JPWO2003052417A1 - 細胞外グラニュライシンの検出方法 - Google Patents

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Abstract

殺細胞活性分子グラニュライシンが、ナチュラルキラー細胞内や細胞傷害性Tリンパ球内のみならず、体液中にも存在することを見出した。本発明は、この知見に基づいて完成された、体液検体において、細胞外のグラニュライシンを検出することにより、検体提供者の免疫状態を確認する、グラニュライシンの検出方法である。この方法により、検体提供者の免疫状態を簡便かつ確実に確認することができる。

Description

技術分野
本発明は、癌や感染症、臓器移植手術後等の免疫状態を確認することが可能な、特定生体成分の検出方法に関する発明である。
背景技術
グラニュライシンは、ナチュラルキラー細胞(以下、NK細胞ともいう)や細胞傷害性Tリンパ球(以下、CTLともいう)が、標的細胞に細胞死を惹き起こすために放出する一連の殺細胞活性分子の一つである。
このグラニュライシンが、NK細胞やCTLの状態を把握するための指標になり、これにより、宿主の免疫状態を確認し得ることが見出された(特開2001−249126号公報)。
グラニュライシンは、細胞傷害性顆粒に局在する分子量1万5千(15k)のタンパク質で、顆粒内では一部切断されて、分子量9千(9k)のタンパク質として存在している。9kグラニュライシンには、細胞傷害活性と抗菌活性が認められている(Pena,S.V.,et al.,J.Immunol.,158,2680−2688(1997),Stenger,S.,et al.,Science,282,121−125(1998))。
特開2001−249126号公報に記載された、グラニュライシンを検出指標として、免疫状態を確認する方法は、NK細胞内やCTL細胞内におけるグラニュライシンを検出することによる免疫状態の確認方法であり、細胞内のグラニュライシンを検出するのに適しているフローサイトメトリー解析を好適な検出手段としている。このため、血液検体を用いるには、細胞画分を単離し、固定後に可溶化工程を経ることが必要となる。また、対象が細胞であるため、検体の保存に困難を伴う。すなわち、この先行技術は、免疫状態を確認するのに優れた方法ではあるが、さらなる利便性の追求と、簡便化の課題が伴っていることも否めない。
本発明が解決すべき課題は、信頼性を担保しつつ、さらに簡便な、グラニュライシンを検出することによる、免疫状態の確認手段を提供することにある。
発明の開示
本発明者は、この課題を解決するために、生体内におけるグラニュライシンの挙動について、さらに検討を重ねた。その結果、グラニュライシンが、NK細胞やCTLのみならず、これらの細胞外においても可溶型の蛋白質として認められ、体液検体のグラニュライシンを検出することにより、その血液検体等の体液検体の提供者の免疫状態を、従来よりも簡便に把握することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、体液検体における、細胞外のグラニュライシンを検出して、検体提供者の免疫状態を確認する、グラニュライシンの検出方法(以下、本検出方法ともいう)を提供する発明である。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本検出方法の検出対象となる、体液検体における細胞外のグラニュライシンは、リンパ球等のグラニュライシン産生細胞から分泌されて結果存在するものであると考えられるが、必ずしも、これに限定されるものではない。
体液検体としては、血液検体、尿、痰、体外分泌液、滑液検体、気管支肺胞洗浄液検体等が挙げられるが、グラニュライシン産生細胞がリンパ球であることや、その採取の容易性等を鑑みると、血液検体が好適である。血液検体としては、赤血球、白血球、血小板、その他の細胞画分を凝集させて除いた血清、さらには、抗凝固剤を添加した後、細胞を除いた血漿が好適である。
また、細胞が混入した体液検体の場合、検出対象から細胞を除外することができる操作を行うのが好適である。
本発明において、体液検体における検出の対象となるグラニュライシンは、好適には、15Kグラニュライシンである。よって、後述するグラニュライシンに対する抗体は、少なくとも、15Kグラニュライシンに対して特異性を有する抗体であることが好適である。
グラニュライシンの検出は、グラニュライシンに対する抗体を用いて、それと体液検体中のグラニュライシンとの抗原抗体反応を利用する検出手段を用いて行うことが好適である。具体的には、例えば、ELISA(エライザ)法、RIA(ラジオイムノアッセイ)法、免疫クロマトグラフィー法、免疫沈降法を利用した解析法、ウエスタンブロット法を主体とした解析法等を例示することができる。これらの検出手段の中でも、その定量性と安全性、さらには、正確性故に、ELISA法を選択することが好適である。
このような検出手段を行う前提として、グラニュライシンに特異的に結合する抗体(モノクローナル抗体および/またはポリクローナル抗体:以下、グラニュライシンに対する抗体ともいう)が必要である。
グラニュライシンに対する抗体の製造方法は、常法に従って行うことが可能である。
グラニュライシンに対するポリクローナル抗体は、グラニュライシン分子の全部または一部を免疫抗原として、免疫した動物に由来する免疫血清から製造することができる。
グラニュライシンに対するモノクローナル抗体は、上記のポリクローナル抗体と同様の方法で、免疫した動物の免疫細胞と動物の骨髄腫細胞とのハイブリドーマを作出し、これによりグラニュライシン分子を認識する抗体を産生するクローンを選択し、このクローンを培養することにより製造することができる。
上述したポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体は遺伝子免疫によっても調製が可能である。具体的にはグラニュライシン分子の全部または一部をコードする遺伝子を発現するベクターを直接動物に免疫する事によって製造することができる。
また、免疫される動物も特に限定されるものではなく、マウス,ラット等を広く用いることができるが、モノクローナル抗体を製造する場合には、細胞融合に用いる骨髄腫細胞との適合性を考慮して選択することが望ましい。
免疫は一般的方法により、例えば上記免疫抗原を免疫の対象とする動物に静脈内,皮内,皮下,筋肉内、腹腔内注射等で投与することにより行うことができる。
より具体的には、上記免疫抗原を所望により通常のアジュバントと併用して、免疫の対象とする動物に2〜14日毎に上記手段により数回投与し、ポリクローナル抗体製造のための免疫血清またはモノクローナル抗体製造のための免疫細胞、例えば免疫後の脾臓細胞を得ることができる。
モノクローナル抗体を製造する場合、この免疫細胞と細胞融合する他方の親細胞としての骨髄腫細胞としては、既に公知のもの、例えばSP2/0−Ag14,P3−NS1−1−Ag4−1,MPC11−45,6.TG1.7(以上、マウス由来);210.RCY.Ag1.2.3(ラット由来);SKO−007,GM15006TG−A12(以上、ヒト由来)等を用いることができる。
上記免疫細胞とこの骨髄腫細胞との細胞融合は、通常公知の方法、例えばケーラーとミルシュタインの方法(Kohler,G.and Milstein,C.,Nature,256,495(1975))等に準じて行うことができる。
より具体的には、この細胞融合は、通常公知の融合促進剤、例えばポリエチレングリコール(PEG),センダイウイルス(HVJ)等の存在下において、融合効率を向上させるためにジメチルスルホキシド等の補助剤を必要に応じて添加した通常の培養培地中で行い、ハイブリドーマを調製する。
所望のハイブリドーマの分離は、通常の選別用培地、例えばHAT(ヒポキサンチン,アミノプテリンおよびチミジン)培地で培養することにより行うことができる。すなわち、この選別用培地において目的とするハイブリドーマ以外の細胞が死滅するのに十分な時間をかけて培養することによりハイブリドーマの分離を行うことができる。このようにして得られるハイブリドーマは、通常の限界希釈法により目的とするモノクローナル抗体の検索および単一クローン化に供することができる。
目的とするモノクローナル抗体産生株の検索は、例えばELISA法,プラーク法,スポット法,凝集反応法,オクタロニー法,RIA法、間接蛍光抗体法、等の一般的な検索法に従い行うことができる。
このようにして得られるグラニュライシンを認識するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培地で継代培養することが可能であり、さらに液体窒素中で長時間保存することもできる。
ハイブリドーマからのモノクローナル抗体の採取は、ハイブリドーマを常法に従って培養して、その培養上清として得る方法や、ハイブリドーマをこのハイブリドーマに適合性が認められる動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法等を用いることができる。
上述のようにして得られるポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体は、更に、塩析,ゲル濾過法,アフィニティクロマトグラフィー等の通常の手段により精製することができる。
このようにして得られるポリクローナル抗体ないしモノクローナル抗体は、グラニュライシンに特異反応性を有する抗体である。
さらに、グラニュライシンに対する抗体に、必要に応じて標識処理、すなわち、酵素標識処理、蛍光標識処理、アイソトープ標識処理等を、常法に従い行うことができる。
体液検体中のグラニュライシンを捕捉し得る抗体は、固相に固定化された固定化抗体として用いられるのが、好適な態様の一つである。
固相としては、例えば、マイクロプレート、ビーズ、アガロース等が挙げられる。
固定化方法は、固相の種類に応じた抗体の固定化方法における常法に従い行うことができる。
例えば、マイクロプレートに対しては、常法に従った物理的な非特異的吸着法を行うことにより、抗体の固定化を行うことができる。また、ビーズやアガロースに対しても、常法に従って固定化を行うことができる。例えば、化学的な架橋剤を用いた固定化や、固定化された抗イムノグロブリン抗体やプロテインA等の抗体に親和性のある蛋白質を用いた固定化法等を行うことにより、抗体の固定化を行うことができる。
上記のように、グラニュライシンに対する抗体を用いて、検出手段に応じた要素を用いることによって、本検出方法を行うことができる。
検出手段がELISA法やRIA法である場合には、例えば、マイクロプレートに固定化したグラニュライシンに対する抗体に、体液検体を接触させて、グラニュライシンを固定化抗体に結合させ、この固相に結合したグラニュライシンを、酵素またはラジオアイソトープ標識抗体等を用いて検出することにより、本検出方法を行うことができる。
また、検出手段として、免疫沈降法を利用する場合には、例えば、ビーズやアガロースに固定化したグラニュライシンに対する抗体に、体液検体を接触させて、グラニュライシンを固定化抗体に結合させ、この固相に結合したグラニュライシンを分離して、この分離物からグラニュライシンを検出することにより、本検出方法を行うことができる。このグラニュライシンの検出方法としては、例えば、前記の分離物に対して電気泳動を行って、この電気泳動パターンの転写物に、グラニュライシンに対する標識抗体を作用させて、グラニュライシンのバンドを検出する、ウエスタンブロット法を挙げることができる。
また、検出手段を、ウエスタンブロット法を主体とした方法とすることも可能である。例えば、体液検体から細胞を除いた細胞除外検体を、直接、電気泳動により分離し、その転写物に、グラニュライシンに対する標識抗体を作用させて、バンドを検出することにより、体液検体中のグラニュライシンを検出することができる。
本検出方法により、体液検体のグラニュライシンを検出することにより、検体提供者の免疫状態の確認を行うことができる。すなわち、健常人の標準的な、体液検体におけるグラニュライシン量と比べて、検体提供者の体液検体におけるグラニュライシン量が少なければ、当該検体提供者の免疫状態が低下していることがわかる。よって、例えば、健常人の通常の検診において、本検出方法を行うことにより、免疫状態の確認を行うことが可能であり、現に罹患している何らかの疾病の存在や、疾病に罹患する危険の検出を行うことが可能である。また、例えば、癌患者や感染症の患者の体液検体におけるグラニュライシン量を継続的にモニターすることにより、当該患者の免疫状態を把握して、治療方針を決定するための有力な要素とすることができる。また、例えば、臓器移植手術により免疫抑制剤投与の処置を受けた患者の予後の免疫状態(免疫抑制効果が低い場合の移植片に対する拒絶反応、免疫抑制効果が高すぎる場合の副作用や感染症、癌の発症)や、幹細胞等の移入療法を受けた免疫不全患者における免疫系の形成度合いも、非常に重要な問題であり、本検出方法で、このような臓器移植患者の体液検体におけるグラニュライシン量を継続的にモニターすることにより、当該患者の免疫状態を把握して、治療方針を決定する有力な要素とすることも可能である。
本発明は、本検出方法を行うための検出用キットを提供する。すなわち、本発明は、上記の検出手段を行うための要素を含む、グラニュライシン検出用キット(以下、本検出用キットともいう)を提供する発明でもある。
本検出用キットには、最低限、グラニュライシンに対する抗体が要素として含まれる。
例えば、検出手段が、ELISA法の場合には、固相に固定化したグラニュライシンに対する第1抗体、および/または、この固定化第1抗体に結合したグラニュライシンを検出するための第2抗体が、ELISA法の本検出用キットに要素として含まれることが好適である。また、第2抗体を検出するための検出試薬、ブロッキング液、希釈液、グラニュライシン標準品等を、ELISA法の本検出用キットの要素として含めることも好適である。
また、検出手段が、免疫沈降法を利用した解析法において、上記の例のように、ウエスタンブロット法を検出手段として組み合わせる場合には、体液検体におけるグラニュライシンを捕捉するための、グラニュライシンに対する固定化抗体、および/または、電気泳動のバンドとして分離されるグラニュライシンを検出するための、グラニュライシンに対する標識抗体を、ウエスタンブロット法の本検出用キットの要素として含めることが好適である。また、グラニュライシンに対する標識抗体を検出するための検出試薬、ブロッキング液、希釈液、転写膜等を、ウエスタンブロット法の本検出用キットの要素として含めることも好適である。
実施例
以下、本発明を実施例により、具体的に説明するが、この実施例により、本発明の技術的範囲は限定されない。
〔製造例1〕 グラニュライシンに対するモノクローナル抗体の作製
100〜200unit/mlのIL−2の存在下で培養したヒトの末梢血リンパ球(2×10細胞/mlのヒト末梢血リンパ球を、10%牛胎児血清含有RPMI1640培地で、37℃・5%CO下で10日間培養を行った)より、常法に従ってRNAを抽出し、このRNAを鋳型として、RT−PCR法(PCRプライマー1:配列番号1、PCRプライマー2:配列番号2)を行い、グラニュライシンの蛋白質全長をコードする領域を含む遺伝子部分〔J.Exp.Med.,172:1159−1163(1990):配列番号3〕を相補的DNA(cDNA)の増幅産物として合成した。このグラニュライシンの蛋白質全長をコードするcDNAを、哺乳動物用発現ベクターであるpRc/CMVまたはpcDL−SRα296に組み込み、得られた組換えベクターを生理食塩水に溶かして、マウスの皮下または皮内に免疫した。1〜2週間隔で、4〜5回免疫後、間接蛍光抗体法(後述の方法に準じて行った)により抗体価の上昇が認められたマウスの脾細胞を、常法に従って細胞融合した後、グラニュライシンに特異的に結合する抗体を産生するハイブリドーマを、再び間接蛍光抗体法で検索した。すなわち、上述したグラニュライシンをコードする遺伝子で形質転換して、これを発現させた細胞(COS−7)を、2%パラフォルムアルデヒドで固定後、0.5%Tween20で、膜を可溶化し、これに、ハイブリドーマの培養上清を加えて、抗体を反応させた後、蛍光ラベルされた抗マウスIgG抗体を反応させ、蛍光を検出することにより、グラニュライシンに特異的に結合する抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングした。その結果、9個のグラニュライシンに特異的に結合する抗体を産生するハイブリドーマが得られた。得られたハイブリドーマのそれぞれの培養上清を用いて、硫安沈澱およびプロテインGカラムによる精製を行い、グラニュライシンに対するモノクローナル抗体を、2種類調製した。以下、これをモノクローナル抗体RB1、および、モノクローナル抗体RC8ともいう。
〔製造例2〕 グラニュライシンに対するポリクローナル抗体の作製
グラニュライシンの部分アミノ酸配列(29アミノ酸)(J.Exp.Med.,165:601−614(1987),J.Exp.Med.,172:1159−1163(1990)):Arg Thr Gly Arg Ser Arg Trp Arg Asp Val Cys Arg Asn Phe Met Arg Arg Tyr Gln Ser Arg Val Thr Gln Gly Leu Val Ala Gly(N5−1:配列番号4)の傘貝ヘモシアニンとの結合体で、ウサギを常法に従って免疫し、抗血清を得た。得られた抗血清について、硫安沈澱およびプロテインGカラムによる精製を行い、さらに上記の合成ペプチド(N5−1)を結合したカラムによるアフィニティークロマトグラフィーによる精製を行い、グラニュライシンに対するポリクローナル抗体(抗N5−1抗体)を調製した。
〔試験例〕 免疫沈降法とウエスタンブロット法を用いたヒト血漿中のグラニュライシンの検出
抗グラニュライシンモノクローナル抗体RC8を、抗マウスIgG結合磁気ビーズ(Dynabeas:DYNAL社製)に結合させて、この固定化ビーズを、検体提供者(健常人1名)から血液を採取して得た体液検体である、ヒト血漿(3ml)中に添加して、穏やかに転倒混和を、4℃下で4時間行って、血漿中のグラニュライシンを担体の抗グラニュライシンモノクローナル抗体に対して結合させた後、血漿を除き、担体を洗浄液(0.1%Tween20/PBS)で洗った。この担体を、SDSサンプルバッファー中に懸濁して煮沸した後、SDS−PAGEにより、蛋白質を分離した。電気泳動を行ったSDS−PAGEのゲルから、蛋白質をナイロン膜に転写した後、ブロッキング液(1%スキムミルク/洗浄液)で膜をブロックした後、この膜に対して、ウサギ由来抗グラニュライシンポリクローナル抗体(抗N5−1抗体)を反応させた。洗浄後、ペルオキシダーゼ標識した抗ウサギIgG抗体(ZYMED Laboratories社製)を反応させ、洗浄後、酵素基質(Chemiluminescence reagent:NEN Life Science products社製)を用いた化学発光法によりグラニュライシンのバンドを検出した。陽性コントロールとして、培養したヒトリンパ球の細胞溶解液を用いた。
第1図に、その結果を示す。第1図は、上記の方法により得られた、グラニュライシンの存在を示すパターンを示している〔(a)は、ヒト血漿における結果を示し、(b)は、陽性コントロールにおける結果を示している。各パターンの右側は、分子量マーカーである〕。
第1図から、培養ヒトリンパ球の細胞溶解液からは、9Kと15Kのグラニュライシンが検出され、ヒトの血漿からは、15Kグラニュライシンが検出されたことがわかる。
この結果から、培養ヒトリンパ球の細胞溶解液には、9Kと15Kのグラニュライシンが存在するが、ヒト血漿中には、15Kグラニュライシンのみが存在していることが明らかとなった。
また、この結果により、体液検体におけるグラニュライシンを、グラニュライシンに対する抗体を検出手段として用いたウエスタンブロット法で検出可能であることが明らかとなった。
〔実施例〕 ELISA法による免疫状態の確認
健常者35名、癌患者16名の血液から血漿を採取し、体液検体として使用した。
<ELISA用スタンダードの調製>
グラニュライシンのELISA用スタンダードは、下記の要領で調製した。
すなわち、前記のモノクローナル抗体を得る際の免疫に用いたプラスミドを、COS−7細胞にトランスフェクションして、2日目の培養上清(血清不含のDMEM培地)から、グラニュライシンを、ヘパリンセファロースに吸着させて濃縮した後、Superdex75を用いたゲル濾過法を行うことにより精製した。このサンプルをスタンダードとして、その一部を、SDS存在下で電気泳動した後、ゲルをCBBで染色して、検出されたバンドから、デンシトメーターを使って、サンプル中のグラニュライシンの含有量を見積もった。
<ELISA法>
ELISA法は、下記のようにして行った。
100mM炭酸ナトリウム緩衝液中に、5μg/mlに希釈した抗グラニュライシンモノクローナル抗体RB1を添加して、これを96ウエルマイクロプレートのウエルに分注して、4℃で一晩接触させることにより、固相化を行った。この抗体固定化プレートを、洗浄液(0.1%Tween20/PBS)で洗った後、ブロッキング液(10%牛胎児血清/洗浄液)でブロックした。抗体固定化プレートを、前記洗浄液で洗浄後、前記ブロッキング液で希釈した、上記のスタンダードまたは上記のサンプル(上記のブロッキング液で6倍希釈したもの)を、それぞれ50μl添加して反応させ、反応後、前記洗浄液で、再度洗浄した。次に、マウス血清を1%含む、前記ブロッキング液で希釈した、常法によりモノクローナル抗体RC8をビオチン化して得た、ビオチン化抗グラニュライシンモノクローナル抗体RC8を反応させて、TBST(0.1%Tween20/Tris−buffered saline)で洗浄した後、TBSTで希釈した、アルカリホスファターゼ標識ストレプトアビジンを反応させた。TBSTで洗浄後、プレートに検出用の酵素基質(ELISA Amplification System:GIBCO社製)を加え、反応させた後、プレートリーダーで測定した。
その結果を、第2図と第3図に示す。第2図は、スタンダードにより得られたELISAの標準希釈曲線を示している(横軸にグラニュライシンの濃度を、縦軸にELISA法で得られた吸光度を示している。
第3図(横軸に検体提供者のタイプを、縦軸に血漿中のグラニュライシンの濃度を示している)は、健常者35名、癌患者16名(うち、パフォーマンスステータス0〜1が12名、2〜3が4名:パフォーマンスステータスは患者の日常生活の活動度を表すもので、一般に値が高い程疾患による重症度が高く、従って免疫状態が低下しているものと思われる)の血漿を用いた、ELISA法により、グラニュライシンを検出した結果を示している。この結果、パフォーマンスステータス0〜1の癌患者では、血漿中のグラニュライシン濃度が、健常人とほとんど変わらないのに対し、パフォーマンスステータス2〜3の癌患者では、健常人に比べ有意に低下していた。
これにより、本検出方法により、癌患者の血漿等の体液検体のグラニュライシンを検出することにより、検体提供者の免疫状態を、簡便かつ的確に確認することが可能であることが示された。
産業上の利用可能性
本発明により、検体提供者の免疫状態を、簡便かつ的確に確認することが可能な手段が提供される。
【配列表】
Figure 2003052417
Figure 2003052417
Figure 2003052417

【図面の簡単な説明】
第1図は、ウェスタンブロット法によるグラニュライシンの検出を示す図面であり、第2図は、グラニュライシンに対する抗体を用いたELISAの標準曲線を示す図面であり、第3図は、健常人と癌患者に対して、ELISA法により血漿中のグラニュライシンレベルについての検討を行い、検体提供者全員の結果を総合して検討した図面である。

Claims (5)

  1. 体液検体における、細胞外のグラニュライシンを検出して、検体提供者の免疫状態を確認する、グラニュライシンの検出方法。
  2. 体液検体が、全血、血清または血漿である、請求項1記載のグラニュライシンの検出方法。
  3. グラニュライシンの検出手段が、ELISA(エライザ)法、RIA(ラジオイムノアッセイ)法、免疫クロマトグラフィー法、免疫沈降法を利用した解析法、若しくは、ウェスタンブロット法を主体とした解析法である、請求項1記載のグラニュライシンの検出方法。
  4. グラニュライシンの検出手段が、ELISA(エライザ)法、RIA(ラジオイムノアッセイ)法、免疫クロマトグラフィー法、免疫沈降法を利用した解析法、若しくは、ウェスタンブロット法を主体とした解析法である、請求項2記載のグラニュライシンの検出方法。
  5. 請求項3または4記載の検出手段を行うための要素を含む、グラニュライシン検出用キット。
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