JPWO2004017073A1 - アレルゲン蛋白質の検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のアレルゲン蛋白質のスクリーニング法としては、イムノブロッティング法による検出法、すなわち蛋白質をニトロセルロースやPVDF等の膜に転写し、その蛋白質とアレルギー患者の血清中のIgE抗体とを反応させて、蛋白質に結合した抗体を検出する方法が用いられている(例えば、Weiss,W.,et al.,Electrophoresis,18,826−833(1997))。この方法を用いる場合、膜に転写する際に微量なアレルゲン蛋白質が失われやすく、重要なアレルゲン蛋白質が検出されずに見逃される可能性があった。そのため、ブロッティング手順を必要とせずにアレルゲン蛋白質を検出できる方法が求められている。
一方、一般的な蛋白質の検出方法としては、蛋白質を含む試料を二次元電気泳動(O’Farrell,P.H.,et al,Journal of Biological Chemistry,250,pp4007−4021(1975))した後、銀染色、色素染色(クーマシー染色)、ネガティブ染色又は蛍光染色等によりゲルを染色して蛋白質を可視化する方法が慣用されている。
さらに、試料中の蛋白質を予め還元してからモノブロモビマンにより蛍光標識し、それを二次元電気泳動に供し、蛍光シグナルを可視化することにより、蛋白質を高感度に検出する方法も知られている(Urwin,V.E.,and Jackson,P.,Anal.Biochem.209,57−62(1993))。
しかしながら、アレルゲン蛋白質を高感度に検出できる方法は知られていない。
本発明は、ジスルフィド結合を有する蛋白質又はアレルゲン蛋白質を高感度に検出する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、被験試料中の蛋白質の遊離SH基を保護し、次いで該蛋白質のジスルフィド結合を切断して該結合を形成していたSH基を露出させ、露出したSH基を検出することにより、ジスルフィド結合を有する蛋白質を検出する方法を開発した。本発明者はさらに、この方法を用いて、被験試料に含まれるアレルゲン蛋白質を検出することに成功した。
これらの成果に基づき完成された本発明は、以下の通りである。
[1] 被験試料中の蛋白質の遊離SH基を化学修飾することにより保護し、遊離SH基が保護された蛋白質のジスルフィド結合を切断してSH基を露出させ、露出したSH基を検出することを含む、ジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法。
この方法において、露出したSH基の検出は、露出したSH基と、SH基標識物質とを反応させて、標識されたSH基を検出することによって行うことが好ましい。またこの場合、その標識されたSH基の検出の前に、二次元電気泳動により被験試料中の蛋白質を分離することが好ましい。
この方法においては、特に、ヨードアセトアミドによるアルキル化によって遊離SH基を化学修飾すること、またSH基標識物質としてモノブロモビマンを用いることが好適である。
[2] 上記[1]に記載したジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法を利用する、アレルゲン蛋白質の検出方法。
被験試料の好適な例としては、イネ科植物の種子、花粉、ダニ又はハウスダストからの蛋白質抽出物が挙げられる。
[3] SH基保護剤及びSH基検出物質を含む、ジスルフィド結合を有する蛋白質又はアレルゲン蛋白質を検出するためのキット。
[4] ヨードアセトアミド及びモノブロモビマンを含む、ジスルフィド結合を有する蛋白質又はアレルゲン蛋白質を検出するためのキット。
これらの[3]及び[4]のキットは、さらに還元剤を含んでいてもよい。
本発明の方法は、限定するものではないが、典型的には例えば、以下の(A)〜(C)の工程によって実施することができる。図1には、これらの工程を模式的に示す。
(A)被験試料中の蛋白質を、SH基保護剤と反応させる。これにより、蛋白質の遊離SH基は化学修飾されてその反応性を喪失し、保護された状態となる(図1[A])。
(B)遊離SH基が保護された蛋白質を、還元剤と反応させる。これにより、該蛋白質のもつジスルフィド結合(図1中、「S−S」として示す)が開裂し、ジスルフィド結合を形成していたSH基が露出する(図1[B])。
(C)SH基が露出した蛋白質と、SH基標識物質とを反応させる。これにより、該蛋白質の露出したSH基だけが標識される(図1[C])。次いで、標識されたSH基を検出することにより、露出したSH基を有する蛋白質を検出する。このようにして検出される蛋白質を、ジスルフィド結合を有する蛋白質として同定する。
本発明の方法によれば、ジスルフィド結合を有する蛋白質を、特異的かつ高感度に検出することができる。さらに、このようなジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法を利用してアレルゲン蛋白質の検出を行うことにより、被験試料中のアレルゲン蛋白質を効率良く検出することができる。本発明のアレルゲン蛋白質の検出方法によれば、従来のアレルゲン蛋白質のスクリーニング法では検出されにくかった微量なアレルゲン蛋白質も、高感度に検出することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.本明細書で使用する基本的な用語の定義
本明細書では、以下の用語を定義した意味に従って使用する。
(1)「蛋白質」とは、原則として、アミノ酸が互いに脱水縮合して生成されるポリペプチド鎖又はペプチド鎖を意味する。但し本発明の「蛋白質」には、加水分解によりアミノ酸だけを生成する単純蛋白質だけでなく、加水分解によりアミノ酸とアミノ酸以外の有機物とを生成する複合蛋白質(例えば、核蛋白質、糖蛋白質、リポ蛋白質、燐蛋白質、色素蛋白質等)、誘導蛋白質(例えば、ゼラチン、ペプトン、プロテオース等)等も包含する。これらの蛋白質は、さらに酵素的又は化学的に修飾されていてもよい。
(2)「ジスルフィド結合を有する蛋白質」とは、非還元条件下で、蛋白質分子内又は蛋白質分子間においてジスルフィド結合を形成している蛋白質を意味する。このジスルフィド結合は、当該蛋白質において、生体内で形成されるジスルフィド結合であってもよいが、生体内では形成されないジスルフィド結合でもよい。
(3)「アレルゲン」とは、ヒト又は哺乳動物におけるアレルギー反応の原因となる抗原物質を意味する。「アレルゲン蛋白質」とは、ヒト又は哺乳動物におけるアレルギー反応の原因となり得る(すなわち、アレルゲンとしてはたらく)蛋白質を意味する。アレルゲン蛋白質は、遺伝子からの転写及び翻訳により産生される全長蛋白質でもよいし、その断片であってもよい。また、物質の「アレルゲン性」とは、ヒト又は哺乳動物においてアレルギー反応を惹起する能力を意味する。
(4)「SH基」とは、蛋白質のもつスルフヒドリル基を意味する。一般に、この基はチオール基、メルカプト基とも呼ばれる。
2.ジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法
(1)被験試料
本明細書においては、本発明の方法を適用する対象である試料を「被験試料」と称する。被験試料としては、ジスルフィド結合を有する蛋白質又はアレルゲン蛋白質を含有することが予想される試料である限り、任意の試料を用いることができる。この被験試料は、1種類の蛋白質を含有するものでもよいし、複数種類の蛋白質を含有するものであってもよい。被験試料はまた、単離されていない蛋白質を含有してもよいが、予め単離された蛋白質を含有してもよく、予め単離された蛋白質のみを含有してもよい。
被験試料としては、例えば、食品、医薬、医療材料、化粧品、繊維製品、建築材料、環境検査用試料(例えば空気、水、土壌等の試料)、植物性試料、動物性試料、アレルゲン候補物質、既知アレルゲン、既知アレルゲン蛋白質及び研究用試料(例えば、ジスルフィド結合の形成が予想される蛋白質等)が挙げられる。限定するものではないが、具体的には例えば、魚、肉、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ等)、卵使用製品(マヨネーズ、菓子類、麺類等)、惣菜、調味料、香辛料、栄養補助食品、ウール製品、羽毛製品、ハウスダスト、ダニ(例えば、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウダニ)、花粉(例えばスギ花粉、ブタクサ花粉)、食物アレルゲン(コメ、コムギ等のイネ科植物の種子、ソバ、ダイズ、卵白及び牛乳等)、動物由来アレルゲン(イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウマ、ウシ等)、植物由来アレルゲン(ピーナッツ、ウルシ等)、昆虫アレルゲン、寄生虫アレルゲン及びカビアレルゲン等から調製した蛋白質抽出物が挙げられる。被験試料のさらなる例としては、卵白アルブミン、オボムコイド、βラクトグロブリン、αカゼイン、ダニ抗原(例えばコナヒョウヒダニ抗原)、ウシ血清アルブミン、トリプシン/アミラーゼインヒビター、グルテリン、α−グログリン、グリシニン、単離された天然蛋白質、組換え蛋白質、天然のアミノ酸配列を改変した蛋白質、合成蛋白質及びアレルゲン候補蛋白質等の精製蛋白質が挙げられる。これらの被験試料は単独で用いてもよいが、組み合わせて1つの被験試料として用いてもよい。
(2)被験試料中の蛋白質の遊離SH基の保護
本方法ではまず、上記2−(1)に記載した被験試料に含まれる蛋白質の遊離SH基を化学修飾することによって保護して、遊離SH基の反応性を喪失させる。本明細書において「遊離SH基」とは、ジスルフィド結合を形成可能な条件(例えば中性又は酸性条件等の非還元条件)下においてジスルフィド結合を形成していない、蛋白質中のSH基を意味する。
本発明の方法においては、被験試料に含まれる蛋白質の遊離SH基を保護するために、被験試料にSH基保護剤を加えて蛋白質と反応させる。SH基保護剤を加える際の反応条件は、非還元条件であれば特に限定されないが、用いるSH基保護剤に適した条件に適合させることが好ましい。
本発明の方法においては、蛋白質の遊離SH基をまず保護することにより、ジスルフィド結合の切断に続いてSH基を検出する際に、遊離SH基が検出されずに、ジスルフィド結合を形成していたSH基だけが検出されるようにする。
本明細書では、化学修飾により蛋白質の遊離SH基を保護し、その結果、遊離SH基に対する反応が起こらないようにする物質を、「SH基保護剤」と称する。SH基保護剤による「遊離SH基の化学修飾」としては、具体的には、SH基に対するメルカプチドの形成、アルキル化、ジスルフィド交換を伴う酸化等が挙げられる。
本発明では、SH基保護剤として、上記のようにSH基を化学修飾して保護する任意の物質を用いることができる。SH基保護剤の具体的な例としては、蛋白質中のSH基の保護修飾剤として用いられるSH試薬、蛋白質のSH基と反応してその活性を阻害するSH阻害剤等が挙げられる。
具体的なSH基保護剤の例としては、限定するものではないが、以下の(1)〜(4)に示すものが挙げられる:
(1)重金属(例えば水銀、銀、カドミウム、鉛、銅等)及びそれらの化合物(例えばp−メルクリ安息香酸(PMB)、p−クロロメルクリ安息香酸(PCMB)、p−メルクリベンゼンスルホン酸(PMBS)、酢酸フェニル水銀(PMA)、エチル水銀、4−クロロメルクリ−4’−ジメチルアミノベンゼン、4−クロロメルクリフェニルアゾ−β−ナフトール、サリルガン、S−メルクリダンシルステイン等)等のメルカプチド形成剤、
(2)ハロゲン化アルキル(例えばヨード酢酸、ヨードアセトアミド)、マレイミド誘導体(例えばN−エチルマレイミド(NEM))等のアルキル化剤、
(3)5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB,エルマン試薬)、4,4−ジチオピリジン、2,2’(4,4’)−ジピリジルジスルフィド、テトラチオン酸(塩)、テトラニトロメタン、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCIP)、酸化型グルタチオン等の酸化剤、及び
(4)三酸化二ヒ素、亜ヒ素塩。
本発明のSH基保護剤は、ジスルフィド結合に対する還元作用を妨げないものであることが好ましい。還元作用を妨げるSH基保護剤を用いる場合には、遊離SH基を保護した後、ジスルフィド結合を還元処理する前に、脱塩等の処理により被験試料中からSH基保護剤を除去することが好ましい。
本発明におけるSH基保護剤としては、アルキル化剤を用いることが好ましく、ヨードアセトアミド(IAA)を用いることが特に好ましい。
(3)ジスルフィド結合の切断
次いで、蛋白質が有するジスルフィド結合を切断して、そのジスルフィド結合を形成していたSH基を露出させる。このジスルフィド結合の切断は、還元剤を用いてジスルフィド結合を還元することによって行うことが好ましい。還元剤を用いてジスルフィド結合を切断する場合は、上記2−(2)の記載に従って被験試料中の蛋白質の遊離SH基を保護した後に、該蛋白質と還元剤とを反応させる。還元剤は、蛋白質の遊離SH基をSH基保護剤と反応させた後に被験試料に加えればよい。しかしながら、蛋白質の遊離SH基を保護した後に、その蛋白質と還元剤とを反応させる限りにおいては、蛋白質の遊離SH基とSH基保護剤との反応工程の前又はその工程と同時に被験試料に還元剤を加えてもよい。例えば、可溶性カプセル中に封入された還元剤をSH基保護剤とともに被験試料に添加することにより、SH基保護剤によって遊離SH基が保護された後に、溶解したカプセルから反応液中に放出された還元剤が蛋白質のジスルフィド結合を切断するようにしてもよい。
本発明においてジスルフィド結合の切断に用いる「還元剤」としては、蛋白質が有するジスルフィド結合を切断して、SH基を露出させることができる任意の物質を用いることができる。具体的な還元剤の例としては、限定するものではないが、例えばジチオトレイトール(DTT)、ジチオエリスリトール(DTE)、グルタチオン、チオレドキシン、グルタチオンレダクターゼ、メルカプトエタノール、トリブチルフォスフィン、NaBH4、NADPH、チオグリコール酸、NO(一酸化窒素)等が挙げられる。
(4)露出したSH基の検出
続いて、ジスルフィド結合の切断により露出したSH基を検出する。この露出したSH基の検出は、SH基の検出や定量に用いることができる公知の方法を用いて行えばよい。
例えば、SH試薬を用いた公知のSH基検出法により、露出したSH基を検出及び/又は定量することができる。そのようなSH基検出法としては、例えば、SH試薬であるメルカプチド形成剤を用いて、露出したSH基をメルカプチド化することを利用する電流滴定法や、p−メルクリ安息香酸(PMB)、N−エチルマレイミド(NEM)、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)等を露出したSH基と反応させ、得られる生成物の吸光度を測定することによるSH基の定量法等が挙げられる。好適に用いられる他のSH試薬としては、4’4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンズハイドロール等も挙げられる。
別の実施形態においては、SH基結合物質(例えば、SH基と結合する固相)を、露出したSH基を有する蛋白質と反応させて、蛋白質と結合したSH基結合物質を検出することにより、露出したSH基を検出及び/又は定量することができる。あるいは、SH基結合物質と結合した蛋白質を分離して検出することにより、露出したSH基を有する蛋白質を検出及び/又は定量することもできる。例えば、露出したSH基をSH基と結合する固相(例えばビーズ、フィルター、膜、カラム等)に選択的に結合させて、固相に結合した蛋白質のみを被験試料中から分離し、次いでその分離した蛋白質を検出すればよい。SH基と結合する固相としては、具体的には例えば、グルタチオンカラム(ファルマシア社製グルタチオンセファロースカラム)、マレイミド基を導入した磁性ビーズ等が挙げられる。この方法では、SH基結合物質と前記蛋白質との結合による質量の増加を測定し、その増加量に基づいて、蛋白質のもつジスルフィド結合の定量や結合部位の決定を行うことが可能である。
さらに別の例としては、SH基標識物質を、露出したSH基を有する蛋白質と反応させて、標識されたSH基を検出することにより、露出したSH基を検出及び/又は定量することができる。ここで「標識」とは、限定するものではないが、蛍光標識、放射性同位体標識、抗体標識、酵素標識等が挙げられる。
SH基標識物質を用いる場合、標識の検出方法は、標識の種類に依存して決定される。標識が蛍光標識である場合には、その標識シグナルは、例えば標識された蛋白質に紫外線を照射することによって放射される蛍光を、蛍光検出装置によって検出すればよい。その蛍光シグナルは、分光光度計を用いてその蛍光波長に対する吸光度で蛍光量を測定することによって検出することができる。蛍光は一般に定量性が高いので、定量した蛍光の測定値からジスルフィド結合の量や結合部位を決定することが可能である。また標識が放射性同位体標識である場合には、液体シンチレーションカウンター等によって放射活性を測定することにより、該標識シグナルの検出を行うことができる。あるいは、該標識シグナルの検出のために、オートラジオグラフィーにより可視化して、放射活性の検出を行ってもよい。標識が抗体標識である場合には、例えば、標識に用いた抗体にたいして特異的な抗原を該抗体と反応させることにより、標識の検出を行うことができる。さらに標識が酵素標識である場合には、該酵素の基質を加えて該酵素と反応させ、その酵素反応の結果得られる発色反応又は蛍光反応等を検出することにより、該標識の検出を行うことができる。これらの非蛍光性の標識を用いる場合にも、検出の際に標識シグナル量の定量を行って、その測定値からジスルフィド結合量や結合部位を推定することが可能である。
本発明の方法においては、SH基標識物質として、SH基に対する蛍光標識試薬を好適に用いることができる。SH基標識物質の具体例としては、限定するものではないが、モノブロモビマン、ベンゾフラザン(ベンゾオキサジアゾール)誘導体(例えば4−フルオロ−7−スルファモイルベンゾフラザン(ABD−F))、ダンシルアジリジン等のアジリジン、フルオレセインマーキュリ酢酸(FMA)、S−メルクリ−N−ダンシルステイン(MDC)、N−(ヨードアセチルアミノエチル)−5−ナフチルアミン−1−スルホン酸(1,5−I−AEANS)及びその1,8−異性体、4−クロロ−7−ニトロベンゾフラザン(4−クロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール)(NBD−Cl)、蛍光性基(例えば2−フェニルベンゾイミダゾール、フルオレセイン、各種ローダミン、シアニン色素等)を導入したN−置換マレイミド(例えばN−(7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリニル)マレイミド(DACM)、N−[4−(6−ジメチルアミノ−2−ベンゾフラニル)フェニル]マレイミド、シアニン色素−マレイミド)等が挙げられる。
本明細書においては、SH基の検出や定量に用いることができる物質、例えば上述のようなSH試薬、SH基結合物質及びSH基標識物質等を、「SH基検出物質」と称する。
本発明の方法において用いるSH基検出物質は、上記2−(2)に記載したSH基保護剤としても用いることが可能なものであってもよい。但し、本発明の方法において、単一の検出系では、好ましくはSH基保護剤とSH基検出物質として異なる物質を用いる。さらに、露出したSH基を特異的に検出するためには、例えばSH基保護剤として非蛍光試薬、SH基検出物質として蛍光試薬を使用することによって、SH基検出物質を用いた検出の際にSH基保護剤による保護修飾が同時に検出されないようにすることが好ましい。
本発明の方法において、特に好適に用いることができるSH基保護剤とSH基検出物質との組み合わせは、SH基保護剤としてヨードアセトアミド、SH基検出物質としてモノブロモビマンを用いるものである。
SH基検出物質は、蛋白質のSH基を上述のようにして露出させた後に該蛋白質と反応させる限りにおいては、還元剤の添加と同時、又はそれより前若しくは後に、あるいはSH基保護剤の添加と同時、又はそれより前若しくは後に、被験試料に加えてもよい。そのような場合の1つの例としては、SH基検出物質が可溶性カプセル等に包含されており、そのようなSH基検出物質を被験試料にSH基保護剤とともに添加すると、SH基保護剤が遊離SH基を化学修飾した後にSH基検出物質が反応液中に放出される場合が挙げられる。このような場合、SH基検出物質は、還元剤と同じカプセル中に含有させて用いてもよく、別々のカプセルに含有させて用いてもよく、SH基検出物質だけをカプセルに含有させて用いてもよい。本明細書において、SH基検出物質を被験試料に「加える」とは、被験試料中にSH基検出物質を混合することだけでなく、被験試料とSH基検出物質とを他の様々な状態で接触させること、例えばSH基検出物質がSH基と結合する固相である場合には、被験試料中にSH基検出物質を配置すること、又はSH基検出物質上に被験試料を添加することなども包含する。
本発明に用いるSH基検出物質は、SH基保護剤及び/又は還元剤との共存下で、露出したSH基との反応が妨げられないものであることが好ましい。しかしながら、SH基保護剤及び/又は還元剤との共存によりSH基との反応が妨げられるSH基検出物質を用いる場合には、SH基検出物質を添加する前に、脱塩又は蛋白質の分離等によりSH基保護剤及び/又は還元剤を除去しておけばよい。なお、本発明のSH基検出物質は、必要であれば発色基質等の補助物質とともに添加してもよい。
本発明の方法において、SH基検出物質を用いる露出したSH基の検出は、常法によって行えばよい。SH基検出物質を用いて露出したSH基の検出を行う場合には、露出したSH基とSH基検出物質とを反応させた後、複数種類の蛋白質が含有されている被験試料についてそのまま検出を行うことができる。しかしながら、露出したSH基とSH基検出物質とを反応させた後の被験試料を、従来公知の蛋白質分離法によって予め分離してから、露出したSH基の検出を行ってもよい。例えば、前記被験試料について、当業者に公知の一次元電気泳動、二次元電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、カラムクロマトグラフィー、質量分析等の方法で、蛋白質を分離してもよい。蛋白質を分離した後、被験試料を電気泳動で分離する場合には電気泳動ゲル、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分離する場合には、溶出させた分子量画分について検出を行えばよい。本発明の方法では特に、二次元電気泳動により蛋白質を分離してから検出を行うことが好ましい。二次元電気泳動を用いることによって、蛋白質が高い解像度で精度良く単離されるだけでなく、その後の検出を1つの被験試料について一回で行うことができるという利点がある。
別の態様において、露出したSH基をSH基検出物質を用いて検出する際に、遊離のSH基検出物質も一緒に検出されてしまうおそれがある場合には、露出した検出の前に、被験試料中の蛋白質を遊離のSH基検出物質から分離することが好ましい。このような場合としては、SH基検出物質として、それ自体が標識シグナルを発するSH基標識物質(例えばフルオレセインを蛍光基として導入したマレイミド試薬)を用いる場合が挙げられる。一方、それ自体は無蛍光性であるがSH基と反応して生成する誘導体が蛍光性である物質(例えば2−フェニルベンゾイミダゾールを蛍光性基として導入したN−置換マレイミド)をSH基検出物質として用いる場合には、蛋白質を遊離のSH基検出物質から分離しなくても、標識されたSH基を選択的に検出できる。
別の実施形態においては、例えば、ジスルフィド結合を切断するための還元剤としてジチオトレイトールを使用して、ジチオトレイトールとジスルフィド結合との反応により生成される分子内S−S結合を有する環状構造物に対して280nm付近に現れる吸収を測定することにより、露出したSH基を検出及び定量することができる。このような手法により、ジスルフィド結合の還元反応に伴って得られる生成物を検出又は定量することによっても、露出したSH基を検出することができる。
本発明の方法では、上記のようにして露出したSH基を検出することにより、ジスルフィド結合を有する蛋白質を同定することができる。本発明の方法によって被験試料において露出したSH基が検出されるならば、その被験試料はジスルフィド結合を有する蛋白質を含む。また電気泳動等により分離した各蛋白質において露出したSH基が検出されるならば、その蛋白質はジスルフィド結合を有する蛋白質である。
3.ジスルフィド結合を有する蛋白質の単離及び同定
続いて、露出したSH基が検出された被験試料から、ジスルフィド結合を有する蛋白質を単離することができる。該蛋白質の単離は、当業者に公知の方法によって行えばよい。露出したSH基の検出を、例えば被験試料中の蛋白質を電気泳動によって分離したゲルについて行った場合には、露出したSH基が検出されたゲルの当該スポット部分を採取して、該ゲルから蛋白質を抽出すればよい。露出したSH基の検出を、例えば被験試料中の蛋白質をHPLCによって分離した分子量画分について行った場合には、必要であればさらにクロマトグラフィー等の精製手法によって該画分に含まれる蛋白質をさらに精製してもよいし、該画分に含まれる蛋白質が充分に精製されていればそのまま単離蛋白質を含む溶液として用いてもよい。あるいは、前記被験試料又は前記画分について、使用した標識に対する抗体を用いてアフィニティーカラム精製を行うことにより、目的の蛋白質を単離してもよい。また、SH基検出物質として、例えばSH基に結合する固相を用いた場合には、露出したSH基をSH基と結合する固相(例えばビーズ、フィルター、膜、カラム等)に選択的に結合させて、その結合を利用して被験試料中から該SH基を有する蛋白質を分離し、さらに該SH基を有する蛋白質を固相から解離させることにより、ジスルフィド結合を有する蛋白質を取得することができる。このようにして取得した蛋白質を、必要であればさらにクロマトグラフィー等の精製手法によってさらにそれぞれの蛋白質の画分に分離精製することによって単離することもできる。以上の単離工程により、ジスルフィド結合を有する蛋白質を単離し、さらにその分子量、被験試料中の含有量等も明らかにすることができる。
本発明の方法では、以上のようにして単離した蛋白質をさらに特性解析することによって同定することもできる。本発明において「蛋白質を同定する」とは、蛋白質を、既知蛋白質又は既知蛋白質と同じクラスに属する蛋白質群に分類することを意味する。
本発明において、単離した蛋白質を同定するためには、該蛋白質について特性解析を行い、その結果示された特性を既知蛋白質の特性と比較して、既知蛋白質と共通した特性を見つければよい。本発明において「共通した特性」とは、一致するか、又は共通点の多い特性を意味する。例えば、その特性がアミノ酸配列であれば、「共通した特性」とは、同一のアミノ酸配列を有するか、又は相同性の高いアミノ酸配列を有することを意味する。また、本発明における「特性解析」とは、単離した蛋白質について、電気泳動結果からの該蛋白質の分子量及び/又は等電点等の決定、一部又は全部のアミノ酸配列の決定、該蛋白質をコードする遺伝子又はcDNA配列の探索及び決定、該蛋白質についての質量分析等を行うことを意味する。アミノ酸配列の決定には、蛋白質をペプチダーゼ等により部分分解して、各断片についてエドマン分解法により内部アミノ酸配列を決定することが好ましい。一方、これらの蛋白質の特性を集めたデータベースが複数存在している(GenBank、PIR、PRF、EMBL、SwissProt、PDBSTR等)。そこで、本発明において単離した蛋白質についての特性を、それらのデータベースにおいて検索すれば、共通した特性を有する既知蛋白質をデータベースから抽出することができる。特性が一致する既知蛋白質がデータベースから抽出された場合は、単離された蛋白質はその既知蛋白質として同定される。特性が類似している既知蛋白質がデータベースから抽出された場合には、その単離された蛋白質はその既知蛋白質と同じクラスの蛋白質に分類されることになる。
以上のようにして、本発明において単離されたジスルフィド結合を有する蛋白質を同定することができる。
4.ジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法を利用した他の実施形態
本発明においては、上記のジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法を利用して、被験試料中に含まれる特定の精製蛋白質についてジスルフィド結合の形成の有無や形成部位を明らかにすることもできる。
近年では、遺伝子組換え法を用いた蛋白質の製造が盛んに行われるようになっている。組換え法による蛋白質製造では、宿主細胞として大腸菌を用いる方法が一般的であるが、大腸菌中では製造された蛋白質において正しいジスルフィド結合が形成されないことが知られているため、場合により昆虫細胞等の他の培養細胞を用いた組換え蛋白質の製造が行われている。蛋白質のジスルフィド結合は、蛋白質の立体構造形成に大きく関与しており、蛋白質の活性の維持に大きな影響を及ぼすことから、組換え法による蛋白質製造において、製造する組換え蛋白質に対応する天然蛋白質がジスルフィド結合を有するか否かを確認し、かつその天然蛋白質のジスルフィド結合の形成部位を同定することは、所望の活性を有する組換え蛋白質を製造する上で重要である。従って、本発明のジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法を用いる天然蛋白質のもつジスルフィド結合の分析は、組換え蛋白質を製造する上で有用に用いることができる。
5.アレルゲン蛋白質の検出方法
後述の実施例に示す通り、上記方法により検出されるジスルフィド結合を有する蛋白質はアレルゲン蛋白質であることが示された。従って、本発明においては、上記のジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法を利用して、被験試料に含まれるアレルゲン蛋白質を検出することができる。本発明のアレルゲン蛋白質の検出方法によってアレルゲン蛋白質を検出できることは、ジスルフィド結合と蛋白質のアレルゲン性とが関連するという報告(例えば、Huby,R.D.,et al.,Toxicological Sciences 55,235−246)とも一致する。本発明のアレルゲン蛋白質の検出方法は、従来のIgE抗体を用いたイムノブロッティング法による検出法と比較して、非常に高感度である。
本発明のアレルゲン蛋白質の検出方法は、上記のジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法と同様の手順で実施すればよく、以下のa)〜c)のステップによって行うことができる。
a)蛋白質の有する遊離SH基を化学修飾することにより保護し、
b)遊離SH基が保護された蛋白質のもつジスルフィド結合を切断して、該ジスルフィド結合を形成していたSH基を露出させ、
c)露出したSH基を検出することによって、露出したSH基を有する蛋白質を、アレルゲン蛋白質として同定する。
本発明のアレルゲン蛋白質の検出方法を適用してアレルゲン蛋白質の検出を行うのに適した被験試料は、上記のジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法について記載したものと同様であるが、アレルゲン蛋白質を含有することが予想される蛋白質試料を用いることがより好ましい。被験試料としては、イネ科植物の種子、ハウスダスト、花粉又はダニからの蛋白質抽出物を用いることが特に好ましい。
本発明のアレルゲン蛋白質の検出方法を実施する上で、特に好適である具体的な手順は、以下の通りである:
(1)被験試料に非蛍光試薬ヨードアセトアミドを添加し、
(2)さらに還元剤としてジチオトレイトールを添加し、
(3)さらに蛍光性試薬モノブロモビマンを添加した後、得られた反応溶液を二次元電気泳動で分離し、
(4)電気泳動ゲルに紫外線を照射して、得られた蛍光スポットをアレルゲン蛋白質として検出する。
この方法は、従来法と比較して、特に次のような利点を有する。
・蛍光標識を用いることによって微量なアレルゲン蛋白質を検出できる。
・二次元電気泳動で分離することにより、蛋白質の解析解像度が高くなる。
・膜への転写を必要とせず、微量な蛋白質を消失する危険度が低い。
本発明の別の実施形態においては、上記のアレルゲン蛋白質の検出方法を利用して、被験試料について、アレルゲン性を有するか否かを判定することができる。この場合、被験試料中にアレルゲン蛋白質が検出されれば、被験試料はアレルゲン性を有すると判定される。
また別の実施形態では、上記のアレルゲン蛋白質の検出方法を利用して、被験試料中に含まれるアレルゲン蛋白質のスクリーニングを行うことができる。この場合、被験試料において検出されたアレルゲン蛋白質を単離することにより、被験試料中に含まれるアレルゲン蛋白質をスクリーニングすることができる。この蛋白質の単離は、上述のジスルフィド結合を有する蛋白質の単離と同様に、通常公知の方法に従って行うことができる。
上記のように単離したアレルゲン蛋白質についても、ジスルフィド結合を有する蛋白質と同様に、特性解析による同定を行うことができる。すなわち、単離したアレルゲン蛋白質について特性解析を行い、その結果示された特性を既知アレルゲン蛋白質の特性と比較して、既知アレルゲン蛋白質と共通した特性を見つければよい。「共通した特性」「特性解析」については、上記のジスルフィド結合を有する蛋白質についての記載と同様である。
アレルゲン蛋白質の特性の情報も、データベース等から入手することができる(GenBank、PIR、PRF、EMBL、SwissProt、PDBSTR、Farrp allergen database(http://www.allergenonline.com/)等)。本発明において単離したアレルゲン蛋白質についての特性を、例えばそれらのデータベースにおいて検索すれば、共通した特性を有する既知アレルゲン蛋白質をデータベースから抽出することができる。特性が一致する既知アレルゲン蛋白質がデータベースから抽出された場合は、単離されたアレルゲン蛋白質はその既知アレルゲン蛋白質として同定される。特性が類似している既知アレルゲン蛋白質がデータベースから抽出された場合には、その単離された蛋白質はその既知アレルゲン蛋白質と同じクラスのアレルゲン蛋白質に分類されることになる。
アレルゲン蛋白質の同定においては、当技術分野において、次のような方法が慣用されている。すなわち、エドマン分解法により目的の蛋白質の内部アミノ酸配列(部分配列)を決定し、その部分配列をクエリー配列としてアミノ酸配列データベースにおいて検索して、その蛋白質の部分配列と完全に一致するアレルゲン蛋白質の部分配列がデータベースから抽出されれば、その蛋白質をデータベースから抽出されたアレルゲン蛋白質として同定する。同様にして、その蛋白質の部分配列と高い相同性を有するアレルゲン蛋白質の部分配列がデータベースから抽出されれば、その蛋白質を、データベースから抽出された該アレルゲン蛋白質と同じクラスに属するアレルゲン蛋白質として同定する。本発明においても、単離されたアレルゲンの同定に、この方法を利用することが好ましい。
6.検出方法以外の実施形態
本発明の蛋白質分析方法は、いずれも上記の「ジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法」を利用する。従って、ジスルフィド結合を有する蛋白質を検出するために用いるSH基保護剤及びSH基検出物質を含むキットは、本発明のジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法、アレルゲン蛋白質の検出方法、及びそれらを利用する蛋白質の分析方法を実施する上で、好適に使用することができる。このように、SH基保護剤及びSH基検出物質を含む、ジスルフィド結合を有する蛋白質又はアレルゲン蛋白質を検出するためのキットも、本発明の範囲に包含される。好適には、これらのキットは、ヨードアセトアミド及びモノブロモビマンを含む、ジスルフィド結合を有する蛋白質又はアレルゲン蛋白質を検出するためのキットである。これらのキットは、さらに還元剤(好ましくはジチオトレイトール)を含むものでもよい。
図2は、コメ種子からの抽出物を被験試料として本発明の方法に従って得られた二次元電気泳動の結果を示す写真である。Aは、含まれる全ての蛋白質をクーマシーブルー染色で可視化した結果を示す。Bは、本発明の方法に従って露出させたSH基をモノブロモビマンにより蛍光標識した蛋白質の蛍光検出の結果を示す。1〜8は、内部アミノ酸配列を決定した蛋白質のスポットを示す。
図3は、花粉からの抽出物を被験試料として本発明の方法に従って得られた二次元電気泳動の結果を示す写真である。モノブロモビマンにより蛍光標識された蛋白質が蛍光検出されて、白色で示されている。1〜6は、内部アミノ酸配列を決定した蛋白質のスポットを示す。
図4は、ダニからの抽出物を被験試料として本発明の方法に従って得られた二次元電気泳動の結果を示す写真である。モノブロモビマンにより蛍光標識された蛋白質が蛍光検出されて、白色で示されている。1〜3は、内部アミノ酸配列を決定した蛋白質のスポットを示す。
図5は、ソイビーントリプシンインヒビター(STI)とミオグロビン(Mg)を被験試料として本発明の方法に従って得られた二次元電気泳動の結果を示す写真である。Aは、被験試料に含まれる蛋白質をクーマシーブルー染色で可視化した結果を示す。Bは、露出したSH基をモノブロモビマンにより蛍光標識した蛋白質の蛍光検出の結果を示す。
実施例1:コメ抽出物におけるジスルフィド結合を有する蛋白質の検出
コメ種子20gを乳ばちを用いて粉砕した。この粉末を1M塩化ナトリウム溶液400ml中に入れ、1時間にわたり攪拌することによって、該種子に含まれる蛋白質を緩衝液中に溶出させた。この溶液を14,000Gで、5分間遠心分離して不溶成分を沈澱させた後、上清を採取した。この上清を、透析により脱塩し、次いで凍結乾燥した。この凍結乾燥物の1/80量(コメ種子0.25gに相当する)を、8M尿素、0.5%CHAPS、0.1%Bio−Lytesを含む等電点電気泳動用緩衝液に溶解した。この溶液にSH基保護剤としてヨードアセトアミドを添加(最終濃度5mM)し、室温で1時間保温した。さらに還元剤としてジチオトレイトールを添加(最終濃度5mM)し、室温で1時間保温した。さらにSH基標識物質としてモノブロモビマンを添加(最終濃度10mM)し、室温で15分間保温した。
このようにして得た反応溶液を、二次元電気泳動にかけ、反応液中の蛋白質を分離した。
一次元目の電気泳動はバイオラッド社製のプロティアンIEFセルシステムを用い、製造者のマニュアルに従って実施した。上限8,000V、電圧時間積算35,000VHの条件で6時間泳動した。泳動後、ゲルを62.5mMのトリス塩酸バッファー、5%メルカプトエタノール、2%SDS、5%スクロースを含む緩衝液に10分間浸し、二次元目の電気泳動に供した。
二次元目の電気泳動はLaemmliの手法(Laemmli,U.K.,Nature,227,680−685(1970))に従って行った。375mMのトリス/グリシンバッファーを含み、10〜20%の濃度勾配をもつアクリルアミドゲルを用いた。泳動バッファーには0.1%SDSを含む25mMトリス/グリシンバッファーを用いた。250Vにて、3時間にわたる泳動を行った。
このようにして得た泳動ゲルについて、蛍光検出装置(FAS−2525、TOYOBO)を用いて、蛍光シグナルを検出した。蛍光検出されたゲル上のスポットが、モノブロモビマンで蛍光標識された蛋白質に相当する(図2B)。図2Bでは、例えば1〜6で示している蛍光スポットが見出された。
また、この実施例では対照実験として、クーマシーブルー染色により全蛋白質の検出を行った(図2A)。図2Aでは、例えば1〜8で示している染色スポットが見出された。
図2Aと図2Bとを比較したところ、図2Aで示された1〜6の染色スポットに対して、図2Bにおける1〜6の蛍光スポットが、それぞれ対応する位置に存在していた。すなわち、1〜6のスポットに相当する蛋白質は、ジスルフィド結合を有する蛋白質であることが示された。この結果から、1〜6のスポットに存在する蛋白質は、アレルゲン蛋白質であることが示唆された。
一方、図2Aにおける7及び8の染色スポットは、図2Bの対応する位置に蛍光スポットが示されなかった。このことから、図2Aにおける7及び8のスポットに相当する蛋白質は、アレルゲン蛋白質ではないことが示唆された。
実施例2:コメ抽出物に含まれるアレルゲン蛋白質の解析
図2Bにおいて蛍光シグナルが検出されたスポット(1〜6)をゲルから切り出し、トリプシンでゲル内消化を行って、スポットに含まれる蛋白質を断片化した。断片化した蛋白質をHPLCにかけて分離した後、エドマン法により内部アミノ酸配列を決定した。各スポットに含まれる蛋白質について、決定した内部アミノ酸配列を表1に示す。表1に示した内部アミノ酸配列中の「CmBBr」は、モノブロモビマンで標識されたSH基を有するシステイン残基を表す。次に、それらの内部アミノ酸配列をそれぞれクエリー配列として用いて、アミノ酸配列データベース(GenBank、PIR)において、FASTAプログラム及びBLASTプログラムを用いた相同性検索を行った。その検索結果から、各スポット由来の蛋白質の内部アミノ酸配列が、既知アレルゲン蛋白質の部分アミノ酸配列と同一か又は高い相同性を有することが示された(表1)。
表1に示されるように、スポット2〜6に相当する蛋白質の内部アミノ酸配列は、相同性の高い蛋白質としてデータベースから抽出された既知アレルゲン蛋白質の部分アミノ酸配列と100%一致していた。このことからスポット2〜6の蛋白質は、既知アレルゲン蛋白質として同定された。一方、スポット1の蛋白質の1つの内部アミノ酸配列は、相同性の高い蛋白質としてデータベースから抽出された既知アレルゲン蛋白質であるトリプシン/アミラーゼインヒビターの部分アミノ酸配列(配列番号1)と、77.8%の相同性を有していた。一方、スポット1に相当する蛋白質の別の2つの内部アミノ酸配列(配列番号2及び3)については、データベースから相同性の高い蛋白質が抽出されなかった(表1中、n.d.として示す)。このことから、スポット1の蛋白質は、トリプシン/アミラーゼインヒビターと同じアレルゲン蛋白質のクラスに属するが、未知のアレルゲン蛋白質であると推定された。
このように、本発明の方法により蛍光検出されたコメ抽出物中に含まれるジスルフィド結合を有する蛋白質を、既知アレルゲン蛋白質と同じクラスに属する未知アレルゲン蛋白質(スポット1)又は既知アレルゲン蛋白質(スポット2〜6)として同定することができた。
実施例3:花粉抽出物におけるジスルフィド結合を有する蛋白質の検出
ラグウィード(Ambrosia trifida;オオブタクサ)の花粉を1mM PASFと1mM EDTAを含む100mMのトリス塩酸緩衝液(pH8.0)中で乳ばちを用いて破砕し、14,000Gで、30分間遠心分離した。遠心分離後、上清を採取して遠心フィルターUltrafree−CL(Millipore製)でろ過し、さらに遠心フィルターMicrocon YM−10を通して脱塩した。脱塩した残渣を8M尿素、0.5%CHAPS、0.1%Bio−Lytesを含む等電点電気泳動用緩衝液に溶解した。この溶液にSH基保護剤としてヨードアセトアミドを添加(最終濃度5mM)し、室温で1時間保温した。さらに還元剤としてジチオトレイトールを添加(最終濃度5mM)し、混合し、室温で1時間保温した。さらにSH基標識物質としてモノブロモビマンを添加(最終濃度10mM)し、混合し、室温で15分間保温した。このようにして得た反応溶液を二次元電気泳動にかけ、実施例1と同様にして反応液中の蛋白質を分離し、蛍光検出装置により、蛍光シグナルを検出した(図3)。
実施例4:花粉抽出物に含まれるアレルゲン蛋白質の解析
図3において蛍光シグナルが検出されたスポット(1〜6)をゲルから切り出し、実施例2と同様にして蛋白質の内部アミノ酸配列を決定した。次いで、内部アミノ酸配列を用いて実施例2と同様の相同性検索を行った。この検索結果から、各スポット由来の蛋白質の内部アミノ酸配列が、既知アレルゲン蛋白質が有する部分アミノ酸配列と高い相同性を有することが示された(表2)。
表2に示す通り、スポット1に相当する蛋白質の内部アミノ酸配列は、相同性の高い蛋白質としてデータベースから抽出されたシステインリッチ−抗真菌蛋白質の部分アミノ酸配列と81.8%の相同性を有していた。またスポット2に相当する蛋白質の内部アミノ酸配列は、相同性の高い蛋白質としてデータベースから抽出された葯特異的蛋白質SF18の部分アミノ酸配列と87.5%の相同性を有していた。システインリッチ−抗真菌蛋白質と葯特異的蛋白質SF18とはいずれも、アレルゲンであるディフェンシンファミリーに属することが知られている。このことから、スポット1の蛋白質及びスポット2の蛋白質は、システインリッチ−抗真菌蛋白質及び葯特異的蛋白質SF18のそれぞれと同じクラスに属するアレルゲン蛋白質であることが示された。さらに、スポット3に相当する蛋白質の内部アミノ酸配列は、相同性の高い蛋白質としてデータベースから抽出されたアレルゲンABA−1の部分アミノ酸配列と66.7%の相同性を有していた。このことから、スポット3の蛋白質は、アレルゲンABA−1と同じクラスに属するアレルゲン蛋白質であることが示された。スポット4〜6にそれぞれ相当する蛋白質の内部アミノ酸配列については、データベースから相同性の高い蛋白質が抽出されなかった(表2中、n.d.として示す)。このことは、スポット4〜6の蛋白質が、新規なアレルゲン蛋白質であることを示唆する。
実施例5:ダニ抽出物におけるジスルフィド結合を有する蛋白質の検出
ヤケヒョウダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)を1mM PASFと1mM EDTAを含む100mMのトリス塩酸緩衝液(pH8.0)中で乳ばちを用いて破砕し、14,000Gで、30分間遠心分離した。遠心分離後、上清を採取して遠心フィルターUltrafree CL(Millipore製)でろ過し、さらに遠心フィルターMicrocon YM−10を通して脱塩した。脱塩した残渣を8M尿素、0.5%CHAPS、0.1%Bio−Lytesを含む等電点電気泳動用緩衝液に溶解した。この溶液にSH基保護剤としてヨードアセトアミドを添加(最終濃度5mM)し、室温で1時間保温した。さらに還元剤としてジチオトレイトールを添加(最終濃度5mM)し、室温で1時間保温した。さらにSH基標識物質としてモノブロモビマンを添加(最終濃度10mM)し、15分間保温した。このようにして得た反応溶液を二次元電気泳動にかけ、実施例1と同様にして反応液中の蛋白質を分離し、蛍光検出装置により、蛍光シグナルを検出した(図4)。
実施例6:ダニ抽出物に含まれるアレルゲン蛋白質の解析
図4において蛍光シグナルが検出されたスポット(1〜3)をゲルから切り出し、実施例2と同様にして蛋白質の内部アミノ酸配列を決定した。次いで、内部アミノ酸配列を用いて実施例2と同様の相同性検索を行った。この検索結果から、各スポット由来の蛋白質の内部アミノ酸配列が、既知アレルゲン蛋白質が有する部分アミノ酸配列と高い相同性を有することが示された(表3)。
表3に示す通り、スポット1及び2に相当する蛋白質の内部アミノ酸配列はいずれも、相同性の高い蛋白質としてデータベースから抽出された既知のアレルゲンであるダニアレルゲンDER P2の部分アミノ酸配列と100%の相同性を有していた。また、スポット3に相当する蛋白質の内部アミノ酸配列は、相同性の高い蛋白質としてデータベースから抽出された既知のアレルゲンであるダニアレルゲンGLY D2の部分アミノ酸配列と80%の相同性を有していた。このことから、スポット3の蛋白質は、ダニアレルゲンGLY D2と同じクラスに属するアレルゲン蛋白質であることが示された。
このように、本発明の方法により蛍光検出されたダニ抽出物中に含まれるジスルフィド結合を有する蛋白質を、既知アレルゲン蛋白質(スポット1及び2)、又は既知アレルゲン蛋白質と同じクラスに属する未知アレルゲン蛋白質(スポット3)として同定することができた。
実施例7:モデル蛋白質を用いた検出
遊離のシステイン残基1個(すなわち、遊離SH基を1個)と分子内ジスルフィド結合2個をもつアレルゲン蛋白質であるソイビーントリプシンインヒビター(STI)50pmolと、ジスルフィド結合をもたず遊離のシステイン残基を1個(すなわち、遊離SH基を1個)もつミオグロビン(Mg)蛋白質250pmolとを、62.5mMのトリス塩酸緩衝液(pH6.8)、2%SDSを含む10μLの溶液中で混合した。これにSH基保護剤としてヨードアセトアミドを添加し(最終濃度5mM)、室温で1時間保温した。さらに還元剤としてジチオトレイトールを添加し(最終濃度5mM)、室温で1時間保温した。さらにSH基標識物質としてモノブロモビマンを添加し(最終濃度10mM)、室温で15分間保温した。このようにして得た反応溶液を、SDS−PAGEにかけ、反応液中の蛋白質を分離した。SDS−PAGEは実施例1と同じく、Laemmliの方法に従った。
クーマシーブルー染色により全蛋白質の検出を行うと、両方の蛋白質はそれぞれの蛋白質量に矛盾なく検出された(STI:50pmol、Mg:250pmol)(図5A)。これに対し、蛍光物質モノブロモビマンで標識して検出した場合には、分子内ジスルフィド結合をもつアレルゲンSTIのみが検出され、遊離のシステイン残基のみを持ち、ジスルフィド結合をもたないMgは検出されなかった(図5B)。ここで、もし本発明の方法により、ジスルフィド結合を形成していたSH基だけでなく遊離のシステイン残基がもつSH基も一緒にモノブロモビマンにより標識されるのであれば、両者は同じ強度の蛍光で検出されるはずである。従って、本発明の方法によりSTI蛋白質のみが検出されたことは、STI蛋白質において分子内ジスルフィド結合を形成していたSH基のみがモノブロモビマンによって標識されたことを示唆している。
以上の結果から、本発明の方法によってジスルフィド結合を有する蛋白質(すなわち、アレルゲン蛋白質)を特異的に検出できることが示された。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はその全体を参照により本明細書中に組み入れるものとする。
Claims (12)
- 被験試料中の蛋白質の遊離SH基を化学修飾することにより保護し、遊離SH基が保護された蛋白質のジスルフィド結合を切断してSH基を露出させ、露出したSH基を検出することを含む、ジスルフィド結合を有する蛋白質の検出方法。
- 露出したSH基とSH基標識物質とを反応させて、標識されたSH基を検出することにより、露出したSH基を検出する、請求項1記載の方法。
- 標識されたSH基を検出する前に、二次元電気泳動により被験試料中の蛋白質を分離することを特徴とする、請求項2記載の方法。
- 化学修飾がヨードアセトアミドによるアルキル化であり、SH基標識物質がモノブロモビマンである、請求項2又は3記載の方法。
- 被験試料中の蛋白質の遊離SH基を化学修飾することにより保護し、遊離SH基が保護された蛋白質のジスルフィド結合を切断してSH基を露出させ、露出したSH基を検出することを含む、アレルゲン蛋白質の検出方法。
- 露出したSH基とSH基標識物質とを反応させて、標識されたSH基を検出することにより、露出したSH基を検出する、請求項5記載の方法。
- 標識されたSH基を検出する前に、二次元電気泳動により被験試料中の蛋白質を分離することを特徴とする、請求項6記載の方法。
- 化学修飾がヨードアセトアミドによるアルキル化であり、SH基標識物質がモノブロモビマンである、請求項6又は7記載の方法。
- 被験試料がイネ科植物の種子、花粉、ダニ又はハウスダストからの蛋白質抽出物である、請求項5〜8のいずれか1項記載の方法。
- SH基保護剤及びSH基検出物質を含む、ジスルフィド結合を有する蛋白質又はアレルゲン蛋白質を検出するためのキット。
- ヨードアセトアミド及びモノブロモビマンを含む、ジスルフィド結合を有する蛋白質又はアレルゲン蛋白質を検出するためのキット。
- 還元剤をさらに含む、請求項10又は11記載のキット。
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