JPWO2007080868A1 - 眼内レンズ挿入器具 - Google Patents
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Abstract
プランジャーの移動位置に応じて次第にプランジャーの押圧力が大きくなり、安全なプランジャー操作を行うことが可能な眼内レンズ挿入器具を提供することを課題とする。眼内レンズ2を眼球内に挿入するための眼内レンズ挿入器具1であって、筒状の本体3と、前記本体3内において往復移動可能に収納されたプランジャーと4を備え、前記プランジャー4の側部に突起5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5h,5j,5kを設けて前記プランジャー4の移動位置に応じて前記本体3と前記プランジャー4との摺動抵抗を変化させることによって上記の課題を解決する。
Description
本発明は、白内障手術により摘出した水晶体の代わりに、眼球内に眼内レンズを挿入するための眼内レンズ挿入器具に関する。
白内障手術においては、超音波乳化吸引によって混濁した水晶体を除去し、その水晶体除去後の眼内へ人工眼内レンズを埋植する方法が広く行なわれている。埋植される眼内レンズには、光学部がポリメチルメタクリレート(PMMA)などの硬質材料からなる硬質眼内レンズと、シリコーンエラストマー、軟質アクリル、ハイドロゲルなどの柔らかい材料からなる軟質眼内レンズがある。硬質眼内レンズを用いる場合には、角膜、あるいは強膜に光学部の径とほぼ同じか、それよりやや大きな幅の切開創から眼内レンズを挿入する必要がある。一方、軟質眼内レンズを用いる場合には、光学部を折り畳むことにより更に小さな切開創から眼内レンズを眼球内に挿入することが可能となる。そして、小さな切開創により手術を行なうことで手術後の角膜乱視や感染症の危険性を回避することができる。かかる事情から近年においては、軟質眼内レンズが好んで用いられる傾向にある。
軟質眼内レンズを眼内に挿入する方法には、鑷子により折り畳んだ眼内レンズをそのまま直接眼内に挿入する方法の他に、インジェクターと呼ばれる専用の眼内レンズ挿入器具を用いる方法がある。さらに、眼内レンズ挿入器具には種々のタイプのものが提案されているが、大別すると両手操作式のものと片手操作式のものに分類される。両手操作式の眼内レンズ挿入器具は、一方の手で挿入器具本体を保持しつつ、他方の手でプランジャーを押し込むことにより眼内レンズを眼球内へ挿入するものである。また、片手操作式の眼内レンズ挿入器具は、挿入器具本体に設けられた把持片に片手の人差し指と中指を当接するとともに、親指をプランジャーの端面に当接して押圧することにより眼内レンズを眼球内へ挿入するものである。片手操作式の眼内レンズ挿入器具は片手だけで操作でき、他方の手を使いピンセットで眼組織を把持し安定化する、あるいは他の手術器具を操作する利点があるため、術者は片手操作式の眼内レンズ挿入器具を好む傾向にある。このような専用のインジェクターを使用することにより、鑷子を用いて眼内レンズを折り畳むよりも小さく折り畳むことができ、3mm以下の切開創口から眼内レンズ(以下、単にレンズともいう。)を眼内へ挿入することも可能となる。
しかし、図14に示すような片手操作式の眼内レンズ挿入器具は、筒状の本体の内部に往復移動可能に収納されたプランジャーによりレンズを押圧して眼内に挿入するものであり、プランジャーの押圧力はレンズと本体内面との摺動抵抗により大きく変化する。そして、レンズと本体内面との摺動抵抗が大きいと、折り畳まれたレンズがノズルたる本体の先端で放出された際に押し出し力の制御が困難となり、勢い余ってレンズとプランジャーが急激に飛び出してしまい、眼内組織を損傷する危険性がある。そのため、どのような状況でも緩やかにプランジャーを押すことができる構造のインジェクターが切望されていた。
かかる状況下、レンズと本体内面との摺動抵抗を低減するため、本体の内面にコーティングを施したものがある。かかるインジェクターでは確かにレンズ放出時の摺動抵抗の変化は少なくなるが、摺動抵抗の変化がなくなるわけではない。したがって、レンズとプランジャーの急激な飛び出しの危険性は低くなるが、未だ術者の要望を満たすものではなかった。
また、インジェクター本体の内面側に設けた凹部にゴム製のオーリングを配設し、このオーリングによりプランジャーの外周面に対して半径方向の押圧力を付与して摺動抵抗を変化させる技術が開示されている。しかし、このようにインジェクター本体の内面側に設けた凹部にゴム製のオーリングを配設するものでは、オーリングによりプランジャーの外周面に対して半径方向に一定の押圧力が付与されるだけであり、プランジャーの移動位置に応じて摺動抵抗を変化させることはできなかった(例えば、特許文献1参照)。
また、レンズ放出時のレンズとプランジャーとの急激な飛び出しを防止するため、本体とプランジャーとの間にバネを介在させて、プランジャーに反対方向の負荷をかけるようにした技術が開示されている。しかし、そのようなものであっても、ノズルからレンズが放出される際のレンズと本体内面との間の摺動抵抗の変化がなくなるわけではないし、意図しないタイミングにおいてプランジャーが逆方向に戻ってしまうことにより、再度の押し出しでレンズに設けられた繊細な支持部を損傷したり、レンズを確実に把持できなくなる可能性がある。(例えば、特許文献2参照)。
さらに、プランジャーに末端がフリーな突起を設けて本体内面との間の摺動抵抗を増加させた技術も公開されているが、この技術では突起と本体内面との間の摺動抵抗の大きさをプランジャーの押し込み位置に応じて変化させることは困難であった(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−113610号公報
特表2000−516487号公報
国際公開第WO2005/065589A1号パンフレット
本発明は上記開示された従来技術が有する課題を解決しようとするものであり、プランジャーの移動位置に応じて次第にプランジャーの押圧力が大きくなり、安全なプランジャー操作を行うことが可能な眼内レンズ挿入器具を提供することを課題とする。
請求項1記載の発明は、眼内レンズを眼球内に挿入するための眼内レンズ挿入器具であって、筒状の本体と、前記本体内において往復移動可能に収納されたプランジャーとを備え、前記プランジャーの移動位置に応じて本体とプランジャーとの摺動抵抗を変化させたことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の眼内レンズ挿入器具において、前記プランジャーの側部に突起を設けたことを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の眼内レンズ挿入器具において、前記突起の数を前記プランジャーの軸方向に沿って複数配設したことを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の眼内レンズ挿入器具において、前記突起の大きさを前記プランジャーの軸方向に沿って異なる寸法としたことを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項3または4に記載の眼内レンズ挿入器具において、前記突起の配設を前記プランジャーの軸方向に沿って変化させたことを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の眼内レンズ挿入器具において、前記突起の内部に空間設けたことを特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の眼内レンズ挿入器具において、前記空間が複数の突起の内部に連通していることを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、請求項3記載の眼内レンズ挿入器具において、前記突起をオーリングにより構成したことを特徴とするものである。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の眼内レンズ挿入器具において、前記筒状の本体の内径を先端に向かって連続的または段階的に小さな寸法としたことを特徴とするものである。
請求項1記載の眼内レンズ挿入器具によれば、プランジャーの移動位置に応じて本体とプランジャーとの間の摺動抵抗を変化させたので、プランジャーの移動位置に応じて次第にプランジャーの押圧力が大きくなる。したがって、ノズルの先端部からレンズが放出された後であっても、プランジャー押圧力が急激に低下することはなく、プランジャーの先端部を不意に眼球内に突出させることがない。そのため安全なプランジャー操作を行うことができる。
請求項2記載の眼内レンズ挿入器具によれば、プランジャーの側部に突起を設けてプランジャーの移動位置に応じて本体とプランジャーとの間の摺動抵抗を変化させたので、プランジャーの移動位置に応じて次第にプランジャーの押圧力が大きくなる。
請求項3記載の眼内レンズ挿入器具によれば、プランジャーの軸方向に沿って複数の突起を配設したことから、プランジャーを本体内に押し込むに従って本体内面と摺動する突起の数が増加し、プランジャーの移動位置に応じてプランジャーの押圧力が大きくなる。したがって、安全なプランジャー操作を行うことが可能となる。
請求項4記載の眼内レンズ挿入器具によれば、突起の大きさを前記プランジャーの軸方向に沿って異なる寸法としたことから、プランジャーを本体内に押し込むに従って本体内面と摺動する突起の摺動抵抗が増加し、プランジャーの移動位置に応じてプランジャーの押圧力が大きくなる。したがって、安全なプランジャー操作を行うことが可能となる。
請求項5記載の眼内レンズ挿入器具によれば、突起の配設を前記プランジャーの軸方向に沿って変化させたことから、プランジャーを本体内に押し込むに従って本体内面と摺動する突起の摺動面積が増加し、プランジャーの移動位置に応じて本体とプランジャーとの摺動抵抗を容易に変化させることができる。したがって、安全なプランジャー操作を行うことが可能となる。
請求項6記載の眼内レンズ挿入器具によれば、突起の内部に空間を設けたことから、突起の剛性を変化させることが容易になる。したがって、本体内面と突起との押圧力を容易に調整することが可能となり、プランジャーの移動位置に応じて本体とプランジャーとの摺動抵抗を容易に変化させることができる。したがって、安全なプランジャー操作を行うことが可能となる。
請求項7記載の眼内レンズ挿入器具によれば、複数の突起の内部に連通した空間が設けられているので、突起の剛性を一層容易に変化させることができる。したがって、プランジャーの移動位置に応じて本体とプランジャーとの摺動抵抗を容易に変化させることができる。したがって、安全なプランジャー操作を行うことが可能となる。
請求項8記載の眼内レンズ挿入器具によれば、突起をオーリングにより構成したので、プランジャーの外周部において均一の摺動抵抗を発生させることができる。したがって、プランジャーの押し込み操作をスムーズに行うことができる。
請求項9記載の眼内レンズ挿入器具によれば、筒状の本体の内径を先端に向かって連続的または段階的に小さな寸法としたので、種々のプランジャー形状に対して、プランジャーの移動位置に応じて次第にプランジャーの押圧力が大きくすることができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明が適用される眼内レンズ挿入器具の第1実施例を示す断面図である。この眼内レンズ挿入器具1は、眼内レンズ2を通過させて眼球内に導く筒状の本体3と、前記本体3内において往復移動可能に収納され、前記眼内レンズ2を押圧して眼球内に放出するプランジャー4とを備える。そして、プランジャー4の側部には複数の突起5がプランジャーの軸方向に所定の間隔をおいて設けられている。
筒状の本体3には、眼球の切開創口から先端部が眼球内に挿入されるノズル6、レンズ2を設置するレンズ設置部7、術者の指に把持される把持部8等が設けられている。さらに、レンズ設置部7には開閉自在の蓋9が設けられ、レンズ設置部7内にはレンズ2の移動を制限するための固定突起10が設けられている。
ここで、本発明が適用される眼内レンズ挿入器具1は、医療用器具であるため器具の構成部材の材質は物理的・化学的に安定な材料であることが要求される。特に、眼内に挿入される部位に使用される材料は、生物学的に安全性の保証のなされたものでなければならない。例えば、FDA(Food and Drug Administration)でインプラント材料として認定されたものやISO(International Standardization Organization)でインプラント材料として規格化されたもの、あるいはISO10993に従って行なわれた試験の結果、問題のない材料であることが確認されたものであることが求められる。これらの要求を満たす材料として、例えば筒状の本体3の材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができる。
レンズ2は、レンズ本体である光学部2aと該光学部2aを眼球内に位置固定するための2本の支持部材2bとからなる。支持部材2bは細いひげ状をしている。
プランジャー4は、筒状の本体3の内径寸法より若干小さな外径寸法を有する部分4aと、ノズル6の内径寸法より若干小さな外径寸法を有する部分4bとからなる。筒状の本体3の内径寸法より若干小さな外径寸法を有する部分4aは、筒状の本体3内に摺動可能にして挿入されている。また、ノズル6の内径寸法より若干小さな外径寸法を有する部分4bは、その先端部4cにおいてレンズ光学部2aの周縁を押圧してレンズ2をノズル先端から眼球内に挿入することができるようにされている。
このような眼内レンズ挿入器具1を用いてレンズ2を眼球内へ挿入する場合、術者は片手操作でレンズ2を眼球内へ挿入することができる。具体的には片手の人差し指と中指により本体の把持部8を把持するとともに、親指の腹部をプランジャーの基端4dに当接してプランジャー4を本体3内に押し込む。そうすると、レンズ2はプランジャー4の先端4cにより押圧され、レンズ設置部7から畳み込まれながらノズル6内へと押し込まれる。かかる構成および作用は、図14に示す従来技術による眼内レンズ挿入器具100と同じである。
しかし、図14に示すような眼内レンズ挿入器具100にあっては、折り畳まれたレンズ2がノズル先端部より開放される段階においてノズル6の内面とレンズ2との間の摺動抵抗が急激になくなるため、プランジャー4の押圧力をそれに合わせて瞬時に低減させないと、プランジャー4の先端も勢い余って眼球内に飛び出してしまうことになる。
一方、本実施例による眼内レンズ挿入器具1には、プランジャー4の側部に複数の突起5a,5b,5cがプランジャー4の軸方向に所定の間隔をおいて設けられている。これらの突起5a,5b,5cはプランジャー4と同一材料で一体的に製作される。図1に示すように高さ寸法が異なる3つの突起5a,5b,5cが設けられており、プランジャー4の先端側の突起5aの高さは低く、プランジャー4の基端側の突起5cの高さは高くされている。また、中間に位置する突起5bの高さは、先端側の突起5aと基端側の突起5cとの中間的な高さを有している。このような構造をしたプランジャー4を本体3内へ押し込むと、最初に高さの低い先端側の突起5aが本体3内へ挿入され、少し摺動抵抗が増加する。続けてプランジャー4を本体3内へ押し込むと、中間に位置する突起5bが本体3内へ挿入され、また少し摺動抵抗が増加する。さらにプランジャー4を本体3内へ押し込むと、もっとも高さの高い基端側の突起5cが本体3内へ挿入され、一段と摺動抵抗が増加する。このようにしてプランジャー4の押し込み量、すなわちプランジャー4の移動位置に応じて本体3とプランジャー4との間の摺動抵抗を段階的に変化させることができる。したがって、ノズル6の先端部からレンズ3が放出された後であっても、本体3とプランジャー4との間の摺動抵抗が急激に低下することはなく、プランジャー4の先端部を不意に眼球内に突出させることがない。そのため安全なプランジャー操作を行うことができる。
なお、上記の説明では3つの突起5a,5b,5cの高さを異なる高さとした例について説明したが、3つの突起5a,5b,5cの高さを同一の寸法としてもよい。
図2は、本発明の第2実施例を示す外観図である。本実施例は多くの点で第1実施例と共通する構成を有するものであるが、突起5a,5b,5cの内部に空間11を設けた点が第1実施例と異なる。本実施例ではプランジャー4の側部に設けられた突起5a,5b,5cの内部に空間11が設けられており、このような空間11がない第1実施例に比較すると、突起5a,5b,5cの剛性を容易に低下させることができ、プランジャー4を本体3内へ押し込む際の摺動抵抗が必要以上に増加するのを抑制することができる。また、空間11の有するバネ効果により、突起5a,5b,5cの製作に際し製作誤差の許容度が大きくなるというメリットがある。
図3は、本発明の第3実施例を示す外観図である。本実施例は第2実施例と共通する構成を有するものであるが、突起5dの数と複数の突起5dの内部に空間12が連通して配設されている点が第2実施例と異なる。このように複数の突起5dの内部に連通した空間12を設けることにより、各突起5dの内部に個別の空間を設ける場合に比較すると一層突起5dの剛性が低下して変形し易くなる。したがって、プランジャー4を本体3内へ押し込む際の摺動抵抗の増加を抑制することができる。また、空間12の有するバネ効果により、突起5dの製作に際し製作誤差の許容度が大きくなる。
図4は、本発明の第4実施例を示す外観図である。本実施例は第2実施例と第3実施例の構成を組み合わせたものであり、内部に単独の空間11を有する突起5cと、内部に連通した空間12を有する複数の突起と5a,5bが配設されている。このような突起5a,5b,5cと空間11,12の配設により、プランジャー4の移動位置に応じて本体3とプランジャー4との間の摺動抵抗を高い自由度をもって変化させることができる。
図5は、本発明の第5実施例を示す外観図である。本実施例ではプランジャー4の側部に先端側から基端側に向かって徐々に高さが増加するリブ状の突起5eが2本設けられている。このような突起5eを設けることによって本体3内へのプランジャー4の押し込み量に応じて本体3とプランジャー4との間の摺動抵抗を連続的に増加させることができる。
図6は、本発明の第6実施例を示す外観図である。本実施例ではプランジャー4の側部に先端側から基端側に向かって徐々に幅が増加する平面視三角形状の突起5fが設けられている。このような突起5fを設けることによって本体3内面とプランジャー4との間の摺動面積が変化し、プランジャー4の押し込み量に応じて本体3とプランジャー4との間の摺動抵抗を連続的に増加させることができる。
図7は、本発明の第7実施例を示す外観図である。本実施例ではプランジャー4の側部に複数の突起5gが設けられ、配設される突起5gの数をプランジャー4の先端側から基端側に向かって次第に増加させている。このような突起5gを設けることによってもプランジャー4の押し込み量に応じて本体3内面とプランジャー4との間の摺動面積が段階的に変化し、プランジャー4の押し込み量に応じて本体3とプランジャー4との間の摺動抵抗を段階的に増加させることができる。
図8は、本発明の第8実施例を示す外観図である。本実施例ではプランジャー4の側部に所定の間隔をおいて複数個所のリング状溝13を設け、該リング状溝13にオーリング14を装着して突起を構成したものである。このようなリング状溝13とオーリング14を設けることによって、プランジャー4の押し込み量に応じて本体3内面とプランジャー4との間の摺動面積が段階的に変化し、本体3とプランジャー4との間の摺動抵抗を段階的に増加させることができる。
図9は、本発明の第9実施例を示す外観図である。本実施例は図2に示す第2実施例と共通する構成を有するものであるが、突起5a,5b,5cに設けられた空間11aが閉空間ではなく、外気と通じた開放空間である点が第2実施例と異なる。このように空間11aを開放空間とすることによりプランジャー4の製作が容易になる。また、図3および図4に示す空間11,12についても、図9に示す空間と同様な開放空間とすることができる。
図10は、本発明の第10実施例を示す一部断面図である。本実施例は筒状の本体3の内面3aにテーパーを設け、筒状の本体3の内径を先端に向かって連続的に次第に小さな寸法としたものである。テーパーの程度はプランジャー4の寸法に対応するよう適宜決定される。このような構成により種々のプランジャー形状に対して、プランジャーの移動位置に応じて次第にプランジャーの押圧力を大きくすることができる。
図11は、本発明の第11実施例を示す一部断面図である。本実施例における筒状の本体3は第10実施例に示すものと共通する構成を有するものであるが、プランジャー4の側部に突起5hを設けた点で相違する。このような突起5hを設けることにより、プランジャーの移動位置に応じたプランジャーの押圧力を容易に変化させることができる。
図12は、本発明の第12実施例を示す一部断面図である。本実施例は第11実施例と共通する構成を有するものであるが、プランジャー4の側部に設けた突起5jの個数が第11実施例と異なる。本実施例では複数の突起5jが設けられている。このことによりプランジャーの移動位置に応じたプランジャーの押圧力を一層容易に変化させることができる。
図13は、本発明の第13実施例を示す一部断面図である。本実施例は筒状の本体3の内面に段部3bを設け、筒状の本体の内径を先端に向かって段階的に次第に小さな寸法としたものである。また、プランジャー4の側部には比較敵的容易に弾性し得る突起5kが設けられている。このことにより第12実施例に示す眼内レンズ挿入器具と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明を幾つかの実施例に基づいて説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施をすることができる。例えば、上記実施例においては、プランジャー4の側部に設けた突起の剛性を低下させるために突起5a,5b,5c,5dの内部に空間11,12を設けた例について説明したが、突起の剛性を低下させる手段は突起の内部に空間を設けるものに限らない。突起の内部に空間を設ける代わりに、突起に凹部や孔、さらに溝を設けることにより突起の剛性を低下させることもできる。
さらに、上記実施例においては、筒状の本体3内に眼内レンズ2を直接セットする場合について説明したが、本体3とは別のカートリッジ内に眼内レンズ2をセットし、該カートリッジを本体3に装着して使用する眼内レンズ挿入器具についても適用できることは言うまでもない。
Claims (9)
- 眼内レンズを眼球内に挿入するための眼内レンズ挿入器具であって、筒状の本体と、前記本体内において往復移動可能に収納されたプランジャーとを備え、前記プランジャーの移動位置に応じて本体とプランジャーとの間の摺動抵抗を変化させたことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
- 前記プランジャーの側部に突起を設けたことを特徴とする請求項1記載の眼内レンズ挿入器具。
- 前記突起の数を前記プランジャーの軸方向に沿って複数配設したことを特徴とする請求項2記載の眼内レンズ挿入器具。
- 前記突起の大きさを前記プランジャーの軸方向に沿って異なる寸法としたことを特徴とする請求項2または3記載の眼内レンズ挿入器具。
- 前記突起の配設を前記プランジャーの軸方向に沿って変化させたことを特徴とする請求項3または4記載の眼内レンズ挿入器具。
- 前記突起の内部に空間を設けたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の眼内レンズ挿入器具。
- 前記空間が複数の突起の内部に連通していることを特徴とする請求項6記載の眼内レンズ挿入器具。
- 前記突起をオーリングにより構成したことを特徴とする請求項3記載の眼内レンズ挿入器具。
- 前記筒状の本体の内径を先端に向かって連続的または段階的に小さな寸法としたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の眼内レンズ挿入器具。
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