JPWO2005033211A1 - アゾ化合物、それを用いた染料水溶液、インク及びその用途 - Google Patents

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Abstract

銅イオン含有量が少なく、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、且つ記録物の耐光性、耐水性及び耐湿性が優れ、耐オゾン性については変退色度合いをコントロールすることができるアゾ化合物、それを用いる水性イエローインクの提供。不純物としての銅イオン含有量が100ppm以下である下記式(12)で表されるアゾ化合物またはその塩、及びそれを含有するインク。

Description

本発明はアゾ化合物、それを用いたインク、染料水溶液、インクセット、このインク又はインクセットを用いたインクジェット記録方法、着色体、及び該アゾ化合物の製造方法に関する。
近年、画像記録材料としては、特にカラー画像を形成するための材料が主流であり、具体的には、インクジェット方式記録材料、感熱転写型画像記録材料、電子写真方式を用いる記録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印刷インク、記録ペン等が盛んに利用されている。また、ディスプレーではLCDやPDPにおいて、撮影機器ではCCDなどの電子部品において、カラーフィルターが使用されている。これらのカラー画像記録材料やカラーフィルターでは、フルカラー画像を再現あるいは記録するために、いわゆる加法混色法や減法混色法の3原色の色素(染料や顔料)が使用されているが、好ましい色再現域を実現することのできる吸収特性を有し、且つさまざまな使用条件に耐えうる色素がないのが実状であり、改善が強く望まれている。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電気力により液滴を吸引吐出させる方式等がある。また、インクジェット記録に適したインクの例としては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インク等が挙げられる。
このようなインクジェット記録に適したインクに用いられる色素に対しては、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良好なこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、環境中の活性ガス(NOx、オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して強いこと、水や薬品に対する耐久性に優れていること、被記録材に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、更には、安価に入手できることが要求されている。
また近年インクジェットプリンタの印刷品質の向上によって写真を印刷する機会が増えており、そうした写真画質を印刷する時に用いられる光沢紙と呼ばれる表面コーティングされた紙においては、環境中の活性ガス(特にオゾンガス)による変退色という問題が生じている。その変退色はイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各々の染料で変退色レベルが異なり、長期保存後に生じる各色の耐オゾン性向上及び各色のオゾンガスによる変退色レベルの均一化が近年重要な課題になっている。
インクジェット記録用水性インクに用いられるイエローの色素骨格としてはアゾ系が代表的であり、C.I.アシッドイエロー17、C.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.ダイレクトイエロー132等が使用されている。しかし現在使用されているアゾ系については色相及び耐水性は良いものがあるが、耐光性が一般的に劣る。特に銅フタロシアニン系に代表されるシアン染料等の染料に比べて耐光性は劣る水準である。しかし耐オゾン性についてはイエローは非常に良好なものが多く、それ故写真印刷ではマゼンタ、シアン、ブラックの変退色を目立てさせる原因となっている。この問題を解決する手段としてイエローについては他の色と調和がとれる耐オゾン性を有する染料が望まれており、WO02/081580A1号パンフレット(特許文献1)にすでに報告されている。そしてその染料の合成方法は特公昭47−18548号公報(特許文献2)に報告されている。しかし、ここで報告されている方法を用いて合成された化合物は、トリアゾール化反応において多量の硫酸銅を使用するため銅イオンを多量に含有している。他方、特開2000−355665号公報(特許文献4)は、インクジェット用途のインクにおいてはインク中の遊離銅イオン濃度を10ppm以下にすることが好ましいことを報告している。従って特許文献2のような方法で合成された化合物が特許文献4の条件を満たすためには、銅イオンを取り除く為に、酸析、塩析、更にはイオン交換樹脂を用いた処理等が別途必要になり、製造上不利である。
文献のリスト:
WO02/081580A1号パンフレット 特公昭47−18548号公報 特公昭55−11708号公報 特開2000−355665号公報
本発明は、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、保存安定性に優れ、かつ耐光性、耐湿性など記録物の堅牢度が強く、耐オゾン性についてはマゼンタ、シアン、ブラックのレベルに調節することが可能であるアゾ化合物、それを含有するインク及びインクセット、それらを使用するインクジェット記録方法、着色体、そのようなアゾ化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らはかかる課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達したものである。
即ち本発明は、
(1)不純物としての銅イオン含有量が100ppm以下である下記式(12)で表されるアゾ化合物またはその塩;
Figure 2005033211
(2)(1)に記載の式(12)で表されるアゾ化合物またはその塩を10質量%以上含有し、pHが6〜11であることを特徴とする染料水溶液;
(3)無機陰イオンの含有量が1質量%以下である(2)に記載の染料水溶液;
(4)色素成分として(1)に記載の式(12)で表されるアゾ化合物またはその塩を含有することを特徴とするインク;
(5)(1)に記載の式(12)で表されるアゾ化合物またはその塩並びにアゾ系イエロー染料(B)を含有することを特徴とするインク;
(6)アゾ系イエロー染料(B)が下記一般式(2)、(3)、又は(4)で表される化合物である(5)に記載のインク;
Figure 2005033211
(式(2)〜(4)中、M〜Mは各々独立して水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミンのカチオン又はアンモニウムイオンを表す。)
(7)アゾ系イエロー染料(B)が、一般式(2)〜(4)で示される化合物の2種類以上からなる(6)に記載のインク;
(8)水及び水溶性有機溶剤を含有する(4)から(7)のいずれか一項に記載のインク;
(9)インクジェット記録用である(4)から(8)のいずれか一項に記載のインク;
(10)イエローインクとして(4)から(9)のいずれか一項に記載のインクを使用し、マゼンタインクとして少なくとも一つの水溶性アントラピリドン系染料を含有するインクを使用し、シアンインクとして少なくとも一つの水溶性銅フタロシアニン系染料を含有するインクを使用することを特徴とするインクセット;
(11)インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、(4)から(9)のいずれか一項に記載のインク又は(10)に記載のインクセットを使用することを特徴とするインクジェット記録方法;
(12)被記録材が情報伝達用シートである(11)に記載のインクジェット記録方法;
(13)情報伝達用シートが表面処理されたシートであって、支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有するシートである(12)に記載のインクジェット記録方法;
(14)(4)から(9)のいずれか一項に記載のインク又は(10)に記載のインクセット中の各インクを含有することを特徴とするインク容器;
(15)(14)に記載のインク容器を備えたインクジェットプリンタ;
(16)(4)から(9)のいずれか一項に記載のインク又は(10)に記載のインクセットで着色されたことを特徴とする着色体;
(17)下記一般式(5)のジスアゾ化合物と次亜塩素酸ナトリウムとを水中で反応させることを特徴とする一般式(1)の化合物の製造方法;
Figure 2005033211
(式(5)及び式(1)中、m及びnはそれぞれ独立に1又は2を表わす。Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミンのカチオン又はアンモニウムイオンをそれぞれ表す。)
に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
前記一般式(1)の化合物又はその塩の製造方法を説明する。まず、特許文献2に記載された方法等に従って一般式(5)のジスアゾ化合物を合成する。なお、式中のトリアゾール環は互変異性体が存在することが知られている。
Figure 2005033211
続いて一般式(5)のジスアゾ化合物と次亜塩素酸ナトリウムとを水中で通常、pH8〜13、30℃〜100℃の条件で、0.1〜12時間反応させることによってトリアゾール化された一般式(1)の化合物が得られる。
Figure 2005033211
一般式(5)の化合物から一般式(1)の化合物を得るトリアゾール化反応は、特許文献2に記載された方法においては、多量の硫酸銅を使用するため、得られた一般式(1)の化合物中に、銅イオンが多量に含有されることとなる。
しかし、上記の本発明の方法により得られた一般式(1)の化合物は次亜塩素酸ナトリウムによってトリアゾール化を行っているため、銅イオンは、原料中の不純物として混入する以外は混入することがないため、インクジェット用途に適している。かかる銅イオン含有量の少ない一般式(1)の化合物のうち、不純物としての銅イオン含有量が100ppm以下である式(12)のアゾ化合物またはその塩は特に好適に用いることができる。
Figure 2005033211
本発明においては、式(12)の化合物またはその塩とアゾ系イエロー染料(B)とを併用することができる。用い得るアゾ系イエロー染料としては、D65光源、2°視野、透過光路長10mmの測定条件下で、イオン交換水にてpHが7〜8で300nmから800nmの範囲で吸収ピークの吸光度が1から2Absの範囲になるように調整した時の分光光度計の吸収スペクトルにおいて、350nmから450nmの範囲に吸収ピークを有するアゾ系イエロー染料が挙げられる。具体例としては、下記一般式(2)〜(4)で示される化合物、またはカラーインデックスから、C.I.ダイレクトイエロー27、C.I.ダイレクトイエロー28、C.I.ダイレクトイエロー33、C.I.ダイレクトイエロー34、C.I.ダイレクトイエロー39、C.I.ダイレクトイエロー44、C.I.ダイレクトイエロー87、C.I.ダイレクトイエロー100、C.I.ダイレクトイエロー120、C.I.ダイレクトイエロー173、C.I.アシッドイエロー3、C.I.アシッドイエロー17、C.I.アシッドイエロー19、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー25、C.I.アシッドイエロー29、C.I.アシッドイエロー38、C.I.アシッドイエロー42、C.I.アシッドイエロー49、C.I.アシッドイエロー59、C.I.アシッドイエロー61、C.I.アシッドイエロー72などが挙げられ、好ましくは一般式(2)〜(4)で示される化合物である。
Figure 2005033211
Figure 2005033211
式(12)の化合物と併用する色素成分は2成分以上であってもよい。配合する場合の比率の目安は例えば、質量比において、式(12)とその他色素成分とが、99:1から1:99、好ましくは90:10から10:90である。
一般式(2)の化合物はC.I.ダイレクトイエロー132、一般式(4)の化合物はC.I.ダイレクトイエロー86としてそれぞれ知られており、容易に手に入れることができる。また一般式(3)の化合物は例えば特許文献3に記載された方法によって製造することができる。
また、前記一般式(1)〜(5)におけるM〜Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミンのカチオンまたはアンモニウムイオンである。アルカリ金属としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、例えばカルシウム、マグネシウム等が挙げられる。有機アミンとしては、例えばメチルアミン、エチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。好ましいM〜Mとしては、水素原子、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属、アンモニウムイオン、モノエタノールアミンイオン、ジエタノールアミンイオン、トリエタノールアミンイオン、モノイソプロパノールアミンイオン、ジイソプロパノールアミンイオン、トリイソプロパノールアミンイオン等のアルカノールアミンイオン等が挙げられる。また式(12)のアゾ化合物の塩としては、上記のような塩が挙げられる。
これらの塩を製造するためには、例えば、ナトリウム塩の場合、反応液に食塩を加えて、塩析、濾過することによりナトリウム塩が得られる。更にナトリウム塩を水に溶解し、酸を加えて酸性で結晶を析出させた後、濾過し、遊離酸の形で色素のケーキを得る。次いで、その遊離酸の形の色素を水に溶解又は懸濁し、目的の塩に対応する塩基、例えばアミン類、Na以外のアルカリ金属化合物等を添加、溶解することにより各々の塩の溶液が得られる。この溶液から、それぞれの塩を、常法により、析出、濾過、乾燥することにより、ナトリウム塩以外の塩を得ることが出来る。
本発明のイエローインクは、上記の方法にて製造された式(12)のアゾ化合物又はその塩を含み、好ましくは水を媒体として調製される。このインクをインクジェット記録用インクとして使用する場合、化合物に含まれるCl及びSO 2−等の無機陰イオンの含有量は少ないものが好ましい。その含有量の目安は、化合物中で無機陰イオン、即ちCl及びSO 2−の総含量として5質量%以下、好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、インク中に1質量%以下である。Cl及びSO 2−の少ない本発明の化合物を製造するには、例えば通常の逆浸透膜による方法又は本発明の化合物の乾燥品あるいはウェットケーキをアルコール及び水の混合溶媒中で撹拌し、濾過、乾燥する等の方法で脱塩処理すればよい。ここで用いるアルコールは、炭素数1〜4の低級アルコール、好ましくは炭素数1〜3のアルコール、更に好ましくはメタノール、エタノール又は2−プロパノールである。また、アルコールでの脱塩処理の際に、使用するアルコールの沸点近くまで加熱した後、冷却して脱塩する方法も採用しうる。Cl及びSO 2−の含有量は例えばイオンクロマトグラフィー法で測定される。
本発明のイエローインクをインクジェット記録用インクとして使用する場合、化合物に含まれる不純物としての金属イオンの含有量は、上記の通り、銅イオンについては100ppm以下、好ましくは10ppm以下であるが、銅イオン以外の亜鉛、鉄等の重金属イオン、或いはカルシウム、シリカ等の金属イオン等についても含有量が少ないものを用いるのが好ましい。その含有量の目安は例えば、化合物の精製乾燥品中に、亜鉛、鉄等の重金属(イオン)、カルシウム、シリカ等の金属(陽イオン)について各々500ppm以下程度である。重金属(イオン)及び金属(陽イオン)の含有量はイオンクロマトグラフ法、原子吸光法又はICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法にて測定される。
本発明のインクは好ましくは水を媒体として調製される。本発明のインク中に、上記のようにして得られ、前記条件を備えた式(12)のアゾ化合物又はその塩は、通常、0.3〜10質量%含有される。
本発明のインクにはさらに必要に応じて、水溶性有機溶剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有させることができる。水溶性有機溶剤は、染料溶解剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、粘度調整剤、浸透促進剤、表面張力調整剤、消泡剤等として使用される。その他のインク調整剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、染料溶解剤、褪色防止剤、乳化安定剤、表面張力調整剤、消泡剤、分散剤、分散安定剤等の公知の添加剤が挙げられる。上記水溶性有機溶剤の含有量は0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%であり、上記インク調整剤の含有量は0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%である。
本発明で使用しうる水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン、アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトンまたはケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノマー、オリゴマーまたはポリアルキレングリコールまたはチオグリコール、グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール)、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド等があげられる。
上記水溶性有機溶剤のうち好ましいものは、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンであり、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコール、2−ピロリドンである。これらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンツチアゾール系、ニトチリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物としては、例えば無水酢酸ソーダが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ、安息香酸ナトリウム等(例えば、アベシア社製プロクセルGXL(S)、プロクセルXL−2(S)等)が挙げられる。
pH調整剤は、インクの保存安定性を向上させる目的で、インクのpHを6〜11の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物等のほか、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物が挙げられ、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等があげられる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。
表面張力調整剤としては、界面活性剤が挙げられ、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが挙げられる。アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール系(例えば、日信化学社製サーフィノール(登録商標)104E、104PG50、82、465、オルフィンSTG等)、等が挙げられる。これらの表面張力調整剤は、単独もしくは混合して用いられる。なお、本発明のインクの表面張力は通常25〜70mN/m、より好ましくは25〜60mN/mである。また本発明のインクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。
消泡剤としては、フッ素系、シリコーン系化合物が必要に応じて用いられる。
本発明のインクを製造するにあたり、各薬剤を溶解させる順序には特に制限はない。インクを調製するにあたり、用いる水はイオン交換水または蒸留水など不純物が少ないものが好ましい。さらに、得られたインクは必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行って夾雑物を除いてもよく、インクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが特に好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは0.8μm〜0.2μmである。
本発明のインクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するためには、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクとのインクセットとしても使用される。更により高精細な画像を形成する為に、ライトマゼンタインク、ライトシアンインク、ブルーインク、グリーンインク、オレンジインク、ダークイエローインク、グレーインク等と併用したインクセットとしても使用される。
適用できるマゼンタインクの色素としては、種々のものを使用することが出来る。例えばカプラー成分としてフェノール類残基、ナフトール類残基、アニリン類残基などを有するアリールもしくはヘテロアゾ染料;例えばカプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類などを有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソノール染料などのようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン系、アントラキノン系、アントラピリドン系などのようなキノン染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環染料等を挙げることができる。好ましくはアントラピリドン系染料である。
適用できるシアンインクの色素としては、種々のものを使用することが出来る。例えばフタロシアニン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、オキソノール染料などのようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料などのようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノンなどのようなキノン染料などを挙げることができる。好ましくはフタロシアニン染料であり、更に好ましくは銅フタロシアニン染料である。
前記の各色素は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。適用できるブラック色素としては、ジスアゾ、トリスアゾ及びテトラアゾ染料のほか、カーボンブラックの分散体を挙げることができる。
本発明のインクは、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング、または記録法、特にインクジェット印捺法における使用に適する。
本発明のインクジェット記録方法は、前記の方法で作製されたインクにエネルギーを供与して、被記録材(受像材料)、例えば普通紙、樹脂コート紙、インクジェット専用紙、光沢紙、光沢フィルム、電子写真共用紙、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、ガラス、金属、陶磁器、皮革等に画像を形成する。
画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与えたり耐候性を改善したりするためにポリマー微粒子分散物(ポリマーラテックスともいう)を併用してもよい。ポリマーラテックスを被記録材に付与する時期については、着色剤を付与する前であっても,後であっても、また同時であってもよく、したがって添加する場所も被記録材中であっても、インク中であってもよく、あるいはポリマーラテックス単独の液状物として使用してもよい。
本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる被記録材(特に記録紙及び記録フィルム)について説明する。記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、通常、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/mが好ましい。支持体には、そのままインク受容層及びバックコート層を設けてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層及びバックコート層を設けてもよい。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。本発明では支持体として、両面をポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブテン及びそれらのコポリマー)でラミネートした紙及びプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料(例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオジム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられるインク受容層には、顔料や親水性バインダーが含有されていてもよい。顔料としては、白色顔料が好ましく、白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク受容層に含有される白色顔料としては、多孔性無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含水珪酸を使用することが好ましい。
インク受容層に含有される親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレンオキシド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの親水性バインダーは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。インク受容層は、顔料及び水性結着剤の他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、界面活性剤、その他の添加剤を含有することができる。
インク受容層中に添加する媒染剤としては、例えばポリマー媒染剤が用いられる。
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が好ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド、コロイダルシリカ等が挙げられ、これらのカチオン樹脂の中で特にポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンが好適である。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
耐光性向上剤としては、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードアミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤等が挙げられる。これらの中で硫酸亜鉛が好適である。
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤の代りに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例えば、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例えば、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。なお、インク受容層は1層でも2層でもよい。
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、親水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有させる白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント,ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される親水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸法安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
これら記録紙及び記録フィルムは、一般的にインクジェット専用紙、光沢紙又は光沢フィルムと呼ばれており、例えばピクトリコ(旭硝子(株)製)、カラーBJペーパー、高品位専用紙、カラーBJフォトフィルムシート、スーパーフォトペーパー、プロフェッショナルフォトペーパー(いずれもキャノン(株)製)、カラーイメージジェット用紙(シャープ(株)製)、PM写真用紙、スーパーファイン専用光沢フィルム(いずれもエプソン(株)製)、ピクタファイン(日立マクセル(株)製)等として市販されている。特に、本発明のインクを用いたインクジェット記録方法においては、被記録材として支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有する記録紙及び記録フィルムが特に有効に機能する。なお、普通紙にも利用できることはもちろんである。
本発明のインクを用いた着色体は、前記の方法で作製されたインクを使用し、インクジェットプリンタにて印刷し、着色されたものである。
本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録するには、例えば上記のインクを含有するインク容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタや加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式のプリンタ等があげられる。
本発明によるインクは貯蔵中に沈澱、分離することがない。また、本発明によるインクをインクジェット印捺において使用した場合、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明によるインクは連続式インクジェットプリンタによる比較的長い時間一定の再循環下またはオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても、物理的性質の変化を起こさない。
本発明のインクは、鮮明で、彩度が高いイエロー色であり、他のマゼンタ、シアンのインクと共に用いることで、広い可視領域の色調を色出しすることができる。また耐光性、耐水性、耐湿性の優れた既存のマゼンタ、シアン、ブラックと共に用いることで耐光性、耐水性、耐湿性に優れた記録物を得ることができる。更に耐オゾン性についてはマゼンタ、シアン、ブラック等の他の色のレベルに合わせて調節が可能である。
本発明のイエローインクを調製する際、前記式(12)のアゾ化合物またはその塩を用いて調製する。アゾ化合物またはその塩は粉体でもよいが、予め該色素の高濃度の染料水溶液を調製しておき、それに水、水溶性有機溶剤、インク調整剤を添加してインクを調製してもよく、工業的には通常、後者の方法が採用されている。
高濃度の染料水溶液の濃度としては、染料水溶液に水溶性有機溶剤、インク調整剤を添加して目的の色素濃度のインクに調製できる濃度であれば特に制限はないが、通常、10質量%以上、好ましくは10〜15質量%である。
これら染料水溶液は、尿素等の可溶化剤を添加しなくても、経時安定性が良好であり、更に低温でも結晶析出及び水溶液上下間で粘度勾配を与えず安定に存在する。可溶化剤として尿素を使用するとインク調整剤の選択の幅が制限され、また貯蔵中に尿素が徐々に分解して、炭酸ガス及びアンモニアが発生し、それによりpHがアルカリ側にシフトする、アンモニア臭がする、気泡が生成するなどの諸問題が生起する可能性がある。従って可溶化剤として尿素を使用しなくてよいということは大きな利点である。染料水溶液のpHはインクの調整を考慮すると6〜11の間が好ましい。
以下、本発明の具体的態様を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。また、ここで各工程における化合物の構造式は遊離酸の形で表すこととする。なお、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。
実施例1
(合成)
ジアゾ化した4−ニトロ−4’−アミノスチルベン−2,2−ジスルホン酸と3−アミノナフタレン−1−スルホン酸とをカップリングさせ、これを酸化、トリアゾール化し、ニトロ基を還元する公知の方法で得られる式(7)の化合物150.5部を水800部に炭酸ナトリウムでpH6.0〜8.0に調整しながら溶解した後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液47.4部を添加し、この溶液を水600部で希釈した35%塩酸78.2部の溶液に滴下しジアゾ化した。
Figure 2005033211
水100部に亜硫酸水素ナトリウム31.2部を溶解し、ここに30%ホルマリン溶液30.0部を添加した後、アニリン27.9部を滴下した。滴下後、50℃に昇温し同温度で3時間攪拌した後、5℃まで冷却した。析出した結晶を濾過、乾燥して得られる式(8)の化合物52.5部を水300部に炭酸ナトリウムにてpH7.0〜8.0として溶解した溶液に、上記反応で得られたジアゾ懸濁液を室温下、炭酸ナトリウムの添加によりpH値を7.0〜8.0に保持しながら滴下した。同pH値、室温で5時間攪拌することにより式(9)の化合物を含む溶液を得た。
Figure 2005033211
上記で得られた溶液に水1000部を加えた後75℃に加熱し、水酸化ナトリウムの添加によりpH値を11.5とした。水酸化ナトリウムの添加によりpH値を11.0〜11.5に保持しながら同温度で4時間攪拌後、塩酸の添加によりpH9.0とし、塩化ナトリウムで塩析した後、濾過し式(10)の化合物117.5部を得た。
Figure 2005033211
上記で得られた式(10)の化合物を水3500部に溶解した後、40%亜硝酸ナトリウム水溶液40.0部を添加し、この溶液を、35%塩酸100.4部を水700部で希釈した溶液に滴下しジアゾ化した。この懸濁液に6−アミノナフタレン−2−スルホン酸37.0部を水120部に懸濁した液を添加した後、炭酸ナトリウムの添加によりpH値を4.6〜5.2に保持しながら1時間攪拌した。その後炭酸ナトリウムの添加によりpH値を7.0〜8.0とし塩化ナトリウムで塩析し、濾過して式(11)の化合物140.6部を得た。
Figure 2005033211
上記で得られた式(11)の化合物を水3000部に溶解した後、60℃に昇温し水酸化ナトリウムの添加によりpH値を11.5とした。ここに12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液240部を添加し、70℃に昇温した。70℃で1時間攪拌後、35%塩酸の添加によりpH値を8.0とし、塩化ナトリウムで塩析し、濾過した。得られたケーキを水1500部に溶解し、2−プロパノール1000部の添加により晶析し、濾過、乾燥して式(12)の化合物100.5部を得た。
この化合物の水中での最大吸収波長(λmax)は404nmであった。
金属(イオン)含有量:
ICP発光分光分析法:銅10ppm以下、カルシウム160ppm、マグネシウム100ppm、アルミニウム10ppm以下、鉄10ppm以下、シリカ10ppm以下。
陰イオン含有量:
イオンクロマトグラフ法:塩素イオン380ppm、硫酸イオン400ppm。
Figure 2005033211
(参考例)
前記一般式(3)の染料は、特許文献3の実施例1に記載の方法で合成した。得られた化合物は逆浸透膜を用いて脱塩処理を行なって無機物の含有量を少なくした。こうして得られた化合物は一般式(3)におけるMがナトリウムである。前記一般式(2)の染料は、Mがナトリウム塩であるKST Yellow J−GX(日本化薬社製)を、前記一般式(4)の染料は、Mがナトリウム塩であるKST Yellow J−005(日本化薬社製)をそれぞれ用い、逆浸透膜を用いて脱塩処理を行なって無機物の含有量を少なくした。
実施例2
(貯蔵安定性試験)
実施例1で合成された式(12)の化合物を使用し、水酸化ナトリウムでpH9に調整して10%染料水溶液を調製した。
また比較例として、比較例1として一般式(2)の化合物(Na塩)を、比較例2として一般式(3)の化合物(Na塩)を、比較例3として特許文献1の実施例1に記載の化合物を、それぞれ用いて水酸化ナトリウムでpH9に調整して10%染料水溶液を調製した。得られた各染料水溶液を0℃と15℃とでそれぞれ放置した。結果を表1に示す。
Figure 2005033211
表1の結果より、比較例1〜3の染料水溶液は0〜15℃の間で放置したとき沈殿の析出や異物の発生があり、貯蔵安定性が悪いが、実施例1の銅イオン含有量の少ない式(12)のアゾ化合物を使用した染料水溶液は0〜15℃の間で放置したとき沈殿の析出や異物の発生がなく、長時間非常に安定であることがわかる。
実施例3
(インク組成物の調製及び試験例)
(A)インクの調製
下記組成の液体を調製し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過することにより各インクジェット用水性インク組成物を得た。また、水はイオン交換水を使用した。なお、インク組成物のpHがpH=8〜10、総量100部になるように水、水酸化ナトリウムを加えた。
インク組成物中の色素成分として、下記表2の(a)〜(f)の比率に混合したものを用いて、インク中の色素の総質量が2.0部になるようにインクを作製した。色素成分の組成が(a)であるインクを(a)インクとし、以下同様に(b)インク〜(f)インクとする。また、インクの組成については表3に示す。
Figure 2005033211
Figure 2005033211
(B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタ(キヤノン社製;BJ S630)を用いて、光沢紙A(プロフェッショナルフォトペーパーPR−101(キャノン社製))、光沢紙B(PM写真用紙KA420PSK(エプソン社製))の2種の被記録材料にインクジェット記録を行った。本発明の水性イエローインク組成物の記録画像の色相、鮮明性、耐光性、耐オゾン性及び耐湿試験の結果を表4に示す。
比較対象として、式(2)(Na塩)の色素と式(3)(Na塩)の色素を用いて同様のインク組成で調製した。それぞれのインクをH−(2)インク、H−(3)インクとし、記録画像の色相、鮮明性、耐光性、耐オゾン性及び耐湿性試験結果を表4に示す。
(C)記録画像の評価方法
1.色相評価
記録画像の色相、鮮明性:記録紙をGretag Macbeth Spectro Eye(GRETAG(株)製)を用いて測色し、反射濃度(D値)が1.15〜1.36の範囲のパターンにて、L、a、b値を算出した。
2.耐光性試験
記録画像の試験片を、キセノンウェザーメーター(ATLAS社製;型式Ci4000)を用い、0.36W/平方メートル照度で、槽内温度24℃、湿度60%RHの条件にて50時間照射した。試験後、反射濃度(D値)が1.15〜1.36の範囲で、試験前後の反射濃度を測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求めた。
3.耐オゾン性試験
記録画像の試験片を、オゾンウェザーメーター(スガ試験機社製 型式OMS−H)を用い、オゾン濃度12ppm、槽内温度24℃、湿度60%RHで3時間放置した。試験後、反射濃度(D値)が1.15〜1.36の範囲で、試験前後の反射濃度を測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求めた。
4.耐湿性試験
記録画像の試験片を、恒温恒湿器(応用技研産業社製)を用いて、槽内温度50℃、湿度90%RHで3日間放置した。試験後、試験片のにじみを目視にて3段階で評価した。
評価基準:
○:にじみが認められない
△:わずかににじみが認められる
×:大きくにじみが認められる
Figure 2005033211
表4より、本発明の式(12)のアゾ化合物を用いて作製した(a)インクは、H−(2)やH−(3)と比較すると耐光性が極めて優れており、耐湿性も同等以上であることがわかる。また(f)インクの結果から式(12)の化合物と式(2)の化合物とを混合しても、耐湿性が良好であることがわかる。一方、(b)〜(e)インクの結果から、式(12)の化合物と所定のイエロー染料との配合割合を変更することによって、耐オゾン性のレベルをコントロールすることができることがわかる。また本発明の水性インクは色相も良好であり、鮮明で彩度が高いイエローであることがわかる。
以上のことから本発明の製造方法にて合成された化合物を用いた場合、使用用途の範囲が広い非常に優れたインクジェット用イエローインクの作製が可能である。
本発明の銅イオン含有量の少ないアゾ化合物は、極めて水溶解性に優れ、また、比較的高濃度で作製した10質量%の染料水溶液であっても、0〜15℃という厳しい条件下で長時間放置された後でも沈殿や異物が発生せず、高濃度染料水溶液としての貯蔵安定性に優れている。また、本発明の銅イオン含有量の少ないアゾ化合物を用いたインクは、長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。また、インク製造過程でのメンブランフィルターに対するろ過性が良好であるという特徴を有し、インクジェット用色素として高濃度のインク作製が可能である。さらに、カラーバリューも高い。また、本発明のインクをインクジェット記録用のイエローインクとして使用した印刷物は耐光性、耐オゾン性及び耐湿性に優れ、マゼンタ、シアン及びブラック染料と共に用いることで耐光性、耐オゾン性及び耐湿性に優れたインクジェット記録が可能である。更に他のイエロー染料と併用することによってその変退色レベルをコントロールすることができる。更に印刷面はイエローの色相として適しておりまた鮮明であることから、他のマゼンタ、シアンのインクと共に用いることで、広い可視領域の色調を色出しすることができる。従って、本発明のインクはインクジェット記録用のイエローインクとして極めて有用である。

Claims (17)

  1. 不純物としての銅イオン含有量が100ppm以下である下記式(12)で表されるアゾ化合物またはその塩。
    Figure 2005033211
  2. 請求項1に記載の式(12)で表されるアゾ化合物またはその塩を10質量%以上含有し、pHが6〜11であることを特徴とする染料水溶液。
  3. 無機陰イオンの含有量が1質量%以下である請求項2に記載の染料水溶液。
  4. 色素成分として請求項1に記載の式(12)で表されるアゾ化合物またはその塩を含有することを特徴とするインク。
  5. 請求項1に記載の式(12)で表されるアゾ化合物またはその塩並びにアゾ系イエロー染料(B)を含有することを特徴とするインク。
  6. アゾ系イエロー染料(B)が下記一般式(2)、(3)、又は(4)で表される化合物である請求項5に記載のインク。
    Figure 2005033211
    Figure 2005033211
    (式(2)〜(4)中、M〜Mは各々独立して水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミンのカチオン又はアンモニウムイオンを表す。)
  7. アゾ系イエロー染料(B)が、一般式(2)〜(4)で示される化合物の2種類以上からなる請求項6に記載のインク。
  8. 水及び水溶性有機溶剤を含有する請求項4から7のいずれか一項に記載のインク。
  9. インクジェット記録用である請求項4から8のいずれか一項に記載のインク。
  10. イエローインクとして請求項4から9のいずれか一項に記載のインクを使用し、マゼンタインクとして少なくとも一つの水溶性アントラピリドン系染料を含有するインクを使用し、シアンインクとして少なくとも一つの水溶性銅フタロシアニン系染料を含有するインクを使用することを特徴とするインクセット。
  11. インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、請求項4から9のいずれか一項に記載のインク又は請求項10に記載のインクセットを使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  12. 被記録材が情報伝達用シートである請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 情報伝達用シートが表面処理されたシートであって、支持体上に白色無機顔料粒子を含有するインク受像層を有するシートである請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 請求項4から9のいずれか一項に記載のインク又は請求項10に記載のインクセット中の各インクを含有することを特徴とするインク容器。
  15. 請求項14に記載のインク容器を備えたインクジェットプリンタ。
  16. 請求項4から9のいずれか一項に記載のインク又は請求項10に記載のインクセットで着色されたことを特徴とする着色体。
  17. 下記一般式(5)のジスアゾ化合物と次亜塩素酸ナトリウムとを水中で反応させることを特徴とする一般式(1)の化合物の製造方法。
    Figure 2005033211
    (式(5)及び式(1)中、m及びnはそれぞれ独立に1又は2を表わす。Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、有機アミンのカチオン又はアンモニウムイオンをそれぞれ表す。)
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