JPWO2007034620A1 - 変速機 - Google Patents
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Abstract
Description
この変速機では、被動ギヤの外径をスリーブの内径よりも大きく形成して、スリーブを被動ギヤ側面に当接するまでシフト移動させて変速段を確立するものとしている。
また請求項2は、前記ストッパーは、前記カップリングスリーブと円周方向において少なくとも2箇所で当接する当接部を有し、前記潤滑溝は、円周方向幅寸法が前記当接部の円周方向幅寸法以上に形成されてなることである。
また請求項3は、前記当接部は、前記円周方向幅寸法が等しく、且つ、前記円周方向に等間隔に配置された凸部として形成され、前記潤滑溝は、該凸部間に形成された凹部であることである。
また請求項4は、前記潤滑溝は、前記凹部の円周方向端面の少なくとも一方の端面位置が前記クラッチギヤにおける歯と歯の間に形成されてなることである。
また請求項5は、前記ストッパーは、前記変速ギヤの端面に形成されてなることである。
また請求項6は、前記カップリングスリーブは、外周面にかかった前記潤滑油を前記当接面に誘導可能に前記外周面が前記ストッパーに当接する端面側に向かって下傾した形状に形成されてなることである。
本発明の変速機は、変速ギヤと一体回転するクラッチギヤと、シンクロハブの外周面を摺動して前記クラッチギヤに接続可能なカップリングスリーブと、該カップリングスリーブの端面を当接させて該カップリングスリーブの前記変速ギヤ側への摺動を規制するストッパーと、前記カップリングスリーブが前記ストッパーに当接した際に前記クラッチギヤに潤滑油を供給可能な前記カップリングスリーブと前記ストッパーとの当接面に形成された潤滑油路としての潤滑溝とを備えることにより、カップリングスリーブがストッパーに当接した際でもクラッチギヤに潤滑油を良好に供給することができ、クラッチギヤの摩耗耐久性が向上するものとなる。
また、前記ストッパーは、前記カップリングスリーブと円周方向において少なくとも2箇所で当接する当接部を有し、前記潤滑溝は、円周方向幅寸法が前記当接部の円周方向幅寸法以上に形成されてなることにより、カップリングスリーブがストッパーの当接部に当接した際に、より効率良く潤滑油をクラッチギヤに供給することができるものとなる。
また、前記当接部は、前記円周方向幅寸法が等しく、且つ、前記円周方向に等間隔に配置された凸部として形成され、前記潤滑溝は、該凸部間に形成された凹部であることにより、簡単な構成でカップリングスリーブの変速ギヤ側への摺動を安定して規制することができ、効率良く潤滑油をクラッチギヤに供給することができるものとなる。
また、前記潤滑溝は、前記凹部の円周方向端面の少なくとも一方の端面位置が前記クラッチギヤにおける歯と歯の間に形成されてなることにより、より多くのクラッチギャの歯に潤滑油を供給することができるものとなる。
また、前記ストッパーは、前記変速ギヤの端面に形成されてなることにより、変速ギヤの端面にカップリングスリーブを当接するだけで良いため、簡単にストッパーを構成することができるものとなる。
また、前記カップリングスリーブは、外周面にかかった前記潤滑油を前記当接面に誘導可能に前記外周面が前記ストッパーに当接する端面側に向かって下傾した形状に形成されてなることにより、より多くの潤滑油をクラッチギヤに供給することができるものとなる。
図2は、変速ギヤとカップリングスリーブの拡大配置構成図である。
図3は、変速ギヤの正面構成図である。
図4は、図3のA−A線断面構成図である。
図1は、変速機の概略を示す構成図である。
実施例の変速機1は、図示するように、入力軸1aと、これに平行状に設けられた出力軸1bおよびリバース用アイドラ軸1cと、入力軸1aの動力を変速して出力軸1bあるいはリバース用アイドラ軸1cに伝達するこれら各軸に配置された変速ギヤ機構2と、噛合させる歯車を同期させる同期装置4とを備える。
変速ギヤ機構2は、周知のハス歯歯車として構成されており、各軸に固定的に担持された固定ギヤ2aと、各軸に遊転可能に担持された遊転ギヤ2bとを備える。遊転ギャ2bには、一体状にクラッチギヤ3が形成されている。
遊転ギヤ2bは、図2の拡大概略構成図で示すように、その端面が凹み状に形成された凹部20を備えており、この凹部20に埋設するようクラッチギヤ3が形成されている。また、凹部20には、図3の正面図および図3におけるA−A断面図である図4に示すように、円周方向に等間隔に円周方向幅寸法が等しい6つの凸部7が形成されており、凸部7間を含む底部20aが潤滑油路としての潤滑溝6として構成されている。
凸部7は、クラッチギヤ3の歯3aを1個挟んでその円周方向両端面がクラッチギヤ3の歯3aと歯3aの間に位置するよう構成されており、クラッチギヤ3の外周面に対向する内端面がクラッチギヤ3の外周面と隙間を有するようにクラッチギヤ3の外周面よりも径方向に若干離れた位置に形成されている。
同期装置4は、軸に固定的に担持されたシンクロハブ4aと、シンクロハブ4aの外周を摺動可能に配置されたカップリングスリーブ5とを備え、カップリングスリーブ5が軸方向に摺動してクラッチギヤ3と噛合することで軸の回転と遊転ギヤ2bの回転との同期を行なう。
カップリングスリーブ5は、内周面にはシンクロハブ4aの外周面に形成されたスプラインに嵌合するスプライン5aが形成されており、外周面には図示しないシフトフォークが係合される係合溝5b’を有する係合部5bと、係合部5bから軸方向に突出するとともに凸部7の当接部7aに当接する当接面5dを有する鍔部5cとが形成されている。
鍔部5cは、当接面5dが当接部7aに当接した状態で遊転ギヤ2bと係合部5bとの間に隙間Sが生ずる軸方向長さに形成されており、係合部5bから軸方向に離れるにしたがって高さが低くなる下傾状をなしている。
次に、こうして構成された変速機1の動作、特に変速動作時にクラッチギヤ3に供給される潤滑油の動きについて説明する。
運転者がシフト動作を行なうとシフトフォークによりカップリングスリーブ5が要求変速段を構成する遊転ギヤ2b側にシフトされる。そして、当接面5dが当接部7aに当接して変速が完了する。
当接部7a、即ち、凸部7は、円周方向に等間隔に円周方向幅寸法が等しく形成されているのでカップリングスリーブ5の摺動を安定して規制することができる。
当接面5dと当接部7aとが当接した状態で、遊転ギヤ2bと係合部5bとの間には隙間Sが生じているため、変速ギヤ機構2を構成する固定ギヤ2aや遊転ギヤ2bにより掻き上げられた潤滑油が隙間Sより凹部20内に流入する。ここで、鍔部5cは係合部5bから軸方向に離れるにしたがって高さが低くなる下傾状を成しているから、固定ギヤ2aや遊転ギヤ2bにより掻き上げられた潤滑油は凹部20側へ流れ易いものとなっている。
凹部20内に流入した潤滑油は、潤滑溝6を通ってクラッチギヤ3に供給される。ここで、凸部7はクラッチギヤ3の歯3aを1個挟んでその円周方向両端面がクラッチギヤ3の歯3aと歯3aの間に位置するよう構成されているので、潤滑油6からの潤滑油がクラッチギヤ3の全ての歯3aの歯面に充分に供給することができる。また、凸部7bのクラッチギヤ3の外周面に対向する内端面がクラッチギヤ3の外周面と隙間を有するようにクラッチギヤ3の外周面よりも径方向に若干離れた位置に形成されているから、クラッチギヤ3の円周方向に偏りなく潤滑油を供給することができる。
以上説明した実施例の変速機1によれば、カップリングスリーブ5の軸方向摺動を規制するストッパとしての凸部7をクラッチギヤ3が埋設された遊転ギヤ2bの凹部20に円周方向に等間隔に形成し、凸部7間を含む凹部20の底部20aを潤滑溝6として構成したから、カップリングスリーブ5が凸部7に当接した際にもクラッチギヤ3に潤滑油を良好に供給することができる。この結果、クラッチギヤ3の摩耗耐久性を向上することができる。しかも、カップリングスリーブ5の鍔部5cを凹部20に向かって下傾状に形成したから、固定ギヤ2aや遊転ギヤ2bにより掻き上げられた潤滑油を凹部20側へ流れ易くでき、より多くの潤滑油をクラッチギヤ3に供給することができる。
また、凸部7をクラッチギヤ3の歯3aを1個挟んでその円周方向両端面がクラッチギヤ3の歯3aと歯3aの間に位置するよう構成したから、潤滑油6からの潤滑油をクラッチギヤ3の全ての歯3aの歯面に充分に供給することができる。さらに、凹部20に凸部7を形成するだけであるから簡易な構成でストッパを構成することができる。
実施例の変速機1では、凸部7を円周方向に等間隔に形成するものとしたが、間隔は等間隔でなくても構わない。
実施例の変速機1では、全ての凸部7の円周方向幅寸法が等しいものとしたが、各凸部7の円周方向幅寸法を異なるものとしても構わない。
実施例の変速機1では、(凸部7を円周方向に6つ形成するものとしたが、少なくとも2つ形成されていれば良く、その数はいくつであっても構わない。
実施例の変速機1では、凸部7間の寸法、即ち、凸部7間の潤滑溝6の円周方向幅寸法が凸部7の円周方向幅寸法より大きいものとしたが、クラッチギヤ3に潤滑油を供給することができれば凸部7間の潤滑溝6の円周方向幅寸法と凸部7の円周方向幅寸法との関係は如何なるものであっても構わない。
実施例の変速機1では、凸部7の円周方向両端面をクラッチギヤ3の歯3aと歯3aの間に位置するよう構成するものとしたが、円周方向端面のうち少なくとも一端がクラッチギヤ3の歯3aと歯3aの間に位置するよう構成されていれば構わない。
実施例の変速機1では、凸部7の円周方向幅寸法をクラッチギヤ3の歯3aを1個挟むような長さに構成するものとしたが、例えば、クラッチギヤ3の歯3aを2個挟むような長さに構成したり、クラッチギヤ3の歯3aを3個挟むような長さに構成したりするもの等、クラッチギヤ3の全ての歯3aに潤滑油を供給することができれば如何なる長さであっても構わない。
実施例の変速機1では、ストッパとしての凸部7および潤滑油路としての潤滑溝6を遊転ギヤ2bの凹部20に形成するものとしたが、カップリングスリーブ5の当接面5dに形成するものとしても良い。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
この変速機では、被動ギヤの外径をスリーブの内径よりも大きく形成して、スリーブを被動ギヤ側面に当接するまでシフト移動させて変速段を確立するものとしている。
シンクロハブの外周面を摺動して前記クラッチギヤに接続可能なカップリングスリーブと、
前記変速ギヤ側面と前記カップリングスリーブの摺動方向端面との間に配置され、該カップリングスリーブの前記変速ギヤ側への摺動を規制するストッパーと、
前記カップリングスリーブが前記ストッパーに当接した際に、前記クラッチギヤに潤滑油を供給可能な前記カップリングスリーブと前記ストッパーとの当接面に形成された潤滑油路としての潤滑溝と、
前記クラッチギヤ外周面と該外周面に対向するストッパー内端面との間に形成され、前記潤滑溝間を連通する連通路とを備えることである。
また請求項2は、前記ストッパーは、前記カップリングスリーブと円周方向において少なくとも2箇所で当接する当接部を有し、前記潤滑溝は、円周方向幅寸法が前記当接部の円周方向幅寸法以上に形成されてなることである。
また請求項3は、前記当接部は、前記円周方向幅寸法が等しく、且つ、前記円周方向に等間隔に配置された凸部として形成され、前記潤滑溝は、該凸部間に形成された凹部であることである。
また請求項4は、前記潤滑溝は、前記凹部の円周方向端面の少なくとも一方の端面位置が前記クラッチギヤにおける歯と歯の間に形成されてなることである。
また請求項5は、前記ストッパーは、前記変速ギヤの端面に形成されてなることである。
また請求項6は、前記カップリングスリーブは、外周面にかかった前記潤滑油を前記当接面に誘導可能に前記外周面が前記ストッパーに当接する端面側に向かって下傾した形状に形成されてなることである。
本発明の変速機は、変速ギヤの側面に配置され一体回転するクラッチギヤと、シンクロハブの外周面を摺動して前記クラッチギヤに接続可能なカップリングスリーブと、前記変速ギヤ側面と前記カップリングスリーブの摺動方向端面との間に配置され、該カップリングスリーブの前記変速ギヤ側への摺動を規制するストッパーと、前記カップリングスリーブが前記ストッパーに当接した際に、前記クラッチギヤに潤滑油を供給可能な前記カップリングスリーブと前記ストッパーとの当接面に形成された潤滑油路としての潤滑溝と、前記クラッチギヤ外周面と該外周面に対向するストッパー内端面との間に形成され、前記潤滑溝間を連通する連通路とを備えることにより、カップリングスリーブがストッパーに当接した際でもクラッチギヤに潤滑油を良好に供給することができ、クラッチギヤの摩耗耐久性が向上するものとなる。
また、前記ストッパーは、前記カップリングスリーブと円周方向において少なくとも2箇所で当接する当接部を有し、前記潤滑溝は、円周方向幅寸法が前記当接部の円周方向幅寸法以上に形成されてなることにより、カップリングスリーブがストッパーの当接部に当接した際に、より効率良く潤滑油をクラッチギヤに供給することができるものとなる。
また、前記当接部は、前記円周方向幅寸法が等しく、且つ、前記円周方向に等間隔に配置された凸部として形成され、前記潤滑溝は、該凸部間に形成された凹部であることにより、簡単な構成でカップリングスリーブの変速ギヤ側への摺動を安定して規制することができ、効率良く潤滑油をクラッチギヤに供給することができるものとなる。
また、前記潤滑溝は、前記凹部の円周方向端面の少なくとも一方の端面位置が前記クラッチギヤにおける歯と歯の間に形成されてなることにより、より多くのクラッチギヤの歯に潤滑油を供給することができるものとなる。
また、前記ストッパーは、前記変速ギヤの端面に形成されてなることにより、変速ギヤの端面にカップリングスリーブを当接するだけで良いため、簡単にストッパーを構成することができるものとなる。
また、前記カップリングスリーブは、外周面にかかった前記潤滑油を前記当接面に誘導可能に前記外周面が前記ストッパーに当接する端面側に向かって下傾した形状に形成されてなることにより、より多くの潤滑油をクラッチギヤに供給することができるものとなる。
図2は、変速ギヤとカップリングスリーブの拡大配置構成図である。
図3は、変速ギヤの正面構成図である。
図4は、図3のA−A線断面構成図である。
図1は、変速機の概略を示す構成図である。
実施例の変速機1は、図示するように、入力軸1aと、これに平行状に設けられた出力軸1bおよびリバース用アイドラ軸1cと、入力軸1aの動力を変速して出力軸1bあるいはリバース用アイドラ軸1cに伝達するこれら各軸に配置された変速ギヤ機構2と、噛合させる歯車を同期させる同期装置4とを備える。
変速ギヤ機構2は、周知のハス歯歯車として構成されており、各軸に固定的に担持された固定ギヤ2aと、各軸に遊転可能に担持された遊転ギヤ2bとを備える。遊転ギヤ2bには、一体状にクラッチギヤ3が形成されている。
遊転ギヤ2bは、図2の拡大概略構成図で示すように、その端面が凹み状に形成された凹部20を備えており、この凹部20に埋設するようクラッチギヤ3が形成されている。また、凹部20には、図3の正面図および図3におけるA−A断面図である図4に示すように、円周方向に等間隔に円周方向幅寸法が等しい6つの凸部7が形成されており、凸部7間を含む底部20aが潤滑油路としての潤滑溝6として構成されている。
凸部7は、クラッチギヤ3の歯3aを1個挟んでその円周方向両端面がクラッチギヤ3の歯3aと歯3aの間に位置するよう構成されており、クラッチギヤ3の外周面に対向する内端面がクラッチギヤ3の外周面と隙間を有するようにクラッチギヤ3の外周面よりも径方向に若干離れた位置に形成されている。
同期装置4は、軸に固定的に担持されたシンクロハブ4aと、シンクロハブ4aの外周を摺動可能に配置されたカップリングスリーブ5とを備え、カップリングスリーブ5が軸方向に摺動してクラッチギヤ3と噛合することで軸の回転と遊転ギヤ2bの回転との同期を行なう。
カップリングスリーブ5は、内周面にはシンクロハブ4aの外周面に形成されたスプラインに嵌合するスプライン5aが形成されており、外周面には図示しないシフトフォークが係合される係合溝5b’を有する係合部5bと、係合部5bから軸方向に突出するとともに凸部7の当接部7aに当接する当接面5dを有する鍔部5cとが形成されている。
鍔部5cは、当接面5dが当接部7aに当接した状態で遊転ギヤ2bと係合部5bとの間に隙間Sが生ずる軸方向長さに形成されており、係合部5bから軸方向に離れるにしたがって高さが低くなる下傾状をなしている。
次に、こうして構成された変速機1の動作、特に変速動作時にクラッチギヤ3に供給される潤滑油の動きについて説明する。
運転者がシフト動作を行なうとシフトフォークによりカップリングスリーブ5が要求変速段を構成する遊転ギヤ2b側にシフトされる。そして、当接面5dが当接部7aに当接して変速が完了する。
当接部7a、即ち、凸部7は、円周方向に等間隔に円周方向幅寸法が等しく形成されているのでカップリングスリーブ5の摺動を安定して規制することができる。
当接面5dと当接部7aとが当接した状態で、遊転ギヤ2bと係合部5bとの間には隙間Sが生じているため、変速ギヤ機構2を構成する固定ギヤ2aや遊転ギヤ2bにより掻き上げられた潤滑油が隙間Sより凹部20内に流入する。ここで、鍔部5cは係合部5bから軸方向に離れるにしたがって高さが低くなる下傾状を成しているから、固定ギヤ2aや遊転ギヤ2bにより掻き上げられた潤滑油は凹部20側へ流れ易いものとなっている。
凹部20内に流入した潤滑油は、潤滑溝6を通ってクラッチギヤ3に供給される。ここで、凸部7はクラッチギヤ3の歯3aを1個挟んでその円周方向両端面がクラッチギヤ3の歯3aと歯3aの間に位置するよう構成されているので、潤滑溝6からの潤滑油がクラッチギヤ3の全ての歯3aの歯面に充分に供給することができる。また、凸部7bのクラッチギヤ3の外周面に対向する内端面がクラッチギヤ3の外周面と隙間を有するようにクラッチギヤ3の外周面よりも径方向に若干離れた位置に形成されているから、クラッチギヤ3の円周方向に偏りなく潤滑油を供給することができる。
以上説明した実施例の変速機1によれば、カップリングスリーブ5の軸方向摺動を規制するストッパーとしての凸部7をクラッチギヤ3が埋設された遊転ギヤ2bの凹部20に円周方向に等間隔に形成し、凸部7間を含む凹部20の底部20aを潤滑溝6として構成したから、カップリングスリーブ5が凸部7に当接した際にもクラッチギヤ3に潤滑油を良好に供給することができる。この結果、クラッチギヤ3の摩耗耐久性を向上することができる。しかも、カップリングスリーブ5の鍔部5cを凹部20に向かって下傾状に形成したから、固定ギヤ2aや遊転ギヤ2bにより掻き上げられた潤滑油を凹部20側へ流れ易くでき、より多くの潤滑油をクラッチギヤ3に供給することができる。
また、凸部7をクラッチギヤ3の歯3aを1個挟んでその円周方向両端面がクラッチギヤ3の歯3aと歯3aの間に位置するよう構成したから、潤滑油6からの潤滑油をクラッチギヤ3の全ての歯3aの歯面に充分に供給することができる。さらに、凹部20に凸部7を形成するだけであるから簡易な構成でストッパーを構成することができる。
実施例の変速機1では、凸部7を円周方向に等間隔に形成するものとしたが、間隔は等間隔でなくても構わない。
実施例の変速機1では、全ての凸部7の円周方向幅寸法が等しいものとしたが、各凸部7の円周方向幅寸法を異なるものとしても構わない。
実施例の変速機1では、凸部7を円周方向に6つ形成するものとしたが、少なくとも2つ形成されていれば良く、その数はいくつであっても構わない。
実施例の変速機1では、凸部7間の寸法、即ち、凸部7間の潤滑溝6の円周方向幅寸法が凸部7の円周方向幅寸法より大きいものとしたが、クラッチギヤ3に潤滑油を供給することができれば凸部7間の潤滑溝6の円周方向幅寸法と凸部7の円周方向幅寸法との関係は如何なるものであっても構わない。
実施例の変速機1では、凸部7の円周方向両端面をクラッチギヤ3の歯3aと歯3aの間に位置するよう構成するものとしたが、円周方向端面のうち少なくとも一端がクラッチギヤ3の歯3aと歯3aの間に位置するよう構成されていれば構わない。
実施例の変速機1では、凸部7の円周方向幅寸法をクラッチギヤ3の歯3aを1個挟むような長さに構成するものとしたが、例えば、クラッチギヤ3の歯3aを2個挟むような長さに構成したり、クラッチギヤ3の歯3aを3個挟むような長さに構成したりするもの等、クラッチギヤ3の全ての歯3aに潤滑油を供給することができれば如何なる長さであっても構わない。
実施例の変速機1では、ストッパーとしての凸部7および潤滑油路としての潤滑溝6を遊転ギヤ2bの凹部20に形成するものとしたが、カップリングスリーブ5の当接面5dに形成するものとしても良い。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
この変速機では、被動ギヤの外径をスリーブの内径よりも大きく形成して、スリーブを被動ギヤ側面に当接するまでシフト移動させて変速段を確立するものとしている。
シンクロハブの外周面を摺動して前記クラッチギヤに接続可能なカップリングスリーブと、
前記変速ギヤと前記カップリングスリーブとのいずれか一方に設けられ、前記カップリングスリーブの前記変速ギヤ側への摺動を前記変速ギヤと前記カップリングスリーブとの当接面において規制するストッパーと、
前記当接面上に形成され、前記カップリングスリーブの前記変速ギヤ側への摺動が前記ストッパーによって規制された際、前記クラッチギヤに潤滑油を供給する潤滑油路とすることが可能である潤滑溝と、
前記クラッチギヤ外周面と該外周面に対向するストッパー内端面との間に形成され、前記潤滑溝間を連通する連通路と、
を備えることである。
図1は、変速機の概略を示す構成図である。
実施例の変速機1は、図示するように、入力軸1aと、これに平行状に設けられた出力軸1bおよびリバース用アイドラ軸1cと、入力軸1aの動力を変速して出力軸1bあるいはリバース用アイドラ軸1cに伝達するこれら各軸に配置された変速ギヤ機構2と、噛合させる歯車を同期させる同期装置4とを備える。
運転者がシフト動作を行なうとシフトフォークによりカップリングスリーブ5が要求変速段を構成する遊転ギヤ2b側にシフトされる。そして、当接面5dが当接部7aに当接して変速が完了する。
当接部7a、即ち、凸部7は、円周方向に等間隔に円周方向幅寸法が等しく形成されているのでカップリングスリーブ5の摺動を安定して規制することができる。
Claims (6)
- 変速ギヤと一体回転するクラッチギヤと、
シンクロハブの外周面を摺動して前記クラッチギヤに接続可能なカップリングスリーブと、
該カップリングスリーブの端面を当接させて該カップリングスリーブの前記変速ギヤ側への摺動を規制するストッパーと、
前記カップリングスリーブが前記ストッパーに当接した際に、前記クラッチギヤに潤滑油を供給可能な前記カップリングスリーブと前記ストッパーとの当接面に形成された潤滑油路としての潤滑溝と、
を備える変速機。 - 前記ストッパーは、前記カップリングスリーブと円周方向において少なくとも2箇所で当接する当接部を有し
前記潤滑溝は、円周方向幅寸法が前記当接部の円周方向幅寸法以上に形成されてなる請求項1に記載の変速機。 - 前記当接部は、前記円周方向幅寸法が等しく、且つ、前記円周方向に等間隔に配置された凸部として形成され、前記潤滑溝は、該凸部間に形成された凹部である請求項2に記載の変速機。
- 前記潤滑溝は、前記凹部の円周方向端面の少なくとも一方の端面位置が前記クラッチギヤにおける歯と歯の間に形成されてなる請求項3に記載の変速機。
- 前記ストッパーは、前記変速ギヤの端面に形成されてなる請求項1ないし請求項4いずれかに記載の変速機。
- 前記カップリングスリーブは、外周面にかかった前記潤滑油を前記当接面に誘導可能に前記外周面が前記ストッパーに当接する端面側に向かって下傾した形状に形成されてなる請求項1ないし請求項5いずれかに記載の変速機。
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