JPWO2008146803A1 - バリヤ性多層ポリエステル成形体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂Aを含む基材成分と、熱可塑性樹脂Bを含む副成分とを、それぞれ別々の押出機で溶融し、溶融状態のまま基材成分および副成分をスタティックミキサ経由で成形して得た多層構造の層を主として含むバリヤ性多層ポリエステル成形体であって、前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aが含有する環状エステルオリゴマー含有量が、溶融重縮合ポリエステルの環状エステルオリゴマー含有量の70%以下であり、かつ、前記多層構造の層において前記基材成分からなるX層と前記副成分からなるY層とが厚み方向に少なくとも3層以上積層されたバリヤ性多層ポリエステル成形体であり、ガスバリヤ性および層間剥離の無い機械的特性に優れたバリヤ性多層ポリエステル成形体を提供するものである。

Description

本発明は、ガスバリヤ性および層間剥離の無い機械的特性に優れたバリヤ性多層ポリエステル成形体に関し、特に、従来技術では到達できなかった酸素敏感性の、食品、ビールや清涼飲料、あるいは化粧品、医薬品などを長期間に亘って損なうことなく保存可能にする優れたガスバリヤ性および層間剥離の無い機械的特性に優れたバリヤ性多層ポリエステル成形体に関する。
ポリエチレンテレフタレ−ト(以下、PETと略称することがある)などの熱可塑性ポリエステルは、機械的性質及び化学的性質が共に優れているため、工業的価値が高く、繊維、フィルム、シ−ト、ボトルなどとして広く使用されている。さらに、熱可塑性ポリエステルは、耐熱性、透明性およびガスバリヤ性に優れているので、特にジュ−ス、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器等の成形体の素材として最適である。
しかしながら、PETを主体とする熱可塑性ポリエステル成形体は万全な性能を有しているわけではなく、充填する内容物に対して高度のガスバリヤ性を要求する食品や医薬品等の容器などとしては不満足であることが判明し、改善が求められている。
このような問題点を解決するために、ガスバリヤ性の優れた樹脂であるエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂を積層した多層ポリエステル容器(例えば特許文献1、2、3参照)、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂を積層した多層ポリエステル容器(例えば特許文献4、5、6参照)およびポリグリコール酸を積層した多層ポリエステル容器(例えば特許文献7、8参照)などが検討されている。
しかしながらポリエステル樹脂とこれらのバリヤ性樹脂との接着性は充分ではなく、層間剥離しない容器を得る為には中間層に両者を接着させる樹脂層が必要となるために成形装置や成形方法が複雑となると言う欠点があり解決が望まれている。
特開昭56―77143号公報 特開平11−348194号公報 特開2001−277341号公報 特開平5−309648号公報 特開2001−199024号公報 特開平01−139334号公報 特開平10−138371号公報 特開2003−20344号公報
また、ガスバリヤ性樹脂、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOHと略称)やキシリレン基含有ポリアミド(Ny−MXD6と略称)等は、溶融成形が可能で、酸素または炭酸ガスバリヤ性に優れているため、例えばEVOHやNy−MXD6からなる層と、耐湿性、機械的特性等に優れた熱可塑性樹脂(例えば、熱可塑性ポリエステル;以下、熱可塑性ポリエステルをPESと略することがある)の層とを含む多層構造体が、ガスバリヤ性を必要とする各種成形体(例えば、フィルム、シート、ボトル、容器等)に利用されている。例えば、このような多層構造体は、多層容器として、とりわけバッグ、ボトル、カップ、パウチ等の形態で種々の分野で使用されている。例えば、食品、化粧品、医化学薬品、トイレタリー等の分野で広く使用されている。
前記の多層容器は、酸素、炭酸ガス等のバリヤ性に優れるものの、缶詰等に使用される金属素材や、瓶詰め等に使用されるガラスのように、酸素等のガスの透過性はゼロに限りなく近いというわけではなく、無視し得ない量のガスを透過する。特に、食品等の容器においては、長期間保存した場合の内容物の酸化による品質の低下が懸念されるため、酸素バリヤ性の改良が強く望まれている。
一方、内容物を充填する時に、内容物とともに酸素が容器内に混入することがある。内容物が酸化されやすいものである場合、この微量の酸素によっても、内容物の品質が低下するおそれがあり、これを防ぐために、容器の材料に酸素捕獲機能を付与することが提案されている。この場合、容器外部から内部に侵入しようとする酸素も捕獲されるので、包装材料のガスバリヤ性も向上するという利点がある。
このような改良方法として、ポリエステル樹脂に被酸化性のポリアミド樹脂であるNy−MXD6及び酸化触媒であるCoなどの金属の化合物を混合または積層した成形体(例えば特許文献9、10参照)、共役二重結合を含有する樹脂と酸化触媒をポリエステル樹脂に混合又は積層した成形体(例えば特許文献11、12、13)などが挙げられる。しかし、混合系の場合には吐出変動が起こりそれにより、多層構造が乱れ、厚み班や外観や密着性が低下し成形体の透明性が悪く実用的でないという問題点があり、また積層した成形体の場合にはポリエステル樹脂とこれらのバリヤ性樹脂との接着性は充分ではなく、層間剥離しない容器を得る為には中間層に両者を接着させる樹脂層が必要となるために成形装置や成形方法が複雑となると言う欠点があり解決が望まれている。
特表平2―500846号公報 特開平3−762号公報 特開2002−155214号公報 国際公開第98/12244号パンフレット 国際公開第02/44034号パンフレット
本発明は、前述の事情に鑑み、ガスバリヤ性および層間剥離の無い機械的特性に優れたバリヤ性多層ポリエステル成形体、さらには、優れた酸素捕獲機能を有し、ガスバリヤ性および層間剥離の無い機械的特性に優れたバリヤ性多層ポリエステル成形体を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
[1] 熱可塑性ポリエステル樹脂Aを含む基材成分と、熱可塑性樹脂Bを含む副成分とを、それぞれ別々の押出機で溶融し、溶融状態のまま基材成分および副成分をスタティックミキサ経由で成形して得た多層構造の層を主として含むバリヤ性多層ポリエステル成形体であって、前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aが含有する環状エステルオリゴマー含有量が、溶融重縮合ポリエステルの環状エステルオリゴマー含有量の70%以下であり、かつ、前記多層構造の層において前記基材成分からなるX層と前記副成分からなるY層とが厚み方向に少なくとも3層以上積層されたことを特徴とするバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[2] 前記基材成分と前記副成分とを、それぞれ溶融状態で、スタティックミキサの前に設置したフィードブロックで合流させてから、スタティックミキサ経由で成形することを特徴とする[1]に記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[3] スタティックミキサに導入する基材成分と副成分の配合割合が、重量比で90/10〜10/90の範囲であることを特徴とする[1]または[2]に記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[4] 前記多層構造のさらに最外層または最内層のうちの少なくとも一層として、前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aを含む層を設けたことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[5] 前記基材成分が熱可塑性ポリエステル樹脂Aであり、前記副成分が熱可塑性樹脂Bであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[6] 前記熱可塑性樹脂Bのフィルム厚み20μm換算値の酸素透過率が、10ml/m・day・atm以下であることを特徴とする[5]に記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[7] 酸素透過率が1ml・mm/m・day・atm以下であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[8] 前記副成分が、遷移金属化合物を含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[9] 前記熱可塑性樹脂Bが、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[10] 前記熱可塑性樹脂Bが、二重結合を含有する樹脂であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[11] 前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aのアルデヒド類の含有量が30ppm以下であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[12] 前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aを290℃の温度で60分間溶融したときの環状エステルオリゴマー増加量が0.40重量%以下であることを特徴とする[1]〜[11]のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[13] 前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aが、主としてエチレンテレフタレート単位を繰返し単位として含有する熱可塑性ポリエステルであることを特徴とする[1]〜[12]のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
[14] アセトアルデヒド含有量が50ppm以下であることを特徴とする[13]に記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
本発明のバリヤ性多層ポリエステル成形体は、ガスバリヤ性および層間剥離がなく、また機械的特性に優れており、さらに優れた酸素捕獲機能を有し、ガスバリヤ性および層間剥離がなく、また機械的特性に優れており、特に食品用容器として好適である。
以下、本発明のバリヤ性多層ポリエステル成形体の実施の形態を具体的に説明する。
[基材成分]
(熱可塑性ポリエステル樹脂A)
本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aは、主として芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とから得られる熱可塑性ポリエステルであり、好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の85モル%以上含むポリエステルであり、より好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の90モル%以上含むポリエステルであり、さらに好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の95モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは芳香族ジカルボン酸単位が酸成分の97モル%以上含むポリエステルである。
本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aを構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニール−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げられる。
また本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aを構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール等が挙げられる。
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのジカルボン酸としては、イソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、ジフェニール−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが挙げられる。
前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としてのグリコールとしては、ジエチレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、2−メチルー1,3−プロパンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ダイマーグリコール等の脂肪族グリコール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,5−ノルボルナンジメチロール等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
さらに、前記ポリエステルが共重合体である場合に使用される共重合成分としての多官能化合物としては、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができ、グリコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。以上の共重合成分の使用量は、ポリエステルが実質的に線状を維持する程度でなければならない。また、単官能化合物、例えば安息香酸、ナフトエ酸等を共重合させてもよい。
本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aの好ましい一例は、主たる構成単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくはエチレンテレフタレート単位を85モル%以上、より好ましくは90モル%以上含み、共重合成分としてイソフタル酸、1,4―シクロヘキサンジメタノールなどを含む共重合ポリエステルであり、特に好ましくはエチレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステルの例としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称)、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−ジオキシエチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−1,3−プロピレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレンテレフタレート−エチレンシクロヘキシレンジカルボキシレート)共重合体などが挙げられる。
また本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aの好ましいその他の一例は、主たる構成単位がエチレン−2、6−ナフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくはエチレン−2、6−ナフタレート単位を85モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは、エチレン−2、6−ナフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステルの例としては、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−エチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(エチレン−2,6−ナフタレート−ジオキシエチレン−2,6−ナフタレート)共重合体などが挙げられる。
また本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aの好ましいその他の例としては、主たる構成単位が1,3−プロピレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくは1,3−プロピレンテレフタレート単位を85モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくは1,3−プロピレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステルの例としては、ポリプロピレンテレフタレート(PTT)、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート−1,3−プロピレンイソフタレート)共重合体、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体などが挙げられる。
また本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aの好ましいその他の例としては、主たる構成単位がブチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、好ましくはブチレンテレフタレート単位を85モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むポリエステルであり、特に好ましくはブチレンテレフタレート単位を95モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステルの例としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ(ブチレンテレフタレート−ブチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(ブレンテレフタレート−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート−1,3−プロピレンテレフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート−ブチレンシクロヘキシレンジカルボキシレート)共重合体などが挙げられる。
さらにまた本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aの好ましいその他の一例は、主たる構成単位が1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、さらに好ましくは1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む共重合ポリエステルであり、特に好ましいくは1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を90モル%以上含むポリエステルである。
これらポリエステルの例としては、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート−エチレンテレフタレート)共重合体などが挙げられる。
前記の熱可塑性ポリエステル樹脂Aの中では、機械的特性、経済性の面からポリエチレンテレフタレート樹脂が最も好ましい。
本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aは、基本的には従来公知の溶融重縮合法、あるいは、この方法で製造されたプレポリマーを固相重合する固相重合法によって製造することが出来る。溶融重縮合反応は1段階で行っても良いし、また多段階に分けて行っても良い。これらは回分式反応装置から構成されていてもよいし、また連続式反応装置から構成されていてもよい。また溶融重縮合工程と固相重合工程は連続的に運転してもよいし、分割して運転してもよい。
以下に、ポリエチレンテレフタレート(PET)を例にして、本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aの好ましい連続式製造方法の一例について説明するが、これに限定されるものではない。即ち、テレフタル酸とエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を直接反応させて水を留去しエステル化した後、重縮合触媒の存在下に減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及び必要により他の共重合成分を反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、重縮合触媒の存在下に減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。また、極限粘度を増大させたり、また低アセトアルデヒド含有量や低環状3量体含有量とするために、このようにして得られた溶融重縮合されたポリエステルは、引き続き、固相重合される。
前記の出発原料であるテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸またはエチレングリコールとしては、パラキシレンから誘導されるバージンのジメチルテレフタレート、テレフタル酸あるいはエチレンから誘導されるエチレングリコールは勿論のこと、使用済みPETボトルからメタノール分解やエチレングリコール分解などのケミカルリサイクル法により回収したジメチルテレフタレート、テレフタル酸、ビスヒドロキシエチルテレフタレートあるいはエチレングリコールなどの回収原料も、出発原料の少なくとも一部として利用することが出来る。前記回収原料の品質は、使用目的に応じた純度、品質に精製されていなければならないことは言うまでもない。
重縮合反応は、重縮合触媒を用いて行う。重縮合触媒としては、Ge、Sb、Ti、またはAlの化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物が用いられることが好ましい。これらの化合物は、粉体、水溶液、エチレングリコール溶液、エチレングリコールのスラリー等として反応系に添加される。
Ge化合物としては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム粉末またはエチレングリコールのスラリー、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液またはこれにエチレングリコールを添加加熱処理した溶液等が使用されるが、特に本発明で用いるポリエステルを得るには二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解した溶液、またはこれにエチレングリコールを添加加熱した溶液を使用するのが好ましい。また、四酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキシド、亜リン酸ゲルマニウム等の化合物も用いることが出来る。これらの重縮合触媒はエステル化工程中に添加することができる。Ge化合物を使用する場合、その使用量はポリエステル中のGe残存量として好ましくは10〜150ppm、より好ましくは13〜100ppm、更に好ましくは15〜70ppmである。
Ti化合物としては、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート等のテトラアルキルチタネートおよびそれらの部分加水分解物、酢酸チタン、蓚酸チタニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルナトリウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニルカルシウム、蓚酸チタニルストロンチウム等の蓚酸チタニル化合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン、チタンハロゲン化物の加水分解物、シュウ化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸アンモニウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、チタンアセチルアセトナート、ヒドロキシ多価カルボン酸または含窒素多価カルボン酸とのチタン錯体物、チタンおよびケイ素あるいはジルコニウムからなる複合酸化物、チタンアルコキサイドとリン化合物の反応物、チタンアルコキサイドと芳香族多価カルボン酸またはその無水物との反応物にリン化合物を反応させて得た反応生成物等が挙げられる。Ti化合物は、生成ポリマー中のTi残存量として0.1〜50ppm、好ましくは0.5〜10ppmの範囲になるように添加する。
Sb化合物としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ塩化アンチモン、アンチモングリコレ−ト、五酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン等が挙げられる。Sb化合物は、生成ポリマー中のSb残存量として50〜300ppm、好ましくは50〜250ppm、好ましくは50〜200ppm,さらに好ましくは50〜180ppmの範囲になるように添加する。
Al化合物としては、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウムなどの無機酸塩、アルミニウムn-プロポキサイド、アルミニウムiso-プロポキサイド、アルミニウムn-ブトキサイド、アルミニウムt−ブトキサイドなどアルミニウムアルコキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテートジiso-プロポキサイドなどのアルミニウムキレート化合物、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物およびこれらの部分加水分解物、酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらのうち酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウムおよびアルミニウムアセチルアセトネートがとくに好ましい。Al化合物は、生成ポリマー中のAl残存量として5〜200ppmの範囲になるように添加する。
また、本発明に係るポリエステルの製造においては、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を必要に応じて併用してもよい。アルカリ金属、アルカリ土類金属としては、Li,Na,K,Rb,Cs,Be,Mg,Ca,Sr,Baから選択される少なくとも1種であることが好ましく、アルカリ金属ないしその化合物の使用がより好ましい。アルカリ金属ないしその化合物を使用する場合、特にLi,Na,Kの使用が好ましい。アルカリ金属やアルカリ土類金属の化合物としては、例えば、これら金属のギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸などの飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸、クエン酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホスホン酸、炭酸水素、リン酸水素、硫化水素、亜硫酸、チオ硫酸、塩酸、臭化水素酸、塩素酸、臭素酸などの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸、1−ペンタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシなどのアルコキサイド、アセチルアセトネートなどとのキレート化合物、水素化物、酸化物、水酸化物などが挙げられる。
前記のアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、粉体、水溶液、エチレングリコール溶液等として反応系に添加される。アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物は、生成ポリマー中のこれらの元素の残存量として1〜50ppmの範囲になるように添加する。
さらにまた、本発明に係るポリエステルは、ケイ素、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ガリウム、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、インジウム、錫、ハフニウム、タリウム、タングステンからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含む金属化合物を含有してもよい。これらの金属化合物としては、これら元素の酢酸塩等の飽和脂肪族カルボン酸塩、アクリル酸塩などの不飽和脂肪族カルボン酸塩、安息香酸などの芳香族カルボン酸塩、トリクロロ酢酸などのハロゲン含有カルボン酸塩、乳酸塩などのヒドロキシカルボン酸塩、炭酸塩などの無機酸塩、1−プロパンスルホン酸塩などの有機スルホン酸塩、ラウリル硫酸などの有機硫酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、アルコキサイド、アセチルアセトナ−ト等とのキレ−ト化合物があげられ、粉体、水溶液、エチレングリコ−ル溶液、エチレングリコ−ルのスラリー等として反応系に添加される。これらの金属化合物は、生成ポリマー1トン当りのこれらの金属化合物の元素の残存量として0.05〜3.0モルの範囲になるように添加する。これらの金属化合物は、前記のポリエステル生成反応工程の任意の段階で添加することができる。
また、安定剤として、燐酸、ポリ燐酸やトリメチルフォスフェート等の燐酸エステル類、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のリン化合物を使用するのが好ましい。具体例としてはリン酸、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフェニルエステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、亜リン酸、亜リン酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエチルエステル、亜リン酸トリブチルエステル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、エチルホスホン酸ジメチルエステル、フェニールホスホン酸ジメチルエステル、フェニールホスホン酸ジエチルエステル、フェニールホスホン酸ジフェニールエステル等である。これらの安定剤はテレフタル酸とエチレングリコールのスラリー調合槽からエステル化反応工程中に添加することができる。P化合物は、生成ポリマー中のP残存量として好ましくは2〜100ppmの範囲になるように添加する。
重縮合触媒としてAl化合物を用いる場合は、リン化合物と併用することが好ましく、アルミニウム化合物およびリン化合物が予め溶媒中で混合された溶液またはスラリーとして用いることが好ましい。Al化合物の場合、より好ましいリン化合物は、ホスホン酸系化合物、ホスフィン酸系化合物、ホスフィンオキサイド系化合物、亜ホスホン酸系化合物、亜ホスフィン酸系化合物、ホスフィン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のリン化合物である。これらのリン化合物を用いることで触媒活性の向上効果が見られるとともに、ポリエステルの熱安定性等の物性が改善する効果が見られる。これらの中でも、ホスホン酸系化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。上記したリン化合物の中でも、芳香環構造を有する化合物を用いると物性改善効果や触媒活性の向上効果が大きく好ましい。
前記のようにして得られた溶融重縮合ポリエステルは、例えば、溶融重縮合終了後にダイス細孔より溶融ポリエステルを水中に押出して水中でカットする方式、あるいは溶融重縮合終了後にダイス細孔より空気中にストランド状に押出した後、冷却水で冷却しながらチップ化する方式によってチップ化される。
次いで、前期の溶融重縮合ポリエスエルチップは、不活性気体雰囲気下において、2段階以上の連続式結晶化装置で予備結晶化されることが好ましい。例えばPETの場合は、1段目の予備結晶化では100〜180℃の温度で1分〜5時間で、次いで2段目の予備結晶化では160〜210℃の温度で1分〜3時間の条件で、さらに2段目以上の予備結晶化では180〜210℃の温度で1分〜3時間の条件で、順次、段階的に結晶化することが好ましい。結晶化後のチップの結晶化度は30〜65%、好ましくは35〜63%、さらに好ましくは40〜60%の範囲であることが好ましい。なお、結晶化度はチップの密度より求めることができる。
次いで、不活性ガス雰囲気下または減圧下に前記プレポリマーに最適な温度に於いて、固相重合による極限粘度の増加が0.10デシリットル/グラム以上になるようにして固相重合を行う。例えば、PETの場合には、固相重合の温度としては、上限は215℃以下が好ましく、さらには210℃以下、特には208℃以下が好ましく、下限は190℃以上、好ましくは195℃以上である。
固相重合終了後は約30分以内、好ましくは20分以内、さらに好ましくは10分以内にチップ温度を約70℃以下、好ましくは60℃以下、さらに好ましくは50℃以下にすることが好ましい。
本発明に用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂の極限粘度は、0.45〜1.30デシリットル/グラム、好ましくは0.50〜1.20デシリットル/グラム、さらに好ましくは0.60〜0.90デシリットル/グラムの範囲である。極限粘度が0.45デシリットル/グラム未満では、得られたバリヤ性多層ポリエステル成形体の機械的特性が悪い。また、1.30デシリットル/グラムを越える場合は、成形機による溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激しくなり、容器内容物の保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物が増加したり、バリヤ性多層ポリエステル成形体が黄色に着色する等の問題が起こるので好ましくない。
本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂のチップの形状は、シリンダー型、角型、球状または扁平な板状等の何れでもよい。その平均粒径は、通常1.0〜4mm、好ましくは1.0〜3.5mm、さらに好ましくは1.0〜3.0mmの範囲である。例えば、シリンダー型の場合は、長さは1.0〜4mm、径は1.0〜4mm程度であるのが実用的である。球状粒子の場合は、最大粒子径が平均粒子径の1.1〜2.0倍、最小粒子径が平均粒子径の0.7倍以上であるのが実用的である。また、チップの平均重量は2〜50mg/個の範囲が実用的である。チップの平均重量が50mgを超える場合は、成形機内で溶融するのに長時間かかりアセトアルデヒドなどのアルデヒド類含有量が極端に増加して問題であり、また固相重合する場合その速度が非常に遅くなるという経済性の問題やポリエステル組成物の乾燥の際に乾燥時間が長くなるという経済性の問題が生じる。また平均重量が2mg未満のチップの場合は、チップ取扱い時に微粉末が発生しやすく成形体の透明性が悪くなり問題なる。
本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aの環状エステルオリゴマーの含有量は、溶融重縮合ポリエステルの環状エステルオリゴマーの含有量の70%以下であり、好ましくは60%以下、さらに好ましくは50%以下、特に好ましくは35%以下である。ここで、溶融重縮合ポリエステルとは、該熱可塑性ポリエステル樹脂Aの溶融重縮合後のポリエステルであって、環状エステルオリゴマー含有量を低減させる処理を行っていないポリエステルのことを言う。環状エステルオリゴマー含有量の下限値は、経済的な生産の面から溶融重縮合ポリエステルが含有する環状エステルオリゴマー含有量の20%以上、好ましくは22%以上、さらに好ましくは25%以上である。環状エステルオリゴマー含有量が、溶融重縮合ポリエステルの環状エステルオリゴマー含有量の70%を超える場合は、得られるバリヤ性多層ポリエステル成形体の多層構造を形成する、基材成分から成る層と副成分から成る層との接着性が悪いために層間剥離し易くなり、多層成形体の酸素透過性や機械的特性などが悪くなり問題となる。
なお、溶融重縮合ポリエステルが含有する環状エステルオリゴマーの含有量とは、溶融重縮合した数平均分子量が約5000以上のポリエステル中に存在している、遊離の数種の環状エステルオリゴマーのうちで最も含有量が高い環状n量体の含有量のことである。また環状エステルオリゴマーの含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂Aの重量に対する環状エステルオリゴマーの重量で表す。
本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aがエチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの代表であるPETの場合は、最も含有量が高い環状n量体は環状3量体である。またPETの場合、溶融重縮合ポリエステルの環状3量体の含有量は約1.0重量%であるから、熱可塑性ポリエステル樹脂Aの環状3量体の含有量は、0.70重量%以下である必要があり、好ましくは0.60重量%以下、さらに好ましくは0.50重量%以下、特に好ましくは0.35重量%以下である。この場合の環状3量体含有量の下限値は、経済的な生産の面から0.20重量%以上、好ましくは0.22重量%以上、さらに好ましくは0.25重量%以上である。環状3量体の含有量が0.70重量%を超える場合には、得られるバリヤ性多層ポリエステル成形体の多層構造を形成する、基材成分から成る層と副成分から成る層との接着性が悪いために層間剥離し易くなり、多層成形体の酸素透過性や機械的特性などが悪くなり問題となる。また、多層成形体の外観が低下する傾向にある。更には押出ダイスや射出金型などの表面および排気孔などへのオリゴマー付着が急激に増加し、得られた多層成形体等の透明性が非常に悪化したり操業性が悪化する傾向にある。
本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aの環状エステルオリゴマーの含有量を、溶融重縮合ポリエステルが含有する環状エステルオリゴマーの含有量の70%以下にするためには、溶融重縮合ポリエステルを固相重合する方法や分子量を増加させない条件で不活性ガス雰囲気下(加圧下もあり得る)に加熱処理する方法などが採用される。
また、本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aは、これを290℃の温度で60分間溶融したときの環状エステルオリゴマーの増加量が0.4重量%以下であることが好ましく、このような熱可塑性ポリエステル樹脂は、溶融重縮合後や固相重合後に得られたポリエステルの重縮合触媒を失活処理することにより製造することができる。290℃の温度で60分間溶融した時の環状エステルオリゴマーの増加量は、さらに好ましくは0.3重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下である。290℃の温度で60分間溶融した時の環状エステルオリゴマーの増加量が0.4重量%を越えると、成形の樹脂溶融時に環状エステルオリゴマーが増加し、押出ダイスや射出金型などの表面および排気孔などへのオリゴマー付着が急激に増加し、得られた多層成形体等の透明性が非常に悪化する。
前記ポリエステルの重縮合触媒を失活処理する方法としては、前記ポリエステルチップを水や水蒸気または水蒸気含有気体と接触処理する方法が挙げられる。
熱水処理方法としては、ポリエステルを水中に浸ける方法やシャワーでこれらのチップ上に水をかける方法等が挙げられる。処理時間としては5分〜2日間、好ましくは10分〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間で、水の温度としては20〜180℃、好ましくは40〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
またポリエステルのチップと水蒸気または水蒸気含有ガスとを接触させて処理する場合は、50〜150℃、好ましくは50〜110℃の温度の水蒸気または水蒸気含有ガスあるいは水蒸気含有空気を好ましくは粒状ポリエステル1kg当り、水蒸気として0.5g以上の量で供給させるか、または存在させて粒状ポリエステルと水蒸気とを接触させる。ポリエステルのチップと水蒸気との接触は、通常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜10時間行われる。また処理方法は連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない。
また、重縮合触媒を失活させる別の手段として、リン化合物を前記ポリエステルに配合し、成形時などの溶融状態において混合、反応させて重縮合触媒を不活性化する方法が挙げられる。
ポリエステルにリン化合物を配合する方法としては、前記ポリエステルにリン化合物をドライブレンドする方法によって所定量のリン化合物をポリエステルに配合後、押出機や成形機中で溶融し、重縮合触媒を不活性化する方法、チップをリン化合物溶液、特にリン酸水溶液に浸漬する方法、マスターバッチとして添加する方法などが挙げられる。また、これらリン化合物はポリエステルに共重合された状態であっても良い。
使用されるリン化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体等が挙げられる。具体例としては前記の化合物であり、これらは単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
また、本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aのアセトアルデヒドなどのアルデヒド類の含有量は、30ppm以下、好ましくは20ppm以下、より好ましくは10ppm以下、最も好ましくは5ppm以下であることが望ましい。アルデヒド類含有量が30ppmを超える場合は、得られた多層ポリエステル成形体の内容物の香味保持性の効果が悪くなる。また、これらの下限は製造上の問題から、0.1ppbであることが好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂Aのアルデヒド類の含有量を30ppm以下にするには、溶融重縮合温度を出来るだけ低温度にして重縮合する方法、このようにして得られたプレポリマーを不活性気流中で加熱処理する方法、あるいは固相重合する方法などの方法が挙げられる。また、これらを適宜組み合わせることもできる。
ここで、アルデヒド類とは、熱可塑性ポリエステル樹脂がエチレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルやエチレン−2,6−ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステルなどのようにエチレングリコ−ルをグリコール成分の主要成分とするポリエステルの場合はアセトアルデヒドやホルムアルデヒドであり、1,3−プロピレンテレフタレ−トを主たる構成単位とするポリエステルの場合はアリルアルデヒドであり、さらにブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステルの場合はブタナールである。ただし、ブチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエステルの場合は、前記アルデヒドは大部分がテトラヒドロフランとして検出される。
また、本発明に係る熱可塑性ポリエステル樹脂Aがエチレンテレフタレートを主繰返し単位とするポリエステルであり、これから得られる多層ポリエステル成形体がミネラルウオータ等の低フレーバー飲料用の容器として用いられる場合には、PET樹脂のアセトアルデヒド含有量が7ppm以下、好ましくは5ppm以下、さらに好ましくは4ppm以下であることが望ましい。
(熱可塑性ポリエステル樹脂A以外の基材成分)
本発明に用いられる前記の熱可塑性ポリエステル樹脂Aを含む基材成分には、必要に応じてその他の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、耐熱安定剤、耐侯安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、有機過酸化物、界面活性剤、防曇剤、流滴剤、核剤、顔料、染料、シリカ、タルク、マイカ、カーボン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、金属ステアレート、セルロースパウダー等の無機あるいは、有機の添加剤、充填剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加しても良い。特に熱劣化を防止するため、フェノール系、ヒンダードフェノール系、リン系及びイオウ系等の耐熱安定剤、組成物の粘度を調整するため、ジアルキルパーオキサイド系及びジアシルパーオキサイド系等の有機過酸化物、触媒の活性を失活させるため、カルシウムステアレート、ジンクステアレート等の金属ステアレート、バリヤ性多層ポリエステル成形体着色のため、酸化チタン、フタロシアニンブルー等の顔料が好適に用いられる。
これらの有機系あるいは無機系の添加剤や充填剤を添加する方法としては、公知な種々の方法、例えば、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー及びバンバリーミキサー等で溶融混練し、造粒あるいは粉砕する方法か、もしくは事前に溶融混練せずにドライブレンド品又はオートフィーダーによるブレンド方法を用いることができる。
混練度を上げる為の装置としては、連続式インテンシブミキサー、ニーディングタイプ二軸押出機(同方向または異方向)、ミキシングロール、コニーダー等の連続型混練機、高速ミキサー、バンバリーミキサー、インテンシブミキサー、加圧ニーダー等のバッチ型混練機等を挙げることができる。
また、前記添加剤などを有機溶剤に溶解させた溶液を熱可塑性ポリエステル樹脂などと混合し、熱処理して乾燥させることにより配合する方法も可能である。
前記の各種の方法は、下記で説明する樹脂への添加剤の添加方法としても有効である。
[副成分]
(熱可塑性樹脂B)
本発明に係る熱可塑性樹脂Bは、フィルム厚み20μm換算値の酸素透過率が10ml/m・day・atm以下である熱可塑性樹脂が好ましく用いられ、特に、部分芳香族ポリアミド樹脂、エチレンビニールアルコール共重合樹脂、ポリグリコール酸樹脂のいずれか一種から選択することができる。このように酸素透過率が10ml/m・day・atm以下の熱可塑性樹脂Bを用いて得られたバリヤ性多層ポリエステル成形体は、酸素により酸化され易い内容物を充填したバリヤ性多層ポリエステル成形体として有益である。
本発明に係る部分芳香族ポリアミドは、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミド、または芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから誘導される単位を主構成単位とするポリアミドである。
本発明に係る部分芳香族ポリアミドを構成する芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ−ル−4,4'−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸及びその機能的誘導体等が挙げられる。
本発明に係る部分芳香族ポリアミドを構成する脂肪族ジカルボン酸成分としては、直鎖状の脂肪族ジカルボン酸が好ましく、さらに炭素数4〜12のアルキレン基を有する直鎖状脂肪族ジカルボン酸が特に好ましい。このような直鎖状脂肪族ジカルボン酸の例としては、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン酸、ウンデカジオン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸およびこれらの機能的誘導体などを挙げることができる。
本発明に係る部分芳香族ポリアミドを構成する芳香族ジアミン成分としては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、パラ−ビス−(2−アミノエチル)ベンゼンなどが挙げられる。
本発明に係る部分芳香族ポリアミドを構成する脂肪族ジアミン成分としては、炭素数2〜12の脂肪族ジアミンあるいはその機能的誘導体である。脂肪族ジアミンは直鎖状の脂肪族ジアミンであっても分岐を有する鎖状の脂肪族ジアミンであってもよい。このような直鎖状の脂肪族ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、1−メチルエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンが挙げられる。
また本発明に係る部分芳香族ポリアミドを構成するジカルボン酸成分として、上記のような芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸以外に脂環族ジカルボン酸を使用することもできる。脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
また本発明に係る部分芳香族ポリアミドを構成するジアミン成分として、上記のような芳香族ジアミンや脂肪族ジアミン以外に脂環族ジアミンを使用することもできる。脂環族ジアミンとしては、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4,4’−アミノヘキシル)メタン等の脂環族ジアミンが挙げられる。
前記のジアミン及び、ジカルボン酸以外にも、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等も共重合成分として使用できる。とりわけ、ε−カプロラクタムの使用が望ましい。
本発明に係る部分芳香族ポリアミドの好ましい例としては、メタキシリレンジアミン、もしくはメタキシリレンジアミンと全量の30%以下のパラキシリレンジアミンを含む混合キシリレンジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に少なくとも20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上、特に好ましくは40モル%以上含有するメタキシリレン基含有ポリアミドである。
また本発明に係る部分芳香族ポリアミドは、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3塩基以上の多価カルボン酸から誘導される構成単位を実質的に線状である範囲内で含有していてもよい。
これらポリアミドの例としては、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキシリレンスペラミド等のような単独重合体、及びメタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピペラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、メタキシリレンジアミン/アジピン酸/イソフタル酸/ω―アミノカプロン酸共重合体等が挙げられる。
また本発明に係る部分芳香族ポリアミドの好ましいその他の例としては、脂肪族ジアミンとテレフタル酸またはイソフタル酸から選ばれた少なくとも一種の酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に少なくとも20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上、特に好ましくは40モル%以上含有するポリアミドである。
これらポリアミドの例としては、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/イソフタル酸共重合体、ポリノナメチレンテレフタルアミド、ポリノナメチレンイソフタルアミド、ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/イソフタル酸共重合体、ノナメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸共重合体等が挙げられる。
また本発明に係る部分芳香族ポリアミドの好ましいその他の例としては、脂肪族ジアミンとテレフタル酸またはイソフタル酸から選ばれた少なくとも一種の酸以外に、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等を共重合成分として使用して得た、脂肪族ジアミンとテレフタル酸またはイソフタル酸から選ばれた少なくとも一種の酸とから誘導される構成単位を分子鎖中に少なくとも20モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上、特に好ましくは40モル%以上含有するポリアミドである。
これらポリアミドの例としては、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、ヘキサメチレンジアミン/イソフタル酸/ε−カプロラクタム共重合体、ヘキサメチレンジアミン/テレフタル酸/アジピン酸/ε−カプロラクタム共重合体等が挙げられる。
本発明に係るエチレンビニールアルコール共重合樹脂は、エチレンとビニルエステルからなる共重合体をアルカリ触媒等を用いてケン化して得られる。ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとして挙げられるが、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステルも使用できる。また、本発明の目的が阻害されない範囲で、他の共単量体、例えば、プロピレン、ブチレン、あるいは(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸又はそのエステル、およびN−ビニルピロリドンなどのビニルピロリドン、ビニルシラン化合物を共重合することも出来る。
本発明に係るエチレンビニールアルコール共重合樹脂のエチレン含量は20〜60モル%であり、好適には25〜55モル%、より好適には25〜50モル%である。エチレン含量が20モル%未満では、高湿度下でのガスバリヤ性が低下し溶融成形性も悪化する。また60モル%を超えると十分なガスバリヤ性が得られない。
また、本発明に係るエチレンビニールアルコール共重合樹脂のビニルエステル成分のケン化度は90%以上であり、好適には95%以上、より好適には98%以上である。ケン化度が90%未満では、高湿度時のガスバリヤ性が低下するだけでなく、エチレンビニールアルコール共重合樹脂の熱安定性が悪化し、成形物にゲルが発生しやすくなる。
本発明に係るポリグリコール酸樹脂は、下記式(1)
Figure 2008146803
で表わされる繰り返し単位を含有する熱可塑性樹脂である。
ポリグリコール酸樹脂中の式(1)で表わされる繰り返し単位の含有割合は、60重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上であり、その上限は、100重量%である。式(1)で表わされる繰り返し単位の含有割合が少なすぎると、ガスバリヤ性や耐熱性などが損なわれる。
また、本発明の目的が阻害されない範囲で、他の共単量体、例えば、シュウ酸エチレン(すなわち、1,4−ジオキサン−2,3−ジオン)、ラクチド、ラクトン類(例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、ピバロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、βーメチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等)、トリメチレンカーボネート、及び1,3−ジオキサンなどの環状モノマー、乳酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸またはそのアルキルエステル、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジオールと、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはそのアルキルエステルとの実質的に等モルの混合物、またはこれらの2種以上を共重合することもできる。
本発明に用いる部分芳香族ポリアミド樹脂の250℃、剪断速度100/秒の条件で測定した溶融粘度は、100〜10000Pa・sであることが、本発明のバリヤ性多層ポリエステル成形体が多層構造を保持するためには必要な条件である。100Pa・s未満では副成分である部分芳香族ポリアミド樹脂が層状にならないのでバリヤ性多層ポリエステル成形体のバリヤ性が向上しない。また、10000Pa・sを超えると、溶融粘度が高くなりすぎ成形時に充分な流動性が得られず高速成形性に劣り、バリヤ性多層ポリエステル成形体の色調や外観も悪くなり問題である。
また、本発明に用いるエチレンビニールアルコール共重合樹脂の210℃、剪断速度100/秒の条件で測定した溶融粘度は、100〜10000Pa・sであることが、本発明のバリヤ性多層ポリエステル成形体が多層構造を保持するためには必要な条件である。100Pa・s未満では副成分であるエチレンビニールアルコール共重合樹脂が層状にならないのでバリヤ性多層ポリエステル成形体のバリヤ性が向上しない。また、10000Pa・sを超えると、溶融粘度が高くなりすぎ成形時に充分な流動性が得られず高速成形性に劣り、バリヤ性多層ポリエステル成形体の色調や外観も悪くなり問題である。
また、本発明に用いられるポリグリコール酸樹脂の240℃、剪断速度100/秒の条件で測定した溶融粘度は、100〜5000Pa・sであることが、本発明のバリヤ性多層ポリエステル成形体が多層構造を保持するためには必要な条件である。100Pa・s未満では副成分であるポリグリコール酸樹脂が層状にならないのでバリヤ性多層ポリエステル成形体のバリヤ性が向上しない。また、5000Pa・sを超えると、溶融粘度が高くなりすぎ成形時に充分な流動性が得られず高速成形性に劣り、バリヤ性多層ポリエステル成形体の色調や外観も悪くなり問題である。
本発明に用いられる副成分には、例えば、熱安定剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、他の樹脂などを本発明の目的が阻害されない範囲で使用することができる。添加方法としては前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aで記載した方法を用いることが出来る。
バリヤ性多層ポリエステル成形体に、さらに優れた酸素捕獲機能をもたせるためには、副成分が遷移金属化合物を含有する酸素吸収性副成分であることが望ましい。この場合の熱可塑性樹脂Bとしては、酸素吸収性能を持つ熱可塑性樹脂が好ましく、これらとしてはメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂、二重結合を含有する樹脂あるいはシクロヘキセン基含有樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂が挙げられる。
本発明に係るメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂は、基本的にメタキシリレンジアミンとアジピン酸よりなるポリアミド樹脂である。しかしながら、樹脂の酸素吸収性能を落とさない範囲で、具体的には15モル%以下の範囲内であれば他の成分との共重合体であっても良い。その際、共重合できるジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸、トリデカジオン酸、テトラデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、ヘキサデセンジオン酸、オクタデカジオン酸、オクタデセンジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコセンジオン酸、ドコサンジオン酸、3,2,4−トリメチルアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、キシリレンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
また、上記範囲内で共重合できるジアミンとしては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、オクタデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン類、シクロヘキサンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス−(4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、ビス−(4,4’−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環式ジアミン類、パラキシリレンジアミン等の芳香族ジアミン類が挙げられる。さらに、アミノカルボン酸として、ε−カプロラクタム、ラウロラクタム等のラクタム類や、アミノヘキサン酸、アミノウンデカン酸等上記範囲内で共重合することもできる。
このほかに上記範囲内において、上記ジカルボン酸類とともにエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、テトラメチレングリコール等のジオールを組み合わせることでポリエステル構造を共重合して共重合ポリエステルアミド構造にすることもできる。その他の構造を持つ共重合構造でも良いが、上述のように優れた酸素吸収性能を示すために、共重合成分の割合は15モル%以下であるのがよい。
本発明に係るメタキリレン基含有ポリアミドの相対粘度は、1.5〜4.0、好ましくは1.5〜3.0、より好ましくは1.7〜2.5、さらに好ましくは1.8〜2.0の範囲である。相対粘度が1.5未満では分子量が低くすぎて、多層成形体の機械的性質に劣ることがある。逆に相対粘度が4.0を超える場合は、重合に長時間を要し、ポリマーの劣化、ゲル化や好ましくない着色の原因となる場合があるだけでなく、生産性が低下しコストアップ要因となることがある。
また、本発明に係るメタキリレン基含有ポリアミドのチップの形状は、シリンダー型、角型、球状または扁平な板状等の何れでもよい。その平均粒径は通常1.0〜5mm、好ましくは1.2〜4.5mm、さらに好ましくは1.5〜4.0mmの範囲である。例えば、シリンダー型の場合は、長さは1.0〜4mm、径は1.0〜4mm程度であるのが実用的である。球状粒子の場合は、最大粒子径が平均粒子径の1.1〜2.0倍、最小粒子径が平均粒子径の0.7倍以上であるのが実用的である。また、チップの重量は3〜50mg/個の範囲が実用的である。
本発明に係るメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂は、熱安定性を改良する為にリン化合物やアルカリ金属化合物を配合することが望ましい。
リン化合物としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウムなどのホスフィン酸化合物、ホスホン酸ナトリウム、ホスホン酸カリウム、ホスホン酸リチウム、ホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウムなどのホスホン酸化合物、亜ホスホン酸、亜ホスホン酸ナトリウム、亜ホスホン酸リチウム、亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウムなどの亜ホスホン酸化合物、亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸リチウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニルなどの亜リン酸化合物が挙げられる。リン化合物の使用量は、リン原子の残存量として10〜400ppmの範囲が好ましい。
アルカリ化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、炭酸ナトリウムなどが挙げられるが、とりわけ、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムを使用するのが好ましい。アルカリ金属化合物の使用量は、アルカリ金属原子残存量として1〜1000ppmの範囲内にあることが好ましい。
また、リン原子含有量に対するアルカリ金属原子含有量のモル比は1〜7の範囲が好ましい。
前記リン化合物や前記アルカリ金属含有化合物を配合するには、メタキリレン基含有ポリアミドの重合前の原料、重合中にこれらを添加するかあるいは前記重合体に溶融混合してもよい。またこれらの化合物は同時に添加してもよいし、別々に添加してもよい。
また、本発明に係るメタキリレン基含有ポリアミドには、本発明の目的を損なわない範囲内で、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、染料、顔料、周期律表第8族の遷移金属、マンガン、銅などから選択された一種以上の金属原子を含む化合物を添加することができる。これらの添加剤を添加する方法としては前記の方法が用いられる。
本発明に係る二重結合を含有する樹脂としては、ポリブタジエンやポリイソプレンなどの二重結合を持つポリオレフィン樹脂、ポリブタジエンオリゴマーなどの酸素吸収性の低分子量ポリオレフィンオリゴマーを共重合させたポリエステル樹脂、芳香族ビニル化合物とジエン化合物とからの共重合樹脂が挙げられる。
例えば、ポリブタジエンは、ブタジエンの重合により得られる重合体であるが、重合体鎖中に、下記式
Figure 2008146803
で示される1,2−ブタジエン単位を含有しており、上記以外の単位として、下記式
Figure 2008146803
で示される1,4−ブタジエン単位とを有している場合もある。
また、酸素吸収性の低分子量ポリオレフィンオリゴマーを共重合させたポリエステル樹脂としては、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル)−1−ペンテンおよびポリブタジエンなどのポリオレフィノリゴマーセグメントとポリエチレンテレフタレートセグメントとからなる共重合ポリエステル樹脂であり、例えば、特許3657275号公報などに説明されている。
また、本発明に係るシクロヘキセン基含有樹脂としては、エチレン主鎖に環状オレフィン基を持つモノマーを共重合した樹脂が挙げられ、エチレン・メチルアクリレート・シクロヒキシニルメチルアクリレート樹脂が代表的なものである。これらについては、例えば、前記特許文献13に説明されている。
(熱可塑性樹脂B以外の副成分)
バリヤ性多層ポリエステル成形体に、さらに優れた酸素捕獲機能をもたせるためには、前記した通り、副成分が遷移金属化合物を含有する酸素吸収性副成分であることが望ましく、熱可塑性樹脂Bとしては、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂、二重結合を含有する樹脂あるいはシクロヘキセン基含有樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂を用いることが望ましい。
本発明に係る副成分は、本発明の作用効果が阻害されない範囲内で、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂、二重結合を含有する樹脂、シクロヘキセン基含有樹脂以外の各種の熱可塑性樹脂や添加剤を含有させてもよい。
熱可塑性樹脂としては、ガスバリヤ性樹脂が挙げられ、特にポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等が代表的な樹脂として例示されるが、これらの樹脂に限定されない。
上記ガスバリヤ性樹脂のうち、ポリビニルアルコール系樹脂は、ビニルエステルの単独重合体、またはビニルエステルと他の単量体との共重合体(特にビニルエステルとエチレンとの共重合体)を、アルカリ触媒等を用いてケン化して得られる。ビニルエステルとしては、酢酸ビニルが代表的な化合物として挙げられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等)も使用できる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂のビニルエステル成分のケン化度は、好適には90%以上であり、より好適には95%以上であり、さらに好適には97%以上である。ケン化度が90モル%未満では、高湿度下でのガスバリヤ性が低下する。また、上記ポリビニルアルコール系樹脂がEVOHである場合、熱安定性が不充分となり、成形時にゲル・ブツが発生し易くなる。
ガスバリヤ性樹脂のうち、ポリアミド樹脂の種類は特に限定されず、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン−6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウロラクタム(ナイロン−12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,10)等の脂肪族ポリアミド単独重合体;カプロラクタム/ラウロラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸共重合体(ナイロン−6/11)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミド共重合体(ナイロン−6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンセバカミド共重合体(ナイロン−6/6,6/6,10)等の脂肪族ポリアミド共重合体、ヘキサメチレンテレフタラミド/ヘキサメチレンイソフタラミド共重合体(ナイロン−6T/6I)等の部分芳香族ポリアミドが挙げられる。これらのポリアミド樹脂は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を混合して用いることもできる。
本発明に係るポリグリコール酸樹脂は、上記した通りである。
ポリ塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニルまたは塩化ビニリデンの単独重合体のほか、酢酸ビニル、マレイン酸誘導体、高級アルキルビニルエーテル等との共重合体が挙げられる。
ポリアクリロニトリル樹脂としては、アクリロニトリルの単独重合体のほか、アクリル酸エステル等との共重合体が挙げられる。
ガスバリヤ性樹脂として、これらのうちの1種を使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。その他の熱可塑性樹脂も本発明の目的を損なわない範囲で用いることが出来、これらの樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレンまたはプロピレン共重合体、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ1−ブテン等のポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアクリレート等が挙げられる。
本発明において使用される遷移金属化合物としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族金属成分が好ましいが、他に銅、銀等の第I族金属:錫、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属、バナジウムの第V族、クロム等VI族、マンガン等のVII族の金属成分を挙げることができる。これらの金属成分の内でもコバルト成分は、酸素吸収速度が大きく、本発明の目的に特に適したものである。
遷移金属化合物は、上記遷移金属の低価数の無機酸塩或いは有機酸塩或いは錯塩の形で一般に使用される。
無機酸塩としては、塩化物などのハライド、硫酸塩等のイオウのオキシ酸塩、硝酸塩などの窒素のオキシ酸塩、リン酸塩などのリンオキシ酸塩、ケイ酸塩等が挙げられる。
一方、有機酸塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩などが挙げられるが、カルボン酸塩が本発明の目的に好適であり、その具体例としては、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ギ酸、シュウ酸、スルファミン酸、ナフテン酸等の遷移金属塩が挙げられる。好ましくは、ネオデカン酸、ステアリン酸などの遷移金属塩が挙げられ、特にステアリン酸コバルトが好ましい。
本発明では、特に、遷移金属の有機酸塩を用いるのが好ましい。
一方、遷移金属の錯体としては、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとの錯体が使用され、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとしては、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、1,3−シクロヘキサジオン、メチレンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイルメタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメタン等を用いることができる。
これらの遷移金属化合物の配合量は、金属原子の含有量(副成分の重量に対する金属原子の重量)として1〜5000ppm、好ましくは10〜3000ppm、特に好ましくは100〜1000ppmである。
また、添加剤としては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤(溶融安定剤)、光開始剤、脱臭剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、フィラー、乾燥剤、充填剤、顔料、染料、加工助剤、防曇剤、他の高分子化合物等が挙げられる。
前記光開始剤は、本発明の成形体の中で、酸素吸収を開始または促進させるために使用される。光開始剤を含有する副成分に所望の時期に光を照射することにより、熱可塑性樹脂Bと酸素との反応の開始が促進されて、樹脂組成物の酸素吸収の誘導期が短縮され、その結果、樹脂組成物の酸素吸収機能を速やかに発現することが可能となる。ここで誘導期とは、本発明に係る副成分が充分に酸素の捕捉を開始するまでの時間である。
前記光開始剤としては、次の化合物が挙げられるが、これらに限定されない:ベンゾフェノン、o−メトキシベンゾフェノン、アセトフェノン、o−メトキシアセトフェノン、アセナフテンキノン、メチルエチルケトン、バレロフェノン、ヘキサノフェノン、α−フェニルブチロフェノン、p−モルホリノプロピオフェノン、ジベンゾスベロン、4−モルホリノベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、4−o−モルホリノデオキシベンゾイン、p−ジアセチルベンゼン、4−アミノベンゾフェノン、4′−メトキシアセトフェノン、α−テトラロン、9−アセチルフェナントレン、2−アセチルフェナントレン、10−チオキサントン、3−アセチルフェナントレン、3−アセチルインドール、9−フルオレノン、1−インダノン、1,3,5−トリアセチルベンゼン、チオキサンテン−9−オン、キサンテン−9−オン、7−H−ベンズ[de]アントラセン−7−オン、ベンゾインテトラヒドロピラニルエーテル、4,4′−ビス−(ジメチルアミノ)−ベンゾフェノン、1′−アセトナフトン、2′−アセトナフトン、2,3−ブタンジオン、ベンズ[a]アントラセン−7,12−ジオン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジブトキシアセトフェノン等。これらの化合物以外にも、例えばローズベンガル、メチレン青、テトラフェニルポルフィリン等の一重項酸素発生光増感剤、ポリ−(エチレン−一酸化炭素)およびオリゴ−[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)−フェニル]−プロパノン]等の重合体開始剤も光開始剤として使用することができる。
上記使用される光開始剤の量は、使用する熱可塑性樹脂Bの種類、使用する光の波長および強度、使用する酸化防止剤の性質および量、使用する光開始剤の種類、さらには、本発明に係る副成分の使用時の形態に応じて適宜選択すればよい。一般的には、光開始剤の使用量は樹脂組成物全体の0.01〜10重量%の範囲であることが好適である。
照射される光としては、例えば約250〜750ナノメートル(nm)の、好ましくは約300〜500nmの波長を有する紫外線または可視光が有用である。これらの光は比較的長い波長を有するため、コストおよび人体等への影響等の観点から好ましい。光の照射量としては、本発明に係る副成分に含有される熱可塑性樹脂B1gあたり0.1ジュール(J)以上であることが好ましく、通常は10〜100Jの範囲である。上記の光以外にも、約0.2〜20メガラド(Mrad)の、好ましくは約1〜10Mradの放射線量を有する電子線、イオン化放射線、例えばガンマ線、X線およびコロナ放電等が使用可能である。光の照射は、好ましくは酸素の存在下で行う。光の照射時間は、光開始剤の量および種類、成形物の形状(厚さ等)、酸化防止剤の量、ならびに光の波長および強度等に応じて、適宜選択すればよい。
前記脱臭剤は、本発明に係る副成分の酸素吸収に伴い発生する低分子の副生成物による臭気を主として吸着することにより低減させるために使用される。
脱臭剤の種類としては特に制限はないが、亜鉛化合物、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、鉄(II)化合物、亜鉛化合物およびケイ素化合物を含む組成物、亜鉛化合物およびアルミニウム化合物を含む組成物、有機酸類、鉄(II)化合物−有機酸組成物等が挙げられる。これらは単独で用いることもできるし、複数種の混合物または複塩であってもよい。
亜鉛化合物としては、ケイ酸亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、リン酸亜鉛、硝酸亜鉛、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、フマル酸亜鉛、ギ酸亜鉛等が挙げられる。
アルミニウム化合物としては、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム等が挙げられる。
ケイ素化合物としては、二酸化ケイ素、オルソリン酸ケイ素、ピロリン酸ケイ素−I型、ピロリン酸ケイ素−II型等のリン酸ケイ素化合物、活性シリカゲル等が挙げられる。
鉄(II)化合物としては、2価の鉄イオンを形成するものであれば特に制限はなく、例えば、硫酸鉄(II)、塩化鉄(II)、硝酸鉄(II)、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)等の無機塩、没食子酸鉄(II)、リンゴ酸鉄(II)、フマル酸鉄(II)等の有機塩が挙げられる。これらの中でも、硫酸鉄(II)、塩化鉄(II)が好ましい。
亜鉛化合物とケイ素化合物とを含む組成物(混合物または複塩)も好適に用いられる。この組成物の具体的な例としては、酸化亜鉛と二酸化ケイ素の比率が重量比で1:5〜5:1の範囲であり、大部分がアモルファスな構造を有している、ケイ酸亜鉛の実質的に不定形な微粒子が好ましい。酸化亜鉛と二酸化ケイ素の比率は、好ましくは1:4〜4:1の範囲、より好ましくは1:3〜3:1の範囲である。
亜鉛化合物とアルミニウム化合物との組成物もまた好適に用いられる。この組成物の具体的な例としては、酸化亜鉛および/または炭酸亜鉛と、硫酸アルミニウムおよび/または硫酸アルミニウムカリウムとの混合物が好ましく、亜鉛化合物100重量部に対してアルミニウム化合物1〜1000重量部、好ましくは30〜300重量部の割合で含有される。
有機酸類としては、炭素数8以上の有機酸、例えば脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ポリカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸が好ましく、特に芳香族ポリカルボン酸が好ましい。芳香族ポリカルボン酸の例としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリツト酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリツト酸、ベンゼンへキサカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ジフェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、アゾベンゼンテトラカルボン酸、その無水物等が挙げられる。これらの中でも、ベンゼントリカルボン酸、とりわけトリメリット酸が好ましい。
鉄(II)化合物−有機酸組成物に用いられる鉄(II)化合物としては、前記したような水に溶解して2価の鉄イオンを形成する化合物が使用できる。また、有機酸としては水に可溶なものであれば特に制限はなく、例えばアスコルビン酸(D体およびL体)、イソアスコルビン酸、その金属塩等のアスコルビン酸類、クエン酸、イソクエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等のカルボン酸類が挙げられる。これらの中でも、L−アスコルビン酸が好ましい。このとき、2種以上の鉄(II)化合物および/または2種以上の有機酸を混合して用いても差し支えない。
鉄(II)化合物−有機酸組成物は、両者が結合していることが好ましい。このような組成物は、例えば、両成分を混合、溶解した水溶液を噴霧乾燥、凍結乾燥等により乾燥し、粉末とすることにより調製することができる。鉄(II)化合物と有機酸との比率は重量比で1:0.01〜1:1の範囲が好ましく、1:0.02〜1:0.8がより好ましい。有機酸成分がアスコルビン酸類の場合は、鉄(II)化合物と有機酸との比率は重量比で1:0.02〜1:0.3の範囲が好ましく、1:0.02〜1:0.13がより好ましく、1:0.05〜1:0.13がさらに好ましい。また、鉄(II)化合物−有機酸組成物には脱臭機能の安定化剤としてミョウバンを、鉄(II)化合物と有機酸との合計量に対して2〜20重量%添加することが好ましい。ミョウバンとしては特に制限はないが、カリミョウバン、アンモニアミョウバン、ナトリウムミョウバンが好適である。
他の脱臭剤として、亜鉛化合物とポリカルボン酸とからなる金属化合物を安定化させた組成物、鉄(II)−フタロシアニン誘導体等の生体酵素モデル化合物、キリ、ヒイラギ、モクセイ、ツワブキ、フキ、ライラック、シナレンギヨウ、クリ、ハンノキ等の植物の樹木液または抽出成分、ゼオライト等のアルミノ珪酸塩、セピオライト、シロタイル、バリゴルスカイト、ラフリナイト等の含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物、活性フミン酸、活性アルミナ、活性炭等が使用され、多孔質吸着剤も使用可能である。
脱臭剤の含有量は、好適には樹脂組成物全体の0.1重量%以上、より好適には0.2〜50重量%、さらに好適には0.5〜10重量%である。
本発明に係る副成分中の各成分は混合され、多層成形体に加工される。本発明に係る副成分の各成分を混合する方法は特に限定されない。各成分を混合する際の順序も特に限定されない。前記の添加方法を用いることが特に好都合である。
(バリヤ性多層ポリエステル成形体)
本発明のバリヤ性多層ポリエステル成形体は、熱可塑性ポリエステル樹脂Aを含む基材成分からなるX層と、熱可塑性樹脂Bを含む副成分からなるY層とを、厚み方向に少なくとも3層以上積層された多層構造を有するバリヤ性多層ポリエステル成形体である。
バリヤ性多層ポリエステル成形体の厚み方向の層数は、好ましくは10層以上、さらに好ましくは100層以上であることを特徴とするバリヤ性多層ポリエステル成形体である。層数の上限値は100万層であり、これを超える層数にしても酸素透過率などの特性の向上は出来ない。層数が2層以下では、外観、落下試験、官能試験、金型汚れ、密着性が低下する傾向にある。
また、バリヤ性多層ポリエステル成形体の多層構造を形成する基材成分の含有量は、価格、バリヤ特性、機械的特性などを考慮して、好ましくは90〜10重量%、より好ましくは87〜55重量%、さらに好ましくは85〜58重量%、最も好ましくは80〜60重量%である。基材成分の含有量が90重量%を超えるとバリヤ性多層ポリエステル成形体の酸素透過率が基材成分の酸素透過率とあまり変わらなくなり効果がなくなる。また、10重量%未満ではバリヤ性多層ポリエステル成形体の機械的強度の悪化や価格の高騰などになり実用性に乏しくなるので好ましくない。ここで、基材成分の含有量とは、基材成分と副成分の合計重量に対する基材成分の重量で表したものである。
バリヤ性多層ポリエステル成形体の作製方法としては、射出成形の他、圧縮成形法、押出ブロー成形法、あらかじめ作成したシートを熱成形する方法などが挙げられる。
以下には、例として射出成形法による本発明のバリヤ性多層ポリエステル成形体の製法を説明する。
熱可塑性ポリエステル樹脂Aを含む基材成分(以下、成分Aと略称する)および熱可塑性樹脂Bを含む副成分(以下、成分Bと略称する)を、それぞれ異なる押出機A1およびB1に投入し、溶融する。溶融温度は、各成分にとって劣化や変質を起こさないものであれば構わない。ひとつの指標として、結晶性を示す樹脂成分の場合は、融点+(5℃〜30℃)、非晶性の樹脂成分の場合は軟化温度+(20℃〜150℃)である。
溶融した成分Aおよび成分Bは、溶融状態のまま、スタティックミキサに導かれ、成分Aを含有するX層と成分Bを含有するY層の積層体が形成されるが、溶融した成分Aおよび成分Bのスタティックミキサへの投入を容易にするためにフィードブロック法やマルチマニホールドTダイ法を使用することが好ましく、最も好ましくは溶融した成分Aおよび成分Bのスタティックミキサへの投入を容易にするために、スタティックミキサの前にフィードブロックを設置し、フィードブロックで一度成分Aおよび成分Bを合流させてから、スタティックミキサに導入することが好ましい。これにより、合流後の各成分の流れ方向の流量の吐出変動を防ぎ、各成分の偏析、多層構造の乱れ、厚み班、外観悪化、密着性の低下を防ぐことが出来るだけでなく、効果的に分割が可能である。
上記特許文献6(特開平1−139334号公報)に静止型混合攪拌装置を用いて2種の樹脂を多層化して得たパリソンやブロー成形容器が開示されているが、別々に溶融した2種の樹脂流が一つの配管中に射出されるために前記の混合装置に到達するまでにランダム状態に混合され、本発明で得られるような整然とした層状体が得られないと言う欠点がある。
本発明におけるスタティックミキサとは、配管内に、横長の長方形の板をその短辺同士のなす角(捩り角)が45度〜270度となるように捩じ曲げた形状のエレメントを、隣接するエレメントの短辺同士が交差するように交互に配列させた配管内混合装置のことである。1つのエレメントを溶融樹脂が通過する時、樹脂が2層に分割されると共に、各樹脂層に、エレメントの旋回方向とは逆方向への捩れが生じる。さらに、次のエレメントを通過すると、同様に樹脂の分割と捩れが生じ、4層に分割される。従って、成分Aと成分Bとを1層ずつ積層した状態で、スタティックミキサに導入すると、理論上は、最初のエレメントの短辺が積層面に水平であれば、n個のエレメントを通過すると2n層に、最初のエレメントの短辺が積層面に垂直であれば2n+1層になるが、実際には、流路径と長さ、エレメントの捩り角、捩り勾配、各成分の吐出量、各成分の粘度や表面張力などの溶融特性の影響で変化することもあり、連続した層にはならない場合がある。出来るだけ連続した層を多くするには使用する樹脂の溶融粘度や押出条件を適正化することが好ましい。
スタティックミキサのエレメントのL/D(配管長/配管の内径)比は、1.0〜3.0の範囲が好ましく、1.4〜2.0の範囲がより好ましい。L/D比が1.0より小さいと各成分の分割効率が悪くなり、3.0を超えるとミキサ内を通過する樹脂の滞留時間が長くなるため実用的ではない。
スタティックミキサのエレメントの捩り角は、45度以上とする。捩り角が45度未満では各成分層のねじりが不充分となるからである。捩り角は、90度以上がより好ましく、135度以上がさらに好ましい。捩り角の上限は315度がよい。315度を超えると過度のねじりによって、均一な多層構造が得られない。捩り角は270度以下が好ましく、215度以下がより好ましい。なお、均一な多層構造が得られないというのは、成分Bが球状や楕円状などの層状でない状態に分散された構造になることをいう。
また、スタティックミキサの配管側面を樹脂の進行方向に切断して展開した場合の、配管内壁とエレメントとのつなぎ目をたどる直線と、樹脂の進行方向とがなす角度、つまりエレメントの捩り勾配は、27度以上が好ましい。この捩り勾配が27度未満では樹脂層の捩り効果が少なく、樹脂に充分なねじりを与えるためにはL/D比を大きくしなければならないため、実用的ではない。捩り勾配は38度以上がより好ましく、42度以上がさらに好ましい。一方、捩り勾配が65度を超える場合は、樹脂の乱流が激しくなるため、多層構造が乱れるため好ましくない。捩り勾配は54度以下がより好ましく、50度以下がさらに好ましい。
スタティックミキサのエレメントの好ましい形状は、各成分の吐出量や溶融特性に応じて適宜選択することができ、また、スタティックミキサを通過する各成分の溶融特性の変化に対応して、形状の異なる複数のエレメントを組み合わせて用いることもできる。最も好ましいエレメントは、L/D=1.5、捩り角180度、捩り勾配46度のものである。
スタティックミキサのエレメントの配列は、エレメントの捩れ方向が、右旋回、左旋回、右旋回となるように、交互に方向を変えることが好ましい。均一な多層構造が得られるためである。また、隣接するエレメントを直角に交わるように配列することも、均一な多層構造が得られるためには好ましい。
スタティックミキサのエレメント数は、4以上が好ましく、より好ましくは6以上であり、さらに好ましくは8以上である。一方、当該エレメント数が大きくなりすぎると、多層構造の乱れが生じ、球状構造になりやすくなるため、当該エレメント数を24以下とすることが好ましく、18以下とすることがより好ましく、14以下とすることがさらに好ましい。
スタティックミキサに導入する成分Aと成分Bの配合割合は、分割、多層構造を効果的に形成する上で、90/10〜10/90重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは87/13〜55/45重量%、さらに好ましくは85/15〜58/42重量%、最も好ましくは80/20〜60/40重量%の範囲である。成分Aあるいは成分Bの配合割合が10重量%未満であると、多層構造の乱れが生じ、層の数が少なくなったり球状構造が発生したりするので好ましくない。
上記で説明したスタティックミキサの構造は1つの典型であり、本発明の目的を逸脱しない範囲で形状や配置を変更したり、また、スタティックミキサの前後や、そのエレメント間に別の装置を配置することも、もちろん可能である。例えば、樹脂配管よりも小径のスタティックミキサを配管内に2列以上並列させてもよい。
成分Aと成分Bとをスタティックミキサを通過させて積層した多層構造に、さらに、別の樹脂を合流させて積層させることもできる。これにより、前記多層構造のさらに最外層または最内層のうちの少なくとも一層が熱可塑性ポリエステル樹脂Aを含む層であるバリヤ性多層ポリエステル成形体を形成できる。ここで、最外層、最内層とは、成形体が容器等の場合、内容物側が最内層であり、反対側が最外層である。
また、フィードブロックを複数用いて、3層以上に積層した積層樹脂を、スタティックミキサに導いてさらに多層化することもできる。この場合には、フィードブロックでの積層数の分だけ、スタティックミキサのエレメント数を少なくすることができ、フィードブロックによる積層数は10層以内とすることが好ましい。
スタティックミキサの温度としては、各成分の樹脂成分が結晶性を示す場合には、融点+(5℃〜30℃)、非晶性を示す場合には、軟化温度+(20℃〜150℃)に設定するのがよく、最も好ましくは、溶融温度として採用した温度と同じ温度に設定する。
この積層体を溶融状態のまま、射出成形用金型に供給し、バリヤ性多層ポリエステル成形体を成形する。
また、前記多層構造において、最外層は、X層またはY層のいずれであってもよい。
また、前記の多層成形体を延伸温度において延伸成形することも可能である。
射出成形で得られた前記の多層成形体を、そのままあるいは口栓部、底部を加工後、それを再加熱し、ホットパリソン法あるいはコールドパリソン法などの二軸延伸ブロー成形法により延伸成形体を成形する。
熱可塑性ポリエステル樹脂AがPETである場合は、延伸温度は通常70〜120℃、好ましくは90〜110℃で、延伸倍率は通常縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜5倍の範囲である。得られた多層延伸中空成形体は、そのまま使用できるが、特に果汁飲料、ウーロン茶などのように熱充填を必要とする飲料の場合には一般的に、さらにブロー金型内で熱固定処理を行い、耐熱性を付与して使用される。熱固定は通常、圧空などによる緊張下、100〜200℃、好ましくは120〜180℃で、数秒〜数時間、好ましくは数秒〜数分間行われる。
本発明のバリヤ性多層ポリエステル成形体において、熱可塑性ポリエステル樹脂AがPETで、内容物の香味保持性が問題になる場合には、そのアセトアルデヒド含有量は50ppm以下、好ましくは20ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。アセトアルデヒド含有量が50ppmを超える場合には、多層ポリエステル成形体の香味保持性が悪くなる。また、多層ポリエステル成形体中のアセトアルデヒド含有量の下限値は3ppmであり、これ以下に低減するには経済性の点で問題である。
本発明の多層ポリエステル成形体を得る場合、アルデヒド低減剤としてポリアミド、ポリエステルアミド、低分子量のアミノ基含有化合物、水酸基含有化合物、ヒンダートフェニール系化合物、ヒンダートアミン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ポリフェノール系化合物、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アルカリ金属塩を熱可塑性ポリエステル樹脂Aに配合することができ、好ましくはポリアミド、ベンゾフェノン系化合物、ポリエステルアミド、リン系安定剤、低分子量のアミノ基含有化合物、水酸基含有化合物、ベンゾフェノン系化合物、ヒンダートフェニール系化合物、ヒンダートアミン系化合物を配合することができる。最も好ましくは、ポリアミド、ポリエステルアミド、低分子量のアミノ基含有化合物であって、得られた多層ポリエステル成形体のヘイズが良好である。
これらのポリアミド化合物、低分子量アミノ基含有化合物、あるいは水酸基含有化合物などのアルデヒド低減剤は、単独で用いても良いし、適当な割合で混合して用いても良い。
前記アルデヒド低減剤は、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部用いることができる。
前記アルデヒド低減剤は、ポリエステルの低重合度オリゴマーの製造からポリエステルポリマーの製造の任意の反応段階に於いて所定量のアルデヒド低減剤を添加することによって配合することができる。例えば、前記のアルデヒド低減剤を細粒、粉状、溶融体など適当な形としてエステル化反応器や重縮合反応器などの反応器に添加したり、前記の反応器から次工程の反応器への前記ポリエステルの反応物の輸送配管中に前記アルデヒド低減剤またはこれと前記ポリエステルとの混合物を溶融状態で導入したりして配合できる。さらには必要に応じて得られたチップを高真空下または不活性ガス雰囲気下で固相重合することも可能である。
また、従来公知の方法により熱可塑性ポリエステル樹脂とアルデヒド低減剤を混合する方法などによって得ることもできる。例えば、ポリアミドチップとポリエステルチップとをタンブラー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等でドライブレンドしたもの、さらにドライブレンドした混合物を一軸押出機、二軸押出機、ニーダー等で1回以上溶融混合したもの、さらには必要に応じて溶融混合物からのチップを高真空下または不活性ガス雰囲気下で固相重合したものなどが挙げられる。
さらに、前記ポリアミドなどをヘキサフロロイソプロパノールなどの溶剤に溶解させた溶液をポリエステルのチップの表面に付着させる方法、前記ポリアミド製の部材が存在する空間内で、前記ポリエステルを前記部材に衝突接触させて前記ポリエステルチップ表面に前記ポリアミドを付着させる方法などが挙げられる。
本発明のバリヤ性多層ポリエステル成形体は、各種の内容物を充填した包装容器用のバリヤ性多層ポリエステル成形体として用いることにより、清涼飲料(炭酸飲料、果汁飲料、スポーツ飲料等)、アルコール飲料、コーヒー飲料、茶飲料、ミネラルウォーター、ドレッシング、焼き肉等用タレ、調味用ソース、マヨネーズ、サラダ油及びゴマ油等の食料及び飲料、医薬品、農薬等及び酸素の存在によって品質が悪化しやすい内容物の長期保存性に問題なく、包装バリヤ性多層ポリエステル成形体として特に好適である。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお、主な特性値の測定法を以下に説明する。ポリエステルの組成や各特性は、チップを冷凍粉砕して十分に混合した後、測定した。
(1)ポリエステル(PET)の極限粘度(IV)
1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノ−ル(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。
(2)ポリエステル(PET)のジエチレングリコ−ル含有量(以下[DEG含有量」という)
メタノ−ルにより分解し、ガスクロマトグラフィ−によりDEG量を定量し、全グリコ−ル成分に対する割合(モル%)で表した。
(3)ポリエステル(PET)の環状三量体の含有量(以下「CT含有量」という)
冷凍粉砕した試料300mgをヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォルム混合液(容量比=2/3)3mlに溶解し、さらにクロロフォルム30mlを加えて希釈した。これにメタノ−ル15mlを加えてポリマーを沈殿させた後、濾過した。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムアミド10mlで定容とし、高速液体クロマトグラフ法により環状三量体を定量した。
(4)ポリエステル(PET)、多層成形体のアセトアルデヒド含有量(以下「AA含有量」という)
試料/蒸留水=1グラム/2ccを窒素置換したガラスアンプルに入れた上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィ−で測定し、濃度(試料の重量に対するAAの重量)をppmで表示した。成形体の場合は底部からサンプルを採取した。
(5)ポリエステル(PET)の溶融時の環状三量体増加量(△CT量)
成形体の底部から約1〜3mm程度の大きさの細片を切り取り、次いで乾燥させた後、このポリエステル試料3gをガラス製試験管に入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸漬させ溶融させた。溶融時の環状三量体増加量は、次式により求めた。
溶融時の環状三量体増加量(重量%)=
溶融後の環状三量体含有量(重量%)−溶融前のプリフォームの環状三量体含有量(重量%)
(6)溶融粘度
東洋精機(株)製のキャピログラフを用いて(D=0.5mm、L=5mmのノズル)、剪断速度100/秒で測定した。
但し、測定温度は、
Ny−MXD6系樹脂=250℃
EVAL=210℃
PGA樹脂=240℃
(7)酸素透過量
試料(部分芳香族ポリアミド樹脂、EVAL、PGA樹脂)を押出機で溶融押出したシートを2軸延伸して得られた延伸フィルム(20μm)について、モダン・コントロール社(米国)製Ox−Tran10/50型酸素透過率測定装置により、温度25℃、0%RHの条件でJIS K7126Bに準じて20μm厚みに換算した酸素透過量(ml/m・day.atm)を求めた。
(8)多層成形体の層数
多層成形体内部の層数は、透過型電子顕微鏡を用いて観察して求めた。まず、多層成形体のほぼ中央から断面が全て含まれるように切片を切り取り、これをエポキシ樹脂中に包埋した。用いたエポキシ樹脂としては、ルアベック812、ルアベックNMA(以上ナカライテスク社製)、DMP30(TAAB社製)をそれぞれ100:89:3の割合で良く混合したものを用いた。次に、サンプルを上述の混合樹脂中に包埋後、温度60℃に調整したオーブン中で16時間放置し、樹脂を硬化せしめ包埋ブロックを得た。
得られた包埋ブロックを、日製産業製ウルトラカットNに取り付け超薄切片を作成した。まず、ガラスナイフを用いて多層成形体の観察に供したい部分の断面がレジン表面に現れるまでトリミングを実施した。次に、ダイアモンドナイフ(住友電工製スミナイフSK2045)を用いて超薄切片を切りだした。切りだした切片はメッシュ上に回収した後、室温で四酸化ルテニウム蒸気中に30分間静置して染色し、薄くカーボン蒸着を施した。
電子顕微鏡観察は、日本電子製JEM−2010を加速電圧200kV、4万倍の条件で実施した。得られた像はイメージングプレート(フジ写真フィルム製FDL UR−V)上に記録した。イメージングプレート上に記録した信号をデジタルルミノグラフィー(日本電子製PixsysTEM)を用いて読み出し、ウインドウズ(登録商標)パソコン上にデジタルの画像情報として記録し、確認される層の数を数えた。なお、層数は、多層成形体からの超薄膜切片の電子顕微鏡写真の中央の100μm幅の視野中に存在する層状に存在する層の数を数え、多層成形体の断面厚みに換算して層数とした。この操作を10回繰り返し、平均値を層数とした。
なお層数とは、基材成分の層と副成分の層が交互に積層されている形態では、重量比の少ない成分(本実施例では副成分)の層の数を言う。よって、基材成分と副成分が交互に積層していない形態では、層数は0となる。
(9)多層成形体の酸素透過率
得られた多層成形体の胴部から5cm角の試料(縦延伸2.0倍、円周方向3.0倍に延伸された部分)を切り出し、温度23℃、88%RHの条件でJIS K7126Bに準じて日立ハイテクシステム(株)のシート用アダプターを取り付けたモダン・コントロール社(米国)製Ox−Tran10/50型酸素透過率測定装置により、成形10日後及び成形1ヵ月後の酸素透過率(ml・mm/m・day・atm)を求めた。特に記載がない場合は、多層成形体の成形直後に測定した値である。
(10)落下試験
ブロー成形によって得られた容器に水を充填し、5mの高さからコンクリート上に落下させ、容器中央部の器壁を目視で観察し、以下のように評価した。
◎ : 変化なし
○ : 成形体にへこみはあるが、剥離はない
× : 層間剥離が発生
(11)密着性テスト
得られた多層成形体の胴部から5cm角の試料(縦延伸2.0倍、円周方向3.0倍に延伸された部分)を切り出した。この試料を用いて、処理前[初期の値]と処理(温度80℃、88%RHの条件で1ヶ月保存)後[1ヵ月後の値]の密着性テストを、JIS K 5400の碁盤目テープ法に基づいて行った。カッターナイフはオルファ(株)製L型(11SP)を用いた。セロハン粘着テープはニチバン製セロテープ(登録商標)CT−24Fを用いた。切れ目は縦横各11本の2mm間隔の直交する切れ目とし、格子状に一辺の長さ2mmの正方形を100個作った。その他は、JIS K 5400に準じて行った。剥がれた升目の数を数えた。一部でも剥がれたものは剥がれた数に数えた。
(12)官能試験
多層成形体に沸騰した蒸留水を入れ密栓後30分保持し、室温へ冷却し室温で1ヶ月間放置し、開栓後風味、臭いなどの試験を行った。
比較用のブランクとして、蒸留水を使用した。官能試験は10人のパネラーにより次の基準により実施し、平均で比較した。
(評価基準)
◎ : 異味、臭いを感じない
○ : ブランクとの差をわずかに感じる
△ : ブランクとの差を感じる
× : ブランクとのかなりの差を感じる
×× : ブランクとの非常に大きな差を感じる
(13)外観
得られた多層成形体を目視で観察し、以下のように評価した。
(評価基準)
◎ : 光沢が非常に良好、表面が荒れていない
○ : 光沢が良好で表面が荒れていない
× : 光沢がなく、表面が荒れている
[基材成分]
(使用した熱可塑性ポリエステル樹脂A)
熱可塑性ポリエステル樹脂Aとして、使用したPETの特性を表1に示す。
(PET(A))
予め反応物を含有している第1エステル化反応器に、高純度テレフタル酸とエチルグリコールを連続的に供給し、撹拌下、約250℃、0.5kg/cmGで平均滞留時間3時間反応を行った。また、結晶性二酸化ゲルマニウムを水に加熱溶解し、これにエチレングリコールを添加加熱処理した触媒溶液及び燐酸のエチレングリコール溶液を別々にこの第1エステル化反応器に連続的に供給した。この反応物を第2エステル化反応器に送付し、撹拌下、約260℃、0.05kg/cmGで所定の反応度まで反応を行った。このエステル化反応生成物を連続的に第1重合反応器に送り、撹拌下、約265℃、25torrで1時間、次いで第2重合反応器で撹拌下、約265℃、3torrで1時間、さらに第3重合反応器で撹拌下、約275℃、0.5〜1torrで重合させた。得られたPET樹脂の極限粘度(IV)は0.53デシリットル/グラム、DEG含有量は2.5モル%、CT含有量は1.0重量%であった。
この樹脂をファイン除去後、引き続き窒素雰囲気下、約155℃で結晶化し、さらに窒素雰囲気下で約200℃に予熱後、連続固相重合反応器に送り窒素雰囲気下約208℃で固相重合した。固相重合後篩分工程およびファイン除去工程で連続的に処理しファインを除去した。
得られたPETの特性を表1に示す。PET(A)が含有するCT含有量は、溶融重縮合ポリエステルのCT含有量の37%であった。
(PET(B))
前記のPET(A)を処理水温度95℃に温度管理された水処理槽で約3時間連続的に水処理した。
得られたPETの特性を表1に示す。PET(B)が含有するCT含有量は、溶融重縮合ポリエステルのCT含有量の36%であった。
(PET(C))
溶融重縮合条件及び重縮合触媒の添加量を変更する以外はPET(A)と同様にしてIV=0.60デシリットル/グラム、DEG含有量は4.0モル%、CT含有量は1.0重量%のプレポリマーを製造し、これをPET(A)の場合よりも短い時間固相重合してPET(C)を得た。
得られたPETの特性を表1に示す。PET(C)が含有するCT含有量は、溶融重縮合ポリエステルのCT含有量の58%であった。
(PET(D))
重縮合触媒の添加量を増量し、また溶融重縮合時間を延長すること以外はPET(A)と同様にして溶融重縮合してPET(D)を得た。固相重合せずに試験に供した。
得られたPETの特性を表1に示す。PET(D)が含有するCT含有量は、溶融重縮合ポリエステルのCT含有量の100%となる。
Figure 2008146803
[副成分]
(使用した熱可塑性樹脂B)
熱可塑性樹脂Bとして、使用した樹脂の特性を表2に示す。
(部分芳香族ポリアミド樹脂;Ny−MXD6)
試験に使用した部分芳香族ポリアミドの特性を表2に示す。
Ny−MXD6(a)は、メタキシリレンジアミンとアジピン酸の約80重量%以上の濃度の水溶液を用いて、原料調合工程、アミド化反応工程、初期重縮合反応工程および後期重縮合反応工程から構成される回分式重縮合反応装置によって、製造時間約120分間以内で重縮合時間を適宜変更して得た。リン原子含有化合物として次亜リン酸ナトリウムを添加した(P残存量=200ppm、Na含有量=440ppm)。なお、ナトリウム量としては次亜リン酸ナトリウムと水酸化ナトリウムのナトリウム原子の合計量としてリン原子の約3倍モルになるようにした。
Ny−MXD6/MXDI(b)は、Ny−MXD6(a)と同一装置を用いて、原料としてメタキシリレンジアミン、アジピン酸、イソフタル酸を表2の組成に対応するように調整した原料組成物の約80重量%以上の濃度の水溶液を用いて、製造時間約120分間以内で重縮合して得た。
(エチレンビニールアルコール共重合樹脂;EVAL)
(株)クラレのエバール、T101を用いた。
(ポリグリコール酸;PGA)
グリコリドを、塩化スズ触媒を用いて170℃で開環重合して得た。
樹脂特性を表2に示す。
(使用したポリカプロアミド;Ny6)
東洋紡績(株)製の溶融粘度5000Pa・sのNy6を用いた。
Figure 2008146803
[酸素吸収性副成分]
(使用したメタキシリレン基含有ポリアミド樹脂を含む酸素吸収性副成分)
酸素吸収性樹脂として東洋紡績(株)のT−600を用いた。
前記のT−600とネオデカン酸コバルトを、Co量としてT−600に対して300ppmになるよう混合し、2軸押出機で溶融混練して酸素吸収性副成分のチップを作製した。「Ny−MXD6/Co化合物」と称する。
(使用した二重結合含有樹脂を含む酸素吸収性副成分)
乾燥した前記のPET(A)を2軸押出機で窒素雰囲気中において溶融させ、ヒドロキシ末端基含有ポリブタジエンとして日石化学社製のB−3000を、PETに対して4重量%およびネオデカン酸コバルトをCo量としてPETに対して300ppmになるようにポンプでベントラインの真空吸引口へ供給して溶融PETと270〜280℃に維持しながら反応させて酸素吸収性副成分を得た。なお、B−3000とネオデカン酸コバルトは予め混合して用いた。IVは0.78dl/gであった。「PES−BD/Co化合物」と称する。
(遷移金属化合物)
ネオデカン酸コバルトとしては、大日本インキ化学工業(株)製のDICNATE50000を用いた。
(実施例1)
基材成分(成分A)としてPET(A)のチップを押出機Aに投入し、280℃で溶融した。一方で、副成分(成分B)としてNy−MXD6(a)チップを押出機Bに投入し、260℃で溶融した。両押出機で溶融した樹脂を、280℃のフィードブロックに導き、成分比率がA/B=60/40(質量比)となるように2分割し、さらに、280℃のスタティックミキサ(ノリタケカンパニー製、12エレメント、内径38.4mm、1エレメントのL/D=1.5、1エレメントの捩り角180度、捩り勾配46度)にて積層化した。次いで射出成形機の貯槽に導き、約20℃の金型に射出成形して予備成形体を得た。次いで、口栓部を自家製の赤外線ヒ−タ−によって180秒間熱処理した後、型ピンを挿入して口栓部の加熱結晶化処理を行った。次にこの予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−01E成形機により100℃で二軸延伸ブローし、引き続き約150℃に設定した金型内で約5秒間熱固定し、容量が500ccの中空多層容器を成形した。また、上記の延伸ブロー・熱固定を1000ショット行った後の金型の汚染状況を肉眼で観察し、汚れが殆ど無いことを確認した(金型汚れは◎で表示)。
結果を表3に示す。落下試験、密着性テスト共に非常に良好な結果であり、特に1ヶ月放置後も密着性が良好で、さらに酸素透過率も低く、結果は問題なかった。
(実施例2)
スタティックミキサのエレメント数を変更する以外は、実施例1と同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表3に示す。結果は、実施例1同様、問題なかった。
(実施例3)
Ny−MXD6(a)の替わりにNy−MXD6/MXDI(b)を用いる以外は、実施例1と同様にして成形体を成形した。
結果を表3に示す。結果は、実施例1同様、問題なかった。
(実施例4)
成分比率を表3のように変更する以外は、実施例1と同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表3に示す。結果は、実施例1同様、問題なかった。
(実施例5)
成分比率を表3のように変更する以外は、実施例1と同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表3に示す。結果は、実施例1同様、問題なかった。
(実施例6)
副成分としてEVAL樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表3に示す。結果は、実施例1同様、問題なかった。
(実施例7)
副成分としてPGA樹脂を用いる以外は、実施例1と同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表3に示す。結果は、実施例1同様、問題なかった。
(実施例8)
PET(B)を用いる以外は、実施例1と同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表3に示す。結果は、実施例1同様、問題なかった。
(実施例9)
PET(C)を用いる以外は、実施例1と同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表4に示す。結果は、実施例1同様、問題なかった。
(実施例10)
PET(A)のチップを押出機Aに投入し、280℃で溶融した。一方で、Ny−MXD6(a)チップを押出機Bに投入し、260℃で溶融した。両押出機で溶融した樹脂を成分比率がA/B=60/40(質量比)となるように2分割し、さらに、280℃のスタティックミキサ(ノリタケカンパニー製、12エレメント、内径38.4mm、1エレメントのL/D=1.5、1エレメントの捩り角180度、捩り勾配46度)にて積層化した。次いで射出成形機の貯槽に導き、約20℃の金型に射出成形して予備成形体を得た。次いで、口栓部を自家製の赤外線ヒ−タ−によって180秒間熱処理した後、型ピンを挿入して口栓部の加熱結晶化処理を行った。次にこの予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−01E成形機により100℃で二軸延伸ブローし、引き続き約150℃に設定した金型内で約5秒間熱固定し、容量が500ccの中空多層容器を成形した。また、上記の延伸ブロー・熱固定を1000ショット行った後の金型の汚染状況を肉眼で観察し、汚れが殆ど無いことを確認した(金型汚れは◎で表示)。
結果を表4に示す。落下試験、密着性テストがやや悪くなる傾向にあるが、概ね結果は問題なかった。
(比較例1)
PET(A)チップ単独を単一の押出機Aに投入して280℃で溶融し、スタティックミキサを使用せずに、実施例1と同様にして中空容器を成形した。密着性テストは実施しなかった。
結果を表4に示す。酸素透過率が高く問題であった。
(比較例2)
副成分としてNy6を用い、スタティックミキサのエレメント数を変更する以外は、実施例1と同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表4に示す。落下試験では層間剥離が生じ、密着性テストも悪く、また酸素透過率も高く、問題であった。
(比較例3)
PET(A)とNy−MXD6(a)とを単一の押出機Cに60/40の重量比率で投入して280℃で溶融し、スタティックミキサを使用せずに、それ以外は実施例1と同様にして中空容器を成形した。
結果を表4に示す。落下試験では層間剥離が生じ、密着性テストも悪く、また酸素透過率も高く、問題であった。
(比較例4)
PET(D)を用い、スタティックミキサのエレメント数を変更する以外は、実施例1と同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表4に示す。落下試験では層間剥離が生じ、金型汚れが酷く(×で表示)、官能試験も悪く、さらに酸素透過率も高く問題であった。
(比較例5)
PET(D)を用いる以外は実施例1と同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表4に示す。落下試験では問題なかったが、密着テストは悪かった。また、金型汚れが酷く(×で表示)、官能試験も悪かった。
Figure 2008146803
Figure 2008146803
以下、副成分として、酸素吸収性副成分を用いた実施例である。
(実施例1a)
基材成分(成分A)としてPET(A)のチップを押出機Aに投入し、窒素雰囲気中において280℃で溶融した。一方で、酸素吸収性副成分(成分B)であるNy−MXD6とコバルト化合物との混練チップを押出機Bに投入し、窒素雰囲気中において260℃で溶融した。両押出機で溶融した樹脂を、280℃のフィードブロックに導き、成分比率がA/B=60/40(質量比)となるように2分割し、さらに、280℃のスタティックミキサ(ノリタケカンパニー製、12エレメント、内径38.4mm、1エレメントのL/D=1.5、1エレメントの捩り角180度、捩り勾配46度)にて積層化した。次いで射出成形機の貯槽に導き、約20℃の金型に射出成形して予備成形体を得た。次いで、口栓部を自家製の赤外線ヒ−タ−によって180秒間熱処理した後、型ピンを挿入して口栓部の加熱結晶化処理を行った。次にこの予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−01E成形機により100℃で二軸延伸ブロー(縦延伸2.0倍、円周方向3.0倍)し、引き続き約150℃に設定した金型内で約5秒間熱固定し、容量が500ccの中空多層容器を成形した。また、上記の延伸ブロー・熱固定を1000ショット行った後の金型の汚染状況を肉眼で観察し、汚れが殆ど無いことを確認した(金型汚れは◎で表示)。
結果を表5に示す。落下試験、密着性テスト共に非常に良好な結果であり、特に1ヶ月放置後も密着性が良好で、さらに酸素透過率も低く、結果は問題なかった。
(実施例2a)
スタティックミキサのエレメント数を変更する以外は、実施例1aと同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表5に示す。結果は、実施例1a同様、問題なかった。
(実施例3a、4a)
成分比率を表5のように変更する以外は、実施例1aと同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表5に示す。結果は、実施例1a同様、問題なかった。
(実施例5a)
酸素吸収性副成分としてPES−BD/Co化合物を用いる以外は、実施例1aと同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表5に示す。結果は、実施例1a同様、問題なかった。
(実施例6a)
PET(B)を用いる以外は、実施例1aと同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表5に示す。結果は、実施例1a同様、問題なかった。
(実施例7a)
PET(C)を用いる以外は、実施例1aと同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表5に示す。結果は、実施例1a同様、問題なかった。
(実施例8a)
PET(A)のチップを押出機Aに投入し、窒素雰囲気中において280℃で溶融した。一方で、酸素吸収性副成分であるNy−MXD6とコバルト化合物との混練チップを押出機Bに投入し、窒素雰囲気中において260℃で溶融した。両押出機で溶融した樹脂を、成分比率がA/B=60/40(質量比)となるように2分割し、さらに、280℃のスタティックミキサ(ノリタケカンパニー製、12エレメント、内径38.4mm、1エレメントのL/D=1.5、1エレメントの捩り角180度、捩り勾配46度)にて積層化した。次いで射出成形機の貯槽に導き、約20℃の金型に射出成形して予備成形体を得た。次いで、口栓部を自家製の赤外線ヒ−タ−によって180秒間熱処理した後、型ピンを挿入して口栓部の加熱結晶化処理を行った。次にこの予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−01E成形機により100℃で二軸延伸ブロー(縦延伸2.0倍、円周方向3.0倍)し、引き続き約150℃に設定した金型内で約5秒間熱固定し、容量が500ccの中空多層容器を成形した。また、上記の延伸ブロー・熱固定を1000ショット行った後の金型の汚染状況を肉眼で観察し、汚れが殆ど無いことを確認した(金型汚れは◎で表示)。
結果を表6に示す。落下試験、密着性テストがやや悪くなる傾向にあるが、結果は概ね問題なかった。
(実施例9a)
スタティックミキサのエレメント数を変更する以外は、実施例1aと同様にして中空多層容器を成形した。実施例1aと同様の延伸ブロー・熱固定を1000ショット行った後の金型の汚染状況を肉眼で観察し、汚れが僅かであることを確認した(金型汚れは○で表示)。
結果を表6に示す。落下試験、密着性テストがやや悪くなる傾向にあるが、結果は概ね問題なかった。
(比較例1a)
PET(A)チップ単独を単一の押出機Aに投入して280℃で溶融し、スタティックミキサを使用せずに、実施例1aと同様にして中空容器を成形した。密着性テストは実施しなかった。
結果を表6に示す。酸素透過率が高く問題であった。
(比較例2a)
PET(A)とNy−MXD6/Co化合物とを単一の押出機Cに60/40の重量比率で投入して窒素雰囲気中において280℃で溶融し、スタティックミキサを使用せずに、実施例1aと同様にして中空容器を成形した。
結果を表6に示す。落下試験では層間剥離が生じ、密着性テストも悪く、また酸素透過率も高く、問題であった。
(比較例3a)
PET(D)を用い、スタティックミキサのエレメント数を変更する以外は、実施例1aと同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表6に示す。落下試験では層間剥離が生じ、金型汚れが酷く(×で表示)、官能試験も悪く、さらに酸素透過率も高く問題であった。
(比較例4a)
PET(D)を用いる以外は、実施例1aと同様にして中空多層容器を成形した。
結果を表6に示す。落下試験では概ね問題なかったが、密着テストは悪かった。また、金型汚れが酷く(×で表示)、官能試験も悪かった。
Figure 2008146803
Figure 2008146803
本発明のバリヤ性多層ポリエステル成形体は、ガスバリヤ性および層間剥離がなく、また機械的特性に優れており、さらには優れた酸素捕獲機能を有し、特に食品用容器として好適である。

Claims (14)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂Aを含む基材成分と、熱可塑性樹脂Bを含む副成分とを、それぞれ別々の押出機で溶融し、溶融状態のまま基材成分および副成分をスタティックミキサ経由で成形して得た多層構造の層を主として含むバリヤ性多層ポリエステル成形体であって、前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aが含有する環状エステルオリゴマー含有量が、溶融重縮合ポリエステルの環状エステルオリゴマー含有量の70%以下であり、かつ、前記多層構造の層において前記基材成分からなるX層と前記副成分からなるY層とが厚み方向に少なくとも3層以上積層されたことを特徴とするバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  2. 前記基材成分と前記副成分とを、それぞれ溶融状態で、スタティックミキサの前に設置したフィードブロックで合流させてから、スタティックミキサ経由で成形することを特徴とする請求項1に記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  3. スタティックミキサに導入する基材成分と副成分の配合割合が、重量比で90/10〜10/90の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  4. 前記多層構造のさらに最外層または最内層のうちの少なくとも一層として、前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aを含む層を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  5. 前記基材成分が熱可塑性ポリエステル樹脂Aであり、前記副成分が熱可塑性樹脂Bであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  6. 前記熱可塑性樹脂Bのフィルム厚み20μm換算値の酸素透過率が、10ml/m・day・atm以下であることを特徴とする請求項5に記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  7. 酸素透過率が1ml・mm/m・day・atm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  8. 前記副成分が、遷移金属化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  9. 前記熱可塑性樹脂Bが、メタキシリレン基含有ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  10. 前記熱可塑性樹脂Bが、二重結合を含有する樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  11. 前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aのアルデヒド類の含有量が30ppm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  12. 前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aを290℃の温度で60分間溶融したときの環状エステルオリゴマー増加量が0.40重量%以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  13. 前記熱可塑性ポリエステル樹脂Aが、主としてエチレンテレフタレート単位を繰返し単位として含有する熱可塑性ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
  14. アセトアルデヒド含有量が50ppm以下であることを特徴とする請求項13に記載のバリヤ性多層ポリエステル成形体。
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