JPWO2005103727A1 - 加速度センサ - Google Patents

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吉晃 幸谷
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英児 加古
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知彦 長尾
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Abstract

加速度センサ1は、片持梁状をなし、その固定端221を中心として回動するように弾性変形するカンチレバー22と、カンチレバー22の自由端222に設けた磁石体21と、カンチレバー22の回動領域の外周側に配置された磁気検出ヘッド部23を有するものである。カンチレバー22は、互いに逆向きの磁化方向を呈する第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを保持している。第1の磁石体21a及び上記第2の磁石体21bは、それぞれ、一又は複数の単位磁石体からなる。

Description

本発明は、磁気検出素子を利用した加速度センサに関する。
従来、加速度センサとしては、例えば、作用する加速度に応じて変位する磁石体と、該磁石体が発生する磁界の変化を検出する磁気検出素子とを組み合わせたものがある。この加速度センサでは、上記磁気検出素子が検出する磁界強度の変化に基づいて磁石体の変位量、すなわち作用した加速度の大きさを計測する(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−258449号公報
しかしながら、上記従来の加速度センサでは、次のような問題がある。すなわち、上記加速度センサでは、地磁気等の周辺磁界が上記磁石体に作用すると、この磁石体が方位磁石の針のごとく振る舞い、加速度とは無関係に変位するおそれがある。特に、この傾向は、微小な磁石体と低弾性のカンチレバーとを組み合わせて小型に構成した加速度センサほど顕著である。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、磁気検出素子を用いて磁石体の変位を計測する加速度センサにおいて、周辺磁界の影響を抑制して計測精度を向上した加速度センサを提供しようとするものである。
本発明は、片持梁状をなし、基板上に立設された支持部材に固定された固定端を中心として回動するように弾性変形するカンチレバーと、該カンチレバーの自由端に設けた磁石体と、上記カンチレバーの回動領域の外周側に配置された磁気検出ヘッド部とを有する加速度センサにおいて、
上記磁石体は、互いに逆向きの磁化方向を有する第1の磁石体と第2の磁石体とからなり、
上記第1の磁石体及び上記第2の磁石体は、それぞれ、一又は複数の単位磁石体からなることを特徴とする加速度センサにある。
本発明の加速度センサにおける上記磁石体は、上記のごとく、上記カンチレバーに保持された上記第1の磁石体と上記第2の磁石体とからなる。そして、上記加速度センサの上記カンチレバーは、上記第1の磁石体と上記第2の磁石体とが逆向きの磁化方向を呈するように両磁石体を保持している。そのため、上記第1の磁石体及び上記第2の磁石体は、互いに逆向きの磁気モーメントを有している。なお、この磁気モーメントとは、各磁石体の磁極の強さと磁極間距離との積であり、方向性を有するものである。そして、互いに逆向きの磁気モーメントを有する上記第1及び上記第2の磁石体に地磁気等の周辺磁界が作用すると、磁気モーメントに応じてトルクが発生する。このトルクは、例えば、方位磁石の針を回転させる回転力と同様のものであり、上記磁気モーメントの向きに依存した方向性を有する。
上記カンチレバーに保持した上記磁石体にトルクが発生すると、上記カンチレバーに弾性的な変形が生じ、上記磁石体に変位を生じるおそれがある。ここで、上記カンチレバーは、上記磁石体に生じるトルクの向きに応じた所定の方向に弾性変形を生じる。したがって、上記磁石体に作用するトルクの向きが逆向きであれば、磁石体の変位方向も逆になる。
本発明の加速度センサでは、周辺磁界の作用により上記第1の磁石体及び上記第2の磁石体に逆方向のトルクが発生する。そのため、上記第1の磁石体と上記第2の磁石体との組み合わせにより、上記カンチレバーに発生する弾性的な変形を効果的に抑制できる。上記第1の磁石体に生じたトルクによるカンチレバーの変形方向と、上記第2の磁石体に生じたトルクによるカンチレバーの変形方向とが逆となり、相互に打ち消し合うように作用するからである。それ故、上記加速度センサでは、周辺磁界の影響により上記磁石体が変位するおそれが少ない。
さらに、上記磁石体は、逆向きの磁化方向を呈する上記第1の磁石体と上記第2の磁石体とを組み合わせたものである。そのため、上記第1の磁石体の磁力線と上記第2の磁石体の磁力線との結びつきにより、上記磁石体の周囲には閉ループ状の磁界が形成される。それ故、本発明の加速度センサは、周囲への磁束の漏洩が少なく、電磁波ノイズの発生源となるおそれが少ない。
以上のように、本発明の加速度センサにおける上記磁石体は、地磁気等の周辺磁界中に置かれたときでも上記磁石体が変位するおそれが少ない。それ故、この磁石体を利用した加速度センサは、計測精度の優れたものとなる。また、上記加速度センサは、周囲への磁束の漏洩が少なく、電子回路への搭載性に優れたものである。なお、上記加速度センサで計測し得る加速度としては、重力加速度と、運動加速度とがある。
実施例1における、加速度センサを示す斜視図。 実施例1における、磁気検出ヘッド部を示す正面図。 実施例1における、磁気検出ヘッド部の断面構造を示す断面図。 実施例1における、磁気センシング部を説明する斜視図。 実施例1における、電磁コイルを説明する斜視図。 実施例1における、加速度センサ内部のICチップの電気回路を示す等価回路図。 実施例1における、アモルファスワイヤに通電するパルス電流と、電磁コイルに発生する誘起電圧との関係を示すグラフ。 実施例1における、加速度センサ内部のICチップの電気回路を示す回路図。 実施例1における、検知ユニットの磁石体の構成を示す説明図。 参考例における、検知ユニットの磁石体の構成を示す説明図。 実施例2における、磁石体の構成その1を示す説明図。 実施例2における、磁石体の構成その2を示す説明図。 実施例2における、磁石体の構成その3を示す説明図。 実施例2における、磁石体の構成その4を示す説明図。 実施例2における、磁石体の構成その5を示す説明図。 実施例2における、磁石体の構成その6を示す説明図。 実施例2における、磁石体の構成その7を示す説明図。 実施例2における、磁石体の構成その8を示す説明図。 実施例3における、加速度センサを示す斜視図。 実施例3における、その他の加速度センサを示す斜視図。 実施例4における、加速度センサを示す斜視図。 実施例5における、加速度センサを示す斜視図。 実施例5における、加速度感知部品を示す斜視図。 実施例5における、支持部材を示す斜視図。 実施例5における、加速度感知部品の製造方法を示す断面説明図。 実施例5における、図24に続く加速度感知部品の製造方法の断面説明図。 実施例5における、図25に続く加速度感知部品の製造方法の断面説明図。 実施例5における、図26に続く加速度感知部品の製造方法の断面説明図。 実施例5における、加速度感知部品を示す断面図。 実施例6における、加速度感知部品を示す斜視図。 実施例6における、加速度感知部品を示す断面図。 実施例7における、加速度感知部品を示す斜視図。 実施例7における、他の加速度感知部品を示す斜視図。 実施例8における、試験方法を示す説明図。 実施例8における、長さLの異なる3種類の磁石体についての測定結果を示す線図。 実施例8における、高さHの異なる3種類の磁石体についての測定結果を示す線図。 実施例8における、幅Wの異なる3種類の磁石体についての測定結果を示す線図。 実施例8における、磁束密度比Bx/B0が0.95を確保するための磁石体の長さLと非磁化領域の長さGとの関係を示す線図。 実施例9における、加速度センサを示す斜視図。 実施例9における、減算回路を組み込んだ電子回路の説明図。 実施例10における、差動型MI素子の平面図。 実施例10における、差動型MI素子の部分斜視図。 実施例10における、カンチレバーと差動型MI素子との位置関係を示す説明図。 図40のB−B線矢視断面図。 実施例10における、差動型MI素子の周辺磁界と出力電圧との関係を示す線図。 実施例10における、差動型MI素子を組み込んだ電子回路図。 実施例11における、差動型MI素子の平面図。 実施例12における、差動型MI素子の平面図。 図47のC−C線矢視断面図。 実施例13における、カンチレバーの平面図。 図49のD−D線矢視断面図。 実施例13における、フレーム部の断面説明図。 実施例13における、フレーム部の他の断面説明図。
本発明における加速度センサの用途としては、様々な用途がある。例えば、自動車や、自立移動ロボットの運動情報を計測するのに用いたり、設置型ロボットのロボットアーム等のマニュピュレータの制御用に用いることができる。さらには、PDAや携帯電話等の携帯機器に搭載することもできる。特に、電気回路の集積度の高いPDAや携帯電話等の場合には、電磁波ノイズによる悪影響が顕在化するおそれが高いため、本発明の加速度センサが特に有効となる。
また、本発明の上記磁気検出ヘッド部は、ホール素子、磁気インピーダンス素子、磁気抵抗素子、フラックスゲート等の磁気検出用の素子等を用いて構成することができる。さらに、上記磁石体は、フェライト、希土類磁石等により形成することができる。
なお、上記「固定端を中心として回動する」とは、カンチレバーが撓むことにより、カンチレバーの自由端が変位し角度変化することを意味する。
また、上記第1の磁石体の磁気モーメントの大きさと、上記第2の磁石体の磁気モーメントの大きさとは、略等しいことが好ましい。
この場合には、上記第1の磁石体及び上記第2の磁石体に周辺磁界が作用したとき、相互に逆向きであって略等しい大きさのトルクを発生させることができる。したがって、上記磁石体を保持する上記カンチレバーの弾性変形を抑制でき、上記磁石体の変位をさらに抑制することができる。
また、上記第1の磁石体或いは上記第2の磁石体を構成する上記各単位磁石体は、他の単位磁石体と隣接して隙間なく配置してあることが好ましい。
この場合には、上記各単位磁石体を、他の単位磁石体と接触させた状態で配設することで、互いの磁束の結合がさらに強くなり、その周囲に閉ループ状の磁界を形成できる。それ故、磁束の漏洩範囲を極めて小さくすることができる。
例えば、複数のカンチレバー及び磁気検出ヘッド部を相互に近付けて配設したときの磁気的な相互干渉を抑制できる。それ故、2軸或は3軸の加速度センサを極めて小型のモジュールとしてパッケージングすることができる。
また、上記第1の磁石体と上記第2の磁石体との間には、非磁化領域が介在していてもよい。
この場合には、上記磁石体から多くの磁束を広い範囲で発生させることができるため、上記磁気検出ヘッド部における磁束の検知が容易となる。これにより、カンチレバーの変位を磁気検出ヘッド部により検出し易くなり、感度の高い加速度センサを得ることができる。
なお、上記非磁化領域は、例えば、磁化されていない樹脂等のいわゆる「非磁性材料」を非磁化部材として配置してもよいし、特に部材を配置することなく「非磁性」である空気によって構成することもできる。また、上記非磁化領域に配置する非磁化部材は、第1の磁石体及び第2の磁石体によって生じる磁界あるいは地磁気等の周辺磁界下において、非磁性材料と同様な挙動を示すものであればよく、例えば、配向・着磁により磁化されていない磁石用材料を用いることもできる。
また、上記非磁化領域の長さGと、該非磁化領域に隣接する上記単位磁石体の長さLとは、
G≧0.38L+0.16mm
の関係を有することが好ましい。
この場合には、上記磁石体が、より多くの磁束を効率良くより広い範囲で形成することができる。
ここで、上記長さG及び長さLは、第1の磁石体と第2の磁石体との配列方向に沿った長さである。
上記長さGがG<0.38L+0.16mmの場合には、上記非磁化領域を形成することによる効果を充分に得ることが困難となり、カンチレバーの変位の検出容易化が困難となるおそれがある。
また、上記非磁化領域の長さGは、例えば0.6mm以下であることが好ましい。上記長さGが0.6mmを超えると、カンチレバーにおける磁石体の形成領域を確保することが困難となり、カンチレバーの小型化が困難となるおそれがある。
また、上記加速度センサは、上記第1の磁石体と上記第2の磁石体との互いの位置関係を固定するための固定手段を有することが好ましい。
この場合には、地磁気等の周辺磁界によって上記第1の磁石体と第2の磁石体に互いに反対方向のトルクがかかっても、両者が固定されていることにより、カンチレバーが変形することを防ぐことができる。
カンチレバー自体は、変形しやすさが必要とされており、カンチレバーに対する磁石体の配置方法、カンチレバーの材質、形状、磁石体の材質、形状等によっては、加速度センサの検出精度を確保することが困難となるおそれがある。即ち、カンチレバーに、単に互いに逆向きの磁化方向を有する第1の磁石体と第2の磁石体とを配置するのみでは、両磁石体に反対方向の回転トルクが働くことによって、第1の磁石体と第2の磁石体の間を中心にカンチレバーが変形してしまう場合がある。この場合には、加速度が無い状態でも、地磁気等の周辺磁界によりカンチレバーの変位が生じ、見かけ上加速度が検出され、センサの誤差となる。
そこで、上記構成をとることにより、このセンサの誤差を大幅に低減できる。
また、上記固定手段は、上記第1の磁石体と上記第2の磁石体とを一体化する手段であることが好ましい。
この場合には、第1の磁石体と第2の磁石体とが充分な剛性をもって一体化されていることにより、第1の磁石体と第2の磁石体に互いに反対方向のトルクがかかっても、この互いに反対方向のトルクがカンチレバーにかかることを防ぎ、その変形を防ぐことができる。
なお、上記第1の磁石体と第2の磁石体との間に非磁化部材を介在させる場合には、この非磁化部材をも、上記第1の磁石体及び第2の磁石体と一体化させる。
また、上記第1の磁石体と上記第2の磁石体とは、一体の磁石用材料からなるものであってもよい。
この場合には、互いに反対方向のトルクがカンチレバーにかかることを確実に防ぐことができる。
また、この場合、上記第1の磁石体と上記第2の磁石体とは、例えば、未着磁の状態の上記一体の磁石用材料の一端と他端とを、それぞれ互いに反対の磁化方向となるように着磁することにより得ることができる。また、上記磁石用材料の一端と他端との間の中間部分を着磁しないことにより、非磁化領域を得ることができる。
なお、この非磁化領域は多少の磁化を避けることができない場合もあるが、上記非磁化領域を形成することによる、磁石体の周囲の空間に多くの磁束を広い範囲で発生させる効果(磁気検出ヘッド部における磁束密度向上の効果)に特に影響を与えない程度であれば、上記多少の磁化は無視できるものとする。
また、上記固定手段は、上記カンチレバーのうち少なくとも上記第1の磁石体の固定部から上記第2の磁石体の固定部までの磁石固定領域の剛性を、該磁石固定領域より上記カンチレバーにおける上記固定端側の部分の剛性よりも大きくする手段であってもよい。
この場合には、上記磁石体による反対方向のトルクがカンチレバーにかかっても、これに対する剛性を充分に持たせることにより、カンチレバーの変形を防ぐことができる。
特に、カンチレバーにおいて、少なくとも磁石体が配置されトルクの影響を受ける領域、すなわち、磁石固定領域の剛性を向上させることで、カンチレバーの変形を防ぎつつ、該磁石固定領域より上記カンチレバーにおける上記固定端側の部分は、本来の変形しやすさを持たせるため低い剛性とすることで、加速度に対して大きな変位を得る。これにより、地磁気等の周辺磁界に対して反応しない優れた加速度センサを提供することができる。
さらに、磁石固定領域の剛性を増すために、カンチレバーの厚みを増加させた場合は、上記効果の他に、カンチレバーの自由端における錘の役目を果たす磁石固定領域の質量を増すことができるため、同じ加速度に対してのカンチレバーの自由端の変位量が増加する。それによって、同じ加速度に対する出力を大きくすることができ、加速度センサの感度を高くできる。
また、上記カンチレバーは、平板状を呈し、その両側面が面する方向に上記自由端が変位するように構成してあり、上記第1の磁石体と上記第2の磁石体とは、上記カンチレバーの両側面のうちの一方に、上記カンチレバーにおける上記固定端から上記自由端に向かう軸方向と略直交する方向に隣接して配置してあることが好ましい。
上記第1の磁石体と上記第2の磁石体とを、上記カンチレバーの軸方向に略直交する方向に沿って隣接して配置した場合には、各磁石体から上記カンチレバーの固定端までの距離が等しくなる。そのため、周辺磁界中に上記各磁石体が置かれたときに、各磁石体に生じるトルクによる影響を効果的に相殺することができる。それ故、上記カンチレバーの自由端が、その両側面が面する方向に弾性変形するおそれを抑制できる。
また、上記第1の磁石体及び上記第2の磁石体のうちの少なくとも一方は、2個以上の複数の単位磁石体より構成されており、該単位磁石体が、上記各磁石体のうち異なる磁石体を構成する上記単位磁石体と隣り合わせて配置されていることが好ましい。
この場合には、上記各磁石体を構成する上記単位磁石体を互い違いに配置することで、上記各単位磁石体の磁気モーメントに周辺磁場が作用して生じるトルクを分散できる。それ故、このトルクによって上記カンチレバーに生じる変位を一層、抑制することができる。さらに、上記各磁石体を構成する上記単位磁石体を互い違いに配置することで、上記閉ループ状の磁界をさらに小さくすることができる。
また、上記カンチレバーは、平板状を呈し、その両側面が面する方向に上記自由端が変位するように構成してあり、第1の磁石体と上記第2の磁石体とは、上記カンチレバーを挟んで対面するように上記両側面にそれぞれ配置してあることが好ましい。
この場合には、上記カンチレバーを挟んで上記第1の磁石体と上記第2の磁石体とを対向して配置すれば、上記第1の磁石体によるトルクと、上記第2の磁石体によるトルクとを均衡させることができる。それ故、周辺磁界の影響により上記カンチレバーに生じる変位をさらに抑制することができる。
さらに、上記カンチレバーの両側に質量体としての上記各磁石体を配置すれば、そのバランスが良好となる。そのため、上記磁石体の配設による上記カンチレバーの捩じれを抑制できる。カンチレバーの捩じれを抑制できれば、加速度センサのゼロ点ずれや、感度の変化を抑制できる。
また、上記磁気検出ヘッド部は、作用する磁界の大きさに応じて特性が変化する感磁体と該感磁体の外周側に巻回した電磁コイルとを含み、上記感磁体に通電する電流の変化に伴い上記電磁コイルの両端に上記磁界の大きさに応じた電位差を発生するマグネト・インピーダンス・センサ素子(以下、適宜「MI素子」という)よりなることが好ましい。
なお、上記電磁コイルは、上記のごとくMI素子に作用する磁界の特定方向の大きさを検出するための検出コイルである。
ここで、上記感磁体に通電する電流の変化に応じて電磁コイルに誘起電圧を生じる現象は、MI現象と呼ばれるものである。このMI現象は、供給する電流方向に対して周回方向に電子スピン配列を有する磁性材料からなる感磁体について生じるものである。この感磁体の通電電流を急激に変化させると、周回方向の磁界が急激に変化し、その磁界変化の作用によって周辺磁界に応じて電子のスピン方向の変化が生じる。そして、その際の感磁体の内部磁化及びインピーダンス等の変化が生じる現象が上記のMI現象である。
そして、MI素子とは、供給する電流方向に対して周回方向に電子スピン配列を有する磁性材料からなる感磁体を利用したものである。この感磁体の通電電流を急激に変化させると、周回方向の磁界が急激に変化し、その磁界変化の作用によって周辺磁界に応じて電子のスピン方向の変化が生じる。そして、その際の感磁体の内部磁化及びインピーダンス等の変化を感磁体に生じる電圧もしくは電流又は、感磁体の外周に配置した電磁コイルの両端に発生する電圧もしくは電流等に変換するよう構成した素子が上記のMI素子である。そして、例えば、このMI素子と電子回路とを組み合わせたものがMIセンサと呼ばれるものである。
そして、上記感磁体に通電する電流の変化に応じて上記電磁コイルの両端に電位差を発生するMI素子により上記磁気検出ヘッド部を構成した場合には、高感度な磁気検出が可能となり、精度良く上記磁石体の変位を検出することができる。なお、上記感磁体としては、例えば、線状に形成したものや、薄膜状に形成したものがある。また、上記感磁体の材質としては、FeCoSiB、NiFe等がある。
また、上記磁気検出ヘッド部は、上記感磁体に通電する電流を10ナノ秒以内に立ち上げたとき、或いは、立ち下げたときに、上記電磁コイルの両端に発生する誘起電圧の大きさを計測することで作用する磁界強度を計測し得るように構成されていることが好ましい。
この場合には、上記のような急激な通電電流の変化により、上記感磁体について、電子スピン変化の伝播速度に近い速度に見合う周回方向の磁場変化を生じさせることができ、それにより十分なMI現象を発現させることができる。
そして、10ナノ秒以下で通電電流の立ち上げあるいは立ち下げを実施すれば、およそ0.1GHzの高周波成分を含む電流変化を上記感磁体に作用することができる。そして、上記電磁コイルの両端に発生する誘起電圧を計測すれば、周辺磁界に応じて上記感磁体に生じる内部磁界変化を、上記誘起電圧の大きさとして計測でき、さらに精度良く周辺磁界の強度を計測することができる。ここで、通電電流の立ち上げあるいは立ち下げとは、例えば、上記磁気インピーダンス素子に通電する電流の電流値を、定常電流値の10(90)%以上から90(10)%以下に変化させることをいう。
また、上記磁気検出ヘッド部は、上記感磁体に通電する電流を立ち下げたときに上記電磁コイルの両端に発生する誘起電圧を計測するように構成されていることが好ましい。
通電電流を立ち上げる場合に比べて、通電電流を急激に立ち下げる場合は、磁界の強さに対して上記磁気検出ヘッド部の出力電圧の直線性が良好になる。
また、上記加速度センサは、上記磁気検出ヘッド部に作用する周辺磁界を検出する周辺磁界検出部を有し、該周辺磁界検出部は、作用する磁界の大きさに応じて特性が変化する感磁体と該感磁体の外周側に巻回した電磁コイルとを含み、上記感磁体に通電する電流の変化に伴い上記電磁コイルの両端に上記磁界の大きさに応じた電位差を発生するMI素子よりなることが好ましい。
この場合には、上記周辺磁界検出部によって、上記磁気検出ヘッド部に作用する上記周辺磁界の影響を検出することができる。これにより、上記磁気検出ヘッド部における出力から、周辺磁界の影響分を補正して、より精確な加速度を計測することができる。
また、上記加速度センサは、上記磁気検出ヘッド部の出力電圧から上記周辺磁界検出部の出力電圧を減算する減算回路を有することが好ましい。
この場合には、上記磁気検出ヘッド部における出力から、周辺磁界の影響分の出力を、上記減算回路上で差引くことができるため、容易かつ正確に加速度を検出することができる。
また、上記加速度センサは、上記感磁体を互いに平行に配置した上記磁気検出ヘッド部及び上記周辺磁界検出部とを有し、上記磁気検出ヘッド部における上記電磁コイルの一端は、上記周辺磁界検出部における上記電磁コイルの一端と接続されており、上記磁気検出ヘッド部における上記電磁コイルと上記周辺磁界検出部における上記電磁コイルとは、上記磁気検出ヘッド部と上記周辺磁界検出部とのそれぞれに同じ磁界が作用したときに上記磁気検出ヘッド部と上記周辺磁界検出部とに逆向きの出力電圧が生じるような向きに巻回されていることが好ましい。
この場合には、より簡易な構成にて、周辺磁界の影響を補正することができ、精確な加速度を検出することができる。
また、上記構成によれば、周辺磁界が大きい場合にも、充分に補正することが可能である。即ち、MI素子を用いて周辺磁界を検出する場合、直接検出できる周辺磁界の大きさの範囲が限られる。特に、検出感度を高めると検出可能な周辺磁界の大きさの範囲が狭くなる。その結果、MI素子からなる周辺磁界検出部において出力信号を出した上で、磁気検出ヘッド部の出力から、周辺磁界検出部の出力を減算して補正する場合には、補正可能な周辺磁界の大きさが限られてしまう。
これに対し、上記の構成によれば、周辺磁界が上記磁気検出ヘッド部と上記周辺磁界検出部との双方に作用したとき逆向きの出力電圧が生じるように配線されている。そのため、両出力が打ち消しあって、周辺磁界に対応する出力電圧を充分に抑制した状態で、磁石体による磁界に対応する電圧のみを出力することとなる。それ故、周辺磁界の大きさに関わらず、精確な加速度を検出することができる。
かかる作用効果は、カンチレバーの磁石体の微小変位に基づく磁界の微小変化を、感度の高いMI素子によって検出する構成において、極めて重要な意味を有する。
また、上記磁気検出ヘッド部の上記感磁体と上記周辺磁界検出部の上記感磁体とは一直線上に配置することができる。
この場合には、磁気検出ヘッド部と周辺磁界検出部との間の回路を簡易な構成にすることができる。
また、上記磁気検出ヘッド部の上記感磁体と上記周辺磁界検出部の上記感磁体とは並列配置することもできる。
この場合には、カンチレバーと磁気検出ヘッド部と周辺磁界検出部とをコンパクトに配置することができる。
また、上記磁気検出ヘッド部の上記感磁体と上記周辺磁界検出部の上記感磁体とは一体化されていることが好ましい。
この場合には、加速度センサの小型化、組立部品点数の削減を図ることができる。また、磁気検出ヘッド部と周辺磁界検出部とにおける感磁体の特性のバラツキを防ぎ、検出精度の高い加速度センサを得ることができる。
また、上記加速度センサは、上記カンチレバーと、上記磁石体と、上記磁気検出ヘッド部とを含む検知ユニットを2基有し、該各検知ユニットは、互いに直交する2軸方向に沿って作用する加速度をそれぞれ検出するように構成してあることが好ましい。
この場合には、上記2基の検知ユニットの組み合わせにより、上記2軸で規定される平面の任意の方向の加速度を検出することができる。
また、上記加速度センサは、上記カンチレバーと、上記磁石体と、上記磁気検出ヘッド部とを含む検知ユニットを3基有し、該各検知ユニットは、互いに直交する3軸方向に沿って作用する加速度をそれぞれ検出するように構成してあることが好ましい。
この場合には、上記3基の検知ユニットの組み合わせにより、上記3軸で規定される空間内の任意の方向の加速度を検出することができる。
ここで、2基又は3基の検知ユニットを有する加速度センサでは、各検知ユニットを近付けて配置できる。それ故、各検知ユニットの配設位置等の違いによる、例えば、作用する周辺磁界のばらつき等に起因した計測誤差を抑制して、加速度を計測する精度を高めることができる。
また、上記加速度センサは、上記磁気検出ヘッド部を制御するための電気回路を有することが好ましい。
この場合には、磁気検出ヘッド部を制御する上記電気回路を含む上記加速度センサをコンパクトに構成することができる。
また、上記加速度センサは、上記磁気検出ヘッド部の出力信号を補正するための周辺磁界検出ユニットを有することが好ましい。
上記磁気検出ヘッド部に作用する磁界には、上記磁石体が発生する磁界のみならず、地磁気等の周辺磁界による成分が含まれる。そのため、上記周辺磁界検出ユニットを利用して、地磁気等の周辺磁界の強度を別途、検出すれば、これにより上記磁気検出ヘッド部の出信号を補正できる。
また、上記加速度センサは、上記周辺磁界検出ユニットを制御するための電気回路を有することが好ましい。
この場合には、周辺磁界検出ユニットを制御する電気回路を含む上記加速度センサをコンパクトに構成することができる。さらに、モジュール化することで、消費電力を抑制することができる。
また、上記磁気検出ヘッド部を制御するための電気回路と、該磁気検出ヘッド部の出力信号を補正するための上記周辺磁界検出ユニットを制御するための電気回路とは、共用のものであることが好ましい。
この場合には、上記磁気検出ヘッド部と、該磁気検出ヘッド部に対応して配設された上記周辺磁界検出ユニットとの間で、上記電気回路を共用することで、上記加速度センサをさらに小型化することができる。
なお、上記電気回路を共用する方法としては、例えば、上記磁気検出ヘッド部と上記周辺磁界検出ユニットとの間で、時分割により上記電気回路を共用する方法がある。この場合には、上記磁気検出ヘッド部及び上記周辺磁界検出ユニットに作用した磁界強度をそれぞれ検出したうえ、その後、両者の差分を求めることで加速度センサによる検出精度を向上できる。
さらに、例えば、同じ周辺磁界が作用したときに正負逆、絶対値が略一致した信号を出力するように、上記磁気検出ヘッド部及び上記周辺磁界検出ユニットを構成しておき、両者を電気的に直列に接続して上記電気回路に入力する方法もある。この場合には、上記磁気検出ヘッド部の出力信号と上記周辺磁界検出ユニットの出力信号との差分、すなわち、上記磁気検出ヘッド部による出力信号から周辺磁界による信号成分を排除した信号を、上記電気回路に直接的に入力できる。
また、上記加速度センサは、一体的にモジュール化されたものであることが好ましい。
この場合には、上記加速度センサをモジュール化することで、その剛性を向上でき、上記加速度の計測精度を高めることができる。特に、複数の上記検知ユニットを含む加速度センサをモジュール化した場合には、検知ユニット相互間の関係を剛体に近づけることができる。それ故、この加速度センサによる計測精度を向上することができる。特に、上記電気回路を含めて、一体的にモジュール化した場合には、そのモジュール化したチップ全体の消費電力を抑制することができる。
また、上記支持部材は、上記固定端を接合した基体部と、上記カンチレバーとの間に間隙を設けつつ上記基体部から上記カンチレバーの自由端側へ延設された延設部とを有することが好ましい。
この場合には、上記カンチレバーを固定した上記支持部材を、上記基板に取付ける際における、カンチレバーと支持部材との結合体の取り扱いを容易にすることができる。即ち、カンチレバーを基板に取付ける際には、予め、カンチレバーと支持部材とを接合した結合体を形成しておくことが好ましい。そして、この結合体を取り扱う際には、カンチレバー以外の部分、即ち、支持部材を把持することが好ましい。そこで、支持部材の形状を上記の形状とすることにより、支持部材を把持しやすくし、上記結合体の取扱いを容易にすることができる。
また、上記カンチレバーは、導電体からなり、上記支持部材は、上記延設部における上記カンチレバーとの対抗面に導電層を設けてなり、該導電層は、上記カンチレバーと電気的に導通していることが好ましい。
この場合には、上記支持部材の延設部における上記カンチレバーとの対抗面が帯電することを防ぎ、静電気力によるカンチレバーの変位を防止することができる。これにより、静電気による誤差を防止し、より精度の高い加速度センサを得ることができる。
例えば、上記支持部材が絶縁体からなり、上記導電層を設けていない場合、カンチレバーと支持部材の延設部とには、互いの対抗面に静電気が生じ、互いに引き合う方向の静電気力が生ずるおそれがある。そこで、上記支持部材の延設部における上記対抗面に、カンチレバーと導通する導電層を形成することにより、カンチレバーと支持部材の上記対抗面とを等電位として、静電気力の発生を防止することができる。
なお、上記導電層は、上記基板に形成した電気回路のグランド(接地)に接続することが好ましい。
また、上記導電層は、上記対抗面の全面に形成されていることが好ましいが、一部に形成されていてもよい。
また、上記カンチレバーは、Ni−P合金からなることが好ましい。
この場合には、上記カンチレバーを、ばね特性として、弾性率が低く、弾性変形が可能な領域が広いものとし、かつ破壊強度が高いものとすることができる。これにより、同一加速度に対する変位量が増加し、加速度センサの感度が向上する。また、加速度の検出精度が高く、耐久性に優れたカンチレバーを得ることができる。
また、上記支持部材はセラミックスからなり、該支持部材と上記カンチレバーの固定端との間には、複数の金属層からなる多層金属層が介在していることが好ましい。
この場合には、上記複数の金属層として適切な種類の金属を選定することにより、上記支持部材と上記カンチレバーとの密着性を向上させることができる。
また、上記多層金属層は、上記支持部材に隣接する第1金属層と、上記カンチレバーに隣接する第2金属層とを有し、上記第1金属層は、Ti、Cr、Alの少なくとも一種以上からなり、上記第2金属層は、Cu、Au、Agの少なくとも一種以上からなることが好ましい。
この場合には、上記第1金属層が支持部材との接合性を確保し、上記第2金属層がカンチレバーとの接合性を確保することにより、上記支持部材と上記カンチレバーとの密着性を、より向上させることができる。
また、上記磁石体は、樹脂磁石、或いは上記カンチレバーとの接合面に樹脂層を形成してなるものからなり、上記カンチレバーは、上記磁石体との接合面に、安定した不動態化皮膜を形成する金属層を配置してなることが好ましい。
この場合には、上記不動態化皮膜と樹脂との親和性が高いため、上記カンチレバーと上記磁石体との密着性を向上させることができる。
即ち、上記不動態化皮膜は、その表面において、酸素基、水酸化基等の結合手が出ており、樹脂との親和性が高い。そして、安定した不動態化皮膜においては、均一に酸素基、水酸基等の結合手が出ており、より樹脂との親和性が高くなる。このように、Ni−P合金と樹脂との化学的結合力を増すことにより、カンチレバーと磁石体との接合力を向上することができる。
なお、上記磁石体が例えば焼結磁石等である場合には、上記カンチレバーとの接合面に樹脂層を形成してある。
また、上記金属層は、Cr、Al、Zn、Tiのいずれかからなることが好ましい。
この場合には、特に安定した不動態化皮膜を形成することができる。
また、上記カンチレバーは、上記固定端と上記自由端との間に開口部を有すると共に、該開口部を挟む状態で上記固定端と上記自由端とを連結する一対のフレーム部を有し、該フレーム部は、上記カンチレバーの長手方向に直交する平面による断面形状において、最も厚い部分の厚みH1と最も薄い部分の厚みH2との差をhとし、幅をWfとしたとき、20μm≦Wf≦150μm、h/H2≦0.15を満たすことが好ましい。
この場合には、柔軟性に優れると共に強度の高いカンチレバーを得ることができる。即ち、加速度に対するカンチレバーの変位を大きくすることができると共に、耐久性に優れたカンチレバーを得ることができる。
なお、h/H2>0.15の場合には、カンチレバーが撓む際に、フレーム部に応力がかかりやすく、カンチレバーが折損しやすくなるおそれがある。
また、上記カンチレバーは、Ni−Ti合金からなることが好ましい。
この場合には、超弾性が得られかつ形状記憶性を確保したカンチレバーを得ることができる。そのため、繰り返し使用した場合にも、カンチレバーの自由端の位置がずれることを防ぎ、正確な計測を維持することができる。
なお、上記カンチレバーは、Ni−Ti合金をスパッタリングすることにより形成することができる。
また、上記カンチレバーは、0.1〜6μmの厚みを有することが好ましい。
この場合には、柔軟性に優れると共に強度の高いカンチレバーを得ることができる。
上記厚みが0.1μm未満の場合には、カンチレバーの強度を確保することが困難となるおそれがある。一方、上記厚みが6μmを超える場合には、カンチレバーの柔軟性が低下し、カンチレバーが撓み難くなり、加速度の検出精度が低下するおそれがある。
また、上記磁石体は、SmFeN、SmCo、FePt、又はNdFeBからなることが好ましい。
この場合には、磁石体の磁気性能を確保することができ、精度の高い加速度センサを得ることができる。
特に、FePt又はNdFeBによって磁石体を構成する場合には、磁石体の磁気性能を向上させ、より検出精度を向上させることができる。また、その結果、磁石体を小さくすることが可能となるため、部品の小型化を図ることができる。なお、FePt又はNdFeBからなる磁石体は、例えば、スパッタリングによって形成することができる。
(実施例1)
本例は、感磁体24を利用した加速度センサ1に関する例である。この内容について、図1から図11を用いて説明する。
本例の加速度センサ1は、図1に示すごとく、片持梁状をなし、その固定端221を中心として回動するように弾性変形するカンチレバー22と、該カンチレバー22の自由端222に設けた磁石体21と、カンチレバー22の回動領域の外周側に配置された磁気検出ヘッド部23とを有するものである。
上記磁石体21は、1又は2以上の単位磁石体よりなる第1の磁石体21aと、この第1の磁石体21aと逆向きの磁化方向Mを有する1又は2以上の複数の単位磁石体よりなる第2の磁石体21bとからなる。
以下に、この内容について、詳しく説明する。
本例の加速度センサ1は、図1に示すごとく、カンチレバー22及び磁気検出ヘッド部23を組み合わせた2基の検知ユニット2a、2bと、該検知ユニット2a、2bを制御する電気回路を収容するICチップ12とを共通のIC基板10上に配置し、モジュール化したものである。
この加速度センサ1では、作用した加速度に応じてカンチレバー22に作用する慣性力の大きさを、自由端222に配設した磁石体21の変位量に変換する。そして、磁気検出ヘッド部23を用いて、磁石体21の変位量を検出することで、作用した加速度の大きさを計測している。なお、本例では、IC基板10の表面に沿って作用する任意の方向の加速度を検出できるように、検知ユニット2b、2aにおける磁石体21の変位方向を、それぞれ、IC基板10の直交2辺に沿って規定したX軸10a方向、Y軸10b方向に設定してある。
まず、磁気検出ヘッド部23について、その作り方を紹介しながら構成を説明する
上記磁気検出ヘッド部23は、感磁体24として長さ1mm、線径20ミクロンのアモルファスワイヤ(以下、適宜アモルファスワイヤ24と記載。)を利用したものである。磁気検出ヘッド部23は、図2及び図3に示すごとく、アルモルファスワイヤ24に外挿したチューブ状の絶縁樹脂26の外周側に、内径200ミクロン以下の電磁コイル25を巻回したものである。
すなわち、本例の磁気検出ヘッド部23は、周辺磁界の強度に応じてインピーダンスが大きく変化するという、感磁体としてのアモルファスワイヤ24が発揮するMI(Magneto−impedance)現象を利用したものである。そして、本例では、アモルファスワイヤ24にパルス状の電流(以下、適宜パルス電流と記載する。)を通電したときに電磁コイル25に生じる誘起電圧を計測することで、周辺磁界の強度を検出している。
ここで、上記のMI現象とは、供給する電流方向に対して周回方向に電子スピン配列を有する磁性材料からなる感磁体について生じるものである。感磁体に通電する通電電流を急激に変化させると、周回方向の磁界が急激に変化する。そして、MI現象とは、周回方向の磁界変化の作用によって、周辺磁界に応じた電子スピン方向変化と、それに伴う内部磁化及びインピーダンス等の変化が生じるという現象である。
そして、このMI現象を利用したMI素子(本例では、磁気検出ヘッド部23)は、感磁体としてのアモルファスワイヤ24の通電電流を急激に変化させたときの電子スピン方向の変化に伴う感磁体の内部磁化及びインピーダンス等の変化を、アモルファスワイヤ24の外周に配置した電磁コイル25の両端に発生する電圧(誘起電圧)に変換するように構成されている。そして、本例の各磁気検出ヘッド部23は、感磁体としてのアモルファスワイヤ24の長手方向に磁気検出感度を有している。
本例では、加速度が作用せず磁石体21の変位が生じないときに磁気検出ヘッド部23が検出する磁界強度が小さくなるよう、図1に示すごとく、磁石体21が生じる磁化方向に略直交してアモルファスワイヤ24を配設してある。なお、これに代えて、磁石体21が発生する磁化方向に沿うようにアモルファスワイヤ24を配置しても良い。さらには、磁化方向に対したアモルファスワイヤ24を斜めの方向としても良い。ただし、この場合には、磁石体21に変位を生じていないときに磁気検出ヘッド部23が検出する磁界強度が必ずしも最小値とはならないので、適宜、信号処理する必要がある。
この磁気検出ヘッド部23は、図4及び図5に示すごとく、深さ5〜200ミクロンの断面略矩形状を呈する溝状の凹部270を設けた素子基板27上に形成してある。この凹部270の内周面のうちの相互に対面する各溝側面270aには、溝方向に略直交する導電パターン25aを略均一ピッチで複数、配設してある。また、凹部270の溝底面270bには、対面する溝側面270aにおける同一ピッチの導電パターン25aを電気的に接続する導電パターン25bを溝方向と略直交して設けてある。
各溝側面270a及び溝底面270bに導電パターン25a、25bを配設した凹部270の内部には、エポキシよりなる絶縁樹脂26(図3参照。)中に、アモルファスワイヤ24を埋設してある。そして、凹部270に充填した絶縁樹脂26の外表面には、相互に対面する溝側面270aの1ピッチずれた導電パターン25aを電気的に接続する導電パターン25cを、溝方向に対して斜めに設けてある。そして、導電パターン25a、25b、25cが全体として、ら旋状に巻回された電磁コイル25を形成している。
なお、本例では、凹部270の内周面270a、270bの全面に、導電性の金属薄膜(図示略。)を蒸着したのち、エッチング処理を実施して導電パターン25a及び25bを形成した。また、導電パターン25cは、絶縁樹脂26の表面全面に、導電性の金属薄膜(図示略。)を蒸着したのち、エッチング処理を実施して所望のパターンを形成したものである。
本例の電磁コイル25の捲線内径は、凹部270の断面積と同一断面積を呈する円の直径である円相当内径である66ミクロンとしてある。そして、電磁コイル25の単位長さ当たりの捲線間隔は、50ミクロン/巻としてある。なお、本例では、上記検知ユニット2a、2bの磁気検出ヘッド部23としては、全く同一仕様のものを用い、アモルファスワイヤ24の長手方向を、それぞれ、X軸10a方向、Y軸10b方向に設定してある。
次に、ICチップ12は、各磁気検出ヘッド部23を制御する電気回路を形成したものである。このICチップ12は、図6に示すごとく、アモルファスワイヤ24に入力するパルス電流を生成する信号発生器121と、電磁コイル25の誘起電圧e(図7参照。)に応じた計測信号を出力する信号処理部122とを含む電気回路を有してなる。信号発生器121は、通電時間40nsec、パルス間隔5マイクロsecのパルス電流を生成するように構成してある。さらに、本例の信号発生器121は、パルス電流の立ち下がりに同期したトリガー信号を、信号処理部122のアナログスイッチ122aに向けて出力するように構成してある。
信号処理部122は、図6に示すごとく、上記トリガー信号に同期して、電磁コイル25と信号処理部122との間の電気的な接続をオンオフするアナログスイッチ122a及び該アナログスイッチ122aを介して電磁コイル25と接続したコンデンサ122cを含み、いわゆるピークホールド回路として機能する同期検波回路と、増幅器122bとを組み合わせて構成したものである。
ここで、本例の磁気検出ヘッド部23を用いた磁気検出方法について、簡単に説明しておく。この磁気検出方法は、図7に示すごとく、アモルファスワイヤ24に通電したパルス電流の立ち下がり時に、電磁コイル25に発生する誘起電圧eを計測するものである。なお、本例では、パルス電流が、定常値(電流値150mA。)の90%から10%に立ち下がる遮断時間を4ナノ秒とした。
すなわち、図7に示すごとく、磁界中に置かれたアモルファスワイヤ24に通電したパルス電流が遮断された瞬間には、磁界のうちアモルファスワイヤ24の長手方向成分に比例した大きさの誘起電圧eが電磁コイル25の両端に発生する。本例のICチップ12では、電磁コイル25の誘起電圧eが、上記トリガー信号によりONとされたアナログスイッチ122aを介してコンデンサ122cに蓄積され、さらに、増幅器122bで増幅されて出力端子125から出力される。
本例の各磁気検出ヘッド部23は、以上のように、アモルファスワイヤ24の長手方向に作用する磁界の強度に応じた出力信号を、ICチップ12を介して外部に出力する。
なお、本例のICチップ12は、図8に示すごとく、信号発生器121と各磁気検出ヘッド部23のアモルファスワイヤ24との間の電気経路及び、信号処理部122と各電磁コイル25との間の電気経路を切り替える電子スイッチ128を設けてある。これにより、本例では、検知ユニット2a、2bの2基の磁気検出ヘッド部23について、ICチップ12を時分割で共用している。電子スイッチ128の切り換えは、ICチップ12内部で生成した内部信号によって実施しても良く、外部から取り込む外部信号によって実施しても良い。
次に、カンチレバー22は、図1に示すごとく、IC基板10の表面の法線方向に突出する支持ポスト28により、軸方向の一方の端部である固定端221を支持された片持梁構造を呈する弾性体である。そして、その自由端222、すなわち支持ポスト28の反対側の端部には磁石体21を配設してある。本例のカンチレバー22は、材質NiPよりなり、幅0.3mm、長さ1.5mm、厚さ5ミクロンの略矩形板状を呈するものである。さらに、本例では、厚さ方向の力に対する剛性を適度に低下させて磁石体21の変位量を拡大できるよう、支持ポスト28側の付け根部分から自由端222の手前0.38mmに至る位置にかけて、幅0.22mmの長孔220を設けてある。なお、長孔220を形成してないカンチレバー22を利用することもできる。
ここで、本例では、カンチレバー22の固有振動数を、およそ50〜60Hzに設定してある。50〜60Hzの範囲にカンチレバー22の固有振動数を設定すれば、例えば、自動車等において発生する0〜40Hzの加速度を精度良く検出することができる。一方、この固有振動数を50Hz未満に設定すると、40Hz付近の加速度を精度良く検出できなくなるおそれがある。
磁石体21は、カンチレバー22の自由端222近傍の側面に配設してある。本例では、この側面に、磁性体塗料を塗布し、その後、乾燥及び硬化後に着磁することにより上記磁石体21を形成した。ここで、本例では、図9aに示すごとく、N極が外方を向く第1の磁石体21aと、S極が外方を向く第2の磁石体21bとを、カンチレバー22における固定端221から自由端222に向かう軸方向に沿って隣接して配置してある。
そのため、本例の磁石体21では、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとで磁化方向Mが逆向きに作用する。それ故、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとでは、磁気モーメントが逆向きとなっている。そして、周辺磁界が作用したとき第1の磁石体21a及び第2の磁石体21bには逆向きのトルクが発生するため、磁石体21全体としてトルクを相殺することができる。したがって、この磁石体21を利用して構成した検知ユニット2a、2bでは、地磁気等の周辺磁界の影響により磁石体21が変位するおそれが少なく、精度良く加速度を計測することができる。
さらに、上記磁石体21では、図9aに示すごとく、第1の磁石体21aが発生する磁束と、第2の磁石体21bが発生する磁束とが結びつくため、磁石体21の周囲には閉ループ状の磁場が形成される。一方、図9bに示すごとく、単一の磁石体を配置した場合には、その周辺に開ループ状の磁場が形成されて周囲に磁界が漏洩し、電磁波ノイズ等の原因となるおそれがある。すなわち、本例の検知ユニット2a、2b(図1)は、周囲への磁界の漏洩を抑制した磁石体21を備えており、周辺回路に対して電磁波ノイズの原因となるおそれが少ない。なお、本例では、上記各磁石体21a、21bの大きさは、長さ(カンチレバー22の軸方向の寸法)Lを0.5mm、幅を0.3mm、高さ(カンチレバー22の軸方向の寸法)Hを100μmとした。
以上のように、本例の加速度センサ1では、カンチレバー22の軸方向(固定端221から自由端222に向かう方向。)に隣接して、逆向きの磁化方向Mを呈するように第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを配置してある。そのため、本例の加速度センサ1の磁石体21では、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとに互いに逆回りのトルクを生じさせ、カンチレバー22全体として周辺磁界による弾性変形を効果的に抑制できる。
したがって、本発明の加速度センサ1は、地磁気等の周辺磁界の作用により磁石体21が変位するおそれが少なく、精度良く加速度を計測し得るものとなる。
さらに、磁石体21では、第1の磁石体21aが発生する磁束と第2の磁石体21bが発生する磁束との結びつきにより、その周囲に閉ループ状の磁場が形成される。それ故、本発明の加速度センサ1は、周囲への磁束の漏洩が少なく、電磁波ノイズの発生源となるおそれが少ないものである。
さらになお、上記第1の磁石体21a及び上記第2の磁石体21bのうちのいずれか、あるいは、双方を分割した2個以上の単位磁石体により構成することもできる。図11では、第2の磁石体21bを分割し、2個の第2の単位磁石体210bとしてある。そして、この2個の第2の単位磁石体210bにより、第1の磁石体21aを挟持するように隣接して配置することもできる。この場合には、磁石体21に作用するトルクを細かく分散でき、カンチレバー22の弾性変形をさらに抑制することができる。
(実施例2)
本例は、実施例1の加速度センサを基にして、磁石体21の構成を変更した例である。この内容について、図10〜図17を用いて説明する。
図10は、平板状のカンチレバー22の一方の側面において、その軸方向(固定端221から自由端222に向かう方向。)と直交する方向に沿って第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを隣接して配置した例である。ここでは、各磁石体21a、21bの磁化方向Mが、カンチレバー22を貫くように配置してある。第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを、カンチレバー22の軸方向に略直交する方向に沿って隣接して配置する場合には、各磁石体21a、21bからカンチレバー22の固定端221までの距離を等しくできる。そのため、周辺磁界中に置かれたときに、各磁石体21a、21bに生じるトルクによる影響を効果的に相殺することができる。それ故、カンチレバー22の自由端222が、その両側面が面する方向に弾性変形するおそれを抑制できる。
また、図11に示すごとく、第1の磁石体21aを2個の第1の単位磁石体210aに分割し、2個の第1の磁石体210aと第2の磁石体21bとを交互に隣接して配置することもできる。この場合には、磁石体21aを構成する単位磁石体210aを互い違いに配置することで、各単位磁石体210aに生じるトルクを分散できる。それ故、このトルクによってカンチレバー22に生じる変位を一層、抑制することができる。さらに、磁石体21aを構成する単位磁石体210aを互い違いに配置することで、閉ループ状に形成される磁界をさらに小さくできる。
図12は、平板状のカンチレバー22の一方の側面において、その軸方向(固定端221から自由端222に向かう方向。)と直交する方向に沿って第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを隣接して配置した例である。ここでは、各磁石体21a、21bの磁化方向Mをカンチレバー22の上記軸方向と略平行にしてある。なお、この場合には、磁気検出ヘッド部23におけるアモルファスワイヤ24の向きを上記軸方向と直交して配置するのが良い。また、図13に示すごとく、第1の磁石体21aを2個の第1の単位磁石体210aに分割し、2個の第1の磁石体210aと第2の磁石体21bとを交互に隣接して配置することもできる。
図14は、平板状のカンチレバー22の一方の側面において、その軸方向(固定端221から自由端222に向かう方向。)に沿って第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを隣接して配置した例である。ここでは、各磁石体21a、21bの磁化方向Mをカンチレバー22の上記軸方向と略平行にしてある。また、図15に示すごとく、第1の磁石体21aを2個の第1の単位磁石体210aに分割し、2個の第1の磁石体210aと第2の磁石体21bとを交互に隣接して配置することもできる。
図16は、平板状のカンチレバー22の両側面に、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを対面して配置した例である。ここでは、各磁石体21a、21bの磁化方向Mをカンチレバー22の上記軸方向と略平行にしてある。カンチレバー22の両側面に磁石体21a、21bを配置すれば、その重量バランスが良好となり、カンチレバーの捩じれを抑制できる。それ故、カンチレバー22の捩じれによるゼロ点ずれや、感度変化が生じるおそれを抑制できる。
図17は、平板状のカンチレバー22の両側面に、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを対面して配置した例である。ここでは、各磁石体21a、21bの磁化方向Mをカンチレバー22を貫く方向としてある。
なお、その他の構成及び作用効果については、実施例1と同様である。
(実施例3)
本例は、実施例1の加速度センサを基にして、補正用の周辺磁界検出ユニット43、44を追加した例である。この内容について、図18を用いて説明する。
本例の加速度センサ1は、IC基板10の直交2辺に沿って規定したX軸10a、Y軸10bに沿って作用する加速度を、それぞれ検出する2基の検知ユニット2b、2aのほかに、X軸10aに沿う磁気感度方向を有する周辺磁界検出ユニット43と、Y軸10bに沿う磁気感度方向を有する周辺磁界検出ユニット44とを備えている。
検知ユニット2a、2bを構成する磁気検出ヘッド部23と、周辺磁界検出ユニット43、44とは、電磁コイル25、45の巻回方向が相違しているほかは、同一の仕様のものである。そのため、加速度センサ1に作用する加速度がゼロであるとき、周辺磁界検出ユニット43、44は、対応する磁気検出ヘッド部23と正負逆で大きさが略一致した誘起電圧を発生する。
本例の加速度センサ1では、検知ユニット2aの磁気検出ヘッド部23の電磁コイル25と、周辺磁界検出ユニット43の電磁コイル45とを、導電パターン101を介して直列に接続してある。また、検知ユニット2bの磁気検出ヘッド部23の電磁コイル25と、周辺磁界検出ユニット44の電磁コイル45とを、同様に直列に接続してある。そのため、加速度センサ1では、検知ユニット2a(2b)の磁気検出ヘッド部23が出力する誘起電圧から周辺磁界検出ユニット43(44)が出力する誘起電圧を減算した出力信号がICチップ12に入力される。
周辺磁界検出ユニット43、44の電磁コイル45には、周辺磁界の磁界強度に応じた大きさの誘起電圧が発生する。また、磁気検出ヘッド部23の電磁コイル25には、磁石体21による磁界強度と、周辺磁界の磁界強度との総和に応じた大きさの誘起電圧が発生する。ここで、周辺磁界検出ユニット43、44と磁気検出ヘッド部23とでは、上述したように、周辺磁界に対して正負逆の誘起電圧を発生する。それ故、磁気検出ヘッド部23の電磁コイル25と周辺磁界検出ユニット43、44の電磁コイル45とを直列接続した本例の加速度センサ1では、周辺磁界の磁界強度による成分を相殺することができる。
なお、その他の構成及び作用効果については実施例1と同様である。
さらに、図19に示すごとく、検知ユニット2a、2bにおける磁石体21の磁化方向Mが同方向となるように構成すれば、各磁気検出ヘッド部23におけるアモルファスワイヤ24の軸方向を略一致させることができる。この場合には、共通の周辺磁界検出ユニット43を用いて、各検知ユニット2a、2bの出力信号を補正することができる。
(実施例4)
本例は、実施例3の加速度センサを基にして、Z軸方向の加速度を検出する検知ユニット2cを追加した例である。この内容について、図20を用いて説明する。
本例の加速度センサ1は、IC基板10の直交2辺に沿って規定したX軸10a、Y軸10bに沿う加速度を、それぞれ検出するための検知ユニット2b、2aと、X軸10aに沿う磁界強度を検出する周辺磁界検出ユニット43と、Y軸に沿う磁界強度を検出する周辺磁界検出ユニット44とに加えて、IC基板10の法線方向であるZ軸10cに沿う加速度を検出する検知ユニット2cを有する。
検知ユニット2cは、IC基板10の表面に対して、両側面が略平行となるように配設した平板状のカンチレバー22と、該カンチレバー22の一方の側面に配設した磁石体21と、該磁石体21の磁気を検出する磁気検出ヘッド部23とを有する。磁石体21は、カンチレバー22の軸方向に沿って隣接して配置され、カンチレバー22を貫通する互いに逆方向の磁化方向Mを呈する第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとよりなる。そして、磁気検出ヘッド部23は、検知ユニット2bのものと全く同一の仕様のものである。
なお、本例の加速度センサ1におけるICチップ12では、各磁気検出ヘッド部23及び周辺磁界検出ユニット43、44全てを、時分割で制御するように構成してある。すなわち、本例のICチップ12では、実施例1のICチップにおける電子スイッチ(図9a中、符号128)を5チャンネル化してある。
なお、その他の構成及び作用効果については実施例3と同様である。
(実施例5)
本例は、図21〜図28に示すごとく、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとの間に、非磁化領域200を介在させた例である。
即ち、図22に示すごとく、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを離隔した状態で、カンチレバー22に固定している。そして、上記非磁化領域200には、磁化されていない樹脂からなる非磁化部材201を配設してある。
そして、図21に示すごとく、上記カンチレバー22の固定端221は、支持部材280を介してIC基板10に固定されている。図22に示すごとく、上記支持部材280は、上記固定端221を接合した基体部281と、上記カンチレバー22との間に間隙289を設けつつ基体部281からカンチレバー22の自由端222側へ延設された延設部282とを有する。
また、磁石体21の大きさや配置の寸法は、例えば以下のようにすることができる。
即ち、上記非磁化領域200の長さGは、例えば0.6mm以下、磁石体21の長さLは、0.2〜0.6mm、幅Wは0.2〜0.8mm、高さHは0.05〜0.2mmとすることができる。ここで、長さとは、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとの配列方向に沿った長さであって、カンチレバー22の固定端221から自由端222へ向かう方向に沿った長さである。また、上記幅Wは、上記長さLの方向に直交すると共にカンチレバー22の表面に平行となる方向についての幅である。また、上記高さHは、カンチレバー22の表面に直交する方向の高さである。
上記加速度センサ1は、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとの互いの位置関係を固定するための固定手段を有する。該固定手段は、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを一体化する手段であり、本例においては、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bと上記非磁化部材201とを互いに固定して一体化している。
なお、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bと非磁化部材201とは、一体の磁石用材料からなるものとすることもできる。この場合、上記第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとは、未着磁の状態の一体の磁石用材料の一端と他端とを、それぞれ互いに反対の磁化方向となるように着磁することにより得ることができる。また、上記磁石用材料の一端と他端との間の中間部分を着磁しないことにより、非磁化領域200(非磁化部材201)を得ることができる。
また、上記カンチレバー22は、Ni−P合金からなり、上記支持部材280はセラミックスからなる。
図28に示すごとく、支持部材280とカンチレバー22の固定端221との間には、複数の金属層からなる多層金属層31が介在している。
多層金属層31は、上記支持部材280に隣接する第1金属層311と、上記カンチレバー22に隣接する第2金属層312とからなる。第1金属層311は、Ti、Cr、Alの少なくとも一種以上からなり、上記第2金属層312は、Cu、Au、Agの少なくとも一種以上からなる。
また、上記支持部材280は、上記延設部282におけるカンチレバー22との対抗面に導電層32を設けてなり、該導電層32は、上記カンチレバー22と電気的に導通している。
なお、上記導電層32は、IC基板10に形成した電気回路のグランド(接地)に接続することが好ましい。また、導電層32は、上記対抗面の全面に形成されていることが好ましいが、一部に形成されていてもよい。
また、上記磁石体21は、樹脂磁石、或いは上記カンチレバーとの接合面に樹脂層を形成してなるものからなる。そして、上記カンチレバー22は、磁石体21との接合面に、安定した不動態化皮膜を形成する金属層(不動態化皮膜形成用金属層33)を配置してなる。
この不動態化皮膜形成用金属層33は、Cr、Al、Zn、Tiのいずれかからなる。
なお、上記磁石体21が例えば焼結磁石等である場合には、カンチレバー22との接合面に樹脂層を形成してある。一方、磁石体21が樹脂磁石である場合には、カンチレバー22に形成した不動態化膜形成用金属層33に直接、磁石体21を形成する。
次に、本例の加速度センサ1における、磁石体21とカンチレバー22と支持部材280との結合体である加速度感知部品20の製造方法の一例を、図23〜図28を用いて説明する。
まず、図23に示すごとく、セラミックス製のL字状の支持部材280を作製する。支持部材280の寸法は、幅wが0.6mm、長さa1が2.0mmであり、基体部281の高さh1が0.4mm、延設部282の高さh2が0.3mmであり、基体部281の長さa2が0.4mmである。
次いで、図24に示すごとく、支持部材280のL字の段部288の面上、即ち、支持部材280の延設部282における、カンチレバー22と対向することとなる面と、これに連続する基体部281の側面に、Crをスパッタリングし、厚み0.1μmの導電層32を形成する。
さらに、図25に示すごとく、L字の段部288に、導電層32の上から、後に除去することとなる犠牲層34を載せ、全体で直方体とする。
その後、犠牲層34と支持部材280の基体部281により形成される面上に、スパッタリング工程により、厚み0.07μmのTi層をスパッタリングし、更に真空下で、厚み0.3μmのCu層をスパッタリングすることにより、第1金属層311と第2金属層312とからなる多層金属層31を形成する。
更にその上に、図26に示すごとく、Ni−Pのカンチレバー22をパターンメッキにより作製する。その寸法は、厚さ3μm、幅0.5mm、長さ1.9mmである。
次いで、図27に示すごとく、磁石体21を配置すべき領域に、Crをスパッタリングすることにより、不動態化皮膜形成用金属層33を配置する。
上記のスパッタリング工程は、これに代えて、他のPVD、CVD等の公知の成膜手段を用いてもよい。
その後、不動態化皮膜形成用金属層33上に、SmFeN(75重量%)とエポキシ樹脂(25重量%)とからなるインク磁石原料219を、所定の位置に印刷する。また、非磁化部材201としての感光性樹脂を所定の位置に塗布する。使用する樹脂は、エポキシ系樹脂その他の公知の樹脂を使用することができる。
次いで、上記インク磁石原料219をカンチレバー22に対して得たい方向の磁場で配向し、ある程度、エポキシ樹脂を硬化させたのち、目的の磁化方向に着磁を行う。これにより、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを得る。なお、上記の配向は、上記インク磁石原料219が異方性材料の場合に必要となる工程であり、等方性材料を用いる場合には不要な工程である。
その後、図28に示すごとく、犠牲層34と、その上のTi層及びCu層とをエッチングにより除去する。カンチレバー材をNi−P単層とするためである。
さらに、加速度感知部品20を100℃以上で加熱することにより、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bを熱処理する。
そして、得られた加速度感知部品20を、図21に示すごとく、IC基板10上の所定の位置に固定する。
なお、上記磁石体21の製造形態は、公知のいずれの形態でもよく、上記のごとく、例えば、インク磁石を用いることが好ましい。
製造方法としては、例えば、印刷方式、ディスペンサー方式、貼り付け、ディップ方式、気相蒸着法(PVD、CVD)等を用いることができる。
また、焼結磁石、ボンド磁石等を用いることもできる。磁石原料としては、フェライト系、アルニコ磁石等の金属磁石、SmCo系、SmFeN系、NdFeB系等の公知の磁石を使用することができる。
ボンド磁石の場合は、樹脂として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ナイロン系樹脂等を使用することができる。
磁石用材料の配向状態も、等方性、異方性のどちらでも使用できる。
また、磁石体として異方性磁石を使用した場合、等方性磁石にくらべて、より高い信号磁界を形成することができる。
製造方法としては、例えば、印刷した磁石粉末と樹脂との混合体に、配向磁場を印加し、その後着磁することにより行う。
また、磁石体の保磁力としては、例えば、加速度感知部品20をIC基板10に組み込む時のはんだ付け温度が180〜300℃であるので、0.64MA/m以上が必要となる。
ただし、使用される磁石体は、上記の内容に限られない。
なお、本例の加速度センサ1における上記加速度検知部品20以外の構成については、実施例1と同様である。
次に、本例の作用効果につき説明する。
図22に示すごとく、上記第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとの間には、非磁化領域201が介在しているため、磁石体21から多くの磁束を広い範囲で発生させることができる。それ故、上記磁気検出ヘッド部23における磁束の検知が容易となる。これにより、カンチレバー22の変位を磁気検出ヘッド部23により検出し易くなり、感度の高い加速度センサ1を得ることができる。
また、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとの互いの位置関係が固定されている。そのため、地磁気等の周辺磁界によって第1の磁石体21aと第2の磁石体21bに互いに反対方向のトルクがかかっても、両者が固定されていることにより、カンチレバー22が変形することを防ぐことができる。
カンチレバー22自体は、変形しやすさが必要とされており、カンチレバー22に対する磁石体21の配置方法、カンチレバー22の材質、形状、磁石材質、形状等によっては、加速度センサ1の検出精度を確保することが困難となるおそれがある。即ち、カンチレバー22に、単に互いに逆向きの磁化方向を有する第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを配置するのみでは、両磁石体21に反対方向の回転トルクが働くことによって、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bの間を中心にカンチレバー22が変形してしまう場合がある。この場合には、加速度が無い状態でも、地磁気等の周辺磁界によりカンチレバー22の変位が生じ、見かけ上加速度が検出され、センサの誤差となる。
そこで、上記構成をとることにより、このセンサの誤差を大幅に低減できる。
また、その固定手段は、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bと非磁化部材201とを一体化する手段であるため、これらの結合体が剛体に近似した状態となることにより、上記の互いに反対方向のトルクがカンチレバー22にかかること自体を防ぎ、その変形を防ぐことができる。
また、上記支持部材280は、上記基体部281と延設部282とを有するため、上記カンチレバー22を固定した支持部材280(加速度感知部品20)を、IC基板10に取付ける際における、加速度感知部品20の取り扱いを容易にすることができる。即ち、加速度感知部品20を取り扱う際には、カンチレバー22の変形を防止するため、それ以外の部分、即ち、支持部材280を把持することが好ましい。そこで、支持部材280の形状を上記の形状とすることにより、支持部材280を把持しやすくし、加速度感知部品20の取扱いを容易にすることができる。
なお、上記支持部材280の長さa1をカンチレバー22の長さよりも若干(例えば0.1mm程度)長くすることにより、支持部材280の長手方向の両端部を把持したとき、カンチレバー22に触れないようにすることが容易となる。
また、上記カンチレバー22は、Ni−P合金からなるため、ばね特性として、弾性率が低く、弾性変形が可能な領域が広いものとし、かつ破壊強度が高いものとすることができる。これにより、加速度の検出精度が高く、耐久性に優れたカンチレバー22を得ることができる。
なお、カンチレバー22の材料としては、これと同等以上の特性を有するものであれば、他の材料を用いることもできる。
また、図28に示すごとく、支持部材280とカンチレバー22の固定端221との間に、多層金属層31が介在しているため、支持部材280とカンチレバー22との密着性を向上させることができる。
即ち、多層金属層31をTi、Cr、Alの少なくとも一種以上からなる第1金属層311と、Cu、Au、Agの少なくとも一種以上からなる第2金属層312とによって構成している。そのため、第1金属層311が支持部材280との接合性を確保し、第2金属層312がカンチレバー22との接合性を確保することにより、支持部材280とカンチレバー22との密着性を、より向上させることができる。
また、支持部材280は上記導電層32を設けてなるため、支持部材280の延設部282におけるカンチレバー22との対抗面が帯電することを防ぎ、静電気力によるカンチレバー22の変位を防止することができる。これにより、より精度の高い加速度センサ1を得ることができる。
また、上記カンチレバー22は、磁石体21との接合面に、上記不動態化皮膜用金属層33を配置してなる。これにより、不動態化皮膜と樹脂との親和性が高いため、上記カンチレバー22と上記磁石体21との密着性を向上させることができる。
即ち、上記不動態化皮膜は、その表面において、酸素基、水酸化基等の結合手が出ており、樹脂との親和性が高い。そして、安定した不動態化皮膜においては、均一に酸素基、水酸基等の結合手が出ており、より樹脂との親和性が高くなる。このように、Ni−P合金と樹脂との化学的結合力を増すことにより、カンチレバー22と磁石体21との接合力を向上することができる。
また、上記不動態化皮膜形成用金属層33は、Cr、Al、Zn、Tiのいずれかからなるため、特に安定した不動態化皮膜を形成することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実施例6)
本例は、図29、図30に示すごとく、カンチレバー22のうち第1の磁石体21a及び第2の磁石体21bを固定した磁石固定領域(自由端222)の剛性を、該磁石固定領域よりカンチレバー22における固定端221側の部分の剛性よりも大きくした例である。
即ち、カンチレバー22における上記磁石固定領域に、補強層223を重ねて形成してある。そして、補強層223に不動態皮膜形成用金属層33を介して磁石体21が配設されている。
また、カンチレバー22の固定端221にも補強層224が形成されている。
これらの補強層223、224は、例えば、3〜100μmの厚みを有する。
また、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとの間の非磁化領域200には、特に物質を介在させていない。即ち、非磁化領域200は空気によって構成されている。これは、上記補強層223によりカンチレバー22に剛性を付与していることから、第1の磁石体21aと第2の磁石体21bとを特に一体化する必要がないためである。
本例の加速度センサ1における加速度感知部品20の製造方法としては、基本的には、実施例5に示した方法と同様の方法を採用できる。
ただし、本例の場合は、カンチレバー22をパターンメッキした後、カンチレバー22における磁石固定領域(自由端222)及び固定端221の所定部分に、さらに、Ni−P層を20μmの厚みにパターンメッキする。これにより、上記補強層223、224を形成する。
また、上述のごとく、実施例5において示した「非磁化部材」(図22の符合201参照)の配設は行わない。
その他は、実施例5と同様である。
本例の場合には、カンチレバー22における磁石固定領域の剛性を高めることにより、地磁気等の周辺磁場によって反対方向のトルクがカンチレバー22にかかっても、これに対する剛性を充分に有することにより、カンチレバー22の変形を防ぐことができる。
また、カンチレバー22の中間部分については、補強層223、224を形成しないため、加速度によるカンチレバー22の弾性変形を充分に許容することができる。
その他、実施例5と同様の作用効果を有する。
(実施例7)
本例は、図31、図32に示すごとく、カンチレバー22に開口部225を形成した例である。
上記開口部225は、固定端221と磁石体21との間に形成されている。
図31は、実施例5の加速度感知部品20のカンチレバー22に開口部225を設けたものを示し、図32は、実施例6の加速度感知部品20のカンチレバー22に開口部225を設けたものを示す。
図32に示す加速度感知部品20においては、カンチレバー22における補強部223、224が形成されていない領域に、開口部225を設けている。
その他は、実施例5又は6と同様である。
本例の場合には、カンチレバー22の弾性率を部分的に小さくすることができるため、一定の加速度に対するカンチレバー22の弾性変形量を大きくすることができる。それ故、より感度の高い加速度センサ1を得ることができる。
その他、実施例5又は6と同様の作用効果を有する。
(実施例8)
本例は、図33〜図37に示すごとく、第1の磁石体21a及び第2の磁石体21bの大きさや配置の寸法と、磁気検出ヘッド部23に生ずる磁束密度の大きさとの関係につき調べた例である。
まず、長さL、高さH、幅Wを変化させた種々の磁石体21を用意した。そして、カンチレバー22に対して、同じ大きさ及び形状の磁石体21(第1の磁石体21aと第2の磁石体21b)を固定した。そのときの2つの磁石体21のギャップ、即ち非磁化領域220の長さGを、0〜1.0mmの間で変動させた。
これらの長さL、高さH、幅W、及び長さGの規定方法は、実施例5に示した規定方法(図22参照)に準ずる。また、磁石体21の配置等も、その寸法関係以外は実施例5に準ずる。
図33に示すごとく、第2の磁石体21bと磁気検出ヘッド部23との距離が0.1mmとなるように、加速度感知部品20を配置する。
そして、磁気検出ヘッド部23が第2の磁石体21bの高さ方向の中心から、図33におけるZ方向に10μm変位したときにおける、磁気検出ヘッド部23が検知するX軸方向の磁束密度を測定した。この磁束密度をBxとする。
また、第2磁石体21bを一個だけ配置した場合に、上記と同様の方法で検知される磁束密度をB0とする。
そして、この二つの磁束密度の比Bx/B0を特性値として、2つの磁石体21の配置等による磁束密度の変化を評価した。
なお、磁石体21の種類についても、実施例5における「加速度感知部品20の製造方法の一例」において紹介した樹脂磁石を用いており、SmFeN(75重量%)からなる磁粉とエポキシ樹脂(残部)とからなるものを用いた。そして、その磁石体21の最大エネルギー積BHmaxは9.6kJ/mである。また、磁気検出ヘッド部23の測定範囲を3G以下とした。
まず、図34に示すごとく、磁石体21の長さLをそれぞれ0.2mm、0.4mm、0.6mmとした場合の、非磁化領域200の長さGと磁束密度比Bx/B0との関係を調べた。このとき、磁石体21の高さHは0.08mm、幅Wは0.5mmとした。
また、図35に示すごとく、磁石体21の高さHをそれぞれ0.08mm、0.15mm、0.22mmとした場合の、非磁化領域200の長さGと磁束密度比Bx/B0との関係を調べた。このとき、磁石体21の長さLは0.4mm、幅Wは0.5mmとした。
また、図36に示すごとく、磁石体21の幅Wをそれぞれ0.2mm、0.5mm、0.7mmとした場合の、非磁化領域200の長さGと磁束密度比Bx/B0との関係を調べた。このとき、磁石体21の長さLは0.4mm、高さHは0.08mmとした。
図34〜図36から分かるように、非磁化領域200の長さGを大きくすることにより、磁束密度Bxは大きくなり、長さGを0.6mm以上とすることにより、磁束密度BxはB0と略一致して飽和する。
また、図35、図36に示すごとく、磁石体21の高さH或いは幅Wは、非磁化領域200の長さGと磁束密度比Bx/B0との関係にほとんど影響を与えない。ところが、図34に示すごとく、磁石体21の長さLについては、非磁化領域200の長さGと磁束密度比Bx/B0との関係に影響を与えており、長さLが長いほど、非磁化領域200の長さGを広げることによる磁束密度Bx向上の効果が高まる。
そこで、図37に示すごとく、磁束密度比Bx/B0が0.95を確保するための、磁石体21の長さLと非磁化領域200の長さGとの関係を、上記の試験結果から抽出してみた。図37から分かるように、長さLが小さい場合には、長さGが小さくてもよく、長さLが大きい場合には、長さGを大きくする必要がある。そして、この関係は、略線形の関係にあり、G=0.38L+0.16mmの関係を有する。そして、図37において、この直線よりも上側となる条件の場合、Bx/B0が0.95を超える。
従って、上記非磁化領域200の長さGと、該非磁化領域200に隣接する単位磁石体(第1の磁石体21aと第2の磁石体21b)の長さLとは、G≧0.38L+0.16mmの関係を有することが好ましいことが分かる。
ただし、カンチレバー22における磁石体21の形成領域の確保や、カンチレバー22の小型化等の観点から、非磁化領域200の長さGはなるべく小さい方がよい。
それ故、上記非磁化領域の長さGは、上記不等式を満たしつつなるべく小さい値を選択することが好ましい。例えば長さGは0.6mm以下であることが好ましい。
なお、本例の試験結果は、少なくとも上記実施例5において示した磁石体の大きさや配置の寸法(L、H、W、G)(図22参照)の範囲においては成立すると考えられ、少なくともこの範囲において、G≧0.38L+0.16mmを満たすことが適切であるといえる。
(実施例9)
本例は、図38、図39に示すごとく、磁気検出ヘッド部23に作用する周辺磁界を検出する周辺磁界検出部230を配設すると共に、磁気検出ヘッド部23の出力電圧から周辺磁界検出部230の出力電圧を減算する減算回路51を有する加速度センサ1の例である。
周辺磁界検出部230は、磁気検出ヘッド部23と同様に、感磁体240と該感磁体240の外周側に巻回した電磁コイル250とを含むMI素子よりなる。MI素子については、実施例1において説明したとおりである。
また、上記磁気検出ヘッド部23の感磁体24と周辺磁界検出部230の感磁体240とは互いに平行に配置されている。
上記減算回路51は、例えば図39に示すような電子回路5に組み込まれる。即ち、該電子回路5は、信号発生器52と磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230と信号処理部53と上記減算回路51とからなる。
信号発生器52から発生させたパルス信号は、磁気検出ヘッド部23及び周辺磁界検出部230の感磁体24、240にそれぞれ入力される。上記信号処理部53は、磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230からの出力電圧を、パルス信号の入力に連動して開閉する同期検波531を介して取出し、増幅器532にて増幅する。
上記信号処理部53は、磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230とにそれぞれ対応して2個設けてあり、それぞれの信号処理部53において処理した出力信号を、上記減算回路51へ入力する。そして、減算回路51において、磁気検出ヘッド部23の出力から周辺磁界検出部230の出力を減算処理して、最終的な計測信号として出力する。
その他は、実施例5と同様である。
本例の場合には、上記周辺磁界検出部230によって、磁気検出ヘッド部23に作用する周辺磁界の影響を検出することができる。これにより、磁気検出ヘッド部23における出力から、周辺磁界の影響分を補正して、より精確な加速度を計測することができる。
そして、上述のごとく、磁気検出ヘッド部23における出力から、周辺磁界の影響分の出力を、上記減算回路51上で差引くため、容易かつ正確に加速度を検出することができる。
その他、実施例5と同様の作用効果を有する。
(実施例10)
本例は、図40〜図44に示すごとく、磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230とを一体化して、差動型MI素子29とした例である。
図40、図41に示すごとく、磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230とは、1本の感磁体24を共有している。この一本の感磁体24の外周に、電磁コイル25、250を巻回し、電磁コイル25を巻回した部分が磁気検出ヘッド部23となり、電磁コイル250を巻回した部分が周辺磁界検出部230となる。そして、上記磁気検出ヘッド部23における電磁コイル25の一端は、上記周辺磁界検出部230における電磁コイル250の一端と接続されている。
また、磁気検出ヘッド部23における電磁コイル25と周辺磁界検出部230における電磁コイル250とは、逆向きに巻回してある。換言すると、電磁コイル25の一端と電磁コイル250の一端との接続部分が巻回方向転換部252であり、この巻回方向転換部252を境にコイルの巻回方向が逆転している。この巻回の仕方は、磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230とのそれぞれに同じ磁界が作用したときに磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230とに逆向きの出力電圧が生じるような巻回の仕方となっている。
電磁コイル25、250の形成方法等は、実施例1と同様である。また、電磁コイル25、250の線幅及び線間幅は共に25μmである。なお、図41においては、便宜上線間幅を広く描いてある。
図42に示すごとく、差動型MI素子29は、磁気検出ヘッド部23側がカンチレバー22の磁石体21側を向くように配置される。
また、上記差動型MI素子29は、磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230とを対称性を持たせた状態で形成しており、磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230とに同じ磁界が作用したときには、連続形成された電磁コイル25、250の両端における電極251、253には、電位差が生じないように構成されている。
これは、図44の破線B1、B2に示すごとく、周辺磁界が磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230とのそれぞれに同様に作用した場合には、同じ大きさであると共に互いに反対符号の出力電圧が生じる。これらの出力電圧(B1、B2)は、それぞれ、電極251と巻回方向転換部252との間、巻回方向転換部252と電極253との間において生じる電圧である。
ところが、磁気検出ヘッド部23の電磁コイル25の一端と周辺磁界検出部230の電磁コイル250の一端とが接続されているため、上記二つの出力電圧は打ち消し合い、結局、図44の実線B0に示すごとく、出力電圧は生じないこととなる。
上述した図7において、実線の曲線と破線の曲線とは、それぞれ一様な磁界が作用したときの磁気検出ヘッド部23及び周辺磁界検出部230の電磁コイル25、250に生ずる出力電圧を表す。
そして、磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230とに作用する磁界の感磁体24の軸方向成分に差が生じたとき、電磁コイル25、250の両端の電極251、253に電位差を生じる。即ち、周辺磁界以外の磁界として、カンチレバー22の磁石体21による磁界が、磁気検出ヘッド部23に作用したとき、差動型MI素子29における電磁コイル25、250の両端に電位差を生じる。
上記差動型MI素子29は、図45に示すような電子回路50に組み込まれる。即ち、該電子回路50は、差動型MI素子29と信号発生器52と信号処理部53とからなる。
信号発生器52から発生させたパルス信号は、差動型MI素子29の感磁体24に入力される。上記信号処理部53は、差動型MI素子29の電磁コイル25、250からの出力電圧を、パルス信号の入力に連動して開閉する同期検波531を介して取出し、増幅器532にて増幅する。
なお、場合によっては、磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230との対称性をあえて崩して、磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230とに一様な磁界が作用したときに、電極251と電極253との間に所定の電圧が生じるように構成することもできる。
その他は、実施例5と同様である。
本例の場合には、より簡易な構成にて、周辺磁界の影響を補正することができ、精確な加速度を検出することができる。
また、上記構成によれば、周辺磁界が大きい場合にも、充分に補正することが可能である。即ち、MI素子を用いて周辺磁界を検出する場合、直接検出できる周辺磁界の大きさの範囲が限られる。特に、検出感度を高めると検出可能な周辺磁界の大きさの範囲が狭くなる。その結果、MI素子からなる周辺磁界検出部において出力信号を出した上で、磁気検出ヘッド部の出力から、周辺磁界検出部において出力を減算して補正する場合には、補正可能な周辺磁界の大きさが限られてしまう。
これに対し、本例の構成によれば、周辺磁界に対応する出力電圧を充分に抑制した状態で、磁石体21による磁界に対応する電圧を出力することとなる。それ故、周辺磁界の大きさに関わらず、精確な加速度を検出することができる。
かかる作用効果は、カンチレバー22の磁石体21の微小変位に基づく磁界の微小変化を、精度の高いMI素子によって検出する構成において、極めて重要な意味を有する。
また、磁気検出ヘッド部23の感磁体24と周辺磁界検出部230の感磁体24とが一体化されているため、加速度センサ1の小型化、組立部品点数の削減を図ることができる。また、検出精度の高い加速度センサ1を得ることができる。
その他、実施例5と同様の作用効果を有する。
(実施例11)
本例は、図46に示すごとく、磁気検出ヘッド部23の感磁体24と周辺磁界検出部230の感磁体240とを別体とし、一直線上に配置した例である。
感磁体24と感磁体240とは、電気的に直列に接続されている。
その他は、実施例10と同様である。
本例の場合にも、実施例10と同様の作用効果を得ることができる。
(実施例12)
本例は、図47、図48に示すごとく、磁気検出ヘッド部23の感磁体24と周辺磁界検出部230の感磁体240とを並列配置した例である。
感磁体24と感磁体240とは互いに平行に配置している。また、感磁体24と感磁体240とは、電気的に直列に接続されている。その他は、実施例10と同様である。
本例の場合にも、実施例10と同様の作用効果を得ることができる。また、実施例11に比べて、カンチレバー22と磁気検出ヘッド部23と周辺磁界検出部230とをコンパクトに配置することができる。
(実施例13)
本例は、図49〜図52に示すごとく、Ni−Pからなると共に開口部225を有するカンチレバー22の断面寸法を規定した例である。
即ち、本例のカンチレバー22は、固定端221と自由端222との間に開口部225を設け、該開口部225を挟む状態で固定端221と自由端222とを連結する一対のフレーム部226を有する。該フレーム部226は、図51、図52に示すごとく、カンチレバー22の長手方向に直交する平面による断面形状において、最も厚い部分の厚みH1と最も薄い部分の厚みH2との差をhとし、幅をWfとしたとき、20μm≦Wf≦150μm、h/H2≦0.15を満たす。
上記カンチレバー22は、メッキによって形成することができるが、メッキのバラツキにより、図51、図52に示すように、フレーム部226に、厚みが大きい部分と小さい部分とが生ずる。そして、厚みのバラツキが大きいフレーム部226が撓むと、該フレーム部226に応力がかかりやすくなる。そこで、フレーム部226の厚みバラツキを、上記のように小さくして、フレーム部226にかかる応力を抑制する。
また、フレーム部23における上記厚みH1、H2は2〜5μm、カンチレバー22全体の幅Wは350〜1000μmである。また、開口部225の長さL0は0.1〜0.8mmである。
その他は、実施例5と同様である。
本例の場合には、柔軟性に優れると共に強度の高いカンチレバー22を得ることができる。即ち、加速度に対するカンチレバー22の変位を大きくすることができると共に、耐久性に優れたカンチレバー22を得ることができる。
特にフレーム部226の厚みバラツキを、h/H2≦0.15を満たすように小さくすることにより、カンチレバー22が撓む際の応力を抑制し、カンチレバー22の折損を防ぐことができる。
その他は、実施例5と同様である。
(実施例14)
本例は、Tiを35〜50重量%含有するNi−Ti合金によってカンチレバー22を構成した例である。
また、この場合、カンチレバー22は、0.1〜6μmの厚みを有する。また、カンチレバー22は、スパッタリングによって形成することができる。
その他は、実施例5と同様である。
本例の場合には、形状記憶性に優れたカンチレバー22を得ることができる。そのため、繰り返し使用した場合にも、カンチレバー22の自由端222の位置がずれることを防ぎ、正確な計測を維持することができる。
また、上記カンチレバー22の厚みが0.1〜6μmであるため、柔軟性に優れると共に強度の高いカンチレバー22を得ることができる。
その他、実施例5と同様の作用効果を有する。
(実施例15)
本例は、磁石体21を、FePt又はNdFeBによって構成した例である。
上記磁石体21は、カンチレバー22の自由端222にスパッタリングすることにより形成することができる。
また、上記磁石体21の長さLは0.2〜0.6mm、幅Wは0.05〜0.8mm、高さHは5〜200μmとすることができる。ここで、長さL、幅W、高さHの定義は、実施例5(図22)に準ずる。
なお、上記磁石体21の形状寸法の一例としては、L=0.4mm、W=0.5mm、H=80μmとすることができる。
その他は、実施例5と同様である。
本例の場合には、磁石体21の磁気性能を確保することができ、精度の高い加速度センサを得ることができる。
また、磁石体21を小さくすることが可能となるため、部品の小型化を図ることができる。
その他、実施例5と同様の作用効果を有する。
本発明は、上記各実施例を適宜組合わせた態様も可能であり、例えば、上記実施例5と実施例1〜4の何れかとを組合わせたり、実施例14と実施例15とを組合わせたりすることもできる。

Claims (24)

  1. 片持梁状をなし、基板上に立設された支持部材に固定された固定端を中心として回動するように弾性変形するカンチレバーと、該カンチレバーの自由端に設けた磁石体と、上記カンチレバーの回動領域の外周側に配置された磁気検出ヘッド部とを有する加速度センサにおいて、
    上記磁石体は、互いに逆向きの磁化方向を有する第1の磁石体と第2の磁石体とからなり、
    上記第1の磁石体及び上記第2の磁石体は、それぞれ、一又は複数の単位磁石体からなることを特徴とする加速度センサ。
  2. 請求項1において、上記第1の磁石体の磁気モーメントの大きさと、上記第2の磁石体の磁気モーメントの大きさとは、略等しいことを特徴とする加速度センサ。
  3. 請求項1又は2において、上記第1の磁石体或いは上記第2の磁石体を構成する上記各単位磁石体は、他の単位磁石体と隣接して隙間なく配置してあることを特徴とする加速度センサ。
  4. 請求項1又は2において、上記第1の磁石体と上記第2の磁石体との間には、非磁化領域が介在していることを特徴とする加速度センサ。
  5. 請求項4において、上記非磁化領域の長さGと、該非磁化領域に隣接する上記単位磁石体の長さLとは、
    G≧0.38L+0.16mm
    の関係を有することを特徴とする加速度センサ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記加速度センサは、上記第1の磁石体と上記第2の磁石体との互いの位置関係を固定するための固定手段を有することを特徴とする加速度センサ。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記カンチレバーは、平板状を呈し、その両側面が面する方向に上記自由端が変位するように構成してあり、上記第1の磁石体と上記第2の磁石体とは、上記カンチレバーの両側面のうちの一方に、上記カンチレバーにおける上記固定端から上記自由端に向かう軸方向と略直交する方向に隣接して配置してあることを特徴とする加速度センサ。
  8. 請求項1又は2において、上記カンチレバーは、平板状を呈し、その両側面が面する方向に上記自由端が変位するように構成してあり、第1の磁石体と上記第2の磁石体とは、上記カンチレバーを挟んで対面するように上記両側面にそれぞれ配置してあることを特徴とする加速度センサ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において、上記磁気検出ヘッド部は、作用する磁界の大きさに応じて特性が変化する感磁体と該感磁体の外周側に巻回した電磁コイルとを含み、上記感磁体に通電する電流の変化に伴い上記電磁コイルの両端に上記磁界の大きさに応じた電位差を発生するマグネト・インピーダンス・センサ素子よりなることを特徴とする加速度センサ。
  10. 請求項9において、上記加速度センサは、上記磁気検出ヘッド部に作用する周辺磁界を検出する周辺磁界検出部を有し、該周辺磁界検出部は、作用する磁界の大きさに応じて特性が変化する感磁体と該感磁体の外周側に巻回した電磁コイルとを含み、上記感磁体に通電する電流の変化に伴い上記電磁コイルの両端に上記磁界の大きさに応じた電位差を発生するMI素子よりなることを特徴とする加速度センサ。
  11. 請求項10において、上記磁気検出ヘッド部の出力電圧から上記周辺磁界検出部の出力電圧を減算する減算回路を有することを特徴とする加速度センサ。
  12. 請求項10において、上記加速度センサは、上記感磁体を互いに平行に配置した上記磁気検出ヘッド部及び上記周辺磁界検出部とを有し、上記磁気検出ヘッド部における上記電磁コイルの一端は、上記周辺磁界検出部における上記電磁コイルの一端と接続されており、上記磁気検出ヘッド部における上記電磁コイルと上記周辺磁界検出部における上記電磁コイルとは、上記磁気検出ヘッド部と上記周辺磁界検出部とのそれぞれに同じ磁界が作用したときに上記磁気検出ヘッド部と上記周辺磁界検出部とに逆向きの出力電圧が生じるような向きに巻回されていることを特徴とする加速度センサ。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項において、上記加速度センサは、上記カンチレバーと、上記磁石体と、上記磁気検出ヘッド部とを含む検知ユニットを2基有し、該各検知ユニットは、互いに直交する2軸方向に沿って作用する加速度をそれぞれ検出するように構成してあることを特徴とする加速度センサ。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項において、上記加速度センサは、上記カンチレバーと、上記磁石体と、上記磁気検出ヘッド部とを含む検知ユニットを3基有し、該各検知ユニットは、互いに直交する3軸方向に沿って作用する加速度をそれぞれ検出するように構成してあることを特徴とする加速度センサ。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項において、上記加速度センサは、上記磁気検出ヘッド部の出力信号を補正するための周辺磁界検出ユニットを有することを特徴とする加速度センサ。
  16. 請求項15において、上記磁気検出ヘッド部を制御するための電気回路と、該磁気検出ヘッド部の出力信号を補正するための上記周辺磁界検出ユニットを制御するための電気回路とは、共用のものであることを特徴とする加速度センサ。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項において、上記加速度センサは、一体的にモジュール化されたものであることを特徴とする加速度センサ。
  18. 請求項1〜17において、上記支持部材は、上記固定端を接合した基体部と、上記カンチレバーとの間に間隙を設けつつ上記基体部から上記カンチレバーの自由端側へ延設された延設部とを有することを特徴とする加速度センサ。
  19. 請求項18において、上記カンチレバーは、導電体からなり、上記支持部材は、上記延設部における上記カンチレバーとの対抗面に導電層を設けてなり、該導電層は、上記カンチレバーと電気的に導通していることを特徴とする加速度センサ。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項において、上記カンチレバーは、Ni−P合金からなることを特徴とする加速度センサ。
  21. 請求項20において、上記支持部材はセラミックスからなり、該支持部材と上記カンチレバーの固定端との間には、複数の金属層からなる多層金属層が介在していることを特徴とする加速度センサ。
  22. 請求項20において、上記磁石体は、樹脂磁石、或いは上記カンチレバーとの接合面に樹脂層を形成してなるものからなり、上記カンチレバーは、上記磁石体との接合面に、安定した不動態化皮膜を形成する金属層を配置してなることを特徴とする加速度センサ。
  23. 請求項20〜22のいずれか一項において、上記カンチレバーは、上記固定端と上記自由端との間に開口部を有すると共に、該開口部を挟む状態で上記固定端と上記自由端とを連結する一対のフレーム部を有し、該フレーム部は、上記カンチレバーの長手方向に直交する平面による断面形状において、最も厚い部分の厚みH1と最も薄い部分の厚みH2との差をhとし、幅をWfとしたとき、20μm≦Wf≦150μm、h/H2≦0.15を満たすことを特徴とする加速度センサ。
  24. 請求項1〜19のいずれか一項において、上記カンチレバーは、Ni−Ti合金からなると共に、0.1〜6μmの厚みを有することを特徴とする加速度センサ。
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