JPWO2005088877A1 - 光送信装置および光伝送システム - Google Patents

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Abstract

本発明の課題は、更なる多チャンネル化と伝送距離の拡大が低コストで実現可能になる光送信装置及び光伝送システムを提供することである。 本発明において、広帯域の周波数多重電気信号のうち良好な雑音特性、歪特性が要求される低周波側の送信信号で変調する第1の光信号(λ1)に対しては、第1のE/O変換手段(22)により外部変調方式で光変調する。一方、伝送特性の要求がそれほど高くない高周波側の送信信号で変調する第2の光信号(λ2)に対しては、第2のE/O変換手段(24)により直接変調方式でE/O変換を行う。これにより、更なる広帯域、多チャンネル化と伝送距離の拡大が実現可能になる光送信装置及び光伝送システムが低コストで実現可能となる。

Description

本発明は、光通信、光CATVなどに用いることができる光送信装置および光伝送システムに関するものである。
近年、メタルケーブル(例えば、同軸ケーブルなど)を介するCATVが普及しており、このCATVの送信局からは、送信信号として多様な変調方式の信号が多重化された、多チャネル映像信号を送信することが多い。
一方、光ファイバを利用した光伝送システムも各種開発されており、例えば光CATVなどでも、多チャンネル化を実現するために、送信周波数の広帯域化が要求されている。また、このような広帯域化の状況の下では、光ファイバでの低損失性、広帯域特性を生かすため、副搬送波多重伝送方式(以下、これを「SCM(Sub Carrier Multiplexing)光伝送方式」とよぶ。)が有効である。
このSCM光伝送方式は、例えば多チャネルの映像信号を、各々周波数の異なる複数のサブキャリア(副搬送波)によって電気的に周波数多重するとともに、その周波数多重映像信号を光強度変調して光信号に変換し、それを光ファイバで伝送するものである。
ところが、このSCM光伝送方式では、広帯域の周波数多重映像信号により半導体レーザへの注入電流を変動させ、電気/光変換(以下、これを「E/O変換」とよぶ)する「直接変調」を行うと、レーザの発振波長に広がりを生じる波長チャープにより、半導体レーザ(LD)、光アンプ、光ファイバ伝送路などの非線形性の影響を受け、「相互変調歪」が発生する。この相互変調歪を抑制するためには、多重性、つまりチャンネル数、光変調度、伝送距離に制限が生じる。
そこで、この歪特性の改善を目的とした光伝送システムも提案されている。このような光伝送システムとしては、例えば、周波数多重された電気信号を複数の周波数帯域に分割する。そして、複数の各半導体レーザ(LD)でE/O変換する際に、前述の分割した帯域の電気信号を半導体レーザに注入する。このようにして、直接変調によって光信号を生成する。その後、分割帯域ごとにそれぞれ直接変調して生成した前述の異なる波長域の光信号をひとつに合波し、光ファイバで光伝送するといったシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、前述の歪改善を目的とした光伝送システムによれば、電気信号の変調方式によらず、一様に直接変調方式によりE/O変換するために、複数の半導体レーザを使用することに対して、歪改善のコストパフォーマンスが良くなかった。
一方、この直接変調方式とは別の変調方式として、外部変調方式も知られているが、この外部変調方式で変調すると、光ファイバ内部での非線形光散乱、例えば後に詳述するSBS(誘導ブリルアン散乱)などの影響を受けやすい。このため、SBS抑制用の信号を多重させることが多く、周波数帯域に制限がある。このような事情から、広帯域の多チャネル映像信号は伝送するのが難しい。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、更なる多チャンネル化と伝送距離の拡大が実現可能になる光送信装置を低コストで提供することを目的とする。
また、本発明は、低コスト化が可能な光伝送システムを提供することを目的とする。
特開2002−164868号公報
本発明は、第1に、周波数多重電気信号で光変調して送信する光送信装置であって、
外部変調方式でE/O変換して第1の光信号を生成する第1のE/O変換手段と、
直接変調方式でE/O変換して第2の光信号を生成する第2のE/O変換手段と、
前記第1の光信号と、前記第2の光信号とを合波する合波手段とを備え、
前記第1のE/O変換手段は、前記周波数多重電気信号のうちの低周波側の電気信号によって、変調された前記第1の光信号を生成し、
前記第2のE/O変換手段は、前記周波数多重電気信号のうちの高周波側の電気信号によって、変調された前記第2の光信号を生成することを特徴としている。
広帯域の周波数多重電気信号のうち良好な雑音特性、歪特性が要求される低周波側の送信信号で変調する第1の光信号に対しては、外部変調方式を採用する。この外部変調方式により光変調を行うと、波長「チャーピング」(波長の広がり)が小さい。従って、例えば光信号のスペクトルが広がることによる歪劣化など、波長分散による各種伝送特性の劣化を回避できる。
一方、伝送特性の要求がそれほど高くない高周波側の送信信号で変調する第2の光信号に対しては、直接変調方式によりE/O変換を行う。一般に直接変調型のE/O変換器は外部変調型と比較して安価であるため、コストの削減が図れる。
また、本発明は、第2に、前記低周波側の送信信号が、多チャンネルAM信号及び/又はQAM信号であり、
前記高周波側の送信信号が、多チャンネルFM信号及び/又はPSK信号であることを特徴としている。
これにより、地上波アナログ/デジタル信号等を多重するUHF/VHF(後述する)帯の送信信号(第1の光信号)については、雑音特性、歪特性についての高特性を確保できるようになる。一方、BS放送信号等を多重する高周波帯の送信信号(第2の光信号)に対しては、雑音特性、歪特性についての要求レベルがそれほど高くないので、直接変調が採用可能となる。このように、雑音特性、歪特性の優劣に応じて周波数帯域を分割して異なる光変調方式で光変調し、その光変調後に合波させてある。従って、周波数帯域を狭めることなく広帯域のまま、1本の光ファイバで多チャンネルの良好な光伝送が実現可能となる。
また、本発明は、第3に、前記低周波側の多チャンネルAM信号及び/又はQAM信号で変調する前記第1の光信号が、前記光信号を光受信装置へ伝送する光伝送手段の伝送特性に応じて、前記高周波側の多チャンネルFM信号及び/又はPSK信号で変調する前記第2の光信号よりも、所要値以上光出力レベルが高いことを特徴としている。
この構成により、雑音特性の要求が高い第1の光信号に関して、雑音特性の要求がそれほど高くない第2の光信号よりも一定値以上高い光レベルを確保することで、受信の際に所要のCNR、延いては良好な受信特性が確保できる。
また、本発明は、第4に、前記合波後の光信号を増幅する光アンプを備えるとともに、
前記光アンプ出力時に前記第1の光信号の方を前記第2の光信号よりも所要値以上光出力レベルを高くするよう、前記光アンプへ光入力時の前記第1の光信号の方を前記第2の光信号よりも所要値以上光入力レベルを高くすることを特徴としている。
通常、光アンプとしてハイパワー出力が可能な後述のEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier;エルビウム添加光ファイバ増幅器)などを使用し、この光アンプに光レベル差がある2波長の光信号を入力すると、光アンプの利得飽和によりレベル差が減少する特有の現象を発生する。
そこで、本発明では、この特有現象を見込んだ分だけ2波長のレベル差を高めに設定している。これにより、光受信装置では、2波長の光信号を所要のレベル差で入力できるので、伝送手段中にハイパワーな光アンプを使用しても、所要のCNR(搬送波対雑音電力比)が得られ、良好な受信特性が確保できる。
また、本発明は、第5に、前記高周波側の多チャンネルFM信号の光変調度を特定値以上とすることを特徴としている。
この構成により、高周波側の多チャンネルFM信号でも、所要の雑音特性を確保することができる。
また、本発明は、第6に、前記各光信号の波長間隔を所定値の範囲内とすることを特徴としている。
例えば、2波長の光信号に対して、例えば波長間隔が狭すぎると後述する四光波混合(Four Wave Mixing)や相互位相変調(Cross Phase Modulation)などの光ファイバ特有の非線形効果によって伝送特性の劣化をもたらす。一方、波長間隔が広すぎると、光アンプの波長依存性などから、2波長の光信号に対して良好な光増幅を行うことが難しくなる。このような事情から、本発明では、波長間隔を一定に確保し、上記した不都合が発生するのを回避している。
本発明は、第7に、上記の光送信装置と、
上記の合波手段で合波された第1および第2の光信号とを伝送する単一の光ファイバと、
第1および第2の光信号を一括受信するO/E変換手段を備える光受信装置とを有することを特徴としている。
この構成により、加入者宅では、単一のO/E変換手段で多チャネル映像信号を受信できるので、その分、低コストな既存の設備で受信でき、広帯域に亙る多チャネル映像信号を送受信することができる光伝送システムとして低コストで実現可能となる。
[図1]本発明の第1の実施形態に係る光伝送システムを示す構成ブロック図
[図2]本発明の第1の実施形態に係る光伝送システムの光送信装置を示す構成ブロック図
[図3]同光伝送システムの光受信装置を示す構成ブロック図
[図4]本発明の第1の実施形態に用いる第1、第2の光信号の波長分布と光強度の関係を示すグラフ
[図5]第1の実施形態での同第1の光信号におけるCNRの光レベル差依存性を示すグラフ
[図6]同第2の光信号におけるCNRの光変調度依存性を示すグラフ
[図7]本発明の第2の実施形態に係る光伝送システムを示す構成ブロック図
[図8]第2の実施形態での同第1の光信号におけるCNRの光レベル差依存性を示すグラフ
[図9]第2の実施形態でのEDFAにおける利得と波長との相関を示すグラフ
符号の説明
2は(波長多重)光送信装置、20A〜20Dは第1〜第4の信号出力手段(信号源)、20Aは地上波アナログ信号(AM信号)、20Bは地上波デジタル信号(QAM信号)、20CはCATV放送信号(AM及び/又はQAM信号)、20DはBS信号(FM信号)、21は電気信号合波手段、22は第1のE/O変換部、24は第2のE/O変換部、25は減衰部、26は合波部、
3は光伝送手段(光ファイバ)、
4は分岐手段、
5は(波長多重)光受信装置、51はO/E変換部、52は増幅部、54はチューナおよびテレビジョン受像機、
6、6A、6Bは光アンプ、
P1は第1の光信号(強度)、P2は第2の光信号(強度)、
λ1は第1の波長(1.555μm)、λ2は第2の波長(1.560μm)
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施形態である光伝送システムを示すものであり、この光伝送システムは、光CATVネットワークシステムを構成しており、光送信装置2と、光伝送手段3と、分岐手段4と、光受信装置5とを備えている。
一般に、光送信装置で送信信号を光変調する場合、原理上、分散が生じず雑音、歪特性に優れる外部変調方式の方が好ましい。ところが、この外部変調方式は、SBSなどの非線形効果の影響を受けやすく、それを抑制するための重畳信号により、周波数帯域に制限がある。
そこで、特に周波数帯が広域化した送信信号などを用いる本発明では、(FM信号などの)高周波側の送信信号については、要求される伝送特性が低いため、外部変調方式のE/O変換器に重畳せず別途設けた直接変調方式のE/O変換器で光変調させている。即ち、本発明では、送信信号を周波数の高低と要求特性に応じて2帯域に分け、低周波側の送信信号を外部変調によって光変調するとともに高周波側の送信信号を直接変調により光変調するように、E/O変換部を2つ設けており、その後でこれらの光変調された光信号どうしを合波させている。
従って、図2に示す光送信装置2では、信号源である第1〜第4の信号出力手段20A〜20Dと、第1〜第3の電気信号を合波させる電気信号合波部21と、外部変調方式による第1のE/O変換部22と、直接変調方式による第2のE/O変換部24と、減衰部25と、合波部26とを放送局舎Sに備えた構成としている。そして、この光送信装置2は、周波数多重映像信号でそれぞれ変調した波長帯域が1.5μm帯の2波長(λ1、λ2)の光信号を、光波長多重信号として、後述する単一の光ファイバ3を介して、放送局舎S側から各加入者宅H側へ光送信している。
第1〜第3の信号出力手段20A〜20Cからは、低周波側の送信信号(周波数多重映像信号)である地上波アナログAM信号、地上波デジタルQAM信号およびCATV信号、つまりAM及び/又はQAM信号が、電気信号合波部21で合波されてひとつにまとめられた後、第1のE/O変換部22に入力して第1の波長λ1の第1の光信号に変換される。
即ち、本実施形態では、第1〜第3の信号出力手段20A〜20Cからは、それぞれ地上放送用アナログ信号などのAM信号、地上波デジタル信号などのQAM(Quadrature Amplitude Modulation;位相変調と振幅変調とを複合させた変調方式)信号およびCATV信号などの低周波側の送信信号(周波数多重映像信号)が電気信号合波部21へ出力される。このため、これら第1〜第3の信号出力手段20A〜20Cの各出力が、電気信号合波部21の入力に接続されている。
また、この電気信号合波部21から出力する低周波側の電気信号を合波した周波数多重映像信号を外部変調方式による第1のE/O変換部22へ出力している。このため、電気信号合波部21の出力が第1のE/O変換部22の入力に接続している。
一方、第4の信号出力手段20Dからは、高周波側の送信信号(周波数多重映像信号)を第2のE/O変換部24へ出力している。この高周波側周波数多重映像信号は、例えば衛星放送(BS)信号などのFM信号やPSK信号であって、第2のE/O変換部24で直接変調方式で第2の波長λ2の第2の光信号に変換される。
外部変調方式の第1のE/O変換部22では、ひとつに合波された低周波側の多チャンネルAM/QAM電気信号を用いて、光源からの光を外部変調させ、第1の波長λ1(=1.555μm)の光(第1の光信号)を光出力P1で出射する。本実施形態の第1のE/O変換部22には、いずれも図示しないが、例えば光源である半導体レーザ(LD)と、外部変調器(例えばLN変調器やEA変調器など)などが設けられている。
このうち、本実施形態の光源である半導体レーザ(LD)には、安定した単一モードの発振による大容量長距離通信に好適な分布帰還型の半導体レーザ(DFB−LD)を用いている。
一方、LN変調器には、電圧を印加すると屈折率が変化する電気光学効果(具体的には、ポッケルス効果)を利用したマッハツェンダー型外部変調器を用いており、非常に広帯域で、「チャーピング」のない良好な光強度変調を高速で行うことができる。このマッハツェンダー型外部変調器は、直接変調方式のものとは異なり、変調時に波長チャープが原理上生じないため、相互変調歪特性が優れている。また、変調器の入出力特性が正弦波状であるために生じる波形歪も入出力特性が簡単な式で表せるため、歪補償も容易であるという特徴を有する。
なお、「チャーピング」とは、半導体レーザへの注入電流を変化させて直接変調を行うような場合に、内部で屈折率変化が生じ、その結果、波長が変化する現象のことである。このチャーピングが発生すると、波長スペクトルが広がるために長距離ファイバの波長分散の影響を受け、伝送距離に制限をもたらす。
EA変調器は、半導体の電界吸収効果を利用したものであって、多重量子井戸構造の導波層を挟んだ、n、p型層に電界を印加することで、伝導帯と荷電子帯にエネルギー準位差(バンドギャップ)が変化し、光子吸収量が変化することで光強度変調を行うものであり、小型化が可能であるとともに低電圧での光強度変調が実現できる。
第2のE/O変換部24は、第2の波長λ2(1.560μm)の光(第2の光信号)を生成するものであり、半導体レーザ(LD)が用いられている。また、この第2のE/O変換部24では、衛星放送(BS)信号などの周波数多重化された高周波側の電気信号(周波数多重映像信号)でレーザの注入電流を変調することで、光強度変調を行うようになっており、第2の光信号が光出力P2で出射する。
なお、これら第1、第2の光信号の波長間隔(図4に示すように、2つの光信号の波長間隔Δα)は、所要の一定範囲(例えば、本実施形態では、5nm)に調整されている。
一般に、外部変調方式で光変調する場合、前述したように、光波長スペクトルの幅が狭いため、後述する「SBS」(誘導ブリルアン散乱)の影響を受けやすく、SBS抑制用の信号を多重させる必要がある。ところが、本実施形態では、外部変調方式で光変調する周波数帯域としては、第1の波長の光出力P1を生成するUHF/VHF帯の地上波アナログ、デジタル信号を含む低周波帯域(およそ、70〜770MHz)のみであり、衛星放送(BS)信号を含む高周波帯域(およそ、1000〜1350MHz)を除いてある。SBS抑制用の信号の周波数は前記低周波帯域外が有効と考えられており、低周波帯域のみを送信する場合は、帯域を狭めるダウンコンバートなども行う必要がない。
なお、このSBS(Stimulated Brillion Scattering)とは、一定光量以上の強い光パワーを光ファイバに入力すると、入力波長から少しずれた波長の反射光が発生する現象であって、音響的振動(フォノン)による散乱のことをいう。
減衰部25は、第1、第2の光信号の光出力強度に所要値以上のレベル差を設ける(これについては、後に詳述する)ことにより、波長λ2の光信号による、波長λ1の光信号の雑音特性の劣化を抑え、光受信装置5の後述するO/E変換部51での2波(つまり、第1、第2の光信号(λ1、λ2))のO/E変換後の雑音特性の確保を確実に行うためのものであり、アッテネータ等が使用されている。
合波部26は、第1、第2の2波の光信号(λ1、λ2)を合波・結合させるものであり、光結合器、例えば光ファイバカプラ(これ以外に、例えば平面導波型光結合器などでもよい)が用いられる。この合波部26で合波された第1、第2の光信号(λ1、λ2)は、光伝送手段3である1本の光ファイバを介して光受信装置5のある各加入者宅まで一括して伝送される。
光伝送手段3は、SMF(Single Mode Fiber)の光ファイバを使用してFTTH(Fiber To The Home)型の光CATVネットワークの一部を構成しており、一端側が合波部25の一端部に光学的に接続されているとともに、他端側が光受信装置5の後述するO/E変換部51に接続されている。
なお、本発明の光CATVネットワークとしては、FTTHに限らず、オフィスなどのあるビルまで光ファイバで接続し、その先の引き込みにはメタルケーブルを使うFTTB(Fiber To The Building)や、家庭の直前までは光ファイバで、その先の引き込みにはメタルケーブルを使うFTTC(Fiber To The Curb)などでもよい。
分岐手段4は、伝送すべき各加入者宅への光信号の分岐を行うためのものであり、光カプラ(光分岐器)が使用されており、具体的には、光ファイバカップラ型、平面導波路型などの各種タイプが適用可能である。
光受信装置5は、O/E変換部51と、増幅部52などを光加入者線終端装置(ONU;Optical Network Unit)に備えるとともに、チューナおよびテレビジョン受像機54などを備えている。
このうち、O/E変換部51は、光伝送手段3である光ファイバを伝送して送り出された第1の波長λ1および第2の波長λ2の光信号を一括受信し、これらをO/E変換させる。即ち、このO/E変換部51は、信号源から出力され各チャンネルの周波数多重映像信号として多重化された2波の光信号から、地上波アナログAM信号、地上波デジタルQAM信号、CATV信号、衛星放送(BS)信号等にそれぞれ対応する各(映像)電気信号を周波数多重させたものに変換させるものであり、これらの電信信号は増幅部52へ出力する。
このO/E変換部51には、本実施形態の場合、受光素子として具体的には、例えばPINフォトダイオードが使用されているが、これより感度を高めたAPDフォトダイオードでもよい。
なお、本実施形態では、このO/E変換部51である1個の受光素子により全帯域の光信号を一括受信するようになっており、このため、公知の手段によって所望の信号を抽出するように構成している。
チューナおよびテレビジョン受像機54は、STB(Set Top Box)などを介することなく、光加入者線終端装置(ONU)と同軸ケーブルなどで接続されている。
次に、本実施形態の光送信装置2と光受信装置5とを用いた光伝送システムについて、各要素(パラメータ)の設定条件を具体的に説明する。
(I)本発明の光伝送システムでは、十分な伝送品質を確保するため、少なくとも、第1のE/O変換部22からの光出力強度P1[dB]のほうが、第2のE/O変換部24からの光出力強度P2[dB]よりも大きくなるように構成している。
(I−A)即ち、第2のE/O変換部24でE/O変換するのは、衛星放送(BS)信号等の、つまり高周波側のFM信号及び/又はPSK信号であって、このFM信号及び/又はPSK信号は本質的に雑音の要求特性が低い。そこで、本実施形態では、この第2のE/O変換部24の光出力強度P2の方のレベルを低下させることで所要のレベル差を確保するように構成しており、光受信装置5での2波のO/E変換後の電気信号の雑音特性確保を確実に行うようになっている。
特に、本実施形態では、例えば、第1、第2のE/O変換部22、24から光出力の際のレベル差が、次式
P1−P2>6.5[dB] ・・・(1)
但し、P1;第1のE/O変換部22の出力
P2;第2のE/O変換部24の出力
を満足するように設定してある。
(I−B)
この関係式の根拠を以下に述べる。本実施形態にかかる光伝送システムを用いて受光時の2波の光レベル差とCNR(Carrier to Noise Ratio:搬送波対雑音電力比)との相関を調べる。そこで、これらの要素について計測してみたところ、図5に示すような関係が得られた。
このCNR光レベル差依存性を示す図5のグラフによれば、レベル差が大きくなるにつれて、CNRが改善されることがわかる。
例えば、CNRとして、本実施形態の場合には45[dB]が必要であるとの知見を得ている。そこで、この45[dB]を確保するには、第1、第2のE/O変換部22、24から出力する2波での光出力強度P1、P2について、前述した(1)式のように、6.5[dB]以上のレベル差をつける必要があることがわかる。
(II)一方、高周波帯の光信号、つまり第2光信号については、雑音特性を所要レベル以下に抑えて十分な伝送品質を確保するため、この高周波帯の光変調度を増大させてCNRを改善する方法が有効である。
即ち、光変調度とCNRとの相関性を調べるために、これらの要素について計測してみたところ、図6に示すような関係が得られた。このCNR変調度依存性を示す図6のグラフにより、変調度が高くなるにつれて、CNRが改善されることがわかる。
例えば、高周波帯のCNRとして、例えば17[dB]を確保するには、第2のE/O変換部24での直接光変調の際に、変調度が3.3[%]以上、つまり
M2>0.033 ・・・(2)
但し、M2;第2のE/O変換部24での直接光変調度
にする必要があることがわかる。
(III)さらに、光強度が大きくなりすぎると、光の電界によって誘起され屈折率に影響を与える分極が、電界の大きさに比例しなくなる(線形性が崩れる)現象を招く。いわゆる非線形性を発生する。そこで、これに対する対策も必要となる。
例えば、2つ以上の光が相互作用して新しい光を発生させる四光波混合(Four Wave Mixing)、他の光の強度により位相が変化する相互位相変調(Cross Phase Modulation)などの非線形性効果による雑音特性、歪特性の劣化を防止するためには、波長間隔(Δα)が、所要範囲以上あることが必要である。
今回のCNR等の測定には最適な波長間隔(Δα)として例えば、次式の条件
Δα≒5[nm] ・・・(3)
を満たすように設定した。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る光伝送システムについて、図7〜図9を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
本実施形態の光伝送システムが、第1の実施形態と異なるのは、多数の加入者に対応して多チャンネル信号(周波数多重映像信号)を配信させる(あるいは、長距離送信でもよい)ため、図7に示すように、光アンプ6を多段(本実施形態では、2段の光アンプ6A、6B)に設けている点である。これにより、第1、第2の光信号λ1、λ2を高出力化させるように構成している。
光アンプ6は、2波の第1、第2光信号λ1、λ2を光受信装置へ伝送する光伝送手段(光ファイバ)3の伝送特性に応じて光増幅し、第1光信号(波長λ1)の方を第2の光信号(波長λ2)よりも所要値以上光レベルを高くしている。
本実施形態の場合、1.55μm帯に対応した遷移を持つエルビウムドープ光ファイバと半導体レーザを組み合わせたエルビウムドープ光ファイバ増幅器(EDFA)が用いられており、これは高出力、低雑音性、広帯域などの点で優れている。
なお、この光アンプには、特にこのEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)に限定されるものではなく、これ以外に、例えば光ファイバラマン増幅器(FRA)、半導体光増幅器(SOA)などの各種タイプのものが適用可能である。
次に、本実施形態の光送信装置2と光受信装置5とを用いた光伝送システムについて、各要素(パラメータ)の設定条件を具体的に説明する。
本実施形態の光伝送システムでは、第1の実施形態で説明した(I)〜(III)と同様の条件が課せられており、これについて以下に説明する。
(I)十分な伝送品質を確保するため、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、少なくとも、第1のE/O変換部22の光出力強度P1[dB]のほうが、第2のE/O変換部24の光出力強度P2[dB]よりも大きくなるように構成している。
特に、本実施形態では、例えば、第1、第2のE/O変換部22、24(図2参照)から出力する2波の光強度のレベル差が、次式
P1−P2>10.5[dB] ・・・(4)
を満足するように、設定してある。
即ちこれは、本実施形態でも、光伝送システムを用いて受光時の2波の光レベル差とCNR(Carrier to Noise Ratio:搬送波対雑音電力比)との相関を調べるために、これらの要素について計測してみたところ、図8に示すような関係が得られた。
そして、またこのCNR光レベル差依存性を示す図8のグラフでも、レベル差が大きくなるにつれて、CNRが改善されることがわかる。
例えば、CNRとして45[dB]を確保するには、第1、第2のE/O変換部22、24での光出力強度P1、P2について、前式(4)に示すように、10.5dB以上の差をつける必要がある。
このように、必要とする2波分離に関する第1、第2のE/O変換部22、24(図2参照)での光出力の際のレベル差については、第1の実施形態の場合と異なる。この理由は、以下の通りである。
即ち、本実施形態では、光アンプ6を高出力の飽和状態で使用すると、この光アンプ6に対してある一定の光レベル差をもった2波長(λ1、λ2)の光を入力させた場合、2波長(λ1、λ2)の光レベル差が縮まる固有の現象を発生する。
例えば、一定の光レベル差をもった2波長(λ1、λ2)の光を入力させた場合、光アンプ6の一段当たり、およそ2〜3dB程度の光レベル差が縮まる現象を発生する。そこで、予めこの現象が発生することを見越して、光アンプの設置段数だけレベル差を確保する必要がある。例えば、本実施形態では、2段の光アンプを使用しているので、CNR45dBを確保するために、(1)式での値6.5[dB]に比べて少なくとも4[dB]程度光レベル差を増大させて、光レベル差を10.5[dB]としている。
これにより、ハイパワー光アンプを使用することもできるようになる。
次に、光強度が大きくなりすぎることにより発生する非線形現象に対する対策も必要となるので、この非線形性効果による雑音特性、歪特性の劣化を防止するため、波長間隔(Δα)が、所要範囲内であることが必要である。
即ち、光アンプ6にEDFA(Erbium Doped optical Fiber Amplifier)を使用する場合、波長に対するゲインは、図9に示すグラフに示すように、安定した増幅率等を得るために、波長間隔を一定値以下に設定する必要がある。そこで、本実施形態では、波長間隔を例えば5nmに設定している。
なお、本発明では、周波数変換(CATV独自の放送信号やBS放送の信号等をUHF帯域やVHF帯域の信号に周波数変換して伝送(送信)する)せずにパススルー(変調周波数を変えずに受信した放送(電波)信号と同じ周波数で伝送する方式)で送信するように構成してある。このため、多チャネル映像信号をそれぞれの加入者宅で低コストな既存の設備で受信することができ、便宜である。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2004年3月10日出願の日本特許出願(特許願2004−067017)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、広帯域の周波数多重電気信号のうち良好な雑音特性、歪特性が要求される低周波側の送信信号で変調する第1の光信号に対しては、外部変調方式を採用する。この外部変調方式により光変調を行うと、波長「チャーピング」(波長の広がり)が小さいので、例えば光信号のスペクトルが広がることによる歪劣化など、波長分散による各種伝送特性の劣化を回避できる。一方、伝送特性の要求がそれほど高くない高周波側の送信信号で変調する第2の光信号に対しては、直接変調方式によりE/O変換を行う。一般に直接変調型のE/O変換器は外部変調型と比較して安価であり、コストの削減が図れる。これにより、更なる多チャンネル化と伝送距離の拡大を実現することが可能になるとともに、光受信装置、光伝送システムの低コスト化が可能になり、光通信、光CATVなどの光通信用の光伝送システムなどに有用である。
本発明は、光通信、光CATVなどに用いることができる光送信装置および光伝送システムに関するものである。
近年、メタルケーブル(例えば、同軸ケーブルなど)を介するCATVが普及しており、このCATVの送信局からは、送信信号として多様な変調方式の信号が多重化された、多チャネル映像信号を送信することが多い。
一方、光ファイバを利用した光伝送システムも各種開発されており、例えば光CATVなどでも、多チャンネル化を実現するために、送信周波数の広帯域化が要求されている。また、このような広帯域化の状況の下では、光ファイバでの低損失性、広帯域特性を生かすため、副搬送波多重伝送方式(以下、これを「SCM(Sub Carrier Multiplexing)光伝送方式」とよぶ。)が有効である。
このSCM光伝送方式は、例えば多チャネルの映像信号を、各々周波数の異なる複数のサブキャリア(副搬送波)によって電気的に周波数多重するとともに、その周波数多重映像信号を光強度変調して光信号に変換し、それを光ファイバで伝送するものである。
ところが、このSCM光伝送方式では、広帯域の周波数多重映像信号により半導体レーザへの注入電流を変動させ、電気/光変換(以下、これを「E/O変換」とよぶ)する「直接変調」を行うと、レーザの発振波長に広がりを生じる波長チャープにより、半導体レーザ(LD)、光アンプ、光ファイバ伝送路などの非線形性の影響を受け、「相互変調歪」が発生する。この相互変調歪を抑制するためには、多重性、つまりチャンネル数、光変調度、伝送距離に制限が生じる。
そこで、この歪特性の改善を目的とした光伝送システムも提案されている。このような光伝送システムとしては、例えば、周波数多重された電気信号を複数の周波数帯域に分割する。そして、複数の各半導体レーザ(LD)でE/O変換する際に、前述の分割した帯域の電気信号を半導体レーザに注入する。このようにして、直接変調によって光信号を生成する。その後、分割帯域ごとにそれぞれ直接変調して生成した前述の異なる波長域の光信号をひとつに合波し、光ファイバで光伝送するといったシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、前述の歪改善を目的とした光伝送システムによれば、電気信号の変調方式によらず、一様に直接変調方式によりE/O変換するために、複数の半導体レーザを使用することに対して、歪改善のコストパフォーマンスが良くなかった。
一方、この直接変調方式とは別の変調方式として、外部変調方式も知られているが、この外部変調方式で変調すると、光ファイバ内部での非線形光散乱、例えば後に詳述するSBS(誘導ブリルアン散乱)などの影響を受けやすい。このため、SBS抑制用の信号を多重させることが多く、周波数帯域に制限がある。このような事情から、広帯域の多チャネル映像信号は伝送するのが難しい。
特開2002−164868号公報
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、更なる多チャンネル化と伝送距離の拡大が実現可能になる光送信装置を低コストで提供することを目的とする。
また、本発明は、低コスト化が可能な光伝送システムを提供することを目的とする。
本発明は、第1に、周波数多重電気信号で光変調して送信する光送信装置であって、
外部変調方式でE/O変換して第1の光信号を生成する第1のE/O変換手段と、
直接変調方式でE/O変換して第2の光信号を生成する第2のE/O変換手段と、
前記第1の光信号と、前記第2の光信号とを合波する合波手段とを備え、
前記第1のE/O変換手段は、前記周波数多重電気信号のうちの低周波側の電気信号によって、変調された前記第1の光信号を生成し、
前記第2のE/O変換手段は、前記周波数多重電気信号のうちの高周波側の電気信号によって、変調された前記第2の光信号を生成することを特徴としている。
広帯域の周波数多重電気信号のうち良好な雑音特性、歪特性が要求される低周波側の送信信号で変調する第1の光信号に対しては、外部変調方式を採用する。この外部変調方式により光変調を行うと、波長「チャーピング」(波長の広がり)が小さい。従って、例えば光信号のスペクトルが広がることによる歪劣化など、波長分散による各種伝送特性の劣化を回避できる。
一方、伝送特性の要求がそれほど高くない高周波側の送信信号で変調する第2の光信号に対しては、直接変調方式によりE/O変換を行う。一般に直接変調型のE/O変換器は外部変調型と比較して安価であるため、コストの削減が図れる。
また、本発明は、第2に、前記低周波側の送信信号が、多チャンネルAM信号及び/又はQAM信号であり、
前記高周波側の送信信号が、多チャンネルFM信号及び/又はPSK信号であることを特徴としている。
これにより、地上波アナログ/デジタル信号等を多重するUHF/VHF(後述する)帯の送信信号(第1の光信号)については、雑音特性、歪特性についての高特性を確保できるようになる。一方、BS放送信号等を多重する高周波帯の送信信号(第2の光信号)に対しては、雑音特性、歪特性についての要求レベルがそれほど高くないので、直接変調が採用可能となる。このように、雑音特性、歪特性の優劣に応じて周波数帯域を分割して異なる光変調方式で光変調し、その光変調後に合波させてある。従って、周波数帯域を狭めることなく広帯域のまま、1本の光ファイバで多チャンネルの良好な光伝送が実現可能となる。
また、本発明は、第3に、前記低周波側の多チャンネルAM信号及び/又はQAM信号で変調する前記第1の光信号が、前記光信号を光受信装置へ伝送する光伝送手段の伝送特性に応じて、前記高周波側の多チャンネルFM信号及び/又はPSK信号で変調する前記第2の光信号よりも、所要値以上光出力レベルが高いことを特徴としている。
この構成により、雑音特性の要求が高い第1の光信号に関して、雑音特性の要求がそれほど高くない第2の光信号よりも一定値以上高い光レベルを確保することで、受信の際に所要のCNR、延いては良好な受信特性が確保できる。
また、本発明は、第4に、前記合波後の光信号を増幅する光アンプを備えるとともに、
前記光アンプ出力時に前記第1の光信号の方を前記第2の光信号よりも所要値以上光出力レベルを高くするよう、前記光アンプへ光入力時の前記第1の光信号の方を前記第2の光信号よりも所要値以上光入力レベルを高くすることを特徴としている。
通常、光アンプとしてハイパワー出力が可能な後述のEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier;エルビウム添加光ファイバ増幅器)などを使用し、この光アンプに光レベル差がある2波長の光信号を入力すると、光アンプの利得飽和によりレベル差が減少する特有の現象を発生する。
そこで、本発明では、この特有現象を見込んだ分だけ2波長のレベル差を高めに設定している。これにより、光受信装置では、2波長の光信号を所要のレベル差で入力できるので、伝送手段中にハイパワーな光アンプを使用しても、所要のCNR(搬送波対雑音電力比)が得られ、良好な受信特性が確保できる。
また、本発明は、第5に、前記高周波側の多チャンネルFM信号の光変調度を特定値以上とすることを特徴としている。
この構成により、高周波側の多チャンネルFM信号でも、所要の雑音特性を確保することができる。
また、本発明は、第6に、前記各光信号の波長間隔を所定値の範囲内とすることを特徴としている。
例えば、2波長の光信号に対して、例えば波長間隔が狭すぎると後述する四光波混合(Four Wave Mixing)や相互位相変調(Cross Phase Modulation)などの光ファイバ特有の非線形効果によって伝送特性の劣化をもたらす。一方、波長間隔が広すぎると、光アンプの波長依存性などから、2波長の光信号に対して良好な光増幅を行うことが難しくなる。このような事情から、本発明では、波長間隔を一定に確保し、上記した不都合が発生するのを回避している。
本発明は、第7に、上記の光送信装置と、
上記の合波手段で合波された第1および第2の光信号とを伝送する単一の光ファイバと、
第1および第2の光信号を一括受信するO/E変換手段を備える光受信装置とを有することを特徴としている。
この構成により、加入者宅では、単一のO/E変換手段で多チャネル映像信号を受信できるので、その分、低コストな既存の設備で受信でき、広帯域に亙る多チャネル映像信号を送受信することができる光伝送システムとして低コストで実現可能となる。
本発明によれば、更なる広帯域、多チャンネル化と伝送距離の拡大が実現可能になる光送信装置及び光伝送システムが低コストで実現可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施形態である光伝送システムを示すものであり、この光伝送システムは、光CATVネットワークシステムを構成しており、光送信装置2と、光伝送手段3と、分岐手段4と、光受信装置5とを備えている。
一般に、光送信装置で送信信号を光変調する場合、原理上、分散が生じず雑音、歪特性に優れる外部変調方式の方が好ましい。ところが、この外部変調方式は、SBSなどの非線形効果の影響を受けやすく、それを抑制するための重畳信号により、周波数帯域に制限がある。
そこで、特に周波数帯が広域化した送信信号などを用いる本発明では、(FM信号などの)高周波側の送信信号については、要求される伝送特性が低いため、外部変調方式のE/O変換器に重畳せず別途設けた直接変調方式のE/O変換器で光変調させている。即ち、本発明では、送信信号を周波数の高低と要求特性に応じて2帯域に分け、低周波側の送信信号を外部変調によって光変調するとともに高周波側の送信信号を直接変調により光変調するように、E/O変換部を2つ設けており、その後でこれらの光変調された光信号どうしを合波させている。
従って、図2に示す光送信装置2では、信号源である第1〜第4の信号出力手段20A〜20Dと、第1〜第3の電気信号を合波させる電気信号合波部21と、外部変調方式による第1のE/O変換部22と、直接変調方式による第2のE/O変換部24と、減衰部25と、合波部26とを放送局舎Sに備えた構成としている。そして、この光送信装置2は、周波数多重映像信号でそれぞれ変調した波長帯域が1.5μm帯の2波長(λ1、λ2)の光信号を、光波長多重信号として、後述する単一の光ファイバ3を介して、放送局舎S側から各加入者宅H側へ光送信している。
第1〜第3の信号出力手段20A〜20Cからは、低周波側の送信信号(周波数多重映像信号)である地上波アナログAM信号、地上波デジタルQAM信号およびCATV信号、つまりAM及び/又はQAM信号が、電気信号合波部21で合波されてひとつにまとめられた後、第1のE/O変換部22に入力して第1の波長λ1の第1の光信号に変換される。
即ち、本実施形態では、第1〜第3の信号出力手段20A〜20Cからは、それぞれ地上放送用アナログ信号などのAM信号、地上波デジタル信号などのQAM(Quadrature Amplitude Modulation;位相変調と振幅変調とを複合させた変調方式)信号およびCATV信号などの低周波側の送信信号(周波数多重映像信号)が電気信号合波部21へ出力される。このため、これら第1〜第3の信号出力手段20A〜20Cの各出力が、電気信号合波部21の入力に接続されている。
また、この電気信号合波部21から出力する低周波側の電気信号を合波した周波数多重映像信号を外部変調方式による第1のE/O変換部22へ出力している。このため、電気信号合波部21の出力が第1のE/O変換部22の入力に接続している。
一方、第4の信号出力手段20Dからは、高周波側の送信信号(周波数多重映像信号)を第2のE/O変換部24へ出力している。この高周波側周波数多重映像信号は、例えば衛星放送(BS)信号などのFM信号やPSK信号であって、第2のE/O変換部24で直接変調方式で第2の波長λ2の第2の光信号に変換される。
外部変調方式の第1のE/O変換部22では、ひとつに合波された低周波側の多チャンネルAM/QAM電気信号を用いて、光源からの光を外部変調させ、第1の波長λ1(=1.555μm)の光(第1の光信号)を光出力P1で出射する。本実施形態の第1のE/O変換部22には、いずれも図示しないが、例えば光源である半導体レーザ(LD)と、外部変調器(例えばLN変調器やEA変調器など)などが設けられている。
このうち、本実施形態の光源である半導体レーザ(LD)には、安定した単一モードの発振による大容量長距離通信に好適な分布帰還型の半導体レーザ(DFB−LD)を用いている。
一方、LN変調器には、電圧を印加すると屈折率が変化する電気光学効果(具体的には、ポッケルス効果)を利用したマッハツェンダー型外部変調器を用いており、非常に広帯域で、「チャーピング」のない良好な光強度変調を高速で行うことができる。このマッハツェンダー型外部変調器は、直接変調方式のものとは異なり、変調時に波長チャープが原理上生じないため、相互変調歪特性が優れている。また、変調器の入出力特性が正弦波状であるために生じる波形歪も入出力特性が簡単な式で表せるため、歪補償も容易であるという特徴を有する。
なお、「チャーピング」とは、半導体レーザへの注入電流を変化させて直接変調を行うような場合に、内部で屈折率変化が生じ、その結果、波長が変化する現象のことである。このチャーピングが発生すると、波長スペクトルが広がるために長距離ファイバの波長分散の影響を受け、伝送距離に制限をもたらす。
EA変調器は、半導体の電界吸収効果を利用したものであって、多重量子井戸構造の導波層を挟んだ、n、p型層に電界を印加することで、伝導帯と荷電子帯にエネルギー準位差(バンドギャップ)が変化し、光子吸収量が変化することで光強度変調を行うものであり、小型化が可能であるとともに低電圧での光強度変調が実現できる。
第2のE/O変換部24は、第2の波長λ2(1.560μm)の光(第2の光信号)を生成するものであり、半導体レーザ(LD)が用いられている。また、この第2のE/O変換部24では、衛星放送(BS)信号などの周波数多重化された高周波側の電気信号(周波数多重映像信号)でレーザの注入電流を変調することで、光強度変調を行うようになっており、第2の光信号が光出力P2で出射する。
なお、これら第1、第2の光信号の波長間隔(図4に示すように、2つの光信号の波長間隔Δα)は、所要の一定範囲(例えば、本実施形態では、5nm)に調整されている。
一般に、外部変調方式で光変調する場合、前述したように、光波長スペクトルの幅が狭いため、後述する「SBS」(誘導ブリルアン散乱)の影響を受けやすく、SBS抑制用の信号を多重させる必要がある。ところが、本実施形態では、外部変調方式で光変調する周波数帯域としては、第1の波長の光出力P1を生成するUHF/VHF帯の地上波アナログ、デジタル信号を含む低周波帯域(およそ、70〜770MHz)のみであり、衛星放送(BS)信号を含む高周波帯域(およそ、1000〜1350MHz)を除いてある。SBS抑制用の信号の周波数は前記低周波帯域外が有効と考えられており、低周波帯域のみを送信する場合は、帯域を狭めるダウンコンバートなども行う必要がない。
なお、このSBS(Stimulated Brillion Scattering)とは、一定光量以上の強い光パワーを光ファイバに入力すると、入力波長から少しずれた波長の反射光が発生する現象であって、音響的振動(フォノン)による散乱のことをいう。
減衰部25は、第1、第2の光信号の光出力強度に所要値以上のレベル差を設ける(これについては、後に詳述する)ことにより、波長λ2の光信号による、波長λ1の光信号の雑音特性の劣化を抑え、光受信装置5の後述するO/E変換部51での2波(つまり、第1、第2の光信号(λ1、λ2))のO/E変換後の雑音特性の確保を確実に行うためのものであり、アッテネータ等が使用されている。
合波部26は、第1、第2の2波の光信号(λ1、λ2)を合波・結合させるものであり、光結合器、例えば光ファイバカプラ(これ以外に、例えば平面導波型光結合器などでもよい)が用いられる。この合波部26で合波された第1、第2の光信号(λ1、λ2)は、光伝送手段3である1本の光ファイバを介して光受信装置5のある各加入者宅まで一括して伝送される。
光伝送手段3は、SMF(Single Mode Fiber)の光ファイバを使用してFTTH(Fiber To The Home)型の光CATVネットワークの一部を構成しており、一端側が合波部25の一端部に光学的に接続されているとともに、他端側が光受信装置5の後述するO/E変換部51に接続されている。
なお、本発明の光CATVネットワークとしては、FTTHに限らず、オフィスなどのあるビルまで光ファイバで接続し、その先の引き込みにはメタルケーブルを使うFTTB(Fiber To The Building)や、家庭の直前までは光ファイバで、その先の引き込みにはメタルケーブルを使うFTTC(Fiber To The Curb)などでもよい。
分岐手段4は、伝送すべき各加入者宅への光信号の分岐を行うためのものであり、光カプラ(光分岐器)が使用されており、具体的には、光ファイバカップラ型、平面導波路型などの各種タイプが適用可能である。
光受信装置5は、O/E変換部51と、増幅部52などを光加入者線終端装置(ONU;Optical Network Unit)に備えるとともに、チューナおよびテレビジョン受像機54などを備えている。
このうち、O/E変換部51は、光伝送手段3である光ファイバを伝送して送り出された第1の波長λ1および第2の波長λ2の光信号を一括受信し、これらをO/E変換させる。即ち、このO/E変換部51は、信号源から出力され各チャンネルの周波数多重映像信号として多重化された2波の光信号から、地上波アナログAM信号、地上波デジタルQAM信号、CATV信号、衛星放送(BS)信号等にそれぞれ対応する各(映像)電気信号を周波数多重させたものに変換させるものであり、これらの電信信号は増幅部52へ出力する。
このO/E変換部51には、本実施形態の場合、受光素子として具体的には、例えばPINフォトダイオードが使用されているが、これより感度を高めたAPDフォトダイオードでもよい。
なお、本実施形態では、このO/E変換部51である1個の受光素子により全帯域の光信号を一括受信するようになっており、このため、公知の手段によって所望の信号を抽出するように構成している。
チューナおよびテレビジョン受像機54は、STB(Set Top Box)などを介することなく、光加入者線終端装置(ONU)と同軸ケーブルなどで接続されている。
次に、本実施形態の光送信装置2と光受信装置5とを用いた光伝送システムについて、各要素(パラメータ)の設定条件を具体的に説明する。
(I)本発明の光伝送システムでは、十分な伝送品質を確保するため、少なくとも、第1のE/O変換部22からの光出力強度P1[dB]のほうが、第2のE/O変換部24からの光出力強度P2[dB]よりも大きくなるように構成している。
(I−A)即ち、第2のE/O変換部24でE/O変換するのは、衛星放送(BS)信号等の、つまり高周波側のFM信号及び/又はPSK信号であって、このFM信号及び/又はPSK信号は本質的に雑音の要求特性が低い。そこで、本実施形態では、この第2のE/O変換部24の光出力強度P2の方のレベルを低下させることで所要のレベル差を確保するように構成しており、光受信装置5での2波のO/E変換後の電気信号の雑音特性確保を確実に行うようになっている。
特に、本実施形態では、例えば、第1、第2のE/O変換部22、24から光出力の際のレベル差が、次式
P1−P2>6.5[dB] ・・・(1)
但し、P1;第1のE/O変換部22の出力
P2;第2のE/O変換部24の出力
を満足するように設定してある。
(I−B)
この関係式の根拠を以下に述べる。本実施形態にかかる光伝送システムを用いて受光時の2波の光レベル差とCNR(Carrier to Noise Ratio:搬送波対雑音電力比)との相関を調べる。そこで、これらの要素について計測してみたところ、図5に示すような関係が得られた。
このCNR光レベル差依存性を示す図5のグラフによれば、レベル差が大きくなるにつれて、CNRが改善されることがわかる。
例えば、CNRとして、本実施形態の場合には45[dB]が必要であるとの知見を得ている。そこで、この45[dB]を確保するには、第1、第2のE/O変換部22、24から出力する2波での光出力強度P1、P2について、前述した(1)式のように、6.5[dB]以上のレベル差をつける必要があることがわかる。
(II)一方、高周波帯の光信号、つまり第2光信号については、雑音特性を所要レベル以下に抑えて十分な伝送品質を確保するため、この高周波帯の光変調度を増大させてCNRを改善する方法が有効である。
即ち、光変調度とCNRとの相関性を調べるために、これらの要素について計測してみたところ、図6に示すような関係が得られた。このCNR変調度依存性を示す図6のグラフにより、変調度が高くなるにつれて、CNRが改善されることがわかる。
例えば、高周波帯のCNRとして、例えば17[dB]を確保するには、第2のE/O変換部24での直接光変調の際に、変調度が3.3[%]以上、つまり
M2>0.033 ・・・(2)
但し、M2;第2のE/O変換部24での直接光変調度
にする必要があることがわかる。
(III)さらに、光強度が大きくなりすぎると、光の電界によって誘起され屈折率に影響を与える分極が、電界の大きさに比例しなくなる(線形性が崩れる)現象を招く。いわゆる非線形性を発生する。そこで、これに対する対策も必要となる。
例えば、2つ以上の光が相互作用して新しい光を発生させる四光波混合(Four Wave Mixing)、他の光の強度により位相が変化する相互位相変調(Cross Phase Modulation)などの非線形性効果による雑音特性、歪特性の劣化を防止するためには、波長間隔(Δα)が、所要範囲以上あることが必要である。
今回のCNR等の測定には最適な波長間隔(Δα)として例えば、次式の条件
Δα≒5[nm] ・・・(3)
を満たすように設定した。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る光伝送システムについて、図7〜図9を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
本実施形態の光伝送システムが、第1の実施形態と異なるのは、多数の加入者に対応して多チャンネル信号(周波数多重映像信号)を配信させる(あるいは、長距離送信でもよい)ため、図7に示すように、光アンプ6を多段(本実施形態では、2段の光アンプ6A、6B)に設けている点である。これにより、第1、第2の光信号λ1、λ2を高出力化させるように構成している。
光アンプ6は、2波の第1、第2光信号λ1、λ2を光受信装置へ伝送する光伝送手段(光ファイバ)3の伝送特性に応じて光増幅し、第1光信号(波長λ1)の方を第2の光信号(波長λ2)よりも所要値以上光レベルを高くしている。
本実施形態の場合、1.55μm帯に対応した遷移を持つエルビウムドープ光ファイバと半導体レーザを組み合わせたエルビウムドープ光ファイバ増幅器(EDFA)が用いられており、これは高出力、低雑音性、広帯域などの点で優れている。
なお、この光アンプには、特にこのEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)に限定されるものではなく、これ以外に、例えば光ファイバラマン増幅器(FRA)、半導体光増幅器(SOA)などの各種タイプのものが適用可能である。
次に、本実施形態の光送信装置2と光受信装置5とを用いた光伝送システムについて、各要素(パラメータ)の設定条件を具体的に説明する。
本実施形態の光伝送システムでは、第1の実施形態で説明した(I)〜(III)と同様の条件が課せられており、これについて以下に説明する。
(I)十分な伝送品質を確保するため、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、少なくとも、第1のE/O変換部22の光出力強度P1[dB]のほうが、第2のE/O変換部24の光出力強度P2[dB]よりも大きくなるように構成している。
特に、本実施形態では、例えば、第1、第2のE/O変換部22、24(図2参照)から出力する2波の光強度のレベル差が、次式
P1−P2>10.5[dB] ・・・(4)
を満足するように、設定してある。
即ちこれは、本実施形態でも、光伝送システムを用いて受光時の2波の光レベル差とCNR(Carrier to Noise Ratio:搬送波対雑音電力比)との相関を調べるために、これらの要素について計測してみたところ、図8に示すような関係が得られた。
そして、またこのCNR光レベル差依存性を示す図8のグラフでも、レベル差が大きくなるにつれて、CNRが改善されることがわかる。
例えば、CNRとして45[dB]を確保するには、第1、第2のE/O変換部22、24での光出力強度P1、P2について、前式(4)に示すように、10.5dB以上の差をつける必要がある。
このように、必要とする2波分離に関する第1、第2のE/O変換部22、24(図2参照)での光出力の際のレベル差については、第1の実施形態の場合と異なる。この理由は、以下の通りである。
即ち、本実施形態では、光アンプ6を高出力の飽和状態で使用すると、この光アンプ6に対してある一定の光レベル差をもった2波長(λ1、λ2)の光を入力させた場合、2波長(λ1、λ2)の光レベル差が縮まる固有の現象を発生する。
例えば、一定の光レベル差をもった2波長(λ1、λ2)の光を入力させた場合、光アンプ6の一段当たり、およそ2〜3dB程度の光レベル差が縮まる現象を発生する。そこで、予めこの現象が発生することを見越して、光アンプの設置段数だけレベル差を確保する必要がある。例えば、本実施形態では、2段の光アンプを使用しているので、CNR45dBを確保するために、(1)式での値6.5[dB]に比べて少なくとも4[dB]程度光レベル差を増大させて、光レベル差を10.5[dB]としている。
これにより、ハイパワー光アンプを使用することもできるようになる。
次に、光強度が大きくなりすぎることにより発生する非線形現象に対する対策も必要となるので、この非線形性効果による雑音特性、歪特性の劣化を防止するため、波長間隔(Δα)が、所要範囲内であることが必要である。
即ち、光アンプ6にEDFA(Erbium Doped optical Fiber Amplifier)を使用する場合、波長に対するゲインは、図9に示すグラフに示すように、安定した増幅率等を得るために、波長間隔を一定値以下に設定する必要がある。そこで、本実施形態では、波長間隔を例えば5nmに設定している。
なお、本発明では、周波数変換(CATV独自の放送信号やBS放送の信号等をUHF帯域やVHF帯域の信号に周波数変換して伝送(送信)する)せずにパススルー(変調周波数を変えずに受信した放送(電波)信号と同じ周波数で伝送する方式)で送信するように構成してある。このため、多チャネル映像信号をそれぞれの加入者宅で低コストな既存の設備で受信することができ、便宜である。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2004年3月10日出願の日本特許出願(特許願2004−067017)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明によれば、広帯域の周波数多重電気信号のうち良好な雑音特性、歪特性が要求される低周波側の送信信号で変調する第1の光信号に対しては、外部変調方式を採用する。この外部変調方式により光変調を行うと、波長「チャーピング」(波長の広がり)が小さいので、例えば光信号のスペクトルが広がることによる歪劣化など、波長分散による各種伝送特性の劣化を回避できる。一方、伝送特性の要求がそれほど高くない高周波側の送信信号で変調する第2の光信号に対しては、直接変調方式によりE/O変換を行う。一般に直接変調型のE/O変換器は外部変調型と比較して安価であり、コストの削減が図れる。これにより、更なる多チャンネル化と伝送距離の拡大を実現することが可能になるとともに、光受信装置、光伝送システムの低コスト化が可能になり、光通信、光CATVなどの光通信用の光伝送システムなどに有用である。
本発明の第1の実施形態に係る光伝送システムを示す構成ブロック図 本発明の第1の実施形態に係る光伝送システムの光送信装置を示す構成ブロック図 同光伝送システムの光受信装置を示す構成ブロック図 本発明の第1の実施形態に用いる第1、第2の光信号の波長分布と光強度の関係を示すグラフ 第1の実施形態での同第1の光信号におけるCNRの光レベル差依存性を示すグラフ 同第2の光信号におけるCNRの光変調度依存性を示すグラフ 本発明の第2の実施形態に係る光伝送システムを示す構成ブロック図 第2の実施形態での同第1の光信号におけるCNRの光レベル差依存性を示すグラフ 第2の実施形態でのEDFAにおける利得と波長との相関を示すグラフ
符号の説明
2 (波長多重)光送信装置
20A〜20D 第1〜第4の信号出力手段(信号源)
20A 地上波アナログ信号(AM信号)
20B 地上波デジタル信号(QAM信号)
20C CATV放送信号(AM及び/又はQAM信号)
20D BS信号(FM信号)
21 電気信号合波手段
22 第1のE/O変換部
24 第2のE/O変換部
25 減衰部
26 合波部
3 光伝送手段(光ファイバ)
4 分岐手段
5 (波長多重)光受信装置
51 O/E変換部
52 増幅部
54 チューナおよびテレビジョン受像機
6、6A、6B 光アンプ
P1 第1の光信号(強度)
P2 第2の光信号(強度)
λ1 第1の波長(1.555μm)
λ2 第2の波長(1.560μm)

Claims (7)

  1. 周波数多重電気信号で光変調して送信する光送信装置であって、
    外部変調方式でE/O変換して第1の光信号を生成する第1のE/O変換手段と、
    直接変調方式でE/O変換して第2の光信号を生成する第2のE/O変換手段と、
    前記第1の光信号と、前記第2の光信号とを合波する合波手段とを備え、
    前記第1のE/O変換手段は、前記周波数多重電気信号のうちの低周波側の電気信号によって、変調された前記第1の光信号を生成し、
    前記第2のE/O変換手段は、前記周波数多重電気信号のうちの高周波側の電気信号によって、変調された前記第2の光信号を生成することを特徴とする光送信装置。
  2. 前記低周波側の送信信号は、多チャンネルAM信号及び/又はQAM信号であり、
    前記高周波側の送信信号は、多チャンネルFM信号及び/又はPSK信号であることを特徴とする請求項1に記載の光送信装置。
  3. 前記低周波側の多チャンネルAM信号及び/又はQAM信号で変調する前記第1の光信号は、前記光信号を光受信装置へ伝送する光伝送手段の伝送特性に応じて、前記高周波側の多チャンネルFM信号及び/又はPSK信号で変調する前記第2の光信号よりも、所要値以上光出力レベルが高いことを特徴とする請求項1または2に記載の光送信装置。
  4. 前記合波後の光信号を増幅する光アンプを備えるとともに、
    前記光アンプ出力時に前記第1の光信号の方を前記第2の光信号よりも所要値以上光出力レベルを高くするよう、前記光アンプへ光入力時の前記第1の光信号の方を前記第2の光信号よりも所要値以上光入力レベルを高くすることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の光送信装置。
  5. 前記高周波側の多チャンネルFM信/PSK号の光変調度を特定値以上とすることを特徴とする請求項2から4のうちいずれか1項に記載の光送信装置。
  6. 前記各光信号の波長間隔を所定値の範囲内とする請求項1から5のうちいずれか1項に記載の光送信装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光送信装置と、
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の合波手段で合波された第1および第2の光信号を伝送する単一の光ファイバと、
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の第1および第2の光信号を一括受信するO/E変換手段を備える光受信装置と
    を有する光伝送システム。
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