JPWO2003098753A1 - スナップ電極、その接合方法および使用方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、パッケージまたはFPCの着脱が可能な高密度接続用電極を提供することを目的とする。かかる目的を達成するために、本発明のスナップ電極(11)は、断面が円形または多角形の筒状のリング(11a)と、そのリング内に、そのリングに連結する少なくとも一つのバネ電極(11b)を有し、挿入実装型パッケージまたはFPCの、ピン電極(13)をバネ電極(11b)で挟み込むことにより、基板またはFPCに接続することを特徴とする。このスナップ電極(11)は、ニッケルもしくはニッケル合金、または銅もしくは銅合金からなるものが好ましく、貴金属または導電性ダイヤモンドライクカーボンでコートしているものが好ましい。
Description
技術分野
本発明は、半導体実装用の電極およびフレキシブルプリント回路(flexible printed circuit)(以下、「FPC」ともいう。)接続用の電極に関する。特に、挿入型の半導体パッケージを実装(以下、「接続」ともいう。)するための電極、またはFPCを接続するための電極に関する。
背景技術
半導体を収納し、外部環境から半導体を保護し、プリント基板などに実装するために半導体パッケージ(以下、単に「パッケージ」ともいう。)が使用されている。半導体パッケージは、基板への実装方法により、表面実装型と挿入実装型とに分類される。
表面実装型パッケージとしては、たとえばBGA(Ball Grid Array)があり、パッケージのベース面にハンダボールが一定の間隔で格子状に並べられており、基板の表面にあるハンダ付けパターン(マウントパッド)に直接、ハンダ付けをすることにより実装する。また、挿入実装型パッケージとしては、たとえばPGA(Pin Grid Array)があり、パッケージ本体から垂直に取り出されたピン電極を、基板のソケット電極に挿入して、実装する。今日における半導体の高集積化、高速化、また電子機器の小型軽量化に伴い、半導体の高密度実装および小型化が要求されている。
表面実装型パッケージは、基板表面のハンダ付けパターンおよびハンダボールの微細化が可能であり、また基板の両面に実装できるため、高密度化しやすい構造を有する。しかし、表面実装型パッケージは、ベース面が基板にハンダ付けされているため、一度実装したパッケージを引き剥がすことができない。仮に引き剥がそうとすると、加熱してハンダを溶かす必要があり、デバイス自体に悪影響を及ぼしたり、ハンダボールの変形により再実装ができなかったりする問題がある。
挿入実装型パッケージは、構造上、入出力用ピン電極の多ピン化が可能であり、パッケージの着脱も可能である。しかし、ピン電極を挿入するソケット電極が機械加工により製造されているため、ソケット電極の小型化が困難であり、このため500μm〜1mm程度のピンピッチが限界である。また、機械加工により製造しているため、寸法のバラツキも大きく、確実な電気的接触を得るために厚さが少なくとも1mm程度必要である。
一方、FPCの接続では、FPC同士、またはFPCとプリント基板などの基板を接続する場合、打抜きで形成した電極を樹脂製のハウジングで覆ったコネクタが使用されている。しかし、FPCコネクタにおいては、機械加工のため電極サイズの微細化に限界があり、かつハウジングの機械的強度を確保するため、コネクタの小型化および端子の狭ピッチ化が難しいという問題がある。
発明の開示
本発明は、パッケージまたはFPCの着脱が可能な高密度接続用電極を提供することを目的とする。かかる目的を達成するため、本発明のスナップ電極は、断面が円形または多角形の筒状のリングと、リング内に、リングに連結する少なくとも一つのバネ電極とを有し、挿入実装型パッケージまたはFPCの、ピン電極をバネ電極で挟み込むことにより、基板またはFPCに接続することを特徴とする。スナップ電極は、ニッケルもしくはニッケル合金、または銅もしくは銅合金からなるものが好ましく、貴金属または導電性ダイヤモンドライクカーボンでコートしているものが好ましい。
本発明のスナップ電極の接合方法は、断面が円形または多角形の筒状のリングと、リング内に、リングに連結する少なくとも一つのバネ電極とを有するスナップ電極の接合方法であって、スナップ電極のリング部分のみと、基板電極またはFPCの電極とを金を介して超音波接合し、またはハンダ付けにより接合することを特徴とする。
本発明のスナップ電極の使用方法は、断面が円形または多角形の筒状のリングと、リング内に、リングに連結する少なくとも一つのバネ電極とを有するスナップ電極の使用方法であって、挿入実装型パッケージまたはFPCの、ピン電極をバネ電極で挟み込むことにより、基板またはFPCに接続することを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
(スナップ電極)
本発明のスナップ電極は、典型的には図1Aまたは図1Bに示すように、リング11aとバネ電極11bとからなる。このスナップ電極11は、プリント基板などの基板上に設けられた基板電極12、またはFPC上に設けられた電極に接合している。挿入実装型パッケージまたはFPCを、基板または他のFPCに接続するときは、挿入実装型パッケージまたはFPCのピン電極13をバネ電極11bに挟み込むことにより行なう。従来のPGA用ソケットは、プラスチックのケースによって電極が守られているが、この構造では微細化に限界がある。本発明のスナップ電極は、バネ電極のまわりに、電極を保護するリングを一体形成することで、微細なサイズを実現している。
ピン電極13をバネ電極11bで挟み込む態様には、たとえば、図1Aに示すように、バネ電極11bにより形成される隙間14へピン電極13を矢印の方向に挿入し、ピン電極13をバネ電極11bで挟み込む態様がある。また、たとえば、図1Bに示すように、ピン電極13をリング11a内に挿入した後、矢印の方向にずらして、バネ電極11bにより形成される隙間14にまで移動したピン電極13を、バネ電極11bで挟み込む態様などがある。
本発明のスナップ電極は、挿入実装型パッケージまたはFPCを、基板またはFPCに接続する際に有効に利用することができる。たとえば、挿入実装型パッケージをプリント基板などの基板に実装する態様、FPCを基板に接続する態様、挿入実装型パッケージをFPCに接続する態様、または、FPCを他のFPCに接続する態様において利用することができる。
リングは、断面が円形または多角形の筒状体である。断面が円形または多角形とは、筒状のリングを長手方向に垂直な面で切断したときの断面が、円形または多角形であることをいう。また、断面が円形とは、完全な円形のもののみならず、円形に近いもの、たとえば楕円形や円周の一部が歪んだようなものも含まれる。多角形とは、たとえば四角形または六角形を指すが、正多角形に限らず、辺の長さが異なるようなものも含まれる。図2A〜図2Fにリング21aが円形である例を示す。また、図2G〜図2Lにリング21aが六角形である例を示す。
バネ電極を、リング内に少なくとも一つ有する。バネ電極を設けることにより、挿入型パッケージなどのピン電極を挟み込み、基板などに接続し、電気的および機械的接続を得ることができる。また、バネ電極は、リングに連結している。リングに連結していることにより、スナップ電極の製造時にバネ電極を保護するとともに、接続時などにおいても、ピン電極を挿入するときにバネ電極にかかる負荷をリングに分散させ、バネ電極を保護することができる。図2A〜図2C、図2F、図2G〜図2Iおよび図2Lに、スナップ電極21が、リング21aと二つのバネ電極21bとを有する例を示す。また、図2D、図2E、図2Jおよび図2Kに、スナップ電極21が、リング21aと、一つのバネ電極21bと、リング21aの上半分に電極材料からなる充填物21cとを有する例を示す。ピン電極が嵌合することになる隙間24は、図2Aに示すように、リング21aの中央部に位置する態様のほか、図2Fに示すように、隙間24が、リング21aの中央部から少しずれた場所に位置する態様も本発明に含まれる。
(スナップ電極の製造方法)
本発明のスナップ電極は、リソグラフィにより樹脂型を形成する工程と、樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成する工程とを含む方法により製造する態様が好ましい。挿入型パッケージなどの接続に使用されているソケット電極は、機械加工により製造されているため、小型化することができず、小さなものでも外径500μm〜1mm、厚さ1mm程度の大きさがあり、このサイズでは、半導体の高密度接続には限界がある。本発明のスナップ電極は、リソグラフィと電鋳とを組合せた方法で製造することにより、外径50μm〜500μm、厚さ50μm〜1mmの微小サイズとすることができるため、高密度接続が可能である。また、挿入型パッケージなどの接続用の電極であるため、パッケージの着脱が可能である。さらに、バネ電極と、バネ電極を保護するためのリングとが連結している構造のスナップ電極を、一体物として容易に製造することができ、組立てが不要である。
スナップ電極の製造方法は、まず、図3Aに示すように、導電性基板31上にリソグラフィのための樹脂層32を形成する。導電性基板として、たとえば、銅、ニッケル、ステンレス鋼などの金属製基板、または、チタン、クロムなどの金属材料をスパッタリングしたシリコン基板などを用いることができる。樹脂層を形成するための材料としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのポリメタクリル酸エステルを主成分とする樹脂材料、X線に感受性を有する化学増幅型樹脂材料などがある。樹脂層の厚さは、形成しようとするスナップ電極の高さに応じて任意に設定することができ、たとえば、50μm〜1mmとすることができる。スナップ電極は、ある程度の高さを確保することにより、ピン電極を挿入するときに、電極の表面に付着している汚れを擦り落とし、電気的に確実に接続する効果(ワイピング効果)が得られる。
つぎに、導電性基板31上にマスク33を配置し、マスク33を介してX線34(または紫外線)を照射する。X線としては、高いアスペクト比を実現することができる点で、シンクロトロン放射のX線(以下、「SR光」と略す。)が好ましい。マスク33は、スナップ電極の所定のパターン応じて形成したX線吸収層33aを有する。スナップ電極を構成するリングの形状は、たとえば円形と六角形とを比べた場合には、マスクに効率よく配置できる点で、円形よりも六角形の方が好ましい。マスク33を構成する透光性基材33bには、たとえば窒化シリコン、シリコン、ダイヤモンド、チタンなどを用いることができる。また、X線吸収層33aには、たとえば金、タングステン、タンタルなどの重金属あるいはその化合物を用いることができる。X線34の照射後、現像し、X線34により変質した部分32aを除去すると、図3Bに示すような樹脂型32bが得られる。
つぎに、電鋳を行ない、図3Cに示すように、樹脂型32bの空孔部に金属材料35を堆積する。電鋳とは、金属イオン溶液を用いて導電性基板上に金属材料からなる層を形成することをいう。導電性基板31をめっき電極として電鋳を行なうことにより、樹脂型32bの空孔部に金属材料35を堆積することができ、堆積した金属材料35からなる層は、最終的にスナップ電極となる。金属材料としては、ニッケル、銅、金、それらの合金、またはパーマロイなどを用いることができるが、パッケージなどのピン電極を挿入するとき、および挿入した後の機械的強度が大きい点、ならびに電極として導電性が大きい点で、ニッケル、銅、ニッケル合金または銅合金が好ましい。
電鋳後、研磨または研削により所定の厚さに揃えてから、ウエットエッチングまたはプラズマエッチングにより樹脂型32bを除去する(図3D)。続いて、酸もしくはアルカリによりウエットエッチングし、または機械的に加工して導電性基板31を除去すると、図3Eに示すようなスナップ電極が得られる。
本発明のスナップ電極を製造するための別の方法として、金型により樹脂型を形成する工程と、樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成する工程とを含む方法を使用することができる。かかる方法によっても、外径50μm〜500μm、厚さ50μm〜1mmの微小サイズのスナップ電極を製造することができる。このスナップ電極は、バネ電極と、バネ電極を保護するためのリングとが連結した構造を有し、半導体の高密度接続を実現することができる。また、挿入実装型パッケージまたはFPC用の電極として使用でき、パッケージまたはFPCの着脱が可能である。
まず、図4Aに示すとおり、凸部を有する金型42を用いて、プレスまたは射出成型などのモールドにより、図4Bに示すような凹状の樹脂体43を形成する。樹脂としては、たとえばポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオキシメチレンなどのポリアセタール樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。金型42は、本発明のスナップ電極と同様に、微小構造体であるため、リソグラフィ法などにより製造することが好ましい。
つぎに、図4Cに示すように、樹脂体43の上下を反転した後、導電性基板41に貼り付ける。続いて、図4Dに示すように、樹脂体43を研磨し、樹脂型43aを形成する。その後は前述と同様に、電鋳により金属材料45を堆積し(図4E)、厚さを調整した後、樹脂型43aを除去し(図4F)、導電性基板41を除去すると、図4Gに示すようなスナップ電極が得られる。
スナップ電極は、電気接触性および耐腐食性を向上させる点で、金、パラジウムまたは白金などの貴金属でコートしている態様が好ましい。バレルメッキなどにより、スナップ電極の表面を金などで容易にコートすることができる。また、スナップ電極は、耐摩耗性を向上させる点で、導電性ダイヤモンドライクカーボンでコートしていることが好ましい。ダイヤモンドライクカーボンでコートすることにより、スナップ電極の表面に、ダイヤモンド状の結晶構造を有するカーボン膜が形成される。
(スナップ電極の接合方法)
本発明のスナップ電極の接合方法は、前述したスナップ電極のリング部分のみと、基板電極またはFPCの電極とを金を介して超音波接合し、またはハンダ付けにより接合することを特徴とする。スナップ電極のリング部分のみを、基板電極またはFPCの電極に接合することにより、基板電極またはFPCの電極と、バネ電極との間に隙間を作り、ピン電極の挿入に際して、バネ電極の動きをスムーズにすることができる。たとえば、スナップ電極のリング部分のみと基板電極とを接合するには、図5に示すように、スナップ電極51のリング51aと接触する部分に凸部52aを有する基板電極52を用意し、この基板電極52とスナップ電極51とを接合する。また、別の例としては、基板電極のうち、スナップ電極のリングと接触する部分にのみハンダ付けをして、両者を接合する。
接合方法としては、高い導電性および十分な接合強度が得られる点で、金を介して超音波接合する方法、または、ハンダ付けにより接合する方法が好ましい。超音波接合法は、固相状態で接触面を加圧しながら超音波により振動を加えて、そのエネルギにより吸着膜などを破壊し、接合する方法であり、短時間で強力な接合が得られる点で好ましい。超音波の振動数は10kHz〜1000kHzが好ましく、10kHz〜100kHzがより好ましい。10kHzより小さいと、吸着層を十分に破壊することが困難となり、1000kHzより大きいと、高エネルギとなるため、破損する虞がある。加圧条件は0.01MPa〜100MPaが好ましく、0.01MPa〜50MPaがより好ましい。0.01MPaより小さいと、接触界面の近傍で塑性変形が起こりにくく、十分な接合強度を得にくい。一方、100MPaより大きいと、電極が変形し、破損する虞がある。超音波接合に際しては、十分な導電性と接合強度を得るために、スナップ電極および基板電極などの双方を金コートしてから行なうのが好ましい。
(スナップ電極の使用方法)
本発明のスナップ電極の使用方法は、前述したスナップ電極のバネ電極で、挿入実装型パッケージまたはFPCのピン電極を挟み込むことにより、基板またはFPCに接続することを特徴とする。かかる使用方法により、パッケージの着脱が可能であって、かつ高密度接続を実現することができる。
実施例1
まず、図3Aに示すように、導電性基板31上にリソグラフィのための樹脂層32を形成した。導電性基板としては、チタンをスパッタリングしたシリコン基板を用いた。樹脂層を形成するための材料としては、メタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体を用い、樹脂層の厚さは100μmとした。
つぎに、導電性基板31上にマスク33を配置し、マスク33を介してX線34を照射した。X線としては、SR装置(NIJI−III)によりSR光を照射した。マスク33は、所定のスナップ電極のパターンからなるX線吸収層33aを有するものを使用した。マスク33を構成する透光性基材33bは窒化シリコンからなり、X線吸収層33aは窒化タングステンからなるものを用いた。
X線34の照射後、メチルイソブチルケトンにより現像し、X線34により変質した部分32aを除去すると、図3Bに示すような樹脂型32bが得られた。つぎに、電鋳を行ない、図3Cに示すように、樹脂型32bの空孔部に金属材料35を堆積した。金属材料としては、ニッケルを用いた。
電鋳後、研磨して表面の凹凸を除去してから、酸素プラズマにより樹脂型32bを除去し(図3D)、続いてNaOH水溶液によりウエットエッチングし、導電性基板31を除去して、図3Eに示すような、貫通状態のスナップ電極を得た。
図5に示すように、得られたスナップ電極51は、断面が円形の筒状のリング51aを有し、リング51a内に二つのバネ電極51bを有していた。また、バネ電極51bは、その両端がリング51aと連結していた。このリング51aは、外径200μm、高さ100μmであった。
図5に示すような、スナップ電極51のリング51aに接する部分に凸部52aを有する基板電極52を用意し、スナップ電極51および基板電極52にバレルメッキで金コートした後、基板電極52をプリント基板(図示していない。)に取り付けた。最後に、スナップ電極51のリング51aと、基板電極52の凸部52aとを重ねて、超音波接合(50kHz、30MPa)した。同様にして、30組のスナップ電極と基板電極をプリント基板に取り付けた。
得られたプリント基板に、ピンピッチ250μmのPGAを実装した。実装は、図1Aに示すように、バネ電極11bにより形成された隙間14へピン電極13を矢印の方向に挿入し、ピン電極13をバネ電極11bで挟み込むようにして行なった。その結果、電気的および機械的接続が得られ、また、PGAの着脱も可能であった。本実施例では、スナップ電極の外径は200μmであったが、外径50μm程度のスナップ電極も製造することができることから、さらに高密度化した実装も可能であることがわかった。
実施例2
図5に示すようなスナップ電極51の代りに、図1Bに示すようなスナップ電極11とした以外は実施例1と同様にしてプリント基板を製造した。スナップ電極11は、断面が円形の筒状のリング11aを有し、リング11a内に、2つのバネ電極11bを有していた。本実施例のバネ電極11bは、実施例1のバネ電極と異なり、バネ電極11bの1端がリング11aに連結していたが、他端はリング11aに連結していないため、実施例1のバネ電極と比較して、可動性が大きかった。
得られたプリント基板に、ピンピッチ250μmのPGAを実装した。実装は、図1Bに示すように、ピン電極13をリング11a内に挿入した後、矢印の方向にずらして、バネ電極11bにより形成された隙間14にまで移動したピン電極13を、バネ電極11bで挟み込むようにして行なった。その結果、電気的および機械的接続が得られ、また、PGAの着脱も可能であった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
産業上の利用可能性
本発明によれば、パッケージまたはFPCの着脱が可能な高密度接続用電極を提供することができる。この電極は、微小でありながら寸法のバラツキが小さく、組立てを要しない。
【図面の簡単な説明】
図1Aと図1Bは、本発明スナップ電極の使用方法を示す斜視図である。
図2A〜図2Lは、本発明のスナップ電極の形状を示す断面図である。
図3A〜図3Eと、図4A〜図4Gは、本発明のスナップ電極の製造方法を示す工程図である。
図5は、本発明のスナップ電極の接合方法を示す斜視図である。
本発明は、半導体実装用の電極およびフレキシブルプリント回路(flexible printed circuit)(以下、「FPC」ともいう。)接続用の電極に関する。特に、挿入型の半導体パッケージを実装(以下、「接続」ともいう。)するための電極、またはFPCを接続するための電極に関する。
背景技術
半導体を収納し、外部環境から半導体を保護し、プリント基板などに実装するために半導体パッケージ(以下、単に「パッケージ」ともいう。)が使用されている。半導体パッケージは、基板への実装方法により、表面実装型と挿入実装型とに分類される。
表面実装型パッケージとしては、たとえばBGA(Ball Grid Array)があり、パッケージのベース面にハンダボールが一定の間隔で格子状に並べられており、基板の表面にあるハンダ付けパターン(マウントパッド)に直接、ハンダ付けをすることにより実装する。また、挿入実装型パッケージとしては、たとえばPGA(Pin Grid Array)があり、パッケージ本体から垂直に取り出されたピン電極を、基板のソケット電極に挿入して、実装する。今日における半導体の高集積化、高速化、また電子機器の小型軽量化に伴い、半導体の高密度実装および小型化が要求されている。
表面実装型パッケージは、基板表面のハンダ付けパターンおよびハンダボールの微細化が可能であり、また基板の両面に実装できるため、高密度化しやすい構造を有する。しかし、表面実装型パッケージは、ベース面が基板にハンダ付けされているため、一度実装したパッケージを引き剥がすことができない。仮に引き剥がそうとすると、加熱してハンダを溶かす必要があり、デバイス自体に悪影響を及ぼしたり、ハンダボールの変形により再実装ができなかったりする問題がある。
挿入実装型パッケージは、構造上、入出力用ピン電極の多ピン化が可能であり、パッケージの着脱も可能である。しかし、ピン電極を挿入するソケット電極が機械加工により製造されているため、ソケット電極の小型化が困難であり、このため500μm〜1mm程度のピンピッチが限界である。また、機械加工により製造しているため、寸法のバラツキも大きく、確実な電気的接触を得るために厚さが少なくとも1mm程度必要である。
一方、FPCの接続では、FPC同士、またはFPCとプリント基板などの基板を接続する場合、打抜きで形成した電極を樹脂製のハウジングで覆ったコネクタが使用されている。しかし、FPCコネクタにおいては、機械加工のため電極サイズの微細化に限界があり、かつハウジングの機械的強度を確保するため、コネクタの小型化および端子の狭ピッチ化が難しいという問題がある。
発明の開示
本発明は、パッケージまたはFPCの着脱が可能な高密度接続用電極を提供することを目的とする。かかる目的を達成するため、本発明のスナップ電極は、断面が円形または多角形の筒状のリングと、リング内に、リングに連結する少なくとも一つのバネ電極とを有し、挿入実装型パッケージまたはFPCの、ピン電極をバネ電極で挟み込むことにより、基板またはFPCに接続することを特徴とする。スナップ電極は、ニッケルもしくはニッケル合金、または銅もしくは銅合金からなるものが好ましく、貴金属または導電性ダイヤモンドライクカーボンでコートしているものが好ましい。
本発明のスナップ電極の接合方法は、断面が円形または多角形の筒状のリングと、リング内に、リングに連結する少なくとも一つのバネ電極とを有するスナップ電極の接合方法であって、スナップ電極のリング部分のみと、基板電極またはFPCの電極とを金を介して超音波接合し、またはハンダ付けにより接合することを特徴とする。
本発明のスナップ電極の使用方法は、断面が円形または多角形の筒状のリングと、リング内に、リングに連結する少なくとも一つのバネ電極とを有するスナップ電極の使用方法であって、挿入実装型パッケージまたはFPCの、ピン電極をバネ電極で挟み込むことにより、基板またはFPCに接続することを特徴とする。
発明を実施するための最良の形態
(スナップ電極)
本発明のスナップ電極は、典型的には図1Aまたは図1Bに示すように、リング11aとバネ電極11bとからなる。このスナップ電極11は、プリント基板などの基板上に設けられた基板電極12、またはFPC上に設けられた電極に接合している。挿入実装型パッケージまたはFPCを、基板または他のFPCに接続するときは、挿入実装型パッケージまたはFPCのピン電極13をバネ電極11bに挟み込むことにより行なう。従来のPGA用ソケットは、プラスチックのケースによって電極が守られているが、この構造では微細化に限界がある。本発明のスナップ電極は、バネ電極のまわりに、電極を保護するリングを一体形成することで、微細なサイズを実現している。
ピン電極13をバネ電極11bで挟み込む態様には、たとえば、図1Aに示すように、バネ電極11bにより形成される隙間14へピン電極13を矢印の方向に挿入し、ピン電極13をバネ電極11bで挟み込む態様がある。また、たとえば、図1Bに示すように、ピン電極13をリング11a内に挿入した後、矢印の方向にずらして、バネ電極11bにより形成される隙間14にまで移動したピン電極13を、バネ電極11bで挟み込む態様などがある。
本発明のスナップ電極は、挿入実装型パッケージまたはFPCを、基板またはFPCに接続する際に有効に利用することができる。たとえば、挿入実装型パッケージをプリント基板などの基板に実装する態様、FPCを基板に接続する態様、挿入実装型パッケージをFPCに接続する態様、または、FPCを他のFPCに接続する態様において利用することができる。
リングは、断面が円形または多角形の筒状体である。断面が円形または多角形とは、筒状のリングを長手方向に垂直な面で切断したときの断面が、円形または多角形であることをいう。また、断面が円形とは、完全な円形のもののみならず、円形に近いもの、たとえば楕円形や円周の一部が歪んだようなものも含まれる。多角形とは、たとえば四角形または六角形を指すが、正多角形に限らず、辺の長さが異なるようなものも含まれる。図2A〜図2Fにリング21aが円形である例を示す。また、図2G〜図2Lにリング21aが六角形である例を示す。
バネ電極を、リング内に少なくとも一つ有する。バネ電極を設けることにより、挿入型パッケージなどのピン電極を挟み込み、基板などに接続し、電気的および機械的接続を得ることができる。また、バネ電極は、リングに連結している。リングに連結していることにより、スナップ電極の製造時にバネ電極を保護するとともに、接続時などにおいても、ピン電極を挿入するときにバネ電極にかかる負荷をリングに分散させ、バネ電極を保護することができる。図2A〜図2C、図2F、図2G〜図2Iおよび図2Lに、スナップ電極21が、リング21aと二つのバネ電極21bとを有する例を示す。また、図2D、図2E、図2Jおよび図2Kに、スナップ電極21が、リング21aと、一つのバネ電極21bと、リング21aの上半分に電極材料からなる充填物21cとを有する例を示す。ピン電極が嵌合することになる隙間24は、図2Aに示すように、リング21aの中央部に位置する態様のほか、図2Fに示すように、隙間24が、リング21aの中央部から少しずれた場所に位置する態様も本発明に含まれる。
(スナップ電極の製造方法)
本発明のスナップ電極は、リソグラフィにより樹脂型を形成する工程と、樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成する工程とを含む方法により製造する態様が好ましい。挿入型パッケージなどの接続に使用されているソケット電極は、機械加工により製造されているため、小型化することができず、小さなものでも外径500μm〜1mm、厚さ1mm程度の大きさがあり、このサイズでは、半導体の高密度接続には限界がある。本発明のスナップ電極は、リソグラフィと電鋳とを組合せた方法で製造することにより、外径50μm〜500μm、厚さ50μm〜1mmの微小サイズとすることができるため、高密度接続が可能である。また、挿入型パッケージなどの接続用の電極であるため、パッケージの着脱が可能である。さらに、バネ電極と、バネ電極を保護するためのリングとが連結している構造のスナップ電極を、一体物として容易に製造することができ、組立てが不要である。
スナップ電極の製造方法は、まず、図3Aに示すように、導電性基板31上にリソグラフィのための樹脂層32を形成する。導電性基板として、たとえば、銅、ニッケル、ステンレス鋼などの金属製基板、または、チタン、クロムなどの金属材料をスパッタリングしたシリコン基板などを用いることができる。樹脂層を形成するための材料としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのポリメタクリル酸エステルを主成分とする樹脂材料、X線に感受性を有する化学増幅型樹脂材料などがある。樹脂層の厚さは、形成しようとするスナップ電極の高さに応じて任意に設定することができ、たとえば、50μm〜1mmとすることができる。スナップ電極は、ある程度の高さを確保することにより、ピン電極を挿入するときに、電極の表面に付着している汚れを擦り落とし、電気的に確実に接続する効果(ワイピング効果)が得られる。
つぎに、導電性基板31上にマスク33を配置し、マスク33を介してX線34(または紫外線)を照射する。X線としては、高いアスペクト比を実現することができる点で、シンクロトロン放射のX線(以下、「SR光」と略す。)が好ましい。マスク33は、スナップ電極の所定のパターン応じて形成したX線吸収層33aを有する。スナップ電極を構成するリングの形状は、たとえば円形と六角形とを比べた場合には、マスクに効率よく配置できる点で、円形よりも六角形の方が好ましい。マスク33を構成する透光性基材33bには、たとえば窒化シリコン、シリコン、ダイヤモンド、チタンなどを用いることができる。また、X線吸収層33aには、たとえば金、タングステン、タンタルなどの重金属あるいはその化合物を用いることができる。X線34の照射後、現像し、X線34により変質した部分32aを除去すると、図3Bに示すような樹脂型32bが得られる。
つぎに、電鋳を行ない、図3Cに示すように、樹脂型32bの空孔部に金属材料35を堆積する。電鋳とは、金属イオン溶液を用いて導電性基板上に金属材料からなる層を形成することをいう。導電性基板31をめっき電極として電鋳を行なうことにより、樹脂型32bの空孔部に金属材料35を堆積することができ、堆積した金属材料35からなる層は、最終的にスナップ電極となる。金属材料としては、ニッケル、銅、金、それらの合金、またはパーマロイなどを用いることができるが、パッケージなどのピン電極を挿入するとき、および挿入した後の機械的強度が大きい点、ならびに電極として導電性が大きい点で、ニッケル、銅、ニッケル合金または銅合金が好ましい。
電鋳後、研磨または研削により所定の厚さに揃えてから、ウエットエッチングまたはプラズマエッチングにより樹脂型32bを除去する(図3D)。続いて、酸もしくはアルカリによりウエットエッチングし、または機械的に加工して導電性基板31を除去すると、図3Eに示すようなスナップ電極が得られる。
本発明のスナップ電極を製造するための別の方法として、金型により樹脂型を形成する工程と、樹脂型に金属材料からなる層を電鋳により形成する工程とを含む方法を使用することができる。かかる方法によっても、外径50μm〜500μm、厚さ50μm〜1mmの微小サイズのスナップ電極を製造することができる。このスナップ電極は、バネ電極と、バネ電極を保護するためのリングとが連結した構造を有し、半導体の高密度接続を実現することができる。また、挿入実装型パッケージまたはFPC用の電極として使用でき、パッケージまたはFPCの着脱が可能である。
まず、図4Aに示すとおり、凸部を有する金型42を用いて、プレスまたは射出成型などのモールドにより、図4Bに示すような凹状の樹脂体43を形成する。樹脂としては、たとえばポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオキシメチレンなどのポリアセタール樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。金型42は、本発明のスナップ電極と同様に、微小構造体であるため、リソグラフィ法などにより製造することが好ましい。
つぎに、図4Cに示すように、樹脂体43の上下を反転した後、導電性基板41に貼り付ける。続いて、図4Dに示すように、樹脂体43を研磨し、樹脂型43aを形成する。その後は前述と同様に、電鋳により金属材料45を堆積し(図4E)、厚さを調整した後、樹脂型43aを除去し(図4F)、導電性基板41を除去すると、図4Gに示すようなスナップ電極が得られる。
スナップ電極は、電気接触性および耐腐食性を向上させる点で、金、パラジウムまたは白金などの貴金属でコートしている態様が好ましい。バレルメッキなどにより、スナップ電極の表面を金などで容易にコートすることができる。また、スナップ電極は、耐摩耗性を向上させる点で、導電性ダイヤモンドライクカーボンでコートしていることが好ましい。ダイヤモンドライクカーボンでコートすることにより、スナップ電極の表面に、ダイヤモンド状の結晶構造を有するカーボン膜が形成される。
(スナップ電極の接合方法)
本発明のスナップ電極の接合方法は、前述したスナップ電極のリング部分のみと、基板電極またはFPCの電極とを金を介して超音波接合し、またはハンダ付けにより接合することを特徴とする。スナップ電極のリング部分のみを、基板電極またはFPCの電極に接合することにより、基板電極またはFPCの電極と、バネ電極との間に隙間を作り、ピン電極の挿入に際して、バネ電極の動きをスムーズにすることができる。たとえば、スナップ電極のリング部分のみと基板電極とを接合するには、図5に示すように、スナップ電極51のリング51aと接触する部分に凸部52aを有する基板電極52を用意し、この基板電極52とスナップ電極51とを接合する。また、別の例としては、基板電極のうち、スナップ電極のリングと接触する部分にのみハンダ付けをして、両者を接合する。
接合方法としては、高い導電性および十分な接合強度が得られる点で、金を介して超音波接合する方法、または、ハンダ付けにより接合する方法が好ましい。超音波接合法は、固相状態で接触面を加圧しながら超音波により振動を加えて、そのエネルギにより吸着膜などを破壊し、接合する方法であり、短時間で強力な接合が得られる点で好ましい。超音波の振動数は10kHz〜1000kHzが好ましく、10kHz〜100kHzがより好ましい。10kHzより小さいと、吸着層を十分に破壊することが困難となり、1000kHzより大きいと、高エネルギとなるため、破損する虞がある。加圧条件は0.01MPa〜100MPaが好ましく、0.01MPa〜50MPaがより好ましい。0.01MPaより小さいと、接触界面の近傍で塑性変形が起こりにくく、十分な接合強度を得にくい。一方、100MPaより大きいと、電極が変形し、破損する虞がある。超音波接合に際しては、十分な導電性と接合強度を得るために、スナップ電極および基板電極などの双方を金コートしてから行なうのが好ましい。
(スナップ電極の使用方法)
本発明のスナップ電極の使用方法は、前述したスナップ電極のバネ電極で、挿入実装型パッケージまたはFPCのピン電極を挟み込むことにより、基板またはFPCに接続することを特徴とする。かかる使用方法により、パッケージの着脱が可能であって、かつ高密度接続を実現することができる。
実施例1
まず、図3Aに示すように、導電性基板31上にリソグラフィのための樹脂層32を形成した。導電性基板としては、チタンをスパッタリングしたシリコン基板を用いた。樹脂層を形成するための材料としては、メタクリル酸メチルとメタクリル酸との共重合体を用い、樹脂層の厚さは100μmとした。
つぎに、導電性基板31上にマスク33を配置し、マスク33を介してX線34を照射した。X線としては、SR装置(NIJI−III)によりSR光を照射した。マスク33は、所定のスナップ電極のパターンからなるX線吸収層33aを有するものを使用した。マスク33を構成する透光性基材33bは窒化シリコンからなり、X線吸収層33aは窒化タングステンからなるものを用いた。
X線34の照射後、メチルイソブチルケトンにより現像し、X線34により変質した部分32aを除去すると、図3Bに示すような樹脂型32bが得られた。つぎに、電鋳を行ない、図3Cに示すように、樹脂型32bの空孔部に金属材料35を堆積した。金属材料としては、ニッケルを用いた。
電鋳後、研磨して表面の凹凸を除去してから、酸素プラズマにより樹脂型32bを除去し(図3D)、続いてNaOH水溶液によりウエットエッチングし、導電性基板31を除去して、図3Eに示すような、貫通状態のスナップ電極を得た。
図5に示すように、得られたスナップ電極51は、断面が円形の筒状のリング51aを有し、リング51a内に二つのバネ電極51bを有していた。また、バネ電極51bは、その両端がリング51aと連結していた。このリング51aは、外径200μm、高さ100μmであった。
図5に示すような、スナップ電極51のリング51aに接する部分に凸部52aを有する基板電極52を用意し、スナップ電極51および基板電極52にバレルメッキで金コートした後、基板電極52をプリント基板(図示していない。)に取り付けた。最後に、スナップ電極51のリング51aと、基板電極52の凸部52aとを重ねて、超音波接合(50kHz、30MPa)した。同様にして、30組のスナップ電極と基板電極をプリント基板に取り付けた。
得られたプリント基板に、ピンピッチ250μmのPGAを実装した。実装は、図1Aに示すように、バネ電極11bにより形成された隙間14へピン電極13を矢印の方向に挿入し、ピン電極13をバネ電極11bで挟み込むようにして行なった。その結果、電気的および機械的接続が得られ、また、PGAの着脱も可能であった。本実施例では、スナップ電極の外径は200μmであったが、外径50μm程度のスナップ電極も製造することができることから、さらに高密度化した実装も可能であることがわかった。
実施例2
図5に示すようなスナップ電極51の代りに、図1Bに示すようなスナップ電極11とした以外は実施例1と同様にしてプリント基板を製造した。スナップ電極11は、断面が円形の筒状のリング11aを有し、リング11a内に、2つのバネ電極11bを有していた。本実施例のバネ電極11bは、実施例1のバネ電極と異なり、バネ電極11bの1端がリング11aに連結していたが、他端はリング11aに連結していないため、実施例1のバネ電極と比較して、可動性が大きかった。
得られたプリント基板に、ピンピッチ250μmのPGAを実装した。実装は、図1Bに示すように、ピン電極13をリング11a内に挿入した後、矢印の方向にずらして、バネ電極11bにより形成された隙間14にまで移動したピン電極13を、バネ電極11bで挟み込むようにして行なった。その結果、電気的および機械的接続が得られ、また、PGAの着脱も可能であった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
産業上の利用可能性
本発明によれば、パッケージまたはFPCの着脱が可能な高密度接続用電極を提供することができる。この電極は、微小でありながら寸法のバラツキが小さく、組立てを要しない。
【図面の簡単な説明】
図1Aと図1Bは、本発明スナップ電極の使用方法を示す斜視図である。
図2A〜図2Lは、本発明のスナップ電極の形状を示す断面図である。
図3A〜図3Eと、図4A〜図4Gは、本発明のスナップ電極の製造方法を示す工程図である。
図5は、本発明のスナップ電極の接合方法を示す斜視図である。
Claims (6)
- 断面が円形または多角形の筒状のリング(11a)と、該リング内に該リングに連結する少なくとも一つのバネ電極(11b)とを有するスナップ電極(11)であって、挿入実装型パッケージまたはフレキシブルプリント回路の、ピン電極(13)を前記バネ電極(11b)で挟み込むことにより、基板またはフレキシブルプリント回路に接続することを特徴とするスナップ電極。
- 前記スナップ電極(11)は、ニッケルまたはニッケル合金からなる請求の範囲第1項に記載のスナップ電極。
- 前記スナップ電極(11)は、銅または銅合金からなる請求の範囲第1項に記載のスナップ電極。
- 前記スナップ電極(11)は、貴金属または導電性ダイヤモンドライクカーボンでコートしている請求の範囲第1項に記載のスナップ電極。
- 断面が円形または多角形の筒状のリング(11a)と、該リング内に該リングに連結する少なくとも一つのバネ電極(11b)とを有するスナップ電極(11)の接合方法であって、スナップ電極(11)の前記リング部分(11a)のみと、基板電極(12)またはフレキシブルプリント回路の電極とを金を介して超音波接合し、またはハンダ付けにより接合することを特徴とするスナップ電極の接合方法。
- 断面が円形または多角形の筒状のリング(11a)と、該リング内に該リングに連結する少なくとも一つのバネ電極(11b)とを有するスナップ電極(11)の使用方法であって、挿入実装型パッケージまたはフレキシブルプリント回路の、ピン電極(13)を前記バネ電極(11b)で挟み込むことにより、基板またはフレキシブルプリント回路に接続することを特徴とするスナップ電極の使用方法。
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Date | Code | Title | Description |
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