JPWO2002082339A1 - 情報処理システム及びその方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、複数の主体が属するコミュニティを対象とした情報処理システムに関わり、特に、主体や目的事物の特性(影響力や魅力度など)を考慮して交信を制御する技術に関する。
背景技術
近年、インターネット等の通信技術の急速な普及に伴い、複数の主体(人間、ソフトウェア、コンテンツなど)がコミュニティを形成し、そのコミュニティ内部で通信ネットワーク等を介して種々の情報を交信することが盛んに行われるようになってきた。ここで、コミニュティとは、主体が人間(構成員)の場合は所属する集団や市場やそれを実現する情報通信システムを、また主体がコンテンツの場合は格納検索表示などのための手段やそれを実現する情報通信システム(データベースやWEBサイトなど)をいう。主体がソフトウェアである場合は、人間とコンテンツの両方に類似した交信がありうる。
このような主体間の交信には、一対一・一対多・多対一・多対多の様々な組み合わせがあり、テキストのみならず音声や画像など様々な様相があり、同期・非同期を含めて様々な形態がある。主体が人間である交信は、例えば、電話、電子掲示板(WEB上などの掲示板)、電子メール、インスタントメッセージ、電子会議システム、音声応答システム、P2Pシステムなど、種々の形態がある。また、主体が人間である交信は、コンテンツの発信(発言、投稿)送信、書き込み、返信、転送、編集、コメントなどの能動的なものもあれば、受信、視聴、読み取り、ダウンロードなどの受動的なものものある。その代表例は、WEB上などでの電子掲示板(複数のユーザの発言をコンピュータなどの画面から閲覧可能にするシステム)に電子メール機能を組み合わせた電子コミュニティシステムやグループウェアであり、1つの社会といえるほど大多数の構成員等から構成される集団となる場合も多い。一方、主体がコンテンツである交信の例としては、各種コンテンツ間のリンク(例えば、HTMLにおけるハイパーリンクやXMLにおけるXLinkを利用して実装されるリンクなど)、ブックマーク、引用、埋め込みなどをあげることができる。もちろん、人間やソフトウェアが主体である場合も、そのような交信をおこなうことができる。本出願で交信というときは、上記などを含めた広い概念でいう。また、本出願で参照というとき、受信、視聴、読み取りのみならず、編集、コメント、リンク、ブックマーク、引用、埋め込みなどを含めた、広い概念でいう。
主体が交信する際には、何らかのコンテンツを交信するのであり、またコンテンツは何らかの対象について言及あるいは何らかの対象を代表している。そのようなコンテンツまたはコンテンツが言及しあるいは代表している対象を、本出願では目的事物と呼ぶ。目的事物は、コンテンツそのものであったり、そこで言及される単語や商品(無体物を含む)などの事物であったり、コンテンツが代表している意思決定選択肢であったりする。人間、コンテンツ、ソフトウェアとも、交信の主体となることも、交信の目的事物となることもある。このうち、交信の目的事物となっているコンテンツ(やソフトウェア)を、本出願では交信内容と呼ぶ。
コミュニティ内部の主体や目的事物は、それぞれいくつかの特性・価値を固有に有している。ここで、価値とは効用や優劣の判断を含んだ特性であるが、価値とそれ以外の特性の区分は相対的なものである。そこで本出願では、必要により価値という言葉を用いるが、概しては特性と価値を特に厳密に区別しないで用いることとする。つまり、特性とは、主体や目的事物について、その概略、特徴、価値、他の主体や目的事物との関係の有無やあり方や程度、興味などを表現したものである。また、本出願では、そのような特性に関するデータを必要により特性データと呼ぶ。
そして、コミュニティ内部で行われる交信もその個々の特性に依存して行われるとともに新たな特性を付与しており、それらは時間とともに推移する相互依存関係をなしている。
まず、主体が交信する際には、必然的に、何らかの目的事物について、特性付与や価値付与を行っていることになる。例えば、生物学者が書いた学術論文は、生物学に関するものだと特性付与される。優れた人が作成し送信したコンテンツ(交信内容)や、優れた人間やコンテンツが参照するなどしたコンテンツは、そのような交信によって優れた価値を付与されることになる。商品について言及したコンテンツは、商品を推奨するつまり肯定的な価値付与をするものであったり、非難するつまり否定的な価値付与をするものであったりする。また、投票やアンケートの回答のような交信も、意思決定選択肢について、賛成や反対などの価値を付与していることになる。
逆に、交信におけるそれらの特性付与や価値付与の過程を通じて、主体もまた特性付与や価値付与をされていることになる。ある人がビールについて言及したコンテンツを作成すれば、その人に対して「彼はビールに興味がある」という特性付与が可能である。自らが作成したコンテンツが多くの優れた人に参照されれば、作成者もまた優れたものとみなされることになる。
さらには、特性が時間とともに推移する例として、流行や時間減衰などの現象が存在している。
発明の開示
このように主体や目的事物はそれぞれ固有の特性を有しており、コミュニティ内部で行われる交信もその個々の特性に依存して行われるとともに新たな特性を付与しており、それらは時間とともに推移する相互依存関係をなしている。しかし、主体や目的事物の特性(特に影響力)とそれらの相互依存関係を統合的に考慮して交信を制御するといった枠組みは、未だ実現されていない。本願の発明者は、このような枠組みについて考察・検討した結果、以下のように考えるに至った。
なお、以下では便宜上、主体が構成員でありコミニュティがその所属する集団である場合を中心に、課題を記載する。主体がコンテンツであリコミニュティが格納検索表示などのための手段である場合や、主体がソフトウェアである場合についても、基本的な課題や定義は同様である。
▲1▼.<特性の相互依存関係>
特性のうち以下では特に、影響力、注意、判断、能力、興味、評価力について説明する。
影響力とは、ある主体がコミニュティ全般から一般的な注目をどの程度得ているかを表わす特性であり、各主体ごとに定まる特性である。影響力は、社会的評価やその結果としての社会的資源が配分される程度の尺度と考えることもできる。例えば、有名人とは影響力の高い人間である。注意とは、ある主体が他の主体をどの程度注目しているかを表わす特性であり、特定の2主体間で定まる特性である。注意は、特定の2主体間において定まる個別影響力と考えることもできる。判断とは、ある主体が他の主体の価値を、主観的にどの程度認めているか(主観的評価)を表わす特性であり、特定の2主体間で定まる特性である。そして、主体が構成員の場合、ある構成員が他の構成員の能力を主観的にどの程度認めているかという能力判定(主観的評価)は、判断の重要な要素となる。しかし、「私は彼の能力は高いと思うが、私は彼を評価しない(好きではない)」という言葉をよく聴くように、ある主体からある主体への能力判定が高くても判断が低いこともあり、逆に能力判定が低くても判断が高いこともありえる。ここで、能力とは構成員の資質や優劣などの本来的価値を表わす特性であるが、コミニュティにおける能力は身長や体重のように絶対的測定をできないため、能力については他の主体の能力判定に基づく指標を利用せざるを得ない。本出願では、かかる能力の指標を能力指標と呼ぶこととする。
また、興味とは、ある主体が様々な目的事物をどの程度注目しているかを表わす特性であり、各主体ごとに定まる特性である。興味とは、主体を目的事物との関係において特徴付けるために有効な情報である。例えば、主体が人間である場合は、興味とは、その人間がいかなる目的事物にどの程度注目しているかを示すことになる。また例えば、コンテンツが主体である場合は、興味とは、コンテンツやコンテンツの関係者(作成者、所有者、著作権者など)がいかなる目的事物にどの程度注目しているかを示すことになる。
また、評価力とは、ある特定の主体が、他の主体の特性を、どの程度的確に評価できるかを表す特性であり、各主体ごとに定まる特性である。的確に評価できるとは、例えば、中立的に評価できる、多くの人が認める優れた価値をきちんと認めることができる、多くの人が認める優れた価値を他より素早く認めることができる、などを意味する。評価力はあるが影響力がない場合もありうる。
以上の特性うち、影響力、判断、能力、評価力は、価値の一例である。
このような、コミュニティ内部の主体のそれら特性の間には、例えば以下のような相互依存関係がある。
集団内部のある主体kの影響力は、他の主体iが主体kにどの程度注意をむけているかと、また主体kに注意を向けてくれる主体iの影響力とに、依存している。例えば、有名女優と結婚した売れない男優が一挙に有名になるように、有名人(影響力の大きい主体)に強く注目された人はやはり有名人になるという例は枚挙に暇がなく、有名人同士の間にそのような依存関係を観察することができる。また、有名女優の使用する香水が一躍有名になるように、主体と目的事物の間にも、同様に依存関係を観察することができる。
一方、ある主体iが他の主体kにどの程度注意を向けるかは、主体iの主体kへの判断と、主体kの影響力とに依存する。例えば、テレビ視聴者は、自分が高い判断を与えている学者が出演するテレビ番組を視聴するし、また影響力の高い有名評論家が出演するテレビ番組を視聴する。また、ある主体iが他の主体kにどの程度注意を向けるかは、弁護士報酬を得て弁護士が相談者に注意を向けるように、対価などその他報酬的な要素にも依存する。
そして、ある主体iが他の主体kをどのように判断するかは、主体iが主体kをどう能力判定するかや、主体iと主体kがどの程度興味が一致しているかや、主体kがどの程度頻繁に発信しているかに依存する。例えば、有能な映画評論家も、野球にしか興味がない人にとっては、「興味が一致しない人」であり、高い判断を与えられない。また、頻繁に発信している人は、それだけ親しみを感じられ、高い判断を与えられる傾向がある。
以上のように、主体・目的事物の特性には密接な相互依存関係がある。そのため、特性を考慮して交信制御を行う場合、かかる特性の相互依存関係をも考慮し、そのような相互依存関係のダイナミクスを近似して制御に利用することが重要である。
▲2▼.<認知限界と特性バイアス>
ここで、コミュニティの全ての主体同士が、興味が同質であり、お互いの能力を一意に判定でき、同じ頻度で交信し、更に主体同士が完全に注意を向け合うことができ、制限なく交信を行うことができ、その他報酬的な要素も存在しないという理想環境においては、上記のような相互依存関係の結果として、主体の本来的価値(主体が人間の場合なら能力)の高低と影響力の高低が一意に対応するような理想的均衡に達する。
しかし、そのような理想環境は現実にはあり得ない。人間が、他の全ての主体(例えば自分や他人)や目的事物(例えばコンテンツ)に注意を払い判断を下すことは、組み合わせ爆発的に不可能だからである。理想環境以外の状態では、つまり現実世界では、主体が自他の特性を認知処理する限界から、主体同士の交信は限られた範囲に限定されたものとなる。
従って、現実世界では、初期状態(各特性の初期値)において本来的価値(主体が人間の場合なら能力)の高低と影響力の高低が対応しないバイアス(特性バイアス)があるために、あるいはその後の状態遷移において特性の相互依存関係が不完全に作用するために、その後も特性バイアスが生じたり回復されない場合がある。これは、複雑系における初期値敏感という現象に関係があり、理想的均衡ではない均衡、つまり本来的価値と影響力が対応しない局所均衡(あるいは非均衡状態)に陥っていることを意味している。例えば、影響力の高い構成員との交信はより頻繁に行われると考えられるため、当初偶然に影響力が高かった構成員が能力にかかわらず永続的に高い影響力を持ち続けてしまうという問題が生じ得る。また、相互依存関係の結果、興味の同質性の高い部分集団を構成する主体の影響力が増してしまい、それらの構成員が能力にかかわらず永続的に高い影響力を持ち続けてしまうという問題が生じる可能性がある。すると、本来的価値に見合う影響力がない主体が存在する(埋もれた才能)、本来的価値があまり高くないのに影響力を独占する主体が存在する(僭越)、などの現象が生じる。つまり、本来的価値の高い主体が持つべき強い影響力を必ずしも持てないため、交信は各主体(又は主体のオーナー)の満足を最大化できない。そのため、集団・市場などコミニュティ全体で見ると、非常に大きな損失となる。
例えば、芸能人集団における有名スターは影響力の高い構成員であるが、有名スターの子供は、当人の芸能の能力が必ずしも高くなくても、親の有名スターの影響力ゆえに、有名スターになっていることがしばしばある。テレビ視聴者は、その子供への判断が高くなくても、ついついその子供のテレビ番組を見てしまうことが多く、その結果ますますその子供は有名スターになり、その影で能力の高い芸能人が日の目を見ないことも多い。
同様の現象はコンテンツについてもあてはまる。例えば、コンテンツへの価値付与(ランク付け)を行う計算論的方法の代表例としてPage Rank法がある。そこでは、一度高いPage Rankが付いたWEBページは、多くの人が検索結果を参照してそのページにリンクを張るので、たとえ本来的価値がそれほど高くなくても、ますますPage Rankが高くなる。一方で、本来的価値の高い優れたページでも、当初Page Rankが低いと埋もれたままとなってしまう。このようにして、特性バイアスが助長されてしまう。
以上の結果、従来の電子コミュニティシステムやグループウェアを含む現実世界では、主体・目的事物の特性が理想環境においてあるべき値(理想値)にならないことから、電子コミュニティシステムやグループウェアのユーザは必要な情報を必ずしも容易に取得できず、情報の伝達という点で非効率が生じてしまうという問題も発生する。
▲3▼.<情報洪水>
掲示板やメーリングリストに見るように、インターネットを行き来する情報の多くは動的コンテンツ(交信を通じてダイナミックに生成され変更されるコンテンツ、コラボレーティブコンテンツ)である。実際、インターネットを行き来するテキストパケットの大部分はメールであるといわれる。しかし、動的コンテンツの価値を吟味することは、静的コンテンツ以上に困難である。
情報洪水とは、本来的価値の低い情報が洪水のように氾濫して、本来的価値の高い情報が埋没してしまい、本来的価値の高い情報が見つからなくなることを言う。その1つの原因は、情報を発信する人間が多すぎて、情報が過多となることにある。情報洪水の問題は、静的コンテンツにおいて以上に、動的コンテンツにおいて、深刻である。このような情報洪水を回避するためには、人間とコンテンツに関して、適切な特性データが不可欠である。
それに関して、コンテンツへの価値付与(ランク付け)の方法としては、参照数などに応じた単純集計がおこわなれるのが一般である。しかし、これでは評価する主体に評価力があるかないかにかかわり無く、単純な多数決により価値が決定してしまうことになる。これを改善する方法として上述のPage Rank法がある。そのためPage Rank法は、上述の特性バイアスを助長するという問題にも係わらず、利用されている。しかし、Page Rank法は、HTMLのWEBページ(静的コンテンツの一種)には利用できるが、掲示板やメーリングリストなどの動的コンテンツには利用できない。また、人間などへの価値付与(ランク付け)には利用できない。動的コンテンツや人間に関しては、依然として、参照数などに応じた単純集計が使われているのが現状である。同様に、コンテンツで言及される単語や商品などや、コンテンツが代表している意思決定選択肢の価値付けについても、単純集計で決められている。
それ以外にも、主として静的コンテンツに関する適切な特性付与(特性データの用意)のために、オントロジー(語彙体系)を構築していく方法がある。そのような方法の例として、Web技術の標準化活動を行っているWorld Wide Web Consortium(W3C)が提唱する次世代WebのモデルであるSemantic Webがある。これは、XMLを用いることにより,自己記述性(self−describing)を持つタグが定義できるようになり、複雑なデータ構造を記述できるようになったことをふまえ、人間対機械、機械対機械の交信を加速するために、従来のWeb資源をデータあるいは知識として操作するための文法的仕組みを提供するものである。そして、これを用いてトピックやオントロジーを記述しようとする枠組みもいくつか検討されている。しかし、それらの方法では、語彙体系の構築・更新のために、またそれを利用した特性データの用意のために、コストがかかることが問題である。
▲4▼.<コミニュケーション欲求の非充足>
論語や聖書や仏典なども、階層的集団の中での優れた人間同士による対話(つまり交信)から生成されている。これは、「価値の高いコミニュケーション(交信)の蓄積から、価値の高いコンテンツが生成される。そのコンテンツを参照して更に価値の高い交信が行われ、その結果更に価値の高いコンテンツが生成される。」というような、コラボレーティブ(インタラクティブ)なポジティブフィードバックのプロセスである。動的コンテンツに関して、そのようボジティブフィードバックを働かせるには、コンテンツとコミュニュケーションの統合的な制御が必要である。
そのためには、特に、他人の交信に参加したい、他人の交信内容(コンテンツ)を見たい、その蓄積(コンテンツ)をもとに新たな交信に参加したい、自分の意見を言いたい(批評のエンターテイメント性)、無視されたくない、などの人間の基本的な欲求を満たすような制御が必要である。その一方で、動的コンテンツの生成過程において、荒らし(フレーミング)といわれる悪意ある交信により、価値の高い交信が阻害されるという問題があり、対処が必要だった。それらの効率的な制御のためには、交信を行なう人間およびそこで生成される動的コンテンツに関する適切な特性データが必要である。
しかし、そのような制御や特性データのための統合的な方法は存在しなかった。
▲5▼.<利得欲求の未充足>
例えば、知識の交換や推奨による商品の流通促進の例にみられるように、優れた交信の過程とは、価値の高いコンテンツを提供したり新たな価値付与を行うなどの価値創造の過程であり、そのための貢献に対しては適切な対価(インセンティブ)が必要である。そのためには、「知的充足」と「経済的・地位的対価」を有機的に制御する必要がある。また対価設定は、明確な根拠のある妥当なものでなければならない。しかし従来は、それらの制御のための適切な方法が存在しなかった。
また、対価のやり取りを相対取引で行うと、煩雑であり、支払い忌避などによる不公正が生じる。交信相手を限定したり交信内容を特定の相手以外に公開しないことを許す場合は、その分だけ知識の流通が阻害され、社会厚生(社会の利益)を損なうおそれが生じる。通信相手に対して自己の個人情報などの特性データを秘匿して匿名等の状態で交信することを許す場合は、モラルが低下し、やはり社会厚生(社会の利益)を損なうおそれが生じる。しかし従来は、それらの制御のための適切な方法が存在しなかった。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下の枠組みを採用する。すなわち、主体や目的事物について特性(価値を含む)を定義し、それら特性等についての相互依存関係を複数の関係式により記述し、かかる関係式に基づいて特性等を演算する。そして、かかる演算結果を、主体や目的事物の検索、主体間の交信制御、交信等に伴う対価の決定などに利用する。
本発明は、いくつかの特徴的な手段の有機的な組合せにより、上記枠組みを実現する。
すなわち、本発明の情報処理システムは、複数の主体が属するコミュニティを対象とした情報処理システムであって、主体の特性データとして、主体のコミュニティに対する影響力と、他の主体に対する注意とを、少なくとも記憶する特性記憶手段と、主体k以外の一人以上の主体iを選択し、前記選択した主体iの影響力と、前記選択した主体iの主体kに対する注意とに少なくとも基づいて、主体kの影響力を決定する機能を少なくとも備える決定手段と、主体の特性データを少なくとも出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
好適には、前記決定手段は、主体iの主体kに対する主観的評価に少なくとも基づいて、主体iの主体kに対する注意を決定する機能を備える。
また好適には、前記決定手段は、主体iの影響力に基づいて、主体iの主体kに対する主観的評価のうち、主体iの主体kに対する注意を決定する際に利用する主観的評価を選択する機能を備える。
また好適には、前記決定手段は、主観的評価入力時からの経過時間に基づいて、主観的評価を時間減衰させて、主体iの主体kに対する注意を決定する機能を備える。
また好適には、前記特性記憶手段は、主体の特性データとして、主体間の興味近似度合を示す興味一致度を記憶しており、前記決定手段は、主体iの主体kに対する主観的評価と、主体iと主体kとの興味一致度とに少なくとも基づいて、主体iの主体kに対する注意を決定する機能を備える。
また好適には、前記決定手段は、主体ごとに各興味項目に対する興味度合を要素とする興味ベクトルを求め、該興味ベクトルに少なくとも基づいて興味一致度を決定する機能を備える。
また好適には、更に、主体ごとに記憶される興味対象候補情報から動的に新規の興味項目や主体の興味対象を抽出する機能を備える興味制御手段を備える。
また好適には、前記興味制御手段は、各興味項目について、一部又は全部の主体による該興味項目に対する興味度合と、該主体の特性データとに少なくとも基づいて、該興味項目に対する流行指標を決定する機能を備える。
また好適には、前記興味制御手段は、前記流行指標について予め定めた基準値を参照して変動させる機能を備える。
また好適には、前記特性記憶手段は、主体の特性データとして、主体の評価力を記憶しており、前記決定手段は、主体iの主体kに対する注意が、主体kの影響力の決定に寄与した度合いに少なくとも基づいて、主体iの評価力を決定する機能を備える。
また好適には、前記決定手段は、特性データの特異性又は/及び普遍性に基づいて、特性データに変動を加えて決定する機能を備える。
また好適には、更に、目的事物の特性データとして、目的事物の価値を少なくとも記憶する第2特性記憶手段と、主体の特性データに基づいて、該主体に関わる目的事物の価値を決定する第2決定手段とを備え、前記出力手段は、前記目的事物に関連する情報を、前記決定した価値に関連づけて出力する。
また好適には、前記目的事物は、電子掲示板システム又は電子メールシステム等における交信内容、コンテンツ、商品(無体物を含む)、複数の選択肢が有る場合の各選択肢、のいずれかである。
また好適には、前記第2決定手段は、主体の特性データに基づいて主体又は/及び該主体に関わる目的事物の初期価値を決定し、かかる決定時又はそれに準ずるタイミングからの経過時間に基づいて初期価値を時間減衰させて、価値を決定する機能を備える。
また好適には、前記主体は構成員、コンテンツのいずれかである。
また好適には、更に、主体の特性データを参照して主体間の交信の制御を行う交信制御手段と、主体間の交信の内容を含む交信履歴を記憶する履歴記憶手段と、を備える。
また好適には、前記交信制御手段は、主体iの特性データに基づいて、主体iと交信を行うこと、又は/及び主体iによって交信検討がなされること(以下、「交信等を行う」と呼ぶ。)に対する対価(以下、まとめて「交信対価」と呼ぶ。)を決定する機能と、主体iに交信対価が支払われた場合に、又は主体iが交信対価を承諾した場合に、主体iについて交信対価に対応する交信等を可能な状態とする機能とを備える。
また好適には、前記交信制御手段は、主体iが対象pを推奨した場合であって、主体kが前記推奨に基づいて対象pを取得する行為又はこれに準ずる行為を行った場合に、対象pの経済的価値又はこれに準ずる指標に少なくとも基づいて、前記推奨したことに対する対価、又は/及び前記推奨に基づいて行為を行ったことに対する対価(以下、まとめて「推奨対価等」と呼ぶ。)を決定する機能を備える。
また好適には、前記交信制御手段は、主体iの特性データに基づいて、関数値の増分が増えるような非線形逓増関数を利用して、前記対価を決定する機能を備える。
また好適には、前記交信制御手段は、主体iと交信を希望する他の主体からの提示価格に基づいて、主体iの交信対価を決定する機能を備える。
また好適には、前記交信制御手段は、2以上の主体に、交信等を行う権利義務(以下、「交信権利義務」と呼ぶ。)を設定する機能と、交信権利義務の設定された主体から権利行使又は/及び義務履行の指示がある場合に、該主体について、交信等を行うことを可能な状態とする機能とを備える。
また好適には、前記交信制御手段は、主体iの特性データ又は/及び交信履歴に基づいて、主体iに交信権利義務を設定する機能を備える。
また好適には、前記交信制御手段は、主体iの特性データに基づいて、主体iに交信権利義務を設定するための基準を設定する機能と、主体iの前記設定した基準と、主体i以外の主体の特性データとに基づいて、主体iとのあいだに交信権利義務を設定する主体kを選択する機能とを備える。
また好適には、前記交信制御手段は、2以上の主体に、交信等を行う権利を取得すために応札する権利と応札に対処する義務(以下、「応札権利義務」と呼ぶ。)を設定する機能と、応札権利義務の設定された主体からの権利行使又は/及び義務履行の指示がある場合に、該主体について、応札又は応札に対処することを可能な状態とする機能とを備える。
また好適には、前記交信制御手段は、主体iの特性データに基づいて、主体iが属する階層を設定する機能と、2以上の主体に、該主体らが属する階層に基づいて、前記権利義務関係を設定する機能とを備える。
また好適には、前記決定手段は、主体について所定の条件が成立した場合に、ペナルティ的な変動が加わるように、該主体の特性データを決定する機能を備える。
また好適には、前記交信制御手段は、主体について所定の条件が成立した場合に、ペナルティ的な変動が加わるように、該主体の前記対価を決定する機能を備える。
また好適には、前記所定の条件が成立した場合とは、主体が前記義務を履行しないと判断された場合である。
また好適には、前記所定の条件が成立した場合とは、主体iから入力される条件に基づき、主体iとのあいだに前記権利義務関係を設定する他の主体を限定した場合である。
また好適には、前記所定の条件が成立した場合とは、主体iから入力される秘匿指示に基づき、主体iに関する情報のうち一部又は全部を交信相手に秘匿した状態で交信を行う場合である。
本発明の情報処理方法は、複数の主体が属するコミュニティを対象とした情報処理方法であって、主体の特性データとして、主体のコミュニティに対する影響力と、他の主体に対する注意とを、少なくとも記憶する特性記憶工程と、主体k以外の一人以上の主体iを選択し、前記選択した主体iの影響力と、前記選択した主体iの主体kに対する注意とに少なくとも基づいて、主体kの影響力を少なくとも決定する工程と、主体の特性データを少なくとも出力する出力工程と、を備えることを特徴とする。
本発明のプログラムは、本発明の情報処理方法の工程をコンピュータ上で実行させることを特徴とする。本発明のプログラムは、CD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークを介してコンピュータにインストール又はロードすることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施形態である交信制御システムについて、まず、人間(集団の構成員)が主体であり、主として構成員間の交信内容が目的事物である場合を例として、説明する。その際必要により、人間(集団の構成員)が主体であり、交信で言及される商品などが目的事物であり、目的事物の魅力や推奨を制御する場合についても説明する。そして、最後に、コンテンツが主体である場合を例として、説明する。
本交信制御システムでは、図1に示すように、入出力モジュール1、主体特性決定モジュール2、交信モジュール3、主体関連情報データベース41、目的事物関連情報データベース42、交信履歴データベース5、目的事物特性決定モジュール6、推奨制御モジュール7、興味制御モジュール8、興味項目データベース9等を含み、本システムのユーザ(構成員)が使用する端末と通信ネットワークを介して通信可能に構成される。
本システムは、例えば、各種のコンピュータとソフトウェアを利用して実施することができる。また、前記端末は、構成員の所有する各種携帯端末などのコンピュータ及びソフトウェアとして実施でき、本システムの一部として構成してもよい。なお、図では、ユーザとして集団の構成員iと構成員kを例示している。
入出力モジュール1は、インターネット上のサーバーや電話交換機などのコンピュータ及びソフトウェアとして実施することができ、テキスト情報のほか、音声や画像など、種々の形態の情報を入出力可能に構成される。主体特性決定モジュール2、交信モジュール3、目的事物特性決定モジュール6、推奨制御モジュール7、興味制御モジュール8は、インターネット上のサーバーなどのコンピュータ及びソフトウェアとして実施できる。主体関連情報データベース41、目的事物関連情報データベース42、交信履歴データベース5、興味項目データベース9は、データベースエンジンなどのソフトウェアを利用して、サーバーなどのコンピュータ上に実施できる。
入出力モジュール1は、交信情報入出力モジュール11、交信内容入出力モジュール12、関連情報入出力モジュール13を含む(図2(a)参照)。
主体特性決定モジュール2は、影響力決定モジュール21、対人注意決定モジュール22、対人判断決定モジュール23、興味一致度決定モジュール24、能力判定決定モジュール25、評価力決定モジュール26、特性変動モジュール27を含む(図2(b)参照)。
交信モジュール3は、交信選択モジュール31、交信対価決定モジュール32、交信権利義務制御モジュール33、交信基準決定モジュール34、オークション権利義務制御モジュール35、交信階層設定モジュール36を含む(図3(a)参照)。
目的事物特性決定モジュール6は、交信内容が目的事物である場合に機能する交信スコア決定モジュール61、商品などが目的事物である場合に機能する魅力度決定モジュール62を含む(図3(b)参照)。
推奨制御モジュール7は、推奨記録モジュール71、推奨対価決定モジュール72を含む(図3(c)参照)。
主体関連情報データベース41は、構成員の識別情報に対応づけて、該構成員の個人情報(年齢、性別、学歴、年収など)や、影響力、対人注意、対人判断、能力判定、能力指標、興味一致度、評価力などの特性データや、興味ベクトル、興味対象登録ファイル、後述する権利義務の設定情報、対価情報等を記憶している(図4(a)参照)。
目的事物関連情報データベース42は、交信内容(又は商品などの目的事物)の識別情報に対応づけて、交信に関わる構成員の識別情報や、交信スコア(又は魅力度)などの特性データ等を記憶している(図4(b)参照)。
交信履歴データベース5は、交信(又は交信の検討)に関わる構成員の識別情報、交信(又は交信の検討)日時、交信内容、交信内容の識別情報、交信回数、交信スコアなどを関連づけて、交信履歴として記憶している。
なお、上記各データベースは、必ずしも単一のデータベースとして構成されている必要はなく、設計に応じて複数のデータベースを組み合わせたものとして構成してもよい。
1.<入出力モジュール1>
最初に、入出力モジュール1の機能構成について説明する。
1−1<交信情報入出力モジュール>
交信情報入出力モジュール11は、交信の開始、終了や交信相手などの交信に必要な情報の入出力を行う。交信情報入出力モジュール11は、サーバなどのコンピュータ上で、構成員の端末から通信ネットワークを介して各種データを受信し、これを受信バッファに記憶するように構成されたソフトウェアを実行することにより、実施できる。かかる点は、他の入出力モジュールについても同様である。
1−2<交信内容入出力モジュール>(交信スコアと交信内容の検索)
交信内容入出力モジュール12は、交信内容の入出力を行うとともに、交信履歴データベース5の参照、修正あるいはデータ記入を行う。
交信内容入出力モジュール12には、構成員の提示する条件に応じて、交信履歴データベース5に保存された過去の交信内容を検索する機能を付加することができる。
さらにこの場合、例えば交信内容の価値(有用性)を示す交信スコア(後述)や発信者等の影響力(後述)などに基づき、検索結果をソートするようにすることもできる。これにより、交信スコアや影響力などを参照して、必要な情報を効率的にとりだすことができるようになる。
1−3<関連情報入出力モジュール>
関連情報入出力モジュール13は、主体関連情報データベース41や目的事物関連情報データベース42を参照して、交信しあう構成員同士の特性データなどの入出力を行う。
関連情報入出力モジュール13には、個人情報や特性データなどから検索条件(質問文や検索文やキーワード列)によって他の構成員を検索する機能を付加することができる。この場合、影響力などの特性データに基づいて検索結果をソートして出力(表示など)できるように構成することが望ましい。これにより、例えばある分野のいわゆるエキスパート(その分野に専門的に通じた主体である。つまりは影響力、能力指標、評価力などの特性データが高い主体。)やカリスマ(尊敬を受けている主体である。つまりは影響力、能力指標、評価力などの特性データが高い主体。)を見つけて交信する、といったことが可能になる。
2.<主体特性決定モジュール2>
次に、主体特性決定モジュール2の動作について説明する。
2−1<影響力決定モジュール>
影響力決定モジュール21は、主体関連情報データベース41に蓄積された特性データを参照して、例えば数式1のような関係を用いて、影響力を決定する。そして、前記決定した影響力に基づき、主体関連情報データベース41を更新する。
ただし、ここで影響力に付されているkは、集団内のある構成員kの影響力であることを、対人注意に付されているikは、ある構成員iから他の構成員kへの対人注意(注目)であることを意味する。また、影響力等に付されているtや(t+1)は、ある時点tや、時点tの次の時点(t+1)における影響力等であることを表わす。更に、Σi≠kとはk以外のiについての総和であることを意味する。なお、特性に付されたi、k、t、t+1などの意味は、以下同様とする。
数式1の右辺は、Σi≠k(影響力i,t×対人注意ik,t)と最低影響力とを比較した大きい方の値を意味している。最低影響力は、構成員の影響力の最低値を決める定数であり、新規の構成員に影響力の初期値を与える機能も有する。ただし、右辺は単純にΣi≠k(影響力i,t×対人注意ik,t)のみでもよい。その場合は、新規の構成員に影響力の初期値を適宜与えたり、対人注意を決定する際に同様の最低値を用意するなど、の構成としてもよい。
数式1からわかるように、他の構成員によってより強く注意されている(他の構成員から自分に対する対人注意が高い)ほど、自分に対して注意している他の構成員がより強い影響力を持っているほど、影響力が強くなるように構成されている。
なお、数式1において、影響力は正規化されているものとする。正規化の方法としては、例えば全構成員についての平均値が1となるように正規化する方法、平均と標準偏差を用いてかつ最低値が0以上となるように最低値を割り振って正規化する方法、などが考えられるが、これに限られず他の正規化方法を採用してもよい。
2−2<対人注意決定モジュール>
対人注意決定モジュール22は、主体関連情報データベース41に蓄積された特性を参照して、例えば数式2のような関係を用いて、対人注意を決定する。そして、前記決定した対人注意に基づき、主体関連情報データベース41を更新する。
ここで、影響係数、報酬係数は、それぞれ影響、報酬が対人注意に与えるインパクトに関する加重係数である。以後、特性データに乗算される係数は同様に加重係数である。右辺の第1項の影響係数、及び第2項(報酬係数×その他報酬ki)は省略しても良く、その場合、対人注意=影響力k,t×対人判断となる。また、第1項を(影響係数×影響力k,t+対人判断ik)のように和算として構成してもよい。なお、その他報酬kiとしては、後述する交信対価などを用いることができる。
数式2からわかるように、自分がより強い影響力を持っているほど、他の構成員によってより高く判断されている(他の構成員から自分に対する対人判断が高い)ほど、その構成員から自分への対人注意が高くなるように構成されている。
2−3<対人判断決定モジュール、興味一致度決定モジュール>
対人判断決定モジュール23は、主体関連情報データベース41に蓄積された特性を参照して、例えば数式3〜数式4のいずれかに基づき、又はそれらの組合せを用いて、対人判断を決定する。そして、前記決定した退陣判断に基づき、主体関連情報データベース41を更新する。
数式3は、特性データの一つである能力判定に基づいて対人判断を決定する式である。能力判定ikは、後述するように能力判定決定モジュール25により決定される。
数式3は、構成員の興味がほぼ同質な場合に適した式であり、能力判定が高いほど対人判断が高くなるように構成されている。
集団の構成員の興味が分散している場合は、クラスター分析や項目別のディレクトリ分類などを利用して、構成員やコンテンツの興味がほぼ同質となるように、集団やコンテンツを部分集団やジャンルへと分割して、上記の各数式を用いることも出来る。その場合、部分集団別、ジャンル別の影響力などを求めることができる。すなわち、コミニュティを必要により興味などの特性の同質性により、部分コミニュティに分割した場合は、その部分コミニュティにおいてももとの全体コミニュティにおいてと同様に、各種の特性データを求めることができる。
数式4は、特性データの一つである能力判定、興味一致度に基づいて対人判断を決定する式である。興味一致度とは、構成員iと構成員kの興味がどれだけ一致しているか、どれだけ近似しているかを表す指標である。数式4は、集団の構成員の興味が分散しており、かつ集団を分割しない場合に適した式であり、能力判定が高いほど、興味一致度が大きいほど、対人判断が高くなるように構成されている。
なお、数式3〜4では、発信頻度が多いほど対人判断が高くなるように、発信頻度kを加算する構成としているが、発信頻度kを用いずに式を構成してもよく、また発信頻度kを加算するのではなく発信頻度kを積算するなど他の演算を用いて式を構成してもよい(加算等ではなく積算等の演算を用いてもよい点は以下の式においても同様とする)。
以上の数式からわかるように、他の構成員が自分の能力をより高く判断しているほど、他の構成員と自分の興味がより一致しているほど、自分がしばしば発信しているほど、その構成員から自分への対人判断が高くなるように構成されている。
対人判断決定モジュール23が数式4を用いて対人判断を決定する場合、興味一致度決定モジュール24は、主体関連情報データベース41を参照して興味ベクトルを読み出し、例えば以下の数式5〜数式6のいずれかに基づき、興味一致度を決定する。そして、前記決定した興味一致度に基づき、主体関連情報データベース41を更新する。
数式5の興味一致度ikは、興味ベクトルkの興味ベクトルiへの正射影の大きさに相当する。
興味ベクトルkは、構成員kの各興味項目への興味度合をベクトル形式で表現したものである。興味ベクトルは、大きさが1になるように正規化すると、処理に便利である。興味ベクトルを求める方法としては、単純には、構成員に対してアンケートなどを行い、あらかじめデータベースに登録された興味項目について興味の程度を質問し、その興味度合を興味ベクトルの要素とする方法が考えられる。また、対人注意ベクトルを興味ベクトルの一部または全部として利用することもできる。
しかし、興味の表現形式は興味ベクトルに限定されるものではなく、また興味ベクトルを求める方法も上記に限定されない。その他の形式や方法については、興味制御モジュールとあわせて後述する。
したがって、興味一致度も様々な形で求めることができる。例えば、主体が興味を持っている目的事物の情報(単語など)を列挙した興味対象登録ファイルの形で興味が表現されている場合は、2主体の興味対象登録ファイルの単語の一致数に基づいて、興味一致度を決めるような構成にしてもよい。
2−4<能力判定決定モジュール>
能力判定決定モジュール25は、例えば以下の(1)〜(3)のような構成で、構成員からの直接入力やデータベース記録に基づいて能力判定を決定する。そして、前記決定した能力判定に基づき、主体関連情報データベース41を更新する。
(1) 交信を行う構成員が、所定のタイミング(交信する際や、交信の検討をする義務を果たした際など)に、関連情報入出力モジュール13を通じて能力判定を入力できるように構成する。
(2) 直接交信していない第三者構成員が、交信記録内容を参照して、関連情報入出力モジュール13を通じて能力判定を入力できるように構成する。
(3) 対人判断決定モジュール23が、能力判定に関連するパラメータ値(能力判定要素)の1つまたは複数の加重平均に基づき、能力判定を決定する。
上記(3)における能力判定要素としては、構成員が入力する明示的評定、交信履歴に基づき算出される暗示的評定を用いることができる。評定は、例えば、所定範囲の数値や、正負(良否)の判定等によって、表わすことが考えられる。また、評定は、構成員iに直接数値を入力させてもよいし、例えば、構成員iに名義的・順位的な尺度や、定性的な推奨及び非推奨についての記載などを入力させ、かかる入力に基づき求めてもよい。
なお、明示的評定は、交信内容(不誠実な回答への対応、回答できない質問への対応)への評定を含み、暗示的評定より加重平均を求めるための加重係数を高くすることが考えられる。
能力判定ikの決定に利用できる具体的な能力判定要素としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
・交信相手構成員iからの、構成員kの能力に対する評定(明示的評定)
・第三者の構成員iからの、構成員kの能力に対する評定(明示的評定)
・交信相手構成員iからの、構成員kの交信内容に対する評定、またはその蓄積(明示的評定)
・第三者の構成員iからの、構成員kの交信内容記録に対する評定、またはその蓄積(明示的評定)
・構成員iから構成員kへの断続交信率(暗示的評定)
・構成員iから構成員kへの継続交信回数(暗示的評定)
・第三者構成員iからの、構成員kの交信内容記録に対する参照、関連書込みなどの交信、リンク設定などの回数や程度(長さや時間など)(暗示的評定)
・後述するような交信の検討をする義務を果たした際に入力される、構成員iから構成員kへの交信の可否(明示的評定)
なお、評定について完全に構成員の裁量に委ねると、悪意ある評定により全体の特性データの計算に望ましくない影響を与える可能性もある。例えば、影響力の高い構成員が、ライバルの構成員の影響力が高くなることを防ぐために、実際よりも低い評定を与え、価値ある主体同士による一種の「殺し合い」が生じる恐れがある。このような望ましくない影響を排除する方法として、例えば能力判定を決定する際に以下のようなルールを採用して、評定を選択して利用することが考えられる。
<能力判定決定ルール>
・能力判定決定モジュール25は、影響力の高い構成員に対しては、ある基準値以上の評定のみを許す。
・能力判定決定モジュール25は、影響力の高い構成員に対しては、ある基準値以下の評定の回数を制限する。
・能力判定決定モジュール25は、影響力の高い構成員に対しては、ある基準値以下の評定を特性データの計算に利用しない。
・能力判定決定モジュール25は、影響力が高くない構成員はある基準値以下の評定を認めるが、そのような評定をした構成員がある一定数以上にならないとその基準値以下の評定を特性データの計算に利用しない。
ここで、交信相手からの評定に基づき能力判定を決定する場合、交信したことがない(交信履歴がない)構成員間では能力判定を決定することができない。そこで、交信履歴がない構成員間では、例えば以下のようにして能力判定を決定する。
能力判定決定モジュール25は、構成員kの能力の指標である能力指標kを、構成員kと交信履歴を持つ構成員iの構成員kに対する能力判定ikを用いて、例えば数式7〜数式8のいずれかに基づいて求める。そして、前記決定した能力指標に基づき、主体関連情報データベース41を更新する。
上記各式はそれぞれ、構成員kと交信履歴を持つ一部または全部の構成員iの能力判定ikの平均値、または構成員kと交信履歴を持つ一部または全部の構成員iの能力判定ikの影響力iによる加重平均を、能力指標kとしていることを意味している。加重平均のための加重係数は、評価力など他の特性データを用いてもよい。
能力判定決定モジュール25は、かかる能力指標kを利用して、例えば数式9に基づいて、構成員kと交信履歴を持たない構成員jの能力判定jkを決定する。
なお、上記のように求めた能力判定jkは、実際には構成員が能力判定していないにもかかわらず能力判定を推定しているので、必要により推定能力判定jkと呼ぶこともできる。また、この推定能力判定jkと前述の式などを利用して、対人注意決定モジュール22と対人判断決定モジュール23は、構成員kと交信履歴を持たない構成員jの対人判断jkと対人注意jkを決定する。これらも、必要により推定対人判断jk、推定対人注意jkと呼ぶことができる。それらは、例えば以下の数式のように求めることもできる。
以上の数式は、前述の対人判断や対人注意の決定のための数式をもっとも単純な形で利用した例である。なお、以下では、特に断りがない限り、対人判断、対人判断、対人注意には、それぞれ推定対人判断、推定対人判断、推定対人注意も含めて考えることとする。
2−5<評価力決定モジュール>
評価力決定モジュール26は、影響力などの特性データが高い構成員に対して従来から高い対人判断を与えている構成員について、その評価力が高くなるように、例えば数式10に基づいて各構成員の評価力を決定する。そして、前記決定した評価力に基づき、主体関連情報データベース41を更新する。
評価力の利用方法としては、例えば、後述する交信対価決定モジュール32において対価を決定する際に、評価力に応じて対価を増減させるといった利用方法が考えられる。この場合、構成員が自らの評価力を高くするために、能力が高いにもかかわらずまだ注目されておらず影響力が高くない構成員に対して、積極的に評定を行うことを促すことができ、結果として、能力が高いにもかかわらず注目されていない構成員の発掘(局所均衡からの脱出)を促すことができる。また、構成員の他の構成員に対する能力判定(特に明示的評定)にかかわる労力を補償することができる。
数式10は、ある構成員iが、他の構成員の現在の影響力に関して、今までに与えた対人判断と、他の構成員が与えた対人判断との比率の和を与えている。この場合、評価力i,tは、構成員iの構成員kに対する注意が、構成員kの影響力の決定に寄与した度合いを示すことになる。したがって、ここでの能力判定は推定能力判定ではなく、実際に交信があった構成員間での能力判定である。また、ここで影響力kは能力指標kなどの他の特性データでもよい。
評価が特定の構成員に片寄っていないことを示すために、例えば数式10−2のような中立係数を求め、その逆数を数式10の右辺に乗じたり、その−1倍で自然底数をべき乗した値を数式10の右辺に乗じたりして、評価力を求めるような構成としてもよい。
能力の高い構成員の影響力が相互に高まっていくことは自然なことであるが、能力の低い構成員が結託して互いに良い能力判定を行うことで、作為的に評価力や影響力の相互上昇を図り、実体以上の特性データを得る恐れもある。そこで、構成員間の縁故性を排除するために、例えば数式11のように縁故排除係数を求め、その逆数を数式10の右辺に乗じたり、その−1倍で自然底数をべき乗した値を数式10の右辺に乗じたりして、評価力を求めるような構成としてもよい。これにより、結託による望ましくない状況を防ぐことができる。
以上の数式からわかるように、現在特性データの高い構成員を以前から高く能力判定していたほど、能力判定において明示的評定している(アカウンタビリティがある)ほど、評価が特定の構成員に片寄っていない(中立・公平である)ほど、当該構成員との交信量が比較的少ない(縁故性が排除されている)ほど、評価力が高くなるように構成されている。
2−6<特性変動モジュール>
一般に、相互依存関係の結果、興味の同質性の高い部分集団を構成する主体の影響力が増してしまい、それらの構成員が能力にかかわらず永続的に高い影響力を持ち続けてしまうという問題(特性バイアス)が生じ、コミニュティにおける主体の多様性が失われてしまう恐れがある。また、その結果、多様な目的事物への注意が消散したり、特定の目的事物への興味が過剰になり、コミニュティにおける興味の多様性が失われる可能性がある。
一方、数式1等に基づき、各人の影響力を並べた影響力ベクトルを対人注意行列、交信頻度行列、対人判断行列などの固有値ベクトルとして求めることもできるが、その場合も、特性バイアスが助長されるという問題がある。
そこで、本実施形態では、特性バイアスの問題を回避するための一つの方法として、以下に説明するように、特性変動モジュール27によって特性データを変動させる構成を採用している。ここで用いる通常度は、特性データの特異性又は/及び普遍性を表し、一種の流行指標でもある。
特性変動モジュール27は、影響力決定モジュール21が決定した影響力や、対人注意決定モジュール22が決定した対人注意などの特性データに対して、例えば図5〜図8に示す特性変動処理のいずれかに従って、ある構成員の特性データとその他の構成員の全部又は一部の特性データとの比較から得られた基準を参照した計算を行い、変動を加える。
各処理フローでは、影響力の比較に基づき変動を加えているが、他の特性データの比較に基づき変動を加える構成としてもよい。また、抑制係数や促進係数を乗ずる代わりに、何らかの係数を減算または加算する構成としてもよい。すなわち、乗除算係数を用いるか加減算係数を用いるかは設計に応じて定めればよく、かかる点は本願の他の処理フローにおいても同様である。なお、特性データが既に正規化がされている場合は、各処理において正規化を行うステップを省略することができる。
(特性変動処理1:図5)
(ステップS501)全構成員の影響力の正規化を行なう。
(ステップS502)影響力が抑制基準値を超えず促進基準値を超える構成員の影響力に1以上の促進係数を乗ずる。これは現実における構成員に関する流行促進という現象に相当する。
(ステップS503)影響力が抑制基準値を超える構成員の影響力に0以上1以下の抑制係数を乗ずる。これは現実における構成員に関する流行減衰という現象に相当する。
(特性変動処理2:図6)
(ステップS601)全構成員の影響力の正規化を行なう。
(ステップS602)影響力が抑制基準値を超えず促進基準値を超える構成員kに対する他の構成員iの対人注意ikに1以上の促進係数を乗ずる。これは現実における構成員に関する流行促進という現象に相当する。
(ステップS603)影響力が抑制基準値を超える構成員kに対する他の構成員iの対人注意ikに0以上1以下の抑制係数を乗ずる。これは現実における構成員に関する流行減衰という現象に相当する。
(特性変動処理3:図7)
(ステップS701)全構成員の影響力の正規化を行なう。
(ステップS702)構成員が集団内部でどれほど通常の存在であるかを示す主体通常度を求める。構成員kの主体通常度は、例えば、数式12〜数式14のいずれかに基づいて求めることができる。
(ステップS703)主体通常度が抑制基準値を超えず促進基準値を超える構成員の影響力に1以上の促進係数を乗ずる。これは現実における構成員に関する流行促進という現象に相当する。
(ステップS704)主体通常度が抑制基準値を超える構成員の影響力に0以上1以下の抑制係数を乗ずる。これは現実における構成員に関する流行減衰という現象に相当する。
数式14を用いることによって、構成員どうしが結託して単純な相互注意により影響力を高めあうといった、望ましくない状況を防ぐことができる。
(特性変動処理4:図8)
(ステップS801)全構成員の影響力の正規化を行なう。
(ステップS802)構成員が集団内部でどれほど通常の存在であるかを示す主体通常度を求める。構成員kの主体通常度は、例えば、数式12〜数式14のように求めることができる。
(ステップS803)主体通常度が抑制基準値を超えず促進基準値を超える構成員kに対する他の構成員iの対人注意ikに1以上の促進係数を乗ずる。これは現実における構成員に関する流行促進という現象に相当する。
(ステップS804)主体通常度が抑制基準値を超える構成員kに対する他の構成員iの対人注意ikに0以上1以下の抑制係数を乗ずる。これは現実における構成員に関する流行減衰という現象に相当する。
このように特性変動モジュール27によって特性を変動させることで集団内部の多様性を確保し、また特性バイアスを回避することができる。
なお、特性変動モジュール27の実現方法は、上記の処理フロー及び数式に限定されるものではなく、影響力、主体通常度、興味一致度、対人注意などからなる連立差分方程式や連立微分方程式として実現することもできる。以下の数式15〜数式17は差分方程式により実現したその一例である。
特性変動処理3に相当する方程式の一例
特性変動処理3に相当する方程式の一例
特性変動処理4に相当する方程式の一例
ただし、ここでf(x)は、xが促進基準値以下ではゼロとなり、促進基準値以上でかつ抑制基準値以下の場合はプラスとなり、xが抑制基準値以上となるとマイナスとなるような任意の関数とする。また、このようにf(x)を加算する項の加重値として利用する以外にも利用できる。例えば、f(x)を、xが促進基準値以下では1となり、促進基準値以上でかつ抑制基準値以下の場合は1以上となり、xが抑制基準値以上となるとゼロ以上1以下となるような任意の関数として、直接的な加重係数として利用してもよい。また、主体通常度の計算方法は上記に限定されず、他の方法を用いることもできる。
以上の処理や数式からわかるように、当該主体への他の主体の注意が高いほど、また当該主体に注意する他の主体の特性データが高いほど、主体通常度が高くなるように主体通常度を求め、主体通常度の値に応じて特性データが促進されたり抑制されたりするように構成されている。
3.<目的事物特性決定モジュール6>
次に、目的事物特性決定モジュール6の動作について説明する。
3−1<交信スコア決定モジュール>
交信スコア決定モジュール61は、主体関連情報データベース41を参照し、例えば以下の数式18に基づいて、交信内容の価値(交信スコア)を決定する。そして、前記決定した交信スコアに基づき、目的事物関連情報データベース42を更新する。
参照スコアcは、その交信内容cがどれだけ参照されたかを示すスコアである。影響力kは、発信時点または参照時点における発信者kの影響力である。数式18から分かるように、当該交信内容への参照数が多いほど、参照を行った構成員の影響力が高いほど、交信スコアが高くなるように構成されている。影響力の代わりに、影響力以外の特性データを利用してもよい。また、交信スコアを求める交信内容cは、個別のコンテンツのみならず、同一テーマのコンテンツ(具体的にはメーリングリストにおけるタイトルが同じコンテンツ郡や掲示板のスレッドなど)全体であってもよい。簡略のため、同一テーマのコンテンツ全体の交信スコアは、それを構成する個別のコンテンツの合計や平均でもよい。
ここで、構成員が交信内容を検索した場合は、数式18の右辺に検索一致度を乗じ、検索を行なった構成員と交信内容との交信適合度として交信スコアを求める構成としてもよい。検索一致度は、検索対象(交信内容や構成員など、ここでは交信内容)と検索条件(質問文や検索文やキーワード列)との一致度を示すパラメータである。
数式19と数式20は、それぞれ参照スコアと検索一致度の計算方法の一例である。数式20においてはNgram法とtf×ifd法を利用しているが、検索語の検索使用頻度を乗ずるなど検索使用頻度による検索語の重要度を加味してもよい。
コメント係数とリンク係数は、それぞれゼロ以上の任意の加重係数である。
3−2<魅力度決定モジュール>
魅力度決定モジュール62は、主体関連情報データベース41を参照し、例えば数式21〜数式25のいずれか、又はそれらの組み合わせを用いて、所定の対象(商品、店舗、企業、人物、コンテンツなどの各種目的事物;以下、これらをまとめて「対象p」と呼ぶ。)の魅力度pを決定する。そして、前記決定した魅力度に基づき、目的事物関連情報データベース42を更新する。
なお、数式22〜数式25において、評定piは、構成員iによる対象pに対する評定である。かかる評定piは、能力判定要素のような方法で求めるようにしてもよい。また、各式の右辺に任意の正の加重係数を乗じてもよい。
ただし、経済指標pikについては、推奨制御モジュールの説明時に後述する。またqは何らかの分類においてpと同一分類とされる対象全てである。
数式23〜24において、影響力や能力指標の代わりに、例えば評価力などの特性データを用いてもよい。
上記のようにして決定された魅力度は、交信内容入出力モジュール12によって、同一分類の対象ごとに比較した形式で出力したり、一覧を表示したりするように構成することができる。また、対象についての推奨及び非推奨を出力したりする際に、対象の一般的紹介や推奨の表示順序などに魅力度を利用することも考えられる。
4.<興味制御モジュール8>
▲1▼.<ダイナミックな興味対象の把握>
上述したように、構成員の興味ベクトルや興味対象登録ファイルを求める方法としては、例えばアンケート等を用いる方法が考えられる。
しかし、そのような方法では、興味対象が事前にデータベースにアンケート項目として登録された内容に限定されるため、社会や流行の変化などをダイナミックに反映することは不可能である。また、自分の興味が変化してもそれをきちんと登録しなおすことはまれなので、陳腐化して実情に合わなくなる。そのため、各人に適した情報や商品を推薦するといういわゆるレコメンデーションエンジンにおいても、過去に登録した興味対象に基づいてレコメンデーションされる、また興味項目の粒度が適切でないなどの理由から、自分の真の興味に沿っていないという問題があった。
ここで、興味項目とは、いずれかの主体が興味を持ちうる(注目しうる)目的事物の情報(単語など)であり、興味ベクトルの要素となる。興味対象とは、その主体が興味を持っている(注目している)興味項目であり、興味度合い(注目度合い)がある閾値以上の興味項目である。例えば、「人間Aは犬に興味がある」という場合、犬は人間Aの興味対象の1つである。
また、主体の興味は、興味ベクトルとして表現することができるほか、その主体が興味を持っている項目(目的事物)を列挙したファイルの形や、予め用意された項目のリストに興味のある項目についてチェックをつけたレコードやファイル(チェックリスト)などの形の興味対象登録ファイルとして、あるいはプロファイルテキスト(自由文で主体の興味や特徴を記載したもの)としてなど、様々な形で用意することもできる。
そこで、本実施形態では、興味対象のダイナミック性を確保すべく、例えば図9に示す興味対象の抽出処理に従って、興味制御モジュール8によって動的に興味項目や興味対象を抽出するように構成している。
(興味対象の抽出処理:図9)
(ステップS901)個々の構成員について、興味対象候補を単語形式で集めた興味対象登録ファイルを、主体関連情報データベース41に登録する。興味対象登録ファイルの作成方法としては、例えば、以下のような2つの作成方法が考えられる。なお、これら2方法を併用することもできる。この登録作業は、一定期間を置いて繰り返し行われる。
(興味対象登録ファイル作成方法1)
個々の構成員について、その時点での興味対象候補を単語形式で分かち書きしたファイルを登録させ、興味対象登録ファイルとする。ここで単語は、まったく任意に登録させてもよく、また事前のリストから選択させそのリストにない場合のみ自由記述させるようにしてもよい。
(興味対象登録ファイル作成方法2)
構成員のプロファイルテキスト(自由文で主体の興味や特徴を記載したもの)や、構成員が作成または参照などの交信をしたコンテンツなどから、興味対象候補となる単語を抜き出して、興味対象登録ファイルを作成する。ここで単語は、事前に用意された辞書を用いて抜き出してもよく、またNgram法などを用いてコンテンツから任意の長さの連続した文字として抜き出してもよい。後者の場合、興味対象候補として、流行語のような従来辞書になかった新しい単語もダイナミックに抽出することができるが、助詞等の無意味な語も多く抽出される。これを回避する方法はいくつかある。例えば、ワードマッチングにより無意味な単語を排除する方法がある。また、抜き出した興味対象候補の出現頻度を求め、興味対象候補の出現頻度が閾値以上となる興味対象候補を、その出現頻度とともに興味対象登録ファイルに登録してもよい。後者の場合、tf×idf法(Term Frequency×Inverted Document Frequency法)のような方法により、抜き出した興味対象候補の出現頻度を、その興味対象候補を含むコンテンツの出現頻度の逆数など(興味対象候補を含むコンテンツの出現頻度が高いほど小さくなる加重係数)によって加重し、その加重値を興味対象候補の出現頻度としてもよい。また、プロファイルテキスト、作成したコンテンツ、参照したコンテンツの順で構成員が積極的に関与している程度を勘案して、その順で高い加重係数を用いてそれぞれでの出現頻度の加重平均を求め、その加重平均を出現頻度としてもよい。
(ステップS902)全構成員の興味対象登録ファイルを参照して、興味対象登録ファイルに存在し得る全ての興味対象候補を、興味項目データベース9に集積する。この集積作業も、一定期間を置いて繰り返し行われるので、その時点で存在しうる最新のかつ全ての興味対象候補をダイナミックに加えることができる。なお、興味項目データベースは主体関連情報データベース41の一部として構成してもよい。
(ステップS903)興味項目データベース9に存在する全部または一部の興味項目について、例えば、行を興味項目、列を構成員とした出現頻度行列を作成する。出願頻度行列の要素値は、以下のいずれかの方法により決定することができる。
(出現頻度行列の要素決定方法1)
各構成員の興味対象登録ファイルでの各興味項目の出現有無に基づき、出現頻度行列の要素を決定する。例えば、興味項目pが構成員qの興味対象登録ファイルに登録されている場合、(p、q)=1(出現有)、登録されていない場合、(p、q)=0(出現無)を割りあてる。その際、出現頻度行列の要素を、興味項目を含む興味対象登録ファイルの出現頻度の逆数など(興味項目を含む興味対象登録ファイルの出現頻度が高いほど小さくなる加重係数)によって、加重してもよい。
(出現頻度行列の要素決定方法2)
興味対象登録ファイルに出現頻度も登録されている場合は、その値を該当する興味項目について利用して、出現頻度行列の要素を決定する。
なお、興味対象登録ファイル作成方法1及び2を併用した場合は、各方法で作成した興味対象登録ファイルごとに出現頻度行列を求め、これらの加重平均を最終的な出現頻度行列として用いればよい。この場合、興味対象登録ファイル作成方法1では構成員が積極的に興味対象を指定している点を勘案し、興味対象登録ファイル作成方法1に基づく出現頻度行列の加重係数を大きくすることが考えられる。
(ステップS904)出現頻度行列の行ベクトルの大きさが閾値以上となる興味対象候補を興味対象として抽出する。
なお、各構成員の興味ベクトルは、かかる出現頻度行列の列ベクトルを利用して(大きさ1に正規化するなどして)求めることができる。また、興味一致度はその列ベクトル同士の内積などとして求めることができる。
興味ベクトルの決定に関しては、tf×idf法や、類義語辞書や、コンテンツの集積における興味項目(単語)の共起確率行列などを用いた補正計算を行ってもよい。共起確率行列を用いる際は、例えば、ある興味項目eと興味項目fの共起確率が確率efであり、興味ベクトルにおいて補正前の興味項目eの興味程度が1で興味項目fの興味程度が0の場合は、興味項目eの興味程度が1で興味項目fの興味程度が1×確率efとするなどの補正を行う。
▲2▼.<音声ファイルを用いた興味対象登録ファイル>
また、上記に説明した興味対象登録ファイルの作成はテキスト形式のコンテンツを対象に限定されるものではなく、また興味対象登録ファイルの作成方法もテキスト形式に限定されるものでもない。音声ファイルを対象に音声認識を利用することで、必要な単語を抜き出したり、抜き出した候補からユーザ(コンテンツの利用者や権利者)に選択させることで興味対象登録ファイルを作成することができる。さらには、興味対象登録ファイルの作成についても、ユーザからの音声入力に対して音声認識を利用することができる。
▲3▼.<興味項目通常度を用いた流行発見>
興味制御モジュール8は、出現頻度行列を用いることで、各興味項目jの通常度(以下、興味項目通常度jと呼ぶ)を、例えば数式26のように決定することができる。なお、影響力は評価力や能力指標など他の特性データでもよい(以下便宜上、影響力に一本化して記述する)。
先に説明したように、興味ベクトルhの要素jとは、構成員hが興味項目jにどの程度の興味を抱いているかを表しているため、上記のようにして求めた興味項目通常度は、興味項目の流行を表す指標(流行指標)であると考えることができる。
このように、本発明では、影響力などの特性データに基づき流行指標たる興味項目通常度を求めているため、従来の単純な集計によって流行指標を求める方法に比べて、構成員の識別眼を反映させて流行指標を求めることができる。また、興味対象登録ファイル作成方法2により流行語のような従来辞書になかった新しい単語をダイナミックに抽出した際も、単純な新語抽出による価値の低い単語の洪水に陥ることなく、価値の高い新語・流行語を抽出することができる。その際、最新の辞書を処理のために用意する必要がないため、特定の国語に依存せず、いかなる国語による交信や動的コンテンツにも適用可能である。なお、興味項目通常度は、それ自体が有用な指標として、興味項目といっしょに関連情報入出力モジュール13から表示するように構成してもよい。
▲4▼.<興味項目通常度を用いた流行制御>
更に、図10や図11に示す処理フローに従って興味項目通常度を直接制御して、興味項目に関する流行促進や流行抑制を行うこともできる。
(興味項目通常度制御処理1:図10)
(ステップS1001)全興味項目の興味項目通常度の平均と標準偏差を求める。
(ステップS1002)上記を利用して各興味項目の興味項目通常度を正規化する。
(ステップS1003)興味項目通常度が抑制基準値を超えず促進基準値を超える興味項目について、その興味項目通常度に1以上の促進係数を乗ずる。これは現実における興味項目に関する流行促進という現象に相当する。
(ステップS1004)興味項目通常度が抑制基準値を超える興味項目について、その興味項目通常度に0以上1以下の抑制係数を乗ずる。これは現実における興味項目に関する流行減衰という現象に相当する。
(興味項目通常度制御処理2:図11)
(ステップS1101)全興味項目の興味項目通常度の平均と標準偏差を求める。
(ステップS1102)上記を利用して各興味項目の興味項目通常度を正規化する。
(ステップS1103)興味項目jの興味項目通常度が抑制基準値を超えず促進基準値を超える場合、興味項目jに対する全ての構成員iの興味度合(全主体の興味ベクトルの要素j)に1以上の促進係数を乗ずる。これは現実における興味項目に関する流行促進という現象に相当する。
(ステップS1104)興味項目jの興味項目通常度が抑制基準値を超える場合、興味項目jに対する全ての構成員iの興味度合(全主体の興味ベクトルの要素j)に0以上1以下の抑制係数を乗ずる。これは現実における興味項目に関する流行減衰という現象に相当する。
興味項目通常度制御処理の実現方法は、上記の処理フロー及び数式に限定されるものではなく、影響力、主体通常度、興味一致度、対人注意などからなる連立差分方程式や連立微分方程式として実現することもできる。以下の数式27、数式28は差分方程式により実現したその一例である。
(興味項目通常度制御処理1に相当する方程式の一例)
(興味項目通常度制御処理2に相当する方程式の一例)
ただし、ここでf(x)については、主体通常度の説明で述べたと同様である。また、興味項目通常度の計算方法は上記に限定されず、他の方法を用いることもできる。
以上の処理や数式からわかるように、興味項目への主体の興味が高いほど、興味を持つ主体の特性データが高いほど、興味項目通常度が高くなるように興味項目通常度を求め、興味項目通常度の値に応じてそれが促進されたり抑制されたりするように構成されている。
このように興味項目通常度を変動させ興味項目への流行を制御することで、多様な対象へ注意が消散したり、特定の対象へ注意が過剰となることを防ぎ、集団における興味対象の適度な多様性を確保することができる。また、前述のようなコミニュティにおける主体の多様性が失われてしまう恐れも回避できる。
▲5▼.<興味項目通常度の特性変動への利用>
更に、例えば数式29のように興味項目通常度を反映させて興味一致度を計算し、かかる興味一致度を用いて特性変動処理3や4を構成することで、構成員の特性変動の操作に興味項目通常度jを反映させることもできる。この場合、興味項目通常度は、影響力と相互に影響しあうので、流行促進や流行抑制の原因ともなり結果ともなる。
5.<時間減衰>
主体特性決定モジュール2や目的事物特性決定モジュール6は、影響力や交信スコアなどの各種特性データについて、時間減衰させるように構成することができる。このように構成した場合、コミニュティにおいて永続するだけの価値の低い主体(例えば構成員)や対象(例えば交信内容)については、時間経過とともに価値(例えば影響力や交信スコア)が減衰していく一方、永続するに値するだけの価値の高い主体や対象については、影響力や価値が新たな注意により維持されることになる。そのため、古くから発信を行っている構成員や古い交信内容などが、過去の交信や参照によって現時点での実体以上に影響力や価値が認められてしまうという問題を回避することができる。そして、一時的な価値は淘汰され永続的価値のある主体や目的事物が明らかになり、またコミニュティの新旧交代を促し多様性を維持することができ、また局所均衡からの脱却にもつながることができる。
例えば、交信スコアについての時間減衰を行う場合、交信スコア決定モジュール61について、数式18に基づいて交信スコア初期値を求め、数式30に基づいて交信スコアを決定するように構成することが考えられる。
通常は、交信スコア減衰係数は任意のマイナスの定数である。経過時間としては、交信スコアの決定時、又はそれに準ずるタイミング等からの経過時間を用いることができる。例えば、交信スコアの対象である交信内容の交信(以下、当該交信)以降に経過した物理的時間のほかに、当該交信以降に発生した交信数や、当該交信内容のテーマ(具体的にはメーリングリストのタイトルや掲示板のスレッドなど)について当該交信以降に発生した交信数などとしてもよい。後者の場合、当該交信がそのテーマを効果的に喚起すれば、当該交信以降に発生した交信数は増えることになるので、交信スコア減衰係数をよりゼロに近づけたりプラスにしてもよく、また物理的時間と交信数をそれぞれ正と負の加重係数で加重した加重和(ただしゼロ以上となるよう調整する)を求めその加重値を経過時間としてもよい。
このように交信スコアを時間減衰させる場合、交信内容が永続的価値を持つかどうかは、新たな参照などが継続的に発生するかで決まることになる。また、影響力を時間減衰させる場合、永続的に高い影響力を維持できるかどうかは、永続的価値を持つ交信内容を発信できるか、又は一時的な価値を持つ交信内容を継続的に発信し続けることができるかで決まることになる。
また例えば、対人判断についての時間減衰を行う場合、対人判断決定モジュール23について、能力判定要素の履歴を用いて能力判定を求める際に、時間で減衰する係数を各時刻の能力判定要素に乗算し、最近に決定された能力判定要素ほど重みを高くして(すなわち、主観的評価入力時からの経過時間に基づいて時間減衰させて)、能力判定を決定するように構成することが考えられる。このように構成した場合、古い能力判定要素の効果は減衰していき、能力判定の現在の実態をよりよく反映することができる。例えば、ある構成員iが他の構成員kについて以前には明示的評定で低い能力判定をしておきながら、その後頻繁に交信をし継続交信率という暗示的評定では高い評定をしている場合、前述のような構成により、「はじめは能力が低いと思ったが、その後だんだん評価が高まった」という実態をよりよく反映することができる。また、このように構成した場合、結果として、能力判定の作成の根拠とする履歴データの長さを節約することもできる。
ここで、時間減衰を主体と対象(コンテンツ)について分けることで、両者の永続的価値を明確に区分して管理することができる。例えば、使い捨てカイロは暖を取るためのであるが、夏でも一定数が売れるという。それは、リウマチの患者が痛みを緩和するよう患部を暖めるために使い捨てカイロを利用するからである。この例のように、当初企業が予想もしていないような有用な効用を、消費者(上記例では、看護婦または患者等)の側から消費者の物語・情報として創出し、永続的価値の高いコンテンツとして発信してくれる場合がある。しかし、永続的価値があるコンテンツが発信された場合でも、それを発信した消費者がカリスマとして永続的に高い影響力を持つに値する高い能力の持ち主であるとは限らない。現実社会では、一時的に「カリスマ」と騒がれても、その後消えていく人もいる。すなわち、現実社会では、コンテンツの価値の永続性と構成員の影響力の永続性は必ずしもリンクしていないといえる。本発明では、交信内容についても影響力及び参照スコアを反映した交信スコアを計算し、それに基づき検索することができるような構成となっている。かかる構成のもとでは、交信スコアの高い交信内容はより多く参照され、結果として、交信スコアが高い状態で永続的に維持される。一方、交信スコアの高い交信内容を発信した構成員の影響力は、その発信した交信内容が永続性な価値を確立した場合でも、当人が他にさしたる交信内容を発信しなければ、永続性を確立できるとは必ずしも限らない。すなわち、両者の価値は明確に区分して制御されているといえる。なお、交信スコアの高い交信内容を発信した構成員は、永続的な影響力を確立できるとは限らないが、その交信内容が永続的価値を持ちつづける限り、そこから推奨対価(後述)などの対価を受けることは可能である。
なお、特性変動処理や対人判断についての時間減衰により、影響力は結果として時間減衰していることになるが、必要により影響力を直接的に減衰させる構成とすることもできる。
6.<交信モジュール3>
次に、交信モジュール3の動作について説明する。
6−1<交信選択モジュール>
交信選択モジュール31は、集団内の構成員iに対して、該構成員iと交信を希望するかまたはシステムが交信を検討される権利を設定するかした他の構成員kの特性データや、当該交信行為に対して該構成員kから応札された対価や、当該交信行為に対してシステムが決定した対価などを、交信情報入出力モジュール11を通じて出力する。そして、該構成員iより、「構成員kとの交信」や「構成員kとの交信の検討」を受け入れるか否かについて、交信情報入出力モジュール11を通じて受け付ける。ここで、「交信の検討」とは、「自分と交信を望む構成員との交信の可否や形式を検討すること」である。交信選択モジュール31は、例えば、交信を希望する構成員からのメッセージやメッセージへのリンク一覧を出力するように構成してもよい。
交信選択モジュール31は、構成員iが構成員kからの交信を受け入れた場合、構成員iと構成員kの交信を開始させる。また、構成員iが、構成員kからの交信の検討を受け入れた場合、必要に応じて構成員kに関する情報を通知し、交信の検討をサポートする。
6−2<交信対価決定モジュール>
本実施形態では、交信や交信の検討について、上述のように構成員の裁量に基づき決定する構成のほかに、構成員同士に権利及び義務を規定して、かかる権利義務に基づいて交信の是非を決定する構成とすることもできる。この場合、それら権利や義務に関する対価についても決定し、かかる対価に基づき交信を制御するように構成してもよい。例えば、構成員iに交信対価が支払われた場合に、又は構成員iが交信対価を承諾した場合などに、構成員iについて交信対価に対応する交信等を可能な状態とすることが考えられる。以下、かかる構成について説明する。
交信対価決定モジュール32は、交信対価(集団内のある構成員iから構成員kに交信する権利の対価である交信対価ik、および交信する義務の対価)を、主体関連情報データベース41のいずれかの特性を参照して、例えば数式31〜数式35のいずれかを用いて、又はそれらの組合せを用いて決定する。以下の数式を用いる場合は、構成員iから構成員kに交信する権利の対価として交信対価ikが支払われ、構成員kは交信する義務の対価として交信対価ikを受け取る。なお、後述するような構成員の資産(未配賦または未使用の対価の累計)を求め、各式に(資産i/資産k)の項を加算または乗算してもよい。
基準交信対価とは、交信対価を計算するための基準となる加重係数である。基準交信対価(及び後述する基準推奨対価や基準購入対価などの各種基準対価)は、全構成員について一律でもよいし、後述する交信権利義務制御モジュール33による変動などにより各構成員ごとに異なる値としてもよい。数式31〜数式35は、一律の場合の例である。例えば、構成員の一部または全部が交信制御手数料を支払っている場合はその平均などを、また広告主などの第三者の支払う交信制御手数料がある場合もその平均などを、一律の基準対価に用いてもよい。
各式において、各特性データは、その偏差値や後述する基準iとの差分に置き変えることもできる。基準iとの差分に置きかえる場合、例えば数式31は数式36のように変更でき、数式24〜数式27についても同様に変更できる。
各式における(影響力i/影響力k)などの除算による項は、分子が大きいほど、分母が小さいほど、項の値が大きくなることを意図したものである。従って、除算に代えて、(影響力i−影響力k)のような減算による項として式を構成してもよい。
以上の処理や数式からわかるように、交信を希望された主体の特性データが高い(望ましいものである)ほど、交信を希望した主体の特性データが低い(望ましいものでない)ほど、対価が高くなるように構成されている。そのような特性データは上述の式のように影響力に限定されるものではなく、例えば評価力など他の特性データを用いて対価を計算するようにしてもよい。このように、対価を特性データの関数とすることで、対価に合理性を与えるとともに、特性データを高めよう(改善しよう)とする動機付けを与えることができる。
交信対価決定モジュール32は、同様の手順により、交信の検討をしてもらうことへの対価、即ち自己が交信を望む相手から自己との交信の可否や形式を検討してもらう権利の対価を、またその逆の検討する義務の対価を、決定することができる。
更に、交信対価決定モジュール32は、交信情報入出力モジュール11を通じて入力された交信を望む構成員からの提示価格に基づき、いわゆるオークション形式で交信対価を決定することもできる。なお、オークション形式で決定するに際しては、後述するように、オークション権利義務設定モジュール35によって、権利義務関係を設定することが可能である。
本発明は、後述するように電子商取引やマーケティングといった経済的行為にも拡張できるが、例えばマーケティングに利用する場合であれば、交信対価決定モジュール32によって、例えば企業が優れた消費者への交信(ヒヤリング)を希望する場合の交信対価を設定することができる。
6−3<交信権利義務制御モジュール、交信基準設定モジュール>
▲1▼.<交信権利義務の設定>
交信権利義務制御モジュール33は、上述のような交信の権利、交信の義務、交信の検討をしてもらう権利、交信の検討をする義務を、例えば図12〜図14に示す処理フローのいずれかにより設定する。このようにして設定した権利義務に基づき交信を制御する(例えば、交信権利義務の設定された主体から権利行使又は/及び義務履行の指示がある場合に、該主体について、交信等を行うことを可能な状態とする等)ことで、適切な交信相手を自動的に設定することができる。
なお、各処理フローにおいて、構成員iは義務を負い、構成員kは権利を有するものとする。また、各処理フローにおいて、主体関連情報データベース41中の特性データ(影響力k、対人注意ik、対人判断ik、資産など)を参照するように構成する。また、以下の各処理フローでは、まず義務を有する構成員を抽出し、次に当該構成員と交信する権利を有する構成員を抽出しているが、それを逆にしてもよい。即ち、まず権利を有する構成員を抽出し、次に当該構成員と交信する義務を有する構成員を抽出するような構成とすることもできる。また、交信履歴リストは、過去1度でも交信したことのある構成員のリストでもよく、ある基準以上の頻度で定常的に交信している構成員のリストでもよい。
(権利義務設定処理1:図12)
(ステップS1201)義務を設定する構成員iを抽出する。
(ステップS1202)交信履歴データベース5を参照し、構成員iの交信履歴リストに含まれていない少なくとも1人以上の構成員を選択する。そして、主体関連情報データベース41を参照し、前記選択した構成員の中から、ある特性データが最大となる構成員kを抽出する。
(ステップS1203)構成員iに義務を、前記抽出した構成員kに権利を設定する。
(権利義務設定処理2:図13)
(ステップS1301)義務を設定する構成員iを抽出する。
(ステップS1302)交信履歴データベース5を参照し、構成員iの交信履歴リストに含まれていない少なくとも1人以上の構成員を選択する。そして、主体関連情報データベース41を参照し、前記選択した構成員の中から、ある特性データが構成員iにもっとも近い構成員kを抽出する。
(ステップS1303)構成員iに義務を、前記抽出した構成員kに権利を設定する。
(権利義務設定処理3:図14)
(ステップS1401)義務を設定する構成員iを抽出する。
(ステップS1402)交信履歴データベース5を参照し、構成員iの交信履歴リストに含まれていない少なくとも1人以上の構成員を選択する。そして、前記選択した構成員の中から、交信対価決定モジュール32が決定した構成員iに対する対価が最大となる構成員kを抽出する。
(ステップS1403)構成員iに義務を、前記抽出した構成員kに権利を設定する。
なお、交信権利義務制御モジュール33、上記処理に依らずに、任意に構成員を抽出して権利義務を設定するように構成してもよい。
▲2▼.<権利行使/義務履行の促進>
交信権利義務制御モジュール33は、交信の権利の達成と交信の義務の履行を、主体関連情報データベース41に記録する。そして、影響力、対人注意、対人判断、資産、基準交信対価(及び後述する基準推奨対価や基準購入対価などの各種基準対価)など、主体関連情報データベース41に記憶される特性データや主体特性決定モジュール3が決定・管理するデータの少なくともいずれか1つについて、義務不履行をした構成員の当該特性データ等に一種のペナルティとして0以上1未満の抑制係数を乗じ、交信する権利を達成できなかった(権利を付与されたが交信できなかった)構成員の当該特性データ等に一種の補償として1以上の促進係数を乗ずる。この場合、特性変動モジュール27を介して特性変動を行うように構成してもよい。また、交信の権利や義務に会話時間や文字数などの制限がある場合は、その制限が守られているかどうかも義務履行/不履行の一つとして記録するように構成してもよい。
これにより、構成員の間で交信の権利達成と義務履行の動機が与えられ、交信の権利達成と義務履行を促進することができる。
更に、交信権利義務制御モジュール33について、適切に義務を履行することを担保できるよう、必要により、明示的評定履歴を記録し、義務履行の適切さを判定するように構成してもよい。この場合、交信権利義務制御モジュール33は、例えば明示的評定の平均値を開示するとともに、平均値が低い構成員に対しては対価を与えない、あるいは影響力やポイントを減少させる、権利を与えないなどの、ペナルティを課するように構成してもよい。
ただし、不在なのに応答しないことでペナルティされるのは不公平であるから、不在時には受け取る交信数を0に設定でき、不在通知できるように構成することが望ましい。これにより、不返答に対する上記ペナルティを回避できる。
▲3▼.<基準を参照した交信権利義務の設定>
交信権利義務制御モジュール33は、例えば権利義務設定処理1を拡張した権利義務設定処理4(図15)により、後述する交信基準決定モジュール34により構成員iについて設定された基準iを参照して、交信の権利、交信の義務、交信の検討をしてもらう権利、交信の検討をする義務を決定することもできる。
(権利義務設定処理4:図15)
(ステップS1501)義務を設定する構成員iを抽出する。
(ステップS1502)交信履歴データベース5を参照して、構成員iの交信履歴リストに含まれていない構成員kを選択する。そして、影響力k、対人注意ik、対人判断ikなどの所定の特性データを主体関連情報データベース41から読み込む。
(ステップS1503)構成員kの中から、特性データが基準i以上となる構成員jを抽出する。
(ステップS1504)構成員iに義務を、前記抽出した構成員jに権利を設定する。
交信基準決定モジュール34は、影響力や対人注意や対人判断などの各特性データを利用して、例えば図16〜図17に示す処理フローのいずれかにより、構成員iについて基準iを決定する。ただし、構成員iからの入力に基づいて基準iを決定する構成としてもよい。
(基準決定処理1:図16)
(ステップS1601)主体関連情報データベース41及び交信履歴データベース5を参照して、構成員iの交信履歴リストに含まれている構成員の中から、所定の特性データについて最小値を有する構成員m(最小特性構成員)を選択する。
(ステップS1602)前記選択した構成員mの該所定の特性データの値を基準iとする。
(基準決定処理2:図17)
(ステップS1701)主体関連情報データベース41及び交信履歴データベース5を参照して、構成員iの交信履歴リストに含まれている構成員に関し、所定の特性データについて平均と標準偏差を求める。
(ステップS1702)前記求めた平均と標準偏差に基づき、例えば平均と標準偏差の2倍の和など、任意の線形和を基準iとする。
ここで例えば権利義務設定処理4と基準決定処理1を組み合わせる場合において、特性データとして対人注意を選んだ場合を考える。この場合、最小特性構成員として、構成員iの交信履歴リストに含まれている構成員の内で対人注意が最小の構成員mが選択され、構成員iの構成員mへの対人注意imが基準iとなる。その結果、権利義務設定処理5では、交信履歴のある構成員mへの実際の対人注意(対人注意im)と、従来は交信が無い構成員kへの潜在的な対人注意の推定値(能力指標kに基づき計算した推定対人注意ik)との比較に基づき、権利義務関係が設定されることとなる。
▲4▼.<交信の推奨を考慮した交信権利義務の設定>
交信権利義務制御モジュール33は、図18に示す処理フローに従って権利義務を設定することにより、交信を推奨することもできる。なお、(ステップS1801)を省略して、すべての構成員iについてS1802以降のステップを実行するように構成してもよい。
(権利義務設定処理5:図18)
(ステップS1801)申し出や対価などにより、あるいは、ランダムに、権利を設定する構成員iを抽出する。また、必要により該構成員iからキーワードを含む検索条件(質問文や検索文やキーワード列)を受け付ける。
(ステップS1802)構成員iと他の構成員kの間で、数式37又は数式38に基づき、交信適合度ikを計算する。
(ステップS1803)交信適合度ikの値が基準k以上となる場合に、構成員iに権利を、構成員kに義務を設定する。または、交信適合度ikの値が最大となる場合に、構成員iに権利を、構成員kに義務を設定する。
数式37は、構成員iと構成員kとの間で交信がない場合に用いることができる式である。数式37に基づき交信適合度ikを求めた場合、数式2との関係から、交信適合度ikは能力指標に基づき推定した対人注意ikと同傾向の値となる。
数式38において、単語ベクトルとは、興味ベクトルを構成する興味項目が、構成員iから受け付けた検索条件(質問文や検索文やキーワード列)に、キーワードとして含まれる頻度を示すベクトルである。また、評価力や能力指標など影響力以外の特性データを用いることもできる。ベクトルの内積に代えて、ベクトル間の距離の逆数などを用いてもよい。単語ベクトルに関しては、興味ベクトルの決定と同様に、tf×idf法や、類義語辞書や、コンテンツの集積における興味項目(単語)の共起確率行列などを用いた補正計算を行ってもよい。また、評価力や能力指標など影響力以外の特性データを用いることもできる。
更に、複数の計算方法で交信適合度を計算し、それぞれの計算方法での交信適合度に閾値(これ以上なら更新してよいという基準値)を儲け、その閾値を満たしているかどうかの論理和(少なくとも1つの計算方法での交信適合度が閾値を越えていれば交信してよい)や論理積(すべての計算方法での交信適合度が閾値を越えていれば交信してよい)などの基準を用いてもよい。
このように、システムが自動的に求めた交信適合度に基づき権利義務を設定する、すなわちシステムが交信の推奨を行うことにより、例えば以下のような視点からの有益な新規の交信を誘発することができる。
(イ)能力・影響力の視点
・自分より優れた人との出会い
・自分と対等な人との出会い(後述の階層管理とあいまって)
(ロ)興味の視点
・自分に類似の人との出会い
・自分と違う人との出会い
▲5▼.<交信の限定>
交信権利義務制御モジュール33について、構成員から交信相手の条件(性別、影響力、交信対価など)を事前に受け付けて登録しておき、その範囲内でのみ交信したり、その権利義務を設定するように構成することもできる。具体的には、自分が登録した興味項目に合致し、かつ影響力がある比率以上の人のメールのみ受け取る方式などを考えることができる。
なお、このように交信相手を限定したり交信内容を特定の相手以外に公開しないことを許す場合は、その分だけ知識の流通が阻害され、社会厚生(社会の利益)を損なうおそれが生じる。かかる問題は、例えば特性変動モジュール27や交信対価決定モジュール32において、交信相手を限定した構成員についてペナルティ的な変動が加わるように、特性を変動させたり、対価を決定する(例えば、交信相手を限定した構成員について、受け取り対価全般が減り、支払い対価全般が増えるように対価を制御する)ことで、改善することができる。
また、通信相手に対して自己の個人情報や特性データを秘匿して匿名等の状態で交信することを許す場合は、モラルが低下し、やはり社会厚生(社会の利益)を損なうおそれが生じる。かかる問題は、例えば特性変動モジュール27や交信対価決定モジュール32において、匿名等で交信する構成員についてペナルティ的な変動が加わるように、特性を変動させたり、対価を決定する(例えば、特性データを秘匿する場合に本来の支払対価に加えて割増対価を加算するように制御する)ことで、改善することができる。
6−4<オークション権利義務設定モジュール>
オークション権利義務設定モジュール35は、構成員の間で、交信する権利や交信の検討をしてもらう権利のオークションが行われる際に、構成員の影響力、対人注意、対人判断、ポイントなどの特性データを参照して、例えば図19に示す処理フローに従って、対価を応札(交信や交信の検討をしてもらうための対価を提示すること)する権利や当該応札へ対処する義務(例えば、落札者と交信する義務など)を設定する。
(オークション権利義務設定処理:図19)
(ステップS1901)特性データが上限基準値を下回わり、かつ下限基準値を上回る構成員が存在する場合、そのような構成員を少なくとも一人選択し、前記選択した構成員に応札する権利を設定する。
(ステップS1902)特性データが上限基準値を上回る構成員が存在する場合、そのような構成員を少なくとも一人選択し、前S1901において選択した構成員が応札する権利を行使した場合に対処する義務を設定する。
6−5<交信階層設定モジュール>
交信階層設定モジュール36は、交信の権利、交信の義務、交信の検討をしてもらう権利、交信の検討をする義務、対価を応札する権利、当該応札へ対処する義務などの、各種の権利または義務に関連させて階層を設定し、構成員をいずれかの階層に分類して管理する。
具体的には、所定の義務について該義務の設定対象とすることができる少なくとも1人の構成員を含む上位階層、及び該義務に対応する権利の設定対象とすることができる少なくとも1人の構成員を含む下位階層というように、権利義務の対関係に対応する2階層が少なくとも存在するように、構成員の影響力、対人注意、対人判断、ポイントなどの特性データを参照して階層を設定する。
この場合、交信選択モジュール31は、階層を考慮して任意の確率分布に従って交信を確率的に制御することができる。制御の仕方としては、例えば、階層間の距離に応じて交信が行われる確率を制御することが考えられる。より具体的には、同一または直上及び直下の階層との間では交信が行われる確率を高くし、それ以外の階層の間では確率が低くなるように(例えば、階層が離れるほど確率が低くなるように)制御することが考えられる。なお、階層間の距離に応じて確率がゼロとなるように制御してもよい。
「影響力の高い構成員と能力は高いが能力に比して影響力の低い構成員の交信の機会」を増やすことができれば、能力と影響力が一意に対応した理想均衡により早く到達できる。しかし、影響力の差が著しく大きい構成員同士が過度にしばしば交信すると、「影響力の高い構成員と影響力のみならず能力も低い構成員との交信の機会」が増大して「影響力の高い構成員と能力は高いが能力に比して影響力の低い構成員の交信の機会」が十分に提供できなくなり、また「影響力のみならず能力も低い構成員」の影響力が一時的に増大してバイアスが増大する恐れがある。その結果、各構成員の特性データを理想均衡(能力の高い構成員が高い影響力を持つ状態)に推移させるために必要な交信回数が増えてしまう。
しかし、このように階層という概念を導入し、交信の確率と階層間の距離とを対応づけることにより、各構成員の特性データを「能力と影響力が一意に対応した均衡状態」に推移させるために必要な交信回数を節減して、よりすばやく理想的な状態に推移せることができる。これは、シミュレーションによっても確認できる。また、所属階層自体が1つの社会的地位のような報酬性を有するので、交信に対する動機付けを高めることができる
階層は、例えば図20に示す処理フローに従って、設定することができる。なお、階層を設定する際に用いる階層設定基準値は、例えば特性データの標準偏差などを利用して作成し用いることができる。また、図20に示す処理フローでは、3つの階層設定基準値を用いて2組の上下階層を設定しているが、階層設定基準値の数や上下階層の組数はこれに限られず、1つ以上の任意の数の階層設定基準値を用いて1組以上の任意の組数の上下階層を設定するように処理を構成することができる。
(階層設定処理:図20)
(ステップS2001)特性データが階層設定基準値1を上回る構成員を少なくとも一人選択し、該構成員が属する階層を階層1とする。
(ステップS2002)特性データが階層設定基準値1を下回わり階層設定基準値2を上回る構成員を少なくとも一人選択し、該構成員が属する階層を階層2とする。
(ステップS2003)階層1、階層2をそれぞれ上位階層、下位階層として設定する。すなわち、階層1に含まれる構成員を、階層2の構成員の権利に対応する義務を設定することができる対象とし、また、階層2に含まれる構成員を、、階層1の構成員の義務に対応する権利を設定することができる対象とする。
(ステップS2004)特性データが階層設定基準値2を下回わり階層設定基準値3を上回る構成員を少なくとも一人選択し、該構成員が属する階層階層3とする。
(ステップS2005)階層2、階層3をそれぞれ上位階層、下位階層として設定する。すなわち、階層2に含まれる構成員を、階層3の構成員の権利に対応する義務を設定することができる対象とし、また、階層3に含まれる構成員を、階層2の構成員の義務に対応する権利を設定することができる対象とする。
7.<推奨制御モジュール7>
次に、推奨制御モジュール7の動作について説明する。
7−1<推奨記録モジュール>
推奨記録モジュール71は、対象pについて、構成員iが交信において推奨し、別の構成員kがその推奨を受けて当該対象pについて所定の行為(商品などの購入や注文などの経済的行為、コンテンツや広告の参照や視聴等の行為、商品などの購入等の検討を行うといった好意的行為など;以下、これらをまとめて「経済的行為等」と呼ぶ。)をなした場合に、その推奨や経済的行為の履歴を交信履歴データベース5に記録する。
7−2<推奨対価決定モジュール>
推奨対価決定モジュール72は、構成員iが対象pを交信において構成員kに推奨した結果、構成員kが対象pについて経済的行為等をなした場合、構成員kが経済的行為をなした当該対象pの金額や数量などの経済指標pikに応じて、更に必要により構成員iの影響力やpを推奨したそのほかの構成員の影響力に応じて、例えば数式39〜数式42のいずれか、又は組み合わせに基づいて、構成員iが受ける推奨対価piを決定し、配賦する。なお、経済指標の差分に応じて、関数値の増分が増えていくような非線形逓増関数を利用して、推奨対価を増加させる構成としてもよい。
ここで、Σq rec p影響力qとは、対象pを推奨した構成員qすべての影響力の総和をいう。このように影響力を含んだ数式を用いた場合、影響力が高まると、推奨交信の増加、及び影響力の相対的比率、という2つの効果で推奨対価が高まるため、構成員に対して影響力を高めることへの動機づけを与えることができる。
また、推奨対価決定モジュール72は、構成員iが推奨して以来の対象pの経済指標の増加額に応じて、例えば数式42のような関係を用いて、構成員iが受ける対価を概略的に決定することが出来る。
ここで、推奨対価pi,tとは、対象pに関する構成員iへのある時点tにおける推奨対価をいう。また、経済指標p,tとは対象pのある時点tにおける経済指標をいう。経済指標p,t−1とは対象pのある時点tより1つ前の時点t−1における経済指標をいう。Σq rec p,t−1影響力qとは、時点t−1における対象pを推奨した構成員qすべての影響力の総和をいう。基準推奨対価とは、推奨対価を計算するための基準となる加重係数である。
また、推奨対価決定モジュール72は、構成員iが対象pを交信において構成員jに推奨し、更に構成員jが当該対象pを交信において別の構成員kに推奨した結果、構成員kが対象pについて経済的行為をなした場合も、例えば数式43のような伝播関係を用いて、構成員iが受ける対価を決定することが出来る。
ここで、経済指標pijkとは、構成員iが対象pを交信において構成員jに推奨し、更に構成員jが構成員iの推奨を伝播して、当該対象pを交信において別の構成員kに推奨した結果、構成員kが経済的行為をなした経済指標をいう。必要によりこのような伝播関係は何段階にもわたって適用することができる。その場合は、割引係数が、このような伝播関係における伝播回数に応じて割引率が高くなる(伝播回数が多い段階ほど対価が少なくなる)ように適用される。
また、推奨対価決定モジュール72は、以上のいずれかの場合に、構成員kが対象pについて経済的行為をなした場合、構成員kが受ける対価である購入対価pkを、構成員kが経済的行為をなした当該対象pの経済指標に応じて、例えば数式44のような関係を用いて決定することができる。基準購入対価とは、購入対価を計算するための基準となる加重係数である。
ただし、購入対価の決定は以上の式に限定されるものではなく、拡張等が可能である。例えば、購入対価pkの決定に前述の推奨対価piのような関係を用いてもよく、またそれらを組合せてもよい。
図21に推奨により推奨対価等が決定される枠組みを概念的に示す。図21(a)は伝播がない場合の枠組みを、図21(b)は伝播回数が1回の場合の枠組みを示している。
なお、上記経済指標は、購入や注文等の経済的行為の以外の行為に基づいて定めてもよい。例えば、推奨対象について参照や視聴などの好意的行為を行った場合も、購入や注文などの経済的行為の確率が高まると考えられるため、経済指標として利用することが可能である。例えば、好意的行為を行った場合、推奨対象の定価などに経済的行為がなされる予想確率を乗じた期待値を経済指標とすることが考えられる。
また、推奨を受けた場合に容易に推奨メッセージや対象pの情報にアクセスできるようにすべく、交信内容入出力モジュール12について、例えば電子メールに当該推奨メッセージへのリンクやそれに基づく購入処理ページへのリンクを付して送付するように構成することが望ましい。
また、交信内容入出力モジュール12を通じて送付された電子メール等を、ネットワーク上や実際の店舗における割引クーポンとして利用できるように構成することも考えられる。
更に、推奨対価は、回数や期間を限定して発生させる構成としてもよく、また、いわゆるネットワークビジネスのように自己傘下のチャネル会員を獲得するたびに継続的に発生させる構成としてもよい。また、推奨のための交信や経済的行為自体は、必ずしも本システムを介して行われる必要はなく、システム外で行われた交信や経済的行為等の内容をシステムが受け付けることができるように構成されていればよい。
また、対象pへの推奨の書き込みや参照やその程度を、興味一致度決定モジュール25は興味ベクトルや興味一致度の決定に利用することができ、特性変動モジュール27は特性変動に利用することができる。
また、評価力決定モジュール26は、魅力度pを使って数式45に基づいて評価力を決定してもよい。
8.<対価の形態と配賦>
交信対価決定モジュール32と推奨対価決定モジュール72は、それぞれ交信モジュール3、推奨制御モジュール7という別モジュールのサブモジュールであるが、交信対価決定モジュール32と推奨対価決定モジュール72を統合する形で対価制御モジュールを設けてもよい
また、本発明における交信対価、推奨対価、資産、各種基準対価(基準交信対価、基準推奨対価、基準購入対価など)の尺度は、金銭などの経済的指標に限定される必要はなく、いわゆるポイントであってもよい。ポイントは、金銭や物品や他の集団の発行するポイントと交換可能であってもよいし、集団への貢献度など名誉的なものでもよい。
さらに対価は、例えば、金銭やポイントといった直接的な形態のほかに、特性データに対する変動や対象pの価格等の割引といった間接的な形態など、種々の形態とすることできる。かかる対価の形態は、構成員i、構成員kの別に関わらず、いずれを採用してもよい。例えば、一方の構成員iの対価にはポイントや特性データの変動といった形態を採用し、他方の構成員kの対価には対象pの価格等の割引といった形態を採用することが考えられる。
また、各種対価にはシステムが定義する最低値を用意し、各種計算式による決定と当該最低値を比較して大きいほうを対価とすることも出来る。
【1】
いずれの場合も、対価を配賦する構成とすることも可能である。即ち、交信対価や推奨対価は、各構成員が交信の都度に相対で直接支払ったり、システムが経済的行為の都度に支払うこともできるが、そうではなくシステムが都度の対価をプールして置き、適当な時期に一括して配賦するような構成とすることもできる。また、対価やその配賦額やプールの金銭的な裏づけとしては、本発明のシステムを利用するユーザの支払う会費(交信制御手数料のプール)などから充当したり、交信に付加される広告などの料金から充当したり、各種対象を販売等する企業等が提供するセールスプロモーション費用等を利用することも考えられる。
【2】
システムが対価をプールして置き適当な時期に一括して配賦する場合は、構成員iへの実際の配賦額iについて、構成員iへの過去一定期間の全ての対価を集計して、例えば数式46のような関係を用いて決定する構成とすることもできる。
例えば、構成員iと構成員kとの間で数回にわたり交信が行われた場合の対価の実際の配賦額については、プラス(受け取り)またはマイナス(支払い)の交信対価ikの総計をプールしておき、所定期間単位ごとに清算して決定するように構成してもよい。
【3】
このように、システムが対価をプールして管理し、構成員に配賦するように構成することで、相対取引の煩雑さや不公正を防止することができる。なお、システムが対価をプールして管理・配賦する場合は、配賦額の総額がプールの額以上とならないように(システムが赤字とならないように)、プール総和を考慮して基準交信対価や基準推奨対価や配賦額決定関数gを決定する構成とできる。
数式46において、配賦額決定関数gは、その引数つまり対価の総和をそのまま返す関数であってもよいが、例えば、引数の増加に応じて関数値の増分が増えていくような非線形逓増関数とすることもできる。非線型関数にすると、例えば主体が構成員の場合は、重複登録をすると単一登録の場合と比べて同じ努力をしても受け取る対価が減少することになるので、重複登録などを防止することができ、重複登録による無責任な交信などを排除することができる。すなわち、配賦額決定関数gの引数は各人の努力の成果であるが、ある氏名iの人物が氏名iのみで交信した場合の引数をIとし、複数の他人を装ってペンネームaとペンネームbで重複登録して交信をした場合の引数をそれぞれAとBとして、両者を比較すると、努力に関してはI=A+Bと等しい努力を払っているにもかかわらず、受け取る配賦額はg(I)>g(A)+g(B)となり、aとbのペンネームで重複登録をすると、実名iのみで単一登録よりも、受け取る対価が減少する。
なお、対価の実際の配賦や資産の行使の条件として、関連情報入出力モジュール13から個人情報(年齢、性別、学歴、年収など)や興味に関する特性データを入力させる等の義務を課する構成ともできる。かかる義務に基づき入力された特性データは、不正防止や広告等を配信する際に利用することができる。
【4】
また、未配賦または未使用の対価の累計である構成員の「資産」を、例えば数式47のように求めることもできる。対価及び資産は、構成員ごとに管理され、例えば主体関連情報データベース41において構成員に対応づけて記憶するように構成することが考えられる。
9.<コンテンツへの全般的な適用>
既に述べたように、本発明は、人間(集団の構成員)が主体の場合だけではなく、コンテンツが主体の場合も適用することもできる。この場合、主体がコンテンツである交信の例としては、各種コンテンツ間のリンク(例えば、HTMLにおけるハイパーリンクやXMLにおけるXLinkを利用して実装されるリンクなど)、ブックマーク、転送、引用、埋め込みなどの各種行為をあげることができる。もちろん、人間やソフトウェアが主体である場合も、そのような交信をおこなうことができる。また、コンテンツが主体の場合は、交信(又は交信の検討)の権利義務や対価などに関する構成は、コンテンンツの著作権者などの利害関係者とコンテンツの利用者との権利義務に置き換えて把握することができる。また、「対人」という概念は「対コンテンツ」という概念に置き換えて把握することができる。
なお、上記置き換えを行った構成においても、原則として各モジュールの構成やその処理内容等は同様である。例えば、コンテンツの影響力は、構成員の影響力等と同様に、検索などに利用することができる。その際、対コンテンツ判断決定モジュール23は、例えば以下の数式48のような関係を用いて、対コンテンツ判断を最新のものに決定する(更新する)。
数式48は、対コンテンツ判断をリンクの有無で決定する構成となっているが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、ブックマーク、転送、引用、埋め込みなど他のコンテンツへの判断を示していると考え得る各種の交信の有無や程度(頻度、確率など)に基づいて決定することができる。
主体がコンテンツの場合も、主体の興味を用意することができる。その際、コンテンツに付帯されたアノテーションデータ(注釈データ)、コンテンツの内容(コンテンツの言及している目的事物)、コンテンツへ交信している主体(コンテンツから他のコンテンツへの交信、人間からコンテンツへの交信)やその興味、コンテンツの関係者やその興味、コンテンツが交信しているコンテンツやその興味などから、コンテンツの興味を決定することができる。例えば、コンテンツの関係者がコンテンツにアノテーションデータを付帯している場合、アノテーションデータがベクトル形式であれば、それを利用して、コンテンツの興味ベクトルを得ることができる。コンテンツ関係者の興味ベクトルが入手できる場合も、それを利用して、コンテンツの興味ベクトルを得ることができる。また、興味対象抽出/流行決定モジュールによるダイナミックな興味対象の把握のための方法は、主体がコンテンツである場合にも、利用することができる。その場合、コンテンツに用意されたアノテーションデータを利用して興味対象登録ファイルを得たり、コンテンツに関係する人間またはソフトウェアが興味対象登録ファイル作成方法1を行うことができる。また、興味対象登録ファイル作成方法2を適用する場合は、コンテンツそのものをプロファイルテキストとしたり、コンテンツが交信をしているコンテンツについて方法2を適用すればよい。
10.<実施例1>(電子コミュニティシステムやグループウェア)
実施例1では、WEB上などでの電子掲示板(複数のユーザの発言をコンピュータなどの画面から閲覧可能にするシステム)に電子メール機能を組み合わせた電子コミュニティシステムやグループウェアとして、本発明を実装した場合について説明する。
10−1<構成員登録機能>
関連情報入出力モジュール13は、構成員登録時に次の表に示す情報をユーザに要求する。画面上での(仮)構成員登録の後で、システムは登録されたメールアドレスに、確認メールを送り、確認してもらう(返信をもって登録終了とする)。重要な登録内容が変更された際にも、システムは確認メールをユーザに送る(パスワードで認証しているので返信は必要ではない)。
10−2<掲示板システム>
本実施例で実装される掲示板システムは、以下のような特徴を持つ。
・入出力モジュール1は、一般の掲示板システムの機能を継承している。
・入出力モジュール1は、交信内容(掲示板の個々の発言やスレッド)の検索や表示順序制御に、交信した主体(発言者や参照者)の影響力などに基づくスコアリング(交信スコア)など、主体特性決定モジュール2や目的事物特性決定モジュール6が決定し、主体関連情報データベース41や交信履歴データベース5に保存されている特性データを用いる。なお、スレッドとは、ある発言に対する返答の系列をいう。
・投稿に際して一定時間内の同一内容の2重投稿をエラーとみなす
・掲示板上で行った発言に対するコメントは、元発言の著者にメールで通知される。このコメントに対する返信は掲示板に掲載される。
・メール配布機能(後述)での交信内容は原則として掲示板に掲示される。
本実施例の掲示板システムは、影響力計算や興味分野推定のために、各構成員の掲示板上での以下の振る舞いを、交信履歴データベース5に記録する。
・掲示板での発言とスレッド上の元発言
・個人ごとのブックマークやリンク
・発言内の他発言へのリンク(テキスト内に発言IDをタグとともに埋め込むことにより実現)
・他構成員の発言の参照(掲示板のコンテンツを開くこと)
・他構成員の発言に対する明示的評定(オプションとして構成)
・ジャンル、スレッドタイトルのアンカーリンク
掲示板システムは、影響力や交信スコアの順に発言をソートして表示することができる(図22参照)。
10−3<構成員検索機能>
本実施例の掲示板システムの関連情報入出力モジュール13は、個人情報や興味対象登録ファイルなどから、キーワードを検索条件として構成員を検索する機能を備える。この際、検索結果のソート条件(構成員の表示順序のソートに用いるソートスコア)の算出に、興味一致度、検索一致度および影響力を用いることができ、具体的には、以下のルールを採用することが考えられる。
・個人情報のうち、興味対象登録ファイル(ここでは、チェックリストとする)以外については、合致しないものを検索しない。
・興味対象登録ファイル(チェックリスト)の項目の一致数を、興味一致度として、ソート条件の一部とする。
・キーワードに関しては、検索条件中のキーワードがあらわれる構成員kの発言数を、検索条件と構成員kとの検索一致度とする。ただし、tf×idf法などを用いて補正してもよい。なお、構成員のプロファイルテキスト(ユーザプロファイルの自由文)も1発言としてカウントすることができる。
上記ルールを採用した場合のソート条件(構成員kのソートスコア)は、検索をするユーザ(構成員i)から構成員kへの交信適合度ikとして、例えば数式51のように求めることができる。交信適合度は、数式37〜38により求めることもできる。
掲示板システムは、各ユーザについて上記式に基づきソートスコアを算出し、ソートスコアの大きい順にソートして発言を表示するように構成してもよい。この交信適合度ikにより交信権利義務制御モジュール33による交信の権利義務の制御を行うこともできる。
ジャンルを指定してユーザ検索を行うこともでき(ジャンル内検索)、その場合、検索対象は、そのジャンルで発言したことのあるユーザに限られる。ジャンル内検索において特に検索条件を指定しない場合、検索結果は指定されたジャンルでのジャンル別影響力の順にソートされ、そのジャンルのエキスパートやカリスマが上位にリストされることになる。
10−4<メール配付サポート機能>
本実施例のシステムは、交信権利義務制御モジュール33を含んだ実装として、メール配付サポート機能を備える。メール配付サポート機能により、各ユーザが、新たな構成員との交信を促すため、交際相手や質問回答者をメールベースでつのることができる、本機能はメールベースであるため、例えば携帯電話などからも簡便に利用することができる。
以下、メール配布サポート機能の利用形態を説明する。
・ユーザ(依頼者)は、紹介センターに相手の希望条件情報を含むメールを送る。システムは依頼に対し、影響力、興味一致度、交信適合度などを勘案した上でN(ユーザ指定可能)人の構成員(返答候補者)にメールを転送する。その際、交信対価決定モジュール32により交信対価も設定し、メッセージIDとともに返答者に通知する。
・返答者は、上記のメッセージIDを含む返答メールを紹介センターに返送する。システムは依頼者に返答メールを転送する。
依頼者は、関連情報入出力モジュール13より、配信先の希望条件として、例えば次の項目を任意に指定できる。
・性別
・年齢
・影響力(自分より低い、依頼者の影響力との差が一定値(同程度影響力定数)以内、自分より高い、など)
具体的には、システムは次のようにして返答候補者を選択する。
・上記条件に合致し、今までの依頼者の交信リストになく、かつ所定期間内におけるメール配布機能により配付されたメールの受信数が設定値以下、となる構成員を返答候補者集合として抽出する。
・上記返答候補者集合を興味一致度でソートし、高い順にN人を選択する。興味一致度が同位の場合、影響力の差が小さい構成員を優先する。
また、システムは、配布されるメールに次の情報を付加する。
・交信対価とその説明
・通信の公開原則とその回避方法(交信内容を公開することを原則とし、非公開とする場合は、所定のペナルティ(対価の増減など)の対象となること)
また、システムは、依頼者から、メール配布機能の依頼と返答について、以下の項目について条件指定を受け付けることができる。この場合、システムは、メール配布後、配布メール数(および配布先)を依頼者にメールで知らせることが望ましい。なお、デフォルトの条件指定はウェブ画面上できるように構成してもよい。なお、先に説明した配信先の希望条件は、以下に示す通信条件指定の一部として把握することができる。
・1ヶ月あたりのメール配布受信上限数
・通信相手の希望(性別、年齢)
・影響力(自分より低い、同程度、自分より高い)
・通信の掲示板上での公開(非公開、ニックネーム非公開、ニックネーム公開)
・デフォルトハンドル名。
通信ごとの条件指定は、例えばメール本文の最初の数行(行頭に“##”や“<c>”などのタグを入れてもらう)を用いて行うことが考えられる。
返答候補者には、返答することに対するインセンティブとして、交信対価決定モジュール32により以下のような交信対価が支払われる。
システムは各依頼について、依頼者、返答候補者(配布先)、依頼条件、返答候補者からの返答の有無(義務履行の有無)、返答者からの返答メール、対価等を記録する。
なお、メール配布機能を利用して交信されるメールには、例えばプライベートな情報が含まれる場合もあると考えられることから、公開/非公開を設定できるように構成することが望ましい。非公開とする場合、メールのやり取りはメッセージIDベースで行われ、その交信内容は掲示板上では公開されない。
10−5<影響力の利用>
上述したように、本実施例では、影響力は次の目的で主に利用される。
・発言検索の際に有用な情報を効率的に取り出すためのスコアリング
・交信を促すための交信対価の計算
本実施例では、数式1〜数式2を変形した以下の数式52〜数式54を用いて影響力等を計算することとする。これは、影響力の正規化や特性データの時間減衰の実装方法の一例である。ここでは、対人判断をそのまま対人注意とし、発言からの経過時間が多くなるほど減衰率が大きくなるような任意の関数により減衰率を用意して、特性データを時間減衰させている。また、w1〜w5は任意の加重係数である。なお、影響力は各ジャンルごとに計算することもできる。
ペナルティ率は、交信義務不履行のペナルティのためのもので、以下のようにして決定することができる。
このように、本実施例では、影響力や検索一致度を使った検索を行う機能を備えたことにより、有用な情報を効率的にとりすことができ、また、ある分野のエキスパートやカリスマを見つけて交信をする、といったことが可能になる。
また、各構成員の影響力は、発言が読み込みやリンクなどの参照をされる回数によって計算され表示されることとなるため、各ユーザは、自分や他の構成員の影響力を知ることができ、ゲーム感覚で影響力を競うことができる。
なお、本実施例のメール配付機能をメーリングリストとして実装した場合、以下のようなことが実現できる。
・メールの件名に送信者の影響力によるコンテンツスコアを表示する。
・メールソフト側でコミュニティ用のフォルダに自動仕分けし、かかるフォルダにおいてソートすることで、スコアの高いメールのみを効率よく読むことができる。
11.<実施例2>(電子商取引・顧客管理システムや広告への応用)
実施例2では、本発明を電子商取引システム・顧客管理システムや広告に応用した場合について説明する。この場合、商品が価値決定の対象となり、魅力度決定モジュール62は商品の魅力度を決定する。また、推奨対価決定モジュール72は、商品を推奨等することに対する対価を決定する。
11−1<広告への応用>
ここで、本発明においては、広告は、広告内容を詳細に伝える交信(広告交信)と、広告交信の権利義務と、推奨、推奨伝播として把握することができる。そして、広告料は、広告交信の対価、広告交信の権利義務の対価、広告交信を行う機会を提供することへの対価、推奨対価、それら対価を伝達する手数料、として把握することができる。
更に、バナー広告やリンク広告などは、広告交信の検討、広告交信の検討をしてもうら権利、広告交信の検討をする義務、推奨、推奨伝播として把握することができる。そして、バナー広告やリンク広告などの広告料金は、広告交信の検討に対する対価、広告交信の検討をしてもらう権利や広告交信の検討をする義務の対価、それらの機会を提供することへの対価、推奨対価、それら対価を伝達する手数料、として把握することができる。
そのため、本発明においては、従来の枠組みではなし得なかった、推奨者の特性データを参照して広告を取り扱うという枠組みを実現することができる。更に、特性データのみならず、交信の権利義務、交信の件等、交信の検討についての権利義務、それらの対価といった概念を統合的に考慮して、広告を取り扱う枠組みを実現することができる
11−2<広告の転送や埋め込みによる推奨>
更に、推奨または推奨伝播の実装形式の1つとして、例えば、ストリーミング広告などの既存広告コンテンンツを、必要により推奨者固有のフラグや特性データをつけ転送する形式が考えられる。また、リンク広告やバナー広告などの形で、推奨者の交信内容に埋め込む形式が考えられる。
11−3<本実施例の効果>
ここで、従来からあるいわゆるオプトインメール(購読の承認を得た者に送付するメール広告)において割引クーポン等を付加する構成に比べて、本発明の構成は、以下のような有利な効果を達成することができる。
・従来構成は広告主から消費者への一方的な推奨であるのに対し、本発明の構成では、消費者から消費者への推奨となるため、評判の伝播(いわゆる口コミ)によって大きな広告効果を達成することができる。また、消費者は等身大で共感できる価値の高い情報を得ることが出来る。
・本発明の構成では、推奨を行った構成員について影響力や能力といった特性データを参照して、その信頼性を判断することができるため、推奨を受けた構成員は安心して経済的行為等を行うことができ、その結果、推奨に基づいて経済的行為等がなされる確度を高めることができる。
・本発明の構成では、推奨された対象pについて魅力度を参照することでき、かつ、かかる魅力度は、推奨者の影響力ひいては評価力を反映して決定されているため、推奨を受けた構成員は魅力度に基づき安心して経済的行為等を行うことができ、その結果、推奨に基づいて経済的行為等がなされる確度を高めることができる。
12.<実施例3>(分散実装と複数サイトの連結)
12−1<分散実装>
実施例3として、本発明を複数サイトに分散実装する場合について説明する。本発明は、コミニュティが複数のWEBサイトなどに分散して関連づけられている場合も、実装することができる。その場合、サイト固有のアプリケーション処理とともに特性データの決定も各サイトでローカルに行うことができる。ただし、各サイトでローカルに決定した特性データ(以下、ローカル特性データ、または例えばローカル影響力などと呼ぶ)をそのまま多くのコミニュティを普遍したグローバルな特性データ(以下、グローバル特性データ、または例えばグローバル影響力などと呼ぶ)として利用できる場合と、利用できない場合がある。以下では、そのような場合わけに応じた処理について、複数のWEBサイトなどに分散して作られているコミニュティが集団である場合を例に、説明する。
例えば、興味ベクトルについては、各サイトにおける各構成員のローカル興味ベクトルそのまま各構成員のグローバル興味ベクトルとして利用できる。
一方、例えば、影響力については、各サイトにおけるローカル影響力をそのままグローバル影響力には利用できない。ただし、各サイトにおけるローカル影響力をそのままグローバルなジャンル別影響力に利用できる場合もある。すなわち、複数のサイトが明確に役割分化し、それぞれのサイトがそれぞれジャンルに特化している場合は、サイトごとの影響力はグローバルなジャンル別影響力として利用できる。
しかし、複数のサイトが明確に役割分化せずに並立している場合は、個々のサイト内部でのローカル影響力はもとより、ローカルなジャンル別影響力も、そのままグローバル特性データとして利用することは適切ではない。例えば、あるサイトAでは能力の突出した構成員が多数競争して雑多なジャンルに渡って議論しており、一方他のサイトBでは際立った能力の構成員がいないがはやり雑多なジャンルについて議論している場合、Aにおけるローカル影響力とBにおけるローカル影響力は、同じ値であっても同程度の影響力として(つまりそのままでグローバル影響力として)利用することは適切でない。
このような場合、グローバル影響力などいくつかのグローバル特性データを決定するための中央サイトを設け、各サイトから中央サイトにローカル特性データをバッジで送信し、それらを中央サイトに集めてグローバル特性データの決定を行い、バッジまたは必要なタイミングで各サイトに送信する構成とすることが考えられる。例えば、ローカル興味ベクトルを中央サイトに送信し、それを中央サイトにグローバル興味ベクトルとして蓄積し利用することにより、サイトをまたがる構成員の間でも興味一致度を決定することができる。このように、そのままグローバル特性データに利用できるローカル特性データは各サイトで決定し、そのまま中央サイトに送信して蓄積し、バッジまたは必要なタイミングで各サイトに送信する。当然に、各サイト固有の個別アプリケーション処理やそれに伴うデータ決定は各サイトで行う。
そのためには、権利義務設定などを後述のような方法で複数のサイトをまたがって機能させることで、複数のサイトをまたがった交信・評定を実現し、前述の数式や処理フロー等に基づいて、サイトを普遍したグローバル特性データを計算するような構成とすることができる。その具体的な数式は、例えば数式56〜57のようになる。
【5】
ただし、ここでiはkが所属するローカルサイトにおける構成員を意味し、gは全てのローカルサイトの構成員を示している。構成員が複数のサイトに登録している場合は、中央サイトにて同一構成員については影響力または資産が最大となる構成員以外は無視して処理を行なうように構成してもよい。ここで、グローバル対人注意gkは、以下のように求める。
【6】
gとkが同一のサイトに属する場合:
グローバル対人注意gkとローカル対人注意gkは等しく、各サイトから中央サイトに最新の値が送信される。
【7】
gとkが異なるサイトに属する場合:
グローバル対人注意gkは、権利義務設定などを後述のような方法で複数のサイトをまたがって機能させることで、複数のサイトをまたがった交信・評定を実現した結果得られた特性データであり、中央サイトに蓄積されている。
なお、グローバル特性データとローカル特性データがそのままでは一致しない特性データ(影響力など)については、全サイトと各サイトとの全構成員または上位構成員のグローバル特性データの平均や分散・標準偏差などの指標を用意し、各コミニュティの価値付け(ランキング)を行うような構成とすることもできる。また、その指標を利用して構成員のローカル特性データを補正することで、各サイトの新しい構成員のグローバル特性データの初期値や推定値を求めることができる。数式58はその例であるが、次式に限らず、各種の統計的推定方法を反映した式を同様に使用することができる。ここでt0とは主体iがコミニュティに参加した時点を示しており、このiについての時点t0におけるグローバル特性データの推定値であり、その後のグローバル特性データの決定に利用するための初期値としても利用できる。
【8】
【9】
12−2<複数のサイトの連結>
本発明は、コミニュティが複数のWEBサイトなどに分散して関連づけられ、その利害関係者として、電子商取引サイト、議論サイト(いわゆるフォーラム、電子掲示板などの電子コミュニティシステムなど)、広告関係企業(広告主すなわちいわゆるクライアント、広告主の代理人いわゆる広告代理店、コンテンツ提供者、コンテンツ提供者の代理人いわゆるレップなど)とそのサイトなど多岐にわたる場合についても、対応した構成とできる。以下、それら利害関係者からなる構成について、図23、図24をもとにいくつかの例を説明する。当然ながら、これらの例は組み合わせで実施することもできる。
第1の例は、図23に示すように、議論サイトと電子商取引サイトとの間の対応である。第1の例は、場合11と場合12という2つの場合に分けて説明できる。
場合11では、ある議論サイトAの一般の構成員a1が、自動車のなかでも特に四輪駆動車を購買したいと考え、自らの所属する議論サイトにおいて自動車というジャンルにつきジャンル別影響力の高い構成員を検索し構成員a2に対して、交信する権利を取得し質問をしたとする。構成員a2はその質問に対して回答し適切な説明や適切な四輪駆動車の推奨をでき、その推奨に基づいて構成員a1やその他構成員(その推奨を参照したり、転送されて推奨された構成員)が何らかの経済的行為を行えば、推奨対価を得ることができる。例えば、その推奨を受けて、自動車を扱う電子商取引サイトBにおいて構成員a1が四輪駆動車を購入した場合は、構成員a2は当該電子商取引サイトBから直接に推奨対価を受け取る構成とすることもできる。あるいは、同じ場合に、当該電子商取引サイトBから議論サイトAに対して推奨対価と手数料が支払われ、議論サイトAはその手数料を自らが受け取り推奨対価を構成員a2に支払うような構成とすることもできる。
しかし、構成員a1が、セダン車については十分な説明や推奨をおこなう能力があるにも係わらず、四輪駆動車については十分な説明や推奨をおこなう能力がない場合は(場合12)、自分だけで説明や推奨してしまうと、不適切な説明や推奨をおこなってしまい、その結果、構成員a2やその他構成員からの能力判定が低くなり、そのため影響力も下がり、ひいては将来に受け取る交信対価や推奨対価も減少する恐れがある。そのような場合、構成員a2は同じ議論サイト内部で自動車というジャンルにつきジャンル別影響力の高い他の構成員に対して、交信する権利を取得し質問をしたり、彼らの推奨を参照し伝播したり転送したりすることも可能である。しかし、同じ議論サイト内部で四輪駆動車については十分な説明や推奨をおこなう能力がある構成員がいない場合もありうる。そのような場合構成員a2は、自動車を扱う電子商取引サイトBで影響力の高い構成員b2や、自動車に特化した議論サイトCにおいて影響力の高い構成員c2や、あるいは別の議論サイトDに所属する自動車についてのジャンル別影響力の高い構成員d2に対して、サイトをまたがって交信する権利を取得し質問をしたり、サイトをまたがって彼らの推奨を参照し伝播したり転送したりすることも可能である。ここで、構成員b2,c2,d2は自動車についてのグローバルなジャンル別影響度が高いことになる。そのような場合、場合11において述べたような推奨対価と手数料を複数のサイトをまたがって伝播して行ない、必要により推奨対価の伝播関係における割引と同様の処理を行うような構成とすることもできる。また、同様に交信対価についても、交信対価と手数料を複数のサイトをまたがって伝播して行ない、必要により推奨対価の伝播関係における割引と同様の処理を行うような構成とすることもできる。
第2の例では、図24に示すように、クライアントから広告代理店そしてレップを経てコンテンツ提供者とそのコンテンツを交信するサイトに広告費が支払われ、コンテンツ提供者から何らかのサイトを経てその構成員にコンテンツとともに広告が交信されるとする。その際、広告代理店とレップとは同一であってもよく、また、コンテンツ提供者とそのコンテンツを交信するサイトとは同一であってもよい。そしてその際、そのサイトにおいて、影響力の高い構成員が、またはそのコンテンツc(または広告c)の内容に関してジャンル別影響力の高い構成員が、または例えば数式59のように定義されるそのコンテンツ内容または広告内容についての交信適合度が高い構成員kが、そのコンテンツc(または広告c)を転送したり自らの交信内容に埋め込みをしたりすることも可能である。
ここで、単語ベクトルとは、興味ベクトルを構成する興味項目がコンテンツc(または広告c)に単語として含まれる頻度を示すベクトルである。また、評価力や能力指標など影響力以外の特性、データを用いることもできる。ベクトルの内積に代えて、ベクトル間の距離の逆数などを用いてもよい。単語ベクトルに関しては、興味ベクトルの決定と同様に、tf×idf法や、類義語辞書や、コンテンツの集積における興味項目(単語)の共起確率行列などを用いた補正計算を行ってもよい。また、評価力や能力指標など影響力以外の特性データを用いることもできる。
【10】
そして、構成員kの交信の受信者がそれを受信したり参照をしたりするなどの経済的行為をなした場合は、構成員kは広告費のプールから推奨対価を受けることができる。受信や参照にともなう集計を省略するため、影響力の高い構成員や交信適合度が高い構成員kについては、転送や埋め込みの交信をしただけで一定の推奨対価を受け取ることができる構成としてもよい。もちろん、構成員kの交信の受信者がそれを元に購買をしたりするなどの経済的行為をなした場合も、構成員kは推奨対価を受けることができる。
13.<実施例4>(集団的意思決定支援システムの実現)
実施例4として、本発明を集団的意思決定支援システムに応用した場合について説明する。影響力・能力指標などの特性データに応じて魅力度を決定する仕組みを利用して、影響力に応じて投票権(投票の重み)が変わる集団的意思決定支援システムやアンケートシステムを得ることができる。その場合、上記評定piは、構成員iの意思決定選択肢pへの評定であり、選択肢を選択した場合を1、選択肢を選択しない場合を0として計算する。例えば、意思決定選択肢が、「火力発電所を東京都港区に建設することに賛成」と「火力発電所を東京都港区に建設することに反対」であり、例えば影響力を反映した魅力度を計算した結果「火力発電所を東京都港区に建設することに反対」の魅力度のほうが高ければ、「建設しないこと」が集団的意思決定となる。また例えば、住民投票における意思決定選択肢が、「火力発電所の建設場所は東京都港区港南にすべきである」と「火力発電所の建設場所は東京都港区北青山にすべきである」と「火力発電所の建設場所は東京都港区新橋にすべきである」であり、例えば能力指標を反映した魅力度を計算した結果「火力発電所の建設場所は東京都港区北青山にすべきである」の魅力度が最大ならば、「北青山に建設すること」が住民投票から得られる集団的意思決定となる。同様の仕組みで、住民アンケートを実施する例を考えることもできる。
14.<本発明のその他実施例>
本発明の他の実施例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
・電子政府システム(従来の電子政府構想では、優れた市民がオピニオンリーダとして注目されず埋没していた。同様に、的確な政策課題の発見も困難だった。それに対して、本発明を応用すれば、本発明を電子政府における市民参加に利用することで、オピニオンリーダを発掘し的確な政策課題を発見できる。構成員の識別眼を反映させて流行指標を求め、価値の高い新語・流行語(流行の端緒)をダイナミックに抽出することができるので、電子政府においても、多様な論点への注目を維持しつつ重要な新規論点を発見し、適切な政策課題を発見することが可能となる。)
・レコメンデーションエンジン(従来の方法では、興味項目が事前にデータベースにアンケート項目として登録された内容に限定されるため、社会や流行の変化などをダイナミックに反映することは不可能である。また、自分の興味が変化してもそれをきちんと登録しなおすことはまれなので、陳腐化して実情に合わなくなる。そのため、各人に適した情報や商品を推薦するといういわゆるレコメンデーションエンジンにおいても、過去に登録した興味項目に基づいてレコメンデーションされ、またその興味項目の粒度が適切でないので、自分の真の興味に沿っていないという問題があった。それに対して、本発明を応用すれば、最新の価値の高い情報がダイナミックに把握され、それをも利用して、各自の興味に沿った価値の高いコンテンツ・商品やそれへの批評・推奨が適切に提示され、コンテンツ・商品の流通が促進される。)
・いわゆるネットワークビジネスのための支援システム(従来のネットワークビジネスでは、扱い商品や構成員の推奨経路が固定していた。それに対して、本発明を応用すれば、構成員の推奨経路は自由であり、オープン性がある。即ち、従来のネットワークビジネスのように顧客間の親子関係は固定せず、それぞれに専門性のあるカリスマの推奨をうけることができる。また、商品もオープンである。既述のように、従来のネットワークビジネスのように自己傘下のチャネル会員を獲得するたびに継続的に発生させる構成としてもよい。また、推奨のための交信や経済的行為自体は、必ずしも本システムを介して行われる必要はなく、システム外で行われた交信や経済的行為等の内容をシステムが受け付けることができるように構成されていればよい。)
・多対多の同期メッセージシステム(同時に多対多で交信をする場合に、特性データに応じて優先権を設けて交信をさせることができる)
・知識管理など集団内部の知識交換のためのシステム(実施例1のようなグループウェアへの知識管理のためのシステムとして利用できる)
・ネットワークを利用した教育システム(構成員が切磋琢磨し、能力のある学習者が影響力のある教師としても振舞うようなシステムを構築できる)
・会話ゲームシステム(影響力などの特性データを競い合う音声などマルチメディアによる会話ゲームのシステムを構築できる)
・読者から編集者が選ばれるような新しい形態のオンラインマガジン(オンラインマガジンに対してコメントする構成員のなかから、影響力の高い作家と評価力の高い編集者が分化していくようなシステムを構築できる)
・人生相談サイト(影響力の高い構成員が相談員となり、交信対価を受けて相談の交信に応じるようなシステムをを構築できる)
・芸能人などのファンクラブやプロモーションサイト(芸能人との交信を交信対価により制御したり、ファンに影響力に応じた階層を設けるなどするシステムを構築できる)
15.<課題と効果の対応の整理>
従来の課題とそれに対応した本発明の効果は、いくつかの側面・応用場面において有機的に関連している。以下では、そのようないくつかの側面・応用場面に沿って、課題と効果の対応を整理する。
15−1<コンテンツが主体である交信の制御の必要性>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼XMLなどをベースに、今後は、コンテンツやコンテンツの関係者と独立にリンクを設定することが可能となる。リンクはコンテンツが主体である交信の一種である。したがって今後は、その制御の必要性が高まる。例えば、ある誤った治療法を紹介したコンテンツから、権威ある医療団体のコンテンツへのリンクが存在する場合、その誤った治療法を権威ある正しいものであると誤解する恐れが高く、不適切である。また、例えば、猟銃会社のコンテンツから動物愛護団体のコンテンツにリンクが張られた場合、動物愛護団体(コンテンツの関係者)にとっては非常に不本意である。設定されたリンク(主体がコンテンツである交信)が、このように不適切または不本意なものとならないように制御する必要がある。そのような課題が生じる原因として、リンクの設定を行なう資格が管理されていない(無資格性)、コンテンツの所有者や利用者などの利害関係者が関与する機会や機能がないという課題がある。
▲2▼主体がソフトウェアである場合は、人間とコンテンツの両方に類似した交信がありうる。さらに今後は、人間やコンテンツの代理として振舞うソフトウェア(いわゆるエージェント)が人間やコンテンツに付加され、人間、コンテンツ、ソフトウェアの区分は相対的なものとなる。これ以降に整理している課題は、そのままコンテンツ(含むソフトウェア)にも当てはまる。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼コンテンツの影響力(例えば、優れたコンテンツから高く判定されたコンテンツはやはり優れている。上記の例では、優れた学会論文というコンテンツからリンクされた権威ある医療団体のコンテンツの影響力は、高くなればならない。)や評価力(例えば、優れたコンテンツへのリンクを集積したハブコンテンツは優れた評価力を有している。)や興味(上記の例で言えば、猟銃会社のコンテンツと動物愛護団体のコンテンツでは、興味ベクトルが異なる。)などの特性データを決定する。のみならず、それら特性データを利用したコンテンツ間の交信の権利義務の制御や対価の制御を行う。従って、リンクの設定を行なう資格を制御でき、コンテンツの関係者がリンク設定に関与する機会や機能を提供できる。
▲2▼人間、コンテンツ、ソフトウェアのそれぞれが、交信の主体となる場合も、交信の目的事物となる場合も、統合的に制御することができる。
15−2<認知限界>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼人間には、他の全ての主体(たとえば自分や他人)や目的事物(たとえばコンテンツ)に注意を払い判断を下すことは、組み合わせ爆発的に不可能である。
▲2▼時々刻々と変化する最新の特性を認知し登録することは不可能である。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼構成員の認知を支援する。
▲2▼特性データを自動的に最新のものに更新する。
15−3<限定された交信範囲と無価値な出会い>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼現実世界では、主体が自他の特性を認知処理する限界から、主体同士の交信は限られた範囲に限定されたものとなる。
▲2▼新たな出会いを試みても、その多くは無価値な出会いとなる。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼限定された交信範囲を広げ、新たな出会いのために交信したい。ワンパターンな相手ではなく刺激が欲しい、ビジネス上のアドバイザーを探したいなどの欲求を実現できる。
▲2▼システムが自動的に交信適合度に基づき権利義務を設定する、すなわちシステムが交信の推奨を行うことにより、例えば有益な新規の交信を誘発することができる。
15−4<コミニュティの操作規模の限界>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼コミニュティが大規模すぎると情報洪水となり、適切な情報を検索したり受容することが困難となり、本来的価値の高い情報も受容される確率が低くなる。
▲2▼一方で、コミニュティが大規模でないと情報発信しても効率が悪い。つまり、上記▲1▼とトレードオフとなる。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼人間では操作不可能な大規模なコミニュティも、特性データ生成から把握できるカリスマを通じて情報を得ることで、操作可能にできる。このことは、グループウェアや知識管理システムそして電子商取引システムにも効果をもたらす。
▲2▼カリスマを通じて情報を発信し、コミニュティの交信を活性化させることができ、その結果大規模コミニュティへと発展させることができる。
15−5<人間洪水>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼コミニュティが大規模すぎると人間洪水となり、必要な人間が見つからない。
▲2▼そのために、必要な人間と交信できない。また必要な人間が仮に見つかっても、その人間に相手にしてもらえない可能性が高い。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼特性データを自動計算し、人間の価値付け(いわばランク付け)を行ない、ユーザ検索に利用することにより、Know Who機能を実現する。
▲2▼交信の権利義務を制御し、また権利行使/義務履行を促進することで、必要な交信が確実に行われる可能性を高める。
15−6<カリスマの確保維持コスト(手間)と信頼性>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼従来の議論サイトなどの電子コミュニティシステムのサービスでは、手間とコストをかけていわゆるカリスマやエキスパートを募集し確保維持してきたが、その手間やコストが膨大であった。
▲2▼しかも、募集し確保維持してきたカリスマやエキスパートが、本当にカリスマやエキスパートであるか、つまり影響力、能力、評価などの特性が本当に高いかは、不明だった。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼カリスマやエキスパートは、交信の過程で影響力などの特性データの決定を通じて、いわばシステムによって自動生成されるので、従来より運営コストがはるかに低くなる。
▲2▼影響力、能力、評価などの特性データが、相互依存関係の中で客観的に(つまり多くの主体の判断の蓄積により、かつ定量的に)裏付けられる。
15−7<初期値依存による局所均衡と特性バイアス>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼現実世界では特性の相互依存関係が不完全に作用するため、特性バイアスが生じる可能性がある。価値の高い主体が必ずしも本来持つべき強い影響力を持てないため、集団・市場などコミニュティ全体で見ると、非常に大きな損失となる。また、コンテンツの価値のランク付けを行う従来の計算論的方法は、特性バイアスを助長してしまう。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼局所均衡に陥るのは、交信関係が限定されたものとなるためであり、新たな交信関係を創発して、能力に応じた影響力を実現していく。また、特性変動や対人判断の時間減衰により、特性データの固定化を回避する。それによって、集団の構成員の特性バイアスを解消し、主体の価値(主体が人間の場合なら能力)の高低と影響力の高低が一意に対応するような理想的均衡に近づける。主体が人間の場合でいえば、能力のある人が適切な影響力を持ち、才能が正当に世に認められ、価値の高い人材及び価値の高い情報に適切な注意が払われるようになり、集団内・市場内での価値創造を促進する。
15−8<情報洪水>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼情報を発信する人間が多すぎて、情報が過多となる。価値の低い情報が洪水のように氾濫して、価値の高い情報が埋没してしまう。
▲2▼その結果、価値の高い情報が見つからない。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼価値の高いコンテンツを生成する人間を弁別し養成することで、情報洪水の背後にある人間洪水とでもいうべき事態を解決する。つまり、コラボレーティブ(インタラクティブ)な交信において価値の高い人間を適切にフィルタリングする。
▲2▼価値の低い主体が無視され抑制される結果、価値の高い交信の蓄積により価値の高いコンテンツが生成され、結果として情報洪水を回避できる。また、コンテンツの交信スコアや影響力魅力により、価値の高いコンテンツを検索することができる。
15−9<動的コンテンツの特性データ>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼価値の高い動的コンテンツを吟味することは、静的コンテンツ以上に困難である。
▲2▼Page Rank法は、通常のHTMLのWEBページという静的コンテンツには利用できるが、掲示板やメーリングリストなどの動的コンテンツには利用できない。
▲3▼従来から、主として静的コンテンツに関する適切な特性データを用意するために様々な方法が検討されている。1つは、オントロジーを構築していく方法である。しかし、それらの方法はその構築コストが問題となる。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼コラボレーティブ(インタラクティブ)な交信を行なう人間およびそこで生み出される動的コンテンツに関する適切な特性データを自動的に生成する。
▲2▼本発明は、従来技術では適切に制御することができなかった動的コンテンツを制御することで、より大きなニーズを充足することができる。いかなる動的コンテンツにも利用可能。
▲3▼特性データが自動的に構築され、構築コストが非常に低い。本発明の生成する特性データをXMLで表現すれば、コンテンツの利用可能性が飛躍的に高まる。それを用いて、オントロジーやトピックを低コストで構築することも支援できる。
15−10<マルチメディアコンテンツ>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼マルチメディアコンテンツには多くの利点があるが、マルチメディアコンテンツ(特に動画や音声)は、テキストコンテンツのような飛ばし読みによる内容の把握ができないので、「時間をかけて鑑賞して初めてその効用が明らかになる」という問題がある。それを解決するためには、適切な特性データによるコンテンツの内容・価値の把握が必要である。
▲2▼知的充足感やエンターテイメント性の高い通信放送融合コンテンツが存在しない。感動を改めてテキストで入力するということは、素直な表現が難しく感興がそがれてしまうし、ITリテラシが高くないお年寄りにまったくそぐわない。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼本発明をマルチメディア技術と統合すれば、コンテンツへの批評をマルチモーダルな形で統合し、音声により感興を素直に表現できるようになる。そして、マルチメディアコンテンツの価値・内容の把握が、特性データにより時間をかけずにより簡便にできるようになる。
▲2▼コンテンツと批評をマルチモーダルな形で統合することができる。つまり批評そのものが、知的充足感やエンターテイメント性の高い通信放送融合コンテンツとなる。また、これによってお年寄りなどITリテラシが高く無い層も楽しめる通信放送融合コンテンツを実現することができる。
15−11<コンテンツとコミュニュケーションケーションの統合を支援しない>
掲題に関して、従来技術には次のような裸題があった。
▲1▼「価値の高いコミニュケーション(交信)の蓄積から、価値の高いコンテンツが生成される。そのコンテンツを参照して更に価値の高い交信が行われ、その結果更に価値の高いコンテンツが生成される。」というポジティブフィードバックを働かせるには、コンテンツとコミュニュケーションの統合的な制御が必要である。
▲2▼その効率的な制御のためには、交信を行なう人間およびそこで生成される動的コンテンツに関する適切な特性データが必要である。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼コンテンツとコミュニュケーションを統合的に制御する。
▲2▼そのために必要な、交信を行なう人間およびそこで生成される動的コンテンツに関する適切な特性データを自動的に生成する。
15−12<議論サイトの停滞>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼積極的に交信しコンテンツを生成する者はごく一部であり、ほとんどの人はROM(Read Only Member,コンテンツを受信するだけで発信しない構成員)である。生成者も玉石混交である。しかし、対価や自己実現欲求やなどの議論の動機付けが不足するため、集団での交信が停滞する。
▲2▼荒らし(フレーミング)といわれる悪意ある交信により、価値の高い交信が阻害される。
▲3▼価値の高いものを評価・評定し発見することへのインセンティブが存在しないことも、その一因である。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼特性データという一種のスコア付けや階層により主体が明確に価値付けられ交信にゲーム的な娯楽性が付与される、対価というインセンティプが確保される、影響力や興味に応じた新たな出会いの機会(特に影響力の高い人間との新たな交信の機会)が生まれ自己実現欲求が満たされるなどの理由により、各自の動機付けが明確となり、より以上に努力をするようになり、議論サイトが活性化する。
▲2▼コミュニティを構成する主役は実は声無き一般ROM(例9,000人/10,000人)である。一般ROMとしてはつまらない発言者は無視して、カリスマ(例100人/10,000人)の価値の高いコンテンツだけ接したほうが高い効用を得られる。無視された人間は、「無視されても価値の低い発言を続けるが、コミュニティでは無視される」、「改心して一般ROMになる」、「失望してコミュニティを去る」、「切磋琢磨してカリスマになる」のうちいずれかを選らぶ。どれもコミニュティにとっては無害または好都合である。逆に、いままでは「無視されるに違いない」と発言を控えていた価値は高いが影響力の低い人間が、積極的に発言してカリスマになることも期待できる。
▲3▼評価力に対してインセンティブを与えることにより、構成員の他の構成員に対する評定にかかわる労力を補償することができる。そのため、構成員が自らの評価力を高くするために、能力が高いにもかかわらずまだ注目されておらず影響力が高くない構成員に対して、積極的に評定を行うことを促すことができ、結果として、能力が高いにもかかわらず注目されていない構成員の発掘を促すことができる。
15−13<知識提供インセンティブの欠如>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼自分だけのノウハウや知識は公開するからには、なんらかの制度的なインセンティプ(報酬、対価)があることが望ましい。そのためには、「知的充足」と「金銭・地位的対価」を有機的に制御する情報技術が求められている。
▲2▼交信のニーズには、知識へのニーズだけではなく、「あのカリスマと話をしたい」など交信すること自体へのニーズである場合もある。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼影響力に応じた適正な対価を受けることができる。その結果、影響力・能力のあるカリスマやエキスパートの交信を動機付ける。そして、交信から利得を得て、プロのコメンテーターとなったり、コメントしてお小遣いを得ることができるようになる。また、「タダで話してあげる(教えてあげる)のは損だ」という交信を阻害する思いをなくすこともできる。
▲2▼質問への回答の権利・義務を対価を扱うのではなく、交信の権利・義務や対価を扱っている。つまり、回答より広いニーズに対応できる。たとえば、対価により有名人との交信権利の獲得をおこなうことができる。
15−14<暗黙知とKnow Who>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼形式知(言語化された知識)には限界があり、変化に即応しかつ暗黙知(言語化されない知識)を含んだ情報・知識ソースとして人的資源が重要であるが、適切に制御できない。Know How支援とKnow Who支援を有機的にフィードバックして支援するような情報技術が求められているが、存在しない。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼ナレッジマネジメントにおいて、エキスパートを自動生成し、変化に即応しかつ暗黙知(言語化されない知識)を含んだ情報・知識ソースとして人的資源を効率的に操作できる。対話による暗黙知の形式知(Know Who支援によるKnow Howの表出化支援)への表出化も支援できる。
15−15<採用・人事評価>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼従来のグループウェアや知識管理システムでは、高々単純な参照数の集計を求める程度で、集団でのインタラクションを通じて発揮された価値を適切に評価し報いることができなかった。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼インタラクションを通じて発揮された価値を、定量的に把握でき、採用・人事評価に応用することができる。例えば、影響力を採用や昇進の人事評定の基準の一部として利用することができる。
15−16<膨大な計算量>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼PageRank法では、大規模固有値問題を解く計算が必要で、計算量が膨大であり、特殊な実装を用意しないと運用ができない。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼差分方程式などの形で実装でき、かつつど1回の計算なので、計算量が少ない。また、能力と影響力が一意に対応した理想均衡により早く到達できることは、シミュレーションによっても確認されていている。
15−17<同期と非同期の分離>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼非同期通信は、一般にテキストなどの静的なコンテンツである形式知の通信であるということができ、交信内容の文脈(背景情報)が理解しづらく、それに対する質問なども行いづらい。しかし、同期通信は、構成員相互の交信機会の同期を取る必要があり、また価値が低いか高いかは、実際に交信してみないと判断できない。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼マルチメディアなどの動的コンテンツやそれを交信する人間の特性データにより、内容の価値を事前に判断できるようにする。また、質問などの交信を行う権利・義務の制御を行う。これにより、動的コンテンツの文脈を保持した形で内容を理解することができ、非同期通信に同期通信的な特徴を付与することができる。
15−18<市場調査における定量調査と定性調査の限界>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼従来は、流行を把握するためアンケートなどによる定量調査が用いられた。しかし、興味項目が事前に用意された内容に限定されるため、流行などの社会変化をダイナミックに把握することは不可能である。
▲2▼自由記述アンケートやインタビューなどの定性調査で新たな項目を把握しようとすると、コストや恣意性の点で問題がある。分析者の認知能力の限界があることから、重要でない論点や項目に注目してしまったり、逆に重要な論点や項目を見落とすことも、しばしばある。
▲3▼定量調査にせよ定性調査にせよ、部分人々の日常的な営みや業務における議論の範囲外において行われているため、実施のための特別な枠組みが必要でありそのためにいずれにせよ高いコストが必要となってしまう。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼影響力に基づき流行指標たる興味項目通常度を求めている。従来の単純な集計によって流行指標を求めるのではなく、構成員の識別眼を反映させて流行指標を求めることができ、価値の高い新語・流行語(流行の端緒)をダイナミックに抽出することができる。
▲2▼大多数の構成員の意見を集約しており、客観的な裏づけがある。
▲3▼システムにより、また日常的なコミニケーションを通じて、新規項目を把握できるので、安価である。
15−19<対価が妥当でない>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼対価の根拠が不明確・不合理である。そのために、対価を媒介とした知識流通が活性化しない。
▲2▼交信対価と推奨対価を混同している。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼交信対価に影響力などの特性データを、推奨対価に商品売上などの経済指標を反映し、明確・合理的である。能力のある構成員は、自分の努力および影響力に応じて適切に計算された対価を受け取ることができる。
▲2▼両者は明確に区分される。
15−20<従来のプロモーションにおける問題点>
掲題に関して、従来技術には次のような課題があった。
▲1▼マス広告に高いコストが必要である。
▲2▼広告は提供者の論理(企業からの一方的な宣伝)とみなされ、消費者の共感を得づらい。
▲3▼ロイヤリティの高い顧客は、市場や商品や需要について優れた知見を有するオピニオンリーダー・カリスマであると考えられるが、彼らと交信し有用な知識を取得することは困難である。
それに対して、本発明では課題に対応した以下のような効果を期待できる。
▲1▼一般のプロモーション費用に比較して、非常に少ないコストで実現できる。
▲2▼影響力が高まると、推奨の交信の増加、及び影響力の相対的比率、という2つの効果で対価が高まるため、カリスマ消費者の努力を促すことが出来る。そのため、一般消費者は等身大で共感できる価値の高い情報を得ることが出来る。
▲3▼企業はカリスマ消費者を同定し、有用な知識を得ることができる。
16.<シミュレーションによる効果の検証>
上述した特性の相互依存関係に基づきシミュレーションを行った結果を示す。
図25に、理想環境(対人判断ikの行列がランク落ちしていない状態)におけるシミュレーション結果を示す。図25(a)は、均衡状態に至るまでの収束過程の一例(グラフ上の各線は各構成員に相当する)、図25(b)は、シミュレーションして得られた均衡状態の一例である。図より、理想環境においては、すばやくスムーズに均衡状態に移行していることがわかる。また、理想環境においては、上記のような相互依存関係の結果として均衡に達して、主体の本来的価値(主体が人間の場合なら能力)の高低が影響力の高低を一意に決定していることがわかる。
図26に、現実環境(対人判断ikの行列のほとんどが欠損し0になっている状態)におけるシミュレーション結果を示す。図26(a)は、均衡状態に至るまでの収束過程の一例、図26(b)は、シミュレーションして得られた均衡状態の一例である。図より、現実環境においては、影響力と能力との対応関係がスムーズに均衡状態に移行していないことがわかる。また、現実環境においては、本来的価値(ここでは能力)に見合う影響力がない主体が存在する(埋もれた才能)、本来的価値があまり高くないのに影響力を独占する主体が存在する(僭越)という現象が生じていることがかわる。
図27に、現実環境において、本発明において採用している種々の制御(例えば、特性変動や、権利義務の制御など)を適用した場合における、シミュレーション結果を示す。図27(a)は、均衡状態に至るまでの収束過程の一例、図27(b)は、シミュレーションして得られた均衡状態の一例である。図より、現実環境においても、本発明を適用することにより、すばやくスムーズに均衡状態に移行していることがわかる。また、均衡状態において、主体の本来的価値(ここでは能力)の高低が影響力の高低に適切に対応していることがわかる。
本発明によれば、コミュニティでの主体や目的事物の特性・価値とそれらの相互依存関係を統合的に考慮して交信を制御することで、認知限界やそれによる交信範囲の限界そして特性バイアスという課題を解決する。また、それによって、情報洪水という課題を解決すると共に、構成員やコンテンツ関係者のコミニュケーション欲求や利得欲求を充足することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施形態である交信制御システムの構成を示すブロック図である。
図2は、入出力モジュール、主体特性決定モジュールの機能構成を示すブロック図である。
図3は、交信モジュール、目的事物特性決定モジュール、推奨制御モジュールの機能構成を示すブロック図である。
図4は、主体関連情報データベース、目的事物関連情報データベースのデータ構造を説明するための図である。
図5は、特性変動処理1を説明するためのフローチャートである。
図6は、特性変動処理2を説明するためのフローチャートである。
図7は、特性変動処理3を説明するためのフローチャートである。
図8は、特性変動処理4を説明するためのフローチャートである。
図9は、興味対象抽出処理を説明するためのフローチャートである。
図10は、興味項目通常度制御処理1を説明するためのフローチャートである。
図11は、興味項目通常度制御処理2を説明するためのフローチャートである。
図12は、権利義務設定処理1を説明するためのフローチャートである。
図13は、権利義務設定処理2を説明するためのフローチャートである。
図14は、権利義務設定処理3を説明するためのフローチャートである。
図15は、権利義務設定処理4を説明するためのフローチャートである。
図16は、基準決定処理1を説明するためのフローチャートである。
図17は、基準決定処理2を説明するためのフローチャートである。
図18は、権利義務設定処理5を説明するためのフローチャートである。
図19は、オークション権利義務設定処理を説明するためのフローチャートである。
図20は、階層設定処理を説明するためのフローチャートである。
図21は、推奨により推奨対価等が決定される枠組みを説明するための図である。
図22は、本発明の実施例の掲示板システムにおける、表示例を示す図である。
図23は、コミニュティが複数のWEBサイトなどに分散して関連づけられている場合の一例を説明するための図である。
図24は、コミニュティが複数のWEBサイトなどに分散して関連づけられている場合の他の例を説明するための図である。
図25は、理想環境における、シミュレーション結果を示す図である。
図26は、現実環境における、シミュレーション結果を示す図である。
図27は、現実環境において、本発明において採用している種々の制御を適用した場合における、シミュレーション結果を示す図である。
Claims (32)
- 複数の主体が属するコミュニティを対象とした情報処理システムであって、
主体の特性データとして、主体のコミュニティに対する影響力と、他の主体に対する注意とを、少なくとも記憶する特性記憶手段と、
主体k以外の一人以上の主体iを選択し、前記選択した主体iの影響力と、前記選択した主体iの主体kに対する注意とに少なくとも基づいて、主体kの影響力を決定する機能を少なくとも備える決定手段と、
主体の特性データを少なくとも出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。 - 前記決定手段は、主体iの主体kに対する主観的評価に少なくとも基づいて、主体iの主体kに対する注意を決定する機能を備えることを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
- 前記決定手段は、主体iの影響力に基づいて、主体iの主体kに対する主観的評価のうち、主体iの主体kに対する注意を決定する際に利用する主観的評価を選択する機能を備えることを特徴とする請求項2記載の情報処理システム。
- 前記決定手段は、主観的評価入力時からの経過時間に基づいて、主観的評価を時間減衰させて、主体iの主体kに対する注意を決定する機能を備えることを特徴とする請求項2又は3記載の情報処理システム。
- 前記特性記憶手段は、主体の特性データとして、主体間の興味近似度合を示す興味一致度を記憶しており、
前記決定手段は、主体iの主体kに対する主観的評価と、主体iと主体kとの興味一致度とに少なくとも基づいて、主体iの主体kに対する注意を決定する機能を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理システム。 - 前記決定手段は、主体ごとに各興味項目に対する興味度合を要素とする興味ベクトルを求め、該興味ベクトルに少なくとも基づいて興味一致度を決定する機能を備えることを特徴とする請求項5記載の情報処理システム。
- 更に、主体ごとに記憶される興味対象候補情報から動的に新規の興味項目や主体の興味対象を抽出する機能を備える興味制御手段を備えることを特徴とする請求項6記載の情報処理システム。
- 前記興味制御手段は、各興味項目について、一部又は全部の主体による該興味項目に対する興味度合と、該主体の特性データとに少なくとも基づいて、該興味項目に対する流行指標を決定する機能を備えることを特徴とする請求項7記載の情報処理システム。
- 前記興味制御手段は、前記流行指標について予め定めた基準値を参照して変動させる機能を備えることを特徴とする請求項8記載の情報処理システム。
- 前記特性記憶手段は、主体の特性データとして、主体の評価力を記憶しており、
前記決定手段は、主体iの主体kに対する注意が、主体kの影響力の決定に寄与した度合いに少なくとも基づいて、主体iの評価力を決定する機能を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理システム - 前記決定手段は、特性データの特異性又は/及び普遍性に基づいて、特性データに変動を加えて決定する機能を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
- 更に、目的事物の特性データとして、目的事物の価値を少なくとも記憶する第2特性記憶手段と、
主体の特性データに基づいて、該主体に関わる目的事物の価値を決定する第2決定手段とを備え、
前記出力手段は、前記目的事物に関連する情報を、前記決定した価値に関連づけて出力することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の情報処理システム。 - 前記目的事物は、電子掲示板システム又は電子メールシステム等における交信内容、コンテンツ、商品(無体物を含む)、複数の選択肢が有る場合の各選択肢、のいずれかであることを特徴とする請求項12記載の情報処理システム。
- 前記第2決定手段は、主体の特性データに基づいて主体又は/及び該主体に関わる目的事物の初期価値を決定し、かかる決定時又はそれに準ずるタイミングからの経過時間に基づいて初期価値を時間減衰させて、価値を決定する機能を備えることを特徴とする請求項12又は13記載の情報処理システム。
- 前記主体は構成員、コンテンツのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の情報処理システム。
- 更に、
主体の特性データを参照して主体間の交信の制御を行う交信制御手段と、
主体間の交信の内容を含む交信履歴を記憶する履歴記憶手段と、を備えることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の情報処理システム。 - 前記交信制御手段は、主体iの特性データに基づいて、主体iと交信を行うこと、又は/及び主体iによって交信検討がなされること(以下、「交信等を行う」と呼ぶ。)に対する対価(以下、まとめて「交信対価」と呼ぶ。)を決定する機能と、
主体iに交信対価が支払われた場合に、又は主体iが交信対価を承諾した場合に、主体iについて交信対価に対応する交信等を可能な状態とする機能とを備えることを特徴とする請求項16記載の情報処理システム。 - 前記交信制御手段は、主体iが対象pを推奨した場合であって、主体kが前記推奨に基づいて対象pを取得する行為又はこれに準ずる行為を行った場合に、対象pの経済的価値又はこれに準ずる指標に少なくとも基づいて、前記推奨したことに対する対価、又は/及び前記推奨に基づいて行為を行ったことに対する対価(以下、まとめて「推奨対価等」と呼ぶ。)を決定する機能を備えることを特徴とする請求項16又は17記載の情報処理システム。
- 前記交信制御手段は、主体iの特性データに基づいて、関数値の増分が増えるような非線形逓増関数を利用して、前記対価を決定する機能を備えることを特徴とする請求項17又は18記載の情報処理システム。
- 前記交信制御手段は、主体iと交信を希望する他の主体からの提示価格に基づいて、主体iの交信対価を決定する機能を備えることを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の情報処理システム。
- 前記交信制御手段は、2以上の主体に、交信等を行う権利義務(以下、「交信権利義務」と呼ぶ。)を設定する機能と、
交信権利義務の設定された主体から権利行使又は/及び義務履行の指示がある場合に、該主体について、交信等を行うことを可能な状態とする機能とを備えることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1項に記載の情報処理システム。 - 前記交信制御手段は、主体iの特性データ又は/及び交信履歴に基づいて、主体iに交信権利義務を設定する機能を備えることを特徴とする請求項21記載の情報処理システム。
- 前記交信制御手段は、主体iの特性データに基づいて、主体iに交信権利義務を設定するための基準を設定する機能と、
主体iの前記設定した基準と、主体i以外の主体の特性データとに基づいて、主体iとのあいだに交信権利義務を設定する主体kを選択する機能とを備えることを特徴とする請求項21又は22記載の情報処理システム。 - 前記交信制御手段は、2以上の主体に、交信等を行う権利を取得すために応札する権利と応札に対処する義務(以下、「応札権利義務」と呼ぶ。)を設定する機能と、
応札権利義務の設定された主体からの権利行使又は/及び義務履行の指示がある場合に、該主体について、応札又は応札に対処することを可能な状態とする機能とを備えることを特徴とする請求項16乃至23のいずれか1項に記載の情報処理システム。 - 前記交信制御手段は、主体iの特性データに基づいて、主体iが属する階層を設定する機能と、
2以上の主体に、該主体らが属する階層に基づいて、前記権利義務関係を設定する機能とを備えることを特徴とする請求項21乃至24のいずれか1項に記載の情報処理システム。 - 前記決定手段は、主体について所定の条件が成立した場合に、ペナルティ的な変動が加わるように、該主体の特性データを決定する機能を備えることを特徴とする請求項21乃至25のいずれか1項に記載の情報処理システム
- 前記交信制御手段は、主体について所定の条件が成立した場合に、ペナルティ的な変動が加わるように、該主体の前記対価を決定する機能を備えることを特徴とする請求項21乃至26のいずれか1項に記載の情報処理システム
- 前記所定の条件が成立した場合とは、主体が前記義務を履行しないと判断された場合であることを特徴とする請求項26又は27記載の情報処理システム。
- 前記所定の条件が成立した場合とは、主体iから入力される条件に基づき、主体iとのあいだに前記権利義務関係を設定する他の主体を限定した場合であることを特徴とする請求項26乃至28のいずれか1項に記載の情報処理システム。
- 前記所定の条件が成立した場合とは、主体iから入力される秘匿指示に基づき、主体iに関する情報のうち一部又は全部を交信相手に秘匿した状態で交信を行う場合であることを特徴とする請求項26乃至29のいずれか1項に記載の情報処理システム。
- 複数の主体が属するコミュニティを対象とした情報処理方法であって、
主体の特性データとして、主体のコミュニティに対する影響力と、他の主体に対する注意とを、少なくとも記憶する特性記憶工程と、
主体k以外の一人以上の主体iを選択し、前記選択した主体iの影響力と、前記選択した主体iの主体kに対する注意とに少なくとも基づいて、主体kの影響力を少なくとも決定する工程と、
主体の特性データを少なくとも出力する出力工程と、
を備えることを特徴とする情報処理方法。 - 請求項31記載の情報処理方法をコンピュータで実行させるためのプログラム。
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