JPS637151Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は一般家庭などにおいて湯沸し用に主と
して用いられる電気ポツトに関する。

（考案の目的） 本考案は次のような長所を備えた電気ポツトを
提供することを目的とする。

湯沸し時に湯温が所定温度（例えば95℃）に
達した後も、所定時間（例えば１分間）湯沸し
を継続させて、沸騰水又はこれに近い高温水を
得ることができ、使用者の沸騰水又はこれに近
い高温水を使用したいとする嗜好に適すると共
に、殺菌を完全に行うことができ衛生上好まし
い。

湯温が所定温度に達した後に継続して湯沸し
を行う時間を正確にセツトすることができ、必
要以上に湯沸しが継続されることがない。

湯の使用をほとんど必要としない就寝後から
翌朝までの時間などにおいては、無駄な電力消
費が生じないようにする一方、起床時にはすで
に湯が沸いている状態としたいという要請を叶
えることに１例が示されるように、必要時にの
みメイン回路に通電がなされ、且つこの通電開
始時を予めセツトすることができる。

（考案の構成） 本考案は上記目的を達成するため、湯沸し用ヒ
ータ及び保温用ヒータを有するメイン回路中に追
沸しタイマーを配し、湯温が所定温度に達した
後、前記追沸しタイマーを作動させ、追沸しタイ
マーの設定時間中メイン回路を湯沸し状態とする
ように構成する一方、前記メイン回路の通電を制
御する長時間設定タイマーを配したことを特徴と
する。

（実施例） 図示する実施例は、空気ポンプを備えた電気ポ
ツトに係るものであつて、容器本体１の内部にス
テンレス製内容器２を配すると共に、この内容器
２の側周壁下部にヒータユニツト３を捲回してい
る。このヒータユニツト３には湯沸し用ヒータ４
及び保温用ヒータ５を配している（第２図〜第７
図）。保温用ヒータ５の抵抗値は湯沸し用ヒータ
４のそれに比較して格段に大である。

６は前記内容器２の側周壁に取付けて、湯温を
検知するサーモスタツトで、湯温が所定温度t₁
（例えば95℃）以上のときOFF状態（但し後記追
沸しタイマー１０を通電可能の状態とする。）と
なる。尚、このサーモスタツト６がON状態に復
帰するのは、湯温が前記温度t₁より相当低い温度
（例えば75℃）に下がつたときである。

７は前記湯温を検知し、所定温度t₂（例えば90
℃）以上のときOFF状態となり、以下のときON
状態となるTRSで、湯温を略一定に保つ作用を
営む。８は温度ヒユーズ、９は電源プラグであ
る。

１０はモータ式の追沸しタイマーで、容器本体
１の外部に突出するダイヤル１１で追沸し時間を
予めセツトすることができるように構成してい
る。この追沸しタイマー１０は、モータ１２、前
記ダイヤル１１のセツト時に同時にON状態とな
ると共にダイヤル１１の零点復帰時（モータ１２
の作動完了時）にOFF状態となる追沸しタイマ
ーセツト用スイツチ１３、前記モータ１２が作動
するON状態となると共にモータ１２の作動完了
時にOFF状態となるモータ連動スイツチ１４で
構成することができる。１５は追沸しタイマー１
０に付設した追沸し表示ランプで、前記モータ１
２の作動中のみ点灯する。

前記湯沸し用ヒータ４、保温用ヒータ５、
TRS７は第２図乃至第６図に示す如く配設され、
メイン回路１６を主構成している。１７はメイン
回路１６の前記湯沸し用ヒータ４が主として発熱
するときに点灯する湯沸し表示ランプ、１８はメ
イン回路１６の前記保温用ヒータ５が主として発
熱するときに点灯する保温表示ランプである。メ
イン回路１６には前記湯沸し表示ランプ１７及び
保温表示ランプ１８が配されると共に前記追沸し
タイマー１０が配されている。

１９はモータ式の長時間設定タイマーで、容器
本体１の外部に突出するダイヤル２０で前記メイ
ン回路１６の通電を制御できるように構成してい
る。この長時間設定タイマー１９はモータ２１、
前記ダイヤル２０のセツト時にモータ２１側に、
零点復帰時にメイン回路１６側に夫々切換る切換
スイツチ２２、並びにモータ２１の作動中点灯す
る長時間設定タイマー作動表示ランプ２３を備え
ている。又この長時間設定タイマー１９は例えば
12時間という長時間を設定できるように構成され
ている。

次に本実施例の作用を図面に基き説明する。

第２図は長時間設定タイマー１９及び追沸しタ
イマー１０のいずれをも使用しない場合の状態を
示している。この場合には一般の電気ポツトと同
様に、電源プラグ９を挿し込むと、最初湯沸し用
ヒータ４が主として発熱し、湯温が所定温度t₁に
達すると、サーモスタツト６がOFFとなり（第
２図に仮想線で示す。）保温用ヒータ５が主とし
て発熱すると共にTRS７によつて制御され所定
の温度t₂に保温される。尚、長時間設定タイマー
１９の切換スイツチ２２はメイン回路１６側にあ
つて、メイン回路１６を常に通電可能の状態とす
ると共に、追沸しタイマー１０のモータ連動スイ
ツチ１４は常にOFF状態にあることは云うまで
もない。

第３図は長時間設定タイマー１９をセツトした
状態を示している。例えば就寝前にそのダイヤル
２０を回わして７時間にセツトすると、前記切換
スイツチ２２はモータ２１側に切換わる。これに
よつてメイン回路１６への通電が遮断されると同
時に、モータ２１へ通電がなされる（このとき長
時間設定タイマー作動表示ランプ２３は点灯す
る。）。モータ２１は微速度で回転し、ダイヤル２
０は７時間後に零点に戻る。ダイヤル２０が零点
に戻ると切換スイツチ２２はメイン回路１６側に
切換わり、湯沸しが開始される（第３図に仮想線
で示す。）。そして起床時には熱湯の使用が可能と
なる。

第４図は長時間設定タイマー１９及び追沸しタ
イマー１０を夫々セツトした場合において、長時
間設定タイマー１９の切換えスイツチ２２がその
設定時間T₁経過後メイン回路１６側に切換わつ
た直後の状態を示している。このとき追沸しタイ
マー１０がセツトされているので、追沸しタイマ
ーセツト用スイツチ１３はONとなつているが、
モータ１２には通電がなされていないので、モー
タ連動スイツチ１４はOFFとなつている。そし
て湯温が低いためサーモスタツト６はON状態に
あり、湯沸し用ヒータ４が主として発熱して、湯
沸し状態となつている。このとき湯沸し表示ラン
プ１７が点灯している。

湯温が所定温度t₁に達すると第５図に示す如く
サーモスタツト６はOFF状態となる。このサー
モスタツト６がOFF状態になると、追沸しタイ
マー１０のモータ１２に通電がなされ、これが回
転すると同時にモータ連動スイツチ１４がONと
なる。このとき追沸し表示ランプ１５及び湯沸し
表示ランプ１７は共に点灯する。前記モータ連動
スイツチ１４がONとなる結果、ひきつづき湯沸
し用ヒータ４が主として発熱し、追沸し状態とな
る。

前記追沸しタイマー１０はダイヤル１１を回わ
して所定時間T₂、例えば１分間に予めセツトし
ておくと、前述の如くサーモスタツト６がOFF
状態となつたとき自動的に始動するが、他方１分
間が経過すると、第６図に示す如く、ダイヤル１
１が零点戻り、追沸しタイマーセツト用スイツチ
１３がOFFとなる。このためモータ１２が停止
すると共にモータ連動スイツチ１４がOFFとな
る。これにより追沸し状態が終了する一方、保温
用ヒータ５が主として発熱して、保温状態とな
る。このとき保温表示ランプ１８が点灯する。湯
温はTRS７の作用によつて所定温度t₂に保たれ
る。

第７図は長時間設定タイマー１９及び追沸しタ
イマー１０を夫々セツトした場合における時間と
湯温との関係を示す状態図である。

上記実施例においては、追沸しタイマー１０及
び長時間設定タイマー１９のいずれか一方のみを
使用することができる。又保温状態において追沸
しタイマー１０のダイヤル１１を回わし所定時間
T₂追沸し状態とすることも可能である。

本考案は上記実施例に１例が示される如く、湯
沸し用ヒータ４及び保温用ヒータ５を有するメイ
ン回路１６中に追沸しタイマー１０を配し、湯温
が所定温度t₁に達した後、前記追沸しタイマー１
０を作動させ、追沸しタイマー１０の設定時間
T₂中メイン回路１６を湯沸し状態とするように
構成する一方、前記メイン回路１６の通電を制御
する長時間設定タイマー１９を配したことを特徴
とするが、その態様は上記実施例に示すものに限
定されない。

例えば前記追沸しタイマー１０及び長時間設定
タイマー１９の両者又は一方を機械式タイマーで
構成することができる。

（考案の効果） 本考案は上記構成を有するので次のような効果
を奏することができる。

湯沸し時に湯温が所定温度に達した後も、所
定時間湯沸し（追沸し）を継続させて、沸騰水
又はこれに近い高温水を得ることができ、使用
者の沸騰水又はこれに近い高温水を使用したい
とする嗜好に適すると共に、殺菌を完全に行う
ことができる電気ポツトを提供することができ
る。

追沸し時間を正確にセツトすることができ、
必要以上に湯沸し（追沸し）が継続されること
がない電気ポツトを提供することができる。

必要時にのみメイン回路に通電がなされて湯
沸しが行なわれ、しかもその湯沸し開始時間を
予めセツトすることができる経済的で使用に便
利な電気ポツトを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はその一
部縦断側面図、第２図乃至第６図はその回路図、
第７図は湯温と時間との関係を示す状態図であ
る。 ４……湯沸し用ヒータ、５……保温用ヒータ、
１０……追沸しタイマー、１６……メイン回路、
１９……長時間設定タイマー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 湯沸し用ヒータ及び保温用ヒータを有するメイ
   ン回路中に追沸しタイマーをを配し、湯温が所定
   温度に達した後、前記追沸しタイマーを作動さ
   せ、追沸しタイマーの設定時間中メイン回路を湯
   沸し状態とするように構成する一方、前記メイン
   回路の通電を制御する長時間設定タイマーを配し
   たことを特徴とする電気ポツト。