JPS6364633B2

JPS6364633B2 -

Info

Publication number: JPS6364633B2
Application number: JP4670281A
Authority: JP
Priority date: 1981-03-30
Filing date: 1981-03-30
Publication date: 1988-12-13
Also published as: JPS57159975A

Description

【発明の詳細な説明】この発明はモータなどによつて駆動される往復
動型のコンプレツサにかかり、特に、ピストンの
コンロツドからクランク軸を介して駆動軸に伝達
される荷重の軽減を図るようにしたコンプレツサ
に関する。

従来、車両の車高調整装置や冷房用の熱交換サ
イクルや空圧作動装置には、液体、気体、冷媒な
どを圧縮するコンプレツサが用いられる。このコ
ンプレツサはモータ軸に取り付けられたクランク
プレートと、このクランクプレートの所定半径上
に一端が回動自在に枢支されたコンロツドと、こ
のコンロツドの他端に枢支されピストンを収容す
る流体圧縮部たるシリンダとからなる。

しかしながら、このコンプレツサにあつてはモ
ータでクランクプレートをダイレクトに回転し、
この回転によつてコンロツドを昇降させるもので
あるため、クランクプレートとピストンの往復動
が１対１で対応し、このため大きな駆動動力源
（モータ）が必要であつた。また、モータ軸のベ
アリング部とコンロツドの中心線との距離が長
く、モータ軸およびベアリング部に曲げおよび捩
りトルクが作用し、強度的に不利となつていた。

一方、かかる問題点を改善するために、モータ
軸の回転をリングギヤに伝達し、このリングギヤ
の回転により、これに一端を枢支したピストン支
持用のコンロツドを往復動せしめるようにしたコ
ンプレツサが提供されるに及んでいる。

これは、第１図に示すように、モータ軸に取り
付けたギヤ１に対し、軸２を中心に回転する大径
のリングギヤ３を噛合し、このリングギヤ３上の
所定半径位置に、ピストンを取り付けたコンロツ
ド４端を、クランク軸５を中心に回動自在に枢支
したものからなる。この場合に、モータ軸および
ギヤ１は軸２の真上にあり、この軸２にはベアリ
ング６を介して前記リングギヤ３の中心部が枢支
されている。

ところが、かかる駆動系では、クランク軸５が
デツドポイントにあるとき、コンロツド４を介し
軸２に介在されたベアリング６に伝達される荷重
Ｐは、コンロツド４の荷重Ｗに等しく、Ｐ＝Ｗで
ある。

しかし、クランク軸５がデツドポイント外にあ
る場合には、コンロツド４の荷重Ｗよりベアリン
グ６に伝達される荷重Ｐが大きくなり、Ｐ＞Ｗと
する。すなわち、クランク軸５が軸２に向つて作
用する力Ｆと荷重Ｗの合力が荷重Ｐとなり、した
がつてＰ＞Ｗとなる。

結局、上記駆動系にあつてはＰ≧Ｗとなり、コ
ンロツド４の荷重以上の負荷がベアリング６に作
用することとなり、ベアリング６の寿命低下やフ
リクシヨンによる性能劣化が著しくなるという問
題がある。また、耐久性向上のためベアリング６
の大きなものを使用すればよいが、コストアツプ
となる。

この発明はかかる従来の問題点を改善するもの
であり、特に、クランク軸とリングギヤの軸の駆
動との間にクランク軸圧縮時の負荷が作用するよ
うになし、以つてベアリングに伝達される荷重を
コンロツドの荷重に等しいかまたはそれより小さ
くなるように構成して、ベアリングや圧縮機本体
の寿命延長および性能向上、コストダウンを図つ
たコンプレツサを提供するものである。

以下に、この発明の実施例を図面について説明
する。

第２図乃至第４図はこのコンプレツサの構造を
具体的に示すものであり、１１はモータ、１２は
このモータ１１の側面に取り付けられたコンプレ
ツサアツセンブリである。モータ１１の側面には
モータ軸１３が突設されており、このモータ軸１
３の外周にはギヤ１４が形成されている。尚、こ
のギヤ１４に代えてモータ軸１３の外周に別個の
歯車を取り付けても良い。１５は上記モータ１１
のモータ軸側の側面にガスケツトを介して取り付
けられたプレートで、これの一部を肉盛りしたボ
ス部１６にはワツシヤ１７を介して軸１８の一端
がねじ込まれており、この軸１８の外周にはベア
リング１９を介してクランクプレートを構成する
リングギヤ２０のボス部２１が回転自在に取り付
けられている。このリングギヤ２１は内歯式で、
その内歯ギヤ２２がモータ軸１３のギヤ１４に噛
合されている。また、このリングギヤ２０のボス
部２１には、上記軸１８に平行なクランク軸２３
が突設され、これにベアリング２４ａを介してコ
ンロツド２４の一端が回転自在に支承されてい
る。このコンロツド２４の他端はクランクケース
２５内を摺動するピストン２６のニードルコロ２
７に回転自在に連繋されている。２８はクランク
ケース２５上にガスケツト２９を介して取り付け
たバルブケースで、これには圧縮媒体の吸入通路
および吐出通路に通じるバルブ３０，３１が設け
られている。３２は吐出通路側に入れたフイル
タ、３３はコンロツド２４とリングギヤ２０との
組付け時に利用される作業孔を塞ぐゴムキヤツ
プ、３４はクランクケース２５に於けるピストン
２６外周と接する面に設けたスリーブ、３５は上
記吸入通路および吐出通路の一部を形成するブロ
ツクである。

次にこのコンプレツサの作用を述べる。

先ず、上記モータ１１を電源に継いで駆動させ
る。これによりモータ軸１３が回転し、この外周
に設けたギヤ１４にギヤ２２を噛合しているリン
グギヤ２０が減速回転する。また、このリングギ
ヤ２０はクランクプレートを構成し、フライホイ
ール効果を合せ有する。このリングギヤ２０は上
記ボス１６にねじ込まれた軸１８に安定に支持さ
れて回転し、これに植設したクランク軸２３に一
端を取り付けたコンロツド２４を回転支持してピ
ストン２６をクランクケース２５内のスリーブ３
４内に摺動させる。したがつて、ピストン２６上
部のシリンダ内（スリーブ３４内）に引込まれた
吸入通路からの媒体を圧縮し、この圧縮媒体を吐
出通路を通じて外部に送り出す様に作用する。

かかるコンプレツサの媒体圧縮作動に於いて
は、特に媒体圧縮時に、ピストン２６が大きな反
力を受けてコンロツド２４、クランク軸２３、リ
ングギヤ２０がともに捩り応力および曲げ応力を
受けることになる。しかし、上記の様にリングギ
ヤ２０がボス部１６で軸１８に強固に保持される
とともに、この保持部がコンロツド２４の中心線
からl₁という近い距離に設けられるため、偏心荷
重を小さくでき、上記の曲げ応力や捩り応力がモ
ータ軸１３やこれを支持するベアリングに入力す
るのを抑えることができ、モータ軸１３やそのベ
アリングを小形化、軽量化しても充分な強度を得
ることができる。また、リングギヤ２０はベアリ
ング１９を介して軸１８に支持されているため、
この軸１８には回転トルクが作用せず、これの材
料強度を抑えながら耐久性を向上し、ローコスト
化が図れる。更に、モータのトルク伝達部はギヤ
結合に依つて形成され、これの加工が容易である
ことからそのトルク伝達部のコストダウンが図れ
る。尚、必要に応じリングギヤ２０として外歯形
のものを使用することも可能である。

そして上記実施例において重要なことは、モー
タ１１のモータ軸１３およびギヤ１４を、第４図
に示すように軸１８と略同一水平線上に配置し、
クランク軸２３と軸１８との間にクランク圧縮時
の負荷が作用するようにしたことである。

この作用を第５図について説明すると、いまコ
ンロツド２４に負荷される荷重をＷとすると、ク
ランク軸２３に作用する垂直方向の力Ｑおよび水
平方向の力Ｒは、Ｑ＝Wcosθ ……(1) Ｒ＝Wsinθ ……(2) となる。

また、軸１８の中心からこの点を通る水平線上
の距離ｌにある点R₁に作用する力Ｑのモーメン
トWcosθlと、ギヤ１４のリングギヤ２０に噛合
する位置までの距離Ｌにおけるモータ軸１３の回
転力ＦのモーメントLFとは、 Wcosθl＝FL ……(3) の関係がある。

一方、軸１８およびベアリング１９には、前記
Ｗとは逆向きの荷重Ｐが作用し、これの垂直分力
をP′とすると、 Wcosθ＝Ｆ＋P′ ……(4) が成立する。

このため、 P′＝Ｑ−Ｆ＝Ｑ−（ｌ／Ｌ）Ｑ＝Ｑ（１−ｌ／Ｌ）
で、P′＜Ｑとなる。

そしてベアリング荷重ＰはP′とＷがベアリング
１９に作用するWsinθの合力となる。ここで、一
般にθは小さく設計されるから、R′は極めて小
さくなり、実際にはＰとP′は略等しいと考えられ
る。その結果、Ｗ＞Ｐとなるが、デツドポイント
ではＷ＝Ｐであるので、結局Ｗ≧Ｐとなるのであ
る。

かくして、ベアリング１９が受ける荷重はコン
ロツド２４に作用する荷重より小さいか略等しく
なるので、ベアリング負荷を軽減してこれの耐久
性を向上できる。

以上説明したように、この発明によれば、クラ
ンク軸とリングギヤの駆動軸との間に、ピストン
圧縮時のコンロツド荷重が作用するようにしたこ
とにより、ベアリング荷重を大幅に軽減し、ベア
リングの寿命を延ばすことができ、軸とのフリク
シヨン劣化を抑えることができるとともに、ベア
リングを大型化せずとも、充分な回転性能をもつ
たローコストで小型のコンプレツサを得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコンプレツサにおけるコンロツ
ド荷重とベアリング荷重との関係を示す説明図、
第２図はこの発明のコンプレツサの正面図、第３
図は第２図のＡ−Ａ線における一部の断面図、第
４図は第２図のＢ−Ｂ線における一部の断面図、
第５図はこの発明のコンプレツサにおけるコンロ
ツド荷重とベアリング荷重との関係を示す説明図
である。１３……駆動軸、１４……ギヤ、１８……リン
グギヤの軸、１９……ベアリング、２０……リン
グギヤ、２３……クランク軸、２４……コンロツ
ド。

Claims

【特許請求の範囲】１モータの回転によつて駆動される往復動型コ
ンプレツサにおいて、モータ軸の廻りにギヤを設
け、このギヤに噛合する内歯型のリングギヤを回
転自在に設けて、該リングギヤの所定半径上に取
り付けたクランク軸に、シリンダ中を摺動するピ
ストンに連結したコンロツド端を枢支し、リング
ギヤのベアリングが受ける荷重をＰとなし、コン
ロツドに作用する荷重をＷとした場合に、Ｗ≧Ｐ
となる位置にリングギヤの軸に対してモータ軸を
設けてなるコンプレツサ。２リングギヤの軸とモータ軸との間にピストン
圧縮時のコンロツドに作用する荷重を負荷させる
ようにした特許請求の範囲第１項に記載のコンプ
レツサ。３クランク軸がリングギヤの軸およびモータ軸
に対し横方向に一列に並んで、モータ軸の駆動力
がコンロツドに作用する荷重をキヤンセルするよ
うにした特許請求の範囲第１項に記載のコンプレ
ツサ。