤としてアセチレンブラックおよび結着剤としてポリフッ化ビニリデンをもちいた。正極活物質、導電助剤および結着剤の比率をそれぞれ90質量%、5質量%および5質量%とした混合物にNMP(N−メチルピロリドン)を適量加えて粘度を調整した正極合剤ペーストを作製した。この正極合剤ペーストを厚み20μmのアルミニウム箔の両面に塗布して乾燥させることにより正極板を作製した。正極板には正極合剤が塗布されていないアルミニウム箔が露出した部位を設け、アルミニウム箔が露出した部位と正極板リードとを接合した。
(2)負極板の製造
負極活物質として難黒鉛化炭素、結着剤としてポリフッ化ビニリデンをもちいた。負極活物質および結着剤をそれぞれ90質量%および10質量%とした混合物にNMPを適量加えて粘度を調整した負極合剤ペーストを作製した。この負極合剤ペーストを厚み15μmの銅箔の両面に塗布して乾燥させることにより負極板を作製した。負極板には負極合剤が塗布されていない銅箔が露出した部位を設け、銅箔が露出した部位と負極板リードとを接合した。
負極活物質として難黒鉛化炭素、結着剤としてポリフッ化ビニリデンをもちいた。負極活物質および結着剤をそれぞれ90質量%および10質量%とした混合物にNMPを適量加えて粘度を調整した負極合剤ペーストを作製した。この負極合剤ペーストを厚み15μmの銅箔の両面に塗布して乾燥させることにより負極板を作製した。負極板には負極合剤が塗布されていない銅箔が露出した部位を設け、銅箔が露出した部位と負極板リードとを接合した。
(3)未注液二次電池の作製
前記正極板と前記負極板との間にポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介在させて、正極板と負極板とを巻回することにより発電要素を作製した。発電要素を電池ケースの開口部から電池ケース内に収納して、正極板リードを電池蓋に接合し、負極板リードを負極端子に接合した後に、電池蓋を電池ケースの開口部に勘合させてレーザー溶接で電池ケースと電池蓋とを接合することによって非水電解質が電池ケース内に注液されていない未注液状態の二次電池を作製した。
前記正極板と前記負極板との間にポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータを介在させて、正極板と負極板とを巻回することにより発電要素を作製した。発電要素を電池ケースの開口部から電池ケース内に収納して、正極板リードを電池蓋に接合し、負極板リードを負極端子に接合した後に、電池蓋を電池ケースの開口部に勘合させてレーザー溶接で電池ケースと電池蓋とを接合することによって非水電解質が電池ケース内に注液されていない未注液状態の二次電池を作製した。
(4)非水電解質の調製および注液
エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:2:5(体積比)の混合溶媒にLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解させ、ジフルオロ(ビスオキサラト)リン酸リチウム(以下、[LiPF2(Ox)2])を非水電解質の総質量に対して0.09重量%、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウム(以下、[LiPF4(Ox)])を非水電解質の総質量に対して0.01重量%、および環状スルホン酸エステルとして1,3−プロペンスルトンを非水電解質の総質量に対して0.5重量%加えて、非水電解質を調製した。この非水電解質を電池ケースの側面に設けた注液口から電池ケース内部に注液した後に、25℃において90mAの定電流で2時間予備充電をおこなった。さらに、1時間静置した後に、注液口を栓で封口することで実施例1の二次電池を作製した。なお、実施例2の二次電池の設計容量は450mAhとした。
エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=3:2:5(体積比)の混合溶媒にLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解させ、ジフルオロ(ビスオキサラト)リン酸リチウム(以下、[LiPF2(Ox)2])を非水電解質の総質量に対して0.09重量%、テトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウム(以下、[LiPF4(Ox)])を非水電解質の総質量に対して0.01重量%、および環状スルホン酸エステルとして1,3−プロペンスルトンを非水電解質の総質量に対して0.5重量%加えて、非水電解質を調製した。この非水電解質を電池ケースの側面に設けた注液口から電池ケース内部に注液した後に、25℃において90mAの定電流で2時間予備充電をおこなった。さらに、1時間静置した後に、注液口を栓で封口することで実施例1の二次電池を作製した。なお、実施例2の二次電池の設計容量は450mAhとした。
2.実施例3〜5、実施例1および比較例1の二次電池の作製
実施例2の[LiPF2(Ox)2] および[LiPF4(Ox)]をそれぞれ、0.45質量%および0.05質量%(実施例3)、1.8質量%および0.198質量%(実施例4)、3.6質量%および0.398質量%(実施例5)、0.045質量%および0.005質量%(実施例1)、4.0質量%および0.45質量%(比較例1)としたこと以外は実施例2の電池と同じ方法にて実施例3〜5、実施例1および比較例1の電池を作製した。
実施例2の[LiPF2(Ox)2] および[LiPF4(Ox)]をそれぞれ、0.45質量%および0.05質量%(実施例3)、1.8質量%および0.198質量%(実施例4)、3.6質量%および0.398質量%(実施例5)、0.045質量%および0.005質量%(実施例1)、4.0質量%および0.45質量%(比較例1)としたこと以外は実施例2の電池と同じ方法にて実施例3〜5、実施例1および比較例1の電池を作製した。
3.実施例6〜10および比較例2の二次電池の作製
実施例2の1,3−プロペンスルトンを0.1質量%、0.05質量%、1.0質量%、2.0質量%、3.0質量%および0.00質量%(添加なし)としたこと以外は実施例2の電池と同じ方法にて実施例6〜10および比較例2の電池を作製した。
実施例2の1,3−プロペンスルトンを0.1質量%、0.05質量%、1.0質量%、2.0質量%、3.0質量%および0.00質量%(添加なし)としたこと以外は実施例2の電池と同じ方法にて実施例6〜10および比較例2の電池を作製した。
4.実施例11〜15の二次電池の作製
実施例2の[LiPF2(Ox)2] および[LiPF4(Ox)]をそれぞれ、0.485質量%および0.015質量%(実施例11)、0.48質量%および0.024質量%(実施例12)、0.42質量%および0.084質量%(実施例13)、0.39質量%および0.117質量%(実施例14)、0.36質量%および0.144質量%(実施例15)としたこと以外は実施例2の電池と同じ方法にて実施例11〜15の電池を作製した。
実施例2の[LiPF2(Ox)2] および[LiPF4(Ox)]をそれぞれ、0.485質量%および0.015質量%(実施例11)、0.48質量%および0.024質量%(実施例12)、0.42質量%および0.084質量%(実施例13)、0.39質量%および0.117質量%(実施例14)、0.36質量%および0.144質量%(実施例15)としたこと以外は実施例2の電池と同じ方法にて実施例11〜15の電池を作製した。
5.実施例16〜20の二次電池の作製
実施例2の1,3−プロペンスルトンを、メチレンメタンジスルホネート、エチレンメタンジスルホネート、プロピレンメタンジスルホネート、ペンテングリコールスルフェートまたは1,3−プロパンスルトンに代えたこと以外は実施例2の電池と同じ方法にて実施例16〜20の電池を作製した。
実施例2の1,3−プロペンスルトンを、メチレンメタンジスルホネート、エチレンメタンジスルホネート、プロピレンメタンジスルホネート、ペンテングリコールスルフェートまたは1,3−プロパンスルトンに代えたこと以外は実施例2の電池と同じ方法にて実施例16〜20の電池を作製した。
6.評価試験
(1)初期容量の確認試験
実施例1〜20および比較例1、2の各電池をもちいて、以下の充放電条件にて初期放電容量の確認試験をおこなった。25℃において450mAの定電流で3.55Vまで充電し、さらに3.55Vで定電圧にて充電し、定電流充電および定電圧充電を含めて合計3時間充電した。充電後に450mAの定電流にて2.0Vの放電終止電圧まで放電をおこない、この放電容量を「初期容量」とした。
(1)初期容量の確認試験
実施例1〜20および比較例1、2の各電池をもちいて、以下の充放電条件にて初期放電容量の確認試験をおこなった。25℃において450mAの定電流で3.55Vまで充電し、さらに3.55Vで定電圧にて充電し、定電流充電および定電圧充電を含めて合計3時間充電した。充電後に450mAの定電流にて2.0Vの放電終止電圧まで放電をおこない、この放電容量を「初期容量」とした。
(2)60℃サイクル寿命試験
初期容量の確認試験後の各電池について、以下の条件にて60℃サイクル寿命試験をおこなった。60℃にて900mAの定電流で3.4Vまで充電し、さらに3.4Vで定電圧にて充電し、定電流充電および定電圧充電を含めて合計30分間充電した後に、60℃にて900mAの定電流にて2.6Vまで放電をおこなうことを1サイクルとして、このサイクルを3000サイクル繰り返した。なお、充電後および放電後には60℃にて10分間の休止を設けた。3000サイクル終了した電池は初期容量の確認試験と同じ条件にて充放電を行った。ここで、充電電圧3.4Vおよび放電終止電圧2.6Vのそれぞれは、初期容量の確認試験における放電終止電圧2.0Vから充電電圧3.55Vまでの容量を百分率した場合の90%(SOC90%)および10%(SOC10%)に相当するときの電圧である。
初期容量の確認試験後の各電池について、以下の条件にて60℃サイクル寿命試験をおこなった。60℃にて900mAの定電流で3.4Vまで充電し、さらに3.4Vで定電圧にて充電し、定電流充電および定電圧充電を含めて合計30分間充電した後に、60℃にて900mAの定電流にて2.6Vまで放電をおこなうことを1サイクルとして、このサイクルを3000サイクル繰り返した。なお、充電後および放電後には60℃にて10分間の休止を設けた。3000サイクル終了した電池は初期容量の確認試験と同じ条件にて充放電を行った。ここで、充電電圧3.4Vおよび放電終止電圧2.6Vのそれぞれは、初期容量の確認試験における放電終止電圧2.0Vから充電電圧3.55Vまでの容量を百分率した場合の90%(SOC90%)および10%(SOC10%)に相当するときの電圧である。
(3)ガス発生量の測定
上記の初期容量の確認試験前の電池をシリンジ付きの密閉容器に入れた状態で、電池ケースに穴を開け、放出されたガスの量をシリンジの目盛で確認した。また、初期容量の確認試験後および60℃サイクル寿命試験後についても、同様の方法でガス量の測定をおこなった。ここで、初期容量の確認試験前後のガス量の差を「初期ガス量」とした。また、初期容量の確認試験後と60℃サイクル試験後とのガス量の差を「ガス増加量」とした
上記の初期容量の確認試験前の電池をシリンジ付きの密閉容器に入れた状態で、電池ケースに穴を開け、放出されたガスの量をシリンジの目盛で確認した。また、初期容量の確認試験後および60℃サイクル寿命試験後についても、同様の方法でガス量の測定をおこなった。ここで、初期容量の確認試験前後のガス量の差を「初期ガス量」とした。また、初期容量の確認試験後と60℃サイクル試験後とのガス量の差を「ガス増加量」とした
7.考察
実施例1〜20および比較例1、2の初期容量の確認試験前後のガス量と、60℃サイクル寿命試験前後のガス増加量を表1に示す。LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)を含むリン酸リチウム化合物を非水電解質の総質量に対して0.05〜4.0質量%添加した電池(実施例1〜5)では、初期ガス量が2.70mL以下であり、好適な結果が得られた。そして、LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)を含むリン酸リチウム化合物を非水電解質の総質量に対して0.1〜4.0質量%添加した電池(実施例2〜5)では、初期ガス量が1.5mLよりも少なく、また、ガス増加量が4.0mLより少なく、より好適な結果が得られた。特に、0.5〜2.0質量%添加した電池(実施例3〜4)では、初期ガス量が1.0mLよりも少なく、ガス増加量が3.0mLより少なく、特により好適な結果が得られた。
一方、LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)を含むリン酸リチウム化合物を非水電解質の総質量に対して4.45質量%添加した電池(比較例1)は、初期ガス量、ガス増加量が、それぞれ3.87mL、8.97mLであり、その合計量は、12.84mLであるのに対し、LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)を含むリン酸リチウム化合物を非水電解質の総質量に対して0.05質量%添加した電池(実施例1)は、初期ガス量、ガス増加量が、それぞれ2.70mL、9.74mLであり、その合計量は、12.44mLであった。実施例1の電池は、比較例1の電池と比較して、初期ガス量、および初期ガス量とガス増加量との合計量が減少した。
これは、LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)を含むリン酸リチウム化合物の添加量が多すぎると、電極との反応が過多になり、LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)に含有するシュウ酸基の分解に伴うガスが多量に発生するためであると考えられる。
実施例1〜20および比較例1、2の初期容量の確認試験前後のガス量と、60℃サイクル寿命試験前後のガス増加量を表1に示す。LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)を含むリン酸リチウム化合物を非水電解質の総質量に対して0.05〜4.0質量%添加した電池(実施例1〜5)では、初期ガス量が2.70mL以下であり、好適な結果が得られた。そして、LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)を含むリン酸リチウム化合物を非水電解質の総質量に対して0.1〜4.0質量%添加した電池(実施例2〜5)では、初期ガス量が1.5mLよりも少なく、また、ガス増加量が4.0mLより少なく、より好適な結果が得られた。特に、0.5〜2.0質量%添加した電池(実施例3〜4)では、初期ガス量が1.0mLよりも少なく、ガス増加量が3.0mLより少なく、特により好適な結果が得られた。
一方、LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)を含むリン酸リチウム化合物を非水電解質の総質量に対して4.45質量%添加した電池(比較例1)は、初期ガス量、ガス増加量が、それぞれ3.87mL、8.97mLであり、その合計量は、12.84mLであるのに対し、LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)を含むリン酸リチウム化合物を非水電解質の総質量に対して0.05質量%添加した電池(実施例1)は、初期ガス量、ガス増加量が、それぞれ2.70mL、9.74mLであり、その合計量は、12.44mLであった。実施例1の電池は、比較例1の電池と比較して、初期ガス量、および初期ガス量とガス増加量との合計量が減少した。
これは、LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)を含むリン酸リチウム化合物の添加量が多すぎると、電極との反応が過多になり、LiPF2(Ox)2およびLiPF4(Ox)に含有するシュウ酸基の分解に伴うガスが多量に発生するためであると考えられる。
また、環状スルホン化合物として1,3−プロペンスルトンを、非水電解質の総質量に対して0.05〜3.0質量%添加した電池(実施例3、実施例6、7および実施例8〜10)では、ガス増加量が7.09mLより少なく、好適な結果が得られた。そして、環状スルホン化合物として1,3−プロペンスルトンを、非水電解質の総質量に対して0.1〜2.0質量%添加した電池(実施例3および実施例6、8、9)では、初期ガス量が1.5mLよりも少なく、ガス増加量が4.0mLより少なく、より好適な結果が得られた。特に、0.5〜1.0質量%添加した電池(実施例3および8)では、初期ガス量が1.0mLよりも少なく、ガス増加量が3.0mLより少なく、特により好適な結果が得られた。
一方、環状スルホン化合物として1,3−プロペンスルトンを、非水電解質の総質量に対して0質量%添加した電池(比較例2)は、初期ガス量、ガス増加量がそれぞれ、0.60mL、8.24mLであったが、環状スルホン化合物を非水電解質に含有しないため、60℃サイクル寿命試験後の容量維持率が低く、好ましくない。
これは、環状スルホン化合物の添加量が0質量%であると、リン酸リチウム化合物と環状スルホン化合物とが分解して生成される強固な保護膜を生成させることができないためであると考えられる。
また、環状スルホン化合物の添加量が3.0質量%より大きいと、環状スルホン化合物は、非水電解質に溶解しきらず、それ以上の性能向上は見込めず、好ましくない。
一方、環状スルホン化合物として1,3−プロペンスルトンを、非水電解質の総質量に対して0質量%添加した電池(比較例2)は、初期ガス量、ガス増加量がそれぞれ、0.60mL、8.24mLであったが、環状スルホン化合物を非水電解質に含有しないため、60℃サイクル寿命試験後の容量維持率が低く、好ましくない。
これは、環状スルホン化合物の添加量が0質量%であると、リン酸リチウム化合物と環状スルホン化合物とが分解して生成される強固な保護膜を生成させることができないためであると考えられる。
また、環状スルホン化合物の添加量が3.0質量%より大きいと、環状スルホン化合物は、非水電解質に溶解しきらず、それ以上の性能向上は見込めず、好ましくない。
LiPF2(Ox)2とLiPF4(Ox)との混合比率を変化させた電池(実施例11〜15)においては、LiPF4(Ox)の含有量が、LiPF2(Ox)2の0.05〜0.3倍とした場合(実施例12〜14)には、初期ガス量が1.0mLよりも少なく、ガス増加量が3.0mLより少なく、より好適な結果が得られた。一方、LiPF4(Ox)の含有量が、LiPF2(Ox)2の0.05倍以下とした場合(実施例11)では、初期ガス量が増加する傾向があった。これは、LiPF2(Ox)2の含有比率が高くなることによって、シュウ酸基が増加するため、シュウ酸基の分解に伴うガスの発生量が増加したためであると考えられる。また、LiPF4(Ox)の含有量が、LiPF2(Ox)2の0.3倍以上とした電池(実施例15)では、ガス増加量が増加する傾向があった。詳細なメカニズムは不明であるが、LiPF4(Ox)の含有比率が高くなることによって、保護膜の化学組成が変化し、保護膜の強度が低下したためと考えられる。
環状スルホン化合物として、1,3−プロペンスルトン、メチレンメタンジスルホネート、エチレンメタンジスルホネート、プロピレンメタンジスルホネート、ペンテングリコールスルフェートまたは1,3−プロパンスルトンをもちいた実施例3および16〜20における初期ガス量が1.5mLより少なく、ガス増加量が4.0mL以下であり、好適な結果が得られた。特に、環状スルホン化合物として、不飽和環状スルトン化合物である1,3−プロペンスルトンをもちいた電池(実施例3)では、ガス増加量が3.0mLより少なく、より好適な結果が得られた。これは、環状スルホン化合物として、不飽和環状スルトン化合物をもちいることによって、保護膜の化学組成が変化して、保護膜の強度が向上したためと考えられる。
以上の結果から、非水電解質に、ジフルオロ(ビスオキサラト)リン酸リチウムとテトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウムとを含むリン酸リチウム化合物を非水電解質の総質量に対して0質量%より大きく4.0質量%以下含み、かつ環状スルホン化合物を非水電解質の総質量に対して0質量%より大きく3.0質量%以下含む非水電解質二次電池は、電池の初回充放電にともなうガス発生と、電池を高温下で長期使用した際のガス発生との双方を抑制することができる。
1…非水電解質二次電池
3…正極板(正極)
4…負極板(負極)
5…セパレータ
6…電池ケース
7…電池蓋
10…正極板リード
11…負極板リード
3…正極板(正極)
4…負極板(負極)
5…セパレータ
6…電池ケース
7…電池蓋
10…正極板リード
11…負極板リード
Claims (4)
- 前記テトラフルオロ(オキサラト)リン酸リチウムの含有量は、前記ジフルオロ(ビスオキサラト)リン酸リチウムの0.05〜0.3倍である請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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