JPWO2009022726A1 - 含水物質の脱水システムおよび脱水方法 - Google Patents

含水物質の脱水システムおよび脱水方法 Download PDF

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Abstract

本発明にかかる含水物質の脱水システムは、ジメチルエーテルと含水物質とを接触させる接触部を有する脱水システム用井と、前記脱水システム用井にそれぞれ接続し接触部に開口するジメチルエーテル注入管および含水物質注入管と、前記脱水システム用井の接触部の略上端部に開口する、接触後のジメチルエーテル−含水物質を排出するためのジメチルエーテル−含水物質排出口と、前記ジメチルエーテル−含水物質排出口により脱水システム用井と接続しジメチルエーテルと含水物質とを分離するジメチルエーテル−含水物質分離装置とを備える。

Description

本発明は、脱水システムに関し、すなわち、ジメチルエーテルを用いた含水物質の脱水を低エネルギーで効率的に行うための脱水システムおよび当該システムを用いる脱水方法に関する。
従来様々な含水物質が知られているが、その再利用や品質向上の観点から、含水物質の処理方法が種々開発されている。
例えば、下水道から発生する下水汚泥の処理方法としては、焼却して焼却灰を埋立て処分するのが一般的であった。しかし、焼却に当たっては下水汚泥中の多量の水分を濃縮処理、脱水処理、乾燥処理を適宜組み合わせた前処理を行う必要があり、処理が困難であった。また、下水汚泥は大量に排出されるものであるのに対し、埋立地の確保には限界があることから、再利用のための技術も望まれていた。
一方、脱水技術の一つとして、油中改質法(例えば特許文献1参照)では、水分含有固体として石炭を想定し、油中スラリー化した水分含有固体を150℃以上で加熱処理することで水分含有固体水分を蒸発させる。操作温度では殆ど蒸発しない液体状の油を加熱媒体とすることで、水だけが選択的に蒸発するため、水蒸気が希釈されることはなく、水蒸気が有する蒸発潜熱の密度は低下しない。このため、油中改質法では、水蒸気が有する蒸発潜熱を効率的に回収可能だと思われる。とりわけ、石炭の脱水に関しては、既存の手法のうち、油中改質法の所要エネルギーが最も小さいと考えられている。しかしながら、油中改質法では、水よりの沸点が高い油を石炭と分離(脱油)するために、遠心分離や150℃を上回る温度での加熱操作が必要であるので、脱油工程での消費エネルギーが脱水工程での消費エネルギーを上回り、未だ本格的な商業運転は為されていない。
特開2000−290673号公報
本発明の目的は、含水物質を低エネルギーで効率よく脱水するための手段を提供することにある。
本発明者らは上述の目的に鑑みて検討を重ねた結果、常温常圧の条件下で気体である物質が、その性質上、過酷な条件を設定せずとも容易に液化し、その液体が水分を吸収すること、また同様に容易に気化して液体(液化物)から気体へと変換させることができることに着目した。そして試行錯誤の結果、ジメチルエーテルと含水物質を接触させる際に接触管内の高低差を利用することにより、含水物質中の様々な成分を抽出し分離することができることを見出し、本発明に至った。
本発明は以下の各発明を提供するものである。
〔1〕 液体のジメチルエーテルと含水物質とを接触させる接触部を有する脱水システム用井と、前記脱水システム用井にそれぞれ接続し、接触部の入口側に開口するジメチルエーテル注入管および含水物質注入管と、前記脱水システム用井の接触部の出口側である略上端部に開口する、接触後のジメチルエーテル−含水物質を排出するためのジメチルエーテル−含水物質排出口と、前記ジメチルエーテル−含水物質排出口により脱水システム用井と接続しジメチルエーテルと含水物質とを分離するジメチルエーテル−含水物質分離装置とを備えることを特徴とする含水物質の脱水システム。
〔2〕 前記ジメチルエーテル注入管および/または前記含水物質注入管が、前記脱水システム用井の略上端より嵌入し、各管が脱水システム用井との間で二重管を形成し前記接触部において開口する、〔1〕に記載の含水物質の脱水システム。
〔3〕 前記脱水システム用井は、その少なくとも一部が地中に埋設されている〔1〕または〔2〕に記載の脱水システム。
〔4〕 気体のジメチルエーテルを圧縮して注入するための圧縮機と、圧縮したジメチルエーテルを冷却して凝縮し、ジメチルエーテルを液化するための凝縮器と、前記圧縮機、凝縮器および前記分離装置の間を接続し、ジメチルエーテルを循環させるジメチルエーテル移送管とを更に有する〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の脱水システム。
〔5〕 液体のジメチルエーテルを供給するジメチルエーテル供給手段と、含水物質を供給する含水物質供給手段と、前記含水物質供給手段により供給された前記含水物質と、前記ジメチルエーテル供給手段より供給された前記ジメチルエーテルとを加圧して混合する接触部と、該接触部と連結し、前記含水物質中の水分を前記ジメチルエーテルに吸収し、前記含水物質の脱水を行う脱水器と、該脱水器から排出される水分を吸収した含水液体ジメチルエーテルと前記含水物質とを分離する液体サイクロンと、前記含水液体ジメチルエーテル中の前記ジメチルエーテルを気化し、前記ジメチルエーテルと前記ジメチルエーテル中の水分とを分離する蒸発缶と、前記蒸発缶内の気化した気体ジメチルエーテルを抜出すジメチルエーテル移送管と、前記ジメチルエーテル移送管と連結し、前記気化したジメチルエーテルを加圧するための加圧手段と、該加圧手段で加圧されたジメチルエーテルを凝縮するためのジメチルエーテル凝縮管と、凝縮したジメチルエーテルを貯蔵するための凝縮液タンクと、凝縮されたジメチルエーテルを前記接触部に供給する液体のジメチルエーテルを貯蔵するタンクに送給する液体ジメチルエーテル送給管とを有することを特徴とする含水物質の脱水システム。
〔6〕 前記脱水システム用井が、地上または地下に設けられている〔5〕に記載の脱水システム。
〔7〕 前記含水物質は、石炭である〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の脱水システム。
〔8〕 〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の脱水システムを用いる含水物質の脱水方法。
本発明によれば、含水物質を低エネルギーで効率的に脱水することができる。
図1は、本発明の脱水システムの実施例1を示す模式図である。 図2は、本発明の脱水システムの実施例2を示す模式図である。 図3は、本発明の脱水システムの実施例3を示す模式図である。 図4は、分離装置における分離プロセスの一例を示す図である。 図5は、分離装置における分離プロセスの他の例を示す図である。 図6は、分離装置における分離プロセスの他の例を示す図である。 図7は、褐炭注入装置における注入方式の一例を示す図である。 図8は、褐炭注入装置における注入方式の他の例を示す図である。 図9は、本発明による実施例4に係る脱水システムの構成を簡略に示す概略構成図である。 図10は、本発明による実施例4に係る脱水システムの構成を簡略に示す斜視図である。
符号の説明
11,21 脱水システム用井
11A,21A,11A”,73 接触部
12,22,32,71 DME注入管
221A,221B DME注入管の管内開口部
13,23A,23B,33 含水物質注入口
131,231,331,431 含水物質注入管
132,232,332 褐炭注入装置
133、233,333 ホッパー
234 スクリュー・フィーダー
14,24,92 DME−含水物質排出口
15,25 DME−含水物質分離装置
41 圧縮・凝縮器
42,77 DME移送管
43,88 DMEタンク
51、61 加圧タンク
52、62、58 排出管
53、63、55、56、59、65、66 弁
54、64 注入管
57、67 蓋
68 窒素高圧タンク
69 コンプレッサー
70 脱水システム
72 褐炭供給手段
74 脱水器
74a 下端部
74b 上端部
75 液体サイクロン
76 蒸発缶
78、109 加圧ブロア(加圧手段)
79 DME凝縮管
80 凝縮液タンク
81 中間タンク
82 液体DME送給管
83、85 コンベア
84 褐炭貯槽
86 褐炭注入タンク
87、97、112 スクリューフィーダー
89 DME注入分岐管
90 DME−含水物質供給通路
91 DME−含水物質流入口
93 DME−含水物質排出通路
94 含水DME分離通路
95 褐炭抜出し通路
96 褐炭取出しタンク
98 脱水褐炭コンベア
99 液体DME回収管
100 ベーパ圧力調整タンク
101 分離水循環通路
102 DME供給管
103、104 冷却水
105 分離水抜出し管
106 フィルタ
107 最終ガス分離タンク
108、110、111 気体DME回収通路
100 分離水循環通路
114 操作盤
123 建屋
本発明の脱水システムは、含水物質を、ジメチルエーテル(以下、「DME」と略記する。)を利用して脱水するシステムに関する。
DMEは、1気圧における沸点が−24.8℃であり、−10℃〜50℃の大気圧において気体である。高効率なDMEの製造方法および製造装置は、例えば特開平11−130714号公報、特開平10−195009号公報、特開平10−195008号公報、特開平10−182535号〜特開平10−182527号の各公報、特開平09−309850号〜特開平09−309852号の各公報、特開平09−286754号公報、特開平09−173863号公報、特開平09−173848号公報、特開平09−173845号公報などに開示されており、これらに開示された技術に従い容易に得ることができる。
また、DMEは他の常温常圧の条件下で気体である物質と組み合わせて用いることもできる。常温常圧の条件下で気体である物質としては、エチルメチルエーテル、ホルムアルデヒド、ケテン、アセトアルデヒド、ブタン、プロパンなどが挙げられ、これらは1種で用いても、または2種以上混合して用いてもよい。
本発明の処理対象は、含水物質である。含水物質とは、水分を含む物質を意味する。「水分」とは、水または水溶液を意味し、その組成、由来等は特に問わない。例えば、水、血液、体液、汚水を挙げることができる。「含有する」とは、上述の水分が何らかの物質に含まれていることを意味する。何らかの物質としてはサイズ、成分共に特に限定されないが、含水物質として固体やスラリー状の形態となることが好ましい。含水物質中における水分の存在態様についても特に限定されず、内部に包接されている水分や外表面に、固体粒子間、場合によっては固体粒子の内側にある細孔に存在するものであっても良い。そして、含水物質の含水率は特に限定されないが、通常は20〜98重量%、好ましくは35〜85重量%である。これらの含水物質は、水分を含むものであれば、予め他の脱水処理がなされた後のものであってもよい。
このような含水物質としては、石炭、高吸収体(使用済みの紙おむつ、生理用品など)、生物(雑草、花束、クラゲ等)、バイオマス原料(ウッドチップ、残飯、生ごみ、その他いわゆる廃棄物)、土壌、下水汚泥(脱水ケーキを含む。)等を挙げることができる。この中でも石炭への応用により、高品質の石炭を効率よく得ることができる。石炭とは、採掘後のものそのままであっても、また、その後何らかの脱水処理(例えば、油中改質法(特開2000−290673号公報参照)、乾燥不活性気体を用いた脱水手法(特開平10−338653号公報参照))がなされたものであっても、本発明の対象とすることができる。石炭の含水率は、通常20〜80重量%、好ましくは35〜67重量%である。石炭の種類としては、亜瀝青炭、褐炭、亜炭、泥炭を挙げることができる。
脱水システム用井は掘削機により掘削、坑井仕上げのなされた当該システムの内地下設置部位でありDME注入管、含水物質注入管、および接触部から構成される。接触部は、DMEと含水物質とを接触させる部位である。接触部内においてDMEと含水物質とを接触させることにより、含水物質中の水分をDMEに溶解させ、含水DME(含水物質に由来する水分がDMEに溶解した状態の液体)を形成させる。本発明は接触部を有する脱水システム用井を用いることにより、接触部内の高低差を利用してDMEと含水物質との接触を効率的に低エネルギーで行うことができる。
脱水システム用井は、例えば略U字型形状の場合、下記のゾーン(1)〜(3)により構成されることが好ましい。
(1)垂直にあるいは内外側に屈曲しつつ上方へ伸張するゾーン
(2)水平或は若干の傾斜を有するゾーン
(3)垂直にあるいは内外側に屈曲しつつ上方へ伸張するゾーン
ゾーン(1)においてDMEが液体を保持するのに必要な静水圧力(通常6気圧〜15気圧)が獲得されるので、DMEおよび含水物質を導入するとゾーン(2)へと送液される。続いて、ゾーン(2)においては液体DMEと含水物質の接触脱水を促し、接触時間の調整がなされ(通常接触時間は15分〜30分)、液体DMEと含水物質の接触/脱水が行われる。ゾーン(3)においては圧力低下により、含水DMEのごく一部の気化による気体DME発生による浮力により上昇力が得られ、含水DME(液体)、少量の気体DME、脱水含水物質が上昇し、排出口より排出される。各ゾーンの深度やサイズは、DMEの液化が保持できるのに十分な圧力、温度条件となるように設定することが好ましい。特に、上記ゾーン(2)のサイズは接触部の設置深度、含水物質の含水率、本システムによるその脱水率、その注入速度、液体DME,含水液体DME等の圧力、温度条件などにより定まるものである。
脱水システム用井の形状は、略垂直円柱状のほか、垂直方向に対し任意の傾斜角を持つ傾斜状(傾斜井)や略U字形状であってもよい。このうち、液体DMEと含水物質との接触時間や脱水時間を調節しやすい点から、略U字形状であることが最も好ましい。
脱水システム用井は、地下、地上、水中に設置することができるが、少なくともその大部分が地中に埋設されていることが好ましい。仮に地上に設置する場合、高さ5〜70mの井戸状管を組み立てることとなるが、安定性確保のための大掛かりな支柱など設備が必要となる。一方、地下設置(掘削、鋼管、設備等付設)の際には、脱水システム用井内の圧力を、静水圧により確保維持でき、また、DME特性による浮力、上昇力を利用して設備を小型化できる。また、設置の際に既存の井戸掘削技術、パイプライン敷設技術を利用できるほか、脱水システム用井の設置安定化に資する。そして、DMEおよび含水物質の注入の際には重力による自然落下が期待でき、また、上昇の際には、ごく少量ではあるものの含水DME(液体)の気化による上昇力を利用することができるので、低コストでの実施が可能である。なお、脱水システム用井のうち、DME注入管、含水物質注入管との接続部、およびDME−含水物質排出口の開口部は、操作の簡便さなどの観点から地上に位置させることが好ましい。略垂直円柱状の脱水システム用井の地下への設置は、通常の垂直井の設置と同様掘削後、鋼管(ケーシング)を挿入する。一方、略U字形状の脱水システム用井の地下への設置は、傾斜掘削(directional driling)可能な装置或いはパイプライン敷設用掘削機を使い掘削してケーシングを設置する。
脱水システム用井は、その内部に接触部を有する。接触部は、液体DMEと含水物質とが接触する領域であり、後述するジメチルエーテル注入管および含水物質注入管の開口部から、ジメチルエーテル−含水物質排出口との間の空間である。よって、脱水システム用井の全部または下流の少なくとも一部が接触部を形成する。
接触部内においてDME−含水物質は上昇して後述の排出口に達して排出されるが、含水DMEや脱水後の物質の流動特性を向上させるために、管内攪拌ノズルの挿入、ESP(電動サブマーシブルポンプ、Electrical Submersible Pump)、スクリュー・フィーダーを設置してもよい。また、液体DMEの水分吸収性向上、気化促進、上昇力付与、液体DMEの水吸収性の向上、DMEの飽和蒸気圧の上昇の観点から、スチーム/熱水管、熱源ヒーター等の加温装置の設置、気体DME圧入装置(ガス・リフト)等を脱水システム用井内に付設することも可能である。
上記脱水システム用井には、DMEを接触部内に供給するためのDME注入管と、含水物質を接触部内に供給するための含水物質注入管とが設けられている。
DME注入管は、脱水システム用井の略上端(通常は最上部)に開口するものとすることができる。一方、脱水システム用井上端より嵌入し、脱水システム用井を外管として二重管を形成し脱水システム用井内にて開口するものであってもよい。後者の場合、DMEと含水物質とを別個に導入することができる。DME注入管から注入されるDMEは、気体状態(ガス)でも液体状態であってもよいが、少なくともDME注入管の開口部において液体の状態であればよい。
含水物質注入管は脱水システム用井の略上端(通常は最上部)に開口するものとすることができる。
一方、含水物質注入管は井戸略上端から嵌入し、脱水システム用井を外管として二重管を形成し脱水システム用井の内部にて開口するものであってもよい。この場合、上述のようにDME注入管も脱水システム用井内に挿入され、それぞれの管が脱水システム用井に対し二重管を形成していることが好ましい。このように含水物質注入管が二重管を形成することにより、DMEと含水物質とを別個に導入することができる。含水物質注入管の開口部の位置は、図に示す後述の実施例のように脱水システム用井の最底部またはその付近であってもよいし、底部までは達しない中間部分であってもよく、含水物質の注入の際の圧力、温度条件、脱水システム用井の形状やサイズなどによって適宜定めることができる。脱水システム用井の形状が略垂直円柱状の場合であって、含水物質注入管とDME注入管とが脱水システム用井内に挿入され、それぞれの管が脱水システム用井に対し二重管を形成する場合、含水物質注入管の開口部は、DME注入管の開口部よりも高い位置(通常、5〜10mの高低差を有する)であることが好ましい。含水物質の管内での圧入を促進する観点から、含水物質注入管の開口部位にスクリュー・フィーダーを設置することが好ましい。
含水物質の注入は、圧入(常圧圧入、加圧圧入)によることができる。すなわち、含水物質の注入方式は、含水物質注入装置に注入する際の圧力により常圧圧入、加圧圧入に分類されるが、本発明においてはどちらの方式であってもよい。また、含水物質は、含水物質注入管からそのまま導入されてもよいが、前処理が行われたものであってもよい。前処理としては、含水物質の種類や圧入の条件などによっても左右されるが、DMEへの溶解を容易化することを目的とした処理を適宜選択することができ、例えば破砕、DMEによるスラリー化などを挙げることができる。注入の際には、常圧圧入、加圧圧入のいずれかを実施でき、必要に応じて前処理も可能な含水物質注入装置を、1または複数個適宜選択して用いることができる。
本発明の脱水システムにおいては、脱水システム用井に、上記DME注入管および含水物質注入管とは別個に、DME−含水物質排出口を設ける。DME−含水物質排出管は、前記脱水システム用井の(接触部の)略上端に開口し接触後のDME−含水物質を排出するための開口部である。本発明においてDME−含水物質とは、接触部におけるDMEと含水物質との接触後の処理物を意味し、DME(DMEガスおよび液体DME)、含水DME(含水物質に由来する水分がDMEに溶解した状態の液体)、水分が完全にまたは一部分離された含水物質、含水DMEより分離した水分(分離水。DMEに溶け込んだ水が飽和溶解度の変化、DMEの気化により遊離する水分。)の集合体を意味する。DME−含水物質の組成は、接触部内の位置において変化するが、排出口に達した時点では、通常は、含水DMEと、水分が一部分離された含水物質が主成分であり、ごく微量のDMEガスと水分が含まれている。DME−含水物質排出口の脱水システム用井との接続位置は、脱水システム用井の上端付近部である。脱水システム用井が略垂直円柱状形状の場合には、脱水システム用井の上端部の、含水物質注入口やDME注入管の接続していない部分に位置させることができる。略U字型の場合にはU字の2つの上端部のうち含水物質注入口やDME注入管がない方の上端部に位置させることができる。DME−含水物質排出口は、分離装置に直接開口するものとすることができる。
接着管部と、含水物質注入管、DME注入管およびDME−含水物質排出口の好ましい位置関係は、脱水システム用井の形状により異なり、以下の通りである。
脱水システム用井が略U字型形状の場合には、一上端近辺に、いわゆる入口となるDME注入管および含水物質注入管を接続させ、他端に、いわゆる出口となるDME−含水物質排出口を設けることができる。含水物質注入管の開口部は脱水システム用井の略上端(通常は最上部)または脱水システム井内の中で開口する(含水物質注入管が脱水システム用井内で二重管を形成する)。脱水システム用井における接触部は、含水物質注入管が脱水システム用井の略上端に開口する場合、井全体である。また、含水物質注入管が形成し井内部に開口する場合には、接触部は脱水システム用井の開口部よりも下流部分である。含水物質注入管が二重管を形成する領域(すなわち、接触部より上流の領域)において、二重管の内管と外管の間部分はDME注入のための流路を形成する。
一方、脱水システム用井が略垂直円柱状である場合には、DME注入管は、前記脱水システム用井の略上端に接続し、含水物質注入管およびDME注入管が脱水システム用井の略上端部から入り込み脱水システム用井と二重管を形成し、接触部の内部にて含水物質注入口とDME注入管が開口する。通常は含水物質注入管の方がDME注入管の開口部より上部に開口する。一方、前記DME−含水物質排出口は、同じ上端部ではあるが各注入管の接続部以外の領域に開口する。脱水システム用井における接触部は、含水物質注入管の開口部からDME−含水物質排出口までの部分、すなわち、脱水システム用井のうち含水物質注入管およびDME注入管以外の領域を意味する。
DME注入管中に流入するDMEの状態(気体または液体)は、管内の温度および圧力により異なるが、通常はDME注入管の開口部において液体DMEである。
DME−含水物質分離装置は、前記DME−含水物質排出口で脱水システム用井に接続し、DME、含水物質に由来する水分、および水分の奪取された含水物質を分離する。分離対象は、DME−含水物質排出口から得られるDME−含水物質で、通常は含水DME、脱水含水物質、およびごく微量のDMEガスと水分を含む。分離は、加圧条件下で行うこともできるし、常圧付近まで減圧して行うこともできる。加圧条件下とは、DMEを液体の状態で維持できる飽和蒸気圧以上の圧力条件を意味し、常温下で(気温約18℃)、通常5.5〜12気圧、好ましくは6〜10気圧を意味する。また、常圧付近とは、DMEが気化する飽和蒸気圧以下の圧力条件を意味し、1気圧付近を意味し、好ましくは0.8〜3気圧である。尚、DMEの気化−液化は圧力だけでなく温度に大きく影響されるため、気圧の数値範囲を特定することは困難である。
分離装置の例を挙げると、網、サイクロン、遠心分離機、フラッシュ減圧のための減圧装置、加熱装置、ガス・セパレーターなどがあり、これらの具体例の1種類または2種類以上の組み合わせを用いることができる。サイクロン、減圧装置、加熱装置、ガス・セパレーターは、主にDMEとそれ以外の物質との気液分離に有用であり、網、遠心分離機は、含水物質と水との固液分離に有用である。
また、DME−含水物質分離装置へのDME−含水物質の流量調節のため流量調整弁を設置することができる。DME−含水物質の分離装置へ流入する際の圧力が弱い場合、ノンシール耐圧ポンプ等を設置することができる。ノンシール耐圧ポンプとしては、無漏洩構造であることが好ましい。このようなノンシール耐圧ポンプとしては、例えば日機装株式会社製の「HN21A型」(商品名:吐出量10m/時、揚程20m程度)をはじめとする各製品を例示することができる。更に、大型化に際しては吐出量、揚程がそれぞれ7〜800m/時、5〜600mに対応できるものを用いてもよい。
網は、含水物質の平均径よりも小さいことが好ましい。サイクロンの条件は、適宜調整することができ数値範囲として特定することが難しい。減圧装置の圧力条件については上述のとおりである。また、加熱装置の場合には、圧力にもよるが常温に近い温度であればよく、通常は0〜50℃、特に10〜40℃程度であればよい。
遠心分離機は、固液分離(含水物質と水)の分離に有用である。遠心分離の方式は、連続式とバッチ式のいずれも用いることができるが、分離効率の点からはバッチ式の方が好ましい。バッチ式の場合の条件は用いる機器および処理対象の重量により適宜決定することができるが、例えば斉藤遠心機工業株式会社製の「HB−55」(商品名)を用いる場合、1時間5回(バッチ)、1回当たり10分で400kg/バッチの固液分離を行うことが可能である。
含水物質が褐炭の場合の分離プロセスの例を挙げると、以下の通りである。
(例1:常圧分離(固液−気体分離→固液分離))〔図4〕
飽和蒸気圧以上の加圧下(常温下約6気圧)にあるDME−含水物質を、フラッシュ減圧により常圧(1気圧)に戻し、DMEガスを分離する(気体分離)。その後、脱水褐炭および水を遠心分離する(固液分離)。
(例2:加圧分離)〔図5〕
飽和蒸気圧以上の加圧下(例えば、常温下約6気圧)にあるDME−含水物質を、加圧条件を維持しつつ液体サイクロンにかけて、含水DMEおよび残存脱水褐炭と、水の付着した脱水褐炭とに分ける。液体サイクロンへのDME−含水物質の注入圧力が十分でない場合吹き付け用ポンプとしてノンシール耐圧ポンプ等を設置し、ポンプの吐出量、揚程を調整して、加圧条件を維持する。液体サイクロンを利用した場合の分離特率は約90%である。含水DMEおよび残存脱水褐炭は飽和蒸気圧以下(例えば、常温下約5気圧)まで若干減圧し、ガス・セパレーターによりDMEガスと水とに分離する。水は網による分離および沈澱分離により精製し、残存する脱水褐炭を拾い出す。水の付着した脱水褐炭は、フラッシュ減圧により約1気圧まで減圧してDMEガスを分離した後、遠心分離により水と脱水褐炭とに分離する。回収のDMEガスは、昇圧しDME移送管に接続、液体サイクロン・減圧で分離回収のDMEガスに混合、脱水システム用井における脱水のためリサイクルすることができる。
また、DMEを回収する蒸留塔として、内部に熱交換凝縮器を有するものを用いるようにしてもよい。
(例3:常圧分離)〔図6〕
飽和蒸気圧以上の加圧下(常温下約6気圧)にあるDME−含水物質を、フラッシュ減圧により常圧(1気圧)に戻し、DMEガスを褐炭および水より分離する(気体分離)。続いて網分離を行って、脱水褐炭と、水とに分離する。脱水褐炭については遠心分離を行い脱水褐炭と水とに分離する。一方水およびDMEガスは、ガス・セパレーターにより気液分離する。
本発明のシステムにおいては、更に圧縮機、凝縮器を備えたものであってもよい。この場合、DME移送管で圧縮機、凝縮器、分離装置を接続する。これらを備えることにより、分離装置にて分離された気化DMEを液化して再び脱水システム用井における脱水に用いることができる。
DME移送管は圧縮機、凝縮器および分離装置を接続しDMEをシステム内で循環させる管である。
圧縮機は、DMEを圧縮するための部位である。凝縮器は圧縮したDMEを冷却して凝縮しDMEを液化するための部位である。凝縮器には前記のDME注入管を接続しておく。これにより、凝縮器で液化されたDMEを脱水システム用井に導入することができる。
本発明の脱水システムを用いて含水物質として、例えば褐炭を脱水すると、脱水システム用井の接触部内では、その部位(深さ)ごとに下記のような反応が起こる(図1〜3参照)。「深度」は、脱水システム用井の上端〜最深部までの深さを100m、含水物質注入管開口部の深度を図1の垂直型にて80m、図2の略U字型にて100mとした場合のものである。尚、DMEの飽和蒸気圧や飽和溶解度は温度その他環境条件により上下する。従って下記のゾーン分類は、DMEの水飽和溶解度を7〜8%、DME温度20〜40℃、DMEの比重0.661とした場合のあくまでも一般的な分類であり、本発明を拘束するものではない。
(I)液体DMEゾーン(垂直型にて深度0〜100mおよび深度80〜100m(図2)、U字型にて深度0〜100m(図1)、図3のU字型では存在しない)
DME注入管から導入される液体DMEが地下にて褐炭と混合するまでのDME単独で存在するゾーン。DMEは通常液体として存在する。液体DMEは重力により井戸底部方向に移動すると共に連続流動性により上方に移動する。
(II)褐炭の液体DME層滞留ゾーン(深度5〜100m)
褐炭とDMEが混合し、脱水が行われるゾーン。液体DMEは、一部が含水DME(含水液体DME)となる。DMEは連続流動性により上方へ推進される。
(III)褐炭の脱水化完了ゾーン(深度5〜50m)
DMEの水分吸収量が飽和状態となるゾーン。含水DMEが大部分を占め、液体DMEはほとんどないまたはまったくない状態。DMEは連続流動性により上方へ推進される。
(IV)DMEの気化ゾーン(深度0〜5m)
含水DMEの上昇による圧力低下により、ごく微量のDMEが気化し、更なる浮力を与えるゾーン。含水DMEとDMEガスが混在することにより、含水物質排出口においては、DME注入管の開口部よりも若干低い圧力となる。DMEは浮力により上方へ推進される。一度DMEに溶け込んだ水がDME飽和溶解度の変化、DMEの気化により分離する。なお、DMEの飽和溶解度、飽和蒸気圧が温度に敏感なため、上記のゾーン分類における深度は温度、圧力条件に従い大いに変化する。
本発明においては、脱水システム用井やその他の各部位に温度測定用センサーを設置することができる。これにより、オンラインでモニターして操作条件を調整することができる。
本発明による実施例1に係る含水物質の脱水システムおよび脱水システムを用いる含水物質の脱水方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明による実施例1に係る脱水システムの構成を簡略に示す概略構成図である。
図1に示すように、実施例1に係る脱水システムは、U字型脱水システム用井を有する脱水システムである。
すなわち、脱水システム用井11はU字形状である。U字型脱水システム用井11の側面から見て右側上部よりDME注入管12が脱水システム用井11に接続している。また、同じ右上端より、含水物質注入管131が脱水システム用井11の上端より入り込み、底部に開口部13を有する。脱水システム用井11のうち含水物質注入管が占めている領域以外の領域(二重管の内管と外管の間部分)であって、U字形状の折り返し部分121までの領域は、DME注入のための流路を形成する。含水物質注入管131には褐炭注入装置132およびホッパー133が接続されている。一方、脱水システム用井11の左上端にはDME−含水物質排出口14が開口し、DME−含水物質分離装置15に開口している。脱水システム用井11のDME注入管の開口部よりも下流のDME−含水物質排出口14までの領域は接触部11Aを形成する。
本実施例の脱水システムにおいては、U字型脱水システム用井11の大部分が地中に埋設されているが、U字形状先端の、分離装置15との接続部分、褐炭注入装置132との接続部分及びDME注入管12との接続部分は地上に位置する。また、地上において圧縮・凝縮器41が設置され、分離装置15とDME移送管42で接続されている。また、圧縮・凝縮器41はDME注入管12と接続されている。液体DMEが蓄えられているDMEタンク88は、DME注入管12に弁を介して接続されている。従ってDME注入管12から脱水システム用井11に送液されるDMEは、圧縮・凝縮器41でリサイクルされた液体DMEか、あるいは脱水過程でロスを補填するDMEタンク88から補充された新しい液体DMEである。
褐炭注入装置132は、褐炭を注入装置に注入する際の圧力に応じて常圧圧入方式、または加圧圧入方式の装置を利用する。常圧圧入の場合には、褐炭をスラリー化して注入することができる。圧入力が弱い場合など必要に応じてモーノポンプ等のポンプ、コンプレッサー、フィーダー等を利用することができる。ポンプとしては、本発明の装置の実証化規模に合わせて、モーノポンプ(兵神装備株式会社製の「2NE30型」(商品名:吐出量0.43〜3m/時、吐出圧力8気圧)、「2NE150型」(商品名:吐出量18.5〜139m/時)など)を用いることができる。なお、必要に応じて更に大型のポンプを設置することも可能である。一方、加圧圧入方式の場合には、a)液体DMEを利用する場合(図7)、b)窒素等気体を利用する場合(図8)とが挙げられる。
a)液体DMEを利用する加圧圧入の場合(図7)、(1)加圧タンクの蓋57を開き加圧タンク51に褐炭注入をする。続いて、(2)加圧タンクの蓋57を閉じ、排出管52に取り付けられた弁53a、53bおよび53cを開き加圧タンク51内の空気を搬出させタンク内を減圧する。(3)弁53a、53bおよび53cを閉め、加圧タンク51と注入管54との間の弁55aおよび55bを開き、液体DMEを注入管54より加圧タンク51内に注入する。この操作により加圧タンク51内で褐炭がスラリー化する。(4)弁55a、および55bを閉じ、加圧タンク51と脱水システム用井11との間の弁56((1)〜(3)においては閉じられている)を開き、スラリー化した褐炭を、含水物質注入管13(脱水システム用井11)に落下させる。脱水システム用井11内には液体DMEが充填されているので、褐炭は重力及び比重により含水物質注入管に落下し、そのまま脱水システム用井に落下していく。ここで押し込み力が弱い場合には、スクリュー・フィーダーを用いることができる。(5)注入が終了しだい弁56を閉め、弁59a、59bを開き加圧タンク51内の液体DMEを排出管58より排出する。(6)続いて、弁53a、53bおよび53dを開き加圧タンク51内をバキュームし、タンク内に残存する気体DMEを排出管52に送出し排出する。必要に応じて、この操作を(1)からまた繰り返す。
b)窒素等気体を利用する圧入の場合(図8)、(1)加圧タンクの蓋67を開き加圧タンク61に褐炭注入をする。続いて、(2)加圧タンクの蓋67を閉じ、排出管62に取り付けられた弁63aおよび63bを開き加圧タンク61内の空気を搬出させタンク内を減圧する。(3)弁63aおよび63bを閉め、加圧タンク61と注入管64aとの間の弁65a、65bおよび65cを開き、窒素高圧タンク68から窒素を注入管64より加圧タンク61内に注入する。(4)弁65を閉じ、加圧タンク61と脱水システム用井11との間の弁66((1)〜(3)においては閉じられている)を開き、褐炭を含水物質注入管13(脱水システム用井11)に落下させる。この操作により、含水物質注入管に褐炭が落下して、同管内にしみこんだ液体DMEとのスラリー化や、褐炭の重みにより一部褐炭から抽出された水とのスラリー化が起こる。含有物質注入管に落下した褐炭が接触部内に排出される様含有物質注入管、および加圧タンク内の圧力調整を行う。ここで接触部への押し込み力が弱い場合には、スクリュー・フィーダーを利用することも可能である。(5)注入が終了しだい弁66を閉め、弁65a、65b、および65dを開き加圧タンク61内をバキュームし、タンク内に残存する窒素を管64bに送出しコンプレッサー69へ送出する。コンプレッサー69に回収された窒素は、必要に応じて管64cを通って窒素高圧タンク68へ送出され再利用される。必要に応じて、この操作を(1)からまた繰り返す。
これらの装置は、それぞれを1つ、或いは複数個設置することもできる。複数個設置することにより、それぞれの装置においてサイクルをずらしつつ圧入を実施することで各装置からの連続圧入が可能となる。
脱水システム用井11には必要に応じて電動サブマーシブルポンプを設置することができ(図示せず)、設置した場合には管内の内容物を上昇させ、DME−含水物質排出口14側へ送り出すことができる。これにより管11内におけるDME−含水物質のくみ上げを容易にし、分離装置15への移送を促している。また、接触部11Aの底部からDME−含水物質排出口14付近にかけての任意の位置には熱水管や気体DME圧入装置が設置されていてもよい。
分離装置15は、前述の例1〜3のいずれかに示した方式での分離を実施するための装置である。
本実施例の脱水システムにおいては、脱水システム用井に圧力、温度測定用センターが設置され(図示せず)、外部よりオンラインでモニターすることができる。
本実施例におけるDMEと含水物質の流れを説明すると次の通りである。
脱水システム用井11内に、DME注入管12のDME注入口121から液体DMEが供給され、褐炭注入装置132から含水物質注入口13を介して脱水システム用井11の接触部11Aに褐炭スラリーが供給される。液体DMEは、圧縮・凝縮器41において液化されたDMEのみ、またはこれとDMEタンクから新しく補充された液体DMEである。接触部11A内においては、液体DMEと褐炭とが接触することにより褐炭に含まれる水分を溶解して、一部はDME−含水物質排出口14付近で気化して気体DMEとなる。これらのDME−含水物質のうちU字形状の左端に達した、DME−含水物質排出口14に達した排出されたDME−含水物質は、分離装置15においてフラッシュ減圧、遠心分離、液体サイクロンなどを組み合わせて、加圧下または常圧下分離される(前述の例1〜3参照)。脱水褐炭及び水分は分離装置15から排出され、気体DMEはDME移送管42を介して圧縮・凝縮器41に送られ、再び液体DMEとなり脱水システム用井11に送られリサイクルされる。
本発明による実施例2に係る含水物質の脱水システムおよび脱水システムを用いる含水物質の脱水方法について、図2を参照して説明する。
本実施例に係る脱水システムは、前記図1に示した実施例1に係る脱水システムの構成と略同様であるため、前記図1に示した実施例1に係る脱水システムと同一構成には同一符号を付して重複した説明は省略する。
図2は、本発明による実施例2に係る脱水システムの構成を簡略に示す概略構成図である。
図2に示すように、実施例2に係る脱水システムは、垂直円柱状脱水システム用井を有する脱水システムである。
すなわち、脱水システム用井21は垂直円柱状であり、その上部よりDME注入管22が脱水システム用井21の最上端より入り込み、脱水システム用井の底部に開口部221Aおよび221Bを有する。また、褐炭注入装置232から延伸する含水物質注入管231が脱水システム用井21の上部より入り込んでいる。この含水物質注入管231は脱水システム用井の開口部221Aおよび221Bよりやや上部に開口している(開口部23Aおよび23B)。開口部23Aおよび23B付近にはスクリュー・フィーダーが設置されている。DME−含水物質分離装置25と脱水システム用井21とは、DME−含水物質排出口24を介して連通している。DME注入管22は、含水物質注入管231よりも脱水システム用井21の底部近くまで延伸している。
本実施例の脱水システムにおいては、垂直円柱状の脱水システム用井21の大部分が地中に埋設されているが、垂直円柱状脱水システム用井上端の、分離装置25との接続部分、褐炭注入装置232との接続部分およびDME注入管22との接続部分は地上に位置する。また、地上において圧縮・凝縮器41が設置され、分離装置25とDME移送管42で接続されている。また、圧縮・凝縮器41はDME注入管22と接続されている。DMEタンク88は、DME注入管22に弁を介して接続されている。従ってDME注入管22から脱水システム用井21に送液されるDMEは、DMEタンク88から補充された新しい液体DMEか、或いは圧縮・凝縮器41でリサイクルされた液体DMEである。
褐炭注入装置232は、実施例1の装置132について説明したとおり、常圧圧入方式、または加圧圧入方式の装置である。
脱水システム用井21には必要に応じて電動サブマーシブルポンプが設置することができ(図示せず)、設置した場合には管21A内の内容物を上昇させ、DME−含水物質排出口24側へ送り出すことができる。これにより管21A内におけるDME−含水物質のくみ上げを容易にし、分離装置25への移送を促している。
分離装置25は、前述の例1〜3のいずれかに示した方式での分離を実施するための装置である。
本実施例におけるDMEと含水物質の流れを説明すると次の通りである。
脱水システム用井21内に、DME注入管22のDME注入口221から液体DMEが供給される。また、褐炭注入装置232に送られた褐炭が、装置232から含水物質注入口23を介して脱水システム用井21の接触部21Aに供給される。液体DMEは、圧縮・凝縮器41において液化された液体DMEのみ、またはこれとDMEタンクから新しく補充された液体DMEである。接触部21A内においては、液体DMEと褐炭とが接触することにより褐炭に含まれる水分を溶解して、一部はDME−含水物質排出口24付近で気化して気体DMEとなる。これらのDME−含水物質のうちU字形状の左端に達した、DME−含水物質排出口24に達した排出されたDME−含水物質は、分離装置においてフラッシュ減圧、遠心分離などを組み合わせて、加圧下または常圧下分離される(前述の例1〜3参照)。脱水褐炭および水分は分離装置25から排出され、気体DMEはDME移送管42を介して圧縮・凝縮器41に送られ、再び液体DMEとなり脱水システム用井21に送られリサイクルされる。
本発明による実施例3に係る含水物質の脱水システムおよび脱水システムを用いる含水物質の脱水方法について、図3を参照して説明する。
本実施例に係る脱水システムは、前記図1に示した実施例1に係る脱水システムの構成と略同様であるため、前記図1に示した実施例1に係る脱水システムと同一構成には同一符号を付して重複した説明は省略する。
図3は、本発明による実施例3に係る脱水システムの構成を簡略に示す概略構成図である。
図3に示すように、実施例3に係る脱水システムは、U字型脱水システム用井を有する脱水システムである。
本実施例に係る脱水システムにおいては、U字型脱水システム用井11の側面から見て右側上端にDME注入管32が接続し開口部321を有する。また、同じ右上端に、含水物質注入管33が接続し開口部331を有する。従って、本実施例3のシステムにおいては、脱水システム用井11全体が接触部11A”を形成する。含水物質注入管13には褐炭注入装置132およびホッパー133が接続されている。褐炭注入装置132とDME移送管42は管43で連結され、褐炭注入の際のスラリー化において用いられ、排出されたDMEガスを管43およびDME移送管により圧縮機41に送入し、再び液化して脱水システム用井11での脱水で利用することができる。
本発明による実施例4に係る含水物質の脱水システムおよび脱水システムを用いる含水物質の脱水方法について、図9、10を参照して説明する。
また、本実施例では、石炭の種類としては、褐炭を用いて説明する。
図9は、本発明による実施例4に係る脱水システムの構成を簡略に示す概略構成図である。
図9に示すように、実施例4に係る脱水システムは、図1に示す実施例1に係る脱水システムの脱水システム用井を地上に設けるようにしたものである。
即ち、実施例4に係る脱水システム70は、液体のDME(以下、「液体DME」という。)を供給するDME注入管(DME供給手段)71と、褐炭を供給する褐炭供給手段72と、この褐炭供給手段72により供給された褐炭と、DME注入管71により供給されたDMEとを加圧して混合する接触部73と、この接触部73と連結し、褐炭中の水分をDMEに吸収し、褐炭の脱水を行う脱水器74と、この脱水器74から排出される水分を吸収した含水液体DMEと褐炭とを分離する液体サイクロン75と、含水液体DME中のDMEを気化し、DMEとDME中の水分とを分離する蒸発缶76と、この蒸発缶76内の気化した気体DMEを抜出すDME移送管77と、このDME移送管77と連結し、気体DMEを加圧するための加圧ブロア(加圧手段)78と、加圧ブロア78で加圧された気体のDMEを凝縮するためのDME凝縮管79と、凝縮した液体DMEを貯蔵するための凝縮液タンク80と、凝縮された液体DMEを接触部73に送給する液体DMEを貯蔵する中間タンク81に送給する液体DME送給管82とを有するものである。
脱水器74の下端側の下端部74aに連結している接触部73に、DME注入管71および含水物質注入管431を接続させ、他端側の上端部74bにDME−含水物質排出口34が設けられている。
褐炭供給手段72は、粉砕された褐炭を搬送するコンベア83と、コンベア83により搬送された褐炭を貯蔵する褐炭貯槽84と、褐炭貯槽84の褐炭を搬送するコンベア85と、褐炭貯槽84の褐炭を受け入れるホッパー333と、ホッパー333に受け入れられた褐炭を加圧貯蔵する褐炭注入タンク86とからなるものである。
なお、本実施例では、褐炭は予め粉砕されたものを用いているが、褐炭貯槽84の前に粉砕手段を設けて、褐炭貯槽84に供給するようにしてもよい。
例えば陸揚げされた褐炭はコンベア83により褐炭貯槽84に貯留され、コンベア85によりホッパー333に搬送された後、褐炭注入タンク86に供給される。また、ホッパー333から褐炭注入タンク86への褐炭の供給は弁V1の開閉により制御される。なお、本実施例では予め粉砕された褐炭を用いている。
また、褐炭注入タンク86と連結している含水物質注入管431は、接触部73の上部で連結し、褐炭注入タンク86より褐炭がスクリュー・フィーダー87により含水物質注入管431内を通過して接触部73の上部から接触部73内に供給される。また、含水物質注入管431から接触部73への褐炭の供給は弁V2の開閉により制御される。
また、DME注入管71は接触部73と連結しており、液体DMEがDME注入管71を介して接触部73に供給される。液体DMEは、蒸発缶76において液化され中間タンク81に貯蔵されたDMEのみ、またはこれとDMEタンク88から新しく補充され中間タンク81に貯蔵されたものを混合したものである。また、DME注入管71から接触部73への液体DMEの供給量は弁V3の開閉により制御される。
接触部73は、図示しない加圧手段を有しており、接触部73内において褐炭と液体DMEとは加圧して混合される。そして、加圧混合された褐炭と液体DMEとは、脱水器74の下端側である下端部74aから供給される。また、接触部73内、または下端部74aでは、褐炭と液体DMEとが、例えば、約35℃、8乃至13気圧程度で混合される。
また、液体DMEは、DME注入分岐管89を介して脱水器74の下端部74aから褐炭に液体DMEを加圧して混合するようにしてよい。このとき、DME注入分岐管89から下端部74aへの液体DMEの供給は弁V4の開閉により制御される。
そして、接触部73内において、液体DMEと褐炭とが混合された後、DME−含水物質供給通路90を介してDME−含水物質流入口91から脱水器74の下端部74aに供給される。このとき、接触部73から下端部74aへの液体DMEの供給は弁V5の開閉により制御される。
ここで、褐炭と液体DMEとの混合物を液体DMEで満たされた脱水器74への供給については、バッチ方式またはセミ・バッチ方式としている。そして、これ以降の脱水・分離等は連続方式としている。従って脱水・分離等に付設する弁V5は逆流防止の流量調整弁である。
液体DMEと褐炭とが脱水器74内を上昇していく過程で、液体DMEと褐炭とが接触していることにより褐炭に含まれる水分が液体DMEに取り込まれ、脱水が行われる。
即ち、液体DMEと褐炭とが接触していることにより褐炭に含まれる水分が溶解し、液体DMEに取り込まれる。これにより、液体DMEは、一部が水分を含んだ液体DME(含水液体DME)となる。そして、この含水液体DMEは連続流動性により脱水器74の上方へ推進される。
そして、脱水器74内を上昇していくにつれ、液体DMEの水分吸収量は飽和状態となり、脱水器74内は含水液体DMEが大部分を占め、液体DMEはほとんどないか、全くない状態となる。そして含水液体DMEは連続流動性により脱水器74の上方へ推進される。
脱水器74内では、含水液体DMEの上昇による圧力低下により、ごく微量の液体DMEが気化し、DMEガス(気体DME)が発生する。これにより、DME−含水物質排出口92付近では、脱水器74の下端部74aよりも若干低い圧力となる。よって、脱水器74内の含水液体DME、気体DMEには、更なる浮力が与えられ、脱水器74内を上昇し、脱水器74の出口に達し、DME−含水物質排出口92から排出される。脱水器74には脱水器74内の温度調節、液体DMEの水分吸収量増加、DMEの気化・浮力促進等のため加温装置をつけるようにしても良い。
また、DME−含水物質排出口92付近での圧力は、液体DMEが気体DMEになった分だけ低下する。
ここで、DME−含水物質排出口92付近での気温および圧力について、温度は45℃程度、気圧は10気圧程度としている。
また、一度液体DMEに溶け込んだ水分は、DME飽和溶解度の変化、DMEの気化により分離する。なお、液体DMEの飽和溶解度、飽和蒸気圧が温度に敏感なため、脱水器74内で液体DMEの水分吸収量は飽和状態となる位置、液体DMEが気化する位置などは脱水器74内の液体DMEの温度、圧力条件によって変化する。
脱水器74と液体サイクロン75とは、DME−含水物質排出口92に設けられているDME−含水物質排出通路93で連結している。DME−含水物質排出口92から排出された含水液体DME、気体DME、水分、脱水褐炭は、DME−含水物質排出通路93を介して液体サイクロン75に送給される。また、脱水器74から液体サイクロン75への含水液体DME、気体DME、水分、脱水褐炭の供給は弁V6により流量が制御される。
液体サイクロン75では、DME−含水物質排出口92から排出され、DME−含水物質排出通路93を介して送給された含水液体DME、気体DMEおよび水分と、脱水褐炭とを分離する。この含水液体DME、気体DMEおよび水分は、含水DME分離通路94を通して蒸発缶76に送給される。また、含水DME分離通路94から蒸発缶76への含水液体DME、気体DMEおよび水分の供給は弁V7により流量が制御される。
ここで、液体サイクロン75は公知のものを用いることができ、一般的な構造は、例えば特開2007-90165号公報、特開2007-54776号公報および特開2007-38200号公報に開示がある。
また、液体サイクロン75で分離された脱水褐炭は、褐炭抜出し通路95より抜出して褐炭取出しタンク96に送給する。褐炭取出しタンク96はほぼ常圧に減圧されている。褐炭取出しタンク96に貯蔵された脱水褐炭は、スクリュー・フィーダー97により脱水褐炭コンベア98に搬送される。また、液体サイクロン75から褐炭取出しタンク96への脱水褐炭の供給は弁V8の開閉により調整され、褐炭取出しタンク96から脱水褐炭コンベア98への脱水褐炭の供給は弁V9の開閉により制御する。
蒸発缶76に送給された含水液体DME、気体DMEおよび水分は、蒸発缶76内で気体DMEと水分とに分離される。蒸発缶内は例えば約25℃、5気圧程度である。気体DMEは、蒸発缶76の上部よりDME移送管77から抜出して加圧ブロア78により、例えば、約39℃、8気圧程度にまで加圧処理される。
ここで、蒸発缶76は2重構造の所謂シェル&チューブ構造になっており、細管のDME凝縮管79が内部に張り巡らされている。
そして、加圧された気体DMEは気体DME回収管99を介してベーパ圧力調整タンク100に送給し、回収する。その後、気体DMEは、蒸発缶76内部に張り巡らされたDME凝縮管79に蒸発缶76の上部側より送給され、蒸発缶76の上部から流下する含水液体DMEの気化に伴い発生する気化熱と熱交換され、凝縮される。また、加圧ブロア78からベーパ圧力調整タンク100への気体DMEの供給は弁V10により流量が制御され、ベーパ圧力調整タンク100から蒸発缶76への気体DMEの供給は弁V11により流量が制御される。
そして、液体DMEは、DME凝縮管79により上部から底部の方向に流れ、蒸発缶76の底部側から排出され、凝縮液タンク80に貯蔵される。
そして、この凝縮された液体DMEは、凝縮液タンク80から液体DME送給管82を介してポンプP1により中間タンク81に送給される。また、凝縮液タンク80から中間タンク81への液体DMEの供給は弁V13の開閉により制御される。
また、液体DMEは、例えばタンクローリよりDMEタンク88に新たに供給される。そして、DMEタンク88に新たに供給された液体DMEは、DME供給管102を通ってポンプP2により中間タンク81に送給される。そして、この中間タンク81に貯蔵された液体DMEはDME注入管71を介してポンプP3により接触部73に供給される。
このため、本実施例の構成によれば、脱水器74において褐炭から液体DMEに水分を低エネルギーで効率的に吸収し、脱水することができる。また、蒸発缶76で脱水器74から排出された含水液体DMEから水分を除去し再生すると共に、気体DMEを液化して液体DMEに再生することができる。これにより、再生した液体DMEは、脱水器74に再び送給され、リサイクルすることができるため、液体DMEを脱水器74において褐炭の脱水に効率良く再利用することができる。
また、DMEタンク88、中間タンク81中の液体DMEは、例えば冷却水103、104などの冷媒を用いて冷却するようにしている。
また、DMEタンク88に供給される液体DMEは弁V14の開閉により制御され、DMEタンク88から中間タンク81への液体DMEの供給は弁V15の開閉により制御される。更に中間タンク81から接触部73または脱水器74への液体DMEの供給量は弁V16、V17により調整される。
また、中間タンク81に貯蔵された液体DMEは、再度中間タンク81に戻すようにしてもよい。この時、弁V17を閉鎖し、弁V16、18を開放する。
また、褐炭取出しタンク96の底部に溜められた分離水は、分離水抜出し管105より抜出してフィルタ106でろ過した後、ポンプP4より最終ガス分離タンク107に送給する。この最終ガス分離タンク107で分離水中に含まれている気体DMEを分離し、気体DME回収通路108を介して加圧ブロア109で加圧した後、ベーパ圧力調整タンク100に送給する。また、褐炭取出しタンク96から排出される分離水は弁V19の開閉により制御され、気体DME回収通路108を流れる気体DMEは弁V20の開閉により制御される。一方、最終ガス分離タンク107で最終的に気体DMEが除去された分離水は、排水槽へ排出される。
また、接触部73内で発生し、含水物質注入管431から抜出した気体DME、褐炭取出しタンク96から抜出した気体DMEについても、同様に気体DME回収通路110、111を介して気体DME回収通路108に合流し、加圧ブロア109に送給される。また、含水物質注入管431から抜出す気体DMEは弁V21の開閉により制御され、褐炭取出しタンク96から抜出す気体DMEは弁V22の開閉により制御される。
また、蒸発缶76の底部に溜められた分離水の一部は分離水循環通路101を介してポンプP5より蒸発缶76の上部に再度供給される。蒸発缶76内の含水液体DMEとDME凝縮管79内の気体DMEの熱交換促進のため、万遍なく含水液体DMEがDME凝縮管に接触出来る様にするため、および液体サイクロン75で分離されず取り残され蒸発缶76内に供給される残存脱水褐炭が詰らない様、含水液体DME,水分等液体流量を保持するためである。この分離水の一部を再供給する際、蒸発缶76から分離水循環通路101に抜出す分離水の液量は弁V23の開閉により調整される。
また、液体サイクロン75で分離しきれなかった残存脱水褐炭は、含水液体DMEと共に、蒸発缶76に送給されるため、蒸発缶76内で含水液体DMEが気化することで発生した分離水と共に、蒸発缶76の底部に蓄積される。そのため、蒸発缶76の底部に蓄積された褐炭は、スクリュー・フィーダー112により蒸発缶76の底部から褐炭取出しタンク96に回収される。このとき、弁V24を開放して蒸発缶76の底部の褐炭は、褐炭取出しタンク96に回収する。
また、図10は、本発明による実施例4に係る脱水システムの構成を簡略に示す斜視図である。図10に示すように、本実施例に係る脱水システム70は、建屋123に設けられ、操作盤114により操作される。褐炭供給手段72、接触部73等は複数系列(なお、図10に示す実施例では2系列としている)設置し、脱水器74への褐炭供給の連続性を高められる。
また、脱水器74は建屋123の側壁の内壁に沿うように螺旋状に地面側から天井に向かって延びており、脱水器74の下端側の下端部74aに連結している接触部73に、DME注入管71および含水物質注入管431を接続させ、他端側の上端部74bにDME−含水物質排出口92が設けられている。
ここで、図10に示す脱水システム70では、その高さを20mとしている。なお、前述したように地下設置の場合には深度を100mとしている。これは十分な圧力を保持するためである。これらの地上型での高さや、地下型での深度は、その他、褐炭脱水に必要な時間、液体DME等液体の速度等により最適値を適宜設定することができる。
また、図9および図10に示す地上型の含水物質の脱水システムの一部、或いは総てをそのまま地下に設置するようにしてもよい。
DME−含水物質排出口92からDME−含水物質排出通路93を介して液体サイクロン75が連結され、液体サイクロン75で分離された脱水褐炭は、褐炭抜出し通路95より抜出して褐炭取出しタンク96に貯蔵される。そして、褐炭取出しタンク96内に貯蔵された褐炭は、脱水褐炭コンベア98により建屋123内の外に搬送される。
また、液体サイクロン75で分離された含水液体DME、気体DMEおよび水分は、含水DME分離通路94を介して蒸発缶76に送給される。そして、蒸発缶76内で含水液体DMEが気化して気体DMEと水分が分離し、気体DMEを蒸発缶上部より回収、圧力調整後蒸発缶76内に設置のDME凝縮管79に圧入し、含水液体DMEの気化熱との熱交換により気体DMEを液化して液体DMEに再生する。
また、本実施例の接触部73は、上記実施例1乃至実施例3の接触部11A、21A、11A’’に相当し、本実施例の脱水器74は、上記実施例1乃至実施例3の脱水システム用井11,21に相当し、本実施例の液体サイクロン75および蒸発缶76は、上記実施例1乃至実施例3のDME−含水物質分離装置15,25に相当し、本実施例の脱水器74、加圧ブロア78、DME凝縮管79および凝縮液タンク80は、上記実施例1乃至実施例3の圧縮・凝縮器41に相当する。
よって、本実施例に係る脱水システムによれば、接触部73内において褐炭と液体DMEとを加圧混合し、液体DMEと褐炭とが接触することにより褐炭に含まれる水分を溶解し、液体DMEに取り込む脱水器74と、含水DMEと褐炭とを分離する液体サイクロン75と、DMEとDME中の水とを分離する蒸発缶76と、その気化熱を熱交換して気体DMEを液化・凝縮するDME凝縮管を有している。このため、脱水器74において褐炭から液体DMEに水分を低エネルギーで効率的に吸収し、脱水することができる。
また、脱水器74から排出された含水液体DMEから水分を除去し、再生すると共に、気体DMEを液化して液体DMEに再生し、蒸発缶76から中間タンク81に送給することで、再生した液体DMEを脱水器74において褐炭の脱水に効率良く再利用することができる。

Claims (8)

  1. 液体のジメチルエーテルと含水物質とを接触させる接触部を有する脱水システム用井と、前記脱水システム用井にそれぞれ接続し、接触部の入口側に開口するジメチルエーテル注入管および含水物質注入管と、前記脱水システム用井の接触部の出口側である略上端部に開口する、接触後のジメチルエーテル−含水物質を排出するためのジメチルエーテル−含水物質排出口と、前記ジメチルエーテル−含水物質排出口により脱水システム用井と接続しジメチルエーテルと含水物質とを分離するジメチルエーテル−含水物質分離装置とを備えることを特徴とする含水物質の脱水システム。
  2. 前記ジメチルエーテル注入管および/または前記含水物質注入管が、前記脱水システム用井の略上端より嵌入し、各管が脱水システム用井との間で二重管を形成し前記接触部において開口する、請求項1に記載の含水物質の脱水システム。
  3. 前記脱水システム用井は、その少なくとも一部が地中に埋設されている請求項1または2に記載の脱水システム。
  4. 気体のジメチルエーテルを圧縮して注入するための圧縮機と、圧縮したジメチルエーテルを冷却して凝縮し、ジメチルエーテルを液化するための凝縮器と、前記圧縮機、凝縮器および前記分離装置の間を接続し、ジメチルエーテルを循環させるジメチルエーテル移送管とを更に有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱水システム。
  5. 液体のジメチルエーテルを供給するジメチルエーテル供給手段と、
    含水物質を供給する含水物質供給手段と、
    前記含水物質供給手段により供給された前記含水物質と、前記ジメチルエーテル供給手段より供給された前記ジメチルエーテルとを加圧して混合する接触部と、
    該接触部と連結し、前記含水物質中の水分を前記ジメチルエーテルに吸収し、前記含水物質の脱水を行う脱水器と、
    該脱水器から排出される水分を吸収した含水液体ジメチルエーテルと前記含水物質とを分離する液体サイクロンと、
    前記含水液体ジメチルエーテル中の前記ジメチルエーテルを気化し、前記ジメチルエーテルと前記ジメチルエーテル中の水分とを分離する蒸発缶と、
    前記蒸発缶内の気化した気体ジメチルエーテルを抜出すジメチルエーテル移送管と、
    前記ジメチルエーテル移送管と連結し、前記気化したジメチルエーテルを加圧するための加圧手段と、
    該加圧手段で加圧されたジメチルエーテルを凝縮するためのジメチルエーテル凝縮管と、
    凝縮したジメチルエーテルを貯蔵するための凝縮液タンクと、
    凝縮されたジメチルエーテルを前記接触部に供給する液体のジメチルエーテルを貯蔵するタンクに送給する液体ジメチルエーテル送給管とを有することを特徴とする含水物質の脱水システム。
  6. 前記脱水システム用井が、地上または地下に設けられている請求項5に記載の脱水システム。
  7. 前記含水物質は、石炭である請求項1〜6のいずれか一項に記載の脱水システム。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の脱水システムを用いる含水物質の脱水方法。
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