JPWO2009050807A1 - エレベータかご及びその据付方法 - Google Patents
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Abstract
エレベータかごにおいては、かご枠の上枠及びかご室の天井のいずれか一方である天井ガイド体側部材に、天井ガイド体が設けられている。上枠及び天井の他方である天井係合部側部材には、天井係合部が設けられている。天井係合部は、エレベータかごの据付時に、天井ガイド体が係合することにより、上枠に対する天井の上下方向への変位を許容しつつ水平方向への変位を規制する。
Description
この発明は、かご枠と、かご枠に支持されたかご室とを有するエレベータかご、及びその据付方法に関するものである。
従来のエレベータかごの据付方法では、まず昇降路内にかご枠が組み立てられる。このとき、かご床は、かご枠の下枠に予め固定されている。次に、かご室の天井が昇降路内に搬入され、かご枠の上枠下方に吊り下げられる。これは、かご室壁を組み立てた後にかご室出入口から天井を搬入するのが困難なためである。天井の搬入後、かご床上にかご室壁が配置され固定される。そして、天井が降ろされ、天井とかご室壁とが締結される(例えば、特許文献1参照)。
上記のような従来のエレベータかごでは、かご室壁は複数枚のパネルに分割されていることが多いため、組立後のかご室壁の上部の形状は理想の形から崩れていることが多い。これに対して、従来のエレベータかごの据付方法では、かご室壁を組み立てた後に天井とかご室壁とを締結するため、天井の形状に対してかご室壁の上部の形状が合わず、天井とかご室壁との締結に手間がかかってしまう。このため、ある程度の製作誤差や据付時の組立誤差を考慮し、締結具を挿通する孔を大きめにしているが、場合によっては、かご室壁を強引に捻って天井の形状に強制的に合わせたり、かご室壁の再組立調整を行ったりする必要が生じてしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、かご室を容易に精度良く組み立てることができるエレベータかご及びその据付方法を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータかごは、かご床枠と、かご床枠の上方に配置された上枠と、かご床枠と上枠との間に設けられた縦柱とを有するかご枠、及びかご床枠上に設置されたかご室壁と、かご室壁上に設けられた天井とを有するかご室を備え、上枠及び天井のいずれか一方である天井ガイド体側部材には、天井ガイド体が設けられており、上枠及び天井の他方である天井係合部側部材には、据付時に、天井ガイド体が係合することにより、上枠に対する天井の上下方向への変位を許容しつつ水平方向への変位を規制する天井係合部が設けられている。
また、この発明によるエレベータかごの据付方法は、かご床枠と、かご床枠の上方に配置された上枠と、かご床枠と上枠との間に設けられた縦柱とを有するかご枠を組み立てる工程、かご室の天井を上枠の下方に吊り上げるとともに、上枠及び天井のいずれか一方に設けられた天井ガイド体を、上枠及び天井の他方に設けられた天井係合部に係合させることにより、上枠に対する天井の水平方向への変位を規制する工程、天井にかご室壁を接続し、かご室壁を天井から吊り下げる工程、及び天井及びかご室をかご床枠上に降ろしかご床枠に対して接続するとともに、天井ガイド体の天井係合部への係合を解除する。
また、この発明によるエレベータかごの据付方法は、かご床枠と、かご床枠の上方に配置された上枠と、かご床枠と上枠との間に設けられた縦柱とを有するかご枠を組み立てる工程、かご室の天井を上枠の下方に吊り上げるとともに、上枠及び天井のいずれか一方に設けられた天井ガイド体を、上枠及び天井の他方に設けられた天井係合部に係合させることにより、上枠に対する天井の水平方向への変位を規制する工程、天井にかご室壁を接続し、かご室壁を天井から吊り下げる工程、及び天井及びかご室をかご床枠上に降ろしかご床枠に対して接続するとともに、天井ガイド体の天井係合部への係合を解除する。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータかごを示す斜視図である。図において、かご枠1は、かご床枠2と、かご床枠2の上方に配置された上枠3と、かご床枠2と上枠3との間に設けられた左右一対の縦柱4a,4bとを有している。上枠3は、縦柱4a,4bの上端部間に水平に固定されている。かご床枠2の下部には、非常止め装置17が固定されている。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータかごを示す斜視図である。図において、かご枠1は、かご床枠2と、かご床枠2の上方に配置された上枠3と、かご床枠2と上枠3との間に設けられた左右一対の縦柱4a,4bとを有している。上枠3は、縦柱4a,4bの上端部間に水平に固定されている。かご床枠2の下部には、非常止め装置17が固定されている。
かご床枠2上には、複数の防振ゴムを有する床防振装置18を介してかご床5が取り付けられている。かご床5上の幅方向両端部と前後方向後端部とには、幅木(図示せず)を取り付けるための幅木台6が立設されている。
幅木台6を含むかご床5上には、かご室壁7が立設されている。かご室壁7は、互いに対向する左右一対の側壁8a,8bと、後壁9(図5参照)と、後壁9に対向する左右一対の袖壁10a,10bとを有している。側壁8a,8b及び後壁9は、それぞれ複数枚の壁パネルを並べて構成されている。また、側壁8a,8b及び後壁9の下端部は、それぞれ幅木台6に締結具を介して締結されている。袖壁10a,10bの上端部間には、出入口上板11が固定されている。
かご室壁7の上端部には、天井12が締結具を介して締結されている。天井12上には、左右一対の天井振れ止め13a,13bが取り付けられている。各天井振れ止め13a,13bは、縦柱4a,4bに当接された防振ゴム14と、天井12に取り付けられ防振ゴム14を支持する防振ゴム支持装置15とを有している。
エレベータかごの据付時には、天井12の上面に天井ガイド体である複数本(ここでは2本)の天井ガイドピン16が立設される。天井ガイドピン16は、天井12の幅方向及び前後方向に互いに間隔をおいて立設される。また、天井ガイドピン16は、例えばねじ止め等により天井12に着脱可能に取り付けられ、エレベータかごの据付後には天井12から取り外される。
上枠3には、据付時に天井ガイドピン16が挿通される天井係合部としての複数の天井ガイド孔3aが設けられている。天井ガイド孔3aに天井ガイドピン16が挿通された状態では、上枠3に対する天井12の上下方向への変位は許容されるが、上枠3に対する天井12の水平方向への変位が規制される。また、上枠3の天井ガイド孔3aの真上には、複数のガイドピン逃がし孔3bが設けられている。
なお、この例では、天井12が天井ガイド体側部材であり、上枠3が天井係合部側部材である。
かご室壁7の上端部と天井12との間には、据付時に天井12にかご室壁7を接続するとともに天井12に対するかご室壁7の位置決めを行う複数の壁上部位置決め接続機構21が設けられている。かご室壁7の下端部と幅木台6との間には、据付時に幅木台6に対するかご室壁7の位置決めを行うための複数の壁下部位置決め機構22が設けられている。
次に、エレベータかごの据付方法について説明する。図2は図1のエレベータかごの据付途中の状態を示す斜視図である。エレベータかごの据付作業では、まず、予め昇降路内に設置されたかごガイドレール(図示せず)に対して、非常止め装置17を水平に装着する。これは、エレベータかごの据付後では、非常止め装置17の水平調整が困難なためである。
この後、工場で予め組み立てられたかご床枠2、かご床5及び床防振装置18の組立体を非常止め装置17上に取り付ける。幅木台6には、かご床5に一体に設けられているタイプと、締結具によりかご床5に固定される別体のタイプとがある。別体のタイプでは、幅木台6は、かご床5に対して正確に位置決めされ固定されている。
かご床5の組立体を非常止め装置17に取り付けた後、縦柱4a,4bを立てかご床枠2又は非常止め装置17に固定する。この後、縦柱4a,4bの上端部間に上枠3を固定し、縦柱4a,4bの上下端部にガイドシュー(図示せず)を取り付けると、かご枠1の組立が完了する。
次に、図3に示すように、天井12をかご枠1の内側に搬入し、天井揚重用ワイヤ19を介して天井12を吊り上げ、天井ガイドピン16を対応する天井ガイド孔3aに挿入する。この後、図4に示すように、側壁8a,8bを天井12に接続する。このとき、まず側壁8a,8bの隣接する壁パネル同士を接続した後、壁上部位置決め接続機構21により天井12に対する位置決めを行いながら側壁8a,8bを天井12に接続する。
続いて、図5に示すように、側壁8a,8bと同様に、後壁9を天井12に接続し、側壁8a,8bと後壁9とを接続する。さらに、図6に示すように、袖壁10a,10bを天井12に接続し、側壁8a,8bと袖壁10a,10bとを接続する。
図4〜6の状態では、かご室壁7は、天井12から吊り下げられており、かご室壁7の下端部と幅木台6との間には隙間g(図4)が設けられている。
壁上部位置決め接続機構21としては、天井12に設けられた位置決め孔と、かご室壁7の上部に設けられ、位置決め孔に挿入されると位置決め孔からの引き抜きが規制される挿入タイプのクリップとの組み合わせが用いられている。これにより、天井12に対するかご室壁7の位置決めと接続とを同時に実施することができる。また、壁パネル同士の接続機構にも、位置決め孔と挿入タイプのクリップとの組み合わせを用いることができる。
このようなかご室壁7の天井12への接続作業や壁パネル同士の接続作業は、かご床5上(かご室内)で行うことができる。但し、かご室外に十分な作業スペースを確保できる場合には、これらの接続作業をかご室外で行ってもよいことは勿論である。
次に、図7に示すように、袖壁10a,10bの上部間に出入口上板11を固定する。この後、図8に示すように、天井12及びかご室壁7をかご床枠2上に降ろしかご床枠2に対して接続する。この例では、壁下部位置決め機構22により位置決めをしながら、かご室壁7の下端部を幅木台6上に接合させた後、かご室壁7の下端部を締結具により幅木台6に締結する。
天井12及びかご室壁7を下降させる際には、天井ガイドピン16が天井ガイド孔3aに沿って摺動されるので、上枠3と天井12との正しい位置関係が維持される。なお、天井ガイドピン16の長さは、天井12の下降距離以上とする。
壁下部位置決め機構22としては、かご室壁7の下端部に設けられた位置決め孔と、幅木台6に設けられ、位置決め孔に挿入される位置決めピンとの組み合わせが用いられている。
次に、天井12の上に作業員が移動し、天井12とかご室壁7との本締結作業を行うとともに、天井12に天井振れ止め13a,13bを取り付ける。この後、天井ガイドピン16を天井12から取り外す。
このようなエレベータかごでは、天井12に天井ガイドピン16を設け、上枠3に天井ガイド孔3aを設けたので、据付時に、天井ガイド孔3aに天井ガイドピン16を係合させることにより、上枠3に対する天井12の水平方向への位置決めを容易に行うことができ、位置決めされた天井12を基準としてかご室壁7を組み付けることにより、かご室を容易に精度良く組み立てることができる。
また、天井ガイドピン16は、天井12から取り外し可能であるため、据付後にはかご枠1に対するかご室の水平方向への変位の規制を容易に解除することができる。
さらに、天井ガイド体として天井ガイドピン16を用い、天井係合部として天井ガイド孔3aを用いたので、簡単な構成で据付時の上枠3に対する天井12の水平方向への位置決めを行うことができる。
さらに、天井ガイド体として天井ガイドピン16を用い、天井係合部として天井ガイド孔3aを用いたので、簡単な構成で据付時の上枠3に対する天井12の水平方向への位置決めを行うことができる。
さらにまた、天井12及びかご室壁7には、据付時に、天井12にかご室壁7を接続するとともに天井12に対するかご室壁7の位置決めを行う壁上部位置決め接続機構21が設けられているので、天井12に対するかご室壁7の接続及び位置決めも容易に行うことができる。
また、実施の形態1のエレベータかごの据付方法では、かご枠1を組み立てた後、天井12を上枠3の下方に吊り上げるとともに、天井ガイドピン16を天井ガイド孔3aに係合させることにより、上枠3に対する天井12の水平方向への変位を規制するので、上枠3に対する天井12の水平方向への位置決めを容易に行うことができ、かご室を容易に精度良く組み立てることができる。
さらに、天井ガイドピン16を天井ガイド孔3aに係合させた状態で、天井12にかご室壁7を接続し、かご室壁7を天井12に支持させるので、上枠3に対するかご室壁7の水平方向への位置決めも容易に行うことができる。
さらに、天井ガイドピン16を天井ガイド孔3aに係合させた状態で、天井12にかご室壁7を接続し、かご室壁7を天井12に支持させるので、上枠3に対するかご室壁7の水平方向への位置決めも容易に行うことができる。
さらにまた、天井振れ止め13a,13bを天井12に取り付ける際にも、天井ガイドピン16を天井ガイド孔3aに係合させておくので、振れ止め13a,13bの取付調整を容易にすることができる。
なお、上記の例では、天井ガイド体である天井ガイドピン16を天井12に、天井係合部である天井ガイド孔3aを上枠3に設けたが、逆であってもよい。
また、天井ガイド体及び天井係合部は、天井ガイドピン16及び天井ガイド孔3aに限定されるものではない。
さらに、上記の例では、壁上部位置決め接続機構21として、位置決め孔を天井12に設け、挿入タイプのクリップをかご室壁7に設けたが、逆であってもよい。また、位置決め用の孔とピンとを、接続用の孔とクリップとは別に設けてもよい。
さらにまた、上記の例では、壁下部位置決め機構22として、位置決め孔をかご室壁7に設け、幅木台6に位置決めピンを設けたが、逆であってもよい。
また、この発明は、かご床5がかご床枠2を兼ねる固定床タイプのエレベータかごにも適用できる。
また、天井ガイド体及び天井係合部は、天井ガイドピン16及び天井ガイド孔3aに限定されるものではない。
さらに、上記の例では、壁上部位置決め接続機構21として、位置決め孔を天井12に設け、挿入タイプのクリップをかご室壁7に設けたが、逆であってもよい。また、位置決め用の孔とピンとを、接続用の孔とクリップとは別に設けてもよい。
さらにまた、上記の例では、壁下部位置決め機構22として、位置決め孔をかご室壁7に設け、幅木台6に位置決めピンを設けたが、逆であってもよい。
また、この発明は、かご床5がかご床枠2を兼ねる固定床タイプのエレベータかごにも適用できる。
Claims (5)
- かご床枠と、上記かご床枠の上方に配置された上枠と、上記かご床枠と上記上枠との間に設けられた縦柱とを有するかご枠、及び
上記かご床枠上に設置された上記かご室壁と、上記かご室壁上に設けられた天井とを有するかご室
を備えているエレベータかごにおいて、
上記上枠及び上記天井のいずれか一方である天井ガイド体側部材には、天井ガイド体が設けられており、
上記上枠及び上記天井の他方である天井係合部側部材には、据付時に、上記天井ガイド体が係合することにより、上記上枠に対する上記天井の上下方向への変位を許容しつつ水平方向への変位を規制する天井係合部が設けられていることを特徴とするエレベータかご。 - 上記天井ガイド体は、上記天井ガイド体側部材から取り外し可能であることを特徴とする請求項1記載のエレベータかご。
- 上記天井ガイド体は、上記天井ガイド体側部材に立設された天井ガイドピンであり、
上記天井係合部は、上記天井係合部側部材に設けられ上記天井ガイドピンが挿入される天井ガイド孔であることを特徴とする請求項1記載のエレベータかご。 - 上記天井及び上記かご室壁には、据付時に、上記天井に上記かご室壁を接続するとともに上記天井に対する上記かご室壁の位置決めを行う壁上部位置決め接続機構が設けられていることを特徴とする請求項1記載のエレベータかご。
- かご床枠と、上記かご床枠の上方に配置された上枠と、上記かご床枠と上記上枠との間に設けられた縦柱とを有するかご枠を組み立てる工程、
かご室の天井を上記上枠の下方に吊り上げるとともに、上記上枠及び上記天井のいずれか一方に設けられた天井ガイド体を、上記上枠及び上記天井の他方に設けられた天井係合部に係合させることにより、上記上枠に対する上記天井の水平方向への変位を規制する工程、
上記天井にかご室壁を接続し、上記かご室壁を上記天井から吊り下げる工程、及び
上記天井及び上記かご室を上記かご床枠上に降ろし上記かご床枠に対して接続するとともに、上記天井ガイド体の上記天井係合部への係合を解除する工程
を含むことを特徴とするエレベータかごの据付方法。
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