JPWO2009128216A1 - モータ装置、およびそれらを備えたモータ駆動システム並びに集積回路装置 - Google Patents

モータ装置、およびそれらを備えたモータ駆動システム並びに集積回路装置 Download PDF

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智寛 井上
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Abstract

モータとこのモータを駆動制御する駆動制御回路とを含むモータ装置であって、駆動制御回路が、モータの回転を制御するための制御信号を生成する制御部と、制御信号に基づきモータを駆動する駆動部と、シリアルデータを伝送するシリアル通信バスを介してシリアル通信を行う通信部とを備える。そして、この通信部は、アドレスを生成し、設定するアドレス生成機能を有している。

Description

本発明は、例えば複写機やプリンタ等のように複数のモータ装置を備えた情報機器に搭載されるモータ装置、およびそれらを備えたモータ駆動システム並びに集積回路装置に関し、特に、シリアルデータを用いたシリアル通信により駆動制御されるモータ装置、およびそれらを備えたモータ駆動システム並びに集積回路装置に関する。
このような複写機やレーザプリンタなどの情報機器では、通常、上述したように複数のモータが搭載されている。特に、近年、このようなドキュメントを扱う情報機器は、カラー化、多機能化や高精度化が進み、1台の機器に搭載されるモータの個数も増加傾向にある。このため、各モータの制御方法などが複雑化するとともに、各モータを制御するための信号線も増加している。
例えば、容易に回転制御ができるため近年多く用いられるようになったブラシレスDCモータの場合、モータ本体とモータ駆動制御回路とを一体化してモータ装置とし、マイコンなどとモータ駆動制御回路とを各種信号線で接続してモータの回転制御を行うような構成が一般的となっている。このとき、マイコンとモータ駆動制御回路との間では、例えば、起動/停止、ブレーキ動作/解除、正転/逆転、回転数指令、回転数モニタ、回転数位相ロック検知、制御ゲイン切替など多くの信号線が接続される。このため、モータの個数が増加すると、それに伴なってこのような信号線も増加する。そして、配線スペースの増大による機器の小型化の阻害、機器側に設けられるマイコンなどのメインコントローラのポート負担や制御負担の増加、これらに伴なうシステムコストの増加などを招くことになる。
ところで、近年、このような信号線の増加を抑制するため、各種の機器においてシリアル通信を利用して制御対象を制御する手法が広く用いられている。機器におけるシリアル通信は、機器内において、マイコンなどと各制御対象とをシリアル通信バスで接続することによって実現される。ここで、シリアル通信バスは、シリアルデータを伝送するための数本の信号線で構成されるデータバスである。このとき、各制御対象は、それぞれが識別されるようにするため、それぞれにアドレスのような識別番号が割り当てられる。そして、マイコンが識別番号を指定しながら必要なデータを送受信することで、各制御対象と個別にデータ通信することができる。このようにして、信号線の増加を抑制しながら、複数の制御対象と各種データの受け渡しが可能になり、マイコンはこのデータを用いて各制御対象を制御できる。
そこで、上述したような複数のモータを備えた機器においても同様に、このようなシリアル通信を利用した技術が提案されている。
このような技術の1つとして、従来、モータを駆動する駆動制御回路に対して、シリアル通信バスが縦続接続となるように順次シリアル接続し、これによって配線効率を向上させるような複数モータの駆動システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような従来の駆動システムは、次のように構成されている。すなわち、シリアル通信バスを介して複数のモータをそれぞれ駆動するためのデータがシリアルデータとして送出される。モータごとに設けたモータ駆動制御回路は、シリアル通信バスを介して順次シリアル接続されている。また、各モータ駆動制御回路には、ビットスイッチなどにより、それぞれを特定するためのアドレスが設定されている。そして、まず、複数のモータ駆動制御回路のうち第1のモータ駆動制御回路がデータを受信する。このとき、第1のモータ駆動制御回路は、シリアル通信バスを介して送出されたアドレスを参照して、自己宛に送られた第1のモータ駆動制御回路用のデータのみを抽出し、レジスタに格納する。また、第1のモータ駆動制御回路は、自己宛ではないデータを、次段のモータ駆動制御回路に転送する。以降、第1のモータ駆動制御回路と同様な処理を行っていくことで、複数のモータを駆動制御する。従来の駆動システムは、このような構成とすることにより、少ない配線数で簡素な構成を可能としている。
また、複数のモータを制御する場合、各モータが協調して動作するように制御しなければならない場合が多々ある。このため、従来、複数のモータを同時に制御する同時制御モードを設け、それぞれのモータの動作を同期させて変更できるように構成し、協調的なモータの動作を容易に実現するような駆動システムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、これらの従来の駆動システムは、受け取ったデータが自己宛に送られたデータであるかどうかを判定するため、上述のように、各モータ駆動制御回路は個別のアドレスを設定するためのビットスイッチなどが必要であった。このため、モータ装置の個数が多くなると、このようなビットスイッチによる部品数が増加する。さらに、それぞれのモータ駆動制御回路に対して設定する必要があるため、その設定に手間がかかったり、設定ミスが起こったりするなどの課題があった。
このため、従来、上述のモータ装置に相当するスレーブ装置に個々のアドレスを設定しなくとも、ホスト装置が個々のスレーブ装置と選択的にシリアル通信を行うことを可能とした通信制御装置なども提案されている(例えば、特許文献3参照)。
このような従来の通信制御装置は、次のように構成されている。すなわち、ホスト装置とスレーブ装置とはシフトパルスラインを介して、順次リンク状に接続されている。ホスト装置からスレーブ装置へ、また、上流側のスレーブ装置から下流側のスレーブ装置へと、シフトクロックに従ってシフトパルスが順番に転送される。スレーブ装置は、このシフトパルスが入力されている状態で、シフトクロック信号が入力されると、シリアル通信可能な状態になったと判断する。そして、このとき、このスレーブ装置は、シリアル通信ラインを介してホスト装置とシリアル通信を行う。例えば、ホスト装置から2度シフトクロックが送出されると、シフトパルスは、2番目のスレーブ装置のみに入力された状態となる。これにより、2番目のスレーブ装置のみが選択されたことになり、ホスト装置と2番目のスレーブ装置とのシリアル通信が可能となる。
しかしながら、上述した従来の通信制御装置は、例えば、各スレーブ装置に対して同じデータを伝送する場合であっても、通信するスレーブ装置を1つ1つ選択するような構成となる。このために、上流側から下流側へと所望のスレーブ装置までシフトパルスの伝送を繰り返す必要があり、複数のモータ装置を高速に制御するシステムには不向きであるという課題があった。
特開2001−161095号公報 特開2008−22638号公報 特開2000−73238号公報
本発明のモータ装置は、モータとこのモータを駆動制御する駆動制御回路とを含むモータ装置である。この駆動制御回路は、シリアル通信バスを介して送出されたシリアルデータを受信し、設定されたアドレスを参照して自己宛のシリアルデータを取り込むとともに、受信したシリアルデータを中継して送出する通信部を備える。そして、この通信部が、アドレスを生成し、設定するアドレス生成機能を有した構成である。
また、本発明のモータ駆動システムは、このモータ装置を複数個、順次直列に配置するとともに、各モータ装置を制御するホスト装置を備える。そして、ホスト装置と複数個のモータ装置の通信部とをシリアル通信バスで接続した構成である。
また、本発明の集積回路装置は、モータを駆動制御する駆動制御回路を含む集積回路装置である。この駆動制御回路は、モータの動作を制御するための制御信号を生成する制御部と、制御信号に基づきモータを駆動する駆動部と、シリアル通信バスを介して送出されたシリアルデータを受信し、設定されたアドレスを参照して自己宛のシリアルデータを取り込むとともに、受信したシリアルデータを中継して送出する通信部とを備える。そして、通信部が、アドレスを生成し、設定するアドレス生成機能を有した構成である。
このような構成により、同一のモータ装置を複数個配置し、各通信部がシリアル通信バスを介して順次直列となるように接続したとき、例えば、最上流側のモータ装置から下流側のモータ装置へと順次、自動的に個別のアドレスを設定することが可能となる。すなわち、例えば、ホスト装置が、接続された最上流側の通信部に対してアドレス設定情報を与えることにより、まず、最上流側の通信部が自己のアドレスを設定する。これとともに、最上流側の通信部が、設定したアドレスに関する情報として、例えば、自己のアドレスに1を加えた値をその情報として、次段の通信部に送出する。すると、この次段の通信部は、最上流側のアドレスに1を加えた値を自己のアドレスとして設定する。このようにして、各モータ装置には、それぞれが異なった値となるアドレスが自動的に設定されることになる。特に、本モータ装置は、例えば生産段階においては、それぞれが同一であり、アドレスの区分など必要はないため、単一品種として扱うことができる。このため、モータ装置としての仕様を統一、標準化でき、生産や部品管理としての効率化を図ることができ、モータ装置のコスト削減にも寄与できる。
このように、本発明は、それぞれのモータ装置においてアドレスを自動的に生成できるため、アドレスを設定するための煩雑な作業は不要で、しかもアドレスの設定ミスも発生しないものとなる。また、各モータ装置それぞれに対してアドレスが自動的に設定されるため、アドレスを用いて高速に複数のモータ装置を制御することができる。また、各モータ装置は、例えば生産段階においてはアドレス区分などの必要がないため、生産や部品管理としての効率化をも図ることができる。
さらに、本発明のモータ装置は、モータとこのモータを駆動制御する駆動制御回路とを含むモータ装置である。この駆動制御回路は、モータの回転を制御するための制御信号を生成する制御部と、制御信号に基づきモータを駆動する駆動部と、シリアルデータを伝送するシリアルデータラインとシリアル制御信号を伝送するシリアル制御ラインとを含むシリアル通信バスを介してシリアル通信を行う通信部とを備える。そして、通信部が、シリアル制御信号のレベルに応じてシリアルデータを取り込むかどうかを判定する構成である。
また、本発明のモータ駆動システムは、このモータ装置を複数個配置するとともに、各モータ装置を制御するホスト装置を備える。そして、ホスト装置と複数個のモータ装置の駆動制御回路とをシリアル通信バスで接続した構成である。
また、本発明のモータ駆動システムは、複数個のモータ装置に対して個別にシリアルデータを伝送する個別伝送モードと、複数個のモータ装置の全てに対してシリアルデータを伝送する共通伝送モードとを有した構成である。
また、本発明の集積回路装置は、モータを駆動制御する駆動制御回路を含む集積回路装置である。そして、この駆動制御回路が、モータの回転を制御するための制御信号を生成する制御部と、制御信号に基づきモータを駆動する駆動部と、シリアルデータを伝送するシリアルデータラインとシリアル制御信号を伝送するシリアル制御ラインとを含むシリアル通信バスを介してシリアル通信を行い、シリアル制御信号のレベルに応じてシリアルデータを取り込むかどうかを判定する通信部とを備えた構成である。
このような構成により、例えば、ホスト装置から各モータ装置の通信部に対して、1つのモータ装置のみにおいてシリアル制御信号のレベルが他のモータ装置と異なるように、シリアル制御信号を介してシリアル制御信号を伝送することにより個別のモータ装置を選択できる。一方、ホスト装置から各モータ装置の通信部に対して、それぞれのモータ装置においてシリアル制御信号のレベルが同一となるように、シリアル制御信号を介してシリアル制御信号を伝送することにより全てのモータ装置を選択できる。
このように、本発明は、シリアル制御ラインを介してモータ装置を選択できるため、アドレスを設定するためのビットスイッチなど必要なく、またビットスイッチを設定操作する必要もない。また、複数個のモータ装置に対して個別にシリアルデータを伝送する個別伝送モードと、複数個のモータ装置の全てに対してシリアルデータを伝送する共通伝送モードとを容易に切り替えることができるため、同じデータを伝送する場合には、容易かつ即座にそれぞれのモータ装置にそのデータを伝送できる。また、各モータ装置は、例えば生産段階においてはアドレス区分などの必要がないため、生産や部品管理としての効率化をも図ることができる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動システムの構成を示すブロック図である。 図2は、同モータ駆動システムのモータ装置の詳細な構成を示すブロック図である。 図3は、同モータ駆動システムの要部を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動システムの構成図である。 図5は、同モータ駆動システムのモータ装置の詳細な構成を示すブロック図である。 図6は、同モータ駆動システムの要部を示すブロック図である。
符号の説明
10,110 ホスト装置
11,111 シリアル通信バス
20,120 モータ装置
21,121 駆動制御回路
23,123 通信部
24,124 パラメータ設定部
25,125 制御部
26,126 駆動部
29,129 モータ
31,131 入力処理部
32,132 出力処理部
33,133 転送処理部
34 アドレス処理部
41 アドレスメモリ
42 照合部
43 解読部
44,144 設定メモリ
51,151 速度制御部
52,152 基本動作処理部
53,153 FB要求処理部
54,154 FB情報メモリ
61,161 正弦波駆動部
62,162 パワー部
63,163 保護部
91,191 速度検出器
92,192 位置検出器
221,321 集積回路装置
331,332,431,432 セレクタ
341 アドレス制御部
342 アドレス生成部
343 アドレス設定部
134 取込部
135 モード判定部
433 シフトレジスタ
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本モータ駆動システムは、モータ29とモータ29を駆動制御する駆動制御回路21とを含むモータ装置20を複数個配置するとともに、各モータ装置20を制御するホスト装置10を備えている。そして、ホスト装置10と複数個のモータ装置20の駆動制御回路21とは、シリアル通信バス11を介してシリアル通信接続されている。図1では、ホスト装置10が、3個のモータ装置20を制御するような一例を示しており、それぞれのモータ装置20は同一品種である。
ホスト装置10は、例えば、モータ装置20が搭載される機器に備えられ、マイコン(マイクロコンピュータ)あるいはDSP(Digital Signal Processor)などで構成される。このようなホスト装置10から、シリアル通信バス11を介して、モータ装置20の速度などを制御するための各種データが各モータ装置20に通知される。また、逆に、モータ29の回転数に関するデータなどが各モータ装置20から、シリアル通信バス11を介して、ホスト装置10に通知される。
また、各モータ装置20において、駆動制御回路21は、シリアル通信バス11に接続された通信部23、モータ装置20を動作させるための各種パラメータが設定されたパラメータ設定部24、モータ29の回転などの動作を制御する制御部25、およびモータ29を駆動する駆動部26を備えている。
通信部23は、ホスト装置10から、それぞれがシリアル通信バス11を介して順次直列接続となるように接続されている。すなわち、各通信部23は、ホスト装置10からのシリアルデータを後段の通信部23へと中継しながら転送するとともに、後段側の通信部23から通知されるシリアルデータを中継してホスト装置10へと転送するように構成されている。通信部23は、このようなシリアル通信バス接続された構成によって、ホスト装置10とのシリアル通信を行う。
パラメータ設定部24は、シリアル通信バス11を介して通信部23に伝送されるシリアルデータから、自己宛のデータを取得する。パラメータ設定部24は、取得した各種データを、制御パラメータや駆動パラメータなどに区分してメモリなどの記憶部に記憶する。このようにして、パラメータ設定部24には、各種パラメータなどのデータが設定される。
制御部25は、パラメータ設定部24に設定されたパラメータや指令情報を用いて、例えば、回転などの動作を制御するための制御信号を生成する。制御部25は、この制御信号によりモータ29の回転動作を制御するなど、モータ装置20における各種制御や処理を行う。そして、駆動部26は、制御部25からの制御信号に基づきモータ29を駆動する。
また、本実施の形態では、シリアル通信バス11が、シリアルデータを伝送するシリアルデータラインとして、第1のデータラインとしてのデータ出力ラインSOおよび第2のデータラインとしてのデータ入力ラインSIと、クロック信号(以下、単に「クロック」と呼ぶ)を伝送するクロックラインCLKとの3つの信号線で構成されるような一例を挙げている。データ出力ラインSOには、ホスト装置10からモータ装置20にシリアルデータが伝送される。データ入力ラインSIには、モータ装置20からホスト装置10にシリアルデータが伝送される。そして、クロックラインCLKには、ホスト装置10からシリアルデータに同期したクロックが伝送される。
このようなシリアル通信バス11の構成において、ホスト装置10がクロックとともにシリアルデータを送出すると、ホスト装置10と直接にシリアル通信バス11で接続された最上流側となるモータ装置20の通信部23にクロックとシリアルデータとが伝送される。この最上流側の通信部23は、受け取ったクロックとシリアルデータとを中継して、次段の通信部23へ転送する。このようにして、ホスト装置10から、一方端となる最上流側の通信部23、その後段の通信部23へと、他方端となる最下流側の通信部23に向けて順番に、各通信部23を介しながら、データ出力ラインSOを通してシリアルデータが伝送される。また、逆に、例えば、最下流側の通信部23からホスト装置10に通知するようなデータは、最下流側の通信部23から、その前段の通信部23へと、ホスト装置10まで順番に、各通信部23を介しながら、データ入力ラインSIを通してシリアルデータが伝送される。
このように、本実施の形態のモータ駆動システムは、シリアルデータラインとクロックラインとを含むクロック同期方式に基づくシリアル通信バスを利用している。このようなシリアル通信バスは、複数のラインが必要であるものの、クロックラインから受け取ったクロックで単にシリアルデータを例えば取り込めばよい。このため、情報機器間で利用される非同期通信方式を用いた通信プロトコルなどと比較して、複雑な通信処理手順など必要なく、簡易な構成で実現できるとともに、ホスト装置10の処理負荷も軽減できる。そして、複雑な通信処理手順など必要ないため応答性を高めることができ、本実施の形態のような応答性が重視されるモータ装置20の制御として適している。また、クロック周波数の自由度なども高い。
図2は、本発明の実施の形態におけるモータ駆動システムのモータ装置20の詳細な構成を示すブロック図である。
図2に示すような構成により、駆動制御回路21がモータ29を駆動制御する。本実施の形態では、モータ29が駆動制御回路21により正弦波駆動されるブラシレスDCモータである一例を挙げて説明する。なお、シリアル通信バス11を介したホスト装置10からの制御により、正弦波駆動と矩形波駆動とが選択可能なように構成してもよい。また、駆動制御回路21の機能の一部あるいは全部は、1つまたは複数の集積回路装置により実現され、駆動制御回路21の機能を実現する回路素子がプリント基板上に形成される。本実施の形態では、図2に示すように、駆動制御回路21の機能の全部が集積回路装置221により実現された一例を挙げている。そして、モータ装置20は、このようなプリント基板が、モータ29に内蔵または一体化されている。
モータ29は、可動子と、U相、V相およびW相とする3相の駆動巻線とを有している。各駆動巻線には、駆動制御回路21から、それぞれ駆動電圧U、VおよびWが供給される。また、モータ29の近辺には、モータ29の速度を検出する速度検出器91、およびモータ29の可動子の位置を検出する位置検出器92が配置されている。速度検出器91は、検出した速度を示す速度検出信号FGを駆動制御回路21に通知する。位置検出器92は、検出した位置を示す位置検出信号CSを駆動制御回路21に通知する。
ところで、このように正弦波駆動されるブラシレスDCモータは、回転速度むらの低減や、低騒音・高効率駆動などの高い性能が、広い回転速度範囲で要求されることが多くなってきている。これらの要求を実現するためには、各回転速度ごとにきめ細かく多くの制御パラメータや駆動パラメータを設定する必要がある。このため、シリアル通信バスを利用してブラシレスDCモータを制御することにより、速度制御、正弦波駆動の際の各種制御パラメータや駆動パラメータをきめ細かに設定でき、より一層の制御性能、低騒音・高効率駆動性能を高めることが可能になる。
一方、図2に示すように、駆動制御回路21のクロック入力端子CIには、ホスト装置10あるいは前段のモータ装置20である上流側から、クロックラインCLKを通して、クロックが供給される。また、データ入力端子SIHには、データ出力ラインSOを通して、シリアルデータが供給される。そして、データ出力端子SOHは、データ入力ラインSIを通して、上流側に対してのシリアルデータを出力する。
また、駆動制御回路21のクロック出力端子COは、クロックラインCLKを通して、下流側となる後段のモータ装置20へと、ホスト装置10からのクロックを出力する。また、データ出力端子SOLは、データ出力ラインSOを通して、ホスト装置10からのシリアルデータを出力する。そして、データ入力端子SILには、下流側から、データ入力ラインSIを通して、後段のモータ装置20からのシリアルデータが供給される。
次に、通信部23は、データ入力端子SIHに供給されたシリアルデータの処理を行う入力処理部31、ホスト装置10にシリアルデータを通知する処理を行う出力処理部32、クロックおよびシリアルデータを下流側へと転送するなどの処理を行う転送処理部33、およびアドレスの生成や設定などの処理を行うアドレス処理部34を備えている。
入力処理部31は、クロック入力端子CIに供給されたクロックに従って、データ入力端子SIHに供給されるシリアルデータを取り込む。入力処理部31は、取り込んだシリアルデータをパラレル変換し、パラレル変換したデータを入力データとしてパラメータ設定部24およびアドレス処理部34に供給する。また、入力処理部31は、取り込んだシリアルデータを転送処理部33に供給する。
また、出力処理部32には、ホスト装置10に通知するためのデータが制御部25から供給される。出力処理部32は、パラメータ設定部24から供給されるアドレスデータとともにホスト装置10に通知するためのデータをシリアルデータに変換し、変換したシリアルデータをクロック入力端子CIに供給されたクロックに従ってホスト装置10に伝送する。また、出力処理部32は、データ入力端子SILに供給されたシリアルデータを中継してデータ出力端子SOHから出力する。このように、出力処理部32は、下流側から伝送されたシリアルデータをホスト装置10へと転送する処理も行う。
なお、シリアル通信バス11を介して伝送されるシリアルデータは、パラメータとして設定するなどの通常のデータに加えて、直接に動作を指令するコマンドデータや、複数のモータ装置20の中から1つを特定するためのアドレスデータなども含まれる。例えば、モータ装置20を初期状態に戻すようなリセットコマンドがホスト装置10からシリアルデータとして送出されると、モータ装置20はそのコマンドデータを解析し自己を初期状態に戻す。また、ホスト装置10から特定のモータ装置20にデータを通知する場合、ホスト装置10から送出されるシリアルデータには、通知するためのデータとともに、そのモータ装置20に割り当てられたアドレスを示すアドレスデータが含まれる。モータ装置20は、まずアドレスデータが自己のアドレスと一致するかどうか判定し、一致すると判定したとき、通知されたデータを自己宛のデータとして取り込む。このようにして、特定のモータ装置20に対してデータが通知される。また、各モータ装置20は、それぞれを個別に特定できるように、それぞれを識別するためのアドレスが自動的に割り当てられる。
本実施の形態のモータ駆動システムは、このようなアドレスを自動的に生成するアドレス生成機能を有したことを特徴としており、このようなアドレス生成機能を実現するため、モータ装置20は、通信部23においてアドレス処理部34および転送処理部33を備えている。また、本モータ駆動システムはクロック同期方式に基づくため、このようなアドレスの生成も簡易な構成で即座に実行することができる。
アドレス処理部34には、パラメータ設定部24からアドレス設定指令ADcmdが通知される。アドレス処理部34は、アドレス設定指令ADcmdが通知されると、シリアル通信バス11から受け取ったアドレス設定情報に基づき自己のアドレスを生成する。そして、アドレス処理部34は、生成したアドレスを自己のアドレスとして設定し、さらに、設定したアドレスに関する情報をアドレス設定情報としてシリアル通信バス11を介して送出するような処理を行う。また、アドレス処理部34は、アドレス設定情報を次段のモータ装置20へと送出するため、転送処理部33に対して切替信号selを出力する。
転送処理部33には、入力処理部31からのシリアルデータとクロック入力端子CIからのクロックとが供給される。これとともに、アドレス処理部34が生成したアドレス設定情報とクロックとが供給される。転送処理部33は、アドレス処理部34からの切替信号selに応じて、入力処理部31からのシリアルデータかアドレス設定情報かを選択し、同様にクロックも選択して出力する。すなわち、転送処理部33は、アドレス処理部34からの切替信号selにより、ホスト装置10や前段のモータ装置20からのシリアルデータおよびクロックの中継を切断したり、再開したりするような機能を有している。なお、本実施の形態では、転送処理部33がシリアルデータおよびクロックを切り替えるような一例を挙げて説明するが、転送処理部33は、少なくともシリアルデータの中継を切断し、アドレス設定情報がシリアルデータラインを介して次段の通信部に送出されるように切り替える構成であればよい。
各モータ装置20は、このようなアドレス処理部34および転送処理部33を備えており、ホスト装置10からアドレスの設定を指令するようなコマンドが各モータ装置20に対して送出されると、パラメータ設定部24からアドレス処理部34にアドレス設定指令ADcmdが通知される。アドレス処理部34は、このアドレス設定指令ADcmdに応答して、切替信号selにより転送処理部33の切り替えを制御する。この切り替え制御によって、転送処理部33は、ホスト装置10や前段のモータ装置20など上流側からのシリアルデータおよびクロックの中継を切断し、アドレス設定情報がシリアル出力ラインSOを介して次段の通信部23のアドレス処理部34に送出されるように切り替える。これにより、各モータ装置20のアドレス処理部34がそれぞれ通信接続されるような構成となる。
この後、ホスト装置10がシリアル通信バス11を介して、一方端とする最上流側のモータ装置20に対し、初期値とするようなアドレスの値#0をアドレス設定情報とし、このようなアドレス設定情報を含むシリアルデータとして送出する。これにより、最上流側のアドレス処理部34にこのアドレスの値#0が通知される。最上流側のアドレス処理部34は、このアドレスの値#0を自己のアドレス#0とすることで、自己のアドレスを生成する。また、アドレス処理部34がこのアドレスの値#0をパラメータ設定部24に通知することで、自己のアドレス#0が設定される。さらに、アドレス処理部34は、このアドレスの値#0に所定の値を加えた値#1をアドレス設定情報として、転送処理部33およびシリアル通信バス11を介して送出する。この後、アドレス処理部34からの切替信号selにより、転送処理部33は、上流側からのシリアルデータおよびクロックの中継が可能なように切り替えられる。
次段のモータ装置20のアドレス処理部34は、このアドレスの値#1を受け取り、自己のアドレス#1を設定する。さらに、アドレス処理部34は、次段のモータ装置20に対して、このアドレスの値#1に所定の値を加えた値#2をアドレス設定情報として、転送処理部33およびシリアル通信バス11を介して送出する。このようにして、最上流側となる一方端の通信部23から他方端の通信部23に向けて、アドレス#0、#1、#2、#3とするようなアドレスが順番に生成され、各モータ装置20にこのようなアドレスが設定される。
本実施の形態のモータ駆動システムは、ホスト装置10と各モータ装置20とがデータの送受信を行う通常の動作モードに加えて、このようなアドレス生成機能を有効にし、アドレスを各モータ装置20に設定するアドレス設定モードを有している。また、本モータ駆動システムはクロック同期方式に基づくため、アドレス設定モードにおけるアドレスの生成も簡易な構成で即座に実行することができる。
特に、本実施の形態のモータ駆動システムは、このようなアドレス設定モードが開始されると、各モータ装置20の転送処理部33は、シリアルデータの中継を切断し、アドレス設定情報がシリアルデータラインを介して次段の通信部23に送出されるように切り替える。このため、アドレス設定モードが開始された時点では、ホスト装置10と各モータ装置20とのシリアル通信は切断されている。そして、アドレスが確定したモータ装置20から順番にホスト装置10とのシリアル通信接続が再開されていくような構成である。本モータ駆動システムは、このような構成としているため、例えば、ホスト装置10がアドレス未確定のモータ装置20と通信を行ってしまい、そのモータ装置20が誤動作してしまうというような不都合を防止できる。とりわけ、このようなモータ装置20は、回転や移動という動き動作が基本であるため、誤動作が発生すると機器本体を破損するなどのおそれがある。本実施の形態のモータ駆動システムは、上述のように、アドレスが確定したモータ装置20から順次ホスト装置10との通信が可能となるような構成とすることにより、モータ装置20の誤動作を防止している。
また、本実施の形態のアドレス設定モードにおいて、ホスト装置10とアドレス未確定のモータ装置20との通信を切断するため、転送処理部33のように切り替えを行う構成の場合、アドレス設定されるまでの間、少なくともデータ出力端子SOLは、その出力レベルは未定の固定値となり、誤動作を引きおこす可能性もある。このため、この構成に代えて、例えば、次のような構成を加えてもよい。すなわち、少なくともデータ出力端子SOLを開放状態にしてシリアルデータの次段への伝送も切断する。そして、アドレス設定情報に基づきアドレスを生成した後に、データ出力端子SOLを閉状態にしてシリアルデータの伝送が可能な状態とし、シリアルデータラインを介して、アドレス設定情報を次段の通信部に送出する。このような構成としてもよい。
また、本実施の形態では、自己のアドレスの設定を終了したモータ装置20からデータ入力ラインSIを介してホスト装置10に対し、例えば設定した自己のアドレスやアドレス設定情報などが通知される。すなわち、アドレス処理部34は、自己のアドレスを生成し、設定した後、例えば設定した自己のアドレスやアドレス設定情報などを含むホスト通知情報retを出力処理部32に通知する。出力処理部32は、この通知に応答して、ホスト通知情報retをホスト装置10に通知する。このような構成とすることにより、ホスト装置10は、各モータ装置20において設定されたアドレスを確認することができる。このため、例えば、アドレス生成機能が正常に実行されたかどうかを判定できるため、アドレスの自動生成の精度をより高めることができる。
また、他方端となる最下流側のモータ装置20が、最下流側であること判定し、ホスト通知情報retに含めて最下流側であることを示す情報、あるいは最下流側までアドレス生成が完了したことを示す情報をホスト装置10に通知するような構成とする。このような構成とすることにより、ホスト装置10は、全てのモータ装置20において、アドレス生成の処理の終了を認識できる。すなわち、後段側からシリアルデータを受け取る入力のレベルを判定することで、自己が他方端であることを判定し、少なくとも判定した結果情報を含むホスト通知情報retとして、ホスト装置10に通知する構成としてもよい。
本実施の形態では、モータ装置20が最下流側であるどうかを判定するため、例えば、データ入力端子SILは「L」レベルに接続した終端抵抗入力としている。これにより、最下流側のデータ入力端子SILは次段に接続されていないため、最下流側のデータ入力ラインSIのレベルは「L」レベルとなる。このようにして最下流側であることを判定するため、アドレス処理部34は、データ入力端子SILに接続されており、そのレベルを判定する。すなわち、アドレス処理部34は、データ入力ラインSIのレベルを判定することで、自己が他方端であることを判定し、判定した結果情報を含めたアドレス設定情報として、データ入力ラインSIを介してホスト装置10に通知する。
次に、パラメータ設定部24は、アドレスを記憶するアドレスメモリ41、入力処理部31から通知される入力データのアドレスとアドレスメモリ41に記憶したアドレスとの照合を行う照合部42、入力処理部31から通知される入力データの解読を行う解読部43、およびシリアル通信バス11を介して通知されたデータを記憶する設定メモリ44を備えている。
アドレスメモリ41は、RAMのような書き換え可能な揮発性メモリで構成されている。すなわち、上述したようなアドレス設定モードにおいて、アドレス処理部34がアドレスメモリ41にアドレスの値を設定することで、そのモータ装置20固有のアドレスが決定される。この後、本モータ駆動システムは通常の動作モードとなり、ホスト装置10は、このアドレスを利用して特定のモータ装置20とシリアルデータの送受信を行う。
特に、本モータ駆動システムは、アドレスを自動的に生成するような構成としているため、ビットスイッチなどによるアドレス設定の必要はない。さらに、このようにしてビットスイッチなどの部品を削減することで、駆動制御回路21をモータ29に内蔵または一体化したようなモータ装置20の小型化を図っている。そして、駆動制御回路21を集積回路装置により実現する場合、アドレスを設定するためのピンなどの必要はないため、これによってピン数を削減している。
また、アドレスメモリ41は、書き換え可能な揮発性メモリでよいため、これによって、機器に組み込む各モータ装置20の共用化を図っている。すなわち、言い換えれば、例えばモータ装置20の生産段階やモータ装置20を機器に組み込む段階などにおいて、モータ装置20のアドレスを区分する必要がなく、これによって、生産や部品管理の効率化を図っている。
照合部42には、入力処理部31から入力データが供給される。入力データは、ホスト装置10から通知されるデータに加えてアドレスデータなども含まれる。照合部42は、入力データに含まれるアドレスデータとアドレスメモリ41に記憶されたアドレスとを比較し、それぞれが一致しているかどうか照合する。照合部42は、それぞれが一致していると判定すると、ホスト装置10から通知されたデータは、自己宛に送られたデータであると認識し、入力データに含まれたデータを解読部43に供給する。
解読部43は、照合部42から供給されたデータが、例えば、コマンドデータであるかパラメータとして設定するデータであるかなどを解読する。解読部43は、照合部42から供給されたデータが、パラメータなどモータ装置20の動作を設定するためのデータである場合、そのデータを設定メモリ44に格納する。また、解読部43は、照合部42から供給されたデータが、アドレス処理部34に対してアドレスの設定処理を指令するようなコマンドデータであると判定すると、アドレス処理部34にアドレス設定指令ADcmdを通知する。また、コマンドデータとして、例えば、モータ装置20の基本動作としての起動/停止、ブレーキ動作/解除、正転/逆転などを指令する基本動作指令も含まれる。解読部43は、ホスト装置10からこのような基本動作指令が通知されたと判定すると、その判定結果を制御部25に通知する。
設定メモリ44には、解読部43により格納された各種動作を設定するためのデータが記憶される。設定メモリ44が記憶するデータとしては、制御動作を設定するための制御動作設定データ、駆動動作を設定するための駆動動作設定データ、パワー部の動作を設定するためのパワー部動作設定データ、起動時の遅延時間を設定するための起動遅延設定データ、保護動作を設定するための保護動作設定データ、一連の動作を設定するための一連動作設定データ、および省エネルギーに関する動作を設定するための省エネ設定データなどが含まれる。
さらに、制御動作設定データとしては、回転速度やこれに対応した制御ゲインのような制御パラメータに関するデータ、指令した回転速度に達したこと示す回転情報LDに対してのその検出範囲を示すデータなどが含まれる。駆動動作設定データとしては、回転速度とこれに対応した進角値、モータ29を駆動する波形やパルス幅変調の方式を示すデータなどが含まれる。パワー部動作設定データとしては、デッドタイム、パルス幅変調の周波数、パワートランジスタのスイッチ速度を示すデータなどが含まれる。保護動作設定データは、保護機能の有効/無効、動作閾値などのパラメータ設定を示すデータなどが含まれる。一連動作設定データとしては、例えば「起動→所望速度での回転→ブレーキ減速→停止→再起動」のような一連動作を指令するデータなどが含まれる。
次に、制御部25は、モータ29の回転速度に関する制御を行う速度制御部51、モータ装置20の基本動作に関する処理を行う基本動作処理部52、出力処理部32を介しホスト装置10に対してフィードバック要求の処理を行うFB要求処理部53、およびフィードバック要求のためのデータや指令した回転速度に達したこと示す回転情報LDを記憶するFB情報メモリ54を備えている。
速度制御部51は、設定メモリ44に記憶された制御動作設定データから、制御パラメータとしての各データを取り込む。これにより、速度制御部51には、速度制御信号を生成するために必要となる制御ゲインなどの回転制御のための制御パラメータが設定される。速度制御部51は、このようにして制御パラメータが設定された状態で、ホスト装置10から通知される速度指令データおよび速度検出器91から通知される速度検出信号FGに基づきモータ29の回転速度を制御するための速度制御信号を生成する。そして、速度制御部51は、このように生成した速度制御信号を駆動部26に供給する。
基本動作処理部52は、解読部43から通知された基本動作指令に従って、モータ装置20の基本動作としての起動/停止、ブレーキ動作/解除、正転/逆転などを制御する。また、FB要求処理部53は、速度制御部51、駆動部26や設定メモリ44から取得した所定のデータをFB情報としてFB情報メモリ54に格納する。このFB情報は、ホスト装置10に通知するためのデータであり、出力処理部32およびシリアル通信バス11を介してホスト装置10に通知される。また、速度制御部51は、ホスト装置10から通知された速度指令データが示す速度と速度検出器91が検出した速度とが等しい速度になったかどうかを判定する機能を有している。速度制御部51は、この判定結果を、指令した回転速度に達したこと示す回転情報LDとしてFB情報メモリ54に格納する。このような回転情報LDも上述のようにしてホスト装置10に通知する。特に、このような回転情報LDは回転制御を行う上でリアルタイム性が必要であるため、優先してホスト装置10に通知するような構成とすることが好ましい。
次に、駆動部26は、速度制御部51からの速度制御信号に従ってモータ29を正弦波駆動するための正弦波駆動信号を生成する正弦波駆動部61、正弦波駆動信号に基づきモータ29の各駆動巻線に駆動電圧U、VおよびWを供給するパワー部62、およびパワー部62の保護を行う保護部63を備えている。また、正弦波駆動部61は、正弦波駆動信号を生成するためのパルス幅変調(PWM)回路を有している。そして、パワー部62は、モータ29を駆動するために、直流電力を交流の駆動電力に変換するインバータを有している。
正弦波駆動部61は、速度制御部51からの速度制御信号に応じた振幅、および位置検出器92からの位置検出信号CSに応じた位相の正弦波状の波形信号を生成する。さらに、正弦波駆動部61は、生成した波形信号によりパルス幅変調した駆動パルス信号を生成する。生成された駆動パルス信号は正弦波駆動信号としてパワー部62に供給される。
パワー部62において、正弦波駆動信号によりインバータが駆動される。これにより、パワー部62から、正弦波駆動信号に応じたパルス状の駆動電圧U、VおよびWが出力される。正弦波駆動信号は、正弦波状の波形信号によりパルス幅変調した信号である。このため、パルス幅変調の原理から、平均値的には、この波形信号に応じた正弦波状の電圧となる駆動電圧U、VおよびWが、それぞれの駆動巻線に供給されることになる。
以上説明したように、本モータ駆動システムは、ホスト装置10と各モータ装置20とが、モータ装置20ごとに設定されたアドレスを利用して個別にデータの送受信を行うことができる。また、各モータ装置20に設定されるアドレスは、アドレス処理部34および転送処理部33により自動的にそれぞれのモータ装置20に設定されるように構成されている。このため、ビットスイッチなどによるモータ装置側でのアドレス設定の必要はない。また、アドレス設定モードにおいて、アドレスが確定したモータ装置20から順番にホスト装置10とのシリアル通信接続が再開されていくような構成であるため、誤動作などを防止できる。また、アドレス設定のためのアドレス設定情報はクロック同期方式に基づきクロック同期して送出されるため、即座にアドレスの自動生成が行われる。
さらに、通常の動作モードにおいては、各モータ装置20に自動的にアドレスが設定されているため、ホスト装置10は、容易かつ即座に個別のモータ装置20とのシリアル通信を行うことができる。
次に、本実施の形態のモータ駆動システムの動作について、本発明の特徴とするアドレス生成機能を中心に説明する。
図3は、本発明の実施の形態におけるモータ駆動システムの要部を示すブロック図である。以下、図3を参照しながら本モータ駆動システムのアドレスを生成し設定する動作について説明する。
まず、図3に示すように、アドレス処理部34は、アドレス処理部34における制御や処理を行うアドレス制御部341、アドレスを生成するアドレス生成部342、およびアドレスをアドレスメモリ41に設定するアドレス設定部343を有している。
アドレス生成部342は、アドレス制御部341から通知されるアドレス設定情報に基づき、自己のモータ装置20に設定するアドレスを示すアドレスデータAdrRと、次段のモータ装置20に通知するアドレスを示すアドレスデータAdrTとを生成する。アドレス設定部343は、アドレス生成部342から通知されたアドレスデータAdrRをアドレスメモリ41に設定する。
また、転送処理部33は、アドレス制御部341の切替信号selに応じて、シリアル通信バス11からの信号とアドレス制御部341からの信号とを切り替えて出力するセレクタ331およびセレクタ332を有している。セレクタ331は、切替信号selに応じて、前段側からのシリアル通信バス11のシリアルデータSdtとアドレス制御部341が出力するアドレスデータAdrTに対応したシリアルデータとを切り替えて出力する。セレクタ332は、前段側からのシリアル通信バス11のクロックとアドレス制御部341が出力するクロックとを切り替えて出力する。
このような各モータ装置20の構成において、例えば、本モータ駆動システムを備えた機器の電源を立ち上げたときなど、ホスト装置10が各モータ装置20をリセットした後、上述したようなアドレス設定モードが開始される。
まず、ホスト装置10は、シリアル通信バス11を介して、アドレスの設定を指令するコマンドを各モータ装置20に対して送出する。すると、このコマンドを示すシリアルデータが各モータ装置20の入力処理部31に伝送される。このコマンドを示す入力データが照合部42を介して解読部43に通知される。各モータ装置20の解読部43は、このコマンドを示す入力データを解読し、ホスト装置10からアドレスの設定が指令されたと判定する。解読部43は、この判定に基づき、アドレス処理部34のアドレス制御部341にアドレス設定指令ADcmdを通知する。この通知によって、各モータ装置20のアドレス制御部341は、アドレス設定モードにおける処理を開始する。なお、このように各モータ装置20を同時に制御するため、ホスト装置10から全てのモータ装置20に対して共通のシリアルデータを伝送するような同時制御モードを設けておくことが好ましい。
このようにして、アドレス設定モードになると、各モータ装置20のアドレス制御部341は、切替信号selにより、アドレス制御部341からの信号を選択するようにセレクタ331およびセレクタ332を切り替える。このような切り替えにより、ホスト装置10は最上流側のモータ装置20のみとシリアル通信バス11を介した通信が可能な接続構成となる。また、各モータ装置20については、上流側からのシリアルデータの中継を切断し、隣あったアドレス制御部341どうしが、シリアル通信バス11を介して通信可能な接続構成となっている。
このようにアドレス制御部341がセレクタ331およびセレクタ332を設定した後、ホスト装置10は、アドレス設定情報として初期値とするようなアドレスの値#0を送出する。このとき、ホスト装置10は、シリアル通信バス11を介して最上流側のモータ装置20とのみ通信可能である。すなわち、ホスト装置10が送出したアドレスの値#0は、最上流側の入力処理部31のみに通知される。
最上流側のアドレス制御部341は、このようにして通知されたアドレスの値#0を入力処理部31から読み込み、このアドレスの値#0をアドレス生成部342に通知する。アドレス生成部342は、まず、このアドレスの値#0を自己のアドレス#0とすることで、自己のアドレスを生成する。さらに、アドレス生成部342は、アドレスデータAdrRとしてこのアドレス#0をアドレス設定部343に通知する。アドレス設定部343は、このアドレス#0をアドレスメモリ41に設定する。このようにして、最上流側のモータ装置20にはアドレス#0とするようなアドレスが設定される。
さらに、アドレス生成部342は、次段に通知するためのアドレスデータAdrTを生成する。具体的な一例として、アドレス生成部342は、このアドレスの値#0に所定の値を加算した値#1とするアドレスデータAdrTを生成する。そして、アドレス生成部342は、値#1とするアドレスデータAdrTをアドレス制御部341に通知する。この後、アドレス制御部341は、セレクタ332にクロックを供給するとともに、そのクロックに同期して、値#1とするアドレスデータAdrTに対応したシリアルデータをセレクタ331に供給する。これにより、アドレス設定情報としての値#1とするアドレスデータAdrTが、最上流側のアドレス制御部341から次段のアドレス制御部341に通知される。最上流側のアドレス制御部341は、アドレスデータAdrTを次段のモータ装置20に送出した後、切替信号selによりシリアル通信バス11からの信号を選択するようにセレクタ331およびセレクタ332を切り替える。なお、最下流側となるモータ装置20のアドレス設定が完了した後、このモータ装置20の通信部23がホスト装置10にアドレス生成の完了を通知し、各モータ装置20において切替信号selによりシリアル通信バス11からの信号を選択するように、一斉にセレクタ331およびセレクタ332を切り替えるような構成でもよい。
次段のアドレス制御部341には、このようにして、値#1とするアドレスデータAdrTが通知される。以下、上述した最上流側のモータ装置20と同様にして、次段のアドレスメモリ41にはアドレス#1が設定される。さらに、その次のモータ装置20には、このアドレスの値#1に所定の値を加算した値#2とするアドレスデータAdrTが通知される。
このように、本モータ駆動システムは、アドレス設定モードにおいて、最上流側となる一方端のモータ装置20から他方端のモータ装置20へ向けて、ホスト装置10とシリアル通信接続を再開しながら、アドレス#0、#1、#2、#3とするようなアドレスが順番に生成され、設定される。すなわち、例えば、アドレス生成部342において、アドレスの値に加算する所定の値として値「1」としておく。そして、アドレス設定モードにおいて、ホスト装置10がアドレスの値「0」を伝送すると、ホスト装置10に最も近いモータ装置20から順番に、0番地、1番地、2番地、3番地とするアドレスが設定されることになる。
以上説明したように、本実施の形態におけるモータ駆動システムは、モータ29とモータ29を駆動制御する駆動制御回路21とを含むモータ装置20を複数個配置するとともに、各モータ装置20を制御するホスト装置10を備え、ホスト装置10と複数個のモータ装置20の駆動制御回路21とをシリアル通信バス11で接続している。さらに、シリアル通信バス11は、シリアルデータを伝送するシリアルデータラインSO、SIとクロック信号を伝送するクロックラインCLKとを含む。また、駆動制御回路21が、モータ29の動作を制御するための制御信号を生成する制御部25と、制御信号に基づきモータ29を駆動する駆動部26と、ホスト装置10からシリアル通信バス11を介してモータ29を駆動制御するためのデータを含めたシリアルデータを中継するように順次直列に接続され、ホスト装置10とのシリアル通信を行う通信部23とを備えている。そして、本モータ駆動システムは、複数個直列に配置されたモータ装置20における一方端の通信部23から他方端の通信部23へ向けて、それぞれの通信部23が順番にそれぞれを識別するためのアドレスを生成するアドレス生成機能を有している。
また、本実施の形態におけるモータ装置20は、通信部23が、シリアル通信バス11から受け取ったアドレス設定情報に基づき自己のアドレスを設定するとともに、設定したアドレスに関する情報をアドレス設定情報としてシリアル通信バス11を介して送出する。
また、本実施の形態におけるモータ駆動システムは、アドレス生成機能を有効にするアドレス設定モードを有している。そして、アドレス設定モードが開始されると、本モータ装置20の通信部23のそれぞれは、少なくともシリアルデータの中継を切断し、アドレス設定情報がシリアルデータラインSOを介して次段の通信部23に送出されるように切り替えるよう構成されている。
このため、本実施の形態におけるモータ駆動システムによれば、それぞれのモータ装置20においてアドレスを自動的に生成できるため、アドレスを設定するためのビットスイッチなどは必要なく、またビットスイッチを設定操作する必要もない。また、アドレス設定モードにおいて、シリアルデータの中継が切断されるため、アドレスが未確定のモータ装置20との通信も切断され、誤動作などを防止できる。また、通常モードにおいては、モータ装置20それぞれに対してアドレスが自動的に設定されるため、速度の低下を招くことなく複数のモータ装置20を制御することができる。また、本実施の形態におけるモータ装置20は、例えば生産段階においてはアドレス区分などの必要がないため、生産や部品管理としての効率化をも図ることができる。このように、本発明によれば、ビットスイッチなどによるモータ装置側でのアドレス設定の必要をなくすとともに、容易かつ即座に個別のモータ装置とのシリアル通信を可能とすることができる。
なお、本実施の形態では、通信部23が、アドレスの設定を指令するコマンドに応答して、シリアルデータの中継を切断するような構成例を挙げて説明したが、例えば、シリアルデータラインの入力レベルに基づき、シリアルデータの中継を切断するような構成とすることも可能である。
すなわち、最上流となるモータ装置20のデータ入力端子SIHを、例えば、「H」レベルにプルアップしおく。さらに、例えば、電源をオンにすると、データ出力端子SOLからは「L」レベルの信号が出力され、アドレス生成が完了すると、「H」レベルを出力するような構成とする。また、ここで、データ入力端子SIHの入力レベルにおいて、「H」レベルのときアドレス生成が有効を示し、「L」レベルのとき無効とする。そして、データ入力端子SIHの入力レベルにおいて「H」レベルが継続するとき、モータ装置20は最上流側であると認識し、アドレス設定情報の初期値をデータ出力端子SOLから出力し、その後、アドレス生成が完了したことを示す「H」レベルを出力する。また、次段のモータ装置20は、データ入力端子SIHの入力レベルが「H」レベル変化したことを検知するとともに、最上流側からのアドレス設定情報を取り込む。次段以降のモータ装置20も同様の動作を行う。
このような構成とすることにより、電源をオンするとともに、各モータ装置20は、入力レベルを参照して、アドレス生成の開始を判定できる。また、最上流となるモータ装置20は、データ入力端子SIHが「H」レベルにプルアップされているため、自己が最上流であることを認識できる。このため、アドレスの設定を指令するコマンドに代えて、電源のオン時やリセット時に、最上流となるモータ装置20から下流側へと順次アドレスの生成を実行させることが可能となる。この場合、ホスト装置10が、アドレスの設定を指令する必要はないため、ホスト装置10の処理負荷を低減できる。また、停電などの電源遮断からの復帰時にも、自動的にアドレスが再設定されることになり、より信頼性を高めることができる。
また、本実施の形態では、次段に通知するアドレス設定情報に含むアドレスデータの生成手法として、自己のアドレスの値に所定の値を加算する加算演算を行うことで次段へのアドレスを生成する一例を挙げて説明したが、例えば、自己のアドレスの値から所定の値を減算する減算演算を行うような構成であってもよい。すなわち、あらかじめ定めた所定の演算に従って、それぞれのモータ装置のアドレスをそれぞれ異なる値とするようなアドレスデータの生成手法であればよい。
また、本実施の形態では、各モータ装置において、前段から通知されたアドレス設定情報を自己のアドレスとし、自己のアドレスに所定の演算を施した値を次段のアドレスとして次段に送出するような構成例を挙げて説明した。これに代えて、前段から通知されたアドレス設定情報に含まれるアドレスの値に所定の演算を施した値を自己のアドレスとし、この自己のアドレスを含めてアドレス設定情報として次段に送出するような構成であってもよい。
また、本実施の形態では、ホスト装置に接続された最上流側のモータ装置から下流側に向けて順番にアドレスを生成するような一例を挙げて説明したが、ホスト装置にデータを通知するデータ入力ラインを利用して、最下流側のモータ装置から上流側に向けて順番にアドレスを生成するような構成とすることも可能である。
また、本実施の形態では、アドレスメモリがRAMのような書き換え可能な揮発性メモリとした例を挙げて説明した。これに代えて、例えば、モータ装置の生産段階では、アドレスメモリを未書込みのROM、EEPROMやフラッシュメモリなどとしておき、各モータ装置を機器に組み込んだ段階で、アドレス設定モードを動作させ、アドレスメモリにアドレスを設定するような構成としてもよい。このような構成とすることによっても同様の効果が得られるとともに、機器の電源を立ち上げるたびにアドレス設定モードを動作させる必要がなくなる。
また、本実施の形態では、同一品種の複数のモータ装置を配置するような一例を挙げて説明したが、異なる品種のモータ装置を含めてもよく、また、それぞれが異なるモータ装置を備えたモータ駆動システムに対しても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、データ出力ラインSO、データ入力ラインSIおよびクロックラインCLKとする3つの信号線で少なくとも構成されるような一例を挙げて説明したが、信号線の本数などは限定されず、ホスト装置と各モータ装置とがシリアルデータにより通信するような構成であれば本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、シリアルデータとともにクロックが伝送されるような一例を挙げて説明したが、クロックは常に連続して伝送され、シリアルデータが必要に応じて不連続に伝送されるようなシリアル通信方式にも適用することができる。また、本実施の形態の構成でクロックが常に連続して伝送されるような場合、転送処理部のクロック切り替えのためのセレクタは必要なく、転送処理部が、シリアル通信バスのシリアルデータとアドレス制御部からのアドレスの値を示すシリアルデータとを切り替えるのみの構成でよい。
また、本実施の形態では、回転動作を行うモータの例を挙げて説明したが、例えばリニアモータなど回転以外の動作を行うモータであってもよい。
また、本実施の形態では、速度制御部が速度指令データおよび速度検出信号FGに基づくフィードバックループ制御によりモータの回転速度を制御するような例を挙げて説明したが、速度指令データに基づき直接にモータの回転速度が駆動制御されるような構成であってもよい。空調機器用のファンモータ駆動や燃焼用ファンモータを搭載した給湯機、空気清浄機などでは、このような直接モータを駆動する制御方式が利用されており、これらの機器において複数のモータを使用する場合などにも、本発明を適用することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2におけるモータ駆動システムの構成を示すブロック図である。
図4に示すように、本モータ駆動システムは、モータ129とモータ129を駆動制御する駆動制御回路121とを含むモータ装置120を複数個配置するとともに、各モータ装置120を制御するホスト装置110を備えている。そして、ホスト装置110と複数個のモータ装置120の駆動制御回路121とは、シリアル通信バス111を介してシリアル通信接続されている。図4では、ホスト装置110が、3個のモータ装置120を制御するような一例を示しており、それぞれのモータ装置120は同一品種である。
ホスト装置110は、例えば、モータ装置120が搭載される機器に備えられ、マイコン(マイクロコンピュータ)あるいはDSP(Digital Signal Processor)などで構成される。このようなホスト装置110から、シリアル通信バス111を介して、モータ装置120の速度などを制御するための各種データが各モータ装置120に通知される。また、逆に、モータ129の回転数に関するデータなどが各モータ装置120から、シリアル通信バス111を介して、ホスト装置110に通知される。
また、各モータ装置120において、駆動制御回路121は、シリアル通信バス111に接続された通信部123、モータ装置120を動作させるための各種パラメータが設定されたパラメータ設定部124、モータ129の回転を制御する制御部125、およびモータ129を駆動する駆動部126を備えている。
通信部123は、ホスト装置110から、それぞれがシリアル通信バス111を介して順次直列接続となるように接続されている。通信部123は、このようなシリアル通信バス接続された構成によって、ホスト装置110とのシリアル通信を行う。
パラメータ設定部124は、シリアル通信バス111を介して通信部123に伝送されるシリアルデータから、自己宛のデータを取得する。パラメータ設定部124は、取得した各種データを、制御パラメータや駆動パラメータなどに区分してメモリなどの記憶部に記憶する。このようにして、パラメータ設定部124には、各種パラメータなどのデータが設定される。
制御部125は、モータ装置120内における各種制御や処理などを行う。例えば、制御部125は、パラメータ設定部124に設定されたパラメータや指令情報を用いて、回転を制御するための制御信号を生成し、この制御信号によりモータ129の回転動作を制御する。そして、駆動部126は、制御部125からの制御信号に基づきモータ129を駆動する。
また、本実施の形態では、シリアル通信バス111が、データ伝送ラインSO、データ帰還ラインSI、クロックラインCLKおよびシリアル制御ラインENとする4つの信号線で構成されるような一例を挙げている。データ伝送ラインSOは、シリアルデータを伝送するシリアルデータラインである。データ伝送ラインSOは、ホスト装置110から最上流側のモータ装置120を接続し、順番に各モータ装置120を直列に接続するように構成される。さらに、データ帰還ラインSIは、最下流側のモータ装置120からホスト装置110へと接続し、このような接続によって、データ伝送ラインSOを介して伝送されたシリアルデータがホスト装置110に帰還する。また、クロックラインCLKには、ホスト装置110からシリアルデータに同期したクロックが伝送される。そして、シリアル制御ラインENには、各モータ装置120を選択するためのシリアル制御信号が伝送される。
このようなシリアル通信バス111の構成において、ホスト装置110がクロックとともにシリアルデータを送出すると、ホスト装置110とバス接続された最上流側となるモータ装置120の通信部123にクロックとシリアルデータとが伝送される。この最上流側の通信部123は、受け取ったクロックとシリアルデータとを、次段の通信部123へ転送する。このようにして、ホスト装置110から、一方端となる最上流側の通信部123、その後段の通信部123へと、他方端となる最下流側の通信部123に向けて、各通信部123を介しながら、データ伝送ラインSOを通してシリアルデータが伝送される。さらに、最下流側のモータ装置120が受け取ったシリアルデータは、データ帰還ラインSIを介してホスト装置110に伝送される。このように、ホスト装置110から伝送されたシリアルデータがホスト装置110へと帰還するように、シリアルデータラインが環状に構成されている。また、モータ装置120からホスト装置110に通知するようなデータは、後段のモータ装置120を接続するデータ伝送ラインSOを介し、さらにデータ帰還ラインSIを介してホスト装置110に通知される。
さらに、シリアル通信バス111のシリアル制御ラインENを介して、ホスト装置110から各モータ装置120に対してシリアル制御信号が伝送される。シリアル制御ラインENは、モータ装置120を選択するために設けたバスラインである。詳細については以下で説明するが、本実施の形態のモータ駆動システムは、各モータ装置120に対して個別にシリアルデータを伝送する個別伝送モードと、各モータ装置120の全てに対してシリアルデータを伝送する共通伝送モードとを有している。
個別伝送モードの場合、シリアル制御ラインENを介して、1つのモータ装置120を特定するためのシリアル制御信号がモータ装置120ごとに順番に伝送される。より具体的には、個別伝送モードの場合、シリアル制御ラインENがシフトレジスタ状に接続され、ホスト装置110がシリアル制御信号として送出したパルスが、各モータ装置120に順番に伝送される。また、シリアル制御信号が所定のモータ装置120に伝送されたタイミングにあわせて、上述したようなシリアルデータおよびクロックが、各モータ装置120へと伝送され、シリアル制御信号を受け取っているモータ装置120がシリアルデータを取り込む。このようにして、ホスト装置110から特定のモータ装置120に対してシリアルデータが伝送される。
また、共通伝送モードの場合、シリアル制御ラインENを介して、全てのモータ装置120を選択するためのシリアル制御信号が各モータ装置に伝送される。より具体的には、共通伝送モードの場合、シリアル制御ラインENは信号が共通に伝送されるように直列に接続される。このため、ホスト装置110がシリアル制御信号として出力した信号レベルが直接に各モータ装置120に伝送される。これとともに、上述したようなシリアルデータおよびクロックが各モータ装置120へと伝送される。すなわち、全てのモータ装置120は、直接にこの信号レベルを受け取っているため、全てのモータ装置120に対して、シリアルデータの取り込みが可能となるようにできる。このようにして、ホスト装置110から全てのモータ装置120に対してシリアルデータが伝送される。
図5は、本発明の実施の形態におけるモータ駆動システムのモータ装置120の詳細な構成を示すブロック図である。
図5に示すような構成により、駆動制御回路121がモータ129を駆動制御する。本実施の形態では、モータ129が駆動制御回路121により正弦波駆動や矩形波駆動されるブラシレスDCモータである一例を挙げて説明する。また、駆動制御回路121の機能の一部あるいは全部は、1つまたは複数の集積回路装置により実現され、駆動制御回路121の機能を実現する回路素子がプリント基板上に形成される。本実施の形態では、図5に示すように、駆動制御回路121の機能の全部が集積回路装置321により実現された一例を挙げている。そして、モータ装置120は、このようなプリント基板が、モータ129に内蔵または一体化されている。
モータ129は、可動子と、U相、V相およびW相とする3相の駆動巻線とを有している。各駆動巻線には、駆動制御回路121から、それぞれ駆動電圧U、VおよびWが供給される。また、モータ129の近辺には、モータ129の速度を検出する速度検出器191、およびモータ129の可動子の位置を検出する位置検出器192が配置されている。速度検出器191は、検出した速度を示す速度検出信号FGを駆動制御回路121に通知する。位置検出器192は、検出した位置を示す位置検出信号CSを駆動制御回路121に通知する。
ところで、このように正弦波駆動されるブラシレスDCモータは、回転速度むらの低減や、低騒音・高効率駆動などの高い性能が、広い回転速度範囲で要求されることが多くなってきている。これらの要求を実現するためには、各回転速度ごとにきめ細かく多くの制御パラメータや駆動パラメータを設定する必要がある。このため、シリアル通信バスを利用してブラシレスDCモータを制御することにより、速度制御、正弦波駆動の際の各種制御パラメータや駆動パラメータをきめ細かに設定でき、より一層の制御性能、低騒音・高効率駆動性能を高めることが可能になる。
一方、図5に示すように、駆動制御回路121のクロック入力端子CIには、ホスト装置110あるいは前段のモータ装置120である上流側から、クロックラインCLKを通して、クロックが供給される。また、データ入力端子SIHには、データ伝送ラインSOを通して、シリアルデータが供給される。制御信号入力端子ENHには、シリアル制御ラインENを通して、シリアル制御信号が供給される。
また、駆動制御回路121のクロック出力端子COは、クロックラインCLKを通して、下流側となる後段のモータ装置120へと、ホスト装置110からのクロックを出力する。また、データ出力端子SOLは、データ伝送ラインSOを通して、下流側となる後段のモータ装置120へと、ホスト装置110からのシリアルデータを出力する。なお、最下流側となるモータ装置120のデータ出力端子SOLは、上述したように、データ帰還ラインSIを介してホスト装置110に接続される。また、制御信号出力端子ENLは、シリアル制御ラインENを通して、下流側となる後段のモータ装置120へと、ホスト装置110からのシリアル制御信号を出力する。
次に、通信部123は、データ入力端子SIHに供給されたシリアルデータの処理を行う入力処理部131、ホスト装置110にシリアルデータを通知する処理を行う出力処理部132、シリアルデータおよびシリアル制御信号を下流側へと転送するなどの処理を行う転送処理部133、入力処理部131に供給されたシリアルデータを取り込む取込部134、および取込部134が取り込んだコマンドデータに従って転送処理部133を制御するモード判定部135を備えている。
入力処理部131は、クロック入力端子CIに供給されたクロックに従って、データ入力端子SIHに供給されるシリアルデータを取り込む。入力処理部131は、取り込んだシリアルデータをパラレル変換し、パラレル変換したデータを入力データとして、取込部134に供給する。
取込部134は、入力処理部131から供給された入力データの解読を行う。取込部134は、制御信号入力端子ENHに供給されているシリアル制御信号を参照し、シリアル制御信号が自己を特定するレベルであると判断すると、供給されている入力データを取り込む。取込部134は、取り込んだデータの種別に応じて、パラメータ設定部124あるいは制御部125に取り込んだデータを転送する。
なお、シリアル通信バス111を介して伝送されるシリアルデータは、パラメータとして設定するなどの通常のデータに加えて、直接に動作を指令するコマンドデータなども含まれる。例えば、モータ装置120を初期状態に戻すようなリセットコマンドがホスト装置110からシリアルデータとして送出されると、モータ装置120はそのコマンドデータを解析し自己を初期状態に戻す。また、このようなコマンドデータについては、シリアル制御信号のレベルに関係なく取り込むような構成としてもよい。また、特に、本実施の形態では、コマンドデータの1つとして、個別伝送モードであるか共通伝送モードであるかを示す伝送モードコマンドが含まれる。取込部134は、この伝送モードコマンドがホスト装置110から伝送されたと判定すると、その伝送モードコマンドをモード判定部135に通知する。
モード判定部135は、取込部134から通知された伝送モードコマンドを解析し、ホスト装置110から、個別伝送モードと指令されたか共通伝送モードと指令されたかを判定し、その判定結果を転送処理部133に通知する。
転送処理部133は、モード判定部135の判定結果に従って、次段に伝送するシリアルデータおよびシリアル制御信号を切り替える。
個別伝送モードの場合、転送処理部133は、制御信号入力端子ENHに供給されているシリアル制御信号をシフトレジスタなどに取り込み、シフトレジスタの出力信号が制御信号出力端子ENLから出力されるような構成となる。これにより、複数のモータ装置120を直列となるように接続すると、シリアル制御ラインENは、シリアル制御信号を順次遅延させるようなシフトレジスタ状に接続された構成となる。これにより、ホスト装置110がシリアル制御信号として送出するパルスを、各モータ装置120に順番に伝送することができる。すなわち、このようにして、ホスト装置110は所望のモータ装置120を特定することができる。
また、共通伝送モードの場合、転送処理部133は、制御信号入力端子ENHに供給されているシリアル制御信号がそのまま制御信号出力端子ENLから出力されるような構成となる。これにより、複数のモータ装置120を直列となるように接続すると、ホスト装置110がシリアル制御信号として出力した信号レベルが直接に各モータ装置120に伝送される。すなわち、このようにして、ホスト装置110は全てのモータ装置120が共通となるように選択することができる。
また、出力処理部132には、ホスト装置110に通知するためのデータが制御部125から供給される。出力処理部132は、ホスト装置110に通知するためのデータをシリアルデータに変換する。変換されたシリアルデータは、転送処理部133に供給され、さらに、データ出力端子SOLからデータ伝送ラインSOに出力される。このように、ホスト装置110に通知するためのデータは、下流側に伝送され、最下流側のモータ装置120のデータ出力端子SOLからデータ帰還ラインSIを介してホスト装置110まで伝送される。
本実施の形態のモータ駆動システムは、シリアル制御ラインENを上述したように切り替え可能としたことを特徴としており、これによって、個別のモータ装置120を特定したり、全てのモータ装置120を選択したりすることを可能としている。
また、本モータ駆動システムは、上述のようにして個別のモータ装置120を特定できるため、ビットスイッチなどによるアドレス設定の必要はない。さらに、このようにしてビットスイッチなどの部品を削減することで、駆動制御回路121をモータ129に内蔵または一体化したようなモータ装置120の小型化を図っている。そして、駆動制御回路121を集積回路装置により実現する場合、アドレスを設定するためのピンなどの必要はないため、これによってピン数を削減している。
また、このような構成とすることにより、機器に組み込む各モータ装置120の共用化が図れるため、例えばモータ装置120の生産段階やモータ装置120を機器に組み込む段階などにおいて、モータ装置120のアドレスを区分する必要がなく、これによって、生産や部品管理の効率化を図ることができる。
次に、パラメータ設定部124は、シリアル通信バス111を介して通知されたデータを記憶する設定メモリ144を備えている。設定メモリ144には、取込部134により格納される各種動作を設定するためのデータが記憶される。設定メモリ144が記憶するデータとしては、制御動作を設定するための制御動作設定データ、駆動動作を設定するための駆動動作設定データ、パワー部の動作を設定するためのパワー部動作設定データ、起動時の遅延時間を設定するための起動遅延設定データ、保護動作を設定するための保護動作設定データ、一連の動作を設定するための一連動作設定データ、および省エネルギーに関する動作を設定するための省エネ設定データなどが含まれる。
さらに、制御動作設定データとしては、回転速度やこれに対応した制御ゲインのような制御パラメータに関するデータ、指令した回転速度に達したこと示す回転情報LDに対してのその検出範囲を示すデータなどが含まれる。駆動動作設定データとしては、回転速度とこれに対応した進角値、モータ129を駆動する波形やパルス幅変調の方式を示すデータなどが含まれる。パワー部動作設定データとしては、デッドタイム、パルス幅変調の周波数、パワートランジスタのスイッチ速度を示すデータなどが含まれる。保護動作設定データは、保護機能の有効/無効、動作閾値などのパラメータ設定を示すデータなどが含まれる。一連動作設定データとしては、例えば「起動→所望速度での回転→ブレーキ減速→停止→再起動」のような一連動作を指令するデータなどが含まれる。
次に、制御部125は、モータ129の回転速度に関する制御を行う速度制御部151、モータ装置120の基本動作に関する処理を行う基本動作処理部152、出力処理部132を介しホスト装置110に対してフィードバック要求の処理を行うFB要求処理部153、およびフィードバック要求のためのデータや指令した回転速度に達したこと示す回転情報LDを記憶するFB情報メモリ154を備えている。
速度制御部151は、設定メモリ144に記憶された駆動動作設定データから、制御パラメータとしての各データを取り込む。これにより、速度制御部151には、速度制御信号を生成するために必要となる制御ゲインなどの回転制御のための制御パラメータが設定される。速度制御部151は、このようにして制御パラメータが設定された状態で、ホスト装置110から通知される速度指令データおよび速度検出器191から通知される速度検出信号FGに基づきモータ129の回転速度を制御するための速度制御信号を生成する。そして、速度制御部151は、このように生成した速度制御信号を駆動部126に供給する。
基本動作処理部152は、取込部134から通知された基本動作指令に従って、モータ装置120の基本動作としての起動/停止、ブレーキ動作/解除、正転/逆転などを制御する。また、FB要求処理部153は、速度制御部151や駆動部126から取得した所定のデータをFB情報としてFB情報メモリ154に格納する。このFB情報は、ホスト装置110に通知するためのデータであり、出力処理部132およびシリアル通信バス111のデータ帰還ラインSIを介してホスト装置110に通知される。また、速度制御部151は、ホスト装置110から通知された速度指令データが示す速度と速度検出器191が検出した速度とが等しい速度になったかどうかを判定する機能を有している。速度制御部151は、この判定結果を、指令した回転速度に達したこと示す回転情報LDとしてFB情報メモリ154に格納する。このような回転情報LDも上述のようにしてホスト装置110に通知する。特に、このような回転情報LDは回転制御を行う上でリアルタイム性が必要であるため、優先してホスト装置110に通知するような構成とすることが好ましい。
次に、駆動部126は、速度制御部151からの速度制御信号に従ってモータ129を正弦波駆動するための正弦波駆動信号を生成する正弦波駆動部161、正弦波駆動信号に基づきモータ129の各駆動巻線に駆動電圧U、VおよびWを供給するパワー部162、およびパワー部162の保護を行う保護部163を備えている。また、正弦波駆動部161は、正弦波駆動信号を生成するためのパルス幅変調(PWM)回路を有している。そして、パワー部162は、モータ129を駆動するため、直流電力を交流の駆動電力に変換するインバータを有している。
正弦波駆動部161は、速度制御部151からの速度制御信号に応じた振幅、および位置検出器192からの位置検出信号CSに応じた位相の正弦波状の波形信号を生成する。さらに、正弦波駆動部161は、生成した波形信号によりパルス幅変調した駆動パルス信号を生成する。生成された駆動パルス信号は正弦波駆動信号としてパワー部162に供給される。
パワー部162において、正弦波駆動信号によりインバータが駆動される。これにより、パワー部162から、正弦波駆動信号に応じたパルス状の駆動電圧U、VおよびWが出力される。正弦波駆動信号は、正弦波状の波形信号によりパルス幅変調した信号である。このため、パルス幅変調の原理から、平均値的には、この波形信号に応じた正弦波状の電圧となる駆動電圧U、VおよびWが、それぞれの駆動巻線に供給されることになる。
次に、本実施の形態のモータ駆動システムの動作について、本発明の特徴とする個別伝送モードと共通伝送モードとの切り替え動作を中心に説明する。
図6は、本発明の実施の形態におけるモータ駆動システムの要部を示すブロック図である。以下、図6を参照しながら本モータ駆動システムの個別伝送モードおよび共通伝送モードにおける動作について説明する。
まず、図6に示すように、転送処理部133は、制御信号入力端子ENHに供給されているシリアル制御信号を取り込むシフトレジスタ433、モード判定部135の判定結果に応じてシリアル通信バス111からの信号と出力処理部132からの信号とを切り替えて出力するセレクタ431、およびモード判定部135の判定結果に応じて制御信号入力端子ENHからの信号とシフトレジスタ433からの信号とを切り替えて出力するセレクタ432を有している。
このような構成において、まず、各駆動制御回路121におけるモード判定部135は、取込部134から通知された伝送モードコマンド、および取込/読出モードコマンドを解析し、ホスト装置110からの指令を判定し、その判定結果を転送処理部33に通知する。
まず、取込/読出モードコマンドにおいて、取込モードと判定した場合、次のような処理を行う。なお、取込モードは、ホスト装置110からのシリアルデータをモータ装置120が取り込むモードである。
モード判定部135の判定結果が取込モード、かつ個別伝送モードの場合、転送処理部133は、制御信号入力端子ENHに供給されているシリアル制御信号をシフトレジスタ433に取り込む。さらに、セレクタ432は、シフトレジスタ433からの信号を選択して出力する。また、セレクタ431は、データ入力端子SIHからの信号を選択して出力する。
これにより、個別伝送モードの場合、各駆動制御回路121のシフトレジスタ433が直列となるように接続される。すなわち、シリアル制御ラインENは、シフトレジスタ状に接続された構成となる。これにより、ホスト装置110がシリアル制御信号としてパルス信号を送出すると、そのパルスが遅延しながら各モータ装置120に順番に伝送されることになる。すなわち、このようにして、ホスト装置110は所望のモータ装置120を順次特定していくことができる。また、特定されたタイミングにあわせて、ホスト装置110がクロックとともにシリアルデータを送出することにより、所望のモータ装置120がシリアルデータを取り込む。
また、モード判定部135の判定結果が取込モード、かつ共通伝送モードの場合、セレクタ432は、制御信号入力端子ENHからの信号を選択して出力する。また、セレクタ431は、データ入力端子SIHからの信号を選択して出力する。これにより、複数のモータ装置120を直列となるように接続すると、ホスト装置110がシリアル制御信号として出力した信号レベルが直接に各モータ装置120に伝送される。すなわち、このようにして、ホスト装置110は全てのモータ装置120が共通となるように選択することができる。また、このタイミングにあわせて、ホスト装置110がクロックとともにシリアルデータを送出することにより、全てのモータ装置120がシリアルデータを取り込む。
次に、取込/読出モードコマンドにおいて、読出モードと判定した場合、次のような処理を行う。なお、読出モードは、所望のモータ装置120からのシリアルデータをホスト装置110が読み出すモードである。
モード判定部135の判定結果が読出モードの場合、ホスト装置110が特定するモータ装置120からのシリアルデータを、ホスト装置110が読み出すような動作を行う。読出モードにおいては、転送処理部133は、制御信号入力端子ENHに供給されているシリアル制御信号をシフトレジスタ433に取り込む。さらに、セレクタ432は、シフトレジスタ433からの信号を選択して出力する。さらに、モード判定部135は、まず、シリアル制御信号を参照して、シリアル制御信号が有効を示すときセレクタ431が出力処理部132からの信号を選択し、シリアル制御信号が無効を示すときセレクタ431がデータ入力端子SIHからの信号を選択するよう切り替える。これにより、シリアル制御信号が所望のモータ装置120に伝送されると、所望のモータ装置120がシリアル制御信号により特定され、さらに出力処理部132からのシリアルデータが後段のモータ装置120を介してホスト装置110に通知されるような構成となる。これにより、ホスト装置110は、特定のモータ装置120のデータを読み出すことができる。
次に、ホスト装置110からのシリアルデータをモータ装置120が取り込む取込モードの具体的な一例を挙げる。
例えば、取込部134は、制御信号入力端子ENHのレベルが「H」レベルであるときデータの取り込みを行わず、「L」レベルであるときデータの取り込みを行うような構成とした場合、各通信部123は次のように動作する。
個別伝送モードの場合、ホスト装置110は、取込モード、および個別伝送モードを指令する伝送モードコマンドを伝送した後、シリアル制御ラインENに対して、レベルが「H」、「L」、「H」と変化するようなシリアル制御信号を出力する。このような信号が遅延されながら下流側のモータ装置120へと伝送される。例えば、最上流側の次の通信部123の制御信号入力端子ENH2には、所定の期間だけ遅れてこのようなシリアル制御信号が通知される。通信部123は、このようなシリアル制御信号を参照し、シリアル制御信号が「H」レベルのとき選択されていないと認識し、「L」レベルのとき自己が選択されていると認識する。そして、このようなシリアル制御信号が下流側へと伝送されていく。そして、シリアル制御信号により選択されたタイミングにあわせて、ホスト装置110からシリアルデータが出力される。これによって、シリアル制御信号により選択されたモータ装置120の通信部123にそのシリアルデータが取り込まれる。
なお、以上の説明では、シリアル制御信号は、各通信部123に設けたシフトレジスタ433により下流側へと伝送される例を挙げて説明したが、シフトレジスタ433に代えて次のような構成も可能である。すなわち、シリアル制御信号の立上りを検出して、「L」レベルを出力するとともに、1つのモータ装置120に対応した所定の期間分だけカウントし、カウントし終えると「H」レベルを出力する。このような構成の回路をシフトレジスタ433に代えて設けておく。これによっても、シリアル制御信号が下流側へと伝送される。
また、共通伝送モードの場合、ホスト装置110は、共通伝送モードを指令する伝送モードコマンドを伝送した後、シリアル制御ラインENに対して、レベルが「L」となるシリアル制御信号を出力する。すると、全てのモータ装置120の制御信号入力端子ENHは「L」レベルとなる。このため、全てのモータ装置120の取込部134が伝送されるシリアルデータを取り込むものと認識する。その後、ホスト装置110から、各モータ装置120にシリアルデータおよびクロックが伝送されると、各取込部134が伝送されたシリアルデータのデータを取り込み、これによって、全てのモータ装置120に対して一度の操作で共通したデータを設定することができる。
以上説明したように、本実施の形態におけるモータ駆動システムは、モータ129とモータ129を駆動制御する駆動制御回路121とを含むモータ装置120を複数個配置するとともに、各モータ装置を制御するホスト装置110を備え、ホスト装置110と複数個のモータ装置120の駆動制御回路121とをシリアル通信バス111で接続している。シリアル通信バス111は、シリアルデータを伝送するシリアルデータラインとシリアル制御信号を伝送するシリアル制御ラインとを含む。駆動制御回路121は、モータ129の回転を制御するための制御信号を生成する制御部125と、制御信号に基づきモータ129を駆動する駆動部126と、ホスト装置110からシリアル通信バス111を介して順次直列に接続され、ホスト装置110とのシリアル通信を行う通信部123とを備える。そして、通信部123は、シリアル制御信号のレベルに応じてシリアルデータを取り込むかどうかを判定する。
このため、例えば、ホスト装置110から各モータ装置120の通信部123に対して、1つのモータ装置120のみにおいてシリアル制御信号のレベルが他のモータ装置120と異なるように、シリアル制御信号を介してシリアル制御信号を伝送することにより個別のモータ装置120を選択できる。一方、ホスト装置110から各モータ装置120の通信部23に対して、それぞれのモータ装置120においてシリアル制御信号のレベルが同一となるように、シリアル制御信号を介してシリアル制御信号を伝送することにより全てのモータ装置120を選択できる。
したがって、本実施の形態におけるモータ駆動システムによれば、アドレスを設定するためのビットスイッチなど必要なく、またビットスイッチを設定操作する必要もない。また、複数個のモータ装置に対して個別にシリアルデータを伝送する個別伝送モードと、複数個のモータ装置の全てに対してシリアルデータを伝送する共通伝送モードとを容易に切り替えることができるため、同じデータを伝送する場合には、容易かつ即座にそれぞれのモータ装置にそのデータを伝送できる。
また、各モータ装置は、例えば生産段階においてはアドレス区分などの必要がないため、生産や部品管理としての効率化をも図ることができる。このように、本発明によれば、ビットスイッチなどによるモータ装置側でのアドレス設定の必要をなくすとともに、同じデータを伝送する場合には、容易かつ即座に個別のモータ装置とのシリアル通信を可能とすることができる。
なお、本実施の形態では、同一品種の複数のモータ装置を配置するような一例を挙げて説明したが、異なる品種のモータ装置を含めてもよく、また、それぞれが異なるモータ装置を備えたモータ駆動システムに対しても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、4つの信号線で構成されるような一例を挙げて説明したが、信号線の本数などは限定されず、ホスト装置と各モータ装置とがシリアルデータにより通信するような構成であれば本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、最下流側のモータ装置120が受け取ったシリアルデータがデータ帰還ラインSIを介してホスト装置110に帰還するような一例を挙げて説明したが、最下流側のモータ装置120が受け取ったシリアル制御信号もホスト装置110に帰還するような帰還ラインをさらに加えた構成としてもよい。このような構成とすることにより、ホスト装置110は、個別伝送モードにおけるシリアルデータ伝送の完了を認識することができる。
また、本実施の形態では、シリアルデータとともにクロックが伝送されるような一例を挙げて説明したが、クロックは常に連続して伝送され、シリアルデータが必要に応じて不連続に伝送されるようなシリアル通信方式にも適用することができる。
また、本実施の形態では、回転動作を行うモータの例を挙げて説明したが、例えばリニアモータなど回転以外の動作を行うモータであってもよい。
また、本実施の形態では、速度制御部が速度指令データおよび速度検出信号FGに基づくフィードバックループ制御によりモータの回転速度を制御するような例を挙げて説明したが、速度指令データに基づき直接にモータの回転速度が駆動制御されるような構成であってもよい。空調機器用のファンモータ駆動や燃焼用ファンモータを搭載した給湯機、空気清浄機などでは、このような直接モータを駆動する制御方式が利用されており、これらの機器において複数のモータを使用する場合などにも、本発明を適用することができる。
本発明のモータ装置やモータ駆動システムは、モータ装置側でのアドレス設定の必要をなくすとともに、容易かつ即座にモータ装置とのシリアル通信が可能であり、このようなシリアル通信を利用して、各回転速度ごとにきめ細かく多くの制御パラメータや駆動パラメータを設定できる。このため、より高い性能が広い回転速度範囲で要求されるプリンタ、複写機、さらには、ハードディスク、光メディア機器などの情報機器などに使用されるモータ駆動システムやモータ装置に好適である。また、空調機器用のファンモータ駆動や燃焼用ファンモータを搭載した給湯機、空気清浄機などにも好適である。

Claims (31)

  1. モータと前記モータを駆動制御する駆動制御回路とを含むモータ装置であって、
    前記駆動制御回路は、
    シリアル通信バスを介して送出されたシリアルデータを受信し、設定されたアドレスを参照して自己宛の前記シリアルデータを取り込むとともに、受信した前記シリアルデータを中継して送出する通信部を備え、
    前記通信部は、前記アドレスを生成し、設定するアドレス生成機能を有したことを特徴とするモータ装置。
  2. 前記シリアル通信バスは、シリアルデータを伝送するシリアルデータラインとクロック信号を伝送するクロックラインとを含むことを特徴とする請求項1に記載のモータ装置。
  3. 前記通信部は、前記シリアル通信バスから受け取ったアドレス設定情報に基づきアドレスを生成し、生成した前記アドレスを自己のアドレスとして設定するとともに、設定した前記アドレスに関する情報を前記アドレス設定情報として前記シリアル通信バスを介して送出することを特徴とする請求項2に記載のモータ装置。
  4. 前記通信部は、前記アドレスの生成および設定が完了するまで、前記シリアルデータの中継を切断することを特徴とする請求項3に記載のモータ装置。
  5. 前記通信部は、自己のアドレスを生成する指令に応答して、前記シリアルデータの中継を切断することを特徴とする請求項4に記載のモータ装置。
  6. 前記通信部は、前記シリアルデータの中継を切断した後、前記アドレス設定情報が前記シリアルデータラインを介して送出されるように切り替え、その後、前記シリアルデータの中継ができるように切り替えることを特徴とする請求項5に記載のモータ装置。
  7. 前記通信部は、前記シリアル通信バスから受け取った前記アドレス設定情報が示すアドレスを前記自己のアドレスとして設定するとともに、前記自己のアドレスの値に所定の演算を施した値を前記アドレス設定情報として前記シリアル通信バスを介して送出することを特徴とする請求項6に記載のモータ装置。
  8. 前記通信部は、前記シリアル通信バスから受け取った前記アドレス設定情報が示すアドレスの値に所定の演算を施した値を前記自己のアドレスとして設定するとともに、前記自己のアドレスとして設定した値を前記アドレス設定情報として前記シリアル通信バスを介して送出することを特徴とする請求項6に記載のモータ装置。
  9. 前記通信部は、シリアルデータラインの入力レベルに基づき、前記シリアルデータの中継を切断することを特徴とする請求項4に記載のモータ装置。
  10. 前記通信部は、前記シリアルデータの中継を切断した後、前記アドレス設定情報が前記シリアルデータラインを介して送出されるように切り替え、その後、前記シリアルデータの中継ができるように切り替えることを特徴とする請求項9に記載のモータ装置。
  11. 前記通信部は、前記シリアル通信バスから受け取った前記アドレス設定情報が示すアドレスを前記自己のアドレスとして設定するとともに、前記自己のアドレスの値に所定の演算を施した値を前記アドレス設定情報として前記シリアル通信バスを介して送出することを特徴とする請求項10に記載のモータ装置。
  12. 前記通信部は、前記シリアル通信バスから受け取った前記アドレス設定情報が示すアドレスの値に所定の演算を施した値を前記自己のアドレスとして設定するとともに、前記自己のアドレスとして設定した値を前記アドレス設定情報として前記シリアル通信バスを介して送出することを特徴とする請求項10に記載のモータ装置。
  13. 前記シリアルデータラインは、前記シリアルデータを前段側から受け取り後段側に送出する第1のデータラインと、前記シリアルデータを後段側から受け取り前段側に送出するとともに自己の前記シリアルデータも前段側に送出する第2のデータラインとで構成されることを特徴とする請求項3に記載のモータ装置。
  14. 前記通信部は、前記第1のデータラインを介して前段側から受け取った前記アドレス設定情報に基づきアドレスを生成し、生成した前記アドレスの情報を前記第2のデータラインへと送出することを特徴とする請求項13に記載のモータ装置。
  15. 前記モータは、可動子と3相の駆動巻線とを有し、少なくとも正弦波駆動されるブラシレスDCモータであることを特徴とする請求項1に記載のモータ装置。
  16. 請求項1から15までのいずれか1項に記載のモータ装置を複数個、順次直列に配置するとともに、各モータ装置を制御するホスト装置を備え、前記ホスト装置と複数個の前記モータ装置の前記通信部とを前記シリアル通信バスで接続したことを特徴とするモータ駆動システム。
  17. 複数個直列に配置された前記モータ装置における一方端の前記通信部から他方端の前記通信部へ向けて、前記通信部のそれぞれが順番にそれぞれを識別するためのアドレスを生成することを特徴とする請求項16に記載のモータ駆動システム。
  18. 前記ホスト装置から、前記ホスト装置と前記シリアル通信バスで直接接続された前記一方端の通信部に対して、まず、アドレス設定情報が送出され、前記他方端の通信部へ向けて、前記通信部のそれぞれが順番に前記アドレスを生成することを特徴とする請求項17に記載のモータ駆動システム。
  19. 前記アドレス生成機能を有効にするアドレス設定モードを有し、前記アドレス設定モードが開始されると、前記通信部のそれぞれが、少なくとも前記シリアルデータの中継を切断することを特徴とする請求項18に記載のモータ駆動システム。
  20. 前記通信部のそれぞれは、生成した前記アドレスの値を含むホスト通知情報を、前記ホスト装置に通知することを特徴とする請求項19に記載のモータ駆動システム。
  21. 前記他方端とする通信部は、後段側から前記シリアルデータを受け取る入力のレベルを判定することで、自己が他方端であることを判定し、少なくとも判定した結果情報を含むホスト通知情報として、前記ホスト装置に通知することを特徴とする請求項19に記載のモータ駆動システム。
  22. モータと前記モータを駆動制御する駆動制御回路とを含むモータ装置であって、
    前記駆動制御回路は、
    前記モータの回転を制御するための制御信号を生成する制御部と、
    前記制御信号に基づき前記モータを駆動する駆動部と、
    シリアルデータを伝送するシリアルデータラインとシリアル制御信号を伝送するシリアル制御ラインとを含むシリアル通信バスを介してシリアル通信を行う通信部とを備え、
    前記通信部は、シリアル制御信号のレベルに応じて前記シリアルデータを取り込むかどうかを判定することを特徴とするモータ装置。
  23. 前記シリアル制御ラインが、モータ装置ごとに信号が順番に伝送されるようにシフトレジスタ状に接続される状態と、前記シリアル制御ラインが、信号が共通に伝送されるように直列に接続される状態とに切り替え可能としたことを特徴とする請求項22に記載のモータ装置。
  24. 前記モータは、可動子と3相の駆動巻線とを有し、前記駆動部により少なくとも正弦波駆動されるブラシレスDCモータであることを特徴とする請求項22に記載のモータ装置。
  25. 請求項22から24までのいずれか1項に記載のモータ装置を複数個、順次直列に配置するとともに、各モータ装置を制御するホスト装置を備え、前記ホスト装置と複数個の前記モータ装置の前記通信部とを前記シリアル通信バスで接続したことを特徴とするモータ駆動システム。
  26. 複数個の前記モータ装置に対して個別にシリアルデータを伝送する個別伝送モードと、複数個の前記モータ装置の全てに対してシリアルデータを伝送する共通伝送モードとを有したことを特徴とする請求項25に記載のモータ駆動システム。
  27. 前記シリアル制御信号は、前記ホスト装置に接続された前記モータ装置の前記通信部からその反対側に向けて順番に伝送されることを特徴とする請求項26に記載のモータ駆動システム。
  28. 前記個別伝送モードにおいて前記シリアル制御ラインは、モータ装置ごとに信号が順番に伝送されるようにシフトレジスタ状に接続され、前記共通伝送モードにおいて前記シリアル制御ラインは信号が共通に伝送されるように直列に接続されたことを特徴とする請求項26に記載のモータ駆動システム。
  29. 前記シリアル制御信号は、前記ホスト装置に接続された前記モータ装置の前記通信部からその反対側に向けて順番に伝送されることを特徴とする請求項28に記載のモータ駆動システム。
  30. モータを駆動制御する駆動制御回路を含む集積回路装置であって、
    前記駆動制御回路は、
    前記モータの動作を制御するための制御信号を生成する制御部と、
    前記制御信号に基づき前記モータを駆動する駆動部と、
    シリアル通信バスを介して送出されたシリアルデータを受信し、設定されたアドレスを参照して自己宛の前記シリアルデータを取り込むとともに、受信した前記シリアルデータを中継して送出する通信部とを備え、
    前記通信部は、前記アドレスを生成し、設定するアドレス生成機能を有したことを特徴とする集積回路装置。
  31. モータを駆動制御する駆動制御回路を含む集積回路装置であって、
    前記駆動制御回路は、
    前記モータの回転を制御するための制御信号を生成する制御部と、
    前記制御信号に基づき前記モータを駆動する駆動部と、
    シリアルデータを伝送するシリアルデータラインとシリアル制御信号を伝送するシリアル制御ラインとを含むシリアル通信バスを介してシリアル通信を行い、シリアル制御信号のレベルに応じて前記シリアルデータを取り込むかどうかを判定する通信部とを備えたことを特徴とする集積回路装置。
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