JPWO2006025426A1 - データ通信装置 - Google Patents

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Abstract

盗聴者の暗号文の解読に要する時間を著しく増大させることで、秘匿性の高いデータ通信装置を提供する。データ通信装置は、データ送信装置(10101)とデータ受信装置(10201)とが伝送路(110)によって接続されて構成される。データ送信装置(10101)は、予め定められた所定の第1の初期値(鍵情報)と情報データとを入力し、レベルが略乱数的に変化する多値信号を発生し、多値信号を所定の変調形式の変調信号に変換して送信する。データ受信装置(10201)は、変調信号を復調して多値信号を出力し、予め定められた所定の第2の初期値(鍵情報)と多値信号とを入力し、情報データを再生する。

Description

本発明は、第3者による不法な盗聴・傍受を防ぐ秘密通信を行う装置に関する。より特定的には、正規の送受信者間で、特定の符号化/復号化(変調/復調)方式を選択・設定してデータ通信を行う装置に関する。
従来、特定者同志でのみ通信を行うには、送信/受信間で符号化/復号化のための鍵情報を共有し、当該鍵情報に基づいて、伝送すべき情報データ(平文)を数学的に演算/逆演算することにより秘密通信を実現する方法が採用されている。図53は、当該方法に基づく、従来のデータ送信装置の構成を示すブロック図である。図53において、従来のデータ通信装置は、データ送信装置90001とデータ受信装置90002とが伝送路913によって接続された構成である。データ送信装置90001は、符号化部911と、変調部912とを備える。データ受信装置90002は、復調部914と、復号化部915とを備える。従来のデータ通信装置は、符号化部911に情報データ90と第1の鍵情報91とを入力し、復号化部915に第2の鍵情報96を入力すると、復号化部915から情報データ98を出力する。以下、図53を参照しながら、従来のデータ通信装置の動作について説明する。
データ送信装置90001において、符号化部911は、第1の鍵情報91に基づいて、情報データ90を符号化(暗号化)する。変調部912は、符号化部911で符号化された情報データを所定の変調形式で変調して、変調信号94として伝送路913を介してデータ受信装置90002に送出する。データ受信装置90002において、復調部914は、伝送路913を介して伝送されてきた変調信号94を所定の復調方式で復調して、符号化された情報データとして出力する。復号化部915は、符号化部911との間で共有している第2の鍵情報96に基づいて、符号化された情報データを復号化(暗号解読)して、元の情報データ98を再生する。
ここで、盗聴者データ受信装置90003を用いて、第3者による盗聴行為について説明する。図53において、盗聴者データ受信装置90003は、盗聴者復調部916と盗聴者復号化部917とを備える。盗聴者復調部916は、データ送信装置90001とデータ受信装置90002との間で伝送される変調信号(情報データ)を盗聴して、盗聴した変調信号を所定の復調方式で復調する。盗聴者復号化部917は、第3の鍵情報99に基づいて、盗聴者復調部916が復調した信号の復号化を試みる。ここで、盗聴者復号化部917は、符号化部911との間で鍵情報を共有していないため、第1の鍵情報91と異なる第3の鍵情報99に基づいて、盗聴者復調部916が復調した信号の復号化を試みることになる。このため、盗聴者復号化部917は、盗聴者復調部916が復調した信号を正しく復号化することができず、元の情報データを再生することができない。
このような数学的な演算に基づく数理暗号(または、計算暗号、ソフトウェア暗号とも呼ばれる)技術は、例えば、特許文献1にも記されているように、アクセスシステム等に適用することができる。すなわち、1つの光送信器から送出された光信号を光カプラで分岐し、複数の光加入者宅の光受信器にそれぞれ配信するPON(Passive Optical Network)構成では、各光受信器に、所望の光信号以外の他加入者に向けた信号が入力される。そこで、互いに異なる鍵情報を用いて、加入者毎の情報データを暗号化することによって、互いの情報の漏洩・盗聴を防ぎ、安全なデータ通信を実現することができる。
特開平9−205420号公報
しかしながら、数理暗号技術に基づく従来のデータ通信装置では、盗聴者は、たとえ鍵情報を共有しなくとも、暗号文(変調信号、または暗号化された情報データ)に対して、考え得る全ての組み合わせの鍵情報を用いた演算(総当たり攻撃)や、特殊な解析アルゴリズムの適用を試みれば、原理的に暗号解読が可能である。特に、近年の計算機の処理速度向上は目覚ましく、将来的に量子コンピュータ等の新しい原理による計算機が実現されれば、有限の時間内で、暗号文を盗聴できるという課題を有していた。
それ故に、本発明の目的は、盗聴者が暗号文の解析に要する時間を著しく増大させ、天文学的な計算量に基づく秘匿性の高いデータ通信装置を提供することである。
本発明は、暗号化通信を行うデータ送信装置に向けられている。そして上記目的を達成させるために、本発明のデータ送信装置は、多値符号化部と変調部とを備える。多値符号化部は、予め定められた所定の鍵情報と情報データとを入力し、信号レベルが略乱数的に変化する多値信号を発生する。変調部は、多値信号に基づいて、所定の変調形式の変調信号を発生する。多値符号化部は、鍵情報から信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、所定の処理に従って、多値符号列と情報データとを合成し、両信号レベルの組み合わせに対応したレベルを有する多値信号を生成する多値処理部とを含む。多値符号化部は、多値信号の信号点間距離を略均等に設定する。
好ましくは、多値信号の信号点間距離は、多値信号に含まれる情報データの振幅よりも小さい。多値信号の最大振幅は、多値信号に含まれる情報データの振幅の2倍以上である。
データ送信装置は、所定の疑似乱数列に基づいて、情報データのビット反転を行い、ビット反転された情報データを多値符号化部に出力するデータ反転部をさらに備えることができる。また、多値符号列と情報データとの変化レートは互いに一致する。情報データは2値信号である。
好ましくは、多値処理部は、所定の処理として、多値符号列を基準レベルとして、多値符号列に情報データを加算することで、多値信号を生成する。また、多値処理部は、所定の処理として、多値符号列を基準レベルとして、多値符号列を情報データに応じてレベル制御することで、多値信号を生成してもよい。
変調信号は、電磁界を多値信号で変調して生成される。また、変調信号は、光波を多値信号で変調して生成されてもよい。このとき光波は、コヒーレント光である。
また、データ送信装置は、多値符号化部と変調部との間に接続され、多値信号に所定の雑音を重畳して、雑音重畳多値信号として変調部に出力する雑音制御部をさらに備えてもよい。このとき、雑音制御部は、所定の雑音を発生する雑音発生部と、雑音と多値信号とを重畳する合成部とを含む。
多値符号化部は、雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、多値信号の信号点間距離を配分する。また、多値符号化部は、雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、多値信号の信号点間距離を非均等、または非線形に配分する。
データ送信装置は、多値符号化部と変調部との間に接続され、多値信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えることができる。あるいは、データ送信装置は、情報データを所定の手段で波形等化し、波形等化された情報データを多値符号化部に出力する等化部をさらに備えてもよい。あるいは、データ送信装置において、多値符号化部は、多値符号発生部と多値処理部との間に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えてもよい。あるいは、データ送信装置は、変調信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えてもよい。
等化部は、ローパスフィルタである。ローパスフィルタは、入力される信号の内、信号帯域の1/2以下の信号成分を濾波する。あるいは、等化部は、入力される信号から、信号に含まれる直流成分を遮断するハイパスフィルタであってもよい。あるいは、等化部は、入力される信号から、所定の周波数帯域の信号成分を濾波するバンドパスフィルタであってもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、第1の変調信号と情報データとを入力し、情報データに基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、多値符号発生部の後段に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備えてもよい。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、情報データを入力し、情報データに基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、第1の変調信号と多値符号列とを入力し、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、多値符号発生部の後段に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、多値符号化部の前段に接続され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、多値符号化部に出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、多値符号化部と変調部との間に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値信号に振幅変調を施して、変調部に出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、変調部の後段に接続され、振幅制御信号に基いて、変調信号に所定形式の変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。このとき、振幅変調部は、変調信号に振幅変調又は強度変調を施す。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、値が略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、情報データを入力し、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、第1の変調信号と第2の変調信号とを合波する合波部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第2の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第1の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置であって、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、情報データを入力し、第1の変調信号を情報データで変調して、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第2の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第1の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、多値符号化部の前段に接続され、複数の情報データからなる情報データ群を、所定の処理に従って任意の進数に符号化し、N進符号化信号として多値符号化部に出力するN進符号化部をさらに備えてもよい。
好ましくは、N進符号化部は、情報データ群を任意の進数に符号化するのに、複数の情報データによる論理の組み合わせによって、N進符号化信号の多値レベルを変動させる。このとき、N進符号化部は、鍵情報に基づいて、情報データ群からN進符号化信号を出力する。また、N進符号化部は、上述した鍵情報とは異なる鍵情報に基づいて、情報データ群からN進符号化信号を出力してもよい。多値符号化部は、予め定められた所定の期間ごとに、予め定められた複数の多値数のうち、いずれか1つの多値数の多値信号を発生する。
また、データ送信装置は、多値信号に対応する所定の同期信号を出力する同期信号発生部と、同期信号に基づいて、多値数を指示する多値処理制御信号を出力する多値処理制御部とをさらに備えてもよい。多値符号化部は、少なくともいずれかの所定の期間において、2値の多値信号を出力する。この場合、多値符号化部は、2値の多値信号を、複数の多値数のうち、最大の多値数の多値信号の振幅以上の振幅にして、2値の多値信号を出力する。あるいは、多値符号化部は、情報データを2値の多値信号として出力する。
好ましくは、データ送信装置は、多値数に応じて、情報データ、多値符号列、または多値信号の転送レートを変更する。また、データ送信装置は、多値数が小さくなるにつれて、情報データ、多値符号列、または多値信号の転送レートを大きくする。
また、本発明は、暗号通信を行うデータ受信装置にも向けられている。そして上記目的を達成させるために、本発明のデータ受信装置は、復調部と多値復号化部とを備える。
復調部は、所定の変調形式の変調信号を復調し、多値信号を出力する。多値復号化部は、予め定められた所定の鍵情報と多値信号とを入力し、情報データを出力する。多値復号化部は、鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて多値信号を識別し、情報データを出力する多値識別部とを含む。
また、データ受信装置は、所定の疑似乱数列に基づいて、多値復号化部から出力される情報データのビット反転を行い、出力するデータ反転部をさらに備えてもよい。
また、多値復号化部は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部をさらに含んでもよい。また、多値識別部は、多値符号列および振幅制御信号に基づいて多値信号を識別し、情報データを出力する。
好ましくは、多値識別部は、予め定められた所定の期間において入力される多値信号の多値数に基づいて、多値信号を識別するための閾値を切り替える。
データ受信装置は、多値信号に対応する所定の同期信号を再生する同期信号発生部と、同期信号に基づいて、多値識別部における閾値を変更する多値識別制御信号とを出力する多値識別制御部をさらに備えてもよい。多値復号化部は、少なくともいずれかの所定期間において、2値の多値信号の識別を行う。
また、本発明は、データ送信装置とデータ受信装置とが暗号通信を行うデータ通信装置に向けられている。そして上記目的を達成させるために、本発明のデータ通信装置において、データ送信装置は、多値符号化部と変調部とを備える。多値符号化部は、予め定められた所定の第1の鍵情報と情報データとを入力し、信号レベルが略乱数的に変化する第1の多値信号を発生する。変調部は、第1の多値信号に基づいて、所定の変調形式の変調信号を発生する。多値符号化部は、第1の鍵情報から信号レベルが略乱数的に変化する第1の多値符号列を発生する第1の多値符号発生部と、所定の処理に従って、第1の多値符号列と情報データとを合成し、両信号レベルの組み合わせに対応したレベルを有する第1の多値信号に変換する多値処理部とを含む。第1の多値符号発生部は、第1の多値符号列の信号点間距離を略均等に設定する。
また、データ受信装置は、復調部と多値復号化部とを備える。復調部は、所定の変調形式の変調信号を復調し、第2の多値信号を出力する。多値復号化部は、予め定められた所定の第2の鍵情報と第2の多値信号とを入力し、情報データを出力する。
好ましくは、多値信号の信号点間距離は、多値信号に含まれる情報データの振幅よりも小さい。多値信号の最大振幅は、多値信号に含まれる情報データの振幅の2倍以上である。
データ送信装置は、所定の疑似乱数列に基づいて、情報データのビット反転を行い、ビット反転された情報データを多値符号化部に出力するデータ反転部をさらに備えることができる。また、多値符号列と情報データとの変化レートは互いに一致する。情報データは2値信号である。
好ましくは、多値処理部は、所定の処理として、多値符号列を基準レベルとして、多値符号列に情報データを加算することで、多値信号を生成する。また、多値処理部は、所定の処理として、多値符号列を基準レベルとして、多値符号列を情報データに応じてレベル制御することで、多値信号を生成してもよい。
変調信号は、電磁界を多値信号で変調して生成される。また、変調信号は、光波を多値信号で変調して生成されてもよい。このとき光波は、コヒーレント光である。
また、データ送信装置は、多値符号化部と変調部との間に接続され、多値信号に所定の雑音を重畳して、雑音重畳多値信号として変調部に出力する雑音制御部をさらに備えてもよい。このとき、雑音制御部は、所定の雑音を発生する雑音発生部と、雑音と多値信号とを重畳する合成部とを含む。
多値符号化部は、雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、多値信号の信号点間距離を配分する。また、多値符号化部は、雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、多値信号の信号点間距離を非均等、または非線形に配分する。
データ送信装置は、多値符号化部と変調部との間に接続され、多値信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えることができる。あるいは、データ送信装置は、情報データを所定の手段で波形等化し、波形等化された情報データを多値符号化部に出力する等化部をさらに備えてもよい。あるいは、データ送信装置において、多値符号化部は、多値符号発生部と多値処理部との間に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えてもよい。あるいは、データ送信装置は、変調信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えてもよい。
等化部は、ローパスフィルタである。ローパスフィルタは、入力される信号の内、信号帯域の1/2以下の信号成分を濾波する。あるいは、等化部は、入力される信号から、信号に含まれる直流成分を遮断するハイパスフィルタであってもよい。あるいは、等化部は、入力される信号から、所定の周波数帯域の信号成分を濾波するバンドパスフィルタであってもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、第1の変調信号と情報データとを入力し、情報データに基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、多値符号発生部の後段に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備えてもよい。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、情報データを入力し、情報データに基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、第1の変調信号と多値符号列とを入力し、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、多値符号発生部の後段に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、多値符号化部の前段に接続され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、多値符号化部に出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、多値符号化部と変調部との間に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値信号に振幅変調を施して、変調部に出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、変調部の後段に接続され、振幅制御信号に基いて、変調信号に所定形式の変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。このとき、振幅変調部は、変調信号に振幅変調又は強度変調を施す。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、値が略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、情報データを入力し、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、第1の変調信号と第2の変調信号とを合波する合波部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第2の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第1の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置であって、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、情報データを入力し、第1の変調信号を情報データで変調して、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第2の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第1の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、多値符号化部の前段に接続され、複数の情報データからなる情報データ群を、所定の処理に従って任意の進数に符号化し、N進符号化信号として多値符号化部に出力するN進符号化部をさらに備えてもよい。
好ましくは、N進符号化部は、情報データ群を任意の進数に符号化するのに、複数の情報データによる論理の組み合わせによって、N進符号化信号の多値レベルを変動させる。このとき、N進符号化部は、鍵情報に基づいて、情報データ群からN進符号化信号を出力する。また、N進符号化部は、上述した鍵情報とは異なる鍵情報に基づいて、情報データ群からN進符号化信号を出力してもよい。多値符号化部は、予め定められた所定の期間ごとに、予め定められた複数の多値数のうち、いずれか1つの多値数の多値信号を発生する。
また、データ送信装置は、多値信号に対応する所定の同期信号を出力する同期信号発生部と、同期信号に基づいて、多値数を指示する多値処理制御信号を出力する多値処理制御部とをさらに備えてもよい。多値符号化部は、少なくともいずれかの所定の期間において、2値の多値信号を出力する。この場合、多値符号化部は、2値の多値信号を、複数の多値数のうち、最大の多値数の多値信号の振幅以上の振幅にして、2値の多値信号を出力する。あるいは、多値符号化部は、情報データを2値の多値信号として出力する。
好ましくは、データ送信装置は、多値数に応じて、情報データ、多値符号列、または多値信号の転送レートを変更する。また、データ送信装置は、多値数が小さくなるにつれて、情報データ、多値符号列、または多値信号の転送レートを大きくする。
本発明のデータ通信装置は、鍵情報に基づいて情報データを多値信号に符号化・変調して送信し、受信した多値信号を同一の鍵情報に基づいて復調・復号化し、多値信号の信号対雑音電力比を適正化することにより、暗号文の解析に要する時間を著しく増大させ、天文学的計算量に基づく秘匿性の高いデータ通信装置を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号の波形を説明する模式図である。 図3は、本発明の第1の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号の波形を説明する模式図である。 図4は、本発明の第1の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号品質を説明する模式図である。 図5は、本発明の第2の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の第3の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。 図7は、本発明の第4の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号パラメータを説明する模式図である。 図8は、情報データ10のアイパターンの一例を示す図である。 図9は、多値符号列12のアイパターンの一例を示す図である。 図10は、多値信号13のアイパターンの一例を示す図である。 図11は、雑音信号の一例を示す図である。 図12は、雑音が重畳された変調信号14のアイパターンの一例を示す図である。 図13は、情報データ10のアイパターンの一例を示す図である。 図14は、多値符号列12のアイパターンの一例を示す図である。 図15は、多値信号13のアイパターンの一例を示す図である。 図16は、雑音信号の一例を示す図である。 図17は、雑音信号が重畳された変調信号14のアイパターンの一例を示す図である。 図18は、多値信号15と、多値信号15の判定閾値との関係を示した図である。 図19は、多値信号15のアイパターンの一例を示す図である。 図20Aは、本発明の第6の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図20Bは、本発明の第6の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図である。 図20Cは、本発明の第6の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図である。 図20Dは、本発明の第6の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図である。 図21は、等化部115が出力する等化多値信号24の波形の一例を示す図である。 図22は、等化多値信号25の識別動作を説明する図である。 図23は、本発明の第7の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図24は、本発明の第7の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図である。 図25は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図26は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の各部の信号波形を説明するための模式図である。 図27は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号品質を説明する模式図である。 図28は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の第2の構成例を示すブロック図である。 図29は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の第3の構成例を示すブロック図である。 図30は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の第4の構成例を示すブロック図である。 図31は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の第5の構成例を示すブロック図である。 図32Aは、本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図32Bは、本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図である。 図33Aは、本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図である。 図33Bは、本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図である。 図34は、本発明の第10の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。 図35は、N進符号化部131に入力される情報データ群の波形例を示す図である。 図36は、N進符号化部131から出力されるN進符号化信号52の波形例を示す図である。 図37は、多値処理部111bから出力される多値信号13の波形例を示す図である。 図38は、多値識別部212bにおける多値信号15の識別動作の一例を説明する図 図39は、雑音が重畳された多値信号15の波形を示す図である。 図40は、本発明の第11の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図41は、本発明の第11の実施形態に係るデータ通信装置のその他の構成例を示すブロック図である。 図42は、本発明の第12の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。 図43は、多値符号化部111から出力される信号波形を説明するための模式図である。 図44は、本発明の第13の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。 図45は、本発明の第13の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号は系を説明する模式図である。 図46は、本発明の第14の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。 図47は、本発明の第15の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。 図48Aは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図48Bは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図48Cは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図49Aは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図49Bは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図49Cは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図50Aは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図50Bは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図50Cは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図51Aは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図51Bは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図51Cは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図52Aは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図52Bは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図52Cは、本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。 図53は、従来のデータ通信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10、18 情報データ
11、16、38、39、91、96、99 鍵情報
12、17 多値符号列
13、15 多値信号
14、41、42、94 変調信号
24、25 等化多値信号
27 等化多値符号列
35、40 振幅制御信号
36 振幅変調情報データ
37 振幅変調多値信号
110 伝送路
111 多値符号化部
111a 第1の多値符号発生部
111b 多値処理部
112、122、123、912 変調部
113 第1のデータ反転部
114 雑音制御部
114a 雑音発生部
114b 合成部
115 等化部
116、122 第1の変調部
117、123 第2の変調部
120 振幅制御部
120a 第1の振幅信号発生部
120b 振幅変調部
124 合波部
131、132 N進符号化部
134 同期信号発生部
135 多値処理制御部
211、914、916 復調部
212、218 多値復号化部
212a 第2の多値符号発生部
212b 多値識別部
212c 第2の振幅信号発生部
213 第2のデータ反転部
220、221 N進復号化部
233 同期信号再生部
234 多値識別制御部
236 副復調部
237 識別部
914 符号化部
915、917 復号化部
10101〜19108 データ送信装置
10201〜19207 データ受信装置
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図1において、第1の実施形態にデータ通信装置は、データ送信装置10101とデータ受信装置10201とが伝送路110によって接続された構成である。データ送信装置10101は、多値符号化部111と、変調部112とを備える。多値符号化部111は、第1の多値符号発生部111aと、多値処理部111bとを含む。データ受信装置10201は、復調部211と、多値復号化部212とを備える。多値復号化部212は、第2の多値符号発生部212aと、多値識別部212bとを含む。伝送路110には、LANケーブルや同軸ケーブル等の金属路線や、光ファイバケーブル等の光導波路を用いることができる。また、伝送路110は、LANケーブル等の有線ケーブルに限られず、無線信号を伝搬する自由な空間であってもよい。
図2及び図3は、変調部112から出力される変調信号の波形を説明するための模式図である。以下に、第1の実施形態に係るデータ通信装置について、図1〜3を用いながら、その動作を説明する。
第1の多値符号発生部111aは、予め定められた所定の第1の鍵情報11に基づいて、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列12(図2(b))を発生する。多値処理部111bは、多値符号列12と情報データ10(図2(a))とを入力し、所定の手順に従って両信号を合成し、両信号レベルの組み合わせに一意に対応したレベルを有する多値信号13(図2(c))を生成する。例えば、多値処理部111bは、タイムスロットt1/t2/t3/t4に対して、多値符号列12のレベルがc1/c5/c3/c4と変化する場合、この多値符号列12をバイアスレベルとして、情報データ10を加算することで、L1/L8/L6/L4とレベルが変化する多値信号13を生成する。
ここで、図3に示すように、情報データ10の振幅を“情報振幅”、多値信号13の全振幅を“多値信号振幅”、多値符号列12のレベルc1/c2/c3/c4/c5に対応して多値信号13が取り得るレベルの組(L1、L4)/(L2、L5)/(L3、L6)/(L4、L7)/(L5、L8)をそれぞれ第1〜第5の“基底”、多値信号13の最小信号点間距離を“ステップ幅”と呼称する。
変調部112は、多値信号13を所定の変調形式で変調して、変調信号14として伝送路110に送出する。復調部211は、伝送路110を介して伝送されてきた変調信号14を復調し、多値信号15を再生する。第2の多値符号発生部212aは、第1の鍵情報11と同一の第2の鍵情報16を予め共有しており、第2の鍵情報16に基づいて、多値符号列12に相当する多値符号列17を発生する。多値識別部212bは、多値符号列17を閾値として、多値信号15の識別(2値判定)を行い、情報データ18を再生する。ここで、変調部112と復調部211とが、伝送路110を介して送受信する所定の変調形式の変調信号14は、電磁波(電磁界)または光波を多値信号13で変調して得られるものである。
なお、多値処理部111bは、上述したように、多値符号列12と情報データ10との加算処理によって多値信号13を生成する以外に、いかなる方法を用いて多値信号13を生成してもよいものとする。例えば、多値処理部111bは、情報データ10に基づいて、多値符号列12のレベルを振幅変調することで多値信号13を生成してもよいし、多値信号13のレベルを予め記憶させたメモリから、情報データ10と多値符号列12との組み合わせに対応した多値信号13のレベルを逐次読み出すことで多値信号13を生成してもよい。
また、図2及び図3では、多値信号13のレベルを8段階で表記したが、多値信号13のレベルは、この表記に限定されるものではない。また、情報振幅を多値信号13のステップ幅の3倍、もしくは整数倍として表記したが、情報振幅は、この表記に限定されるものではない。情報振幅は、多値信号13のステップ幅のいかなる整数倍であってもよいし、あるいは整数倍でなくてもよい。さらに、これに関連して、図2及び図3では、多値符号列12の各レベル(各バイアスレベル)が、多値信号13の各レベル間の略中心になるよう配置したが、多値符号列12の各レベルは、この配置に限定されるものではない。多値符号列12の各レベルは、多値信号13の各レベル間の略中心でなくてもよいし、あるいは多値信号13の各レベルに一致してもよい。また、多値符号列12と情報データ10との変化レートが互いに等しく同期関係にあることを前提としたが、この限りではなく、一方の変化レートが他方より高速(または低速)であっても、あるいは非同期であってもよい。
次に、第3者による変調信号14の盗聴動作について説明する。第3者は、正規の受信者が備えるデータ受信装置10201に準じた構成、もしくはさらに高性能なデータ受信装置(盗聴者データ受信装置)を用いて変調信号を解読することが想定される。盗聴者データ受信装置は、変調信号14を復調することにより多値信号を再生する。しかし、盗聴者データ受信装置は、データ送信装置10101との間で鍵情報を共有しないため、データ受信装置10201のように、鍵情報から多値符号列を発生させることができない。このため、盗聴者データ受信装置は、多値符号列を基準とした多値信号の2値判定を行うことができない。
このような場合に考えられる盗聴動作としては、多値信号の全レベルに対する識別を同時に行う方法(一般に「総当たり攻撃」と呼ばれる)がある。即ち、盗聴者データ受信装置は、多値信号が取り得る全ての信号点間に対する閾値を用意して多値信号の同時判定を行い、当該判定結果を解析することにより、正しい鍵情報または情報データの抽出を試みる。例えば、盗聴者データ受信装置は、図2に示した、多値符号列12のレベルc0/c1/c2/c3/c4/c5/c6を閾値として用いて、多値信号に対する多値判定を行うことにより、正しい鍵情報または情報データの抽出を試みる。
しかしながら、実際の伝送系では、種々の要因により雑音が発生し、この雑音が変調信号に重畳されることによって、多値信号のレベルは、図4に示すように時間的・瞬時的に変動する。このような場合、正規受信者(データ受信装置10201)が判定する被判定信号(多値信号)のSN比(信号対雑音強度比)が、多値信号の情報振幅と雑音量との比によって決まるのに対して、盗聴者データ受信装置が判定する被判定信号(多値信号)のSN比は、多値信号のステップ幅と雑音量との比によって決まる。
このため、被判定信号が有する雑音レベルが同一条件下においては、盗聴者受信装置において、被判定信号のSN比が相対的に小さくなり、伝送特性(誤り率)が劣化することになる。すなわち、データ通信装置は、この特性を利用することで、第3者の全閾値を用いた総当たり攻撃に対して識別誤りを誘発させて、盗聴を困難にすることができる。特に、データ通信装置は、多値信号のステップ幅を、当該雑音振幅(雑音強度分布の拡がり)に対して同オーダ、もしくはより小さく設定すれば、第3者による多値判定を事実上不可能にして、理想的な盗聴防止を実現できる。
なお、被判定信号(多値信号、または変調信号)に重畳される雑音としては、変調信号に無線信号等の電磁波を用いた場合は空間場や電子部品等が有する熱雑音(ガウス性雑音)を、光波を用いた場合は熱雑音に加えて光子が発生する際の光子数ゆらぎ(量子雑音)を利用できる。特に、量子雑音を利用した信号には、その記録や複製等の信号処理を行うことができないことから、データ通信装置は、雑音量を基準にして多値信号のステップ幅を設定することで、第3者による盗聴を不可能として、データ通信の絶対的な安全性を確保することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化するとき、多値信号の信号点間距離を雑音量に対して適切に設定することで、第3者によって盗聴された受信信号に対して決定的な劣化を与えて、受信信号の解読・復号化を困難にする、安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図5において、第2の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置(図1)と比較して、データ送信装置10102が第1のデータ反転部113を、データ受信装置10202が第2のデータ反転部213をさらに備える。以下に、第2の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)に順ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
第1のデータ反転部113は、情報データの有する“0”、“1”の情報と、Lowレベル、Highレベルとの対応関係を固定せず、所定の手順で当該対応関係を略ランダムに変更する。例えば、多値符号化部111と同様、所定の初期値に基づいて発生させた乱数系列(疑似乱数列)との排他的論理和(Exclusive OR)演算を行い、その演算結果を多値符号化部111に出力する。第2のデータ反転部213は、多値復号化部212から出力されたデータについて、第1のデータ反転部113と逆の手順で、当該“0/1”と“Low/High”の対応関係を変更する。例えば、第1のデータ反転部113が備える初期値と同一の初期値を共有し、これに基づいて発生させた乱数のビット反転系列との排他的論理和演算を行い、その結果を情報データとして再生する。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データの反転を略ランダムに行うことにより、暗号としての多値信号の複雑性を大きくして、第3者による解読・復号化をさらに困難とし、より安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図6において、第3の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置(図1)と比較して、データ通信装置10103が雑音制御部114をさらに備える。雑音制御部114は、雑音発生部114aと合成部114bとを含む。以下、第3の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
雑音発生部114aは、所定の雑音を発生する。合成部114bは、多値信号13と雑音とを合成して、変調部112に出力する。即ち、図4で説明した多値信号13のレベル変動を故意に生じさせて、多値信号13のSN比を任意の値に制御し、これにより、多値識別部212bに入力する被判定信号のSN比を制御する。なお、上述したように、雑音発生部114aが発生する雑音としては、熱雑音や量子雑音等が利用される。また、雑音が合成(重畳)された多値信号を雑音重畳多値信号と呼ぶことにする。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化し、そのSN比を任意に制御することにより、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を故意に与え、その解読・復号化をさらに困難にする、より安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号パラメータを説明する模式図である。第4の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態(図1)、または第3の実施形態(図6)に準ずる構成である。以下、図7を用いて本発明の第4の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。
図1または図6を参照して、多値符号化部111は、図7に示すように、多値信号13の各ステップ幅(S1〜S7)を、各レベルの変動量(すなわち、各レベルに重畳されている雑音強度分布)に従って設定する。具体的には、多値符号化部111は、多値識別部212bに入力する被判定信号の隣り合う2つの信号点間で決まるSN比が略一致するように、当該信号点間距離を配分する。なお、各レベルに重畳される雑音量が等しい場合には、各ステップ幅を均等に設定する。
一般に、変調部112から出力される変調信号として、半導体レーザ(LD)を光源とする光強度変調信号を想定した場合、LDに入力する多値信号のレベルに依存して当該変動幅(雑音量)は変化する。これは、半導体レーザが自然放出光を「種光」とした誘導放出の原理に基づいて発光することに起因しており、その雑音量は、誘導放出光量に対する自然放出光量の相対比で定義されている。励起率(LDに注入するバイアス電流に対応)が高い程、誘導放出光量の割合が大きくなるため、その雑音量は小さく、逆に、励起率が低い程、自然放出光量の割合が大きく、雑音量は大きくなる。そこで、図7に示すように、多値信号のレベルが小さい領域ではステップ幅を大きく、レベルが大きい領域では小さく、非線形に設定することにより、被判定信号の隣り合う信号点間のSN比を一致させる。
また、変調信号として光変調信号を利用した場合でも、上記の自然放出光による雑音や光受信器に用いる熱雑音が充分小さい条件下では、受信信号のSN比は、主にショット雑音で決定される。当該条件下では、多値信号のレベルが大きい程、当該雑音量が大きくなるため、図7の場合とは逆に、多値信号のレベルが小さい領域ではステップ幅を小さく、レベルが大きい領域では大きく設定することにより、被判定信号の隣り合う信号点間のSN比を一致させる。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化し、当該信号点を多値信号振幅内において略均一に配置し、あるいは、当該瞬時レベルに依らず隣り合う信号点間のSN比を略均一に設定することにより、第3者による盗聴時の受信信号品質を常に劣化させ、その解読・復号化をさらに困難にする、より安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第5の実施形態)
上記第1の実施形態では、伝送すべき情報データと、情報鍵から生成した多値符号列とを合成することによって、多値信号を生成するデータ通信装置について説明した。以下の第5の実施形態では、第3者の盗聴行為による多値信号の2値判定が著しく困難である多値信号を生成する場合を説明する。
まず、第1の実施形態において発生する問題を、図1と、図8〜図12とを用いて説明する。なお、以下の説明において、「信号点間距離」とは、多値信号または多値符合列が取り得る任意の信号レベルと、隣接する信号レベルとのレベル差のことをいう。図8は、情報振幅が“12”である情報データ10のアイパターンの一例を示す図である。図9は、第1の多値符号発生部111aから出力される多値符号列12のアイパターンの一例を示す図である。図9に示す多値符号列12は、信号点間距離が略均等に配置される。また、図9に示す多値符号列12は、信号点間距離で正規化されており、多値数が“4”であり、最大振幅が“3”である。
多値処理部111bは、図8に示す情報データ10及び図9に示す多値符号列12を加算処理によって合成し、図10に示すアイパターンを持つ多値信号13を出力する。図10に示す多値信号13は、多値信号振幅が“15”であり、情報振幅が“12”であり、多値数が“8”となる。図10に示す多値信号13において、信号点間距離aは、他の信号点間距離よりも大きくなる。つまり、多値信号13の信号点間距離は、略均等とならない状態が発生する。
図10に示す多値信号13は、変調部112によって変調信号14に変調され、受信部11102へ伝送される。変調信号14には、例えば図11に示すような、熱雑音や量子雑音などの雑音信号が重畳される。図12は、図11に示す雑音信号が変調信号14に重畳された場合の変調信号14のアイパターンを示す図である。
第3者による、変調信号14の盗聴動作について説明する。第3者は、図12に示す変調信号14を傍受し、変調信号14を多値信号に復調を行う。第3者は、図12に示す変調信号14に対して、2値判定を試みる。図12に示す変調信号14において、信号点間距離aは、変調信号14に重畳された雑音信号の振幅よりも大きい。よって、第3者は、多値信号の2値判定に十分なSN比を得ることできる。このため、第3者は、総当り攻撃などを行わなくても、容易に変調信号14から情報データ10を復号することができる。
このように、第1の実施形態において、多値信号の信号点間距離が略均等でない場合、第3者によって、情報データの盗聴が容易に行われてしまうという問題がある。第5の実施形態は、上記の問題を解決するものである。
本発明の第5の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置(図1)と同様の構成である。以下、図1と、図13〜19とを用いて、本発明の第5の実施形態に係るデータ通信装置を説明する。図13は、情報振幅が“7”である情報データ10のアイパターンの一例を示す図である。第1の多値符号発生部111aは、第1の鍵情報11から多値符号列12へ変換を行う。第1の多値符号発生部111aは、例えば、線形帰還フィードバックレジスタ(LFSR)等の乱数生成器を用いて構成される。図14は、第1の多値符号発生部111aから出力された多値符号列12のアイパターンの一例を示す図である。図14に示す多値符号列12は、信号点間距離が略均等に配置される。また、図14に示す多値符号列12は、信号点間距離で正規化されており、多値数が“10”であり、最大振幅が“9”である。このとき、図14に示す多値符号列12の最大振幅は、図13に示す情報データ10の情報振幅よりも大きいことが重要である。
図13に示す情報データ10と、図14に示す多値符号列12とは、多値処理部111bに入力される。多値処理部111bは、情報データ10と多値符号列12とを振幅加算して多値信号13を出力する。図15に、多値処理部111bから出力される多値信号13のアイパターンを示す。図15に示す多値信号13は、多値信号振幅が“16”である。多値信号13の多値信号振幅は、図13に示す情報データ10の最大振幅と、図14に示す多値符号列12の最大振幅との和に対応する。このとき、図15に示す多値信号13の振幅は、多値信号振幅が“16”であるため、図13に示す情報データ10の情報振幅の2倍以上となる。図15に示すように、多値信号13は、全ての信号点間距離の大きが“1”である。このため、図15に示す多値信号13は、図10に示す多値信号13と異なり、略均等となる。また、図15に示す多値信号13の全ての信号点間距離は、多値信号の情報振幅“7”よりも小さくなる。
多値信号13は、変調部112によって変調され、伝送路110を介して、受信部11102に転送される。このとき、変調信号14には、例えば、図16に示す雑音信号が重畳される。図17は、雑音信号が重畳された変調信号14のアイパターンの一例を示す図である。図17に示すように、雑音信号の振幅は、変調信号14の信号点間距離より大きいため、変調信号14は、任意の信号レベルの信号と、隣接する信号レベルの信号との識別ができない状態となる。
受信部11102は、伝送路110を介して変調信号14が入力される。変調部211は、変調信号14を復調して多値信号15を生成し、多値識別部212bに入力する。第2の多値符号発生部212aは、第2の鍵情報16を用いて、多値符号列17を生成し、多値識別部212bに入力する。多値符号列17は、多値信号15を2値判定するための識別閾値となる。多値識別部212bは、多値符号列17を用いて、多値信号15の2値判定を行う。この結果、多値信号15は、図13に示すような、2値信号の情報データ18に復号される。図18は、多値識別部212bに入力される多値信号15の情報振幅と、多値識別部212bにおいて復号する際の識別閾値の関係を示す図である。図18に示す雑音信号によって、変調信号14の情報振幅に対するSN比は劣化する。しかし、雑音信号の振幅は、変調信号の情報振幅の識別閾値を超えない。このため、受信部11102において、多値識別部212bは、情報データの識別及び再生を行うことが可能となる。
次に、第3者が、盗聴動作として、図17に示す変調信号14を傍受し、変調信号14を正しく多値信号15に再生した後、多値信号15を情報データ18に復号する場合を考える。第3者は、図12に示す変調信号14のように、図17に示す変調信号14から2値判定を行うための識別閾値を見出すことはできない。このため、第3者は、多値符号列の全ての組み合わせを用いた総当り的な演算処理や、特殊な解析を行うことによって、有限の時間内で鍵情報を抽出し、多値信号15の復号を試みることになる。
変調信号14の各信号レベルを識別するためのしきい値を判定閾値とする。図19は、変調信号14と、変調信号14の判定閾値との関係を示した図である。第3者は、送信部11101との間で第1の鍵情報11を共有しないため、第1の鍵情報11に基づく多値符号列12を生成することができない。このため、第3者は、図19に示す全ての判定閾値を用いて、多値信号の信号レベルの識別を行う必要がある。しかし、多値信号の信号点間距離は、情報データの情報振幅よりも小さい。このため、第3者は、判定閾値を決定することが困難となる。さらに、図19に示すように、変調信号14に重畳された雑音信号によって、互いに隣接する信号レベルの信号の判別ができない状態となっているため、第3者は、多値信号の信号点間の判定を正確に行うことができない。このため、傍聴者は、多値信号の信号レベルを判定する際に、多値信号のレベルの判定誤りを避けることができない。さらに、第3者は、誤判定により得られる多値信号に対して2値判定を試みることになるため、正しい情報データに復号することができない。
このように、本実施形態に係る発明では、入力される情報データの情報振幅の2倍であり、多値信号の全ての信号点間距離が、略均等となる多値信号を生成する。このような多値信号は、第3者による、多値信号の2値判定による情報信号の復号と、変調信号の正確な復調あるいは判定とを困難にすることができる。このため、本実施形態に係る発明は、秘匿性の高い情報伝送を実現可能とする送信装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、多値処理部111bにおいて、情報データ10と多値符号列12との加算処理によって多値信号13を生成しているが、多値信号13の生成は、他の方法であってもよい。例えば、メモリ上のテーブル参照等を用いてもよい。
(第6の実施形態)
図20Aは、本発明の第6の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図20Aにおいて、第6の実施形態に係るデータ通信装置は、データ送信装置12105とデータ受信装置10201とが伝送路110によって接続された構成である。データ送信装置12105は、多値符号化部111と、変調部112と、等化部115とを備える。多値符号化部111は、第1の多値符号発生部111aと多値処理部111bを含む。データ受信装置10201は、復調部211と多値復号化部212とを備える。多値復号化部212は、第2の多値符号発生部212aと多値識別部212bとを含む。すなわち、第5の実施形態に係るデータ送信装置12105は、上述した第1の実施形態に係るデータ送信装置10101(図1)と比較して、等化部115をさらに備える点が異なっている。
以下、等化部115を中心に、第6の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
データ送信装置12105において、等化部115には、多値信号13(図2(c)参照)が入力される。等化部115は、入力された多値信号13を所定の手段を用いて波形等化して、等化多値信号24を出力する。図21は、等化部115が出力する等化多値信号24の波形の一例を示す図である。なお、図21において、点線は、等化部115に入力される多値信号13の波形を示している。等化部115には、例えば、ローパスフィルタなどのフィルタが用いられる。等化部115にローパスフィルタを用い、多値信号13の高周波数領域を帯域制限した場合には、多値信号13の多値レベル間の遷移に係る応答時間が制限される事により符号間干渉が生じる。このような場合、等化多値信号24は、図21に示す様に、所定のタイムスロット(t1/t2/t3/t4/t5/t6)で多値信号13の多値レベル(L1/L8/L6/L4/L4/L2)に遷移することができず、レベル変動が生じた信号として等化部115から出力される。等化多値信号24は、変調部112に入力される。
変調部112は、等化多値信号24を、伝送路110に適した信号形態に変換し、変調信号14を伝送路110に送信する。例えば、伝送路110が光伝送路の場合、変調部112は、等化多値信号24を光信号に変換する。
データ受信装置10201において、復調部211は、伝送路110を介して変調信号14を受信する。復調部211は、変調信号14を復調して等化多値信号25を出力する。等化多値信号25は、多値識別部212bに入力される。多値識別部212bは、多値符号列17を用いて等化多値信号25の識別を行う。図22(a)は、多値識別部212bにおける等化多値信号25の識別動作を説明する図である。図22(a)において、太実線が等化多値信号25の波形例を、細実線が多値符号列17の波形例を、点線が多値信号13の波形例を示している。
図22(a)を参照して、多値識別部212bは、多値符号列17を閾値として、等化多値信号24の識別(2値判定)を行い、情報データ18を再生する。すなわち、多値識別部212bは、帯域制限に伴う符号間干渉によりレベル変動が生じた多値信号13(すなわち、等化多値信号25)を受信した場合も、多値符号列17を識別レベルとして、等化多値信号25の劣化(レベル変動の量)が識別レベルを超えない範囲で、多値信号13を識別することができる。
次に、第3者による、変調信号14の盗聴動作について説明する。第3者は、第1の実施形態で説明した場合と同様に、正規の受信者が備えるデータ受信装置10201に準じた構成、もしくはさらに高性能なデータ受信装置(盗聴者データ受信装置)を用いて、変調信号14を受信、解読することが想定される。しかしながら、盗聴者データ受信装置は、データ送信装置10101との間で第1の鍵情報11を共有しないため、データ受信装置10201のように、当該鍵情報から発生した多値符号列17を基準とした等化多値信号25の識別(2値判定)を行うことができない。
このような場合、盗聴者データ受信装置は、総当たり攻撃を用いて等化多値信号25を識別し、正しい鍵情報又は情報データ18の再生を試みることが考えられる。図22(b)は、盗聴者データ受信装置での等化多値信号25の識別動作を説明する図である。図22(b)において、太実線が等化多値信号25の波形例を、太点線が多値信号13の波形例を、細点線が多値信号13を識別するための複数の識別レベルを示している。
総当たり攻撃を行う場合、盗聴者データ受信装置は、多値符号列17に基づいた等化多値信号25の識別レベルが分からないため、図22(b)の細点線で示される複数の識別レベルを用いて等化多値信号25から多値信号13を正確に識別・再生した後、正しい鍵情報及び情報データ18を解析する必要がある。しかしながら、等化多値信号25は、例えば図22(b)の丸で囲まれた部分において、帯域制限に伴う符号間干渉のため、レベル変動が生じ、多値信号13とは異なる多値レベルの遷移を呈している。そのため、盗聴者データ受信装置で、複数の識別レベルを用いて等化多値信号25を識別、再生した場合には、多値信号13に対するシンボル誤り(或いは符号誤り)が不可避となり、更には、正しい鍵情報及び情報データ18を解析することが困難となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、等化部115で多値信号13にレベル変動を生じさせ、等化多値信号24を出力する。そのため、鍵情報(第1の鍵情報11及び第2の鍵情報16)を共有しない第3者(盗聴者データ受信装置)は、変調信号14を復調した等化多値信号25から多値信号13を正確に識別・再生することができず、総当たり攻撃等での解読が困難となる。故に、本実施形態に係る発明は、第1の実施形態に係るデータ通信装置と比較して、より秘匿性の高い情報伝送を可能とするデータ通信装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、等化部115は、多値符号化部111と変調部112との間に接続される構成を説明したが、この接続位置に限られない。例えば、等化部115は、多値処理部111bの情報データ10の入力側に接続され、波形等化された情報データ10を多値処理部111bに出力してもよい(図20B参照)。
また、等化部115は、多値符号発生部111aと多値処理部111bとの間に接続されてもよい(図20C参照)。この場合、等化部115は、多値符号列12を波形等化して、波形等化された多値符号列12を多値処理部111bに出力する。また、等化部115は、変調部112の出力側に接続され、変調信号14を波形等化してもよい(図20D参照)。本実施形態に係るデータ通信装置は、上述したどの位置に等化部115を接続したとしても、秘匿性の高い情報伝送を行うことができる。
また、等化部115に用いるローパスフィルタは、入力される信号の周波数帯域の1/2以下の信号成分を濾波するローパスフィルタであることが望ましい。例えば、等化部115(ローパスフィルタ)は、入力される多値信号13の1/2以上の信号成分を濾波した場合、符号間干渉により多値レベルが大きく変動した等化多値信号24を出力することになる。この場合、データ受信装置10201は、変調信号14から復調した等化多値信号25の識別が困難となる。
また、等化部115には、ハイパスフィルタを用いてもよい。この場合も、本実施形態に係るデータ通信装置は、等化部115に入力される信号の直流成分、若しくは低周波成分を遮断させることで、等化部115から出力される信号に平均値の漂動に伴う符号干渉を生じさせ、ローパスフィルタを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
また、等化部115には、バンドパスフィルタを用いてもよい。この場合も、本実施形態に係るデータ通信装置は、等化部115に入力される信号の内、所定の周波数帯域の信号成分を濾波することで、ローパスフィルタを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
(第7の実施形態)
図23は、本発明の第7の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。図23において、第7の実施形態に係るデータ通信装置は、データ送信装置12106の構成が第6の実施形態と異なる。第7の実施形態に係るデータ送信装置12106は、第1の多値符号発生部111aと、等化部115と、第1の変調部116と、第2の変調部117とを備える。なお、本実施形態の構成は、第6の実施形態(図20A)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図23において、等化部115には、第1の多値符号発生部111aから多値符号列12が入力される。等化部115は、多値符号列12を所定の手段で波形等化して、等化多値符号列27を出力する。等化多値符号列27は、第1の変調部116に入力される。第1の変調部116は、等化多値符号列27を所定の変調形式で変調して、第1の変調信号28を出力する。具体的には、第1の変調部116は、等化多値符号列27を、例えば振幅変調することで、第1の変調信号28を出力する。
第1の変調信号28は、第2の変調部117に入力される。また、情報データ10が第2の変調部117に入力される。第2の変調部117は、第1の変調信号28及び情報データ10を所定の変調形式で変調して、第2の変調信号29を出力する。例えば、第2の変調部117は、第1の変調信号28と情報データ10とを加算処理したり、あるいは第1の変調信号28のレベルを情報データ10で振幅変調したりして、第2の変調信号29を出力する。
以上説明したように、本実施形態によれば、等化部115で多値符号列12に、符号間干渉によりレベル変動を生じさせ、等化多値符号列27を出力する。そして、第1の変調部116で等化多値符号列27に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号28を出力し、第2の変調部117で情報データ10に基づいて第1の変調信号28を変調して所定の変調形式の第2の変調信号29を出力する。そのため、鍵情報(第1の鍵情報11及び第2の鍵情報)を共有しない第3者は、第2の変調信号28を復調した等化多値信号25から情報データ10を抽出することがより困難となる。故に、本実施形態に係る発明は、第5の実施形態に係るデータ送信装置と同様に、秘匿性の高い情報伝送を可能とするデータ通信装置を提供することができる。
なお、第7の実施形態に係るデータ通信装置(図23)は、別の構成とすることもできる。図24は、本発明の第7の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図である。図24において、等化部115には、第1の多値符号発生部111aから多値符号列12が入力される。等化部115は、多値符号列12を所定の手段で波形等化して、等化多値符号列27を出力する。第1の変調部116は、情報データ10を変調して、所定の変調形式の第1の変調信号28を出力する。等化多値符号列27及び第1の変調信号28は、第2の変調部117に入力される。第2の変調部117は、等化多値符号列27及び第1の変調信号28に基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号29を出力する。具体的には、第2の変調部117は、等化多値符号列27と第1の変調信号28とを加算処理したり、あるいは第1の多値符号列28のレベルを等化多値符号列27で振幅変調したりして、第2の変調信号29を出力する。この場合も、本実施形態に係る発明は、第6の実施形態に係るデータ通信装置と同様に、秘匿性の高い情報伝送を可能とするデータ通信装置を提供することができる。
また、第7の実施形態に係るデータ通信装置(図23、図24)は、上述した第6の実施形態と同様に、等化多値信号25にレベル変動を生じさせる構成であれば、等化部115をデータ送信装置12106、12106bのいずれの位置に挿入/接続しても良いものとする。図23において、データ送信装置12106は、例えば、等化部115を第2の変調部117の前段に接続して情報データ10に所定のレベル変動を付与する構成であってもよい。また、データ送信装置12106は、等化部115を第1の変調部116の後段に接続して第1の変調信号28に所定のレベル変動を付与する構成であってもよい。
また、図24において、データ送信装置12106bは、例えば、等化部115を第1の変調部116の前段に接続して情報データ10に所定のレベル変動を付与する構成であってもよい。また、データ通信装置12106bは、等化部115を第2の変調部117の後段に接続して、第2の変調信号29に所定のレベル変動を付与する構成であってもよい。第7の実施形態に係るデータ通信装置は、いずれの構成においても、盗聴者データ受信装置で識別される等化多値信号25の識別を困難にすることができる。
(第8の実施形態)
図25は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。図25において、第8の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置(図1)と比較して、データ送信装置14105が振幅制御部120をさらに備える点が異なっている。振幅制御部120は、第1の振幅制御信号発生部120aと、振幅変調部120bとを含む。
図26は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の各部の信号波形を説明するための模式図である。図26(a)は、情報データ10の波形の一例を示している。図26(b)は、振幅変調部120bから出力される振幅変調情報データ36の波形の一例を示している。なお、図26(b)の点線は、図26(a)で示される情報データ10の波形である。図26(c)は、第1の多値符号発生部111aから出力される多値符号列12の波形の一例を示している。図26(d)は、多値処理部111bから出力される多値信号13の波形の一例を示している。なお、図26(d)の点線は、図26(c)で示される多値信号13の波形を示している。以下に、第8の実施形態に係るデータ通信装置の動作について、図26を用いて説明する。なお、本実施例の構成は、第1の実施例(図1)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
データ送信装置14105において、第1の振幅制御信号発生部120aには、第1の鍵情報11が入力される。第1の振幅制御信号発生部120aは、第1の鍵情報11に基づいて、当該値が略乱数的に変化する振幅制御信号35を発生する。振幅制御信号35は、振幅変調部120bに入力される。また、振幅変調部120bには、情報データ10(図26(a))が入力される。振幅変調部120bは、振幅制御信号35に基づいて、情報データ10(図26(a))に対して略ランダムな振幅変調を施し、振幅変調情報データ36(図26(b))を出力する。なお、振幅変調部120bは、図26(a)および図26(b)に示すように、元信号である情報データ10の振幅中心レベルを基準レベルRとして、当該極性を変更しない範囲で振幅変調を施す。
多値処理部111bには、振幅変調情報データ36(図26(b))と多値符号列12(図26(c))とが入力される。多値処理部111bは、多値符号列12のレベルを、振幅情報変調データ36の基準レベルRに対するバイアスレベルと見なして、多値符号列12と振幅変調情報データ36とを加算することで、多値信号13(図26(d))を生成する。
データ受信装置10201において、多値識別部212bは、復調部211から多値信号15を受信する。多値識別部212bは、第1の鍵情報11と同一の第2の鍵情報16に基づいて生成された多値符号列17(図26(c)に同じ)を閾値(基準レベル)として、多値信号15の識別(2値判定)を行う。ここで、振幅変調部120bは、上述したように元信号(情報データ10)の極性を変更していない。そのため、多値識別部212bは、多値符号列12と同等の多値符号列17を基準とした識別を行うことにより、情報データ18を正しく再生することができる。
次に、第3者による変調信号の盗聴動作について説明する。上述したように、第3者は、データ受信装置10201に準じた構成、もしくはさらに高性能なデータ受信装置(盗聴者データ受信装置)を用いて変調信号を解読することが想定される。盗聴者データ受信装置は、変調信号14を復調することにより多値信号を再生する。しかし、盗聴者データ受信装置は、データ送信装置10101との間で鍵情報を共有しないため、データ受信装置10201のように、鍵情報から多値符号列を発生させることができない。このため、盗聴者データ受信装置は、多値符号列を基準とした多値信号の2値判定を行うことができない。
このような場合に考えられる盗聴動作としては、多値信号の全レベルに対する識別を同時に行う方法(一般に「総当たり攻撃」と呼ばれる)がある。即ち、盗聴者データ受信装置は、多値信号が取り得る全ての信号点間に対する閾値を用意して多値信号の同時判定を行い、当該判定結果を解析することにより、正しい鍵情報または情報データの抽出を試みる。例えば、盗聴者データ受信装置は、図2に示した、多値符号列12のレベルc0/c1/c2/c3/c4/c5/c6を閾値として用いて、多値信号に対する多値判定を行うことにより、正しい鍵情報または情報データの抽出を試みる。
しかしながら、上述したように、実際の伝送系では、種々の要因により雑音が発生し、この雑音が変調信号に重畳されるため、多値信号のレベルは、図4に示すように時間的・瞬時的に変動する。加えて、本実施形態では、多値信号には、第1の鍵情報11(すなわち、振幅制御信号35)に基づいて略ランダムな振幅変調が施されている。図27は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号品質を説明する模式図である。図27に示すように、データ受信装置10201及び盗聴者データ受信装置が受信する多値信号のレベル変動幅(ゆらぎ量)は、第1の実施形態と比較してさらに大きくなっている。
盗聴者データ受信装置が判定する被判定信号(多値信号)のSN比は、多値信号のステップ幅とゆらぎ量との比によって決まるため、振幅制御信号35に基づいて施される振幅変調効果によって当該SN比はさらに減少する。このため、本実施形態のデータ通信装置は、第3者の全閾値を用いた総当たり攻撃に対して多くの識別誤りを誘発させて、盗聴を困難にすることができる。特に、データ通信装置は、振幅変調によるレベル変動幅を、多値信号のステップ幅と同等、もしくはより大きく設定すれば、第3者による多値判定を事実上不可能にして、理想的な盗聴防止を実現し、データ通信の絶対的な安全性を確保することができる。
なお、振幅制御部120は、盗聴者データ受信装置で判定される多値信号15にレベル変動を生じさせ、当該SN比を制御できるのであれば、図25とは異なるいずれの位置に挿入・接続されても良い。例えば、図28に示すように、データ通信装置は、振幅制御部120を多値符号化部111と変調部112との間に挿入し、多値信号13に所定のレベル変動を付与する構成であってもよい。
また、例えば、図29に示すように、データ通信装置は、振幅制御部120を変調部112の後段に接続して、変調信号14にレベル変動を付与する構成であってもよい。この場合、振幅変調部120bは、伝送路110を介して送信する信号の種類によって、変調信号14を振幅変調又は強度変調することになる。第8の実施形態に係るデータ通信装置は、いずれの構成においても、多値識別時の被判定信号(多値信号)のSN比を任意の値に制御できる。
また、図25において、第1の振幅制御信号発生部120aは、第1の多値符号発生部111aに入力される第1の鍵情報11に基づいて振幅制御信号35を発生したが、図30に示すように、第1の鍵情報11と異なる所定の第1の振幅制御鍵情報38に基づいて振幅制御信号35を発生しても良い。これにより、多値符号列12のレベル変化と、振幅変調部120bによる振幅変調動作との間の相関性を抑圧し、多値信号13のレベル変化をよりランダム化して、盗聴者データ受信装置による多値判定動作に、より理想的な識別誤りを誘発させることができる。
なお、現実的には、振幅変調部120bによる振幅変調動作は、正規受信者のデータ受信装置10201において識別(2値判定)される被判定信号のSN比を劣化させる場合がある。このような振幅変調動作の影響を抑圧するために、データ受信装置10201の構成を変更してもよい。例えば、図31に示すように、データ受信装置14205dにおいて、多値復号化部218は、第2の多値符号発生部212a及び多値識別部212bに加えて、第2の振幅制御信号発生部212cを含む構成とすることができる。即ち、第2の振幅制御信号発生部212cは、第1の振幅制御鍵情報38と同一の第2の振幅制御鍵情報39を予め共有し、第2の振幅制御鍵情報39に基づいて、振幅制御信号35に相当する振幅制御信号40を発生する。多値識別部212bは、第2の多値符号発生部212aから出力される多値符号列17を閾値とし、かつ振幅制御信号40によって多値信号15の瞬時レベル、またはSN比をモニタしながら、多値信号15の最適識別(2値判定)を行い、情報データ18を再生する。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化し、その変動レベル(ゆらぎ量)を任意に制御することにより、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を故意に与えて、その解読・復号化をさらに困難にする、より安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第9の実施形態)
図32Aは、本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。本実施形態に係るデータ通信装置は、第8の実施形態において多値処理部111bと変調部112(図25参照)とが行っていた、多値符号列12と振幅変調情報データ36とに基づいた変調信号14への変換処理を別の構成で実現するものである。図32Aにおいて、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、データ送信装置14106とデータ受信装置10201とが伝送路110によって接続された構成である。データ送信装置14106は、第1の多値符号発生部111aと、振幅制御部120と、第1の変調部122と、第2の変調部123と、合波部124とを備える。振幅制御部120は、第1の振幅制御信号発生部120aと、振幅変調部120bとを含む。
本実施形態の構成は、第8の実施形態(図25)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。図32Aにおいて、第1の変調部122は、第1の多値符号発生部111aから出力された多値符号列12を元データとして、所定の変調形式に変換して第1の変調信号41を出力する。第2の変調部123は、振幅変調部120bから出力された振幅変調情報データ36を元データとして、所定の変調形式に変換して第2の変調信号42を出力する。第1の変調信号41と第2の変調信号42とは、合波部124に入力される。合波部124は、第1の変調信号41と第2の変調信号42とを、振幅的もしくは強度的に合成して、伝送路110に送出する。すなわち、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、図25において多値処理部111bと変調部112とが行っていた、多値符号列12と振幅変調情報データ36とに基づく変調信号14への変換処理を、第1の変調部122と第2の変調部123と合波部124とで、変調信号レベルで行うことにより融通性の高い回路構成を実現している。
なお、第9の実施形態に係るデータ通信装置(図32A)は、第1の変調部122と第2の変調部123とを並列的に設置し、第1の変調信号41と第2の変調信号42とを合波する構成としたが、別の構成とすることもできる。図32Bは、本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図である。図32Bに示すように、本実施形態に係るデータ通信装置は、第1の変調部122と第2の変調部123とを直列的に接続して、同一の搬送波を第1の変調部122と第2の変調部123とで変調する構成としてもよい。第1の変調部122で搬送波を多値符号列12で変調して第1の変調信号41を出力し、第2の変調部123で第1の変調信号41を振幅変調情報データ36で変調する構成である。すなわち、この構成のデータ通信装置は、図25において多値処理部111bと変調部112とが行っていた、多値符号列12と振幅変調情報データ36とに基づく変調信号14への変換処理を、第1の変調部122と第2の変調部123とで、変調信号レベルで行うものである。
図32Aのデータ送信装置14106は、合波部124で第1の変調信号41と第2の変調信号42とを加算処理している。これに対して、図32Bのデータ送信装置14106bは、第1の変調部122及び第2の変調部123で積算処理している。そのため、図32Bのデータ送信装置14106bは、図32Aのデータ送信装置14106と比較して、生成する変調信号14の信号波形に若干の違いはあるが、多値符号列12のレベルを基準として、振幅変調情報データ36の有するレベルを重畳する点において、ほぼ同様の効果を得ることができる。
また、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、第8の実施形態と同様に、盗聴者データ受信装置で判定される多値信号15にレベル変動を生じさせ、当該多値信号のSN比を制御できるのであれば、振幅制御部120を図32Aまたは図33Bと異なるいずれの位置に挿入/接続しても良い。例えば、図32A及び図32Bにおいて、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、振幅制御部120を第1の変調部122の前段に挿入して、多値符号列12に所定のレベル変動を付与する構成とすることもできる(図33A、図33B参照)。また、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の変調部122または第2の変調部123の後段、あるいは合波部124の後段に接続して、第1の変調信号41または第2の変調信号42、あるいはそれらの合成信号に対して、レベル変動を付与する構成としても良い。第9の実施形態に係るデータ通信装置は、いずれの構成においても、多値識別時の被判定信号(多値信号)のSN比を任意の値に制御できる。
またさらに、第9の実施形態に係るデータ通信装置において、第1の振幅制御信号発生部120aは、図30と同様に、第1の鍵情報11と異なる所定の第1の振幅制御鍵情報38に基づいて振幅制御信号35を発生しても良い。これにより、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、多値符号列12のレベル変化と、振幅変調部120bによる振幅変調動作との間の相関性を抑圧し、多値信号15のレベル変化をよりランダム化して、盗聴者データ受信装置による多値判定動作に、より理想的な識別誤りを誘発させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化し、その変動レベル(ゆらぎ量)を任意に制御すると共に、情報データと多値符号列とに、それぞれ個別の変調部を設けることによって、よりフレキシブルな構成で、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を故意に与えて、その解読・復号化をさらに困難にする、より安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第10の実施形態)
図34は、本発明の第10の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図34において、第10の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置(図1)と比較して、データ送信装置16105がN進符号化部131を、データ受信装置16205がN進復号化部220をさらに備える点が異なっている。
以下、N進符号化部131及びN進復号化部220を中心に、第10の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
データ送信装置16105において、N進符号化部131には、複数の情報データから構成される情報データ群が入力される。ここでは、情報データ群として、第1の情報データ50及び第2の情報データ51が入力されるものとする。図35は、N進符号化部131に入力される情報データ群の波形例を示す図である。図35(a)は、N進符号化部131に入力される第1の情報データ50を示している。図35(b)は、N進符号化部131に入力される第2の情報データ51を示している。
N進符号化部131は、第1の情報データ50及び第2の情報データ51をN(この例では、N=4)進数に符号化することで、所定の多値レベルを有するN進符号化信号52として出力する。なお、Nは任意の自然数である。これによって、N進符号化部131は、1タイムスロットあたりに伝送できる情報量をlogN倍に増加させることができる。図36は、N進符号化部131から出力されるN進符号化信号52の波形例を示す図である。図36を参照して、例えば、N進符号化部131は、第1の情報データ50及び第2の情報データ51における論理の組み合わせが、{L、L}の場合に多値レベル00を、{L、H}の場合に多値レベル01を、{H、L}の場合に多値レベル10を、{H、H}の場合に多値レベル11を割り当てることで、4段階の多値レベルを有するN進符号化信号52を出力することができる。N進符号化部131から出力されたN進符号化信号52、及び第1の多値符号発生部111aから出力された多値符号列12(図2(b)参照)は、多値処理部111bに入力される。
多値処理部111bは、N進符号化信号52と多値符号列12とを所定の手順に従って合成し、合成した信号を多値信号13として出力する。例えば、多値処理部111bは、多値符号列12のレベルをバイアスレベルとして、N進符号化信号52を加算することで多値信号13を生成する。あるいは、多値処理部111bは、多値符号列12をN進符号化信号52で振幅変調することで多値信号13を生成してもよい。図37は、多値処理部111bから出力された多値信号13の波形例を示す図である。図37において、多値信号13の多値レベルは、所定のレベル間隔(この例では3レベル間隔)で4段階に変動している。なお、点線は、バイアスレベル(多値符号列12)を基準として、多値信号13の多値レベルが変動する範囲を示している。
多値処理部111bから出力された多値信号13は、変調部112に入力される。変調部112は、多値信号13を伝送路110に適した信号形態に変調し、変調した信号を変調信号14として伝送路110に送信する。例えば、変調部12は、伝送路110が光伝送路の場合、多値信号13を光信号に変調する。
データ受信装置16205において、復調部211は、伝送路110を介して変調信号14を受信する。復調部211は、変調信号14を復調して多値信号15を出力する。多値信号15は、多値識別部212bに入力される。多値識別部212bは、第2の多値符号発生部212aから出力された多値符号列17を用いて多値信号15を識別することで、N進符号化信号53を出力する。図38は、多値識別部212bにおける多値信号15の識別動作の一例を説明する図である。図38において、太実線が多値信号15の波形を、細実線及び点線が多値信号15を識別するための判定波形を示している。なお、細実線(判定波形2)は、多値符号列17の波形である。
図38を参照して、多値識別部212bは、多値符号列17(判定波形2)を中心として、多値符号列17を所定のレベル間隔だけ上にずらした波形(判定波形1)と、所定のレベル間隔だけ下にずらした波形(判定波形3)とを生成する。なお、この所定のレベル間隔は、データ送信装置16105における多値処理部111bとの間で予め定まっているものであり、この例では、3レベル間隔である。そして、多値識別部212bは、判定波形1〜3を用いて多値信号15を識別する。
多値識別部212bは、タイムスロットt1において、判定波形1と多値信号15とを比較して、多値信号15が判定波形1よりもLowレベルであると判定する。また、判定波形2と多値信号15とを比較して、多値信号15が判定波形2よりもLowレベルであると判定する。また、判定波形3と多値信号15とを比較して、多値信号15が判定波形3よりもHighレベルであると判定する。すなわち、多値識別部212bは、タイムスロットt1において、多値信号15を{Low、Low、High}と判定する。同様に、多値識別部212bは、タイムスロットt2で多値信号15を{Low、High、High}と、タイムスロットt3で多値信号15を{Low、Low、Low}と判定する。タイムスロットt4以降の動作は省略するが同様である。
そして、多値識別部212bは、判定したLow及びHighの数と、N進符号化信号52の多値レベルとを対応させることで、N進符号化信号52を再生する。例えば、多値識別部212bは、{Low、Low、Low}を多値レベル00に、{Low、Low、High}を多値レベル01に、{Low、High、High}を多値レベル10に、{High、High、High}を多値レベル11に対応させることで、N進符号化信号53を再生することができる。多値識別部212bで再生されたN進符号化信号53は、N進復号化部220に入力される。
N進復号化部220は、N進符号化信号52を復号化して、情報データ群として出力する。具体的には、N進復号化部220は、N進符号化部131と逆の動作を行うことで、N進符号化信号52から第1の情報データ54及び第2の情報データ55を出力する。
次に、第3者による変調信号14の盗聴動作について説明する。第3者は、第1の実施形態で説明した場合と同様に、データ送信装置16105との間で第1の鍵情報11を共有していないため、盗聴した変調信号14から第1の情報データ54及び第2の情報データ55を再生することができない。また、実際の伝送系では、種々の要因により雑音が発生し、この雑音が変調信号14に重畳されることになる。すなわち、変調信号14を復調した多値信号15にも雑音が重畳されることになる。図39は、雑音が重畳された多値信号15の波形を示す図である。図39を参照して、第10の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態で説明した場合と同様に、多値信号15に重畳された雑音のために、第3者の全しきい値を用いた総当たり攻撃に対して識別誤りを誘発させて、盗聴をより困難にすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、N進符号化部131で情報データ群を一括してN進符号化信号52に変換し、N進復号化部220でN進符号化信号53から情報データ群を一括して再生する。これによって、本実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置と比較して、1タイムスロットあたりに伝送できる情報量を増やすことができる。また、情報データ群をN進符号化信号52に変換することで、より秘匿性の高いデータ伝送を実現することができる。
(第11の実施形態)
図40は、本発明の第11の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。図40において、第11の実施形態に係るデータ通信装置は、第10の実施形態(図34)と比較して、N進符号化部132及びN進復号化部221の動作が異なる。第11の実施形態において、N進符号化部132は、第1の鍵情報11に基づいて、情報データ群からN進符号化信号52を生成する。また、N進復号化部221は、第2の鍵情報16に基づいて、N進符号化信号53から情報データ群を生成する。以下、N進符号化部132及びN進復号化部221を中心に、第11の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第10の実施形態(図34)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
データ送信装置16106において、N進符号化部132には、第1の鍵情報11が入力される。N進符号化部132は、第1の鍵情報11に基づいて、情報データ群からN進符号化信号52を生成する。例えば、N進符号化部132は、第1の鍵情報11によって、第1の情報データ50及び第2の情報データ51における論理の組み合わせと、N進符号化信号52の多値レベルとの対応関係を変更する。N進符号化部132から出力されたN進符号化信号52は、多値処理部111bに入力される。
データ受信装置16206において、多値識別部212bから出力されたN進符号化信号53は、N進復号化部221に入力される。また、N進復号化部221には、第2の鍵情報16が入力される。N進復号化部221は、第2の鍵情報16に基づいて、N進符号化信号53から情報データ群を出力する。具体的には、N進復号化部221は、N進符号化部132と逆の動作を行うことで、N進符号化信号53から第1の情報データ54と第2の情報データ55とを出力する。
以上説明したように、本実施形態によれば、N進符号化部132が第1の鍵情報11に基づいて、情報データ群からN進符号化信号52を生成し、N進復号化部221が第2の鍵情報16に基づいて、N進符号化部132と逆の動作でN進符号化信号53から情報データ群を再生する。これによって、本実施形態に係るデータ通信装置は、第10の実施形態に係るデータ通信装置と比較して、より盗聴が困難なデータ通信を実現することができる。
なお、第11の実施形態に係るデータ通信装置において、N進符号化部132は、第1の鍵情報11と異なる第3の鍵情報56を用いて、情報データ群からN進符号化信号52を生成してもよいものとする。また同様に、N進復号化部221は、第2の鍵情報16と異なる第4の鍵情報57を用いて、N進符号化信号53から情報データ群を再生してもよいものとする(図41参照)。ただし、第3の鍵情報56と第4の鍵情報57とは、同じ鍵情報である。これによって、本実施形態に係るデータ通信装置は、多値処理部111bで用いる鍵情報とN進符号化部132で用いる鍵情報とを分けることができ、より盗聴が困難なデータ通信を実現することができる。
(第12の実施形態)
図42は、本発明の第12の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図42において、第12の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態(図1)と比較して、データ送信装置19105が同期信号発生部134と多値処理制御部135とを、データ受信装置19205が同期信号再生部233と多値識別制御部234とをさらに備える点が異なっている。
図43は、多値符号化部111から出力される信号波形を説明するための模式図である。以下、第5の実施形態に係るデータ通信装置について、図42および図43を用いて説明する。なお、本実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図42において、同期信号発生部134は、所定周期の同期信号64を発生して、多値処理制御部135に出力する。多値処理制御部135は、同期信号64に基づいて、多値処理制御信号65を発生し、多値処理部111bに出力する。多値処理制御信号65は、多値処理部111bが出力する多値信号13のレベル数(以下、多値数という)を指定する信号である。多値処理部111bは、多値処理制御信号65と多値符号列12とに基づいて、情報データ10から多値信号を生成するとともに、生成した多値信号の多値数を切り替えた信号を多値信号13として出力する。例えば、図43に示すように、多値処理部111bは、期間AおよびCにおいて多値数“8”値の多値信号を出力し、期間Bにおいて多値数“2”値の信号を出力する。より、具体的には、多値処理部111bは、期間AおよびCでは、情報データ10と多値符号列12とを合成して出力し、期間Bでは、情報データ10をそのまま出力しても良い。
同期信号再生部233は、前記同期信号64に対応する同期信号66を再生して、多値識別制御部234に出力する。多値識別制御部234は、同期信号66に基づいて、多値識別制御信号67を発生し、多値識別部212bに出力する。多値識別部212bは、多値識別制御信号67に基づいて、復調部211から出力される多値信号15に対する閾値(多値符号列17)を切り替えて識別を行い、情報データ18を再生する。例えば、図43に示すように、多値識別部212bは、期間AおよびCにおいて多値数“8”値の多値信号に対して、当該レベルが逐次変化する多値符号列17を閾値として識別し、期間Bにおいて2値信号に対して所定の一定閾値に基づく識別を行う。
なお、図43では、期間Bの2値信号に対する閾値(平均レベル)を、期間AおよびCの多値信号の平均レベル(C3)に一致させているが、この限りではなく、いかなるレベルに設定しても良い。また、図43では、期間Bにおける2値信号の振幅を、情報データ10の振幅(情報振幅)に一致させているが、この限りではなく、多値識別部212bにおいて一定閾値で識別できる大きさであれば、いかなる振幅に設定しても良い。さらに、図43では、期間AおよびCと、期間Bとにおける多値信号の転送レートを同一としているが、この限りではなく、異なる転送レートとしても良い。特に、多値数が少ない程、転送レートを大きくすることが、伝送効率の点で好ましい。
また、図43において、多値処理部111bは、多値数が8の多値信号と2値信号とを切り替えた多値信号13を出力している。しかし、多値信号13の多値数の組み合わせは、これに限られず、いかなる多値数の組み合わせでもよい。例えば、多値処理部111bは、多値数“8”の多値信号と多値数“4”の多値信号とを切り替えて出力してもよい。さらに、図42に示すデータ通信装置は、多値数の値に応じて、情報データ10および18と、多値符号列12および17と、多値信号13および15との転送レートを変更してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化して、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を与え、特定の受信者のみに対する安全な通信路を確保すると共に、当該多値数を適宜減少させることにより、安全性を必要としない通信を選択的に実現する。これにより、同一の変復調系および伝送系を利用して、秘匿通信サービスと一般通信サービスを混在して提供し、効率的な通信装置を提供することができる。
(第13の実施形態)
図44は、本発明の第13の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図44において、第13の実施形態に係るデータ通信装置は、第12の実施形態(図42)と比較して、データ受信装置10201が、同期信号再生部233と多値識別制御部234とを備えない点が異なっている。
図45は、多値符号化部111から出力される信号波形を説明するための模式図である。以下、第13の実施形態に係るデータ通信装置について、図44及び図45を用いて説明する。なお、本実施例の構成は、第12の実施形態(図42)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図44において、多値処理部111bは、多値処理制御信号65に基づいて、当該出力信号である多値信号13の多値数を切り替えて出力すると共に、多値信号13の多値数を小さくする場合には、当該多値信号振幅を大きく設定する。例えば、図45に示すように、期間AおよびCにおける多値数“8”に対して、期間Bには、多値数“2”とする一方で、当該振幅を充分大きくする。より、具体的には、期間Bの2値信号振幅を、期間AおよびCにおける多値信号振幅と同等もしくはそれ以上に設定して出力する。
多値識別部212bは、復調部211から出力される多値信号15を、当該多値数に関わらず、多値符号列17を閾値として識別(2値判定)し、情報データ18を再生する。例えば、図45に示すように、期間AおよびCでは、総レベル数“8”の多値信号に対して、当該レベルが逐次変化する多値符号列17を閾値として識別を行い、期間Bにおいても、多値符号列17に基づいて、2値信号を識別する。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化して、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を与え、特定の受信者のみに対する安全な通信路を確保すると共に、当該多値数を適宜減少させると同時に、当該振幅を増大することにより、多値信号受信時の閾値制御を容易にして、より簡便な構成で、安全性を必要としない通信を選択的に実現する。これにより、同一の変復調系および伝送系を利用して、秘匿通信サービスと一般通信サービスを混在して提供し、効率的かつ経済的な通信装置を提供することができる。
(第14の実施形態)
図46は、本発明の第14の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図46において、第14の実施形態に係るデータ通信装置は、データ送信装置19105とデータ受信装置10201と副データ受信装置19207とが、伝送路110と分岐部235とによって接続された構成である。第14の実施形態に係るデータ通信装置は、第13の実施形態(図44)と比較して、分岐部235と副データ受信装置19207とをさらに備えている点が異なっている。なお、図46においては省略されているが、多値復号化部212は、第2の多値符号発生部212aと多値識別部212bとを含んでいる。以下、第14の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第13の実施形態(図44)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略する。
図46において、データ送信装置19105は、図45に示す多値信号を変調した変調信号14を送信する。分岐部235は、伝送路110を介して伝送されてきた変調信号14を複数m(mは、2以上の整数。図46では、m=2)に分岐し、出力する。データ受信装置10201は、分岐部520から出力されるmの変調信号の内、n(nは、m以下の整数。図46では、n=1)の変調信号に対応して設けられる。データ受信装置10201は、期間AおよびCにおいて、前記第1の鍵情報11と同一鍵として共有する第2の鍵情報16に基づいて、当該変調信号を復調および復号化して、情報データ18を再生する。なお、データ受信装置10201は、期間Bにおいて、2値信号の識別を行ってもよい。
副データ受信装置19207は、分岐部235から出力されるmの変調信号の内、m−n(図46では、m−n=2−1=1)の変調信号に対応して設けられる。副復調部236は、当該変調信号を復調し、前記多値信号15を再生する。識別部237は、対応する復調部236から出力される多値信号15を、所定の一定閾値に基づいて識別し、図45に示す期間Bのみにおける情報データ(部分情報データ68)を再生する。
なお、図46では、分岐部235における分岐数m=2とし、その内n=1の変調信号に対応してデータ受信装置10201を設け、m−n=1の変調信号に対応して副データ受信装置19207を設ける構成としたが、この限りではなく、m≧nであれば、それぞれいかなる数にも設定し、対応する数のデータ受信装置および副データ受信装置を用意すれば良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化して、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を与え、特定の受信者のみに対する安全な通信路を確保すると共に、当該多値数を適宜減少させることにより、不特定多数の受信者に対する一斉通信を選択的に実現する。これにより、同一の変復調系および伝送系を利用して、秘匿通信サービスと一斉同報通信や放送等の通信サービスを混在して提供し、効率的な通信装置を提供することができる。
(第15の実施形態)
図47は、本発明の第15の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図47において、第15の実施形態に係るデータ通信装置は、データ送信装置19108と、複数のデータ受信装置10201a〜bと、副データ受信装置19207とが、伝送路110と分岐部235とによって接続された構成である。データ送信装置19108は、第14の実施形態(図46)と比較して、鍵情報選択部136をさらに備えている。なお、図47においては省略されているが、多値復号化部212は、第2の多値符号発生部212aと多値識別部212bとを含んでいる。以下、第15の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第14の実施形態(図46)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略する。
図47において、鍵情報選択部136は、予め定められた複数nの所定の鍵情報(図47では、n=2。第1の鍵情報11aおよび第3の鍵情報11b)からいずれかを選択する。多値符号化部111は、当該選択された鍵情報に基づいて、図45に示すような多値信号13を生成する。データ受信装置は、分岐部235によって分岐出力されたm(図47では、m=3)の変調信号の内、nの変調信号に対応してn個設けられ(10201aおよび10201b)、それぞれ対応する前記第1の鍵情報11aおよび前記第3の鍵情報11bと同一鍵として共有する第2の鍵情報16aと第4の鍵情報16bに基づいて、当該変調信号を復調および復号化して、それぞれ対応する情報データ(18aおよび18b)を再生する。
具体的には、図45において、データ送信装置19108が、期間Aにおいて第1の鍵情報11aを用いて多値信号13を生成した場合、データ受信装置10201aは、期間Aに入力された変調信号を復調して、第2の鍵情報16aを用いて情報データ18aを再生する。また、データ送信装置19108が、期間Cにおいて第3の鍵情報11bを用いて多値信号13を生成した場合、データ受信装置10201bは、期間Cに入力された変調信号を復調して、第4の鍵情報16bを用いて情報データ18bを再生する。なお、データ受信装置10201a及び10201bは、期間Bにおいて入力される変調信号を復調して、部分情報データ58の再生を行ってもよい。
副データ受信装置19207は、分岐部235から出力されるmの変調信号の内、m−n(図47では、m−n=3−2=1)の変調信号に対応して設けられ、当該変調信号を復調し、所定の一定閾値に基づいて識別して、図45に示す期間Bのみにおける情報データ(部分情報データ58)を再生する。
なお、図47では、分岐部235における分岐数m=3とし、その内n=2の変調信号に対応してデータ受信装置10201を設け、m−n=1の変調信号に対応して副データ受信装置19207を設ける構成としたが、この限りではなく、m≧nであれば、それぞれいかなる数にも設定し、対応する数のデータ受信装置および副データ受信装置を用意すれば良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化して、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を与え、さらに鍵情報を複数用意して切換使用することにより、特定の複数受信者のみに対する安全な通信路をそれぞれ確保すると共に、当該多値数を適宜減少させることにより、不特定多数の受信者に対する一斉通信を選択的に実現する。これにより、同一の変復調系および伝送系を利用して、秘匿通信サービスと一斉同報通信や放送等の通信サービスを混在して提供し、効率的な通信装置を提供することができる。
なお、上述した第2〜15に係るデータ通信装置は、各実施形態の特徴を互いに組み合わせて備えることができるものとする。例えば、第2〜7、9〜15の実施形態に係るデータ通信装置は、第8の実施形態の特徴を備えてもよい(例えば、図48A〜図48C参照)。例えば、第2〜9、11〜15の実施形態に係るデータ通信装置は、第10の実施形態の特徴を備えてもよい(例えば、図49A〜49C参照)。例えば、第2〜11、13〜15の実施形態に係るデータ通信装置は、第12の実施形態の特徴を備えてもよい(例えば、図50A〜図50C参照)。例えば、第2〜7、9〜15の実施形態に係るデータ通信装置は、第8及び第12の実施形態の特徴を備えてもよい(例えば、図51A〜図51C参照)。例えば、第2〜9、11〜15の実施形態に係るデータ通信装置は、第10及び第12の実施形態の特徴を備えてもよい(例えば、図52A〜図52C参照)。
また、上述した第1〜第15の実施形態に係るデータ送信装置、データ受信装置、及びデータ通信装置が行うそれぞれの処理は、一連の処理手順を与えるデータ送信方法、データ受信方法、及びデータ通信方法としても捉えることができる。
また、上述したデータ通信方法、データ受信方法、及びデータ通信方法は、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク等)に格納された上述した処理手順を実施可能な所定のプログラムデータが、CPUによって解釈実行されることで実現される。この場合、プログラムデータは、記憶媒体を介して記憶装置内に導入されてもよいし、記憶媒体上から直接実行されてもよい。なお、記憶媒体は、ROMやRAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクメモリ、CR−ROMやDVDやBD等の光ディスクメモリ、及びメモリカード等をいう。また、記憶媒体は、電話回線や搬送路等の通信媒体も含む概念である。
本発明に係るデータ通信装置は、盗聴・傍受を受けない安全な秘密通信装置として有用である。
本発明は、第3者による不法な盗聴・傍受を防ぐ秘密通信を行う装置に関する。より特定的には、正規の送受信者間で、特定の符号化/復号化(変調/復調)方式を選択・設定してデータ通信を行う装置に関する。
従来、特定者同志でのみ通信を行うには、送信/受信間で符号化/復号化のための鍵情報を共有し、当該鍵情報に基づいて、伝送すべき情報データ(平文)を数学的に演算/逆演算することにより秘密通信を実現する方法が採用されている。図53は、当該方法に基づく、従来のデータ送信装置の構成を示すブロック図である。図53において、従来のデータ通信装置は、データ送信装置90001とデータ受信装置90002とが伝送路913によって接続された構成である。データ送信装置90001は、符号化部911と、変調部912とを備える。データ受信装置90002は、復調部914と、復号化部915とを備える。従来のデータ通信装置は、符号化部911に情報データ90と第1の鍵情報91とを入力し、復号化部915に第2の鍵情報96を入力すると、復号化部915から情報データ98を出力する。以下、図53を参照しながら、従来のデータ通信装置の動作について説明する。
データ送信装置90001において、符号化部911は、第1の鍵情報91に基づいて、情報データ90を符号化(暗号化)する。変調部912は、符号化部911で符号化された情報データを所定の変調形式で変調して、変調信号94として伝送路913を介してデータ受信装置90002に送出する。データ受信装置90002において、復調部914は、伝送路913を介して伝送されてきた変調信号94を所定の復調方式で復調して、符号化された情報データとして出力する。復号化部915は、符号化部911との間で共有している第2の鍵情報96に基づいて、符号化された情報データを復号化(暗号解読)して、元の情報データ98を再生する。
ここで、盗聴者データ受信装置90003を用いて、第3者による盗聴行為について説明する。図53において、盗聴者データ受信装置90003は、盗聴者復調部916と盗聴者復号化部917とを備える。盗聴者復調部916は、データ送信装置90001とデータ受信装置90002との間で伝送される変調信号(情報データ)を盗聴して、盗聴した変調信号を所定の復調方式で復調する。盗聴者復号化部917は、第3の鍵情報99に基づいて、盗聴者復調部916が復調した信号の復号化を試みる。ここで、盗聴者復号化部917は、符号化部911との間で鍵情報を共有していないため、第1の鍵情報91と異なる第3の鍵情報99に基づいて、盗聴者復調部916が復調した信号の復号化を試みることになる。このため、盗聴者復号化部917は、盗聴者復調部916が復調した信号を正しく復号化することができず、元の情報データを再生することができない。
このような数学的な演算に基づく数理暗号(または、計算暗号、ソフトウェア暗号とも呼ばれる)技術は、例えば、特許文献1にも記されているように、アクセスシステム等に適用することができる。すなわち、1つの光送信器から送出された光信号を光カプラで分岐し、複数の光加入者宅の光受信器にそれぞれ配信するPON(Passive Optical Network)構成では、各光受信器に、所望の光信号以外の他加入者に向けた信号が入力される。そこで、互いに異なる鍵情報を用いて、加入者毎の情報データを暗号化することによって、互いの情報の漏洩・盗聴を防ぎ、安全なデータ通信を実現することができる。
特開平9−205420号公報
しかしながら、数理暗号技術に基づく従来のデータ通信装置では、盗聴者は、たとえ鍵情報を共有しなくとも、暗号文(変調信号、または暗号化された情報データ)に対して、考え得る全ての組み合わせの鍵情報を用いた演算(総当たり攻撃)や、特殊な解析アルゴリズムの適用を試みれば、原理的に暗号解読が可能である。特に、近年の計算機の処理速度向上は目覚ましく、将来的に量子コンピュータ等の新しい原理による計算機が実現されれば、有限の時間内で、暗号文を盗聴できるという課題を有していた。
それ故に、本発明の目的は、盗聴者が暗号文の解析に要する時間を著しく増大させ、天文学的な計算量に基づく秘匿性の高いデータ通信装置を提供することである。
本発明は、暗号化通信を行うデータ送信装置に向けられている。そして上記目的を達成させるために、本発明のデータ送信装置は、多値符号化部と変調部とを備える。多値符号化部は、予め定められた所定の鍵情報と情報データとを入力し、信号レベルが略乱数的に変化する多値信号を発生する。変調部は、多値信号に基づいて、所定の変調形式の変調信号を発生する。多値符号化部は、鍵情報から信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、所定の処理に従って、多値符号列と情報データとを合成し、両信号レベルの組み合わせに対応したレベルを有する多値信号を生成する多値処理部とを含む。多値符号化部は、多値信号の信号点間距離を略均等に設定する。
好ましくは、多値信号の信号点間距離は、多値信号に含まれる情報データの振幅よりも小さい。多値信号の最大振幅は、多値信号に含まれる情報データの振幅の2倍以上である。
データ送信装置は、所定の疑似乱数列に基づいて、情報データのビット反転を行い、ビット反転された情報データを多値符号化部に出力するデータ反転部をさらに備えることができる。また、多値符号列と情報データとの変化レートは互いに一致する。情報データは2値信号である。
好ましくは、多値処理部は、所定の処理として、多値符号列を基準レベルとして、多値符号列に情報データを加算することで、多値信号を生成する。また、多値処理部は、所定の処理として、多値符号列を基準レベルとして、多値符号列を情報データに応じてレベル制御することで、多値信号を生成してもよい。
変調信号は、電磁界を多値信号で変調して生成される。また、変調信号は、光波を多値信号で変調して生成されてもよい。このとき光波は、コヒーレント光である。
また、データ送信装置は、多値符号化部と変調部との間に接続され、多値信号に所定の雑音を重畳して、雑音重畳多値信号として変調部に出力する雑音制御部をさらに備えてもよい。このとき、雑音制御部は、所定の雑音を発生する雑音発生部と、雑音と多値信号とを重畳する合成部とを含む。
多値符号化部は、雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、多値信号の信号点間距離を配分する。また、多値符号化部は、雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、多値信号の信号点間距離を非均等、または非線形に配分する。
データ送信装置は、多値符号化部と変調部との間に接続され、多値信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えることができる。あるいは、データ送信装置は、情報データを所定の手段で波形等化し、波形等化された情報データを多値符号化部に出力する等化部をさらに備えてもよい。あるいは、データ送信装置において、多値符号化部は、多値符号発生部と多値処理部との間に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えてもよい。あるいは、データ送信装置は、変調信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えてもよい。
等化部は、ローパスフィルタである。ローパスフィルタは、入力される信号の内、信号帯域の1/2以下の信号成分を濾波する。あるいは、等化部は、入力される信号から、信号に含まれる直流成分を遮断するハイパスフィルタであってもよい。あるいは、等化部は、入力される信号から、所定の周波数帯域の信号成分を濾波するバンドパスフィルタであってもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、第1の変調信号と情報データとを入力し、情報データに基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、多値符号発生部の後段に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備えてもよい。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、情報データを入力し、情報データに基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、第1の変調信号と多値符号列とを入力し、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、多値符号発生部の後段に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、多値符号化部の前段に接続され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、多値符号化部に出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、多値符号化部と変調部との間に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値信号に振幅変調を施して、変調部に出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、変調部の後段に接続され、振幅制御信号に基いて、変調信号に所定形式の変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。このとき、振幅変調部は、変調信号に振幅変調又は強度変調を施す。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、値が略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、情報データを入力し、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、第1の変調信号と第2の変調信号とを合波する合波部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第2の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第1の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置であって、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、情報データを入力し、第1の変調信号を情報データで変調して、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第2の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第1の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、多値符号化部の前段に接続され、複数の情報データからなる情報データ群を、所定の処理に従って任意の進数に符号化し、N進符号化信号として多値符号化部に出力するN進符号化部をさらに備えてもよい。
好ましくは、N進符号化部は、情報データ群を任意の進数に符号化するのに、複数の情報データによる論理の組み合わせによって、N進符号化信号の多値レベルを変動させる。このとき、N進符号化部は、鍵情報に基づいて、情報データ群からN進符号化信号を出力する。また、N進符号化部は、上述した鍵情報とは異なる鍵情報に基づいて、情報データ群からN進符号化信号を出力してもよい。多値符号化部は、予め定められた所定の期間ごとに、予め定められた複数の多値数のうち、いずれか1つの多値数の多値信号を発生する。
また、データ送信装置は、多値信号に対応する所定の同期信号を出力する同期信号発生部と、同期信号に基づいて、多値数を指示する多値処理制御信号を出力する多値処理制御部とをさらに備えてもよい。多値符号化部は、少なくともいずれかの所定の期間において、2値の多値信号を出力する。この場合、多値符号化部は、2値の多値信号を、複数の多値数のうち、最大の多値数の多値信号の振幅以上の振幅にして、2値の多値信号を出力する。あるいは、多値符号化部は、情報データを2値の多値信号として出力する。
好ましくは、データ送信装置は、多値数に応じて、情報データ、多値符号列、または多値信号の転送レートを変更する。また、データ送信装置は、多値数が小さくなるにつれて、情報データ、多値符号列、または多値信号の転送レートを大きくする。
また、本発明は、暗号通信を行うデータ受信装置にも向けられている。そして上記目的を達成させるために、本発明のデータ受信装置は、復調部と多値復号化部とを備える。
復調部は、所定の変調形式の変調信号を復調し、多値信号を出力する。多値復号化部は、予め定められた所定の鍵情報と多値信号とを入力し、情報データを出力する。多値復号化部は、鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて多値信号を識別し、情報データを出力する多値識別部とを含む。
また、データ受信装置は、所定の疑似乱数列に基づいて、多値復号化部から出力される情報データのビット反転を行い、出力するデータ反転部をさらに備えてもよい。
また、多値復号化部は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部をさらに含んでもよい。また、多値識別部は、多値符号列および振幅制御信号に基づいて多値信号を識別し、情報データを出力する。
好ましくは、多値識別部は、予め定められた所定の期間において入力される多値信号の多値数に基づいて、多値信号を識別するための閾値を切り替える。
データ受信装置は、多値信号に対応する所定の同期信号を再生する同期信号発生部と、同期信号に基づいて、多値識別部における閾値を変更する多値識別制御信号とを出力する多値識別制御部をさらに備えてもよい。多値復号化部は、少なくともいずれかの所定期間において、2値の多値信号の識別を行う。
また、本発明は、データ送信装置とデータ受信装置とが暗号通信を行うデータ通信装置に向けられている。そして上記目的を達成させるために、本発明のデータ通信装置において、データ送信装置は、多値符号化部と変調部とを備える。多値符号化部は、予め定められた所定の第1の鍵情報と情報データとを入力し、信号レベルが略乱数的に変化する第1の多値信号を発生する。変調部は、第1の多値信号に基づいて、所定の変調形式の変調信号を発生する。多値符号化部は、第1の鍵情報から信号レベルが略乱数的に変化する第1の多値符号列を発生する第1の多値符号発生部と、所定の処理に従って、第1の多値符号列と情報データとを合成し、両信号レベルの組み合わせに対応したレベルを有する第1の多値信号に変換する多値処理部とを含む。第1の多値符号発生部は、第1の多値符号列の信号点間距離を略均等に設定する。
また、データ受信装置は、復調部と多値復号化部とを備える。復調部は、所定の変調形式の変調信号を復調し、第2の多値信号を出力する。多値復号化部は、予め定められた所定の第2の鍵情報と第2の多値信号とを入力し、情報データを出力する。
好ましくは、多値信号の信号点間距離は、多値信号に含まれる情報データの振幅よりも小さい。多値信号の最大振幅は、多値信号に含まれる情報データの振幅の2倍以上である。
データ送信装置は、所定の疑似乱数列に基づいて、情報データのビット反転を行い、ビット反転された情報データを多値符号化部に出力するデータ反転部をさらに備えることができる。また、多値符号列と情報データとの変化レートは互いに一致する。情報データは2値信号である。
好ましくは、多値処理部は、所定の処理として、多値符号列を基準レベルとして、多値符号列に情報データを加算することで、多値信号を生成する。また、多値処理部は、所定の処理として、多値符号列を基準レベルとして、多値符号列を情報データに応じてレベル制御することで、多値信号を生成してもよい。
変調信号は、電磁界を多値信号で変調して生成される。また、変調信号は、光波を多値信号で変調して生成されてもよい。このとき光波は、コヒーレント光である。
また、データ送信装置は、多値符号化部と変調部との間に接続され、多値信号に所定の雑音を重畳して、雑音重畳多値信号として変調部に出力する雑音制御部をさらに備えてもよい。このとき、雑音制御部は、所定の雑音を発生する雑音発生部と、雑音と多値信号とを重畳する合成部とを含む。
多値符号化部は、雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、多値信号の信号点間距離を配分する。また、多値符号化部は、雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、多値信号の信号点間距離を非均等、または非線形に配分する。
データ送信装置は、多値符号化部と変調部との間に接続され、多値信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えることができる。あるいは、データ送信装置は、情報データを所定の手段で波形等化し、波形等化された情報データを多値符号化部に出力する等化部をさらに備えてもよい。あるいは、データ送信装置において、多値符号化部は、多値符号発生部と多値処理部との間に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えてもよい。あるいは、データ送信装置は、変調信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備えてもよい。
等化部は、ローパスフィルタである。ローパスフィルタは、入力される信号の内、信号帯域の1/2以下の信号成分を濾波する。あるいは、等化部は、入力される信号から、信号に含まれる直流成分を遮断するハイパスフィルタであってもよい。あるいは、等化部は、入力される信号から、所定の周波数帯域の信号成分を濾波するバンドパスフィルタであってもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、第1の変調信号と情報データとを入力し、情報データに基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、多値符号発生部の後段に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備えてもよい。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、情報データを入力し、情報データに基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、第1の変調信号と多値符号列とを入力し、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、多値符号発生部の後段に接続され、多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、多値符号化部の前段に接続され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、多値符号化部に出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、多値符号化部と変調部との間に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値信号に振幅変調を施して、変調部に出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、変調部の後段に接続され、振幅制御信号に基いて、変調信号に所定形式の変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。このとき、振幅変調部は、変調信号に振幅変調又は強度変調を施す。
また、データ送信装置は、予め定められた所定の鍵情報から、値が略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、情報データを入力し、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、第1の変調信号と第2の変調信号とを合波する合波部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第2の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第1の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置であって、予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、情報データを入力し、第1の変調信号を情報データで変調して、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部とを備えてもよい。
好ましくは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第2の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える。
あるいは、データ送信装置は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、第1の変調部の前段に挿入され、振幅制御信号に基づいて、多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備えてもよい。
また、データ送信装置は、多値符号化部の前段に接続され、複数の情報データからなる情報データ群を、所定の処理に従って任意の進数に符号化し、N進符号化信号として多値符号化部に出力するN進符号化部をさらに備えてもよい。
好ましくは、N進符号化部は、情報データ群を任意の進数に符号化するのに、複数の情報データによる論理の組み合わせによって、N進符号化信号の多値レベルを変動させる。このとき、N進符号化部は、鍵情報に基づいて、情報データ群からN進符号化信号を出力する。また、N進符号化部は、上述した鍵情報とは異なる鍵情報に基づいて、情報データ群からN進符号化信号を出力してもよい。多値符号化部は、予め定められた所定の期間ごとに、予め定められた複数の多値数のうち、いずれか1つの多値数の多値信号を発生する。
また、データ送信装置は、多値信号に対応する所定の同期信号を出力する同期信号発生部と、同期信号に基づいて、多値数を指示する多値処理制御信号を出力する多値処理制御部とをさらに備えてもよい。多値符号化部は、少なくともいずれかの所定の期間において、2値の多値信号を出力する。この場合、多値符号化部は、2値の多値信号を、複数の多値数のうち、最大の多値数の多値信号の振幅以上の振幅にして、2値の多値信号を出力する。あるいは、多値符号化部は、情報データを2値の多値信号として出力する。
好ましくは、データ送信装置は、多値数に応じて、情報データ、多値符号列、または多値信号の転送レートを変更する。また、データ送信装置は、多値数が小さくなるにつれて、情報データ、多値符号列、または多値信号の転送レートを大きくする。
本発明のデータ通信装置は、鍵情報に基づいて情報データを多値信号に符号化・変調して送信し、受信した多値信号を同一の鍵情報に基づいて復調・復号化し、多値信号の信号対雑音電力比を適正化することにより、暗号文の解析に要する時間を著しく増大させ、天文学的計算量に基づく秘匿性の高いデータ通信装置を提供することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図1において、第1の実施形態に係るデータ通信装置は、データ送信装置10101とデータ受信装置10201とが伝送路110によって接続された構成である。データ送信装置10101は、多値符号化部111と、変調部112とを備える。多値符号化部111は、第1の多値符号発生部111aと、多値処理部111bとを含む。データ受信装置10201は、復調部211と、多値復号化部212とを備える。多値復号化部212は、第2の多値符号発生部212aと、多値識別部212bとを含む。伝送路110には、LANケーブルや同軸ケーブル等の金属路線や、光ファイバケーブル等の光導波路を用いることができる。また、伝送路110は、LANケーブル等の有線ケーブルに限られず、無線信号を伝搬する自由な空間であってもよい。
図2及び図3は、変調部112から出力される変調信号の波形を説明するための模式図である。以下に、第1の実施形態に係るデータ通信装置について、図1〜3を用いながら、その動作を説明する。
第1の多値符号発生部111aは、予め定められた所定の第1の鍵情報11に基づいて、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列12(図2(b))を発生する。多値処理部111bは、多値符号列12と情報データ10(図2(a))とを入力し、所定の手順に従って両信号を合成し、両信号レベルの組み合わせに一意に対応したレベルを有する多値信号13(図2(c))を生成する。例えば、多値処理部111bは、タイムスロットt1/t2/t3/t4に対して、多値符号列12のレベルがc1/c5/c3/c4と変化する場合、この多値符号列12をバイアスレベルとして、情報データ10を加算することで、L1/L8/L6/L4とレベルが変化する多値信号13を生成する。
ここで、図3に示すように、情報データ10の振幅を“情報振幅”、多値信号13の全振幅を“多値信号振幅”、多値符号列12のレベルc1/c2/c3/c4/c5に対応して多値信号13が取り得るレベルの組(L1、L4)/(L2、L5)/(L3、L6)/(L4、L7)/(L5、L8)をそれぞれ第1〜第5の“基底”、多値信号13の最小信号点間距離を“ステップ幅”と呼称する。
変調部112は、多値信号13を所定の変調形式で変調して、変調信号14として伝送路110に送出する。復調部211は、伝送路110を介して伝送されてきた変調信号14を復調し、多値信号15を再生する。第2の多値符号発生部212aは、第1の鍵情報11と同一の第2の鍵情報16を予め共有しており、第2の鍵情報16に基づいて、多値符号列12に相当する多値符号列17を発生する。多値識別部212bは、多値符号列17を閾値として、多値信号15の識別(2値判定)を行い、情報データ18を再生する。ここで、変調部112と復調部211とが、伝送路110を介して送受信する所定の変調形式の変調信号14は、電磁波(電磁界)または光波を多値信号13で変調して得られるものである。
なお、多値処理部111bは、上述したように、多値符号列12と情報データ10との加算処理によって多値信号13を生成する以外に、いかなる方法を用いて多値信号13を生成してもよいものとする。例えば、多値処理部111bは、情報データ10に基づいて、多値符号列12のレベルを振幅変調することで多値信号13を生成してもよいし、多値信号13のレベルを予め記憶させたメモリから、情報データ10と多値符号列12との組み合わせに対応した多値信号13のレベルを逐次読み出すことで多値信号13を生成してもよい。
また、図2及び図3では、多値信号13のレベルを8段階で表記したが、多値信号13のレベルは、この表記に限定されるものではない。また、情報振幅を多値信号13のステップ幅の3倍、もしくは整数倍として表記したが、情報振幅は、この表記に限定されるものではない。情報振幅は、多値信号13のステップ幅のいかなる整数倍であってもよいし、あるいは整数倍でなくてもよい。さらに、これに関連して、図2及び図3では、多値符号列12の各レベル(各バイアスレベル)が、多値信号13の各レベル間の略中心になるよう配置したが、多値符号列12の各レベルは、この配置に限定されるものではない。多値符号列12の各レベルは、多値信号13の各レベル間の略中心でなくてもよいし、あるいは多値信号13の各レベルに一致してもよい。また、多値符号列12と情報データ10との変化レートが互いに等しく同期関係にあることを前提としたが、この限りではなく、一方の変化レートが他方より高速(または低速)であっても、あるいは非同期であってもよい。
次に、第3者による変調信号14の盗聴動作について説明する。第3者は、正規の受信者が備えるデータ受信装置10201に準じた構成、もしくはさらに高性能なデータ受信装置(盗聴者データ受信装置)を用いて変調信号を解読することが想定される。盗聴者データ受信装置は、変調信号14を復調することにより多値信号を再生する。しかし、盗聴者データ受信装置は、データ送信装置10101との間で鍵情報を共有しないため、データ受信装置10201のように、鍵情報から多値符号列を発生させることができない。このため、盗聴者データ受信装置は、多値符号列を基準とした多値信号の2値判定を行うことができない。
このような場合に考えられる盗聴動作としては、多値信号の全レベルに対する識別を同時に行う方法(一般に「総当たり攻撃」と呼ばれる)がある。即ち、盗聴者データ受信装置は、多値信号が取り得る全ての信号点間に対する閾値を用意して多値信号の同時判定を行い、当該判定結果を解析することにより、正しい鍵情報または情報データの抽出を試みる。例えば、盗聴者データ受信装置は、図2に示した、多値符号列12のレベルc0/c1/c2/c3/c4/c5/c6を閾値として用いて、多値信号に対する多値判定を行うことにより、正しい鍵情報または情報データの抽出を試みる。
しかしながら、実際の伝送系では、種々の要因により雑音が発生し、この雑音が変調信号に重畳されることによって、多値信号のレベルは、図4に示すように時間的・瞬時的に変動する。このような場合、正規受信者(データ受信装置10201)が判定する被判定信号(多値信号)のSN比(信号対雑音強度比)が、多値信号の情報振幅と雑音量との比によって決まるのに対して、盗聴者データ受信装置が判定する被判定信号(多値信号)のSN比は、多値信号のステップ幅と雑音量との比によって決まる。
このため、被判定信号が有する雑音レベルが同一条件下においては、盗聴者受信装置において、被判定信号のSN比が相対的に小さくなり、伝送特性(誤り率)が劣化することになる。すなわち、データ通信装置は、この特性を利用することで、第3者の全閾値を用いた総当たり攻撃に対して識別誤りを誘発させて、盗聴を困難にすることができる。特に、データ通信装置は、多値信号のステップ幅を、当該雑音振幅(雑音強度分布の拡がり)に対して同オーダ、もしくはより小さく設定すれば、第3者による多値判定を事実上不可能にして、理想的な盗聴防止を実現できる。
なお、被判定信号(多値信号、または変調信号)に重畳される雑音としては、変調信号に無線信号等の電磁波を用いた場合は空間場や電子部品等が有する熱雑音(ガウス性雑音)を、光波を用いた場合は熱雑音に加えて光子が発生する際の光子数ゆらぎ(量子雑音)を利用できる。特に、量子雑音を利用した信号には、その記録や複製等の信号処理を行うことができないことから、データ通信装置は、雑音量を基準にして多値信号のステップ幅を設定することで、第3者による盗聴を不可能として、データ通信の絶対的な安全性を確保することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化するとき、多値信号の信号点間距離を雑音量に対して適切に設定することで、第3者によって盗聴された受信信号に対して決定的な劣化を与えて、受信信号の解読・復号化を困難にする、安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図5において、第2の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置(図1)と比較して、データ送信装置10102が第1のデータ反転部113を、データ受信装置10202が第2のデータ反転部213をさらに備える。以下に、第2の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)に順ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
第1のデータ反転部113は、情報データの有する“0”、“1”の情報と、Lowレベル、Highレベルとの対応関係を固定せず、所定の手順で当該対応関係を略ランダムに変更する。例えば、多値符号化部111と同様、所定の初期値に基づいて発生させた乱数系列(疑似乱数列)との排他的論理和(Exclusive OR)演算を行い、その演算結果を多値符号化部111に出力する。第2のデータ反転部213は、多値復号化部212から出力されたデータについて、第1のデータ反転部113と逆の手順で、当該“0/1”と“Low/High”の対応関係を変更する。例えば、第1のデータ反転部113が備える初期値と同一の初期値を共有し、これに基づいて発生させた乱数のビット反転系列との排他的論理和演算を行い、その結果を情報データとして再生する。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データの反転を略ランダムに行うことにより、暗号としての多値信号の複雑性を大きくして、第3者による解読・復号化をさらに困難とし、より安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図6において、第3の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置(図1)と比較して、データ通信装置10103が雑音制御部114をさらに備える。雑音制御部114は、雑音発生部114aと合成部114bとを含む。以下、第3の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
雑音発生部114aは、所定の雑音を発生する。合成部114bは、多値信号13と雑音とを合成して、変調部112に出力する。即ち、図4で説明した多値信号13のレベル変動を故意に生じさせて、多値信号13のSN比を任意の値に制御し、これにより、多値識別部212bに入力する被判定信号のSN比を制御する。なお、上述したように、雑音発生部114aが発生する雑音としては、熱雑音や量子雑音等が利用される。また、雑音が合成(重畳)された多値信号を雑音重畳多値信号と呼ぶことにする。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化し、そのSN比を任意に制御することにより、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を故意に与え、その解読・復号化をさらに困難にする、より安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号パラメータを説明する模式図である。第4の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態(図1)、または第3の実施形態(図6)に準ずる構成である。以下、図7を用いて本発明の第4の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。
図1または図6を参照して、多値符号化部111は、図7に示すように、多値信号13の各ステップ幅(S1〜S7)を、各レベルの変動量(すなわち、各レベルに重畳されている雑音強度分布)に従って設定する。具体的には、多値符号化部111は、多値識別部212bに入力する被判定信号の隣り合う2つの信号点間で決まるSN比が略一致するように、当該信号点間距離を配分する。なお、各レベルに重畳される雑音量が等しい場合には、各ステップ幅を均等に設定する。
一般に、変調部112から出力される変調信号として、半導体レーザ(LD)を光源とする光強度変調信号を想定した場合、LDに入力する多値信号のレベルに依存して当該変動幅(雑音量)は変化する。これは、半導体レーザが自然放出光を「種光」とした誘導放出の原理に基づいて発光することに起因しており、その雑音量は、誘導放出光量に対する自然放出光量の相対比で定義されている。励起率(LDに注入するバイアス電流に対応)が高い程、誘導放出光量の割合が大きくなるため、その雑音量は小さく、逆に、励起率が低い程、自然放出光量の割合が大きく、雑音量は大きくなる。そこで、図7に示すように、多値信号のレベルが小さい領域ではステップ幅を大きく、レベルが大きい領域では小さく、非線形に設定することにより、被判定信号の隣り合う信号点間のSN比を一致させる。
また、変調信号として光変調信号を利用した場合でも、上記の自然放出光による雑音や光受信器に用いる熱雑音が充分小さい条件下では、受信信号のSN比は、主にショット雑音で決定される。当該条件下では、多値信号のレベルが大きい程、当該雑音量が大きくなるため、図7の場合とは逆に、多値信号のレベルが小さい領域ではステップ幅を小さく、レベルが大きい領域では大きく設定することにより、被判定信号の隣り合う信号点間のSN比を一致させる。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化し、当該信号点を多値信号振幅内において略均一に配置し、あるいは、当該瞬時レベルに依らず隣り合う信号点間のSN比を略均一に設定することにより、第3者による盗聴時の受信信号品質を常に劣化させ、その解読・復号化をさらに困難にする、より安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第5の実施形態)
上記第1の実施形態では、伝送すべき情報データと、情報鍵から生成した多値符号列とを合成することによって、多値信号を生成するデータ通信装置について説明した。以下の第5の実施形態では、第3者の盗聴行為による多値信号の2値判定が著しく困難である多値信号を生成する場合を説明する。
まず、第1の実施形態において発生する問題を、図1と、図8〜図12とを用いて説明する。なお、以下の説明において、「信号点間距離」とは、多値信号または多値符合列が取り得る任意の信号レベルと、隣接する信号レベルとのレベル差のことをいう。図8は、情報振幅が“12”である情報データ10のアイパターンの一例を示す図である。図9は、第1の多値符号発生部111aから出力される多値符号列12のアイパターンの一例を示す図である。図9に示す多値符号列12は、信号点間距離が略均等に配置される。また、図9に示す多値符号列12は、信号点間距離で正規化されており、多値数が“4”であり、最大振幅が“3”である。
多値処理部111bは、図8に示す情報データ10及び図9に示す多値符号列12を加算処理によって合成し、図10に示すアイパターンを持つ多値信号13を出力する。図10に示す多値信号13は、多値信号振幅が“15”であり、情報振幅が“12”であり、多値数が“8”となる。図10に示す多値信号13において、信号点間距離aは、他の信号点間距離よりも大きくなる。つまり、多値信号13の信号点間距離は、略均等とならない状態が発生する。
図10に示す多値信号13は、変調部112によって変調信号14に変調され、受信部11102へ伝送される。変調信号14には、例えば図11に示すような、熱雑音や量子雑音などの雑音信号が重畳される。図12は、図11に示す雑音信号が変調信号14に重畳された場合の変調信号14のアイパターンを示す図である。
第3者による、変調信号14の盗聴動作について説明する。第3者は、図12に示す変調信号14を傍受し、変調信号14を多値信号に復調を行う。第3者は、図12に示す変調信号14に対して、2値判定を試みる。図12に示す変調信号14において、信号点間距離aは、変調信号14に重畳された雑音信号の振幅よりも大きい。よって、第3者は、多値信号の2値判定に十分なSN比を得ることできる。このため、第3者は、総当り攻撃などを行わなくても、容易に変調信号14から情報データ10を復号することができる。
このように、第1の実施形態において、多値信号の信号点間距離が略均等でない場合、第3者によって、情報データの盗聴が容易に行われてしまうという問題がある。第5の実施形態は、上記の問題を解決するものである。
本発明の第5の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置(図1)と同様の構成である。以下、図1と、図13〜19とを用いて、本発明の第5の実施形態に係るデータ通信装置を説明する。図13は、情報振幅が“7”である情報データ10のアイパターンの一例を示す図である。第1の多値符号発生部111aは、第1の鍵情報11から多値符号列12へ変換を行う。第1の多値符号発生部111aは、例えば、線形帰還フィードバックレジスタ(LFSR)等の乱数生成器を用いて構成される。図14は、第1の多値符号発生部111aから出力された多値符号列12のアイパターンの一例を示す図である。図14に示す多値符号列12は、信号点間距離が略均等に配置される。また、図14に示す多値符号列12は、信号点間距離で正規化されており、多値数が“10”であり、最大振幅が“9”である。このとき、図14に示す多値符号列12の最大振幅は、図13に示す情報データ10の情報振幅よりも大きいことが重要である。
図13に示す情報データ10と、図14に示す多値符号列12とは、多値処理部111bに入力される。多値処理部111bは、情報データ10と多値符号列12とを振幅加算して多値信号13を出力する。図15に、多値処理部111bから出力される多値信号13のアイパターンを示す。図15に示す多値信号13は、多値信号振幅が“16”である。多値信号13の多値信号振幅は、図13に示す情報データ10の最大振幅と、図14に示す多値符号列12の最大振幅との和に対応する。このとき、図15に示す多値信号13の振幅は、多値信号振幅が“16”であるため、図13に示す情報データ10の情報振幅の2倍以上となる。図15に示すように、多値信号13は、全ての信号点間距離の大きが“1”である。このため、図15に示す多値信号13は、図10に示す多値信号13と異なり、略均等となる。また、図15に示す多値信号13の全ての信号点間距離は、多値信号の情報振幅“7”よりも小さくなる。
多値信号13は、変調部112によって変調され、伝送路110を介して、受信部11102に転送される。このとき、変調信号14には、例えば、図16に示す雑音信号が重畳される。図17は、雑音信号が重畳された変調信号14のアイパターンの一例を示す図である。図17に示すように、雑音信号の振幅は、変調信号14の信号点間距離より大きいため、変調信号14は、任意の信号レベルの信号と、隣接する信号レベルの信号との識別ができない状態となる。
受信部11102は、伝送路110を介して変調信号14が入力される。変調部211は、変調信号14を復調して多値信号15を生成し、多値識別部212bに入力する。第2の多値符号発生部212aは、第2の鍵情報16を用いて、多値符号列17を生成し、多値識別部212bに入力する。多値符号列17は、多値信号15を2値判定するための識別閾値となる。多値識別部212bは、多値符号列17を用いて、多値信号15の2値判定を行う。この結果、多値信号15は、図13に示すような、2値信号の情報データ18に復号される。図18は、多値識別部212bに入力される多値信号15の情報振幅と、多値識別部212bにおいて復号する際の識別閾値の関係を示す図である。図18に示す雑音信号によって、変調信号14の情報振幅に対するSN比は劣化する。しかし、雑音信号の振幅は、変調信号の情報振幅の識別閾値を超えない。このため、受信部11102において、多値識別部212bは、情報データの識別及び再生を行うことが可能となる。
次に、第3者が、盗聴動作として、図17に示す変調信号14を傍受し、変調信号14を正しく多値信号15に再生した後、多値信号15を情報データ18に復号する場合を考える。第3者は、図12に示す変調信号14のように、図17に示す変調信号14から2値判定を行うための識別閾値を見出すことはできない。このため、第3者は、多値符号列の全ての組み合わせを用いた総当り的な演算処理や、特殊な解析を行うことによって、有限の時間内で鍵情報を抽出し、多値信号15の復号を試みることになる。
変調信号14の各信号レベルを識別するためのしきい値を判定閾値とする。図19は、変調信号14と、変調信号14の判定閾値との関係を示した図である。第3者は、送信部11101との間で第1の鍵情報11を共有しないため、第1の鍵情報11に基づく多値符号列12を生成することができない。このため、第3者は、図19に示す全ての判定閾値を用いて、多値信号の信号レベルの識別を行う必要がある。しかし、多値信号の信号点間距離は、情報データの情報振幅よりも小さい。このため、第3者は、判定閾値を決定することが困難となる。さらに、図19に示すように、変調信号14に重畳された雑音信号によって、互いに隣接する信号レベルの信号の判別ができない状態となっているため、第3者は、多値信号の信号点間の判定を正確に行うことができない。このため、第3者は、多値信号の信号レベルを判定する際に、多値信号のレベルの判定誤りを避けることができない。さらに、第3者は、誤判定により得られる多値信号に対して2値判定を試みることになるため、正しい情報データに復号することができない。
このように、本実施形態に係る発明では、入力される情報データの情報振幅の2倍であり、多値信号の全ての信号点間距離が、略均等となる多値信号を生成する。このような多値信号は、第3者による、多値信号の2値判定による情報信号の復号と、変調信号の正確な復調あるいは判定とを困難にすることができる。このため、本実施形態に係る発明は、秘匿性の高い情報伝送を実現可能とする送信装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、多値処理部111bにおいて、情報データ10と多値符号列12との加算処理によって多値信号13を生成しているが、多値信号13の生成は、他の方法であってもよい。例えば、メモリ上のテーブル参照等を用いてもよい。
(第6の実施形態)
図20Aは、本発明の第6の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図20Aにおいて、第6の実施形態に係るデータ通信装置は、データ送信装置12105とデータ受信装置10201とが伝送路110によって接続された構成である。データ送信装置12105は、多値符号化部111と、変調部112と、等化部115とを備える。多値符号化部111は、第1の多値符号発生部111aと多値処理部111bを含む。データ受信装置10201は、復調部211と多値復号化部212とを備える。多値復号化部212は、第2の多値符号発生部212aと多値識別部212bとを含む。すなわち、第5の実施形態に係るデータ送信装置12105は、上述した第1の実施形態に係るデータ送信装置10101(図1)と比較して、等化部115をさらに備える点が異なっている。
以下、等化部115を中心に、第6の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
データ送信装置12105において、等化部115には、多値信号13(図2(c)参照)が入力される。等化部115は、入力された多値信号13を所定の手段を用いて波形等化して、等化多値信号24を出力する。図21は、等化部115が出力する等化多値信号24の波形の一例を示す図である。なお、図21において、点線は、等化部115に入力される多値信号13の波形を示している。等化部115には、例えば、ローパスフィルタなどのフィルタが用いられる。等化部115にローパスフィルタを用い、多値信号13の高周波数領域を帯域制限した場合には、多値信号13の多値レベル間の遷移に係る応答時間が制限される事により符号間干渉が生じる。このような場合、等化多値信号24は、図21に示す様に、所定のタイムスロット(t1/t2/t3/t4/t5/t6)で多値信号13の多値レベル(L1/L8/L6/L4/L4/L2)に遷移することができず、レベル変動が生じた信号として等化部115から出力される。等化多値信号24は、変調部112に入力される。
変調部112は、等化多値信号24を、伝送路110に適した信号形態に変換し、変調信号14を伝送路110に送信する。例えば、伝送路110が光伝送路の場合、変調部112は、等化多値信号24を光信号に変換する。
データ受信装置10201において、復調部211は、伝送路110を介して変調信号14を受信する。復調部211は、変調信号14を復調して等化多値信号25を出力する。等化多値信号25は、多値識別部212bに入力される。多値識別部212bは、多値符号列17を用いて等化多値信号25の識別を行う。図22(a)は、多値識別部212bにおける等化多値信号25の識別動作を説明する図である。図22(a)において、太実線が等化多値信号25の波形例を、細実線が多値符号列17の波形例を、点線が多値信号13の波形例を示している。
図22(a)を参照して、多値識別部212bは、多値符号列17を閾値として、等化多値信号24の識別(2値判定)を行い、情報データ18を再生する。すなわち、多値識別部212bは、帯域制限に伴う符号間干渉によりレベル変動が生じた多値信号13(すなわち、等化多値信号25)を受信した場合も、多値符号列17を識別レベルとして、等化多値信号25の劣化(レベル変動の量)が識別レベルを超えない範囲で、多値信号13を識別することができる。
次に、第3者による、変調信号14の盗聴動作について説明する。第3者は、第1の実施形態で説明した場合と同様に、正規の受信者が備えるデータ受信装置10201に準じた構成、もしくはさらに高性能なデータ受信装置(盗聴者データ受信装置)を用いて、変調信号14を受信、解読することが想定される。しかしながら、盗聴者データ受信装置は、データ送信装置10101との間で第1の鍵情報11を共有しないため、データ受信装置10201のように、当該鍵情報から発生した多値符号列17を基準とした等化多値信号25の識別(2値判定)を行うことができない。
このような場合、盗聴者データ受信装置は、総当たり攻撃を用いて等化多値信号25を識別し、正しい鍵情報又は情報データ18の再生を試みることが考えられる。図22(b)は、盗聴者データ受信装置での等化多値信号25の識別動作を説明する図である。図22(b)において、太実線が等化多値信号25の波形例を、太点線が多値信号13の波形例を、細点線が多値信号13を識別するための複数の識別レベルを示している。
総当たり攻撃を行う場合、盗聴者データ受信装置は、多値符号列17に基づいた等化多値信号25の識別レベルが分からないため、図22(b)の細点線で示される複数の識別レベルを用いて等化多値信号25から多値信号13を正確に識別・再生した後、正しい鍵情報及び情報データ18を解析する必要がある。しかしながら、等化多値信号25は、例えば図22(b)の丸で囲まれた部分において、帯域制限に伴う符号間干渉のため、レベル変動が生じ、多値信号13とは異なる多値レベルの遷移を呈している。そのため、盗聴者データ受信装置で、複数の識別レベルを用いて等化多値信号25を識別、再生した場合には、多値信号13に対するシンボル誤り(或いは符号誤り)が不可避となり、更には、正しい鍵情報及び情報データ18を解析することが困難となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、等化部115で多値信号13にレベル変動を生じさせ、等化多値信号24を出力する。そのため、鍵情報(第1の鍵情報11及び第2の鍵情報16)を共有しない第3者(盗聴者データ受信装置)は、変調信号14を復調した等化多値信号25から多値信号13を正確に識別・再生することができず、総当たり攻撃等での解読が困難となる。故に、本実施形態に係る発明は、第1の実施形態に係るデータ通信装置と比較して、より秘匿性の高い情報伝送を可能とするデータ通信装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、等化部115は、多値符号化部111と変調部112との間に接続される構成を説明したが、この接続位置に限られない。例えば、等化部115は、多値処理部111bの情報データ10の入力側に接続され、波形等化された情報データ10を多値処理部111bに出力してもよい(図20B参照)。
また、等化部115は、第1の多値符号発生部111aと多値処理部111bとの間に接続されてもよい(図20C参照)。この場合、等化部115は、多値符号列12を波形等化して、波形等化された多値符号列12を多値処理部111bに出力する。また、等化部115は、変調部112の出力側に接続され、変調信号14を波形等化してもよい(図20D参照)。本実施形態に係るデータ通信装置は、上述したどの位置に等化部115を接続したとしても、秘匿性の高い情報伝送を行うことができる。
また、等化部115に用いるローパスフィルタは、入力される信号の周波数帯域の1/2以下の信号成分を濾波するローパスフィルタであることが望ましい。例えば、等化部115(ローパスフィルタ)は、入力される多値信号13の1/2以上の信号成分を濾波した場合、符号間干渉により多値レベルが大きく変動した等化多値信号24を出力することになる。この場合、データ受信装置10201は、変調信号14から復調した等化多値信号25の識別が困難となる。
また、等化部115には、ハイパスフィルタを用いてもよい。この場合も、本実施形態に係るデータ通信装置は、等化部115に入力される信号の直流成分、若しくは低周波成分を遮断させることで、等化部115から出力される信号に平均値の漂動に伴う符号干渉を生じさせ、ローパスフィルタを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
また、等化部115には、バンドパスフィルタを用いてもよい。この場合も、本実施形態に係るデータ通信装置は、等化部115に入力される信号の内、所定の周波数帯域の信号成分を濾波することで、ローパスフィルタを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
(第7の実施形態)
図23は、本発明の第7の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。図23において、第7の実施形態に係るデータ通信装置は、データ送信装置12106の構成が第6の実施形態と異なる。第7の実施形態に係るデータ送信装置12106は、第1の多値符号発生部111aと、等化部115と、第1の変調部116と、第2の変調部117とを備える。なお、本実施形態の構成は、第6の実施形態(図20A)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図23において、等化部115には、第1の多値符号発生部111aから多値符号列12が入力される。等化部115は、多値符号列12を所定の手段で波形等化して、等化多値符号列27を出力する。等化多値符号列27は、第1の変調部116に入力される。第1の変調部116は、等化多値符号列27を所定の変調形式で変調して、第1の変調信号28を出力する。具体的には、第1の変調部116は、等化多値符号列27を、例えば振幅変調することで、第1の変調信号28を出力する。
第1の変調信号28は、第2の変調部117に入力される。また、情報データ10が第2の変調部117に入力される。第2の変調部117は、第1の変調信号28及び情報データ10を所定の変調形式で変調して、第2の変調信号29を出力する。例えば、第2の変調部117は、第1の変調信号28と情報データ10とを加算処理したり、あるいは第1の変調信号28のレベルを情報データ10で振幅変調したりして、第2の変調信号29を出力する。
以上説明したように、本実施形態によれば、等化部115で多値符号列12に、符号間干渉によりレベル変動を生じさせ、等化多値符号列27を出力する。そして、第1の変調部116で等化多値符号列27に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号28を出力し、第2の変調部117で情報データ10に基づいて第1の変調信号28を変調して所定の変調形式の第2の変調信号29を出力する。そのため、鍵情報(第1の鍵情報11及び第2の鍵情報)を共有しない第3者は、第2の変調信号28を復調した等化多値信号25から情報データ10を抽出することがより困難となる。故に、本実施形態に係る発明は、第5の実施形態に係るデータ送信装置と同様に、秘匿性の高い情報伝送を可能とするデータ通信装置を提供することができる。
なお、第7の実施形態に係るデータ通信装置(図23)は、別の構成とすることもできる。図24は、本発明の第7の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図である。図24において、等化部115には、第1の多値符号発生部111aから多値符号列12が入力される。等化部115は、多値符号列12を所定の手段で波形等化して、等化多値符号列27を出力する。第1の変調部116は、情報データ10を変調して、所定の変調形式の第1の変調信号28を出力する。等化多値符号列27及び第1の変調信号28は、第2の変調部117に入力される。第2の変調部117は、等化多値符号列27及び第1の変調信号28に基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号29を出力する。具体的には、第2の変調部117は、等化多値符号列27と第1の変調信号28とを加算処理したり、あるいは第1の多値符号列28のレベルを等化多値符号列27で振幅変調したりして、第2の変調信号29を出力する。この場合も、本実施形態に係る発明は、第6の実施形態に係るデータ通信装置と同様に、秘匿性の高い情報伝送を可能とするデータ通信装置を提供することができる。
また、第7の実施形態に係るデータ通信装置(図23、図24)は、上述した第6の実施形態と同様に、等化多値信号25にレベル変動を生じさせる構成であれば、等化部115をデータ送信装置12106、12106bのいずれの位置に挿入/接続しても良いものとする。図23において、データ送信装置12106は、例えば、等化部115を第2の変調部117の前段に接続して情報データ10に所定のレベル変動を付与する構成であってもよい。また、データ送信装置12106は、等化部115を第1の変調部116の後段に接続して第1の変調信号28に所定のレベル変動を付与する構成であってもよい。
また、図24において、データ送信装置12106bは、例えば、等化部115を第1の変調部116の前段に接続して情報データ10に所定のレベル変動を付与する構成であってもよい。また、データ送信装置12106bは、等化部115を第2の変調部117の後段に接続して、第2の変調信号29に所定のレベル変動を付与する構成であってもよい。第7の実施形態に係るデータ通信装置は、いずれの構成においても、盗聴者データ受信装置で識別される等化多値信号25の識別を困難にすることができる。
(第8の実施形態)
図25は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。図25において、第8の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置(図1)と比較して、データ送信装置14105が振幅制御部120をさらに備える点が異なっている。振幅制御部120は、第1の振幅制御信号発生部120aと、振幅変調部120bとを含む。
図26は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の各部の信号波形を説明するための模式図である。図26(a)は、情報データ10の波形の一例を示している。図26(b)は、振幅変調部120bから出力される振幅変調情報データ36の波形の一例を示している。なお、図26(b)の点線は、図26(a)で示される情報データ10の波形である。図26(c)は、第1の多値符号発生部111aから出力される多値符号列12の波形の一例を示している。図26(d)は、多値処理部111bから出力される多値信号13の波形の一例を示している。なお、図26(d)の点線は、図26(c)で示される多値信号13の波形を示している。以下に、第8の実施形態に係るデータ通信装置の動作について、図26を用いて説明する。なお、本実施例の構成は、第1の実施例(図1)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
データ送信装置14105において、第1の振幅制御信号発生部120aには、第1の鍵情報11が入力される。第1の振幅制御信号発生部120aは、第1の鍵情報11に基づいて、当該値が略乱数的に変化する振幅制御信号35を発生する。振幅制御信号35は、振幅変調部120bに入力される。また、振幅変調部120bには、情報データ10(図26(a))が入力される。振幅変調部120bは、振幅制御信号35に基づいて、情報データ10(図26(a))に対して略ランダムな振幅変調を施し、振幅変調情報データ36(図26(b))を出力する。なお、振幅変調部120bは、図26(a)および図26(b)に示すように、元信号である情報データ10の振幅中心レベルを基準レベルRとして、当該極性を変更しない範囲で振幅変調を施す。
多値処理部111bには、振幅変調情報データ36(図26(b))と多値符号列12(図26(c))とが入力される。多値処理部111bは、多値符号列12のレベルを、振幅情報変調データ36の基準レベルRに対するバイアスレベルと見なして、多値符号列12と振幅変調情報データ36とを加算することで、多値信号13(図26(d))を生成する。
データ受信装置10201において、多値識別部212bは、復調部211から多値信号15を受信する。多値識別部212bは、第1の鍵情報11と同一の第2の鍵情報16に基づいて生成された多値符号列17(図26(c)に同じ)を閾値(基準レベル)として、多値信号15の識別(2値判定)を行う。ここで、振幅変調部120bは、上述したように元信号(情報データ10)の極性を変更していない。そのため、多値識別部212bは、多値符号列12と同等の多値符号列17を基準とした識別を行うことにより、情報データ18を正しく再生することができる。
次に、第3者による変調信号の盗聴動作について説明する。上述したように、第3者は、データ受信装置10201に準じた構成、もしくはさらに高性能なデータ受信装置(盗聴者データ受信装置)を用いて変調信号を解読することが想定される。盗聴者データ受信装置は、変調信号14を復調することにより多値信号を再生する。しかし、盗聴者データ受信装置は、データ送信装置10101との間で鍵情報を共有しないため、データ受信装置10201のように、鍵情報から多値符号列を発生させることができない。このため、盗聴者データ受信装置は、多値符号列を基準とした多値信号の2値判定を行うことができない。
このような場合に考えられる盗聴動作としては、多値信号の全レベルに対する識別を同時に行う方法(一般に「総当たり攻撃」と呼ばれる)がある。即ち、盗聴者データ受信装置は、多値信号が取り得る全ての信号点間に対する閾値を用意して多値信号の同時判定を行い、当該判定結果を解析することにより、正しい鍵情報または情報データの抽出を試みる。例えば、盗聴者データ受信装置は、図2に示した、多値符号列12のレベルc0/c1/c2/c3/c4/c5/c6を閾値として用いて、多値信号に対する多値判定を行うことにより、正しい鍵情報または情報データの抽出を試みる。
しかしながら、上述したように、実際の伝送系では、種々の要因により雑音が発生し、この雑音が変調信号に重畳されるため、多値信号のレベルは、図4に示すように時間的・瞬時的に変動する。加えて、本実施形態では、多値信号には、第1の鍵情報11(すなわち、振幅制御信号35)に基づいて略ランダムな振幅変調が施されている。図27は、本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号品質を説明する模式図である。図27に示すように、データ受信装置10201及び盗聴者データ受信装置が受信する多値信号のレベル変動幅(ゆらぎ量)は、第1の実施形態と比較してさらに大きくなっている。
盗聴者データ受信装置が判定する被判定信号(多値信号)のSN比は、多値信号のステップ幅とゆらぎ量との比によって決まるため、振幅制御信号35に基づいて施される振幅変調効果によって当該SN比はさらに減少する。このため、本実施形態のデータ通信装置は、第3者の全閾値を用いた総当たり攻撃に対して多くの識別誤りを誘発させて、盗聴を困難にすることができる。特に、データ通信装置は、振幅変調によるレベル変動幅を、多値信号のステップ幅と同等、もしくはより大きく設定すれば、第3者による多値判定を事実上不可能にして、理想的な盗聴防止を実現し、データ通信の絶対的な安全性を確保することができる。
なお、振幅制御部120は、盗聴者データ受信装置で判定される多値信号15にレベル変動を生じさせ、当該SN比を制御できるのであれば、図25とは異なるいずれの位置に挿入・接続されても良い。例えば、図28に示すように、データ通信装置は、振幅制御部120を多値符号化部111と変調部112との間に挿入し、多値信号13に所定のレベル変動を付与する構成であってもよい。
また、例えば、図29に示すように、データ通信装置は、振幅制御部120を変調部112の後段に接続して、変調信号14にレベル変動を付与する構成であってもよい。この場合、振幅変調部120bは、伝送路110を介して送信する信号の種類によって、変調信号14を振幅変調又は強度変調することになる。第8の実施形態に係るデータ通信装置は、いずれの構成においても、多値識別時の被判定信号(多値信号)のSN比を任意の値に制御できる。
また、図25において、第1の振幅制御信号発生部120aは、第1の多値符号発生部111aに入力される第1の鍵情報11に基づいて振幅制御信号35を発生したが、図30に示すように、第1の鍵情報11と異なる所定の第1の振幅制御鍵情報38に基づいて振幅制御信号35を発生しても良い。これにより、多値符号列12のレベル変化と、振幅変調部120bによる振幅変調動作との間の相関性を抑圧し、多値信号13のレベル変化をよりランダム化して、盗聴者データ受信装置による多値判定動作に、より理想的な識別誤りを誘発させることができる。
なお、現実的には、振幅変調部120bによる振幅変調動作は、正規受信者のデータ受信装置10201において識別(2値判定)される被判定信号のSN比を劣化させる場合がある。このような振幅変調動作の影響を抑圧するために、データ受信装置10201の構成を変更してもよい。例えば、図31に示すように、データ受信装置14205dにおいて、多値復号化部218は、第2の多値符号発生部212a及び多値識別部212bに加えて、第2の振幅制御信号発生部212cを含む構成とすることができる。即ち、第2の振幅制御信号発生部212cは、第1の振幅制御鍵情報38と同一の第2の振幅制御鍵情報39を予め共有し、第2の振幅制御鍵情報39に基づいて、振幅制御信号35に相当する振幅制御信号40を発生する。多値識別部212bは、第2の多値符号発生部212aから出力される多値符号列17を閾値とし、かつ振幅制御信号40によって多値信号15の瞬時レベル、またはSN比をモニタしながら、多値信号15の最適識別(2値判定)を行い、情報データ18を再生する。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化し、その変動レベル(ゆらぎ量)を任意に制御することにより、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を故意に与えて、その解読・復号化をさらに困難にする、より安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第9の実施形態)
図32Aは、本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。本実施形態に係るデータ通信装置は、第8の実施形態において多値処理部111bと変調部112(図25参照)とが行っていた、多値符号列12と振幅変調情報データ36とに基づいた変調信号14への変換処理を別の構成で実現するものである。図32Aにおいて、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、データ送信装置14106とデータ受信装置10201とが伝送路110によって接続された構成である。データ送信装置14106は、第1の多値符号発生部111aと、振幅制御部120と、第1の変調部122と、第2の変調部123と、合波部124とを備える。振幅制御部120は、第1の振幅制御信号発生部120aと、振幅変調部120bとを含む。
本実施形態の構成は、第8の実施形態(図25)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。図32Aにおいて、第1の変調部122は、第1の多値符号発生部111aから出力された多値符号列12を元データとして、所定の変調形式に変換して第1の変調信号41を出力する。第2の変調部123は、振幅変調部120bから出力された振幅変調情報データ36を元データとして、所定の変調形式に変換して第2の変調信号42を出力する。第1の変調信号41と第2の変調信号42とは、合波部124に入力される。合波部124は、第1の変調信号41と第2の変調信号42とを、振幅的もしくは強度的に合成して、伝送路110に送出する。すなわち、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、図25において多値処理部111bと変調部112とが行っていた、多値符号列12と振幅変調情報データ36とに基づく変調信号14への変換処理を、第1の変調部122と第2の変調部123と合波部124とで、変調信号レベルで行うことにより融通性の高い回路構成を実現している。
なお、第9の実施形態に係るデータ通信装置(図32A)は、第1の変調部122と第2の変調部123とを並列的に設置し、第1の変調信号41と第2の変調信号42とを合波する構成としたが、別の構成とすることもできる。図32Bは、本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図である。図32Bに示すように、本実施形態に係るデータ通信装置は、第1の変調部122と第2の変調部123とを直列的に接続して、同一の搬送波を第1の変調部122と第2の変調部123とで変調する構成としてもよい。第1の変調部122で搬送波を多値符号列12で変調して第1の変調信号41を出力し、第2の変調部123で第1の変調信号41を振幅変調情報データ36で変調する構成である。すなわち、この構成のデータ通信装置は、図25において多値処理部111bと変調部112とが行っていた、多値符号列12と振幅変調情報データ36とに基づく変調信号14への変換処理を、第1の変調部122と第2の変調部123とで、変調信号レベルで行うものである。
図32Aのデータ送信装置14106は、合波部124で第1の変調信号41と第2の変調信号42とを加算処理している。これに対して、図32Bのデータ送信装置14106bは、第1の変調部122及び第2の変調部123で積算処理している。そのため、図32Bのデータ送信装置14106bは、図32Aのデータ送信装置14106と比較して、生成する変調信号14の信号波形に若干の違いはあるが、多値符号列12のレベルを基準として、振幅変調情報データ36の有するレベルを重畳する点において、ほぼ同様の効果を得ることができる。
また、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、第8の実施形態と同様に、盗聴者データ受信装置で判定される多値信号15にレベル変動を生じさせ、当該多値信号のSN比を制御できるのであれば、振幅制御部120を図32Aまたは図33Bと異なるいずれの位置に挿入/接続しても良い。例えば、図32A及び図32Bにおいて、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、振幅制御部120を第1の変調部122の前段に挿入して、多値符号列12に所定のレベル変動を付与する構成とすることもできる(図33A、図33B参照)。また、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の変調部122または第2の変調部123の後段、あるいは合波部124の後段に接続して、第1の変調信号41または第2の変調信号42、あるいはそれらの合成信号に対して、レベル変動を付与する構成としても良い。第9の実施形態に係るデータ通信装置は、いずれの構成においても、多値識別時の被判定信号(多値信号)のSN比を任意の値に制御できる。
またさらに、第9の実施形態に係るデータ通信装置において、第1の振幅制御信号発生部120aは、図30と同様に、第1の鍵情報11と異なる所定の第1の振幅制御鍵情報38に基づいて振幅制御信号35を発生しても良い。これにより、第9の実施形態に係るデータ通信装置は、多値符号列12のレベル変化と、振幅変調部120bによる振幅変調動作との間の相関性を抑圧し、多値信号15のレベル変化をよりランダム化して、盗聴者データ受信装置による多値判定動作に、より理想的な識別誤りを誘発させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化し、その変動レベル(ゆらぎ量)を任意に制御すると共に、情報データと多値符号列とに、それぞれ個別の変調部を設けることによって、よりフレキシブルな構成で、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を故意に与えて、その解読・復号化をさらに困難にする、より安全なデータ通信装置を提供することができる。
(第10の実施形態)
図34は、本発明の第10の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図34において、第10の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置(図1)と比較して、データ送信装置16105がN進符号化部131を、データ受信装置16205がN進復号化部220をさらに備える点が異なっている。
以下、N進符号化部131及びN進復号化部220を中心に、第10の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
データ送信装置16105において、N進符号化部131には、複数の情報データから構成される情報データ群が入力される。ここでは、情報データ群として、第1の情報データ50及び第2の情報データ51が入力されるものとする。図35は、N進符号化部131に入力される情報データ群の波形例を示す図である。図35(a)は、N進符号化部131に入力される第1の情報データ50を示している。図35(b)は、N進符号化部131に入力される第2の情報データ51を示している。
N進符号化部131は、第1の情報データ50及び第2の情報データ51をN(この例では、N=4)進数に符号化することで、所定の多値レベルを有するN進符号化信号52として出力する。なお、Nは任意の自然数である。これによって、N進符号化部131は、1タイムスロットあたりに伝送できる情報量をlog2N倍に増加させることができる。図36は、N進符号化部131から出力されるN進符号化信号52の波形例を示す図である。図36を参照して、例えば、N進符号化部131は、第1の情報データ50及び第2の情報データ51における論理の組み合わせが、{L、L}の場合に多値レベル00を、{L、H}の場合に多値レベル01を、{H、L}の場合に多値レベル10を、{H、H}の場合に多値レベル11を割り当てることで、4段階の多値レベルを有するN進符号化信号52を出力することができる。N進符号化部131から出力されたN進符号化信号52、及び第1の多値符号発生部111aから出力された多値符号列12(図2(b)参照)は、多値処理部111bに入力される。
多値処理部111bは、N進符号化信号52と多値符号列12とを所定の手順に従って合成し、合成した信号を多値信号13として出力する。例えば、多値処理部111bは、多値符号列12のレベルをバイアスレベルとして、N進符号化信号52を加算することで多値信号13を生成する。あるいは、多値処理部111bは、多値符号列12をN進符号化信号52で振幅変調することで多値信号13を生成してもよい。図37は、多値処理部111bから出力された多値信号13の波形例を示す図である。図37において、多値信号13の多値レベルは、所定のレベル間隔(この例では3レベル間隔)で4段階に変動している。なお、点線は、バイアスレベル(多値符号列12)を基準として、多値信号13の多値レベルが変動する範囲を示している。
多値処理部111bから出力された多値信号13は、変調部112に入力される。変調部112は、多値信号13を伝送路110に適した信号形態に変調し、変調した信号を変調信号14として伝送路110に送信する。例えば、変調部12は、伝送路110が光伝送路の場合、多値信号13を光信号に変調する。
データ受信装置16205において、復調部211は、伝送路110を介して変調信号14を受信する。復調部211は、変調信号14を復調して多値信号15を出力する。多値信号15は、多値識別部212bに入力される。多値識別部212bは、第2の多値符号発生部212aから出力された多値符号列17を用いて多値信号15を識別することで、N進符号化信号53を出力する。図38は、多値識別部212bにおける多値信号15の識別動作の一例を説明する図である。図38において、太実線が多値信号15の波形を、細実線及び点線が多値信号15を識別するための判定波形を示している。なお、細実線(判定波形2)は、多値符号列17の波形である。
図38を参照して、多値識別部212bは、多値符号列17(判定波形2)を中心として、多値符号列17を所定のレベル間隔だけ上にずらした波形(判定波形1)と、所定のレベル間隔だけ下にずらした波形(判定波形3)とを生成する。なお、この所定のレベル間隔は、データ送信装置16105における多値処理部111bとの間で予め定まっているものであり、この例では、3レベル間隔である。そして、多値識別部212bは、判定波形1〜3を用いて多値信号15を識別する。
多値識別部212bは、タイムスロットt1において、判定波形1と多値信号15とを比較して、多値信号15が判定波形1よりもLowレベルであると判定する。また、判定波形2と多値信号15とを比較して、多値信号15が判定波形2よりもLowレベルであると判定する。また、判定波形3と多値信号15とを比較して、多値信号15が判定波形3よりもHighレベルであると判定する。すなわち、多値識別部212bは、タイムスロットt1において、多値信号15を{Low、Low、High}と判定する。同様に、多値識別部212bは、タイムスロットt2で多値信号15を{Low、High、High}と、タイムスロットt3で多値信号15を{Low、Low、Low}と判定する。タイムスロットt4以降の動作は省略するが同様である。
そして、多値識別部212bは、判定したLow及びHighの数と、N進符号化信号52の多値レベルとを対応させることで、N進符号化信号52を再生する。例えば、多値識別部212bは、{Low、Low、Low}を多値レベル00に、{Low、Low、High}を多値レベル01に、{Low、High、High}を多値レベル10に、{High、High、High}を多値レベル11に対応させることで、N進符号化信号53を再生することができる。多値識別部212bで再生されたN進符号化信号53は、N進復号化部220に入力される。
N進復号化部220は、N進符号化信号52を復号化して、情報データ群として出力する。具体的には、N進復号化部220は、N進符号化部131と逆の動作を行うことで、N進符号化信号52から第1の情報データ54及び第2の情報データ55を出力する。
次に、第3者による変調信号14の盗聴動作について説明する。第3者は、第1の実施形態で説明した場合と同様に、データ送信装置16105との間で第1の鍵情報11を共有していないため、盗聴した変調信号14から第1の情報データ54及び第2の情報データ55を再生することができない。また、実際の伝送系では、種々の要因により雑音が発生し、この雑音が変調信号14に重畳されることになる。すなわち、変調信号14を復調した多値信号15にも雑音が重畳されることになる。図39は、雑音が重畳された多値信号15の波形を示す図である。図39を参照して、第10の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態で説明した場合と同様に、多値信号15に重畳された雑音のために、第3者の全しきい値を用いた総当たり攻撃に対して識別誤りを誘発させて、盗聴をより困難にすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、N進符号化部131で情報データ群を一括してN進符号化信号52に変換し、N進復号化部220でN進符号化信号53から情報データ群を一括して再生する。これによって、本実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態に係るデータ通信装置と比較して、1タイムスロットあたりに伝送できる情報量を増やすことができる。また、情報データ群をN進符号化信号52に変換することで、より秘匿性の高いデータ伝送を実現することができる。
(第11の実施形態)
図40は、本発明の第11の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図である。図40において、第11の実施形態に係るデータ通信装置は、第10の実施形態(図34)と比較して、N進符号化部132及びN進復号化部221の動作が異なる。第11の実施形態において、N進符号化部132は、第1の鍵情報11に基づいて、情報データ群からN進符号化信号52を生成する。また、N進復号化部221は、第2の鍵情報16に基づいて、N進符号化信号53から情報データ群を生成する。以下、N進符号化部132及びN進復号化部221を中心に、第11の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第10の実施形態(図34)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
データ送信装置16106において、N進符号化部132には、第1の鍵情報11が入力される。N進符号化部132は、第1の鍵情報11に基づいて、情報データ群からN進符号化信号52を生成する。例えば、N進符号化部132は、第1の鍵情報11によって、第1の情報データ50及び第2の情報データ51における論理の組み合わせと、N進符号化信号52の多値レベルとの対応関係を変更する。N進符号化部132から出力されたN進符号化信号52は、多値処理部111bに入力される。
データ受信装置16206において、多値識別部212bから出力されたN進符号化信号53は、N進復号化部221に入力される。また、N進復号化部221には、第2の鍵情報16が入力される。N進復号化部221は、第2の鍵情報16に基づいて、N進符号化信号53から情報データ群を出力する。具体的には、N進復号化部221は、N進符号化部132と逆の動作を行うことで、N進符号化信号53から第1の情報データ54と第2の情報データ55とを出力する。
以上説明したように、本実施形態によれば、N進符号化部132が第1の鍵情報11に基づいて、情報データ群からN進符号化信号52を生成し、N進復号化部221が第2の鍵情報16に基づいて、N進符号化部132と逆の動作でN進符号化信号53から情報データ群を再生する。これによって、本実施形態に係るデータ通信装置は、第10の実施形態に係るデータ通信装置と比較して、より盗聴が困難なデータ通信を実現することができる。
なお、第11の実施形態に係るデータ通信装置において、N進符号化部132は、第1の鍵情報11と異なる第3の鍵情報56を用いて、情報データ群からN進符号化信号52を生成してもよいものとする。また同様に、N進復号化部221は、第2の鍵情報16と異なる第4の鍵情報57を用いて、N進符号化信号53から情報データ群を再生してもよいものとする(図41参照)。ただし、第3の鍵情報56と第4の鍵情報57とは、同じ鍵情報である。これによって、本実施形態に係るデータ通信装置は、多値処理部111bで用いる鍵情報とN進符号化部132で用いる鍵情報とを分けることができ、より盗聴が困難なデータ通信を実現することができる。
(第12の実施形態)
図42は、本発明の第12の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図42において、第12の実施形態に係るデータ通信装置は、第1の実施形態(図1)と比較して、データ送信装置19105が同期信号発生部134と多値処理制御部135とを、データ受信装置19205が同期信号再生部233と多値識別制御部234とをさらに備える点が異なっている。
図43は、多値符号化部111から出力される信号波形を説明するための模式図である。以下、第12の実施形態に係るデータ通信装置について、図42および図43を用いて説明する。なお、本実施形態の構成は、第1の実施形態(図1)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図42において、同期信号発生部134は、所定周期の同期信号64を発生して、多値処理制御部135に出力する。多値処理制御部135は、同期信号64に基づいて、多値処理制御信号65を発生し、多値処理部111bに出力する。多値処理制御信号65は、多値処理部111bが出力する多値信号13のレベル数(以下、多値数という)を指定する信号である。多値処理部111bは、多値処理制御信号65と多値符号列12とに基づいて、情報データ10から多値信号を生成するとともに、生成した多値信号の多値数を切り替えた信号を多値信号13として出力する。例えば、図43に示すように、多値処理部111bは、期間AおよびCにおいて多値数“8”値の多値信号を出力し、期間Bにおいて多値数“2”値の信号を出力する。より、具体的には、多値処理部111bは、期間AおよびCでは、情報データ10と多値符号列12とを合成して出力し、期間Bでは、情報データ10をそのまま出力しても良い。
同期信号再生部233は、前記同期信号64に対応する同期信号66を再生して、多値識別制御部234に出力する。多値識別制御部234は、同期信号66に基づいて、多値識別制御信号67を発生し、多値識別部212bに出力する。多値識別部212bは、多値識別制御信号67に基づいて、復調部211から出力される多値信号15に対する閾値(多値符号列17)を切り替えて識別を行い、情報データ18を再生する。例えば、図43に示すように、多値識別部212bは、期間AおよびCにおいて多値数“8”値の多値信号に対して、当該レベルが逐次変化する多値符号列17を閾値として識別し、期間Bにおいて2値信号に対して所定の一定閾値に基づく識別を行う。
なお、図43では、期間Bの2値信号に対する閾値(平均レベル)を、期間AおよびCの多値信号の平均レベル(C3)に一致させているが、この限りではなく、いかなるレベルに設定しても良い。また、図43では、期間Bにおける2値信号の振幅を、情報データ10の振幅(情報振幅)に一致させているが、この限りではなく、多値識別部212bにおいて一定閾値で識別できる大きさであれば、いかなる振幅に設定しても良い。さらに、図43では、期間AおよびCと、期間Bとにおける多値信号の転送レートを同一としているが、この限りではなく、異なる転送レートとしても良い。特に、多値数が少ない程、転送レートを大きくすることが、伝送効率の点で好ましい。
また、図43において、多値処理部111bは、多値数が8の多値信号と2値信号とを切り替えた多値信号13を出力している。しかし、多値信号13の多値数の組み合わせは、これに限られず、いかなる多値数の組み合わせでもよい。例えば、多値処理部111bは、多値数“8”の多値信号と多値数“4”の多値信号とを切り替えて出力してもよい。さらに、図42に示すデータ通信装置は、多値数の値に応じて、情報データ10および18と、多値符号列12および17と、多値信号13および15との転送レートを変更してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化して、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を与え、特定の受信者のみに対する安全な通信路を確保すると共に、当該多値数を適宜減少させることにより、安全性を必要としない通信を選択的に実現する。これにより、同一の変復調系および伝送系を利用して、秘匿通信サービスと一般通信サービスを混在して提供し、効率的な通信装置を提供することができる。
(第13の実施形態)
図44は、本発明の第13の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図44において、第13の実施形態に係るデータ通信装置は、第12の実施形態(図42)と比較して、データ受信装置10201が、同期信号再生部233と多値識別制御部234とを備えない点が異なっている。
図45は、多値符号化部111から出力される信号波形を説明するための模式図である。以下、第13の実施形態に係るデータ通信装置について、図44及び図45を用いて説明する。なお、本実施例の構成は、第12の実施形態(図42)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図44において、多値処理部111bは、多値処理制御信号65に基づいて、当該出力信号である多値信号13の多値数を切り替えて出力すると共に、多値信号13の多値数を小さくする場合には、当該多値信号振幅を大きく設定する。例えば、図45に示すように、期間AおよびCにおける多値数“8”に対して、期間Bには、多値数“2”とする一方で、当該振幅を充分大きくする。より、具体的には、期間Bの2値信号振幅を、期間AおよびCにおける多値信号振幅と同等もしくはそれ以上に設定して出力する。
多値識別部212bは、復調部211から出力される多値信号15を、当該多値数に関わらず、多値符号列17を閾値として識別(2値判定)し、情報データ18を再生する。例えば、図45に示すように、期間AおよびCでは、総レベル数“8”の多値信号に対して、当該レベルが逐次変化する多値符号列17を閾値として識別を行い、期間Bにおいても、多値符号列17に基づいて、2値信号を識別する。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化して、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を与え、特定の受信者のみに対する安全な通信路を確保すると共に、当該多値数を適宜減少させると同時に、当該振幅を増大することにより、多値信号受信時の閾値制御を容易にして、より簡便な構成で、安全性を必要としない通信を選択的に実現する。これにより、同一の変復調系および伝送系を利用して、秘匿通信サービスと一般通信サービスを混在して提供し、効率的かつ経済的な通信装置を提供することができる。
(第14の実施形態)
図46は、本発明の第14の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図46において、第14の実施形態に係るデータ通信装置は、データ送信装置19105とデータ受信装置10201と副データ受信装置19207とが、伝送路110と分岐部235とによって接続された構成である。第14の実施形態に係るデータ通信装置は、第13の実施形態(図44)と比較して、分岐部235と副データ受信装置19207とをさらに備えている点が異なっている。なお、図46においては省略されているが、多値復号化部212は、第2の多値符号発生部212aと多値識別部212bとを含んでいる。以下、第14の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第13の実施形態(図44)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略する。
図46において、データ送信装置19105は、図45に示す多値信号を変調した変調信号14を送信する。分岐部235は、伝送路110を介して伝送されてきた変調信号14を複数m(mは、2以上の整数。図46では、m=2)に分岐し、出力する。データ受信装置10201は、分岐部235から出力されるmの変調信号の内、n(nは、m以下の整数。図46では、n=1)の変調信号に対応して設けられる。データ受信装置10201は、期間AおよびCにおいて、前記第1の鍵情報11と同一鍵として共有する第2の鍵情報16に基づいて、当該変調信号を復調および復号化して、情報データ18を再生する。なお、データ受信装置10201は、期間Bにおいて、2値信号の識別を行ってもよい。
副データ受信装置19207は、分岐部235から出力されるmの変調信号の内、m−n(図46では、m−n=2−1=1)の変調信号に対応して設けられる。副復調部236は、当該変調信号を復調し、前記多値信号15を再生する。識別部237は、対応する復調部236から出力される多値信号15を、所定の一定閾値に基づいて識別し、図45に示す期間Bのみにおける情報データ(部分情報データ68)を再生する。
なお、図46では、分岐部235における分岐数m=2とし、その内n=1の変調信号に対応してデータ受信装置10201を設け、m−n=1の変調信号に対応して副データ受信装置19207を設ける構成としたが、この限りではなく、m≧nであれば、それぞれいかなる数にも設定し、対応する数のデータ受信装置および副データ受信装置を用意すれば良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化して、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を与え、特定の受信者のみに対する安全な通信路を確保すると共に、当該多値数を適宜減少させることにより、不特定多数の受信者に対する一斉通信を選択的に実現する。これにより、同一の変復調系および伝送系を利用して、秘匿通信サービスと一斉同報通信や放送等の通信サービスを混在して提供し、効率的な通信装置を提供することができる。
(第15の実施形態)
図47は、本発明の第15の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図である。図47において、第15の実施形態に係るデータ通信装置は、データ送信装置19108と、複数のデータ受信装置10201a〜bと、副データ受信装置19207とが、伝送路110と分岐部235とによって接続された構成である。データ送信装置19108は、第14の実施形態(図46)と比較して、鍵情報選択部136をさらに備えている。なお、図47においては省略されているが、多値復号化部212は、第2の多値符号発生部212aと多値識別部212bとを含んでいる。以下、第15の実施形態に係るデータ通信装置について説明する。なお、本実施形態の構成は、第14の実施形態(図46)に準ずるため、同一の動作を行うブロックに関しては、同一の番号を付して、その説明を省略する。
図47において、鍵情報選択部136は、予め定められた複数nの所定の鍵情報(図47では、n=2。第1の鍵情報11aおよび第3の鍵情報11b)からいずれかを選択する。多値符号化部111は、当該選択された鍵情報に基づいて、図45に示すような多値信号13を生成する。データ受信装置は、分岐部235によって分岐出力されたm(図47では、m=3)の変調信号の内、nの変調信号に対応してn個設けられ(10201aおよび10201b)、それぞれ対応する前記第1の鍵情報11aおよび前記第3の鍵情報11bと同一鍵として共有する第2の鍵情報16aと第4の鍵情報16bに基づいて、当該変調信号を復調および復号化して、それぞれ対応する情報データ(18aおよび18b)を再生する。
具体的には、図45において、データ送信装置19108が、期間Aにおいて第1の鍵情報11aを用いて多値信号13を生成した場合、データ受信装置10201aは、期間Aに入力された変調信号を復調して、第2の鍵情報16aを用いて情報データ18aを再生する。また、データ送信装置19108が、期間Cにおいて第3の鍵情報11bを用いて多値信号13を生成した場合、データ受信装置10201bは、期間Cに入力された変調信号を復調して、第4の鍵情報16bを用いて情報データ18bを再生する。なお、データ受信装置10201a及び10201bは、期間Bにおいて入力される変調信号を復調して、部分情報データ58の再生を行ってもよい。
副データ受信装置19207は、分岐部235から出力されるmの変調信号の内、m−n(図47では、m−n=3−2=1)の変調信号に対応して設けられ、当該変調信号を復調し、所定の一定閾値に基づいて識別して、図45に示す期間Bのみにおける情報データ(部分情報データ58)を再生する。
なお、図47では、分岐部235における分岐数m=3とし、その内n=2の変調信号に対応してデータ受信装置10201を設け、m−n=1の変調信号に対応して副データ受信装置19207を設ける構成としたが、この限りではなく、m≧nであれば、それぞれいかなる数にも設定し、対応する数のデータ受信装置および副データ受信装置を用意すれば良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、伝送すべき情報データを多値信号として符号化して、第3者による盗聴時の受信信号品質に対して決定的な劣化を与え、さらに鍵情報を複数用意して切換使用することにより、特定の複数受信者のみに対する安全な通信路をそれぞれ確保すると共に、当該多値数を適宜減少させることにより、不特定多数の受信者に対する一斉通信を選択的に実現する。これにより、同一の変復調系および伝送系を利用して、秘匿通信サービスと一斉同報通信や放送等の通信サービスを混在して提供し、効率的な通信装置を提供することができる。
なお、上述した第2〜15に係るデータ通信装置は、各実施形態の特徴を互いに組み合わせて備えることができるものとする。例えば、第2〜7、9〜15の実施形態に係るデータ通信装置は、第8の実施形態の特徴を備えてもよい(例えば、図48A〜図48C参照)。例えば、第2〜9、11〜15の実施形態に係るデータ通信装置は、第10の実施形態の特徴を備えてもよい(例えば、図49A〜49C参照)。例えば、第2〜11、13〜15の実施形態に係るデータ通信装置は、第12の実施形態の特徴を備えてもよい(例えば、図50A〜図50C参照)。例えば、第2〜7、9〜15の実施形態に係るデータ通信装置は、第8及び第12の実施形態の特徴を備えてもよい(例えば、図51A〜図51C参照)。例えば、第2〜9、11〜15の実施形態に係るデータ通信装置は、第10及び第12の実施形態の特徴を備えてもよい(例えば、図52A〜図52C参照)。
また、上述した第1〜第15の実施形態に係るデータ送信装置、データ受信装置、及びデータ通信装置が行うそれぞれの処理は、一連の処理手順を与えるデータ送信方法、データ受信方法、及びデータ通信方法としても捉えることができる。
また、上述したデータ送信方法、データ受信方法、及びデータ通信方法は、記憶装置(ROM、RAM、ハードディスク等)に格納された上述した処理手順を実施可能な所定のプログラムデータが、CPUによって解釈実行されることで実現される。この場合、プログラムデータは、記憶媒体を介して記憶装置内に導入されてもよいし、記憶媒体上から直接実行されてもよい。なお、記憶媒体は、ROMやRAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクメモリ、C−ROMやDVDやBD等の光ディスクメモリ、及びメモリカード等をいう。また、記憶媒体は、電話回線や搬送路等の通信媒体も含む概念である。
本発明に係るデータ通信装置は、盗聴・傍受を受けない安全な秘密通信装置として有用である。
本発明の第1の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図 本発明の第1の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号の波形を説明する模式図 本発明の第1の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号の波形を説明する模式図 本発明の第1の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号品質を説明する模式図 本発明の第2の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図 本発明の第3の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図 本発明の第4の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号パラメータを説明する模式図 情報データ10のアイパターンの一例を示す図 多値符号列12のアイパターンの一例を示す図 多値信号13のアイパターンの一例を示す図 雑音信号の一例を示す図 雑音が重畳された変調信号14のアイパターンの一例を示す図 情報データ10のアイパターンの一例を示す図 多値符号列12のアイパターンの一例を示す図 多値信号13のアイパターンの一例を示す図 雑音信号の一例を示す図 雑音信号が重畳された変調信号14のアイパターンの一例を示す図 多値信号15と、多値信号15の判定閾値との関係を示した図 多値信号15のアイパターンの一例を示す図 本発明の第6の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の第6の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図 本発明の第6の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図 本発明の第6の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図 等化部115が出力する等化多値信号24の波形の一例を示す図 等化多値信号25の識別動作を説明する図 本発明の第7の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の第7の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図 本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の各部の信号波形を説明するための模式図 本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号品質を説明する模式図 本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の第2の構成例を示すブロック図 本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の第3の構成例を示すブロック図 本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の第4の構成例を示すブロック図 本発明の第8の実施形態に係るデータ通信装置の第5の構成例を示すブロック図 本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図 本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図 本発明の第9の実施形態に係るデータ通信装置の別の構成例を示すブロック図 本発明の第10の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図 N進符号化部131に入力される情報データ群の波形例を示す図 N進符号化部131から出力されるN進符号化信号52の波形例を示す図 多値処理部111bから出力される多値信号13の波形例を示す図 多値識別部212bにおける多値信号15の識別動作の一例を説明する図 雑音が重畳された多値信号15の波形を示す図 本発明の第11の実施形態に係るデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の第11の実施形態に係るデータ通信装置のその他の構成例を示すブロック図 本発明の第12の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図 多値符号化部111から出力される信号波形を説明するための模式図 本発明の第13の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図 本発明の第13の実施形態に係るデータ通信装置の伝送信号波形を説明する模式図 本発明の第14の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図 本発明の第15の実施形態に係るデータ通信装置の構成を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 本発明の各実施形態の特徴を組み合わせたデータ通信装置の構成例を示すブロック図 従来のデータ通信装置の構成を示すブロック図
符号の説明
10、18 情報データ
11、16、38、39、91、96、99 鍵情報
12、17 多値符号列
13、15 多値信号
14、41、42、94 変調信号
24、25 等化多値信号
27 等化多値符号列
35、40 振幅制御信号
36 振幅変調情報データ
37 振幅変調多値信号
110 伝送路
111 多値符号化部
111a 第1の多値符号発生部
111b 多値処理部
112、122、123、912 変調部
113 第1のデータ反転部
114 雑音制御部
114a 雑音発生部
114b 合成部
115 等化部
116、122 第1の変調部
117、123 第2の変調部
120 振幅制御部
120a 第1の振幅制御信号発生部
120b 振幅変調部
124 合波部
131、132 N進符号化部
134 同期信号発生部
135 多値処理制御部
211、914、916 復調部
212、218 多値復号化部
212a 第2の多値符号発生部
212b 多値識別部
212c 第2の振幅制御信号発生部
213 第2のデータ反転部
220、221 N進復号化部
233 同期信号再生部
234 多値識別制御部
236 副復調部
237 識別部
91 符号化部
915、917 復号化部
10101〜19108 データ送信装置
10201〜19207 データ受信装置

Claims (98)

  1. 暗号通信を行うデータ送信装置であって、
    予め定められた所定の鍵情報と情報データとを入力し、信号レベルが略乱数的に変化する多値信号を発生する多値符号化部と、
    前記多値信号に基づいて、所定の変調形式の変調信号を発生する変調部とを備え、
    前記多値符号化部は、
    前記鍵情報から信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、
    所定の処理に従って、前記多値符号列と前記情報データとを合成し、両信号レベルの組み合わせに対応したレベルを有する多値信号を生成する多値処理部とを含み、
    前記多値符号化部は、前記多値信号の信号点間距離を略均等に設定する、データ送信装置。
  2. 前記多値信号の信号点間距離は、当該多値信号に含まれる情報データの振幅よりも小さい、請求項1に記載のデータ送信装置。
  3. 前記多値信号の最大振幅は、当該多値信号に含まれる情報データの振幅の2倍以上である、請求項1に記載のデータ送信装置。
  4. 所定の疑似乱数列に基づいて、前記情報データのビット反転を行い、当該ビット反転された情報データを前記多値符号化部に出力するデータ反転部をさらに備える、請求項1に記載のデータ送信装置。
  5. 前記多値符号列と前記情報データとの変化レートは、互いに一致する、請求項1に記載のデータ送信装置。
  6. 前記情報データは、2値信号である、請求項1に記載のデータ送信装置。
  7. 前記多値処理部は、前記所定の処理として、前記多値符号列を基準レベルとして、前記多値符号列に前記情報データを加算することで、前記多値信号を生成する、請求項1に記載のデータ送信装置。
  8. 前記多値処理部は、前記所定の処理として、前記多値符号列を基準レベルとして、前記多値符号列を前記情報データに応じてレベル制御することで、前記多値信号を生成する、請求項1に記載のデータ送信装置。
  9. 前記変調信号は、電磁界を前記多値信号で変調して生成される、請求項1に記載のデータ送信装置。
  10. 前記変調信号は、光波を前記多値信号で変調して生成される、請求項1に記載のデータ送信装置。
  11. 前記光波は、コヒーレント光である、請求項10に記載のデータ送信装置。
  12. 前記多値符号化部と前記変調部との間に接続され、前記多値信号に所定の雑音を重畳して、雑音重畳多値信号として前記変調部に出力する雑音制御部をさらに備える、請求項1に記載のデータ送信装置。
  13. 前記雑音制御部は、
    所定の雑音を発生する雑音発生部と、
    前記雑音と前記多値信号とを重畳する合成部とを含む、請求項12に記載のデータ送信装置。
  14. 前記多値符号化部は、
    前記雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、前記多値信号の信号点間距離を配分する、請求項12に記載のデータ送信装置。
  15. 前記多値符号化部は、
    前記雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、前記多値信号の信号点間距離を非均等、または非線形に配分する、請求項12に記載のデータ送信装置。
  16. 前記多値符号化部と前記変調部との間に接続され、前記多値信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備える、請求項1に記載のデータ送信装置。
  17. 前記情報データを所定の手段で波形等化し、当該波形等化された情報データを前記多値符号化部に出力する等化部をさらに備える、請求項1に記載のデータ送信装置。
  18. 前記多値符号化部は、前記多値符号発生部と前記多値処理部との間に接続され、前記多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備える、請求項1記載のデータ送信装置。
  19. 前記変調信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備える、請求項1に記載のデータ送信装置。
  20. 前記等化部は、ローパスフィルタである、請求項16〜19のいずれかに記載のデータ送信装置。
  21. 前記ローパスフィルタは、入力される信号の内、当該信号帯域の1/2以下の信号成分を濾波する、請求項20に記載のデータ送信装置。
  22. 前記等化部は、入力される信号から、当該信号に含まれる直流成分を遮断するハイパスフィルタである、請求項16〜19のいずれかに記載のデータ送信装置。
  23. 前記等化部は、入力される信号から、所定の周波数帯域の信号成分を濾波するバンドパスフィルタである、請求項16〜19のいずれかに記載のデータ送信装置。
  24. 暗号通信を行うデータ送信装置であって、
    予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、
    前記多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、
    前記第1の変調信号と情報データとを入力し、前記情報データに基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、
    前記多値符号発生部の後段に接続され、前記多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備える、データ送信装置。
  25. 暗号通信を行うデータ送信装置であって、
    予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、
    情報データを入力し、当該情報データに基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、
    前記第1の変調信号と前記多値符号列とを入力し、前記多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、
    前記多値符号発生部の後段に接続され、前記多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備える、データ送信装置。
  26. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記多値符号化部の前段に接続され、前記振幅制御信号に基づいて、前記情報データに振幅変調を施して、前記多値符号化部に出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項1に記載のデータ送信装置。
  27. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記多値符号化部と前記変調部との間に挿入され、前記振幅制御信号に基づいて、前記多値信号に振幅変調を施して、前記変調部に出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項1に記載のデータ送信装置。
  28. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記変調部の後段に接続され、前記振幅制御信号に基いて、前記変調信号に所定形式の変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項1に記載のデータ送信装置。
  29. 前記振幅変調部は、前記変調信号に振幅変調又は強度変調を施す、請求項28に記載のデータ送信装置。
  30. 暗号通信を行うデータ送信装置であって、
    予め定められた所定の鍵情報から、値が略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、
    前記多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、
    情報データを入力し、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、
    前記第1の変調信号と前記第2の変調信号とを合波する合波部とを備える、データ送信装置。
  31. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記第2の変調部の前段に挿入され、前記振幅制御信号に基づいて、前記情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項30に記載のデータ送信装置。
  32. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記第1の変調部の前段に挿入され、前記振幅制御信号に基づいて、前記多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項30に記載のデータ送信装置。
  33. 暗号通信を行うデータ送信装置であって、
    予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、
    前記多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、
    情報データを入力し、前記第1の変調信号を前記情報データで変調して、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部とを備える、データ送信装置。
  34. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記第2の変調部の前段に挿入され、前記振幅制御信号に基づいて、前記情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項33に記載のデータ送信装置。
  35. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記第1の変調部の前段に挿入され、前記振幅制御信号に基づいて、前記多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項33に記載のデータ送信装置。
  36. 前記多値符号化部の前段に接続され、複数の前記情報データからなる情報データ群を、所定の処理に従って任意の進数に符号化し、N進符号化信号として前記多値符号化部に出力するN進符号化部をさらに備える、請求項1に記載のデータ送信装置。
  37. 前記N進符号化部は、前記情報データ群を任意の進数に符号化するのに、前記複数の情報データによる論理の組み合わせによって、前記N進符号化信号の多値レベルを変動させる、請求項36に記載のデータ送信装置。
  38. 前記N進符号化部は、前記鍵情報に基づいて、前記情報データ群から前記N進符号化信号を出力する、請求項36に記載のデータ送信装置。
  39. 前記N進符号化部は、前記鍵情報とは異なる鍵情報に基づいて、前記情報データ群から前記N進符号化信号を出力する、請求項36に記載のデータ送信装置。
  40. 前記多値符号化部は、予め定められた所定の期間ごとに、予め定められた複数の多値数のうち、いずれか1つの多値数の前記多値信号を発生する、請求項1に記載のデータ送信装置。
  41. 前記多値信号に対応する所定の同期信号を出力する同期信号発生部と、
    前記同期信号に基づいて、前記多値数を指示する多値処理制御信号を出力する多値処理制御部とをさらに備える、請求項40に記載のデータ送信装置。
  42. 前記多値符号化部は、少なくともいずれかの前記所定の期間において、2値の多値信号を出力する、請求項40または41に記載のデータ送信装置。
  43. 前記多値符号化部は、前記2値の多値信号を、前記複数の多値数のうち、最大の多値数の多値信号の振幅以上の振幅にして、前記2値の多値信号を出力する、請求項42に記載のデータ送信装置。
  44. 前記多値符号化部は、前記情報データを前記2値の多値信号として出力する、請求項42に記載のデータ送信装置。
  45. 前記多値数に応じて、前記情報データ、前記多値符号列、または前記多値信号の転送レートを変更する、請求項41に記載のデータ送信装置。
  46. 前記多値数が小さくなるにつれて、前記情報データ、前記多値符号列、または前記多値信号の転送レートを大きくする、請求項45に記載のデータ送信装置。
  47. 暗号通信を行うデータ受信装置であって、
    所定の変調形式の変調信号を復調し、多値信号を出力する復調部と、
    予め定められた所定の鍵情報と前記多値信号とを入力し、情報データを出力する多値復号化部とを備え、
    前記多値復号化部は、
    前記鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、
    前記多値符号列に基づいて前記多値信号を識別し、前記情報データを出力する多値識別部とを含む、データ受信装置。
  48. 所定の疑似乱数列に基づいて、前記多値復号化部から出力される情報データのビット反転を行い、出力するデータ反転部をさらに備える、請求項47に記載のデータ受信装置。
  49. 前記多値復号化部は、予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部をさらに含み、
    前記多値識別部は、前記多値符号列および前記振幅制御信号に基づいて前記多値信号を識別し、前記情報データを出力する、請求項47に記載のデータ受信装置。
  50. 前記多値識別部は、予め定められた所定の期間において入力される前記多値信号の多値数に基づいて、前記多値信号を識別するための閾値を切り替える、請求項47に記載のデータ受信装置。
  51. 前記多値信号に対応する所定の同期信号を再生する同期信号発生部と、
    前記同期信号に基づいて、前記多値識別部における閾値を変更する多値識別制御信号とを出力する多値識別制御部をさらに備える、請求項50に記載のデータ受信装置。
  52. 前記多値復号化部は、少なくともいずれかの前記所定期間において、2値の前記多値信号の識別を行う、請求項50または51に記載のデータ受信装置。
  53. データ送信装置とデータ受信装置とが暗号通信を行うデータ通信装置であって、
    前記データ送信装置は、
    予め定められた所定の第1の鍵情報と情報データとを入力し、信号レベルが略乱数的に変化する第1の多値信号を発生する多値符号化部と、
    前記第1の多値信号に基づいて、所定の変調形式の変調信号を発生する変調部とを備え、
    前記多値符号化部は、
    前記第1の鍵情報から信号レベルが略乱数的に変化する第1の多値符号列を発生する第1の多値符号発生部と、
    所定の処理に従って、前記第1の多値符号列と前記情報データとを合成し、両信号レベルの組み合わせに対応したレベルを有する前記第1の多値信号に変換する多値処理部とを含み、
    前記第1の多値符号発生部は、前記第1の多値符号列の信号点間距離を略均等に設定し、
    前記データ受信装置は、
    所定の変調形式の変調信号を復調し、第2の多値信号を出力する復調部と、
    予め定められた所定の第2の鍵情報と前記第2の多値信号とを入力し、情報データを出力する多値復号化部とを備え、
    前記多値復号化部は、
    前記第2の鍵情報から信号レベルが略乱数的に変化する第2の多値符号列を発生する第2の多値符号発生部と、
    前記第2の多値符号列に基づいて前記第2の多値信号を識別し、前記情報データを出力する多値識別部とを含む、データ通信装置。
  54. 前記多値信号の信号点間距離は、当該多値信号に含まれる情報データの振幅よりも小さい、請求項53に記載のデータ通信装置。
  55. 前記多値信号の最大振幅は、当該多値信号に含まれる情報データの振幅の2倍以上である、請求項53に記載のデータ通信装置。
  56. 所定の疑似乱数列に基づいて、前記情報データのビット反転を行い、当該ビット反転された情報データを前記多値符号化部に出力するデータ反転部をさらに備える、請求項53に記載のデータ通信装置。
  57. 前記多値符号列と前記情報データとの変化レートは、互いに一致する、請求項53に記載のデータ通信装置。
  58. 前記情報データは、2値信号である、請求項53に記載のデータ通信装置。
  59. 前記多値処理部は、前記所定の処理として、前記多値符号列を基準レベルとして、前記多値符号列に前記情報データを加算することで、前記多値信号を生成する、請求項53に記載のデータ通信装置。
  60. 前記多値処理部は、前記所定の処理として、前記多値符号列を基準レベルとして、前記多値符号列を前記情報データに応じてレベル制御することで、前記多値信号を生成する、請求項53に記載のデータ通信装置。
  61. 前記変調信号は、電磁界を前記多値信号で変調して生成される、請求項53に記載のデータ通信装置。
  62. 前記変調信号は、光波を前記多値信号で変調して生成される、請求項53に記載のデータ通信装置。
  63. 前記光波は、コヒーレント光である、請求項62に記載のデータ通信装置。
  64. 前記多値符号化部と前記変調部との間に接続され、前記多値信号に所定の雑音を重畳して、雑音重畳多値信号として前記変調部に出力する雑音制御部をさらに備える、請求項53に記載のデータ通信装置。
  65. 前記雑音制御部は、
    所定の雑音を発生する雑音発生部と、
    前記雑音と前記多値信号とを重畳する合成部とを含む、請求項64に記載のデータ通信装置。
  66. 前記多値符号化部は、
    前記雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、前記多値信号の信号点間距離を配分する、請求項64に記載のデータ通信装置。
  67. 前記多値符号化部は、
    前記雑音重畳多値信号において、隣り合う2つの信号点間で算出される信号対雑音電力比が略等しくなるように、前記多値信号の信号点間距離を非均等、または非線形に配分する、請求項64に記載のデータ通信装置。
  68. 前記多値符号化部と前記変調部との間に接続され、前記多値信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備える、請求項53に記載のデータ通信装置。
  69. 前記情報データを所定の手段で波形等化し、当該波形等化された情報データを前記多値符号化部に出力する等化部をさらに備える、請求項53に記載のデータ通信装置。
  70. 前記多値符号化部は、前記多値符号発生部と前記多値処理部との間に接続され、前記多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備える、請求項53記載のデータ通信装置。
  71. 前記変調信号を所定の手段で波形等化する等化部をさらに備える、請求項53に記載のデータ通信装置。
  72. 前記等化部は、ローパスフィルタである、請求項68〜71のいずれかに記載のデータ通信装置。
  73. 前記ローパスフィルタは、入力される信号の内、当該信号帯域の1/2以下の信号成分を濾波する、請求項72に記載のデータ通信装置。
  74. 前記等化部は、入力される信号から、当該信号に含まれる直流成分を遮断するハイパスフィルタである、請求項68〜71のいずれかに記載のデータ通信装置。
  75. 前記等化部は、入力される信号から、所定の周波数帯域の信号成分を濾波するバンドパスフィルタである、請求項68〜71のいずれかに記載のデータ通信装置。
  76. データ送信装置とデータ受信装置とが暗号通信を行うデータ通信装置であって、
    前記データ送信装置は、
    予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、
    前記多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、
    前記第1の変調信号と情報データとを入力し、前記情報データに基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、
    前記多値符号発生部の後段に接続され、前記多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備え、
    前記データ受信装置は、
    所定の変調形式の変調信号を復調し、第2の多値信号を出力する復調部と、
    予め定められた所定の第2の鍵情報と前記第2の多値信号とを入力し、情報データを出力する多値復号化部とを備え、
    前記多値復号化部は、
    前記第2の鍵情報から信号レベルが略乱数的に変化する第2の多値符号列を発生する第2の多値符号発生部と、
    前記第2の多値符号列に基づいて前記第2の多値信号を識別し、前記情報データを出力する多値識別部とを含む、データ通信装置。
  77. データ送信装置とデータ受信装置とが暗号通信を行うデータ通信装置であって、
    前記データ送信装置は、
    予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、
    情報データを入力し、当該情報データに基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、
    前記第1の変調信号と前記多値符号列とを入力し、前記多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、
    前記多値符号発生部の後段に接続され、前記多値符号列を所定の手段で波形等化する等化部とを備え、
    前記データ受信装置は、
    所定の変調形式の変調信号を復調し、第2の多値信号を出力する復調部と、
    予め定められた所定の第2の鍵情報と前記第2の多値信号とを入力し、情報データを出力する多値復号化部とを備え、
    前記多値復号化部は、
    前記第2の鍵情報から信号レベルが略乱数的に変化する第2の多値符号列を発生する第2の多値符号発生部と、
    前記第2の多値符号列に基づいて前記第2の多値信号を識別し、前記情報データを出力する多値識別部とを含む、データ通信装置。
  78. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記多値符号化部の前段に接続され、前記振幅制御信号に基づいて、前記情報データに振幅変調を施して、前記多値符号化部に出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項53に記載のデータ通信装置。
  79. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記多値符号化部と前記変調部との間に挿入され、前記振幅制御信号に基づいて、前記多値信号に振幅変調を施して、前記変調部に出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項53に記載のデータ通信装置。
  80. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記変調部の後段に接続され、前記振幅制御信号に基いて、前記変調信号に所定形式の変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項53に記載のデータ通信装置。
  81. 前記振幅変調部は、前記変調信号に振幅変調又は強度変調を施す、請求項80に記載のデータ通信装置。
  82. データ送信装置とデータ受信装置とが暗号通信を行うデータ通信装置であって、
    前記データ送信装置は、
    予め定められた所定の鍵情報から、値が略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、
    前記多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、
    情報データを入力し、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部と、
    前記第1の変調信号と前記第2の変調信号とを合波する合波部とを備え、
    前記データ受信装置は、
    所定の変調形式の変調信号を復調し、第2の多値信号を出力する復調部と、
    予め定められた所定の第2の鍵情報と前記第2の多値信号とを入力し、情報データを出力する多値復号化部とを備え、
    前記多値復号化部は、
    前記第2の鍵情報から信号レベルが略乱数的に変化する第2の多値符号列を発生する第2の多値符号発生部と、
    前記第2の多値符号列に基づいて前記第2の多値信号を識別し、前記情報データを出力する多値識別部とを含む、データ通信装置。
  83. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記第2の変調部の前段に挿入され、前記振幅制御信号に基づいて、前記情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項82に記載のデータ通信装置。
  84. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記第1の変調部の前段に挿入され、前記振幅制御信号に基づいて、前記多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項82に記載のデータ通信装置。
  85. データ送信装置とデータ受信装置とが暗号通信を行うデータ通信装置であって、
    前記データ送信装置は、
    予め定められた所定の鍵情報から、信号レベルが略乱数的に変化する多値符号列を発生する多値符号発生部と、
    前記多値符号列に基づいて、所定の変調形式の第1の変調信号を発生する第1の変調部と、
    情報データを入力し、前記第1の変調信号を前記情報データで変調して、所定の変調形式の第2の変調信号を発生する第2の変調部とを備え、
    前記データ受信装置は、
    所定の変調形式の変調信号を復調し、第2の多値信号を出力する復調部と、
    予め定められた所定の第2の鍵情報と前記第2の多値信号とを入力し、情報データを出力する多値復号化部とを備え、
    前記多値復号化部は、
    前記第2の鍵情報から信号レベルが略乱数的に変化する第2の多値符号列を発生する第2の多値符号発生部と、
    前記第2の多値符号列に基づいて前記第2の多値信号を識別し、前記情報データを出力する多値識別部とを含む、データ通信装置。
  86. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記第2の変調部の前段に挿入され、前記振幅制御信号に基づいて、前記情報データに振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項85に記載のデータ通信装置。
  87. 予め定められた所定の振幅制御鍵情報から、値が略乱数的に変化する振幅制御信号を発生する振幅制御信号発生部と、
    前記第1の変調部の前段に挿入され、前記振幅制御信号に基づいて、前記多値符号列に振幅変調を施して、出力する振幅変調部とをさらに備える、請求項85に記載のデータ通信装置。
  88. 前記多値符号化部の前段に接続され、複数の前記情報データからなる情報データ群を、所定の処理に従って任意の進数に符号化し、N進符号化信号として前記多値符号化部に出力するN進符号化部をさらに備える、請求項53に記載のデータ通信装置。
  89. 前記N進符号化部は、前記情報データ群を任意の進数に符号化するのに、前記複数の情報データによる論理の組み合わせによって、前記N進符号化信号の多値レベルを変動させる、請求項88に記載のデータ通信装置。
  90. 前記N進符号化部は、前記鍵情報に基づいて、前記情報データ群から前記N進符号化信号を出力する、請求項88に記載のデータ通信装置。
  91. 前記N進符号化部は、前記鍵情報とは異なる鍵情報に基づいて、前記情報データ群から前記N進符号化信号を出力する、請求項88に記載のデータ通信装置。
  92. 前記多値符号化部は、予め定められた所定の期間ごとに、予め定められた複数の多値数のうち、いずれか1つの多値数の前記多値信号を発生する、請求項53に記載のデータ通信装置。
  93. 前記多値信号に対応する所定の同期信号を出力する同期信号発生部と、
    前記同期信号に基づいて、前記多値数を指示する多値処理制御信号を出力する多値処理制御部とをさらに備える、請求項92に記載のデータ通信装置。
  94. 前記多値符号化部は、少なくともいずれかの前記所定の期間において、2値の多値信号を出力する、請求項92または93に記載のデータ通信装置。
  95. 前記多値符号化部は、前記2値の多値信号を、前記複数の多値数のうち、最大の多値数の多値信号の振幅以上の振幅にして、前記2値の多値信号を出力する、請求項94に記載のデータ通信装置。
  96. 前記多値符号化部は、前記情報データを前記2値の多値信号として出力する、請求項94に記載のデータ通信装置。
  97. 前記多値数に応じて、前記情報データ、前記多値符号列、または前記多値信号の転送レートを変更する、請求項93に記載のデータ通信装置。
  98. 前記多値数が小さくなるにつれて、前記情報データ、前記多値符号列、または前記多値信号の転送レートを大きくする、請求項97に記載のデータ通信装置。
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