JPWO2010035422A1 - 耐熱燃料活性化物質 - Google Patents

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Abstract

燃料活性化材料を用いた燃料活性化物質に耐熱性をもたせることで、これまで有機樹脂バインダーでは使用できなかったような温度条件下でも燃料活性化物質を装着できるようにすることで、燃焼機器における省エネ効果をより高める。電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上である燃料活性化材料100重量%に対し、金属溶射材料50〜150重量%を溶融混合し、これを溶射可能としたことを特徴とする耐熱燃料活性化物質。また、同燃料活性化材料100重量%に対し、融点が420℃以下の金属材料50〜150重量%を溶融させてシート状に形成してもよい。さらに、同燃料活性化材料100重量%に対し、耐熱温度が300℃超の無機質系樹脂75〜150重量%を混合してシート状に形成あるいは溶融状態のものを溶射あるいは塗設してもよい。

Description


本発明は、重油、灯油等の液体化石燃料及びLPG、天然ガス等の気体化石燃料並びに石炭等の固体化石燃料を燃料とするボイラ等の燃焼装置において用いるのに適したものであり、その燃焼に際し燃焼活性化効果を高める耐熱燃料活性化物質に関する。

従来から、ボイラ等の燃焼装置の燃焼時の熱効率の向上は種々研究されていた。その目的でたとえば特許文献1記載の発明のように、バーナーの改良を行ったりしたものがあった。

本発明の発明者らは燃料活性化物質からの電磁波によって熱分解領域でのメタン系分子を活性化させることにより燃焼時の燃焼効率の向上を考えた。すなわち、燃焼において、燃料の熱分解で生ずる活性化学種の一種であるメタン系分子には、特定の電磁波長、具体的には8μm近傍(およそ3〜20μmの範囲)の電磁波を吸収する吸収帯があるのだが、その波長域の電磁波を熱分解領域でのメタン系分子に放射することによって、燃焼先駆体である活性化学種の一種のメタン系分子をより激しく振動させることになる。このことにより、メタン系分子と空気中の酸素分子との衝突頻度が高められることとなり、その結果、燃焼反応が促進されて火炎温度の上昇を導くことができ、燃焼効率をより完全燃焼に近づける結果、使用燃料量の削減が実現されることになるものである。本件発明者らは、このような波長における分光放射率が高い燃料活性化物質の開発を試みた。

そのため、まず電磁波を放射する作用のあるトルマリンに着目し、トルマリンからの電磁波を熱分解領域でのメタン系分子に放射する実験を行ったものの、燃焼時の燃焼効率を向上させたというほどの効果は見られなかった。

これを踏まえて本件発明者らは、特許文献2記載の発明を開示した。これは、燃焼部分手前にあたるメタンガス通路に、トルマリン、鉄粉及び炭素を混合させて形成した遠赤外線発生体を位置させることで燃料を活性化させ省エネ効果を得ようとするものである。

特開平11−1707号公報 WO 2006/088084 A

上記先行技術以後、本件発明者らはさらに、特に分光放射率に着目して燃料活性化物質の鋭意改良を重ね、前記波長域の電磁波が分光放射率0.85以上となるような燃料活性化材料を用いて、熱分解領域でのメタン系分子に当該波長域での電磁波を放射することにより100〜150℃の火炎温度の上昇が得られることがわかった。

ところで、従来の燃料活性化物質は、活性化材料をウレタン樹脂等の有機質系樹脂をバインダーとしてシート状に成形するか、あるいは塗料化して塗設していたため、これらが燃焼装置において100℃以上の高温の箇所に装着された場合、時間の経過によりバインダーが炭化して燃料活性化物質からの電磁波の分光放射率が低下することがあった。

そこで本発明は、改良された燃料活性化材料を用い、さらにこの燃料活性化材料を用いた燃料活性化物質に耐熱性をもたせて、これまでの燃料活性化物質では使用できなかったような温度条件下でも装着できるようにすることで、種々の燃焼装置における省エネ効果をより高めることを課題とする。

本発明のうち第1の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上である燃料活性化材料100重量%に対し、金属溶射材料50〜150重量%を溶融混合し、これを溶射可能としたことを特徴とする。

ここで、「電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上」というのは、当該波長範囲は、熱分解領域でのメタン系分子の活性化に最も寄与する電磁波の波長範囲であって、いわゆる「遠赤外線」と称される部分の一部である。そしてこの分光放射率は、黒体の当該波長範囲における放射率を1としたときの数値であって、メタン系分子の活性化に寄与するに足る遠赤外線を放出するに十分な数値としての意義がある。この点については以下の各発明についても同様である。

ここで、溶射により耐熱燃料活性化物質を適用することで、表面形状の複雑な箇所にも適用可能となる。

すなわち、本第1の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、燃焼装置において、被適用部位として、概ね100〜400℃の温度の範囲で適用可能となっている。ここで、金属溶射材料としては、たとえば比較的溶融温度の低い銅、アルミ、ニッケル等が使用可能であり、特に粒度5〜150μmのものが望ましい。

そして、金属溶射材料については、活性化材料の全量を100重量%とした場合、これに対して50重量%未満の場合には被適用箇所への付着性が悪くなり、また、150重量%を超える場合には燃料活性化材料の含有率低下に伴い分光放射率が低くなるため、50〜150重量%が適切である。

このような金属溶射材料と所定の燃料活性化材料とを混合し、市販の溶射装置に充填してバーナーの所定の被適用部位に溶射する。具体的な溶射場所としては、たとえば燃焼装置においてバーナーが装着されるフランジ部分であるとか、あるいはそのバーナーを収容する燃焼装置内部の、燃焼火炎発生部位の後方のような箇所が相当する。当該箇所に燃料活性化材料を成分として含む金属被膜層としての耐熱燃料活性化物質を、所望の厚さで形成することが可能となる。また、溶射によることで、表面形状に複雑な凹凸があってシート状のものの装着が困難な箇所にも適用可能となっている。

本発明のうち第2の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上である燃料活性化材料100重量%に対し、融点が420℃以下の金属材料50〜150重量%を溶融させてシート状に形成したことを特徴とする。

すなわち、本第2の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、被適用部位が概ね100〜300℃の範囲で適用可能となっている。ここで、金属材料としてはたとえば鉛、亜鉛等のような比較的融点の低い金属が使用可能である。

ここで、金属材料については、燃料活性化材料の全量を100重量%とした場合、これに対して50重量%未満の場合にはシート状に形成することが不可能となり、また、150重量%を超える場合には燃料活性化材料の含有率低下に伴い分光放射率が低くなるため、50〜150重量%が適切である。

このようにシート状に成形することで、たとえば燃焼装置におけるバーナー付近の所定の被適用部位、たとえばバーナーが装着されるフランジ部分であるとか、あるいはそのバーナーを収容する燃焼装置内部の、燃焼火炎発生部位の後方のような箇所への装着に適することとなる。

本発明のうち第3の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上である燃料活性化材料100重量%に対し、耐熱温度が300℃超の無機質系樹脂75〜150重量%を混合して形成したことを特徴とする。

すなわち、本第3の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、被適用部位が概ね100〜300℃の範囲で適用可能となっている。ここで、耐熱温度が300℃超の無機質系樹脂としては、有機質系樹脂のみからなるものではなく、成分の一部又は全部に無機質系材料を用いた樹脂をいい、たとえばシリコン樹脂、フッ素樹脂、水ガラス等、あるいはこれらのうちで必要に応じて混合して使用される混合物のような耐熱性を備えるものが使用可能である。

ここで、無機質系樹脂については、燃料活性化材料の全量を100重量%とした場合、これに対して75重量%未満の場合にはシート状に形成することが不可能となり、また、150重量%を超える場合には燃料活性化材料の含有率低下に伴い分光放射率が低くなるため、75〜150重量%が適切である。なお、上記活性化材料100重量%中には、珪素0.5〜1.5重量%を含むこととしてもよい。

本第3の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、シート状に形成することも可能であるし、また、溶融した状態で被適用箇所に溶射、混合した状態で被適用箇所に吹き付けあるいは塗設することも可能である。シート状に形成した場合には、たとえば燃焼装置におけるバーナー付近の所定の被適用部位、たとえばバーナーが装着されるフランジ部分であるとか、あるいはそのバーナーを収容する燃焼装置内部の、燃焼火炎発生部位の後方のような箇所へのシートとしての装着に適することとなる。一方、溶融混合して溶射することも可能であり、上記箇所に溶射して、当該箇所に上記燃料活性化材料を成分として含む無機物質被膜層としての耐熱燃料活性化物質を、所望の厚さで形成することも可能である。

なお、上記第1の発明から第3の発明までにおける燃料活性化材料については、トルマリン、鉄粉及び炭素をそれぞれ30〜44重量%、55〜69重量%及び0.5〜1.5重量%の範囲で配合して形成したものであることが望ましい。

ここで、上記各成分のうち、いずれか少なくとも1つがその各々の上記配合比の範囲から外れる場合には、耐熱燃料活性化物質の分光放射率は0.85を下回ることが本件出願人の実験により確かめられている。

なお、上記活性化材料100重量%中には、珪素1.5重量%以下を含むこととしてもよい。この珪素を含む意義としては、炭素含有量を少なくせざるを得ない場合にこれを補って、耐熱燃料活性化物質が0.85以上の分光放射率を示すことを可能とすることにある。

上記各耐熱燃料活性化物質は、貫流ボイラ、炉筒煙管ボイラ及び水管ボイラ(2バーナー以上の産業用ボイラ、発電所用ボイラも含む)のみならず、キルン、乾燥機及び冷温水発生機のような、燃焼火炎を熱源とする燃焼装置と、燃焼室とを備える燃焼機器にも使用可能である。

なお、ここでいう「燃焼室」とは、バーナーから吹き込まれた燃料を速やかに着火、燃焼させ、発生する可燃ガスを空気との混合接触を良好にして燃焼を行わせる部分をいう。

加えて、ここでいう「バーナー」とは、液体燃料用バーナー、気体燃料用バーナー及び固体燃料用バーナーをいい、具体的には以下のとおりである。

液体燃料用バーナーは、燃料油を微粒化してその表面積を大とし、気化を促進させ空気との接触を良好にさせ、燃焼反応を完結させるようなものであって、具体的には圧力噴霧式バーナー、蒸気(空気)噴霧式バーナー、低圧気流噴霧式バーナー、回転式(ロータリー)バーナー、ガンタイプバーナー等をいう。

気体燃料用バーナーは、拡散燃焼方式を利用したものが多く、具体的にはセンタータイプバーナー、リングタイプバーナー、マルチスパッドバーナー等をいう。

固体燃料バーナーは、具体的には微粉炭バーナー燃焼方式のものをいう。

本発明は以上のように構成されているので、耐熱燃料活性化物質を、燃焼装置内部のような比較的高温の箇所にも装着することが可能となるため、この耐熱燃料活性化物質から放射される電磁波が燃焼火炎により直接的に作用し得ることとなる。その結果、燃料の熱分解で生ずる活性化学種の一種であるメタン系分子の振動を活発にし燃焼を促進させることで火炎温度の上昇と燃焼火炎の安定をもたらし、使用燃料量をより一層削減することが可能となる。

本発明に係る耐熱燃料活性化物質における分光放射率と火炎温度との関係を調べるために用いた測定装置を模式的に示すものである。 本発明の第1実施例として耐熱燃料活性化物質を装着した炉筒煙管ボイラを模式的に示すものである。 図2中のバーナー部分を拡大して示すものである。 本発明の第2実施例として耐熱燃料活性化物質を装着した貫流ボイラを模式的に示すものである。 図4中のバーナー部分を拡大して示すものである。 本発明の第3実施例として耐熱燃料活性化物質を装着した水管ボイラを模式的に示すものである。 図6中のバーナー部分を拡大して示すものである。

(1)燃料活性化材料の配合比の検証

燃料活性化材料には以下のものを使用した。

トルマリン:ショールトルマリン42メッシュ(アダン鉱山中央研究所)

鉄粉:RS−200A(パウダーテック)

炭素:活性炭素・粉末(C−AW;12.011、昭和化学)

上記を下記表1に示した各配合比にて混合したものを燃料活性化材料として、これにバインダーとして無機質シリコン樹脂(ES−1002T、信越化学工業)を加えて混練したものを、厚さ2mmのアルミ鋼板に膜厚0.6mmとなるようにそれぞれ塗設して得たサンプルを分光放射率測定に供した。

分光放射率の測定は、島津フーリエ変換赤外分光光度計(IRPrestiga-21(P/N 206-72010)、島津製作所)を用いて行った。具体的には、まず、黒体炉(300℃)にて分光放射率を1.0として読み取り、試料炉へは擬似黒体塗料(分光放射率0.94)を塗布した測定試料を入れ、試料炉内の温度にて分光放射率を0.94に設定し、以後、この条件で試料炉内に各サンプルを入れて分光放射率を測定した。その結果も下記表1に併せて示す。


上記結果から、燃料活性化材料中のトルマリンが240g(35.9重量%)、鉄粉が420g(62.9重量%)及び炭素が8g(1.2重量%)である試料No.3の分光放射率が0.94であり、これがベストモードと考えられた。これを中心として、トルマリンの配合比が30重量%以上かつ44重量%以下(試料No.2及びNo.4より)、鉄粉の配合比が55重量%以上かつ69重量%以下(試料No.7及びNo.8より)及び炭素の配合比が0.5重量%以上かつ1.5重量%以下(試料No.11及びNo.12より)であれば分光放射率が0.85以上となることが分かった。

(2)金属溶射により形成される耐熱燃料活性化物質

次に、上記(1)の結果でベストモードであった試料No.3の燃料活性化材料を用いて、金属溶射用のバインダーの適切な重量比を検討した。

バインダーとしては、ニッケル及びアルミニウムを主成分とした、メタライジング29029(日本ユテク)を、前記試料No.3の燃料活性化材料100重量%に対して下記表2の重量比で溶融混合し、テロダイジングシステム2000(日本ユテク)を用いて、厚さ2mmのアルミ鋼板に膜厚0.6mmとなるように溶射した。この溶射により形成された耐熱燃料活性化物質について、前記(1)と同様に分光放射率を測定するとともに、溶射部位への付着性も検討した。その結果は下記表2の通りである。


上記結果から、燃料活性化材料100重量%に対するバインダーの重量比が100重量%であるNo.16の分光放射率が0.94と最も高く、これを中心として、バインダーの重量比が50重量%である試料No.15、及び150重量%である試料No.17の分光放射率は0.85以上であった。それに対し、バインダーの重量比が150重量%を上回る試料No.18では分光放射率は0.85を下回ることとなった。なお、バインダーの重量比が50重量%を下回る試料No.14では、鋼板への溶射後、手で擦ると容易に剥がれ落ち、耐熱燃料活性化物質としての付着性に乏しく実用には適さないことが判明した。

以上より、金属溶射用のバインダーを混合して耐熱燃料活性化物質を形成する場合において、燃料活性化材料100重量%に対するバインダーの適切な重量比は50重量%以上かつ150重量%以下であることが分かった。

(3)金属シートとして形成される耐熱燃料活性化物質

次に、前記(1)の結果でベストモードであった試料No.3の燃料活性化材料を用いて、金属シートに成形するためのバインダーの適切な重量比を検討した。

バインダーとしては、鉛を、前記試料No.3の燃料活性化材料100重量%に対して下記表3の重量比で配合してこれを350℃で溶融したものを、厚さ1mmのシート状に成形した。これを、前記(1)と同様に分光放射率を測定するとともに、シートとしての成形性も検討した。その結果は下記表3の通りである。


上記結果から、燃料活性化材料100重量%に対するバインダーの重量比が100重量%であるNo.21の分光放射率が0.94と最も高く、これを中心として、バインダーの重量比が50重量%である試料No.20、及び150重量%である試料No.22の分光放射率は0.85以上であった。それに対し、バインダーの重量比が150重量%を上回る試料No.23では分光放射率は0.85を下回ることとなった。なお、バインダーの重量比が50重量%を下回る試料No.19では、シートに整形することが不可能であったため、耐熱燃料活性化物質としての実用には適さないことが判明した。

以上より、金属バインダーを混合してシート状に成形した耐熱燃料活性化物質を形成する場合において、燃料活性化材料100重量%に対するバインダーの適切な重量比は50重量%以上かつ150重量%以下であることが分かった。

(4)無機質系樹脂シートとして形成される耐熱燃料活性化物質

次に、前記(1)の結果でベストモードであった試料No.3の燃料活性化材料を用いて、無機質系樹脂をバインダーとしてシート状に成形する場合の、バインダーの適切な重量比を検討した。無機質系樹脂としては、前記(1)でも使用した無機質シリコン樹脂を、前記(1)の活性化素材100重量%に対して下記表3の重量比で配合してこれを混練して、厚さ1mmのシート状に成形した。これを、前記(1)と同様に分光放射率を測定するとともに、シートとしての成形性も検討した。その結果は下記表4の通りである。


上記結果から、燃料活性化材料100重量%に対するバインダーの重量比が100重量%であるNo.26の分光放射率が0.94と最も高く、これを中心として、バインダーの重量比が75重量%である試料No.25、及び150重量%である試料No.27の分光放射率は0.85以上であった。それに対し、バインダーの重量比が150重量%を上回る試料No.28では分光放射率は0.85を下回ることとなった。なお、バインダーの重量比が75重量%を下回る試料No.24では、シートに整形することが不可能であったため、耐熱燃料活性化物質としての実用には適さないことが判明した。

以上より、無機質系樹脂バインダーを混合してシート状に成形した耐熱燃料活性化物質を形成する場合において、燃料活性化材料100重量%に対するバインダーの適切な重量比は75重量%以上かつ150重量%以下であることが分かった。

(5)無機質系樹脂溶融溶射シートとして形成される耐熱燃料活性化物質

次に、前記(1)の結果でベストモードであった試料No.3の燃料活性化材料を用いて、無機質系樹脂をバインダーとして溶融溶射によりシート状に成形する場合の、バインダーの適切な重量比を検討した。無機質系樹脂としては、前記(1)でも使用した無機質シリコン樹脂を、前記(1)の活性化素材100重量%に対して下記表3の重量比で配合してこれを溶融して、膜厚が厚さ1mmになるよう、厚さ2mmのアルミ鋼板に溶射し、前記(1)と同様に分光放射率を測定するとともに、膜としての付着性も検討した。その結果は下記表5の通りである。


上記結果から、燃料活性化材料100重量%に対するバインダーの重量比が100重量%であるNo.31の分光放射率が0.94と最も高く、これを中心として、バインダーの重量比が75重量%である試料No.30、及び150重量%である試料No.32の分光放射率は0.85以上であった。それに対し、バインダーの重量比が150重量%を上回る試料No.33では分光放射率は0.85を下回ることとなった。なお、バインダーの重量比が75重量%を下回る試料No.29では、鋼板への塗設後、手で擦ると容易に剥がれ落ち、耐熱燃料活性化物質としての付着性に乏しく実用には適さないことが判明した。

以上より、無機質系樹脂バインダーを溶融溶射してシート状に成形した耐熱燃料活性化物質を形成する場合において、燃料活性化材料100重量%に対するバインダーの適切な重量比は75重量%以上かつ150重量%以下であることが分かった。

(6)珪素の添加

前記(1)において、炭素が下限値の0.5重量%であった試料No.11について、さらに珪素(けい素−粉末(Si.14、昭和化学))を添加した場合について、前記(1)と同様の条件下で試料を作成し、分光放射率測定に供した。その結果は下記表6のとおりである。


上記結果から、珪素を添加しない試料No.11の分光放射率が0.90であったのに対し、珪素を0.5重量%添加した試料No.34では0.92と分光放射率の向上を見た。さらに、珪素を1.0重量%添加した試料No.35では0.94、また珪素を1.5重量%添加した試料No.36では0.91とそれぞれ、いずれも珪素を添加しない場合に比べて分光放射率の向上を見た。しかし、珪素の添加率が1.5重量%を超えた(1.8重量%)試料No.37では分光放射率は0.87とかえって低下することとなった。

上記結果より、珪素の添加は1.5重量%以下であれば、炭素含有率が比較的低い場合にその分光放射率を補うという意義が認められた。

(7)耐熱燃料活性化物質の継続使用

次に、高温環境下においての継続使用による分光放射率の影響を調べた。

100mm×200mm×厚さ2mmのアルミ板に、前記表5の試料No.31の耐熱燃料活性化物質を塗設した供試体を支柱で支持した水平の鉄板上に載置し、その鉄板の下からガスコンロにて1日7時間、280〜300℃に加熱し、加熱終了後に前記(1)と同様に分光放射率測定に供した。これを同一供試体について20日間にわたって継続した。

その結果、供試体の示した分光放射率の経時的変化は下記表7に示すとおりである。


以上の通り、全試験期間にわたって、分光放射率は0.85以上を保った。

なお、全試験期間にわたって、アルミ板に塗設した耐熱燃料活性化物質には、膨れや剥がれ、亀裂は生じていなかった。

また、分光放射率測定後室温に戻した状態でピーリングテストを行った。これは、耐熱燃料活性化物質表面に、アルミ層にまで到達する深さの格子状の5mm間隔の切り傷をカッターで付け、そこにセロファンテープを貼り付け、すぐにテープを剥がし、それに剥離した耐熱燃料活性化物質が付着しているかどうかを観察する、という方法で行ったが、全試験期間にわたって、耐熱燃料活性化物質の剥離はもちろん、ささくれも一切見られなかった。

さらに、密着性について耐衝撃テストをした。耐熱燃料活性化物質を塗設した同じアルミ板を床上に載置し、その上方1mの高さから1kgの鉄球を3回落下させて剥離するかどうかを観察したが、これもまた全試験期間にわたって、耐熱燃料活性化物質の剥離は一切見られなかった。

上記の各観察より、耐熱燃料活性化物質の被塗布体に対する密着性は極めて良好であることが分かった。

なおこの分光放射率及び密着性の経時変化に関する観察結果は、(1)の無機材料吹き付けの使用態様のみならず、その他の全使用態様に共通して見られるものであったことをここに付記しておく。

(8)分光放射率と火炎温度との関係

耐熱燃料活性化物質の装着の有無、及び耐熱燃料活性化物質のうちで分光放射率が異なるものに関して、各々実験して、火炎の温度変化を調べた。具体的には、図1に示すような測定装置10を用いて行った。すなわち、空気孔11を備えたバーナー連結部12に、内径8.0mmの円管ステンレス製のバーナー筒13が連結されるとともに、バーナー連結部12の後方から燃料パイプ14がバーナー筒13の途中まで突出している。このバーナー筒13の外側面でかつ燃料パイプ14の先端より後方の部分に、前記(4)の、無機質系樹脂をバインダーとしてシート状に成形した耐熱燃料活性化物質15を装着した。

この測定装置10は室温、大気圧中に設置して実験を行った。燃料パイプ14からの燃料(都市ガス(13A、メタン88%))の流速は73cm/秒、空気孔11からの空気の流速は27cm/秒に調整し、これらが混合されてバーナー筒12内で生じた火炎16を高速度ビデオカメラ(HPV−1、島津製作所)にてビデオ撮影し、この撮影したビデオ画像を2色温度計測/カメラシステム(Thermera、ノビテック)にて解析することで火炎温度を測定した。その結果を、下記表8に示す。


以上より、耐熱燃料活性化物質の装着により火炎温度は上昇し、また、その装着した耐熱燃料活性化物質の分光放射率が高いほど火炎温度が上昇する傾向が見られた。特に、耐熱燃料活性化物質を装着しない実験No.1と、分光放射率が0.90以上の実験No.7〜9とでは火炎温度は実に100Kの上昇を見ることが分かった。

なお、前記(4)以外の耐熱燃料活性化物質での実験によっても、火炎温度は分光放射率に依存していることが分かった。

(1)ボイラでの実験結果

以下、具体的なボイラに上記耐熱燃料活性化物質を装着し、その省エネ効率を検証した。ここで、「省エネ効率」については、以下のように定義づけることとした。

まず、耐熱燃料活性化物質の装着前において、蒸気を得るために使用した水の量(単位:m3)で、その間に使用した燃料の量(単位:液体燃料の場合リットル、気体燃料の場合m3)を除して得られた係数を「装着前燃料使用係数」(E)と定義する。

一方、耐熱燃料活性化物質の装着後において同様に、蒸気を得るために使用した水の量で、その間に使用した燃料の量を除して得られた係数を「装着後燃料使用係数」(E)と定義する。

そして省エネ率(η)を次式にて定義することとした。

η=(E−E)/E×100

すなわち、水1立方メートルを蒸気にするのに要する燃料量の、耐熱燃料活性化物質装着前後における減少量の、装着前に要した燃料量に対する割合(%)が省エネ率(η)ということになる。

これを下記の各種類のボイラにて検証した。

(1−1)第1実施例

第1実施例として、具体的なボイラのタイプとして炉筒煙管ボイラでの検証を行った。この炉筒煙管ボイラ(KMS-16A、石川島汎用ボイラ)で使用する燃料の種類はA重油であって、使用されるバーナーの種類はガンタイプバーナー、ボイラ容量は8,000kg/h、制御方法は比例制御であった。図2はその炉筒煙管ボイラ20の模式図であり、図3はそのうちガンタイプバーナー部分を拡大したものである。ボイラ本体21内の燃焼室28の一端(図2中では左端)に燃焼装置22が取り付けられており、その燃焼コーン23はその外径が最大となっているコーン最大径部24をボイラ本体21内部(図2中では右方、図3中では上方)に向けて開口しており、そのほぼ軸心に位置するガンタイプバーナー25の先端から、燃焼室28の中心方向へ火炎を発する。燃焼装置22の後端にはそのガンタイプバーナー25を固定するフランジ26が設けられている。そのフランジ26の内側面であって、前記コーン最大径部24を投影した部分27の面積の100%に、下記表9の各種類の耐熱燃料活性化物質15を装着して(図3参照)、その装着前後の燃料使用係数を算出し、これらから省エネ率を算出した。その結果を下記表9に示す。なお、耐熱燃料活性化物質における分光放射率は、各々に示す数値となるように各バインダーの重量比を適宜調整したものである。


以上より、いずれの装着方法であっても分光放射率が0.85以上であれば、装着前燃料使用係数の、少なくとも4.85%以上の減少を見ることとなった。特に、耐熱燃料活性化物質が異なっていても、耐熱燃料活性化物質の分光放射率の向上に伴い省エネ率も向上する傾向が見られた。これは、分光放射率の向上に伴って火炎温度が向上する(前記「発明を実施するための最良の形態」(8)の項参照)ことによるものと推察される。

(1−2)第2実施例

第2実施例として、具体的なボイラのタイプとして貫流ボイラでの検証を行った。この貫流ボイラ(STE2001GLM、日本サーモエナー)で使用する燃料の種類はLPGであって、使用されるバーナーの種類はガンタイプバーナー、ボイラ容量は1,667kg/h、制御方法は3位置制御であった。図4はその貫流ボイラ30の模式図であり、図5はそのうちバーナー部分を拡大したものである。ボイラ本体31の燃焼室38の一端(図4中では上端)に燃焼装置32が取り付けられており、その燃焼コーン33はその外径が最大となっているコーン最大径部34をボイラ本体31内部(図4及び図5中では下方)に向けて開口しており、そのほぼ軸心に位置するガンタイプバーナー35の先端から、この方向へ火炎を発する。燃焼装置32の後端にはそのガンタイプバーナー35を固定するフランジ36が設けられている。そのフランジ36の内側面であって、前記コーン最大径部を投影した部分37の面積の100%に、下記表10の各種類の耐熱燃料活性化物質15を装着して、その装着前後の燃料使用係数を算出し、これらから省エネ率を算出した。その結果を下記表10に示す。なお、ここで使用した耐熱燃料活性化物質は各々第1実施例で使用したものと同じものである。


以上より、いずれの装着方法であっても分光放射率が0.85以上であれば、装着前燃料使用係数の、少なくとも4.76%の減少を見ることとなった。特に、耐熱燃料活性化物質が異なっていても、前記第1実施例と同様、耐熱燃料活性化物質の分光放射率の向上に伴い省エネ率も向上する傾向が見られた。

(1−3)第3実施例

第3実施例として、具体的なボイラのタイプとして水管ボイラでの検証を行った。この水管ボイラ(SCM-160、石川島播磨重工業)で使用する燃料の種類はC重油であって、使用されるバーナーの種類はガンタイプバーナー、ボイラ容量は16,000kg/h、制御方法は比例制御であった。図6はその水管ボイラ40の模式図であり、図7はそのうちバーナー部分を拡大したものである。ボイラ本体部分41の燃焼室48の一端(図6中では下端)に燃焼装置42が取り付けられており、その燃焼コーン43はその外径が最大となっているコーン最大径部44をボイラ本体41内部(図6及び図7中では上方)に向けて開口しており、そのほぼ軸心に位置するガンタイプバーナー45の先端から、燃焼室48の中心方向へ火炎を発する。燃焼装置42の後端にはそのガンタイプバーナー45を固定するフランジ46が設けられている。そのフランジ46の内側面であって、前記コーン最大径部44を投影した部分47の面積の100%に、下記表11の各種類の耐熱燃料活性化物質15を装着して、その装着前後の燃料使用係数を算出し、これらから省エネ率を算出した。その結果を下記表11に示す。なお、ここで使用した耐熱燃料活性化物質は各々第1実施例で使用したものと同じものである。


以上より、いずれの装着方法であっても分光放射率が0.85以上であれば、装着前燃料使用係数の、少なくとも3%以上の減少を見ることとなった。特に、耐熱燃料活性化物質が異なっていても、前記第1実施例及び第2実施例と同様、耐熱燃料活性化物質の分光放射率の向上に伴い省エネ率も向上する傾向が見られた。

(2)その他

なお、上記の各汎用ボイラ以外でも、産業用ボイラに使用した場合であっても、また、ボイラに使用される燃料として上記以外にもバイオ燃料、プロパンガス等燃料の種類に関わらず、ほぼ同一の結果が得られたことをここに付記する。

本発明は、貫流ボイラ、炉筒煙管ボイラ及び水管ボイラ(2バーナー以上の産業用ボイラ、発電所用ボイラも含む)のみならず、キルン及び乾燥機のような、燃焼装置を備える燃焼機器に利用可能である。
【0002】
は、燃焼部分手前にあたるメタンガス通路に、トルマリン、鉄粉及び炭素を混合させて形成した遠赤外線発生体を位置させることで燃料を活性化させ省エネ効果を得ようとするものである。
特許文献1:特開平11−1707号公報
特許文献2:WO 2006/088084 A
発明の開示
発明が解決しようとする課題
[0004]
上記先行技術以後、本件発明者らはさらに、特に分光放射率に着目して燃料活性化物質の鋭意改良を重ね、前記波長域の電磁波が分光放射率0.85以上となるような燃料活性化材料を用いて、熱分解領域でのメタン系分子に当該波長域での電磁波を放射することにより100〜150℃の火炎温度の上昇が得られることがわかった。
ところで、従来の燃料活性化物質は、活性化材料をウレタン樹脂等の有機質系樹脂をバインダーとしてシート状に成形するか、あるいは塗料化して塗設していたため、これらが燃焼装置において100℃以上の高温の箇所に装着された場合、時間の経過によりバインダーが炭化して燃料活性化物質からの電磁波の分光放射率が低下することがあった。
[0005]
そこで本発明は、改良された燃料活性化材料を用い、さらにこの燃料活性化材料を用いた燃料活性化物質に耐熱性をもたせて、これまでの燃料活性化物質では使用できなかったような温度条件下でも装着できるようにすることで、種々の燃焼装置における省エネ効果をより高めることを課題とする。
課題を解決するための手段
[0006]
本発明のうち第1の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、トルマリン、鉄粉及び炭素をそれぞれ30〜44重量%、55〜69重量%及び0.5〜1.5重量%の範囲で配合することによって電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上である燃料活性化材料を形成し、この燃料活性化材料100重量%に対し、金属溶射材料50〜150重量%を溶融混合し、これを溶射可能としたことを特徴とする。
ここで、「電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上」というのは、当該波長範囲は、熱分解領域でのメタン系分子の活性化に最も寄
【0003】
与する電磁波の波長範囲であって、いわゆる「遠赤外線」と称される部分の一部である。そしてこの分光放射率は、黒体の当該波長範囲における放射率を1としたときの数値であって、メタン系分子の活性化に寄与するに足る遠赤外線を放出するに十分な数値としての意義がある。この点については以下の各発明についても同様である。
[0007]
ここで、溶射により耐熱燃料活性化物質を適用することで、表面形状の複雑な箇所にも適用可能となる。
すなわち、本第1の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、燃焼装置において、被適用部位として、概ね100〜400℃の温度の範囲で適用可能となっている。ここで、金属溶射材料としては、たとえば比較的溶融温度の低い銅、アルミ、ニッケル等が使用可能であり、特に粒度5〜150μmのものが望ましい。
そして、金属溶射材料については、活性化材料の全量を100重量%とした場合、これに対して50重量%未満の場合には被適用箇所への付着性が悪くなり、また、150重量%を超える場合には燃料活性化材料の含有率低下に伴い分光放射率が低くなるため、50〜150重量%が適切である。
[0008]
このような金属溶射材料と所定の燃料活性化材料とを混合し、市販の溶射装置に充填してバーナーの所定の被適用部位に溶射する。具体的な溶射場所としては、たとえば燃焼装置においてバーナーが装着されるフランジ部分であるとか、あるいはそのバーナーを収容する燃焼装置内部の、燃焼火炎発生部位の後方のような箇所が相当する。当該箇所に燃料活性化材料を成分として含む金属被膜層としての耐熱燃料活性化物質を、所望の厚さで形成することが可能となる。また、溶射によることで、表面形状に複雑な凹凸があってシート状のものの装着が困難な箇所にも適用可能となっている。
本発明のうち第2の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、トルマリン、鉄粉及び炭素をそれぞれ30〜44重量%、55〜69重量%及び0.5〜1.5重量%の範囲で配合することによって電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上である燃料活性化材料を形成し、この燃料活性化材料100重量%に対し、融点が420℃以下の金属材料50〜150重量%を溶融させてシート状に形成したことを特徴とする。
【0004】
[0009]
すなわち、本第2の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、被適用部位が概ね100〜300℃の範囲で適用可能となっている。ここで、金属材料としてはたとえば鉛、亜鉛等のような比較的融点の低い金属が使用可能である。
ここで、金属材料については、燃料活性化材料の全量を100重量%とした場合、これに対して50重量%未満の場合にはシート状に形成することが不可能となり、また、150重量%を超える場合には燃料活性化材料の含有率低下に伴い分光放射率が低くなるため、50〜150重量%が適切である。
このようにシート状に成形することで、たとえば燃焼装置におけるバーナー付近の所定の被適用部位、たとえばバーナーが装着されるフランジ部分であるとか、あるいはそのバーナーを収容する燃焼装置内部の、燃焼火炎発生部位の後方のような箇所への装着に適することとなる。
[0010]
本発明のうち第3の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、トルマリン、鉄粉及び炭素をそれぞれ30〜44重量%、55〜69重量%及び0.5〜1.5重量%の範囲で配合することによって電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上である燃料活性化材料を形成し、この燃料活性化材料100重量%に対し、耐熱温度が300℃超の無機質系樹脂75〜150重量%を混合して形成したことを特徴とする。
すなわち、本第3の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、被適用部位が概ね100〜300℃の範囲で適用可能となっている。ここで、耐熱温度が300℃超の無機質系樹脂としては、有機質系樹脂のみからなるものではなく、成分の一部又は全部に無機質系材料を用いた樹脂をいい、たとえばシリコン樹脂、フッ素樹脂、水ガラス等、あるいはこれらのうちで必要に応じて混合して使用される混合物のような耐熱性を備えるものが使用可能である。
[0011]
ここで、無機質系樹脂については、燃料活性化材料の全量を100重量%とした場合、これに対して75重量%未満の場合にはシート状に形成することが不可能となり、また、150重量%を超える場合には燃料活性化材料の含有率低下に伴い分光放射率が低くなるため、75〜150重量%が適切である。なお、上記活性化材料100重量%中には、珪素0.5〜1.5重量%を含むこととしてもよい。
【0005】
本第3の発明に係る耐熱燃料活性化物質は、シート状に形成することも可能であるし、また、溶融した状態で被適用箇所に溶射、混合した状態で被適用箇所に吹き付けあるいは塗設することも可能である。シート状に形成した場合には、たとえば燃焼装置におけるバーナー付近の所定の被適用部位、たとえばバーナーが装着されるフランジ部分であるとか、あるいはそのバーナーを収容する燃焼装置内部の、燃焼火炎発生部位の後方のような箇所へのシートとしての装着に適することとなる。一方、溶融混合して溶射することも可能であり、上記箇所に溶射して、当該箇所に上記燃料活性化材料を成分として含む無機物質被膜層としての耐熱燃料活性化物質を、所望の厚さで形成することも可能である。
[0012]
なお、上記第1の発明から第3の発明までにおける燃料活性化材料については、上述のとおり、トルマリン、鉄粉及び炭素をそれぞれ30〜44重量%、55〜69重量%及び0.5〜1.5重量%の範囲で配合して形成したものである。
ここで、上記各成分のうち、いずれか少なくとも1つがその各々の上記配合比の範囲から外れる場合には、耐熱燃料活性化物質の分光放射率は0.85を下回ることが本件出願人の実験により確かめられている。
なお、上記活性化材料100重量%中には、珪素1.5重量%以下を含むこととしてもよい。この珪素を含む意義としては、炭素含有量を少なくせざるを得ない場合にこれを補って、耐熱燃料活性化物質が0.85以上の分光放射率を示すことを可能とすることにある。
[0013]
上記各耐熱燃料活性化物質は、貫流ボイラ、炉筒煙管ボイラ及び水管ボイラ(2バーナー以上の産業用ボイラ、発電所用ボイラも含む)のみならず、キルン、乾燥機及び冷温水発生機のような、燃焼火炎を熱源とする燃焼装置と、燃焼室とを備える燃焼機器にも使用可能である。
なお、ここでいう「燃焼室」とは、バーナーから吹き込まれた燃料を速やかに着火、燃焼させ、発生する可燃ガスを空気との混合接触を良好にして燃焼を行わせる部分をいう。

Claims (5)


  1. 電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上である燃料活性化材料100重量%に対し、金属溶射材料50〜150重量%を溶融混合し、これを溶射可能としたことを特徴とする耐熱燃料活性化物質。

  2. 電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上である燃料活性化材料100重量%に対し、融点が420℃以下の金属材料50〜150重量%を溶融させてシート状に形成したことを特徴とする耐熱燃料活性化物質。

  3. 電磁波長3〜20μmの範囲の分光放射率が0.85以上である燃料活性化材料100重量%に対し、耐熱温度が300℃超の無機質系樹脂75〜150重量%を混合して形成したことを特徴とする耐熱燃料活性化物質。

  4. 前記燃料活性化材料は、トルマリン、鉄粉及び炭素をそれぞれ30〜44重量%、55〜69重量%及び0.5〜1.5重量%の範囲で配合して形成したことを特徴とする請求の範囲第1項、第2項又は第3項記載の耐熱燃料活性化物質。

  5. 前記燃料活性化材料100重量%中に、珪素1.5重量%以下が含有されることを特徴とする請求の範囲第4項記載の耐熱燃料活性化物質。
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