JPWO2002072915A1 - コンディショニング剤およびその利用 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、プラスチック等の不電導物上へのパラジウム−スズコロイド触媒の吸着を促進させるためのコンディショニング組成物に関し、更に詳細には、低濃度のパラジウム−スズコロイド触媒を使用しても十分なパラジウムスズコロイド触媒を析出させることのできるコンディショニング剤、コンディショニング組成物およびこれらを利用する不電導性高分子材料上へのパラジウム−スズコロイド触媒の析出方法に関する。
背景技術
古くより、プラスチック等の不電導性高分子材料上へ金属皮膜を形成させるために、当該高分子材料表面にパラジウム−スズコロイド触媒(以下、「Pd−Sn触媒」という)を析出させる、いわゆるキャタライジング処理を行い、その後必要により無電解めっきを施した後、金属電気めっきを施す、いわゆるプラスチックめっき方法が行われてきた。また、最近のプリント配線板では、複数のプリント基板を組み合わせ、多層化することが通常であり、これらの基板間にスルホールやブラインドビアホールを設け、これらのホール内に析出した金属を介して各基板を導電させるようになってきた。
上記のいずれの方法においても、後工程において目的とする部分に的確に金属皮膜を形成させるために、キャタライジング処理において、Pd−Sn触媒が十分に、かつ均一に吸着・析出せしめることが必要とされている。そして、このような吸着・析出を得るためには、使用するPd−Sn触媒液の濃度は一定以上の濃度でなければならないとされていた。
しかしながら、パラジウム自体極めて高価な金属であり、Pd−Sn触媒液の濃度が高ければ高いほど、いわゆる「くみ出し」によって失われる触媒の量が多いため、経済性の面では大きな問題となっており、より低い濃度の触媒液でキャタライジング処理を行うことが強く求められている。
従って、この分野の課題として、Pd−Sn触媒液の濃度を低下させながら、均一なPd−Sn触媒層を析出させることのできる手段の提供が存在していた。
また、従来のコンディショニング剤ではコンディショニング効果が弱いとされていたポリイミド樹脂(特にレーザー穴明け面)やガラス繊維を含む樹脂にも優れたコンディショニング効果を付与することのできる手段も求められていた。
発明の開示
本発明者は、キャタライジング処理の条件に関し種々検討を行っていたところ、キャタライジング処理の良否は、使用するPd−Sn触媒液のみならず、その前工程のコンディショニング処理にも大きな影響を受けるものであることを知った。そして、よりコンディショニング効果を高めるための組成物について研究していたところ、特定の高分子成分を使用したコンディショニング剤やこれに他の特定の高分子成分を組み合わせて調製したコンディショニング組成物は、優れたキャタライジング効果を与えることができ、従来のPd−Sn触媒液の濃度を1/3程度としても何ら問題のないPd−Sn触媒層を析出しうるという優れたコンディショニング効果をできるものであることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の第一の目的は、次の成分(A)、
(A)式 (I)、(II)または(III)
(式中、Rは炭素数12から20の、飽和または不飽和のアルキル基を、R1からR5はそれぞれ低級アルキル基を、L1は低級アルキレン基をそれぞれ示し、nおよびmはそれぞれ5から10の数を示す)
(式中、R6およびR7はそれぞれ低級アルキル基を示し、lは10から100の数を示す)
(式中、PEGは分子量1,000から10,000のポリエチレングリコール基を示し、L2は炭素数12から20の、飽和または不飽和のアルキレン基を、pは10から100の数を示す)
で表される高分子化合物の一種または二種以上
を有効成分として含有する脱脂コンディショニング剤を提供することである。
また本発明の第二の目的は、上記成分(A)と下記成分(B)、
(B)次の式(IV)、(V)または(VI)
(式中、R’は水素または低級アルキル基を示し、Yはハロゲンイオン、硫酸アニオン、硝酸アニオンまたはリン酸アニオンを示し、qは100から10,000の数を示す)
(式中、R8およびR9は水素または低級アルキル基を示し、rは100から10,000の数を示す)
(式中、Zはハロゲンイオン、硫酸アニオン、硝酸アニオンまたはリン酸アニオンを示し、R8、R9およびrは前記した意味を有する)
で表される高分子化合物の一種または二種以上
を有効成分として含有するコンディショニング組成物を提供することである。
更に本発明の目的は、不電導性高分子材料を上記コンディショニング剤ないしコンディショニング組成物で処理した後、これをパラジウム−スズコロイド触媒を含有するキャタライザーに浸漬処理することを特徴とする不電導性高分子材料上へのパラジウム−スズコロイド触媒の析出方法を提供することである。
発明を実施するための最良の形態
本発明のコンディショニング剤は、式(I)から(III)で表される高分子化合物から選ばれる成分(A)(第一の高分子成分)を有効成分として調製されるものである。
この成分(A)のうち、式 (I)で表される高分子化合物は、次の式(VII)で表されるアクリル酸エステルモノマーと、式(VIII)で表されるアクリル酸エステル4級化物モノマーを共重合させた構造を有するものである。
(式中、R、R1〜R5およびL1は前記した意味を有する)
この高分子化合物(I)において、エステル基Rとしては、炭素数12から20のアルキル基またはアルケニル基が挙げられ、その具体例としては、ステアリル基、パルミチル基、オレイル基等が挙げられる。また、基R1〜R5の低級アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基等、炭素数1から4のアルキル基が挙げられる。更に、L1の低級アルケニル基としては、メチレン基、エチレン基等が挙げられる。
この高分子化合物(I)は、常法に従い、アクリル酸エステルモノマー(VII)とアクリル酸エステル4級化物モノマー(VIII)を共重合させることにより得られる。
また、成分(A)として用いられる高分子化合物のうち、式(II)のものは、例えば次の式(IX)で表されるモノマーを縮重合させた構造を有するものである。
(式中、Xはハロゲン等の脱離基を示し、R6およびR7は前記した意味を有する)
高分子化合物(II)において、式R6およびR7で示される低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等、炭素数1から4のアルキル基が挙げられる。
この高分子化合物(II)も、常法従い、モノマー(IX)を縮重合させることにより得られるものである。
更に、成分(A)のうち、高分子化合物(III)は、例えば式(X)で表されるジアミンとポリオキシエチレンを縮合させた構造を有するものであり、式(III)中の基L2としては、ステアリル基、パルミチル基、オレイル基等が挙げられる。
この高分子化合物(III)の製造は、一般的な方法に従い、ジアミン(X)にポリオキシエチレンを反応させることにより得られるものである。
なお、上記の式(I)から(III)の高分子化合物は、いずれも市販されており、例えば日本油脂株式会社等から入手することができる。
本発明のコンディショニング剤は、上記高分子化合物(I)から(III)の何れか1種または2種以上を、必要により適当な担体あるいは他種成分と組み合わせることにより調製される。上記の成分(A)は、使用時の浴中濃度が0.1〜20g/L程度、好ましくは1〜5g/L程度となるようコンディショニング剤に配合すればよい。
また、本発明のコンディショニング組成物は、第一の高分子成分である成分(A)に式(IV)から(VI)で表される高分子化合物から選ばれる成分(B)(第二の高分子成分)を常法により混合し、製剤化することにより調製される。
第二の高分子成分である成分(B)のうち、高分子化合物(IV)の低級アルキル基R’としては、メチル基、エチル基、プロピル基等、炭素数1から4のアルキル基が挙げられる。この高分子化合物(IV)は、例えば、PVAD、ダイヤクリアー(いずれも三菱化学株式会社製)等として市販されているので、これを利用することができる。
更に、成分(B)のうち、高分子化合物(V)および(VI)におけるR8およびR9の低級アルキル基としても、メチル基、エチル基、プロピル基等、炭素数1から4のアルキル基が挙げられる。
これらの高分子化合物は、下記式(XI)で表されるアルキルビニルアミンを重合させることにより、あるいは更にこの重合物のアミノ基を塩酸等のハロゲン酸や、硫酸、硝酸、リン酸等で4級化することにより得られるものである。
このものも、例えば、PVAM(三菱化学株式会社製)等の商品名で市販されているので、これを利用することができる。
本発明のコンディショニング組成物における成分(A)は、使用時の浴中濃度が0.1〜20g/L程度、特に1〜5g/L程度となる量をコンディショニング組成物中に配合することが好ましく、また成分(B)は、使用時の浴中濃度が0.1〜10g/L程度、特に1〜5g/L程度となる量をコンディショニング組成物中に配合することが好ましい。
本発明のコンディショニング剤ないしコンディショニング組成物は、前記したように、成分(A)単独で、ないしはこれと成分(B)とを組合せ使用することにより調製されるが、更に必要により適当な担体あるいは他種成分を添加することができる。
本発明のコンディショニング剤やコンディショニング組成物(以下、「コンディショニング剤等」という)に配合しうる担体ないし他種成分としては、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン系化合物、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム等の無機アルカリ化合物、ノニルフェノールエトキシレート、2級アルコールエトキシレート等のノニオン系界面活性剤等が例示される。
これらの成分のうち、有機アミン系化合物や無機アルカリ化合物等のアルカリ物質や界面活性剤を配合したコンディショニング剤等は、脱脂力が向上するので、専用コンディショナーとしてのみならず、脱脂コンディショナーとして使用することもできる。
この脱脂コンディショナーを調製する場合の好ましい成分及びそれらの量範囲を例示すれば次の通りである。
成 分 (A) : 0.1〜20g/L(1〜5g/L)
[成 分 (B) : 0.1〜10g/L(1〜5g/L)]
モノエタノールアミン : 2〜30g/L(5〜20g/L)
トリエタノールアミン : 1〜20g/L(2〜10g/L)
水酸化ナトリウム : 0〜50g/L(0〜20g/L)
炭酸ナトリウム : 0〜50g/L(0〜20g/L)
ノニオン系界面活性剤 : 0〜30g/L(2〜10g/L)
(注)カッコ内は好ましい範囲
かくして得られる本発明のコンディショニング剤等は、従来のコンディショナーと同様、無電解めっきや、無電解めっきを行わないダイレクトプレーティング法(DPS法)の前処理として、種々の不電導性高分子材料、例えばプラスチック材料やガラスエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の基板などに対し、Pd−Sn触媒の析出性を高めるために使用することができる。
本発明のコンディショニング剤等の使用条件も特に制約はなく公知のものとほぼ同一でよいが、キャタライザーに含まれるPd−Sn触媒量は、従来のものと比べ、少なくすることが可能である。
すなわち、後記実施例で示すように、本発明のコンディショニング剤等は、特にPd−Sn触媒が析出しにくいとされるポリイミド樹脂に対しても、従来要求されていた濃度の1/3のPd−Sn触媒濃度のキャタライザーをもちいても、完全な析出を得ることができるものである。
従って、本発明のコンディショニング剤等でコンディショニングを行うことにより、後工程のキャタライザーの濃度を低下させることができ、結果的にPd−Sn触媒のくみ出し量を低減せしめるので、経済的に極めて有利である。
また、本発明のコンディショニング剤等を使用した場合、Pd−Sn触媒が均一に不電導性高分子材料に析出するため、従来のコンディショニング剤を用いた場合に比べ、金属めっき後に、ピットやざらが出にくいという特徴もある。
更に、本発明のコンディショニング剤等を用いると、幅広いキャタライザー濃度において、Pd−Sn触媒の析出が得られるため、浴管理上もメリットがある。
実施例
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
FPC基板(ポリイミド樹脂;板厚50μm、両面銅箔18μm)にレーザーで種々の孔径のスルホールをあけ、下記の処理工程にて無電解銅めっきまでを行なった。無電解銅めっき終了後、スルホール断面を切り開き、顕微鏡で観察することにより、スルホール内樹脂の表面の銅の被覆率を調べた。なお、脱脂コンディショナーとしては、下に示す組成のものを用いた。この結果を表1に示す。
試験脱脂コンディショナー組成:
(本発明品1)
(本発明品2)
(比較品1)
処理工程:
(結 果)
表1の結果が示すように、脱脂コンディショナーに成分(A)と成分(B)を含む本発明品1を使用すると、最も無電解銅めっきが析出しづらいポリイミド樹脂の0.2mmφのスルホールに対しても、標準の1/3以下のPd濃度であっても完全に穴内全面が被覆されることが明らかになった。また、成分(A)を含む本発明品2の場合も、0.2mmφのスルホールでは若干劣るものの、従来使用されていた比較品1と比べると圧倒的に被覆率が向上していることが認められた。
実 施 例 2
実施例1と同じFPC基板にドリルでスルホール(孔径0.3mm)をあけたものを試料として用い、キャタライザーの濃度(触媒のPdの濃度)を変化させた場合の実施例1の各脱脂コンディショナーの性能を比較した。
キャタライザー濃度以外の各処理工程および被覆率の測定は実施例1と同様にして行った。この結果を表2に示す。
(結 果)
表2の結果から明らかなように、従来使用されていた脱脂コンディショナー(比較品1)では、穴内を完全に銅で被覆するには、キャタライザー中のPdが100mg/L以上であることが必要であったが、本発明品1および2では、30mg/Lで穴内を完全に銅で被覆することができた。
実 施 例 3
RPC基板(ガラス繊維入りエポキシ樹脂;板厚1.6mm、両面銅箔18μm)にレーザーで種々の孔径のスルホールをあけ、実施例1と同様にして無電解銅めっきまでを行い、スルホール内の樹脂の表面での銅の被覆率を調べた。なお、脱脂コンディショナーとしては、下に示す組成のものを用いた。この結果を表3に示す。
試験脱脂コンディショナー組成:
(本発明品3)
(比較品1)
(結 果)
以上の結果が示すように、本発明品3の脱脂コンディショナーを使用すると、Pd濃度が30mg/Lと標準の1/3の濃度であっても、一般的に使用されているRPC基板の0.3mmφの小径スルホールの穴内全面を銅で被覆できることが明らかとなった。
特に、低パラジウム濃度において、通常でも被覆が難しいとされるガラス繊維上に銅が析出させたことは本発明の脱脂コンディショナーの性能が極めて優れたものであることを示すものである。
実 施 例 4
ざらピットの発生試験:
実施例2の試験で、100%被覆が得られた最低Pd濃度の条件(本発明品1については、Pd濃度30mg/L、比較品1については、Pd濃度100mg/L)でコンディショニング処理し、以下無電解銅めっき処理までおこなった基板について、引き続き下記条件により硫酸銅めっきを行なった。得られた基板について、仕上がり表面を実体顕微鏡で観察し、ざらやピットを比較した。1cm2当たりのざらピットの個数を表4に示した。なお、直径10μm以下のざらとピットは、区別しにくいため、合わせてざらピット数として示した。
(硫酸銅めっき浴組成)
硫 酸 銅 75g/L
硫 酸 180g/L
塩素イオン 60mg/L
キューブライトTHMI 5ml/L
(荏原ユージライト(株)製)
(硫酸銅めっき条件)
電流密度 3.0A/dm2
めっき時間 50分
めっき温度 25℃
攪 拌 エアレーション
(結 果)
以上の結果が示すように、Pd濃度が30mg/Lである本発明品を用いてコンディショニング処理した場合、最終の硫酸銅めっき後のざらピットが標準と比較して非常に少なかった。これは、素材の銅箔表面に吸着するすずとパラジウムが均一に分散しており、大きな塊が少ないためであると解釈できる。
実 施 例 5
以下に示す組成により脱脂コンディショナー(本発明品4)を製造した。この脱脂コンディショナーは、濡れ性、浸透性が非常に優れるものであるため、特に多層板などハイアスペクト基板(スルホール径が小さく、板厚が厚い基板)に適したものであった。
(組 成)
実 施 例 6
以下に示す組成により脱脂コンディショナー(本発明品5)を製造した。この脱脂コンディショナーは、アルカリ度が高く、コンディショニング作用が非常に強力なため、特にダイレクトプレーティング用に適したものであった。
(組 成)
実 施 例 7
以下に示す脱脂コンディショナーを使用した場合の、試料基板上のパラジウム吸着量を比較した。処理工程は、実施例1と同様とし、パラジウム吸着量は、アクチベーター後に基板表面に吸着した触媒を王水で溶解し、原子吸光にてパラジウム濃度を測定することにより算出した。なお、試料基板としては、ガラスエポキシ基板(松下、FR4)の銅箔を硝酸で溶解除去しエポキシ樹脂表面を露出させた試料、およびポリイミドフィルム(東レ、カプトン)を用いた。この結果を表5に示す。
(コンディショナー組成)
本発明品6:
本発明品7:
式(II)の高分子(R6=R7=メチル、l=20) 2g/L
モノエタノールアミン 10g/L
トリエタノールアミン 3g/L
2級アルコールエトキシレート 5g/L
本発明品8:
比較品2:
トリメチルステアリルアンモニウムクロライド 2g/L
モノエタノールアミン 10g/L
トリエタノールアミン 3g/L
2級アルコールエトキシレート 5g/L
(結 果)
比較品2は、現在一般的に使用されている組成のものであるが、これと比較して本発明品6〜8は、パラジウムの吸着量が多く、パラジウム吸着性が優れていることが分かる。
特に本発明品6および7は、従来の脱脂コンディショナーが苦手とするポリイミドに対しても、非常に優れた作用を示すことが明らかとなった。
発明の効果
本発明のコンディショニング剤およびコンディショニング組成物は、優れたコンディショニング作用を有し、従来の1/3程度のPd濃度のキャタライザーを使用した場合であっても十分な触媒析出が得られ、かつその後の電気めっきにおいてもざらやピットが極めて少なく性能的にも優れたものである。
従って、従来使用されたコンディショニング剤に変わる、高性能で、経済的なものとして、各種プラスチック材料や基板等に対するめっきの前処理として有利に使用できるものである。
特に、本発明のコンディショニング剤等は、従来のコンディショニング剤で効果が弱いとされていたポリイミド樹脂(特にレーザー穴明け面)やガラス繊維を含む樹脂にも優れた効果があるため、これらの基板に設けられるスルホールやブラインドビアホールと呼ばれる微孔内部にまでPd−Sn触媒を吸着させることのできるコンディショニング組成物として極めて有用である。
Claims (10)
- 更に、アルカノールアミンを含有し、脱脂コンディショナーとして使用されるものである請求項1記載のコンディショニング組成物。
- 更に、無機アルカリ物質および/またはノニオン系界面活性剤を含有し、脱脂コンディショナーとして使用されるものである請求項第1項記載の脱脂コンディショニング剤。
- キャタライザー中のパラジウム−スズコロイド触媒の金属パラジウムに換算した濃度が、100mg/mLないし30mg/mLである請求項第4項記載の不電導性高分子材料上へのパラジウム−スズコロイド触媒の析出方法。
- 次の成分(A)および(B)、
(A)次の式 (I)、(II)または(III)
(式中、R、R1からR5、L1、nおよびmはそれぞれ前記した意味を有する)
(式中、R6、R7およびIはそれぞれ前記した意味を有する)
(式中、PEG、L2およびpはそれぞれ前記した意味を有する)
で表される高分子化合物の一種または二種以上、
(B)次の式(IV)、(V)または(VI)
(式中、R’は水素または低級アルキル基を示し、Yはハロゲンイオン、硫酸アニオン、硝酸アニオンまたはリン酸アニオンを示し、qは100から10,000の数を示す)
(式中、R8およびR9は水素または低級アルキル基を示し、rは100から10,000の数を示す)
(式中、Zはハロゲンイオン、硫酸アニオン、硝酸アニオンまたはリン酸アニオンを示し、R8、R9およびrは前記した意味を有する)
で表される高分子化合物の一種または二種以上
を有効成分として含有するコンディショニング組成物。 - 更に、アルカノールアミンを含有し、脱脂コンディショナーとして使用されるものである請求項6記載のコンディショニング組成物。
- 更に、無機アルカリ物質および/またはノニオン系界面活性剤を含有し、脱脂コンディショナーとして使用されるものである請求項第6項記載の脱脂コンディショニング組成物。
- 不電導性高分子材料を次の成分(A)および(B)、
(A)次の式(I)、(II)または(III)
(式中、R、R1からR5、L1、nおよびmはそれぞれ前記した意味を有する)
(式中、R6、R7およびIはそれぞれ前記した意味を有する)
(式中、PEG、L2およびpはそれぞれ前記した意味を有する)
で表される高分子化合物の一種または二種以上、
(B)次の式(IV)、(V)または(VI)
(式中、R’、Yおよびqはそれぞれ前記した意味を有する)
(式中、R8、R9およびrはそれぞれ前記した意味を有する)
(式中、Z、R8、R9およびrはそれぞれ前記した意味を有する)
で表される高分子化合物の一種または二種以上
を有効成分として含有するコンディショニング組成物で処理した後、これをパラジウム−スズコロイド触媒を含有するキャタライザーに浸漬処理することを特徴とする不電導性高分子材料上へのパラジウム−スズコロイド触媒の析出方法。 - キャタライザー中のパラジウム−スズコロイド触媒の金属パラジウムに換算した濃度が、100mg/mLないし30mg/mLである請求項第9項記載の不電導性高分子材料上へのパラジウム−スズコロイド触媒の析出方法。
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