JPWO2011010677A1 - 2−アミノブチルアミド無機酸塩の製造方法 - Google Patents
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Abstract
2−ヒドロキシブチロニトリルから、医薬品の原料等として有用な2−アミノブチルアミド無機酸塩を経済的に製造する方法を提供する。2−ヒドロキシブチロニトリルをアンモニアと反応させ2−アミノブチロニトリルを含む反応液を得、無機強塩基およびケトン系溶媒の存在下に反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基を主成分として含む反応液を生成させ、該反応液と無機酸溶液を接触させることにより、色調、純度ともに優れた高品質の2−アミノブチルアミド無機酸塩を高収率で製造する。
Description
シアンヒドリンを出発物質としたα−アミノ酸アミドの製造方法としては、α−アミノニトリルを経由する製法が知られており、α−アミノニトリルはシアンヒドリンとアンモニア、またはアンモニウム塩から合成するストレッカー反応が知られている。α−アミノニトリルを出発原料としたα−アミノ酸アミドの製造方法としては、α−アミノニトリルから5−オキサゾリジノンを反応中間体として生成させた後、該中間体を加水分解することによってα−アミノ酸アミドを得る合成方法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、これらの方法は反応を無水条件下で行う必要があるため、ストレッカー反応によって副生する水を除去して反応させる必要があり、煩雑なプロセスと装置を要する。
一方、α−アミノニトリルを水性媒体中で塩基およびケトンと反応させ、α−アミノ酸アミドを合成する方法が報告されている(例えば、特許文献2、3、4参照)。しかし、生成物であるα−アミノ酸アミドは極性が高く水易溶性であることから、収率を高めるためには結晶分離に先立って水を留去するか、結晶分離後の濾液を濃縮するかしてα−アミノ酸アミドの回収をはかる必要性がある。また、蒸留濃縮操作中にα−アミノ酸アミドとケトンが縮合して4−イミダゾリジノンが副生し、収率及び純度が低下してしまう問題もある。
これに対して、α−アミノニトリルを水性媒体中で塩基およびケトンとの反応で水和させ、生成したα−アミノ酸アミド含有液に無機酸を混合し、次いで生成したα−アミノ酸アミド無機酸塩を分離回収する方法が報告されている(例えば、特許文献5参照)。この方法は蒸留濃縮操作が必要なくなるが、水溶性の高い2−アミノブチルアミド無機酸塩に適用した場合は、結晶分離時、反応液中に含まれる水分の影響により、α−アミノ酸アミド無機酸塩の濾液への損失が起こり収率的に問題となる。
このように、従来の方法は何れも製造方法としては不充分なものであり、製品収率、製品純度に優れ、かつ簡便に目的物が得られる工業的に実施可能な製造方法の提供が強く望まれて来た。
原料の2−ヒドロキシブチロニトリル(1)から、高純度の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を高収率かつ簡便に製造できる方法を提供する。すなわち、本発明は医薬品原料等として有用な2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を高い収率で製造できる、経済性に優れた方法を提供することにある。
本発明は、2−ヒドロキシブチロニトリル(1)からアミノ化、シッフ塩基化を経て、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を製造する方法に関する。
本発明者らは、反応系に混入する水とアンモニアの量を低減出来れば、副生物の生成原因となる蒸留濃縮工程を行わなくても、水溶性が高い2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の分離操作における濾液への損失が低減でき、しかも2−アミノブチルアミド無機酸塩と同様な溶媒溶解性を示すアンモニア無機酸塩等の無機塩類の製品への混入も低減できることから、この課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。
その結果、以下に示すように、2−ヒドロキシブチロニトリル(1)をアンモニアと反応させ、2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を、そのまま直接または、該反応液に無機強塩基或いは無機強塩基水溶液を添加して二層分離し脱水する方法や減圧下で脱気することによりアンモニアを除く方法を講じ、得られた2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を、無機強塩基とケトン系溶媒の存在下、2−アミノブチロニトリル(2)に対する水の量が3倍モル以下の条件で反応させ、工程(A)で得た2−アミノブチロニトリル(2)に対して、0.6倍モル以上の2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)と0.4倍モル以下の2−アミノブチルアミド(4)を含む反応液を生成させた後、該反応液と無機酸溶液を接触させ、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を含む結晶スラリー液となし、そのまま直接、またはケトン系溶媒を追加した後に晶析させることにより、色調、純度ともに優れた高品質の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を収率良く取得できることを見出した。
(Rはメチル基又はエチル基を、Xは無機酸アニオンを示す。)
つまり、アミノニトリル化の際に使用するアンモニアとしてアンモニアガスを用いると、反応液中の水分はアミノニトリル化の際に副生する等モル分のみ含まれることになるが、反応液へ無機強塩基を添加して二層分離する操作を行うことによって、水分量を更に低減することが可能になる。これに対し、アンモニア水を使用すると反応液中の水分量は増加するが、水分量が多すぎる場合は、同じく反応液へ無機強塩基を添加して二層分離する操作を行うことにより水分量の低減が可能となる。この様にして得られた2−アミノブチロニトリル(2)を、無機強塩基の存在下、ケトン系溶媒中で反応させると、反応系の水分が少ないことから2−アミノ基とケトン基との脱水縮合とそれに共役したニトリル基の酸アミド基への加水分解反応が起こるに止まり、シッフ塩基の加水分解がほとんど進行せず、その結果として、生成物である2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)と2−アミノブチルアミド(4)とのうち、2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)が主成分を占める生成物が得られることが明らかとなった。
ところで、無機強塩基の存在下、ケトン系溶媒中で得られたシッフ塩基をα−アミノ酸アミドへ加水分解する為には、大過剰量の水の添加が必要となる。これに対して、無機酸酸性下でシッフ塩基の加水分解と塩形成とを同時に行った場合、ほぼ理論量の水でシッフ塩基の加水分解反応が起こり、実際上、反応系に水分を添加しなくても容易に加水分解反応が進行することが明らかとなった。また、シッフ塩基と等モルの水分が加水分解において消費されるため、更なる水分の低減も可能であることが明らかとなった。
このように、工程(B)において、2−アミノブチロニトリル(2)から2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)と2−アミノブチルアミド(4)を合成する際、反応液中の水分量を低く制限する操作法を採用することによって、2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)を主成分とする生成物が得られ、さらにこの生成物を用いることにより、工程(C)において、少ない水分増加量、場合によってはシッフ塩基の加水分解反応に伴う水分減少下に、高速度、高収率で2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)に変換できることが判明した。
2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)のケトン系溶媒に対する溶解度は、母液中の水分量が少ないほど低い。よって、母液中の含水率を減らすことによって、結晶分離工程における2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の濾液への損失が低減可能となった。
2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)のケトン系溶媒に対する溶解度は、母液中の水分量が少ないほど低い。よって、母液中の含水率を減らすことによって、結晶分離工程における2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の濾液への損失が低減可能となった。
この様に、反応液中の水分を低減すると、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の濾液への損失が低減される。しかし同時に、アミノニトリル化の際に過剰に用いたアンモニアに由来するアンモニア無機酸塩の製品への混入が問題となるが、これについては、アミノニトリル化後にアンモニアの留去を行うことにより、製品中への無機塩類の混入量の低減が可能となった。また、α−アミノ酸アミドは塩基とケトンの存在下で加熱すると、イミダゾリジノンを与えることが知られているが、上記の2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)を、酸性条件下で加水分解と塩形成とを同時に行うと、加熱条件下においてもイミダゾリジノンを副生しないことも見出した。この様に、従来の水およびケトン系溶媒の共存下、塩基性条件下で2−アミノブチロニトリルを2−アミノブチルアミドまで加水分解した後、酸によって中和し2−アミノブチルアミド塩とする場合に比較して、副反応を伴う蒸留濃縮工程を要さず、結晶分離時の濾液への損失が少なく、さらには無機塩類の夾雑量が少ない高純度の2−アミノアルキルアミド無機酸塩を高収率で取得できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の1)〜17)に記載する、2−ヒドロキシブチロニトリル(1)から、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を製造する方法に関する。
1)2−ヒドロキシブチロニトリル(1)から、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を製造する方法において、該製造方法が以下に示す工程(A)、工程(B)、および工程(C)を含むことを特徴とする、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
工程(A):2−ヒドロキシブチロニトリル(1)をアンモニアと反応させて、2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を得る工程。
工程(B):工程(A)で得た反応液を、無機強塩基と、アセトンおよびメチルエチルケトンから選ばれる1種類以上のケトン系溶媒の存在下、2−アミノブチロニトリル(2)に対して水分量が3倍モル以下の条件で反応させ、反応液中に含まれていた2−アミノブチロニトリル(2)に対し、0.6倍モル以上の2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)と0.4倍モル以下の2−アミノブチルアミド(4)を含む反応液を得る工程。
工程(C):工程(B)で得た反応液に、無機酸または無機酸水溶液を加えて、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を得る工程。
(但し、Rはメチル基またはエチル基である。)
(但し、Xは無機酸アニオンである。)
2)工程(A)において、アンモニアとしてアンモニアガスを使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
3)工程(A)において、アンモニアを2−ヒドロキシブチロニトリル(1)に対して1.0〜1.5倍モル使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
4)工程(A)において、アンモニアとしてアンモニア水を使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
5)工程(A)において、アンモニア水の濃度が35質量%以上であり、アンモニアを2−ヒドロキシブチロニトリル(1)に対して1.5〜2.5倍モル使用する、4)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
6)工程(B)において、2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液に無機強塩基または無機強塩基水溶液を加えることによって二層に分離させ、上層の有機相中に含まれていた水を下層の水相へ移行させた後に、上層の2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を下層の無機強塩基水溶液より分取し、分取した反応液を反応に使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
7)2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液に対して、下層の無機強塩基水溶液中の無機強塩基濃度が15質量%を下回らないように無機強塩基または無機強塩基水溶液を加える、6)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
8)工程(B)において、2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を30〜760mmHgの減圧下で脱気してアンモニアを留去したものを反応に使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
9)工程(B)において、無機強塩基を、2−アミノブチロニトリル(2)に対し0.005〜0.1倍モル使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
10)工程(B)において、無機強強塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムから選ばれる一種以上の無機強塩基を使用する、1)記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
11)工程(B)において、ケトン系溶媒を、2−アミノブチロニトリル(2)に対し1.0〜12.0倍モル使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
12)工程(B)において、ケトン系溶媒がアセトンである、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
13)工程(C)において、工程(B)で得た反応液を、無機酸または無機酸水溶液と、接触混合後の液pHが1〜6になるような酸過剰な比率で接触させる、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
14)工程(C)において、無機酸または無機酸水溶液として、塩化水素ガスまたは20質量%以上の塩酸水溶液を使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
15)さらに、工程(C)で得られた2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を含む液をそのまま直接またはケトン系溶媒中に注加した後に晶析し、析出した結晶を固液分離する工程を含む、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
16)母液の含水率が15質量%以下となる条件範囲下で、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)結晶の晶析と固液分離を行う、15)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
17)ケトン系溶媒がアセトンである、15)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
1)2−ヒドロキシブチロニトリル(1)から、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を製造する方法において、該製造方法が以下に示す工程(A)、工程(B)、および工程(C)を含むことを特徴とする、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
工程(A):2−ヒドロキシブチロニトリル(1)をアンモニアと反応させて、2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を得る工程。
工程(B):工程(A)で得た反応液を、無機強塩基と、アセトンおよびメチルエチルケトンから選ばれる1種類以上のケトン系溶媒の存在下、2−アミノブチロニトリル(2)に対して水分量が3倍モル以下の条件で反応させ、反応液中に含まれていた2−アミノブチロニトリル(2)に対し、0.6倍モル以上の2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)と0.4倍モル以下の2−アミノブチルアミド(4)を含む反応液を得る工程。
工程(C):工程(B)で得た反応液に、無機酸または無機酸水溶液を加えて、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を得る工程。
2)工程(A)において、アンモニアとしてアンモニアガスを使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
3)工程(A)において、アンモニアを2−ヒドロキシブチロニトリル(1)に対して1.0〜1.5倍モル使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
4)工程(A)において、アンモニアとしてアンモニア水を使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
5)工程(A)において、アンモニア水の濃度が35質量%以上であり、アンモニアを2−ヒドロキシブチロニトリル(1)に対して1.5〜2.5倍モル使用する、4)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
6)工程(B)において、2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液に無機強塩基または無機強塩基水溶液を加えることによって二層に分離させ、上層の有機相中に含まれていた水を下層の水相へ移行させた後に、上層の2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を下層の無機強塩基水溶液より分取し、分取した反応液を反応に使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
7)2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液に対して、下層の無機強塩基水溶液中の無機強塩基濃度が15質量%を下回らないように無機強塩基または無機強塩基水溶液を加える、6)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
8)工程(B)において、2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を30〜760mmHgの減圧下で脱気してアンモニアを留去したものを反応に使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
9)工程(B)において、無機強塩基を、2−アミノブチロニトリル(2)に対し0.005〜0.1倍モル使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
10)工程(B)において、無機強強塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムから選ばれる一種以上の無機強塩基を使用する、1)記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
11)工程(B)において、ケトン系溶媒を、2−アミノブチロニトリル(2)に対し1.0〜12.0倍モル使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
12)工程(B)において、ケトン系溶媒がアセトンである、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
13)工程(C)において、工程(B)で得た反応液を、無機酸または無機酸水溶液と、接触混合後の液pHが1〜6になるような酸過剰な比率で接触させる、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
14)工程(C)において、無機酸または無機酸水溶液として、塩化水素ガスまたは20質量%以上の塩酸水溶液を使用する、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
15)さらに、工程(C)で得られた2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を含む液をそのまま直接またはケトン系溶媒中に注加した後に晶析し、析出した結晶を固液分離する工程を含む、1)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
16)母液の含水率が15質量%以下となる条件範囲下で、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)結晶の晶析と固液分離を行う、15)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
17)ケトン系溶媒がアセトンである、15)に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
2−ヒドロキシブチロニトリル(1)から2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を製造する方法において、2−ヒドロキシブチロニトリル(1)をアンモニアと反応させ、2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を無機強塩基およびケトン系溶媒の存在下に反応させることにより、主成分の2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)と副次的な成分の2−アミノブチルアミド(4)からなる反応生成物を含む反応液を得、これを無機酸または無機酸水溶液と酸性条件下に接触させることにより、含水率が低くアンモニア無機酸塩等の無機塩類が少ない、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を含む結晶スラリー液を得ることができる。
これによって結晶を固液分離する際の母液ロスが低減され、高収率で高純度の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を製造することが可能となる。
これによって結晶を固液分離する際の母液ロスが低減され、高収率で高純度の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を製造することが可能となる。
本発明は2−ヒドロキシブチロニトリル(1)より2−アミノブチロニトリル(2)を合成する工程(A)、2−アミノブチロニトリル(2)より2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)および2−アミノブチルアミド(4)を合成する工程(B)、2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)および2−アミノブチルアミド(4)より2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を合成する工程(C)からなる。
(Rはメチル基又はエチル基を、Xは無機酸アニオンを示す。)
本発明の工程(A)において使用する2−ヒドロキシブチロニトリル(1)は、通常のシアノヒドリン化反応で合成されたものでよく、例えば、プロピオンアルデヒドとシアン化水素から合成されたものが使用できる。
2−ヒドロキシブチロニトリル(1)と反応させるアンモニアとしては、アンモニアガス、液体アンモニアまたはアンモニア水溶液の何れでも使用可能であるが、反応系への水分混入を避けることができ、かつ複雑な反応装置を要さない点でアンモニアガスが望ましい。なお、アンモニアガスはそのままでも使用できるが、塩化カルシウム等を用いた脱水カラムを通過させることによって乾燥アンモニアガスとなした後に用いてもよい。反応に使用するアンモニア量としては、化学量論的に2−ヒドロキシブチロニトリル(1)に対し等モル以上必要であるが、アンモニアガスおよび液体アンモニアを使用する場合、製品中の無機塩の混入を避けるため、出来る限り理論量に近い量であることが好ましく、その意味で2−ヒドロキシブチロニトリル(1)に対し、モル比で1.0〜1.5倍モルであることが好ましく、1.0〜1.2倍モルであることがより好ましい。アンモニア水を使用する場合は、アンモニアガスおよび液体アンモニアを使用する場合より反応性が低くなること及び後の工程での水分量を少なくすることを考慮し、アンモニア水を35質量%以上の濃度とすることが好ましく、2−ヒドロキシブチロニトリル(1)に対するアンモニア量は1.5倍〜2.5倍モルとすることが好ましく、1.8倍〜2.3倍モルとすることがより好ましい。反応温度としては、反応生成物である2−アミノブチロニトリル(2)が二量体等の副生成物を形成しないよう、−5〜25℃の範囲で行うことが好ましく、0〜20℃の範囲で行うことがより好ましい。
本発明の工程(B)で用いる2−アミノブチロニトリル(2)は、工程(A)で得られた反応液を、そのまま直接または脱水や脱アンモニア処理したものを使用する。なお、工程(A)で得られたもの以外の市中より入手した2−アミノブチロニトリルであっても、本発明の目的に反しない範囲の性状を有するものであれば、工程(B)の反応原料として使用できるのは勿論のことである。
2−アミノブチロニトリル(2)の合成後、反応液に無機強塩基または無機強塩基水溶液を加えることによって反応液を二層に分離させて、水が除かれた上層の2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液と、除かれた水を含む下層の無機強塩基水溶液を分取する。二層分離する際に使用する無機強塩基の種類に制限はないが、工業原料として入手し易く、使用後の処理においても便利な水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。無機強塩基の添加は上層中の水分低減が目的であるため、使用する無機強塩基の量としては、得られる下層中の無機塩基濃度が15質量%以上になるよう加えるのが好ましく、30質量%以上になるように加えるのがより好ましい。また、得られる下層は、無機強塩基として2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)と2−アミノブチルアミド(4)を含む反応液を得る工程に用いることも可能である。
一方、2−アミノブチロニトリル(2)合成後の脱アンモニア処理に特に制限はないが、処理時間および操作性の面から、圧力30〜760mmHgの減圧下が好ましく、圧力50〜600mmHgの減圧下がより好ましい。また、無機強塩基の存在下にケトン系溶媒と反応させる際のアンモニア分、すなわち、工程(A)で得た2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液中のアンモニア分は、2−アミノブチロニトリル(2)に対し0.3倍モル以下であることが好ましい。これを上回る場合は工程(C)で得られる2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の純度が低下するので好ましくない。例えば脱アンモニア条件600mmHgで30分間とすると、アンモニア分は2−アミノブチロニトリル(2)に対しモル比0.36から0.23へ低減され、純度95%の製品を得ることが出来る(表1参照)。
本発明の工程(B)における2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)および2−アミノブチルアミド(4)の合成は、水、無機強塩基、およびケトン系溶媒の存在下、2−アミノブチロニトリル(2)を滴下することによって反応させる。なお、これら反応を行う際の原料の滴下順序に特に制限はないが、反応を逐次的に進行させるため、ケトン系溶媒に無機強塩基を滴下した後、2−アミノブチロニトリル(2)を滴下するのが好ましい。
本反応で使用する無機強塩基は、アミノ基の活性化を促進し、ケトン系溶媒と反応させオキサゾリジンを経由し2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)および2−アミノブチルアミド(4)を形成する触媒として働いている。用いる無機強塩基の種類に制限はないが、工業原料として入手し易く、使用後の処理においても便利な水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。使用する強塩基の量としては、出来る限り少ない量であることが好ましく、その意味で2−アミノブチロニトリル(2)に対し、モル比で0.005〜0.1倍モルであることが好ましく、0.02〜0.07倍モルであることがより好ましい。0.005倍モルを下回るとシッフ塩基となる反応速度の低下が見られ、0.1倍モルを上回る場合は、触媒活性の増加には結びつかず、単に用いた強塩基の中和に要する無機酸量が増え、製品中に混入する無機塩量が多くなるだけで好ましくない。
本発明の工程(B)で使用するケトン系溶媒の種類に特に制限はないが、例えば、アセトンやメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのようなケトン系溶媒が好適であり、このうちメチルエチルケトン、アセトンが好ましく、特にアセトンがより好ましい。ケトン系溶媒の使用量は、シッフ塩を形成する上で化学量論的に1当量以上を必要とするが、反応原料や生成物の溶解性や分散性を保つ反応溶媒としての役割を果たし、かつ結晶分離時の濾液への損失を低減できることが要求されることから、原料の2−アミノブチロニトリル(2)に対して1〜12倍モルが好ましく、3〜6倍モルの範囲がより好ましい。一方、反応液中に含まれる水に対しては、重量比で4倍以上が好ましく、7倍以上の範囲がより好ましい。
反応温度は2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)の2−アミノブチルアミド(4)への加水分解反応、および4−イミダゾリジノン体等への副反応を抑制するため−20〜30℃の温度範囲とすることが好ましく、0〜20℃の温度範囲とすることがより好ましい。30℃より温度が高いと副反応が顕在化し、0℃より温度が低いと反応時間が長くなり、かつ冷却に伴うエネルギーコストの面で不利となる。なお、反応時間の延長は、2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)が2−アミノブチルアミド(4)へ加水分解された後、α−イミダゾリジノン体の副生を招くことになるので、3〜10時間程度とすることが望ましい。
工程(B)の反応においては、前工程(A)から混入する水および無機強塩基水溶液を添加することによって加わる水が多いほど、2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)が加水分解され、2−アミノブチルアミド(4)の生成量が増加する。例えば、2−アミノブチロニトリル(2)に対し、モル比0.24の水分量の場合、2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)の生成モル比は、2−アミノブチロニトリル(2)に対し0.85倍モル生成し、2−アミノブチルアミド(4)は2−アミノブチロニトリル(2)に対し0.08倍モル生成する。又、2−アミノブチロニトリル(2)に対し、モル比1.10の水分量の場合、2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)の生成モル比は、2−アミノブチロニトリル(2)に対し0.76倍モル生成し、2−アミノブチルアミド(4)は2−アミノブチロニトリル(2)に対し0.18倍モル生成する(表2参照)。
工程(C)の無機酸塩の形成において使用する無機酸の種類に特に制限はなく、塩酸、塩化水素ガス、硝酸が例示されるが、装置材質上の問題や廃棄物処理を含めた製法上の有利性の面から塩酸および塩化水素ガスが好ましく、塩酸がさらに好ましい。使用する無機酸はガス状もしくは液状の無機酸、または無機酸水溶液の何れでもよいが、20質量%以上の濃度の無機酸水溶液またはガス状もしくは液状の無機酸が好ましい。より好ましくは、2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)を主成分とする反応液との接触時に生じる中和熱の発生をできる限り抑えるため、水によって予め希釈し徐熱した20〜60質量%の濃度の無機酸水溶液である。20質量%未満の濃度の無機酸水溶液を使用した場合は、中和した反応液中への水の混入量が増し結晶回収率の低下を招く。一方、60質量%を越える濃度の無機酸水溶液またはガス状もしくは液状の無機酸を使用した場合は、中和した際に中和熱の発生を見る。
無機酸の使用量は、工程(B)で得られた反応液中に含まれる2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)と2−アミノブチルアミド(4)とが、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)に変換される量であれば特に制限はないが、通常は、工程(B)において原料として仕込まれた2−アミノブチロニトリル(2)に対して1.0〜1.2倍モルを用い、無機酸と接触させた後の反応混合液のpHが1〜6になるよう添加するのが好ましく、特にpHが3〜5になるように添加するのが好ましい。なお、反応混合液のpHは、無機酸との接触時、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の結晶を固液分離する段階まで、pH1〜6に維持することが好ましく、特にpH3〜5に維持することが好ましい。6を上回るpHで維持すると、一部無機酸塩まで進行せず、不安定な2−アミノブチルアミドで止まり、2−アミノブチルアミド無機酸塩の収率が低下する現象が認められる。又1を下回るpHで維持すると得られた2−アミノブチルアミド無機酸塩が黄色味を帯びる着色現象が認められる。
2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の合成において、無機酸と2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)の接触後、瞬時に2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の微小な結晶が形成されるため、結晶粒径を大きくして固液分離時の分離性を向上させるため、好ましくは20〜50℃、より好ましくは30〜40℃で熟成させることが望ましい。20℃を下回ると結晶形成が早く進むので、粒径が大きく濾過性に優れた結晶が得られず、50℃を上回ると溶解度の面から結晶形成が阻害される。熟成時間は熟成温度によって異なるが、例えば40℃で熟成を行った場合、2〜10時間が好ましい。溶媒組成としては、溶解度を低下させ結晶収率を向上させるため、水分含量は低いほどよい。合成後ケトン系溶媒の追加も可能であるが、工業的生産性の観点から母液中の水分含量は15%以下が好ましい。
結晶の固液分離温度は2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の溶解度を下げ、母液ロスを低減させる意味から、−10から20℃で行うことが好ましく、0から10℃で行うことがより好ましい。また、固液分離によって得られた粗結晶に付着した無機塩を含む母液を洗い流すため、アセトン或いはメタノール、エタノール等のアルコールで洗浄することも可能である。その時の結晶の溶解損失を減らすため好ましくは−10から20℃、より好ましくは0〜10℃に冷却した前記溶媒で洗浄する。使用される洗浄液量は濾別された粗結晶量の0.5〜3倍容を目安とする。なお、母液中に含まれるアセトン等のケトン系溶媒は蒸留操作で容易に回収でき、次反応への利用も可能である。
結晶の固液分離温度は2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の溶解度を下げ、母液ロスを低減させる意味から、−10から20℃で行うことが好ましく、0から10℃で行うことがより好ましい。また、固液分離によって得られた粗結晶に付着した無機塩を含む母液を洗い流すため、アセトン或いはメタノール、エタノール等のアルコールで洗浄することも可能である。その時の結晶の溶解損失を減らすため好ましくは−10から20℃、より好ましくは0〜10℃に冷却した前記溶媒で洗浄する。使用される洗浄液量は濾別された粗結晶量の0.5〜3倍容を目安とする。なお、母液中に含まれるアセトン等のケトン系溶媒は蒸留操作で容易に回収でき、次反応への利用も可能である。
ところで、工程(A)における2−ヒドロキシブチロニトリル(1)とアンモニアとの反応は、本反応が脱水置換反応であることより2−ヒドロキシブチロニトリル(1)と同等モルの水が生成することになる。次の2−アミノブチロニトリル(2)より、2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)と2−アミノブチルアミド(4)とを合成する反応では、仮にその全量が2−アミノブチルアミド(4)に変換された場合を想定すると、2−アミノブチロニトリル(2)と同等モルの水が消費されるので、工程(A)と工程(B)を合わせた場合には、工程(A)で生成した水が工程(B)で消費され、水の出納としては出入り0モルと計算される。つまり、この場合、工程(B)で用いた無機強塩基水溶液に伴う水および工程(C)で用いた無機酸水溶液に伴う水が、工程(C)で2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)結晶を固液分離する際の母液中の水分量となる。
つまり、2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)が加水分解され2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)となる過程で同等モルの水が消費されるので、シッフ塩基の組成比が高いほど、工程(C)の無機酸塩形成後の水分量が低減されることになる。即ち、工程(A)で生成した水をできる限り除いて置くことにより、工程(B)で2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)の組成比率が高い反応生性物が得られる。これによって、工程(C)の無機酸中和工程で加わる水の一部がシッフ塩基の加水分解に使用され、母液中の水分量は低下する。また、シッフ塩基が主成分であることより、アミノ基が保護される形になるので二量化等の副反応が起こり難くなり、不純物の少ない高品質の製品が得られる。なお、アンモニアが除かれていれば、アンモニウム無機酸塩の生成量も減り、製品中への混入量も低減する。また、工程(B)で触媒として使用される無機強塩基量も低減されているので、無機強塩基塩の混入量も低減される。
以下、実施例および比較例をもって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例にのみ限定されるものではない。
なお、2−ヒドロキシブチロニトリル、2−アミノブチロニトリル及び2−アミノブチルアミド塩酸塩は高速液体クロマトグラフィーを用いて下記HPLC分析条件にて測定し、アンモニア分、水分、2−アミノブチルアミドシッフ塩基及び2−アミノブチルアミドはガスクロマトグラフィーを用いて下記GC分析条件にて測定した。また、同定などに用いた核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、13C−NMR)は、下記の条件にて測定した。
[HPLC分析条件]
カラム:CAPCELL PAK CR 1:4 φ4.6mm×250mm (資生堂)
移動層:水/メタノール=49/1(2.3mM過塩素酸及び5mMペンタンスルホン酸ナトリウム含有)
流速:1ml/分
検出:RI
[GC分析条件]
カラム:TENAX TA60/80 φ2.6mm×2M (ジーエルサイエンス)
温度:80℃(0分)→10℃/分→230℃(30分)
キャリアガス:ヘリウム
流速:10ml/分
検出:TCD
[核磁気共鳴スペクトル測定条件(1H−NMR、13C−NMR)]
測定周波数:500MHz(1H−NMR)、125MHz(13C−NMR)
溶媒:重クロロホルム
化学シフト基準物質:テトラメチルシラン
なお、2−ヒドロキシブチロニトリル、2−アミノブチロニトリル及び2−アミノブチルアミド塩酸塩は高速液体クロマトグラフィーを用いて下記HPLC分析条件にて測定し、アンモニア分、水分、2−アミノブチルアミドシッフ塩基及び2−アミノブチルアミドはガスクロマトグラフィーを用いて下記GC分析条件にて測定した。また、同定などに用いた核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR、13C−NMR)は、下記の条件にて測定した。
[HPLC分析条件]
カラム:CAPCELL PAK CR 1:4 φ4.6mm×250mm (資生堂)
移動層:水/メタノール=49/1(2.3mM過塩素酸及び5mMペンタンスルホン酸ナトリウム含有)
流速:1ml/分
検出:RI
[GC分析条件]
カラム:TENAX TA60/80 φ2.6mm×2M (ジーエルサイエンス)
温度:80℃(0分)→10℃/分→230℃(30分)
キャリアガス:ヘリウム
流速:10ml/分
検出:TCD
[核磁気共鳴スペクトル測定条件(1H−NMR、13C−NMR)]
測定周波数:500MHz(1H−NMR)、125MHz(13C−NMR)
溶媒:重クロロホルム
化学シフト基準物質:テトラメチルシラン
実施例1
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに2−ヒドロキシブチロニトリル24.0g(0.27モル)を入れ、攪拌下、液温を8±2℃に保ちながらアンモニアガス6.0g(0.35モル[1.3当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を吹き込んだ後、これを反応温度20℃にて8時間反応させたところ、2−アミノブチロニトリル水溶液30.0g(0.24モル、[2−アミノブチロニトリル純度67.0%、水分17.0%、アンモニア分5.0%])を得た。
続いて、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコにアセトン65.0g(1.12モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液0.40g(0.005モル[0.02当量/2−アミノブチロニトリル])を入れ、攪拌下、2−アミノブチロニトリル水溶液30.0g(0.24モル)を滴下して、水酸化ナトリウム0.2%、水5.5%[1.2当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル21.1%、アセトン68.1%の仕込み比率よりなる反応基質液95.4gを調製した。これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基25.8g(0.18モル[0.76倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド3.9g(0.04モル[0.16倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液95.4gを得た。なお、2−アミノブチルアミドシッフ塩基は、1H−NMRおよび13C−NMRにより同定した。
1H−NMR δ[ppm]:0.89(CH 3 −CH2−CH<); 1.75,1.86(CH3−CH 2 −CH<); 1.86,2.07((CH 3 )2C=N−); 3.89(CH3−CH2−CH<); 5.69,6.91(−NH 2 )
13C−NMR δ[ppm]:10.2(CH3−CH2−CH<); 18.9(CH3−CH2−CH<); 27.8、29.6((CH3)2C=N−); 65.2,65.4(CH3−CH2−CH<);168.3((CH3)2 C=N−);176.5(>C=O)
次いで、この反応液と36%塩酸水溶液30.7g(0.30モル)を液温40℃液pH4になるように保持しながら少量ずつ接触させて、2−アミノブチルアミド塩酸塩29.5g(0.21モル)を得た(収率80.1%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。
滴下後、0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の白色結晶28.1g(0.19モル、純度91.5%、塩化アンモニウム8.5%、塩化ナトリウム0.02%)の結晶を取得した。出発原料の2−ヒドロキシブチロニトリルに対する取得収率69.9%、母液ロス10.2%であり、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。また母液の含水率は15.0%だった。
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに2−ヒドロキシブチロニトリル24.0g(0.27モル)を入れ、攪拌下、液温を8±2℃に保ちながらアンモニアガス6.0g(0.35モル[1.3当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を吹き込んだ後、これを反応温度20℃にて8時間反応させたところ、2−アミノブチロニトリル水溶液30.0g(0.24モル、[2−アミノブチロニトリル純度67.0%、水分17.0%、アンモニア分5.0%])を得た。
続いて、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコにアセトン65.0g(1.12モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液0.40g(0.005モル[0.02当量/2−アミノブチロニトリル])を入れ、攪拌下、2−アミノブチロニトリル水溶液30.0g(0.24モル)を滴下して、水酸化ナトリウム0.2%、水5.5%[1.2当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル21.1%、アセトン68.1%の仕込み比率よりなる反応基質液95.4gを調製した。これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基25.8g(0.18モル[0.76倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド3.9g(0.04モル[0.16倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液95.4gを得た。なお、2−アミノブチルアミドシッフ塩基は、1H−NMRおよび13C−NMRにより同定した。
1H−NMR δ[ppm]:0.89(CH 3 −CH2−CH<); 1.75,1.86(CH3−CH 2 −CH<); 1.86,2.07((CH 3 )2C=N−); 3.89(CH3−CH2−CH<); 5.69,6.91(−NH 2 )
13C−NMR δ[ppm]:10.2(CH3−CH2−CH<); 18.9(CH3−CH2−CH<); 27.8、29.6((CH3)2C=N−); 65.2,65.4(CH3−CH2−CH<);168.3((CH3)2 C=N−);176.5(>C=O)
次いで、この反応液と36%塩酸水溶液30.7g(0.30モル)を液温40℃液pH4になるように保持しながら少量ずつ接触させて、2−アミノブチルアミド塩酸塩29.5g(0.21モル)を得た(収率80.1%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。
滴下後、0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の白色結晶28.1g(0.19モル、純度91.5%、塩化アンモニウム8.5%、塩化ナトリウム0.02%)の結晶を取得した。出発原料の2−ヒドロキシブチロニトリルに対する取得収率69.9%、母液ロス10.2%であり、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。また母液の含水率は15.0%だった。
実施例2
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに2−ヒドロキシブチロニトリル83.1g(0.93モル)を入れ、攪拌下、液温を8±2℃に保ちながらアンモニアガス20.7g(1.22モル[1.3当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を吹き込んだ後、これを反応温度20℃にて8時間反応させたところ、2−アミノブチロニトリル水溶液103.8g(0.84モル[2−アミノブチロニトリル純度68.0%、水分17.0%、アンモニア分5.0%])を得た。
この反応液を、内圧600mmHgの減圧下で30分攪拌し、常圧に戻したところ、2−アミノブチロニトリル水溶液100.2g(0.84モル、[2−アミノブチロニトリル純度70.0%、水分17.6%、アンモニア分1.5%]を得た。
続いて、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた500mL容の四つ口フラスコにアセトン228.0g(3.93モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液1.6g(0.02モル[0.02当量/2−アミノブチロニトリル])を入れ、攪拌下、取得した2−アミノブチロニトリルを100.2g(0.84モル)を滴下して、水酸化ナトリウム0.2%、水5.6%[1.1当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル21.2%、アセトン69.1%の仕込み比率よりなる反応基質液329.8gを調製した。これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基92.0g(0.65モル[0.77倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド11.1g(0.11モル[0.15倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液329.8gを得た。
次いで、この反応液と36%塩酸水溶液91.2g(0.90モル)を液温40℃液pH4になるように保持しながら少量ずつ接触させて、2−アミノブチルアミド塩酸塩102.7g(0.74モル)を得た(収率80.0%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。
滴下後、0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の白色結晶97.3g(0.67モル、純度95.0%、塩化アンモニウム5.0%、塩化ナトリウム0.02%)の結晶を取得した。出発原料の2−ヒドロキシブチロニトリルに対する取得収率71.7%、母液ロス9.0%であり、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。また母液の含水率は14.6%だった。
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに2−ヒドロキシブチロニトリル83.1g(0.93モル)を入れ、攪拌下、液温を8±2℃に保ちながらアンモニアガス20.7g(1.22モル[1.3当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を吹き込んだ後、これを反応温度20℃にて8時間反応させたところ、2−アミノブチロニトリル水溶液103.8g(0.84モル[2−アミノブチロニトリル純度68.0%、水分17.0%、アンモニア分5.0%])を得た。
この反応液を、内圧600mmHgの減圧下で30分攪拌し、常圧に戻したところ、2−アミノブチロニトリル水溶液100.2g(0.84モル、[2−アミノブチロニトリル純度70.0%、水分17.6%、アンモニア分1.5%]を得た。
続いて、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた500mL容の四つ口フラスコにアセトン228.0g(3.93モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液1.6g(0.02モル[0.02当量/2−アミノブチロニトリル])を入れ、攪拌下、取得した2−アミノブチロニトリルを100.2g(0.84モル)を滴下して、水酸化ナトリウム0.2%、水5.6%[1.1当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル21.2%、アセトン69.1%の仕込み比率よりなる反応基質液329.8gを調製した。これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基92.0g(0.65モル[0.77倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド11.1g(0.11モル[0.15倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液329.8gを得た。
次いで、この反応液と36%塩酸水溶液91.2g(0.90モル)を液温40℃液pH4になるように保持しながら少量ずつ接触させて、2−アミノブチルアミド塩酸塩102.7g(0.74モル)を得た(収率80.0%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。
滴下後、0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の白色結晶97.3g(0.67モル、純度95.0%、塩化アンモニウム5.0%、塩化ナトリウム0.02%)の結晶を取得した。出発原料の2−ヒドロキシブチロニトリルに対する取得収率71.7%、母液ロス9.0%であり、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。また母液の含水率は14.6%だった。
実施例3
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに2−ヒドロキシブチロニトリル83.1g(0.93モル)を入れ、攪拌下、液温を8±2℃に保ちながらアンモニアガス20.7g(1.22モル[1.3当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を吹き込んだ後、これを反応温度20℃にて8時間反応させたところ、2−アミノブチロニトリル水溶液103.8g(0.84モル[2−アミノブチロニトリル純度68.0%、水分17.0%、アンモニア分5.0%])を得た。
この反応液に48%水酸化ナトリウム水溶液40.2g(0.48モル)を滴下した後、常圧下で30分攪拌した。30分静置後、分液により上層液84.4g(0.83モル[2−アミノブチロニトリル純度83.4%、水分4.1%、アンモニア分4.0%])と下層液59.6g(水酸化ナトリウム濃度30.0%)に分取した。
続いて、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた500mL容の四つ口フラスコにアセトン228.0g(3.93モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液1.6g(0.02モル[0.02当量/2−アミノブチロニトリル])を入れ、攪拌下、分取した2−アミノブチロニトリルを含む上層液84.4g(0.83モル)を滴下して、水酸化ナトリウム0.2%、水1.4%[0.26当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル21.7%、アセトン72.7%の仕込み比率よりなる反応基質液314.0gを調製した。これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基100.3g(0.71モル[0.84倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド7.7g(0.08モル[0.09倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液314.0gを得た。
続いて、この反応液と36%塩酸水溶液93.3g(0.92モル)を液温40℃、液pH4になるように保持しながら少量ずつ接触させて、2−アミノブチルアミド塩酸塩101.5g(0.73モル)を得た(収率78.5%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。
滴下後、0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の白色結晶98.3g(0.68モル、純度95.7%、塩化アンモニウム4.3%、塩化ナトリウム0.00%)の結晶を取得した。出発原料の2−ヒドロキシブチロニトリルに対する取得収率73.0%、母液ロス5.5%であり、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。また母液の含水率は13.2%だった。
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに2−ヒドロキシブチロニトリル83.1g(0.93モル)を入れ、攪拌下、液温を8±2℃に保ちながらアンモニアガス20.7g(1.22モル[1.3当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を吹き込んだ後、これを反応温度20℃にて8時間反応させたところ、2−アミノブチロニトリル水溶液103.8g(0.84モル[2−アミノブチロニトリル純度68.0%、水分17.0%、アンモニア分5.0%])を得た。
この反応液に48%水酸化ナトリウム水溶液40.2g(0.48モル)を滴下した後、常圧下で30分攪拌した。30分静置後、分液により上層液84.4g(0.83モル[2−アミノブチロニトリル純度83.4%、水分4.1%、アンモニア分4.0%])と下層液59.6g(水酸化ナトリウム濃度30.0%)に分取した。
続いて、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた500mL容の四つ口フラスコにアセトン228.0g(3.93モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液1.6g(0.02モル[0.02当量/2−アミノブチロニトリル])を入れ、攪拌下、分取した2−アミノブチロニトリルを含む上層液84.4g(0.83モル)を滴下して、水酸化ナトリウム0.2%、水1.4%[0.26当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル21.7%、アセトン72.7%の仕込み比率よりなる反応基質液314.0gを調製した。これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基100.3g(0.71モル[0.84倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド7.7g(0.08モル[0.09倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液314.0gを得た。
続いて、この反応液と36%塩酸水溶液93.3g(0.92モル)を液温40℃、液pH4になるように保持しながら少量ずつ接触させて、2−アミノブチルアミド塩酸塩101.5g(0.73モル)を得た(収率78.5%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。
滴下後、0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の白色結晶98.3g(0.68モル、純度95.7%、塩化アンモニウム4.3%、塩化ナトリウム0.00%)の結晶を取得した。出発原料の2−ヒドロキシブチロニトリルに対する取得収率73.0%、母液ロス5.5%であり、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。また母液の含水率は13.2%だった。
実施例4
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに2−ヒドロキシブチロニトリル15.9g(0.18モル)を入れ、攪拌下、液温を約10℃に保ちながらアンモニアガス3.9g(0.23モル[1.3当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を吹き込んだ後、これを反応温度20℃にて8時間反応させたところ、2−アミノブチロニトリル水溶液19.8g(0.17モル[2−アミノブチロニトリル純度70.0%、水分17.0%、アンモニア分5.0%])が得られた。
この反応液に48%水酸化ナトリウム水溶液7.9g(0.10モル)を滴下し、常圧下で30分攪拌した。30分静置後、分液により上層液17.2g(0.17モル[2−アミノブチロニトリル純度80.6%、水分4.0%、アンモニア分4.0%])と下層液10.5g(水酸化ナトリウム濃度31.9%)に分取した。
続いて、分取した2−アミノブチロニトリルを含む上層液を、内圧600mmHgの減圧下で30分攪拌した後、常圧に戻したところ、2−アミノブチロニトリル水溶液16.7g(0.17モル、[2−アミノブチロニトリル純度83.0%、水分4.2%、アンモニア分1.0%])を得た。
続いて、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた500mL容の四つ口フラスコに、アセトン43.4g(0.75モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液0.3g(0.004モル[0.02当量/2−アミノブチロニトリル])を入れ、攪拌下、減圧処理をした2−アミノブチロニトリルを含む上層液16.7g(0.16モル)を滴下して、水酸化ナトリウム0.2%、水1.3%[0.24当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル21.6%、アセトン72.3%の仕込み比率よりなる反応基質液60.4gを調製した。これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基19.3g(0.14モル[0.85倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド1.3g(0.01モル[0.08倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液60.4gを得た。
次いで、この反応液と36%塩酸水溶液16.0g(0.16モル)を液温が40℃、液pHが4になるように保持しながら少量ずつ接触させて、2−アミノブチルアミド塩酸塩19.3g(0.14モル)を得た(収率78.5%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。
滴下後、0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の白色結晶18.4g(0.13モル、純度99.2%、塩化アンモニウム0.8%、塩化ナトリウム0.00%)を得た。出発原料の2−ヒドロキシブチロニトリルに対する取得収率は73.9%、母液ロス4.6%であり、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。また母液の含水率は12.8%だった。
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに2−ヒドロキシブチロニトリル15.9g(0.18モル)を入れ、攪拌下、液温を約10℃に保ちながらアンモニアガス3.9g(0.23モル[1.3当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を吹き込んだ後、これを反応温度20℃にて8時間反応させたところ、2−アミノブチロニトリル水溶液19.8g(0.17モル[2−アミノブチロニトリル純度70.0%、水分17.0%、アンモニア分5.0%])が得られた。
この反応液に48%水酸化ナトリウム水溶液7.9g(0.10モル)を滴下し、常圧下で30分攪拌した。30分静置後、分液により上層液17.2g(0.17モル[2−アミノブチロニトリル純度80.6%、水分4.0%、アンモニア分4.0%])と下層液10.5g(水酸化ナトリウム濃度31.9%)に分取した。
続いて、分取した2−アミノブチロニトリルを含む上層液を、内圧600mmHgの減圧下で30分攪拌した後、常圧に戻したところ、2−アミノブチロニトリル水溶液16.7g(0.17モル、[2−アミノブチロニトリル純度83.0%、水分4.2%、アンモニア分1.0%])を得た。
続いて、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた500mL容の四つ口フラスコに、アセトン43.4g(0.75モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液0.3g(0.004モル[0.02当量/2−アミノブチロニトリル])を入れ、攪拌下、減圧処理をした2−アミノブチロニトリルを含む上層液16.7g(0.16モル)を滴下して、水酸化ナトリウム0.2%、水1.3%[0.24当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル21.6%、アセトン72.3%の仕込み比率よりなる反応基質液60.4gを調製した。これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基19.3g(0.14モル[0.85倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド1.3g(0.01モル[0.08倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液60.4gを得た。
次いで、この反応液と36%塩酸水溶液16.0g(0.16モル)を液温が40℃、液pHが4になるように保持しながら少量ずつ接触させて、2−アミノブチルアミド塩酸塩19.3g(0.14モル)を得た(収率78.5%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。
滴下後、0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の白色結晶18.4g(0.13モル、純度99.2%、塩化アンモニウム0.8%、塩化ナトリウム0.00%)を得た。出発原料の2−ヒドロキシブチロニトリルに対する取得収率は73.9%、母液ロス4.6%であり、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。また母液の含水率は12.8%だった。
実施例5
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに純水33.2g(1.84モル)を入れ、攪拌下、液温を約10℃に保ちながらアンモニアガス23.0g(1.35モル[2.0当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を吹き込んだ後、2−ヒドロキシブチロニトリル58.1g(0.68モル)を攪拌下、液温を約10℃に保ちながら、5時間で滴下した。これを反応温度20℃にて3時間反応させたところ、2−アミノブチロニトリル水溶液114.3g(0.60モル[2−アミノブチロニトリル純度44.7%、水分39.7%、アンモニア分10.3%])が得られた。
この反応液に48%水酸化ナトリウム水溶液62.5g(0.58モル)を滴下し、常圧下で30分攪拌した。30分静置後、分液により上層液71.3g(0.60モル[2−アミノブチロニトリル純度70.3%、水分12.8%、アンモニア分10.0%])と下層液105.5g(水酸化ナトリウム濃度28.4%)に分取した。
続いて、分取した2−アミノブチロニトリルを含む上層液を、内圧600mmHgの減圧下で30分攪拌した後、常圧に戻したところ、2−アミノブチロニトリル水溶液64.9g(0.60モル、[2−アミノブチロニトリル純度77.2%、水分14.0%、アンモニア分1.1%])を得た。
続いて、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた500mL容の四つ口フラスコに、アセトン161.5g(2.78モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液1.2g(0.014モル[0.02当量/2−アミノブチロニトリル])を入れ、攪拌下、減圧処理をした2−アミノブチロニトリルを含む上層液64.9g(0.60モル)を滴下して、水酸化ナトリウム0.2%、水4.0%[0.83当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル22.0%、アセトン71.0%の仕込み比率よりなる反応基質液227.6gを調製した。これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基68.3g(0.48モル[0.80倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド8.0g(0.08モル[0.13倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液227.6gを得た。
次いで、この反応液と36%塩酸水溶液60.0g(0.60モル)を液温が40℃、液pHが4になるように保持しながら少量ずつ接触させて、2−アミノブチルアミド塩酸塩74.0g(0.53モル)を得た(収率78.5%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。
滴下後、0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の白色結晶67.9g(0.48モル、純度99.0%、塩化アンモニウム1.0%、塩化ナトリウム0.00%)を得た。出発原料の2−ヒドロキシブチロニトリルに対する取得収率は71.3%、母液ロス7.2%であり、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。また母液の含水率は14.0%だった。
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに純水33.2g(1.84モル)を入れ、攪拌下、液温を約10℃に保ちながらアンモニアガス23.0g(1.35モル[2.0当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を吹き込んだ後、2−ヒドロキシブチロニトリル58.1g(0.68モル)を攪拌下、液温を約10℃に保ちながら、5時間で滴下した。これを反応温度20℃にて3時間反応させたところ、2−アミノブチロニトリル水溶液114.3g(0.60モル[2−アミノブチロニトリル純度44.7%、水分39.7%、アンモニア分10.3%])が得られた。
この反応液に48%水酸化ナトリウム水溶液62.5g(0.58モル)を滴下し、常圧下で30分攪拌した。30分静置後、分液により上層液71.3g(0.60モル[2−アミノブチロニトリル純度70.3%、水分12.8%、アンモニア分10.0%])と下層液105.5g(水酸化ナトリウム濃度28.4%)に分取した。
続いて、分取した2−アミノブチロニトリルを含む上層液を、内圧600mmHgの減圧下で30分攪拌した後、常圧に戻したところ、2−アミノブチロニトリル水溶液64.9g(0.60モル、[2−アミノブチロニトリル純度77.2%、水分14.0%、アンモニア分1.1%])を得た。
続いて、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた500mL容の四つ口フラスコに、アセトン161.5g(2.78モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液1.2g(0.014モル[0.02当量/2−アミノブチロニトリル])を入れ、攪拌下、減圧処理をした2−アミノブチロニトリルを含む上層液64.9g(0.60モル)を滴下して、水酸化ナトリウム0.2%、水4.0%[0.83当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル22.0%、アセトン71.0%の仕込み比率よりなる反応基質液227.6gを調製した。これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基68.3g(0.48モル[0.80倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド8.0g(0.08モル[0.13倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液227.6gを得た。
次いで、この反応液と36%塩酸水溶液60.0g(0.60モル)を液温が40℃、液pHが4になるように保持しながら少量ずつ接触させて、2−アミノブチルアミド塩酸塩74.0g(0.53モル)を得た(収率78.5%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。
滴下後、0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の白色結晶67.9g(0.48モル、純度99.0%、塩化アンモニウム1.0%、塩化ナトリウム0.00%)を得た。出発原料の2−ヒドロキシブチロニトリルに対する取得収率は71.3%、母液ロス7.2%であり、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。また母液の含水率は14.0%だった。
比較例1
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに2−ヒドロキシブチロニトリル117.4g(1.30モル)を入れ、攪拌下、液温を8±2℃に保ちながらアンモニアガス27.4g(1.61モル[1.2当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を添加し、これを反応温度20℃にて8時間反応させたところ、67.8%の2−アミノブチロニトリル水溶液144.8g(1.16モル[2−アミノブチロニトリル純度67.8%、水分17.0%、アンモニア分4.5%])が得られた。
次いで、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコにアセトン15.8g(0.27モル[0.23当量/2−アミノブチロニトリル])、25%水酸化ナトリウム水溶液10.7g(0.07モル[0.06当量/2−アミノブチロニトリル])及び水40.8g(2.27モル)を入れ、攪拌下、2−アミノブチロニトリル水溶液144.8g(1.16モル)を滴下して、水酸化ナトリウム1.3%、水34.1%[3.5当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル46.1%、アセトン7.5%の仕込み比率よりなる反応基質液212.1gを調製した。
これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基13.8g(0.10モル[0.08倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド89.0g(0.87モル[0.75倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液212.1gを得た。
その後36%塩酸137.0g(1.35モル)を8±2℃に保持しながら加え、2−アミノブチルアミド塩酸塩を130.0g(0.94モル)合成した(収率72.3%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。その後、84℃、200mmHgで減圧濃縮を行い水分の除去をした後、アセトン243.6g(4.20モル)を滴下した。滴下後0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の薄黄色結晶115.6g(0.73モル、純度88.0%、塩化アンモニウム11.0%、塩化ナトリウム0.9%)の結晶を取得した。取得収率56.7%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準、母液ロス11.3%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。しかし、上記の濃縮操作により、イミダゾリジノン等の不純物が副生し、2−アミノブチルアミド塩酸塩の量は4.6%減少した。また母液の含水率は13.1%だった。
攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコに2−ヒドロキシブチロニトリル117.4g(1.30モル)を入れ、攪拌下、液温を8±2℃に保ちながらアンモニアガス27.4g(1.61モル[1.2当量/2−ヒドロキシブチロニトリル])を添加し、これを反応温度20℃にて8時間反応させたところ、67.8%の2−アミノブチロニトリル水溶液144.8g(1.16モル[2−アミノブチロニトリル純度67.8%、水分17.0%、アンモニア分4.5%])が得られた。
次いで、攪拌機、温度計および凝縮器を備えた200mL容の四つ口フラスコにアセトン15.8g(0.27モル[0.23当量/2−アミノブチロニトリル])、25%水酸化ナトリウム水溶液10.7g(0.07モル[0.06当量/2−アミノブチロニトリル])及び水40.8g(2.27モル)を入れ、攪拌下、2−アミノブチロニトリル水溶液144.8g(1.16モル)を滴下して、水酸化ナトリウム1.3%、水34.1%[3.5当量/2−アミノブチロニトリル]、2−アミノブチロニトリル46.1%、アセトン7.5%の仕込み比率よりなる反応基質液212.1gを調製した。
これを反応温度20℃にて7時間反応させ、2−アミノブチルアミドシッフ塩基13.8g(0.10モル[0.08倍モル/2−アミノブチロニトリル])および2−アミノブチルアミド89.0g(0.87モル[0.75倍モル/2−アミノブチロニトリル])を含む反応液212.1gを得た。
その後36%塩酸137.0g(1.35モル)を8±2℃に保持しながら加え、2−アミノブチルアミド塩酸塩を130.0g(0.94モル)合成した(収率72.3%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準)。その後、84℃、200mmHgで減圧濃縮を行い水分の除去をした後、アセトン243.6g(4.20モル)を滴下した。滴下後0℃まで冷却してさらに晶析を図った後、濾過によって2−アミノブチルアミド塩酸塩の薄黄色結晶115.6g(0.73モル、純度88.0%、塩化アンモニウム11.0%、塩化ナトリウム0.9%)の結晶を取得した。取得収率56.7%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準、母液ロス11.3%/2−ヒドロキシブチロニトリル基準、不純物のイミダゾリジノンは検出されなかった。しかし、上記の濃縮操作により、イミダゾリジノン等の不純物が副生し、2−アミノブチルアミド塩酸塩の量は4.6%減少した。また母液の含水率は13.1%だった。
Claims (17)
- 2−ヒドロキシブチロニトリル(1)から、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を製造する方法において、該製造方法が以下に示す工程(A)、工程(B)、および工程(C)を含むことを特徴とする、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
工程(A):2−ヒドロキシブチロニトリル(1)をアンモニアと反応させて、2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を得る工程。
工程(B):工程(A)で得た反応液を、無機強塩基と、アセトンおよびメチルエチルケトンから選ばれる1種類以上のケトン系溶媒の存在下、2−アミノブチロニトリル(2)に対して水分量が3倍モル以下の条件で反応させ、反応液中に含まれていた2−アミノブチロニトリル(2)に対し、0.6倍モル以上の2−アミノブチルアミドシッフ塩基(3)と0.4倍モル以下の2−アミノブチルアミド(4)を含む反応液を得る工程。
工程(C):工程(B)で得た反応液に、無機酸または無機酸水溶液を加えて、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を得る工程。
- 工程(A)において、アンモニアとしてアンモニアガスを使用する、請求項1に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 工程(A)において、アンモニアを2−ヒドロキシブチロニトリル(1)に対して1.0〜1.5倍モル使用する、請求項2に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 工程(A)において、アンモニアとしてアンモニア水を使用する、請求項1に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 工程(A)において、アンモニア水の濃度が35質量%以上であり、アンモニアを2−ヒドロキシブチロニトリル(1)に対して1.5〜2.5倍モル使用する、請求項4に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 工程(B)において、2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液に無機強塩基または無機強塩基水溶液を加えることによって二層に分離させ、上層の有機相中に含まれていた水を下層の水相へ移行させた後に、上層の2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を下層の無機強塩基水溶液より分取し、分取した反応液を反応に使用する、請求項1に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液に対して、下層の無機強塩基水溶液中の無機強塩基濃度が15質量%を下回らないように無機強塩基または無機強塩基水溶液を加える、請求項6に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 工程(B)において、2−アミノブチロニトリル(2)を含む反応液を30〜760mmHgの減圧下で脱気してアンモニアを留去したものを反応に使用する、請求項1に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 工程(B)において、無機強塩基を、2−アミノブチロニトリル(2)に対し0.005〜0.1倍モル使用する、請求項1に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 工程(B)において、無機強塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムから選ばれる一種以上の無機強塩基を使用する、請求項1に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 工程(B)において、ケトン系溶媒を、2−アミノブチロニトリル(2)に対し1.0〜12.0倍モル使用する、請求項1に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 工程(B)において、ケトン系溶媒がアセトンである、請求項1に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 工程(C)において、工程(B)で得た反応液を、無機酸または無機酸水溶液と、接触混合後の液pHが1〜6になるような酸過剰な比率で接触させる、請求項1に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 工程(C)において、無機酸または無機酸水溶液として、塩化水素ガスまたは20質量%以上の塩酸水溶液を使用する、請求項1に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- さらに、工程(C)で得られた2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)を含む液をそのまま直接またはケトン系溶媒中に注加した後に晶析し、析出した結晶を固液分離する工程を含む、請求項1に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- 母液の含水率が15質量%以下となる条件範囲下で、2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)結晶の晶析と固液分離を行う、請求項15に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
- ケトン系溶媒がアセトンである、請求項15に記載の2−アミノブチルアミド無機酸塩(5)の製造方法。
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