JPS636057Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、複数の折畳みカートン等の板状被収
物を積層状態で収容する輸送用函に関する。

〔従来の技術〕

洗剤等各種の製品を収容する箱は折畳みカート
ンの組み立てによつて製造されるが、第１図に示
すように、その輸送には輸送用函１が使用されて
いる。この輸送用函１はその内部に前記折畳みカ
ートン２をたとえば500枚と多数収容し、かつ輸
送時にはパレツト３上にまんじどもえ状に４個載
置されて運搬されている。そして、内容物充填時
には充填に先立つてカートンの組立が行なわれ
る。この場合、従来は輸送用函を破り、あるいは
蓋を開いた後、作業者が所望枚数の折畳みカート
ンを取り出し、これを充填機のフイーダーマガジ
ンに供給している。フイーダーマガジンへの折畳
みカートンの供給は、フイーダーマガジンに延在
するコンベア上に一度折畳みカートンを林立させ
た状態で並べ、その後、コンベアを駆動させて、
コンベア上の折畳みカートンをフイーダーマガジ
ンに送り込むようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、このような供給方法は作業者が輸送用
函から幾度も折畳みカートンを取り出してコンベ
ア上に運ばなければならないことから作業性が低
い。

したがつて、本考案の目的は各種装置への板状
被収容物の大量高速供給が可能で省力化が図れる
輸送用函を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の輸送用函は、前記問題点を解決するた
めに、複数の板状被収容物を積層状態で収容する
輸送用函において、開口する収容口を板状被収容
物の積層方向に沿う１面全体となし、他の５面を
壁面とした箱状をなすとともに、前記収容口には
板状被収容物の収容状態下で収容口面に沿う方向
に挿脱自在に天井板を貫通して底板に達し、板状
被収容物の脱落を防止する脱落防止板が取り付け
られているものである。

〔実施例〕

以下、実施例により本考案を説明する。

第２図は本考案の一実施例による折畳みカート
ン用の輸送用函を示す斜視図、第３図ａ〜ｃは同
じく、内容物充填機のフイーダーマガジンに折畳
みカートンをを供給する動作を示す説明図であ
る。

この実施例の輸送用函１は、第２図に示すよう
に、１面が開口し、他の５面が壁面を形作る直方
体の箱構造となつている。開口した収容口４から
は、折畳みカートン２が順次積み重ねられて、挿
入収容される。折畳みカートン２はたとえば500
枚と多いことから、収容口４は積層方向、すなわ
ち高さ方向に長くなつている。また、折畳みカー
トン２を支える底板５およびこれに対峙する天井
板６の収容口側の縁部中央にはそれぞれスリツト
７，８が対応して設けられている。そして、これ
らスリツト７，８には帯状の脱落防止板９が挿入
される。脱落防止板９はスリツト８の長さよりも
わずかに狭い幅であり、その長さは輸送用箱１の
底板５の下面から天井板６の上面迄の長さよりも
わずかに長くなつている。また、脱落防止板９の
の天井板６よりも上に突出する部分はスリツト
７，８の長さよりも幅が広くなつて、輸送用函１
を持ち上げた際に、底板５から下方に脱落防止板
９が抜け落ちないようになつている。この幅広部
は幅員方向に沿う溝１０が設けられ把持部１１が
形作られている。したがつて、脱落防止板９の収
容口面に沿う方向のスリツト７，８への挿脱時に
は、この把持部１１を掴んで行なうと便利であ
る。また、脱落防止板９は輸送用函１に挿入装着
された状態では、輸送用函１内に積層収容した多
数の折畳みカートン２の輸送用函１外への脱落を
防止する役割を負うひとから、スリツト７，８の
位置は積層収容された一群の折畳みカートン２の
収容口側縁部から収容口４側にわずかに外れた位
置に設けられている。さらに天井板６は輸送用函
１の周面を形作る３枚の側板１２の上端よりも低
い位置に設けられ、装置状態の脱落防止板９の把
持部１１上端が輸送用函１の上縁から突出しない
ようになつていいる。このような輸送用函１は収
容口４面および天井板上方はそれぞれ紙等のカバ
ー１３，１４によつて塞がれて出荷輸送される。
なお、天井板上方を被うカバー１４は脱落防止板
９の抜けを防止する役割を果している。

つぎに、このような輸送用函１を用いて内容物
充填機のフイーダーマガジンに折畳みカートン２
を供給する作業について説明する。輸送用函１は
一般に第３図ａに示すように、パレツト３上に４
個まんじどもえ状に載置されて内容物充填機のフ
イーダーマガジンに延在するコンベア１５の搬入
端側に運搬されてくる。そこで、コンベア１５の
延長上に位置する折畳みカートン２のカバー１
３，１４を取り外し、収容口４をコンベア面に対
面するようにしてコンベア１５上に輸送用函１を
倒す。その後、第３図ｂで示すように、脱落防止
板９を輸送用函１から抜き取る。この結果、輸送
用函１の前倒しによつて脱落防止板９上に載つた
折畳みカートン２は、脱落防止板９の抜き取りに
よつて直接コンベア１５上に載る。ついで、第３
図ｃで示すように、輸送用函１を上方に持ち上
げ、輸送用函１を折畳みカートン群から抜き取
り、コンベア１５上への折畳みカートン２の供給
作業を終了する。なお、各輸送用函１はコンベア
面に収容口４が対応するように、あらかじめパレ
ツト３上に配列しておく。

なお、本考案は前記実施例に限定されない。た
とえば、脱落防止板は輸送用函に挿入後、ロツク
できる構造としてもよい。また、輸送用函は必ず
しもカバーで塞がなくてもよい。

〔考案の効果〕

本考案の輸送用函は、以上のように構成されて
いるので、輸送用函１をコンベア１５上に前倒し
にした後、脱落防止板９を抜き取り、さらに、輸
送用函１を持ち上げる一連の１回の操作で、１個
の輸送用函１内の総ての折畳みカートン２を内容
物充填機のフイーダーマガジンに延在するコンベ
ア１５上に容易に供給することができ、大量高速
供給が行える。また、このような折畳みカートン
２の供給方法によれば、作業人員は少なくでき
る。また、この輸送用函は自動化も図り易い。

このように、本考案によれば板状被収容物を各
種の装置群に大量高速供給できるとともに、省力
化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の輸送用函を示す斜視図、第２図
は本考案の一実施例による輸送用函を示す一部を
切り欠いた状態の斜視図、第３図ａ〜ｃは同じく
内容物充填機のフイーダーマガジンに折畳みカー
トンを供給する状態を示す説明図である。 １……輸送用函、２……折畳みカートン、３…
…パレツト、４……収容口、９……脱落防止板、
１１……把持部、１５……コンベア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の板状被収容物を積層状態で収容する輸送
   用函において、開口する収容口を板状被収容物の
   積層方向に沿う１面全体となし、他の５面を壁面
   とした箱状をなすとともに、前記収容口には板状
   被収容物の収容状態下で収容口面に沿う方向に挿
   脱自在に天井板を貫通して底板に達し、板状被収
   容物の脱落を防止する脱落防止板が取り付けられ
   ていることを特徴とする輸送用函。