JPWO2011102310A1 - 血中尿酸値低下剤 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)チーズ酵素分解物を有効成分とする血中尿酸値低下剤;
(2)チーズ酵素分解物が、活性酸素吸収能を有するチーズ酵素分解物である、(1)記載の血中尿酸値低下剤;
(3)チーズ酵素分解物の含有量が、1日投与量として50μM Trolox等量以上の活性酸素吸収能を示す量である、(2)記載の血中尿酸値低下剤;
(4)チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ及びプロテアーゼで処理した分解物である、(1)〜(3)のいずれか1項記載の血中尿酸値低下剤;
(5)プロテアーゼが、エンド型プロテアーゼ、エキソ型プロテアーゼ、エキソ型ペプチダーゼ/エンド型プロテアーゼ複合酵素、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、(4)記載の血中尿酸値低下剤;
(6)プロテアーゼが、エンド型プロテアーゼ、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、(4)記載の血中尿酸値低下剤;
(7)エンド型プロテアーゼがAspergillus saitoi由来の酸性プロテアーゼであり、プロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素がAspergillus oryzae由来のプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素である、請求項6記載の血中尿酸値低下剤;
(8)リパーゼが、ウシ由来のプレガストリックエステラーゼである、(4)記載の血中尿酸値低下剤;
(9)チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ、プロテアーゼ及び乳酸菌で処理した分解物である、(1)〜(3)のいずれか1項記載の血中尿酸値低下剤;
(10)乳酸菌がLactococcus lactis subsp.lactis、Lactococcus lactis subsp.cremoris、及びLactococcus lactis subsp.lactis biovar diacetylactisである、(9)記載の血中尿酸値低下剤;
(11)有効成分としてチーズ酵素分解物のみを含有する、(1)〜(10)のいずれか1つに記載の血中尿酸値低下剤;
(12)チーズ酵素分解物および製剤補助剤のみを含有する、請求項1〜11のいずれか1つに記載の血中尿酸値低下剤;
(13)チーズ酵素分解物を有効成分とする活性酸素吸収剤;
(14)有効成分としてチーズ酵素分解物のみを含有する、(13)記載の活性酸素吸収剤;
(15)血中尿酸値を低下させるためのチーズ酵素分解物を含有する組成物;
(16)チーズ酵素分解物が、活性酸素吸収能を有するチーズ酵素分解物である、(15)記載の組成物;
(17)チーズ酵素分解物の含有量が、1日投与量として50μM Trolox等量以上の活性酸素吸収能を示す量である、(16)記載の組成物;
(18)チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ及びプロテアーゼで処理した分解物である、請求項(15)〜(17)のいずれか1つに記載の組成物;
(19)プロテアーゼがエンド型プロテアーゼ、エキソ型プロテアーゼ、エキソ型ペプチダーゼ/エンド型プロテアーゼ複合酵素、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、(18)記載の組成物;
(20)プロテアーゼがエンド型プロテアーゼ、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、(18)記載の組成物;
(21)エンド型プロテアーゼがAspergillus saitoi由来の酸性プロテアーゼであり、プロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素がAspergillus oryzae由来のプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素である、(20)記載の組成物;
(22)リパーゼがウシ由来のプレガストリックエステラーゼである、(18)記載の組成物;
(23)チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ、プロテアーゼ及び乳酸菌で処理した分解物である、(15)〜(17)のいずれか1つに記載の組成物;
(24)乳酸菌がLactococcus lactis subsp.lactis、Lactococcus lactis subsp.cremoris、及びLactococcus lactis subsp.lactis biovar diacetylactisである、(23)記載の組成物;
(25)有効成分としてチーズ酵素分解物のみを含有する、(15)〜(24)のいずれか1つに記載の組成物;
(26)チーズ酵素分解物および製剤補助剤のみを含有する、請求項15〜25のいずれか1つに記載の組成物;
(27)活性酵素を吸収するためのチーズ酵素分解物を含有する組成物;
(28)有効成分としてチーズ酵素分解物のみを含有する、(27)記載の組成物;
(29)チーズ酵素分解物を投与することを特徴とする血中尿酸値の低下方法;
(30)チーズ酵素分解物が、活性酸素吸収能を有するチーズ酵素分解物である、(29)記載の方法;
(31)チーズ酵素分解物の投与量が、1日投与量として50μM Trolox等量以上の活性酸素吸収能を示す量である、(30)記載の方法;
(32)チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ及びプロテアーゼで処理した分解物である、(29)記載の方法;
(33)プロテアーゼがエンド型プロテアーゼ、エキソ型プロテアーゼ、エキソ型ペプチダーゼ/エンド型プロテアーゼ複合酵素、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、(32)記載の方法;
(34)プロテアーゼがエンド型プロテアーゼ、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、(32)記載の方法;
(35)エンド型プロテアーゼがAspergillus saitoi由来の酸性プロテアーゼであり、プロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素がAspergillus oryzae由来のプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素である、(34)記載の方法;
(36)リパーゼがウシ由来のプレガストリックエステラーゼである、(32)記載の方法;
(37)チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ、プロテアーゼ及び乳酸菌で処理した分解物である、(29)記載の方法;
(38)乳酸菌がLactococcus lactis subsp.lactis、Lactococcus lactis subsp.cremoris、及びLactococcus lactis subsp.lactis biovar diacetylactisである、(37)記載の方法;
(39)有効成分として、実質的にチーズ酵素分解物のみを投与する、(29)記載の方法;
(40)チーズ酵素分解物および製剤補助剤のみを投与する、(39)の方法;
(41)チーズ酵素分解物を投与することを特徴とする活性酸素吸収方法;
(42)有効成分として、実質的にチーズ酵素分解物のみを投与する、(41)記載の方法、
を提供するものである。
また、本発明は、血中尿酸値低下剤又は活性酵素吸収剤製造のためのチーズ酵素分解物の使用を提供するものである。
このうち、エンド型プロテアーゼ、エキソ型プロテアーゼ、エキソ型ペプチダーゼ/エンド型プロテアーゼ複合酵素、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上、特に3種以上を組み合せて用いるのが好ましい。さらに、エンド型プロテアーゼ、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上、特に3種以上を組み合せて用いるのが好ましい。
活性酸素吸収能力は、米国農務省、国立老化研究所で開発された抗酸化力の指標である。蛍光物質の存在する系において一定の活性酸素種を発生させ、それによって分解される蛍光物質の蛍光強度を測定し、経時的に減少する蛍光強度の曲線を描いた場合、この反応系に抗酸化物質が共存すると蛍光物質の蛍光強度の減少速度が遅延する。この原理に基づき、検体(もしくは標準物質)存在下での蛍光強度の曲線下面積(AUC:Area Under the Curve)と、非存在下(ブランク)でのAUCとの差(net AUC)を算出する。検体のnet AUCについて、濃度既知の標準物質(TroloxTM:6−hydroxy−2,5,7,8−tetramethylchroman−2−carboxylic acid:Troloxは登録商標である)のnet AUCに対する相対値を求める。その相対値を基にTroloxの濃度に換算して検体の抗酸化力とする。(単位μmol TE/g:マイクロモルTrolox当量/グラム)
本発明の血中尿酸値低下剤の投与量は、1日投与量として50μM Trolox当量以上、好ましくは100μM Trolox等量以上、より好ましくは1000μM Trolox等量以上の活性酸素吸収能を示す量とすることができる。
(スターター培養液の調製)
20gのスキムミルク粉末に200mlの蒸留水に溶解し、滅菌して、10w/v%脱脂粉乳培地を調製した。ここに約0.1gのスターター菌3種(Lactococcus lactis subsp.lactis、Lactococcus lactis subsp.cremoris、Lactococcus lactis subsp.lactis biovar diacetylactis)を接種し、37℃で16時間培養した。
(チーズ酵素分解物の調製1)
国産ゴーダチーズに滅菌水を加えたものに、スターター培養液、塩化ナトリウムを添加し撹拌後、プロテアーゼA「アマノ」SD(Aspergillus oryzae由来プロテアーゼ、天野エンザイム社製)、リパーゼ(プレガストリックエステラーゼ、レンコニュージーランド社製)を添加し、34℃で振とうすることにより分解を行った。48時間後、クエン酸にてpHを4.1に調整し、モルシンF(Aspergillus saitoi由来酸性プロテアーゼ、キッコーマン社製)及びウマミザイムG(Aspergillus orizae由来プロテアーゼ、天野エンザイム社製)をそれぞれ添加し、34℃で振とうすることにより分解を行った。4日後、水酸化ナトリウムでpHを5.0に調整し、110℃にて15分間加熱して酵素を失活させ、チーズ酵素分解物を得た。国産ゴーダチーズ100gあたりの配合量は次の通りである。
〔配合表〕
国産ゴーダチーズ 100g
滅菌水 50.5g
スターター培養液 18g
塩化ナトリウム 2.2g
プロテアーゼA「アマノ」SD 0.6g
リパーゼ 0.2g
クエン酸 3.5g
モルシンF 0.2g
ウマミザイムG 0.3g
水酸化ナトリウム 1.5g
(チーズ酵素分解物の調製2)
国産チェダーチーズに滅菌水を加えたものに、実施例1で調製したスターター培養液、塩化ナトリウムを添加し撹拌後、プロテアーゼA「アマノ」SD(Aspergillus orizae由来、天野エンザイム)、リパーゼ(プレガストリックエステラーゼ、レンコニュージーランド社製)を添加し、34℃で振とうすることにより分解を行った。48時間後、クエン酸にてpHを4.1に調整し、ニューラーゼR(Bacillus subtilis由来、ノボ社)及びウマミザイムG(Aspergillus orizae由来プロテアーゼ、天野エンザイム社製)をそれぞれ添加し、34℃で振とうすることにより分解を行った。4日後、水酸化ナトリウムでpHを5.0に調整し、110℃にて15分間加熱して酵素を失活させ、チーズ酵素分解物を得た。国産チェダーチーズ100gあたりの配合量は次の通りである。
〔配合表〕
国産チェダーチーズ 100g
滅菌水 50.5g
スターター培養液 20g
塩化ナトリウム 0.3g
プロテアーゼA「アマノ」SD 0.6g
リパーゼ 0.2g
クエン酸 3.3g
ニューラーゼR 0.2g
ウマミザイムG 0.3g
水酸化ナトリウム 1.5g
(チーズ酵素分解物の調製3)
デンマークスキムチーズ(熟成期間6ヶ月)に蒸留水を加えたものに、実施例1で調製したスターター培養液、塩化ナトリウムを添加し撹拌後、プロテアーゼS「アマノ」G(Bacillus stearothermophilus由来、天野エンザイム)を添加し、34℃で振とうすることにより分解を行った。48時間後、クエン酸にてpHを4.1に調整し、ニューラーゼA(Aspergillus niger由来、天野エンザイム)及びウマミザイムG(Aspergillus orizae由来プロテアーゼ、天野エンザイム)をそれぞれ添加し、34℃で振とうすることにより分解を行った。5日後、水酸化ナトリウムでpHを5.0に調整し、110℃にて15分間加熱して酵素を失活させ、チーズ酵素分解物を得た。デンマークスキムチーズ100gあたりの配合量は次の通りである。
〔配合表〕
デンマークスキムチーズ 100g
蒸留水 74g
スターター培養液 20g
塩化ナトリウム 0.2g
プロテアーゼS「アマノ」G 0.6g
クエン酸 3.2g
ニューラーゼA 0.3g
ウマミザイムG 0.3g
水酸化ナトリウム 1.4g
(動物実験)
ラット(Wistar、雄、7週令、日本エスエルシー)を購入し、馴化期間中は、AIN−93G粉末を給餌した。馴化期間終了後、午前中に採血し、尿酸値を測定した(0日目)。この値を基に、陰性群、対照群、被験1群、被験2群、被験3群の計5群(1群6匹)に群分けした。チーズ酵素分解物は実施例1に記載のチーズ酵素分解物の調製に従って作成したものを用いた。
なお、AIN−93Gは、米国国立栄養研究所(American Institute of Nutrition)から1993年に発表されたマウス・ラット用の栄養研究のための標準精製飼料組成である。
・陰性群:AIN−93G給餌、注射用水(10mL/kg)
・対照群:オキソニン酸カリウム2.5%混合AIN−93G給餌、注射用水(10mL/kg)
・被験1群:オキソニン酸カリウム2.5%混合AIN−93G給餌、チーズ酵素分解物(300mg/kg、10mL/kg)
・被験2群:オキソニン酸カリウム2.5%混合AIN−93G給餌、チーズ酵素分解物(1g/kg、10mL/kg)
・被験3群:オキソニン酸カリウム2.5%混合AIN−93G給餌、チーズ酵素分解物(3g/kg、10mL/kg)
群分け後より、陰性群にはAIN−93Gを引き続き給餌し、その他の群にはオキソニン酸カリウム2.5%混合AIN−93G(試験食)を給餌した。チーズ酵素分解物投与は1日目から15日目の毎日、午前中に1回行った。部分採血は、全例において2日目(投与2時間後)、5日目(投与2時間後)、8日目(投与2時間後)、12日目(投与2時間後)、15日目(投与2時間後)に行い、血清尿酸値をリンタングステン酸法で測定した。15日目のチーズ酵素分解物投与以降から22日目までは後観察期間とした。22日目の午前中に採血し、血清尿酸値をリンタングステン酸法で測定した。
・一般状態の観察と体重の測定
体重測定は、0日目、1日目、5日目、8日目、12日目、15日目及び22日目に行った。
・摂餌量と摂水量の測定
摂餌量の測定は0日目(セット値)、5日目(残値、セット値)、8日目(残値、セット値)、12日目(残値、セット値)、15日目(残値、セット値)、19日目(残値、セット値)、22日目(残値)に行った。飲水量の測定は0日目(セット値)、2日目(残値、セット値)、6日目(残値、セット値)、8日目(残値、セット値)、12日目(残値、セット値)、15日目(残値、セット値)、19日目(残値、セット値)、22日目(残値)に行った。
結果は平均値±標準偏差で示し、対照群と菌体投与各群を比較した。数値化した検査値の分散比はF検定を行い、等分散の場合にはStudent’s t−検定、Dunnett 検定又はTukey−Kramer検定を、不等分散の場合にはMann−Whitney U検定を行った。
体重測定の結果を表1に、摂餌量及び摂水量の結果を表2に、血清尿酸値の推移を図1及び表3に示す。
オキソニン酸カリウム混合飼料による飼育(対照群、被験1群、被験2群、被験3群)は、AIN−93Gによる飼育(陰性群)に比較して、摂餌量が減少し、飲水量が増加した。試験物質を投与した被験1群、被験2群、被験3群について、対照群と比較して有意な摂餌量の変化、飲水量の変化は認められなかった(Dunnett test)。
オキソニン酸カリウム混合飼料による飼育により、尿酸値が有意に上昇し高尿酸血症状態となった(陰性群vs対照群、p<0.001,Student’s t−test)。チーズ酵素分解物の投与は、尿酸値の上昇を用量依存的に抑制した。対照群と比較して、チーズ酵素分解物1000mg/kgの投与(被験2群)では2日目及び12日目において、チーズ酵素分解物3000mg/kgの投与(被験3群)では2,5,8,12,15日目において有意に尿酸値が低下していた(Dunnett test,p<0.05)。なお、試験物質の投与を中止してから7日後(22日目)には、対照群、被験1群、被験2群、被験3群の間に有意な尿酸値の差は見られなくなった。
活性酸素吸収能力(ORAC:Oxygen Radical Absorbance Capacity)は1992年に米国農務省(USDA)と国立老化研究所(National Institute on Aging)の研究者らにより開発された抗酸化力の新しい指標で、食品中の抗酸化力を分析する方法として優れており、現在、野菜・果物などの食品素材や加工食品に至るまで最もデータベースが充実した分析法である。
サンプルとなるチーズ酵素分解物は、8M尿素溶液を添加し30mg/mLに調製後、超音波処理にてチーズ酵素分解物を均一に分散させた。75mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)で10倍希釈を2回行った。
標識物質(Fluorescein:3’,6’−dihydroxyspiro[isobenzofuran−1[3H],9’[9H]−xanthen]−3−one)に75mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)を添加し117nM Fluoresceinを調製した。標準物質(TroloxTM:6−hydroxy−2,5,7,8−tetramethylchroman−2−carboxylic acid)に75mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)を添加し50μM Troloxを調製した。ラジカル発生剤(AAPH:2,2’−azo−bis(2−amidinopropane)dihydrochloride)に75mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)を添加し40mM AAPHに調製した。96穴蛍光プレートに、サンプル(又は標準物質の50μM Trolox)を20μl、117nM Fluoresceinを120μl添加し、37℃で15分プレインキュベートした。その後、ラジカル発生剤の40mM AAPHを60μl添加し、励起波長485nm、蛍光波長520nmで1分ごとに蛍光強度を測定した。
一定の活性酸素種を発生させ、それによって分解される蛍光物質の蛍光強度を測定し、経時的に減少する蛍光強度の曲線を描いた場合、この反応系に抗酸化物質が共存すると蛍光物質の蛍光強度の減少速度が遅延する。この原理に基づき、検体(もしくは標準物質)存在下での蛍光強度の曲線下面積(AUC:Area Under the Curve)と、非存在下(ブランク)でのAUCとの差(net AUC)を算出する。検体のnet AUCについて、濃度既知の標準物質(Trolox)のnet AUCに対する相対値を求める。その相対値を基にTrolox濃度に換算して検体の抗酸化力とした。(単位μmol TE/g:マイクロモルTrolox当量/グラム)
チーズ酵素分解物の活性酸素吸収能力は、189.5±11.0μM Trolox当量/グラムであった。
(発酵乳の製造例1)
プレーンヨーグルトを、チーズ酵素分解物(明治チーズテイストコンセントレイトG(ゴーダタイプ))、L.bulgaricus JCM1002T、S.thermophilus ATCC19258により調製した。まず、脱脂粉乳10%培地を用いて、L.bulgaricus JCM1002T、S.thermophilus ATCC19258のバルクスターターを調製した。次に、ヨーグルトミックス(無脂乳固形分(SNF):9.5%、脂肪分(FAT):3.0%)にチーズ酵素分解物を混和し95℃で5分間加熱処理した。この加熱処理後のミックスに、L.bulgaricus JCM1002Tと、S.thermophilus ATCC19258のスターターを各1%で接種し、43℃、4時間で発酵して、プレーンヨーグルトを得た。このプレーンヨーグルトを冷蔵庫(5℃)で冷却してから、風味と物性を確認した。このとき、風味と物性はいずれも良好であった。
(発酵乳の製造例2)
プレーンヨーグルトを、チーズ酵素分解物(明治チーズテイストコンセントレイトG(ゴーダタイプ))、血中尿酸値低減作用を有する乳酸菌であるL.gasseri OLL2959(NITE P−224)、L.bulgaricus JCM1002T、S.thermophilus ATCC19258により調製した。まず、脱脂粉乳10%培地を用いて、L.gasseri OLL2959、L.bulgaricus JCM1002T、S.thermophilus ATCC19258のバルクスターターを調製した。次に、ヨーグルトミックス(無脂乳固形分(SNF):9.5%、脂肪分(FAT):3.0%)にチーズ酵素分解物を混和し95℃で5分間加熱処理した。この加熱処理後のミックスに、L.bulgaricus JCM1002Tと、S.thermophilus ATCC19258のスターターを各1%、L.gasseri OLL2959のスターターを5%で接種し、43℃、4時間で発酵して、プレーンヨーグルトを得た。このプレーンヨーグルトを冷蔵庫(5℃)で冷却してから、風味と物性を確認した。このとき、風味と物性はいずれも良好であった。
(プロセスチーズの製造例)
ニュージーランド産チェダーチーズを原料チーズとし、活性酸素吸収能力が約150μM Trolox当量/gのチーズ酵素分解物を添加して以下の製造方法によりプロセスチーズを調整した。配合割合は次の通りである。
〔配合表〕
ニュージーランド産チェダーチーズ 8.0kg
チーズ酵素分解物 0.05kg
溶融塩(トリポリリン酸ナトリウム) 0.2kg
水(加温のための蒸気を含む) 1.75kg
〔製造方法〕
チーズは予めミートチョッパで粗く粉砕しておく。20リットル容ケットル型ニーダーに原料を全て投入し(ただし、水の量は加温のための蒸気量を除いた量とする)、120rpmの回転数で撹拌しながら蒸気を吹き込み約10分間で85℃まで加温した。溶けて流動性を持つようになったチーズを200gずつ容器に採取し、密封して5℃の冷蔵庫で一晩冷却した。このものはチーズ酵素分解物の特異臭もなく、風味、組成は良好であった。
Claims (42)
- チーズ酵素分解物を有効成分とする血中尿酸値低下剤。
- チーズ酵素分解物が、活性酸素吸収能を有するチーズ酵素分解物である、請求項1記載の血中尿酸値低下剤。
- チーズ酵素分解物の含有量が、1日投与量として50μM Trolox等量以上の活性酸素吸収能を示す量である、請求項2記載の血中尿酸値低下剤。
- チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ及びプロテアーゼで処理した分解物である、請求項1〜3のいずれか1項記載の血中尿酸値低下剤。
- プロテアーゼが、エンド型プロテアーゼ、エキソ型プロテアーゼ、エキソ型ペプチダーゼ/エンド型プロテアーゼ複合酵素、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、請求項4記載の血中尿酸値低下剤。
- プロテアーゼが、エンド型プロテアーゼ、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、請求項4記載の血中尿酸値低下剤。
- エンド型プロテアーゼがAspergillus saitoi由来の酸性プロテアーゼであり、プロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素がAspergillus oryzae由来のプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素である、請求項6記載の血中尿酸値低下剤。
- リパーゼが、ウシ由来のプレガストリックエステラーゼである、請求項4記載の血中尿酸値低下剤。
- チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ、プロテアーゼ及び乳酸菌で処理した分解物である、請求項1〜3のいずれか1項記載の血中尿酸値低下剤。
- 乳酸菌がLactococcus lactis subsp.lactis、Lactococcus lactis subsp.cremoris、及びLactococcus lactis subsp.lactis biovar diacetylactisである、請求項9記載の血中尿酸値低下剤。
- 有効成分としてチーズ酵素分解物のみを含有する、請求項1〜10のいずれか1項記載の血中尿酸値低下剤。
- チーズ酵素分解物および製剤補助剤のみを含有する、請求項1〜11のいずれか1項記載の血中尿酸値低下剤。
- チーズ酵素分解物を有効成分とする活性酸素吸収剤。
- 有効成分としてチーズ酵素分解物のみを含有する、請求項13記載の活性酸素吸収剤。
- 血中尿酸値を低下させるためのチーズ酵素分解物を含有する組成物。
- チーズ酵素分解物が、活性酸素吸収能を有するチーズ酵素分解物である、請求項15記載の組成物。
- チーズ酵素分解物の含有量が、1日投与量として50μM Trolox等量以上の活性酸素吸収能を示す量である、請求項16記載の組成物。
- チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ及びプロテアーゼで処理した分解物である、請求項15〜17のいずれか1項記載の組成物。
- プロテアーゼがエンド型プロテアーゼ、エキソ型プロテアーゼ、エキソ型ペプチダーゼ/エンド型プロテアーゼ複合酵素、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、請求項18記載の組成物。
- プロテアーゼがエンド型プロテアーゼ、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、請求項18記載の組成物。
- エンド型プロテアーゼがAspergillus saitoi由来の酸性プロテアーゼであり、プロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素がAspergillus oryzae由来のプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素である、請求項20記載の組成物。
- リパーゼがウシ由来のプレガストリックエステラーゼである、請求項18記載の組成物。
- チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ、プロテアーゼ及び乳酸菌で処理した分解物である、請求項15〜17のいずれか1項記載の組成物。
- 乳酸菌がLactococcus lactis subsp.lactis、Lactococcus lactis subsp.cremoris、及びLactococcus lactis subsp.lactis biovar diacetylactisである、請求項23記載の組成物。
- 有効成分としてチーズ酵素分解物のみを含有する、請求項15〜24のいずれか1項記載の組成物。
- チーズ酵素分解物および製剤補助剤のみを含有する、請求項15〜25のいずれか1項記載の組成物。
- 活性酵素を吸収するためのチーズ酵素分解物を含有する組成物。
- 有効成分としてチーズ酵素分解物のみを含有する、請求項27記載の組成物。
- チーズ酵素分解物を投与することを特徴とする血中尿酸値の低下方法。
- チーズ酵素分解物が、活性酸素吸収能を有するチーズ酵素分解物である、請求項29記載の方法。
- チーズ酵素分解物の投与量が、1日投与量として50μM Trolox等量以上の活性酸素吸収能を示す量である、請求項30記載の方法。
- チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ及びプロテアーゼで処理した分解物である、請求項29記載の方法。
- プロテアーゼがエンド型プロテアーゼ、エキソ型プロテアーゼ、エキソ型ペプチダーゼ/エンド型プロテアーゼ複合酵素、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、請求項32記載の方法。
- プロテアーゼがエンド型プロテアーゼ、及びプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素から選ばれる2種以上である、請求項32記載の方法。
- エンド型プロテアーゼがAspergillus saitoi由来の酸性プロテアーゼであり、プロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素がAspergillus oryzae由来のプロテアーゼ/ペプチダーゼ複合酵素である、請求項34記載の方法。
- リパーゼがウシ由来のプレガストリックエステラーゼである、請求項32記載の方法。
- チーズ酵素分解物が、チーズをリパーゼ、プロテアーゼ及び乳酸菌で処理した分解物である、請求項29記載の方法。
- 乳酸菌がLactococcus lactis subsp.lactis、Lactococcus lactis subsp.cremoris、及びLactococcus lactis subsp.lactis biovar diacetylactisである、請求項37記載の方法。
- 有効成分として、実質的にチーズ酵素分解物のみを投与する、請求項29記載の方法。
- チーズ酵素分解物および製剤補助剤のみを投与する、請求項39の方法。
- チーズ酵素分解物を投与することを特徴とする活性酸素吸収方法。
- 有効成分として、実質的にチーズ酵素分解物のみを投与する、請求項41記載の方法。
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