JPWO2008050691A1 - 2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの製造方法 - Google Patents

2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの製造方法 Download PDF

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Abstract

2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドおよび3,7−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの合計に対する3,7−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの比率が30モル%以下である2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドは、特に光学機能性材料などとして有用であり、このような2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドを工業的に有利な方法で製造する。具体的には、2,6−ジメチルナフタレンを一酸化炭素によりホルミル化させて2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドを製造する方法において、2,6−ジメチルナフタレンに対してフッ化水素5〜100倍モルおよび三フッ化ホウ素0.5〜3.5倍モルの存在下、反応温度35〜70℃にて実施する。

Description

本発明は、各種の工業化学原料、医薬、農薬、光学機能性材料や電子機能性材料の原料などとして有用な2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの製造方法に関する。
これまで、ナフトアルデヒドを合成する一般的な方法は、2,7−ジメチルナフタレンをハロゲン化剤と反応させてモノハロゲン化し、得られた7−メチル−2−ハロゲノメチルナフタレンを酸化することにより7−メチル−1−ナフトアルデヒドを製造する方法(特許文献1参照)、芳香族ハロメチル化合物と硝酸とを界面活性剤の存在下に反応させることにより芳香族アルデヒド類を製造する方法(特許文献2参照)、塩化水素、シアン化亜鉛およびジメチルナフタレンの混合物へ塩化アルミニウムを添加することによりジメチルナフトアルデヒドを製造する方法(非特許文献1参照)、およびシアン化水素および塩化アルミニウムの存在下にアルキルナフタレンをアルキルナフトアルデヒドへ変換する方法(非特許文献2参照)が知られている。さらに、ジアルキルベンゼンからジアルキルベンズアルデヒドを製造する方法としては、フッ化水素および三フッ化ホウ素からなる触媒を用いてジアルキルベンゼンと一酸化炭素を反応させる方法が知られている(特許文献3参照)。
特開平08−268990号公報 特開昭50−117737号公報 米国特許第4460794号明細書 F.M.Aslam and P.H.Gore、「J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I」、1972年、p.892および893 L.E.Hinkel,E.E.Ayling and J.H.Beynon、「J.Chem.Soc.」、1936年、p.339および342
特許文献1に記載の方法では、N−ブロムスクシンイミド等のハロゲン化剤が好ましいとして使用されているが、N−ブロムスクシンイミド等は高価であるため、経済的に不利であるという問題がある。さらに、酸化工程ではアミンを使用するため環境負荷が大きく、大量生産が困難という問題もある。また、特許文献1および2に記載の方法は、そもそもメチル基自体をホルミル基に変換する方法であり、芳香族環にメチル基を残しながら、メチル基を有さない部位へホルミル基を導入する方法は開示されていない。
非特許文献1または非特許文献2に記載の方法では、環境負荷が大きいシアン化合物を使用するため、工業的な規模で実施することは現実的に困難であり、さらには反応活性が低く、生産性が低いという問題がある。
特許文献3に記載の方法は、触媒の回収も容易であり、工業的に実施する上で有望な方法であることから、本発明者等は、特許文献3に記載の条件範囲内で、2,6−ジメチルナフタレンを原料としてホルミル基の導入を試みた。すると、光学機能性材料として利用される2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドとほぼ等量の3,7−ジメチル−1−ナフトアルデヒドが副生した。両者は沸点が近いため蒸留で分離することが困難であり、また、高段数の精密蒸留での分離を行なうとしても、副生成物である3,7−DMNALの有効利用が図られない限り経済的な方法とは言えない。光学機能性材料として2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドを利用するには、3,7−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの含有率を30モル%以下とする必要があるこのため、2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドを安定して高選択的に製造する方法の開発が望まれていた。
発明者等は、上記問題に着目し、フッ化水素および三フッ化ホウ素からなる触媒を用いて、2,6−ジメチルナフタレンと一酸化炭素から2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドを安定して高選択的に製造する方法について鋭意検討を行った結果、2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドおよび3,7−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの合計に対する3,7−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの比率はホルミル化反応時に決定し、蒸留精製等では変化しないこと、およびかかる比率を恒常的に30モル%以下に抑えるホルミル化反応条件があることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、2,6−ジメチルナフタレンを一酸化炭素によりホルミル化させて2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドを製造する方法において、2,6−ジメチルナフタレンに対してフッ化水素5〜100倍モルおよび三フッ化ホウ素0.5〜3.5倍モルの存在下、反応温度35〜70℃にて実施することを特徴とする、2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの製造方法を提供するものである。
本発明の方法により、各種の工業化学原料、医薬、農薬、光学機能性材料や電子機能性材料の原料として有用な、2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドおよび3,7−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの合計に対する3,7−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの比率が30モル%以下である2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドを、工業的に有利な方法で製造することが可能である。
本発明において原料として用いる2,6−ジメチルナフタレン(以下、これを2,6−DMNと称し、異性体の2,7−ジメチルナフタレンを2,7−DMNと称する。)は、融点111℃および沸点262℃(常圧下)の白色の公知物質である。2,6−DMNの製造方法に特に制限は無く、公知の方法で製造できる。該2,6−DMNの製造方法としては、例えば、コールタールや石油留分を適宜トルエンなどで希釈してから十分に温度を下げることにより2,6−DMNおよび2,7−DMNを沈殿させて分離し、次いでm−キシレンなどに溶解してから吸着剤へ通すことにより、純度の高い2,6−DMNを分離する方法(例えば、特表2001−527054号公報参照。)、ゼオライト触媒の存在下に、ポリメチルベンゼン類などを用いてナフタレンまたはメチルナフタレンをトランスアルキル化および異性化反応させ、次いで蒸留などにより2,6−DMNを分離する方法(例えば、特開平6−040958号公報参照。)、オルトキシレンとブタジエンから得られる1,5−ジメチルナフタレンをフッ化水素などの触媒の存在下に異性化させ、次いで脂肪族飽和炭化水素または脂環式飽和炭化水素を混合してから結晶化させることにより、2,6−DMNを分離する方法(例えば、特開平9−291045号公報参照。)などが挙げられる。
本発明の、2,6−DMNを一酸化炭素によりホルミル化する方法は、フッ化水素(以下、HFと記載する)および三フッ化ホウ素(以下、BF3と記載する)からなる触媒(以下、HF・BF3触媒と称することがある)の存在下に実施する。触媒として使用するHFおよびBF3は揮発性が高いため、反応終了後に回収し、本発明に再利用することができる。このことから、ホルミル化反応に使用した触媒を廃棄する必要がなく、経済的観点から優れた方法であると同時に、環境負荷も軽減される。
一酸化炭素は、窒素やメタン等の不活性ガスが含まれていてもよいが、一酸化炭素分圧としては0.5〜5MPaが好ましく、1〜3MPaがより好ましい。この範囲であれば、ホルミル化反応が十分に進行し、且つ異性化や重合等の副反応による収率低下を低く抑えることができる。
HFは、無水HFであることが好ましく、具体的には、含水率0.1%以下であることが好ましく、含水率0.02%以下であることがより好ましい。HFの使用量は、2,6−DMNに対して5〜100倍モルであり、5〜50倍モルが好ましく、8〜50倍モルがより好ましく、10〜50倍モルがさらに好ましく、10〜30倍モルが特に好ましい。2,6−DMNに対してHFが5倍モル未満では、2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの選択率が低くなる。一方、100倍モルを超えても、効果は頭打ちになり、経済的に不利である。
BF3の使用量は、2,6−DMNに対して0.5〜3.5倍モルであり、0.7〜3倍モルが好ましく、0.8〜2倍モルがより好ましく、0.9〜1.2倍モルがさらに好ましい。2,6−DMNに対してBF3が0.5倍モル未満では、ホルミル化反応の進行が遅くなり、且つ2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの選択率が低くなる。3.5倍モルを超えると、気相中の一酸化炭素分圧が低くなり、収率低下を招くので好ましくない。
2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒド(以下、2,6−DMNALと称する)および3,7−ジメチル−1−ナフトアルデヒド(以下、3,7−DMNALと称する)の合計に対する3,7−DMNALの比率(以下、3,7比率と称する)を30モル%以下に抑えるためには、前記した2,6−DMNに対するHFおよびBF3の使用量と共に、ホルミル化反応時の反応温度が重要な要件となる。
通常、HF・BF3触媒を用いたホルミル化反応は、−30℃〜20℃付近で実施される場合が多い。しかし、本発明の方法では、ホルミル化反応を35〜70℃、好ましくは40〜60℃、より好ましくは45〜55℃で実施する。かかる分野の技術常識からは想像できなかったが、2,6−DMNに対するHFおよびBF3の量が前記範囲内である場合、反応温度を35〜70℃にすると、恒常的に3,7比率を30モル%以下に抑えながら2,6−DMNALを収率良く得ることができる。反応温度が35℃未満では、3,7比率が低くなるものの、反応収率が著しく低くなり、且つ高沸点の化合物が多量に副生するため、工業的な実施が困難となる。また、70℃を超えた場合にも高沸点の化合物が副生し易くなり、収率が低下する。
反応時間に特に制限は無いが、1〜10時間であることが好ましく、1〜5時間であることがより好ましい。このくらいの反応時間で、通常、十分な2,6−DMNの転化率が得られる。なお、一酸化炭素が吸収されなくなった時点が反応終点の目安になる。
ホルミル化反応は、溶媒の不存在下に実施してもよいし、溶媒の存在下に実施してもよい。かかる溶媒としては、2,6−DMNを溶解でき、且つ2,6−DMN、HFおよびBF3に対して不活性な溶媒であれば特に制限は無く、例えばヘキサン、ヘプタン、デカン等の飽和脂肪族炭化水素等が挙げられる。溶媒を使用する場合、その使用量は、2,6−DMNに対して0.1〜10倍質量であることが好ましく、0.5〜3倍質量であることがより好ましい。溶媒を使用する場合、副反応である重合反応が更に抑制され、収率が向上するが、大量の溶媒を使用すると反応の容積効率の低下を招き、また、分離に余計なエネルギーが必要となり、エネルギー原単位が悪化する。
本発明方法におけるホルミル化反応の形式は、液相と気相が充分に混合できる撹拌方法を採用していれば特に制限は無く、回分式、半回分式、連続式等のいずれの方法も採用できる。以下に回分式、半回分式、連続式の方法について具体的に例示するが、特にこれらに制限されるわけではない。
回分式では、例えば、電磁撹拌装置付オートクレーブに、溶媒に溶かした2,6−DMN、所定量の無水HFおよび所定量のBF3を仕込み、内容物を撹拌しながら液温を35〜70℃に維持し、一酸化炭素により例えば0.5〜3MPaに昇圧し、圧力を一定に保つために一酸化炭素を導入しながら、同温度にて1時間保持すことにより、2,6−DMNALを製造できる。なお、こうして得られた反応生成液の一部を採取して氷水の中に入れ、油層をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,6−DMNALの生成を確認できる。
半回分式では、例えば、電磁撹拌装置付オートクレーブに、所定量の無水HFおよび所定量のBF3を仕込み、内容物を撹拌しながら液温を35〜70℃に維持し、一酸化炭素により例えば0.5〜3MPaに昇圧し、その後、圧力を一定に保つために一酸化炭素を適宜供給する。溶媒に溶かした2,6−DMNを1時間かけて供給し、そのままの状態を20分保持することにより、2,6−DMNALを製造できる。なお、こうして得られた反応生成液の一部を採取して氷水の中に入れ、油層をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,6−DMNALの生成を確認できる。
連続式では、例えば、まず始めに電磁撹拌装置付オートクレーブに無水HFおよびBF3を一部仕込み、内容物を撹拌しながら液温を35〜70℃に維持し、一酸化炭素により例えば0.5〜3MPaに昇圧し、その後、圧力を一定に保つために一酸化炭素を適宜供給する。その後、溶媒に溶かした2,6−DMNを連続的に供給する。さらに続けて、無水HFおよびBF3を連続的または断続的に供給し、1〜5時間滞留した反応生成液を氷水中へ連続的に抜き出す。油層をガスクロマトグラフィーで分析することにより、2,6−DMNALの生成を確認できる。
このようにして得られる反応生成液は、2,6−DMNALとHF・BF3触媒からなる錯体および3,7−DMNALとHF・BF3触媒からなる錯体を含有するHF溶液であり、加熱することにより各DMNALとHF・BF3触媒の結合が切れるため、HFおよびBF3を気化分離して回収、再利用することができる。かかる錯体熱分解はできるだけ迅速に行ない、生成物の加熱による変質や異性化等を避ける必要がある。そのためには、例えば、HF・BF3触媒に不活性な、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素やベンゼン等の芳香族炭化水素などの溶媒の還流下で錯体を熱分解することが好ましい。
また、得られた反応生成液からの2,6−DMNALの分離・精製は、有機化合物の通常の精製方法、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィーなどを利用することができる。
以下に、実施例を以って本発明の方法を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、ガスクロマトグラフィー分析条件は以下の通りである。
[ガスクロマトグラフィー分析条件]
装置 :GC−17A(株式会社島津製作所製)
使用カラム:HR−1;キャピラリーカラム(直径0.32mm×長さ25m)、信和化工株式会社製
分析条件 :注入口温度310℃、検出器温度310℃
カラム温度:100℃から320℃まで5℃/分で昇温
検出器 :水素炎イオン化検出器(FID)
<実施例1>
温度を制御できる内容積1000mlの電磁撹拌装置付オートクレーブ(SUS316L製)に、2,6−DMN(三菱瓦斯化学株式会社製)100.0g(0.64mol)、n−ヘプタン100.0g、無水HF320.2g(16.0mol;2,6−DMNに対して25倍モル)およびBF347.8g(0.70mol;2,6−DMNに対して約1.1倍モル)を仕込み、内容物を撹拌しながら液温を50℃に維持し、一酸化炭素により2MPaまで昇圧した。その後、圧力2MPaおよび液温50℃で1時間保持した後、反応生成液を採取して氷水の中に入れ、中和処理をして得られた油層をガスクロマトグラフィーで分析して反応成績を求めたところ、2,6−DMN転化率75.6%、2,6−DMNAL収率45.5%、3,7−DMNAL収率18.6%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=71.0/29.0)であった。
得られた液を理論段数20段の精留塔を用いて精留を行なったところ、主留部分として2,6−DMNAL71.0質量%、3,7−DMNAL28.0質量%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=71.7/28.3)のものが38.7g(2,6−DMNAL収率32.8%、純度71.0%)得られた。なお、蒸留による異性体比率の変動はなかった。
<実施例2>
実施例1において、無水HF320.2g(16.0mol)を無水HF384.3g(19.2mol;2,6−DMNに対して30倍モル)とした以外は、実施例1と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率66.0%、2,6−DMNAL収率44.9%、3,7−DMNAL収率8.3%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=84.4/15.6)であった。
<実施例3>
実施例1において、無水HF320.2g(16.0mol)を無水HF384.3g(19.2 mol;2,6−DMNに対して30倍モル)とし、「液温50℃で1時間保持」を「液温50℃で3時間保持」とした以外は、実施例1と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率93.5%、2,6−DMNAL収率48.8%、3,7−DMNAL収率7.1%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=87.3/12.7)であった。
<実施例4>
実施例1において、「液温50℃で1時間保持」を「液温60℃で1時間保持」とした以外は、実施例1と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率84.2%、2,6−DMNAL収率37.4%、3,7−DMNAL収率6.1%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=85.9/14.1)であった。
<比較例1>
実施例1において、無水HF320.2g(16.0mol)を無水HF42.3g(2.1mol;2,6−DMNに対して約3.3倍モル)とした以外は、実施例1と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率80.9%、2,6−DMNAL収率12.1%、3,7−DMNAL収率25.2%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=32.4/67.6)であった。
このように、HFの使用量を2,6−DMNに対して5倍モル未満に減らした結果、3,7比率が30モル%を大幅に超え、2,6−DMNALの収率が低下した。
<比較例2>
実施例1において、「液温50℃で1時間保持」を「液温25℃で3時間保持」とした以外は、実施例1と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率77.0%、2,6−DMNAL収率30.6%、3,7−DMNAL収率37.4%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=45.0/55.0)であった。
このように、反応温度を35℃未満にした結果、3,7比率が30モル%を大幅に超えた。
<比較例3>
実施例1において、「液温50℃で1時間保持」を「液温75℃で1時間保持」とした以外は、実施例1と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率90.2%、2,6−DMNAL収率10.3%、3,7−DMNAL収率0.8%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=93.1/6.9)であった。
反応温度が70℃を超えた結果、高沸点の化合物が多く副生し、2,6−DMNAL収率が大幅に低くなった。
<比較例4>
実施例1において、BF347.8g(0.70mol)をBF314.3g(0.21mol;2,6−DMNに対して約0.33倍モル)とした以外は、実施例1と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率33.6%、2,6−DMNAL収率5.2%、3,7−DMNAL収率13.5%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=27.8/72.2)であった。
BF3の使用量を2,6−DMNに対して0.5倍モル未満にした結果、2,6−DMN転化率が低下すると共に、2,6−DMNAL収率が大幅に低下し、さらに3,7比率が30モル%を大幅に超えた。
<実施例5>
実施例1において、「2,6−DMN100.0g(0.64mol)、n−ヘプタン100.0g、BF347.8g(0.70mol)」を、「2,6−DMN 50.0g(0.32mol)、n−ヘプタン50.0g、BF323.9 g(0.35mol;2,6−DMNに対して約1.1倍モル)」とし(2,6−DMNに対するHF量が50倍モルとなる。)、「液温50℃で1時間保持」を「液温40℃で5時間保持」とした以外は、実施例1と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率91.6%、2,6−DMNAL収率45.2%、3,7−DMNAL収率18.9%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=70.5/29.5)であった。
<実施例6>
実施例1において、無水HF320.2g(16.0mol)を無水HF128.1g(6.4mol;2,6−DMNに対して10倍モル)とし、「液温50℃で1時間保持」を「液温50℃で3時間保持」とした以外は、実施例1と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率96.3%、2,6−DMNAL収率40.8%、3,7−DMNAL収率17.4%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=70.1/29.9)であった。
<比較例5>
実施例6において、「液温50℃で3時間保持」を「液温10℃で5時間保持」とした以外は、実施例6と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率89.7%、2,6−DMNAL収率21.1%、3,7−DMNAL収率60.1%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=26.0/74.0)であった。
HF・BF3触媒を用いた公知の反応で実施する通常の反応温度範囲内である10℃で実施した結果、2,6−DMN転化率は高いものの、2,6−DMNAL収率は低くなり、また、3,7比率が30モル%を大幅に超えた。
<比較例6>
実施例6において、「液温50℃で3時間保持」を「液温−30℃で5時間保持」とした以外は、実施例6と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率21.5%、2,6−DMNAL収率13.6%、3,7−DMNAL収率7.3%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=65.0/35.0)であった。
HF・BF3触媒を用いた公知の反応で実施する通常の反応温度範囲内である−30℃で実施した結果、2,6−DMN転化率が低下し、2,6−DMNAL収率も大幅に低下した。
<比較例7>
比較例6において、BF347.8g(0.70mol)をBF3295.2 g(4.35mol;2,6−DMNに対して約6.8倍モル) とした以外は、比較例6と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率2.5%、2,6−DMNAL収率1.1%、3,7−DMNAL収率1.0%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=54.0/46.0)であった。
HF・BF3触媒を用いた公知の反応で実施する通常の反応温度範囲内である−30℃とし、BF3の使用量が2,6−DMNに対して3.5倍モルを大幅に超えた結果、2,6−DMN転化率が大幅に低下し、2,6−DMNAL収率が極めて低くなった。
<実施例7>
実施例1において、BF347.8g(0.70mol)をBF3143.4g(2.10mol;2,6−DMNに対して約3.3倍モル)とした以外は、実施例1と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率58.5%、2,6−DMNAL収率29.7%、3,7−DMNAL収率10.2%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=74.4/25.6)であった。
<比較例8>
実施例1において、BF347.8g(0.70mol)をBF3191.2g(2.82mol;2,6−DMNに対して約4.4倍モル)とした以外は、実施例1と同様に実験を行ない、ガスクロマトグラフィーにて分析した。その結果、2,6−DMN転化率33.3%、2,6−DMNAL収率11.5%、3,7−DMNAL収率4.4%(2,6−DMNAL/3,7−DMNAL=72.3/27.7)であった。
BF3の使用量が2,6−DMNに対して3.5倍モルをやや超えた結果、2,6−DMNAL収率が大幅に低下した。
産業上の利用の可能性
本発明で得られる2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドは、各種の工業化学原料、医薬、農薬、光学機能性材料や電子機能性材料の原料などとして有用である。

Claims (1)

  1. 2,6−ジメチルナフタレンを一酸化炭素によりホルミル化させて2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドを製造する方法において、2,6−ジメチルナフタレンに対してフッ化水素5〜100倍モルおよび三フッ化ホウ素0.5〜3.5倍モルの存在下、反応温度35〜70℃にて実施することを特徴とする、2,6−ジメチル−1−ナフトアルデヒドの製造方法。
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