JPWO2012060093A1 - ステレオ画像処理装置及びステレオ画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

対象物が撮像画像上で小さな領域しか占めない場合にも、視差を高精度に算出することができるステレオ画像処理装置及びステレオ画像処理方法を提供する。ステレオ画像処理装置100において、画像切り出し部401が基準画像内の第1の部分領域がN(Nは、2以上の自然数)分割された分割基準画像をM(Mは、2以上N以下の自然数)個抽出すると共に、参照画像における第2の部分領域がN分割された分割参照画像をM個抽出する。画像結合部402が各データ列が各分割基準画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結して第1の画像データ列を形成すると共に、各データ列が各分割参照画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結して第2の画像データ列を形成する。フィルタリング部403及びピーク位置検出部104が第1及び第2の画像データ列に基づいて基準画像と参照画像との視差を算出する。

Description

本発明は、同一の対象物を撮影したステレオ画像(基準画像と参照画像)から、視差を算出するステレオ画像処理装置及びステレオ画像処理方法に関する。
従来から、ステレオカメラを用いて対象物を撮影した二つの画像(基準画像と参照画像)から画像のずれを算出し、そのずれに基づいて対象物までの距離を算出するステレオ画像処理装置が知られている。ステレオ画像処理装置は、例えば、車両及び歩行者を含むステレオ画像に基づいて、車両及び歩行者までの距離を測定する車載装置への適用が検討されている。ところが、近年、カメラの小型化によってカメラ間隔が小さくなり、視差も小さくなる。そのため、高精度なステレオマッチングが要求されている。
従来、高精度なステレオマッチング(ステレオ画像処理の視差演算)の方式として、例えば、1次元POC(Phase Only Correlation)方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。1次元POC方式においては、基準画像及び参照画像からハニング窓を用いて部分画像(1次元画像データ列)が切り出される。切り出された部分基準画像及び部分参照画像は、1次元フーリエ変換が施されて、合成される。合成された画像データは、振幅成分が正規化された後に、1次元逆フーリエ変換が施される。これにより、位相限定相関係数が算出され、位相限定相関係数の相関ピークに基づいて、画像のズレ量(視差)が算出される。
特開2008−123141号公報
しかしながら、従来技術は、ステレオ画像において、基線長方向の画像領域サイズが小さい対象物(例えば、遠方の歩行者など)については、高精度に視差を算出することが困難であった。なぜなら、基線長方向の画像領域サイズが小さい場合、周辺領域の影響を低減するために1次元画像データ列を小さくする必要があるが、1次元画像データ列が小さいほど相関ピークの精度が低くなるからである。
本発明は、基線長方向の画像領域が小さい対象物について、高精度に視差を算出することができるステレオ画像処理装置及びステレオ画像処理方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様のステレオ画像処理装置は、ステレオ画像を構成する基準画像と参照画像とのズレ量を算出するステレオ画像処理装置であって、前記基準画像内の第1の部分領域がN(Nは、2以上の自然数)分割された分割基準画像をM(Mは、2以上N以下の自然数)個抽出すると共に、前記基準画像内の前記第1の部分領域に対応する前記参照画像内の第2の部分領域がN分割された分割参照画像をM個抽出する抽出手段と、各データ列が各分割基準画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結することにより、第1の結合データ列を形成すると共に、各データ列が各分割参照画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結することにより、第2の結合データ列を形成する連結手段と、前記第1の結合データ列のデータ順序を反転させることにより逆位相フィルタ係数を算出し、前記第2の結合データ列に対して前記逆位相フィルタ係数を用いてフィルタリングするフィルタリング手段と、前記フィルタリング手段のフィルタリング結果におけるピーク位置に基づいて、前記ズレ量を算出する算出手段と、を具備する。
本発明の一態様のステレオ画像処理方法は、ステレオ画像を構成する基準画像と参照画像とのズレ量を算出するステレオ画像処理方法であって、前記基準画像内の第1の部分領域がN(Nは、2以上の自然数)分割された分割基準画像をM(Mは、2以上N以下の自然数)個抽出すると共に、前記基準画像内の前記第1の部分領域に対応する前記参照画像内の第2の部分領域がN分割された分割参照画像をM個抽出し、各データ列が各分割基準画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結することにより、第1の結合データ列を形成すると共に、各データ列が各分割参照画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結することにより、第2の結合データ列を形成し、前記第1の結合データ列のデータ順序を反転させることにより逆位相フィルタ係数を算出し、前記第2の結合データ列に対して前記逆位相フィルタ係数を用いてフィルタリングし、フィルタリング結果におけるピーク位置に基づいて、前記ズレ量を算出する。
本発明によれば、基線長方向の画像領域サイズが小さい対象物ついて、高精度に視差を算出することができるステレオ画像処理装置及びステレオ画像処理方法を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係るステレオ画像処理装置の構成を示すブロック図 フィルタ部の構成を示すブロック図 ステレオ画像処理装置の動作説明に供するフロー図 画像マッチング部の処理の説明に供する図 サブピクセル単位演算処理の詳細を示すフロー図 サブピクセル単位演算処理の概念の説明に供する図 画像結合部の処理の概念の説明に供する図 本発明の実施の形態2に係るフィルタ部の構成を示すブロック図 サブピクセル単位演算処理の詳細を示すフロー図 低周波成分抑制処理の概念の説明に供する図 本発明の実施の形態3に係るフィルタ部の構成を示すブロック図 サブピクセル単位演算処理の詳細を示すフロー図 高周波成分判定処理の概念の説明に供する図 画像結合部の処理の概念の説明に供する図 逆位相フィルタ係数によるフィルタリングの概念を説明するための模式図 sinc関数を用いたピーク位置検出の処理の一例の概要を示す模式図 二次曲線近似を用いたピーク位置検出の処理の一例の概要を示す模式図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。なお、以下、画像横方向をX軸、画像縦方向をY軸として、1画素が1座標点であるものとして説明する。
[実施の形態1]
[ステレオ画像処理装置100の構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係るステレオ画像処理装置100の構成を示す。図1において、ステレオ画像処理装置100は、ステレオ画像取得部101と、画像マッチング部102と、フィルタ部103と、ピーク位置検出部104とを有する。
ステレオ画像取得部101は、2つ以上の撮像系(つまり、カメラ)で撮影されたステレオ画像を取得する。ステレオ画像には、2つの異なる撮像系によって同一対象物(ターゲット)が撮影された基準画像及び参照画像が含まれる。なお、本実施の形態において、ステレオ画像は、基線長方向が水平方向にほぼ一致する2つのカメラにより撮影された画像として説明する。なお、ステレオ画像取得部101は、例えば、回路装置における入力端子である。
画像マッチング部102は、ステレオ画像取得部101からステレオ画像を取得し、基準画像及び参照画像に対して画像マッチング処理を行うことにより、基準画像の基準点に対応する、参照画像のピクセルレベルの対応点を抽出する。画像マッチング部102は、基準画像と参照画像との「ピクセルレベルのズレ量n」を算出する。
なお、後述するピーク位置検出部104において得られる、基準画像と参照画像との「視差」の単位はサブピクセルである。すなわち、画像マッチング部102において、基準画像と参照画像とのズレは、「ピクセル単位」で粗く検出され、ピーク位置検出部104において、基準画像と参照画像とのズレは、「サブピクセル単位」で細かく検出される。
具体的には、画像マッチング部102は、基準画像に含まれる所定の1ピクセルである「基準点」を含む部分画像(以下、「単位基準画像」という)を基準画像から切り出す。また、画像マッチング部102は、単位基準画像と同一サイズである部分画像(以下、「単位参照画像」という)を参照画像から複数切り出す。複数の単位参照画像は、参照画像において、異なる位置から切り出される。
ステレオカメラの場合、基準画像と参照画像との視差はカメラの基線長方向にしか発生しない。従って、画像マッチング部102は、基線長方向に切出し位置を変更して、複数の単位参照画像を切り出す。そして、基準画像における基準点の位置と、参照画像における対応点の位置とのズレ量が、上記したズレ量nとして算出される。
そして、画像マッチング部102は、切り出された複数の単位参照画像のうち、単位基準画像とのマッチング度が最大となる単位参照画像を特定する。特定された単位参照画像において、「基準点」に対応する1ピクセルが、参照画像における「ピクセルレベルの対応点」である。マッチング度を表す指標としては、例えば、輝度相違度を意味するSAD(Sum of Absolute Differences)値が用いられる。
フィルタ部103は、ステレオ画像取得部101から、ステレオ画像を取得する。また、フィルタ部103は、画像マッチング部102から、基準点及びズレ量nを取得する。
フィルタ部103は、基準画像に基づいてフィルタ係数を算出し、算出されたフィルタ係数を用いて参照画像に対するフィルタリング処理を行う。すなわち、フィルタ部103は、基準画像及び基準点の位置に基づいてフィルタ係数を算出する。更に、フィルタ部103は、算出されたフィルタ係数を用いて、参照画像のピクセルレベルの対応点周辺に対してフィルタリング処理を行い、フィルタリング結果をピーク位置検出部104へ出力する。なお、フィルタ係数は、「逆位相フィルタ係数」と呼ぶ。
図2は、フィルタ部103の構成を示す。図2において、フィルタ部103は、画像切り出し部401と、画像結合部402と、フィルタリング部403とを有する。
画像切り出し部401は、基準画像から、ステレオ画像の基線長方向に平行な複数の画素行と、複数の画素列とからなる部分画像を、サブピクセル推定用単位基準画像として切り出す。また、画像切り出し部401は、同様に、参照画像から、サブピクセル推定用単位基準画像と同一の画素行、画素列(同一サイズ)からなる部分画像を、サブピクセル推定用単位参照画像として切り出す。
そして、画像切り出し部401は、サブピクセル推定用単位基準画像及びサブピクセル推定用単位参照画像を、画像結合部402へ出力する。
なお、本実施の形態において、画像切り出し部401は、サブピクセル推定用単位基準画像に基準点が含まれるように、基準画像における画像の切り出し位置を決定する。また、画像切り出し部401は、サブピクセル推定用単位参照画像にピクセルレベルの対応点が含まれるように、画像の切り出し位置を決定する。
具体的には、画像切り出し部401は、単位基準画像から、当該単位基準画像がN(Nは、2以上の自然数)個に分割されたN分割単位基準画像をM(Mは、2以上N以下の自然数)個抽出する。同様に、画像切り出し部401は、単位基準画像とのマッチング度が最も大きい単位参照画像から、当該単位参照画像がN(Nは、2以上の自然数)個に分割されたN分割単位参照画像をM個抽出する。すなわち、サブピクセル推定用単位基準画像は、単位基準画像がY軸の方向でN分割されたN分割単位基準画像である。また、サブピクセル推定用単位参照画像は、単位基準画像とのマッチング度が最も大きい単位参照画像がY軸の方向でN分割されたN分割単位参照画像である。また、画像切り出し部401は、Mの値及びNの値を、画像マッチング部102で算出されたズレ量nに基づいて設定する。なお、演算量削減のため、画像切り出し部401は、Mの値及びNの値を、一定として設定しても良い。
サブピクセル推定用単位基準画像及びサブピクセル推定用単位参照画像を切り出す方向は、ステレオ画像のエピポーラ線に沿って平行な方向である。そして、サブピクセル推定用単位基準画像(又はサブピクセル推定用単位参照画像)を切り出す位置は、基準点(又は対応点)から上下(つまり、Y軸方向)にずれた位置とする。ただし、切り出す位置は、上下に限らず、基準点(又は対応点)の任意の周辺位置でも良いし、基準点(又は対応点)を含んでも良い。
そして、切り出されたサブピクセル推定用単位基準画像(サブ単位基準画像)とサブピクセル推定用単位参照画像(サブ単位参照画像)は、画像結合部402へ出力される。なお、サブピクセル推定用単位基準画像列及びサブピクセル推定用単位参照画像において、各構成データは、X座標の値が小さいデータから大きいデータの順に並ぶものとする。
画像結合部402は、画像切り出し部401から出力された複数のサブピクセル推定用単位基準画像と複数のサブピクセル推定用単位参照画像を入力とする。そして、画像結合部402は、複数のサブピクセル推定用単位基準画像を直列に結合した1次元のデータ列(以下、「結合基準画像」という)を形成する。また、同様に、画像結合部402は、複数のサブピクセル推定用単位参照画像を直列に結合した1次元のデータ列(以下、「結合参照画像」という)を形成する。
フィルタリング部403は、画像結合部402において形成された結合基準画像の各画素値の順序を反転させることにより、逆位相フィルタ係数を算出する。各画素値の順序は、前後方向で反転される。そして、フィルタリング部403は、算出した逆位相フィルタ係数を用いて、結合参照画像に対するフィルタリング処理を行う。そしてフィルタリング部403は、フィルタリング処理の結果(以下、「フィルタリング結果」という)をピーク位置検出部104へ出力する。なお、フィルタリング処理の詳細については後述する。
図1に戻り、ピーク位置検出部104は、フィルタ部103から受け取るフィルタリング結果において、結合基準画像と結合参照画像との相関度が最も高くなる相対位置関係を検出する。そして、ピーク位置検出部104は、取得した相対位置関係に基づいて、サブピクセル推定用単位基準画像と、基準点に対するサブピクセル推定用単位参照画像におけるサブピクセルレベルの対応点との視差(ズレ量)を算出する。
具体的には、ピーク位置検出部104は、フィルタリング結果におけるピークの位置を検出することにより、かかるズレ量を算出する。ここで、フィルタリング結果におけるピークとは、フィルタリング結果が最大値となる位置である。このサブピクセル単位のズレ量と、画像マッチング部102において算出されるピクセル単位のズレ量(上記したズレ量n)を加算することにより、基準画像と参照画像と間の正確なズレ量が算出される。
ステレオ画像処理装置100は、例えば、CPU、RAMなどの記憶媒体を有する。この場合、上述の各機能部は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。
[ステレオ画像処理装置100の動作]
以上の構成を有するステレオ画像処理装置100の動作について説明する。なお、以下では、画像横方向をX軸、画像縦方向をY軸として、1画素が1座標点であるとして説明する。また、説明の便宜のため、エピポーラ線の方向(基線長方向)は、画像全体において、X軸に平行であるとする。
図3は、ステレオ画像処理装置100の動作説明に供するフロー図である。なお、以下では、基準画像におけるある1つの基準点についての処理を説明するが、ステレオ画像処理装置100は、基準画像の全体で基準点を順次移動させ、以下のステップS1〜S9の動作を、測距対象領域内の全ての画素について行う。
<分析基準位置決定処理>
ステップS1で、画像マッチング部102は、測距対象領域において分析の対象となる基準点の位置(以下、「分析基準位置」という)を決定する。
<単位基準画像の切り出し処理>
ステップS2で、画像マッチング部102は、ステレオ画像取得部101から受け取る基準画像から、単位基準画像を切り出す。単位基準画像は、ステップS1において決定された分析基準位置(つまり、基準点)を基準とした部分領域の画像(画像範囲)である。単位基準画像の大きさの単位は、ピクセルである。つまり、単位基準画像は、複数のピクセル行(画素行)×複数のピクセル列(画素列)の画像である。
<サーチ範囲及びサーチ開始位置の決定処理>
ステップS3で、画像マッチング部102は、ステップS2で決定された分析基準位置に基づいて、参照画像におけるサーチ範囲及びサーチ開始位置を決定する。ステレオ画像の視差は、カメラ間の距離である基線長と、レンズの焦点距離と、ステレオカメラから対象物までの距離とに基づいて算出される。従って、サーチ範囲は、ステレオカメラから測距の対象物までの距離に基づいて定まる。また、ステレオカメラから無限遠にある対象物は、基準画像及び参照画像において同じ位置に撮像されるため、参照画像におけるサーチ開始位置は基準画像における基準点と同じ座標を設定すればよい。
<単位参照画像の切り出し処理>
ステップS4で、画像マッチング部102は、切り出し基準位置を決定し、参照画像から、単位基準画像と同一サイズの単位参照画像を切り出す。画像マッチング部102は、ステップS3で決定されたサーチ開始位置を、例えば最初の切り出し基準位置に決定し、以降、切り出し基準位置を移動させていく。
<マッチング度の算出処理>
ステップS5で、画像マッチング部102は、単位基準画像と、単位参照画像とのマッチング度を算出する。このマッチング度には、例えば、輝度相違度を示すSAD値または輝度類似度が用いられる。
<サーチ範囲の終了判定処理>
ステップS6で、画像マッチング部102は、サーチ範囲に対する処理の終了判定処理を行う。すなわち、画像マッチング部102は、切り出し基準位置の移動によりサーチ範囲を網羅したか否かを判断する。ここでサーチ範囲が終了していないと判定される場合(ステップS6:No)、画像マッチング部102は、ステップS4へ戻る。この結果、画像マッチング部102は、ステップS4での単位参照画像の切り出し領域がずれるように切り出し基準位置をサーチ範囲内において移動させる。このようにして、ステップS4〜S6までの処理は、サーチ範囲に対するが終了するまで(ステップS6:Yes)、繰り返される。
<マッチング度の最大位置>
ステップS7で、画像マッチング部102は、ステップS4〜S6までの処理によって得られた複数のマッチング度に基づいて、マッチング度が最大となる単位参照画像の位置を特定する。マッチング度として輝度相違度が用いられている場合には、画像マッチング部102は、輝度相違度が極小ないし最小となる単位参照画像を特定する。
ここで、ステップS2〜ステップS7の処理を、図4を参照して具体的に説明する。
図4に示すように、画像マッチング部102は、上述のステップS2において、分析基準位置(基準点)(xa,ya)を中心とした周辺の部分画像を、単位基準画像として切り出す。この単位基準画像の切り出しには、所定サイズ(縦サイズ:wvピクセル、横サイズ:whピクセル)の矩形窓が用いられる。なお、ここでは、窓関数によって規定される矩形窓の中心と分析基準位置とを一致させるものとして説明を行うが、厳密に中心でなくても良く、矩形窓の中心付近に分析基準位置が存在していれば良い。
次に、画像マッチング部102は、上述のステップS3において、ステップS1において決定された分析基準位置に基づいて、参照画像におけるサーチ範囲およびサーチ開始位置を決定する。サーチ開始位置(参照画像において単位参照画像を切り出す初期座標)は、例えば、基準画像における分析基準位置と同じ座標(xa,ya)が用いられる。次に、画像マッチング部102は図4に示すように、切り出し基準位置を順次ずらしながら、ステップS4において、サーチ開始位置を中心とした周辺の部分画像を参照画像から単位参照画像として切り出す。切り出し基準位置は、ここでは1ピクセルずつずらされる。この単位参照画像の切り出しには、単位基準画像の切り出しに用いられる矩形窓と同じ矩形窓が用いられる。また、参照画像における切り出し基準位置の初期座標は、基準画像における分析基準位置と同じ座標(xa,ya)が用いられる。
そして、画像マッチング部102は、上述のステップS5において、単位基準画像と各単位参照画像とのマッチング度を算出する。このマッチング度には、例えば、輝度相違度を示すSAD値が用いられる。このSAD値は、次の式(1)によって算出される。
Figure 2012060093
そして、図4に示すように、画像マッチング部102は、上述のステップS6において、サーチ範囲が修了していないと判定される場合には、切り出す位置をずらしてステップS4に戻り、新たな単位参照画像を参照画像から切り出す。切り出す位置は、ここでは1ピクセルずつずらされる。なお、図4において、参照画像の座標(xa,ya)からX軸方向に、切り出す位置がずらされる。
このようにして、画像マッチング部102は、1つの単位基準画像に対して、複数の単位参照画像それぞれのSAD値を算出する。そして、画像マッチング部102は、ステップS7で、ステップS5の処理によって得られた複数のマッチング度に基づいて、マッチング度が最大となる単位参照画像を特定する。具体的には、画像マッチング部102は、複数のSAD値の内で、例えば最小のSAD値に対応する単位参照画像を特定する。この特定された単位参照画像の切り出し基準位置の座標を(xa+n、ya)とすると、nは、ピクセル単位のズレ量となる。
そして、画像マッチング部102は、SAD値が最小となる切り出し基準位置を、分析基準位置(基準点)のピクセルレベルの対応点とする。なお、ここでは、マッチング度の指標としてSAD値を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、マッチング度の指標として用いることができるものであれば代用することができる。例えば、マッチング度の指標として、SSD(Sum of Squared Differences)が用いられても良い。以上で、ステップS2〜S7の処理についての具体的な説明を終える。
<サブピクセル単位演算処理>
図3のステップS8で、フィルタ部103及びピーク位置検出部104は、ステップS7で得られたピクセルレベルの対応点と、ステレオ画像取得部101から受け取る基準画像及び参照画像に基づいて、サブピクセル単位演算処理を行う。
図5は、サブピクセル単位演算処理の詳細を示すフロー図である。図6は、サブピクセル単位演算処理の概念の説明に供する図である。
(サブピクセル推定用単位基準画像の切り出し処理)
ステップS12で、フィルタ部103の画像切り出し部401は、単位基準画像から複数のサブピクセル推定用単位基準画像を切り出す。すなわち、画像切り出し部401は、単位基準画像から、当該単位基準画像がN(Nは、2以上の自然数)個に分割されたN分割単位基準画像(以下、「サブピクセル推定用単位基準画像」という)をM(Mは、2以上N以下の自然数)個抽出する。
サブピクセル推定用単位基準画像の大きさの単位は、ピクセルである。複数のサブピクセル推定用単位基準画像を切り出す位置は、基準点から上下方向にずれた位置である。また、複数のサブピクセル推定用単位基準画像を切り出す向きは、エピポーラ線に沿って平行であるX軸方向である。すなわち、サブピクセル推定用単位基準画像は、単位基準画像がY軸の方向でN分割されたN分割単位基準画像である。
なお、サブピクセル推定用単位基準画像を切り出す位置は、上下に限らず、基準点(又は対応点)の任意の周辺位置でも良いし、基準点(又は対応点)を含んでも良い。
画像切り出し部401が、基準点から上下方向にずれた位置で切り出すのは、測距の対象物が、歩行者のように縦長の形状をしているためである。例えば、対象物が斜め方向に傾いている形状であれば、複数のサブピクセル推定用単位基準画像は、斜め方向にずれた位置で切り出されることが望ましい。すなわち、複数のサブピクセル推定用単位基準画像は、ステレオカメラから同じ距離にある対象物が映り込んだ画像領域に対して、切り出されることが望ましい。また、サブピクセル推定用単位基準画像のサイズは、対象物の画像領域上でのサイズに合わせた設計値とすることが望ましい。
また、サブピクセル推定用単位基準画像の切り出しには、窓関数が用いられる。この窓関数には、例えば、式(2)で表されるハニング窓の窓関数w(m)を用いられる。
Figure 2012060093
なお、ここでは、ハニング窓の窓関数が用いられる場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、窓関数として、ハミング窓、ブラックマン窓、カイザー窓などを用いてもよい。窓関数は、サブピクセル推定用単位基準画像の特性(例えば、周波数パワー特性、位相特性、切り出し端連続性)の内、どの特性を重要視するかに応じて選択されるからである。
ここで、サブピクセル単位で視差を推定するための画像切り出し処理では、切り出された画像にノイズが含まれないことが重要である。これは、サブピクセル単位のズレを正確に求めるためである。一方、画像マッチング部102における画像切り出し処理は、例えば、ピクセル単位で行われるため、精度よりも演算回数を削減することに重きが置かれる。従って、画像マッチング部102で用いられる第1の窓関数には、単に画像データを切り出すだけの窓関数が用いられる。これに対して、サブピクセル推定用単位基準画像の切り出し処理で用いられる第2の窓関数は、ノイズが少ないことが重要視される。そのため、第2の窓関数は、第1の窓関数に比べて、窓の両端における変化が連続的である関数(つまり、1周期の最初及び最後の値がゼロである関数)であることが好ましい。
このような第2の窓関数を用いることにより、サブピクセル推定用単位基準画像信号の連続性が保たれ、後述する逆位相フィルタの特性に含まれる、切り出しによるノイズ成分を低減することができる。なお、第1の窓関数と第2の窓関数とを周波数特性について比較すると、第1の窓関数の方が、第2の窓関数よりも、メインローブ(main−lobe)の幅が狭く、サイドローブ(side−lobe)の振幅が大きい。
図6において、第2の窓関数w(m)は、縦軸が1ピクセルで、横軸が“K−J”ピクセルのサイズを持つハニング窓が用いられている。そして、mは、J以上K以下の整数である。そして、第2の窓関数w(m)は、基準点(xa,ya)を中心に設定される。これにより、サブピクセル推定用単位基準画像として、基準点(xa,ya)を中心に、縦軸サイズが1ピクセルであり横軸サイズが“K−J”ピクセルである画像が切り出される。また、f’(m)は、サブピクセル推定用単位基準画像の輝度値を表している。同様に、基準点(xa,ya+1)を中心に設定された第2の窓関数w(m)を用いて、基準点(xa,ya+1)を中心に、縦軸サイズが1ピクセルであり横軸サイズが“K−J”ピクセルである画像が切り出される。ここでは、2つのサブピクセル推定用単位基準画像を切り出す例を示すが、2つでなくともよく、3つ以上の場合も同様に切り出すことが可能である。
(サブピクセル推定用単位参照画像の切り出し処理)
ステップS13において、画像切り出し部401は、ステップS7で検出された、単位基準画像とのマッチング度が最大となる単位参照画像から、当該単位参照画像がN個に分割されたN分割単位参照画像(つまり、サブピクセル推定用単位参照画像)をM個抽出する。ここで、Nは、2以上の自然数であり、Mは、2以上N以下の自然数である。サブピクセル推定用単位参照画像の切り出し処理にも、サブピクセル推定用単位基準画像の場合と同じ第2の窓関数が用いられる。
ただし、第2の窓関数は、対応点(xa+n、ya)に設定される。これにより、サブピクセル推定用単位参照画像として、対応点(xa+n,ya)を中心に、縦軸サイズが1ピクセルであり横軸サイズが“K−J”ピクセルである画像が切り出される。
図6において、g’(m)は、サブピクセル推定用単位参照画像の輝度値を表している。同様に、対応点(xa,ya+1)を中心に設定された第2の窓関数w(m)を用いて、対応点(xa,ya+1)を中心に、縦軸サイズが1ピクセルであり横軸サイズが“K−J”ピクセルである画像が切り出される。ここでは、2つのサブピクセル推定用単位参照画像を切り出す例を示すが、2つでなくともよく、3つ以上の場合も同様に切り出すことが可能である。
なお、以上の説明では、縦軸が1ピクセルで、横軸が“K−J”ピクセルのサイズを持つ第2の窓関数w(m)が用いられているが、このサイズは一例であり、これに限定されるものではない。例えば、縦サイズを3ピクセルとする場合には、1ピクセル毎に上記した処理を行い、得られた結果を平均しても良い。
更に、例えば、縦サイズが複数のピクセルを含む場合、縦1ピクセルずつに上述した処理を行い、縦サイズに含まれる複数のピクセルごとの結果を重み付けして平均化しても良い。この場合に用いられる重み付け係数は、2次元POCのように、窓関数によって決定されても良い。画像切り出し部401は、サブピクセル推定用単位基準画像とサブピクセル推定用単位参照画像の縦サイズが2ピクセル以上である場合には、上記したような平均化などを行う。そして、画像切り出し部401は、サブピクセル推定用単位基準画像とサブピクセル推定用単位参照画像それぞれを1次元のデータ列に変換する。
(サブピクセル推定用単位基準画像結合処理)
ステップS14で、画像結合部402は、M個のサブピクセル推定用単位基準画像のデータ列(平均化などによって1次元のデータ列に変換されている場合には、変換後のサブピクセル推定用単位基準画像のデータ列)を直列に結合する。それにより、画像結合部402は、1次元のデータ列(以下、「結合基準画像データ列」という)を形成する。
(サブピクセル推定用単位参照画像結合処理)
ステップS15で、画像結合部402は、M個のサブピクセル推定用単位参照画像のデータ列(平均化などによって1次元のデータ列に変換されている場合には、変換後のサブピクセル推定用単位参照画像のデータ列)を直列に結合する。それにより、画像結合部402は、1次元のデータ列(以下、「結合参照画像データ列」という)を形成する。
図7は、画像結合部402の処理の概念の説明に供する図である。図7(a)は、基準画像からサブピクセル推定用単位基準画像が切り出される様子と、切り出された2つのサブピクセル推定用単位基準画像が結合された画像701を示す。図7(b)は、図7(a)の結合された画像701のデータ列(つまり、結合基準画像データ列)の輝度信号を示す。図7(c)は、参照画像からサブピクセル推定用単位参照画像が切り出される様子と、切り出された2つのサブピクセル推定用単位参照画像が結合画像702を示す。図7(d)は、図7(c)の結合された画像702のデータ列(つまり、結合参照画像データ列)の輝度信号を示す。
また、図7では、単位基準画像及び単位参照画像のそれぞれにおいて、縦線703(例えば、測距する対象である歩行者に相当)によって輝度値の変化の頻度が高い画像領域が存在(つまり、輝度信号に高周波成分が存在)する場合が示されている。結合されたサブピクセル単位推定用単位基準画像701と結合されたサブピクセル推定用単位参照画像702には、縦線703に対応する輝度値変化が複数個現れていることが分かる。
このように、ステレオ画像処理装置100は、擬似的に発生させた、窓サイズ程度離れて複数存在する輝度値変化(窓サイズ相当周期の低周波成分)も利用することができるので、視差算出精度を向上させることができる。
なお、画像結合部402は、M個のサブピクセル推定用単位基準画像(もしくは、サブピクセル推定用単位参照画像)を直列に結合する前に、各画像のデータ列の端部を滑らかに結合するための画像データ列端部平滑化処理を行っても良い。ただし、サブピクセル推定用単位基準画像(もしくは、サブピクセル推定用単位参照画像)を切り出す場合に、ハニング窓など画像データ列端部を滑らかに切り出す窓関数を使用している場合には必要としない。
(逆位相フィルタ係数算出処理)
ステップS16で、フィルタリング部403は、結合基準画像データ列から逆位相フィルタ係数を算出する。具体的には、フィルタ部103は、結合基準画像データ列の対応する各画素の位置を、前項方向において反転させる形で、データ列を逆の順番に並べ換える。
(フィルタリング処理)
ステップS17で、フィルタリング部403は、結合参照画像データ列をステップS16で算出された逆位相フィルタ係数を用いてフィルタリングし、フィルタリング結果をピーク位置検出部104へ出力する。
ここで、フィルタリングの概念について説明する。図15は、逆位相フィルタ係数によるフィルタリングの概念を説明するための模式図である。図15において、窓関数w(m)の長さ(N)は、5画素であるものとする。そして、結合基準画像データは、「1,2,3,4,5」であるものとする。また、結合参照画像データx(m)も、「1,2,3,4,5」であるものとする。また、フィルタリングに用いる画素値は、輝度値であるものとする。
結合基準画像データが「1,2,3,4,5」の場合、フィルタ部103は、逆位相フィルタ係数h(k)として、「5,4,3,2,1」を算出する。
そして、フィルタ部103は、図15(B)に示すように、逆位相フィルタ係数h(k)を用いて、結合参照画像データに対してフィルタリング処理を施す。このフィルタリング処理は、具体的には次のように行われる。結合参照画像データにおける、任意の構成信号の座標をkとした場合、フィルタ部103は、構成信号の座標が「k−2、k−1、k、k+1、k+2」となる信号列に対して、逆位相フィルタ係数h(k)を乗算する。それにより、フィルタ部103は、信号列に対してフィルタリング処理を施し、各乗算結果の総和を、フィルタリング結果z(m)として算出する。ここで、mは、1〜5の整数値を取る。
ここで、結合参照画像データの両端の外部に、輝度が0の仮想的な座標点を考慮すると図15(A)に示すように、結合参照画像データx(m)は、「0,0,1,2,3,4,5,0,0」となる。図15(A)におけるm(m:0〜4)を結合参照画像データの座標点とした場合(つまり、x(0)=1、x(1)=2、x(2)=3、x(3)=4、x(4)=5)、フィルタリング処理は、次のように行われる。
フィルタ部103は、m=0の場合、m=0を中心とする輝度値信号列「0、0、1、2、3」を、逆位相フィルタ「5、4、3、2、1」によってフィルタリング処理する。この結果、z(0)は、26(=0×1+0×2+1×3+2×4+3×5)となる。
また、フィルタ部103は、m=1の場合、m=1を中心とする輝度値信号列「0、1、2、3、4」を、逆位相フィルタ「5、4、3、2、1」によってフィルタリング処理する。この結果、z(1)は、40(=0×1+1×2+2×3+3×4+4×5)となる。
同様にして、z(2)は、55となり、z(3)は、40となり、z(4)は、26となる。したがって、フィルタ部103は、フィルタリング結果z(m)として、「26、40、55、40、26」を得る。
このようなフィルタリング処理は、式(3)によって表される。式(3)において、結合基準画像データが反転されたf'(−k)は、逆位相フィルタのフィルタ係数h(k)として用いられている。また、g'(m)は、結合参照画像データの輝度値である。
Figure 2012060093
逆位相フィルタを用いたフィルタリング処理によるフィルタリング結果z(m)は、図15(C)に示すように、対称(図15では、m=2を中心として左右対称)になると共に、中央付近にピークが存在するという特徴を有する。
また、逆位相フィルタは、いわゆるFIRフィルタの一種に相当するものであり、線形推移不変システムであるという特徴を有する。ここで、線形推移不変システムとは、入力信号にずれがある場合には、出力信号にも入力信号と同じだけのずれが生じるシステムである。
上述した具体例では、結合参照画像データと結合基準画像データとの間にズレがない場合を例にとって説明した。ところが、結合参照画像データと結合基準画像データの間に小さなずれが存在する場合、フィルタリング結果であるz(m)にも同じだけのずれが生じることになる。
なお、実空間において同一サイズの対象物の視差を求める場合、対象物がステレオカメラから遠くに存在する場合は近くに存在する場合よりも視差は小さく、ピクセル単位のズレ量nも小さくなる。またそれと同時に、当該対象物の基線長方向の画像領域サイズも小さくなる。
したがって、逆位相フィルタのタップ長は、画像マッチング部102で検出されたピクセル単位のズレ量nの大きさに応じて設定されることが望ましい。例えば、ピクセル単位のズレ量nが小さい場合には、それに応じて逆位相フィルタのタップ長も短く設定される。ステレオ画像処理装置100は、ズレ量nに対して適応的にサブピクセル推定用単位基準画像及びサブピクセル推定用単位参照画像のサイズを変更することにより、逆位相フィルタのタップ長も適応的に変更することができる。
これにより、対象物のサイズに応じた視差算出が可能となる。
また、フィルタリング結果は、線形推移不変システムの出力である。したがって、フィルタリング結果は、レンズの歪補正の誤差、CCDなどのイメージセンサに起因するゲインノイズ等の誤差、窓掛けによる画像切り出しの演算精度の誤差を除けば、理論的には真のずれ量を表現していることになる。よって、ピクセル単位で離散化されている逆位相フィルタの出力をサンプリング定理に従ってピクセル間の数値を補間することにより、サブピクセル単位での真のピーク位置を求めることができる。以上で、フィルタリングの概念についての説明を終える。
次に、フィルタリング結果におけるピーク位置検出の処理(ステップS18)の概要を説明する。図16は、sinc関数を用いたピーク位置検出の処理の一例の概要を示す模式図である。
sinc関数は、sin(πx)/πxで定義される関数であり、離散化されたサンプリングデータを元の連続データに戻す場合に用いられる関数である。サンプリングされた離散データとsinc関数との畳み込み演算を行うことにより、元の連続データを完全に復元可能であることは、サンプリング定理によって証明されている。
したがって、ピーク位置検出部104は、離散化されているフィルタリング結果をsinc関数によって畳み込み演算する。これにより、ピーク位置検出部104は、ピクセル単位間隔の信号データを補間することができ、サブピクセル単位でも理論的に信号データが補間されたフィルタリング結果z(m)の真のピーク位置を導出することができる。
図16に示すように、ピーク位置検出部104は、例えば、2分探索によって、ピーク位置を検出する。
例えば、ピーク位置検出部104は、ピクセル単位間隔のフィルタリング結果z(m)が最大となる位置m=0を、位置A(つまり、2分探索基準点)とする。ピーク位置検出部104は、その最大位置Aから左右に1ピクセルずつずれた位置のフィルタリング結果であるz(+1)とz(−1)とを比較する。そして、ピーク位置検出部104は、大きい方の位置(ここでは、m=1)を、位置B(つまり、2分探索使用点)とする。
そして、ピーク位置検出部104は、2分探索基準点Aと2分探索使用点Bとの中点である位置Cの値を、サンプリング定理に基づき、例えば以下の式(4)を用いて算出する。なお、Tは、サンプリング間隔(画素ピッチ)である。
Figure 2012060093
そして、ピーク位置検出部104は、位置Cを新たな2分探索基準点として、上記と同様の処理を繰り返す。
この処理の繰り返し回数は、必要な精度に応じた数とすることができる。すなわち、ピーク位置検出部104は、必要なサブピクセル精度が1/2ピクセルであれば、上記した処理を1回行えばよい。また、ピーク位置検出部104は、必要なサブピクセル精度が1/4ピクセル精度であれば2回、1/8ピクセルであれば3回と、必要なサブピクセル精度に応じて繰り返し回数を決定すればよい。
そして、ピーク位置検出部104は、最後に得られた中点を、検出したピーク位置δとして扱う。
なお、以上の説明では、sinc関数および2分探索方を用いてピーク位置を検出する方法について説明を行った。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ピーク位置検出部104は、sinc関数と勾配法との組み合わせによって、ピーク位置を探索してもよい。すなわち、ピーク位置検出部104は、離散化されているフィルタリング結果をsinc関数によって畳み込み演算してピクセル単位間隔の信号データを補間した後であれば、各種の最大値検出方法を用いることができる。
または、ピーク位置検出部104は、二次曲線近似を用いてピーク位置を検出してもよい。これにより、ピーク位置検出部104は、ピーク位置検出のための演算量を削減することができる。この場合、ピーク位置検出部104は、離散化されているフィルタリング結果を二次曲線でフィッティングし、その二次曲線の極大値の位置を、ピーク位置として検出する。これにより、ピーク位置検出部104は、離散化の間隔以下の精度でピーク位置を求めることができる。
図17は、二次曲線近似を用いたピーク位置検出の処理の一例の概要を示す模式図である。
図17に示すように、ピーク位置検出部104は、まず、ピクセル単位間隔のフィルタリング結果z(m)が最大となる、位置m=0における値z(0)を求める。また、ピーク位置検出部104は、その最大位置m=0から左右に1ピクセルずつずれた、位置m=+1、−1のフィルタリング結果である、z(+1)、z(−1)を取得する。そして、ピーク位置検出部104は、これら3点を通る二次曲線を求め、さらにその二次曲線が極大値をとる位置を、ピーク位置δとして検出する。このピーク位置δは、例えば、次の式(5)を用いて算出することができる。
Figure 2012060093
基準画像における分析基準位置の視差は、ピクセル単位のずれnと、サブピクセル単位のずれδ'を、加算することによって求められる。
以上で、フィルタリング結果におけるピーク位置検出の処理の概要についての説明を終える。また、ステップS16〜S18の処理についての具体的な説明を終える。
(測距対象領域の終了判定処理)
ステップS9では、画像マッチング部102は、測距対象領域の終了判定処理が行う。すなわち、画像マッチング部102は、基準画像の全体において、未だステップS1〜ステップS8までの処理が行われていない未処理領域が存在するか否かを判断する。画像マッチング部102は、未処理領域が存在する場合には(S9:No)、ステップS1へ戻り、分析基準位置をずらしてその未処理領域についてステップS1〜ステップS8までの処理を行う。また、画像マッチング部102は、未処理領域が存在しない場合には(S9:Yes)、一連の動作を終了する。
以上のように本実施の形態によれば、ステレオ画像処理装置100において、画像切り出し部401が、基準画像内の第1の部分領域(ここでは、単位基準画像)がN(Nは、2以上の自然数)分割された分割基準画像をM(Mは、2以上N以下の自然数)個抽出する。さらに、画像切り出し部401が、参照画像における、前記第1の部分領域に対応する第2の部分領域(ここでは、単位参照画像)がN分割された分割参照画像をM個抽出する。そして、画像結合部402が、各データ列が各分割基準画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結することにより、第1の結合データ列(ここでは、結合基準画像データ列)を形成する。さらに、画像結合部402が、各データ列が各分割参照画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結することにより、第2の結合データ列(ここでは、結合参照画像データ列)を形成する。そして、フィルタリング部403が、第1の結合データ列のデータ順序を反転させることにより逆位相フィルタ係数を算出し、前記第2の結合データ列に対して前記逆位相フィルタ係数を用いてフィルタリングする。そして、ピーク位置検出部104が、フィルタリング部403のフィルタリング結果におけるピーク位置に基づいて、ズレ量nを算出する。
このように、結合基準画像データ列と結合参照画像データ列とに基づいて視差を算出することにより、短い幅の輝度値変化に関する情報を複数個同時に利用することができる。さらに、短い幅の輝度値変化が窓サイズ程度離れて複数存在することで擬似的に窓サイズ相当周期の低周波成分も利用することができるので、視差算出精度を向上させることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2では、画像切り出し処理の前処理として、低周波成分抑制処理を行う。
図8は、本発明の実施の形態2に係るフィルタ部103の構成を示す。図8において、フィルタ部103は、低周波成分抑制部501を有する。
低周波成分抑制部501は、ステレオ画像取得部101において取得された基準画像及び参照画像を入力とし、基準画像及び参照画像の低周波成分の振幅を相対的に抑制する。高周波成分の振幅に対して相対的に低周波成分の振幅を抑制すれば良いので、低周波成分抑制部501は、高周波成分の振幅を強調させても良い。
図9は、実施の形態2に係るサブピクセル単位演算処理の詳細を示すフロー図である。
(低周波成分抑制処理)
ステップS21で、低周波成分抑制部501は、単位基準画像及び単位参照画像の低周波成分を相対的に抑制する。高周波成分の振幅に対して相対的に低周波成分の振幅を抑制すれば良いので、低周波成分抑制部501は、高周波成分の振幅を強調させても良い。高周波成分の振幅強調処理は、一般的な処理を利用してよく、例えば、LoG(Laplacian of Gaussian)フィルタを利用することで実現できる。
図10は、低周波成分抑制処理の概念の説明に供する図である。図10(a),(b)は、高周波の輝度信号と周波数特性をそれぞれ表し、図10(c),(d)は、低周波の輝度信号と周波数特性をそれぞれ表す。Tは、図6における窓長(K−J)を表す。図10(a)のように窓関数による切り出し幅Tに対して短い周期を持つ輝度信号は、図10(b)のように空間周波数で1/(2T)以上の周波数を持つ輝度信号である。一方、図10(c)のように窓関数による切り出し幅Tに対して長い周期を持つ輝度信号は、図10(d)のように空間周波数で1/(2T)より低い周波数を持つ輝度信号である。低周波成分抑制処理では、1/(2T)が、強調対象である高周波の輝度信号であるか又は抑制対象である低周波の輝度信号であるかを判定するための判定基準(つまり、判定閾値)として用いられる。
ここで、切り出し幅Tに対して長い周期を持つ輝度信号は、切り出し幅Tにおいては表現できない周波数を持つ信号である。すなわち、切り出し幅Tに対して長い周期を持つ輝度信号は、切り出し幅Tにおいては1周期の波形すら表現されない。そして、このような輝度信号は、周波数を用いたマッチング(つまり、信号の周波数成分に着目するマッチング)の精度を劣化させる要因となる。従って、低周波成分はできる限り抑制した上で、後段の切り出し処理を行うことが望ましい。
以上のように本実施の形態によれば、ステレオ画像処理装置100において、低周波成分抑制部501が、第1の部分領域に対応する画像信号及び前記第2の部分領域に対応する画像信号における低周波数成分を高周波数成分に対して相対的に抑制する。ここでは、第1の部分領域は単位基準画像となり、第2の部分領域は単位参照画像となる。
こうすることで、周波数を用いたマッチング(つまり、信号の周波数成分に着目するマッチング)の精度を劣化させる要因となる低周波数成分を抑制することができるので、視差算出精度を向上することができる。
なお、以上の説明では、実施の形態1に係るフィルタ部103に低周波成分抑制部501を適用する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、画像結合部402を有さない(つまり、1つの単位基準画像と、これに対応する1つの単位参照画像とによって視差を算出する)ステレオ画像処理装置に低周波成分抑制部501を適用しても良い。また、次のような画像マッチング部と、フィルタ部とを具備するステレオ画像処理装置において、フィルタ部に、基準画像及び参照画像のそれぞれにおける低周波成分を抑制する低周波成分抑制部を設けても良い。画像マッチング部は、基準画像と参照画像とのピクセル単位のズレ量を算出する。フィルタ部は、基準画像内の輝度値から成るデータ列のデータ順序を反転させることにより逆位相フィルタ係数を算出し、参照画像に対して逆位相フィルタ係数を用いてフィルタリングする。
[実施の形態3]
実施の形態3では、画像切り出し処理の前段に、高周波成分の振幅に基づいて画像切り出し処理以降の処理を実行するか否かを判定する。
図11は、本発明の実施の形態3に係るフィルタ部103の構成を示す。図11において、フィルタ部103は、高周波成分判定部601を有する。
高周波成分判定部601は、低周波成分抑制部501において低周波成分の振幅が相対的に抑制された基準画像及び参照画像と、画像マッチング部102からの基準点及びズレ量nとを入力とし、これらに基づいて、後段の処理を実行するか否かを判定する。この判定は、具体的には、基準画像の基準点における画像データ列の高周波成分の振幅の大きさ、及び、参照画像の対応点における画像データ列の高周波成分の振幅の大きさに応じて実行される。参照画像の対応点とは、つまり、参照画像において基準点と同じ座標からズレ量nだけずれた点である。また、後段の処理とは、ここでは、画像切り出し部401、画像結合部402、フィルタリング部403、及びピーク位置検出部104における処理である。
図12は、実施の形態3に係るサブピクセル単位演算処理の詳細を示すフロー図である。
(高周波成分判定処理)
ステップS31で、高周波成分判定部601は、低周波成分抑制部501において低周波成分の振幅が相対的に抑制された基準画像及び参照画像と、画像マッチング部102からの基準点及びズレ量nとを入力する。そして、高周波成分判定部601は、これらに基づいて、後段の処理を実行するか否かを判定する。この判定は、具体的には、基準画像の基準点における画像データ列の高周波成分の振幅の大きさ、及び、参照画像の対応点における画像データ列の高周波成分の振幅の大きさに応じて実行される。参照画像の対応点とは、つまり、参照画像において基準点と同じ座標からズレ量nだけずれた点である。そして、基準画像の基準点における画像データ列の高周波成分の振幅の大きさ、及び、参照画像の対応点における画像データ列の高周波成分の振幅の大きさの両方が所定の閾値以上の場合(つまり、振幅が大きいと判定される場合)には、後段の処理が実行される。一方、所定の閾値未満の場合には、サブピクセル単位演算処理が終了される。
図13は、高周波成分判定処理の概念の説明に供する図である。図13(a),(b)は、低周波成分抑制後の高周波の輝度信号と周波数特性をそれぞれ表し、図13(c),(d)は、低周波成分抑制後の低周波の輝度信号と周波数特性をそれぞれ表す。高周波成分の振幅の有無を判定するためには、フーリエ変換などの周波数変換処理を利用しても良いし、演算量を削減するために、輝度信号の変化率の絶対値の和を取るなどの簡易的な処理を利用しても良い。
上述の通り窓関数の切り出し幅との関係により、低周波成分によっては正確なマッチングが実現できないので、高周波成分の振幅が小さい信号は、視差がゼロの信号と等価である。すなわち、高周波成分の振幅が小さい信号によっては、正確な視差を算出することが難しい。従って、所定の閾値未満の場合には、サブピクセル単位演算処理が終了されることにより、無駄な処理が実行されることを防止することができる。
図14は、画像結合部402の処理の概念の説明に供する図である。図14(a)は、基準画像からサブピクセル推定用単位基準画像が切り出される様子と、切り出された2つのサブピクセル推定用単位基準画像が結合された1次元の画像のデータ列(つまり、結合基準画像データ列)を示す。図14(b)は、結合基準画像データ列の輝度信号を示す。図14(c)は、参照画像からサブピクセル推定用単位参照画像が切り出される様子と、切り出された2つのサブピクセル推定用単位参照画像が結合された1次元の画像のデータ列(つまり、結合参照画像データ列)を示す。図14(d)は、結合参照画像データ列の輝度信号を示す。図14には、単位基準画像及び単位参照画像のそれぞれにおいて、高い頻度での輝度値変化が存在しない(つまり、輝度信号に高周波成分がほとんど存在しない)場合が示されている。
このようにサブピクセル推定用単位基準画像及びサブピクセル推定用単位参照画像のそれぞれにおいて、高い頻度での輝度値変化が存在せず、且つ、サブピクセル推定用単位基準画像間又はサブピクセル推定用単位参照画像間では輝度値が変化する(つまり、Y軸方向(縦方向)の輝度値が変化する)場合を検討する。この場合には、サブピクセル推定用単位基準画像とサブピクセル推定用単位参照画像との視差(サブピクセル推定用単位基準画像の輝度信号とサブピクセル推定用単位参照画像の輝度信号との位相差)が擬似的にゼロとなってしまう。このため、正しい視差を算出することができず、視差算出精度劣化の大きな要因となる。このため、このような低周波成分は、画像結合処理を行う前に高周波判定処理において削除されることが好ましい。
以上のように本実施の形態によれば、ステレオ画像処理装置100において、高周波成分判定部601が、次の場合にのみ、画像切り出し部401、画像結合部402、フィルタリング部403、及びピーク位置検出部104の処理を実行させる。上記の場合とは、第1の部分領域(ここでは、単位基準画像)に対応する画像信号及び第2の部分領域(ここでは、単位参照画像)に対応する画像信号における高周波数成分の振幅が閾値以上である場合である。
こうすることで、正確な視差を算出することが難しい場合に無駄な処理が実行されることを防止することができる。
なお、以上の説明では、実施の形態2に係るフィルタ部103に高周波成分判定部601を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、実施の形態1に係るフィルタ部103に高周波成分判定部601を適用しても良い。
上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
[他の実施の形態]
(1)上記各実施の形態では、画像マッチング部102で基準画像と参照画像とのズレが「ピクセル単位」で粗く検出され、その後に、ピーク位置検出部104によってズレが「サブピクセル単位」で細かく検出される場合について説明を行った。すなわち、2段階でズレが算出される場合について説明を行った。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、1段階でズレを算出する場合にも適用可能である。
(2)上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)または、LSI内部の回路セルの接続および設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2010年11月5日出願の特願2010−248691の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明のステレオ画像処理装置及びステレオ画像処理方法は、ターゲット画像領域が撮像画像上で小さな領域しか占めない場合にも、視差を高精度に算出することができるものとして有用である。
100 ステレオ画像処理装置
101 ステレオ画像取得部
102 画像マッチング部
103 フィルタ部
104 ピーク位置検出部
401 画像切り出し部
402 画像結合部
403 フィルタリング部
501 低周波成分抑制部
601 高周波成分判定部



Claims (6)

  1. ステレオ画像を構成する基準画像と参照画像とのズレ量を算出するステレオ画像処理装置であって、
    前記基準画像内の第1の部分領域がN(Nは、2以上の自然数)分割された分割基準画像をM(Mは、2以上N以下の自然数)個抽出すると共に、前記基準画像内の前記第1の部分領域に対応する前記参照画像内の第2の部分領域がN分割された分割参照画像をM個抽出する抽出手段と、
    各データ列が各分割基準画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結することにより、第1の結合データ列を形成すると共に、各データ列が各分割参照画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結することにより、第2の結合データ列を形成する連結手段と、
    前記第1の結合データ列のデータ順序を反転させることにより逆位相フィルタ係数を算出し、前記第2の結合データ列に対して前記逆位相フィルタ係数を用いてフィルタリングするフィルタリング手段と、
    前記フィルタリング手段のフィルタリング結果におけるピーク位置に基づいて、前記ズレ量を算出する算出手段と、
    を具備するステレオ画像処理装置。
  2. 前記抽出手段の入力段に設けられ、前記第1の部分領域に対応する画像信号及び前記第2の部分領域に対応する画像信号における低周波数成分を高周波数成分に対して相対的に抑制する抑制手段、をさらに具備する請求項1に記載のステレオ画像処理装置。
  3. 前記第1の部分領域に対応する画像信号及び前記第2の部分領域に対応する画像信号における高周波数成分の振幅が閾値以上である場合にのみ、前記抽出手段、前記連結手段、前記フィルタリング手段、及び前記算出手段の処理を実行させる制御手段、をさらに具備する請求項1に記載のステレオ画像処理装置。
  4. 前記低周波数成分と前記高周波数成分とを分ける周波数値は、1/(2T)であり、Tは、前記第1の部分領域及び前記第2の部分領域の幅である、
    請求項2に記載のステレオ画像処理装置。
  5. 前記基準画像と前記参照画像とのピクセル単位のズレ量を算出する算出手段、をさらに具備し、
    前記Mの値及び前記Nの値は、前記算出されたピクセル単位のズレ量に基づいて設定される、
    請求項1に記載のステレオ画像処理装置。
  6. ステレオ画像を構成する基準画像と参照画像とのズレ量を算出するステレオ画像処理方法であって、
    前記基準画像内の第1の部分領域がN(Nは、2以上の自然数)分割された分割基準画像をM(Mは、2以上N以下の自然数)個抽出すると共に、前記基準画像内の前記第1の部分領域に対応する前記参照画像内の第2の部分領域がN分割された分割参照画像をM個抽出し、
    各データ列が各分割基準画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結することにより、第1の結合データ列を形成すると共に、各データ列が各分割参照画像における輝度値から成るM個のデータ列を直列に連結することにより、第2の結合データ列を形成し、
    前記第1の結合データ列のデータ順序を反転させることにより逆位相フィルタ係数を算出し、前記第2の結合データ列に対して前記逆位相フィルタ係数を用いてフィルタリンし、
    フィルタリング結果におけるピーク位置に基づいて、前記ズレ量を算出する、
    ステレオ画像処理方法。
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