JPWO2006109739A1 - 合金溶湯の鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、鋳塊引き抜き動作におけるスラグの凝固による悪影響を排除し、凝固鋼塊の偏析の防止と組織の微細化を達成するとともに、鋼塊肌を改善できる新しい合金溶湯の鋳造方法を提供する。本発明による鋳造方法は、合金溶湯(11)を保持する容器(10)より、水冷モールド(2)内壁で囲まれ、かつスラグ(1)を配置した凝固空間へ合金溶湯を0.3m/分以下の鋳造速度で注入し、溶湯プール(4)を形成させつつ凝固させるとともに、合金溶湯の注入速度に応じて、水冷モールド下部より垂直方向に鋳塊(5)を引き抜く合金溶湯の鋳造方法であって、水冷モールド上部には、水冷モールド内壁に連続した内壁形状を有する、スラグからの抜熱を抑制する保温部材(3)を配置するものである。

Description

本発明は、中心偏析、逆V偏析等の偏析を防止し、微細組織を形成することができる合金溶湯の鋳造方法に関するものである。
従来、偏析が少なく、微細組織が得られる合金溶湯の鋳造方法として、真空アーク再溶解法(VAR)やエレクトロスラグ再溶解法(ESR)が良く用いられている。これらの方法は、水冷モールド壁で囲まれた凝固空間において、溶湯プールを形成させつつ、凝固させるものであり、凝固空間が小さく、積み上げるように凝固させる一般に積層凝固と呼ばれる凝固形態となる。
この積層凝固の形態は、凝固空間が小さいことに起因して、インゴット鋳造で発生する中心偏析や、逆V偏析といった偏析の発生を緩和することができる。また、水冷モールドの使用により、冷却速度を高めることができるため、組織が微細均一になるという利点もある。
このように、有効な特徴をもつ再溶解法であるが、VAR,ESRともに、再溶解用電極を製造する必要があり、多くの工数と、再溶解のためのエネルギーを必要とするものであった。
この様な問題を解決しようとする方法として、スラグ反応により精錬効果が期待できるESR法を起源として、電極を使わず細滴化した溶湯を、加熱溶融したスラグ層を追加して、精錬層底部から鋳塊を引き抜く技術が、特許文献1に示されている。
特開昭62−4840号公報
上述した特許文献1に記載される具体的な方法は、溶鋼を精錬槽中に保持し、溶鋼を別に設けた水冷モールドから引き出すという連続鋳造法を開示するものである。特許文献1では、これを積層凝固と称しているが、ESRやVAR法における技術分野における積層凝固は、上述した通り、積み上げるように凝固させるものであって、特許文献1に開示される方法とは異なるものである。
そのため、特許文献1においては、ESRを適用する場合の効果の一つであるスラグの精錬効果を発揮させるのには有効であるが、表層部のみが凝固した状態で引き抜かれざるを得ない連続鋳造法を適用しているため、特に高合金における中心偏析やセンターポロシティという欠陥の発生する可能性があるとともに、ESRの重要な効果である凝固空間を小さくして微細均一組織を得るという効果を得ることができないという問題がある。
本発明の目的は、鋳塊引き抜き動作における凝固したスラグの悪影響を排除し、凝固鋼塊の偏析の防止と組織の微細化を達成するとともに、鋼塊肌を改善できる新しい合金溶湯の鋳造方法を提供することである。
本発明者等は、溶湯を、スラグを配置した凝固空間へ鋳造速度にて0.3m/分以下という極低速の条件で供給することでも、ESRに近似する凝固空間の小さな溶湯プールが形成できることを見出し、さらに、スラグによる、溶湯プール表面の断熱及び外気遮断の作用によって、微細均一組織をもった鋳塊を得ることができることを見出した。しかし、この方法によっても、鋳塊外周に存在するスラグ層により、組織微細化が阻害されたり、スラグ層や凝固シェルにクラックが発生し溶鋼が滲み出したり、ひどい場合にはブレークアウトするというESRにはない問題に直面し、その原因の追求を行った。そして、鋳塊の引き抜き時に、水冷モールド内面のメニスカス部に形成したスラグ固化部の一部または全体が偶発的に鋳塊と同時に降下すること、または、初期凝固シェルが固化スラグ部から離れる際の抵抗で破断することによることを突き止めた。
そのため、安定操業を実現するためには、鋳塊引き抜き動作における凝固したスラグの悪影響を排除する必要がある。これは、極低速で動的に接触するモールド壁と凝固シェルならびにスラグの挙動における問題であり、スラグの存在と極低速の溶湯供給速度を組み合わせた場合の特有の課題と考えられる。
本発明者らは、合金溶湯を、銅製、鉄製等の金属製の水冷モールドに向けてスラグを介して極低速で溶湯を供給して、ESRのごとき積層凝固を行わせようとする場合に発生する鋼塊肌の荒れの直接的な原因は、凝固シェルとスラグとの境界近傍、つまり溶湯プールのメニスカス位置近傍の抜熱が大きすぎ、スラグが広い範囲で固化してしまい、断熱層を形成しつつ引き抜かれること、または、初期凝固シェルの破断にあることを突き止め、上記境界付近に保温部材を配置することで、冷却を阻害することなく鋼塊肌が著しく改善できることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、合金溶湯を保持する容器より、水冷モールド内壁で囲まれ、かつスラグを配置した凝固空間へ合金溶湯を、0.3m/分以下の鋳造速度で注入し、溶湯プールを形成させつつ凝固させるとともに、合金溶湯の注入速度に応じて、水冷モールド下部より垂直方向に鋳塊を引き抜く合金溶湯の鋳造方法であって、水冷モールド上部には、水冷モールド内壁に連続した内壁形状を有する、スラグからの抜熱を抑制する保温部材を配置した合金溶湯の鋳造方法である。
本発明においては、鋳造の定常状態において、溶湯プールのメニスカス上面位置が保温部材の配置範囲内になるように制御することが好ましい。
本発明における保温部材は、鋳塊の引き抜き方向に垂直な断面において下流側の水冷モールド内壁と実質的に同じ内壁形状を有することが好ましい。
また、保温部材は、黒鉛材料とすることが好ましい。
また、本発明における合金溶湯の鋳造速度は、0.005〜0.1m/分が好ましく、より好ましくは、0.005〜0.08m/分、さらに好ましくは0.01〜0.05m/分である。
本発明においては、スラグを、加熱手段により、加熱しつつ、鋳造を行なっても良い。また、本発明において、適用するスラグは融点500〜1400℃の低融点スラグを使用することが望ましい。
また、スラグの厚さとしては、20〜100mmとすることが望ましい。
また、本発明に適用する合金溶湯としては、特に微細組織化と成分偏析の低減が困難とされる冷間ダイス鋼、熱間ダイス鋼、高速度工具鋼等の工具鋼、その他高合金鋼等、またはESR適用の合金に適用することができる。
具体的には、Feを主成分として、質量%でCを3.0%以下、Fe以外の金属元素を5%以上含有する溶湯の鋳造に適用することが望ましく、より望ましくは、質量%でCは0.1〜3.0%の組成の溶湯に適用する。
本発明によれば、溶湯から直接に、積層凝固鋼塊を得ることができるため、低コストかつ高い生産性を確保できる。また、本発明は、偏析の発生、鋳肌の劣化しやすい高合金の製造に適用すれば、工数を飛躍的に低減できるため、特に有効なものとなる。
上述したように、本発明の重要な特徴は、スラグを配置した凝固空間へ溶湯を、極低速で供給する鋳造方法であって、水冷モールド上部に配置した保温部材により、スラグからの抜熱を抑制しつつ鋳造することである。
本発明において、具体的には合金溶湯を保持するタンディッシュ等の容器より、水冷モールド内壁で囲まれ、かつスラグを配置した凝固空間へ合金溶湯を注入するものとする。
再溶解法のような電極を使わず、積層凝固するためには、合金溶湯を、0.3m/分以下という極低速の鋳造速度で注入し、溶湯プールを形成させつつ供給した溶湯を速やかに凝固させる。そのために水冷モールド内壁で囲まれた凝固空間とする。
そして、本発明では合金溶湯の注入速度に応じて(すなわち、メニスカス上面位置を概ね一定の位置に保つように)、水冷モールド下部より垂直方向に鋳塊を引き抜く。これにより、一定形状のメニスカスを形成し、ESRと類似する微細均一組織の積層凝固鋳塊を得ることができるものである。
しかし、この方法だけでは、鋼塊の肌荒れ性は改善できず、本発明では、水冷モールド上部に、水冷モールド内壁に連続した内壁形状を有する保温部材により、スラグからの抜熱を抑制しつつ鋳造する手法を採用した。
この保温部材により、凝固シェルとの境界においてスラグが過度に凝固するのを抑制することができ、鋳塊の引き抜きによる固化スラグの同時降下や凝固シェル破断が抑制されるため、偶発的なスラグのクラックあるいは未発達の凝固シェルのクラックによる溶鋼の滲み出しの防止ができ、鋼塊肌を改善することができるだけでなく、鋳塊の冷却を向上することができる。
なお、本発明において水冷モールド内壁に連続した内壁形状としているのは、不連続の大きな段差あるいは間隙になっていると、形成された凝固シェルがモールド壁面を摺動する際に余計な応力が作用して、凝固シェルが破壊されてしまい鋳塊肌が劣化するためである。
また、保温部材の内壁に生成した不安定な凝固シェルを、余分な応力を与えないで下流側の水冷モールド内壁に誘導するためには、保温部材の形状としては、鋳塊の引き抜き方向に垂直な断面において下流側の水冷モールド内壁と実質的に同じ内壁形状とすることが有効である。
本発明における保温部材の配置位置は、スラグからの抜熱を抑制する効果のある範囲にする。
また、スラグの凝固がもっとも悪影響を与えるのは、モールド近傍におけるスラグと溶湯プールのメニスカスとの境界、即ち凝固シェルの形成位置である。
そして、本発明は動的に鋳造を行うものであり、鋳造の定常状態において、特に凝固シェルの形成位置に保温部材によるスラグからの抜熱抑制効果を発揮させることが有効である。
凝固シェルの形成位置は、溶湯プールのメニスカス上面位置に近接し、メニスカス上面位置は、制御対象として検出しやすいので、上記目的のためには、鋳造の定常状態において、溶湯プールのメニスカス上面位置が保温部材の配置範囲内になるように制御することが望ましいものとなる。
本発明において、凝固シェルとスラグとの境界近傍に配置した保温部材の下端位置は、保温部材により水冷モールドを覆いすぎると、本来の冷却機能を劣化するため、湯面制御位置(メニスカス上面位置)から下方100mmまでの範囲とすることが好ましく、また鋳造期間中の湯面制御位置の変動を考慮すると、保温部材の下端位置は、メニスカス上面位置から下方10mmの範囲は避けることが好ましい。
一方、保温部材の上端位置は、スラグ上面を超えて配置させることが好ましい。保温部材の設置におけるハンドリング性とスラグ全域の保温のためである。
さらに、保温部材内面でのスラグ固化の成長を抑制するために、スラグ層部に相当する領域の保温部材を厚くすることや、保温部材外周部にさらに断熱層を設けること等で熱の損失を抑制することも、必要に応じて適用することができる。
本発明における保温部材としては、耐熱性に加えて、耐スラグ侵食性に優れ、且つ摺動性に優れた材料とすることが好ましい。セラミックス等でも良いが、摺動性に関しては黒鉛含有のセラミックス等が有効であり、さらに耐スラグ侵食性、成形性および摺動性に優れた黒鉛材料を配置することが好ましい。
なお、本発明において合金を保持する容器としては、タンディッシュと呼ばれるものの他、どのようなものであっても構わない。たとえば必要に応じて加熱手段を持つものでも良い。
また、水冷モールドによって形成される鋳型の形状は、凝固形態の均一性からは円形が好ましいが、鋳塊形状と製造性等を考慮し、楕円や矩形としても良い。また、水冷モールドの材質として、凝固空間を小さくするために、鉄製や銅製等の熱伝導特性に優れた金属製の水冷モールドとすることが望ましい。
本発明において、スラグは、介在物の捕獲や溶湯の脱硫といった精錬作用に加えて、溶湯プール表面の断熱及び外気遮断にとって重要である。
また、本発明においては、溶湯の供給方法を限定する物ではないが、合金溶湯をスラグを通過する如く注入すると、スラグによるスラグ反応による精錬効果の向上を期待できる。しかし、この場合は注入時の溶湯流によってスラグがかくはんされ、鋳塊に捕獲され介在物となる恐れもある。一方、溶湯プールにまで達する浸漬ノズルを使用して溶湯を供給すると、スラグ反応による精錬効果は大きくは期待出来ないが、スラグかくはんによる介在物の発生は抑制できる。従って、本発明における溶湯の供給方法は、スラグとの関係を考慮し、要求される品質に基づいて適宜選択することが望ましい。
また、本発明者等の実験によれば、スラグの特性を調整することで、ESRには無い以下の新しい効果を得ることができる。
まず、スラグには精錬効果と、溶湯プール表面の断熱と外気との遮蔽の作用があるが、1400℃を超える融点を有するスラグでは、溶湯からの伝熱だけでは、十分に液化できない場合があり、溶湯プールを囲むスラグ固化層シェルが発達しすぎて、鋳塊外層に異常組織が深く形成する場合がある。これに対して、1400℃以下のスラグでは、溶湯からの熱を受けてスラグの固化が抑制され鋳塊外層の異常組織形成が著しく抑制される。また、このような低融点スラグは、粘性も低く鋳塊表面に不必要に厚いスラグスキンが形成されないという効果もある。
また、本発明は、ESRのような電極からのジュール熱による熱エネルギーの供給ではなく、あらかじめ溶けた溶湯を使用するため、スラグへの特別な加熱手段は必ずしも必要ではない。しかし、スラグの温度コントロールのために、別途加熱手段を設けることもできる。加熱手段としてはスラグ通電で得られるジュール熱の利用が簡便で有効な手段である。スラグ全体の温度を上げず、保温部材内面でのスラグ固化成長を抑えるには、スラグ外周部に集中して電気が流れるように通電用電極を設置することが好ましい。スラグを加熱することで、表層異常組織の生成を抑制することができ、融点の高いスラグの有害性を緩和することができる。過度に高温までスラグを加熱すると、スラグから溶湯への熱移動がおこるため、冷却速度が遅くなる。スラグ温度としては鋳込み温度以下が好ましい。
さらに、このような低融点スラグの適用は、保温部材の効果と合わさって、適度なスラグ固化層が保温部材側に形成され、鋳塊と水冷モールドの間に殆どスラグが侵入せず、かつ凝固シェルにクラックの発生を抑制できる。これにより、溶湯と水冷モールドとの直接接触が回避され、良好な鋳肌のまま水冷モールドに沿って引き抜くことができるため、好ましいものとなる。
なお、スラグとして融点500℃以下のものは、現実的ではなく、500〜1400℃の低融点スラグを使用するのが望ましい。
このようなスラグの効果を得るためには、スラグ層の厚さは20mm以上が好ましく、最適な厚さ範囲は20mm〜100mmである。
また、本発明において、合金溶湯の鋳造速度を、0.3m/分以下としたのは、速すぎると、積層凝固の目的とする偏析の少ない均質な組織が得にくくなること、溶湯中へのスラグ巻き込みのおそれがあるためである。より好ましくは0.1m/分以下、さらに望ましくは0.05m/分以下である。生産性を考慮すれば、0.005m/分以上、より好ましくは0.01m/分以上とすることが望ましい。
本発明を実施する装置を使用した本発明の鋳造工程の一例を図1に示す。図1は装置断面を示すものであり、合金溶湯11を保持するタンディッシュ10,鉄製の水冷モールド2,鋳塊の引き抜きを行う昇降装置20を具備する装置である。そして、水冷モールド上部には、保温部材として黒鉛スリーブ3を配置している。水冷モールドの形状は、長さ400mmであり、黒鉛スリーブを配置する上部200mm部分の内径は471mmで下部内径は450mmである。長さ200mmで内径450mm、外径470mmの黒鉛スリーブが水冷モールド上部に内装されている。水冷モールド下方には2次冷却帯30を配置している。
また、付加装置として、合金溶湯と外気を遮断するシールド14およびスラグ通電電極15を配置可能としている。
図1に示す装置において、合金溶湯11を保持したタンディッシュ10の底部に設けたノズル12から溶湯流13として、スラグ1を配置した凝固空間となる水冷モールド2に注入する。なお、スラグは、あらかじめ溶解したものを鋳造初期にモールドに導入することで配置したものである。
そして、水冷モールド2に内装した保温部材である黒鉛スリーブ3の下端「B」より50mmにメニスカス上面位置「A」を有する溶湯プール4を形成するように制御する。これにより、保温部材内壁側に凝固シェルを形成することができる。
具体的には合金溶湯11の注入量に合わせて、昇降装置20を降下して鋳塊5を引き抜くことで、一定のメニスカス位置を保ちつつ、積層凝固を進行させることができる。また、水冷モールドから抜け出た鋳塊は2次冷却帯30でミスト冷却されるようにしている。
図1の装置を用いて、鋳造実験を行った。なお、スラグ通電電極15は用いていない。
タンディッシュに溶湯を保持し、表1に示す組成及び融点を有するスラグを50mmの厚さで配置して水冷モールドに鋳造を行った。溶湯は質量%JIS SKD11、SKH51相当の2鋼種を用いた。溶湯の成分を表2に示す。
溶湯温度を1500℃とし、鋳造速度は、0.02m/分(20mm/分)相当として3mまで鋳造を行った。
また、比較例として、図1の装置において黒鉛スリーブ(保温部材)を設置しないで鋳造を行った。
得られた鋳塊のスキンスラグの厚さを表3に示す。また鋳塊長さの2分の1の位置の横断面試料の表面からD/8、D/4およびD/2の位置(Dは鋳塊の直径)で2次デンドライトアーム間隔DASIIの値を測定した結果を表4に示す。
表3より本発明では保温部材の効果で、平滑な表面の鋳塊が得られ、スキンスラグの実質的にない鋳塊が得られることがわかる。比較例ではスラグ固化層が鋳塊と同時に引抜かれるため数mm厚という極めて厚いスラグスキンが形成されていることがわかる。
表2に示すように、スキンスラグの形成が実質的にない本発明では、冷却速度の指標であるDASIIの値が小さく、微細な組織が得られていることがわかる。
次に得られた鋳塊を1100℃で115mm角までに熱間鍛造を行なった。115角鋳片表面を2mm研削した後、ダイマークを行ない疵の有無を調査した。その結果を表5に示す。
本発明ではスラグスキンがなく平滑表面鋳塊のため、熱間鍛造時の疵発生がないことがわかる。一方、比較例では厚いスラグスキンが形成し、鋳塊表面に不規則な溶湯浸出しがあり、熱間鍛造時に疵が発生し、2mmの研削で取れきれない疵が存在することが確認された。
実施例1に示す装置にスラグ通電電極15を付加して、鋳造実験を行った。スラグ通電電極15としては、円筒状黒鉛電極を用いた。スラグ通電電極15を表1に示す組成のスラグに浸漬し、スラグに通電してスラグ加熱を行い、同時に黒鉛電極と湯面の中間位置で温度を測定し、電流値によりスラグ温度を1400℃に制御した。スラグの厚さは、50mmであり、溶湯成分は、表2に示すSKD11である。
また、その他の条件は、実施例1と同様に溶湯温度を1500℃とし、鋳造速度は、0.02m/分(20mm/分)相当として3mまで鋳造を行った。
その結果、スラグ通電による加熱を実施しても、鋳塊は平滑でスキンスラグの形成は実質的に無いことを確認した。
また、得られた鋳塊の長手方向の2分の1の位置の横断面試料の表面近傍の組織を観察し表層異常組織深さを表6に表面からD/8,D/4およびD/2の位置(Dは鋳塊の直径)でのDASIIの測定値を表7に示す。
表6より、スラグ加熱によるスラグ温度制御により、スラグ固化層の成長を抑制でき、鋳塊表面の組織の均一化が促進されていることがわかる。また、表7より、1400℃へのスラグ加熱はDASIIの値にほとんど影響がなく微細組織が維持されていることがわかる。これは、スラグ加熱を行なってもスキンスラグがないために、水冷モールドでの抜熱および2次冷却帯での抜熱が進行しているためと考えられる。
このように、スラグ加熱を行なっても平滑鋳塊が得られるため、その後、115角への熱間鍛造後、2mm研削でのダイマークで残疵の確認をおこなったが、実施例1の保温部材使用の鋳塊同様に、残疵は皆無であった。
本発明によれば、このような急冷凝固を行うことで金属組織の微細化が図られ低コストで鋼材性能に優れる鉄鋼材料を供給することでき、省資源・省エネルギーという観点でも広く需要が見込まれる。
本発明を適用する装置の一例を示す概念図である。

Claims (9)

  1. 合金溶湯を保持する容器より、水冷モールド内壁で囲まれ、かつスラグを配置した凝固空間へ合金溶湯を0.3m/分以下の鋳造速度で注入し、溶湯プールを形成させつつ凝固させるとともに、合金溶湯の注入速度に応じて、水冷モールド下部より垂直方向に鋳塊を引き抜く合金溶湯の鋳造方法であって、水冷モールド上部には、水冷モールド内壁に連続した内壁形状を有する、スラグからの抜熱を抑制する保温部材を配置する、合金溶湯の鋳造方法。
  2. 鋳造の定常状態において、溶湯プールのメニスカス上面位置が保温部材の配置範囲内になるように制御される請求項1に記載の合金溶湯の鋳造方法。
  3. 保温部材は、鋳塊の引き抜き方向に垂直な断面において下流側の水冷モールド内壁と実質的に同じ内壁形状を有する請求項1または請求項2に記載の合金溶湯の鋳造方法。
  4. 保温部材は、黒鉛材料である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の合金溶湯の製造方法。
  5. 合金溶湯の鋳造速度が、0.01〜0.05m/分である請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の合金溶湯の鋳造方法。
  6. スラグを、加熱手段により、加熱しつつ、鋳造を行う請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の合金溶湯の製造方法。
  7. スラグの融点が500〜1400℃である請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の合金溶湯の鋳造方法。
  8. スラグ厚さが20〜100mmである請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の合金溶湯の鋳造方法
  9. 合金溶湯は、Feを主成分として、質量%でC 3.0%以下、Fe以外の金属元素を5%以上含有する請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の合金溶湯の鋳造方法。
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