JPS638912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電子写真記録装置における記録紙へ
の転写部および記録紙を像形成体から剥離する装
置に関し、転写部と紙剥離部を一体化することに
より小形化およびコストダウンを図ることを目的
とする。

第１図は電子写真記録装置の概要を示す側面図
であり、像形成ドラム１の周囲に、全面帯電器
２、潜像形成器３、現像器４、転写器５、紙剥離
器６、除電器７、およびクリーニングブラシ８の
順に配設されている。ドラム１が矢印方向に回転
すると、帯電器２でドラム表面の誘電体層が一様
に帯電され、この帯電部が次の潜像形成器３にお
いて、ピン状電極による電気的手段または映像照
射による光学的手段により、電荷潜像が形成され
る。この電荷潜像部が現像器４の所へ来るとトナ
ーが静電引力で付着されて現像され、このドラム
上に形成された可視像は、次の転写器５において
静電引力により記録紙９に転写される。この記録
紙は、紙剥離器６でドラム１から剥がされた後、
先に転写された可視像が定着器１０において熱溶
着される。一方、ドラム１から紙へ可視像の転写
が行われた後も、ドラム表面には電荷やトナーが
残存しているので、除電器７において、ドラム表
面に交流印加または光照射を行つた後、クリーニ
ングブラシ８で残つたトナーが掃き落とされる。

ところで従来は図のように、転写器５と紙剥離
器６は別々の位置に設けてあつて、夫々一定の設
置スペースを占めている。しかしながら、転写器
５と剥離器６は共に帯電器であつて、転写器５は
直流であるのに対して剥離器は交流であるといつ
た違いだけである。しかも両者は、隣接位置にあ
る。そこで特開昭53−106049号公報に記載のよう
に、転写用チヤージヤーと紙剥離用チヤージヤー
とを一体化することで、小型化とコストダウンを
図ることが提案されている。

しかしながらこの構造では、紙剥離部で剥離さ
れた記録紙の先端が紙剥離器中に落下して紙詰ま
りを起こす恐れがあり、また組立て製造時の作業
性や小型化の面で不十分である。

本考案の技術的課題は、このような問題を解消
し、組立て製造が容易で、かつ充分小型化でき、
しかも剥離された記録紙が剥離部中に落下して紙
詰まりを起こしたりすることなく、確実に次の定
着部に送出可能とすることにある。

この技術的課題を解決するために講じた本考案
による技術的手段は、 像形成体側に開口を向けて配置された１つのコ
字状ケース１１中に、転写用帯電ワイヤ１２と紙
剥離用除電ワイヤ１３を張りつけたこと、 該コ字状ケースの記録紙排出側の側板１１ａ
に、記録紙の排出方向に曲げられた紙ガイド用の
突片１１ｂを形成したこと、 コ字状ケースへの取りつけ部２１ａと窓枠状部
２１ｂと仕切板２１ｃとにより、コ字状に折り曲
げ形成された枠状部材２１を、除電ワイヤ１３の
上に被せるように配置すると共に、 前記仕切板２１ｃを、転写用ワイヤ１２と除電
ワイヤ１３との間に垂下させたこと、 取りつけ部２１ａと仕切板２１ｃとの間の窓枠
状部２１ｂは、除電ワイヤ１３と像形成体との間
の部分を除去して窓孔を開けた形状になつている
こと、 を特徴とする構成を採つている。

次に本考案による電子写真記録装置の転写およ
び紙剥離帯電器が実際上どのように具体化される
かを実施例で説明する。第２図は本考案の転写お
よび紙剥離帯電器を実施した電子写真記録装置の
要部を拡大した側面図であり、第３図は転写およ
び紙剥離帯電器の平面図、第４図はその正面図で
ある。

１１は板金をコ字状に形成したケースであり、
その中に転写用帯電ワイヤ１２と交流除電ワイヤ
１３が張りつけてある。即ち、ケース１１中の両
端に絶縁基台１４・１５を固設して、ワイヤ１
２・１３の右端は絶縁基台１５に固定し、左端
は、絶縁基台１４に固設された端子金具１６・１
７にコイルバネ１８・１９を介し張りつけてあ
る。２０…は、絶縁基台１４・１５に設けたワイ
ヤガイド用溝である。コ字状ケース１１の排紙側
の側板１１ａには、数個所に突片１１ｂ…が形成
してあり、これらの各突片１１ｂ…は、記録紙
９′が円滑に排出されるようにガイドするために、
排紙方向に折曲げてある。同じ側板１１ａには、
コ字形に折曲げた枠状部材２１を、除電ワイヤ１
３上に被せるようにして、ネジ２２…で固定して
ある。即ちコ字形枠状部材２１は、側板１１ａへ
の取付け部２１ａ、除電ワイヤ１３上に位置した
窓枠状部２１ｂ、および転写ワイヤ１２と除電ワ
イヤ１３間に垂下して両ワイヤ１２・１３間を遮
断する仕切り板２１ｃから成つている。除電ワイ
ヤ１３の上の部分を打抜いて窓孔をあけてあるの
は、その上を第２図のように通過する記録紙９′
に、除電ワイヤ１３でチヤージするのを妨げない
ためであり、また窓孔のあいた枠状部２１ｂは、
取付け部２１ａと仕切り板２１ｃを接続する役目
のほかに、除電されて自由になつた記録紙が除電
ワイヤ１３上に落下しないように支持すると共
に、前記ガイド突片１１ｂ…および次の排紙ベル
ト２３への紙送りが容易になるように、記録紙を
ガイドする作用も兼ねている。

このように構成された転写および紙剥離器を、
第２図のように、像形成ドラム１にコ字状ケース
１１の開口側が向くように配置して、ドラム１と
の間を記録紙９′が通過するようにすれば、転写
ワイヤ１２で記録紙９′が帯電されることにより、
ドラム１上に現像されたトナーが記録紙９′上に
転写される。転写された記録紙は、排紙ベルト２
３によつて、定着器１０′側へ送られるが、排紙
ベルト２３上へ移動する前に、記録紙に除電ワイ
ヤ１３で交流電圧が印加されて除電され、記録紙
とドラムの間の静電引力が消失される。これによ
つて記録紙はドラムから剥がされ、次の排紙ベル
ト２３へ容易確実に紙送りされる。

そして本考案の場合は、除電によつて記録紙
９′がドラムから剥がれても、枠状部２１ｂで受
けられ、次いでガイド突片１１ｂ、排紙ベルト２
３へと送られるため、記録紙は除電器中に乱入す
ることなく円滑に次の処理部へ送られる。また、
転写ワイヤ１２と除電ワイヤ１３との間は、仕切
り板２１ｃで遮断されているので、同じケース中
に用途の異なる帯電ワイヤが入つていても、何等
支障なく動作する。なお除電ワイヤ１３には、交
流に限らず、転写部における帯電とは逆極性の直
流を印加しても差支えない。

以上のように本考案によれば、像形成体側に開
口を向けて配置された１つのコ字状ケース１１中
に、転写用帯電ワイヤ１２と紙剥離用除電ワイヤ
１３を張りつけ、コ字状に折り曲げ形成された枠
状部材２１を、該除電ワイヤ１３の上に被せるよ
うに配置し、該枠状部材２１の仕切板２１ｃを、
転写用ワイヤ１２と除電ワイヤ１３との間に垂下
させることで、両ワイヤ１２・１３間を仕切る構
造になつている。そのため、仕切板２１ｃで転写
用帯電ワイヤ１２と紙剥離用除電ワイヤ１３間を
仕切る前の広い空間中で、両ワイヤ１２・１３の
取りつけなどの組立て作業を行ない、最後に枠状
部材２１をコ字状ケース１１に取りつけて、両ワ
イヤ１２・１３間を仕切ることができる。その結
果、ワイヤ１２・１３の取りつけ作業などに不便
を来すことはなく、コ字状ケース１１を小型化し
ても、仕切板２１ｃの無い状態で容易にワイヤ取
りつけなどの組立て作業を行なえるので、充分小
型化できる。またコ字状の枠状部材２１の窓枠状
部２１ｂが、除電ワイヤ１３の上に被せられるた
め、除電ワイヤ１３で剥離された記録紙先端が、
紙剥離器中に落下し、紙詰まりを起こしたりする
恐れもない。さらにコ字状ケースの記録紙排出側
の側板１１ａに、記録紙の排出方向に曲げられた
紙ガイド用の突片１１ｂを有しているので、剥離
された記録紙は、円滑に次の定着部に送出され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は電子写真記録装置の一般構成を示す側
面図、第２図は本考案による転写および紙剥離帯
電器を実施した電子写真記録装置の要部側面図、
第３図は同転写および紙剥離帯電器の平面図、第
４図はその正面図である。 図において、１は像形成ドラム、９′は記録紙、
１１はコ字状ケース、１１ｂはガイド突片、１２
は転写ワイヤ、１３は除電ワイヤ、２１ｂは窓枠
状部、２１ｃは仕切り板である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 像形成体側に開口を向けて配置された１つのコ
   字状ケース１１中に、転写用帯電ワイヤ１２と紙
   剥離用除電ワイヤ１３を張りつけたこと、 該コ字状ケースの記録紙排出側の側板１１ａ
   に、記録紙の排出方向に曲げられた紙ガイド用の
   突片１１ｂを形成したこと、 コ字状ケースへの取りつけ部２１ａと窓枠状部
   ２１ｂと仕切板２１ｃとにより、コ字状に折り曲
   げ形成された枠状部材２１を、除電ワイヤ１３の
   上に被せるように配置すると共に、 前記仕切板２１ｃを、転写用ワイヤ１２と除電
   ワイヤ１３との間に垂下させたこと、 取りつけ部２１ａと仕切板２１ｃとの間の窓枠
   状部２１ｂは、除電ワイヤ１３と像形成体との間
   の部分を除去して窓孔を開けた形状になつている
   こと、 を特徴とする電子写真記録装置の転写および紙
   剥離帯電器。