JPWO2012105152A1 - 超音波診断装置,および方法 - Google Patents

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Abstract

ずり波生成による弾性率計測において,高精度で,安全性が確保され,広い範囲で弾性率測定を行うことが可能な超音波診断装置を提供する。超音波診断装置は,生体内からのエコー信号を送受信する超音波探触子1と,第一の変位検出用ビームを放射して生体からのエコー信号を受波し,領域1内の歪み情報を演算する歪み演算部24と,歪み情報に基づき,領域1の内部に含まれ,領域1より小さい領域2を弾性率測定位置とする測定位置選定部40と,生体内に変位生成用送波ビームである集束ビームを放射して組織を変位させる変位生成部10と,第二の変位検出用ビームを放射して生体からのエコー信号を受波し,集束ビームにより生じるずり波の変位を検出して,領域2内の弾性率を演算する弾性率演算部34と,領域1内の歪み情報に基づく歪み画像,および弾性率を表示する表示部7を有する。表示部7は,表示される歪み画像の表示範囲における弾性率を示すカラースケールも表示する。

Description

本発明は超音波送受信によって被検体を診断する超音波診断装置,特に被検体内部の硬さの違いを検出する超音波診断技術に関する。
被検体である生体の乳癌や肝硬変,血管障害などの診断方法として,医者の触診の代わりとして,超音波エコー信号から被検体内部の硬さ(歪み,弾性係数等)を診断する方法(エラストグラフィー技術)がある。エラストグラフィー技術による硬さの診断では,従事者は超音波プローブを被検体表面に押し当てて圧迫し,生体内部の組織に変位を生じさせる(以下,これを従来方式と呼ぶ)。圧迫による生体組織の圧縮前後のエコー信号から
圧縮方向の変位が推定され,変位の空間微分量である歪みを求め,画像化する。この方法では,撮像対象として,体表からの圧迫が容易なところに存在する臓器(例えば乳腺など)には極めて有効な方法であるが,必ずしも全ての撮像対象に対して有効では無い場合もある。例えば,体表と肝臓の間に介在層として,すべり面が存在するため,十分な変位を生じさせるような圧迫が困難である。また,従来方式で,弾性率を推定しようとする場合,境界条件が必要になるが,すべり面が存在すると境界条件が複雑となり,弾性率の推定が困難である。
そこで,変位生成用送波ビームとしての集束ビームを用い,被検体内部に放射圧を印加し,介在層の影響を抑えて対象組織を変位させて,硬さの診断をする技術がある。例えば,特許文献1に記載されるARFI(Acoustic Radiation Force Impulse)Imagingがある。この技術では,集束ビームの進む方向に生じる組織の変位量を画像化したり,焦点での組織変位に伴って集束ビームの進む方向とは垂直な方向に生じるずり波の伝搬速度の推定からずり波伝搬領域内の平均的なずり弾性率といった弾性係数(以下,弾性率と呼ぶ)を測定し画像化したりする。ずり波生成による弾性率計測技術を用いると,上記のすべり面などの介在層の影響を低減する効果以外にも,超音波によって組織を変位させるため,手技依存性が少ない診断が期待される。
また,特許文献2では,撮像視野内の複数位置で弾性率の計測を行い,従来方式で得られた密な歪み分布(硬さの相対値)と疎な弾性率(硬さの絶対値)とを関連づけることによって,密な弾性率分布が画像化できる方法について示している。通常,絶対値という言葉には,符号を取った値つまり0からの距離を表す場合と,相対値の対義語としての絶対値という言葉があるが,本明細では主に相対値に対する対義語として絶対値という言葉を使用する。
米国特許公開US2004/068184 特開2009−201989号公報
一般的に,ずり波の減衰量は縦波の減衰量に比べて大きい。1箇所あたりのずり波生成による弾性率計測において,1つの焦点に集束ビームを照射した際,弾性率を測定できる領域は,ずり波の伝搬距離(5〜10mm程度)の範囲内に制限される。この範囲より広い領域で弾性率を測定する場合,所望領域内の複数個所でずり波生成による弾性率計測を行う必要がある。一方で,1箇所あたりのずり波生成による弾性率計測において,集束ビームの照射時間(数100μs〜1ms)は,Bモード像に使用される超音波ビームの照射時間に比べて数100〜数1000倍長く,また,生体組織や超音波探触子の温度上昇は照射時間に比例する。したがって,Bモード像を測定する時に比べ,温度上昇に関する安全性が低下する。広い領域で温度上昇を抑制して安全に弾性率の測定を行うためには,弾性率計測の時間の間隔を十分に大きくすればよい(1〜2秒)が,弾性率計測の時間間隔を大きくするとフレームレート(単位時間あたりの画面の更新回数)が低下する。フレームレートが低下すると,被検体の体動の影響が大きくなり,断層面のずれや,圧迫による歪みの発生により弾性率計測の精度が低下してしまう。以上のように,ずり波生成による弾性率計測において,安全性確保を目的としたフレームレートの低下を抑制し,かつ,広い範囲で弾性率測定を行う技術が課題となる。
上述した特許文献2の技術によれば,安全性を向上し,また広範囲な弾性率の測定が可能となるが,特許文献2では,弾性率の計測を行う位置(ずり波を発生させる位置)の選定方法については開示がなされていない。もし,1箇所あたりの弾性率計測の領域内において,複数の硬さが含まれている場合,測定される弾性率は平均的な値となり,測定精度が低下する。測定精度を向上させるには,弾性率の測定箇所を増やす必要があり,測定点数の増加によりフレームレートが低下してしまう。以上のことから,高精度に弾性率の測定ができる最適な位置を選定し,できるだけ少ない回数で弾性率計測を行う必要がある。
本発明の目的は,上記の課題を解決し,被検体の弾性率の測定に最適な部位を選択してから弾性率の測定を行うことにより,弾性率測定の高精度化が可能な超音波診断装置,および超音波表示方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため,本発明においては,被検体に超音波ビームを送信し,エコー信号を受信する超音波探触子を用いる超音波診断装置であって,第一の変位検出用ビームを放射し,受波した被検体からのエコー信号に基づき,領域1内の歪み情報を演算する歪み演算部と,被検体内に集束ビームを放射して,被検体内の組織を変位させる変位生成部と,第二の変位検出用ビームを放射し,受波した被検体からのエコー信号に基づき,集束ビームにより生じるずり波の変位を検出して,領域1の内部に含まれる領域2内の弾性率を検出する弾性率演算部と,歪み情報に基づく歪み画像と弾性率を表示する表示部を有する超音波診断装置を提供する。
また,上記の目的を達成するため,本発明においては,被検体に超音波ビームを送信し,エコー信号を受信する超音波探触子を用いる超音波診断装置であって,第一の変位検出用ビームを放射し,受波した前記被検体からのエコー信号に基づき,領域1内の歪み情報を演算する歪み演算部と,歪み情報に基づき,領域1の内部に含まれる領域2を選定する測定位置選定部と,被検体内に集束ビームを放射して,被検体内の組織を変位させる変位生成部と,第二の変位検出用ビームを放射し,受波した被検体からのエコー信号に基づき,集束ビームにより生じるずり波の変位を検出して,領域2内の弾性率を検出する弾性率演算部とを備える超音波診断装置を提供する。
更に,上記の目的を達成するため,本発明においては,被検体に超音波ビームを送信し,被検体からのエコー信号を受信する超音波探触子を用い,受信した当該エコー信号に基づき画像を表示部に表示する超音波表示方法であって,第一の変位検出用ビームを放射して被検体からのエコー信号を受波し,第一の領域内の歪み情報を演算し,演算した歪み情報に基づく歪み画像を表示部に表示し,被検体内に集束ビームを放射して被検体の組織を変位させ,第二の変位検出用ビームを放射して被検体からのエコー信号を受信し,集束ビームにより生ずるずり波の変位を検出し,ずり波の変位に基づき,第一の領域に含まれる第二の領域内の弾性率を演算し,演算した弾性率を表示部に表示する超音波表示方法を提供する。
本発明によれば,歪み情報に基づく歪み画像と,ずり波生成によって得られた弾性率とを合成表示するハイブリッド方式による,高精度の超音波診断装置,方法を提供することができる。また,ずり波の発生による弾性率の計測カ所を1箇所にすることで,安全性の高い超音波診断装置,超音波表示方法を提供することができる。
実施例1に係る,超音波診断装置の全体システム構成を示す図である。 実施例1に係る,歪み情報に基づく歪み画像の表示方法を説明する図である。 実施例1に係る,ハイブリッド方式の処理フローチャートを示す図である。 実施例1に係る,弾性率測定位置の選択方法を説明する図である。 実施例1に係る,超音波のビームフォーミングを説明する図である。 実施例1に係る,超音波探触子による測定図を示す図である。 実施例1に係る,ずり波の伝搬速度の推定方法を説明する図である。 実施例1に係る,弾性率と歪みの関係を示す図である。 実施例1に係る,弾性率画像の表示方法を説明する図である。 実施例2に係る,超音波診断装置の全体システム構成を示す図である。 実施例2に係る,超音波探触子による測定図を示す図である。 実施例2に係る,超音波送受信のシーケンスを説明する図である。 実施例2に係る,ずり波ペネトレーションを示す図である。 実施例2に係る,ずり波の変位方向とずり波の伝搬方向を説明する図である。 実施例2に係る,2焦点の距離と温度上昇との関係を説明する図である。 実施例2に係る,バーストチャープ法による感度・安全性重視を表す概念図である。 実施例2に係る,ハイブリッド方式の処理フローチャートを示す図である。 実施例4に係る,選定された弾性率測定位置を説明する図である。 実施例5に係る,カーネルおよびフィルタの大きさを説明する図である。 実施例5に係る,弾性率と歪みの関係を示す図である。 実施例1の変形例1の超音波診断システムの全体構成を示す図である。 実施例1の変形例2の超音波診断装置の変性生成用の超音波を照射を説明する図である。 実施例1の変形例2の超音波診断システムの全体構成を示す図である。
以下,本発明の実施形態の例を説明する。本明細書において,計算機の処理部で実行される各機能プログラムを,機能,手段,部等で表現する。例えば,弾性率を演算するプログラムを弾性率演算機能,弾性率演算手段,弾性率演算部等と称する。また,上述の通り,本明細書において,歪み情報に基づく歪み画像と,ずり波生成によって計測された弾性率とを合成する方式をハイブリッド方式と呼ぶこととする。
実施例1は,被検体に超音波ビームを送信し,エコー信号を受信する超音波探触子を用いる超音波診断装置であって,第一の変位検出用ビームを放射し,受波した被検体からのエコー信号に基づき,領域1内の歪み情報を演算する歪み演算部24と,被検体内に集束ビームを放射して,被検体内の組織を変位させる変位生成部10と,第二の変位検出用ビームを放射し,受波した被検体からのエコー信号に基づき,集束ビームにより生じるずり波の変位を検出して,領域1の内部に含まれる領域2内の弾性率を検出する弾性率演算部34と,歪み情報に基づく歪み画像と弾性率を表示する表示部7を有する超音波診断装置に関するものである。
また,本実施例は,上記の超音波診断装置であって,歪み情報に基づき弾性率を検出する,少なくとも1つの弾性率検出位置を選定する測定位置選定部40を有し,集束ビームを照射する少なくとも1つの焦点位置が,測定位置選定部40によって選定された少なくとも1つの弾性率検出位置から決定される超音波診断装置,当該超音波診断装置であって,測定位置選定部40は,操作者が表示部7に表示された画像を見ながら弾性率検出位置を選択することが可能な超音波診断装置,或いは上記の超音波診断装置であって,表示部7は,表示される歪み画像の表示範囲における弾性率を示すカラースケールを表示する超音波診断装置に関している。
更に,本実施例は,被検体に超音波ビームを送信し,エコー信号を受信する超音波探触子を用いる超音波診断装置であって,第一の変位検出用ビームを放射し,受波した前記被検体からのエコー信号に基づき,領域1内の歪み情報を演算する歪み演算部24と,歪み情報に基づき,領域1の内部に含まれる領域2を選定する測定位置選定部40と,被検体内に集束ビームを放射して,被検体内の組織を変位させる変位生成部10と,第二の変位検出用ビームを放射し,受波した被検体からのエコー信号に基づき,集束ビームにより生じるずり波の変位を検出して,領域2内の弾性率を検出する弾性率演算部34とを備える超音波診断装置に関するものである。
また更に,本実施例は,上記の超音波診断装置であって,測定位置選定部40は,領域2を選定する際に,領域1内の歪みの分布の標準偏差,もしくは,最大値と最小値の差がある閾値より小さくなる位置を求める超音波診断装置,上記の超音波診断装置であって,弾性率演算部34は,領域2内の弾性率,および領域2内の歪み情報を用いて応力を計算し,領域1内の歪み情報,および応力から,領域1の弾性率を演算する超音波診断装置,上記の超音波診断装置であって,
測定位置選定部40は,領域2を選定する際に,画像処理で領域1内の歪み分布の輪郭を抽出することによって選定する超音波診断装置,或いは上記の超音波診断装置であって,歪み情報に基づく歪み画像と弾性率を表示する表示部7を更に備え,測定位置選定部40は,操作者が表示部7に表示された歪み画像に基づき領域2を選定可能である超音波診断装置に関するものである。
同様に,本実施例は,被検体に超音波ビームを送信し,被検体からのエコー信号を受信する超音波探触子を用い,受信した当該エコー信号に基づき画像を表示部に表示する超音波表示方法であって,第一の変位検出用ビームを放射して被検体からのエコー信号を受波し,第一の領域内の歪み情報を演算し,演算した歪み情報に基づく歪み画像を表示部に表示し,被検体内に集束ビームを放射して被検体の組織を変位させ,第二の変位検出用ビームを放射して被検体からのエコー信号を受信し,集束ビームにより生ずるずり波の変位を検出し,ずり波の変位に基づき,第一の領域に含まれる第二の領域内の弾性率を演算し,演算した弾性率を表示部7に表示する超音波表示方法に関している。
また,本実施例は,上記の超音波診断方法であって,歪み情報に基づき選定された集束ビームの焦点位置を決定する超音波診断方法に関している。更に,本実施例は,上記の超音波診断方法であって,第二の変位検出用ビームを放射する第二の領域を選定する際,表示部に表示された歪み画像に基づき,歪み情報が均一な場所から選定する超音波診断方法に関している。また更に,本実施例は,上記の超音波診断方法であって,表示部に表示される歪み画像の表示範囲における弾性率を示すスケールを表示する超音波診断方法に関している。
図1に実施例1における超音波診断装置の全体システム構成の一具体例を示す。図示しない被検体の外皮に接触させて用いられる超音波探触子1は,被検体との間で超音波を送信及び受信する複数の振動子が配列された超音波送受信面を有して形成され,送受切替スイッチ2に接続されている。中央制御部3は,超音波診断装置を制御するための制御部である。特に,被検体内に変位を生じさせる変位生成部10,送受切替スイッチ2,第一超音波送受信部20,歪み演算部24,第二超音波送受信部30,弾性率である弾性率を演算する弾性率演算部34,測定位置選定部40,カラースケール設定部50は,中央制御部3によって制御される構成になっている。超音波探触子1は,送受切替スイッチ2を介して変位生成用送波ビーム生成部13,第一超音波送受信部20,および,第二超音波送受信部30に接続されている。
送受波切替スイッチ2は,中央制御部3を介して,超音波探触子1と変位生成用送波ビーム生成部13,第一超音波送受信部20,および第二超音波送受信部30との接続を切断したり,切り離したりするように制御されている。変位生成用送波ビーム生成部13は,被検体内に放射して,被検体内の組織を変位させるための集束ビームを生成する。
第一超音波送受信部20は,図示を省略した変位検出用送波波形生成部で作られた波形を用いて,超音波探触子1の素子の送波信号に遅延時間や重みを与えて,図示しない被検体の所望の位置に変位検出用超音波ビームが集束するように,中央制御部3によって制御されている。被検体内で反射して探触子に戻ってきたエコー信号は,超音波探触子1において電気信号に変換され,第一超音波送受信部20に送られる。第一超音波送受信部20はエコー信号を整相加算し,包絡線検波やlog圧縮やバンドパスフィルタ,ゲインコントロールなどを行う信号処理回路を含んでいる。
第一超音波送受信部20からの出力信号は白黒DSC(デジタルスキャンコンバータ)5と変位演算部22に入力される。白黒DSC5では白黒からなる輝度を表す断層像(Bモード像)情報が形成される。また,変位演算部22では,隣接する2フレームの断層像を用いた画像相関により各部位の変位を演算するようになっている。また,変位演算部22から出力された変位の情報は歪み演算部24に入力され,変位の空間微分に基づいて各部位の歪みが演算される。この歪み情報はカラーDSC4に入力され,カラーDSC4によって,歪み情報の値に応じた色相変調を施される。
カラーDSC4によって歪み情報に基づいて色相変調された画像(以下,歪み画像)41は合成部6に送信され,図2に示すように,Bモード像45に重ねて表示部7に,歪み画像として表示されるようになっている。歪み演算部24で計算された歪み情報は,測定位置選定部40,中央制御部3を介してカラースケール設定部50に送信される。カラースケール設定部50では,歪みの最大値と最小値の値を基に,歪み画像41に対応するカラースケール43を作成する。
図2に示すように,カラースケール43はBモード像45と歪み画像41に隣接して表示部7に表示されるようになっている。同図に示すように,カラースケールの近傍には,歪みが小さいことを示すhard(硬い),歪みが大きいとsoft(柔かい)という文字が表示される。なお、上記では、歪み画像41は歪み情報に基づいて色調変調された画像であることを説明したが、歪み情報に基づいて白黒変調された画像であってもよい。
歪み演算部24で計算された歪み情報は測定位置選定部40に送信される。測定位置選定部40では,2次元の歪み情報を元に信号処理を行い,弾性率測定を行う断層面内の位置を決定する。測定位置選定部40で決定された位置情報は中央制御部3を介して変位生成部10の焦点位置設定部12に入力されるようになっている。
変位生成部10について説明する。集束ビームを生成するための変位生成用送波ビーム生成部13は,変位生成用送波波形生成部11で作られた波形を用いて,超音波探触子1の各素子100の送波信号に遅延時間や重みを与えて,焦点位置設定部12で設定された位置,すなわち測定位置選定部40で決定された位置に基づいて決定された集束位置に超音波ビームが集束するように,中央制御部3によって制御されている。変位生成用送波ビーム生成部13からの電気信号は送受切替スイッチ2を介して,超音波探触子1において超音波信号に変換され,図示しない被検体に向かって,変位生成用の集束ビームが照射される。
第二超音波送受信部30は図示を省略した変位検出用送波波形生成部で作られた波形を用いて,超音波探触子1の素子の送波信号に遅延時間や重みを与えて,図示しない被検体の所望の位置に変位検出用超音波ビームが集束するように,中央制御部3によって制御されている。被検体内で反射して探触子に戻ってきたエコー信号は,超音波探触子1において電気信号に変換され,第二超音波送受信部30に送られる。第二超音波送受信部30はエコー信号を整相加算し,包絡線検波やlog圧縮やバンドパスフィルタ,ゲインコントロールなどを行う信号処理回路を含んでいる。
第二超音波送受信部30からの出力信号は,ずり波変位演算部32に入力される。また,ずり波変位演算部32では,相関演算により各部位の変位が演算されるようになっている。また,ずり波変位演算部32から出力された変位の情報は弾性率演算部34に入力され,ずり波の伝搬速度や弾性率等の硬さに関する値が計算される。硬さに関する値は合成部6に送信され,表示部7に表示されるBモード像や歪み画像と同じ画面上に表示されるようになっている。
同図に示すブロックの一部である中央制御部3,変位演算部22,歪み演算部24,ずり波変位演算部32,弾性率演算部34,測定位置選定部40等は,処理部として機能する中央処理部(Central Processing Unit:CPU)におけるプログラム実行により実現することができる。ここまでの実施例1の超音波診断システムの説明では,図1に図示のとおり,第一超音波送受信部20と第二超音波送受信部30を分けて説明を行ったが,この説明は,機能の説明を優先したものである。装置実装の観点からは,第一超音波送受信部20と第二超音波送受信部30は,1つの超音波送受信部から構成することも可能である。
図3を用いて,本実施例におけるハイブリッド方式の処理フローについて説明する。図3の処理フローに従い,本実施例における,診断開始から弾性率画像の表示後,診断終了までの流れを順次説明する。まず,ステップS00でハイブリッド方式による硬さの診断が開始される。開始の信号は図示しない入力デバイスを介して入力される。ハイブリッド方式開始前は,Bモード像もしくは歪み画像が表示部7に表示されている。ハイブリッド方式による診断が開始されると,図示しない入力デバイスで入力された所望領域ROI(Region of Interest)内の歪み情報が取得される(ステップS02)。歪みの情報を取得するためのROIをROI_s,あるいは第一の領域(領域1)と呼ぶ。
この歪みの情報は,通常の方式で取得される。すなわち,超音波探触子1を被検体の体表に押し付け,体表を圧迫しながら超音波の送受信を繰り返し変位および,歪みを検出する。歪みを検出する際,超音波送信の遅延時間と重み付け,および,エコー信号から電気信号への変換等の処理は第一超音波送受信部20,変位の演算は変位演算部22,歪み情報の計算は歪み演算部24で行われるようになっている。
歪み演算部24での歪みの演算が終了すると,白黒DSC5からのBモード像と,カラーDSC4からの歪み画像が合成部6で合成されて,図2に示したように,表示部7に表示される(ステップS04)。
また,歪みの演算が終了した後,測定位置選定部40において,弾性率測定を行う最適な位置が決定される(ステップS06)。ここで,弾性率測定を行う領域をROI_e,あるいは第二の領域(領域2)とし,ROI_eは歪みが表示される領域ROI_s,あるいは第一の領域(領域1)に含まれ,その結果,それよりも小さい領域である。最適な弾性率測定の領域は例えば,図2のROI_e(1)であり,ROI_e内の歪みの値が同じ,すなわち同じ硬さを持つ領域である。また,弾性率測定に好ましくない領域はROI_e(2)のように,ROI_e内に2つ以上の歪み量が混在している場合である。2つ以上の歪み量が混在しているROIで,弾性率測定を行うと,平均化された弾性率が測定されるため,測定精度が低下する。そのため,できるだけ歪み量が同一の値である(すなわち,歪み量が均一である)領域を弾性率測定位置に設定する必要がある。最適な弾性率測定位置は,歪み情報や歪み画像に信号処理を施すことによって,決定されるようになっている。
次に,本実施例におけるハイブリッド方式の信号処理について説明する。ここでは,リニアアレイ型の超音波探触子1を被検体の体表面に接触させ,体内の目的断層面に変位生成用送波ビームを集束する場合について説明する。また,所望の断層面内において,変位生成用送波ビームの伝搬方向は体表に対して垂直な方向とした場合について説明する。
まず,信号処理方法を行う長方形の領域(カーネルK)が作成される。カーネルKの大きさは,弾性率測定を行う領域ROI_e,すなわち第二の領域(領域2)の大きさと同じであることが望ましい。ROI_eの深さ方向の長さは,弾性率を測定する際のずり波生成用の集束ビーム(=変位生成用送波ビーム)の深さ方向(もしくは,距離方向,変位方向)の幅で決定される。ここで,深さ方向の幅とは,深さ方向のビーム形状の−6dB幅等で表される値である。また,ROI_eの方位方向の長さは,ずり波の伝搬方向の伝搬距離で決定される。ここで,ずり波の伝搬距離とは,ずり波の伝搬方向に沿った方向において,ずり波の変位が検出できる焦点位置からの最大の距離のことを言う。例えば,深さ方向のROI_eの長さは10mm,方位方向のROI_eの長さは5mmである。この場合,深さ方向のカーネルKの長さlyは10mm,方位方向のROI_eの長さlxは5mmが望ましい。ROI_e,および,カーネルKの各辺の長さは,深さ方向に10mm,方位方向に5mmに限定されない。
図1の中央制御部3において,乳腺や前立腺,血管,肝臓などの部位,ずり波発生用の超音波ビームのキャリアの周波数やF値(=焦点距離/開口径),焦点距離などに対する適切なカーネルKの大きさが図示しない記憶媒体から読み出され,測定位置選定部40における信号処理に用いられる。カーネルKの大きさは操作者によって図示しない入力媒体を介して入力されるようにしてもよい。
図4の(a)に示すように,カーネルK42は歪み画像41内を上下左右に移動する。カーネルK42の位置をP(x,y)とする。ここでは,P(x,y)はカーネルK42の中央の位置とし,また,x軸は方位方向,y軸は深さ方向である。各位置P(x,y)において,歪み情報を用いた演算が行われるようになっている。最適な弾性率測定位置は,カーネル内の歪み情報を用いて演算した値から決定される。例えば,カーネルの位置P(x,y)について,カーネルK内の歪みの標準偏差S(x,y)が計算される。最適な弾性率測定位置は標準偏差の最も小さくなる位置として決定される。また,別の例として,カーネル内の歪み量の最大値と最小値の差,Max−min(x,y)が計算され,最適な弾性率測定位置はMax−minが最も小さくなる位置として決定される。その他,周知の計算式を用いて,歪み量が同一の値である領域を決定してもよい。
また,上記のようにカーネルK42を作成して計算を行う他,画像処理で用いられる周知の2次元フィルタ(以下,フィルタGと呼ぶ)44を用いて歪み画像41などの歪み画像に対し画像処理を施し,最適な弾性率測定位置を決定してもよい。フィルタG44の大きさは,カーネルKと同様,弾性率測定を行うROI_eの大きさと同じであることが望ましく,例えば,深さ方向の長さlyを10mm,方位方向の長さlxを5mmである。フィルタGの各辺の長さは,深さ方向に10mm,方位方向に5mmに限定されるものではない。中央制御部3において,乳腺や前立腺,血管,肝臓などの部位,ずり波発生用の超音波ビームのキャリアの周波数,F値,焦点距離などに対する適切なフィルタGの大きさが図示しない記憶媒体から読み出され,測定位置選定部40における信号処理に用いられる。フィルタGの大きさは操作者によって図示しない入力媒体を介して入力されるようにしてもよい。
フィルタG44は,例えば画像処理技術において周知のフィルタであり,画像の輪郭を抽出するためのフィルタであるラプラシアンフィルタが用いられる。ラプラシアンフィルタを用いた画像処理により歪み画像41内の歪みが抽出される。また,歪み分布の輪郭が抽出されると,歪み画像41内の歪み情報は複数の領域に分割される。画像処理の結果として,例えば図4の(b)に示すように,複数の領域R(1),領域R(2),領域R(
3)が得られる。ここでは,説明を簡単にするため,領域の数を3つとしているが,領域の数は2以上の任意の整数である。領域複数の領域の中から,領域R(n)(n=1,2,3,・・・)が弾性率の計算領域ROI_e,すなわち,フィルタGより大きい領域を持つ領域R(n)が最適な弾性率測定の領域として選定される。
図4の(b)の例では,領域R(1)と領域R(2)は,適する弾性率測定の領域であり,領域R(3)は最適な弾性率測定の領域ではないと判断される。適する弾性率測定の領域の中から,弾性率測定に最適な領域R(n)が,中央制御部3に出力されるようになっている。すなわち,最適な領域R(n)は測定位置選定部40において,適切な領域の中から最も大きな面積を持つ領域が自動で選択されるようになっている。フィルタGは,ラプラシアンフィルタの他,周知のフィルタを適用することが可能である。
図3のステップS08では最適な弾性率測定位置や領域に基づいて決定された焦点位置に,変位生成用送波ビームである集束ビームを照射し,ずり波を発生させて,ずり波の伝搬速度を推定することにより,弾性率を計算する。
上述したとおり,ここでは,リニアアレイ型の超音波探触子1を被検体の体表面に接触させ,体内の目的断層面に変位生成用送波ビームを集束する場合について説明する。また,所望の断層面内において,変位生成用送波ビームの伝搬方向は体表に対して垂直な方向とした場合について説明する。
変位生成用送波ビームの焦点Fの位置は,測定位置選定部40で決定された最適な弾性率測定位置が中央制御部3に出力され,さらに,中央制御部3を介して,焦点Fの位置が焦点位置設定部12に入力されるようになっている。
カーネルKを作成して計算を行い,最適な弾性率測定位置が図4の(a)のP(x1,y1)と決定された場合,例えば,焦点Fの位置はF(x1−Δx,y1)に設定される。ここで,例えば,ΔxはROI_eの方位方向の幅の半分に相当する値,すなわち,ずり波の伝搬距離の半分に相当する値である。カーネルKの大きさが弾性率測定を行う領域ROI_eと同じ場合では,その方位方向のROI_eの長さがlxであるのでΔx=lx/2となる。この場合,カーネルKの左端に変位生成用送波ビームを照射し,+x方向に伝搬するずり波の変位を検出する。ここで,ずり波の変位方向はx軸に垂直な方向,すなわちy方向である。
フィルタGを用いて画像処理を行い,最適な領域R(n)を選定した場合,最適な弾性率測定位置はR(n)の重心位置P(x2,y2)と決定されとすると,焦点位置設定部12に入力される焦点Fの位置はP(x2−Δx,y2)となる。
最適な弾性率測定位置に対する焦点Fの位置へ変換する際,まず,中央制御部3において,乳腺や前立腺,血管,肝臓などの部位,ずり波発生用の超音波ビームのキャリアの周波数やF値等に基づいた最適な変換方法が図示しない記録媒体等から読み出され,次に,中央制御部3,あるいは処理部として機能する図示を省略した中央処理部において変換の演算が行われるようになっている。
変位生成用超音波のビームフォーミングは変位生成用送波ビーム生成部13で行われるようになっている。図5の(a),(b)に示すように,焦点と超音波探触子1の各素子100との位置の間の距離を求め,素子間での距離差を対象物の音速で割ることにより算出される遅延時間を素子毎に与えて送波を行うことにより実現する。図5の(a)と図5の(b)とを見るように,遅延時間の制御により焦点Fの位置を変更するこができることは言うまでもない。焦点Fに変位生成用送波ビームが照射されると,伝搬に伴う超音波の吸収や散乱に応じて放射圧が生じる。通常では焦点において放射圧が最大となり,焦点領域の生体組織に変位が生じる。また,変位生成用送波ビームの照射が止められると,変位量が緩和される。
図6に示すように,この放射圧の生成によって,集束点を起点として被検体表面と平行な方向にずり波が発生する。図6に見るように,焦点Fの位置が設定されると,ずり波伝搬の変位(数μm〜数十μm)の検波に用いるラスタとラスタ上のサンプリング点が決定される。各ラスタにおいて,変位検出用ビームの受信のPRF(Pulse Repetition Frequency:繰返し送信されるパルスの周波数)は,予想されるずり波の周波数に対してナイキスト定理を満たすように設定する。例えば,ラスタがずり波の変位の方向と同じ場合は,PRFをずり波の周波数の2倍以上とする。
領域ROI_e内でずり波の変位を検出する際,超音波送信の遅延時間と重み付け,および,エコー信号から電気信号への変換等の処理は第二超音波送受信部30,変位の演算はずり波変位演算部32で行われる。
ずり波の変位を検出するための超音波送受信は,上述した変位検波に用いるラスタで行われる。まず,変位生成用送波ビームの照射前に超音波送受信を1回行い,変位演算のための参照信号を取得する。次に,変位生成用送波ビームの照射直後からずり波がROI_e内を伝搬し終えるまでの時間,複数回超音波送受信を行い,複数の超音波信号を取得する。ずり波変位演算部32では,変位生成用送波ビームの照射後の複数の超音波信号と参照信号との相関演算が行われ,変位が計算される。
弾性率を演算する弾性率演算部34では,複数の時刻に計算された変位の情報が,ずり波の変位の時間波形の情報へと変換される。ずり波の伝搬方向に沿ったずり波の変位を観測する複数のラスタの位置x(n)(n=1,2,3,・・・)に対して,時間波形が得られる。各位置x(n)に対する時間波形において,ずり波の変位が最大となる時刻t(n)が存在する。x(n)とt(n)との関係式から,ずり波の伝搬速度cが推定される。例えば,ずり波の伝搬速度は図7に示すように,t(n)に対するx(n)をプロットしたときの線形一次近似直線101の傾きから推定される。さらに,ずり波の伝搬速度cをE=3ρcに代入して,弾性率(ヤング率)Eが算出される。ただし,ρは弾性率測定を行った組織の密度である。
本実施例においては,図3のステップS10において,弾性率画像が表示される。一般に,弾性率E,歪みε,応力σとの関係はE=σ/εの関係式で表される。したがって,歪みの分布ROI_s内の応力が一定であるとき,弾性率Eと歪みεは図8の曲線102で示すような反比例の関係となる。弾性率測定したROI_e内の歪みの平均値ε’とステップS08において計算された弾性率E’から応力が計算される。また,応力と従来方式で得られた歪み分布から,歪み分布に対応する弾性率の分布が計算される。歪み,および,歪みに対応する弾性率の情報,もしくは,E=σ/εの関係式で計算された応力の情報は中央制御部3を介して弾性率演算部34からカラースケール設定部50へと送信される。このとき,歪み,および,歪みに対応する弾性率の情報がカラースケール設定部50へ入力された場合,カラースケール部において応力が計算される。また,E=σ/εの関係式で計算された応力がカラースケール設定部50へ入力される場合には,中央制御部3において,歪み,および,歪みに対応する弾性率の情報とE=σ/εの計算式を用いて応力が計算される。応力の演算は,処理部として機能する中央処理部におけるプログラム実行などによって行われる。
第一の領域(領域1)であるROI_s内の歪みの分布に対応するROI_s内の弾性率の分布の演算はカラースケール設定部50で行われる。カラースケール設定部50では歪みのカラースケールが弾性率のカラースケールへ変換される。
図9に示すように,Bモード像45,弾性率画像46と弾性率の情報を示すカラースケール43が表示部7に表示される。弾性率画像46の表示範囲は先に示した歪み画像41の表示範囲と同じ範囲であり,カラーで表示される。カラースケール43の近傍には,カラースケール43で表される弾性率(絶対値)の最小値,最大値47等が表示される。有効な弾性率計測のROI_eが二箇所の場合に関して,図8を使った,弾性率の決定方法と,カラースケールの最小値,最大値の計算方法の詳細を説明する。まず,ROI1とROI2で,歪み分布の測定結果ε1とε2が求まる。次に同じ部位における弾性率E1とE2が求まる。この二点を通るE=σ/εを満たすσを決定する。すると図8の曲線を引くことが出来る。別途ROI_s内の歪の最大値εmax,最小値εminを求めると,今計算されたσを用いて,(すなわち図8の曲線に基づいて)EmaxとEminが求まる。このEmaxとEminを図9のカラースケールの最大値と最小値として用いれば,ROI_s内の弾性率の値は,全てカラースケール内で表示されることになる。ここではROI_eが二箇所の場合に関して説明を行ったが,三箇所以上ある場合でも,最小二乗フィッテイングなどの方法で最も確からしいσを求めることが出来る。このときσを空間上で均一と仮定したが,ROI_eが三箇所ある場合は,σを深さ方向に単調に減少させるなど,より精度を上げる工夫をすることが可能となる。また,ここではカラースケールとして弾性率を表示する場合に関して説明を行ったが,本手法を用いれば,弾性率以外にも,横波音速や,ポアソン比,など他の力学的な弾性に関連するパラメータを表示することも可能である。
以上のように,ハイブリッド方式では,硬さの相対値である歪み情報を含む画像が表示される第1の領域ROI_s内の全ての領域において,歪みの情報が硬さの絶対値(弾性率など)情報へと変換され,ROI_s内に硬さの絶対値の情報を含む画像が表示される。本実施例では,弾性率画像を表示するために行われる弾性率測定において,弾性率測定箇所が1箇所であるため,焦点付近の生体組織,および,超音波探触子1の温度上昇を小さくすることが可能である。また,硬さの絶対値を表す弾性率の測定範囲よりも広い領域において,弾性率の情報を画像化することが可能である。さらに,硬さの均一な場所を選定して弾性率を測定するため,1箇所の弾性率測定で,高精度に弾性率を測定することが可能である。
図3のステップS08で計算される硬さに関する値,およびステップS10で表示される硬さに関する値は,弾性率の他,ずり波の伝搬速度,ずり弾性率(=ρc)等の硬さの絶対値量とすることができる。
ステップS12でハイブリッド方式による診断を終了するか否かを判定する。ハイブリッド方式の終了の信号は,図示しない入力デバイス等を介して入力される。診断の終了を判定する時刻に終了の信号が入力されていれば,ステップS14でハイブリッド方式を終了する。ハイブリッド方式の終了後は,従来方式による歪み画像がBモード上に重畳されて表示されるか,もしくはBモード像のみが表示される。
図3のステップS12で診断を終了しない場合にはステップS02,もしくはステップS08に戻る。ステップS02に戻って,弾性率測定位置の選定を行う場合には,硬さの均一な部位を再度選択することが可能なので,測定の精度が向上し,また体動に対するロバスト性が向上する。一方,ステップS08に戻った場合には,信号処理時間の短縮と計算コストを削減することが可能である。しかし,毎回,同じ場所にずり波発生用の超音波ビームを照射するので,安全性はステップS02に戻った場合よりも低下する。
以上詳述した図3に示す処理フローでは,歪み画像の表示と弾性率画像の表示が交互に繰り返されている。ステップS08において,弾性率測定を同じ場所で行う場合,生体内の温度上昇を抑制するため弾性率測定を行う時間間隔は1〜2秒以上の時間間隔が必要とされる。これにより,弾性率画像のフレームレートは1以下となる。一方,ステップS02,S04で取得される歪み画像のフレームレートは通常10程度である。超音波画像のリアルタイム性を失わないためには,ステップS04で歪み画像を表示してからステップS10で弾性率画像を表示するまでの間,歪み画像を更新することが望ましい。例えば,歪み画像を10回更新した後に弾性率画像を1回更新するようにすればよい。このとき,歪み画像を更新している間にステップS06で選定した弾性率測定位置が撮像断面内でずれてしまう可能性がある。この弾性率測定位置のずれを防ぐため,弾性率測定位置は例えばMotion Correction(体動補正)法(H.Yoshikawa,et.al.,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.45,No.5B,p.4754,2006参照)を用いることによって,随時補正することが可能である。
また,図3の処理フローのステップS06で行われる弾性率測定位置選定において,信号処理を行った結果である歪み量の標準偏差Sや歪み量の最大値と最小値の差Max−minの分布を白黒,またはカラーで表示部7に表示し,操作者が表示された画像を見て,図示しない入力デバイス等を用いて弾性率測定位置を決定してもよい。操作者が手動で入力する場合には,血管等をさけて弾性率測定位置を決定することができる。別の弾性率測定位置の選定方法としては,信号処理を行わずにステップS04で表示された歪み画像を見て,操作者が図示しない入力デバイス等を用いて測定位置を決定してもよい。決定された位置情報は,中央制御部3へ入力される。また,操作者が測定位置を決定する際,表示部7に表示される歪み量,標準偏差,Max−minの白黒,または,カラーの階調を3〜256に制御できるようにしてもよい。階調は図示しない入力デバイス等を用いて変更される。階調を3とすることで,歪み量が均一な部位を選定しやすくなる。また,階調を256とすると,精密な測定部位の選定を行うことが可能になる。操作者が手動で弾性率測定位置を決定する場合には,測定位置選定部40を省くことが可能である。なお,カーネルKやフィルタGの形状として,上述した長方形の他,円形,楕円形,正方形,その他の幾何学形状が適用されうる。
ここまで,本実施例の超音波診断システムの測定位置選定部40での処理の結果は,中央制御部3へ送られる構成に関して説明をしてきた。本実施例の変形として,図21に示すようなシステム構成も実用的である。本変形システムでは,新たに弾性率測定位置演算部60と入力部61が追加されている。本変形例においては,測定位置選定部40での処理の結果が表示部7に表示され,この表示画像を参考にして,操作者が入力部61を介し,弾性率測定位置演算部60に弾性率測定位置の選定結果を入力する。
この変形実施例の場合は,測定位置選定部40は,ROI内の歪の均一度が最大な場所を最適部として表示するのではなく,ROI内の歪の均一度が一定の閾値を超えた部分すべてを弾性率測定位置推奨部として表示する。この推奨域の範囲の中から,操作者が入力部61を用いて入力した情報により,弾性率測定位置を決定する。閾値は,ROI内の歪の均一度が,均一度最大値に例えば0.8などの係数をかけて設定しても良い。また,画像内の場所毎に均一度を計算し,そのヒストグラムから閾値を決定する,統計的情報に基づいた手法を用いても良い。操作者が最終的に選ぶ構成をとることで,均一度以外の基準を弾性率測定位置の選定に加えることが出来る。その結果,例えば疾患と疑われる部分の近くを選ぶことや,骨など強力な超音波を当てたくない場所を避けることが可能となる。
更に,別の変形実施例を図22と23を用いて説明する。この例では,骨や血管など変性生成用の超音波を照射することを避けた方が良い部位をより精密に決定する方法である。例えば,図22の(a)に示す位置に変位生成用ビームの焦点を設定したとする。その場合,開口径と周波数から変位生成用送波ビームの形状が計算できる。これに生体の減衰率を推定した値を加えて,強力超音波に曝される位置を推定する。
図23に示したシステム構成では,この演算は,図21のシステム構成に更に追加された,変位生成用ビーム伝播経路推定部62によって計算される。次に,操作者が入力部61から入力した,骨などの照射を避けた方が良い位置と,強力超音波に曝される位置を,画像上で比較する。照射を避ける部位と変位生成用ビームの重なりが,一定の閾値を超えた場合,この変位生成用ビームの焦点位置は望ましくないと判定される。この操作を画像上全体で順番に行うと,弾性率計測に適した部位と,適さない部位を分けることが出来る。
この結果は例えば,図22の(b)の一点鎖線で示す領域のように画像上に表示することが出来る。この一点鎖線で示す領域は,照射を避ける部位から推定した弾性率計測推奨位置である。一方,歪の均一度から決定した弾性率計測推奨位置を図22の(b)に点線で示す。この二種類の弾性率計測推奨位置から,装置が最終的な弾性率計測位置を決定するか,操作者が弾性率計測位置を判断することが出来る。なお,変位生成用送波ビーム形状の推定は,一般的な減衰率を用いても良いし,第一超音波送受波部20でのエコー信号から推定した値を用いても良い。
なお,ここまでの説明では,測定対象は被検体内としたが,超音波探触子と被検体の間にカプラ(高分子ゲルなどの材料からない)などの弾性率が既知の材料を挟み,ROI_sはカプラを含むように設定,ROI_eの少なくとも1つはカプラ内に設定する方法も有効である。弾性率が既知な測定点を含めることで,測定精度を大幅に改善することが出来る。
また,ここまで均一度に関しては,多くの説明をしていないが,ROI_sの中での歪最大値と最小値の差の1〜10%程度以下である場合は,実効的に均一であると扱って良い。ROI_eの数が少ない時は,均一とみなすバラつき値は小さい方が望ましいが,ROI_eの数が大きい時は,最小二乗フィッティングによって,精度が担保されるので,多少ばらつきが多くでも有効な測定が可能となる。すなわち,本実施例,及び他の実施例において,均一とは実質的に均一であると扱えるほぼ均一の場合を含んでいる点留意されたい。
実施例2は,被検体に超音波ビームを送信し,エコー信号を受信する超音波探触子を用いる超音波診断装置であって,第一の変位検出用ビームを放射し,受波した被検体からのエコー信号に基づき,領域1内の歪み情報を演算する歪み演算部24と,被検体内に集束ビームを放射して,被検体内の組織を変位させる変位生成部と,第二の変位検出用ビームを放射し,受波した被検体からのエコー信号に基づき,集束ビームにより生じるずり波の変位を検出して,領域1の内部に含まれる領域2内の弾性率を検出する弾性率演算部34と,歪み情報に基づく歪み画像と弾性率を表示する表示部7と,歪み情報に基づき弾性率を検出する,少なくとも1つの弾性率検出位置を選定する測定位置選定部40を有し,測定位置選定部40は,歪みの分布が均一となる弾性率検出位置を1箇所選定し,集束ビームを照射する異なる2つの焦点位置が,選定された弾性率検出位置から決定される超音波診断装置に関する。
また,本実施例は,上記の超音波診断装置であって,変位生成部は集束ビームの送波時間を設定するビーム時間設定部14を有し,ビーム時間設定部14は,異なる2つの焦点位置に照射する集束ビームのON/OFF切替え周期が同じで,かつ,ON/OFF切替え周期が,周期または位相のチャープ信号となるように変化させながら送波時間を設定する超音波診断装置に関している。
すなわち,第2の実施例として,バーストチャープ法を用いた弾性率の計測をする超音波診断装置,超音波診断システムについて説明する。
図10に実施例2を実施するための超音波診断システムの全体構成の一具体例を示す。図1の実施例1のシステム構成と異なる構成部は,変位生成部10に,ビーム時間設定部14が追加され,かつ,弾性率演算部に代え,硬さスペクトル計算部35が設置されたことである。ずり波変位演算部32の出力は,硬さスペクトル計算部35に入力され,硬さに関する値が計算される。
この硬さスペクトル計算部35は,処理部として機能する中央処理部(Central Processing Unit:CPU)におけるプログラム実行により実現することができる。
図11,図12等を用いて,バーストチャープ法による変位生成用の集束ビームの送波方法について説明する。図11に示す,被検体組織の焦点F1と焦点F2にて,交互に変位を生じさせるように2つの変位生成用送波ビームを制御する。各焦点への変位生成用送波ビームの照射のON/OFFは中央制御部3において制御され,ON/OFFの切替え時間は新たに追加したビーム時間設定部14にて設定される。
図12に変位生成用送波ビーム,および,変位検出用送受信ビームのシーケンスを示す。ここでは,切替え周期Tmの値を大きい値から小さい値へスイープさせた場合,すなわち切替え周期TmとT(m+1)との間隔ΔTm(=T(m+1)−Tm)が負の定数のときの変位生成用送波ビームのシーケンスを示している。なお,本明細書において,この生成用超音波ビームの送波方法をバーストチャープ法と呼ぶ。一方,変位検出用送受信ビームの照射のON/OFFは中央制御部3が第二超音波送受信部30を制御することにより行われる。
初めの変位生成用送波ビームが照射される時刻をt= 0 とする。まず,変位検出用送受信ビームがON(=1)となり,参照信号が取得される。この参照信号はずり波変位演算部32におけるずり波変位の算出に用いられる。次に,焦点F2への変位生成用送波ビームがOFF(=0)の状態で,焦点F1への変位生成用送波ビームをON(=1)にして,焦点F1で変位が生じ,ずり波が伝搬する。焦点F1への変位生成用送波ビームは0≦t≦T1において,常にONの状態である。さらに次に,時刻t=T1のとき,焦点F1の変位生成用送波ビームがOFFとなる。このとき,焦点F2の変位生成用送波ビームがONとなり,焦点F2において変位が生じ,ずり波が伝搬する。焦点F1への変位生成用送波ビームがOFF,かつ,焦点F2への変位生成用送波ビームはT1≦t≦T1+T1において,ONとなっている。上記のシーケンスにおいて,2つの変位生成用送波ビームの切替え周期はT1である。2つの焦点への変位生成用送波ビームの照射が終了すると,次に,変位検出用送受信ビームがON(=1)となる。
変位生成用送波ビームのON/OFFの切替え周期Tmを変更して,2つの焦点への変位生成用送波ビームの照射と変位検出用送受信ビームの送受信を繰り返す。ここで,mは焦点F1と焦点F2がm回目にONとなる周期を表しており,m =1,2,3,・・・である。各焦点へのバースト信号の音響インテンシティの大きさは同じでもよいし,異なっていてもよい。変位生成用送波ビームの照射に伴い,焦点F1と焦点F2で発生したずり波は伝搬しながらお互いに干渉し合い,打消しあったり,増幅しあったりする。一方,各焦点では変位と同時に熱が発生する。
図11において,2焦点間の距離をdとする。dの値が小さくなる,すなわち,焦点F1と焦点F2との距離が近くなるにつれて,干渉する度合いは大きくなる。しかし,焦点の距離が近くなると,熱伝導によって焦点間の温度上昇Eが焦点での温度よりも大きくなり,安全性が低下する。逆に,dを大きくすると,温度上昇は抑えられ,安全性は向上するが,干渉の度合いが小さくなってしまう。したがって,dの最適値は温度上昇の最大値が各焦点での温度上昇の最大値と同等であり,かつ,波の干渉が起きる値である。したがって,最適値dは焦点の深さ,変位生成用送波ビームの照射時間,周波数,診断部位(生体の音速,超音波吸収,熱伝導率などに影響を与える)などに依存する。生体の熱伝導率は約0.6 W/m/Kであるので,照射時間が数1msのとき,焦点付近で温度上昇している範囲は,変位生成用送波ビームの幅と同程度であり,変位生成用送波ビームの幅と同等以上の距離dが必要である。ここでは,変位生成用送波ビームの幅は集束型トランスデューサのビーム幅にほぼ等しく,焦点位置における超音波のエネルギー密度が初めてゼロになる領域(円)の直径とする。
図15に距離dと温度上昇Eとの関係を示す。各焦点における温度上昇の波形104からわかるように,温度上昇は焦点位置において最大値となり,ビーム幅dよりも離れた場所ではゼロとなる。したがって,同図の中段と上段にそれぞれ示すように,距離dがビーム幅よりも等しいか大きい時,各焦点における温度上昇の最大値と,各温度上昇を足し合わせた全体の温度上昇の最大値E_maxは同じである。また,同図の下段に示すように,距離dがビーム幅よりも小さいとき,全体の温度上昇の最大値E_maxは,点線で示されている各焦点位置での温度上昇の最大値よりもΔEだけ増加する。したがって,距離dをビームの幅と同等以上とすれば温度上昇に関する安全性が保たれることがわかる。
ここで,測定する際の最適値dの設定について説明する。例えば,肝臓の診断の場合,焦点深度が4cm,F値が1,キャリア周波数が2MHzのとき,ビーム幅は1.8mmとなる。ただし,F値は焦点深度/開口径,ビーム幅は(2.44*F値*キャリア信号の波長)として計算する。また,ビームの照射時間,すなわち切替え周期の平均値を180μs,ずり波の伝搬速度が1m/sのとき,ずり波の波長λは約0.2mmである。さらに,このキャリア周波数において,実験データにより検波可能なずり波の伝搬距離の最大値はおよそ6mmである。これらの値から,dの値は,ビーム幅,最大伝搬距離,ずり波の波長を用いて,10λ<d<30λとなるように設定する。同様に,乳部の診断の場合,焦点の深さが2cm,F値が1,キャリア周波数が7MHzのとき,ビーム幅は0.5mmと計算される。切替え周期の平均値が110μs,ずり波の伝搬速度1m/sであるとき,ずり波の波長λは約0.1mmである。また,このキャリア周波数において,実験データにより検波可能なずり波の伝搬距離の最大値はおよそ3mmである。したがって,5λ<d<30λとなるようにdを設定する。中央制御部3により,この値dは図示しないメモリから読み取られて,焦点位置設定部12に設定される。さらに,設定したdの値と予測されるずり波の伝搬速度の値から,切替え周期に関する値が決定される。
先に述べたとおり,実施例2では切替え周期を変化させながら,2つの焦点で生じたずり波が干渉して振幅が大きくなるときの切替え周期を求め,弾性率の測定を行う。干渉波が増幅する条件について説明する。切替え周期Tmの逆数を切替え周波数(繰り返し周波数)fmと表わし,fm= 1/Tmとする。ここで,干渉波が増幅して変位量の絶対値がピーク値(極大値)となる条件は,2焦点の距離dが波長λの(n+1/2)倍となった場合であり,図13の曲線103,および,数式1で表わすことができる。このときの切替え周波数fmをfM(n)で表わす。
k*d =(2πfM(n)/c)*d = 2π(n+1/2)‐‐‐(数式1)
ただし,kは波数(=2π/λ),cはずり波の伝搬速度,nは0もしくは正の整数(n=0,1,2,・・・)である。ずり波の伝搬速度は,組織性状に固有の値である。
ピーク値となる切替え周期Tmの値をTM(n)とすると,TM(n)=1/fM(n)であるので,数式1から数式2のように導出される。
TM(n)= d/c*(2/(2n+1)) ‐‐‐(数式2)
例えば,n=1, d=2[mm]であるとき,c=1[m/s]ではTM(1)=1.3[ms](fM(1)=750[Hz])となり,c = 5[m/s]では,TM(1)= 0.3[ms](fM(1)=3.8[kHz])となる。先に記述したように,ずり波の伝搬速度cは組織の硬さに依存し,硬いほどcは大きくなるので,TM(n)の値から,ずり波の伝搬速度,および,弾性率等の組織の硬さを推定することが可能となる。変位生成用送波ビームのON/OFF切替え周期であるTmは,数十Hz〜数kHzの範囲で制御するのが望ましい。また,大きなnに対するTM(n)から硬さを推定した方が,変位生成用の集束ビームの合計照射時間を短縮することができ,温度上昇を抑制することができる。温度上昇を抑制するため,各焦点への変位生成用送波ビームの合計照射時間が1ms以下となるように,各焦点への変位生成用送波ビームの照射のON/OFFが中央制御部3において制御されることが望ましい。
また,本技術では,変位生成用送波ビームのキャリア信号の周期ではなく,ONとOFFの時間制御により弾性率の測定をしていることが特徴である。したがって,キャリアの周波数を高くすることで,ビームの幅が狭く,高い空間分解能で撮像ができる。
硬さスペクトル計算部35では,ずり波変位演算部32からの出力信号に対してスペクトル解析をして,振幅値が最大値となるfMとそれに対応するTMを算出し,ずり波の伝搬速度,弾性率,ずり弾性率等の硬さに関する値を計算する。
本技術を用いると,各焦点に対する音響インテンシティが等しい場合,1つの焦点のみに変位生成用送波ビームを照射した場合に比べて,2つの焦点から発生するずり波を干渉させた場合の方が,より大きな変位を得ることができる。
図16に,1つの焦点から発生するずり波の信号波形,および2つの焦点から発生するずり波の干渉波形を示す。ここで,1つの焦点に変位生成用送波ビームを照射し,ずり波の変位を観測できる時の最小の振幅を1とする。例えば,図16の(a)のように,各焦点への変位生成用送波ビームによって発生するずり波の振幅が1のとき,切替え周期がTMのとなったとき,図16の(b)に示すように,干渉波の振幅は干渉前の振幅よりも大きくなり(理想的には2倍),送波に対する変位の生成効率,すなわち送波感度が高くなる。また,安全性を重視したい場合には,図16の(c),(d)に見るように,振幅0.5とすることにより,各焦点への変位生成用送波ビームの音響インテンシティを小さくする。干渉する前のずり波の振幅が1より小さいとき,ずり波の変位を測定することができない。しかし,干渉する前のずり波の振幅が0.5より大きい場合では,切替え周期がTMのとき干渉波の振幅は大きくなり(理想的には2倍),振幅が1以上となるので変位を検出することができる。
また,周波数や変位生成用送波ビームの形状などが同じ場合,上述した変位生成用の変位生成用送波ビームの振幅を制御して音響インテンシティを小さくする方法の他,変位生成用送波ビームがONとなる時間Tmのうち,最後のn%(nは正の実数)だけOFFとなる時間を設けて,安全性を向上させる方法もある。この場合,OFFとなる時間を設けても切換え周期Tmは変わらないことに注意する。
図14に示すように,変位検出点の設定は観測点Aのような場所に設定し,極力,観測点Bのように変位が極小となる場所を取らないように工夫する必要がある。これは変位生成用送波ビームの照射のONが一度だけのような過渡的な現象を観察する場合には,この考慮はそれほど重要では無い。しかし2焦点を音源とするずり波の干渉を用いる場合,変位量の絶対値(=振幅値)の極大点と極小点が交互に分布するので,変位をモニタリングするラスタは変位量の絶対値の極大点となると推定される場所を選ぶか,もしくは複数点モニタリング点を設定し,極大点が観測点に含まれるような工夫をする。複数点モニタリングする場合には,極大点での変位と極小点における変位の絶対値の差分値を変位量としてもよい。
図17を用いて実施例2におけるハイブリッド方式の処理フローについて説明する。ステップS00〜S04,および, ステップS10〜S14は実施例1における図3の処理フローと同じであるので説明を省略する。ステップS06とステップS08は実施例1と異なる処理についてのみ説明する。
ステップS06では,焦点F1と焦点F2の位置が設定される。2焦点の位置は,例えば,2焦点の中心点(ここでは各組の2焦点間を結ぶ直線の中心点とする)がPOI(Point of Interest)として設定され,さらに,2焦点間の距離が設定される。ここで,2焦点間の距離は,先述したとおり,2つのずり波が干渉し合う距離よりも小さく,また,各焦点に照射される変位生成用送波ビームの幅よりも大きい値とする。
例えば,最適な弾性率測定位置が図4の(a)のP(x1,y1)と選定された場合,POIの座標はPOI(x1,y1)と決定され,また,距離はlxと決定される。POIと距離の情報は焦点位置設定部12に設定される。このとき,2焦点の座標は,F(x1−Δx,y1)とF(x1+Δx,y1)である。ただし,Δx=lx/2である。
また,フィルタGを用いて画像処理を行い,最適な領域R(n)を選定した場合,最適な弾性率測定位置がR(n)の重心位置P(x2,y2)と選定された場合,POIの座標はPOI(x2,y2)と決定され,また,距離はlxと決定される。POIと距離の情報は焦点位置設定部12に設定される。
距離が設定されると,予想されるずり波の速度から,数式1や数式2のnの値や最適な観測点が決定する。ここで,観測点は,ずり波の伝搬距離内において,ずり波の変位の絶対値の極大点,または極大点を含む複数位置に基づいて決まる。観測点は図示しない記憶媒体から読み出され設定される。また,観測点上でのずり波伝搬の振幅(数μm〜数十μm)の検波に用いるラスタとラスタ上のサンプリング点が決定される。各ラスタにおいて,変位検出用ビームの受信のPRF(Pulse Repetition Frequency:繰返し送信されるパルスの周波数)は,予想されるずり波の周波数に対してナイキスト定理を満たすように設定する。例えば,ラスタがずり波の変位の方向と同じ場合は,PRFをずり波の周波数の2倍以上とする。決定したnや観測位置を画面に表示するようにしてもよい。
ステップS20では,2焦点への変位生成用送波ビーム照射の切替え周期の初期値Tstart,最終値Tend,および間隔ΔTを設定する。初期値Tstart,最終値Tendは,測定部位や2つの焦点間の距離dに対して数式1や数式2を満たす範囲でピークが得られる値を設定する。初期値Tstart,最終値Tend,および間隔ΔTは,中央制御部2において,測定部位,深度,焦点間の距離などに応じて,図示しない記憶媒体から読み出されビーム時間設定部
14に設定される。
次に,ステップS22において,ずり波伝搬の振幅の検波をするラスタ上において,ずり波の変位検出の際に行う相関演算に使用する参照信号を取得した後,T1=Tstartの切替え周期でバーストチャープ信号を送信し,2つの焦点でずり波を発生させる。
ステップS24では,ずり波伝搬の振幅の検波をするラスタ上において,ずり波を検波するための超音波信号を受信する。各測定点での変位検出は,バーストチャープ信号がOFFとなってから,すべての観測点においてずり波が到来して通り抜けるまでの間,常に検出してもよいし,また,ずり波が到来して通り抜けるまでの時間を,予め焦点と観測点との距離と推定されるずり波速度から求めておき,その時間だけ検出するようにしてもよい。後者の方が,PRFを高くすることができるので,高精度な変位検出が可能である。受波信号に対して,第二超音波送受信部30において,バンドパスフィルタなどの信号処理でfmに相当する信号を抽出したあと,ずり波変位演算部32において,周知されている相関演算等を行いずり波の変位を計算する。相関演算は,参照信号と変位検出用ビームにより受信した時間毎のエコー信号を用いて行われる計算である。この計算により,各観測点におけるずり波振幅の時間波形が得られる。
ステップS26では,直前の切替え周期TmがTendかどうかを判定する。Tendではなければ,ステップS22に戻って,次のTm+1の切替え周期でバーストチャープ信号を送信する。ステップS22において,再び参照信号を取得する場合,測定中の焦点位置のずれによる相関演算のロバスト性が大きい。また,Tm+1の切替え周期以降のバーストチャープ信号の送信については,参照信号の取得を省き,1番始めに取得した参照信号を用いて相関演算を行うようにすれば,測定時間を短縮することができる。
Tendの場合は,図17のステップS08において,硬さスペクトル計算部35において,ずり波の伝搬速度,弾性率,ずり弾性率等の硬さに関する値が計算される。図17のステップS12で診断を終了しない場合にはステップS02,ステップS08,ステップS20,もしくはステップS22に戻る。
以降,バーストチャープ法による弾性率の測定方法のバリエーションについて述べる。
図13のように1組の2焦点の弾性率測定に対して,ピークが複数個観測できる場合には,複数個の切替え周期TM(n)から数式2を用いて算出した複数個のcの値の平均値から推定することも可能である。また,ピークとなる切替え周期TM(n)の間隔ΔTM=TM(n+1)−TM(n)から弾性率を推定したり,もしくは,複数個の切替え周期の間隔ΔTMの平均値から弾性率を推定したりすることも可能である。ここで,ΔTMは数式2から数式3のように導出される。
ΔTM=d/c*(−4/((2n+1)*(2n+3)))‐‐‐(数式3)
また,2焦点への変位生成用送波ビームのON/OFFが交互になるように制御したが,同時にON/OFFとなるように制御して同時刻に変位を生じさせることも可能である。この場合は,干渉波が増幅してピーク値を持つ条件はdが波長λの(n+1)倍のときであるので,数式1に対応して,数式4のようになる。
k*d= (2πf/c)*d = 2π(n+1) ‐‐‐(数式4)
高精度な弾性率の測定方法として,1回目に,切替え周期の間隔ΔTを粗く設定して測定し,TMを求め,次の測定で,TMの付近の切替え周期でΔTをより細かい設定にしてより詳細なTMの値を求めるようにしてもよい。
また,各切替え周期Tmについて1回のON/OFF制御で次の切替え周期T(m+1)へ変更するのではなく,同じTmに対して数回ON/OFFを繰り返した後に次の切替え周期に設定するようにしてもよい。同じTmに対して数回ON/OFFを繰り返すことにより,より感度の高い測定が可能となる。
Tmの値を大から小に変化させたが,逆に小から大に変化させることも可能であるし,ΔTmは固定値以外にも,等比級数など,任意の関数に基づいて変更することも可能である。
さらに,ピーク値(極大値)から弾性率を推定する方法について説明したが,極小値を用いてもよい。その場合,図13において,kd=2π,3π,・・・の値を用いる。また,極大値と極小値の間隔から推定することも可能である。極大値と極小値の間隔は,数式3で示されるピーク値の間隔ΔTMの1/2倍となるので,ピーク値の間隔を測定するよりも時間を短縮することができる。
さらに,2つの焦点に集変位生成用送波ビームを照射する方法について説明したが,生体内の1つの直線上に,等間隔に2つ以上の複数の焦点を設定し(例えば4個),1つおきの各焦点に対して焦点F1または焦点F2と同じシーケンスで変位生成用送波ビームを照射する(例えば,4つの焦点に対して,端から順に図12の焦点F1のシーケンス,焦点F2のシーケンス,焦点F1のシーケンス,焦点F2のシーケンス)ことも可能である。これによって,干渉し合う波の数が増えるので,さらに安全性を保ちながら感度を向上させることができる。
さらに,切替え周波数を固定して,焦点間の距離dを変化させて測定する方法も考えら得られる。この方法では,変位生成用送波ビームの集束位置を変化させることができるので,より安全な測定が可能となる。
また,バーストの切替え周波数fmを切り替えてビームを送信する代わりに,複数のfmを含むランダム波を用いることにより,変位生成用送波ビームの照射,および変位検出用ビームの送受信を1回とすることもできる。ずり波の変位計算後にスペクトル解析を行い,複数のfmに対する変位を計算する。これにより,測定時間を短くすることができる。
また,焦点数を3つ以上にした場合においても,バーストチャープ法を適用すれば,波の干渉性を利用することにより,各焦点で音響インテンシティを保ったまま,ずり波の変位を大きくすることが可能になり,したがって,安全性やずり波変位検出感度を向上させることが可能になる。焦点数が大きくなるほど,バーストチャープ法の効果は大きくなる。
次に,第3の実施例として,実施例1と実施例2を組み合わせたハイブリッド方式について説明する。図示しない実施例3のシステム構成は,図1のシステム構成に,図10のビーム時間設定部14,および,硬さスペクトル計算部35が追加された構成となっている。ずり波変位演算部32からの出力信号は,並列に設置された弾性率演算部34と硬さスペクトル計算部35の両方に入力される構成になっている。また,中央制御部3はビーム時間設定部14,および硬さスペクトル計算部35の両方に接続されている。並列配置された弾性率演算部34と硬さスペクトル計算部35は,操作者によって,どちらか一方を選択して使用する。本明細書において、弾性率演算部34、硬さスペクトル計算部35を、弾性率演算部と総称する場合がある。
実施例3では,図17に示した,ハイブリッド方式の処理フローのステップS08において,実施例1で説明した方法(すなわち,ずり波の観測位置x(n)とずり波の変位が最大となる時刻t(n)との関係),および,実施例2で説明したバーストチャープ法のいずれかの方法で弾性率測定を行う。どちらの方法で弾性率測定を行うかは,例えば,操作者によって図示しない入力デバイス等を用いて決定される。また,別の方法では,例えば,ステップS06で選定された弾性率測定位置の深さ,ずり波生成用の超音波ビームのキャリア周波数,ずり波生成用の超音波ビームのF値(=焦点距離/開口径),ずり波生成用の超音波ビームの照射時間,測定部位(乳腺,肝臓,前立腺,血管等)等 によって自動で決定される。自動で決定される場合は,中央制御部3において,弾性率測定位置の深さ,ずり波生成用の超音波ビームのキャリア周波数,測定部位に応じた最適な弾性率の測定方法が図示しない記憶媒体から読み出されるようになっている。実施例1と実施例2を組合せることにより,例えば,より安全な測定が必要な部位(血管の近く等),もしくは,超音波探触子1の使用できるチャンネル数が少なく照射する集束超音波ビームの音響インテンシティがある閾値より小さい際に,バーストチャープ法を適用したりすることが可能となる。
ずり波生成用の超音波ビームの照射時間がある閾値より小さい場合,ずり波生成用の超音波ビームのF値がある閾値より大きい場合,弾性率測定位置の体表からの深さがある値より大きい場合,もしくは,これらの値とずり波生成用の超音波ビームのキャリア周波数との関数で表される値がある閾値より大きい場合,バーストチャープ法が適用される。
実施例4は,被検体に超音波ビームを送信し,エコー信号を受信する超音波探触子を用いる超音波診断装置であって,第一の変位検出用ビームを放射し,受波した被検体からのエコー信号に基づき,領域1内の歪み情報を演算する歪み演算部と,被検体内に集束ビームを放射して,被検体内の組織を変位させる変位生成部10と,第二の変位検出用ビームを放射し,受波した被検体からのエコー信号に基づき,集束ビームにより生じるずり波の変位を検出して,領域1の内部に含まれる領域2内の弾性率を検出する弾性率演算部34と,歪み情報に基づく歪み画像と弾性率を表示する表示部7と,歪み情報に基づき弾性率を検出する,少なくとも1つの弾性率検出位置を選定する測定位置選定部40を有し,測定位置選定部40は,歪みの分布が均一となる弾性率検出位置を複数箇所選定し,集束ビームを照射する少なくとも1つの焦点位置が,測定位置選定部40において選定された複数箇所の弾性率検出位置から決定される超音波診断装置に関する。
すなわち,実施例1〜実施例3では,測定位置選定部40から出力される弾性率測定を行う最適な位置は1つであったが,第4の実施例では,測定位置選定部40から出力される弾性率測定を行う最適な位置が複数である超音波診断装置の構成の一具体例について説明する。
実施例4では,カーネルKを作成して弾性率測定位置の選定を行う場合,歪みの標準偏差S(x,y)がある閾値以下となるカーネルKの位置P(x,y)の全てが測定位置選定部40から出力されるようになっている。また,カーネルKを作成して歪み量の最大値と最小値の差の計算を行う場合,歪み量の最大値と最小値の差Max−min(x,y)がある閾値以下となるカーネルKの位置P(x,y)の全てが測定位置選定部40から出力されるようになっている。また,フィルタGを作成して画像処理を行う場合,フィルタGより大きい領域を持つ領域R(n)の全てが測定位置選定部40から出力されるようになっている。閾値は,中央制御部3によって図示しない記憶媒体等から読み出されるか,もしくは,操作者によって図示しない記録媒体を介して入力される。
図18に示すように,測定位置選定部40から出力される位置PがP(x1,y1),P(x2,y2),P(x3,y3)の3つの場合について説明する。測定位置選定部40から出力される位置Pの数は3つに限られず,2以上の整数である。実施例4では,測定位置選定部40において,位置P同士の距離L1,L2,L3が計算され,位置情報と共に距離の情報も中央制御部3に出力されるようになっている。中央制御部3では,3つの位置Pに対する焦点位置Fを焦点位置設定部12に出力する。このとき,中央制御部3から出力される焦点位置の順序は焦点間の距離の大きさによって制御される。図18の例では,L3>L2>L1である。中央制御部3は前後する時刻に出力する2つの焦点位置F間の距離が大から小となるように,出力する3つの焦点位置Fの順序を決定する。実施例4におけるハイブリッド方式では,3つの集束位置に対して1箇所ずつ弾性率の測定を行い,1回の弾性率の測定が行われる度に弾性率画像を更新する。
図18の例を用いて,実施例4におけるハイブリッド方式の処理フローについて説明する。ここでは,実施例1に適用した場合について説明する。また,実施例1と異なる部分のみについて説明する。また,位置P(x1,y1),P(x2,y2),P(x3,y3)に対して決定された焦点FをF(x1−Δx,y1),F(x2−Δx,y2),F(x3−Δx,y3)とする。
図3のステップS06において,上述した3つの位置が選定され,また距離が演算される。次に,図3のステップS08において,中央制御部3から焦点位置設定部12に焦点F(x1−Δx,y1)が出力され,焦点F(x1−Δx,y1)に変位生成用送波ビームである集束ビームが照射されて弾性率測定が行われる。ステップS10で弾性率画像が表示された後,ステップS12で測定が終了されなかった場合,ステップS08に戻り,次にF(x3−Δx,y3)が中央制御部3から焦点位置設定部12に出力され,焦点F(x3−Δx,y3)に集束ビームを照射して弾性率測定が行われる。
ステップS10で弾性率画像が表示された後,ステップS12で測定が終了されなかった場合,ステップS08に戻り,次にF(x2−Δx,y2)が中央制御部3から焦点位置設定部12に出力され,焦点F(x2−Δx,y2)に集束ビームを照射して弾性率測定が行われる。ステップS10で弾性率画像が表示された後,ステップS12で測定が終了されなかった場合,ステップS02に戻っての歪み分布の測定が行われ,再度,ステップS06において複数の弾性率測定位置が選定される。このとき,複数の弾性率測定位置を再度選定するのではなく,先の時刻に選定された3つの位置を使用するようにしてもよい。
このように,ステップS06において弾性率測定を行う位置を複数個所選定することによって,計算時間や測定時間の短縮が可能となる。また,弾性率測定をする時刻が前後する2つの弾性率測定位置において,2番目以降の位置は,前の時刻に照射された焦点位置から距離が離れている位置が選択されるため,それぞれの位置に対応する焦点位置に集束ビームを照射するときに生じる温度上昇が他の焦点位置の温度上昇に及ぼす影響を最小限にすることが可能である。また,連続して同じ場所に集束ビームを照射しないので,局所的な熱の温度上昇を小さくすることが可能である。
以上の説明においては,実施例1に適用した場合について説明したが,実施例2,実施例3の場合においても同様に,出力される焦点位置の順序が制御される。
実施例5では,実施例1〜実施例3における別の弾性率測定位置選定方法について説明する。ここでは,実施例1のシステム構成を前提にして説明する。また,カーネルKとフィルタGの大きさが弾性率測定を行う領域ROI_eと同じ場合について説明する。
実施例5では,図19の(a)に示すように,カーネルKまたはフィルタGの大きさはy方向に半分に縮小されて,弾性率測定位置を選定するための信号処理が行われる。ここで,+y方向は変位生成用送波ビームである集束ビームの伝搬方向であり,+x方向はずり波の伝搬方向である。先に述べたとおり,ROI_eのy方向の長さは,変位生成用ビームの深さ方向の幅で決定される。y方向の大きさが半分に縮小されたカーネルK,または,フィルタGをカーネルK’,または,フィルタG’と呼ぶ。カーネルK,または,フィルタGの深さ方向の長さがly,方位方向の長さがlxのとき,カーネルK’,または,フィルタG’の深さ方向の長さはly/2,方位方向の長さはlxとなる。深さ方向の長さは望ましくは,変位生成用送波ビームの深さ方向の幅の1/2の値である。
カーネルK’を作成して計算を行う場合,歪みの標準偏差S’(x,y)がある閾値以下となるカーネルK’の位置P’(x,y)の全てが計算によって導出される。また,カーネルK’を作成して歪み量の最大値と最小値の差の計算を行う場合,歪み量の最大値と最小値の差Max−min(x,y)がある閾値以下となるカーネルK’の位置P’(x,y)の全てが計算によって導出される。また,フィルタG’を作成して画像処理を行う場合,フィルタG’より大きい領域を持つ領域R’(n)(nは正の整数),及びR’(n)の重心位置P’(x,y)の全てが画像処理によって導出される。閾値は,中央制御部3によって図示しない記憶媒体等から読み出されて自動で設定されるか,もしくは,操作者によって図示しない記録媒体を介して入力されて手動で設定される。
カーネルK’,または,フィルタG’を用いて信号処理して弾性率測定位置P’(x,y)が計算された後,測定位置選定部40において,深さ方向にカーネルK’,または,フィルタG’が連続するような2つの位置P’(x,y)が探索される。例えば,2つの位置P’ (x,y)は1つの位置がP1’(x’,y’)のとき,もう一方の位置はP2’(x’,y’+ly/2)である。深さ方向にカーネルK’,または,フィルタG’が連続するような2つの位置が見つかった場合,連続する2つの位置情報P1’(x’,y’),P2’(x’,y’+ly/2)が測定位置選定部40から中央制御部3に出力される。また,中央制御部3では,位置P1’とP2’に基づき焦点の位置F’が計算される。
図19の(a)に示すようにF’のx座標はx’−lx/2であり,y座標はy’+ly/4である。ここで,lx/2はずり波の伝搬距離の半分の距離に相当する値である。また,y’+ly/4は位置P1’とP2’のy座標の中点,すなはち,弾性率測定を行う領域ROI_eの深さ方向の長さの半分に相当する値である。焦点F’の情報は焦点位置設定部12に入力され,焦点F’に変位生成用送波ビームが照射される。また,焦点F’からx方向に伝搬するずり波の変位が検出される。
弾性率演算部34において,ROI_e内の弾性率が計算される際,焦点F’より浅い場所の弾性率,および,焦点F’よりも深い場所の弾性率の2つの弾性率が計算される。実施例5では,1箇所あたりの弾性率測定で,図20に示すように2つの歪みε’,ε’’と,これらの歪みに対応する2つの弾性率E’,E’’との関係を調べることが可能である。従って,2組の歪みと弾性率から,2つの応力が計算される。上述したようにカラースケール設定部50において,歪みのカラースケールが弾性率のカラースケールへ変換される。2組の歪みと弾性率の対応を把握することで,ε’とε’’の間の歪みに関する弾性率の推定がE’とE’’から内挿補間で求めることが出来る。同様に,求めたい歪みがε’とε’’の間にないときは,外挿補間でもとめることも可能である。2つの応力から内挿や外挿などの線形補間した値を用いることによって,変換の精度を向上させることが可能である。一般的には外挿より内挿のほうが精度が良いので,ε’とε’’はなるべく異なる値であるほうが,広い範囲で弾性率の推定精度が向上する。そのためには,図では2つのROIが隣接する場合で説明を行ったが,空間的に離れていても良い。一回のずり波の生成で,2つのROIをずり波が伝播すればよいのである。勿論既に記述したように,ずり波の発生箇所と計測箇所があまり離れてしまうと,信号対雑音比が低下してしまうので,ROIの設定の仕方には,この2つの観点(歪みが異なることと,信号対雑音比)を考慮する必要がある。また,2つの歪みε’,ε’’と,これらの歪みに対応する2つの弾性率E’,E’’との関係をE=σ/εで表される曲線にフィッティングさせて応力の値1つを計算するようにしてもよい。フィッティング処理は,カラースケール設定部50,もしくは,中央制御部3で行われ,フィッティングの演算は図示しない中央処理部のプログラム処理で行われる。深さ方向に連続する2つのカーネルK’,または,フィルタG’が存在しない場合,カーネルやフィルタの大きさ,または,閾値が自動または手動で変更される。また,深さ方向に連続する2つのカーネルK’,または,フィルタG’が存在しない場合,カーネルK,フィルタGを用いて,再度信号処理を行って弾性率測定位置を選定し,実施例1,実施例2,実施例3の方法で弾性率測定が実施されるようにしてもよい。
ここまで実施例1のシステムに基づき説明したが,実施例2,実施例3においても同様の方法で適用可能である。また,カーネルの大きさを深さ方向に半分とする以外に,1/m(mは正の整数)と縮小することも可能である。1/m(mは正の整数)に縮小すると,弾性率演算部34で計算される,弾性率と歪みの組がm倍になるので,平均化して計算される応力の精度を向上させることが可能である。弾性率測定の際にハイブリッド方式を適用する場合,2焦点の位置は,例えば図19の(a)のF’(x’−lx/2,y’+ly/4),F’’(x’+lx/2,y’+ly/4)に設定される。
さらに,図19の(b)のようにx方向,すなわち,ずり波の伝搬方向にカーネルKやフィルタGの大きさを半分に縮小するようにしてもよい。このとき,縮小されたカーネルK’やフィルタG’の方位方向の長さは望ましくは,ずり波の伝搬距離の1/2の値である。
ずり波の伝搬方向にカーネルKやフィルタGの大きさを半分に縮小する場合,ハイブリッド方式を用いて弾性率を測定する際に,それぞれのnに対し,ピーク値となる切替え周期Tmの値であるTM(n)の値は2つとなる。これは,2つの焦点の間に2種類の異なるずり波の伝搬速度を持つ媒質が存在するためである。ここで,数式2のように,TM(n)はずり波の伝搬速度に反比例する。また,ずり波の伝搬速度は歪みが小さいほど速くなるので,歪みが小さい領域において,より小さなTM(n)が得られる。したがって,2つの領域の歪みとずり波速度,すなわち,歪みと弾性率を識別することが可能となる。
各実施例の測定対象である被検体は,例えば,肝臓,乳腺,血管,前立腺などの生体が挙げられる。各実施例は,ずり波を用いた弾性率計測と歪カラー画像を合成する手法であるが,歪カラー画像の取得が,弾性率計測に先立った行われることが,特徴の一つである。歪カラー画像の取得を先に行うことで,弾性率計測に適した場所を選ぶことが可能となり,弾性率計測の精度と,弾性率計測に基づいた合成画像の精度を大きく向上することが出来る。
以上,本発明の種々の実施例について説明してきたが,本発明はこれらの実施例に限定されるものなく,様々な変形例が含まれうることは言うまでもない。上述した実施例は本発明のより良い理解のために説明したものであり,本発明はそれに限定されるもので無い。また,ある実施例構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり,ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。例えば,実施例4と実施例5を組合せることも可能である。
また,各実施例において,ずり波を生成する際,超音波集束ビームの代わりに,機械駆動(DCモータ,振動ポンプなど),手動圧迫,電気パルスによる圧迫,心臓や血管等の生体組織の動き等の周知の方法を用いてもよい。また,リニアアレイ型の探触子の代わりに2次元探触子を使用してもよい。また,超音波探触子1の各素子は,例えばセラミック,高分子を材料とする圧電素子,シリコンの静電気力を利用した振動子等に変更してもよい。
また,変位生成用送波ビームを変位生成用送波ビームの伝搬方向に沿った複数個所に照射することによって,ずり波の平面波を生成し,ずり波の伝搬距離を長くすることも可能である。また,変位の検出において,相関演算の他,相互相関演算,最小二乗和,ドプラ法などの周知の計算方法を用いて変位の計算が行われるようにしてもよい。
なお,上述した各実施例の構成,機能,処理部等は,それらの一部又は全部を専用のハードウェア構成,あるいはソフトウェア構成,あるいはそれらを共用した構成としても良いことは言うまでもない。
以上種々の実施例を詳述したが,本明細書は,特許請求の範囲に記載した請求項の発明以外に種々の発明を含んでいる。
1…超音波探触子,
2…送受切替スイッチ,
3…中央制御部,
4…カラーDSC,
5…白黒DSC,
6…合成部,
7…表示部,
10…変位生成部,
11…変位生成用送波波形生成部,
12…焦点位置設定部,
13…変位生成用送波ビーム生成部,
14…ビーム時間設定部,
20…第一超音波送受信部,
22…変位演算部,
24…歪み演算部,
30…第二超音波送受信部,
32…ずり波変位演算部,
34…弾性率演算部,
35…硬さスペクトル計算部,
41…歪み画像,
42…カーネルK,
43…弾性率カラースケール,
44…フィルタG,
45…Bモード像,
46…弾性率画像,
47…弾性率(絶対値,最大−最小),
40…測定位置選定部,
50…カラースケール設定部,
60…弾性率測定位置演算部,
61…入力部,
62…変位生成用ビーム伝搬経路推定部,
100…超音波探触子1の各素子。

Claims (15)

  1. 被検体に超音波ビームを送信し,エコー信号を受信する超音波探触子を用いる超音波診断装置であって,
    第一の変位検出用ビームを放射し,受波した前記被検体からのエコー信号に基づき,領域1内の歪み情報を演算する歪み演算部と,
    前記被検体内に集束ビームを放射して,前記被検体内の組織を変位させる変位生成部と,第二の変位検出用ビームを放射し,受波した前記被検体からのエコー信号に基づき,前記集束ビームにより生じるずり波の変位を検出して,前記領域1の内部に含まれる領域2内の弾性率を検出する弾性率演算部と,
    前記歪み情報に基づく歪み画像と前記弾性率を表示する表示部を有する,
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1に記載の超音波診断装置であって,
    前記歪み情報に基づき,前記弾性率を検出する,少なくとも1つの弾性率検出位置を選定する測定位置選定部を更に有し,
    前記集束ビームを照射する少なくとも1つの焦点位置が,前記測定位置選定部によって選定された少なくとも1つの前記弾性率検出位置から決定される,
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項2に記載の超音波診断装置であって,
    前記測定位置選定部は,歪みの分布が均一となる弾性率検出位置を1箇所選定し,
    前記集束ビームを照射する異なる2つの前記焦点位置が,選定された前記弾性率検出位置から決定される,
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項3に記載の超音波診断装置であって,
    前記変位生成部は前記集束ビームの送波時間を設定する送波ビーム時間設定部を有し,
    前記送波ビーム時間設定部は,異なる2つの前記焦点位置に照射する前記集束ビームのON/OFF切替え周期が同じで,かつ,前記ON/OFF切替え周期が,周期または位相のチャープ信号となるように変化させながら前記送波時間を設定する,
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項2に記載の超音波診断装置であって,
    前記測定位置選定部は,歪みの分布が均一となる弾性率検出位置を複数箇所選定し,
    前記集束ビームを照射する少なくとも1つの前記焦点位置が,前記測定位置選定部において選定された複数箇所の前記弾性率検出位置から決定される,
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項2に記載の超音波診断装置であって,
    前記測定位置選定部は,操作者が前記表示部に表示された画像を見ながら前記弾性率検出位置を選択することが可能である,
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項1に記載の超音波診断装置であって,
    前記表示部は,表示される前記歪み画像の表示範囲における前記弾性率を示すカラースケールを表示する,
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 被検体に超音波ビームを送信し,エコー信号を受信する超音波探触子を用いる超音波診断装置であって,
    第一の変位検出用ビームを放射し,受波した前記被検体からのエコー信号に基づき,領域1内の歪み情報を演算する歪み演算部と,
    前記歪み情報に基づき,前記領域1の内部に含まれる領域2を選定する測定位置選定部と,
    前記被検体内に集束ビームを放射して,前記被検体内の組織を変位させる変位生成部と,第二の変位検出用ビームを放射し,受波した前記被検体からのエコー信号に基づき,前記集束ビームにより生じるずり波の変位を検出して,前記領域2内の弾性率を検出する弾性率演算部を備える,
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  9. 請求項8に記載の超音波診断装置であって,
    前記測定位置選定部は,前記領域2を選定する際に,前記領域1内の歪みの分布の標準偏差,もしくは,最大値と最小値の差がある閾値より小さくなる位置を求める,
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  10. 請求項8に記載の超音波診断装置であって,
    前記弾性率演算部は,
    前記領域2内の弾性率,および前記領域2内の前記歪み情報を用いて応力を計算し,前記領域1内の前記歪み情報,および,前記応力から,前記領域1の前記弾性率を演算する,ことを特徴とする超音波診断装置。
  11. 請求項8に記載の超音波診断装置であって,
    前記歪み情報に基づく歪み画像と前記弾性率を表示する表示部を更に備え,
    前記測定位置選定部は,操作者が前記表示部に表示された前記歪み画像に基づき前記領域2を選定可能である,
    ことを特徴とする超音波診断装置。
  12. 被検体に超音波ビームを送信し,被検体からのエコー信号を受信する超音波探触子を用い,受信した当該エコー信号に基づき画像を表示部に表示する超音波表示方法であって,
    第一の変位検出用ビームを放射して被検体からのエコー信号を受波し,第一の領域内の歪み情報を演算し,
    演算した前記歪み情報に基づく歪み画像を前記表示部に表示し,
    前記被検体内に集束ビームを放射して前記被検体の組織を変位させ,
    前記第二の変位検出用ビームを放射して前記被検体からのエコー信号を受信し,前記集束ビームにより生ずるずり波の変位を検出し,
    前記ずり波の変位に基づき,前記第一の領域に含まれる第二の領域内の弾性率を演算し,演算した前記弾性率を前記表示部に表示する,
    ことを特徴とする超音波表示方法。
  13. 請求項12に記載の超音波表示方法であって,
    前記歪み情報に基づき選定された前記集束ビームの焦点位置を決定する,
    ことを特徴とする超音波表示方法。
  14. 請求項12に記載の超音波表示方法であって,
    前記第二の変位検出用ビームを放射する前記第二の領域を選定する際,前記表示部に表示された前記歪み画像に基づき,前記歪み情報が均一な場所から選定する,
    ことを特徴とする超音波表示方法。
  15. 請求項12に記載の超音波表示方法であって,
    前記表示部に,表示される前記歪み画像の表示範囲における前記弾性率を示すスケールを表示する,
    ことを特徴とする超音波表示方法。
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