JPS646819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、レーザビームを用いて患部等を処
置する医療用レーザ装置の改良に関する。

この種の医療用レーザ装置は、レーザビームを
発振する装置本体とこの装置本体に接続されるレ
ーザビームガイドを中心に構成され、装置本体か
ら発振されたレーザビームをレーザビームガイド
で導き、レーザビームガイドの先端に設けたビー
ム出射部から出射できるようになつている。そし
て、このレーザビームの発振にかかる各種操作を
行なう操作部には、押し釦式スイツチが操作性が
良いという点から採用されている。この操作部
は、装置本体のたとえば前面に操作パネルを構成
し、この操作パネル上に押し釦式スイツチの突没
部を配した構造が用いられ、この押し釦式スイツ
チの操作で出力調節などといつたレーザビームの
発振にかかる各種操作を行なうことができるよう
になつている。

ところが、この医療用レーザ装置は、付帯機器
に処置の際における発熱を抑える液体を冷却媒体
とした冷却機器が備えられ、また内視鏡と併用し
て用いるときには、送水用の水が使用され、さら
に処置にあたつては出血をきたしているなど、水
気が極めて多いところで使用される。

このため、液体がたとえば操作者を介して押し
釦式スイツチに触れてスイツチの内部へ侵入する
おそれが多大で、このような事態が生ずると装置
の作動に支障をきたし危険を伴うおそれがある。

この考案は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、押し釦式スイツチ
へ液体が侵入することがないようにした安全性に
優れる医療用レーザ装置を提供することにある。

以下、この考案を図面に示す一実施例にもとず
いて説明する。第１図中１は医療用レーザ装置の
装置本体で、装置本体１内には各種のレーザビー
ム発振機器（図示しない）が内装されていて、レ
ーザビームを発振することができるようになつて
いる。また装置本体１の前面上部には、コネクタ
ー部２を介して上記レーザビーム発振機器に接続
されるレーザビームガイド３が着脱自在に連結さ
れており、レーザビーム発振機器で発振されたレ
ーザビームを先端に設けたビーム出射部３ａから
出射できるようになつている。つまり、ビーム出
射部３ａを体腔壁の患部あるいは内視鏡（図示し
ない）を通して体腔内の患部へ導くことにより、
レーザビームによる各種処置を行えるようになつ
ている。またさらに装置本体１の前面上部には、
レーザビームガイド３に隣接してこの考案の要旨
である操作部４が設けられている。そして、この
操作部４の詳細な構造が第２図および第３図に示
されている。この操作部４の構造について説明す
れば、図中５は装置本体１の前面に構成された金
属製の操作パネルであり、この操作パネル５に
は、たとえば矩形状の開口部６が設けられる。そ
して、この開口部６の内側には、レーザビームの
発振操作を行なう操作スイツチ系７が配設されて
いる。この操作スイツチ系７は、スイツチ基板８
にレーザビームの発振操作をつかさどる複数の押
し釦式のタクトスイツチ９…を設けてなり、タク
トスイツチ９…の突没部が上記開口部６の開口に
臨むように配置されている。一方、図中１０は、
弾性シート部材であるポリウレタンで構成された
シートで、このシート１０は側方に向つて自在に
弾性変位する、いわゆる可撓性を有している。ま
たこのシート１０は、上記開口部６の開口より大
きい形状寸法を有している。そして、このシート
１０は、開口部６の内側にその開口を閉塞するよ
う配置される。またこのシート１０の裏面には、
上記タクトスイツチ９…に対応した部位に釦挿通
孔１１ａ…を備えた押え板１１が配置される。な
お、この押え板１１は開口部６の開口よりたとえ
ば小さ目に構成されている。そして、これらシー
ト１０および押え板１１を固定する固定構造とし
ては、たとえばあらかじめ開口部６の近くの操作
パネル５の裏面に、たとえば断面コ字状の固定金
具１２，１２を取着し、またシート１０および押
え板１１の周側辺部の裏面側に、たとえば断面ク
ランク状を呈した矩形状の押え金具１３を設けて
なり、スイツチ基板８側から押え板１１の端部を
通して固定金具１２，１２へ螺挿されるねじ１３
ａ，１３ａで押え板１１の端部をシート１０側へ
密着固定、同時にシート１０の周側部を操作パネ
ル５の内面である開口辺部に押し付けて密着固定
している。そして、この密着固定により、各タク
トスイツチ９…の突没部先端は、釦挿通孔１１ａ
…を通してシート１０の裏面に軽く接触し、シー
ト１０上にスイツチ操作部１４が構成される構造
となつている。また、シート１０の表面には、裏
面側の各タクトスイツチ９…に対応する部分にシ
ルク印刷１５…が施されており、スイツチ操作面
１４ａを構成している。しかして、固定金具１
２，１２、押え金具１３およびねじ１３ａ，１３
ａにより、シート１０を密着固定する押圧固定具
１５ａを構成している。なお、この押圧固定具１
５ａは、他の部品等から構成してもよい。

しかして、このように構成された操作部４の構
成状況としては、シート１０が押圧固定具１５ａ
による密着固定により、弾性変位して操作パネル
５に形成される間隙をシールすることになり、操
作パネル５を境としてタクトスイツチ９…側にシ
ート１０によつて操作面を構成した防水構造が構
成されることになる。すなわち、防水形の操作部
４が構成される。

したがつて、操作パネル５からタクトスイツチ
９…への液体の侵入を防止することができ、従
来、問題とされていた医療用レーザ装置において
支障の要因となる液体からの害を未然に防止する
ことができる。

なお、上述した実施例では、弾性シート部材を
材質にポリウレタンを用いて構成したが、これは
たんなる一実施例であつて他の同様な性質を有す
るものであればよく、この限りではない。また、
上述した実施例では、押し釦式スイツチとしてタ
クトスイツチにこの考案を適用したが、これに限
らず他の操作パネルに配備されるキーボードスイ
ツチのような押し釦式スイツチにも適用できるこ
とはもちろんである。

以上説明したようにこの考案によれば、操作パ
ネルに開口部を設け、この開口部の内側にその開
口を閉塞する可撓性を有した弾性シート部材を設
け、この弾性シート部材の周側部を押圧固定具で
操作パネルの内面に密着させ、この固定した弾性
シート部材の内側に押し釦式スイツチを配した操
作部構造としたから、押し釦式スイツチの前面側
には弾性シート部材による防水形の操作面が構成
されることになり、操作パネルから押し釦式スイ
ツチへの液体の侵入を防止することができ、液体
から操作部を守ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はレ
ーザ装置の全体斜視図、第２図は操作部の構造を
示す断面図、第３図はその操作部に配備された弾
性シート部材の正面図である。 １……装置本体、４……操作部、５……操作パ
ネル、６……開口部、９……タクトスイツチ（押
し釦式スイツチ）、１０……シート（弾性シート
部材）、１５ａ……押圧固定具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レーザビームを発振する装置本体に操作パネル
   を構成し、この操作パネルに前記レーザビームの
   発振操作にかかる押し釦式スイツチを設けて操作
   部を構成した医療用レーザ装置において、上記操
   作部は、上記操作パネルに開口部を設け、この開
   口部の内側にその開口を閉塞してスイツチ操作面
   を構成する可撓性を有した弾性シート部材および
   その弾性シート部材の周側部を前記操作パネルの
   内面に押し付けて密着固定する押圧固定具を設
   け、この固定された弾性シート部材の内側に上記
   押し釦式スイツチを配してなることを特徴とする
   医療用レーザ装置。