JPWO2003075445A1 - リニアアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

リニアアクチュエータは、スライダを直接駆動(移動)するアクチュエータであり、スライダと、そのスライダが直線的に移動可能に設置されたアクテュエータ本体とで構成されたアクチュエータユニットを有している。アクチュエータ本体は、ベースと、スライダを移動させる振動体と、スライダを移動可能に支持する2つのローラと、振動体をスライダに押し付ける押圧手段と、振動体の各電極への通電パターンを選択しつつ、その電極へ通電する通電回路とを有している。ローラの外周面には、それぞれ、溝が形成されており、これら溝内に、それぞれ、スライダが配設されている。

Description

技術分野
本発明は、リニアアクチュエータに関する。
背景技術
特開平7−184382号公報には、軸に対してスライダ(被駆動体)を移動可能に設置し、振動体(マイクロモータ)の圧電素子に交流電圧を印加することにより、その振動体を振動させ、この振動により、前記スライダに力を加え、スライダを軸に沿って移動させる機構が開示されている。
しかしながら、前記の機構では、振動体によりスライダに押圧力を加えて摩擦駆動するので、その押圧力によってスライダと軸との摩擦抵抗が増大し、損失が大きく、また、前記摩擦抵抗が大き過ぎてスライダが移動しない場合がある。
発明の開示
本発明の目的は、簡単な構造で、小型化、特に薄型化に有利であり、スライダを円滑かつ確実に移動させることができるリニアアクチュエータを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のリニアアクチュエータは、スライダと、前記スライダと転がり接触をし、前記スライダを移動可能に支持する複数のローラと、前記スライダに当接して摩擦接触をし、圧電素子を備えた振動体とを有するアクチュエータユニットを備えたリニアアクチュエータであって、
前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記スライダに力を繰り返し加えて前記スライダを直線的に移動させるよう構成されていることを特徴とする。
これにより、摩擦抵抗を低減することができ、スライダを円滑かつ確実に直線的に移動させることができる。また、リニアアクチュエータ全体の小型化、特に薄型化を図ることができる。また、構造を簡素化することができ、製造コストを低減することができる。また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記アクチュエータユニットを複数備えているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記各アクチュエータユニットは、それぞれ、略平行な面内に構成され、積層配置されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記各アクチュエータユニットのローラは、共通の軸で回転可能に支持され、前記各アクチュエータユニットの振動体は、共通の軸で支持されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダを停止状態に維持する第1のモードと、前記スライダの移動を可能にする第2のモードと、前記スライダを正方向に移動させる第3のモードと、前記スライダを逆方向に移動させる第4のモードとを有し、
前記振動体の振動パターンを変更することにより、前記第1のモードと、前記第2のモードと、前記第3のモードと、前記第4のモードとのいずれかを選択し得るよう構成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダを停止状態に維持する第1のモードと、前記スライダの移動を可能にする第2のモードと、前記スライダを正方向に移動させる第3のモードと、前記スライダを逆方向に移動させる第4のモードとを有し、
前記振動体は、複数に分割された電極を有し、前記電極を介して前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、
前記各電極への通電パターンの選択により前記振動体の振動パターンを変更して、前記第1のモードと、前記第2のモードと、前記第3のモードと、前記第4のモードとのいずれかを選択し得るよう構成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記ローラは、外周面に形成された溝を有し、該ローラの中心に位置する軸により支持されており、前記スライダは、前記溝内に位置し、前記軸の径は、前記ローラの前記スライダを支持する部位の径より小さいのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダの摺動部は、棒状または板状をなしているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記振動体は、板状をなしており、前記振動体と前記スライダとが略同一平面上に位置しているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記振動体は、少なくとも、板状の圧電素子と、金属材料で構成された補強板とを積層してなるのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記振動体から突出して設けられ、前記振動体を支持する腕部を有し、前記振動体は、前記腕部により前記スライダに押し付けられており、前記腕部と、前記振動体の前記スライダへ当接する部分とは、前記補強板と一体的に形成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記振動体を前記スライダに押し付ける押圧手段と、前記振動体から突出して設けられ、前記振動体を支持する腕部とを有し、前記押圧手段の少なくとも一部と、前記腕部と、前記振動体の前記スライダへ当接する部分とは、前記補強板と一体的に形成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記押圧手段は、前記振動体を前記スライダに押し付ける力を調節する調節機構を有し、前記調節機構の少なくとも一部は、前記補強板と一体的に形成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダの移動方向における前記複数のローラのうちの2つのローラの間に、前記振動体の前記スライダへ当接する部分が位置しているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダの屈曲振動の共振周波数と、前記振動体の振動の周波数のm倍(但し、mはすべての自然数)とが実質的に一致せず、かつ、前記スライダの屈曲振動の共振周波数のn倍(但し、nはすべての自然数)と、前記振動体の振動の周波数とが実質的に一致しないよう構成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダの移動を規制する移動規制手段を有するのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記移動規制手段は、前記スライダに設けられ、前記ローラに当接して該スライダの移動を規制する少なくとも1つの凸部であるのが好ましい。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明のリニアアクチュエータを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
第1図は、本発明のリニアアクチュエータの第1実施形態を示す平面図、第2図は、第1図に示すリニアアクチュエータのA−A線での断面図、第3図は、第1図に示すリニアアクチュエータにおける振動体の斜視図、第4図および第5図は、それぞれ、第1図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図、第6図は、第1図に示すリニアアクチュエータの回路構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、第1図中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
これらの図に示すリニアアクチュエータ1は、スライダ2を直接駆動(移動)するアクチュエータであり、スライダ2と、そのスライダ2が直線的に移動可能に設置されたアクチュエータ本体3とで構成された板状のアクチュエータユニット10を有している。
第1図、第2図および第6図に示すように、アクチュエータ本体3は、板状のベース(基板)4と、スライダ2に当接して摩擦接触をし、スライダ2を移動させる振動体6と、スライダ2と転がり接触をし、スライダ2を移動可能に支持する2つのローラ51および52と、振動体6をスライダ2に押し付ける押圧手段7と、振動体6の後述する各電極への通電パターンを選択しつつ、その電極へ通電する通電回路20とを有している。
スライダ2は、剛体、すなわち、適度な剛性を有する被移動体(被駆動体)である。このスライダ2の形状は、特に限定されないが、スライダ2の摺動部の形状は、例えば、棒状、板状等が好ましく、特に、後述する振動体6の凸部66と接触する部位(接触部)が、平面であるのが好ましい。
スライダ2の前記接触部を平面にすることにより、振動体6の凸部66をスライダ2へ押し付けたときに厚み方向の係合の外れを防止することができる。
本実施形態では、スライダ2は、横断面の形状が略四角形である棒状、すなわち、一方向に長い略直方体をなしており、その長手方向(軸方向)に移動可能に設置されている。
このスライダ2には、後述するローラ51および52に当接してスライダ2の移動を規制する2つの凸部21および22(移動規制手段)が形成されている。
凸部21は、スライダ2の第1図中下側であって、ローラ51より左側、すなわち、左側の端部に位置し、凸部22は、スライダ2の第1図中下側であって、ローラ51より右側、すなわち、右側の端部に位置している。
なお、前記凸部の位置や数は、これに限らず、例えば、凸部をローラ51とローラ52との間に配置してもよく、また、凸部の数は、1つであってもよい。
振動体6は、板状をなしており、ベース4の一方(第2図中左側)の面に、ベース4と平行な姿勢で設置されている。なお、振動体6については後に詳述する。
各ローラ51および52は、それぞれ、ベース4の一方(第2図中左側)の面に、ベース4と平行な姿勢で、正逆両方向に回転可能に中心に位置する軸512および522で支持されている。
これらローラ51および52の周面(外周面)には、それぞれ、溝511および521が外周に沿って形成されている。
前記ローラ51とローラ52は、所定距離離間して、左右方向(ローラ51が左側、ローラ52が右側)に並設されており、これらローラ51の溝511内およびローラ52の溝521内に、それぞれ、スライダ2が配設されている(位置している)。
ここで、前記ローラ51の軸512の径(直径)は、ローラ51のスライダ2を支持する部位(溝511の底部)の径より小さく設定されるのが好ましく、同様に、前記ローラ52の軸522の径は、ローラ52のスライダ2を支持する部位(溝521の底部)の径より小さく設定されるのが好ましい。
これにより、ローラ51、52の転がり抵抗を低減することができ、スライダをより円滑かつ確実に移動させることができる。
また、振動体6は、スライダ2の上側、すなわち、ローラ51および52の上側であって、凸部66がスライダ2の移動方向におけるローラ51とローラ52の間に位置するように配置されている。この振動体6は、振動体6の短辺601とスライダ2の移動方向とが略平行、すなわち、振動体6の長辺602とスライダ2の移動方向とが略垂直となる姿勢で、かつ、その凸部66の先端部がスライダ2に上側から当接するように設置されている。
前記振動体6、ローラ51および52は、それぞれ、第1図中下側から見たとき、それらがすべて、略同一直線上に位置するように配置されている。すなわち、振動体6とスライダ2とは、略平行に配置され、略同一平面上に位置している。これにより、リニアアクチュエータ1全体の薄型化に特に有利である。
押圧手段7は、ベース4に対し軸711を中心に回動(変位)可能に設けられ、振動体6を支持する支持部71と、支持部71をスライダ2側に付勢する付勢部材72とを有している。
支持部71は、ほぼ長方形の板状をなし、ベース4の一方(第2図中左側)の面に、ベース4と平行な姿勢で、その第1図中左側の端部において、前記軸711で回動可能に支持されている。また、支持部71の第1図中右側の端部には、ボルト13と螺合するネジ孔712が形成されている。
付勢部材72は、弾性を有し、自然状態で第1図中左側が凸となるように湾曲(屈曲)した棒状または板状のものであり、その自然状態よりもさらに湾曲した状態、すなわち、弾性変形した状態で設置されている。
付勢部材72の第1図中上側の端部には、ボルト12の先端部が当接する当接部721が設けられ、第1図中下側の端部には、ほぼ円形の固定部722が設けられている。この固定部722には、ボルト13が挿入される孔723が形成されている。
本実施形態では、前記付勢部材72と、当接部721と、固定部722と、後述する振動体6の補強板63と、腕部68と、凸部66とは、一体的に(一部材で)形成されている。
また、ベース4の一方(第2図中左側)の面には、ボルト12を取り付ける取付部41が突設されている。この取付部41には、ボルト12と螺合するネジ孔411が第1図中上下方向に沿って形成されている。
第1図に示すように、振動体6は、ベース4に対して回動可能に設けられた支持部71により支持されている。
すなわち、支持部71の第1図中右側の端部には、振動体6が連結されている。この場合、ネジ孔712に固定部722の孔723が重ね合わされ、ボルト13が孔723を挿通してネジ孔712に螺合・締結されている。これにより、支持部71の第1図中右側の端部と固定部722とが固着され、支持部71と振動体6とが連結されている。
また、支持部71の長手方向と、振動体6の長手方向とが略直交するような姿勢で、支持部71と振動体6とが連結されている。
このようにして、振動体6は、腕部68にて(腕部68を介して)、支持部71により支持されている。
腕部68は、後述するように、弾性(可撓性)を有しており、比較的柔軟になっていることから、振動体6の振動の拘束を少なくするとともに、支持部71に対し振動を遮断する機能を有している。換言すれば、腕部68は、振動体6の振動が支持部71に吸収(抑制)されるのを防止する。よって、振動体6は、比較的大きい振幅で、自由に振動することができ、これにより、スライダ2を高い効率で移動させることができる。すなわち、腕部68は、支持部71に対し振動体6の振動を容易にする機能を有している。
また、支持部71は、腕部68よりも高剛性であり、実質的に剛体となっている。ここで、「実質的に剛体」とは、リニアアクチュエータ1の使用状態において支持部71の弾性変形が実質的に無視できる程度に支持部71の剛性が高いことを言う。これにより、振動体6が振動しても、振動体6の姿勢を確実に維持することができる。よって、振動体6の異常振動を防止することができる。
さらに、支持部71は、凸部66から遠方の軸711を支点にして回動するので、凸部66が磨耗しても振動体6を傾けることなく支持することができる。よって、特性を維持することができる。
また、取付部41のネジ孔411には、ボルト12が螺合している。
そして、前記付勢部材72の第1図中下側の端部は、前記ボルト13により固定部722が固定されることで、支持部71の第1図中右側の端部に連結され、第1図中上側の端部に設けられた当接部721は、前記ボルト12の先端部に当接している(係止されている)。この際、当接部721には図示しない凹部または穴部が形成されており、一方、ボルト12の先端は尖っているので、当接部721とボルト12の係合が外れるのを防止することができる。
この付勢部材72は、前述したように、自然状態よりもさらに湾曲するように弾性変形した状態で設置されている。これにより、付勢部材72は、自然状態へ戻ろうとする力(弾性力)、すなわち、復元力を発揮する。
このような構成により、付勢部材72は、支持部71の第1図中右側の端部に対し、第1図中の下向きの力を作用する。すなわち、付勢部材72は、支持部71を第1図中の時計回りに回動させるような方向に付勢している。これにより、振動体6も第1図中の下方向に付勢され、振動体6の凸部66は、スライダ2の接触部(第1図中上側の面)へ圧接される(押し付けられる)。すなわち、付勢部材72は、凸部66がスライダ2へ圧接されるような方向(支持部71が第1図中の時計回りに回動する方向)に支持部71を付勢する。
換言すれば、スライダ2は、押圧手段7による押圧力により、振動体6の凸部66と、ローラ51および52とで挟まれる(挟持)される。
このように、付勢部材72の付勢力によって、振動体6の凸部66がスライダ2の接触部に圧接され(振動体6の凸部66がスライダ2の接触部に摩擦接触し)、凸部66と接触部との間に十分な摩擦力が得られる。
なお、付勢部材72の付勢力によって、腕部68は、やや撓んだ状態になっている。
また、前記ボルト12を操作することで、前記付勢部材72の付勢力を調節することができるようになっている。
すなわち、ボルト12を所定方向に回転操作すると、ボルト12が第1図中下側に移動し、これにより、付勢部材72の当接部721も第1図中下側に移動し、付勢部材72は、さらに湾曲する(湾曲の度合いが増大する)。これにより、前記付勢部材72の付勢力が増大する。
一方、ボルト12を前記と逆方向に回転操作すると、ボルト12が第1図中上側に移動し、これにより、付勢部材72の当接部721も第1図中上側に移動し、付勢部材72の湾曲の度合いが減少する。これにより、前記付勢部材72の付勢力が減少する。
従って、前記取付部41およびボルト12により、振動体6をスライダ2に押し付ける力を調節する調節機構が構成される。
この調節機構により、前記付勢部材72の付勢力、すなわち、振動体6をスライダ2に押し付ける力を調節することができるので、例えば、リニアアクチュエータ1の組み立て後において、付勢部材72の付勢力を微調整することができ、また、使用等により付勢部材72の付勢力に起因する性能や特性が低下した場合に、付勢部材72の付勢力が適正値になるようにその付勢力を再調整することができる。
前記振動体6が振動すると、スライダ2は、振動体6から摩擦力(押圧力)を繰り返し受けて長手方向に移動する(直線運動する)。この際、スライダ2は、ローラ51および52により、移動方向が規制され(案内され)つつ、円滑かつ確実に移動することができ、また、溝511および521により、ローラ51および52からの離脱が阻止される。
この振動体6は、通常のモータ等と比べ、小型(薄型)である。
本発明では、この振動体6を用いてスライダ2を移動させることにより、リニアアクチュエータ1全体の小型化、特に薄型化(第2図中、左右方向の小型化)を図ることができる。
このリニアアクチュエータ1では、振動体6の電極を複数に分割し、それらに対して選択的に電圧を印加して、圧電素子を部分的に駆動することにより、面内の縦・屈曲の振動を任意に選択し得るようになっている。すなわち、振動体6の各電極への通電パターン(通電状態)の選択により振動体6の振動パターン(振動状態)を変更して、振動体6の凸部66の振動(振動変位)の方向を変え、これにより、スライダ2を右側と左側(正方向と逆方向)のいずれの方向にも移動させることができる(スライダ2の移動方向の切り替えができる)ように構成されている。以下、具体例に基づいて説明する。
第3図に示すように、振動体6は、ほぼ、長方形の板状をなしている。振動体6は、第3図中の上側から4つの電極61a、61b、61cおよび61dと、板状の圧電素子62と、補強板(振動板)63と、板状の圧電素子64と、板状の4つの電極65a、65b、65cおよび65d(第3図中、電極65a、65b、65cおよび65dは、図示せず、各符号のみを括弧内に示す)とをこの順に積層して構成されている。なお、第3図では、厚さ方向を誇張して示している。
圧電素子62、64は、それぞれ、長方形状をなし、交流電圧を印加することにより、その長手方向(長辺の方向)に伸長・収縮する。圧電素子62、64の構成材料としては、特に限定されず、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
これらの圧電素子62、64は、補強板63の両面にそれぞれ固着されている。
この振動体6においては、前記圧電素子62を4つの長方形の領域にほぼ等しく分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極61a、61b、61cおよび61dが設置され、同様に、前記圧電素子64を4つの領域に分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極65a、65b、65cおよび65dが設置されている。なお、電極61a、61b、61cおよび61dの裏側に、それぞれ、電極65a、65b、65cおよび65dが配置されている。
一方の対角線上の電極61aおよび61cと、これらの裏側に位置する電極65aおよび65cとは、すべて電気的に接続され、同様に、他方の対角線上の電極61bおよび61dと、これらの裏側に位置する電極65bおよび65dとは、すべて電気的に接続(以下、単に「接続」と言う)されている。
前記補強板63は、振動体6全体を補強する機能を有しており、振動体6が過振幅、外力等によって損傷するのを防止する。補強板63の構成材料としては、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属材料であるのが好ましい。
この補強板63は、圧電素子62、64よりも厚さが薄い(小さい)ものであることが好ましい。これにより、振動体6を高い効率で振動させることができる。
補強板63は、圧電素子62、64に対する共通の電極としての機能をも有している。すなわち、圧電素子62には、電極61a、61b、61cおよび61dのうちの所定の電極と補強板63とによって交流電圧が印加され、圧電素子64には、電極65a、65b、65cおよび65dのうちの所定の電極と補強板63とによって交流電圧が印加される。
圧電素子62、64は、そのほぼ全体に交流電圧が印加されると長手方向に繰り返し伸縮し、これに伴なって、補強板63も長手方向に繰り返し伸縮する。すなわち、圧電素子62、64のほぼ全体に交流電圧を印加すると、振動体6は、長手方向(長辺の方向)に微小な振幅で振動(縦振動)し、凸部66が縦振動(往復運動)する。
補強板63の第3図中の右端部には、凸部66が一体的に形成されている。
この凸部66は、第1図中、下側の短辺601側であって、補強板63の幅方向(第1図中左右方向)中央に設けられている。
また、補強板63の第3図中の下端部には、弾性(可撓性)を有する腕部68が一体的に形成されている。
この腕部68は、第1図中、左側の長辺602側であって、補強板63の長手方向(第1図中上下方向)ほぼ中央に、長手方向とほぼ垂直な方向に突出するように設けられている。前述したように、この腕部68の先端部(第1図中左側の端部)には、固定部722等が一体的に形成されている。
凸部66がスライダ2に当接した状態で、振動体6の対角線上に位置する電極61a、61c、65aおよび65cに通電し、これらの電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に、交流電圧が印加されると、第4図に示すように、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cに対応する部分がそれぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮し、これにより、振動体6の凸部66は、矢印bで示す斜めの方向に変位、すなわち振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位、すなわち楕円振動(楕円運動)する。スライダ2は、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、第4図中左側(逆方向)に移動する。
この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61b、61d、65bおよび65dは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
前記と逆に、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65dに通電し、これらの電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に、交流電圧が印加されると、第5図に示すように、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分がそれぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮し、これにより、振動体6の凸部66は、矢印bで示す斜めの方向に変位、すなわち振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位、すなわち楕円振動(楕円運動)する。スライダ2は、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、第5図中右側(正方向)に移動する。
この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
なお、第4図および第5図では、それぞれ、振動体6の変形を誇張して示すとともに、腕部68は図示されていない。
ここで、前記振動体6の形状・大きさ、凸部66の位置などを適宜選択し、屈曲振動(第4図および第5図中、横方向の振動)の共振周波数を縦振動の周波数と同程度にすることにより、振動体6の縦振動と屈曲振動とが同時におこり、凸部66は、第4図および第5図中の矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位(楕円振動)させることができる。また、従来知られているように縦振動と屈曲振動を別々に位相をずらして駆動することにより、楕円振動の長径と短径の比(長径/短径)を変えることができる。
また、スライダ2を振動体6で直接駆動(移動)するので、軽量化、小型化(薄型化)に特に有利である。また、構造を極めて簡素化することができ、製造コストを低減することができる。
また、振動体6の面内振動をスライダ2の直線運動(移動)に直接変換するので、この変換に伴なうエネルギーロスが少なく、スライダ2を高い効率で駆動することができる。
また、振動体6は、通常のモータのように磁力で駆動する場合と異なり、前記のような摩擦力(押圧力)によってスライダ2を駆動することから、駆動力が高い。このため、変速機構(減速機構)を介さなくてもスライダ2を十分な力で駆動することができる。
圧電素子62、64に印加する交流電圧の周波数は、特に限定されないが、振動体6の振動(縦振動)の共振周波数とほぼ同程度であるのが好ましい。これにより、振動体6の振幅が大きくなり、高い効率でスライダ2を駆動することができる。
また、スライダ2の屈曲振動の共振周波数と、振動体6の振動の周波数のm倍(但し、mはすべての自然数)とが実質的に一致せず、かつ、スライダ2の屈曲振動の共振周波数のn倍(但し、nはすべての自然数)と、振動体6の振動の周波数とが実質的に一致しないよう構成するのが好ましい。
これにより、スライダ2の屈曲共振をより確実に防止することができ、スライダ2を円滑かつ安定的に移動させることができる。
次に、通電回路20について説明する。
第6図に示すように、通電回路20は、発振回路81、増幅回路82および移動量制御回路83を備えた駆動回路8と、スイッチ9とを有している。
スイッチ9は、通電する電極と、振動検出手段として利用する電極とを切り替える切替手段であり、スイッチ9の切り替えにより、スライダ2の移動方向を切り替える。
このスイッチ9は、連動する2つのスイッチ部91および92を有しており、振動体6の電極61dは、スイッチ部91の端子97に接続され、電極61aは、スイッチ部92の端子98に接続されている。
そして、スイッチ部91の端子93およびスイッチ部92の端子96は、それぞれ、駆動回路8の増幅回路82の出力側に接続されており、増幅回路82から各端子93および96に、それぞれ交流電圧が印加されるようになっている。
また、振動体6の補強板63は、アース(接地)されている。
また、スイッチ部91の端子94およびスイッチ部92の端子95は、それぞれ、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されている。
次に、第6図に基づいて、リニアアクチュエータ1の作用を説明する。
電源スイッチがオンの状態において、スライダ2の移動方向および移動量の指示があると、それに基づいて、スイッチ9および駆動回路8の移動量制御回路83が作動する。
スライダ2を第6図中上側(正方向)に移動させる旨の指示の場合には、第6図に示すように、スイッチ9の端子93と端子97が接続し、端子95と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dとが導通し、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
駆動回路8の発振回路81および増幅回路82は、それぞれ、移動量制御回路83により制御される。
発振回路81から出力される交流電圧は、増幅回路82で増幅され、電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に印加される。これにより、前述したように、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分がそれぞれ繰り返し伸縮し、振動体6の凸部66が、第5図の矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、楕円振動(楕円運動)し、スライダ2は、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、第6図中上側(正方向)に移動する。
この際、スライダ2は、ローラ51および52により、移動方向が規制され(案内され)つつ、円滑かつ確実に移動することができ、また、溝511および521により、ローラ51および52からの離脱が阻止される。
一方、通電されていない(駆動していない)各電極61a、61c、65aおよび65cは、それぞれ、検出電極となり、電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。
前記検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、スライダ2を効率良く移動させることができる。
また、移動量制御回路83は、指示されたスライダ2の移動量(目標値)に基づいて、各電極への通電を制御する。
すなわち、移動量制御回路83は、スライダ2の移動量が、指示されたスライダ2の移動量(目標値)になるまで発振回路81および増幅回路82を作動させ、振動体6を駆動し、スライダ2を移動させる。
この際、スライダ2が第1図中右側に移動し過ぎると、凸部21がローラ51に当接し、これにより、スライダ2の移動が規制され、スライダ2のローラ51からの離脱が阻止される。
前記と逆に、スライダ2を第6図中下側(逆方向)に移動させる旨の指示の場合には、スイッチ9の端子94と端子97が接続し、端子96と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cとが導通し、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。以降の動作は、前記スライダ2を第6図中上側に移動させる旨の指示の場合と同様であるので、その説明は省略するが、前記と同様に、スライダ2が第1図中左側に移動し過ぎると、凸部22がローラ52に当接し、これにより、スライダ2の移動が規制され、スライダ2のローラ52からの離脱が阻止される。
この第1実施形態のリニアアクチュエータ1によれば、リニアアクチュエータ1の小型化(薄型化)を図ることができる利点の他に、スライダ2を移動させるのに通常のモータを用いないことから、通常のモータのような電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺の機器に影響を及ぼすことがないという利点もある。
そして、スライダ2がローラ51および52で支持されているので、摩擦抵抗を低減することができ、スライダ2を円滑かつ確実に直線的に移動させることができる。
また、スライダ2を駆動していないとき(停止状態)、すなわち、いずれの電極にも通電していないときには、凸部66がスライダ2に圧接し、凸部66とスライダ2との摩擦力により、スライダ2を停止状態に維持することができる。すなわち、スライダ2が移動するのを阻止し、スライダ2を所定の位置に保持することができる。
また、スライダ2を正・逆両方向(左・右両方向)に移動させることができるので、汎用性が広い。
また、単一の振動体6でスライダ2を両方向に移動させることができるので、移動方向毎に専用の振動体を設ける場合に比べ、部品点数を少なくすることができ、製造が容易であり、また、リニアアクチュエータ1全体の小型・軽量化に有利である。
また、第2図に示すように、組み立て時、ベース4に第2図中、右側から組み付ける部品がなく、一方向(第2図中の左側)から部品を組み付けて組み立てることができ、組み立てを容易かつ迅速に行うことができる利点もある。
なお、前記実施形態では、スライダ2を2つのローラ51および52で移動可能に支持しているが、本発明では、スライダを移動可能に支持するローラを3つ以上設けてもよい。
次に、本発明のリニアアクチュエータの第2実施形態について説明する。
第7図は、本発明のリニアアクチュエータの第2実施形態における振動体の斜視図、第7図は、本発明のリニアアクチュエータの第2実施形態における回路構成を示すブロック図である。
以下、第2実施形態のリニアアクチュエータ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のリニアアクチュエータ1は、スライダ2を停止状態に維持する第1のモードと、スライダ2の移動を可能(スライダ2をフリー状態)にする第2のモードと、スライダ2を正方向に移動させる第3のモードと、スライダ2を逆方向に移動させる第4のモードとを有しており、各電極への通電パターンの選択により振動体6の振動パターンを変更して、第1のモードと、第2のモードと、第3のモードと、第4のモードとのいずれかを選択し得るよう構成されている。以下、具体的に説明する。
第7図に示すように、この振動体6では、圧電素子62の第7図中上側に、板状の5つの電極61a、61b、61c、61dおよび61eが設置され、圧電素子64の第7図中下側に、板状の5つの電極65a、65b、65c、65dおよび65e(第7図中、電極65a、65b、65c、65dおよび65eは、図示せず、各符号のみを括弧内に示す)が設置されている。
すなわち、圧電素子62を4つの長方形の領域に分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極61a、61b、61cおよび61dが設置され、同様に、圧電素子64を4つの領域に分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極65a、65b、65cおよび65dが設置されている。
そして、圧電素子62の中央部に長方形状をなす電極61eが設置され、同様に、圧電素子64の中央部に長方形状をなす電極65eが設置されている。各電極61eおよび65eは、それぞれ、その長手方向(長辺の方向)と振動体6の長手方向(長辺の方向)とが略一致するように配置されている。これら電極61eおよび65eは、それぞれ、検出電極であり、電極61eおよび65eと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)、すなわち、振動体6の振動の長手方向の成分(縦振動成分)により誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。また、前記電極61eおよび65eは、それぞれ、第2のモードで用いられる。
なお、電極61a、61b、61c、61dおよび61eの裏側に、それぞれ、電極65a、65b、65c、65dおよび65eが配置されている。
一方の対角線上の電極61aおよび61cと、これらの裏側に位置する電極65aおよび65cとは、すべて電気的に接続され、同様に、他方の対角線上の電極61bおよび61dと、これらの裏側に位置する電極65bおよび65dとは、すべて電気的に接続されている。また、同様に、中央部の電極61eと、この裏側に位置する電極65eとは、電気的に接続(以下、単に「接続」と言う)されている。
第8図に示すように、第2実施形態のリニアアクチュエータ1の通電回路20は、発振回路81、増幅回路82および移動量制御回路83を備えた駆動回路8と、スイッチ9と、スイッチ16とを有している。
スイッチ9は、通電する電極と、振動検出手段として利用する電極とを切り替える切替手段であり、スイッチ9の切り替えにより、スライダ2の移動方向を切り替える。
このスイッチ9は、連動する2つのスイッチ部91および92を有しており、振動体6の電極61dは、スイッチ部91の端子97に接続され、電極61aは、スイッチ部92の端子98に接続されている。
そして、スイッチ部91の端子93およびスイッチ部92の端子96は、それぞれ、駆動回路8の増幅回路82の出力側に接続されており、増幅回路82から各端子93および96に、それぞれ交流電圧が印加されるようになっている。
また、振動体6の補強板63は、アース(接地)されている。
また、スイッチ部91の端子94およびスイッチ部92の端子95は、それぞれ、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されている。
スイッチ16は、連動する2つのスイッチ部161および162を有している。
スイッチ部161の端子163は、スイッチ9の端子94および95に接続されており、端子164は、振動体6の電極61eに接続されている。
そして、スイッチ部161の端子167は、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されている。
また、スイッチ部162の端子166は、スイッチ9の端子98および振動体6の電極61aに接続されており、端子168は、スイッチ9の端子97および振動体6の電極61dに接続されている。
なお、駆動回路8については、前述した第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、各モードについて説明する。
第1のモードでは、振動体6に対し、励振しない。すなわち、振動体6のいずれの電極へも通電しない。この場合は、振動体6の凸部66がスライダ2に圧接し、凸部66とスライダ2との摩擦力により、スライダ2を停止状態に維持することができる。すなわち、スライダ2が移動するのを阻止し、スライダ2を所定の位置に保持することができる。
また、第2のモードでは、スライダ2の移動方向に対して略垂直な方向の振動を励振する。すなわち、振動体6の両対角線上の電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dに通電し、これらの電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、振動体6は、長手方向(長辺の方向)に繰り返し伸縮、すなわち、長手方向に微小な振幅で振動(縦振動)する。換言すれば、振動体6の凸部66は、長手方向(長辺の方向)に振動(往復運動)する。
スライダ2は、振動体6が収縮するときに、凸部66から離間してその凸部66との間の摩擦力が無くなるか、または、前記摩擦力が減少し、フリー状態となり、第8図中上側および下側のいずれの方向にも自由に移動することができる。一方、振動体6が伸張するときは、スライダ2は、凸部66から押圧力を受けるが、その方向は、スライダ2の長手方向に対して略垂直な方向であるので、スライダ2は、第8図中上側および下側のいずれの方向にも移動しない。
従って、振動体6の振動により、スライダ2は、フリー状態となり、第8図中上側および下側のいずれの方向にも自由に移動することができる。
また、第3のモードでは、少なくともスライダ2の移動方向正方向の振動変位成分を有する振動を励振する。すなわち、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65dに通電し、これらの電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、第1実施形態で述べたように、スライダ2は、図8中上側(正方向)に移動する。この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
また、第4のモードでは、少なくともスライダ2の移動方向逆方向の振動変位成分を有する振動を励振する。すなわち、振動体6の対角線上に位置する電極61a、61c、65aおよび65cに通電し、これらの電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、第1実施形態で述べたように、スライダ2は、図8中下側(逆方向)に移動する。この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61b、61d、65bおよび65dは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
次に、第8図に基づいて、リニアアクチュエータ1の作用を説明する。
電源スイッチがオンの状態において、スライダ2の停止/フリーの指示や、スライダ2の移動方向および移動量の指示があると、それに基づいて、スイッチ9、16および駆動回路8の移動量制御回路83が作動する。すなわち、前記第1のモード、第2のモード、第3のモードおよび第4のモードのいずれかに設定される。
スライダ2を第8図中上側(正方向)に移動させる旨の指示(第3のモード)の場合には、第8図に示すように、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わるとともに、スイッチ9の端子93と端子97が接続し、端子95と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dとが導通し、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
駆動回路8の発振回路81および増幅回路82は、それぞれ、移動量制御回路83により制御される。
発振回路81から出力される交流電圧は、増幅回路82で増幅され、電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に印加される。これにより、前述したように、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分がそれぞれ繰り返し伸縮し、振動体6の凸部66が、第5図の矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、楕円振動(楕円運動)し、スライダ2は、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、第8図中上側(正方向)に移動する。
この際、通電されていない(駆動していない)各電極61a、61c、65aおよび65cは、それぞれ、検出電極となり、電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。
前記検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、スライダ2を効率良く移動させることができる。
また、移動量制御回路83は、指示されたスライダ2の移動量(目標値)に基づいて、各電極への通電を制御する。
すなわち、移動量制御回路83へは、スライダ2の移動量が、指示されたスライダ2の移動量(目標値)になるまで発振回路81および増幅回路82を作動させ、振動体6を駆動し、スライダ2を移動させる。
前記と逆に、スライダ2を第8図中下側(逆方向)に移動させる旨の指示(第4のモード)の場合には、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わるとともに、スイッチ9の端子94と端子97が接続し、端子96と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cとが導通し、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。以降の動作は、前記スライダ2を第8図中上側に移動させる旨の指示の場合と同様であるので、その説明は省略する。
また、スライダ2を停止状態に維持する指示(第1のモード)の場合には、第8図に示すように、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わる。
そして、移動量制御回路83は、発振回路81および増幅回路82を作動させない。すなわち、振動体6のいずれの電極へも交流電圧を印加しない。
スライダ2には、振動体6の凸部66が圧接(当接)し、凸部66とスライダ2との摩擦力により、スライダ2が停止状態に維持される。すなわち、スライダ2が移動するのが阻止され、スライダ2は、所定の位置に保持される。
なお、第1のモードの場合には、振動体6のいずれの電極へも交流電圧を印加しなければ、スイッチ9および16は、それぞれ、どのように切り替わっていてもよい。
また、スライダ2をフリー状態にする指示(第2のモード)の場合には、スイッチ16の端子164と端子167とが接続し、端子166と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dとが導通し、振動体6の電極61eおよび65eと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
発振回路81から出力される交流電圧は、増幅回路82で増幅され、電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dと、補強板63との間に印加される。これにより、前述したように、振動体6の凸部66が、長手方向に振動(往復運動)し、スライダ2は、フリー状態となり、第8図中上側および下側のいずれの方向にも自由に移動することができる。
この際、各電極61eおよび65eからは、それぞれ、電極61eおよび65eと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)が検出される。その検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、振動体6の縦振動の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数の交流電圧を出力する。これにより、スライダ2をより円滑に移動させることができる。
なお、第2のモードの場合には、スイッチ9は、どのように切り替わっていてもよい。
この第2実施形態のリニアアクチュエータ1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、このリニアアクチュエータ1では、スライダ2の停止状態を維持する状態、すなわち高摩擦状態と、スライダ2の移動を可能(スライダ2をフリー状態)にする状態、すなわち低摩擦状態と、スライダ2を正方向へ移動させる状態と、スライダ2を逆方向へ移動させる状態との4状態のうちから、任意の状態を選択することができるので、汎用性が広い。
なお、前述の振動体6においては、駆動するための電極を4分割して駆動する場合について説明したが、それは、縦振動と屈曲振動を選択的に励振するための一例を示したのであり、本発明では、前述の振動体6の構造や駆動の方法に限定されるものではない。
次に、本発明のリニアアクチュエータの第3実施形態について説明する。
第9図は、本発明のリニアアクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。なお、以下の説明では、第9図中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第3実施形態のリニアアクチュエータ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
同図に示すように、第3実施形態のリニアアクチュエータ1では、振動体6は、振動体6の長辺602とスライダ2の移動方向(長手方向)とが略平行、すなわち、振動体6の短辺601とスライダ2の移動方向とが略垂直となるように設置されている。
これにより、リニアアクチュエータ1をより小型化に(上下方向に小さく)することができる。
また、振動体6の凸部(スライダ2へ当接する部分)66は、補強板63の複数の箇所(図示の構成では2箇所)に設けられている。一方の凸部66は、補強板63の下側の長辺602の右側の端部に設けられており、他方の凸部66は、補強板63の下側の長辺602の左側の端部に設けられている。
これにより、振動体6の離間した2つの凸部66でスライダ2へ交互に摩擦力(押圧力)を与えてそのスライダ2を移動させることができ、1つの凸部66でスライダ2を移動させる場合に比べ、スライダ2を強い力で移動させることができる。
また、腕部68は、途中で湾曲(屈曲)しており、この腕部68の先端部(左側の端部)には、ボルト13が挿入される孔681が形成されている。
この振動体6は、前記腕部68の孔681の近傍において、ボルト13により、ベース4に設けられた図示しないネジ孔に固定されている。すなわち、振動体6は、腕部68によって支持されている。これにより、振動体6は自由に振動することができ、比較的大きい振幅で振動する。
そして、振動体6は、前記腕部68により下方向に付勢され、この付勢力により、振動体6の凸部66は、スライダ2の接触部(上側の面)へ圧接される(押し付けられる)。
従って、前記腕部68により、振動体6をスライダ2に押し付ける押圧手段が構成される。
この第3実施形態のリニアアクチュエータ1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、この第3実施形態においても、前述した第1実施形態のように、押圧手段7を設けてもよい。
また、前述した第2実施形態のように、スライダ2を停止状態に維持する第1のモードと、スライダ2の移動を可能(スライダ2をフリー状態)にする第2のモードと、スライダ2を正方向に移動させる第3のモードと、スライダ2を逆方向に移動させる第4のモードとを設けてもよい。
次に、本発明のリニアアクチュエータの第4実施形態について説明する。
第10図は、本発明のリニアアクチュエータの第4実施形態を示す断面平面図、第11図は、第10図に示すリニアアクチュエータのB−B線での断面図である。なお、以下の説明では、第10図中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第4実施形態のリニアアクチュエータ1について、前述した第1、第2または第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
これらの図に示すように、第4実施形態のリニアアクチュエータ1は、複数の板状のアクチュエータユニット10を有している。
この場合、リニアアクチュエータ1は、互いに平行になるように対向配置された一対の板状のベース42、43を有しており、このベース42、43が各アクチュエータユニット10で共用されている。ベース42は、第11図中の左側端に配置され、ベース43は、第11図中の右側端に配置されている。
各アクチュエータユニット10は、それぞれ、略平行な面内に構成され、積層配置されている。
すなわち、各アクチュエータユニット10は、各スライダ2の移動方向(配列方向)が略一致し、かつ、振動体6(アクチュエータユニット10)の厚さ方向に重なるように配置されている。また、各スライダ2は、第11図中横方向に1列に並んでいる。
このように各アクチュエータユニット10を重ねることにより、各スライダ2を集中(集積)させることができる。
各振動体6は、腕部68の孔681において、共通の軸141で支持され、その軸141に固定されている。
各振動体6の間、ベース42と振動体6との間、およびベース43と振動体6との間であって、腕部68の孔681に対応する位置には、それぞれ、スペーサ144が設置されている
前記軸141の第11図中左側の端部は、ベース42に形成されている孔421に、例えば、圧入されて、ベース42に固定されている。
一方、軸141の第11図中右側の端部には、ナット143と螺合するネジ142が形成されている。軸141の第11図中右側の端部は、ベース43に形成されている孔431を挿通し、そのネジ142にナット143が螺合され、スペーサ144とナット143とでベース43を挟持することで、ベース43に固定されている。
また、各ローラ52は、共通の軸523で、正逆両方向に回転可能に支持されている。
前記軸523の第11図中左側の端部は、ベース42に形成されている孔422に、例えば、圧入されて、ベース42に固定されている。
一方、軸523の第11図中右側の端部には、2つのナット525および526と螺合するネジ524が形成されている。軸523の第11図中右側の端部は、ベース43に形成されている孔432を挿通し、そのネジ524にベース43を隔てナット525とナット526とが螺合され、これらナット525とナット526とでベース43を挟持することで、ベース43に固定されている。
同様に、各ローラ51は、共通の軸513で、正逆両方向に回転可能に支持されている。
前記軸513の第11図中左側の端部は、ベース42に形成されている図示しない孔に、例えば、圧入されて、ベース42に固定されている。
一方、軸513の第11図中右側の端部には、図示しない2つのナットと螺合する図示しないネジが形成されている。軸513の第11図中右側の端部は、ベース43に形成されている図示しない孔を挿通し、前記ネジにベース43を隔て2つのナットが螺合され、これら2つのナットでベース43を挟持することで、ベース43に固定されている。
なお、各アクチュエータユニット10の構造や作用は、前述した第1、第2または第3実施形態とほぼ同様であるので、その説明は省略する。
この第4実施形態のリニアアクチュエータ1によれば、前述した第1、第2または第3実施形態と同様の効果が得られる。
そして、このリニアアクチュエータ1では、各アクチュエータユニット10が振動体6の厚さ方向に重なっているので、リニアアクチュエータ1をより小型化することができる。
また、このリニアアクチュエータ1では、各アクチュエータユニット10が板状(平面状)をなしているので、それらを容易に重ねる(積層する)ことができ、組み立てを容易に行うことができる。
前述した各実施形態のリニアアクチュエータ1は、それぞれ、各種の電子装置等に組込んで用いることができる。
例えば、第12図に示すように、点字を表示する装置の点字の駆動に用いることができる。
前記点字を表示する装置は、基板15を有し、その基板15には、複数の孔151が形成されている。各孔151の配置は、点字を構成するような配置になっている。なお、第12図には、列状(直線状)に配置された3つの孔151が記載されている。
リニアアクチュエータ1は、前述した第4実施形態のように、複数のアクチュエータユニット10を有している。
各アクチュエータユニット10のスライダ2は、棒状をなしており、そのスライダ2の第12図中上側の端部(先端部)には、それぞれ、点字の1ドットを構成するピン23が形成されている。
各アクチュエータユニット10は、前述した第4実施形態のように、各スライダ2の移動方向が略一致し、かつ、振動体6の厚さ方向に重なり、各孔151に対応するピン23が挿入されるように配置されている。
このリニアアクチュエータ1は、表示する点字(点字パターン)に基づいて駆動制御され、各アクチュエータユニット10において、それぞれ、振動体6の駆動により、スライダ2が第12図中上側に移動すると、ピン23の先端部231が孔151から突出し、逆に、スライダ2が第12図中下側に移動すると、ピン23の先端部231が孔151内に退避する。
なお、本発明のリニアアクチュエータの用途は、特に限定されない。すなわち、本発明は、前記点字の駆動の他、例えば、携帯電話(PHSを含む)、携帯テレビ、テレビ電話等のアンテナの駆動等、各種電子装置に適用することができる。
次に、本発明のリニアアクチュエータの第5実施形態について説明する。
第13図は、本発明のリニアアクチュエータの第5実施形態にかかる振動体を示す斜視図である。なお、以下の説明では、第13図中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第5実施形態のリニアアクチュエータ1について、前述した第1〜第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第5実施形態のリニアアクチュエータ1は、第2実施形態にて記載した第1〜第4のモードに加えて、さらに、縦振動および屈曲振動が複合される第5のモードおよび第6のモードを備える点に特徴を有する。これらのモードは、第1〜第4のモードと同様に、各電極61a〜61f、65a〜65fへの通電パターンの変更により任意に選択され得る。
このリニアアクチュエータ1の振動体6は、第2実施形態の検出電極61e、65eに代えて、圧電素子62の第13図中上側に電極61fを備え、また、第13図中下側に電極65fを備える。これらの電極61f、65fは、長方形の板状形状を有すると共に振動体6の長手方向の長さと略同一寸法を有し、振動体6の長手方向に沿って、その中央部に配置される。また、電極61fおよび電極65fは、振動体6の表裏にて電気的に接続され、他の電極61a〜61d、65a〜65dと同様に通電回路20側に電気的に接続される(図示省略)。
第14図は、第13図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。
このリニアアクチュエータ1において、第5のモードでは、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65dが通電され、これらの電極と補強板63との間に交流電圧が印加される。すると、これらの電極に対応する振動体6の部分がそれぞれ繰り返し伸縮し、振動体6全体が屈曲振動する。この屈曲振動により、振動体6の凸部66が、第14図中の矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)し、または、矢印cで示すように楕円振動(楕円運動)する。これにより、スライダ2が、凸部66から繰り返し摩擦力(押圧力)を受けて、第14図中右側(正方向)に移動する。
また、この第5のモードでは、さらに、振動体6の中央部の電極61fおよび65fが通電される。すると、印加された交流電圧により、対応する振動体6の部分が繰り返し伸縮し、振動体6全体が長手方向に微少振幅にて縦振動する。振動体6の凸部66は、この縦振動によりスライダ2に対する押圧力を増加され、第3のモードよりも強い力にてスライダ2をスライドさせる。これにより、リニアアクチュエータ1の駆動力を高められる利点がある。
なお、この第5モードにおいて、通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cは、振動体6の振動を検出する振動検出手段を構成する。これらの電極は、リニアアクチュエータ1の駆動時にて、通電された電極61b、61d、61f、65b、65dおよび65fと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)を検出して、発振回路81に入力する。発振回路81は、検出された誘起電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、誘起出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、スライダ2を効率良く移動させ得る利点がある。なお、これらの通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cの作用は、第1実施形態と同様である。
第15図は、第13図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。
このリニアアクチュエータ1において、第6のモードでは、振動体6の対角線上に位置する電極61a、61c、65aおよび65c、並びに、振動体6の中央部の電極61fおよび65fが通電される。そして、振動体6が第5のモードとは対称に振動し、スライダ2を第15図中左側(逆方向)にスライドさせる。これにより、逆方向の移動についても、高い駆動力を得られる利点がある。なお、通電されない他の電極61b、61d、65bおよび65dは、振動体6の振動を検出する振動検出手段を構成する。これらの作用効果は、第5のモードにおける電極61a、61c、65aおよび65cの作用効果と同様である。
また、このリニアアクチュエータ1において、腕部68は、振動体6の側方であって駆動時における縦振動および屈曲振動の両方の振動の節となる部分を支持する。この位置は、振動解析その他公知の手法により当業者自明の範囲内にて適宜決定してよい。例えば、電極61a〜61d、65a〜65dが、振動体6の長手方向および幅方向に対称に設けられている場合には、この振動体6の略中央付近が振動の節となる。腕部68をかかる位置に設ければ、腕部68から外部への振動漏れを抑制できるので、スライダ2を効率的に駆動できる利点がある。
また、このリニアアクチュエータ1において、補強板63と、凸部66と、腕部68とを単一の部材により一体的に形成するのが好ましい。これにより、これらの結合関係を強固にできるので、振動体6の振動を効果的にスライダ2に伝達できると共に、振動体6をより確実に支持できる利点がある。
また、これらの各変形例は、第1〜第4実施形態のリニアアクチュエータ1に適用してもよい。
第16図は、第13図に示したリニアアクチュエータの振動体の駆動特性を示すグラフである。
同図では、横軸に振動周波数[Hz]をとり、縦軸にインピーダンス[Ω]をとって、振動体6の振動特性を表示する。なお、この振動周波数は、駆動時における振動体6の振動周波数である。また、インピーダンスは、押圧していない状態の圧電素子62、64のインピーダンスである。
このリニアアクチュエータ1では、上記のように縦振動と屈曲振動との複合により、振動体6の凸部66がより大きな押圧力でスライダ2に付勢する。ここで、このリニアアクチュエータ1では、振動体6の縦振動の共振周波数f1と、屈曲振動の共振周波数f2とが異なる(ずれる)ように、振動体6の諸条件が設定される。これにより、押圧状態では、共振点近傍において、圧電素子62、64のインピーダンス変化が鈍くなり、また、インピーダンスが大きくなり、縦振動と屈曲振動との共振周波数が不明瞭となる。これにより、広い周波数帯にて縦振動および屈曲振動を結合して励振することができ、また、振動体6の駆動時の投入電力を安定化できる利点がある。
なお、これらの共振周波数f1、f2は、インピーダンスが極小となるときの振動周波数(駆動周波数)である(図16参照)。
また、このリニアアクチュエータ1では、振動体6が、縦振動の共振周波数f1と、屈曲振動の共振周波数f2との間の所定の振動周波数(駆動周波数)にて駆動される。
この場合、振動体6の駆動周波数を縦振動の共振周波数f1に近づけると、押圧力を増す方向の振動振幅が大きくなるので、振動体6の凸部66とスライダ2との間の摩擦力が大きくなり、駆動力が高くなる(高駆動力型となる)。
また、振動体6の駆動周波数を屈曲振動の共振周波数f2に近づけると、振動体6の凸部66の振動変位のうちの、スライダ2の移動方向の成分が大きくなり、これにより振動体6による1回の振動で送れる量が大きくなり、駆動速度(移動速度)が高くなる(高速型となる)。
このように、縦振動の共振周波数f1と、屈曲振動の共振周波数f2とをずらすと共に、f1とf2との間の周波数帯にて駆動周波数を適宜設定(選択)することにより、例えば、駆動力や駆動速度に関し、任意の駆動特性を得ることができる。
また、このリニアアクチュエータ1では、屈曲振動の共振周波数f2は、縦振動の共振周波数f1よりも、f1の0.5〜3%程度大きいのが好ましく、1〜2%程度大きいのがより好ましい。
屈曲振動の共振周波数f2と縦振動の共振周波数f1との差を前記範囲内に設定することにより、押圧状態で縦振動と屈曲振動が同時に起る(結合する)ので摩擦力と駆動力とが同時に得られ、良好な駆動特性が得られる。
なお、これに限らず、縦振動の共振周波数f1の方が、屈曲振動の共振周波数f2より大きくてもよい。この場合、縦振動の共振周波数f1は、屈曲振動の共振周波数f2よりも、f2の0.5〜3%程度大きいのが好ましく、1〜2%程度大きいのがより好ましい。さらに、より大きな電力を投入し、大きな機械的出力を得るためには、駆動周波数において、インピーダンスを下げることが好ましい。すなわち、これらの共振周波数f1、f2が同一とならなければよい。
また、このリニアアクチュエータ1では、屈曲振動の共振周波数f2におけるインピーダンスの方が、縦振動の共振周波数f1におけるインピーダンスより大きく、また、共振周波数f1、f2間にて、インピーダンスが極大となる周波数f3を有する。そして、振動体6は、この縦振動の共振周波数f1と、屈曲振動の共振周波数f2との間の所定の駆動周波数にて駆動されるのが好ましく、f3とf2の間の所定の駆動周波数にて駆動されるのがより好ましい。
これにより、振動体6の駆動時に縦振動と屈曲振動の振動位相をずらして励振することができる。したがって、凸部66を楕円軌道c(第14図および第15図参照)に沿って振動させることができ、振動体6からスライダ2に対し、スライダ2を引き戻す力を与えることなく、効率良く力を与えることができる。
以上述べたように、この第5実施形態では、リニアアクチュエータ1を効率的に稼働させることができる。
次に、本発明のリニアアクチュエータの第6実施形態について説明する。
第17図は、本発明のリニアアクチュエータの第6実施形態を示す断面平面図である。なお、以下の説明では、第17図中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第6実施形態のリニアアクチュエータ1について、前述した第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
同図に示すように、第6実施形態のリニアアクチュエータ1では、そのアクチュエータユニット10の振動体6の補強板63に、弾性(可撓性)を有する1対(2つ)の腕部68が一体的に形成されている。
1対の腕部68は、補強板63の長手方向(第17図中上下方向)ほぼ中央に、長手方向とほぼ垂直な方向であって、かつ、補強板63(振動体6)を介して互いに反対方向に突出するように(第17図中左右対称に)設けられている。
この第6実施形態のリニアアクチュエータ1によれば、前述した第4実施形態と同様の効果が得られる。
そして、このリニアアクチュエータ1では、振動体6に1対の腕部68が設けられているので、支持に対する剛性が高まり、駆動の反作用等の外力に対しても安定した支持ができる。さらに、左右対称になるので、右方向の駆動特性と左方向の駆動特性への影響を均一化でき、左右方向(正逆方向)の特性が等しいリニアアクチュエータを実現することができる。
なお、この第6実施形態では、リニアアクチュエータ1におけるアクチュエータユニット10の数は、複数であるが、本発明では、アクチュエータユニット10の数は、1つであってもよい。
また、この第6実施形態に、前述した第5実施形態を適用してもよい。
以上、本発明のリニアアクチュエータを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
また、本発明では、前記各実施形態の任意の2以上の構成(特徴)を適宜組み合わせてもよい。
また、本発明では、振動体の形状、構造は、図示の構成に限らず、例えば、圧電素子が1枚のものや、補強板を有さないものや、スライダと当接する部分に向かって幅が漸減するような形状のもの等であってもよい。
また、前記実施形態では、振動体6は、1つのアクチュエータユニット10に1つ設置されているが、本発明では、1つのアクチュエータユニット10に複数の振動体6を設けてもよい。
産業上の利用可能性
本発明よれば、振動体を用いてスライダを移動、特に、振動体を用いてスライダを直接駆動するとともに、そのスライダが複数のローラで支持されているので、摩擦抵抗を低減することができ、スライダを円滑かつ確実に直線的に移動させることができる。また、振動体を用いてスライダを移動、特に、振動体を用いてスライダを直接駆動することにより、リニアアクチュエータ全体の小型化、特に薄型化を図ることができる。また、構造を簡素化することができ、製造コストを低減することができる。また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。したがって、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のリニアアクチュエータの第1実施形態を示す平面図である。
第2図は、第1図に示すリニアアクチュエータのA−A線での断面図である。
第3図は、第1図に示すリニアアクチュエータにおける振動体の斜視図である。
第4図は、第1図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。
第5図は、第1図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。
第6図は、第1図に示すリニアアクチュエータの回路構成を示すブロック図である。
第7図は、本発明のリニアアクチュエータの第2実施形態における振動体の斜視図である。
第8図は、本発明のリニアアクチュエータの第2実施形態における回路構成を示すブロック図である。
第9図は、本発明のリニアアクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。
第10図は、本発明のリニアアクチュエータの第4実施形態を示す断面平面図である。
第11図は、第10図に示すリニアアクチュエータのB−B線での断面図である。
第12図は、本発明のリニアアクチュエータを点字を表示する装置の点字の駆動に用いた場合の構成例を示す斜視図である。
第13図は、本発明のリニアアクチュエータの第5実施形態にかかる振動体を示す斜視図である。
第14図は、第13図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。
第15図は、第13図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。
第16図は、第13図に示したリニアアクチュエータの振動体の駆動特性を示すグラフである。
第17図は、本発明のリニアアクチュエータの第6実施形態を示す断面平面図である。
本発明は、リニアアクチュエータに関する。
特許文献1である特開平7−184382号公報には、軸に対してスライダ(被駆動体)を移動可能に設置し、振動体(マイクロモータ)の圧電素子に交流電圧を印加することにより、その振動体を振動させ、この振動により、前記スライダに力を加え、スライダを軸に沿って移動させる機構が開示されている。
しかしながら、前記の機構では、振動体によりスライダに押圧力を加えて摩擦駆動するので、その押圧力によってスライダと軸との摩擦抵抗が増大し、損失が大きく、また、前記摩擦抵抗が大き過ぎてスライダが移動しない場合がある。
特開平7−184382号公報
本発明の目的は、簡単な構造で、小型化、特に薄型化に有利であり、スライダを円滑かつ確実に移動させることができるリニアアクチュエータを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のリニアアクチュエータは、スライダと、前記スライダと転がり接触をし、前記スライダを移動可能に支持する複数のローラと、前記スライダに当接して摩擦接触をし、圧電素子を備えた振動体とを有するアクチュエータユニットを備えたリニアアクチュエータであって、
前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記スライダに力を繰り返し加えて前記スライダを直線的に移動させるよう構成されていることを特徴とする。
これにより、摩擦抵抗を低減することができ、スライダを円滑かつ確実に直線的に移動させることができる。また、リニアアクチュエータ全体の小型化、特に薄型化を図ることができる。また、構造を簡素化することができ、製造コストを低減することができる。また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記アクチュエータユニットを複数備えているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記各アクチュエータユニットは、それぞれ、略平行な面内に構成され、積層配置されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記各アクチュエータユニットのローラは、共通の軸で回転可能に支持され、前記各アクチュエータユニットの振動体は、共通の軸で支持されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダを停止状態に維持する第1のモードと、前記スライダの移動を可能にする第2のモードと、前記スライダを正方向に移動させる第3のモードと、前記スライダを逆方向に移動させる第4のモードとを有し、
前記振動体の振動パターンを変更することにより、前記第1のモードと、前記第2のモードと、前記第3のモードと、前記第4のモードとのいずれかを選択し得るよう構成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダを停止状態に維持する第1のモードと、前記スライダの移動を可能にする第2のモードと、前記スライダを正方向に移動させる第3のモードと、前記スライダを逆方向に移動させる第4のモードとを有し、
前記振動体は、複数に分割された電極を有し、前記電極を介して前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、
前記各電極への通電パターンの選択により前記振動体の振動パターンを変更して、前記第1のモードと、前記第2のモードと、前記第3のモードと、前記第4のモードとのいずれかを選択し得るよう構成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記ローラは、外周面に形成された溝を有し、該ローラの中心に位置する軸により支持されており、前記スライダは、前記溝内に位置し、前記軸の径は、前記ローラの前記スライダを支持する部位の径より小さいのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダの摺動部は、棒状または板状をなしているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記振動体は、板状をなしており、前記振動体と前記スライダとが略同一平面上に位置しているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記振動体は、少なくとも、板状の圧電素子と、金属材料で構成された補強板とを積層してなるのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記振動体から突出して設けられ、前記振動体を支持する腕部を有し、前記振動体は、前記腕部により前記スライダに押し付けられており、前記腕部と、前記振動体の前記スライダへ当接する部分とは、前記補強板と一体的に形成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記振動体を前記スライダに押し付ける押圧手段と、前記振動体から突出して設けられ、前記振動体を支持する腕部とを有し、前記押圧手段の少なくとも一部と、前記腕部と、前記振動体の前記スライダへ当接する部分とは、前記補強板と一体的に形成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記押圧手段は、前記振動体を前記スライダに押し付ける力を調節する調節機構を有し、前記調節機構の少なくとも一部は、前記補強板と一体的に形成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダの移動方向における前記複数のローラのうちの2つのローラの間に、前記振動体の前記スライダへ当接する部分が位置しているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダの屈曲振動の共振周波数と、前記振動体の振動の周波数のm倍(但し、mはすべての自然数)とが実質的に一致せず、かつ、前記スライダの屈曲振動の共振周波数のn倍(但し、nはすべての自然数)と、前記振動体の振動の周波数とが実質的に一致しないよう構成されているのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記スライダの移動を規制する移動規制手段を有するのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータでは、前記移動規制手段は、前記スライダに設けられ、前記ローラに当接して該スライダの移動を規制する少なくとも1つの凸部であるのが好ましい。
本発明のリニアアクチュエータは、スライダと、前記スライダに当接して摩擦接触をし、圧電素子を備えた振動体とを有し、
前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記スライダに力を繰り返し加えて前記スライダを直線的に移動させるよう構成されていることを特徴とする。
以下、本発明のリニアアクチュエータを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
第1図は、本発明のリニアアクチュエータの第1実施形態を示す平面図、第2図は、第1図に示すリニアアクチュエータのA−A線での断面図、第3図は、第1図に示すリニアアクチュエータにおける振動体の斜視図、第4図および第5図は、それぞれ、第1図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図、第6図は、第1図に示すリニアアクチュエータの回路構成を示すブロック図である。なお、以下の説明では、第1図中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
これらの図に示すリニアアクチュエータ1は、スライダ2を直接駆動(移動)するアクチュエータであり、スライダ2と、そのスライダ2が直線的に移動可能に設置されたアクチュエータ本体3とで構成された板状のアクチュエータユニット10を有している。
第1図、第2図および第6図に示すように、アクチュエータ本体3は、板状のベース(基板)4と、スライダ2に当接して摩擦接触をし、スライダ2を移動させる振動体6と、スライダ2と転がり接触をし、スライダ2を移動可能に支持する2つのローラ51および52と、振動体6をスライダ2に押し付ける押圧手段7と、振動体6の後述する各電極への通電パターンを選択しつつ、その電極へ通電する通電回路20とを有している。
スライダ2は、剛体、すなわち、適度な剛性を有する被移動体(被駆動体)である。このスライダ2の形状は、特に限定されないが、スライダ2の摺動部の形状は、例えば、棒状、板状等が好ましく、特に、後述する振動体6の凸部66と接触する部位(接触部)が、平面であるのが好ましい。
スライダ2の前記接触部を平面にすることにより、振動体6の凸部66をスライダ2へ押し付けたときに厚み方向の係合の外れを防止することができる。
本実施形態では、スライダ2は、横断面の形状が略四角形である棒状、すなわち、一方向に長い略直方体をなしており、その長手方向(軸方向)に移動可能に設置されている。
このスライダ2には、後述するローラ51および52に当接してスライダ2の移動を規制する2つの凸部21および22(移動規制手段)が形成されている。
凸部21は、スライダ2の第1図中下側であって、ローラ51より左側、すなわち、左側の端部に位置し、凸部22は、スライダ2の第1図中下側であって、ローラ51より右側、すなわち、右側の端部に位置している。
なお、前記凸部の位置や数は、これに限らず、例えば、凸部をローラ51とローラ52との間に配置してもよく、また、凸部の数は、1つであってもよい。
振動体6は、板状をなしており、ベース4の一方(第2図中左側)の面に、ベース4と平行な姿勢で設置されている。なお、振動体6については後に詳述する。
各ローラ51および52は、それぞれ、ベース4の一方(第2図中左側)の面に、ベース4と平行な姿勢で、正逆両方向に回転可能に中心に位置する軸512および522で支持されている。
これらローラ51および52の周面(外周面)には、それぞれ、溝511および521が外周に沿って形成されている。
前記ローラ51とローラ52は、所定距離離間して、左右方向(ローラ51が左側、ローラ52が右側)に並設されており、これらローラ51の溝511内およびローラ52の溝521内に、それぞれ、スライダ2が配設されている(位置している)。
ここで、前記ローラ51の軸512の径(直径)は、ローラ51のスライダ2を支持する部位(溝511の底部)の径より小さく設定されるのが好ましく、同様に、前記ローラ52の軸522の径は、ローラ52のスライダ2を支持する部位(溝521の底部)の径より小さく設定されるのが好ましい。
これにより、ローラ51、52の転がり抵抗を低減することができ、スライダをより円滑かつ確実に移動させることができる。
また、振動体6は、スライダ2の上側、すなわち、ローラ51および52の上側であって、凸部66がスライダ2の移動方向におけるローラ51とローラ52の間に位置するように配置されている。この振動体6は、振動体6の短辺601とスライダ2の移動方向とが略平行、すなわち、振動体6の長辺602とスライダ2の移動方向とが略垂直となる姿勢で、かつ、その凸部66の先端部がスライダ2に上側から当接するように設置されている。
前記振動体6、ローラ51および52は、それぞれ、第1図中下側から見たとき、それらがすべて、略同一直線上に位置するように配置されている。すなわち、振動体6とスライダ2とは、略平行に配置され、略同一平面上に位置している。これにより、リニアアクチュエータ1全体の薄型化に特に有利である。
押圧手段7は、ベース4に対し軸711を中心に回動(変位)可能に設けられ、振動体6を支持する支持部71と、支持部71をスライダ2側に付勢する付勢部材72とを有している。
支持部71は、ほぼ長方形の板状をなし、ベース4の一方(第2図中左側)の面に、ベース4と平行な姿勢で、その第1図中左側の端部において、前記軸711で回動可能に支持されている。また、支持部71の第1図中右側の端部には、ボルト13と螺合するネジ孔712が形成されている。
付勢部材72は、弾性を有し、自然状態で第1図中左側が凸となるように湾曲(屈曲)した棒状または板状のものであり、その自然状態よりもさらに湾曲した状態、すなわち、弾性変形した状態で設置されている。
付勢部材72の第1図中上側の端部には、ボルト12の先端部が当接する当接部721が設けられ、第1図中下側の端部には、ほぼ円形の固定部722が設けられている。この固定部722には、ボルト13が挿入される孔723が形成されている。
本実施形態では、前記付勢部材72と、当接部721と、固定部722と、後述する振動体6の補強板63と、腕部68と、凸部66とは、一体的に(一部材で)形成されている。
また、ベース4の一方(第2図中左側)の面には、ボルト12を取り付ける取付部41が突設されている。この取付部41には、ボルト12と螺合するネジ孔411が第1図中上下方向に沿って形成されている。
第1図に示すように、振動体6は、ベース4に対して回動可能に設けられた支持部71により支持されている。
すなわち、支持部71の第1図中右側の端部には、振動体6が連結されている。この場合、ネジ孔712に固定部722の孔723が重ね合わされ、ボルト13が孔723を挿通してネジ孔712に螺合・締結されている。これにより、支持部71の第1図中右側の端部と固定部722とが固着され、支持部71と振動体6とが連結されている。
また、支持部71の長手方向と、振動体6の長手方向とが略直交するような姿勢で、支持部71と振動体6とが連結されている。
このようにして、振動体6は、腕部68にて(腕部68を介して)、支持部71により支持されている。
腕部68は、後述するように、弾性(可撓性)を有しており、比較的柔軟になっていることから、振動体6の振動の拘束を少なくするとともに、支持部71に対し振動を遮断する機能を有している。換言すれば、腕部68は、振動体6の振動が支持部71に吸収(抑制)されるのを防止する。よって、振動体6は、比較的大きい振幅で、自由に振動することができ、これにより、スライダ2を高い効率で移動させることができる。すなわち、腕部68は、支持部71に対し振動体6の振動を容易にする機能を有している。
また、支持部71は、腕部68よりも高剛性であり、実質的に剛体となっている。ここで、「実質的に剛体」とは、リニアアクチュエータ1の使用状態において支持部71の弾性変形が実質的に無視できる程度に支持部71の剛性が高いことを言う。これにより、振動体6が振動しても、振動体6の姿勢を確実に維持することができる。よって、振動体6の異常振動を防止することができる。
さらに、支持部71は、凸部66から遠方の軸711を支点にして回動するので、凸部66が磨耗しても振動体6を傾けることなく支持することができる。よって、特性を維持することができる。
また、取付部41のネジ孔411には、ボルト12が螺合している。
そして、前記付勢部材72の第1図中下側の端部は、前記ボルト13により固定部722が固定されることで、支持部71の第1図中右側の端部に連結され、第1図中上側の端部に設けられた当接部721は、前記ボルト12の先端部に当接している(係止されている)。この際、当接部721には図示しない凹部または穴部が形成されており、一方、ボルト12の先端は尖っているので、当接部721とボルト12の係合が外れるのを防止することができる。
この付勢部材72は、前述したように、自然状態よりもさらに湾曲するように弾性変形した状態で設置されている。これにより、付勢部材72は、自然状態へ戻ろうとする力(弾性力)、すなわち、復元力を発揮する。
このような構成により、付勢部材72は、支持部71の第1図中右側の端部に対し、第1図中の下向きの力を作用する。すなわち、付勢部材72は、支持部71を第1図中の時計回りに回動させるような方向に付勢している。これにより、振動体6も第1図中の下方向に付勢され、振動体6の凸部66は、スライダ2の接触部(第1図中上側の面)へ圧接される(押し付けられる)。すなわち、付勢部材72は、凸部66がスライダ2へ圧接されるような方向(支持部71が第1図中の時計回りに回動する方向)に支持部71を付勢する。
換言すれば、スライダ2は、押圧手段7による押圧力により、振動体6の凸部66と、ローラ51および52とで挟まれる(挟持)される。
このように、付勢部材72の付勢力によって、振動体6の凸部66がスライダ2の接触部に圧接され(振動体6の凸部66がスライダ2の接触部に摩擦接触し)、凸部66と接触部との間に十分な摩擦力が得られる。
なお、付勢部材72の付勢力によって、腕部68は、やや撓んだ状態になっている。
また、前記ボルト12を操作することで、前記付勢部材72の付勢力を調節することができるようになっている。
すなわち、ボルト12を所定方向に回転操作すると、ボルト12が第1図中下側に移動し、これにより、付勢部材72の当接部721も第1図中下側に移動し、付勢部材72は、さらに湾曲する(湾曲の度合いが増大する)。これにより、前記付勢部材72の付勢力が増大する。
一方、ボルト12を前記と逆方向に回転操作すると、ボルト12が第1図中上側に移動し、これにより、付勢部材72の当接部721も第1図中上側に移動し、付勢部材72の湾曲の度合いが減少する。これにより、前記付勢部材72の付勢力が減少する。
従って、前記取付部41およびボルト12により、振動体6をスライダ2に押し付ける力を調節する調節機構が構成される。
この調節機構により、前記付勢部材72の付勢力、すなわち、振動体6をスライダ2に押し付ける力を調節することができるので、例えば、リニアアクチュエータ1の組み立て後において、付勢部材72の付勢力を微調整することができ、また、使用等により付勢部材72の付勢力に起因する性能や特性が低下した場合に、付勢部材72の付勢力が適正値になるようにその付勢力を再調整することができる。
前記振動体6が振動すると、スライダ2は、振動体6から摩擦力(押圧力)を繰り返し受けて長手方向に移動する(直線運動する)。この際、スライダ2は、ローラ51および52により、移動方向が規制され(案内され)つつ、円滑かつ確実に移動することができ、また、溝511および521により、ローラ51および52からの離脱が阻止される。
この振動体6は、通常のモータ等と比べ、小型(薄型)である。
本発明では、この振動体6を用いてスライダ2を移動させることにより、リニアアクチュエータ1全体の小型化、特に薄型化(第2図中、左右方向の小型化)を図ることができる。
このリニアアクチュエータ1では、振動体6の電極を複数に分割し、それらに対して選択的に電圧を印加して、圧電素子を部分的に駆動することにより、面内の縦・屈曲の振動を任意に選択し得るようになっている。すなわち、振動体6の各電極への通電パターン(通電状態)の選択により振動体6の振動パターン(振動状態)を変更して、振動体6の凸部66の振動(振動変位)の方向を変え、これにより、スライダ2を右側と左側(正方向と逆方向)のいずれの方向にも移動させることができる(スライダ2の移動方向の切り替えができる)ように構成されている。以下、具体例に基づいて説明する。
第3図に示すように、振動体6は、ほぼ、長方形の板状をなしている。振動体6は、第3図中の上側から4つの電極61a、61b、61cおよび61dと、板状の圧電素子62と、補強板(振動板)63と、板状の圧電素子64と、板状の4つの電極65a、65b、65cおよび65d(第3図中、電極65a、65b、65cおよび65dは、図示せず、各符号のみを括弧内に示す)とをこの順に積層して構成されている。なお、第3図では、厚さ方向を誇張して示している。
圧電素子62、64は、それぞれ、長方形状をなし、交流電圧を印加することにより、その長手方向(長辺の方向)に伸長・収縮する。圧電素子62、64の構成材料としては、特に限定されず、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
これらの圧電素子62、64は、補強板63の両面にそれぞれ固着されている。
この振動体6においては、前記圧電素子62を4つの長方形の領域にほぼ等しく分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極61a、61b、61cおよび61dが設置され、同様に、前記圧電素子64を4つの領域に分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極65a、65b、65cおよび65dが設置されている。なお、電極61a、61b、61cおよび61dの裏側に、それぞれ、電極65a、65b、65cおよび65dが配置されている。
一方の対角線上の電極61aおよび61cと、これらの裏側に位置する電極65aおよび65cとは、すべて電気的に接続され、同様に、他方の対角線上の電極61bおよび61dと、これらの裏側に位置する電極65bおよび65dとは、すべて電気的に接続(以下、単に「接続」と言う)されている。
前記補強板63は、振動体6全体を補強する機能を有しており、振動体6が過振幅、外力等によって損傷するのを防止する。補強板63の構成材料としては、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属材料であるのが好ましい。
この補強板63は、圧電素子62、64よりも厚さが薄い(小さい)ものであることが好ましい。これにより、振動体6を高い効率で振動させることができる。
補強板63は、圧電素子62、64に対する共通の電極としての機能をも有している。すなわち、圧電素子62には、電極61a、61b、61cおよび61dのうちの所定の電極と補強板63とによって交流電圧が印加され、圧電素子64には、電極65a、65b、65cおよび65dのうちの所定の電極と補強板63とによって交流電圧が印加される。
圧電素子62、64は、そのほぼ全体に交流電圧が印加されると長手方向に繰り返し伸縮し、これに伴なって、補強板63も長手方向に繰り返し伸縮する。すなわち、圧電素子62、64のほぼ全体に交流電圧を印加すると、振動体6は、長手方向(長辺の方向)に微小な振幅で振動(縦振動)し、凸部66が縦振動(往復運動)する。
補強板63の第3図中の右端部には、凸部66が一体的に形成されている。
この凸部66は、第1図中、下側の短辺601側であって、補強板63の幅方向(第1図中左右方向)中央に設けられている。
また、補強板63の第3図中の下端部には、弾性(可撓性)を有する腕部68が一体的に形成されている。
この腕部68は、第1図中、左側の長辺602側であって、補強板63の長手方向(第1図中上下方向)ほぼ中央に、長手方向とほぼ垂直な方向に突出するように設けられている。前述したように、この腕部68の先端部(第1図中左側の端部)には、固定部722等が一体的に形成されている。
凸部66がスライダ2に当接した状態で、振動体6の対角線上に位置する電極61a、61c、65aおよび65cに通電し、これらの電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に、交流電圧が印加されると、第4図に示すように、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cに対応する部分がそれぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮し、これにより、振動体6の凸部66は、矢印bで示す斜めの方向に変位、すなわち振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位、すなわち楕円振動(楕円運動)する。スライダ2は、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、第4図中左側(逆方向)に移動する。
この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61b、61d、65bおよび65dは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
前記と逆に、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65dに通電し、これらの電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に、交流電圧が印加されると、第5図に示すように、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分がそれぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮し、これにより、振動体6の凸部66は、矢印bで示す斜めの方向に変位、すなわち振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位、すなわち楕円振動(楕円運動)する。スライダ2は、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、第5図中右側(正方向)に移動する。
この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
なお、第4図および第5図では、それぞれ、振動体6の変形を誇張して示すとともに、腕部68は図示されていない。
ここで、前記振動体6の形状・大きさ、凸部66の位置などを適宜選択し、屈曲振動(第4図および第5図中、横方向の振動)の共振周波数を縦振動の周波数と同程度にすることにより、振動体6の縦振動と屈曲振動とが同時におこり、凸部66は、第4図および第5図中の矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位(楕円振動)させることができる。また、従来知られているように縦振動と屈曲振動を別々に位相をずらして駆動することにより、楕円振動の長径と短径の比(長径/短径)を変えることができる。
また、スライダ2を振動体6で直接駆動(移動)するので、軽量化、小型化(薄型化)に特に有利である。また、構造を極めて簡素化することができ、製造コストを低減することができる。
また、振動体6の面内振動をスライダ2の直線運動(移動)に直接変換するので、この変換に伴なうエネルギーロスが少なく、スライダ2を高い効率で駆動することができる。
また、振動体6は、通常のモータのように磁力で駆動する場合と異なり、前記のような摩擦力(押圧力)によってスライダ2を駆動することから、駆動力が高い。このため、変速機構(減速機構)を介さなくてもスライダ2を十分な力で駆動することができる。
圧電素子62、64に印加する交流電圧の周波数は、特に限定されないが、振動体6の振動(縦振動)の共振周波数とほぼ同程度であるのが好ましい。これにより、振動体6の振幅が大きくなり、高い効率でスライダ2を駆動することができる。
また、スライダ2の屈曲振動の共振周波数と、振動体6の振動の周波数のm倍(但し、mはすべての自然数)とが実質的に一致せず、かつ、スライダ2の屈曲振動の共振周波数のn倍(但し、nはすべての自然数)と、振動体6の振動の周波数とが実質的に一致しないよう構成するのが好ましい。
これにより、スライダ2の屈曲共振をより確実に防止することができ、スライダ2を円滑かつ安定的に移動させることができる。
次に、通電回路20について説明する。
第6図に示すように、通電回路20は、発振回路81、増幅回路82および移動量制御回路83を備えた駆動回路8と、スイッチ9とを有している。
スイッチ9は、通電する電極と、振動検出手段として利用する電極とを切り替える切替手段であり、スイッチ9の切り替えにより、スライダ2の移動方向を切り替える。
このスイッチ9は、連動する2つのスイッチ部91および92を有しており、振動体6の電極61dは、スイッチ部91の端子97に接続され、電極61aは、スイッチ部92の端子98に接続されている。
そして、スイッチ部91の端子93およびスイッチ部92の端子96は、それぞれ、駆動回路8の増幅回路82の出力側に接続されており、増幅回路82から各端子93および96に、それぞれ交流電圧が印加されるようになっている。
また、振動体6の補強板63は、アース(接地)されている。
また、スイッチ部91の端子94およびスイッチ部92の端子95は、それぞれ、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されている。
次に、第6図に基づいて、リニアアクチュエータ1の作用を説明する。
電源スイッチがオンの状態において、スライダ2の移動方向および移動量の指示があると、それに基づいて、スイッチ9および駆動回路8の移動量制御回路83が作動する。
スライダ2を第6図中上側(正方向)に移動させる旨の指示の場合には、第6図に示すように、スイッチ9の端子93と端子97が接続し、端子95と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dとが導通し、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
駆動回路8の発振回路81および増幅回路82は、それぞれ、移動量制御回路83により制御される。
発振回路81から出力される交流電圧は、増幅回路82で増幅され、電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に印加される。これにより、前述したように、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分がそれぞれ繰り返し伸縮し、振動体6の凸部66が、第5図の矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、楕円振動(楕円運動)し、スライダ2は、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、第6図中上側(正方向)に移動する。
この際、スライダ2は、ローラ51および52により、移動方向が規制され(案内され)つつ、円滑かつ確実に移動することができ、また、溝511および521により、ローラ51および52からの離脱が阻止される。
一方、通電されていない(駆動していない)各電極61a、61c、65aおよび65cは、それぞれ、検出電極となり、電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。
前記検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、スライダ2を効率良く移動させることができる。
また、移動量制御回路83は、指示されたスライダ2の移動量(目標値)に基づいて、各電極への通電を制御する。
すなわち、移動量制御回路83は、スライダ2の移動量が、指示されたスライダ2の移動量(目標値)になるまで発振回路81および増幅回路82を作動させ、振動体6を駆動し、スライダ2を移動させる。
この際、スライダ2が第1図中右側に移動し過ぎると、凸部21がローラ51に当接し、これにより、スライダ2の移動が規制され、スライダ2のローラ51からの離脱が阻止される。
前記と逆に、スライダ2を第6図中下側(逆方向)に移動させる旨の指示の場合には、スイッチ9の端子94と端子97が接続し、端子96と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cとが導通し、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。以降の動作は、前記スライダ2を第6図中上側に移動させる旨の指示の場合と同様であるので、その説明は省略するが、前記と同様に、スライダ2が第1図中左側に移動し過ぎると、凸部22がローラ52に当接し、これにより、スライダ2の移動が規制され、スライダ2のローラ52からの離脱が阻止される。
この第1実施形態のリニアアクチュエータ1によれば、リニアアクチュエータ1の小型化(薄型化)を図ることができる利点の他に、スライダ2を移動させるのに通常のモータを用いないことから、通常のモータのような電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺の機器に影響を及ぼすことがないという利点もある。
そして、スライダ2がローラ51および52で支持されているので、摩擦抵抗を低減することができ、スライダ2を円滑かつ確実に直線的に移動させることができる。
また、スライダ2を駆動していないとき(停止状態)、すなわち、いずれの電極にも通電していないときには、凸部66がスライダ2に圧接し、凸部66とスライダ2との摩擦力により、スライダ2を停止状態に維持することができる。すなわち、スライダ2が移動するのを阻止し、スライダ2を所定の位置に保持することができる。
また、スライダ2を正・逆両方向(左・右両方向)に移動させることができるので、汎用性が広い。
また、単一の振動体6でスライダ2を両方向に移動させることができるので、移動方向毎に専用の振動体を設ける場合に比べ、部品点数を少なくすることができ、製造が容易であり、また、リニアアクチュエータ1全体の小型・軽量化に有利である。
また、第2図に示すように、組み立て時、ベース4に第2図中、右側から組み付ける部品がなく、一方向(第2図中の左側)から部品を組み付けて組み立てることができ、組み立てを容易かつ迅速に行うことができる利点もある。
なお、前記実施形態では、スライダ2を2つのローラ51および52で移動可能に支持しているが、本発明では、スライダを移動可能に支持するローラを3つ以上設けてもよい。
次に、本発明のリニアアクチュエータの第2実施形態について説明する。
第7図は、本発明のリニアアクチュエータの第2実施形態における振動体の斜視図、第7図は、本発明のリニアアクチュエータの第2実施形態における回路構成を示すブロック図である。
以下、第2実施形態のリニアアクチュエータ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のリニアアクチュエータ1は、スライダ2を停止状態に維持する第1のモードと、スライダ2の移動を可能(スライダ2をフリー状態)にする第2のモードと、スライダ2を正方向に移動させる第3のモードと、スライダ2を逆方向に移動させる第4のモードとを有しており、各電極への通電パターンの選択により振動体6の振動パターンを変更して、第1のモードと、第2のモードと、第3のモードと、第4のモードとのいずれかを選択し得るよう構成されている。以下、具体的に説明する。
第7図に示すように、この振動体6では、圧電素子62の第7図中上側に、板状の5つの電極61a、61b、61c、61dおよび61eが設置され、圧電素子64の第7図中下側に、板状の5つの電極65a、65b、65c、65dおよび65e(第7図中、電極65a、65b、65c、65dおよび65eは、図示せず、各符号のみを括弧内に示す)が設置されている。
すなわち、圧電素子62を4つの長方形の領域に分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極61a、61b、61cおよび61dが設置され、同様に、圧電素子64を4つの領域に分割(区分)し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極65a、65b、65cおよび65dが設置されている。
そして、圧電素子62の中央部に長方形状をなす電極61eが設置され、同様に、圧電素子64の中央部に長方形状をなす電極65eが設置されている。各電極61eおよび65eは、それぞれ、その長手方向(長辺の方向)と振動体6の長手方向(長辺の方向)とが略一致するように配置されている。これら電極61eおよび65eは、それぞれ、検出電極であり、電極61eおよび65eと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)、すなわち、振動体6の振動の長手方向の成分(縦振動成分)により誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。また、前記電極61eおよび65eは、それぞれ、第2のモードで用いられる。
なお、電極61a、61b、61c、61dおよび61eの裏側に、それぞれ、電極65a、65b、65c、65dおよび65eが配置されている。
一方の対角線上の電極61aおよび61cと、これらの裏側に位置する電極65aおよび65cとは、すべて電気的に接続され、同様に、他方の対角線上の電極61bおよび61dと、これらの裏側に位置する電極65bおよび65dとは、すべて電気的に接続されている。また、同様に、中央部の電極61eと、この裏側に位置する電極65eとは、電気的に接続(以下、単に「接続」と言う)されている。
第8図に示すように、第2実施形態のリニアアクチュエータ1の通電回路20は、発振回路81、増幅回路82および移動量制御回路83を備えた駆動回路8と、スイッチ9と、スイッチ16とを有している。
スイッチ9は、通電する電極と、振動検出手段として利用する電極とを切り替える切替手段であり、スイッチ9の切り替えにより、スライダ2の移動方向を切り替える。
このスイッチ9は、連動する2つのスイッチ部91および92を有しており、振動体6の電極61dは、スイッチ部91の端子97に接続され、電極61aは、スイッチ部92の端子98に接続されている。
そして、スイッチ部91の端子93およびスイッチ部92の端子96は、それぞれ、駆動回路8の増幅回路82の出力側に接続されており、増幅回路82から各端子93および96に、それぞれ交流電圧が印加されるようになっている。
また、振動体6の補強板63は、アース(接地)されている。
また、スイッチ部91の端子94およびスイッチ部92の端子95は、それぞれ、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されている。
スイッチ16は、連動する2つのスイッチ部161および162を有している。
スイッチ部161の端子163は、スイッチ9の端子94および95に接続されており、端子164は、振動体6の電極61eに接続されている。
そして、スイッチ部161の端子167は、駆動回路8の発振回路81の入力側に接続されている。
また、スイッチ部162の端子166は、スイッチ9の端子98および振動体6の電極61aに接続されており、端子168は、スイッチ9の端子97および振動体6の電極61dに接続されている。
なお、駆動回路8については、前述した第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、各モードについて説明する。
第1のモードでは、振動体6に対し、励振しない。すなわち、振動体6のいずれの電極へも通電しない。この場合は、振動体6の凸部66がスライダ2に圧接し、凸部66とスライダ2との摩擦力により、スライダ2を停止状態に維持することができる。すなわち、スライダ2が移動するのを阻止し、スライダ2を所定の位置に保持することができる。
また、第2のモードでは、スライダ2の移動方向に対して略垂直な方向の振動を励振する。すなわち、振動体6の両対角線上の電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dに通電し、これらの電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、振動体6は、長手方向(長辺の方向)に繰り返し伸縮、すなわち、長手方向に微小な振幅で振動(縦振動)する。換言すれば、振動体6の凸部66は、長手方向(長辺の方向)に振動(往復運動)する。
スライダ2は、振動体6が収縮するときに、凸部66から離間してその凸部66との間の摩擦力が無くなるか、または、前記摩擦力が減少し、フリー状態となり、第8図中上側および下側のいずれの方向にも自由に移動することができる。一方、振動体6が伸張するときは、スライダ2は、凸部66から押圧力を受けるが、その方向は、スライダ2の長手方向に対して略垂直な方向であるので、スライダ2は、第8図中上側および下側のいずれの方向にも移動しない。
従って、振動体6の振動により、スライダ2は、フリー状態となり、第8図中上側および下側のいずれの方向にも自由に移動することができる。
また、第3のモードでは、少なくともスライダ2の移動方向正方向の振動変位成分を有する振動を励振する。すなわち、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65dに通電し、これらの電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、第1実施形態で述べたように、スライダ2は、図8中上側(正方向)に移動する。この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
また、第4のモードでは、少なくともスライダ2の移動方向逆方向の振動変位成分を有する振動を励振する。すなわち、振動体6の対角線上に位置する電極61a、61c、65aおよび65cに通電し、これらの電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に、交流電圧を印加する。これにより、第1実施形態で述べたように、スライダ2は、図8中下側(逆方向)に移動する。この際、振動体6の対角線上に位置する通電されていない電極61b、61d、65bおよび65dは、振動体6の振動を検出する振動検出手段として利用される。
次に、第8図に基づいて、リニアアクチュエータ1の作用を説明する。
電源スイッチがオンの状態において、スライダ2の停止/フリーの指示や、スライダ2の移動方向および移動量の指示があると、それに基づいて、スイッチ9、16および駆動回路8の移動量制御回路83が作動する。すなわち、前記第1のモード、第2のモード、第3のモードおよび第4のモードのいずれかに設定される。
スライダ2を第8図中上側(正方向)に移動させる旨の指示(第3のモード)の場合には、第8図に示すように、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わるとともに、スイッチ9の端子93と端子97が接続し、端子95と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dとが導通し、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
駆動回路8の発振回路81および増幅回路82は、それぞれ、移動量制御回路83により制御される。
発振回路81から出力される交流電圧は、増幅回路82で増幅され、電極61b、61d、65bおよび65dと、補強板63との間に印加される。これにより、前述したように、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分がそれぞれ繰り返し伸縮し、振動体6の凸部66が、第5図の矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)、または、矢印cで示すように、楕円振動(楕円運動)し、スライダ2は、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dに対応する部分が伸長するときに凸部66から摩擦力(押圧力)を受け、この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、第8図中上側(正方向)に移動する。
この際、通電されていない(駆動していない)各電極61a、61c、65aおよび65cは、それぞれ、検出電極となり、電極61a、61c、65aおよび65cと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。
前記検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、スライダ2を効率良く移動させることができる。
また、移動量制御回路83は、指示されたスライダ2の移動量(目標値)に基づいて、各電極への通電を制御する。
すなわち、移動量制御回路83へは、スライダ2の移動量が、指示されたスライダ2の移動量(目標値)になるまで発振回路81および増幅回路82を作動させ、振動体6を駆動し、スライダ2を移動させる。
前記と逆に、スライダ2を第8図中下側(逆方向)に移動させる旨の指示(第4のモード)の場合には、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わるとともに、スイッチ9の端子94と端子97が接続し、端子96と端子98が接続するようにスイッチ9が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61c、65aおよび65cとが導通し、振動体6の電極61b、61d、65bおよび65dと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。以降の動作は、前記スライダ2を第8図中上側に移動させる旨の指示の場合と同様であるので、その説明は省略する。
また、スライダ2を停止状態に維持する指示(第1のモード)の場合には、第8図に示すように、スイッチ16の端子163と端子167とが接続し、端子165と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わる。
そして、移動量制御回路83は、発振回路81および増幅回路82を作動させない。すなわち、振動体6のいずれの電極へも交流電圧を印加しない。
スライダ2には、振動体6の凸部66が圧接(当接)し、凸部66とスライダ2との摩擦力により、スライダ2が停止状態に維持される。すなわち、スライダ2が移動するのが阻止され、スライダ2は、所定の位置に保持される。
なお、第1のモードの場合には、振動体6のいずれの電極へも交流電圧を印加しなければ、スイッチ9および16は、それぞれ、どのように切り替わっていてもよい。
また、スライダ2をフリー状態にする指示(第2のモード)の場合には、スイッチ16の端子164と端子167とが接続し、端子166と端子168とが接続するようにスイッチ16が切り替わる。これにより、駆動回路8の増幅回路82の出力側と、振動体6の電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dとが導通し、振動体6の電極61eおよび65eと、駆動回路8の発振回路81の入力側とが導通する。
発振回路81から出力される交流電圧は、増幅回路82で増幅され、電極61a、61b、61c、61d、65a、65b、65cおよび65dと、補強板63との間に印加される。これにより、前述したように、振動体6の凸部66が、長手方向に振動(往復運動)し、スライダ2は、フリー状態となり、第8図中上側および下側のいずれの方向にも自由に移動することができる。
この際、各電極61eおよび65eからは、それぞれ、電極61eおよび65eと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)が検出される。その検出された誘起電圧(検出電圧)は、発振回路81へ入力され、発振回路81は、その検出電圧に基づいて、振動体6の縦振動の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数の交流電圧を出力する。これにより、スライダ2をより円滑に移動させることができる。
なお、第2のモードの場合には、スイッチ9は、どのように切り替わっていてもよい。
この第2実施形態のリニアアクチュエータ1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、このリニアアクチュエータ1では、スライダ2の停止状態を維持する状態、すなわち高摩擦状態と、スライダ2の移動を可能(スライダ2をフリー状態)にする状態、すなわち低摩擦状態と、スライダ2を正方向へ移動させる状態と、スライダ2を逆方向へ移動させる状態との4状態のうちから、任意の状態を選択することができるので、汎用性が広い。
なお、前述の振動体6においては、駆動するための電極を4分割して駆動する場合について説明したが、それは、縦振動と屈曲振動を選択的に励振するための一例を示したのであり、本発明では、前述の振動体6の構造や駆動の方法に限定されるものではない。
次に、本発明のリニアアクチュエータの第3実施形態について説明する。
第9図は、本発明のリニアアクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。なお、以下の説明では、第9図中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第3実施形態のリニアアクチュエータ1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
同図に示すように、第3実施形態のリニアアクチュエータ1では、振動体6は、振動体6の長辺602とスライダ2の移動方向(長手方向)とが略平行、すなわち、振動体6の短辺601とスライダ2の移動方向とが略垂直となるように設置されている。
これにより、リニアアクチュエータ1をより小型化に(上下方向に小さく)することができる。
また、振動体6の凸部(スライダ2へ当接する部分)66は、補強板63の複数の箇所(図示の構成では2箇所)に設けられている。一方の凸部66は、補強板63の下側の長辺602の右側の端部に設けられており、他方の凸部66は、補強板63の下側の長辺602の左側の端部に設けられている。
これにより、振動体6の離間した2つの凸部66でスライダ2へ交互に摩擦力(押圧力)を与えてそのスライダ2を移動させることができ、1つの凸部66でスライダ2を移動させる場合に比べ、スライダ2を強い力で移動させることができる。
また、腕部68は、途中で湾曲(屈曲)しており、この腕部68の先端部(左側の端部)には、ボルト13が挿入される孔681が形成されている。
この振動体6は、前記腕部68の孔681の近傍において、ボルト13により、ベース4に設けられた図示しないネジ孔に固定されている。すなわち、振動体6は、腕部68によって支持されている。これにより、振動体6は自由に振動することができ、比較的大きい振幅で振動する。
そして、振動体6は、前記腕部68により下方向に付勢され、この付勢力により、振動体6の凸部66は、スライダ2の接触部(上側の面)へ圧接される(押し付けられる)。
従って、前記腕部68により、振動体6をスライダ2に押し付ける押圧手段が構成される。
この第3実施形態のリニアアクチュエータ1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、この第3実施形態においても、前述した第1実施形態のように、押圧手段7を設けてもよい。
また、前述した第2実施形態のように、スライダ2を停止状態に維持する第1のモードと、スライダ2の移動を可能(スライダ2をフリー状態)にする第2のモードと、スライダ2を正方向に移動させる第3のモードと、スライダ2を逆方向に移動させる第4のモードとを設けてもよい。
次に、本発明のリニアアクチュエータの第4実施形態について説明する。
第10図は、本発明のリニアアクチュエータの第4実施形態を示す断面平面図、第11図は、第10図に示すリニアアクチュエータのB−B線での断面図である。なお、以下の説明では、第10図中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第4実施形態のリニアアクチュエータ1について、前述した第1、第2または第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
これらの図に示すように、第4実施形態のリニアアクチュエータ1は、複数の板状のアクチュエータユニット10を有している。
この場合、リニアアクチュエータ1は、互いに平行になるように対向配置された一対の板状のベース42、43を有しており、このベース42、43が各アクチュエータユニット10で共用されている。ベース42は、第11図中の左側端に配置され、ベース43は、第11図中の右側端に配置されている。
各アクチュエータユニット10は、それぞれ、略平行な面内に構成され、積層配置されている。
すなわち、各アクチュエータユニット10は、各スライダ2の移動方向(配列方向)が略一致し、かつ、振動体6(アクチュエータユニット10)の厚さ方向に重なるように配置されている。また、各スライダ2は、第11図中横方向に1列に並んでいる。
このように各アクチュエータユニット10を重ねることにより、各スライダ2を集中(集積)させることができる。
各振動体6は、腕部68の孔681において、共通の軸141で支持され、その軸141に固定されている。
各振動体6の間、ベース42と振動体6との間、およびベース43と振動体6との間であって、腕部68の孔681に対応する位置には、それぞれ、スペーサ144が設置されている。
前記軸141の第11図中左側の端部は、ベース42に形成されている孔421に、例えば、圧入されて、ベース42に固定されている。
一方、軸141の第11図中右側の端部には、ナット143と螺合するネジ142が形成されている。軸141の第11図中右側の端部は、ベース43に形成されている孔431を挿通し、そのネジ142にナット143が螺合され、スペーサ144とナット143とでベース43を挟持することで、ベース43に固定されている。
また、各ローラ52は、共通の軸523で、正逆両方向に回転可能に支持されている。
前記軸523の第11図中左側の端部は、ベース42に形成されている孔422に、例えば、圧入されて、ベース42に固定されている。
一方、軸523の第11図中右側の端部には、2つのナット525および526と螺合するネジ524が形成されている。軸523の第11図中右側の端部は、ベース43に形成されている孔432を挿通し、そのネジ524にベース43を隔てナット525とナット526とが螺合され、これらナット525とナット526とでベース43を挟持することで、ベース43に固定されている。
同様に、各ローラ51は、共通の軸513で、正逆両方向に回転可能に支持されている。
前記軸513の第11図中左側の端部は、ベース42に形成されている図示しない孔に、例えば、圧入されて、ベース42に固定されている。
一方、軸513の第11図中右側の端部には、図示しない2つのナットと螺合する図示しないネジが形成されている。軸513の第11図中右側の端部は、ベース43に形成されている図示しない孔を挿通し、前記ネジにベース43を隔て2つのナットが螺合され、これら2つのナットでベース43を挟持することで、ベース43に固定されている。
なお、各アクチュエータユニット10の構造や作用は、前述した第1、第2または第3実施形態とほぼ同様であるので、その説明は省略する。
この第4実施形態のリニアアクチュエータ1によれば、前述した第1、第2または第3実施形態と同様の効果が得られる。
そして、このリニアアクチュエータ1では、各アクチュエータユニット10が振動体6の厚さ方向に重なっているので、リニアアクチュエータ1をより小型化することができる。
また、このリニアアクチュエータ1では、各アクチュエータユニット10が板状(平面状)をなしているので、それらを容易に重ねる(積層する)ことができ、組み立てを容易に行うことができる。
前述した各実施形態のリニアアクチュエータ1は、それぞれ、各種の電子装置等に組込んで用いることができる。
例えば、第12図に示すように、点字を表示する装置の点字の駆動に用いることができる。
前記点字を表示する装置は、基板15を有し、その基板15には、複数の孔151が形成されている。各孔151の配置は、点字を構成するような配置になっている。なお、第12図には、列状(直線状)に配置された3つの孔151が記載されている。
リニアアクチュエータ1は、前述した第4実施形態のように、複数のアクチュエータユニット10を有している。
各アクチュエータユニット10のスライダ2は、棒状をなしており、そのスライダ2の第12図中上側の端部(先端部)には、それぞれ、点字の1ドットを構成するピン23が形成されている。
各アクチュエータユニット10は、前述した第4実施形態のように、各スライダ2の移動方向が略一致し、かつ、振動体6の厚さ方向に重なり、各孔151に対応するピン23が挿入されるように配置されている。
このリニアアクチュエータ1は、表示する点字(点字パターン)に基づいて駆動制御され、各アクチュエータユニット10において、それぞれ、振動体6の駆動により、スライダ2が第12図中上側に移動すると、ピン23の先端部231が孔151から突出し、逆に、スライダ2が第12図中下側に移動すると、ピン23の先端部231が孔151内に退避する。
なお、本発明のリニアアクチュエータの用途は、特に限定されない。すなわち、本発明は、前記点字の駆動の他、例えば、携帯電話(PHSを含む)、携帯テレビ、テレビ電話等のアンテナの駆動等、各種電子装置に適用することができる。
次に、本発明のリニアアクチュエータの第5実施形態について説明する。
第13図は、本発明のリニアアクチュエータの第5実施形態にかかる振動体を示す斜視図である。なお、以下の説明では、第13図中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第5実施形態のリニアアクチュエータ1について、前述した第1〜第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第5実施形態のリニアアクチュエータ1は、第2実施形態にて記載した第1〜第4のモードに加えて、さらに、縦振動および屈曲振動が複合される第5のモードおよび第6のモードを備える点に特徴を有する。これらのモードは、第1〜第4のモードと同様に、各電極61a〜61f、65a〜65fへの通電パターンの変更により任意に選択され得る。
このリニアアクチュエータ1の振動体6は、第2実施形態の検出電極61e、65eに代えて、圧電素子62の第13図中上側に電極61fを備え、また、第13図中下側に電極65fを備える。これらの電極61f、65fは、長方形の板状形状を有すると共に振動体6の長手方向の長さと略同一寸法を有し、振動体6の長手方向に沿って、その中央部に配置される。また、電極61fおよび電極65fは、振動体6の表裏にて電気的に接続され、他の電極61a〜61d、65a〜65dと同様に通電回路20側に電気的に接続される(図示省略)。
第14図は、第13図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。
このリニアアクチュエータ1において、第5のモードでは、振動体6の対角線上に位置する電極61b、61d、65bおよび65dが通電され、これらの電極と補強板63との間に交流電圧が印加される。すると、これらの電極に対応する振動体6の部分がそれぞれ繰り返し伸縮し、振動体6全体が屈曲振動する。この屈曲振動により、振動体6の凸部66が、第14図中の矢印bで示す斜めの方向に振動(往復運動)し、または、矢印cで示すように楕円振動(楕円運動)する。これにより、スライダ2が、凸部66から繰り返し摩擦力(押圧力)を受けて、第14図中右側(正方向)に移動する。
また、この第5のモードでは、さらに、振動体6の中央部の電極61fおよび65fが通電される。すると、印加された交流電圧により、対応する振動体6の部分が繰り返し伸縮し、振動体6全体が長手方向に微少振幅にて縦振動する。振動体6の凸部66は、この縦振動によりスライダ2に対する押圧力を増加され、第3のモードよりも強い力にてスライダ2をスライドさせる。これにより、リニアアクチュエータ1の駆動力を高められる利点がある。
なお、この第5モードにおいて、通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cは、振動体6の振動を検出する振動検出手段を構成する。これらの電極は、リニアアクチュエータ1の駆動時にて、通電された電極61b、61d、61f、65b、65dおよび65fと、補強板63との間に誘起される電圧(誘起電圧)を検出して、発振回路81に入力する。発振回路81は、検出された誘起電圧に基づいて、振動体6の振幅が最大、すなわち、誘起出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、スライダ2を効率良く移動させ得る利点がある。なお、これらの通電されていない電極61a、61c、65aおよび65cの作用は、第1実施形態と同様である。
第15図は、第13図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。
このリニアアクチュエータ1において、第6のモードでは、振動体6の対角線上に位置する電極61a、61c、65aおよび65c、並びに、振動体6の中央部の電極61fおよび65fが通電される。そして、振動体6が第5のモードとは対称に振動し、スライダ2を第15図中左側(逆方向)にスライドさせる。これにより、逆方向の移動についても、高い駆動力を得られる利点がある。なお、通電されない他の電極61b、61d、65bおよび65dは、振動体6の振動を検出する振動検出手段を構成する。これらの作用効果は、第5のモードにおける電極61a、61c、65aおよび65cの作用効果と同様である。
また、このリニアアクチュエータ1において、腕部68は、振動体6の側方であって駆動時における縦振動および屈曲振動の両方の振動の節となる部分を支持する。この位置は、振動解析その他公知の手法により当業者自明の範囲内にて適宜決定してよい。例えば、電極61a〜61d、65a〜65dが、振動体6の長手方向および幅方向に対称に設けられている場合には、この振動体6の略中央付近が振動の節となる。腕部68をかかる位置に設ければ、腕部68から外部への振動漏れを抑制できるので、スライダ2を効率的に駆動できる利点がある。
また、このリニアアクチュエータ1において、補強板63と、凸部66と、腕部68とを単一の部材により一体的に形成するのが好ましい。これにより、これらの結合関係を強固にできるので、振動体6の振動を効果的にスライダ2に伝達できると共に、振動体6をより確実に支持できる利点がある。
また、これらの各変形例は、第1〜第4実施形態のリニアアクチュエータ1に適用してもよい。
第16図は、第13図に示したリニアアクチュエータの振動体の駆動特性を示すグラフである。
同図では、横軸に振動周波数[Hz]をとり、縦軸にインピーダンス[Ω]をとって、振動体6の振動特性を表示する。なお、この振動周波数は、駆動時における振動体6の振動周波数である。また、インピーダンスは、押圧していない状態の圧電素子62、64のインピーダンスである。
このリニアアクチュエータ1では、上記のように縦振動と屈曲振動との複合により、振動体6の凸部66がより大きな押圧力でスライダ2に付勢する。ここで、このリニアアクチュエータ1では、振動体6の縦振動の共振周波数f1と、屈曲振動の共振周波数f2とが異なる(ずれる)ように、振動体6の諸条件が設定される。これにより、押圧状態では、共振点近傍において、圧電素子62、64のインピーダンス変化が鈍くなり、また、インピーダンスが大きくなり、縦振動と屈曲振動との共振周波数が不明瞭となる。これにより、広い周波数帯にて縦振動および屈曲振動を結合して励振することができ、また、振動体6の駆動時の投入電力を安定化できる利点がある。
なお、これらの共振周波数f1、f2は、インピーダンスが極小となるときの振動周波数(駆動周波数)である(図16参照)。
また、このリニアアクチュエータ1では、振動体6が、縦振動の共振周波数f1と、屈曲振動の共振周波数f2との間の所定の振動周波数(駆動周波数)にて駆動される。
この場合、振動体6の駆動周波数を縦振動の共振周波数f1に近づけると、押圧力を増す方向の振動振幅が大きくなるので、振動体6の凸部66とスライダ2との間の摩擦力が大きくなり、駆動力が高くなる(高駆動力型となる)。
また、振動体6の駆動周波数を屈曲振動の共振周波数f2に近づけると、振動体6の凸部66の振動変位のうちの、スライダ2の移動方向の成分が大きくなり、これにより振動体6による1回の振動で送れる量が大きくなり、駆動速度(移動速度)が高くなる(高速型となる)。
このように、縦振動の共振周波数f1と、屈曲振動の共振周波数f2とをずらすと共に、f1とf2との間の周波数帯にて駆動周波数を適宜設定(選択)することにより、例えば、駆動力や駆動速度に関し、任意の駆動特性を得ることができる。
また、このリニアアクチュエータ1では、屈曲振動の共振周波数f2は、縦振動の共振周波数f1よりも、f1の0.5〜3%程度大きいのが好ましく、1〜2%程度大きいのがより好ましい。
屈曲振動の共振周波数f2と縦振動の共振周波数f1との差を前記範囲内に設定することにより、押圧状態で縦振動と屈曲振動が同時に起る(結合する)ので摩擦力と駆動力とが同時に得られ、良好な駆動特性が得られる。
なお、これに限らず、縦振動の共振周波数f1の方が、屈曲振動の共振周波数f2より大きくてもよい。この場合、縦振動の共振周波数f1は、屈曲振動の共振周波数f2よりも、f2の0.5〜3%程度大きいのが好ましく、1〜2%程度大きいのがより好ましい。さらに、より大きな電力を投入し、大きな機械的出力を得るためには、駆動周波数において、インピーダンスを下げることが好ましい。すなわち、これらの共振周波数f1、f2が同一とならなければよい。
また、このリニアアクチュエータ1では、屈曲振動の共振周波数f2におけるインピーダンスの方が、縦振動の共振周波数f1におけるインピーダンスより大きく、また、共振周波数f1、f2間にて、インピーダンスが極大となる周波数f3を有する。そして、振動体6は、この縦振動の共振周波数f1と、屈曲振動の共振周波数f2との間の所定の駆動周波数にて駆動されるのが好ましく、f3とf2の間の所定の駆動周波数にて駆動されるのがより好ましい。
これにより、振動体6の駆動時に縦振動と屈曲振動の振動位相をずらして励振することができる。したがって、凸部66を楕円軌道c(第14図および第15図参照)に沿って振動させることができ、振動体6からスライダ2に対し、スライダ2を引き戻す力を与えることなく、効率良く力を与えることができる。
以上述べたように、この第5実施形態では、リニアアクチュエータ1を効率的に稼働させることができる。
次に、本発明のリニアアクチュエータの第6実施形態について説明する。
第17図は、本発明のリニアアクチュエータの第6実施形態を示す断面平面図である。なお、以下の説明では、第17図中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
以下、第6実施形態のリニアアクチュエータ1について、前述した第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
同図に示すように、第6実施形態のリニアアクチュエータ1では、そのアクチュエータユニット10の振動体6の補強板63に、弾性(可撓性)を有する1対(2つ)の腕部68が一体的に形成されている。
1対の腕部68は、補強板63の長手方向(第17図中上下方向)ほぼ中央に、長手方向とほぼ垂直な方向であって、かつ、補強板63(振動体6)を介して互いに反対方向に突出するように(第17図中左右対称に)設けられている。
この第6実施形態のリニアアクチュエータ1によれば、前述した第4実施形態と同様の効果が得られる。
そして、このリニアアクチュエータ1では、振動体6に1対の腕部68が設けられているので、支持に対する剛性が高まり、駆動の反作用等の外力に対しても安定した支持ができる。さらに、左右対称になるので、右方向の駆動特性と左方向の駆動特性への影響を均一化でき、左右方向(正逆方向)の特性が等しいリニアアクチュエータを実現することができる。
なお、この第6実施形態では、リニアアクチュエータ1におけるアクチュエータユニット10の数は、複数であるが、本発明では、アクチュエータユニット10の数は、1つであってもよい。
また、この第6実施形態に、前述した第5実施形態を適用してもよい。
以上、本発明のリニアアクチュエータを、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
また、本発明では、前記各実施形態の任意の2以上の構成(特徴)を適宜組み合わせてもよい。
また、本発明では、振動体の形状、構造は、図示の構成に限らず、例えば、圧電素子が1枚のものや、補強板を有さないものや、スライダと当接する部分に向かって幅が漸減するような形状のもの等であってもよい。
また、前記実施形態では、振動体6は、1つのアクチュエータユニット10に1つ設置されているが、本発明では、1つのアクチュエータユニット10に複数の振動体6を設けてもよい。
本発明によれば、振動体を用いてスライダを移動、特に、振動体を用いてスライダを直接駆動するとともに、そのスライダが複数のローラで支持されているので、摩擦抵抗を低減することができ、スライダを円滑かつ確実に直線的に移動させることができる。また、振動体を用いてスライダを移動、特に、振動体を用いてスライダを直接駆動することにより、リニアアクチュエータ全体の小型化、特に薄型化を図ることができる。また、構造を簡素化することができ、製造コストを低減することができる。また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。したがって、産業上の利用可能性を有する。
本発明のリニアアクチュエータの第1実施形態を示す平面図である。 第1図に示すリニアアクチュエータのA−A線での断面図である。 第1図に示すリニアアクチュエータにおける振動体の斜視図である。 第1図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。 第1図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。 第1図に示すリニアアクチュエータの回路構成を示すブロック図である。 本発明のリニアアクチュエータの第2実施形態における振動体の斜視図である。 本発明のリニアアクチュエータの第2実施形態における回路構成を示すブロック図である。 本発明のリニアアクチュエータの第3実施形態を示す平面図である。 本発明のリニアアクチュエータの第4実施形態を示す断面平面図である。 第10図に示すリニアアクチュエータのB−B線での断面図である。 本発明のリニアアクチュエータを点字を表示する装置の点字の駆動に用いた場合の構成例を示す斜視図である。 本発明のリニアアクチュエータの第5実施形態にかかる振動体を示す斜視図である。 第13図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。 第13図に示すリニアアクチュエータにおける振動体が振動する様子を示す平面図である。 第13図に示したリニアアクチュエータの振動体の駆動特性を示すグラフである。 本発明のリニアアクチュエータの第6実施形態を示す断面平面図である。
符号の説明
1……リニアアクチュエータ、10……アクチュエータユニット、2……スライダ、21、22……凸部、23……ピン、231……先端部、3……アクチュエータ本体、4、42、43……ベース、41……取付部、411……ネジ孔、421、422、431、432……孔、51、52……ローラ、511、521……溝、512、513、522、523……軸、524……ネジ、525、526……ナット、6……振動体、601……短辺、602……長辺、61a〜61e……電極、65a〜65e……電極、62、64……圧電素子、63……補強板、66……凸部、68……腕部、681……孔、7……押圧手段、71……支持部、711……軸、712……ネジ孔、72……付勢部材、721……当接部、722……固定部、723……孔、8……駆動回路、81……発振回路、82……増幅回路、83……移動量制御回路、9……スイッチ、91、92……スイッチ部、93〜98……端子、12、13……ボルト、141……軸、142……ネジ、143……ナット、144……スペーサ、15……基板、151……孔、16……スイッチ、161、162……スイッチ部、163〜168……端子、20……通電回路

Claims (17)

  1. スライダと、前記スライダと転がり接触をし、前記スライダを移動可能に支持する複数のローラと、前記スライダに当接して摩擦接触をし、圧電素子を備えた振動体とを有するアクチュエータユニットを備えたリニアアクチュエータであって、
    前記振動体は、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、この振動により、前記スライダに力を繰り返し加えて前記スライダを直線的に移動させるよう構成されていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 前記アクチュエータユニットを複数備えた請求の範囲第1項に記載のリニアアクチュエータ。
  3. 前記各アクチュエータユニットは、それぞれ、略平行な面内に構成され、積層配置されている請求の範囲第2項に記載のリニアアクチュエータ。
  4. 前記各アクチュエータユニットのローラは、共通の軸で回転可能に支持され、前記各アクチュエータユニットの振動体は、共通の軸で支持されている請求の範囲第2項に記載のリニアアクチュエータ。
  5. 前記スライダを停止状態に維持する第1のモードと、前記スライダの移動を可能にする第2のモードと、前記スライダを正方向に移動させる第3のモードと、前記スライダを逆方向に移動させる第4のモードとを有し、
    前記振動体の振動パターンを変更することにより、前記第1のモードと、前記第2のモードと、前記第3のモードと、前記第4のモードとのいずれかを選択し得るよう構成されている請求の範囲第1項に記載のリニアアクチュエータ。
  6. 前記スライダを停止状態に維持する第1のモードと、前記スライダの移動を可能にする第2のモードと、前記スライダを正方向に移動させる第3のモードと、前記スライダを逆方向に移動させる第4のモードとを有し、
    前記振動体は、複数に分割された電極を有し、前記電極を介して前記圧電素子に交流電圧を印加することにより振動し、
    前記各電極への通電パターンの選択により前記振動体の振動パターンを変更して、前記第1のモードと、前記第2のモードと、前記第3のモードと、前記第4のモードとのいずれかを選択し得るよう構成されている請求の範囲第1項に記載のリニアアクチュエータ。
  7. 前記ローラは、外周面に形成された溝を有し、該ローラの中心に位置する軸により支持されており、前記スライダは、前記溝内に位置し、前記軸の径は、前記ローラの前記スライダを支持する部位の径より小さい請求の範囲第1項に記載のリニアアクチュエータ。
  8. 前記スライダの摺動部は、棒状または板状をなしている請求の範囲第1項に記載のリニアアクチュエータ。
  9. 前記振動体は、板状をなしており、前記振動体と前記スライダとが略同一平面上に位置している請求の範囲第8項に記載のリニアアクチュエータ。
  10. 前記振動体は、少なくとも、板状の圧電素子と、金属材料で構成された補強板とを積層してなる請求の範囲第1項に記載のリニアアクチュエータ。
  11. 前記振動体から突出して設けられ、前記振動体を支持する腕部を有し、前記振動体は、前記腕部により前記スライダに押し付けられており、前記腕部と、前記振動体の前記スライダへ当接する部分とは、前記補強板と一体的に形成されている請求の範囲第10項に記載のリニアアクチュエータ。
  12. 前記振動体を前記スライダに押し付ける押圧手段と、前記振動体から突出して設けられ、前記振動体を支持する腕部とを有し、前記押圧手段の少なくとも一部と、前記腕部と、前記振動体の前記スライダへ当接する部分とは、前記補強板と一体的に形成されている請求の範囲第10項に記載のリニアアクチュエータ。
  13. 前記押圧手段は、前記振動体を前記スライダに押し付ける力を調節する調節機構を有し、前記調節機構の少なくとも一部は、前記補強板と一体的に形成されている請求の範囲第12項に記載のリニアアクチュエータ。
  14. 前記スライダの移動方向における前記複数のローラのうちの2つのローラの間に、前記振動体の前記スライダへ当接する部分が位置している請求の範囲第1項に記載のリニアアクチュエータ。
  15. 前記スライダの屈曲振動の共振周波数と、前記振動体の振動の周波数のm倍(但し、mはすべての自然数)とが実質的に一致せず、かつ、前記スライダの屈曲振動の共振周波数のn倍(但し、nはすべての自然数)と、前記振動体の振動の周波数とが実質的に一致しないよう構成されている請求の範囲第1項に記載のリニアアクチュエータ。
  16. 前記スライダの移動を規制する移動規制手段を有する請求の範囲第1項に記載のリニアアクチュエータ。
  17. 前記移動規制手段は、前記スライダに設けられ、前記ローラに当接して該スライダの移動を規制する少なくとも1つの凸部である請求の範囲第16項に記載のリニアアクチュエータ。
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