JPWO2009040898A1 - スピーカ振動体用支持部材、およびスピーカ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、上記紙製のエッジ基材に樹脂層を形成したスピーカ装置では、エッジ基材が紙材であり、適用材料が限定されてしまう。また、このスピーカ装置では、エッジ基材に樹脂層を形成するために比較的重量が重くなり、比較的大音圧の再生音を得にくくなる場合がある。
本発明に係るスピーカ振動体用支持部材は、スピーカ振動体とスピーカフレーム間に設けられるスピーカ振動体用支持部材であって、頂部折曲部、内側折曲部、および外側折曲部を備えた可動部を有し、前記可動部は、前記頂部折曲部が、前記内側折曲部と前記外側折曲部との径方向中央より、径方向中心側に位置する形状に形成されていることを特徴とする。
上記構成のスピーカ振動体用支持部材を備えるスピーカは、可動部の立ち上り部と径方向との間の角度が、径方向と立ち下り部との間の角度より大きいので、例えば頂部折曲部が、内側折曲部と外側折曲部との径方向中央に位置する単純な山形状の支持部材と比べて、比較的大きな剛性を有し、スピーカ駆動時に中音域での共振や不要な振動を低減して、音圧特性の中音域のディップを低減することができる。
図1に示すように、本実施形態に係るスピーカ装置100は、磁石1、プレート2、ヨーク3、磁気回路4、スピーカフレーム(フレームともいう)5、振動板6、ボイスコイルボビン7、ボイスコイル71、エッジ8、ダンパ9、およびセンターキャップ601を有する。本実施形態に係る磁気回路4としては、上記磁石1、プレート2、ヨーク3を有する内磁型磁気回路を採用するが、この形態に限られるものではなく、例えば外磁型磁気回路を採用してもよい。
磁気回路4は、上記磁石1、プレート2、およびヨーク3を有する。磁気回路4は、ヨーク3の外周端部とプレート2間に磁気ギャップ(G)が形成されており、この磁気ギャップ(G)には、ボイスコイルボビン7に巻回されたボイスコイル71が振動自在に配置されている。
また、振動板6の中央部には、図1に示すように、防塵用のセンターキャップ601が設けられている。
ボイスコイル71は、上述したように、ボイスコイルボビン7に巻回されている。ボイスコイル71は、例えばフレーム5に形成された端子部501と導電線711により電気的に接続されている。
図2は、図1に示したスピーカ装置100のエッジ8付近を拡大した断面図である。図3は図2に示したエッジを説明するための断面図である。詳細には図3(A)はエッジの断面図、図3(B)はエッジの折曲部を説明するためのエッジの拡大図である。図2,図3(A),図3(B)を参照しながら、エッジ8を詳細に説明する。
振動板取付部801は、内周端部81に形成されており、振動板6の外周端部62に接着剤などにより固定される。振動板取付部801は、例えば可動部83の径方向中心側に形成された平坦部801Aを有する。平坦部801Aの内周側には振動板6の形状に対応した傾斜面が形成された傾斜部801Bを有する。
図2に示すように、本実施形態に係るエッジ8は、複数の可動部83、詳細には2つの可動部83A,83Bを有する。このエッジ8は複数の折曲部831〜835を有する。各折曲部831〜835は径方向断面形状が曲線状に形成されている。
また、折曲部833は、隣接する複数の可動部83A,83Bそれぞれの頂部折曲部832,834の間に形成された中間折曲部に相当する。この折曲部833は、隣接する可動部83A,83Bそれぞれの頂部折曲部832,834の中央部830Eより、径方向外側に形成された中間折曲部に相当する。
上記構成のエッジ8では、スピーカ駆動時に、中間折曲部833と比べて、曲率半径が比較的小さい折曲部832,834のほうが、剛性が大きく変形しにくい。
具体的には、スピーカ駆動時、例えば折曲部831J,832Jの折曲角度が、スピーカ非駆動時を基準として比較的大きく振動する。この際、折曲部831J,832Jの近傍では、共振や不要な振動が発生して、音圧周波数特性の中音域に比較的大きなディップが生じる。
このため、スピーカ駆動時、振動板が駆動方向(図に向かって上下方向)に変位した場合であっても、折曲部831の折曲角度の変化量は比較的小さく、略同じ折曲角度を維持する。また、上述した本発明に係るエッジ8では、一般的なエッジ8Jと比べて、共振や不要な振動を低減することができ、音圧周波数特性の中音域のディップを低減することができる。
このため、一般的なエッジ8Jと比べて、共振や不要な振動を低減することができ、音圧周波数特性の中音域のディップを低減することができる。
本願発明者は、本発明に係るスピーカ振動体用支持部材の効果を確認するために、本発明の一具体例に係るエッジ8、および一般的な山形状のエッジJについて、コンピュータ演算(シミュレーション)により音圧周波数特性を算出して比較および検討を行った。以下、音圧周波数特性を図面を参照しながら説明する。
一方、本発明に係るエッジ8(P)は、図6(B)に示すように、頂部折曲部832が折曲部831,833との径方向中央より径方向中心側に位置し、頂部折曲部834が折曲部833,835との径方向中央より径方向中心側に位置している。また、例えば、エッジ8の角度AG1,AG3は80°に設定した。頂部折曲部832,834の高さ(H)は、エッジJと同じ3.0mmに設定した。
頂部折曲部832、834の曲率半径は0.5mmに設定した。
シミュレーションの結果、図6(C)に示すように、本発明に係るエッジ8(P)を採用したスピーカ装置では、一般的なエッジJを採用したスピーカ装置と比べて、音圧周波数特性の中音域(例えば約300Hz〜1kHz程度)のディップが低減する。また、エッジ8(P)を採用したスピーカ装置では、中音域のディップが低減して、比較的高音質の再生音となる。
次に、比較例として、単純な山形状の頂部の曲率半径が異なるエッジを採用したスピーカ装置の音圧周波数特性を説明する。
図7(A)は山形状の頂部の曲率半径が異なるエッジA1〜A3の断面図であり、図7(B)は図7(A)に示したエッジの音圧周波数特性を示す図である。
次に、比較例として、折曲部831,833の角度AG1,AG3の角度が比較的小さく、頂部折曲部832,834が、山形状の中央部から径方向外側に位置するエッジB1〜B3を採用したスピーカ装置の音圧周波数特性を説明する。
図8(A)は、山形状の可動部の立ち上り角度が異なるエッジB1〜B3の断面図であり、図8(B)は図8(A)に示したエッジの音圧周波数特性を示す図である。
次に、比較例として、内側可動部の立ち上り角度(AG1)と外側可動部の立ち上り角度(AG3)の角度が異なる
エッジC1〜C3を採用したスピーカ装置の音圧周波数特性を説明する。
図9(A)は、内側可動部の立ち上り角度(AG1)と外側可動部の立ち上り角度(AG3)の角度が異なるエッジC1〜C3の断面図であり、図9(B)は図9(A)に示したエッジC1〜C3の音圧周波数特性を示す図である。
次に、本発明に係る変形例として、折曲部831,833の角度AG1,AG3の角度が異なるエッジD1〜D3を採用したスピーカ装置の音圧周波数特性を説明する。エッジD2、D3は頂部折曲部が山形状の中央部から径方向内側に位置する。
図10(A)は、山形状の可動部の立ち上り角度が異なるエッジD1〜D3の断面図であり、図10(B)は図10(A)に示したエッジの音圧周波数特性を示す図である。
図10(B)に示すように、角度(AG1),角度(AG3)が大きいほど、つまり頂部折曲部が径方向中心側に位置するほど中音域のディップが低減している。特に、周波数500〜600Hzで効果が比較的大きい。
また、振動板は、コーン形状に限られるものではなく、ドーム形状、平板形状など、各種形状を採用してもよい。
また、エッジ8は、例えば音響放射方向(SD)に向かって凸形状や凹部形状に形成されていてもよい。
また、スピーカ装置や支持部材は、音響放射側から視認した場合、円形状やリング形状でなくともよく、例えば矩形状,多角形状,楕円形状など任意の形状に形成されていてもよい。
また、本発明に係るスピーカ振動体用支持部材は、エッジに限られるものではなく、上述したようにダンパに採用してもよい。
また、本発明に係るスピーカ振動体用支持部材をエッジに採用し、ダンパは公知の形状にしても良く、或いは本発明に係るスピーカ振動体用支持部材をダンパに採用し、エッジは公知の形状にしても構わない。
また、上述した実施形態では、エッジ8は振動板とは別部材のフリーエッジとして説明したが、この形態に限られるものではない。例えば本発明に係るスピーカ振動体用支持部材として、振動板6とエッジ部が一体成形されたフェイクスドエッジタイプであってもよい。
少なくとも具備するものである。
本発明に係るスピーカ振動体用支持部材は、スピーカ振動体とスピーカフレーム間に設けられるスピーカ振動体用支持部材であって、頂部折曲部、内側折曲部、および外側折曲部を備えた可動部を有し、前記可動部は、前記頂部折曲部が、前記内側折曲部と前記外側折曲部との径方向中央より、径方向中心側に位置する形状に形成されていることを特徴とする。
[0007]
また、本発明に係るスピーカ振動体用支持部材は、前記可動部の断面形状が山形状であることを特徴とする。
[0008]
また、本発明に係るスピーカ装置は、上記スピーカ振動体用支持部材を備えていることを特徴とする。
図面の簡単な説明
[0009]
[図1]本発明の一実施形態に係るスピーカ振動体用支持部材を採用したスピーカ装置100の断面図である。
[図2]図1に示したスピーカ装置100のエッジ8付近を拡大した断面図である。
[図3]図2に示したエッジを説明するための断面図であり、(A)はエッジの断面図、(B)はエッジの折曲部を説明するためのエッジの拡大図である。
[図4]一般的なエッジ8Jの動作を説明するための図であり、詳細には(A)は非駆動時のエッジ8Jの断面図であり、(B)は振動板が上方(音響放射方向)に変位した場合のエッジ8Jの断面図であり、(C)は振動板の変位が0の場合のエッジ8Jの断面図であり、(D)は振動板が下方(音響放射方向に対して反対方向)に変位した場合のエッジ8Jの断面図である。
[図5]図1に示した本発明の一実施形態に係るスピーカ装置100のエッジ8の動作を説明するための図であり、(A)は非駆動時のエッジ8の断面図であり、(B)は振動板が上方(音響放射方向)に変位した場合のエッジ8の断面図であり、(C)は振動板の変位が0の場合のエッジ8の断面図であり、(D)は振動板が下方(音響放射方向に対
Claims (16)
- スピーカ振動体とスピーカフレーム間に設けられるスピーカ振動体用支持部材であって、
頂部折曲部、内側折曲部、および外側折曲部を備えた可動部を有し、
前記可動部は、前記頂部折曲部が、前記内側折曲部と前記外側折曲部との径方向中央より、径方向中心側に位置する形状に形成されていることを特徴とする
スピーカ振動体用支持部材。 - 複数の前記可動部を有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ振動体用支持部材。
- 前記可動部は、折曲部の断面形状が曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ振動体用支持部材。
- 前記可動部は、前記頂部折曲部と前記内側折曲部との間に形成された立ち上り部と、
前記頂部折曲部と前記外側折曲部との間に形成された立ち下り部と
を有することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ振動体用支持部材。 - 前記可動部は、複数の前記可動部を有し、
前記複数の可動部それぞれの頂部折曲部の間に形成された中間折曲部を備え、
前記頂部折曲部と前記中間折曲部の表面または両面の中央に沿った長さが異なることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ振動体用支持部材。 - 前記中間折曲部は、該中間折曲部の断面形状が曲線形状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のスピーカ振動体用支持部材。
- 複数の可動部を有し、
隣接する可動部の間に中間折曲部が形成され、
前記隣接する可動部それぞれの頂部折曲部の中央より径方向外側に前記中間折曲部が位置することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ振動体用支持部材。 - 前記可動部の径方向中心側または径方向外側には、平坦部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ振動体用支持部材。
- 複数の前記可動部を有し、
前記可動部の高さは略同一であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ振動体用支持部材。 - 前記可動部は、前記頂部折曲部と前記内側折曲部との間に形成された立ち上り部を有し、
前記立ち上り部と径方向とが成す角度は、約60°から約85°であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ振動体用支持部材。 - 前記立ち上り部または前記立ち下り部は、断面形状が直線形状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のスピーカ振動体用支持部材。
- スピーカ振動体とスピーカフレーム間に設けられるスピーカ振動体用支持部材であって、
立ち上り部と、立ち下り部と、前記立ち上り部と前記立ち下り部との間に設けられる頂部折曲部とを備える可動部を有し、
径方向と前記立ち上り部との間の角度が、前記径方向と前記立ち下り部との間の角度より大きいことを特徴とする
スピーカ振動体用支持部材。 - 請求項1に記載されたスピーカ用支持部材を備えるスピーカ装置。
- 前記スピーカ用支持部材は、エッジであることを特徴とする請求項13に記載のスピーカ装置。
- 前記スピーカ用支持部材は、ダンパであることを特徴とする請求項13に記載のスピーカ装置。
- スピーカフレームと、前記スピーカフレームに支持されるスピーカ振動体と、磁気回路とを有し、
前記スピーカ振動体は、振動板と、ボイスコイルと、ボイスコイルボビンとを備え、
前記磁気回路は、ヨークと磁石とを備えることを特徴とする請求項14に記載のスピーカ装置。
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