JPWO2010064558A1 - シアノアクリレート系接着剤剥離用組成物、および該接着剤の除去方法 - Google Patents
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Abstract
シアノアクリレート系接着剤剥離用組成物、および該接着剤の除去方法を提供する。20℃で水と均一に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテル(A)と20℃で水と50容量%以下の割合でしか相溶しないプロピレングリコールアルキルエーテル(B)とを質量比で(A):(B)=25〜90:10〜75の割合(但し、両者の合計は100である。)で含有し、水(C)を、前記(A)と(B)との合計量100質量部に対し、10〜250質量部含有するシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物。シアノアクリレート系接着剤が付着した被洗浄物品と上記剥離用組成物とを接触させることにより、シアノアクリレート系接着剤を被洗浄物品から剥離するシアノアクリレート系接着剤の除去方法。
Description
本発明は、シアノアクリレート系接着剤の剥離用組成物に関するものであり、また、シアノアクリレート系接着剤が付着した被洗浄物品から、該剥離用組成物を使用してシアノアクリレート系接着剤を除去する方法に関する。
シアノアクリレート系接着剤は、モノマーやオリゴマーを化学反応により硬化させて、接着被膜を形成させるタイプの接着剤であり、様々な用途に使用されている。具体的には、一般の接着用途以外に、電子・電気部品、光学部品等において、仮止めをする必要がある場合に、短時間で接着することができるため、有効に利用されている。
例えば、光学レンズなどの光学部品の製造において、レンズ表面を研磨する際に、接着剤を用いてレンズを治具に固定している。この場合、短時間でレンズを治具に固定しなければならないため、シアノアクリレート系接着剤が使用されている。治具に固定したレンズは、研磨された後、治具から引き離すと同時に、表面に付着した接着剤を除去する必要がある。従来、レンズと治具を引き離す場合や、レンズ表面の接着剤を除去(洗浄)する場合には、トリクロロエチレンや塩化メチレン等の塩素系剥離剤が使用されてきた。しかしながら、近年、環境を考慮した取り組みにおいて、これら塩素系剥離剤からの代替が検討されている。
シアノアクリレート系接着剤を剥離するための剥離剤としては、上記の他、アセトンやジメチルホルムアミドなどが知られている。しかしながら、引火点の問題や剥離性の問題で上記剥離剤を改良したものや、それ以外の剥離剤の検討が数多く行われている。
具体的には、ジメチルホルムアミドなどの窒素元素を含む非ハロゲン系有機溶剤、界面活性剤を含む剥離用組成物(特許文献1)、N−メチルピロリドン、イソプロピルアルコールを用い、超音波洗浄することで接着剤を除去する方法(特許文献2)が知られている。
特許文献3、4には、グリコール類と水とを含んでなるシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物が記載されている。
また、特許文献5には、有機溶剤と、グリコール類および所定量の水を含んでなるシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物が記載されている。
シアノアクリレート系接着剤剥離用組成物が有機溶剤を含んでいると、引火点は低くなる。そのため、該組成物は、高温洗浄に使用することができなくなり、被洗浄物品を洗浄する際に用いる装置等設備のコスト高を引き起こしていた。さらに、近年の環境問題への対策として、なるべく有機溶媒が含まれないような組成物が求められていた。
したがって、本発明の目的は、シアノアクリレート系接着剤を十分に剥離することができる水溶媒の剥離用組成物を提供することにある。特に、剥離能力に優れ、且つ、引火点の低いシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物を提供することにある。また、耐水性の低い弗リン酸塩系ガラス製物品に付着したシアノアクリレート系接着剤を剥離する水溶媒シアノアクリレート系接着剤剥離用組成物を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、特に毒性の低いプロピレングリコールアルキルエーテルを使用した洗浄剤を中心に検討したところ、特定のプロピレングリコールアルキルエーテルと、水とを所定量で含む組成物によって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物は、20℃で水と均一に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテル(A)と20℃で水と50容量%以下の割合でしか相溶しないプロピレングリコールアルキルエーテル(B)とを質量比で(A):(B)=25〜90:10〜75の割合(但し、両者の合計は100である。)で含有し、水(C)を、前記(A)と(B)との合計量100質量部に対し、10〜250質量部含有することを特徴とする。
さらに、本発明のシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物は、弗リン酸塩系ガラス製物品、シリコン製物品およびセラミックス製物品からなる群から選ばれる1種の被洗浄物品に付着したシアノアクリレート系接着剤を剥離する場合に好適に使用できる。
また、本発明のシアノアクリレート系接着剤の除去方法は、シアノアクリレート系接着剤が付着した被洗浄物品と上記剥離用組成物とを接触させることにより、シアノアクリレート系接着剤を被洗浄物品から剥離することを特徴とする。
上記本発明の方法では、弗リン酸塩系ガラス製物品、シリコン製物品およびセラミックス製物品等の被洗浄物品に付着したシアノアクリレート系接着剤の除去に好適である。
本発明のシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物は、優れた剥離能力を有する。さらに、特定のプロピレングリコールアルキルエーテルと水とを含んでなるため、引火性の低い組成物であり、接着剤剥離作業環境を改善することができる安全性の高い剥離用組成物である。
さらに、本発明のシアノアクリレート系接着剤は、水溶媒であるが、光学物品の一種である弗リン酸塩系ガラス製物品に付着したシアノアクリレート系接着剤を剥離する場合に好適に使用できる。該弗リン酸塩系ガラス製物品は、耐水性が低いため、水を含む洗浄剤を使用すると微細な傷が多く発生する場合があるが、本発明の剥離用組成物を用いるシアノアクリレート系接着剤の除去方法によれば、そのような傷の発生が抑制される。また、本発明の剥離用組成物を使用した場合には、弗リン酸塩系ガラス製物品、シリコン製物品およびセラミックス製物品等に付着したシアノアクリレート系接着剤の剥離だけでなく、それら被洗浄物品の油脂等の汚れをも洗浄することができるため、その工業的使用価値は高い。
≪シアノアクリレート系接着剤剥離用組成物≫
本発明のシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物(以下、単に剥離用組成物ともいう)は、20℃で水と均一に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテル(A)と20℃で水と50容量%以下の割合でしか相溶しないプロピレングリコールアルキルエーテル(B)とを質量比で(A):(B)=25〜90:10〜75の割合(但し、両者の合計は100である。)で含有し、水(C)を、前記(A)と(B)との合計量100質量部に対し、10〜250質量部含有することを特徴とする。
本発明のシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物(以下、単に剥離用組成物ともいう)は、20℃で水と均一に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテル(A)と20℃で水と50容量%以下の割合でしか相溶しないプロピレングリコールアルキルエーテル(B)とを質量比で(A):(B)=25〜90:10〜75の割合(但し、両者の合計は100である。)で含有し、水(C)を、前記(A)と(B)との合計量100質量部に対し、10〜250質量部含有することを特徴とする。
以下、各成分について説明する。
(20℃で水と均一に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテル(A))
本発明の剥離用組成物は、20℃で水と均一に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテル(A)を含む。20℃で水と均一に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテル(A)とは、配合量に関係なく、20℃で水に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテルを指す。
本発明の剥離用組成物は、20℃で水と均一に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテル(A)を含む。20℃で水と均一に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテル(A)とは、配合量に関係なく、20℃で水に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテルを指す。
以下、このプロピレングリコールアルキルエーテル(A)を単に高相溶性成分(A)ともいう。
高相溶性成分(A)を具体的に例示すれば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等を挙げることができる。これら成分は、1種単独で使用することもできるし、2種類以上の成分を混合して使用することもできる。
これらの高相溶性成分(A)の中でも、下記20℃で水と50容量%以下の割合でしか相溶しないプロピレングリコールアルキルエーテル(B)および水(C)との相溶性、ならびにシアノアクリレート系接着剤を剥離する効果等を考慮すると、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。中でも、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
(20℃で水と50容量%以下の割合でしか相溶しないプロピレングリコールアルキルエーテル(B))
本発明の剥離用組成物は、20℃で水と50容量%以下の割合でしか相溶しないプロピレングリコールアルキルエーテル(B)を含む。20℃で水と50容量%以下の割合でしか相溶しないプロピレングリコールアルキルエーテルとは、20℃で水への溶解度が50容量%以下のプロピレングリコールアルキルエーテルであることを指し、20℃の水100mlに対して、均一に相溶することが可能なプロピレングリコールアルキルエーテル量が50ml以下のプロピレングリコールアルキルエーテルであることを指す。例えば、20℃で水への溶解度が5.2容量%とは、20℃の水100mlに対して、5.2ml以下のプロピレングリコールアルキルエーテルが均一に相溶することを意味する。なお、20℃で水への溶解度が5.2容量%のプロピレングリコールアルキルエーテルを20℃の水100mlに対し、5.2mlを超える量で用いると20℃の水100mlに均一に相溶しない。
以下、このプロピレングリコールアルキルエーテル(B)を単に低相溶性成分(B)ともいう。
本発明の剥離用組成物は、20℃で水と50容量%以下の割合でしか相溶しないプロピレングリコールアルキルエーテル(B)を含む。20℃で水と50容量%以下の割合でしか相溶しないプロピレングリコールアルキルエーテルとは、20℃で水への溶解度が50容量%以下のプロピレングリコールアルキルエーテルであることを指し、20℃の水100mlに対して、均一に相溶することが可能なプロピレングリコールアルキルエーテル量が50ml以下のプロピレングリコールアルキルエーテルであることを指す。例えば、20℃で水への溶解度が5.2容量%とは、20℃の水100mlに対して、5.2ml以下のプロピレングリコールアルキルエーテルが均一に相溶することを意味する。なお、20℃で水への溶解度が5.2容量%のプロピレングリコールアルキルエーテルを20℃の水100mlに対し、5.2mlを超える量で用いると20℃の水100mlに均一に相溶しない。
以下、このプロピレングリコールアルキルエーテル(B)を単に低相溶性成分(B)ともいう。
この低相溶性成分(B)を具体的に例示すれば、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル等を挙げることができる。これら成分は、1種単独で使用することもできるし、2種類以上の成分を混合して使用することもできる。
この低相溶性成分(B)の中でも、上記高相溶性成分(A)および水(C)との相溶性、ならびにシアノアクリレート系接着剤を剥離する効果を考慮すると、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。中でも、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルが好ましく、特に、シアノアクリル酸エチルを主成分とするシアノアクリレート系接着剤の剥離には、ジプロピレングリコールジメチルエーテルを使用することが好ましい。
(水(C))
本発明の剥離用組成物は、水(C)を含む。水(C)は、剥離用組成物の引火性を低下させ、安全性を向上させ、さらに、シアノアクリレート系接着剤の剥離にも有効に作用する。本発明で使用する水(C)は、下記被洗浄物品やその用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水、通常の水道水を使用することができる。
本発明の剥離用組成物は、水(C)を含む。水(C)は、剥離用組成物の引火性を低下させ、安全性を向上させ、さらに、シアノアクリレート系接着剤の剥離にも有効に作用する。本発明で使用する水(C)は、下記被洗浄物品やその用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水、通常の水道水を使用することができる。
(その他の添加成分)
本発明の剥離用組成物には、高相溶性成分(A)、低相溶性成分(B)、および水(C)の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、使用する用途に応じて、防腐剤、防錆剤、界面活性剤、酸化防止剤、消泡剤を配合することもできる。なお、本発明の剥離用組成物は、有機溶剤を含まないことが好ましい。有機溶剤を含まないと、引火性が低く、作業性等に優れる。
本発明の剥離用組成物には、高相溶性成分(A)、低相溶性成分(B)、および水(C)の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、使用する用途に応じて、防腐剤、防錆剤、界面活性剤、酸化防止剤、消泡剤を配合することもできる。なお、本発明の剥離用組成物は、有機溶剤を含まないことが好ましい。有機溶剤を含まないと、引火性が低く、作業性等に優れる。
(シアノアクリレート系接着剤剥離用組成物の組成)
本発明のシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物は、前記高相溶性成分(A)、前記低相溶性成分(B)および前記水(C)を、前記の割合で含有することを特徴とする。高相溶性成分(A)が25質量%未満であって、低相溶性成分(B)が75質量%を超える場合は、シアノアクリレート系接着剤の剥離効果が低下する恐れがある。本発明においては、水がシアノアクリレート系接着剤の剥離に作用していると考えられる。そのため、高相溶性成分(A)が少なすぎると、分離しない均一な剥離用組成物を得るためには、剥離組成物中の水(C)の量を少なくする必要がある。そのため、剥離効果が低下する恐れがある。また、高相溶性成分(A)が少なくなると、引火等の危険性のない安全な剥離用組成物を得ることが難しくなり、接着剤を剥離する際の作業性に劣る恐れがある。
本発明のシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物は、前記高相溶性成分(A)、前記低相溶性成分(B)および前記水(C)を、前記の割合で含有することを特徴とする。高相溶性成分(A)が25質量%未満であって、低相溶性成分(B)が75質量%を超える場合は、シアノアクリレート系接着剤の剥離効果が低下する恐れがある。本発明においては、水がシアノアクリレート系接着剤の剥離に作用していると考えられる。そのため、高相溶性成分(A)が少なすぎると、分離しない均一な剥離用組成物を得るためには、剥離組成物中の水(C)の量を少なくする必要がある。そのため、剥離効果が低下する恐れがある。また、高相溶性成分(A)が少なくなると、引火等の危険性のない安全な剥離用組成物を得ることが難しくなり、接着剤を剥離する際の作業性に劣る恐れがある。
一方、高相溶性成分(A)が90質量%を超え、低相溶性成分(B)が10質量%未満の場合にも、シアノアクリレート系接着剤の剥離効果が低下する恐れがある。低相溶性成分(B)は、シアノアクリレート系接着剤を溶解するものと考えられる。そのため、この低相溶性成分(B)が少なすぎると、剥離用組成物のシアノアクリレート系接着剤を溶解する性能が低下するため、剥離効果が低下するものと考えられる。
シアノアクリレート系接着剤の剥離効果や、水(C)との相溶性により優れる剥離用組成物を得るためには、高相溶性成分(A)が30質量%以上85質量%以下、低相溶性成分(B)が15質量%以上70質量%以下であることが好ましく、さらには、高相溶性成分(A)が55質量%以上80質量%以下、低相溶性成分(B)が20質量%以上45質量%以下であることが好ましい。
前記高相溶性成分(A)と前記低相溶性成分(B)との合計100質量部に対して、水(C)の割合が10質量部未満の場合は、引火性の低い、剥離用組成物を得難くなる。さらに、水(C)の割合が10質量部未満の場合には、シアノアクリレート系接着剤の剥離効果が低減する恐れもある。また、水の割合が250質量部を超えると、シアノアクリレート系接着剤の剥離効果が低下する恐れがある。さらに、シアノアクリレート系接着剤が付着している被洗浄物品が耐水性の低いもの、例えば、弗リン酸塩系ガラス製物品のような光学物品、窒化アルミニウムからなるセラミックス製品の場合では、シアノアクリレート系接着剤を剥離する際に、それら被洗浄物の表面に傷をつけるおそれがある。
シアノアクリレート系接着剤の剥離効果をより高め、引火点の観点からより安全な剥離用組成物を得るために、水(C)の配合割合は、前記(A)と(B)との合計100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下であることが好ましく、さらに10質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
また、本発明の剥離用組成物は、水(C)の配合割合が、前記(A)と(B)との合計100質量部に対して、10質量部以上100質量部未満、さらに、10質量部以上50質量部以下であることにより、耐水性の低い被洗浄物品、具体的には、弗リン酸塩系ガラス製物品などに好適に使用できる。
なお、本発明の剥離組成物は、前記割合を満足する高相溶性成分(A)、低相溶性成分(B)、および水(C)を公知の方法で混合することにより製造することができる。前記配合割合であれば、各成分を容易に混合することができる。
≪被洗浄物品からシアノアクリレート系接着剤を除去する方法≫
次に、本発明の剥離用組成物を使用してシアノアクリレート系接着剤を剥離する方法について説明する。
≪被洗浄物品からシアノアクリレート系接着剤を除去する方法≫
次に、本発明の剥離用組成物を使用してシアノアクリレート系接着剤を剥離する方法について説明する。
本発明においては、前記剥離用組成物とシアノアクリレート系接着剤が付着した被洗浄物品とを接触させることにより、該シアノアクリレート系接着剤を被洗浄物品から剥離することができる。剥離用組成物とシアノアクリレート系接着剤が付着した被洗浄物品とを接触させる方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法が採用される。具体的には、剥離用組成物中に被洗浄物品を浸漬する方法(浸漬中に超音波を照射することもできるし、浸漬中に被洗浄物品を揺動することもできる。)、噴流等の流れのある剥離用組成物中に被洗浄物品を浸漬する方法等を採用することができる。
シアノアクリレート系接着剤が付着した被洗浄物品を接触させる際の温度は、対象となる被洗浄物品、シアノアクリレート系接着剤の使用量等に応じて、適宜決定すればよいが、通常、10〜100℃、好ましくは30〜90℃、さらに好ましくは50〜80℃である。
本発明の方法によれば、被洗浄物品からシアノアクリレート系接着剤を容易に、被洗浄物品表面に傷などが生じることなく剥離することができる。
本発明のシアノアクリレート系接着剤の除去方法として、具体的には、上記方法で剥離用組成物とシアノアクリレート系接着剤が付着した被洗浄物品とを接触させた後、被洗浄物品を乾燥すればよい。また、被洗浄物品を乾燥させる前に、リンス液によりリンスすることもできる。リンス液としては、前記剥離用組成物が溶解する有機溶媒を含んでなれば良い。後述するリンス液の除去を考慮すると、沸点が50〜100℃の有機溶媒を使用するのが好適である。リンスする方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、剥離用組成物と接触させた後の被洗浄物品を、前記リンス液に浸漬させる方法、前記リンス液に被洗浄物品を浸漬し超音波を照射する方法、前記リンス液に被洗浄物品を浸漬し被洗浄物を揺動する方法、噴流等流れのある前記リンス液の中に被洗浄物品を浸漬する方法等を採用することができる。更に、前記方法でリンスした後、リンスした後の被洗浄物品からリンス液を除去することが好ましい。
リンス液を除去する方法としては、特に制限されるものではないが、液じみを無くす等の清浄度の維持という理由から、前記リンス液を用いた蒸気乾燥により行なうのが好適である。
(シアノアクリレート系接着剤)
本発明において、剥離の対象となるシアノアクリレート系接着剤は、公知の接着剤である。具体的には、シアノアクリル酸メチル、シアノアクリル酸エチル、シアノアクリル酸プロピル、シアノアクリル酸イソブチルなどを主成分とする接着剤が対象となる。この中でも、本発明の剥離用組成物が特に効果を発揮するのは、シアノアクリル酸メチル、シアノアクリル酸エチルおよびシアノアクリル酸プロピルを主成分とする接着剤である。
(被洗浄物品)
本発明において、洗浄の対象となる物品(被洗浄物品)は、特に制限されるものではなく、シアノアクリレート系接着剤を除去する必要がある物品が対象となる。
本発明において、剥離の対象となるシアノアクリレート系接着剤は、公知の接着剤である。具体的には、シアノアクリル酸メチル、シアノアクリル酸エチル、シアノアクリル酸プロピル、シアノアクリル酸イソブチルなどを主成分とする接着剤が対象となる。この中でも、本発明の剥離用組成物が特に効果を発揮するのは、シアノアクリル酸メチル、シアノアクリル酸エチルおよびシアノアクリル酸プロピルを主成分とする接着剤である。
(被洗浄物品)
本発明において、洗浄の対象となる物品(被洗浄物品)は、特に制限されるものではなく、シアノアクリレート系接着剤を除去する必要がある物品が対象となる。
具体的には、金属製物品、ガラス製光学物品、セラミックス製物品などを対象とすることができる。また、電子分野における回路や電極等の金属部品、セラミックス等からなる加工治具、シリコン等からなる物品を好適に洗浄することができる。
前記セラミックスとしては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、等を挙げることができる。
さらに、前記シリコンとしては、例えば、単結晶シリコンや多結晶シリコン等を挙げることができる。シリコン等からなる物品としては、シリコンウェハー等をはじめとする種々のものを挙げることができる。前記シリコンウェハーは、その表面に酸化膜が形成されているものでも形成されていないものでもよい。また、本発明の剥離用組成物は、シリコン系太陽電池の製造の際に使用するシアノアクリレート系接着剤を除去する場合にも好適に使用できる。
これらの中でも、本発明の剥離用組成物は、光学部品に用いられる耐水性の低い弗リン酸塩系ガラス製物品にも好適に使用できる。前記の通り、光学物品の一種である弗リン酸塩系ガラス製物品は、耐水性が低いため、水を含む洗浄剤を使用することは避けられていたが、本発明の剥離用組成物を使用すれば、溶媒が水であっても、弗リン酸塩系ガラス製物品に傷をつけることなく、弗リン酸塩系ガラス製物品に付着したシアノアクリレート系接着剤を剥離することができる。
この弗リン酸塩系ガラスとは、金属フッ化物、および酸化リンの合計量がガラスの質量(100質量%)中、50質量%以上となるガラスである。具体的には、アルカリ土類金属のフッ化物、および酸化リンの合計量が50質量%以上となるガラスであり、より詳細には、酸化バリウム0〜2質量%、酸化アルミニウム2〜10質量%、酸化アンチモン0〜2質量%、弗化ストロンチウム20〜30質量%、酸化リン20〜30質量%、弗化カルシウム10〜20質量%、弗化バリウム10〜20質量%、弗化アルミニウム10〜20質量%、弗化マグネシウム2〜10質量%からなるガラスである。このような弗リン酸塩系ガラスの市販品として、株式会社オハラ 商品名「S−FPL51」、「S−FPL52」、「S−FPL53」が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
尚、実施例及び比較例で使用する化合物の略号を以下に示す。
〔プロピレングリコールアルキルエーテル〕
PM :プロピレングリコールモノメチルエーテル(高相溶性成分)
DPP :ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(低相溶性成分 20℃で水への溶解度(5.2容量%))
DPM :ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(高相溶性成分)
DPB :ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(低相溶性成分 20℃で水への溶解度(3.3容量%))
DPDM :ジプロピレングリコールジメチルエーテル(低相溶性成分 20℃で水への溶解度(40.8容量%))
実施例1
(テストピースの作製)
市販のシアノアクリレート系接着剤A(シアノアクリル酸プロピルを主成分とする接着剤)約0.02gを、寸法76mm×26mm×厚み1.0mmのスライドガラス上へ塗布した後、その上から同様のスライドガラスを重ね貼り合わせて接着剤を硬化させたものを5セット、テストピースとして準備した。
〔プロピレングリコールアルキルエーテル〕
PM :プロピレングリコールモノメチルエーテル(高相溶性成分)
DPP :ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(低相溶性成分 20℃で水への溶解度(5.2容量%))
DPM :ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(高相溶性成分)
DPB :ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(低相溶性成分 20℃で水への溶解度(3.3容量%))
DPDM :ジプロピレングリコールジメチルエーテル(低相溶性成分 20℃で水への溶解度(40.8容量%))
実施例1
(テストピースの作製)
市販のシアノアクリレート系接着剤A(シアノアクリル酸プロピルを主成分とする接着剤)約0.02gを、寸法76mm×26mm×厚み1.0mmのスライドガラス上へ塗布した後、その上から同様のスライドガラスを重ね貼り合わせて接着剤を硬化させたものを5セット、テストピースとして準備した。
(剥離用組成物の準備)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM:高相溶性成分)60質量%とジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(DPP:低相溶性成分)40質量%とからなるプロピレングリコールアルキルエーテルの混合液を調製し、該プロピレングリコールアルキルエーテルの混合液100質量部に水を35質量部加えて、混合することにより剥離用組成物を調製した。
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM:高相溶性成分)60質量%とジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(DPP:低相溶性成分)40質量%とからなるプロピレングリコールアルキルエーテルの混合液を調製し、該プロピレングリコールアルキルエーテルの混合液100質量部に水を35質量部加えて、混合することにより剥離用組成物を調製した。
(剥離試験)
80℃に加温した前記剥離用組成物に前記テストピース(5セット)を浸漬させた。所定時間浸漬させた後、剥離用組成物中からテストピースを取り出し、剥離の状態を評価した。5セットのテストピース全てにおいて、スライドガラスを剥離することができた。結果を表1に示す。
80℃に加温した前記剥離用組成物に前記テストピース(5セット)を浸漬させた。所定時間浸漬させた後、剥離用組成物中からテストピースを取り出し、剥離の状態を評価した。5セットのテストピース全てにおいて、スライドガラスを剥離することができた。結果を表1に示す。
実施例2〜12、比較例1〜4
表1に示す組成の剥離用組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により、剥離試験を行った。剥離性能は、5セットのテストピースのうち何セット、スライドガラスを剥離できたかで評価した。結果を表1に示す。
表1に示す組成の剥離用組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により、剥離試験を行った。剥離性能は、5セットのテストピースのうち何セット、スライドガラスを剥離できたかで評価した。結果を表1に示す。
実施例13〜17、比較例5〜11
(テストピースの作製)
市販のシアノアクリレート系接着剤B(シアノアクリル酸エチルを主成分とする接着剤)を使用して、実施例1と同様にテストピースを準備した。
(テストピースの作製)
市販のシアノアクリレート系接着剤B(シアノアクリル酸エチルを主成分とする接着剤)を使用して、実施例1と同様にテストピースを準備した。
(剥離試験)
上記のテストピースを使用し、浸漬時間を24時間とし、表2に示す組成の剥離用組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により、剥離試験を行った。剥離性能は、5セットのテストピースのうち何セット、スライドガラスを剥離できたかで評価した。結果を表2に示す。
上記のテストピースを使用し、浸漬時間を24時間とし、表2に示す組成の剥離用組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により、剥離試験を行った。剥離性能は、5セットのテストピースのうち何セット、スライドガラスを剥離できたかで評価した。結果を表2に示す。
実施例18〜20、比較例12〜14
(テストピースの作製)
実施例1で使用した市販のシアノアクリレート系接着剤A約0.02gを、寸法76mm×26mm×厚み1.0mmのスライドガラス上へ塗布した後、その上から市販のシリコンウェハーをカットしたもの(寸法25mm×20mm)を重ね貼り合わせて接着剤を硬化させたものを5セット、テストピースとして準備した。
(テストピースの作製)
実施例1で使用した市販のシアノアクリレート系接着剤A約0.02gを、寸法76mm×26mm×厚み1.0mmのスライドガラス上へ塗布した後、その上から市販のシリコンウェハーをカットしたもの(寸法25mm×20mm)を重ね貼り合わせて接着剤を硬化させたものを5セット、テストピースとして準備した。
(剥離試験)
上記のテストピースを使用し、表3に示す組成の剥離用組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により、剥離試験を行った。剥離性能は、5セットのテストピースのうち何セット、シリコンウェハーを剥離できたかで評価した。結果を表3に示す。
上記のテストピースを使用し、表3に示す組成の剥離用組成物を用いた以外は実施例1と同様の方法により、剥離試験を行った。剥離性能は、5セットのテストピースのうち何セット、シリコンウェハーを剥離できたかで評価した。結果を表3に示す。
実施例21
(テストピースの作製)
実施例1で使用した市販のシアノアクリレート系接着剤Aを、スライドガラスA(寸法100mm×100mm×厚み1.0mm)の上へ塗布した後、その上から窒化アルミニウム基板(寸法76mm×76mm×厚み1.0mm)を重ね貼り合わせた。そして、貼り合わせた窒化アルミニウム基板の上にシアノアクリレート系接着剤Aを塗布した後、その上からスライドガラスB(寸法76mm×76mm×厚み0.3mm)を重ね貼り合わせ、接着剤を硬化させた。接着剤の硬化後、スライドガラスB側から切断機で加工し、スライドガラスBと窒化アルミニウム基板をチップ状(寸法3mm×3mm、64ピース)に切断した。この際、スライドガラスAはチップ状に切断されずに、切込みが入るだけの状態になるように切断した。
(テストピースの作製)
実施例1で使用した市販のシアノアクリレート系接着剤Aを、スライドガラスA(寸法100mm×100mm×厚み1.0mm)の上へ塗布した後、その上から窒化アルミニウム基板(寸法76mm×76mm×厚み1.0mm)を重ね貼り合わせた。そして、貼り合わせた窒化アルミニウム基板の上にシアノアクリレート系接着剤Aを塗布した後、その上からスライドガラスB(寸法76mm×76mm×厚み0.3mm)を重ね貼り合わせ、接着剤を硬化させた。接着剤の硬化後、スライドガラスB側から切断機で加工し、スライドガラスBと窒化アルミニウム基板をチップ状(寸法3mm×3mm、64ピース)に切断した。この際、スライドガラスAはチップ状に切断されずに、切込みが入るだけの状態になるように切断した。
(剥離用組成物の準備)
実施例1と同様に剥離用組成物を製造した。
実施例1と同様に剥離用組成物を製造した。
(剥離試験)
80℃に加温した前記剥離用組成物に前記テストピースを浸漬させた。12時間浸漬させた後、剥離用組成物中からテストピースを取り出し、剥離の状態を評価した。テストピース全てにおいて、窒化アルミニウム基板を剥離することができた。結果を表4に示す。
80℃に加温した前記剥離用組成物に前記テストピースを浸漬させた。12時間浸漬させた後、剥離用組成物中からテストピースを取り出し、剥離の状態を評価した。テストピース全てにおいて、窒化アルミニウム基板を剥離することができた。結果を表4に示す。
実施例22、比較例15、16
表4に示す組成の剥離用組成物を用いた以外は、実施例21と同様の方法により剥離試験を行った。剥離性能は、64ピースのテストピースのうち何ピース、窒化アルミニウム基板を剥離できたかで評価した。結果を表4に示す。
表4に示す組成の剥離用組成物を用いた以外は、実施例21と同様の方法により剥離試験を行った。剥離性能は、64ピースのテストピースのうち何ピース、窒化アルミニウム基板を剥離できたかで評価した。結果を表4に示す。
実施例23
(試験用サンプルの準備)
実施例1において、スライドガラスの代わりに弗リン酸塩系ガラス板(株式会社オハラ製「S−FPL51」)を使用した以外は、同様の方法で2セットのテストピースを準備した。
(試験用サンプルの準備)
実施例1において、スライドガラスの代わりに弗リン酸塩系ガラス板(株式会社オハラ製「S−FPL51」)を使用した以外は、同様の方法で2セットのテストピースを準備した。
(剥離用組成物の準備)
実施例1と同様に剥離用組成物を製造した。
実施例1と同様に剥離用組成物を製造した。
(剥離試験(浸漬試験))
80℃に加温した前記剥離用組成物に前記テストサンプル(2セット)を浸漬させた。20時間浸漬させた後、剥離用組成物中からテストサンプルを取り出し、剥離の状態を評価した。テストサンプル全てにおいて、弗リン酸塩系ガラス板表面の傷を観察した。これらの結果を表5に示す。
80℃に加温した前記剥離用組成物に前記テストサンプル(2セット)を浸漬させた。20時間浸漬させた後、剥離用組成物中からテストサンプルを取り出し、剥離の状態を評価した。テストサンプル全てにおいて、弗リン酸塩系ガラス板表面の傷を観察した。これらの結果を表5に示す。
剥離性能については、
○:2セットとも剥離した。
△:1セット剥離し、1セット剥離しなかった。
×:2セットとも剥離しなかった。
の3段階の評価を行った。
○:2セットとも剥離した。
△:1セット剥離し、1セット剥離しなかった。
×:2セットとも剥離しなかった。
の3段階の評価を行った。
(弗リン酸塩系ガラス板表面の傷の評価)
表面の傷については、弗リン酸塩系ガラス板のシアノアクリレート系接着剤を付着させなかった面の任意の1cm2について、レーザー顕微鏡観察により、傷(大きさ0.1μm)の数が何個存在するかで評価した。表面の傷の状態は、
◎:1cm2当たり傷が存在しなかった。
○:1cm2当たり傷が1〜20個存在した。
×:1cm2当たり20個を超える傷が存在した。又はクラックが発生した。
の3段階の評価を行った。結果を表5に示す。
実施例24〜27、比較例17〜19
表5に示す組成の剥離用組成物を用いた以外は、実施例23と同様の方法により剥離試験を行った。結果を表5に示す。
表面の傷については、弗リン酸塩系ガラス板のシアノアクリレート系接着剤を付着させなかった面の任意の1cm2について、レーザー顕微鏡観察により、傷(大きさ0.1μm)の数が何個存在するかで評価した。表面の傷の状態は、
◎:1cm2当たり傷が存在しなかった。
○:1cm2当たり傷が1〜20個存在した。
×:1cm2当たり20個を超える傷が存在した。又はクラックが発生した。
の3段階の評価を行った。結果を表5に示す。
実施例24〜27、比較例17〜19
表5に示す組成の剥離用組成物を用いた以外は、実施例23と同様の方法により剥離試験を行った。結果を表5に示す。
Claims (4)
- 20℃で水と均一に相溶するプロピレングリコールアルキルエーテル(A)と20℃で水と50容量%以下の割合でしか相溶しないプロピレングリコールアルキルエーテル(B)とを質量比で(A):(B)=25〜90:10〜75の割合(但し、両者の合計は100である。)で含有し、
水(C)を、前記(A)と(B)との合計量100質量部に対し、10〜250質量部含有することを特徴とするシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物。 - 弗リン酸塩系ガラス製物品、シリコン製物品およびセラミックス製物品からなる群から選ばれる1種の被洗浄物品に付着したシアノアクリレート系接着剤を剥離するための請求項1に記載のシアノアクリレート系接着剤剥離用組成物。
- シアノアクリレート系接着剤が付着した被洗浄物品と請求項1に記載の剥離用組成物とを接触させることにより、シアノアクリレート系接着剤を被洗浄物品から剥離することを特徴とするシアノアクリレート系接着剤の除去方法。
- 前記被洗浄物品が、弗リン酸塩系ガラス製物品、シリコン製物品およびセラミックス製物品からなる群から選ばれる1種の物品である請求項3に記載のシアノアクリレート系接着剤の除去方法。
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