本発明は、コンビニエンスストアや店舗に設置される情報端末装置に関する。本発明は、ユーザが情報端末装置を利用して各種の情報配信サーバから所望する場所の地図情報、店舗の案内図、経路案内図などの情報の配信を受け、あるいは、情報端末装置に蓄積された種々目的場所の地図情報、店舗の案内図、経路案内図などの図形を選択して印刷することのできる図形印刷機能を有する情報端末装置に関するものであり、特に、用紙の幅が限られたロール状の印刷用紙に図形を縮小することなく印刷することができるようにした図形印刷機能を有する情報端末装置、図形印刷方法および印刷物に関するものである。
近年の情報通信技術の発展に伴い、ホテルやコンビニエンスストアなどの店舗に情報端末装置を設置し、ホテルやコンビニエンスストアを訪れたユーザがこの情報端末装置を操作して情報端末装置に蓄積された近隣の劇場、レストラン、テーマパーク、ショッピングのための各種店舗などの情報を出力し、あるいは当該情報に関連した特典を取得したり、インターネットなどの通信網を介して各種の情報配信サーバにアクセスして所望の情報やサービスを得られるようにしたシステムが提供されるようになってきている。
このようなシステムとしては、例えば、ユーザがホテルやコンビニエンスストアなどに設置された情報端末装置を利用して情報端末装置に蓄積されたレストランやショピングのための各種店舗を選択してその案内図を出力したり、当該店舗のクーポン券やサービス券を出力したりするシステムが知られている。また、例えば、ホテルやコンビニエンスストアなどの店舗に設置された情報端末装置を使用し、ホテルやコンビニエンスストアを訪れたユーザがこの情報端末装置を操作してインターネットなどの通信網を介して各種の情報配信サーバにアクセスし、列車やホテル、レストランなどの予約を行ったり、レストランやホテルへの案内図を出力したりするシステムも知られている。
上記のようなシステムは、例えば、下記の特許文献1(特開2002−150108号公報)にはコンビニエンスストアの店舗端末でユーザが目的地を入力すると、目的地までのマクロな地図情報を提供する地図情報配信システムが開示されている。また、下記の特許文献2(特開2002−329102号公報)には、販売管理システムとしてのPOSシステムを構成する端末装置を多機能化してPOSシステムの販売統計データを利用してクーポン券、サービス券などの案内情報を提供する特典付き案内情報提供システムが開示されている。
上記特許文献1に開示された地図情報配信システムは、記録部を有するカードと、前記カードに関連するデータを入力する入力手段と、前記入力手段によって前記カードを発行する発行端末、および、地図情報を印刷する地図情報サービス端末を備えた同系列の複数の店舗で構成され、第1の前記発行端末によって発行された前記カードを、第1の地図情報サービス端末に挿入し目的地を選択することによって印刷される第1の印刷情報に対して、第2以降の地図情報サービス端末で同様な手順によって印刷される地図情報は、より詳細な目的地情報となるように構成されたものである。
また、上記特許文献2に開示された案内情報提供システムは、販売管理システムの端末が設置された店舗で購入された商品の情報や購入した顧客の属性情報を管理するPOSシステムと、情報選択部により適宜選択された広告主の所在地までの地図を含む案内情報と広告主の宣伝広告情報とクーポン券やサービス券などの特典情報とを紙面上に構成して印刷出力可能な画像形成システムと、さらに統計処理部とを組み合わせることによって、商品情報、顧客属性情報、特典利用情報に関する統計処理を可能にして、広告主が顧客に対してよりマッチしたきめ細かい情報を提供できるように構成したものである。これにより、より大きな広告効果が得られるように改善している。
特開2002−150108号公報(図1、図2)
特開2002−329102号公報(図1、図2)
ところで、上記特許文献1あるいは特許文献2のようなシステムを構成する情報端末装置やPOS端末装置における印刷手段は、用紙の幅が比較的狭いロール状の用紙に印刷するように構成されている。例えば、POS端末装置においては、レシートを印刷するため、の幅が6cm程度のロール紙に印刷するのが一般的である。ロール紙の幅は広いものでも8cm程度である。一方、このようなロール紙に印刷する案内図は、図10に示すように、例えば、情報端末装置が設置されている現在位置から所望の近隣の店舗〇〇店までの案内経路(矢印線)を含むものであり、ある程度のエリアをカバーする大きさの図になる。
このような比較的幅の狭い、用紙幅に制約のあるロール紙に印刷を行う場合、レシートの印刷や文字列、簡単な図形を印刷する場合は問題ないが、地図、案内図、案内経路図など(以下これらを総称して案内図と称する)のような図形を印刷する場合は、印刷する図形の幅(横方向の長さ)は当然のことながら印刷するロール紙の幅に収まるように計算され、もとの図形の縦横比を保ったまま、すなわち、縦方向の長さも縮小されて印刷用の画像データが生成される。すなわち、図10の案内図のような図形を図11に示すように比較的幅の狭いロール紙に縦、横を縮小した図形として印刷することになる。
従って、ロール状用紙に印刷された結果は、縦横縮小された案内図になり、印刷した案内図から目標物や経路を判別しようとしても極めて識別しにくい印刷物しか提供できないという問題点があった。
しかしながら、上記特許文献1、特許文献2に開示された地図情報配信システムや案内情報提供システムを構成する端末装置には上記のような問題点を解消する印刷機能については何ら言及されていない。
本願の発明者は上記問題点を解決すべく種々検討を重ねた結果、案内する目標物までの経路の屈曲点における角度を算出して、該角度に応じて折り曲げ余白を空け、経路を直線として印刷すれば、ロール紙上に範囲の広い図形を縮小せずに印刷可能であり、印刷された用紙を折り曲げることによって経路を連続した状態で観察できることを着想し本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、情報端末装置を利用して各種の情報配信サーバから所望する場所の地図情報、店舗の案内図、経路案内図などの図形の情報の配信を受け、あるいは、情報端末装置に蓄積された種々目的場所の地図情報、店舗の案内図、経路案内図などの図形の情報を選択してその図形を印刷することのできる図形印刷機能を有する情報端末装置において、用紙の幅が限られたロール状の印刷用紙に図形を縮小することなく印刷することができるようにした図形印刷機能を有する情報端末装置、図形印刷方法および印刷物を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本願の請求の範囲1にかかる発明は、
所定の幅を有する連続したロール状用紙に印刷データを出力する印刷手段を備えた図形印刷機能を有する情報端末装置において、
前記情報端末装置は、前記印刷データを作成する印刷データ作成手段と、角度算出手段と、を備え、
前記角度算出手段は、屈曲点を含む図形のデータと該屈曲点における屈曲角度のデータを備えた図形データに基づいて、前記屈曲点に対応して前記ロール状用紙を折り畳む角度指標を算出し、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データであって前記角度指標によって定まる折り畳み部において前記図形を不連続とする空白部長さを算出し、
前記印刷データ作成手段は、前記角度指標と空白部長さに基づいて、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データを作成することを特徴とする。
また、本願の請求の範囲2にかかる発明は、請求の範囲1にかかる発明において、前記角度算出手段は、前記屈曲角度を前記図形データに含まれるデジタル図形のリンクがなす角度から求めることを特徴とする。
また、本願の請求の範囲3にかかる発明は、請求の範囲1にかかる発明において、前記印刷手段は、ロール状用紙の両面に印刷する両面印刷機能を備え、前記印刷データ作成手段は、前記ロール状用紙を前記角度指標線に沿って折り畳んだ際に、印刷すべき図形がロール状用紙の表面と裏面において連続するように印刷データを作成することを特徴とする。
また、本願の請求の範囲4にかかる発明は、請求の範囲1にかかる発明において、前記図形データは、前記情報端末装置が設置された場所を出発地として所定の目的地毎に当該目的地までの案内経路を含み、予め前記情報端末装置内に記憶されていることを特徴とする。
また、本願の請求の範囲5にかかる発明は、請求の範囲1にかかる発明において、前記情報端末装置は、更に通信手段と入力手段を備え、所望の出発地と目的地を設定し情報配信サーバに経路探索条件を送信し、前記図形データは前記情報配信サーバが探索した案内経路を含み、前記情報端末装置は当該図形データを受信して印刷することを特徴とする。
また、本願の請求の範囲6にかかる発明は、請求の範囲5にかかる発明において、前記出発地は前記情報端末装置が設置された場所であることを特徴とする。
本願の請求の範囲7にかかる発明は、
所定の幅を有する連続したロール状用紙に印刷データを出力する印刷手段を備えた図形印刷機能を有する情報端末装置における図形印刷方法において、
前記情報端末装置は、前記印刷データを作成する印刷データ作成手段と、角度算出手段と、を備え、
前記角度算出手段が、屈曲点を含む図形のデータと該屈曲点における屈曲角度のデータを備えた図形データに基づいて、前記屈曲点に対応して前記ロール状用紙を折り畳む角度指標を算出するステップと、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データであって前記角度指標によって定まる折り畳み部において前記図形を不連続とする空白部長さを算出するステップと、
前記印刷データ作成手段が、前記角度指標と空白部長さに基づいて、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データを作成するステップと、を含み、前記図形データを印刷することを特徴とする図形印刷方法である。
また、本願の請求の範囲8にかかる発明は、請求の範囲7にかかる発明において、前記角度算出手段が前記屈曲角度を算出するステップは、前記屈曲角度を前記図形データに含まれるデジタル図形のリンクがなす角度から求めることを特徴とする。
また、本願の請求の範囲9にかかる発明は、請求の範囲7にかかる発明において、前記印刷手段は、ロール状用紙の両面に印刷する両面印刷機能を備え、前記印刷データ作成手段は、前記ロール状用紙を前記角度指標線に沿って折り畳んだ際に、印刷すべき図形がロール状用紙の表面と裏面において連続するように印刷データを作成するステップを含むことを特徴とする。
また、本願の請求の範囲10にかかる発明は、請求の範囲7にかかる発明において、前記図形データは、前記情報端末装置が設置された場所を出発地として所定の目的地毎に当該目的地までの案内経路を含み、予め前記情報端末装置内に記憶されていることを特徴とする。
また、本願の請求の範囲11にかかる発明は、請求の範囲7にかかる発明において、前記情報端末装置は、更に通信手段と入力手段を備え、所望の出発地と目的地を設定し情報配信サーバに経路探索条件を送信するステップと、前記図形データは前記情報配信サーバが探索した案内経路を含み、前記情報端末装置は当該図形データを受信して印刷するステップと、を含むことを特徴とする。
また、本願の請求の範囲12にかかる発明は、請求の範囲11にかかる発明において、前記出発地は前記情報端末装置が設置された場所であることを特徴とする。
本願の請求の範囲13にかかる発明は、
ロール状用紙を用いて印刷された図形を表現した印刷物であって、
前記図形の屈曲点において該ロール状用紙を折り畳みまたは折り返すための角度指標線が、前記屈曲点における屈曲角度に基づく角度で設定され、
前記図形は、前記屈曲点毎に区切って前記ロール状用紙の長手方向に沿って印刷され、
前記ロール状用紙の幅よりも広い長さ範囲の図形を印刷したことを特徴とする印刷物である。
また、本願の請求の範囲14にかかる発明は、請求の範囲13にかかる発明において、前記印刷物に印刷された図形は、案内経路を含む案内図であることを特徴とする。
また、本願の請求の範囲15にかかる発明は、請求の範囲13にかかる発明において、前記図形は輪郭を有する図形であって、前記輪郭の屈曲点に対応してロール状用紙を折り畳みまたは折り返すための角度指標線が、前記屈曲点における屈曲角度に基づく角度で設定され、前記図形の輪郭は、前記屈曲点毎に区切って前記ロール状用紙の長手方向に沿って印刷され、前記ロール状用紙の幅よりも広い長さ範囲の図形を印刷したことを特徴とする。
本願の請求の範囲1ないし請求の範囲2にかかる発明においては、情報端末装置は、前記印刷データを作成する印刷データ作成手段と角度算出手段を備え、角度算出手段は、屈曲点を含む図形のデータと該屈曲点における屈曲角度のデータを備えた図形データに基づいて、前記屈曲点に対応して前記ロール状用紙を折り畳む角度指標を算出し、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データであって前記角度指標によって定まる折り畳み部において前記図形を不連続とする空白部の長さを算出し、前記印刷データ作成手段は、前記角度指標と空白部長さに基づいて、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データを作成する。
従って、情報端末装置はロール状用紙の幅より広い長さ範囲の図形を印刷することができるようになる。すなわち、印刷すべき図形は過度に縮小されることなくロール状の用紙に印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは図形を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲3にかかる発明においては、請求の範囲1にかかる発明において、印刷手段は、ロール状用紙の両面に印刷する両面印刷機能を備え、前記印刷データ作成手段は、前記ロール状用紙を前記角度指標線に沿って折り畳んだ際に、印刷すべき図形がロール状用紙の表面と裏面において連続するように印刷データを作成する。
従って、情報端末装置はロール状用紙の幅よりも広い長さ範囲の図形を印刷することができるようになる。すなわち、印刷すべき図形は過度に縮小されることなくロール状の用紙に両面印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り返すと、ユーザは図形を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲4ないし請求の範囲6にかかる発明においては、情報端末装置は、出発地から目的地までの案内経路を含む案内図などの図形をロール紙に印刷することができる。そして、案内図は過度に縮小されることなくロール状の用紙に印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは案内経路を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲7ないし請求の範囲8にかかる発明においては、角度算出手段が、屈曲点を含む図形のデータと該屈曲点における屈曲角度のデータを備えた図形データに基づいて、前記屈曲点に対応して前記ロール状用紙を折り畳む角度指標を算出するステップと、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データであって前記角度指標によって定まる折り畳み部において前記図形を不連続とする空白部長さを算出するステップと、印刷データ作成手段が、前記角度指標と空白部長さに基づいて、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データを作成するステップと、を含み、前記図形データを印刷する。
従って、情報端末装置はロール状用紙の幅よりも広い長さ範囲の図形を印刷することができるようになる。すなわち、印刷すべき図形は過度に縮小されることなくロール状の用紙に印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは図形を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲9にかかる発明においては、請求の範囲7にかかる発明において、印刷手段は、ロール状用紙の両面に印刷する両面印刷機能を備え、前記印刷データ作成手段は、前記ロール状用紙を前記角度指標線に沿って折り畳んだ際に、印刷すべき図形がロール状用紙の表面と裏面において連続するように印刷データを作成するステップを含む。
情報端末装置はロール状用紙の幅よりも広い長さ範囲の図形を印刷することができるようになる。すなわち、印刷すべき図形は過度に縮小されることなくロール状の用紙に両面印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り返すと、ユーザは図形を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲10ないし請求の範囲12にかかる発明においては、情報端末装置は、出発地から目的地までの案内経路を含む案内図などの図形をロール紙に印刷することができる。そして、案内図は過度に縮小されることなくロール状の用紙に印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは案内経路を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲13にかかる発明においては、ロール状用紙を用いて印刷された図形を表現した印刷物は、図形の屈曲点において該ロール状用紙を折り畳みまたは折り返すための角度指標線が、前記屈曲点における屈曲角度に基づく角度で設定され、該図形は、前記屈曲点毎に区切って前記ロール状用紙の長手方向に沿って印刷され、ロール状用紙の幅よりも広い長さ範囲の図形が印刷されている。
従って、印刷すべき図形が過度に縮小されることなくロール状の用紙に印刷された印刷物を提供することができるようになる。この印刷物を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは図形を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲14にかかる発明においては、請求の範囲13にかかる発明において、印刷物に印刷された図形は、案内経路を含む案内図である。従って、案内図は過度に縮小されることなくロール状の用紙に印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは案内経路を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求項15にかかる発明においては、請求の範囲13にかかる発明において、図形は輪郭を有する図形であって、前記輪郭の屈曲点に対応してロール状用紙を折り畳みまたは折り返すための角度指標線が、前記屈曲点における屈曲角度に基づく角度で設定され、図形の輪郭は、前記屈曲点毎に区切って前記ロール状用紙の長手方向に沿って印刷されている。
従って、大きな二次元的な広がりのある図形をロール紙で表現することができるので、大きなペイントを行う際のマスキングテープのような使い方も可能になる。また、表現したい図形の外周をベクトルデータで表し、そのベクトルの長さと角度変化に基づいてロール紙に印刷を行うと、図形輪郭の型紙とすることができるようになる。
以下、本発明の具体例を実施例および図面を用いて詳細に説明する。以下の本発明の実施例は、経路探索および案内機能を有する情報配信サーバに接続される情報端末装置を例にして説明するが、本発明はこれに限らず、スタンドアロンで動作する情報端末装置あるいはPOSの機能を有する情報端末装置と兼用されるものであってもよく、あるいは、比較的幅の狭いロール紙の印刷装置を接続したネットワーク接続可能なワークステーションやパーソナルコンピュータであってもよい。
図1は、本発明の実施例にかかる図形印刷機能を有する情報端末装置を備えた情報配信システムの構成を示すブロック図である。図2は、経路探索のための道路ネットワークデータの構成を説明するための模式図である。図3は、交通機関を使用した経路探索のための道路ネットワークを説明するための模式図である。図4は、本発明の実施例にかかる図形の印刷方法を説明するための図であり、図4(a)は、案内経路のガイダンスポイント屈曲角度を説明する図、図4(b)は、屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷する概念を説明する図である。
図5は、図4に示す印刷方法によって図10の図形を印刷した印刷物を示す図である。図6は、図5に示す印刷物の使用状態を示す図であり、印刷された図形を折り畳んでガイダンスポイントの屈曲を視認できるようにした状態を示す図である。図7は、本発明の実施例にかかる情報端末装置の印刷動作手順を示すフローチャートである。図8は、案内経路上のガイダンスポイントにおける屈曲角度の異なる図形を印刷する場合を説明する図であり、図8(a)は、案内経路のガイダンスポイント屈曲角度を説明する図、図8(b)は、屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷する概念を説明する図である。図9は、本発明にかかる実施例の印刷方法による図形を、両面印刷機能を用いて印刷する場合を説明するための図であり、図9(a)は、折り畳み線を説明するための説明図、図9(b)は、用紙に表裏に印刷された図形を折り畳んだ状態を示す図である。
本実施例にかかる情報配信システム10は、図1に示すように、情報配信サーバ20とインターネットや専用線ネットワークなどのネットワーク11を介して接続されるコンビニエンスストアやホテルなどの店舗に設置された情報端末装置30を備えて構成される。情報配信サーバ20は、一般の通信型のナビゲーションシステムにおける経路探索、経路案内機能、地図配信機能などを備えた経路探索サーバと同様のサーバである。
情報配信サーバ20は道路ネットワークDB26を備えており、情報端末装置30から送信される目的地の位置情報に基づいて情報端末装置30の設置位置から目的地までの最適経路を探索して地図のデータ、案内経路のデータを情報端末装置30に配信する。情報端末装置30は情報配信サーバ20から配信された地図のデータ、案内経路のデータを表示し、または、印刷してユーザに提供する。
一般のナビゲーションシステムにおいては、出発地はユーザが指定する任意の位置であるが、本実施例においては、情報端末装置30がホテルやコンビニエンスストアに固定的に設置され、ホテルやコンビニエンスストアを訪れたユーザが近隣の劇場、テーマパーク、レストラン、店舗を目的地としてその案内を得るためのシステムを想定しているため、情報端末装置30の設置位置が出発地となる。
道路ネットワークDB26に蓄積される地図、道路のデータは経路探索用のデータであり、一般のナビゲーションシステムにおける経路探索サーバが備えるデータベースと同様のものである。すなわち、地図(道路)が図2に示すように、道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで道路ネットワークデータを構成している。すなわち、図2において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図2では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図2において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。図2ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
また、情報配信サーバ20が電車や航空機などの交通機関に関する経路探索、時刻案内などの情報を配信する場合、道路ネットワークDB26には、交通機関のネットワークデータも蓄積することができる。交通機関のネットワークのデータは、例えば、交通機関の路線が図3に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図3において、○印、◎印がノードを示し、◎印は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図3では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
しかしながら、交通機関の運行ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通機関の運行ネットワークでは、図3に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数あり、各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
図3に例示する交通機関の運行ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になり、道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量のネットワークデータとなる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
このような交通機関の運行ネットワークデータを用いてある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。例えば、図3において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択し、交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノード(乗り換えノード)において乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して乗り継ぎ時間(乗り換え時間)を含む各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
情報配信サーバ20は、また、制御ユニット21、通信手段22、経路探索手段23、案内データ作成手段24、ガイダンスポイント設定手段25を備えて構成されている。制御ユニット21は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段22は、ネットワーク11を介して情報端末装置30と通信するためのインターフェースである。経路探索手段23は、道路ネットワークDB26を参照して出発地から目的地までの最適経路を探索するものであり、経路の探索は周知のダイクストラ法といわれる手法が採用される。
案内データ作成手段24は、経路探索手段23が探索した案内経路(出発地から目的地までの経路)を情報端末装置30に配信するためのデータに編集するためのものである。ガイダンスポイント設定手段25は案内経路に含まれる交差点や分岐点のノードを特定し、該ノードにおける進行方向(直進、右左折など)のガイダンスを設定し、案内データ作成手段24に送るものである。すなわち、案内データには、出発地から目的地までの経路(案内経路)と案内経路におけるガイダンスポイントおよび各ガイダンスポイントにおけるガイダンス(直進、右左折などのガイダンス)が含まれる。この案内データは、情報端末装置30に配信され、印刷手段によって出力される。なお、図1においては、情報配信サーバ20のモニタ表示手段である表示手段、情報配信サーバ20を操作するための操作手段などは図示を省略している。
情報配信サーバ20は、前述したように道路ネットワークDB26を用いて徒歩を移動手段とする経路探索、さらに、道路ネットワークDB26に交通機関の運行ネットワークデータや時刻表データが蓄積されている場合には、徒歩および交通手段を移動手段とする経路探索が可能であるが、本発明においては、情報配信サーバ20から配信された案内図を印刷する構成が要部であり、徒歩や交通手段を用いる経路探索の手順の詳細については一般的なナビゲーションシステムと同様である。従って、経路探索の手法についての説明は省略する。
一方、情報端末装置30は、制御ユニット31、入力手段32、表示手段33、通信手段34、案内データ記憶手段35、角度算出手段36、印刷データ作成手段37、印刷手段38を備えている。制御ユニット31は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。入力手段32は、数字やアルファベットキーやその他の機能キー、選択キーなどからなる入力手段であり、表示手段33に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、数字やアルファベットキーを操作して目的地などの経路探索の条件を入力するものである。通信手段34は、ネットワーク11を介して情報配信サーバ20と通信するためのインターフェースである。
情報端末装置30は、先に述べたようにホテルやコンビニエンスストアに設置されるものであり、ユーザが情報端末装置30を操作して目的地を選択して経路案内を要求する場合、出発地の位置情報は情報端末装置30が設置とされているホテルやコンビニエンスストアの位置になる。すなわち、情報端末装置30を操作するユーザはホテルやコンビニエンスストアを訪れた人であり、当該ホテルやコンビニエンスストアを起点として目的地までの経路案内を所望するのが一般的であるから情報端末装置30の設置位置を出発点とするものである。勿論、ユーザが、情報端末装置30が設置されているホテルやコンビニエンスストアの近傍の交通機関の駅などを起点とした経路案内を所望する場合には、入力手段32などを利用して出発地を入力すればよい。
情報端末装置30において、案内データ記憶手段35は情報配信サーバ20から配信された案内データを一時記憶する記憶手段である。情報配信サーバ20から案内データには、先に説明したように、出発地から目的地までの経路(案内経路)と案内経路におけるガイダンスポイントおよび各ガイダンスポイントにおけるガイダンス(直進、右左折などのガイダンス)が含まれる。角度算出手段36は、案内データに含まれる案内経路上のガイダンスポイントであって、右左折を伴うガイダンスポイントにおける案内経路の屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷するための角度を算出する。この角度を以下、角度指標と称する。
ここで算出する角度は、図4を用いて後述する用紙の端部と案内経路を印刷するガイダンスポイントのなす角度である。すなわち、本発明においては、経路や道路が屈曲している地点で、ロール紙を折り曲げて正しい角度で経路や道路を継続して表現することとし、そのための折り曲げる位置と角度指標を定めて提供するものである。以下にその具体的な手順を説明する。
印刷データ作成手段37は角度算出手段36がガイダンスポイントにおける案内経路の屈曲角度に基づいて、図4〜図8を参照して後述するように屈曲角度に応じた三角形状の非印刷部分を挟んで案内経路を不連続な直線として印刷するための印刷データを作成し、印刷手段38は印刷データ作成手段37が作成した印刷データを印刷する。ここで、印刷手段38は、幅が6cm程度の比較的幅の狭い、用紙幅に制約のあるロール紙などの印刷用紙にデータを印刷するように構成された印刷機構である。
図4は、本発明の実施例にかかる案内図などの図形の印刷方法を説明するための図であり、図4(a)は、案内経路のガイダンスポイント屈曲角度を説明する図、図4(b)は、屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷する概念を説明する図である。
図4(a)に示すように案内経路Rに角度θで右折するガイダンスポイントIが存在するものとする。この場合、ガイダンスポイントIは交差点でありこれを直角に右折する案内経路の例である。このときの、折り曲げる角度の算出は以下のようになっている。このガイダンスポイントIは先に説明したように情報配信サーバ20が配信する案内データではガイダンスポイントとして抽出されている。この部分の道路ネットワーク(デジタル地図)のデータは、交差点ノードと、それに入るリンクと出るリンクで構成されている。この入りリンクと出リンクはベクトルデータであるから、両者の角度差を求めることが出来る。
図4(a)に示すように、その角度をθとすると、ロール紙に印刷すべき角度指標は図4(b)に示すように、ロール紙の幅方向に対して傾きθ/2ずつで良い。この角度指標線を、まずガイダンスポイントIaを通るように引いて、次にロール紙のエッジとの交点をPとして、さらにその交点Pから対照的に角度指標線を印刷する。その角度指標線上のIaとの対照点Ibから、右折後の経路を印刷することによって、案内経路Rを不連続の直線として印刷する。図4(b)におけるPからの点線は谷折りを示す指標線である。このような手順を用いて、図10に示す案内図を印刷すると、図5に示す印刷物として情報端末装置30の印刷手段38から出力される。このようにして印刷された用紙を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは案内図を図6に示すような連続性のある案内経路として観察することができる。そして、図6の案内図は図10に示す大きさを保ったままの状態で印刷されたことになる。
なお、上記の例はガイダンスポイントを直角に右折する場合でありP点は用紙の左エッジになったが、直角に左折する場合にはP点は用紙の右エッジとなる。また、上記の説明においては、ロール紙に角度指標線、谷折の指標線などを案内図とともに印刷する例を説明しているが、印刷手段38に折り目をつけ、あるいは、ミシン目などを入れて出力するフィニッシャ機能がある場合は、必ずしも角度指標線などが印刷されていなくてもよい。ユーザは折り目やミシン目に沿って印刷物を折り曲げることによって図6のような案内図として案内経路を観察することができるようになる。
次に、図7に示すフローチャートを参照して情報端末装置30における案内図などの図形の印刷手順を説明する。なお、図7のフローチャートにおいては、情報端末装置30から目的地までの経路案内の要求(経路探索要求)がなされ、情報配信サーバ20が経路探索を行って、目的地までの案内データを作成し、この案内データが情報端末装置30に配信されたものとして説明する。先ず情報端末装置30は、ステップS10の処理において、通信手段34で情報配信サーバ20から目的地までの案内データを受信し、案内データ記憶手段35にこれを一時記憶する。
次に、情報端末装置30はポインタIを1としてステップS12の処理において、角度算出手段36は、案内データにおける案内経路上の最初のガイダンスポイントIの屈曲角度を得る。ステップS13でその屈曲角度を判定し、屈曲角度が「0」すなわち直進であればステップS16の処理に進み、屈曲角度が「0」以外であれば、ステップS14の処理において、屈曲角度θに基づいて図4で説明した角度指標のロール紙の幅方向に対する傾きθ/2を算出する。
この角度指標による角度指標線をまずガイダンスポイントIaを通るように引いて、次にロール紙のエッジとの交点をPとして、さらにその交点Pから対照的に角度指標線を引きその上のガイダンスポイントIaの対照点Ibを定める。この対照点IbからガイダンスポイントIを曲がった後の案内経路を印刷することになる(図4参照)。すなわち、案内経路RはガイドポイントIaとその対照点Ibの間は空白となり印刷されない。この空白部の長さはステップS15の処理において、角度指標線の間の角度θから容易に算出することができる。
このステップS12からステップS15までの処理により最初のガイダンスポイントIにおける角度指標と該ガイダンスポイントIの折り曲げ部における案内経路の空白部の長さの算出が終了する。ガイダンスポイントIに関する処理が終了すると、角度算出手段36は、ステップS16の処理において案内データの全ガイダンスポイントの処理が終了したかを判定する。全ガイダンスポイントの処理が完了していなければ、ステップS17の処理において、ポインタIを1加算しステップS12に戻り、I+1番目のガイダンスポイントに関する処理を行う。この処理を繰り返し、案内経路上において案内経路が右折、または左折、あるいは屈曲する全てのガイダンスポイントの処理を行う。
ステップS16の処理において、全ガイダンスポイント処理が終了すると、印刷データ作成手段37は、ステップS18の処理において、情報配信サーバ20から配信された案内データと上記処理によって各ガイダンスポイントについて算出した角度指標と案内経路の空白部の長さに基づいて印刷データを作成する。このデータは、通常の印刷手段における画像データ作成と同様の手法によって行うことができる。ステップS18の処理によって印刷データが作成されると、次いで、印刷手段38はステップS19の処理においてロール紙にステップS18の処理によって作成された印刷データを印刷する。
図4で説明したガイダンスポイントの例は、案内経路が交差点において直角に右折する場合であったが、本発明は直角に限らず、あらゆる角度に対して上記手順により処理して印刷することが可能である。例えば、図8(a)に示すように、案内経路がガイダンスポイントIにおいて、角度θが30度で左にまがる案内経路、すなわち、左30度に曲がる案内経路の場合、角度指標はθ/2=15度であり、図8(b)に示すように、この角度指標の角度指標線を、まずガイダンスポイントIaを通るように引いてロール紙との交点をPとする。この場合、点Pは用紙の右エッジ上になる。次に、その交点Pから対照的に角度指標線を印刷する。その角度指標線上のIaとの対照点Ibから、左折後の経路を印刷することによって、案内経路Rを不連続の直線として印刷する。これを印刷した後、図8(b)におけるPからの点線(谷折りを示す指標線)で用紙を谷折りすると図8(c)に示すように左30度に案内経路が曲折した案内図として観察することができる。
また、印刷手段38が両面印刷機能を有するものである場合には、ガイダンスポイントIで角度θ=90度で右折する場合、角度指標はθ/2=45度であり、図9(a)に示すように、ガイダンスポイントIを通りロール用紙エッジと直交する線を引き、ロール紙の左エッジと交わる点Pから45度の角度指標線(谷折り線)を設定し、ロール紙の表面にはガイダンスポイントIaに至る案内経路を印刷する。また、ガイダンスポイントIaから角度指標線上のガイダンスポイントIbに至る空白部分に相当する間の案内経路は、図9(b)に示すようにロール紙の裏面に印刷される。この空白部分の長さは、角度θに基づいて容易に算出することができる。
そして、角度指標線上のガイダンスポイントIbからロール紙の長さ方向と平行に次のガイダンスポイントI+1までの案内経路部分を印刷する。このようにして印刷した印刷物を谷折線に沿って折り返すと、図9(b)に示すように直角に右折する案内経路が観察できる。なお、図9(b)にはガイダンスポイントIの次のガイダンスポイントI+1番目のガイダンスポイントにおいて角度θ=90度で左折する案内経路を再度表面に印刷した部分も示されている。
なお、情報端末装置30が情報配信サーバ20から案内経路のデータ(案内データ)の配信を受け、オンデマンドで案内図を印刷する前述の手順において、ガイダンスポイントの間に多少の屈曲があっても、ロール紙に収まるようデフォルメした案内図としてガイダンスポイント間の案内経路を直線的に印刷しても実用上の不具合は生じない。また、情報端末装置30が予め決まった目的地までの案内経路のデータを持ち、これを印刷する場合には、前述の手順で印刷データを作成して記憶しておき、これを印刷するように構成してもよい。
本発明は、経路を印刷表示する以外にも、様々な案内などに応用することができる。例えば、飲食店などの箸ケースは通常店名などが印刷されているだけであるが、その飲食店が属す商店街の案内図を印刷表示したり、周辺の観光地までの案内図を本発明によって表現することにより、その店も地域も大変印象深いものとして感動を与えることができる。また、上記特許文献2(特開2002−150108号公報)の地図情報配信システムと同様の目的で特定ルートの地図を販売する際にも、ロール紙のみで詳細な地図を販売することができる。助手席の同乗者が、紙を折りながら案内するのも大変楽しいものである。
また、先に述べたようにロール紙に印刷した際に、後処理として折り目やミシン目を自動的につけるアタッチメント(フィニッシャー)を組み合わせれば、折る作業も非常に安易になる。さらに手を加えて、実際に折って接着などして提供する地図や案内図としてもよい。さらに、本発明は案内図や経路などの図形を印刷物として表示するのが本来の目的であるが、大きな二次元的な広がりのある図形をロール紙で表現することができるので、大きなペイントを行う際のマスキングテープのような使い方も可能である。表現したい図形の外周をベクトルデータで表し、そのベクトルの長さと角度変化に基づいてロール紙に印刷を行うと、図形輪郭の型紙とすることができる。
本発明の実施例にかかる図形印刷機能を有する情報端末装置を備えた情報配信システムの構成を示すブロック図である。
経路探索のための道路ネットワークデータの構成を説明するための模式図である。
交通機関を使用した経路探索のための道路ネットワークを説明するための模式図である。
本発明の実施例にかかる図形の印刷方法を説明するための図であり、図4(a)は、案内経路のガイダンスポイント屈曲角度を説明する図、図4(b)は、屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷する概念を説明する図である。
図4に示す印刷方法によって図10の図形を印刷した印刷物を示す図である。
図5に示す印刷物の使用状態を示す図であり、印刷された図形を折り畳んでガイダンスポイントの屈曲を視認できるようにした状態を示す図である。
本発明の実施例にかかる情報端末装置の印刷動作手順を示すフローチャートである。
案内経路上のガイダンスポイントにおける屈曲角度の異なる図形を印刷する場合を説明する図であり、図8(a)は、案内経路のガイダンスポイント屈曲角度を説明する図、図8(b)は、屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷する概念を説明する図である。
本発明にかかる実施例の印刷方法による図形を、両面印刷機能を用いて印刷する場合を説明するための図であり、図9(a)は、折り畳み線を説明するための説明図、図9(b)は、用紙に表裏に印刷された図形を折り畳んだ状態を示す図である。
一般的な印刷手段により図形を印刷した印刷物の一例を示す模式図である。
比較的幅の狭いロール紙に印刷する印刷手段を備えた一般的な情報端末装置において、図10の図形を印刷した場合を示す模式図である。
符号の説明
10・・・・情報配信システム
12・・・・ネットワーク
20・・・・情報配信サーバ
21・・・・制御ユニット
22・・・・通信手段
23・・・・経路探索手段
24・・・・案内データ作成手段
25・・・・ガイダンスポイント設定手段
26・・・・道路ネットワークDB
30・・・・情報端末装置
31・・・・制御ユニット
32・・・・入力手段
33・・・・表示手段
34・・・・通信手段
35・・・・案内データ記憶手段
36・・・・角度算出手段
37・・・・印刷データ作成手段
38・・・・印刷手段
本発明は、コンビニエンスストアや店舗に設置される情報端末装置に関する。本発明は、ユーザが情報端末装置を利用して各種の情報配信サーバから所望する場所の地図情報、店舗の案内図、経路案内図などの情報の配信を受け、あるいは、情報端末装置に蓄積された種々目的場所の地図情報、店舗の案内図、経路案内図などの図形を選択して印刷することのできる図形印刷機能を有する情報端末装置に関するものであり、特に、用紙の幅が限られたロール状の印刷用紙に図形を縮小することなく印刷することができるようにした図形印刷機能を有する情報端末装置、図形印刷方法および印刷物に関するものである。
近年の情報通信技術の発展に伴い、ホテルやコンビニエンスストアなどの店舗に情報端末装置を設置し、ホテルやコンビニエンスストアを訪れたユーザがこの情報端末装置を操作して情報端末装置に蓄積された近隣の劇場、レストラン、テーマパーク、ショッピングのための各種店舗などの情報を出力し、あるいは当該情報に関連した特典を取得したり、インターネットなどの通信網を介して各種の情報配信サーバにアクセスして所望の情報やサービスを得られるようにしたシステムが提供されるようになってきている。
このようなシステムとしては、例えば、ユーザがホテルやコンビニエンスストアなどに設置された情報端末装置を利用して情報端末装置に蓄積されたレストランやショピングのための各種店舗を選択してその案内図を出力したり、当該店舗のクーポン券やサービス券を出力したりするシステムが知られている。また、例えば、ホテルやコンビニエンスストアなどの店舗に設置された情報端末装置を使用し、ホテルやコンビニエンスストアを訪れたユーザがこの情報端末装置を操作してインターネットなどの通信網を介して各種の情報配信サーバにアクセスし、列車やホテル、レストランなどの予約を行ったり、レストランやホテルへの案内図を出力したりするシステムも知られている。
上記のようなシステムは、例えば、下記の特許文献1(特開2002−150108号公報)にはコンビニエンスストアの店舗端末でユーザが目的地を入力すると、目的地までのマクロな地図情報を提供する地図情報配信システムが開示されている。また、下記の特許文献2(特開2002−329102号公報)には、販売管理システムとしてのPOSシステムを構成する端末装置を多機能化してPOSシステムの販売統計データを利用してクーポン券、サービス券などの案内情報を提供する特典付き案内情報提供システムが開示されている。
上記特許文献1に開示された地図情報配信システムは、記録部を有するカードと、前記カードに関連するデータを入力する入力手段と、前記入力手段によって前記カードを発行する発行端末、および、地図情報を印刷する地図情報サービス端末を備えた同系列の複数の店舗で構成され、第1の前記発行端末によって発行された前記カードを、第1の地図情報サービス端末に挿入し目的地を選択することによって印刷される第1の印刷情報に対して、第2以降の地図情報サービス端末で同様な手順によって印刷される地図情報は、より詳細な目的地情報となるように構成されたものである。
また、上記特許文献2に開示された案内情報提供システムは、販売管理システムの端末が設置された店舗で購入された商品の情報や購入した顧客の属性情報を管理するPOSシステムと、情報選択部により適宜選択された広告主の所在地までの地図を含む案内情報と広告主の宣伝広告情報とクーポン券やサービス券などの特典情報とを紙面上に構成して印刷出力可能な画像形成システムと、さらに統計処理部とを組み合わせることによって、商品情報、顧客属性情報、特典利用情報に関する統計処理を可能にして、広告主が顧客に対してよりマッチしたきめ細かい情報を提供できるように構成したものである。これにより、より大きな広告効果が得られるように改善している。
特開2002−150108号公報(図1、図2)
特開2002−329102号公報(図1、図2)
ところで、上記特許文献1あるいは特許文献2のようなシステムを構成する情報端末装置やPOS端末装置における印刷手段は、用紙の幅が比較的狭いロール状の用紙に印刷するように構成されている。例えば、POS端末装置においては、レシートを印刷するため、の幅が6cm程度のロール紙に印刷するのが一般的である。ロール紙の幅は広いものでも8cm程度である。一方、このようなロール紙に印刷する案内図は、図10に示すように、例えば、情報端末装置が設置されている現在位置から所望の近隣の店舗〇〇店までの案内経路(矢印線)を含むものであり、ある程度のエリアをカバーする大きさの図になる。
このような比較的幅の狭い、用紙幅に制約のあるロール紙に印刷を行う場合、レシートの印刷や文字列、簡単な図形を印刷する場合は問題ないが、地図、案内図、案内経路図など(以下これらを総称して案内図と称する)のような図形を印刷する場合は、印刷する図形の幅(横方向の長さ)は当然のことながら印刷するロール紙の幅に収まるように計算され、もとの図形の縦横比を保ったまま、すなわち、縦方向の長さも縮小されて印刷用の画像データが生成される。すなわち、図10の案内図のような図形を図11に示すように比較的幅の狭いロール紙に縦、横を縮小した図形として印刷することになる。
従って、ロール状用紙に印刷された結果は、縦横縮小された案内図になり、印刷した案内図から目標物や経路を判別しようとしても極めて識別しにくい印刷物しか提供できないという問題点があった。
しかしながら、上記特許文献1、特許文献2に開示された地図情報配信システムや案内情報提供システムを構成する端末装置には上記のような問題点を解消する印刷機能については何ら言及されていない。
本願の発明者は上記問題点を解決すべく種々検討を重ねた結果、案内する目標物までの経路の屈曲点における角度を算出して、該角度に応じて折り曲げ余白を空け、経路を直線として印刷すれば、ロール紙上に範囲の広い図形を縮小せずに印刷可能であり、印刷された用紙を折り曲げることによって経路を連続した状態で観察できることを着想し本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、情報端末装置を利用して各種の情報配信サーバから所望する場所の地図情報、店舗の案内図、経路案内図などの図形の情報の配信を受け、あるいは、情報端末装置に蓄積された種々目的場所の地図情報、店舗の案内図、経路案内図などの図形の情報を選択してその図形を印刷することのできる図形印刷機能を有する情報端末装置において、用紙の幅が限られたロール状の印刷用紙に図形を縮小することなく印刷することができるようにした図形印刷機能を有する情報端末装置、図形印刷方法および印刷物を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本願の請求の範囲1にかかる発明は、
所定の幅を有する連続したロール状用紙に印刷データを出力する印刷手段を備えた図形印刷機能を有する情報端末装置において、
前記情報端末装置は、前記印刷データを作成する印刷データ作成手段と、角度算出手段と、を備え、
前記角度算出手段は、屈曲点を含む図形のデータと該屈曲点における屈曲角度のデータを備えた図形データに基づいて、前記屈曲点に対応して前記ロール状用紙を折り畳む角度指標を算出し、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データであって前記角度指標によって定まる折り畳み部において前記図形を不連続とする空白部長さを算出し、
前記印刷データ作成手段は、前記角度指標と空白部長さに基づいて、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データを作成することを特徴とする。
また、本願の請求の範囲2にかかる発明は、請求の範囲1にかかる発明において、前記角度算出手段は、前記屈曲角度を前記図形データに含まれるデジタル図形のリンクがなす角度から求めることを特徴とする。
また、本願の請求の範囲3にかかる発明は、請求の範囲1にかかる発明において、前記印刷手段は、ロール状用紙の両面に印刷する両面印刷機能を備え、前記印刷データ作成手段は、前記ロール状用紙を前記角度指標線に沿って折り畳んだ際に、印刷すべき図形がロール状用紙の表面と裏面において連続するように印刷データを作成することを特徴とする。
また、本願の請求の範囲4にかかる発明は、請求の範囲1にかかる発明において、前記図形データは、前記情報端末装置が設置された場所を出発地として所定の目的地毎に当該目的地までの案内経路を含み、予め前記情報端末装置内に記憶されていることを特徴とする。
また、本願の請求の範囲5にかかる発明は、請求の範囲1にかかる発明において、前記情報端末装置は、更に通信手段と入力手段を備え、所望の出発地と目的地を設定し情報配信サーバに経路探索条件を送信し、前記図形データは前記情報配信サーバが探索した案内経路を含み、前記情報端末装置は当該図形データを受信して印刷することを特徴とする。
また、本願の請求の範囲6にかかる発明は、請求の範囲5にかかる発明において、前記出発地は前記情報端末装置が設置された場所であることを特徴とする。
本願の請求の範囲7にかかる発明は、
所定の幅を有する連続したロール状用紙に印刷データを出力する印刷手段を備えた図形印刷機能を有する情報端末装置における図形印刷方法において、
前記情報端末装置は、前記印刷データを作成する印刷データ作成手段と、角度算出手段と、を備え、
前記角度算出手段が、屈曲点を含む図形のデータと該屈曲点における屈曲角度のデータを備えた図形データに基づいて、前記屈曲点に対応して前記ロール状用紙を折り畳む角度指標を算出するステップと、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データであって前記角度指標によって定まる折り畳み部において前記図形を不連続とする空白部長さを算出するステップと、
前記印刷データ作成手段が、前記角度指標と空白部長さに基づいて、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データを作成するステップと、を含み、前記図形データを印刷することを特徴とする図形印刷方法である。
また、本願の請求の範囲8にかかる発明は、請求の範囲7にかかる発明において、前記角度算出手段が前記屈曲角度を算出するステップは、前記屈曲角度を前記図形データに含まれるデジタル図形のリンクがなす角度から求めることを特徴とする。
また、本願の請求の範囲9にかかる発明は、請求の範囲7にかかる発明において、前記印刷手段は、ロール状用紙の両面に印刷する両面印刷機能を備え、前記印刷データ作成手段は、前記ロール状用紙を前記角度指標線に沿って折り畳んだ際に、印刷すべき図形がロール状用紙の表面と裏面において連続するように印刷データを作成するステップを含むことを特徴とする。
また、本願の請求の範囲10にかかる発明は、請求の範囲7にかかる発明において、前記図形データは、前記情報端末装置が設置された場所を出発地として所定の目的地毎に当該目的地までの案内経路を含み、予め前記情報端末装置内に記憶されていることを特徴とする。
また、本願の請求の範囲11にかかる発明は、請求の範囲7にかかる発明において、前記情報端末装置は、更に通信手段と入力手段を備え、所望の出発地と目的地を設定し情報配信サーバに経路探索条件を送信するステップと、前記図形データは前記情報配信サーバが探索した案内経路を含み、前記情報端末装置は当該図形データを受信して印刷するステップと、を含むことを特徴とする。
また、本願の請求の範囲12にかかる発明は、請求の範囲11にかかる発明において、前記出発地は前記情報端末装置が設置された場所であることを特徴とする。
本願の請求の範囲1ないし請求の範囲2にかかる発明においては、情報端末装置は、前記印刷データを作成する印刷データ作成手段と角度算出手段を備え、角度算出手段は、屈曲点を含む図形のデータと該屈曲点における屈曲角度のデータを備えた図形データに基づいて、前記屈曲点に対応して前記ロール状用紙を折り畳む角度指標を算出し、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データであって前記角度指標によって定まる折り畳み部において前記図形を不連続とする空白部の長さを算出し、前記印刷データ作成手段は、前記角度指標と空白部長さに基づいて、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データを作成する。
従って、情報端末装置はロール状用紙の幅より広い長さ範囲の図形を印刷することができるようになる。すなわち、印刷すべき図形は過度に縮小されることなくロール状の用紙に印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは図形を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲3にかかる発明においては、請求の範囲1にかかる発明において、印刷手段は、ロール状用紙の両面に印刷する両面印刷機能を備え、前記印刷データ作成手段は、前記ロール状用紙を前記角度指標線に沿って折り畳んだ際に、印刷すべき図形がロール状用紙の表面と裏面において連続するように印刷データを作成する。
従って、情報端末装置はロール状用紙の幅よりも広い長さ範囲の図形を印刷することができるようになる。すなわち、印刷すべき図形は過度に縮小されることなくロール状の用紙に両面印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り返すと、ユーザは図形を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲4ないし請求の範囲6にかかる発明においては、情報端末装置は、出発地から目的地までの案内経路を含む案内図などの図形をロール紙に印刷することができる。そして、案内図は過度に縮小されることなくロール状の用紙に印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは案内経路を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲7ないし請求の範囲8にかかる発明においては、角度算出手段が、屈曲点を含む図形のデータと該屈曲点における屈曲角度のデータを備えた図形データに基づいて、前記屈曲点に対応して前記ロール状用紙を折り畳む角度指標を算出するステップと、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データであって前記角度指標によって定まる折り畳み部において前記図形を不連続とする空白部長さを算出するステップと、印刷データ作成手段が、前記角度指標と空白部長さに基づいて、前記図形を屈曲点ごとに区切り前記ロール状用紙の長手方向に沿った印刷データを作成するステップと、を含み、前記図形データを印刷する。
従って、情報端末装置はロール状用紙の幅よりも広い長さ範囲の図形を印刷することができるようになる。すなわち、印刷すべき図形は過度に縮小されることなくロール状の用紙に印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは図形を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲9にかかる発明においては、請求の範囲7にかかる発明において、印刷手段は、ロール状用紙の両面に印刷する両面印刷機能を備え、前記印刷データ作成手段は、前記ロール状用紙を前記角度指標線に沿って折り畳んだ際に、印刷すべき図形がロール状用紙の表面と裏面において連続するように印刷データを作成するステップを含む。
情報端末装置はロール状用紙の幅よりも広い長さ範囲の図形を印刷することができるようになる。すなわち、印刷すべき図形は過度に縮小されることなくロール状の用紙に両面印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り返すと、ユーザは図形を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
本願の請求の範囲10ないし請求の範囲12にかかる発明においては、情報端末装置は、出発地から目的地までの案内経路を含む案内図などの図形をロール紙に印刷することができる。そして、案内図は過度に縮小されることなくロール状の用紙に印刷され、印刷された用紙を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは案内経路を連続性のある印刷として必要十分な大きさを保ったままの状態で観察できるようになる。
以下、本発明の具体例を実施例および図面を用いて詳細に説明する。以下の本発明の実施例は、経路探索および案内機能を有する情報配信サーバに接続される情報端末装置を例にして説明するが、本発明はこれに限らず、スタンドアロンで動作する情報端末装置あるいはPOSの機能を有する情報端末装置と兼用されるものであってもよく、あるいは、比較的幅の狭いロール紙の印刷装置を接続したネットワーク接続可能なワークステーションやパーソナルコンピュータであってもよい。
図1は、本発明の実施例にかかる図形印刷機能を有する情報端末装置を備えた情報配信システムの構成を示すブロック図である。図2は、経路探索のための道路ネットワークデータの構成を説明するための模式図である。図3は、交通機関を使用した経路探索のための道路ネットワークを説明するための模式図である。図4は、本発明の実施例にかかる図形の印刷方法を説明するための図であり、図4(a)は、案内経路のガイダンスポイント屈曲角度を説明する図、図4(b)は、屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷する概念を説明する図である。
図5は、図4に示す印刷方法によって図10の図形を印刷した印刷物を示す図である。図6は、図5に示す印刷物の使用状態を示す図であり、印刷された図形を折り畳んでガイダンスポイントの屈曲を視認できるようにした状態を示す図である。図7は、本発明の実施例にかかる情報端末装置の印刷動作手順を示すフローチャートである。図8は、案内経路上のガイダンスポイントにおける屈曲角度の異なる図形を印刷する場合を説明する図であり、図8(a)は、案内経路のガイダンスポイント屈曲角度を説明する図、図8(b)は、屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷する概念を説明する図である。図9は、本発明にかかる実施例の印刷方法による図形を、両面印刷機能を用いて印刷する場合を説明するための図であり、図9(a)は、折り畳み線を説明するための説明図、図9(b)は、用紙に表裏に印刷された図形を折り畳んだ状態を示す図である。
本実施例にかかる情報配信システム10は、図1に示すように、情報配信サーバ20とインターネットや専用線ネットワークなどのネットワーク11を介して接続されるコンビニエンスストアやホテルなどの店舗に設置された情報端末装置30を備えて構成される。情報配信サーバ20は、一般の通信型のナビゲーションシステムにおける経路探索、経路案内機能、地図配信機能などを備えた経路探索サーバと同様のサーバである。
情報配信サーバ20は道路ネットワークDB26を備えており、情報端末装置30から送信される目的地の位置情報に基づいて情報端末装置30の設置位置から目的地までの最適経路を探索して地図のデータ、案内経路のデータを情報端末装置30に配信する。情報端末装置30は情報配信サーバ20から配信された地図のデータ、案内経路のデータを表示し、または、印刷してユーザに提供する。
一般のナビゲーションシステムにおいては、出発地はユーザが指定する任意の位置であるが、本実施例においては、情報端末装置30がホテルやコンビニエンスストアに固定的に設置され、ホテルやコンビニエンスストアを訪れたユーザが近隣の劇場、テーマパーク、レストラン、店舗を目的地としてその案内を得るためのシステムを想定しているため、情報端末装置30の設置位置が出発地となる。
道路ネットワークDB26に蓄積される地図、道路のデータは経路探索用のデータであり、一般のナビゲーションシステムにおける経路探索サーバが備えるデータベースと同様のものである。すなわち、地図(道路)が図2に示すように、道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで道路ネットワークデータを構成している。すなわち、図2において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図2では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図2において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。図2ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
また、情報配信サーバ20が電車や航空機などの交通機関に関する経路探索、時刻案内などの情報を配信する場合、道路ネットワークDB26には、交通機関のネットワークデータも蓄積することができる。交通機関のネットワークのデータは、例えば、交通機関の路線が図3に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図3において、○印、◎印がノードを示し、◎印は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図3では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
しかしながら、交通機関の運行ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通機関の運行ネットワークでは、図3に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数あり、各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
図3に例示する交通機関の運行ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になり、道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量のネットワークデータとなる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
このような交通機関の運行ネットワークデータを用いてある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。例えば、図3において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択し、交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノード(乗り換えノード)において乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して乗り継ぎ時間(乗り換え時間)を含む各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
情報配信サーバ20は、また、制御ユニット21、通信手段22、経路探索手段23、案内データ作成手段24、ガイダンスポイント設定手段25を備えて構成されている。制御ユニット21は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段22は、ネットワーク11を介して情報端末装置30と通信するためのインターフェースである。経路探索手段23は、道路ネットワークDB26を参照して出発地から目的地までの最適経路を探索するものであり、経路の探索は周知のダイクストラ法といわれる手法が採用される。
案内データ作成手段24は、経路探索手段23が探索した案内経路(出発地から目的地までの経路)を情報端末装置30に配信するためのデータに編集するためのものである。ガイダンスポイント設定手段25は案内経路に含まれる交差点や分岐点のノードを特定し、該ノードにおける進行方向(直進、右左折など)のガイダンスを設定し、案内データ作成手段24に送るものである。すなわち、案内データには、出発地から目的地までの経路(案内経路)と案内経路におけるガイダンスポイントおよび各ガイダンスポイントにおけるガイダンス(直進、右左折などのガイダンス)が含まれる。この案内データは、情報端末装置30に配信され、印刷手段によって出力される。なお、図1においては、情報配信サーバ20のモニタ表示手段である表示手段、情報配信サーバ20を操作するための操作手段などは図示を省略している。
情報配信サーバ20は、前述したように道路ネットワークDB26を用いて徒歩を移動手段とする経路探索、さらに、道路ネットワークDB26に交通機関の運行ネットワークデータや時刻表データが蓄積されている場合には、徒歩および交通手段を移動手段とする経路探索が可能であるが、本発明においては、情報配信サーバ20から配信された案内図を印刷する構成が要部であり、徒歩や交通手段を用いる経路探索の手順の詳細については一般的なナビゲーションシステムと同様である。従って、経路探索の手法についての説明は省略する。
一方、情報端末装置30は、制御ユニット31、入力手段32、表示手段33、通信手段34、案内データ記憶手段35、角度算出手段36、印刷データ作成手段37、印刷手段38を備えている。制御ユニット31は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。入力手段32は、数字やアルファベットキーやその他の機能キー、選択キーなどからなる入力手段であり、表示手段33に表示されるメニュー画面から所望のメニューを選択し、あるいは、数字やアルファベットキーを操作して目的地などの経路探索の条件を入力するものである。通信手段34は、ネットワーク11を介して情報配信サーバ20と通信するためのインターフェースである。
情報端末装置30は、先に述べたようにホテルやコンビニエンスストアに設置されるものであり、ユーザが情報端末装置30を操作して目的地を選択して経路案内を要求する場合、出発地の位置情報は情報端末装置30が設置とされているホテルやコンビニエンスストアの位置になる。すなわち、情報端末装置30を操作するユーザはホテルやコンビニエンスストアを訪れた人であり、当該ホテルやコンビニエンスストアを起点として目的地までの経路案内を所望するのが一般的であるから情報端末装置30の設置位置を出発点とするものである。勿論、ユーザが、情報端末装置30が設置されているホテルやコンビニエンスストアの近傍の交通機関の駅などを起点とした経路案内を所望する場合には、入力手段32などを利用して出発地を入力すればよい。
情報端末装置30において、案内データ記憶手段35は情報配信サーバ20から配信された案内データを一時記憶する記憶手段である。情報配信サーバ20から案内データには、先に説明したように、出発地から目的地までの経路(案内経路)と案内経路におけるガイダンスポイントおよび各ガイダンスポイントにおけるガイダンス(直進、右左折などのガイダンス)が含まれる。角度算出手段36は、案内データに含まれる案内経路上のガイダンスポイントであって、右左折を伴うガイダンスポイントにおける案内経路の屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷するための角度を算出する。この角度を以下、角度指標と称する。
ここで算出する角度は、図4を用いて後述する用紙の端部と案内経路を印刷するガイダンスポイントのなす角度である。すなわち、本発明においては、経路や道路が屈曲している地点で、ロール紙を折り曲げて正しい角度で経路や道路を継続して表現することとし、そのための折り曲げる位置と角度指標を定めて提供するものである。以下にその具体的な手順を説明する。
印刷データ作成手段37は角度算出手段36がガイダンスポイントにおける案内経路の屈曲角度に基づいて、図4〜図8を参照して後述するように屈曲角度に応じた三角形状の非印刷部分を挟んで案内経路を不連続な直線として印刷するための印刷データを作成し、印刷手段38は印刷データ作成手段37が作成した印刷データを印刷する。ここで、印刷手段38は、幅が6cm程度の比較的幅の狭い、用紙幅に制約のあるロール紙などの印刷用紙にデータを印刷するように構成された印刷機構である。
図4は、本発明の実施例にかかる案内図などの図形の印刷方法を説明するための図であり、図4(a)は、案内経路のガイダンスポイント屈曲角度を説明する図、図4(b)は、屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷する概念を説明する図である。
図4(a)に示すように案内経路Rに角度θで右折するガイダンスポイントIが存在するものとする。この場合、ガイダンスポイントIは交差点でありこれを直角に右折する案内経路の例である。このときの、折り曲げる角度の算出は以下のようになっている。このガイダンスポイントIは先に説明したように情報配信サーバ20が配信する案内データではガイダンスポイントとして抽出されている。この部分の道路ネットワーク(デジタル地図)のデータは、交差点ノードと、それに入るリンクと出るリンクで構成されている。この入りリンクと出リンクはベクトルデータであるから、両者の角度差を求めることが出来る。
図4(a)に示すように、その角度をθとすると、ロール紙に印刷すべき角度指標は図4(b)に示すように、ロール紙の幅方向に対して傾きθ/2ずつで良い。この角度指標線を、まずガイダンスポイントIaを通るように引いて、次にロール紙のエッジとの交点をPとして、さらにその交点Pから対照的に角度指標線を印刷する。その角度指標線上のIaとの対照点Ibから、右折後の経路を印刷することによって、案内経路Rを不連続の直線として印刷する。図4(b)におけるPからの点線は谷折りを示す指標線である。このような手順を用いて、図10に示す案内図を印刷すると、図5に示す印刷物として情報端末装置30の印刷手段38から出力される。このようにして印刷された用紙を角度指標線に沿って折り曲げると、ユーザは案内図を図6に示すような連続性のある案内経路として観察することができる。そして、図6の案内図は図10に示す大きさを保ったままの状態で印刷されたことになる。
なお、上記の例はガイダンスポイントを直角に右折する場合でありP点は用紙の左エッジになったが、直角に左折する場合にはP点は用紙の右エッジとなる。また、上記の説明においては、ロール紙に角度指標線、谷折の指標線などを案内図とともに印刷する例を説明しているが、印刷手段38に折り目をつけ、あるいは、ミシン目などを入れて出力するフィニッシャ機能がある場合は、必ずしも角度指標線などが印刷されていなくてもよい。ユーザは折り目やミシン目に沿って印刷物を折り曲げることによって図6のような案内図として案内経路を観察することができるようになる。
次に、図7に示すフローチャートを参照して情報端末装置30における案内図などの図形の印刷手順を説明する。なお、図7のフローチャートにおいては、情報端末装置30から目的地までの経路案内の要求(経路探索要求)がなされ、情報配信サーバ20が経路探索を行って、目的地までの案内データを作成し、この案内データが情報端末装置30に配信されたものとして説明する。先ず情報端末装置30は、ステップS10の処理において、通信手段34で情報配信サーバ20から目的地までの案内データを受信し、案内データ記憶手段35にこれを一時記憶する。
次に、情報端末装置30はポインタIを1としてステップS12の処理において、角度算出手段36は、案内データにおける案内経路上の最初のガイダンスポイントIの屈曲角度を得る。ステップS13でその屈曲角度を判定し、屈曲角度が「0」すなわち直進であればステップS16の処理に進み、屈曲角度が「0」以外であれば、ステップS14の処理において、屈曲角度θに基づいて図4で説明した角度指標のロール紙の幅方向に対する傾きθ/2を算出する。
この角度指標による角度指標線をまずガイダンスポイントIaを通るように引いて、次にロール紙のエッジとの交点をPとして、さらにその交点Pから対照的に角度指標線を引きその上のガイダンスポイントIaの対照点Ibを定める。この対照点IbからガイダンスポイントIを曲がった後の案内経路を印刷することになる(図4参照)。すなわち、案内経路RはガイドポイントIaとその対照点Ibの間は空白となり印刷されない。この空白部の長さはステップS15の処理において、角度指標線の間の角度θから容易に算出することができる。
このステップS12からステップS15までの処理により最初のガイダンスポイントIにおける角度指標と該ガイダンスポイントIの折り曲げ部における案内経路の空白部の長さの算出が終了する。ガイダンスポイントIに関する処理が終了すると、角度算出手段36は、ステップS16の処理において案内データの全ガイダンスポイントの処理が終了したかを判定する。全ガイダンスポイントの処理が完了していなければ、ステップS17の処理において、ポインタIを1加算しステップS12に戻り、I+1番目のガイダンスポイントに関する処理を行う。この処理を繰り返し、案内経路上において案内経路が右折、または左折、あるいは屈曲する全てのガイダンスポイントの処理を行う。
ステップS16の処理において、全ガイダンスポイント処理が終了すると、印刷データ作成手段37は、ステップS18の処理において、情報配信サーバ20から配信された案内データと上記処理によって各ガイダンスポイントについて算出した角度指標と案内経路の空白部の長さに基づいて印刷データを作成する。このデータは、通常の印刷手段における画像データ作成と同様の手法によって行うことができる。ステップS18の処理によって印刷データが作成されると、次いで、印刷手段38はステップS19の処理においてロール紙にステップS18の処理によって作成された印刷データを印刷する。
図4で説明したガイダンスポイントの例は、案内経路が交差点において直角に右折する場合であったが、本発明は直角に限らず、あらゆる角度に対して上記手順により処理して印刷することが可能である。例えば、図8(a)に示すように、案内経路がガイダンスポイントIにおいて、角度θが30度で左にまがる案内経路、すなわち、左30度に曲がる案内経路の場合、角度指標はθ/2=15度であり、図8(b)に示すように、この角度指標の角度指標線を、まずガイダンスポイントIaを通るように引いてロール紙との交点をPとする。この場合、点Pは用紙の右エッジ上になる。次に、その交点Pから対照的に角度指標線を印刷する。その角度指標線上のIaとの対照点Ibから、左折後の経路を印刷することによって、案内経路Rを不連続の直線として印刷する。これを印刷した後、図8(b)におけるPからの点線(谷折りを示す指標線)で用紙を谷折りすると図8(c)に示すように左30度に案内経路が曲折した案内図として観察することができる。
また、印刷手段38が両面印刷機能を有するものである場合には、ガイダンスポイントIで角度θ=90度で右折する場合、角度指標はθ/2=45度であり、図9(a)に示すように、ガイダンスポイントIを通りロール用紙エッジと直交する線を引き、ロール紙の左エッジと交わる点Pから45度の角度指標線(谷折り線)を設定し、ロール紙の表面にはガイダンスポイントIaに至る案内経路を印刷する。また、ガイダンスポイントIaから角度指標線上のガイダンスポイントIbに至る空白部分に相当する間の案内経路は、図9(b)に示すようにロール紙の裏面に印刷される。この空白部分の長さは、角度θに基づいて容易に算出することができる。
そして、角度指標線上のガイダンスポイントIbからロール紙の長さ方向と平行に次のガイダンスポイントI+1までの案内経路部分を印刷する。このようにして印刷した印刷物を谷折線に沿って折り返すと、図9(b)に示すように直角に右折する案内経路が観察できる。なお、図9(b)にはガイダンスポイントIの次のガイダンスポイントI+1番目のガイダンスポイントにおいて角度θ=90度で左折する案内経路を再度表面に印刷した部分も示されている。
なお、情報端末装置30が情報配信サーバ20から案内経路のデータ(案内データ)の配信を受け、オンデマンドで案内図を印刷する前述の手順において、ガイダンスポイントの間に多少の屈曲があっても、ロール紙に収まるようデフォルメした案内図としてガイダンスポイント間の案内経路を直線的に印刷しても実用上の不具合は生じない。また、情報端末装置30が予め決まった目的地までの案内経路のデータを持ち、これを印刷する場合には、前述の手順で印刷データを作成して記憶しておき、これを印刷するように構成してもよい。
本発明は、経路を印刷表示する以外にも、様々な案内などに応用することができる。例えば、飲食店などの箸ケースは通常店名などが印刷されているだけであるが、その飲食店が属す商店街の案内図を印刷表示したり、周辺の観光地までの案内図を本発明によって表現することにより、その店も地域も大変印象深いものとして感動を与えることができる。また、上記特許文献2(特開2002−150108号公報)の地図情報配信システムと同様の目的で特定ルートの地図を販売する際にも、ロール紙のみで詳細な地図を販売することができる。助手席の同乗者が、紙を折りながら案内するのも大変楽しいものである。
また、先に述べたようにロール紙に印刷した際に、後処理として折り目やミシン目を自動的につけるアタッチメント(フィニッシャー)を組み合わせれば、折る作業も非常に安易になる。さらに手を加えて、実際に折って接着などして提供する地図や案内図としてもよい。さらに、本発明は案内図や経路などの図形を印刷物として表示するのが本来の目的であるが、大きな二次元的な広がりのある図形をロール紙で表現することができるので、大きなペイントを行う際のマスキングテープのような使い方も可能である。表現したい図形の外周をベクトルデータで表し、そのベクトルの長さと角度変化に基づいてロール紙に印刷を行うと、図形輪郭の型紙とすることができる。
本発明の実施例にかかる図形印刷機能を有する情報端末装置を備えた情報配信システムの構成を示すブロック図である。
経路探索のための道路ネットワークデータの構成を説明するための模式図である。
交通機関を使用した経路探索のための道路ネットワークを説明するための模式図である。
本発明の実施例にかかる図形の印刷方法を説明するための図であり、図4(a)は、案内経路のガイダンスポイント屈曲角度を説明する図、図4(b)は、屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷する概念を説明する図である。
図4に示す印刷方法によって図10の図形を印刷した印刷物を示す図である。
図5に示す印刷物の使用状態を示す図であり、印刷された図形を折り畳んでガイダンスポイントの屈曲を視認できるようにした状態を示す図である。
本発明の実施例にかかる情報端末装置の印刷動作手順を示すフローチャートである。
案内経路上のガイダンスポイントにおける屈曲角度の異なる図形を印刷する場合を説明する図であり、図8(a)は、案内経路のガイダンスポイント屈曲角度を説明する図、図8(b)は、屈曲角度に応じて幅の狭い用紙に案内経路を不連続かつ直線で印刷する概念を説明する図である。
本発明にかかる実施例の印刷方法による図形を、両面印刷機能を用いて印刷する場合を説明するための図であり、図9(a)は、折り畳み線を説明するための説明図、図9(b)は、用紙に表裏に印刷された図形を折り畳んだ状態を示す図である。
一般的な印刷手段により図形を印刷した印刷物の一例を示す模式図である。
比較的幅の狭いロール紙に印刷する印刷手段を備えた一般的な情報端末装置において、図10の図形を印刷した場合を示す模式図である。
符号の説明
10・・・・情報配信システム
12・・・・ネットワーク
20・・・・情報配信サーバ
21・・・・制御ユニット
22・・・・通信手段
23・・・・経路探索手段
24・・・・案内データ作成手段
25・・・・ガイダンスポイント設定手段
26・・・・道路ネットワークDB
30・・・・情報端末装置
31・・・・制御ユニット
32・・・・入力手段
33・・・・表示手段
34・・・・通信手段
35・・・・案内データ記憶手段
36・・・・角度算出手段
37・・・・印刷データ作成手段
38・・・・印刷手段